説明

遊技台

【課題】遊技球の挙動と可動体の動作と画像の表示とを連携させ、遊技の興趣を向上し得る遊技台を提供すること。
【解決手段】画像を少なくとも表示可能な表示領域を有する表示手段と、演出用可動体の移動制御を少なくとも実行可能な制御手段と、通路を通過する遊技球を少なくとも検出可能な検出手段と、を備えた遊技台において、前記遊技台は、ぱちんこ機であり、前記制御手段は、前記検出手段により遊技球が検出されたことに応じて、変更制御を少なくとも実行可能なものであり、前記変更制御は、前記演出用可動体を移動させる制御であり、前記変更制御が実行されることによって、前記表示領域に表示される画像のみえる範囲が変更される、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシン等の遊技台では、可動の部材を配して演出効果を向上しようとしたものが提案されている。このような遊技台として、特許文献1には、画像表示装置を開閉する扉体を有するシャッタ装置を設けたものが開示されている。このような遊技台では、シャッタ装置の開閉により、画像表示装置の表示内容が隠れたり、露出したりするので、表示内容の演出効果を向上することができる。また、シャッタ装置の開閉動作自体も演出効果を向上し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−98027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のものは、シャッタ装置により画像表示装置を全閉とするか全開とする程度の演出しか行えず、基本的に表示画像とシャッタ装置の動作との連携のみとなる。一方、パチンコ機のように遊技球が遊技領域上を転動するものでは、遊技球の動きは遊技者が着目する要素の1つである。
【0005】
本発明の目的は、遊技球の挙動と可動体の動作と画像の表示とを連携させ、遊技の興趣を向上し得る遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下の遊技台が提供される。
【0007】
すなわち、本発明の遊技台は、画像を少なくとも表示可能な表示領域を有する表示手段と、演出用可動体の移動制御を少なくとも実行可能な制御手段と、通路を通過する遊技球を少なくとも検出可能な検出手段と、を備えた遊技台において、前記遊技台は、ぱちんこ機であり、前記制御手段は、前記検出手段により遊技球が検出されたことに応じて、変更制御を少なくとも実行可能なものであり、前記変更制御は、前記演出用可動体を移動させる制御であり、前記変更制御が実行されることによって、前記表示領域に表示される画像の見える範囲が変更される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技球の挙動と可動体の動作と画像の表示とを連携させ、遊技の興趣を向上し得る遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技台Aの正面図である。
【図2】シャッタユニット60の斜視図である。
【図3】ステージ63cの正面部分を破断した内部構成図である。
【図4】主制御基板100及びこれに関連する構成のブロック図である。
【図5】副制御基板200及びこれに関連する構成のブロック図である。
【図6】(a)は特図表示装置32が停止表示する特別図柄の例を示す図、(b)はLCD50が表示する装飾図柄の例及びその組合せの表示例を示す図、(c)は普図表示装置30が停止表示する普通図柄の例を示す図である。
【図7】(a)及び(b)は主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【図8】主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【図9】主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【図10】主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【図11】主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【図12】主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【図13】(a)及び(b)は副制御回路210のCPU210aが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【図14】副制御回路210のCPU210aが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【図15】(a)乃至(c)は検出した遊技球の数に応じた開度で扉体61を開放した例を示す説明図である。
【図16】(a)は、シャッタユニット60に代わるシャッタユニット60'の斜視図、(b)は一対の扉体61の互いに対向する端部を背後側から見た図である。
【図17】(a)乃至(d)はシャッタユニット60'の動作説明図である。
【図18】(a)及び(b)は扉体61の移動例を示す図、(c)及び(d)は入球口の他の構成例を示す図である。
【図19】保持部の他の形態例を示す図である。
【図20】(a)乃至(c)は扉体61及び保持部の他の形態例を示す図である。
【図21】(a)は、本実施形態における扉体61の構成の説明図、(b)は扉体61の平面図である。
【図22】(a)及び(b)は扉体61の動作説明図である。
【図23】(a)は扉体61の動作説明図、(b)は扉体61間に隙間Wを形成した例を示す図である。
【図24】(a)はレール部61g及び入球口67の他の構成例、(b)は入球口67の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
<全体構成>
図1は本発明の一実施形態に係る遊技台Aの正面図である。遊技台Aはパチンコ機であって、その正面に正面扉10を備える。正面扉10は遊技台Aの内枠(図1において不図示)に対して開閉可能であり、内枠は正面扉10を支持する。正面扉10の略中央には円形の窓部11を形成している。窓部11には透明の部材(ガラス板或いはプラスチック板)を儲け、窓部11を介して正面扉10の背後の遊技領域21が見えるように構成している。
【0011】
遊技領域21は遊技盤20の正面に形成している。遊技領域21には釘22を複数立設しており、釘22は遊技領域21の正面側に突出している。遊技領域21には、また、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、複数の入賞口27、及び、大入賞口28を設けている。本実施形態の場合、普図始動入賞口26はゲート式の入賞口であり、遊技球(パチンコ球)の入球後も遊技領域21を流下する。一方、特図始動入賞口24及び25、大入賞口28、入賞口27はいずれも、遊技球の入球後に遊技領域21からこれを排出する形式の入賞口である。これらの各入賞口にはいずれも遊技球の入球を検出するセンサ(不図示)を設けている。
【0012】
特図始動入賞口25は、いわゆる電動チューリップ式の可変入賞口であり、入賞口に設けた可動の開閉部材の開閉により、遊技球の入球が規制される規制状態と、規制状態よりも遊技球が入球し易い開放状態と、の間で状態が変化する。特図始動入賞口25が開放状態にある場合には、特図始動入賞口25の開閉部材が遊技球が拾い易くなるため、規制状態よりも遊技球が入球し易くなる。一方、規制状態にある場合には、開閉部材に邪魔をされて遊技球が入球しにくくなる。
【0013】
大入賞口28も可変入賞口である。大入賞口28には、これを開閉する可動の開閉部材28aを設けている。開閉部材28aは閉鎖位置と、遊技領域21の正面側へ回動した開放位置との間で回動可能である。図1は開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を示している。開閉部材28aが閉鎖位置にある場合は大入賞口28が閉鎖されて遊技球は入球不能となり、開閉部材28aが開放位置にある場合は遊技球が大入賞口28に入球可能となる。以下、開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を大入賞口28が閉鎖と、開閉部材28aが開放位置にある場合を大入賞口28が開放ともいう。
【0014】
遊技領域21には、また、アウト口29を設けている。アウト口29は遊技領域21の最下部に位置しており、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球は、このアウト口29に入球し、これにより遊技領域21から排除する。
【0015】
遊技領域21の下方には、普通図柄表示装置30(以下、普図表示装置ともいう。)、特別図柄表示装置32(以下、特図表示装置ともいう)を設けている。本実施形態の場合、これらはいずれも7セグメントLED表示器である。また、普図表示装置30の近傍には普図抽選保留記憶数表示装置31を、特図表示装置32の近傍には特図抽選保留記憶数表示装置33を、それぞれ設けている。普図抽選保留記憶数表示装置31は当たり判定用の乱数の保留回数を表示し、特図抽選保留記憶数表示装置33は大当たり判定用の乱数の保留回数を表示する。本実施形態の場合、普図抽選保留記憶数表示装置31、特図抽選保留記憶数表示装置33をいずれも複数のLEDで構成し、乱数の保留回数に応じた数のLEDを点灯する。
【0016】
遊技台Aの下部には、上皿構成部材40と、下皿構成部材41と、を設けており、上皿構成部材40の左上部には払出口42を設けている。上皿構成部材40は払出口43から払い出される遊技球が流れ込む上皿(不図示)を構成する。上皿には遊技球を一定量貯留することができる。下皿構成部材41は不図示のレバーを操作することにより上皿から流れてくる遊技球を一定量貯留する下皿(不図示)を構成する。
【0017】
発射ハンドル43は遊技者の球発射操作を受け付けるためのハンドルである。遊技台Aは、遊技球発射装置44と、上皿が貯留している遊技球を一球ずつ、遊技球発射装置44の発射位置に供給する球送り装置(図1において不図示)と、を内蔵している。遊技球発射装置44は発射ハンドル43に対する遊技者の操作量に応じた強さで、上述した球送り装置により上皿42から発射位置に供給された遊技球を、その弾発動作により発射する。遊技球は遊技領域21に設けた内レール23aと、外レール23bと、の間の通路を通って遊技領域21の上方へ飛び込むことになる。
【0018】
遊技領域21の略中央には液晶表示装置(LCD)50を設けている。LCD50は各種の情報を表示する画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置を採用するが他の画像表示装置であってもよい。LCD50の表示領域51は方形をなし、遊技台Aの正面側を向いている。LCD50にはシャッタユニット60を設けている。シャッタユニット60の上部には、ワープ通路の入口60aが設けられている。以下、シャッタユニット60について詳述する。
【0019】
<シャッタユニット>
図2はシャッタユニット60の斜視図である。なお、同図においては、入口60aの周辺のシャッタユニット60の上部の構成は省略されている。シャッタユニット60は、LCD50の表示領域51の手前(正面側)で、移動可能に設けた一対の板状の扉体61を有する。扉体61は、不図示のレール状のガイド部材に移動を案内され、表示領域51に沿って左右方向に移動することで、表示領域51を開閉する。同図の例では扉体61を、その移動方向である左右方向に並設しており、扉体61を表示領域51に対向した姿勢のままで移動させることができる。本実施形態の場合、開放状態の場合、扉体61はセル板の背後に隠れる。
【0020】
扉体61は、枠体61aと、枠体61aの開口をその背面側から塞ぐシート部材61bと、を有し、枠体61aにはラック部61cが形成されている。シート部材61bは、本実施形態の場合、背後が透けて見えない透過性を有しないものである。しかし、背後が透けて見える透過性を有するものや、背後がぼんやりと透けて見えるもの(例えば乳白色の材料)でもよい。つまり、本実施形態では、扉体61はその閉鎖時に表示領域51を遊技者から視認困難にするが、視認を妨げずに単に覆っているだけのものを採用することも可能である。また、扉体61の形態は上記のものに限られず、任意に選択できる。
【0021】
駆動ユニット62は、ステッピングモータであるモータ62aと、その出力軸に装着され、ラック部61cと噛合するピニオン62bと、を備える。各モータ62aの駆動により、各扉体61はそれぞれ独立して移動することができる。なお、扉体61を移動させる機構はこれに限られず、任意の機構が採用できる。
【0022】
LCD50の手前(正面側)にはステージ形成部材63が配置されている。ステージ形成部材63は、3段のステージ63a、63b、63cを形成する。扉体61はステージ63b上を移動する。ワープ通路形成部材64は、入口60a(図1)と連通してワープ通路を形成し、その出口は最上段のステージ63aに臨んでいる。ワープ通路を通過した遊技球は、ステージ63a上に流れ込み、ステージ63b、63cを下って下方へ流れ出る。ステージ形成部材63の両側には、ワープ通路を通過しない遊技球がステージ63a、63b、63c上に流れ込むことを防止する側壁65が形成されている。
【0023】
ステージ63bの正面には、センサユニット66が埋設されている。センサユニット66は、遊技球がステージ63c上の領域Sの位置に存在するか否かを検出するとともに、その数も検出する。本実施形態の場合、センサユニット66は、反射型光センサを左右に複数並べた構成であり、各光センサの遊技球の検出結果により、遊技球の存在及び数を判定する。センサユニット66の構成はこれに限られず、たとえば、領域Sに設けられ、領域S上の遊技球の重さを検出することにより、遊技球の存在の有無及びその数を検出する重量センサ等、他の種類のセンサであってもよい。
【0024】
最下段のステージ63cの正面には入球口67が設けられている。入球口67に遊技球が入球すると、何らかの利益を遊技者に付与することができる。例えば、入球口67は入賞口であってもよい。また、入球口67に遊技球が入球すると、他の場合では実行されない特定の演出(例えば、LCD50に特定の画像を表示する)が実行されるようにしてもよい。
【0025】
ステージ63cの下方には、領域S上に遊技球を磁力により保持する保持機構68が配置されている。図3はステージ63cの正面部分を破断した内部構成図である。保持機構68は永久磁石68aと、永久磁石68aを実線位置と破線位置とで昇降する電動のアクチュエータ68bと、を備える。アクチュエータ68bは例えば伸縮型の電磁ソレノイドであるが、他の種類のアクチュエータでもよい。永久磁石68aを上昇させると、その磁力により領域Sに遊技球を保持でき、下降させると磁力の働きが弱くなって保持が解除され、遊技球はステージ63cから流れ落ちることになる。本実施形態では、永久磁石68aを昇降することで、保持及びその解除を行うが、永久磁石68aの移動方向はこれに限られず、保持及びその解除が可能な任意の移動態様を採用できる。
【0026】
<制御回路の構成>
次に遊技台Aの制御回路の構成について説明する。図4は主制御基板100及びこれに関連する構成のブロック図である。図5は副制御基板200及びこれに関連する構成のブロック図である。これらの制御回路は遊技盤20の背面側に設けることができる。
【0027】
<主制御基板>
図4を参照して、主制御基板100は主制御回路110を搭載する。主制御回路110は遊技の進行を制御するCPU110aと、CPU110aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM110bと、一時的なデータを記憶するRAM110cと、CPU110aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O110dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM110b、RAM110cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM110cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにする。
【0028】
主制御回路110は、また、カウンタタイマ110eを備える。カウンタタイマ110eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU110aは割り込み信号を受信すると予め定めた割り込み処理を実行する。
【0029】
主制御基板100は水晶発振器111、カウンタ回路112を搭載する。水晶発振器111はCPU110aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。カウンタ回路112は水晶発振器111が発生するクロック信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントし、大当たり抽選用の乱数を生成する。なお、本実施形態ではカウンタ回路112が水晶発振器111が発生するクロック信号をカウントする構成としたが、別の水晶発振器を設け、これが定期的に出力する信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントする構成としてもよい。
【0030】
センサ回路113aは各種センサ114aからの信号を処理してI/O110dに出力する。CPU110aはI/O110dの入力ポートから各種センサ114aの検出結果を取得することができる。各種センサ114aは、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、入賞口27、大入賞口28にそれぞれ設けた遊技球の入球を検出するセンサ、電源回路120の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。
【0031】
駆動回路113b及び113cはI/O110dが出力する制御信号に基づき特図表示装置32、普図表示装置30、の表示制御を行なう。駆動回路113dはI/O110dが出力する制御信号に基づき各種ソレノイド114bを駆動制御する。各種ソレノイド115は特図始動入賞口25を開閉するソレノイド、大入賞口28の開閉部材28aを開閉するソレノイドを含む。駆動回路113e及び113fはI/O110dが出力する制御信号に基づき特図抽選保留記憶数表示装置33、普図抽選保留記憶数表示装置31の表示制御を行なう。CPU110aはI/O110dの出力ポートを介してこれらの各デバイスに制御信号を出力して制御することができる。
【0032】
CPU110aはI/O110dを介して副制御基板200へ制御コマンドを出力する。また、CPU110aは情報出力回路115を介して情報入力回路116へ制御信号を出力する。情報入力回路116は、例えば、遊技台A毎にこれを設置する島に配した表示器の駆動回路である。
【0033】
CPU110aはI/O110dを介して払出装置制御基板126へ制御信号を出力する。払出装置制御基板126はCPU110aからの制御信号に基づき、払出装置127を制御して、遊技球の払出処理を行なう。払出センサ125は払出装置127が払出した遊技球を検出するセンサであり、払い出す遊技球の数量をカウントする。
【0034】
払出装置制御基板126は発射装置制御基板123へ遊技球の発射を許可する信号を出力する。発射装置制御基板123は発射ハンドル43に対する操作量を検出するハンドルセンサ121からの信号に応じて、遊技球発射装置44を構成する発射モータ122を駆動する。また、上皿構成部材40が構成する上皿から遊技球発射装置44へ遊技球を導く球送り装置124を制御する。
【0035】
<副制御基板>
図5を参照して、副制御基板200は副制御回路210を搭載する。副制御回路210は演出内容を制御するCPU210aと、CPU210aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM210bと、一時的なデータを記憶するRAM210cと、CPU210aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O210dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM210b、RAM210cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM210cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにする。
【0036】
副制御回路210は、また、カウンタタイマ210eを備える。カウンタタイマ210eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU210aは割り込み信号を受信すると予め定割り込み処理を実行する。副制御基板200は水晶発振器211を搭載する。水晶発振器211はCPU210aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。
【0037】
音源IC212は、遊技台Aに設けたスピーカ215が出力する音のデータを記憶し、I/O210dが出力する制御信号に基づき、スピーカ215が出力する音を制御する。駆動回路213aはI/O210dが出力する制御信号に基づき、遊技台Aに設けた装飾用のLED216の駆動制御を行なう。駆動回路213bはI/O210dが出力する制御信号に基づき、アクチュエータ68bの駆動制御を行なう。制御回路基板217は、I/O210dが出力する制御信号に基づき、駆動ユニット62のステッピングモータ62aを制御する。センサ回路214は各種センサ218からの信号を処理してI/O210dに出力する。
【0038】
各種センサ218は、センサユニット65、電源回路220の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。LCD制御基板221は、I/O210dが出力する制御信号に基づきLCD50の表示制御を行なう。
【0039】
<遊技の概要>
遊技者が発射ハンドル43を操作すると、遊技球発射装置44が遊技球を遊技領域21の上方へ発射する。遊技球は、その後、遊技領域21に立設した複数の釘22と衝突を繰り返しながら遊技領域21の下方に流れ落ちる。遊技領域21の上方から下方へ遊技球が流れ落ちる過程で、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、入賞口27又は大入賞口28に遊技球が入球することで入賞となり、遊技者に対して特典が与えられる。
【0040】
遊技者に対する特典として、特図始動入賞口24及び25、入賞口27に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば3個の遊技球を払出口42から払い出す。大入賞口28に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば15個の遊技球を払い出す。普図始動入賞口26に入球した場合は遊技球を払出してもよいが、本実施形態では払い出しはない。
【0041】
次に、本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態、大当たり状態、確変状態、及び、特殊遊技状態を遊技結果に応じて設定する。まず、通常遊技状態において所定の条件が成立すると、大当たり状態を設定する。大当たり状態が終了した場合には特殊遊技状態を設定する。特殊遊技状態が終了すると通常遊技状態に戻る。また、特殊遊技状態において所定の条件が成立すると、大当たり状態を設定する。大当たり状態を特別大当たりの成立により設定した場合は、確変状態を設定する。確変状態において所定の条件が成立すると大当たり状態を設定し、確変状態は大当たり状態を設定するまで継続する。
【0042】
<大当たり>
遊技台Aは特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として大当たりの抽選を行なう。抽選の結果は特図表示装置32が表示する。特図表示装置32は所定時間の間、図柄(特別図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた特別図柄を停止表示する。図6(a)は特図表示装置32が停止表示する特別図柄の例を示す図である。特別図柄は8種類あり、そのうちの6種類が大当たりの成立を示す図柄である。大当たりの成立を示す6種類の図柄のうち、3種類が特別大当たりの成立を示す図柄である。なお、大当たりのうち、特別大当たり以外の大当たりを通常大当たりと称する。
【0043】
本実施形態では大当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(大当たりの判定)することにより行なう。大当たりの当選確率は各抽選毎に例えば1/350である。本実施形態の場合、大当たりの判定は、特別図柄の変動中には行なわない。特別図柄の変動表示中に特図始動入賞口24又は25への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、特別図柄の停止表示後に大当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、特図始動入賞口24又は25に入球があった場合、その入球に対応する大当たりの抽選は行なわない。なお、大当たり用の乱数の保留数を「特図抽選保留記憶数」といい、特図抽選保留記憶数表示装置33によりその数を表示する。
【0044】
大当たりの抽選の結果はLCD50にも表示する。LCD50は、特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として、図柄(装飾図柄)の組み合わせ(ここでは3図柄の組み合わせ)を構成する各装飾図柄の変動表示を開始した後、各装飾図柄を停止表示して大当たりの抽選結果に応じた装飾図柄の組合せを表示する。LCD50は、特図表示装置32の特別図柄の変動開始及び変動終了と略同期して装飾図柄の変動表示を開始し、終了する。図6(b)はLCD50が表示する装飾図柄の例及びその組合せの表示例を示す。装飾図柄は8種類ある。また、大当たりの成立を示す装飾図柄の組合せは8種類あり、そのうちの4種類が特別大当たりの成立を示す組み合わせである。
【0045】
遊技台Aは、大当たりの抽選結果が大当たりであることを条件として、予め定めた条件が成立するまで、遊技状態として大当たり状態を設定する。大当たり状態を設定している間、大入賞口28の開閉部材28aが所定回数(例えば15回)開放し、大入賞口28に遊技球が入球可能となる。1回の開放は大入賞口28に一定数の遊技球の入球(例えば9個)があるか、一定時間の経過(例えば30秒)により終了する。開閉部材28aが開放状態にあることをラウンドという。大入賞口28が上記の所定回数開放すると、つまり、ラウンド数が所定回数に達すると大当たり状態を終了する。
【0046】
<当たり>
遊技台Aは普図始動入賞口26に遊技球が入球したことを条件として当たりの抽選を行なう。抽選の結果は普図表示装置30が表示する。普図表示装置30は所定時間の間、図柄(普通図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた普通図柄を停止表示する。図6(c)は普図表示装置30が停止表示する普通図柄の例を示す図である。普通図柄は2種類あり、そのうちの1種類が当たりの成立を示す図柄である。
【0047】
本実施形態では当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(当たりの判定)することにより行なう。本実施形態の場合、当たりの判定は、普通図柄の変動中には行なわない。普通図柄の変動中に普図始動入賞口26への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、普通図柄の停止表示後に当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、普図始動入賞口26に入球があった場合、その入球に対応する当たりの抽選は行なわない。なお、当たり用の乱数の保留数を「普図抽選保留記憶数」といい、普図抽選保留記憶数表示装置31がその数を表示する。
【0048】
遊技台Aは、当たりの抽選結果が当たりであることを条件として、特図始動入賞口25を一定時間(例えば0.3秒)開放させる。よって、当たりが成立すると特図始動入賞口25に遊技球が入球し易くなる。
【0049】
<特殊遊技状態>
遊技台Aは大当たり状態が終了したことを条件として、特殊遊技状態を設定する。特殊遊技状態を設定している間、遊技者には特典を与える。特典の内容としては、例えば、特殊遊技状態においては通常遊技状態よりも当たりの当選確率を高くすることができる。また、特殊遊技状態においては通常遊技状態よりも特図始動入賞口25を開放する時間を長くすることもできる。また、特殊遊技状態を設定している間、普図表示装置30の変動表示時間を短縮してもよい。更に、特殊遊技状態を設定している間、特図表示装置32の変動表示時間を短縮してもよい。
【0050】
特殊遊技状態の終了条件は、本実施形態の場合、大当たり状態の設定終了から特図表示装置32による特別図柄の停止表示回数が予め定めた回数(例えば100回)に達するまで、又は、大当たり状態が設定されるまで、換言すれば、特図表示装置32が大当たりの成立を示す特別図柄を停止表示するまで、のいずれかが成立した場合である。
【0051】
<確変状態>
遊技台Aは特別大当たりが成立したことを条件として、確変状態を設定する。確変状態を設定している間、大当たりの当選確率をアップし、大当たりが成立し易くする。確変状態は大当たりが成立したことを条件として終了する。
【0052】
<遊技の進行の制御処理>
次に、主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例について図7乃至図12を参照して説明する。図7(a)はCPU110aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図7(b)はカウンタタイマ110eからの割り込み信号を契機としてCPU110aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
【0053】
<メイン処理>
電源の投入により、CPU110aはS1で初期処理を行なう。ここではRAM110cが記憶しているデータの破損チェック、電源断時にRAM110cに退避したCPU110aのレジスタの記憶内容の復帰処理等を行なう。
【0054】
S2では乱数カウンタの初期値を更新する処理を行ない、その後、電源断となるまでS2の処理を繰り返す。乱数カウンタはRAM110cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタであり、その種類として「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」がある。これらのカウンタは一定の数値範囲で循環的に数値をカウントし、乱数の生成に使用する。初期値とはカウントが一巡したときに、次にカウントを開始する時の値を意味する。例えば、0〜127の数値範囲で数値をカウントする場合であって、初期値が50であった場合、次のカウントは50、51...127、0...49となる。
【0055】
「特図抽選用乱数カウンタ」は、大当たりの判定結果に基づき、特図表示装置32に表示する特別図柄の種類を、図6(a)に示した、図柄の中から抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」は、特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「当たり抽選用乱数カウンタ」は、当たりの判定を行うための乱数を生成するために使用する。本実施形態の場合、図6(b)に示したように、普図表示装置30が表示する普通図柄は当たり図柄と外れ図柄との2種類であるため、この判定結果により、普図表示装置30が表示する普通図柄の種類も定まる。「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。
【0056】
<タイマ割り込み処理>
S11ではI/O110dの入力ポートから各種センサ114aの検出結果を取得する。S12では乱数カウンタを更新する。乱数カウンタとは上述した、「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」であり、これらのカウント値を一つ加算する。また、カウントが一巡していた場合には、S2で更新した初期値にカウント値を更新する。
【0057】
S13では始動入賞判定処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口24及び25又は普図始動入賞口26への遊技球の入球の有無に関連する処理を行なう。詳細は後述する。S14では特図関連処理を行なう。ここでは、主として大当たりの判定や大当たり状態設定中の処理を行う。詳細は後述する。S15では普図関連処理を行なう。ここでは、主として当たりの判定に関連する処理を行う。詳細は後述する。
【0058】
S16ではS13乃至S15での処理結果に応じて副制御基板200へ制御コマンドを送信する。S17ではS13乃至S15での処理結果に応じてI/O110dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。S18ではカウンタ更新処理を行なう。
【0059】
カウンタ更新処理では時間を計時する各種カウンタのカウント値の更新等を行なう。時間を計時するカウンタの種類には、「特図変動時間カウンタ」、「普図変動時間カウンタ」、「可変入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放待ちカウンタ」等がある。これらのカウンタは、RAM110cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタである。
【0060】
「特図変動時間カウンタ」は特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を計時するカウンタである。「普図変動時間カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を計時するカウンタである。「可変入賞口開放時間カウンタ」は特図始動入賞口25の開放時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放時間カウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に位置させた状態の時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放待ちカウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に移動させるまでの待ち時間を計時するカウンタである。待ち時間はLCD50等による演出を行うための時間を確保するために設定される。S18のカウンタ更新処理の詳細は後述する。
【0061】
S19ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータのうち、電源断を検出する上記のセンサの検出結果を取得し、電源断か否かを判定する。該当する場合にはS20へ進み、該当しない場合は一単位のタイマ割り込み処理を終了する。S20では電源断時の処理を行なう。ここでは例えばCPU110aのレジスタの記憶内容をRAM110cに退避する処理等を行ない、処理が終了する。
【0062】
<始動入賞判定処理>
次に、図8を参照してS13の始動入賞判定処理について説明する。図8は始動入賞判定処理のフローチャートである。S31ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータに基づき、特図始動入賞口24及び25に対する入球を検出したか否かを判定する。該当する場合はS32へ進み、該当しない場合はS36へ進む。
【0063】
S32では特図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS33へ進み、該当しない場合はS36へ進む。なお、特図抽選保留記憶数はRAM110cの一部の記憶領域に記憶する。S33では特図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O110dにセットする。S34ではカウンタ回路112から大当たり判定用の乱数を取得する。S35では、S34で取得した大当たり判定用の乱数、「特図抽選用乱数カウンタ」及び「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM110cの一部の特図乱数記憶領域に特図抽選保留乱数として記憶する。
【0064】
S36ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータに基づき、普図始動入賞口26に対する入球が検出されたか否かを判定する。該当する場合はS37へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。
【0065】
S37では普図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS38へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。なお、普図抽選保留記憶数はRAM110cの一部の記憶領域に記憶する。S38では普図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O110dにセットする。S30では、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM110cの一部の普図乱数記憶領域に普図抽選保留乱数として記憶する。その後、一単位の始動入賞判定処理を終了する。
【0066】
<特図関連処理>
次に、図9及び図10を参照してS14の特図関連処理について説明する。図9及び図10は特図関連処理のフローチャートである。S41〜S50の処理は、主として大当たり状態を設定している場合の処理である。S41では遊技状態として大当たり状態を設定中か否かを判定する。該当する場合はS42へ進み、該当しない場合はS51へ進む。遊技状態はRAM110cの一部の記憶領域に設定したフラグのON、OFFにより設定する。
【0067】
S42では大入賞口28を開放中か否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合はS49へ進む。大入賞口28が開放中か否かはRAM110cの一部の記憶領域を用いた大入賞口開放中フラグがONかOFFかで判定する。S43では大入賞口入賞数管理処理を行なう。ここでは大入賞口28への遊技球の入球数をカウントする処理を行なう。S44では大入賞口28の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。該当する場合はS45へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S44では、S43の処理の結果、大入賞口28への遊技球の入球数が一定値に達した場合、又は、大入賞口28の開放時間が一定時間に達した場合(「大入賞口開放時間カウンタ」のカウント値が0の場合)に、閉鎖条件成立と判定する。
【0068】
S45では大入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、大入賞口28を閉鎖すべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、大入賞口開放中フラグをOFFにする。S46ではラウンド管理処理を行なう。ここでは大入賞口28の開放回数をカウントする処理、及び、開放回数が所定回数に達したか否かを判定する処理等を行なう。また、大入賞口28の開放回数が所定回数に達していない場合には、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
【0069】
S47ではS46の処理結果に応じて大当たり状態を終了するか否かを判定する。大入賞口28の開放回数が所定回数に達した場合に大当たり状態を終了する。該当する場合はS48へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S48では遊技状態管理処理を行う。ここでは遊技状態として特殊遊技状態を設定する。また、特殊遊技状態の設定に伴う設定を行なう。これには、特殊遊技状態の終了条件となる、特別図柄の停止表示回数の初期値の設定が含まれる。停止表示回数のカウント値はRAM110cの一部の記憶領域を利用した「表示回数カウンタ」により管理する。また、S48では後述するように所定の条件を満たした場合、遊技状態として確変状態も設定する。
【0070】
S49では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS50へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S50では大入賞口開放処理を行なう。ここでは、大入賞口28を開放すべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、「大入賞口開放時間カウンタ」に初期値をセットし、大入賞口開放中フラグをONにする。その後、一単位の特図関連処理を終了する。
【0071】
S51〜S69の処理は、主に、特図の変動、大当たりの抽選に関する処理である。S51では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS52へ進み、該当しない場合はS56へ進む。S52では特図表示装置32に特別図柄を停止表示するための表示データをI/O110dにセットする。S56では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。
【0072】
S53ではRAM110cの一部の記憶領域を用いた大当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS54へ進み、該当しない場合はS61へ進む。S54では大当たりフラグをOFFにする。S55では遊技状態として大当たり状態を設定する。また、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
【0073】
S61では特図抽選保留乱数をRAM110cに記憶しているか否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S62では、特図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の特図抽選保留乱数を取得し、特図乱数記憶領域から消去する。また、特図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O110dにセットする。
【0074】
S63では大当たりの判定を行う。大当たりの判定は、S62で取得した特図抽選保留乱数の大当たり判定用の乱数と、ROM110bに記憶した大当たり抽選データとに基づき行なう。そして、大当たり判定用の乱数が大当たり抽選データで示された数値の範囲に含まれる場合に大当たり成立と判定する。大当たり抽選データは、遊技状態が確変状態か否かで区別され、確変状態の場合は確変時の抽選データを、確変状態以外の場合は通常時の抽選データを選択する。確変状態の場合の方が大当たりの当選確率が高く設定される。なお、大当たり抽選データを特図始動入賞が特図始動入賞口24に遊技球が入球して成立した場合と、特図始動入賞口(可変入賞口)25に遊技球が入球して成立した場合とでも区別してもよい。
【0075】
S64ではS63の大当たりの判定の結果、大当たり成立と判定した場合はS65へ進み、そうでない場合はS66へ進む。S65では大当たりフラグをONにする。また、確変フラグがONの場合はOFFにする。確変フラグはRAM110cの一部の記憶領域を用いたフラグであり、遊技状態として確変状態を設定する場合にONとし、終了する場合にOFFとする。
【0076】
S66では特図抽選を行う。特図抽選は大当たりフラグがONの場合とOFFの場合とで異なる。大当たりフラグがONの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した大当たり時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。抽選により選択した特別図柄の種類は大当たりが終了するまでRAM10cの一部の記憶領域に記憶し、選択した特別図柄が特別大当たりの特別図柄である場合には、上述したS48にて確変フラグをONにし、遊技状態として確変状態を設定する。大当たりフラグがOFFの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM10bに記憶した外れ時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。
【0077】
S67では変動パターン抽選処理を行う。ここでは変動パターンを抽選で選択して決定する。変動パターンはS66で選択した特別図柄の種類と、最古の特図抽選保留乱数の「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した変動パターン抽選データとに基づき行なう。変動パターンは、LCD50が表示する装飾図柄の変動表示、停止表示、演出画像、扉体61、62の移動態様等を規定する。また、変動パターンは特別図柄表示装置32及びLCD50の変動表示の時間(変動時間)を規定する。抽選により選択した変動パターンの種類は、図7(b)のS16により副制御基板200へ出力することになる。
【0078】
S68ではS67で選択した変動パターンに規定されている変動時間に応じて「特図変動時間カウンタ」の初期値を設定する。S69では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。
【0079】
S70〜S73の処理は、主として特殊遊技状態の終了に関する処理である。S70では遊技状態として特殊遊技状態を設定中か否かを判定する。該当する場合はS71へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S71では「表示回数カウンタ」を更新する。ここでは「表示回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する(但し、0まで。)。S72では「表示回数カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS73へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理が終了する。S73では遊技状態管理処理を実行する。ここでは特殊遊技状態の設定を終了する。その後、一単位の特図関連処理が終了する。
【0080】
<普図関連処理>
次に、図11を参照してS15の普図関連処理について説明する。図11は普図関連処理のフローチャートである。S81では特図始動入賞口(可変入賞口)25が開放状態か否かを判定する。該当する場合はS82へ進み、該当しない場合はS84へ進む。特図始動入賞口25が開放状態か否かは、RAM110cの一部の記憶領域を用いた可変入賞口フラグがONかOFFかで判定する。
【0081】
S82では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS83へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S83では可変入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口25を規制状態とすべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをOFFにする。
【0082】
S84では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS85へ進み、該当しない場合はS90へ進む。S90では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットし、その後、一単位の普図関連処理を終了する。
【0083】
S85ではRAM110cの一部の記憶領域を用いた当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS86へ進み、該当しない場合はS91へ進む。S86では当たりフラグをOFFにする。S87では「可変入賞口開放時間カウンタ」に初期値を設定する。S88では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。S89では可変入賞口開放処理を行う。ここでは、I/O110dの出力ポートに特図始動入賞口25を開放状態に変化させるデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをONにする。
【0084】
S91では普図抽選保留乱数をRAM110cに記憶しているか否かを判定する。該当する場合はS92へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S92では普図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の普図抽選保留乱数を取得し、普図乱数記憶領域から消去する。また、普図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O110dにセットする。
【0085】
S93では当たりの判定を行う。当たりの判定は、最古の普図抽選保留乱数の「当たり抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した当たり抽選データとに基づき行なう。S94ではS93の当たりの判定の結果、当たりと判定した場合はS95へ進み、そうでない場合はS96へ進む。S95では当たりフラグをONにする。
【0086】
S96では「普図変動時間カウンタ」に初期値を設定する。また、当たりの判定結果及び普図変動時間を示す情報をI/O110dにセットする。これらの情報は、図6(b)のS16により副制御基板200へ出力することになる。S97では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。以上により一単位の普図関連処理を終了する。
【0087】
<カウンタ更新処理>
次に、図12を参照してS18のカウンタ更新処理について説明する。図12はカウンタ更新処理のフローチャートである。S101では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS105へ進み、該当しない場合はS102へ進む。
【0088】
S102では「特図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S103では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS104へ進み、該当しない場合はS105へ進む。S104では副制御基板200へ図柄停止コマンドを送信する。副制御基板200はこのコマンドを受けてLCD50が表示する装飾図柄の変動を停止する。
【0089】
S105では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS107へ進み、該当しない場合はS106へ進む。S106では「普図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S107では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS109へ進み、該当しない場合はS108へ進む。S168では「可変入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。
【0090】
S109では「大入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS111へ進み、該当しない場合はS110へ進む。S110では「大入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。S111では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合は一単位のカウンタ更新処理を終了し、該当しない場合はS112へ進む。S112では「大入賞口開放待ちカウンタ」を一つ減算する。以上により一単位のカウンタ更新処理を終了する。
【0091】
<演出の制御処理>
次に、副制御回路210のCPU210aが実行する処理の例について図13を参照して説明する。図13(a)はCPU210aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図13(b)はカウンタタイマ210eからの割り込み信号を契機としてCPU210aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
【0092】
<メイン処理>
電源の投入により、CPU210aはS101で初期処理を行なう。ここではCPU210aのレジスタの初期設定等、副制御回路210全体の各種初期設定を行う。S102では主制御基板100からの制御コマンドに応じた処理を実行する。詳細は後述する。S103ではS202の処理結果に応じてI/O210dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。その後、S202へ戻り、電源断まで同様の処理を繰り返す。
【0093】
<タイマ割り込み処理>
S111では主制御基板100から制御コマンドを受信したか否かを判定する。該当する場合はS112へ進み、該当しない場合はS113へ進む。S112では受信した制御コマンドをRAM210cに保存する。S113では演出データの更新処理を行なう。ここでは、現在選択されている演出パターンに応じてLCD50の表示内容、扉体61の移動態様等を更新する処理や、センサユニット66の検出結果を取得し、取得した検出結果に応じたLCD50の表示内容、扉体61の移動態様等を更新する処理を行なう。S114では、LCD50や扉体61等の制御信号をI/O50dから出力する。以上により一単位のタイマ割り込み処理が終了する。
【0094】
<コマンド処理>
図14はS102のコマンド処理の例を示すフローチャートである。S121ではRAM210cにおける制御コマンドの記憶領域を参照して、未処理の主制御基板100からの制御コマンドの有無を判定する。未処理の制御コマンドがある場合は最古の制御コマンドを取得してS122へ進み、ない場合は一単位のコマンド処理を終了する。
【0095】
S122では制御コマンドが変動パターンの種類を示すコマンドか否かを判定する。該当する場合はS123へ進み、該当しない場合はS124へ進む。S123では制御コマンドに示された変動パターンの種類に応じて演出パターンを選択する。演出パターンには、LCD50に表示する画像の表示パターン、扉体61の移動パターン、スピーカ215の音出力パターンやLED216の発光パターン等が含まれる。
【0096】
S124では制御コマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定する。該当する場合はS125へ進み、該当しない場合はS126へ進む。S125ではLCD50の図柄の変動表示を停止するよう設定し、上述したS103でそのコマンドをLCD制御基板221へ出力することになる。S126では、その他の処理を行なう。ここではその他の種類の制御コマンドに応じた処理を行なう。シャッタユニット60の動作等に関わる制御コマンドがあった場合には、ここで対応する処理を行うことができる。例えば、扉体61を駆動するモータ62aの駆動に関わる制御コマンドがあった場合には、ここでモータ62aの動作データ等を設定する。以上により一単位のコマンド処理が終了する。
【0097】
<演出例>
次に、遊技台Aが実行可能なシャッタユニット60及びLCD50による演出の例について説明する。ここでは、センサユニット66が検出した遊技球の数により、扉体61の移動態様を異ならせる例について説明する。
【0098】
まず、特定の条件が成立すると、アクチュエータ68bを駆動して永久磁石68aを上昇させ(図3の実線位置)、扉体61を開放状態とする。特定の条件としては、例えば、装飾図柄の組合せがリーチ状態となった場合や、演出選択用の抽選で当選した場合等が挙げられる。
【0099】
永久磁石68aが上昇し、扉体61が開放状態となることで、ワープ通路の入口60aからワープ通路に進入してステージ形成部材63上に流れ出た遊技球の一部は、ステージ63c上の領域S(図2)に保持される。一定時間の経過後、扉体61を閉鎖状態とし、かつ、センサユニット66により領域S上の遊技球の数を検出する。そして、LCD50に予め定めた画像を表示し、検出した遊技球の数に応じた開度で扉体61を開放する。
【0100】
図15(a)乃至(c)は検出した遊技球の数に応じた開度で扉体61を開放した例を示す説明図である。図15(a)は領域S上に1個の遊技球が検出された場合、図15(b)は領域S上に2個の遊技球が検出された場合、図15(c)は領域S上に4個の遊技球が検出された場合を示す。保持されている遊技球が多いほど一対の扉体61間の離間距離が大きくなっており、つまり、開度が大きくなっている。なお、遊技球が多いほど開度が小さくなるようにしてもよい。
【0101】
このようにすることで、保持されている遊技球の数に応じて、遊技者が見ることができる表示画像の範囲が変化する。したがって、例えば、上記の予め定めた画像として出現頻度が極めて少ない予め定めたプレミア画像を表示する際の演出や、リーチ状態において変動中の図柄を表示する際の演出に効果的である。また、保持されている遊技球の数に応じて異なる画像を表示するようにしてもよい。
【0102】
このように本実施形態では、センサユニット66が遊技球を検出した場合、特に遊技球数に応じて、予め定めた移動態様で扉体61を移動させる。このため、遊技球の挙動と扉体61の動作と画像の表示とを連携させ、遊技の興趣を向上可能である。
【0103】
なお、図15(a)乃至(c)の例のうち、特に、図5(a)及び(b)の例は、一対の扉体61の離間距離が、遊技球の幅と略一致している。つまり、図15(a)の例の場合は1個の遊技球の幅分、図15(b)の例の場合は2個の遊技球の幅分だけ一対の扉体61が離間している。こうすることで、更に、遊技球の挙動と扉体61の動作とを連携させ、遊技の興趣を向上可能である。
【0104】
また、永久磁石68aが降下して遊技球の保持が解除されたとき、領域Sの下流側に入球口67があるので、保持されていた遊技球数が多いほど、遊技球が入球口67に入り易くなる。
【0105】
<第2実施形態>
本実施形態は、遊技球が特定の位置で検出された場合に、遊技球の移動に干渉するように扉体61を移動させる例である。これにより遊技球の挙動と扉体61の動作とを連携させ、遊技の興趣を向上可能である。図16(a)は、シャッタユニット60に代わるシャッタユニット60'の斜視図である。シャッタユニット60と同じ構成について同じ符号を付して説明を割愛し、異なる構成について説明する。
【0106】
シャッタユニット60'は、シャッタユニット60のセンサユニット66を備えておらず、その代わりにセンサ66'を備える。センサ66'はワープ通路の途中に設けられ、ワープ通路を通過する遊技球を検出する。本実施形態ではワープ通路の途中で遊技球を検出するものとしたが、ステージ63b上に向かう遊技球を検出できれば他の場所でもよく、例えば、ワープ通路の入口60aやワープ通路の出口にセンサ66'を設けてもよい。
【0107】
また、シャッタユニット60'は、シャッタユニット60の保持機構68を備えておらず、その代わりに保持部61dを備える。保持部61dは、各扉体61の互いに対向する端部側の下部に設けられており、L字型をなしてその短辺が扉体61の背後に突出している。図16(b)は一対の扉体61の互いに対向する端部を背後側から見た図である。一対の扉体61が閉鎖方向に動くと、保持部61dの間に到達した遊技球がここに保持されることになる。
【0108】
図17(a)乃至(d)はシャッタユニット60'の動作説明図であり、上方からシャッタユニット60'を見た模式図である。まず、特定の条件が成立すると、扉体61を開放状態とし、センサ66'が遊技球を検出した場合に扉体61を閉鎖方向に移動する(図17(a))。センサ66'が遊技球を検出した時で、扉体61が閉鎖する前にLCD50に予め定めた画像を表示する。この画像は例えば遊技者にこれから遊技球が保持される動作が行われることを報知する画像である。センサ66'で遊技球が検出されると、その遊技球が間もなく扉体61近傍に到達するので、これを保持すべく、扉体61を閉鎖するのである。なお、特定の条件としては、例えば、演出選択用の抽選で当選した場合等が挙げられる。
【0109】
扉体61の閉鎖は例えば一定時間とし、その間に、保持部61dに遊技球が保持される(図17(b)及び(c))。その後、扉体61を開放状態とし、遊技球の保持を解除する(図17(d))。保持部61dで保持された遊技球は、入球口67の上流側で保持されているので、保持が解除されると遊技球は入球口67に入り易くなる。入球口67に遊技球が入ると、LCD50に出現頻度が極めて少ない予め定めたプレミア画像を表示する等、遊技者に特典を付与すると遊技の興趣が高まる。
【0110】
なお、逆に保持部61dで保持された遊技球が入球口67に入り難くなるように扉体61を移動させてもよい。例えば、保持部61dで遊技球を保持した後、図18(a)に示すように保持状態を保ったまま扉体61を移動する。保持状態を保ったままとするためには一対の扉体61を同方向に等速度で移動すればよい。そして、その後、一対の扉体61が互いに離間するようにいずれか一方を移動する(図18(b))。これにより保持が解除され、遊技球は流れ落ちるが、入球口67からずれているため、入球口67には入りづらくなる。
【0111】
また、保持している遊技球数を検出して、保持状態を保ったまま移動する扉体61の移動方向や移動量を変化させてもよい。遊技球数の検出は、例えば、上述したセンサユニット66を設けて行うことができる。そして、例えば、保持されている遊技球数が少ない場合は、入球口67から離れるように移動し、多い場合は入球口67から余り離れないように移動する。この場合、多数の遊技球が保持されているほど、入球口67に遊技球が入球し易くなる。
【0112】
入球口67の配置も様々な形態をとることができる。例えば、図18(c)に示すように左右に離間して複数配置してもよい。また、ステージ63a乃至63c上に1又は複数の入球口67を配置してもよい。例えば、図18(d)に示すようにステージ63c上に入球口67'を複数配置してもよい。
【0113】
また、保持部61dの形態も様々な形態をとることができる。図19は保持部61dに代わる保持部61d'を備えた扉体61を上方から見た説明図である。保持部61d'はコの字型をなしており、各扉体61の互いに対向する端部に設けられている。そして、扉体61が閉鎖状態となると、互いに当接して角筒状になり、その中に遊技球を保持することができる。この例の場合、遊技球を保持できる確率が保持部61dの場合よりも下がるが、それだけ保持されたときの面白みが増すことになる。保持部61d'で遊技球を保持するために扉体61を閉鎖方向に移動するタイミング等は、センサ66'で遊技球が検出されてから扉体61に到達するまでの遊技球の移動時間を実験により計測しておき、その平均的な移動時間を考慮して決定するとよい。
【0114】
また、扉体61は左右1枚ずつの2枚構成以外に、左右2枚ずつの4枚構成としてもよく、この場合、形態が異なる保持部を扉体61を設けてもよい。図20(a)は扉体61を左右2枚ずつの4枚構成とした例であり、各扉体61は独立して駆動される。4つの扉体61のうち、3つに保持部61e又は61fが設けられ、保持部61eはコの字型、保持部61fはL字型である。図20(b)に示すように、保持部61e又は61fを有する扉体61が閉鎖状態となると、保持部61e及び61fが互いに当接して角筒状になり遊技球を保持可能となる。図20(c)に示すように、扉体61の1つを開放方向へ移動すると、保持状態を解除できる。
【0115】
<第3実施形態>
本実施形態も、遊技球が特定の位置で検出された場合に、遊技球の移動に干渉するように扉体61を移動させる例である。図21(a)は、本実施形態における扉体61の構成の説明図であり扉体61は開放状態にある。本実施形態では、扉体61はセル板上に位置しており、常時露出した状態にある。ステージ形成部材63や側壁65は設けられていない。ワープ形成部材64'にはセンサ66'が設けられており、ワープ通路を通過する遊技球を検出する。センサ66'の配置は、これに限られず、ワープ通路の入口60a等に設けてもよい。
【0116】
扉体61の正面上には遊技球の移動を案内するレール部61gが設けられている。図21(b)は扉体61の平面図であり、レール部61gは扉体61の正面から前方に突出した部分と、その先端から上方へ立ち上がって遊技球の脱落を抑制する縁部61g'を有している。
【0117】
図21(a)に示すように、本実施形態では、同図で右側の扉体61の右側に入球口67が配置されている。ここでは、この入球口67は入賞口である。入球口67は、右側の扉体61が図21(a)に示すように開放状態にあるときに、そのレール部61g上を移動する遊技球がレール部61gの終端部ENDから流れ出たときに入球口67に入るような位置に配置されている。つまり、終端部ENDからの遊技球の推定飛来軌跡上に存在している。
【0118】
図22(a)及び(b)及び図23(a)は扉体61の動作説明図である。まず、特定の条件が成立すると、扉体61を開放状態とし、センサ66'が遊技球を検出した場合に、その遊技球が間もなくワープ通路から出てくるので、これをレール部61g上に落下させるべく、扉体61を閉鎖方向に移動する(図22(a))。つまり、本実施形態では、ワープ通路形成部材64'の出口が、左側の扉体61が閉鎖状態にあるときに、出口から出てくる遊技球がレール部61g上に落下するように設けられている。
【0119】
ここで、センサ66'が遊技球を検出した時で、扉体61が閉鎖する前にLCD50に予め定めた画像を表示する。この画像は、例えば、遊技者にこれから遊技球がレール部61gを伝う動作が行われることを報知する画像である。また、特定の条件としては、例えば、演出選択用の抽選で当選した場合等が挙げられる。
【0120】
左側の扉体61のレール部61gと、右側の扉体61のレール部61gとは、図22(b)に示すように、レール部61g間を遊技球が渡るように、扉体61の閉鎖状態において互いに連続するように形成されている。
【0121】
扉体61を閉鎖状態にした後、扉体61を開放状態とする。この扉体61の一連の動作(閉鎖状態→開放状態)は、センサ66'が遊技球を検出した時点から時間で管理する。そして、運良く遊技球が左側の扉体61のレール部61gに乗って右側の扉体61のレール部61gに乗り移り、かつ、右の扉体61が開放状態の位置に戻ったことにレール部61gの終端部ENDから飛び出ると入球口67に入って成功となる。扉体61を開放状態に戻す際、センサ66’が遊技球を検出した時に表示する画像として、LCD50には図23(a)に示すように、成功を応援するメッセージ等の画像等を表示してもよい。
【0122】
なお、扉体61を閉鎖状態とするときに、図22(a)及び(b)に示すように完全に閉鎖するのではなく、場合によって、図23(b)に示すように隙間Wが形成されるようにしてもよい。この隙間Wの幅が広いほど、レール部61g間で遊技球が乗り移る確率が低くなり、途中で落下してしまうことになる。したがって、この隙間Wの幅を所定の条件に従って適宜変更することで、遊技の興趣を高めることができる。例えば、抽選により幅を設定したり、或いは、センサ66'で一定時間内に検出された遊技球の数に応じて幅を設定してもよい。センサ66'で一定時間内に検出された遊技球の数に応じて幅を設定するとしたのは、例えば、連続的に遊技球がワープ通路を通過してレール部61g上を移動する場合を考慮したもので、多数の遊技球が連続的にレール部61gを通過する場合は幅を広げて成功率を低くしたり、逆に、幅を狭めて成功率を高くしてもよい。更に、隙間Wの幅に応じてLCD50に表示する画像を異ならせてもよい。
【0123】
1つの扉体61に設けるレール部61gの数は複数でもよく、また、入球口67の数も複数でもよい。図24(a)は、左側の扉体61に、上下に2つのレール部61g(#1)、61g(#2)を設け、右側の扉体61に、上下に2つのレール部61g(#3)、61g(#4)を設け、レール部61g(#3)の終端部に対応して入球口67(#2)を、レール部61g(#4)の終端部に対応して入球口67(#1)を、設けた例である。
【0124】
この例では、遊技球の移動ルートが、レール部61g(#1)→レール部61g(#3)→入球口67(#2)、レール部61g(#1)→レール部61g(#4)→入球口67(#1)、レール部61g(#2)→レール部61g(#4)→入球口67(#1)の3パターンあり、遊技球の移動バリエーションが増えて遊技性が向上する。
【0125】
入球口67は扉体1の正面上に設けることも可能である。図24(b)は、右側の扉体61の正面上に入球口67を設けた例を示している。この例では、レール部61g間での遊技球の乗り移りがうまくいくと、最終的に入球口67に入る確率が高くなる。
【符号の説明】
【0126】
A 遊技台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を少なくとも表示可能な表示領域を有する表示手段と、
演出用可動体の移動制御を少なくとも実行可能な制御手段と、
通路を通過する遊技球を少なくとも検出可能な検出手段と、
を備えた遊技台において、
前記遊技台は、ぱちんこ機であり、
前記制御手段は、前記検出手段により遊技球が検出されたことに応じて、変更制御を少なくとも実行可能なものであり、
前記変更制御は、前記演出用可動体を移動させる制御であり、
前記変更制御が実行されることによって、前記表示領域に表示される画像の見える範囲が変更される、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記演出用可動体は、第一の可動体と、第二の可動体と、を含み、
前記変更制御は、前記第一の可動体および前記第二の可動体のうちの両方の可動体を移動させる制御である、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技台。
【請求項3】
前記変更制御は、前記第一の可動体および前記第二の可動体を互いに近づける制御であり、
前記変更制御が実行されることによって、前記表示領域に表示される画像の見える範囲が縮小される、
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技台。
【請求項4】
前記表示手段は、前記検出手段により遊技球が検出されたことに応じて、前記表示領域に演出画像を表示する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−48921(P2013−48921A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−244774(P2012−244774)
【出願日】平成24年11月6日(2012.11.6)
【分割の表示】特願2009−30438(P2009−30438)の分割
【原出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】