説明

造水発電プラントの制御装置

【課題】造水プラントの運転台数に増減変動があったり、また造水プラントの運転中、何らかの事情でトリップ指令が出される等、ヘッダに集められる造水の流量が過多になろうとも、直ぐ様ヘッダの上流側に設けたム圧力調節弁を開閉させ、復水の圧力を一定に制御する造水発電プラントの制御装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が変動したとき、圧力ヘッダ7内の復水の圧力信号とダンプコンデンサ15の水位信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を圧力調節弁17に与えて弁開閉制御させる演算制御装置8を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造水発電プラントの制御装置に係り、特に、蒸気タービンから供給されたタービン排気を加熱源として造水プラントに供給された海水等を蒸発させて淡水化し、海水を淡水化させたタービン排気を復水にし、復水を一旦圧力ヘッダに集め、圧力ヘッダに集めた復水を脱気器を介装して給水として蒸気発生部に戻す際、圧力ヘッダに集められた復水を常に一定圧力に維持させる造水発電プラントの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水資源の乏しい、例えば砂漠地帯では、飲料水等の生活用水あるいは工業用水や地域の緑化用の用水等の確保を海水に求めている。
【0003】
海水から淡水を得る海水淡水化法には、海水を蒸発させて淡水化させる蒸発法や海水から塩分を除去して淡水化させる逆浸透または電気透析等がある。
【0004】
蒸発は、海水を加熱して水蒸気を生成し、生成した水蒸気を冷却させて淡水化するものである。また、逆浸透は、水を通すものの、塩化を通さない半透膜を用い、海水に浸透圧以上の圧力を加えて海水から淡水を得るものである。また、電気透析は、陽イオンのみを通す陽イオン交換膜と陰イオンのみを通す陰イオン交換膜との間に海水を通し、イオン交換膜に電流を加えて膜を通過する海水のイオンを移動させ脱塩させるものである。
【0005】
これらの海水淡水化法のいずれもが多くの動力を必要とするため、動力源の確保として蒸気タービンを用いることが多い。
【0006】
なお、海水、淡水化にあたり、逆浸透膜を用いた発明には、例えば、特開平10−314734号公報(特許文献1)が、蒸気を用いた発明には、例えば、特開2002−219452号公報(特許文献2)が、また、海水、淡水化の際、動力源として背圧蒸気タービンを用いた発明が、例えば、特開平8−71535号公報(特許文献3)で開示されている。
【特許文献1】特開平10−314734号公報
【特許文献2】特開2002−219452号公報
【特許文献3】特開平8−71535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最近の造水発電プラントでは、動力源として従来のボイラ、背圧タービンに代ってコンバインドサイクルプラントが提案されている。
【0008】
このコンバインドサイクルプラントは、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラと蒸気タービンを組み合せたもので、ガスタービンプラントで膨張仕事を終えたガスタービン排気の排熱(排ガス)を熱源として排熱回収ボイラに送り、ここで蒸気を発生させ、発生した蒸気を蒸気タービンに送って膨張仕事をさせて動力を取り出し、膨張仕事を終えた蒸気タービン排気を熱源として造水プラントに送り、ここで海水等を淡水化させていた。
【0009】
また、コンバインドサイクルプラントは、海水等を淡水化させた蒸気タービン排気をダンプコンデンサで凝縮させて復水にし、この復水を一旦圧力ヘッダに集めた後、脱気器で溶存酸素を脱気させて給水にし、この給水を再び排熱回収ボイラに戻す構成にしている。なお、蒸気タービンは、例えば、抽気背圧タービンが使用されている。
【0010】
このような構成を備えたコンバインドサイクルプラントを組み込んだ造水発電プラントには、幾つかの問題を抱えており、その一つに圧力ヘッダの圧力制御がある。
【0011】
すなわち、コンバインドサイクルプラントを組み込んだ造水発電プラントは、電力の発生と海水等の淡水化との二つの機能を同時に満たさなければならないが、電力の需要供給と淡水の需要供給とが常に変動していてバランスしている訳ではなく、抽気背圧タービンから造水プラントを介してダンプコンデンサに供給される蒸気タービン排気の量も、常に一定値を維持させることができず、過少過多を繰り返していた。特に、淡水の需要が少なく、それに伴って造水プラントの運転台数も少なくなると、バイパスを利用して、抽気背圧タービンから、直接、ダンプコンデンサに蒸気タービン排気が供給されるため、ダンプコンデンサの復水量が過多になっていた。
【0012】
このため、ダンプコンデンサから圧力ヘッダを介して脱気器に供給される復水の圧力も一定圧力に維持させることが難しく、常に変動していた。
【0013】
従来、ダンプコンデンサ等から圧力ヘッダに供給される復水の圧力制御は、圧力ヘッダに圧力調節装置を設け、検出した圧力信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を圧力調節弁に与えて弁開閉制御させていた。
【0014】
この場合、復水の圧力変動が比較的低いとき、圧力調節弁を迅速に開閉させて圧力一定に制御できるものの、圧力が激しく変動すると、タイムラグも手伝って変動指令にすぐさま追従しきれず、高い圧力のまま、復水が脱気器に流れる。
【0015】
復水の圧力が高いまま流れると、脱気器は、加熱脱気の際、器内の水面が揺動し、脱気中の酸素ガスを巻き込み、そのまま排熱回収ボイラに送られ、器内に設置している数多くの熱交換器や蒸気ドラム等を酸化させ、酸化スケールによる事故発生の要因になっていた。
【0016】
特に、最近の傾向は、コストの低減化による設備容量に裕度がなく、造水プラントの運転台数の変動が頻繁に繰り返されると圧力変動がより一層大きくなり、これに伴って酸素ガスの巻き込みも大きくなり、大きな事故につながる虞がある。
【0017】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、造水プラントの運転台数に増減変動があったり、また造水プラントの運転中、何らかの事情でトリップ指令が出される等、ヘッダに集められる造水の流量が過多になろうとも、すぐさま圧力ヘッダの上流側に設けた圧力調節弁を開閉制御させ、復水の圧力を一定に制御する造水発電プラントの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と前記ダンプコンデンサの水位信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0019】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と前記ダンプコンデンサの水位信号を圧力設定信号に演算する関数器とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記圧力調節弁を開閉制御させても前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動しているとき、前記圧力ヘッダと前記脱気器との中間から分岐したスピルオーバ系統に設けたスピルオーバ弁に前記演算した弁開閉信号を与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0020】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させるとともに、この間、前記ダンプコンデンサの水位が高くなったとき、その水位信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、それでも前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動しているとき、その復水の圧力信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力ヘッダと前記脱気器との中間から分岐したスピルオーバ系統に設けたスピルオーバ弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0021】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラント運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と、切替器を介して第1設定器から出力される設定信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ検出信号によって前記切替器を切り替え、前記復水の圧力信号と前記切替器を介して第2設定器から出力される設定信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0022】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラント運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と、設定器からの設定信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を切替器を介して圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ信号によって前記切替器を切り替え、前記圧力ヘッダの復水の圧力信号と前記設定器からの設定信号との偏差に定数を乗じて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記切替器を介して前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0023】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラントの運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、切替器を介して第1設定器からの設定信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ検出信号によって前記切替器を切り替え、前記切替器を介して第2設定器からの設定信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させ、それでも前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動しているとき、前記第2設定器からの設定信号にバイアスを加えた演算信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力ヘッダと前記脱気器との中間から分岐したスピルオーバ系統に設けたスピルオーバ弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0024】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラントの運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、切替器を介して設定器からの設定信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ信号によって前記切替器を切り替え、前記切替器を介して前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号を弁開度信号に演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0025】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラントの運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と設定器からの設定信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を切替器を介して前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ検出信号によって前記切替器を切り替え、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号を定数に演算した定数演算信号に、前記圧力ヘッダの復水の圧力信号と前記設定器の設定信号とから演算した偏差演算信号を掛算させ、その掛算信号を前記切替器を介して演算器で弁開閉信号に演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0026】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項9に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記蒸気タービンから前記ダンプコンデンサに供給されるタービン排気の流量を検出し、検出した流量信号を圧力信号に演算し、演算した圧力信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とから演算した偏差演算信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【0027】
また、本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、上述の目的を達成するために、請求項10に記載したように、ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記蒸気タービンから前記ダンプコンデンサに供給されるタービン排気の圧力を検出し、検出した圧力信号を換算圧力設定信号に演算し、演算した換算圧力設定信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とから演算した偏差演算信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、造水プラントの運転中、圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、検出した圧力ヘッダ内の復水の圧力信号を基に弁開閉信号を演算し、その演算信号を圧力ヘッダの入口側の復水給水系統に設けた圧力調節弁に与えて弁開閉制御させるとともに、運転中、造水プラントの一部または全部にトリップがあったとき、ダンプコンデンサの水位信号と上述圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、その演算信号を上述圧力調節弁に与えて弁開閉制御させ、圧力ヘッダ内の復水の圧力を一定圧に調整する演算制御装置を備えたので、脱気器に安定した脱気運転を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第1実施形態を示す系統ブロック図である。
【0031】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、ガスタービンプラント1に排熱回収ボイラ2、例えば、抽気背圧タービン等の蒸気タービン3、造水プラント4および復水給水系統5で構成するコンバインドサイクルプラント6を備えるとともに、復水給水系統5に設けた圧力ヘッダ7内の復水の圧力を一定に制御する演算制御装置8を備えた構成になっている。
【0032】
ガスタービンプラント1は、発電機9、空気圧縮機10、ガスタービン燃焼器11、ガスタービン12を備え、空気圧縮機10で吸い込んだ空気を圧縮して高圧にし、その高圧空気を燃料とともにガスタービン燃焼器11に供給し、ここで燃焼ガスを生成し、生成した燃焼ガスをガスタービン12に供給して膨張仕事させ、その際に動力(回転トルク)を取り出して発電機9を駆動する。
【0033】
また、ガスタービンプラント1は、ガスタービン12で膨張仕事を終えたガスタービン排気としての排ガス(排熱)を熱源として排熱回収ボイラ2に供給し、復水給水系統5から供給された給水を加熱して蒸気を生成する。生成された蒸気は、蒸気タービン3に供給されて膨張仕事をさせ、その際に発生する動力で発電機14を駆動する。
【0034】
膨張仕事を終えた蒸気タービン排気は、造水プラント4に供給され、ここで海水等と熱交換して淡水化させた後、復水として復水給水系統5の圧力ヘッダ7に供給される。
【0035】
復水給水系統5は、ダンプコンデンサ15、復水ポンプ16、圧力調節弁17、圧力ヘッダ7、脱気器18、圧力ヘッダ7と脱気器18との間から分岐するスピルオーバ系統19に設けたスピルオーバ弁20を備え、造水プラント4のうち、幾つかまたは全部が、例えばトリップしたとき、蒸気タービン3の蒸気タービン排気をダンプコンデンサ15で凝縮して復水にし、この復水を復水ポンプ16、圧力調節弁17を介して圧力ヘッダ7に集め、集めた復水を脱気器18に供給し、ここで蒸気タービン3の抽気系統22からの抽気蒸気を加熱源として復水を加熱脱気させ、復水中に含まれている溶存酸素を脱気して給水にした後、排熱回収ボイラ2に供給する。
【0036】
なお、ダンプコンデンサ15には、ミニマムフロー系統23とメイクアップ系統24を備え、起動時、復水ポンプ16の空廻り運転がないよう対処させている。
【0037】
一方、復水給水系統5に備える演算制御装置8は、水位検出器25で検出したダンプコンデンサ15の水位信号を入力する関数器26、圧力検出器27で検出した圧力ヘッダ7内の復水の圧力信号を入力する比較器28、PID演算器29を備え、水位検出器25で検出したダンプコンデンサ15の水位信号と圧力検出器27で検出した圧力ヘッダ7の圧力信号とに基づいて弁開閉信号PIDを演算し、演算した弁開閉信号で圧力調節弁17を開閉制御させている。
【0038】
次に、本実施形態に係る造水発電プラントの制御装置の作用を説明する。
【0039】
海水等を淡水化させていた造水プラント4がトリップすると、造水プラント4から圧力ヘッダ7に流れていた復水が急激に低下する代わりに、蒸気タービン3からの蒸気タービン排気がダンプコンデンサ15、復水ポンプ16、圧力調節弁17を介して圧力ヘッダ7に供給されるので、器内の復水の圧力が変動する。
【0040】
圧力変動する復水を脱気器18に流すと、脱気中、揺動する水面が酸素を巻き込むので、本実施形態においては、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が一定圧になるよう演算制御する。すなわち、演算制御装置8は、水位検出器25で検出したダンプコンデンサ15の水位信号を関数器26に入力して圧力設定信号を演算する。
【0041】
一方、圧力検出器27で検出した圧力ヘッダ7内の復水の圧力信号を比較器28に入力して上述関数器26からの圧力設定信号と比較させる。比較器28で偏差が出ると、演算制御装置8は、その偏差をPID演算器29でP(比例)、I(積分)、D(微分)の演算を行わせ、弁開閉信号を作り出し、作り出した弁開閉信号を圧力調節弁17に与えて弁開閉制御する。
【0042】
このように、本実施形態は、運転中の造水プラント4の幾つかまたは全部がトリップし、圧力ヘッダ7に集める復水の圧力が変動するとき、圧力ヘッダ7の圧力信号とダンプコンデンサ15の水位信号とに基づいて関数器26で演算される圧力信号を突き合わせて比較演算し、偏差が出たとき、その偏差に基づいて演算した弁開閉信号を圧力調節弁17に与えてダンプコンデンサ15から圧力ヘッダ7に供給される復水の流量を制御するので、圧力ヘッダ7内の復水の圧力変動を抑制し、脱気器18の脱気運転を安定状態にして行わせることができる。
【0043】
図2は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第2実施形態を示す系統ブロック図である。
【0044】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、圧力ヘッダ7の圧力が上昇したとき、圧力ヘッダ7の入口側の復水給水系統5に設けた圧力調節弁17を開閉制御させるとともに、圧力ヘッダ7と脱気器18との中間位置から分岐するスピルオーバ系統19に設けたスピルオーバ弁20を開閉制御させる演算制御装置8aを設けたものである。
【0045】
なお、造水発電プラントの系統は、第1実施形態と同じであるから、図2以後、同一符号を付すだけにとどめ、重複説明を省略する。
【0046】
本実施形態に係る演算制御装置8aは、ダンプコンデンサ15の水位が予め定められた水位αを超えるとともに、水位の上昇率が予め定められた上昇率βを超えたことをAND回路30で検出するようにしている。AND回路30が動作したときは、第1設定器SVの設定信号に替えて、第2設定器SVの設定信号を選択して出力する切替器31を備えている。なお、図2以後の説明において、第2設定器SVの設定信号は、第1設定器SVの設定信号に較べて高くしてある。
【0047】
また、この演算制御装置8aは、圧力ヘッダ7に設けた圧力検出器27から検出した圧力信号と上述切替器31を介して第1設定器SVまたは第2設定器SVからの出力とを突き合わせる比較器28と、この比較器28で突き合わせたときに偏差が出ると、偏差をPID演算器29でPID演算を行って圧力調節弁17とスピルオーバ弁20とをスプリット形式にして開閉制御させるスプリット弁開度関数器32を備えている。
【0048】
このような構成を備える本実施形態は、例えば造水プラント4がトリップし、蒸気タービン3からダンプコンデンサ15を介して圧力ヘッダ7に供給される復水の圧力が何らかの事情で上昇すると、ダンプコンデンサ15の水位が予め定められた水位αを超え、かつ水位上昇率が予め定められた水位上昇率βを超えたことを条件に、切替器31で第1設定器SVの設定信号を、第2設定器SVの設定信号に切り替出力させ、その切り替えた設定信号を比較器28で圧力検出器27からの圧力ヘッダ7の復水圧力信号に突き合わせ、偏差が出ると、その偏差をPID演算器29でPID演算させ、さらに、スプリット弁開度関数器32で弁開度信号を演算させた後、圧力調節弁17を閉弁させ、スピルオーバ弁20を開弁させ、圧力ヘッダ7内の復水の圧力を低下させる。
【0049】
このように、本実施形態は、造水プラントの運転中、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が上昇したとき、ダンプコンデンサ15の水位および水位上昇率に基いて弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17を開閉制御させるとともに、スピルオーバ弁20を開閉制御させる演算制御装置8aを備えたので、圧力ヘッダ7の復水の圧力を一定圧に維持させることができ、脱気器18に安定した脱気運転を行わせることができる。
【0050】
図3は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第3実施形態を示す系統ブロック図である。
【0051】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、造水プラント4の運転中、造水プラント4から供給され、圧力ヘッダ7内に集められた復水の圧力が高くなったとき、圧力ヘッダ7の入口側の復水給水系統5に設けた圧力調節弁17を開閉制御させ、それでも圧力ヘッダ7内の復水の圧力が高いとき、圧力ヘッダ7と脱気器18との中間位置から分岐したスピルオーバ系統19に設けたスピルオーバ弁20を開閉制御させ、この間、蒸気タービン3からダンプコンデンサ15に分流した復水の水位が上昇したとき、圧力ヘッダ7の入口側の復水給水系統5に設けた圧力調節弁17をより一層の弁増開制御させる演算制御装置8bを設けたものである。
【0052】
この演算制御装置8bは、造水プラント4の運転中、造水プラント4から供給され、圧力ヘッダ7内に集められた復水の圧力を検出する圧力検出器27からの圧力信号と第1設定器SVからの設定信号とを突き合わせ、偏差を演算する第1比較器28a、この第1比較器28aからの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出し、切替器31を介して圧力調節弁17に与える第1PID演算器29aを備えている。
【0053】
また、この演算制御装置8bは、造水プラント4の運転中、圧力調節弁17で圧力ヘッダ7内の復水の圧力制御を行っていても、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が予め定められた圧力に調節できない場合、圧力検出器27からの圧力信号と第3設定器(SV+γ)から設定信号とを突き合わせ、偏差を演算する第3比較器28c、この第3比較器28cからの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出してスピルオーバ弁20に与える第3PID演算器29cを備えている。なお、第3設定器(SV+γ)の設定信号は、第1設定器SVの設定信号に較べて高くしてある。
【0054】
また、この演算制御装置8bは、造水プラント4の運転中、スピルオーバ弁20を開閉制御させるとともに、圧力調節弁17を開閉制御させ、圧力ヘッダ7内の復水の圧力を予め定められた圧力に制御している間にダンプコンデンサ15の水位が上昇した場合、ダンプコンデンサ15の水位を検出する水位検出器25からの水位信号と第2設定器SVからの設定信号とを突き合わせ、偏差を演算する第2比較器28b、この第2比較器28bからの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出す第2PID演算器29b、ダンプコンデンサ15の水位が予め定められた水位αを超えたとき、第2PID演算器29bで作り出された弁開閉信号を選択出力して圧力調節弁17に与える切替器31を備えている。
【0055】
このように、本実施形態は、造水プラントの運転中、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が上昇したとき、圧力ヘッダ7の復水の圧力に基づいて弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17を開閉制御させて圧力ヘッダ7内の復水の圧力を予め定められた圧力に調整していても、それでも復水の圧力が高いとき、圧力ヘッダ7内の復水の圧力に基づいて弁開閉信号を演算し、スピルオーバ弁20を開閉制御させて圧力ヘッダ7内の復水の圧力を一定圧に維持させる一方、この間にダンプコンデンサ15の水位が予め定められた水位αを超えたとき、ダンプコンデンサ15の水位に基づいてにして弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17を開閉制御させる演算制御装置8bを備えたので、圧力ヘッダ7の復水の圧力を一定圧に維持させて脱気器18に安定した脱気運転を行わせることができ、ダンプコンデンサ15の水位を安定水位に維持させることができる。
【0056】
図4は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第4実施形態を示す系統ブロック図である。
【0057】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、造水プラント運転中、圧力ヘッダ7の圧力が上昇したとき、その圧力信号と第1設定器SVからの設定信号との偏差で圧力ヘッダ7の入口側の復水給水系統5に設けた圧力調節弁17を開閉制御させる一方、運転中、造水プラント4の一部または全部がトリップしたとき、圧力ヘッダ7の圧力信号と第1設定器SVからの設定信号との偏差を、圧力ヘッダ7の圧力信号と第2設定器SVからの設定信号との偏差に切り替えて圧力調和弁17を開閉制御させる演算制御装置8cを設けたものである。
【0058】
この演算制御装置8cは、造水プラント4の運転中、造水プラント4から供給され、圧力ヘッダ7内に集められた復水の圧力を検出する圧力検出器27からの圧力信号と第1設定器SVから切替器31を介して与えられる設定信号とを突き合わせ、偏差を演算する比較器28、この比較器28からの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出し、圧力調節弁17に与えるPID演算器29を備えている。
【0059】
また、この演算制御装置8cは、運転中、造水プラント4がトリップしたとき、トリップを検出するトリップ検出器33からのトリップ信号で第1設定器SVからの設定信号を、第2設定器SVからの設定信号に切り替えて出力させる切替器31、この切替器31を介して第2設定器SVからの設定信号を上述圧力検出器27からの圧力信号に突き合わせ、偏差を演算する比較器28、この比較器28からの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出し、圧力調節弁17に与えるPID演算器29を備えている。
【0060】
このように、本実施形態は、造水プラント4の運転中、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が上昇したとき、圧力ヘッダ7の圧力に基づいて弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17を開閉制御させて圧力ヘッダ7内の復水を予め定められた圧力に調整しておき、この間、造水プラント4にトリップがあったとき、第2設定器SVからの設定信号と圧力ヘッダ7からの圧力信号との偏差に基づいて演算した演算信号を圧力調節弁17に与えて弁開閉制御させる演算制御装置8cを備えたので、造水プラント4のトリップにより圧力ヘッダ7の復水の圧力が低下しようとも、これを防止して圧力を一定圧に維持させることができ、脱気器18に安定した脱気運転を行わせることができる。
【0061】
図5は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第5実施形態を示す系統ブロック図である。
【0062】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、造水プラント運転中、圧力ヘッダ7の圧力が上昇したとき、圧力ヘッダ7の入口側の復水給水系統5に設けた圧力調節弁17を開閉制御させる一方、運転中、造水プラント4の一部または全部がトリップしたとき、圧力ヘッダ7の圧力信号をトリップ信号に切り替えて圧力調節弁17を開閉制御させる際、そのトリップ信号でより早く圧力調節弁17を追従させる演算制御装置8dを設けたものである。
【0063】
この演算制御装置8dは、造水プラント4の運転中、第4実施形態と同様に、造水プラント4から供給され、圧力ヘッダ7内に集められた復水の圧力を検出する圧力検出器27からの圧力信号と設定器SVからの設定信号とを突き合わせ、偏差を演算する比較器28、この比較器28からの偏差に基づいてPID演算を行い弁開閉信号を作り出し、切替器31を介して圧力調節弁17に与える第1PID演算器29aを備えている。
【0064】
また、この演算制御装置8dは、造水プラントの運転中、比較器28で圧力検出器27からの圧力信号と設定器SVからの設定信号とを突き合わせ、突合せの際に演算された偏差に定数器34からの定数を乗じてPID演算を行う第2PID演算器29b、運転中、造水プラント4がトリップしたとき、トリップ検出器33からのトリップ信号で第1PID演算器29aからの演算信号を、第2PID演算器29bからの演算信号に切り替えて出力させ、その演算信号を圧力調節弁17に与える切替器31を備えている。
【0065】
このように、本実施形態は、圧力検出器27からの実圧力信号と設定器SVからの設定信号とを比較器28で突き合わせて偏差を出力し、その偏差に予め定数器34からの定数を乗じ、定数を乗じた偏差に基づいて第2PID演算器29で弁開閉信号を作り出し、造水プラント4にトリップがあったとき、トリップ検出器33からのトリップ信号により切替器31で第1PID演算器29aからの演算信号を第2PID演算器29bからの演算信号に切り替えて圧力調節弁17に与え、トリップ指令に対し、圧力調節弁17の追従性をより一層早くさせたので、圧力ヘッダ7の圧力を、トリップ指令に対し、時間的遅れがなく常に一定圧に維持させることができ、脱気器18に安定した脱気運転を行わせることができる。
【0066】
図6は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第6実施形態を示す系統ブロック図である。
【0067】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、造水プラント運転中、圧力ヘッダ7の圧力が上昇したとき、その圧力信号と第1設定器SVからの設定信号との偏差で圧力ヘッダ7の入口側の復水給水系統5に設けた圧力調節弁17を開閉制御させる一方、運転中、造水プラント4の一部または全部がトリップしたとき、圧力ヘッダ7の圧力信号と第1設定器SVからの設定信号との偏差を、圧力ヘッダ7の圧力信号と第2設定器SVからの設定信号との偏差に切り替えて圧力調節弁17を開閉制御させるとともに、圧力調節弁17の開閉制御中、それでも圧力ヘッダ7の圧力が高くなっているとき、圧力ヘッダ7の圧力信号と第2設定器SVからの設定信号との偏差にバイアスαを加えてスピルオーバ系統19のスピルオーバ弁20を開閉制御させる演算制御装置8eを設けたものである。
【0068】
この演算制御装置8eは、造水プラント4の運転中、第4実施形態と同様に、造水プラント4から供給され、圧力ヘッダ7内に集められた復水の圧力を検出する圧力検出器27からの圧力信号に第1設定器SVから切替器31を介して与えられる設定信号を突き合わせ、偏差を演算する第1比較器28a、この第1比較器28aからの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出し、圧力調節弁17に与える第1PID演算器29aを備えている。
【0069】
なお、この演算制御装置8eには、造水プラントの運転中、圧力調節弁17を開閉制御させるだけで圧力ヘッダ7の圧力を一定圧に維持させており、スピルオーバ系統19のスピルオーバ弁20を開閉制御させない制御回路が組み込まれている。
【0070】
また、この演算制御装置8eは、運転中、造水プラント4がトリップしたとき、トリップを検出するトリップ検出器33からのトリップ検出信号で第1設定器SVからの設定信号を第2設定器SVからの設定信号に切り替えて通電させる切替器31、この切替器31を介して第2設定器SVからの設定信号を上述圧力検出器27からの圧力信号に突き合わせ、偏差を演算する第1比較器28a、この第1比較器28aからの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出し、圧力調節弁17に与える第1PID演算器29aを備えるとともに、圧力調節弁17の開閉制御中、それでも圧力ヘッダ7の圧力が予め定められた圧力を維持することができないとき、第2設定器SVからの切替器31を介して与えられる設定信号にバイアス器36からのバイアス信号εを加算させる加算器35、この加算器35からの加算信号を上述圧力検出器27からの圧力信号に突き合わせ、偏差を演算第2比較器28b、この第2比較器28bからの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出し、スピルオーバ系統19のスピルオーバ弁20に与える第2PID演算器29bを備えている。
【0071】
このような構成を備える本実施形態に係る演算制御装置8eは、運転中、造水プラント4にトリップがあったとき、第1比較器28aで第2設定器SVから切替器31を介して与えられる設定信号を圧力検出器27からの圧力信号に突き合わせ、偏差が出たとき、その偏差を第1PID演算器29でPID演算を行い、弁開閉信号を作り出して圧力調節弁17に与えられ、この間、ダンプコンデンサ15から圧力ヘッダ7に供給される復水が増量し、圧力ヘッダ7が予め定められた圧力をオーバシュートしようとも、第2設定器SVからの設定信号にバイアスαを加えた弁開閉制御信号を予め先行的に演算しておき、圧力ヘッダ7のオーバシュート圧力のとき、スピルオーバ系統19のスピルオーバ弁20を開閉制御させて圧力ヘッダ7の復水を他の機器に溢出させるので、圧力ヘッダ7の圧力を常に一定圧に維持させることができる。
【0072】
したがって、本実施形態によれば、造水プラント4の運転中あるいは、造水プラント4のトリップ時のいずれの運転でも圧力ヘッダ7の圧力を一定圧に維持させる手段を備えたので、脱気器18に安定した脱気運転を行わせることができる。
【0073】
図7は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第7実施形態を示す系統ブロック図である。
【0074】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、造水プラント運転中、圧力ヘッダ7の圧力が上昇したとき、その圧力信号と設定器SVからの設定信号との偏差に基づいて演算された弁開閉信号で圧力ヘッダ7の入口側の復水給水系統5に設けた圧力調節弁17を開閉制御させる一方、運転中、造水プラント4に一部または全部がトリップしたとき、圧力ヘッダ7の圧力信号と設定器SVからの設定信号との偏差を、上述圧力信号に基づいて演算された関数器37からの弁開度信号に切り替えて圧力調節弁17を開閉制御させる演算制御装置8fを設けたものである。
【0075】
この演算制御装置8fは、造水プラント4の運転中、造水プラント7から供給され、圧力ヘッダ7内に集められた復水の圧力を検出する圧力検出器27からの圧力信号と設定器SVからの設定信号とを突き合わせ偏差を演算する比較器28、この比較器28からの偏差に基づいてPID演算を行い、弁開閉信号を作り出し、切替器31を介して圧力調節弁17に与えるPID演算器29を備えている。
【0076】
また、この演算制御装置8fは、運転中、造水プラント4がトリップしたとき、トリップを検出するトリップ検出器33からのトリップ検出信号で、上述圧力検出器27からの圧力信号と設定器SVからの設定信号との偏差を、圧力検出器27からの圧力信号に基づく関数器37から出力する弁開閉信号に切り替えて圧力調節弁17に与える切替器31を備えている。
【0077】
このように、本実施形態は、造水プラント4の運転中、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が上昇したとき、圧力ヘッダ7の圧力に基づいて弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17を開閉制御させて圧力ヘッダ7内の復水を予め定められた圧力に調整しておき、この間、造水プラント4にトリップがあったとき、関数器37からの弁開度信号を圧力調節弁17に与えて弁下開閉制御させる演算制御装置8fを備えたので、造水プラント4のトリップにより圧力ヘッダ7の復水の圧力が低下しようとも、これを防止して圧力を一定圧に維持させることができ、脱気器18に安定した脱気運転を行わせることができる。
【0078】
図8は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第8実施形態を示す系統ブロック図である。
【0079】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、造水プラント運転中、圧力ヘッダ7の圧力が上昇したとき、その圧力信号と設定器SVからの設定信号との偏差に基づいて演算された弁開閉信号で圧力ヘッダ7の入口側の復水給水系統5に設けた圧力調節弁17を開閉制御させる一方、運転中、造水プラント4に一部または全部がトリップしたとき、上述圧力ヘッダ7の圧力信号と設定器SVからの設定信号との偏差を圧力ヘッダ7の圧力信号に基づいて出力する定数に上述偏差を掛算する掛算信号に切り替えて圧力調節弁17を開閉制御させる演算制御装置8gを設けたものである。
【0080】
この演算制御装置8gは、造水プラント4の運転中、造水プラントから供給され、圧力ヘッダ7内に集められた復水の圧力を検出する圧力検出器27からの圧力信号と設定器SVからの設定信号とを突き合わせ偏差を演算する比較器28、この比較器28からの偏差と、後述する掛算器39からの掛算器とを入力し、いずれかを出力する切替器31と、この切替器31の出力を入力してPID演算し、演算結果を圧力調節弁17に与えるPID演算器29を備えている。
【0081】
切替器31は、運転中、造水プラント4がトリップしたとき、トリップを検出するトリップ検出器33からのトリップ検出信号で、上述圧力検出器27からの圧力信号と設定器SVからの設定信号との偏差を掛算信号に切り替えを出力する機能を備えている。
【0082】
この掛算信号は、圧力ヘッダ7の圧力検出器27からの圧力信号に基づいて定数を演算する関数器38と、この関数器38から出力される定数に、上述比較器28から出力される偏差とを掛算させる掛算器39とから作り出されている。なお、関数器38は、圧力ヘッダ7の圧力検出器27からの圧力信号の変動に対応する定数を演算するようになっている。
【0083】
このように、本実施形態は、造水プラントの運転中、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が上昇したとき、圧力ヘッダ7の圧力に基づいて弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17を開閉制御させて圧力ヘッダ7内の復水を予め定められた圧力に調整するとともに、その一方で、造水プラント4にトリップがあったとき、トリップ検出器33からのトリップ検出信号で切替器31を切り替え、圧力ヘッダ7内の復水の圧力変動に対応する定数を演算する関数器38からの出力に、上述圧力ヘッダ7の圧力信号と設定器SVからの設定信号との偏差を掛算器39で掛算させて掛算信号を作り出し、作り出した掛算信号を通電させ、その掛算信号をPID演算し、弁開閉信号を作り出し、圧力調節弁17に与え、造水プラント4のトリップ後の圧力調節弁17の圧力変動追従性をより一層早くさせたので、圧力ヘッダ7内の圧力を、トリップ後でも常に一定圧に維持させることができ、脱気器18に安定した脱気運転を行わせることができる。
【0084】
図9は、本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第9実施形態を示す系統ブロック図である。
【0085】
本発明に係る造水発電プラントの制御装置は、造水プラント運転中、圧力ヘッダ7の圧力が上昇したとき、蒸気タービン3からダンプコンデンサ15に流れる復水の流量を検出し、検出した流量信号を圧力信号に演算し、その演算信号に圧力ヘッダ7からの圧力信号を突き合わせて偏差を演算し、その偏差に基づいて演算された弁開閉信号を圧力調節弁17に与えて開閉制御させる演算制御装置8hを設けたものである。
【0086】
この演算制御装置8hは、造水プラント4の運転中、またはトリップ時、蒸気タービン3からダンプコンデンサ15に供給される復水の流量を検出する流量検出器40からの流量信号に基づいて圧力信号に演算する関数器41、この関数器41からの演算信号を、圧力ヘッダ7内の復水の圧力を検出する圧力検出器27からの圧力信号と突き合わせて偏差を演算する比較器28、この比較器28からの演算信号を基にPID演算を行い、弁開閉信号を作り出して圧力調節弁17に与えるPID演算器29を備えている。
【0087】
このように、本実施形態は、造水プラント4の運転中、またはトリップ時、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が上昇したとき、蒸気タービン3からダンプコンデンサ15に供給される復水の流量と圧力ヘッダ7の圧力とから弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17に与えて弁開閉制御させる演算制御装置8hを備えたので、圧力ヘッダ7の復水の圧力が低下しようとも、これを防止して一定圧に維持させることができ、脱気器18に安定した脱気運転を行わせることができる。
【0088】
なお、本実施形態は、圧力ヘッダ7内の復水の圧力が上昇したとき、蒸気タービン3からダンプコンデンサ15に供給される復水の流量を検出し、検出した流量信号に基づいて弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17に与えて弁開閉制御させたが、この例に限らず、例えば、図10に示すように、蒸気タービン3からダンプコンデンサ15に供給される復水の圧力を復水圧力検出器42で検出し、検出した復水圧力信号と圧力ヘッダ7側の圧力検出器27の出力信号との偏差に基づいて弁開閉信号を演算し、圧力調節弁17に与えて弁開閉制御させる演算制御装置8iにしてもよい。この場合、符号43で示す関数器は、検出した復水圧力信号を圧力ヘッダ7内の換算設定圧力に演算させる構成にしている。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第1実施形態を示す系統ブロック図。
【図2】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第2実施形態を示す系統ブロック図。
【図3】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第3実施形態を示す系統ブロック図。
【図4】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第4実施形態を示す系統ブロック図。
【図5】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第5実施形態を示す系統ブロック図。
【図6】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第6実施形態を示す系統ブロック図。
【図7】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第7実施形態を示す系統ブロック図。
【図8】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第8実施形態を示す系統ブロック図。
【図9】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第9実施形態を示す系統ブロック図。
【図10】本発明に係る造水発電プラントの制御装置の第10実施形態を示す系統ブロック図。
【符号の説明】
【0090】
1 ガスタービンプラント
2 排熱回収ボイラ
3 蒸気タービン
4 造水プラント
5 復水給水系統
6 コンバインドサイクルプラント
7 圧力ヘッダ
8,8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g,8h,8i 演算制御装置
9 発電機
10 空気圧縮機
11 ガスタービン燃焼器
12 ガスタービン
14 発電機
15 ダンプコンデンサ
16 復水ポンプ
17 圧力調節弁
18 脱気器
19 スピルオーバ系統
20 スピルオーバ弁
22 抽気系統
23 ミニマムフロー系統
24 メイクアップ系統
25 水位検出器
26 関数器
27 圧力検出器
28 比較器
28a 第1比較器
28b 第2比較器
28c 第3比較器
29 PID演算器
29a 第1PID演算器
29b 第2PID演算器
29c 第3PID演算器
30 AND回路
31 切替器
32 スプリット弁開度関数器
33 トリップ検出器
34 定数器
35 加算器
36 バイアス器
37 関数器
38 関数器
39 掛算器
40 流量検出器
41 関数器
42 復水圧力検出器
43 関数器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と前記ダンプコンデンサの水位信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項2】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と前記ダンプコンデンサの水位信号を圧力設定信号に演算する関数器とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記圧力調節弁を開閉制御させても前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動しているとき、前記圧力ヘッダと前記脱気器との中間から分岐したスピルオーバ系統に設けたスピルオーバ弁に前記演算した弁開閉信号を与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項3】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させるとともに、この間、前記ダンプコンデンサの水位が高くなったとき、その水位信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、それでも前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動しているとき、その復水の圧力信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力ヘッダと前記脱気器との中間から分岐したスピルオーバ系統に設けたスピルオーバ弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項4】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラント運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と、切替器を介して第1設定器から出力される設定信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ検出信号によって前記切替器を切り替え、前記復水の圧力信号と前記切替器を介して第2設定器から出力される設定信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項5】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラント運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と、設定器からの設定信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を切替器を介して圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ信号によって前記切替器を切り替え、前記圧力ヘッダの復水の圧力信号と前記設定器からの設定信号との偏差に定数を乗じて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記切替器を介して前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項6】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラントの運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、切替器を介して第1設定器からの設定信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ検出信号によって前記切替器を切り替え、前記切替器を介して第2設定器からの設定信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させ、それでも前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動しているとき、前記第2設定器からの設定信号にバイアスを加えた演算信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力ヘッダと前記脱気器との中間から分岐したスピルオーバ系統に設けたスピルオーバ弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項7】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラントの運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、切替器を介して設定器からの設定信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ信号によって前記切替器を切り替え、前記切替器を介して前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号を弁開度信号に演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項8】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記造水プラントの運転中、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号と設定器からの設定信号とに基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を切替器を介して前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる一方、前記造水プラントの運転中にトリップがあったとき、そのトリップ検出信号によって前記切替器を切り替え、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号を定数に演算した定数演算信号に、前記圧力ヘッダの復水の圧力信号と前記設定器の設定信号とから演算した偏差演算信号を掛算させ、その掛算信号を前記切替器を介して演算器で弁開閉信号に演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項9】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記蒸気タービンから前記ダンプコンデンサに供給されるタービン排気の流量を検出し、検出した流量信号を圧力信号に演算し、演算した圧力信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とから演算した偏差演算信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。
【請求項10】
ガスタービンプラントに排熱回収ボイラ、蒸気タービン、造水プラント、復水給水系統を組み合わせる一方、前記復水給水系統をダンプコンデンサ、圧力調節弁、圧力ヘッダ、脱気器で構成し、前記蒸気タービンのタービン排気の一部を前記造水プラントを介して前記圧力ヘッダに供給するとともに、タービン排気の残りを前記ダンプコンデンサ、圧力調節弁を介して前記圧力ヘッダに供給し、ここで集められた復水を前記脱気器で脱気させて前記排熱回収ボイラに戻す造水発電プラントにおいて、前記圧力ヘッダ内の復水の圧力が変動したとき、前記蒸気タービンから前記ダンプコンデンサに供給されるタービン排気の圧力を検出し、検出した圧力信号を換算圧力設定信号に演算し、演算した換算圧力設定信号と前記圧力ヘッダ内の復水の圧力信号とから演算した偏差演算信号に基づいて弁開閉信号を演算し、演算した弁開閉信号を前記圧力調節弁に与えて弁開閉制御させる演算制御装置を備えたことを特徴とする造水発電プラントの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−152888(P2006−152888A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343125(P2004−343125)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】