連鎖球菌属を培養するための発酵プロセスおよび連鎖球菌属由来の莢膜多糖(cp)を得るための精製プロセス
莢膜多糖(cp)は、種々の細菌性疾患に関与している細菌の表面上に見られる重要な免疫原である。この特徴により、莢膜多糖は、ワクチンの設計において重要な成分となっている。莢膜多糖は、特に、担体タンパク質と連結させると、免疫応答の誘起に有用であることが示されている。本発明は、細菌培養の分野におけるものであり、特に、フィードバッチ式培養における連鎖球菌属菌株からの細菌莢膜多糖の生産を改善するための培養条件の最適化、および連鎖球菌属菌株からの細菌莢膜多糖の生産規模精製に適し、これまでの生産規模で得られるものより高い純度レベルがもたらされる新規な精製方法に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)cpを発現する連鎖球菌属菌株の播種材料を準備すること、および(b)該菌株を発酵によって培養することを含み、前記培養は、培養培地への炭素源の線形添加を含み、該培養培地のpHをモニタリングすることにより該培養を制御するためのアルゴリズムを使用しない、製造規模での莢膜多糖(cp)の生産のための連鎖球菌属の培養方法。
【請求項2】
さらに、莢膜多糖を回収する工程(c)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連鎖球菌属菌株が、さらにStreptococcus agalactiaeを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記Streptococcus agalactiae菌株が090、H36b、CBJ111、またはM781である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記播種材料の光学密度(OD)が約0.6と約1.8の間である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記培養培地のpHが約6.0と約7.5の間である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記pHが約7.3である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記培養培地の温度が約34℃と約38℃の間である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記温度が約36℃である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記炭素源が、さらにグルコースを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記培養が、さらに、ODが指定レベルに達したら前記炭素源の線形添加が開始されるように培養培地のODをモニタリングすることを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記指定レベルが、cpの高容積生産が達成されるように選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記指定レベルが約9.8と約10.2の間である、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記指定レベルが約10である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記培養が、さらに、ODが第1および第2の即時添加レベルに達したら、前記炭素源の線形添加の前に酵母抽出物の2回の即時添加が開始されるように培養培地のODをモニタリングすることを含む、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1および第2の即時添加レベルが、cpの高容積生産が達成されるように選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の即時添加レベルが約2.8と約3.2の間である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の即時添加レベルが約3.0である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の即時添加レベルが約4.3と約4.7の間である、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の即時添加レベルが約4.5である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記培養培地が、リン酸源、ミネラル源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む規定培地であり、前記ビタミン源が以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される6種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記培養培地が、酵母抽出物、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む複合培地であり、前記ビタミン源が以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
連鎖球菌属菌株、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む培養培地であって、前記ビタミン源が以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される6種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、培養培地。
【請求項24】
前記連鎖球菌属がStreptococcus agalactiaeである、請求項23に記載の培養培地。
【請求項25】
前記リン酸源が、K2HPO4、KH2PO4、Na2HPO4・H2O、NaH2PO4・H2O、またはNaClからなる、請求項23または請求項24に記載の培養培地。
【請求項26】
前記炭素源がグルコースである、請求項23〜25のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項27】
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの6種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項28】
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの5種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項29】
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの4種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項30】
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの3種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項31】
前記ビタミン源がパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドからなる、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項32】
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの19種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項33】
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの18種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項34】
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの17種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項35】
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの16種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31いずれか1項に記載の培養培地。
【請求項36】
前記アミノ酸源が、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンからなる、請求項23〜31いずれか1項に記載の培養培地。
【請求項37】
連鎖球菌属菌株、酵母抽出物、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む培養培地であって、前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、培養培地。
【請求項38】
前記連鎖球菌属がStreptococcus agalactiaeである、請求項37に記載の培養培地。
【請求項39】
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
【請求項40】
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される3種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
【請求項41】
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される2種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
【請求項42】
前記ビタミン源がビオチンからなる、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
【請求項43】
付着性フィルターを用いた濾過工程を含む、Streptococcus agalactiaeから莢膜多糖を精製するための方法。
【請求項44】
前記莢膜多糖を沈殿させるためのカチオン系デタージェント処理工程、その後の該莢膜多糖の再可溶化工程を含まない、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記付着性フィルターがタンパク質付着性フィルターである、請求項43または請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記付着性フィルターがカーボンフィルターである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
付着性フィルターを用いた濾過工程の前に、以下の工程:
(i)夾雑タンパク質および/または核酸のアルコール沈殿;ならびに
(ii)ダイアフィルトレーション
を行なう、請求項43〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
付着性フィルターを用いた濾過工程の後に、以下の工程:
(iv)再−N−アセチル化;
(v)ダイアフィルトレーション
を行なう、請求項43〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
(a)莢膜多糖を含む粗製分離物を準備すること;
(b)該粗製分離物をアルコール溶液と接触させることによって形成されたアルコール沈殿物を取り出すこと;
(c)莢膜多糖を保持したまま低分子量化合物を除去するために濾過すること;および
(d)タンパク質付着性フィルターを用いてタンパク質夾雑物を除去し、精製莢膜多糖を生成すること
を含む、精製莢膜多糖の生産方法。
【請求項50】
さらに、前記精製莢膜多糖を再−N−アセチル化する工程(e)を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
さらに、前記精製莢膜多糖を沈殿させる工程(f)を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
さらに、前記莢膜多糖を一成分として有するワクチンを製剤化する工程(g)を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
工程(b)が、核酸夾雑物を沈殿させるが莢膜多糖は沈殿させないのに充分な濃度までアルコール溶液を添加することを含む、請求項49〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記アルコール溶液がエタノールを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記アルコール溶液が、さらにCaCl2を含む、請求項53または請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記アルコール溶液が約10%と約50%の間のエタノール濃度まで添加される、請求項54または請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記アルコール溶液が約30%のエタノール濃度まで添加される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記タンパク質付着性フィルターが活性炭フィルターである、請求項49〜57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
(a)cpを発現する連鎖球菌属菌株の播種材料を準備すること、および(b)該菌株を発酵によって培養することを含み、前記培養は、培養培地への炭素源の線形添加を含み、該培養培地のpHをモニタリングすることにより該培養を制御するためのアルゴリズムを使用しない、製造規模での莢膜多糖(cp)の生産のための連鎖球菌属の培養方法。
【請求項2】
さらに、莢膜多糖を回収する工程(c)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連鎖球菌属菌株が、さらにStreptococcus agalactiaeを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記Streptococcus agalactiae菌株が090、H36b、CBJ111、またはM781である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記播種材料の光学密度(OD)が約0.6と約1.8の間である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記培養培地のpHが約6.0と約7.5の間である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記pHが約7.3である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記培養培地の温度が約34℃と約38℃の間である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記温度が約36℃である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記炭素源が、さらにグルコースを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記培養が、さらに、ODが指定レベルに達したら前記炭素源の線形添加が開始されるように培養培地のODをモニタリングすることを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記指定レベルが、cpの高容積生産が達成されるように選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記指定レベルが約9.8と約10.2の間である、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記指定レベルが約10である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記培養が、さらに、ODが第1および第2の即時添加レベルに達したら、前記炭素源の線形添加の前に酵母抽出物の2回の即時添加が開始されるように培養培地のODをモニタリングすることを含む、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1および第2の即時添加レベルが、cpの高容積生産が達成されるように選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の即時添加レベルが約2.8と約3.2の間である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の即時添加レベルが約3.0である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の即時添加レベルが約4.3と約4.7の間である、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の即時添加レベルが約4.5である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記培養培地が、リン酸源、ミネラル源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む規定培地であり、前記ビタミン源が以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される6種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記培養培地が、酵母抽出物、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む複合培地であり、前記ビタミン源が以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
連鎖球菌属菌株、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む培養培地であって、前記ビタミン源が以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸から選択される6種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、培養培地。
【請求項24】
前記連鎖球菌属がStreptococcus agalactiaeである、請求項23に記載の培養培地。
【請求項25】
前記リン酸源が、K2HPO4、KH2PO4、Na2HPO4・H2O、NaH2PO4・H2O、またはNaClからなる、請求項23または請求項24に記載の培養培地。
【請求項26】
前記炭素源がグルコースである、請求項23〜25のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項27】
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの6種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項28】
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの5種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項29】
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの4種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項30】
前記ビタミン源が、以下の7種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、パントテン酸カルシウム、リボフラビン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシンおよび葉酸のうちの3種類以下からなり、2種類はパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドでなければならない、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項31】
前記ビタミン源がパントテン酸カルシウムとナイアシンアミドからなる、請求項23〜26のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項32】
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの19種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項33】
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの18種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項34】
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの17種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31のいずれか1項に記載の培養培地。
【請求項35】
前記アミノ酸源が、以下の19種類のアミノ酸のリスト:アラニン、アルギニン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、アスパラギン酸、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンのうちの16種類以下からなり、15種類は、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンでなければならない、請求項23〜31いずれか1項に記載の培養培地。
【請求項36】
前記アミノ酸源が、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン、塩酸システイン、グルタミン酸、およびチロシンからなる、請求項23〜31いずれか1項に記載の培養培地。
【請求項37】
連鎖球菌属菌株、酵母抽出物、リン酸源、炭素源、ビタミン源、および任意選択で連鎖球菌属を増殖させるアミノ酸源を含む培養培地であって、前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、培養培地。
【請求項38】
前記連鎖球菌属がStreptococcus agalactiaeである、請求項37に記載の培養培地。
【請求項39】
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される4種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
【請求項40】
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される3種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
【請求項41】
前記ビタミン源が、以下の5種類のビタミンのリスト:ビオチン、ナイアシンアミド、リボフラビン、塩酸チアミンおよび塩酸ピリドキシンから選択される2種類以下のビタミンからなり、該ビタミンのうち1種類はビオチンでなければならない、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
【請求項42】
前記ビタミン源がビオチンからなる、請求項37または請求項38に記載の培養培地。
【請求項43】
付着性フィルターを用いた濾過工程を含む、Streptococcus agalactiaeから莢膜多糖を精製するための方法。
【請求項44】
前記莢膜多糖を沈殿させるためのカチオン系デタージェント処理工程、その後の該莢膜多糖の再可溶化工程を含まない、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記付着性フィルターがタンパク質付着性フィルターである、請求項43または請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記付着性フィルターがカーボンフィルターである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
付着性フィルターを用いた濾過工程の前に、以下の工程:
(i)夾雑タンパク質および/または核酸のアルコール沈殿;ならびに
(ii)ダイアフィルトレーション
を行なう、請求項43〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
付着性フィルターを用いた濾過工程の後に、以下の工程:
(iv)再−N−アセチル化;
(v)ダイアフィルトレーション
を行なう、請求項43〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
(a)莢膜多糖を含む粗製分離物を準備すること;
(b)該粗製分離物をアルコール溶液と接触させることによって形成されたアルコール沈殿物を取り出すこと;
(c)莢膜多糖を保持したまま低分子量化合物を除去するために濾過すること;および
(d)タンパク質付着性フィルターを用いてタンパク質夾雑物を除去し、精製莢膜多糖を生成すること
を含む、精製莢膜多糖の生産方法。
【請求項50】
さらに、前記精製莢膜多糖を再−N−アセチル化する工程(e)を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
さらに、前記精製莢膜多糖を沈殿させる工程(f)を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
さらに、前記莢膜多糖を一成分として有するワクチンを製剤化する工程(g)を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
工程(b)が、核酸夾雑物を沈殿させるが莢膜多糖は沈殿させないのに充分な濃度までアルコール溶液を添加することを含む、請求項49〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記アルコール溶液がエタノールを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記アルコール溶液が、さらにCaCl2を含む、請求項53または請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記アルコール溶液が約10%と約50%の間のエタノール濃度まで添加される、請求項54または請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記アルコール溶液が約30%のエタノール濃度まで添加される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記タンパク質付着性フィルターが活性炭フィルターである、請求項49〜57のいずれか1項に記載の方法。
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
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【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2011−507501(P2011−507501A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538947(P2010−538947)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003729
【国際公開番号】WO2009/081276
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003729
【国際公開番号】WO2009/081276
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】
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