説明

連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システム

【課題】 計量機の排出口から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給する。
【解決手段】 本発明の連係装置30は、n個のホッパ33からなる複数のホッパ群と、ホッパ群へ被計量物が供給される第1の区間(Fs)と、下方において袋P3が連続的に搬送されている第2の区間(Fd)とを有する周回経路上を、各ホッパ群を搬送する複数のアーム31,32とを備える。各々のアーム31,32は、各々のホッパ群を所定の順番に第1の区間から第2の区間へ繰り返し搬送し、第2の区間の下方に順次搬送されてくるn個ずつの袋の上方に、第2の区間へ順番に搬送されてくるn個のホッパが位置するようホッパ群を搬送するとともに、第2の区間において、各ホッパが各袋の上方に位置するようにしてホッパ群を搬送し、第1の区間においてホッパ群の搬送を停止する。ホッパ群は、第2の区間を搬送されているときに被計量物を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ秤等の計量機と、袋を連続的に搬送しながら包装する包装機とを連結するための連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1列に並んで連続的に搬送される袋へ、体積が一定量の被包装物を充填し、包装品を製造する計量包装システムがある(例えば、特許文献1参照)。このような従来の計量包装システムの一例を図8に示す。図8(a)は、従来の計量包装システムの側面図であり、図8(b)は同計量包装システムの要部を示す平面図である。
【0003】
この計量包装システムには、包装機20と、被包装物として粉剤を供給する粉剤供給装置50とを備えている。包装機20では、フィルムロール(図示せず)から長尺フィルムPが巻き戻されて、いくつかのローラを介して連続的に水平に搬送しながら、フィルムガイド21を通して、折り線が下になるように樋状に折り曲げられる。この二つ折りのフィルムP1の間に、投入ファネル23の下端部が順次入れられる。次いで、シーリングバー22(固定加熱バー22a、傾動レバー22b)が順次、二つ折りのフィルムを両側から挟持することにより、固定加熱バー22aの加熱面で、フィルムの幅方向に狭幅の熱シールがなされてサイドシール部P2が一定間隔で形成される。このサイドシール部P2で区切られた多数の袋P3がフィルムの長手方向に連続して形成される。袋P3はその上縁部の開口に投入ファネル23の下端部が挿入されたまま連続的に搬送される。
【0004】
そして、直上の粉剤供給装置50から、分量枡54の開口部を通じて粉剤が定量切り出され、投入ファネル23を介して各袋P3に充填される。粉剤供給装置50は、粉剤を入れておくホッパ51と、ホッパ51の下端開口から粉剤を受け入れ平たい底板53を有する回転容器52と、底板53の周縁に下方に向けて貫通した定容積の複数の筒状の分量枡54と、底板53上に固定されて分量枡54の上端開口面に近接して分量枡54に粉剤をすり切り充填するすり切り板(図示せず)と、各分量枡54の下端開口面を開閉するシャッター55とを有している。
【0005】
粉剤供給装置50から各袋P3内に粉剤が充填されたフィルムは、連続的に搬送されながら、折り返しローラ24を経て上縁シーリング装置25により、連続的に袋P3の上縁部が熱シールされて、上縁シール部P4が形成され、袋内が密封にされる。さらに、フィルムは、搬送されながら、切断装置26によりサイドシール部P2にミシン目が入れられ又はカットされて、各袋P3が随時切り離されて包装品が製造される。
【特許文献1】特開2004−99136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の計量包装システムでは、包装機20において投入ファネル23の下端部が挿入された袋P3が高速で連続的に搬送されるとともに、粉剤供給装置50の回転容器52が連続回転することにより、袋充填区間IVにおいて、袋P3へ粉剤を供給する分量枡54と、袋P3に挿入されている投入ファネル23とが上下に重なった状態で移動するため、その移動中に分量枡54から投入ファネル23を介して高速搬送される袋P3へ粉剤を供給することができる。
【0007】
しかしながら、被計量物の重量が所定重量範囲内になるように計量して排出する組合せ秤等の計量機では、その被計量物の排出口の位置が固定されているため、上記のように袋を高速で連続的に搬送する包装機20に対して被計量物を供給することが困難である。なお、上記の包装機20では、袋が円弧を描いて連続的に搬送されるように構成されているが、袋が直線状に高速で連続的に搬送されるように構成されている包装機の場合も同様に、上記計量機から被計量物を供給することは困難である。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することができる連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の連係装置は、それぞれ、供給される被計量物を一時保持して排出するn個(nは複数)のホッパからなる複数のホッパ群と、それぞれ、各々の前記ホッパ群に対応して設けられ、周回経路の一部の区間であって前記ホッパ群のn個の前記ホッパへ被計量物が供給される第1の区間と、前記周回経路の他の一部の区間であって下方において前記周回経路に沿った方向に1列に並んだ袋が連続的に搬送されている第2の区間とを有する前記周回経路上を、前記ホッパ群の各ホッパが前記周回経路に沿った方向に1列に並んだ状態にて前記ホッパ群を搬送する複数の搬送手段とを備え、各々の前記搬送手段は、各々の前記ホッパ群を所定の順番に前記第1の区間から前記第2の区間へ繰り返し搬送するとともに、前記第2の区間の下方に順次搬送されてくるn個ずつの前記袋の上方に、前記第2の区間へ順番に搬送されてくる前記ホッパ群のn個の前記ホッパが位置するように、それぞれ対応する前記ホッパ群を搬送するように構成されるとともに、前記第2の区間において、前記ホッパ群のn個の各々の前記ホッパがn個の各々の前記袋の上方に位置するようにして前記ホッパ群を搬送するとともに、前記第1の区間において前記ホッパ群の搬送を停止するか、または前記第2の区間よりも遅い速度で前記ホッパ群を搬送するように構成され、前記ホッパ群は、前記第2の区間を搬送されているときに、n個の各々の前記ホッパからそれぞれの下方に位置するn個の各々の前記袋へ被計量物を排出するように構成されている。
【0010】
この構成によれば、周回経路上を搬送されるn個のホッパからなるホッパ群が複数設けられ、第1の区間においてホッパ群は停止状態か、遅い速度で搬送されるため、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物をホッパ群の各々のホッパへ供給することができる。そして、第2の区間において、ホッパ群の各々のホッパが、連続して並んだn個の袋の各々の上方に位置するようにしてホッパ群を搬送しながら、各々のホッパから被計量物を排出することにより、各々の袋へ被計量物を供給することができる。したがって、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することが可能になる。
【0011】
また、前記ホッパ群及び前記搬送手段が3組以上設けられてあってもよい。
【0012】
このように、ホッパ群及び搬送手段を3組以上設けることにより、第1の区間において被計量物が供給されているホッパ群と、第2の区間において袋へ被計量物を供給しているホッパ群との他に、第1の区間から第2の区間への搬送途中であり被計量物を保持しているホッパ群を存在させることができる。そのため、第1の区間においてホッパ群への被計量物の供給が遅れたとしても、第1の区間から第2の区間への搬送途中のホッパ群が次に第2の区間へ搬送されて袋へ被計量物を供給することにより、袋への被計量物の供給が遅れることを回避できる。また、これにより第1の区間から第2の区間への搬送途中のホッパ群の数が減少しても、第1の区間のホッパ群へ被計量物を供給する計量機の能力に余裕がある場合には、計量機の被計量物の排出サイクルを短縮するとともに第1の区間及び第2の区間以外の周回経路上のホッパ群の搬送速度を速くすることにより、第1の区間から第2の区間への搬送途中のホッパ群の数を増やすことができる。
【0013】
また、前記ホッパ群のn個のホッパは、前記搬送手段に前記周回経路に沿った方向に前記袋の配置ピッチと等しいピッチで搭載されていることが好ましい。
【0014】
また、前記搬送手段は、前記第2の区間において前記袋の搬送速度と等しい速度で前記ホッパ群を搬送するように構成されてあってもよい。
【0015】
本発明の計量装置は、上記本発明の連係装置と、前記連係装置の前記第1の区間の上方に配設されたn個の排出口を有し、各々の前記排出口から計量済みの被計量物を排出することにより、前記連係装置の前記第1の区間へ順番に搬送されてくる前記ホッパ群の各々の前記ホッパへ被計量物を供給する計量機とを備えている。
【0016】
この構成によれば、本発明の連係装置を備えることにより、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することが可能になる。
【0017】
また、前記計量機は、被計量物を複数のグループに分けて計量し、計量された前記グループの合計重量が所定重量範囲内となる組合せをn組求め、n組の各々の前記組合せに選ばれたグループの被計量物をn個の各々の前記排出口から排出するように構成されてあってもよい。
【0018】
本発明の包装装置は、上記本発明の連係装置と、前記連係装置の前記第2の区間の下方において1列に並んだ袋を連続的に搬送する包装機とを備えている。
【0019】
この構成によれば、本発明の連係装置を備えることにより、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することが可能になる。
【0020】
本発明の計量包装システムは、上記本発明の連係装置と、前記連係装置の前記第1の区間の上方に配設されたn個の排出口を有し、各々の前記排出口から計量済みの被計量物を排出することにより、前記連係装置の前記第1の区間へ順番に搬送されてくる前記ホッパ群の各々の前記ホッパへ被計量物を供給する計量機と、前記連係装置の前記第2の区間の下方において1列に並んだ袋を連続的に搬送する包装機とを備えている。
【0021】
この構成によれば、本発明の連係装置を備えることにより、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することが可能になる。
【0022】
また、前記包装機は、前記連係装置の前記第2の区間の下方において各々の前記袋に挿入された状態で搬送され、前記連係装置の前記ホッパから排出される被計量物を前記袋内へ導くための複数のファネルを有する構成であってもよい。
【0023】
これにより、ホッパから排出される被計量物がファネルを介して袋へ供給され、被計量物が袋へ入りやすくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、以上に説明した構成を有し、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することができる連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システムを提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1(a)は、本発明の実施の形態の連係装置を用いた計量包装システムの要部の概略構成を示す側面図であり、図1(b)は、同計量包装システムの要部を模式的に示した平面図である。
【0027】
本実施の形態の計量包装システムは、例えば組合せ秤からなる計量機10と、包装機20と、連係装置30とを備えている。
【0028】
連係装置30には、それぞれ独立して駆動されるアーム31,32を有し、それぞれのアーム31,32の先端部には、供給される被計量物を一時保持して排出できる2つのホッパ33が取り付けられている。アーム31,32の回転によって貯留区間Fsに位置した2つのホッパ33に、計量機10の排出口10a、10bから被計量物が供給される。各ホッパ33には、供給された被計量物を下方へ排出するための排出ゲート(以下、単に「ゲート」という)が設けられている。このゲートは、例えば後述する組合せ秤の供給ホッパ等に使用されている周知のゲートと同様のものである。
【0029】
計量機10は、2個の排出口10a、10bを有する。この排出口10a、10bの各々から重量が所定重量範囲内の被計量物(例えば砂糖などの粉粒体等)を排出する。この排出口10a、10bは、貯留区間Fsに位置する2つのホッパ33の上方に配置されている。2つのホッパ33が貯留区間Fsにあるとき、すなわち貯留区間Fsで停止しているときに、2個の排出口10a、10bから同時に被計量物を排出し、2つのホッパ33へ被計量物を供給する。
【0030】
包装機20は、従来例と同様の構成であり、複数のシーリングバー22(固定加熱バー22a、傾動レバー22b)が開閉しながら周回するとともに、複数の投入ファネル23が昇降及び内外方向へ振られながら周回するように構成されている。
【0031】
この包装機20では、図1に示すように、回転筒体29が、固定された円筒基台28の回りに回転可能に支持されており、回転駆動される。
【0032】
シーリングバー22は、回転筒体29の上端に固定されたリング状板29Aに、所定ピッチでフィルムP1のサイドシール部P2を形成するように複数個取り付けられ、回転筒体29の回転に伴い、回転筒体29の周囲を周回する。シーリングバー22は、その周回中において、傾動シールバー22bが閉じられると、フィルムP1を固定加熱バー22aと傾動シールバー22bとの間で挟持して、固定加熱バー22aの加熱面でフィルムの幅方向に狭幅の熱シールをしてサイドシール部P2を形成する。また、傾動シールバー22bが開くと、フィルムP1は、固定加熱バー22aから離れることができる。
【0033】
各投入ファネル23は、昇降軸27の上端部に固定したアームを介して固定されている。各昇降軸27は、回転筒体29の上端のリング状板29Aに所定ピッチで設けられた貫通孔に挿入され、回転筒体29の回転に伴い、回転筒体29の周囲を周回する。また、昇降軸27は、周回しながら昇降するように構成されるとともに、回動可能に構成されている。これにより、投入ファネル23はそれが取り付けられている昇降軸27とともに周回し、昇降軸27が昇降することにより投入ファネル23も昇降し、昇降軸27が回動することにより、投入ファネル23が外側あるいは内側方向へ振られることになる。
【0034】
また、包装機20には、包装機制御部20Aが備えられている。この包装機制御部20Aは、例えばマイクロコンピュータにより構成され、包装機20の全体の動作の制御を行う。
【0035】
この包装機20では、フィルムロール(図示せず)から長尺フィルムPを巻き戻して、いくつかのローラを介して連続的に水平に搬送しながら、フィルムガイド21(図8参照)を通して、折り線が下になるように樋状に折り曲げて、二つ折りのフィルムP1を形成する。一方、投入ファネル23は周回しながら、区間IIIにおいて、投入ファネル23が上昇し、さらに投入ファネル23が外側方向へ振られる。その後、区間Iにおいて、投入ファネル23が下降しながら内側方向へ振られることにより、投入ファネル23は順次、その下端部が、上記の二つ折りのフィルムP1の間に入れられてフィルムP1と同方向へ進む。
【0036】
次に、区間IIにおいては、投入ファネル23が下降した状態が維持され、傾動シールバー22bを順次閉じる。これにより、シーリングバー22が順次、二つ折りのフィルムP1を両側から挟持して、サイドシール部P2が一定間隔で形成され、サイドシール部P2で区切られ上縁部が開口された多数の袋P3がフィルムの長手方向に連続して形成される。これらの袋P3の上縁部の開口には投入ファネル23の下端部が挿入されている。
【0037】
この投入ファネル23が下降している区間II内において、投入ファネル23の真上に連係装置30のホッパ33が位置する間(袋充填区間Fd)に、ホッパ33のゲートを開くことにより、計量機10から排出されホッパ33に貯留されている被計量物が投入ファネル23を通過して袋P3へ充填される。
【0038】
袋充填区間Fdにおいて各袋P3内に被包装物(ここでは計量機10から排出される被計量物)が充填されたフィルムは、連続的に搬送されながら、区間IIIにおいて、投入ファネル23が上昇し、傾動シールバー22bが開いて、フィルムは、固定加熱バー22aから離れる。そして、折り返しローラ24を経て、さらに図8に示されるように、上縁シーリング装置25により、連続的に袋P3の上縁部が熱シールされて、上縁シール部P4が形成され、袋内が密封にされる。さらに、フィルムは、搬送されながら、切断装置26によりサイドシール部P2にミシン目が入れられ又はカットされて、各袋P3が随時切り離されて包装品が製造される。
【0039】
連係装置30は、包装機20の円筒基台28の上端に取り付けられた横板28A上に固定され、それぞれ一端部を回転中心として回転する複数のアーム31,32と、それぞれのアーム31,32の他端部に複数取り付けられているホッパ33と、アーム31,32を回転させるための駆動部34とを備えている。ここでは、2つのアーム31,32が備えられ、それぞれのアーム31,32には2つずつのホッパ33がねじ止めあるいは溶接等によって固定されている。また、各ホッパ33には、それぞれ計量機10から供給された内部の被計量物を排出するためのゲートが設けられている。
【0040】
図2は、駆動部34の内部構成の一例を示す図である。一方のアーム32は、回転軸83に取り付けられており、回転軸81は、2つの軸受82,83によってその軸回りに回動自在に保持され、歯車84が取り付けられている。この歯車84は歯車85を介してモータ86に連結され、モータ86が回転することにより回転軸81が回転し、アーム32が回転する。他方のアーム31は、内部に回転軸81が挿入された回転筒体71に取り付けられており、回転筒体71は、2つの軸受72,73によって回転軸81の回りに回動自在に保持され、歯車74が取り付けられている。この歯車74は歯車75を介してモータ76に連結され、モータ76が回転することにより回転筒体71が回転し、アーム31が回転する。なお、軸受82,83及び軸受72,73はそれぞれ図示されない部材によって固定されている。また、それぞれのアーム31、32の回転速度を加減速制御するためにモータ76,86には例えばサーボモータを用いる。
【0041】
また、アーム31に取り付けられた2つのホッパ33と、アーム32に取り付けられた2つのホッパ33とは、それぞれアーム31、32が回転することにより、同一円周上を周回するように取り付けられている。
【0042】
ここで、図1(b)に示されるように、袋充填区間Fdにおいて、ホッパ33の周回経路が投入ファネル23の搬送経路と重なるように構成されている。したがって、袋充填区間Fdにおいて投入ファネル23の搬送経路上をホッパ33が通過する。アーム31、32のそれぞれに取り付けられた2つのホッパ33の配置ピッチは、袋充填区間Fdを通過しているときの投入ファネル23の配置ピッチ(=袋P3の配置ピッチ)と等しいように構成されている。
【0043】
アーム31、32は、それぞれ、図1(b)中の矢印の方向へ回転し、袋充填区間Fdにおいては、ホッパ33が投入ファネル23の直上に位置した状態を維持しながらホッパ33が搬送されるように回転する。この場合、ホッパ33の搬送速度が投入ファネル23の搬送速度(=袋P3の搬送速度)と等しくなるように、あるいは略等しくなるように回転する。また、貯留区間Fsにおいては、それぞれのアーム31、32の回転を止めてホッパ33を停止させる。ホッパ33を貯留区間Fsから袋充填区間Fdへ搬送するときと、袋充填区間Fdから貯留区間Fsへ搬送するときには、袋充填区間Fdにおけるホッパ33の搬送速度よりも高速で搬送するようにそれぞれのアーム31、32を回転させる。このように、それぞれのアーム31,32が動作するように、モータ76,86の回転速度が制御される。
【0044】
連係装置30の駆動部34には、その動作を制御する制御回路(これを、制御回路Aとする)が内蔵されている。制御回路Aは、ここではアーム31,32を駆動するためのモータ76,86の制御回路とホッパ33のゲートの開閉動作を制御する制御回路とで構成される。
【0045】
計量機10の制御部11は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、計量機10全体の動作を制御するとともに、制御回路Aを介して連係装置30の動作をも制御するように構成されている。
【0046】
この制御部11には、計量機の入力手段(図示せず)を介して動作速度(運転速度:例えば、1分間に生産する袋数=1分間における1袋分の被計量物の排出回数)が設定され、その設定された動作速度に応じて計量機10及び連係装置30が動作するように制御する。
【0047】
また、制御部11では、計量機10で繰り返し行われる動作中の所定のタイミング、例えば、被計量物の排出準備ができたとき、あるいは被計量物を排出するときに、包装機制御部20Aへ所定の信号(以下、「計量動作信号」という)を出力する。これにより、正常な動作が行われているときには動作速度に応じた動作サイクル(周期:TM)で包装機制御部20Aへ計量動作信号が出力される。
【0048】
また、包装機制御部20Aには、包装機の入力手段(図示せず)を介して動作速度(運転速度:例えば、1分間に生産する袋数)が設定され、その設定された動作速度に応じて包装機20が動作するように制御する。区間II内を搬送される投入ファネル23は、袋P3とともに動作速度に応じた所定の速度で搬送される。
【0049】
また、包装機制御部20Aでは、包装機20で繰り返し行われる動作中の所定のタイミング、例えば、傾動シールバー22bが順次閉じられるときに、計量機の制御部11へ所定の信号(以下、「包装動作信号」という)を出力する。これにより、正常な動作が行われているときには動作速度に応じた動作サイクル(周期:Tp)で計量機の制御部11へ包装動作信号が出力される。
【0050】
計量機10の制御部11及び包装機制御部20Aに、同じ動作速度(運転速度)が設定された場合、計量機10では、1回の動作サイクルで2袋分の被計量物の排出が行われるので、計量機10の動作サイクル(TM)は包装機20の動作サイクル(Tp)の2倍の周期になる。逆に、包装機20の動作サイクル(Tp)は計量機10の動作サイクル(TM)の1/2の周期になる。
【0051】
包装機制御部20Aでは、包装機20の動作サイクル(Tp)の2倍の時間ごとに、計量機10から計量動作信号が入力されることを確認して包装機20の動作を継続させ、計量動作信号の入力が遅れたときには、入力されるまで包装機20の動作を一時停止(待機)させる。
【0052】
また、計量機10の制御部11では、計量機10の動作サイクル(TM)の1/2の時間ごとに、包装機20から包装動作信号が入力されることを確認して計量機10及び連係装置30の動作を継続させ、包装動作信号の入力が遅れたときには、入力されるまで計量機10及び連係装置30の動作を一時停止(待機)させる。
【0053】
また、連係装置30及び包装機20には、運転開始位置及び運転停止位置が予め設定されており、例えば図1(b)に示された状態、すなわち、袋充填区間Fdにおいて、ホッパ33の直下に投入ファネル23が位置する状態となるように、運転開始位置及び運転停止位置が設定されている。また、この計量包装システムの運転時には、計量機10の制御部11及び包装機制御部20Aには同じ動作速度(運転速度)が設定される。
【0054】
この設定により、包装機20においては、投入ファネル23及び袋P3が設定された動作速度に応じた一定速度で搬送される。また、連係装置30においては、袋充填区間Fdにおいて、2つのホッパ33が投入ファネル23の直上に位置する状態を維持しながら搬送されるとともに、2つのホッパ33のゲートが開かれる。袋充填区間Fd以外ではホッパ33のゲートは閉じられている。なお、2つのホッパ33のゲートは、その2つのホッパ33が貯留区間Fsから袋充填区間Fdに到達するまでの間、閉じられていればよい。2つのホッパ33は、袋充填区間Fdから貯留区間Fsへ搬送されるとき、及び貯留区間Fsから袋充填区間Fdへ搬送されるときには、袋充填区間Fdでの搬送速度よりも高速で搬送される。
【0055】
図3は、計量機10及び連係装置30の動作の一例を示すタイミングチャートである。ここで、包装機20では、一定の動作サイクル(Tp:1袋分の製造時間)で動作が行われているものとする。また、計量機10は、一定の動作サイクル(TM)で被計量物の排出が行われているとすると、計量機10の1回の排出期間には、2袋分の被計量物が排出されるので、計量機10の動作サイクル(TM)は包装機20の動作サイクル(Tp)の2倍の周期である。
【0056】
ここで、一方のアーム31に取り付けられた2つのホッパ33を第1ホッパ群とし、他方のアーム32に取り付けられた2つのホッパ33を第2ホッパ群とする。
【0057】
まず、第1ホッパ群に関する動作を説明する。第1ホッパ群は、期間Ts1では、貯留区間Fsにおいて停止状態であり、この間に、計量機10から被計量物が供給される(計量機の排出期間T1)。期間Ts1の後、速度V1より速い速度V2で袋充填区間Fdへ搬送される。その後の期間Td1では、袋充填区間Fdにおいて、速度V1で搬送されながら、各ホッパ33のゲートを開いて被計量物を排出する(第1ホッパ群の排出期間H1)。その後、速度V1より速い速度V3で貯留区間Fsへ搬送されて停止する。以降、同様の動作が繰り返される。
【0058】
第2ホッパ群についても同様であり、第2ホッパ群は、期間Ts2では、貯留区間Fsにおいて停止状態であり、この間に、計量機10から被計量物が供給される(計量機の排出期間T2)。期間Ts2の後、速度V1より速い速度V2で袋充填区間Fdへ搬送される。その後の期間Td2では、袋充填区間Fdにおいて、速度V1で搬送されながら、各ホッパ33のゲートを開いて被計量物を排出する(第2ホッパ群の排出期間H2)。その後、速度V1より速い速度V3で貯留区間Fsへ搬送されて停止する。以降、同様の動作が繰り返される。
【0059】
第1ホッパ群と第2ホッパ群とでは、それぞれに関する動作のタイミングが異なり、図3の例では、第1ホッパ群が貯留区間Fsにあるとき、第2ホッパ群は袋充填区間Fdにあり、第1ホッパ群が袋充填区間Fdにあるとき、第2ホッパ群は貯留区間Fsにある。
【0060】
袋充填区間Fdにおけるホッパ33の搬送速度V1は、包装機20における投入ファネル23及び袋P3の搬送速度と等しいか、略等しい速度であり、袋充填区間Fdにおいて2つのホッパ33がそれぞれ包装機の投入ファネル23の直上に位置した状態で搬送される。
【0061】
上記のように包装機20の動作に合わせて計量機10及び連係装置30が動作することにより、包装機20において連続的に搬送されるP3に対し、例えば第1ホッパ群から連続する2つの袋P3へ被計量物が供給され、その後に続く2つの袋P3へは第2ホッパ群から被計量物が供給され、さらにその後に続く2つの袋P3へは第1ホッパ群から被計量物が供給される、というように、それぞれのホッパ群から2つずつの袋P3へ被計量物が順次供給される。
【0062】
上記において、計量機10では、2個の排出口10a、10bcから同時に被計量物を排出させるようにしたが、2個の排出口10a、10bから順次排出させるようにしてもよい。
【0063】
次に、2個の排出口10a、10bを有する計量機10の一例を図4に示す。
【0064】
図4(a)は、2個の排出口を有する計量機10を側方から視た一部断面の概略模式図であり、図4(b)は、同計量機10の内側シュート、外側シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【0065】
この図4に示す計量機10は組合せ秤であり、図4(a)に示すように、装置中央に配設されたセンター基体(ボディ)5の上部に、外部の供給装置から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ1が設けられている。分散フィーダ1の周囲には、分散フィーダ1から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送りこむための複数のリニアフィーダ2が設けられている。各リニアフィーダ2の下方には、供給ホッパ3、計量ホッパ4がそれぞれ対応して設けられ、複数の供給ホッパ3及び計量ホッパ4はそれぞれセンター基体5の周囲に円弧状に配置されている。分散フィーダ1、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4は、センター基体5に取り付けられている。また、各計量ホッパ4には、計量ホッパ4内の被計量物の重量を計測するロードセル等の重量センサ41が取り付けられ、各重量センサ41による計測値は制御部11へ出力される。
【0066】
図4(b)に示された中心角θに対応する領域を除く領域に、供給ホッパ3及び計量ホッパ4が円弧状に列設され、各供給ホッパ3に対応して各リニアフィーダ2が配設されている。
【0067】
円弧状に列設された計量ホッパ4の下方には、内側シュート6Aと外側シュート6Bとが配設されている。各計量ホッパ4は、内側シュート6Aと外側シュート6Bとへ選択的に被計量物を排出可能なように、内側シュート6Aへ被計量物を排出するためのゲートと、外側シュート6Bへ被計量物を排出するためのゲートとが設けられた構成である。
【0068】
外側シュート6Bは、略円錐形を上下逆にした形状のシュートに、計量ホッパ4が列設されていない部分に対応して切欠き部6Bxが設けられた構成であり、その下部の排出口6Beには集合ホッパ7bが配設されている。計量ホッパ4から外側シュート6Bへ排出された被計量物は、外側シュート6Bを滑り落ち、集合ホッパ7bで一時保持された後、排出される。
【0069】
内側シュート6Aは、外側シュート6Bの内側に配設された略円錐形を上下逆にした形状のシュート61と、そのシュート61の排出口61eに配設された筒状のシュートであるパイプ62とからなる。パイプ62は、外側シュート6Bの切欠き部6Bxを通ってその排出口62eが外側シュート6Bの外側で切欠き部6Bxの下方に位置するように配設されている。パイプ62の排出口62eには集合ホッパ7aが配設されている。計量ホッパ4から内側シュート6Aへ排出された被計量物は、シュート61を滑り落ちた後、パイプ62を通過して集合ホッパ7aで一時保持された後、排出される。
【0070】
制御部11では、この場合、組合せ秤全体の動作と連係装置の動作を制御するとともに、組合せ処理を行う。この組合せ処理では、各重量センサ41により計測される計量ホッパ4内の被計量物の重量値に基づいて組合せ演算を行い、複数の計量ホッパ4の中から、被計量物の重量値の合計が、予め定められた所定重量範囲(目標重量値に対する許容範囲)である計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を2組求めて、いずれか一方の排出組合せを内側シュート6Aへ排出する組合せとし、他方の排出組合せを外側シュート6Bへ排出する組合せとする。
【0071】
この組合せ秤では、外部の供給装置から分散フィーダ1へ供給された被計量物は、分散フィーダ1から各リニアフィーダ2を介し各供給ホッパ3へ供給され、各供給ホッパ3から各計量ホッパ4へ被計量物が投入される。各計量ホッパ4へ投入された被計量物の重量が各重量センサ41で計測され、その重量値が制御部11へ送出される。そして、制御部11による組合せ処理が行われて2組の排出組合せが同時に求められ、一方の排出組合せの計量ホッパ4から内側シュート6Aへ被計量物を排出させると同時に、他方の排出組合せの計量ホッパ4から外側シュート6Bへ被計量物を排出させる。これにより、集合ホッパ7a、7bに被計量物が供給される。なお、被計量物が排出されて空になった計量ホッパ4へは供給ホッパ3から被計量物が投入される。また、空になった供給ホッパ3へはリニアフィーダ2から被計量物が供給される。
【0072】
そして、所定のタイミングにて集合ホッパ7a、7bから同時に被計量物を排出させる。
【0073】
この組合せ秤の集合ホッパ7a、7bが図1に示す計量機10の排出口10a、10bである。集合ホッパ7a、7bから排出される被計量物は、貯留区間Fsにおいて連係装置30の2つのホッパ33へ供給される。その後、袋充填区間Fdにおいて各ホッパ33から包装機20の投入ファネル23を介して袋P3へ充填される。
【0074】
なお、上記の組合せ秤では、2組の排出組合せを同時に求めるようにしたが、内側シュート6Aへ排出する排出組合せと、外側シュート6Bへ排出する排出組合せとを順次求めて、それぞれの排出組合せの計量ホッパ4から被計量物を順次排出し、それぞれの集合ホッパ7a、7bから被計量物を順次排出するように構成することも可能である。
【0075】
本実施の形態の連係装置30では、周回経路上を搬送されるn個(nは複数:図1の場合は2個)のホッパ33からなるホッパ群が複数(図1の場合は2つ)設けられ、貯留区間Fs(第1の区間)においてホッパ群の搬送を停止しているため、排出口の位置が固定されている計量機10の排出口10a、10bから排出される被計量物をホッパ群の各々のホッパ33へ供給することができる。そして、袋充填区間Fd(第2の区間)において、ホッパ群の各々のホッパ33が、連続して並んだn個の袋P3の各々の上方に位置するようにしてホッパ群を搬送しながら、各々のホッパ33から被計量物を排出することにより、各々の袋P3へ被計量物を供給することができる。したがって、排出口の位置が固定されている計量機10から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋P3へ供給することが可能になる。
【0076】
なお、連係装置30において、図2に示す駆動部34では、それぞれのアーム31,32に取り付けられたホッパ33の搬送速度を制御するために、モータ76,86のみの回転速度の制御により回転軸83及び回転筒体71の回転速度を制御するように構成しているが、それぞれモータとカムを用いて回転軸83及び回転筒体71の回転速度を制御するように構成してもよい。この場合、モータの速度制御を行うとともにカム動作によって回転軸83及び回転筒体71の回転速度の制御を行うように構成してもよいし、モータの回転速度を一定とし、カム動作によって回転軸83及び回転筒体71の回転速度の制御を行うように構成してもよい。
【0077】
また、ホッパ33をチェーン等の無端の搬送帯で周回させるように構成にしてもよい。例えば、複数のスプロケットを所定位置に配置し、その複数のスプロケットにチェーン等の無端の搬送帯をセットし、その無端の搬送帯にそれぞれホッパ33を保持した複数のホッパ保持部材を一定間隔で連結し、一部のスプロケットを、例えばサーボモータ等の速度制御可能なモータにより駆動する構成とすればよい。また、ホッパ33が所定の周回軌道を安定して通るように、ホッパ保持部材を案内するガイドレール等を設けてもよい。この場合、例えば、2つのアーム31,32等を用いた構成の代わりに、上記の無端の搬送帯等を用いた構成が2つ必要である。
【0078】
上記のような搬送帯を用いた場合、ホッパ33の周回軌道は円軌道に限らず、楕円軌道や他の周回軌道とすることができる。
【0079】
また、袋を直線状に高速で連続的に搬送するように構成されている包装機を用いた場合には、上記のようにホッパ33をチェーン等の無端の搬送帯で周回させるように構成すればよい。
【0080】
また、各ホッパ群が3個以上のホッパ33により構成されるようにしてもよい。この場合、例えば計量機10が3個以上の排出口を有するように構成される。
【0081】
また、ホッパ群を3つ以上備えた構成としてもよい。
【0082】
以上に述べた変形例の一例を次に説明する。
【0083】
図5(a)は、包装機が袋を直線状に搬送するように構成され、各3個のホッパからなるホッパ群を3つ有するように構成されている場合の連係装置の概略構成を示す平面図であり、図5(b)は、同連係装置の一部分の断面図である。
【0084】
この連係装置では、それぞれチェーン91に連結されているホッパ保持部材94に固定された3個のホッパ33からなるホッパ群と、それぞれチェーン92に連結されているホッパ保持部材95に固定された3個のホッパ33からなるホッパ群と、それぞれチェーン93に連結されているホッパ保持部材96に固定された3個のホッパ33からなるホッパ群とを有する。各ホッパ群のホッパ33の配置ピッチは、包装機の投入ファネル23の配置ピッチ(=袋P3の配置ピッチ)と等しく、袋充填区間Fdにおいては、各ホッパ33が投入ファネル23の真上に位置した状態で、投入ファネル23の搬送速度(=袋P3の搬送速度)と同じ速度でX方向へ搬送される。
【0085】
この場合、例えば、ホッパ33の周回軌道の内側を周回するように3つのチェーン91〜93を垂直方向に所定間隔を有して重なるように配設し、各チェーン91〜93の上側に、ホッパ33を保持したホッパ保持部材94〜96を一定間隔で3組連結し、ホッパ保持部材94〜96のチェーン91〜93に連結された端部とは反対側の端部を摺動自在に保持するガイドレール97を配設している。例えば、ホッパ保持部材94〜96は、ホッパ33を保持するための開口が設けられた板状部材であり、それぞれのホッパ33はホッパ保持部材94〜96に適当な方法(溶接あるいはねじ止め等)によって固定されている。また、ガイドレール97は、ホッパ33の周回軌道の外側の周囲に配設され、例えば、図5(b)に示すように、断面U字型であり、このU字型の凹部(溝)に、ホッパ保持部材94〜96のチェーン91〜93に連結された端部とは反対側の端部が入れられ、摺動自在に保持されている。それぞれのチェーン91〜93は複数のスプロケット等(図示せず)によって図5(a)のようにセットされ、一部のスプロケットが、例えばサーボモータ等の速度制御可能なモータにより駆動されるように構成されている。
【0086】
この図5の例では、ホッパ33の周回経路上に、貯留区間Fsから袋充填区間Fdへ搬送されるまでの間に第1待機区間Fw1が設けられ、袋充填区間Fdから貯留区間Fsへ搬送されるまでの間に第2待機区間Fw2が設けられている。貯留区間Fsにおいて停止しているホッパ33の上方には、計量機の3個の排出口10a、10b、10cが配置されている。
【0087】
詳しい動作タイミングは図6を用いて後述するが、正常時の動作の概略について説明する。まず、貯留区間Fsにおいては、計量機の3個の排出口10a、10b、10cから被計量物が同時に排出され、3個のホッパ33へ供給される。
【0088】
次に、被計量物が供給された3個のホッパ33は第1待機区間Fw1へ高速で搬送される。第1待機区間Fw1でのホッパ33は、例えば停止状態となり、先行する袋充填区間Fdにあるホッパ33が袋充填区間Fdを外れると、袋充填区間Fdへ搬送される。
【0089】
また、袋充填区間Fdにおいては、各ホッパ33は、投入ファネル23の真上に位置した状態となるように、投入ファネル23と同じ速度でX方向へ搬送される。このときに、各ホッパ33のゲートを開く。ホッパ33のゲートを開くことによりホッパ33に貯留されている被計量物が排出され、投入ファネル23を通過して袋(図示せず)へ充填される。被計量物が排出された3個のホッパは、袋充填区間Fdへ搬送される。
【0090】
図6は、図5に示す連係装置を用いた計量包装システムにおける計量機10及び連係装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。ここで、包装機20では、一定の動作サイクル(Tp:1袋分の製造時間)で動作が行われているものとする。
【0091】
ここで、ホッパ保持部材94に取り付けられた3つのホッパ33を第1ホッパ群とし、ホッパ保持部材95に取り付けられた3つのホッパ33を第2ホッパ群とし、ホッパ保持部材96に取り付けられた3つのホッパ33を第3ホッパ群とする。
【0092】
はじめに、「計量機の排出期間(正常)」である場合について説明する。この場合、計量機の動作が正常であり、一定の動作サイクルTM1で計量機から被計量物の排出が行われる。ここで1回の計量機の排出期間には、3袋分の被計量物が排出されるので、計量機の動作サイクルTM1は包装機20の動作サイクル(Tp)の3倍の周期である。この「計量機の排出期間(正常)」である場合の、第1、第2、第3ホッパ群の搬送速度については実線で示している。
【0093】
まず、第1ホッパ群に関する動作を説明する。第1ホッパ群は、期間Ts1では、貯留区間Fsにおいて停止状態であり、この間に、計量機10から被計量物が供給される(計量機の排出期間T1)。期間Ts1の後、速度V10より速い速度V20で第1待機区間Fw1へ搬送され、その後、期間Tw1の間、停止状態である。期間Tw1の後、速度V10より速い速度V20で袋充填区間Fdへ搬送される。その後の期間Td1では、袋充填区間Fdにおいて、速度V10で搬送されながら、各ホッパ33のゲートを開いて被計量物を排出する(第1ホッパ群の排出期間H1)。その後、速度V10より速い速度V30で貯留区間Fsへ搬送されて停止する。以降、同様の動作が繰り返される。
【0094】
第2ホッパ群及び第3ホッパ群に関する動作についても第1ホッパ群に関する動作と同様であるが、第1ホッパ群と第2ホッパ群と第3ホッパ群とでは、それぞれ動作のタイミングが異なる。図6の例では、第1ホッパ群が貯留区間Fsにあるとき、第2ホッパ群は袋充填区間Fdにあり、第3ホッパ群は第1待機区間Fw1にある。また、第1ホッパ群が貯留区間Fsから第1待機区間Fw1、袋充填区間Fdへそれぞれ移動すれば、第2ホッパ群は袋充填区間Fdから貯留区間Fs、第1待機区間Fw1へそれぞれ移動し、第3ホッパ群は第1待機区間Fw1から袋充填区間Fd、貯留区間Fsへそれぞれ移動する。
【0095】
次に、「計量機の排出期間(異常)」である場合について説明する。ここで、計量機では、前述の動作サイクルTM1より短い動作サイクルTM2で動作可能である。
【0096】
計量機の動作が正常である場合には、時刻t1から始まる期間Txにおいて被計量物の排出が行われるが、計量機において時刻t1までの間に排出準備ができなかった場合には、期間Txにおいて被計量物を排出できない。いま、排出準備が遅れて時刻t2において排出準備ができたものとする。計量機では排出準備が遅れた場合、短い動作サイクルTM2で排出を行うように、連係装置の動作、特に第1、第2、第3ホッパ群の搬送動作を制御する。この「計量機の排出期間(異常)」である場合の、第1、第2、第3ホッパ群の搬送速度については破線で示している。
【0097】
この場合、計量機の動作が正常であれば時刻t1において被計量物が供給されるはずであった第1ホッパ群が、そのまま貯留区間Fsにとどまり、時刻t2から始まる計量機の排出期間T1において被計量物が供給され、その後、高速度V30で第1待機区間Fw1へ搬送される。
【0098】
また、時刻t1において袋充填区間Fdにあった第2ホッパ群は、袋充填区間Fdにおいて被計量物を排出し(排出期間H2)、その後、高速度V30で第2待機区間Fw2へ搬送される。その後、前述のように第1ホッパ群が貯留区間Fsを離れると、第2ホッパ群は高速度V30で貯留区間Fsへ搬送された後、時刻t3から始まる計量機の排出期間T2において被計量物が供給される。
【0099】
また、時刻t1において第1待機区間Fw1にあった第3ホッパ群は、計量機の動作が正常である場合と同様に袋充填区間Fdへ搬送され、被計量物を排出する(排出期間H3)。その後は、高速度V30で第2待機区間Fw2へ搬送される。
【0100】
第1ホッパ群は、前述のように第1待機区間Fw1へ搬送された後、計量機の動作が正常である場合と同様の搬送が行われ、袋充填区間Fdへ搬送され、被計量物を排出する(排出期間H1)。その後、貯留区間Fsへ搬送される。
【0101】
第2ホッパ群は、時刻t3から始まる計量機の排出期間T2が終わると、貯留区間Fsから高速度V30で第1待機区間Fw1へ搬送される。その後、袋充填区間Fdへ搬送され、被計量物を排出する(排出期間H2)。
【0102】
第3ホッパ群は、前述のように第2ホッパ群が貯留区間Fsを離れると、第2待機区間Fw2から高速度V30で貯留区間Fsへ搬送された後、時刻t4から始まる計量機の排出期間T3において被計量物が供給される。その後、高速度V30で第1待機区間Fw1へ搬送される。
【0103】
以上によって、時刻t5の時点においては、第1〜第3ホッパ群は計量機の動作が正常である場合と同じ区間に存在する。また、時刻t5から始まる計量機の排出期間T1は、計量機の動作が正常である場合と比べてまだ少し遅れているが、この次の計量機の排出期間(図示せず)は、計量機の動作が正常である場合と同じ期間になる。また、時刻t5から始まる計量機の排出期間T1の遅れは、その排出期間T1において被計量物が供給された第1ホッパ群の次の第1待機区間Fw1での滞在時間を短縮することで解消される。以降、計量機の動作が正常である場合と同様の動作になる。
【0104】
以上のように、連係装置において、ホッパ群を3個とし、貯留区間Fsから袋充填区間Fdへの搬送経路中、及び、袋充填区間Fdから貯留区間Fsへの搬送経路中に、それぞれ1つの待機区間を設けることにより、計量機の排出動作が遅れた場合でも、包装機に対し遅滞なく被計量物の供給を行うことが可能になるという効果が得られる。
【0105】
同様にしてホッパ群を4個以上設けるように構成してもよい。ホッパ群を多く設けた構成にした方が、計量機の排出動作がより長時間遅れた場合でも、包装機に対し遅滞なく被計量物の供給を行うことが可能になる(但し、連係装置が大型化する)。したがって、ホッパ群を(2+m)個とし(mは正の整数)、貯留区間Fsから袋充填区間Fdへの搬送経路中、及び、袋充填区間Fdから貯留区間Fsへの搬送経路中に、それぞれ、m個の待機区間(m個のホッパ群を停留できる区間)を設けることにより、前述の効果が得られる。
【0106】
上記において、計量機10では、3個の排出口10a、10b、10cから同時に被計量物を排出させるようにしたが、3個の排出口10a、10b、10cから順次排出させるようにしてもよい。
【0107】
次に、例えば図5に示す連係装置とともに用いられ、3個の排出口を有する計量機10の一例を図7に示す。
【0108】
図7(a)は、3個の排出口を有する計量機10を側方から視た一部断面の概略模式図であり、図7(b)は、同計量機10の集合シュート(内側シュート及び2つの外側シュート)及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【0109】
この計量機10は組合せ秤であり、分散フィーダ1、リニアフィーダ2、供給ホッパ3、計量ホッパ4、重量センサ41及びセンター基体5は図4に示す計量機と同様のものである。但し、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4はそれぞれ円状に配置されている。
【0110】
円状に列設された計量ホッパ4の下方には、略逆円錐台形状の内側シュート6aが配設されるとともに、内側シュート6aの周囲に上部開口が同心円状で、かつ2分割された外側シュート6b、6cが配設されている。各計量ホッパ4は、その下方の内側シュート6aと外側シュート6bまたは6cとへ選択的に被計量物を排出可能なように、内側シュート6aへ被計量物を排出するためのゲートと、外側シュート6bまたは6cへ被計量物を排出するためのゲートとが設けられた構成である。
【0111】
外側シュート6b、6cのそれぞれの上方に配置された計量ホッパ4のグループB、Cは、それぞれ外側シュート6b、6cに対応するグループであり、それぞれ、例えば9個あるいは10個等の計量ホッパ4からなるグループである。また、グループB及びグループCの計量ホッパ4で構成されるグループAは、内側シュート6aに対応する計量ホッパ4のグループである。内側シュート6a及び外側シュート6b、6cのそれぞれの下部の排出口6ae、6be、6ceには集合ホッパ7a、7b、7cが配設されている。計量ホッパ4から各シュート6a、6b、6cへ排出された被計量物は、それぞれの集合ホッパ7a、7b、7cで一時保持された後、排出される。
【0112】
制御部11は、組合せ秤全体の動作と連係装置の動作を制御するとともに、組合せ処理を行う。この組合せ処理では、内側シュート6a及び外側シュート6b、6cのそれぞれに対して排出する計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を求める。各排出組合せは、被計量物の重量値の合計が所定重量範囲(目標重量値に対する許容範囲)内である計量ホッパ4の組合せである。例えば、一方の外側シュート6bの上方に配置されたグループBの計量ホッパ4内の被計量物の重量値(重量センサ41による計測値)に基づいて組合せ演算を行い、被計量物の重量値の合計が所定重量範囲(目標重量値に対する許容範囲)内であり、かつ目標重量値に最も近い計量ホッパ4の組合せを外側シュート6bへ排出する排出組合せとして求めるとともに、同様にして、他方の外側シュート6cの上方に配置されたグループCの計量ホッパ4内の被計量物の重量値に基づいて組合せ演算を行い、外側シュート6cへ排出する排出組合せを求める。さらに、全計量ホッパ4からなるグループAのうち、グループB、Cにおいて、排出組合せに選択されなかった計量ホッパ4内の被計量物の重量値に基づいて組合せ演算を行い、同様にして内側シュート6aへ排出する排出組合せを求める。
【0113】
このように、制御部11による組合せ処理が行われて3組の排出組合せが同時に求められ、各排出組合せの計量ホッパ4から内側シュート6a、外側シュート6b、6cへ被計量物を同時に排出させる。これにより、集合ホッパ7a、7b、7cに被計量物が供給される。
【0114】
そして、所定のタイミングにて集合ホッパ7a、7b、7cから同時に被計量物を排出させる。
【0115】
この組合せ秤の集合ホッパ7b、7a、7cが計量機10の3個の排出口(例えば図5に示す排出口10a、10b、10c)である。各集合ホッパ7a、7b、7cから排出される被計量物は、例えば図5に示す連係装置の貯留区間Fsにおいて各ホッパ33へ供給される。
【0116】
なお、上記の組合せ秤では、3組の排出組合せを同時に求めるようにしたが、外側シュート6bへ排出する排出組合せと、内側シュート6aへ排出する排出組合せと、外側シュート6cへ排出する排出組合せとを順次求めて、それぞれの排出組合せの計量ホッパ4から被計量物を順次排出し、それぞれの集合ホッパ7b、7a、7cから被計量物を順次排出するように構成することも可能である。
【0117】
なお、連係装置の各ホッパ群のホッパの個数を4個以上にする場合には、計量機の排出口も各ホッパ群のホッパの個数と同数の4個以上にすればよい。
【0118】
例えば、排出口を4個有する計量機10の場合、図7に示す構成において、内側シュート6aを、外側シュート6b、6cと対応し、それぞれの排出口を有する2つのシュート(以下、「第1、第2内側シュート」という)に分割し、第1、第2内側シュートの各排出口に集合ホッパを設けた構成とする。すなわち、計量ホッパ4のグループBは、第1内側シュートと外側シュート6bに対応するグループとし、計量ホッパ4のグループCは、第2内側シュートと外側シュート6cに対応するグループとする。組合せ処理では、計量ホッパ4のグループBから2組の排出組合せを求めていずれか一方の排出組合せを第1内側シュートへ排出する排出組合せとし、他方の排出組合せを外側シュート6bへ排出する排出組合せとするとともに、計量ホッパ4のグループCから2組の排出組合せを求めていずれか一方の排出組合せを第2内側シュートへ排出する排出組合せとし、他方の排出組合せを外側シュート6cへ排出する排出組合せとする。
【0119】
このように、制御部11による組合せ処理が行われて4組の排出組合せが同時に求められ、各排出組合せの計量ホッパ4から第1、第2内側シュート、外側シュート6b、6cへ被計量物を同時に排出させる。これにより、4つの集合ホッパに被計量物が供給される。
【0120】
そして、所定のタイミングにて4つの集合ホッパから同時に被計量物を排出させる。
【0121】
この組合せ秤の4つの集合ホッパが計量機10の4個の排出口であり、4個の集合ホッパから排出される被計量物は、貯留区間において連係装置の4個のホッパ33へ供給される。その後、袋充填区間において各ホッパ33から包装機の投入ファネル23を介して袋へ充填される。なお、この場合も、4組の排出組合せを順次求めて、各排出組合せの計量ホッパ4から被計量物を順次排出し、4個の集合ホッパから被計量物を順次排出するように構成することも可能である。
【0122】
なお、上記の実施の形態において、計量機等の構成については、種々変更が可能である。以下に、その一例を挙げる。
【0123】
例えば、組合せ秤は、集合シュート(内側シュート、外側シュート)の排出口に集合ホッパが設けられていない構成でもよい。この場合、集合シュートの排出口が計量機の排出口となり、排出組合せに選択されている計量ホッパ4から排出された被計量物は集合シュート上を滑り落ちて直接、ホッパ33へ供給されるように構成される。
【0124】
また、組合せ秤は、図4、図7の例では、組合せ演算の対象となるホッパ(組合せ用ホッパ)として計量ホッパ4のみを有する構成であるが、合計重量値が所定重量範囲内である被計量物が排出されるように構成されてあればよく、組合せ演算の対象となるホッパの構成としては種々変更が可能である。一例を挙げれば、それぞれの計量ホッパ4に対応して計量ホッパ4の下方に、それぞれ対応する計量ホッパ4から計量済みの被計量物が供給されるメモリホッパを配設し、計量ホッパ4は、対応するメモリホッパと集合シュートとへ選択的に被計量物を排出可能な構成にしてもよい。この場合、組合せ秤の制御部11は、各々の計量ホッパ4に供給されている被計量物の重量値と各々のメモリホッパに供給されている被計量物の重量値とに基づいて組合せ演算を行うことにより、被計量物の重量値の合計が所定重量範囲内になる計量ホッパ4及び/又はメモリホッパの組合せを求めて排出組合せに決めればよい。
【0125】
また、上記の組合せ秤では、組合せに用いられる組合せ用ホッパが円状に列設された構成としたが、この構成に限られない。例えば、組合せ用ホッパが楕円状、正方形、長方形等の多角形状、あるいは直線状に列設された構成であってもよい。
【0126】
さらに、組合せ秤に代えて、被計量物を計量し、複数の排出口の各々から被計量物を排出する計量機であってもよい。
【0127】
また、組合せ秤等の計量機に備えられた被計量物の排出口が1つである構成とし、複数の計量機から複数のホッパ33へ被計量物を排出するように構成されてあってもよい。
【0128】
なお、上記の実施の形態における連係装置では、貯留区間Fsにおいて、ホッパ群を停止させるようにしたが、袋充填区間Fdにおけるホッパ群の搬送速度よりも低速で搬送して、計量機から排出される被計量物がこぼれないようにホッパ33へ供給できれば、そのように低速で搬送するように構成してもよい。この場合、各ホッパ33の被計量物を受け入れる上部の開口の、ホッパの搬送方向における長さを長くした方が、被計量物を受け入れる時間を長くできるので好ましい。
【0129】
また、図5のように待機区間(第1待機区間Fw1及び第2待機区間Fw2)を設けた場合に、待機区間においてホッパ群を停止状態にしたが、袋充填区間Fdにおける搬送速度よりも低速で搬送するようにしてもよいし、袋充填区間Fdにおける搬送速度と同速で搬送するようにしてもよい。例えば、貯留区間Fsを出発したホッパ群が、1つ前に先行するホッパ群の直後に追いつくようにし、その後、袋充填区間Fdにおける搬送速度と同速にて、先行するホッパ群の後に続いて、袋充填区間Fdへ進入するようにしてもよい。この場合、第1待機区間Fw1は袋充填区間Fdの直前の区間になる。また、第2待機区間Fw2も貯留区間Fsの直前の区間になるようにしてもよい。
【0130】
また、上記の実施の形態において、貯留区間Fsを複数の区間に分割してもよい。例えば、図5に示す連係装置において、貯留区間Fsを2つの貯留区間(Fs1,Fs2)に分割し、例えば、第1貯留区間Fs1において、ホッパ群を構成する3つのホッパ33のうちのいずれか1つのホッパ33に被計量物が供給され、次の第2貯留区間Fs2において、残りの2つのホッパ33に被計量物が供給されるようにしてもよい。例えば、この場合、第1貯留区間Fs1の上方に1つの排出口を有する計量機を配置し、第2貯留区間Fs2の上方に2つの排出口を有する計量機を配置して、各ホッパ33へ被計量物を供給するように構成することもできる。同様に、貯留区間Fsを3つの貯留区間に分割し、各貯留区間において1つずつのホッパ33に被計量物が供給されるようにしてもよい。例えば、この場合、各貯留区間の上方に1つの排出口を有する計量機を配置して、各ホッパ33へ被計量物を供給するように構成することもできる。図1に示す連係装置においても、同様に、貯留区間Fsを2つの貯留区間に分割するようにしてもよい。以上のように、貯留区間を複数に分割した場合も、分割された各貯留区間において、前述のように、ホッパ群を停止させてもよいし、袋充填区間Fdにおけるホッパ群の搬送速度よりも低速で搬送するようにしてもよい。
【0131】
また、上記の実施の形態では、あるホッパ群が袋充填区間Fdに入るとき、そのホッパ群を構成する全てのホッパ33(例えば、図1の場合は2つのホッパ33、図5の場合は3つのホッパ33)が袋充填区間Fdに入ってから、その全てのホッパ33から同時に被計量物を排出させるようにしたが、袋充填区間Fdに入ったホッパ33から順番に、順次、被計量物を排出させるようにしてもよい。
【0132】
また、上記の実施の形態では、連係装置が、計量機の制御部11によって制御されるように構成しており、この場合、連係装置と計量機とからなる計量装置を構成できる。また、連係装置が、計量機の制御部11ではなく包装機制御部20Aによって制御されるように構成してもよい。この場合、連係装置と包装機とからなる包装装置を構成できる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、排出口の位置が固定されている計量機から排出される被計量物を、高速で連続的に搬送されている袋へ供給することができる連係装置とそれを用いた計量装置、包装装置及び計量包装システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態の連係装置を用いた計量包装システムの要部の概略構成を示す側面図であり、(b)は、同計量包装システムの要部を模式的に示した平面図である。
【図2】連係装置の駆動部の内部構成の一例を示す図である。
【図3】計量機及び連係装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】(a)は、2個の排出口を有する計量機を側方から視た一部断面の概略模式図であり、(b)は、同計量機の内側シュート、外側シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【図5】(a)は、包装機が袋を直線状に搬送するように構成され、各3個のホッパからなるホッパ群を3つ有するように構成されている場合の連係装置の概略構成を示す平面図であり、(b)は、同連係装置の一部分の断面図である。
【図6】図5(a)、(b)に示す連係装置を用いた場合の計量機及び連係装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】(a)は、3個の排出口を有する計量機を側方から視た一部断面の概略模式図であり、(b)は、同計量機の内側シュート、外側シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【図8】(a)は、従来の計量包装システムの側面図であり、(b)は同計量包装システムの要部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0135】
10 計量機
10a、10b 計量機の排出口
11 計量機の制御部
20 包装機
20A 包装機制御部
23 投入ファネル
30 連係装置
31、32 アーム
33 ホッパ
34 駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、供給される被計量物を一時保持して排出するn個(nは複数)のホッパからなる複数のホッパ群と、
それぞれ、各々の前記ホッパ群に対応して設けられ、周回経路の一部の区間であって前記ホッパ群のn個の前記ホッパへ被計量物が供給される第1の区間と、前記周回経路の他の一部の区間であって下方において前記周回経路に沿った方向に1列に並んだ袋が連続的に搬送されている第2の区間とを有する前記周回経路上を、前記ホッパ群の各ホッパが前記周回経路に沿った方向に1列に並んだ状態にて前記ホッパ群を搬送する複数の搬送手段とを備え、
各々の前記搬送手段は、各々の前記ホッパ群を所定の順番に前記第1の区間から前記第2の区間へ繰り返し搬送するとともに、前記第2の区間の下方に順次搬送されてくるn個ずつの前記袋の上方に、前記第2の区間へ順番に搬送されてくる前記ホッパ群のn個の前記ホッパが位置するように、それぞれ対応する前記ホッパ群を搬送するように構成されるとともに、前記第2の区間において、前記ホッパ群のn個の各々の前記ホッパがn個の各々の前記袋の上方に位置するようにして前記ホッパ群を搬送するとともに、前記第1の区間において前記ホッパ群の搬送を停止するか、または前記第2の区間よりも遅い速度で前記ホッパ群を搬送するように構成され、
前記ホッパ群は、前記第2の区間を搬送されているときに、n個の各々の前記ホッパからそれぞれの下方に位置するn個の各々の前記袋へ被計量物を排出するように構成された連係装置。
【請求項2】
前記ホッパ群及び前記搬送手段が3組以上設けられた請求項1に記載の連係装置。
【請求項3】
前記ホッパ群のn個のホッパは、前記搬送手段に前記周回経路に沿った方向に前記袋の配置ピッチと等しいピッチで搭載された請求項1に記載の連係装置。
【請求項4】
前記搬送手段は、前記第2の区間において前記袋の搬送速度と等しい速度で前記ホッパ群を搬送するように構成された請求項1に記載の連係装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の連係装置と、
前記連係装置の前記第1の区間の上方に配設されたn個の排出口を有し、各々の前記排出口から計量済みの被計量物を排出することにより、前記連係装置の前記第1の区間へ順番に搬送されてくる前記ホッパ群の各々の前記ホッパへ被計量物を供給する計量機とを備えた計量装置。
【請求項6】
前記計量機は、被計量物を複数のグループに分けて計量し、計量された前記グループの合計重量が所定重量範囲内となる組合せをn組求め、n組の各々の前記組合せに選ばれたグループの被計量物をn個の各々の前記排出口から排出するように構成された請求項5に記載の計量装置。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の連係装置と、
前記連係装置の前記第2の区間の下方において1列に並んだ袋を連続的に搬送する包装機とを備えた包装装置。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の連係装置と、
前記連係装置の前記第1の区間の上方に配設されたn個の排出口を有し、各々の前記排出口から計量済みの被計量物を排出することにより、前記連係装置の前記第1の区間へ順番に搬送されてくる前記ホッパ群の各々の前記ホッパへ被計量物を供給する計量機と、
前記連係装置の前記第2の区間の下方において1列に並んだ袋を連続的に搬送する包装機とを備えた計量包装システム。
【請求項9】
前記包装機は、前記連係装置の前記第2の区間の下方において各々の前記袋に挿入された状態で搬送され、前記連係装置の前記ホッパから排出される被計量物を前記袋内へ導くための複数のファネルを有する請求項8に記載の計量包装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−230721(P2008−230721A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68992(P2007−68992)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(505260556)
【Fターム(参考)】