説明

遊技場の不正監視装置、並びに、遊技媒体貸出機

【課題】有価媒体の正規の遊技者が有価媒体の自己管理を怠ったとしても、第三者の不正行為に対する意欲を削ぐことができ、たとえ不正行為があったとしてもその第三者を特定することができる遊技場の不正監視装置、並びに、遊技媒体貸出機を提供することを目的とする。
【解決手段】遊技媒体貸出機は、遊技場に設置された各遊技機に1台ずつ並設され、有価媒体の有価価値に基づいて遊技媒体を貸し出すものであって、遊技機又は遊技媒体貸出機を操作する人物に向けて焦点が合わせられる撮像装置と、撮像装置によって映し出された映像を表示する表示装置3とを有する。撮像装置は、遊技媒体貸出機が有価価値を有する有価媒体を認識すると、起動して撮像待機状態となり、当該撮像待機中に、有価媒体に関連する動作が制御されると、撮像動作が実行されて焦点が合わせられた人物が記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロット機等の遊技機が設置された遊技場における不正監視装置、並びに、その不正監視装置を備えた遊技媒体貸出機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技場では、パチンコ機やスロット機等の遊技機が複数設置されており、遊技機同士の間に遊技媒体(遊技球やメダル)を貸し出す貸出機が設置されている。即ち、この種の遊技場は、貸出機と遊技機の設置台数は同数であり、さらに貸出機が各遊技機に対応する位置、つまり各遊技機に隣接する位置に1台ずつ配されたレイアウトである。
【0003】
一方、旧来の遊技場では、貸出機は、各遊技機に対応する位置にはなく、遊技場における所定の場所にのみ設置されていた。即ち、この種の遊技場では、貸出機の設置台数は、遊技機の設置台数よりも著しく少なかった。そのため、遊技媒体を借りるために、その都度、席を離れる煩わしさがあった。
したがって、近年の遊技場では、遊技者が所望の遊技機を選択して席に着くと、遊技媒体を借りるためにわざわざ席を離れる必要がなく、当該遊技機と対面した状態で遊技媒体を借りることができるため、旧来の遊技場に比べると、遊技環境の利便性が高くなってきている。
【0004】
ところで、近年の遊技場では、磁気カードや、ICチップが内蔵されたICカードやICコイン等のプリペイド式の有価媒体(以下、IC式有価媒体と称す)が利用できる遊技媒体貸出機(所謂CRユニット)が採用されている(例えば特許文献1)。そして、最近においては、このCRユニットの導入により、高額紙幣の使用が可能とされている。これにより、遊技者は、わざわざ両替機等に両替をしに行く手間すら省略できるため、より利便性が高い遊技環境が創出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−260254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような遊技環境の利便性の向上に伴って、遊技場内における犯罪行為が露呈してきている。具体的には、CRユニットに保持された有価媒体を、その有価媒体の所有者とは異なる第三者が当該CRユニットから抜き取る不法行為(盗難)である。以下に、この行為に至る状況について詳細に説明する。
【0007】
CRユニットは、紙幣が投入されて、遊技が続行されている間、遊技者がその有価媒体を当該CRユニットから取り出さない限り、その有価媒体が当該貸出機内に保持された状態が維持される。そして、その有価媒体がCRユニットに保持されてる間、その有価媒体の有価情報は、当該CRユニットや当該CRユニットに対応する遊技機(所謂、CR遊技機)にデジタル表示される。即ち、CRユニットに紙幣が投入されれば、有価情報が記憶された有価媒体が当該CRユニットに保持される上、その有価情報が外部に向けて表示されるため、第三者は他人の有価媒体の有価情報を得ることが可能である。
また、CRユニットは、有価媒体の取り出しに本人確認等要さないため、有価媒体の正規の保有者ではない第三者であっても、内部に保持された他人の有価媒体を取り出すことが可能な構成とされている。
したがって、この種のCRユニットは、有価媒体が保持された状況で、且つ、有価媒体の正規の所有者の注意が働かない状況、つまりその正規の所有者が席を離れた等の状況となれば、いかなる者であっても、他人の所有する有価媒体を容易に取り出すことができる状況が発生する。
このように、従来の貸出機は、遊技環境の利便性は満足いくものであるが、自己管理を怠ると有価媒体が盗難されてしまうという可能性が非常に高かった。
【0008】
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、有価媒体の正規の遊技者が有価媒体の自己管理を怠ったとしても、第三者の不正行為に対する意欲を削ぐことができ、たとえ不正行為があったとしてもその第三者を特定することができる遊技場の不正監視装置、並びに、遊技媒体貸出機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決すべく提供される請求項1に係る発明は、複数の遊技機と、各遊技機に対応する位置に配され有価媒体の有価価値に基づいて所定の分量ずつ遊技媒体を貸し出す機能を備えた遊技媒体貸出機とを備えた遊技場における不正行為を監視する遊技場の不正監視装置であって、撮像手段を有し、当該撮像手段は各遊技媒体貸出機に対応する位置に設けられ、当該遊技機又は当該遊技媒体貸出機を操作する人物に向けて焦点が合わせられるものであって、撮像手段と遊技媒体貸出機は電気的に接続されており、遊技媒体貸出機が有価価値を有する有価媒体を認識すると、撮像手段を起動して撮像待機状態となり、当該撮像待機中に、有価媒体に関連する動作が制御されると、当該動作に連動して撮像動作が実行されることを特徴とする遊技場の不正監視装置である。
【0010】
本発明の遊技場の不正監視装置は、正規の遊技者が所有する有価媒体が、第三者によって不正に取り出されたり、不正に使用されるような状況が発生したとしても、有価媒体に関連する操作を行う人物を特定することが可能な構成とされている。即ち、本発明では、遊技媒体貸出機(以下、単に貸出機という)と電気的に接続された撮像手段が備えられ、貸出機が有価価値を有する有価媒体を認識すると、まず撮像手段を起動して被写体を監視する撮像待機状態となる。そして、この監視動作たる撮像待機中に、有価媒体に関連する動作が制御されると、この動作に連動して撮像動作が実行される(被写体固定動作)。
このように、本発明によれば、有価価値を有する有価媒体が貸出機によって認識された時点から、撮像手段にフォーカスされた人物を監視するため、有価媒体の正規の所有者であろうとなかろうと、確実にその人物を監視することができる。これにより、正規の所有者であれば気にはならないが、不正を行おうとする者に対して常に監視されている心理状態にすることができるため、不正行為をしようとする意欲を削ぐことができる。
また万一、そのような状況の中で不正が行われてしまったとしても、その不正行為に連動して、撮像動作が実行されるため、不正行為者が特定されて、有価媒体の正規の所有者の不測の不利益の発生を防止することが可能である。
【0011】
請求項2に係る発明は、表示手段を有し、当該表示手段は撮像手段によって撮像された映像を表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技場の不正監視装置である。
【0012】
かかる構成によれば、表示手段が撮像手段で撮像された映像を表示するため、被写体たる人物には、監視されているという意識が働く。特に、不正行為を働こうとする者にとっては、表示手段によって自分自身が映し出されることで、多数の者によって監視されているという意識が働くため、犯罪を抑制させる効果を向上させることができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、撮像動作によって静止画像を取得できることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場の不正監視装置である。
【0014】
かかる構成によれば、被写体の特定を静止画像によって行うため、動画よりも解像度が高い映像を得ることが可能である。これにより、撮像動作によって得られたデータを用いて、不正行為者を特定するために、必要以上の時間が掛かるというおそれがなくなる。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の遊技場の不正監視装置とユニット化されたことを特徴とする遊技媒体貸出機である。
【0016】
本発明の遊技媒体貸出機は、不正監視装置とユニット化されているため、新たに貸出機を設置するような遊技場においては、設置場所において、作業者が貸出機と不正監視装置とを接続する手間がないため便利である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遊技場の不正監視装置、並びに、遊技媒体貸出機は、撮像手段を有し、有価価値を有する有価媒体を認識すると、被写体を監視する撮像待機状態となり、撮像待機中に、有価媒体に関連する操作が行われると、その操作を行った人物を撮像するため、犯罪の可能性を減少させることができると共に、万一犯罪が発生したとしても、その犯罪行為者を特定することができる。これにより、遊技場内における、遊技者の不測の不利益の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る貸出機とその貸出機に並設されたパチンコ機を示す斜視図である。
【図2】貸出機に内蔵された機器と外部との接続関係を示すブロック図である。
【図3】貸出機の特徴的動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態に係る遊技媒体貸出機1について説明する。
本実施形態の遊技媒体貸出機(以下、単に貸出機ともいう)1は、複数のパチンコ機(遊技機)30が設置された遊技場内に設置されており、各パチンコ機30に隣接する位置に配されている。そして、各貸出機1は、それぞれに対応するパチンコ機30と電気的に接続されており、相互に信号の送受信が可能な構成とされている。
また、本実施形態の貸出機1は、ICチップが内蔵されたICカード(有価媒体)を介して、遊技球(遊技媒体)を貸し出す機能を備えた、CR(Card Reader)式のものが採用されており、さらにこの有価媒体が第三者に盗難される可能性を低減する機能(以下、盗難予防機能という)が備えられている。
【0020】
貸出機1は、図1に示すように、幅方向(パチンコ機30との隣接方向)の長さが短い薄型の筐体19を有し、その筐体19の前面側に、紙幣投入口20と、媒体挿排出口21と、貸出機側表示部22と、操作部23と、有価媒体の不正監視装置たる撮像装置2及び表示装置3が設けられ、内部に本体制御基板11(図2)が搭載されている。
【0021】
紙幣投入口20は、紙幣を貸出機1の内部に取り込む入口である。そして、紙幣投入口20の内部側には、紙幣判別器12(図2)が設けられており、紙幣判別器12によって、紙幣投入口20から投入された紙幣の真贋や有価価値の判断を可能としている。
【0022】
媒体挿排出口21は、ICカードや会員カード等の有価情報(投入した紙幣価値に基づく金額や、カード内に貯球された球数等の情報)を記憶可能な有価媒体の挿入及び排出が行われる部分である。そして、媒体挿排出口21より内部側には、媒体R/W装置13(図2)が設けられており、媒体R/W装置13によって、貸出機1の内部に保持された有価媒体の有価情報(例えば、1,000円や10,000円等の有価価値や、2,000球、5,500球等の有価価値)の読み取り及び情報の書き換えを可能としている。
【0023】
貸出機側表示部22は、投入された紙幣や有価媒体の有価情報を表示するディスプレイである。
操作部23は、機能設定に関する入力や、挿入された有価媒体の使用金額又は使用球数等の決定を可能とする入力手段である。
【0024】
撮像装置2は、静止画撮影機能を備えた公知の小型カメラであり、媒体挿排出口21の近傍にレンズ部5が位置するように固定されている。即ち、撮像装置2は、大部分が筐体19の内部に配され、一部分たるレンズ部5が筐体19に形成されたレンズ用開口(図示しない)から外部に露出するように配されている。そして、本実施形態では、レンズ用開口(図示しない)の外側を覆うようにドーム状のクリアーケース15が取り付けられている。即ち、撮像装置2は、クリアーケース15を介して、レンズ部5から外部の状況を撮像可能とされている。
【0025】
表示装置3は、公知の液晶モニタであり、撮像装置2と電気的に接続されている。また、表示装置3は、支持部材(図示しない)を介して、貸出機本体の上部側に固定されている。具体的には、表示装置3は、支持部材(図示しない)に対して相対的に左右方向(遊技機30の並設方向)に回動するように軸支されており、適宜左右方向に固定角度を変更できる構成である。
【0026】
本体制御基板11は、CPU及びメモリ(ROM及びRAMを含む)が実装され、主に遊技球の貸し出し制御を統括的に行う部分である。そして、本体制御基板11は、図2に示すように、貸出機1の内部において、紙幣判別器12と、媒体R/W装置13と、貸出機側表示部22と、操作部23と、撮像装置2と、表示装置3と、電源部24とに電気的に接続されている。なお、電源部24は、商用電源から供給される電力を受けて、本体制御基板11等に供給するものである。
【0027】
また、本体制御基板11は、図2に示すように、インターフェース機能を果たす中継基板25を介して、外部の機器と電気的に接続されている。具体的には、各貸出機1は、対応するパチンコ機30と、ホールコンピュータ26と、媒体管理コンピュータ27等に接続されている。
パチンコ機30は、遊技球を用いて遊技可能な遊技装置であり、貸出機1に投入された紙幣や有価媒体の有価情報を表示する遊技機側表示部31や、遊技機側表示部31に表示された有価価値の範囲内で遊技球の貸し出しを可能とする球貸しボタン32や、有価価値が残存する有価媒体を貸出機1から排出させる返却ボタン33を備えている。
ホールコンピュータ26は、パチンコ機30の稼働状況、並びに、貸出機1に投入された紙幣の有価価値や、有価媒体からの遊技球の貸し出しに伴って消費された有価価値の有価情報等に基づいて遊技場における売り上げ等を管理するコンピュータである。
媒体管理コンピュータ27は、貸出機1において新たに発行された有価媒体の発行情報や、有価媒体における遊技球の貸し出しに伴う有価価値の消費情報等の取引データを収集するコンピュータである。なお、媒体管理コンピュータ27は、第三者機関たるプリペイドシステムの管理会社で管理されているコンピュータである。
【0028】
次に、本実施形態の貸出機1の基本動作について説明する。
貸出機1の基本動作は、従来技術と同様であるため、簡単に説明する。
貸出機1は、所定の金額の紙幣が投入されると、その金額の有価価値を予め貸出機1の内部に保持された有価媒体に書き込むと共にその有価価値を読み取り、また、有価価値が残存した有価媒体が挿入されると、その有価媒体の有価価値を読み取り、貸出機側表示部22及び遊技機側表示部31にその有価情報を表示する。即ち、貸出機1は、紙幣や有価媒体のいずれが投入されても、有価媒体に関連づけられた有価価値が読み取られて、各表示部22、31に有価情報が表示される。そして、この状態において、遊技者によって、パチンコ機30の球貸しボタン32が操作されると、所定分の有価価値が消費(以下、消費有価価値という)されて、その消費有価価値に相当する遊技球がパチンコ機30に対して貸し出される。
【0029】
そして、パチンコ機30の球貸しボタン32が操作されて遊技球が貸し出されると、紙幣や有価媒体の投入直後の有価価値から消費有価価値分を差し引いた有価価値が、残存有価価値として貸出機側表示部22及び遊技機側表示部31に表示される。ただし、パチンコ機30の球貸しボタン32を操作する際に、貸出機側表示部22及び遊技機側表示部31に表示された有価価値が、消費有価価値たる所定分の有価価値と同価値であれば、貸し出し後、残存有価価値はゼロとなるため、この場合、遊技球の貸し出し後は残存有価価値は表示されない。
【0030】
その後、有価価値が残存した状態で、再び球貸しボタン32が操作されると、前記した同様の動作によって遊技球が貸し出される。
一方、有価価値が残存した有価媒体が貸出機1に保持された状態で、そのパチンコ機30での遊技を終了、あるいは別のパチンコ機30に替わろうとする場合においては、所定の操作をすることで、その有価媒体を貸出機1から排出させることができる。即ち、貸出機1に保持された有価媒体は、遊技者がパチンコ機30の返却ボタン33を操作することで、媒体挿排出口21から返却される。なお、この返却ボタン33を操作して、有価媒体が返却されるまでには、多少の待ち時間を要する。具体的に、その待ち時間は、3〜5秒程度である。
【0031】
続いて、本実施形態の貸出機1の特徴的機能について、図3のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態の貸出機1は、上記したように、撮像装置2及び表示装置3を備え、これらの機器によって、有価媒体が第三者によって盗難される可能性を低減することを可能とした構成とされている。
【0032】
即ち、貸出機1に紙幣あるいは有価媒体が投入されると、図3のフローチャートのステップ1において、内部に保持された有価媒体に有価価値が残存しているか否かが本体制御基板11において確認される。そして、ステップ1において、有価媒体の残存有価価値が有ることが確認されると、ステップ2に移行して、フラグがオン状態であるか否かが確認される。一方、ステップ1において、有価媒体の残存有価価値が確認されなければ、ステップ8に移行して、フラグのオン状態が確認されて、フラグのオンが確認されなければ再びステップ1の条件が確認される。
【0033】
ステップ2に移行した場合、フラグがオン状態でなければ、ステップ3に移行し、本体制御基板11によって、撮像装置2及び表示装置3が起動される。即ち、ステップ3に移行すると、本体制御基板11から撮像装置2及び表示装置3に電源オン信号が入力されて、レンズ部5のフォーカスが当該貸出機1に対応するパチンコ機30に対峙している被写体(主に人物)に合わされると共に、表示装置3のバックライトが光り、当該人物が液晶画面に映し出される。これにより、撮像装置2は、人物を監視する撮像待機状態にモード移行する。
【0034】
その後、ステップ4に移行し、フラグがオン状態にされた後、ステップ5に移行し、パチンコ機30の返却ボタン33が操作されたか否かが確認される。そして、ステップ5において、返却ボタン33が操作されたことが確認されれば、撮像動作が実行される(ステップ6)。即ち、ステップ6では、撮像装置2がフォーカスした人物が静止画像として、本体制御基板11に記憶される。そして、静止画像が本体制御基板11に記憶されると、ステップ7に移行し、そのデータ及び返却ボタン33が操作された事実がホールコンピュータ26に入力される。なお、本実施形態におけるステップ6及びステップ7は、タイミングがずれていても、同時であっても、いずれであっても構わない。
【0035】
そして、ステップ7において静止画像のデータがホールコンピュータ26に送信された後、ステップ9に移行して撮像装置2及び表示装置3の動作が停止される。即ち、ステップ9においては、撮像装置2及び表示装置3への通電が停止され、撮像待機状態が解除される。そして、ステップ10に移行し、フラグをオフ状態にして、有価媒体の盗難予防機能に係る上記制御が終了する。
【0036】
また、ステップ5において、返却ボタン33の操作が確認されなかった場合について付言すると、この場合、ステップ1に戻り、再びステップ1移行の動作が実行される。即ち、返却ボタン33の操作が確認されなかった場合、ステップ2及びステップ8においては、フラグのオン状態が確認されるため、ステップ2からステップ5に移行、あるいは、ステップ8からステップ9に移行して、動作が制御される。
【0037】
以上のように、本実施形態では、貸出機1に保持された有価媒体に有価価値が残存していることを1つの条件として、撮像装置2及び表示装置3を起動して、第三者による不正行為を予防することができる。即ち、貸出機1は、保持された有価媒体に有価価値が残存している場合、パチンコ機30に対峙する人物を監視する撮像待機状態となり、その撮像待機状態において有価媒体が返却ボタン33によって取り出された際に、監視された人物が撮像される構成とされている。このため、本実施形態の貸出機1によれば、たとえ有価媒体の所有者が席を離れる際に自己管理を怠ったとしても、監視動作により盗難行為の発生を低減することができ、また盗難行為が発生したとしても、撮像動作により盗難行為者の特定を確実なものとすることができる。
【0038】
上記実施形態では、撮像装置2と表示装置3の双方を貸出機にユニット化した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、撮像装置2と表示装置3のいずれか1つを貸出機にユニット化した構成であっても構わない。
また、本発明では、撮像装置2と表示装置3とを貸出機と一体化せず、別個の機器として遊技場に備えた構成であっても構わない。
【0039】
上記実施形態では、撮像されたデータのみがホールコンピュータ26に入力される構成を示したが、本発明はこれに限定されず、撮像待機状態にフォーカスされた映像をホールコンピュータ26等に映し出す構成であっても構わない。また、このような構成を採用する場合、表示装置3を設けない構成としても構わない。
【0040】
また、上記実施形態では、撮像待機状態において、返却ボタン33が操作された際に、撮像動作が実行される構成を示したが、本発明はこれに限定されず、球貸しボタン32が操作された際にも撮像動作が実行される構成であっても構わない。
【0041】
上記実施形態では、貸出機1に対応する遊技機としてパチンコ機30を示したが、本発明はこれに限定されず、貸出機に対応する遊技機としてスロット機示しても構わない。
【0042】
上記実施形態では、パチンコ機30から発せられる有価媒体の返却信号が、当該パチンコ機30に対応する貸出機1に直接的に入力される構成を示したが、本発明はこれに限定されず、ホールコンピュータ26を介して、間接的に貸出機1に信号が入力される構成であっても構わない。
【0043】
上記実施形態では、カード式の有価媒体が利用できる構成とし、さらに有価媒体が1つの受付口で挿排出する媒体挿排出口21を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、コイン式の有価媒体を利用できる構成としたり、有価媒体を挿入する挿入口と排出される排出口とを別個にした構成としても構わない。
【符号の説明】
【0044】
1 貸出機(遊技媒体貸出機)
2 撮像装置(撮像手段)
3 表示装置(表示手段)
30 パチンコ機(遊技機)
32 球貸しボタン
33 返却ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機と、各遊技機に対応する位置に配され有価媒体の有価価値に基づいて所定の分量ずつ遊技媒体を貸し出す機能を備えた遊技媒体貸出機とを備えた遊技場における不正行為を監視する遊技場の不正監視装置であって、
撮像手段を有し、当該撮像手段は各遊技媒体貸出機に対応する位置に設けられ、当該遊技機又は当該遊技媒体貸出機を操作する人物に向けて焦点が合わせられるものであって、
撮像手段と遊技媒体貸出機は電気的に接続されており、
遊技媒体貸出機が有価価値を有する有価媒体を認識すると、撮像手段を起動して撮像待機状態となり、当該撮像待機中に、有価媒体に関連する動作が制御されると、当該動作に連動して撮像動作が実行されることを特徴とする遊技場の不正監視装置。
【請求項2】
表示手段を有し、当該表示手段は撮像手段によって撮像された映像を表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技場の不正監視装置。
【請求項3】
撮像動作によって静止画像を取得できることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技場の不正監視装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の遊技場の不正監視装置とユニット化されたことを特徴とする遊技媒体貸出機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate