遊技場用システム
【課題】効率的なワゴンサービスを支援する遊技場用システムを提供する。
【解決手段】各台計数機は、持玉券受付処理において、ワゴン用持玉券を受付けた場合(B1:YES)、注文処理である場合、即ち、注文フラグが1であるときには(B2:YES)、ワゴン用持玉券に注文対価を加算し(B3)、遊技者の持玉から注文対価を減算し(B4)、注文フラグを0にし(B5)、前回対価を更新し(B6)、注文確認画面の表示を終了する(B7)。一方、返却処理である場合、即ち、返却フラグが1であるときには(B8:YES)、ワゴン用持玉券から返却玉数を減算し(B9)、遊技者の持玉へ返却玉数を加算し(B10)、返却フラグを0にし(B11)、前回対価から返却玉数を減算し(B12)、返却画面の表示を終了する(B13)。何れかの処理の後、ワゴン用持玉券を返却して(B14)、リターンする。
【解決手段】各台計数機は、持玉券受付処理において、ワゴン用持玉券を受付けた場合(B1:YES)、注文処理である場合、即ち、注文フラグが1であるときには(B2:YES)、ワゴン用持玉券に注文対価を加算し(B3)、遊技者の持玉から注文対価を減算し(B4)、注文フラグを0にし(B5)、前回対価を更新し(B6)、注文確認画面の表示を終了する(B7)。一方、返却処理である場合、即ち、返却フラグが1であるときには(B8:YES)、ワゴン用持玉券から返却玉数を減算し(B9)、遊技者の持玉へ返却玉数を加算し(B10)、返却フラグを0にし(B11)、前回対価から返却玉数を減算し(B12)、返却画面の表示を終了する(B13)。何れかの処理の後、ワゴン用持玉券を返却して(B14)、リターンする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワゴンサービスが行われている遊技場において、効率的なワゴンサービスを支援する遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、遊技者による飲食物等の景品の注文を受付け、その注文に応じた景品を提供するという所謂ワゴンサービスと呼ばれるサービスがある。また、各台計数機と呼ばれる遊技機の各々に対応する遊技媒体の計数機を設け、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体である持玉を、その計数機にて計数可能とするシステムが多数導入されている。この場合、ワゴンサービスにより提供した景品の対価を各台計数機により計数した持玉から徴収するようにしているシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
さて、持玉から対価を徴収する場合は、前述した特許文献1のようにデータ上で徴収すれば良いが、ワゴンサービスを提供するサービス業者は、遊技場とは別業者であり、ただ持玉をデータ上減算するだけでは遊技場が徴収した持玉をサービス業者へと渡す処理が必要となり、遊技場及びサービス業者の双方が非常に面倒に感じるため、敬遠されがちである。そこで、例えば特許文献2のように対価分のレシートや、カードを発行すれば、そのような問題は解消されるかとも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−333119号公報
【特許文献2】特開2001−129236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のようなシステムの場合、景品毎にレシートを発行する必要があり、サービス業者がレシートの集計や、多数のレシートを毎日管理する等、やはり煩雑であり、ワゴンサービスが非効率になるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、効率的なワゴンサービスを支援する遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明は、遊技機に対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体数である獲得媒体数を特定可能な記録媒体である遊技者用記録媒体を受付ける媒体受付処理を行う媒体受付手段と、遊技機に対応して設けられ、遊技者による払戻操作に応じて前記獲得媒体を対価として遊技者に遊技媒体を払戻す払戻処理を行う払戻手段と、遊技機に対応して設けられ、その遊技者の前記獲得媒体数を特定可能な獲得情報を記憶する記憶手段と、前記獲得情報により特定される前記獲得媒体数が、前記媒体受付処理に応じて受付けられた前記遊技者用記録媒体により特定される獲得媒体数分加算される一方、前記払戻処理に応じて対価となる遊技媒体数分減算されるように前記記憶手段により記憶される前記獲得情報を更新する更新処理を行う更新手段と、遊技機に対応して設けられ、遊技者による発行操作に応じて、前記記憶手段により記憶される獲得情報により特定される前記獲得媒体数を特定可能な記録媒体を前記遊技者用記録媒体として発行する発行処理を行う発行手段と、遊技者へと景品を提供する係員による、当該提供する景品の対価となる遊技媒体数である対価媒体数を特定可能な操作である対価特定操作を受付ける操作受付手段と、前記操作受付手段により対価特定操作が受付けられたこと、及び前記媒体受付手段により係員の支配下にある遊技媒体数である係員媒体数を特定可能な記録媒体である係員記録媒体が受付けられたことを条件として、当該対価特定操作により特定される前記対価媒体数を、前記記憶手段により記憶される獲得情報により特定される遊技者の獲得媒体数から前記係員媒体数へと移行する対価徴収処理を行う移行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記操作受付手段は、係員による遊技者へと返却したい遊技媒体数である返却媒体数を特定可能な操作である返却操作を受付可能であり、前記移行手段は、前記操作受付手段により返却操作が受付けられたこと、及び前記媒体受付手段により前記係員記録媒体が受付けられたことを条件として、当該返却操作により特定される前記返却媒体数を、前記係員媒体数から遊技者の獲得媒体数へと移行する対価返却処理を行う請求項1記載の遊技場用システムであって、前記返却媒体数に対する許容範囲を設定する設定手段を備え、前記移行手段は、前記設定手段により設定された許容範囲に前記返却操作により特定される前記返却媒体数が属することを条件として前記対価返却処理を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記記憶手段は、前記対価徴収処理に応じて、その対価媒体数を前回対価として記憶し、前記設定手段は、前記許容範囲の上限を前記記憶手段により記憶される前回対価以下に設定することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記対価特定操作、或いは前記返却操作が受付けられた状態で、前記払戻操作、或いは前記発行操作があった場合に、当該払戻操作、或いは当該発行操作に対応する前記払戻処理、或いは前記発行処理を抑制する抑制処理、又は受付けられた状態である前記対価特定操作、或いは前記返却操作をキャンセルするキャンセル処理を行う抑制手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記遊技者用記録媒体として利用可能な記録媒体、及び遊技場の従業員、或いは係員による登録操作を受付可能であり、当該登録操作、及び前記記録媒体を受付けることを条件として、受付けた記録媒体を前記係員記録媒体として登録する登録手段と、前記係員記録媒体、及び前記遊技者用記録媒体を受付可能であり、いずれの記録媒体を受付けた場合であっても、その記録媒体により特定可能な遊技媒体を、交換対象となる景品の対価分減算する景品交換処理を行う交換手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記更新手段は、前記媒体受付処理により受付けられた記録媒体が前記遊技者用記録媒体であることを条件として前記払戻処理に応じた更新処理を実行することで、前記係員媒体を対価とした前記払戻処理を禁止することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載した発明は、遊技機に対応して設けられ、遊技者IDを受付可能なID受付手段と、遊技機に対応して設けられ、遊技者が係員を呼出したい場合に操作する呼出操作手段と、前記ID受付手段が遊技者IDを受付けた状態で前記呼出操作手段が操作された場合に、当該ID受付手段に対応する遊技機ID、及び受付状態にある遊技者IDを特定可能な注文呼出情報を送信する一方、前記対価徴収処理に応じて注文管理情報を送信する送信手段と、前記注文呼出注文情報、及び前記注文管理情報を受信し、当該注文呼出情報、及び注文管理情報の少なくとも一方により特定される注文情報を管理する注文管理手段と、を備え、前記操作受付手段は、遊技者へと提供する景品を特定可能な景品特定操作を受付可能であり、前記送信手段は、前記景品特定操作を受付けた状態で、前記対価徴収処理があった場合に、当該景品特定操作により特定される景品を特定可能な前記注文管理情報を送信し、前記注文管理手段は、前記注文呼出情報、及び前記注文管理情報のうち少なくとも一方により遊技者の遊技者ID、及びその遊技者へと提供した景品を特定し、遊技者ID単位の景品提供情報を管理することで前記注文情報を管理する一方、前記注文呼出情報を受信した場合に、当該注文呼出情報により特定される遊技者IDについて管理する景品の提供状況を出力すると共に、同じく注文呼出情報により特定される遊技機IDを出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、サービス業者(係員)用の記録媒体(係員記録媒体)を設けたことで、その係員は係員記録媒体に提供した景品の提供数に対応する膨大な記録媒体を管理する必要もなければ、その記録媒体を別途集計する必要もなくなり、サービス業者によるワゴンサービスを効率的に行うことが可能となる。勿論、遊技場にとって多数の持玉券を必要以上に扱う必要がなくなるのでコスト削減に繋がる。また、システム的にも一人の遊技者の遊技中に受付けしている記録媒体IDが変更されることにより生ずる余分なシステム負荷がかかる虞も低減出来る。さらに、遊技者の獲得媒体数から係員記録媒体により特定される係員媒体数への移行はデータ上で行われるので、実際の遊技媒体を扱う必要がなく、遊技者及びサービス業者の双方にとって、遊技媒体を数えるなどの手間が削減され、煩わしさを解消出来る。
【0013】
請求項2の発明によれば、係員が間違って提供した景品の対価以上の遊技媒体を徴収した場合であっても、余分に徴収した遊技媒体を容易に遊技者へと返却出来る。この場合、許容範囲を逸脱した対価返却が出来ないので、2重のミスを防止出来る。
他に、以下の不正も防止出来る。即ち、例えば係員の知人が遊技者として遊技場に来場し、係員により対価返却処理を行った場合、係員が対価として徴収してきた遊技媒体をその遊技者の獲得媒体にするという、係員とその知人が共謀する不正が考えられる。つまり、係員が徴収した対価は係員を介してサービス業者が徴収すべき対価であるが、この不正によりサービス業者が徴収すべき対価を得ることができず、係員とその知人とが対価を得ることになる。また、その知人は、本来であれば遊技をするために現金を投資して遊技媒体を得る必要があるが、上記不正により貸遊技媒体を得ることなく遊技が可能となり、その遊技により獲得した獲得媒体を交換可能となる。この場合、一般的に、同数の遊技媒体を景品交換する際の対価額と、貸出する際の対価額とは、貸出する際の対価額の方が高いため、遊技場の売上だけでなく、利益も減少することになる。このとき、対価返却処理において許容範囲を設定することで、このような不正を防止出来る。
【0014】
請求項3の発明によれば、本来返却対象となるのは間違って徴収した遊技媒体数のみであるので、必要以上に返却媒体数を制限することなく、例えば上記したような不正を考慮した適切な許容範囲を定めることが可能となる。
請求項4の発明によれば、対価特定操作後或いは返却操作後から係員記録媒体を受付けるまでにはタイムラグが生じるが、そのタイムラグ中に遊技者の獲得媒体が少なくなることで景品交換が出来なくなる不都合や、獲得媒体が無い状態での無意味な対価徴収処理を行う不都合等を解消出来る。
【0015】
請求項5の発明によれば、遊技者が利用する記録媒体を、そのまま係員記録媒体として登録出来るので利便性が高まるばかりか、別途係員記録媒体を製造するコストを軽減出来る。また、遊技者が利用する記録媒体同様に景品交換が可能なので、サービス業者は遊技者同様に景品交換を行うことで遊技場を介して遊技者から提供した景品対価を徴収可能となる。この場合、遊技場側にとっても特別に対価をサービス業者へと渡す必要が無くなるので、両者の繁雑な作業を軽減出来る。
【0016】
請求項6の発明によれば、例えば多数の遊技媒体数が対応付けられた係員記録媒体を係員が落とし、他の遊技者が係員記録媒体を拾っても遊技に使用出来ないので、サービス業者や遊技場の利益が減少することがない。また、係員が自身の利益とするために係員記録媒体を遊技に使用することも防止出来る。
【0017】
請求項7の発明によれば、遊技者による景品の提供状況を管理可能となるばかりか、注文呼出情報に応じた景品の提供状況と遊技機IDとの出力により、係員を呼出している遊技者が、どの遊技機にいて、どのような景品を希望する遊技者であるのかを把握した上で、遊技機へと出向くことが可能となり、より円滑なワゴンサービスを提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【図2】各台計数機の正面図
【図3】リモコンの正面図
【図4】管理装置に記憶されている設定情報を示す図
【図5】各台計数機の記憶領域の推移を示す図
【図6】注文確認画面例を示す図
【図7】返却画面例を示す図
【図8】各台計数機処理を示すフローチャート
【図9】持玉券受付処理を示すフローチャート
【図10】本発明の第2実施形態を示す図1相当図
【図11】注文管理装置が記憶する注文履歴を示す図
【図12】注文管理装置の画面表示例を示す図
【図13】遊技場単位の注文データ集計を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の複数の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1から図9を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用システム100の全体構成を示す概略図である。遊技場には遊技機1に対応して貸出機2、各台計数機3が設置され、管理室には遊技場管理装置4が設置されている。各中継装置5は、2台の遊技機1、2台の貸出機2、2台の各台計数機3、及び遊技場管理装置4と接続されている。遊技場管理装置4は、遊技機側(遊技機1、貸出機2、各台計数機3等)から送信される遊技信号を中継装置5を介して受信することにより遊技機1を管理する。尚、図1では省略したが、実際には数百台の遊技機1が遊技場管理装置4の管理対象となる。
【0020】
管理対象となる遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル6に対する操作により盤面7に発射された遊技玉が始動口8、9に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部12において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たりを発生させる。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド(R)分だけ大入賞口13を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿10にて受けられ、この上部受皿10が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿11で受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。また、本実施形態における管理対象となる遊技機1はパチンコ遊技機を想定しており、遊技媒体としてはパチンコ玉を想定している。以下、本実施形態においてパチンコ玉は、必要に応じて、玉、或いは遊技玉と表現する。
【0021】
貸出機2(ID受付手段に相当)は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部、表示部を備えた所謂CRサンドとして構成されており、以下の機能を有する。
【0022】
(1)固有のIDが記録された所謂会員カード或いはビジターカードをカード挿入口14にて受付可能であり、受付けした状態で貨幣投入口15に貨幣が投入された場合に、そのIDに対応付けてその価値(有価価値)を記憶する。
(2)ビジターカードを所定数(5枚程度)ストック可能であり、会員カード或いはビジターカードを受付していない状態で貨幣を受付すると、ストックしているビジターカードに貨幣の有価価値を記録して、そのビジターカードを受付状態にする。
(3)有価価値が特定可能な状態で遊技機1に設けられた図示しない貸出釦が押下されると、その有価価値に基づき貸玉を遊技機1の払出口から払出して売上信号を送信する。
(4)ビジターカードを受付けした状態で返却釦17の押下を受付すると、受付中のビジターカードを排出する。
(5)表示部18では貸出情報を表示可能であり、各種の対応する遊技機1に関する遊技情報等も表示可能となる。
(6)対応する管理装置としては各台計数機3に対応する遊技場管理装置4だけでなく図示しないカード会社の管理装置にも対応し、有価価値に対応する残高はカード会社の管理装置にて管理する。
【0023】
これら遊技機側の装置からは、例えば、使用玉(使用媒体に相当)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト)を特定可能なアウト信号や、遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、払出媒体数に相当)を特定可能なセーフ信号、或いは、大当たりを特定可能な大当たり信号や特別状態を特定可能な特別状態信号等が出力される。また、売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な売上信号等も出力される。
【0024】
図2は各台計数機3の正面図である。各台計数機3は、CPUからなる制御部(媒体受付手段、払戻手段、更新手段、発行手段、移行手段、設定手段、抑制手段に相当)、CF、RAM、ROMからなる記憶部(記憶手段に相当)、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部(送信手段に相当)を備えている。また、各台計数機3は、装置本体19に、状態表示LED20、テンキー21、貯玉釦22、液晶表示部23、発行可能時に点灯する発行釦24、玉払出ノズル25、払戻釦26、リモコン受光部27、持玉券のストック状態を示す周囲表示部28aを有した持玉券挿入口28、受皿部29、遊技場の従業員を呼出すための従業員呼出釦30を備えて構成されている。
【0025】
各台計数機3は、遊技機1の下部受皿11の開放に伴って落下した遊技玉を受皿部29で受けることにより装置本体19の下部に配置された計数部にて計数(玉計数)して、持玉を更新する。各台計数機3により計数された遊技玉は後述するように持玉(獲得媒体数に相当)として特定され、持玉が0より多ければ遊技者による払出操作(払戻釦26の押下)により玉払出ノズル25から遊技機1の上部受皿10に払戻1単位(125玉)を上限として払い戻す払戻処理を行う。一方、発行釦24の押下(発行操作)に応じて持玉を記録させた持玉券(遊技者用記録媒体に相当)を発行する発行処理を行う。尚、テンキー21に設けられている「C」釦21aはテンキー21に対する操作により入力した数値をクリアする釦であり、「確」釦21bは入力した数値を確定する釦である。
【0026】
この各台計数機3は持玉券を所定枚数(10枚)までストック可能である。また、持玉券挿入口28奥にて複数の持玉券を受付順にストックしており、発行処理を行う場合には、ストックしている持玉券の内、受付順が最新である持玉券を発行する。尚、テンキー21にて持玉の一部のみを指定(数値入力後に「確」釦21b押下)した状態で発行釦24を押下すれば、その持玉分の発行も可能である。
【0027】
図3は、ワゴンサービスの係員が携帯するオーダーリモコン(以下、単にリモコンという)40を模式的に示す図である。リモコン40には、7セグ表示部41、テンキー42、クリア釦43、送信釦44、取消釦45、発行釦46、返却釦47が設けられている。7セグ表示部41には、テンキー42の操作により入力された玉数(図3では56玉)が表示される。このとき、玉数の入力を間違えた場合には、クリア釦43の押下により、入力された玉数を最初から再度入力することが可能となる。玉数を入力した状態で送信釦44を押下すると、後述する注文信号として各台計数機3に入力した玉数が送信される。
【0028】
このとき、取消釦45を押下すると、送信した玉数が取消しされる一方、係員が携帯する持玉券であるワゴン用持玉券(係員記録媒体に相当)を持玉券挿入口28に挿入すると、そのワゴン用持玉券に記録された玉数に送信した玉数を加算してワゴン用持玉券が発行(返却)される。また、詳細は後述するが、係員により一旦持玉券を発行した後に玉数の間違いなどがあった場合には、テンキー42を押下して返却する玉数を入力し、返却釦47を押下することで後述する返却信号として各台計数機3に玉数を送信した後、ワゴン用持玉券を挿入することにより、ワゴン用持玉券に記録されている玉数から送信した玉数が減算され遊技者に返却される。
【0029】
遊技場管理装置4は、CPUからなる制御部、HDD、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部等を備えており、中継装置5に接続されている。このような構成の遊技場管理装置4は、遊技機側の装置から出力される各種の信号に基づいて売上などを集計・管理するとともに、各種の設定情報などを記憶している。
【0030】
図4は、遊技場管理装置4に記憶されている設定情報を示しており、以下の各項目が設定されている。尚、この設定情報は、後述するように各台計数機3の記憶部にも同一の内容が記憶されている。
端玉設定値=新たな持玉券を受付けるために許容される持玉数。持玉がこの設定値未満であることを条件として新たな持玉券を受付ける。尚、持玉数がこの設定値になり、持玉券を受付けていない場合には、ストックしている持玉を受付中持玉券とする。
注文タイマ=後述する注文信号を受付けた場合に作動するタイマの作動時間。注文タイマはタイムアップ、或いは後述するワゴン用持玉券の受付に応じて作動停止する。
返却タイマ=後述する返却信号を受付けた場合に作動するタイマの作動時間。返却タイマはタイムアップ、或いはワゴン用持玉券の受付に応じて作動停止する。
【0031】
タイマ作動中=注文タイマ或いは返却タイマ作動中の後述する発行処理及び払戻処理に対して行われる処理の設定で、「禁止」、「キャンセル」、「有効」のいずれかが設定可能(図4では「禁止」が設定された状態を示している)。
「禁止」:発行釦24及び払戻釦26の操作を無効化し、各処理を禁止する処理(抑制処理に相当)を行う。
「キャンセル」:発行釦24及び払戻釦26の操作に応じて注文や返却をキャンセルする処理(キャンセル処理に相当)を行う。
「有効」:発行釦24及び払戻釦26の操作に応じて、対象玉数(後述する注文対価、返却玉数、或いは前回対価のいずれか)を差し引いた持玉数を対象として処理を有効化する処理(抑制処理に相当)を行う。
【0032】
さて、各台計数機3は、中継装置5を介して遊技機1、貸出機2及び遊技場管理装置4等と接続され、各種情報の送受信が可能となっている。そのため、上記した設定情報が設定又は更新されると、遊技場管理装置4から送信される設定信号に基づいて、自身の記憶する設定情報を更新する。また、図5に示す記憶領域を備えており、以下の各項目が記憶されている。尚、図5(a)〜(e)は、詳細は後述するが、記憶領域のデータの推移を示している。
【0033】
持玉数=遊技者が獲得した玉数。玉計数により加算され、再プレイ等の対価の支払いに応じて減算される。勿論、持玉券を受付けた場合にも加算される。尚、玉計数値、再プレイ玉数等を各々記憶し、その演算値(差引)等で特定しても良い(いずれも獲得情報に相当)。
注文対価=注文信号により特定するワゴン景品の交換対価となる玉数(対価媒体数に相当)。
返却玉数=返却信号により特定するワゴン用持玉券への返却対象となる玉数(返却媒体数に相当)。
前回対価=前回取り扱ったワゴン景品の交換対価となった玉数。
【0034】
また、図5(a)〜(e)に示す「ワゴン用持玉券」は、ワゴン用持玉券に記録されている持玉数(係員媒体数に相当)の推移を示している。例えば図5(a)では、注文信号を受信する前の状態ではワゴン用持玉券には3000個の持玉が記録されていることを示している。ワゴンサービスを提供する係員は、交換装置31(POS:登録手段、交換手段に相当。図1参照)を介して任意の持玉券をワゴン用持玉券(係員記録媒体に相当)として遊技場管理装置4にて登録可能であり、そのワゴン用持玉券を携帯しながらワゴンサービスを行っている。
【0035】
次に、上記構成の遊技場用システム100の作用について、図6から図9を参照しながら、また、図5(a)〜(e)に示す各台計数機3の記憶領域の推移も参照しながら説明する。以下においては、各台計数機3の基本的な処理である玉計数及び払戻処理についてまず説明し、その後、注文時の処理について説明し、最後に、返却時の処理について説明する。
【0036】
<<玉計数及び払戻処理>>
遊技者は、遊技を終了したり、台移動したり、上皿10,11の遊技玉が満杯状態となった場合は、各台計数機3にて遊技玉を計数し、上皿10,11に残されている遊技玉が少なくなった場合は、各台計数機3にて記憶されている持玉から遊技玉を補充する払戻しを行う。尚、以下の説明では、簡略化のために、後述する注文フラグ及び返却フラグは共に「0」であり、注文タイマ及び返却タイマも動作していない状態(つまり、注文或いは返却操作がなされない状態)であるものとする。
【0037】
図8は、各台計数機3による各台計数機処理のフローチャートである。各台計数機3は、玉計数であるか(A1)、持玉券を受付けたか(A2)、注文信号を受信したか(A5)、返却信号を受信したか(A11)を判定していると共に、注文フラグが0(A16:YES)、返却フラグが0(A17:YES)の状態では、持玉が有るかも判定している(A18)。
【0038】
遊技者が獲得した遊技玉を計数するために遊技機1の下部受皿11を開放すると、下部受皿11から落下した遊技玉が受皿部29で受けられて計数されるので、各台計数機3は、玉計数であると判定し(A1:YES)、持玉を更新する(A4)。このように持玉が更新された結果、持玉が有る状態となると(A18:YES)、払戻釦26が押下げられたか(A19)、発行釦24が押下げられたか(A24)を判定するようになる。つまり、払戻釦26及び発行釦24に対する操作が有効となる。
【0039】
遊技者により払戻釦26が押下された場合には(A19:YES)、払戻処理を実行する(A20)。この払戻処理では、上記したように払戻1単位(125玉)を上限とした払戻しが行われる。また、遊技者により発行釦24が押下された場合には(A24:YES)、発行処理を実行する(A25)。この発行処理では、全ての持玉数或いはテンキー21から入力された数値に対応した持玉数を記録した持玉券(遊技者用記録媒体に相当)が発行される。
【0040】
各台計数機3は、払戻処理(A20)或いは発行処理(A25)が終了すると、持玉が0であるかを判定し(A26)、持玉が0でない場合には(A26:NO)、リターンする。また、上述した払戻処理又は発行処理により持玉が減算され、持玉が0になった場合には(A26:YES)、前回対価を初期化した後(A27)、リターンする。尚、前回対価の詳細については後述する。
一方、例えば遊技の進行にともなって上皿10,11の残されている手持玉が少なくなり、遊技者が手持玉を追加するために遊技者自身の持玉券を持玉券挿入口28に挿入した場合は、持玉券を受付けたと判定し(A2:YES)、持玉券受付処理を実行する(A3)。
【0041】
図9は、各台計数機3による持玉券受付処理のフローチャートである。各台計数機3は、受付けした持玉券がワゴン用持玉券であるかを判定する(B1)。上記の場合、持玉券挿入口28に挿入されたのは遊技者自身の持玉券であり、ワゴン用持玉券ではないことから(B1:NO)、持玉が端玉設定値(図4に示す50玉)未満であるかを判定する(B15)。このとき、持玉が端玉設定値未満であれば(B15:YES)、持玉を更新して(B16)、リターンする。一方、持玉が端玉設定値以上の場合には(B15:NO)、不正防止のために受付けした持玉券を返却(持玉券挿入口28から排出)した後(B14)、リターンする。
【0042】
一方、受付けした持玉券が後述するワゴン用持玉券である場合に(B1:YES)、注文フラグが0(B2:NO)、且つ返却フラグが0の場合には(B8:NO)、受付けしたワゴン用持玉券は無効であるとして返却(持玉券挿入口28から排出して)して(B14)、リターンする。つまり、ワゴン用持玉券は、注文フラグ及び返却フラグが0の状態では受付けされずに返却され、その他(遊技者)の持玉券は、持玉が端玉設定値未満であることを条件として受付けされる。
【0043】
このように、各台計数機3は、通常は、遊技者による操作に応じて持玉を計数する玉計数、持玉を補充するための払戻処理、持玉を記録した持玉券の発行処理を行っている。このとき、図5(a)に示す各台計数機3の記憶領域は、持玉の増減に応じて更新される。また、上述した払戻処理及び発行処理は注文フラグ及び返却フラグが共に0であることを条件として許容される(但し、図4に示す設定情報の設定により変更可である)。尚、図5(a)は、遊技者がID=0010001の持玉券を持玉券挿入口28に挿入している状態を示している。
【0044】
<<注文時の処理>>
次に、注文時の処理について説明する。尚、ここでは、説明の簡略化のために、返却処理は行われないものとする(つまり、返却フラグは「0」であり、返却タイマは動作していない状態とする)。
遊技者は、遊技中に飲食物などのワゴン景品を注文したい場合は、ワゴンサービスの係員に所望の飲食物を注文する。注文を受けた係員は、飲食物の提供が可能であれば、その対価となる玉数(注文対価:対価媒体数に相当)を、携帯しているリモコン40からの操作(対価特定操作)にて特定し、特定した玉数を各台計数機3に送信する(注文信号を送信する)。
【0045】
これにより、各台計数機3は、図8に示す各台計数機処理において、注文信号を受信することから(A5:YES)、注文対価が持玉数以下であるかを判定する(A6)。図5(b)の場合、注文対価が75玉、持玉数が5210玉であり、注文対価が持玉数以下であることから(A6:YES)、注文タイマを作動開始する(A7)。このとき、図5(b)に示すように注文対価(例えば75玉)を記憶して記憶領域を更新する。続いて、注文フラグ(対価特定操作(注文操作)が受付けられた状態を示すフラグ)を1にし(A8)、注文確認画面を表示する(A9)。尚、図8のステップA6において、注文時の注文対価が持玉より多い場合には(A6:NO)、図示しないエラー画面を表示する(A10)。また、注文信号を受信した状態(注文フラグ=1)でワゴン用持玉券を受付けないまま(A2:NO)、注文タイマがタイムアップした場合には(A16:NO、A29:NO)、注文フラグを0にして(A30)、注文確認画面の表示を終了して(A31)、リターンする。
【0046】
図6は、表示部18に表示される注文確認画面の表示例を示す図である。この注文確認画面には、注文対価を示すメッセージM1と、遊技者への報知メッセージM2とが表示される。報知メッセージM2は、例えば「ご注文を受付けました 係員の持玉券を受付けるまで発行、及び払戻し出来ません」のようなメッセージであり、注文を受付けたこと、及び、係員の持玉券(ワゴン用持玉券)を受付けるまで発行及び払戻しが出来ないことを遊技者に報知する。
【0047】
各台計数機3は、注文フラグが1の状態では(A16:NO)、注文タイマが作動中であるかを判定するようになる(A29)。この場合、ステップA7において注文タイマが作動開始していることから(A29:YES)、リターンする。このように、注文フラグが1である場合には、上記したような払戻処理(A20)或いは発行処理(A25)が実行されることはない。このため、報知メッセージM2(図6参照)に示したように、係員のワゴン用持玉券が受付けられるまで、発行及び払戻しの処理が抑制される。尚、玉計数(A4)は注文処理中であっても実施される。
【0048】
注文信号を送信した係員がワゴン用持玉券を持玉券挿入口28に挿入すると、各台計数機3は、ワゴン用持玉券を受付け(A2:YES)、ステップA3の持玉券受付処理を実行する。この場合図9に示す持玉券受付処理において、受付けした持玉券はワゴン用持玉券であることから(B1:YES)、注文フラグが1であるか(B2)、返却フラグが1であるか(B8)を判定するようになる。この場合、注文信号を受信した状態、即ち、注文フラグが1の状態であることから(B2:YES)、注文成立として、受付けしたワゴン用持玉券に注文対価を加算し(B3)、持玉から注文対価を減算する処理(対価徴収処理)を実行する(B4)。続いて、注文フラグを0にし(B5)、前回対価を更新する(B6)。このとき、各台計数機3の記憶領域は、図5(c)のように各データが更新される。つまり、注文対価である75玉が前回対価となり、持玉数が75玉減数される。尚、図5(c)は、ID=0019001のワゴン用持玉券を受付けた状態を示している。一方、持玉券の持玉数は75玉加算される。
【0049】
続いて、注文確認画面(図6参照)の表示を終了し(B7)、ワゴン用持玉券を返却した後(B14)、リターンする。これにより、注文対価が係員のワゴン用持玉券に移行され、遊技者の注文が確定する。注文が確定すると、係員は、遊技者に飲食物などを提供する。
【0050】
このように、各台計数機3は、遊技者による飲食物等の注文があった場合には、注文対価を、遊技者の持玉数からワゴン用持玉券に記録されている持玉数に移行する。これにより、係員は、遊技者が注文した飲食物に対応する対価を、実際の玉を使用することなく、受取ることが可能になる。
【0051】
<<返却時の処理>>
次に、返却時の処理について説明する。尚、ここでは、説明の簡略化のために、注文処理は行われないものとする(つまり、注文フラグは「0」であり、注文タイマは動作していない状態とする)。
ワゴン用持玉券を利用する場合、例えば、上記した注文時の処理において注文単価を間違えたとき、或いは、遊技者が注文確定後に飲食物の種類を変更したときなど、一旦ワゴン用持玉券に移行された持玉を遊技者に返却するような状況が考えられる。このような場合、係員は、その差引分を返却玉数としてリモコン40からの操作(返却操作)にて特定し、特定した玉数を各台計数機3に送信する(返却信号を送信する)。
【0052】
この場合、各台計数機3は、図8に示す各台計数機処理において、返却信号を受信することから(A11:YES)、図5(d)に示すように返却玉数(例えば25玉)を記憶して記憶領域を更新するとともに、返却玉数が前回対価以下であるかを判定する(A12)。例えば図5(b)のように前回対価が75玉である場合、即ち、返却玉数(25玉)が前回対価(75玉)以下である場合には(A12:YES)、返却タイマを作動開始し(A13)、返却フラグを1にし(A14)、返却画面を表示する(A15)。尚、図8のステップA12において、返却玉数が前回対価より多い場合には(A12:NO)、図示しないエラー画面を表示する(A10)。また、返却信号を受信した状態(返却フラグ=1)でワゴン用持玉券を受付けないまま(A2:NO)、返却タイマがタイムアップした場合には(A17:NO、A21:NO)、返却フラグを0にし(A22)、返却画面の表示を終了して(A23)、リターンする。
【0053】
図7は、表示部18に表示される返却画面の表示例を示す図である。この返却画面には、返却玉数を示すメッセージM3と、遊技者への報知メッセージM4とが表示される。報知メッセージM4は、例えば「持玉を返却します 係員の持玉券を受付けるまで発行、及び払戻し出来ません」のようなメッセージであり、余分に徴収した持玉を返却すること、及び、係員の持玉券(ワゴン用持玉券)を受付けるまで発行及び払戻しが出来ないことを遊技者に報知する。
【0054】
続いて、各台計数機3は、図8に示すステップA16に移行し、今回は上記したように注文フラグが0であることから(A16:YES)、返却フラグが0であるかを判定する(A17)。この場合、ステップA14において返却フラグを1にしたことから(A17:NO)、返却タイマが作動中であるかを判定し(A21)、ステップA13において返却タイマが作動開始したことから(A21:YES)、リターンする。このように、返却フラグが1である場合には、払戻処理(A20)或いは発行処理(A25)が実行されることはない。尚、玉計数(A4)は返却処理中であっても実施される。
【0055】
さて、返却信号を送信した係員がワゴン用持玉券を持玉券挿入口28に挿入すると、各台計数機3は、ワゴン用持玉券を受付け(ステップA2:YES)、ステップA3の持玉券受付処理を実行する。この場合、図9に示す持玉券受付処理において、注文フラグが0(B2:NO)、返却フラグが1であることから(B8:YES)、受付けしたワゴン用持玉券から返却玉数を減算し(B9)、遊技者の持玉に返却玉数を加算する処理(対価返却処理)を実行する(B10)。続いて、返却フラグを0にし(B11)、前回対価から返却玉数を減算する(B12)。このとき、各台計数機3の記憶領域は、図5(e)のように各データが更新される。つまり、持玉数が25玉増加し、返却玉数が0となる。一方、持玉券の持玉数が25玉減数される。
続いて、返却確認画面(図7参照)の表示を終了し(B13)、ワゴン用持玉券を返却した後(B14)、リターンする。これにより、余分に徴収した玉が遊技者に返却される。
【0056】
このように、各台計数機3は、徴収しすぎた対価に相当する返却玉を、ワゴン用持玉券に記録されている持玉数から遊技者の持玉数に移行する。これにより、係員は、遊技者に返却すべき対価を、実際の玉を使用することなく返却することが可能になる。このとき、各台計数機3は、一度受付けしたワゴン用持玉券のIDを記憶しておき、同じIDのワゴン用持玉券が受付けされた場合に、対価返却処理の実行が可能になる。
さて、上述した注文時及び返却時の処理で使用されたワゴン用持玉券は、その他の持玉券同様に、交換装置31にて受付けることにより、所謂特殊景品等の景品と交換可能(景品交換処理)であり、係員はその景品を受取ることで遊技場を介して遊技者から対価を徴収することが可能となる。
【0057】
以上に説明したように、本実施形態の遊技場用システム100によれば次のような効果を奏する。
サービス業者の係員用の持玉券であるワゴン用持玉券を設けたことで、その係員は提供した景品の提供数に対応する膨大な数の記録媒体を管理する必要もなければ、それらの記録媒体を別途集計する必要もなくなり、サービス業者による効率的なワゴンサービスを支援することができる。
遊技場にとっては、ワゴンサービス毎に係員に持玉券を発行する必要がないので、多数の持玉券を扱う必要がなくなり、コストを削減することができる。
【0058】
遊技者の持玉からワゴン用持玉券への注文対価或いは返却玉の移行はデータ上で行われるので、実際の遊技玉を扱う必要がなく、遊技者及び係員の双方にとって、玉数を数えるなどの手間が削減され、煩わしさを解消出来る。
ワゴン用持玉券にて返却処理を行うことを可能にしたので、係員が間違って提供した景品の対価以上の持玉を徴収した場合であっても、余分に徴収した持玉を容易に遊技者へと返却出来る。また、許容範囲を逸脱した対価返却が出来ないので、2重のミスを防止出来る。
注文時に受付けしたワゴン用持玉券のIDを記憶領域に記憶しておき、IDが一致した場合にのみ返却処理を可能にしたので、係員と遊技者が共謀することで、他の遊技者から対価として徴収してきた遊技媒体を自身の持玉として返却するといった不正行為を防止することが出来る。
【0059】
本来返却対象となるのは間違って徴収した遊技媒体数のみであるという事情を考慮し、前回対価を記憶しておき、返却玉の許容範囲をこの前回対価より小さい値に設定しているので、必要以上に返却媒体数を制限することなく、例えば上記したような不正行為を考慮した適切な許容範囲を定めることが可能となる。
注文時或いは返却時において発行処理或いは払戻処理を抑制するようにしたので、対価特定操作後或いは返却操作後からワゴン用持玉券を受付けるまでにはタイムラグが生じるが、そのタイムラグ中に遊技者の持玉が少なくなることでワゴン景品の移行が出来なくなる不都合や、持玉が無い状態での無意味な対価徴収処理を行う不都合等を解消出来る。
【0060】
遊技者が利用する持玉券を、そのままワゴン用持玉券として登録出来るので、利便性が高まるばかりか、別途係員用の記録媒体を製造するコストが削減出来る。また、遊技者が利用する持玉券同様に景品交換が可能なので、サービス業者は遊技者同様に景品交換を行うことで遊技場を介して遊技者から提供したワゴン景品の対価を徴収可能となる。この場合、遊技場側にとっても特別に対価をサービス業者へと渡す必要が無くなるので、両者の繁雑な作業を軽減出来る。
【0061】
注文処理或いは返却処理が終了した場合には受付けしたワゴン用持玉券を返却するようにしたので、例えば多数の持玉が対応付けられたワゴン用持玉券を係員が落とし、他の遊技者がそのワゴン用持玉券を拾ったとしても遊技に使用することが出来ないので、サービス業者や遊技場の利益が減少することがない。また、係員が自身の利益とするためにワゴン用持玉券を遊技に使用することも防止出来る。
【0062】
注文操作又は返却操作を受付していない場合(注文フラグ又は返却フラグが1でない場合)にワゴン用持玉券を受付けたときは、そのワゴン用持玉券を返却するようにしたので、例えば多数の持玉が対応付けられたワゴン用持玉券を係員が落とし、他の遊技者がそのワゴン用持玉券を拾ったとしても遊技に使用することが出来ず、サービス業者や遊技場の利益が減少することがない。また、係員が自身の利益とするためにワゴン用持玉券を遊技に使用することも防止出来る。
注文処理中或いは返却処理中には、発行処理及び払戻処理は抑制されるものの、玉計数は引き続き実行するようにしたので、注文又は返却中に大当たりが発生した場合に遊技玉が溢れるなどの不利益を遊技者に与えることがない。
【0063】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図10から図13を参照しながら説明する。第2実施形態では、注文履歴などを管理する注文管理装置を設けている点が第1実施形態と異なっている。尚、第1実施形態と実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、第2実施形態による遊技場用システムの全体構成を示す図である。遊技場用システム200には、遊技者による飲食物の注文履歴などを管理する注文管理装置50が設けられている。
【0064】
注文管理装置50(注文管理手段に相当)は、CPUからなる制御部、HDD、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部等を備えた本体51と、各種の情報などを表示するモニタ52とを備えている。また、遊技場管理装置4や中継装置5等に接続され、これらの装置との間で、各種の信号や情報の送受信が可能に構成されている。また、図11に示す記憶領域を備えており、遊技者ID(00001)、氏名(大黒太郎)等の遊技者毎に、注文日、注文時刻、注文景品を注文履歴として記憶・管理している。
【0065】
さて、第2実施形態の各台計数機3には注文専用の図示しない呼出釦(呼出操作手段)が設けられており、その呼出釦の押下に応じて、対応する台番(遊技機ID)と遊技者IDを特定可能な情報である注文呼出情報が注文管理装置50に送信される。尚、貸出機2(ID受付手段に相当)にて遊技者の会員カードを受付け、遊技者IDと遊技機IDとを特定する。
注文呼出情報を受信した注文管理装置50は、図12に示す注文管理画面をモニタ52に表示する。このとき、注文管理画面には、例えば注文元の遊技機IDと遊技者名とを示すメッセージM5が表示されるとともに、図11に基づいて、直近の注文内容を示すメッセージM6、及び、前回までの注文傾向を示す履歴データM7が表示される。尚、新規の遊技者IDを受信した場合には遊技場管理装置4が周知のように管理する会員データベースから遊技者IDと遊技者氏名とを受信することで、会員IDと会員氏名とを紐付けられる。
【0066】
呼出を受けた係員は、第1実施形態と同様に、リモコンを操作することによりワゴン景品を特定する(景品特定操作)。この場合、リモコンには、例えば「コーヒー」釦や「紅茶」釦など、ワゴン景品の種類を特定可能な釦が設けられている。係員は、これらの釦等を押下することにより、ワゴン景品を特定する。続いて、注文が成立(対価徴収が終了)した場合に、各台計数機3から注文管理装置50に、遊技者IDと注文景品とを特定可能な注文管理情報を送信する。尚、「コーヒー」釦や「紅茶」釦等は、例えば図3に示すリモコンの場合、未使用の釦に割り振ればよい。
【0067】
注文管理装置50は、注文管理情報を受信すると、図11に示す注文履歴を更新する。つまり、図12は、図11の注文履歴により特定される遊技者毎の注文傾向(景品の提供状況)を、上段は直近(最新)の注文、下段は注文数のランキングとして表示している。尚、モニタ52への表示以外に、印刷手段により印字するようにしても良い。
また、注文管理装置50は、図11に基づいて注文景品毎の注文数や利用人数を特定し、管理することで、図13に示すように、注文景品毎に注文総数と利用人数を集計している。これにより、遊技場全体の注文傾向が把握出来る。また、図示していないが、時間帯毎に注文景品毎の注文数や利用人数を特定して管理することで、時間帯毎の注文傾向が把握出来る。
【0068】
また、遊技者による景品の提供状況を管理可能となるばかりか、注文呼出情報に応じた景品の提供状況と遊技機IDとの出力により、係員を呼出している遊技者が、どの遊技機にいて、どのような景品を希望する遊技者であるのかを把握した上で、遊技機へと出向くことが可能となり、より円滑なワゴンサービスを提供可能となる。
【0069】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張できる。
図4に示す設定情報において、「タイマ作動中」に対して「禁止」、「キャンセル」、「有効」のいずれかを設定可能にしたが、「注文タイマ」、「返却タイマ」の各々について設定しても良い。また、発行処理及び払戻処理に共通の設定としたが、発行処理、払戻処理の各々について設定しても良い。
対価返却処理による返却許容範囲として前回対価を採用したが、例えば提供対象となる景品の対価の最小対価媒体数等のような除外返却玉数を予め設定しておき、その除外返却玉数を前回対価から差し引いた値を上限とする等、前回対価以下を上限とすればどのように上限を定めても良い。
【0070】
更に、図4の設定情報のように操作入力にて返却許容範囲を予め別途設定しても良い。
対価特定操作又は返却操作後にワゴン用持玉券を受付ける構成としたが、ワゴン用持玉券を受付けてから対価特定操作又は返却操作を受付けても良い。この場合、ワゴン用持玉券を受付けることを条件に各台計数機等にて対価特定操作又は返却操作の受付画面を表示すれば係員による操作を特定出来る。
ワゴン用持玉券の登録は、交換装置31(POS)以外の登録端末を別途設けても良い。また、ワゴン用持玉券として通常の持玉券として利用出来ない持玉券を別途設けても良い。
【0071】
係員による不正を防止するためワゴン用持玉券を通常の遊技に使用できないよう返却したが、使用できるようにしても良い。
操作受付手段としてリモコン40を例示したが、係員による操作が特定出来れば、例えば各台計数機3にて係員側のみが把握する暗証番号を入力した上で、入力操作を行う等しても良い。
持玉数を持玉券に記録する構成としたが、持玉券には持玉券のIDのみを記録し、持玉数を遊技場管理装置4にて記憶する所謂背番号管理にて持玉数を特定しても良い。勿論、不正防止を考慮して両者の構成を併用しても良い。
【0072】
遊技者が遊技場へと預入れた遊技媒体である所謂貯玉に基づく再プレイシステムに対応しても良い。この場合、対価となる貯玉を特定可能な所謂会員カード等を受付けることで特定し、払出される再プレイ玉に所謂手数料に相当する玉を加算して玉数が対価となる。
持玉券はカード状の記録媒体だけでなく、例えばコイン型の記録媒体等であっても良い
各台計数機3を示したが、計数機能を各台に備えない、所謂各台再プレイシステムに適用しても良い、この場合、遊技媒体の計数は島端に設けられる計数機にて行い、その計数機にて持玉券を発行し、その持玉券を各台にて受付ける構成とすれば良い。
【0073】
対応する遊技機はスロットマシン等の遊技機であっても良い。この場合、遊技媒体はメダルとなる。
各台計数機3が行う情報処理の一部、或いは全部を中継装置5、貸出機2や遊技場管理装置4等にて行っても良い。同様に遊技場管理装置4が行う情報処理の一部を中継装置5や各台計数機3にて行っても良い。勿論、貸出機2と各台計数機3を一体化しても良い。
【符号の説明】
【0074】
図面中、1は遊技機、2は貸出機(ID受付手段)、3は各台計数機(媒体受付手段、払戻手段、記憶手段、更新手段、発行手段、移行手段、設定手段、抑制手段、呼出操作手段、送信手段)、31は交換装置(登録手段、交換手段)、40はリモコン(操作受付手段)、50は注文管理装置(注文管理手段)、100、200は遊技場用システムである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワゴンサービスが行われている遊技場において、効率的なワゴンサービスを支援する遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、遊技者による飲食物等の景品の注文を受付け、その注文に応じた景品を提供するという所謂ワゴンサービスと呼ばれるサービスがある。また、各台計数機と呼ばれる遊技機の各々に対応する遊技媒体の計数機を設け、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体である持玉を、その計数機にて計数可能とするシステムが多数導入されている。この場合、ワゴンサービスにより提供した景品の対価を各台計数機により計数した持玉から徴収するようにしているシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
さて、持玉から対価を徴収する場合は、前述した特許文献1のようにデータ上で徴収すれば良いが、ワゴンサービスを提供するサービス業者は、遊技場とは別業者であり、ただ持玉をデータ上減算するだけでは遊技場が徴収した持玉をサービス業者へと渡す処理が必要となり、遊技場及びサービス業者の双方が非常に面倒に感じるため、敬遠されがちである。そこで、例えば特許文献2のように対価分のレシートや、カードを発行すれば、そのような問題は解消されるかとも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−333119号公報
【特許文献2】特開2001−129236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2のようなシステムの場合、景品毎にレシートを発行する必要があり、サービス業者がレシートの集計や、多数のレシートを毎日管理する等、やはり煩雑であり、ワゴンサービスが非効率になるという問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、効率的なワゴンサービスを支援する遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明は、遊技機に対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体数である獲得媒体数を特定可能な記録媒体である遊技者用記録媒体を受付ける媒体受付処理を行う媒体受付手段と、遊技機に対応して設けられ、遊技者による払戻操作に応じて前記獲得媒体を対価として遊技者に遊技媒体を払戻す払戻処理を行う払戻手段と、遊技機に対応して設けられ、その遊技者の前記獲得媒体数を特定可能な獲得情報を記憶する記憶手段と、前記獲得情報により特定される前記獲得媒体数が、前記媒体受付処理に応じて受付けられた前記遊技者用記録媒体により特定される獲得媒体数分加算される一方、前記払戻処理に応じて対価となる遊技媒体数分減算されるように前記記憶手段により記憶される前記獲得情報を更新する更新処理を行う更新手段と、遊技機に対応して設けられ、遊技者による発行操作に応じて、前記記憶手段により記憶される獲得情報により特定される前記獲得媒体数を特定可能な記録媒体を前記遊技者用記録媒体として発行する発行処理を行う発行手段と、遊技者へと景品を提供する係員による、当該提供する景品の対価となる遊技媒体数である対価媒体数を特定可能な操作である対価特定操作を受付ける操作受付手段と、前記操作受付手段により対価特定操作が受付けられたこと、及び前記媒体受付手段により係員の支配下にある遊技媒体数である係員媒体数を特定可能な記録媒体である係員記録媒体が受付けられたことを条件として、当該対価特定操作により特定される前記対価媒体数を、前記記憶手段により記憶される獲得情報により特定される遊技者の獲得媒体数から前記係員媒体数へと移行する対価徴収処理を行う移行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記操作受付手段は、係員による遊技者へと返却したい遊技媒体数である返却媒体数を特定可能な操作である返却操作を受付可能であり、前記移行手段は、前記操作受付手段により返却操作が受付けられたこと、及び前記媒体受付手段により前記係員記録媒体が受付けられたことを条件として、当該返却操作により特定される前記返却媒体数を、前記係員媒体数から遊技者の獲得媒体数へと移行する対価返却処理を行う請求項1記載の遊技場用システムであって、前記返却媒体数に対する許容範囲を設定する設定手段を備え、前記移行手段は、前記設定手段により設定された許容範囲に前記返却操作により特定される前記返却媒体数が属することを条件として前記対価返却処理を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記記憶手段は、前記対価徴収処理に応じて、その対価媒体数を前回対価として記憶し、前記設定手段は、前記許容範囲の上限を前記記憶手段により記憶される前回対価以下に設定することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記対価特定操作、或いは前記返却操作が受付けられた状態で、前記払戻操作、或いは前記発行操作があった場合に、当該払戻操作、或いは当該発行操作に対応する前記払戻処理、或いは前記発行処理を抑制する抑制処理、又は受付けられた状態である前記対価特定操作、或いは前記返却操作をキャンセルするキャンセル処理を行う抑制手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記遊技者用記録媒体として利用可能な記録媒体、及び遊技場の従業員、或いは係員による登録操作を受付可能であり、当該登録操作、及び前記記録媒体を受付けることを条件として、受付けた記録媒体を前記係員記録媒体として登録する登録手段と、前記係員記録媒体、及び前記遊技者用記録媒体を受付可能であり、いずれの記録媒体を受付けた場合であっても、その記録媒体により特定可能な遊技媒体を、交換対象となる景品の対価分減算する景品交換処理を行う交換手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記更新手段は、前記媒体受付処理により受付けられた記録媒体が前記遊技者用記録媒体であることを条件として前記払戻処理に応じた更新処理を実行することで、前記係員媒体を対価とした前記払戻処理を禁止することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載した発明は、遊技機に対応して設けられ、遊技者IDを受付可能なID受付手段と、遊技機に対応して設けられ、遊技者が係員を呼出したい場合に操作する呼出操作手段と、前記ID受付手段が遊技者IDを受付けた状態で前記呼出操作手段が操作された場合に、当該ID受付手段に対応する遊技機ID、及び受付状態にある遊技者IDを特定可能な注文呼出情報を送信する一方、前記対価徴収処理に応じて注文管理情報を送信する送信手段と、前記注文呼出注文情報、及び前記注文管理情報を受信し、当該注文呼出情報、及び注文管理情報の少なくとも一方により特定される注文情報を管理する注文管理手段と、を備え、前記操作受付手段は、遊技者へと提供する景品を特定可能な景品特定操作を受付可能であり、前記送信手段は、前記景品特定操作を受付けた状態で、前記対価徴収処理があった場合に、当該景品特定操作により特定される景品を特定可能な前記注文管理情報を送信し、前記注文管理手段は、前記注文呼出情報、及び前記注文管理情報のうち少なくとも一方により遊技者の遊技者ID、及びその遊技者へと提供した景品を特定し、遊技者ID単位の景品提供情報を管理することで前記注文情報を管理する一方、前記注文呼出情報を受信した場合に、当該注文呼出情報により特定される遊技者IDについて管理する景品の提供状況を出力すると共に、同じく注文呼出情報により特定される遊技機IDを出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、サービス業者(係員)用の記録媒体(係員記録媒体)を設けたことで、その係員は係員記録媒体に提供した景品の提供数に対応する膨大な記録媒体を管理する必要もなければ、その記録媒体を別途集計する必要もなくなり、サービス業者によるワゴンサービスを効率的に行うことが可能となる。勿論、遊技場にとって多数の持玉券を必要以上に扱う必要がなくなるのでコスト削減に繋がる。また、システム的にも一人の遊技者の遊技中に受付けしている記録媒体IDが変更されることにより生ずる余分なシステム負荷がかかる虞も低減出来る。さらに、遊技者の獲得媒体数から係員記録媒体により特定される係員媒体数への移行はデータ上で行われるので、実際の遊技媒体を扱う必要がなく、遊技者及びサービス業者の双方にとって、遊技媒体を数えるなどの手間が削減され、煩わしさを解消出来る。
【0013】
請求項2の発明によれば、係員が間違って提供した景品の対価以上の遊技媒体を徴収した場合であっても、余分に徴収した遊技媒体を容易に遊技者へと返却出来る。この場合、許容範囲を逸脱した対価返却が出来ないので、2重のミスを防止出来る。
他に、以下の不正も防止出来る。即ち、例えば係員の知人が遊技者として遊技場に来場し、係員により対価返却処理を行った場合、係員が対価として徴収してきた遊技媒体をその遊技者の獲得媒体にするという、係員とその知人が共謀する不正が考えられる。つまり、係員が徴収した対価は係員を介してサービス業者が徴収すべき対価であるが、この不正によりサービス業者が徴収すべき対価を得ることができず、係員とその知人とが対価を得ることになる。また、その知人は、本来であれば遊技をするために現金を投資して遊技媒体を得る必要があるが、上記不正により貸遊技媒体を得ることなく遊技が可能となり、その遊技により獲得した獲得媒体を交換可能となる。この場合、一般的に、同数の遊技媒体を景品交換する際の対価額と、貸出する際の対価額とは、貸出する際の対価額の方が高いため、遊技場の売上だけでなく、利益も減少することになる。このとき、対価返却処理において許容範囲を設定することで、このような不正を防止出来る。
【0014】
請求項3の発明によれば、本来返却対象となるのは間違って徴収した遊技媒体数のみであるので、必要以上に返却媒体数を制限することなく、例えば上記したような不正を考慮した適切な許容範囲を定めることが可能となる。
請求項4の発明によれば、対価特定操作後或いは返却操作後から係員記録媒体を受付けるまでにはタイムラグが生じるが、そのタイムラグ中に遊技者の獲得媒体が少なくなることで景品交換が出来なくなる不都合や、獲得媒体が無い状態での無意味な対価徴収処理を行う不都合等を解消出来る。
【0015】
請求項5の発明によれば、遊技者が利用する記録媒体を、そのまま係員記録媒体として登録出来るので利便性が高まるばかりか、別途係員記録媒体を製造するコストを軽減出来る。また、遊技者が利用する記録媒体同様に景品交換が可能なので、サービス業者は遊技者同様に景品交換を行うことで遊技場を介して遊技者から提供した景品対価を徴収可能となる。この場合、遊技場側にとっても特別に対価をサービス業者へと渡す必要が無くなるので、両者の繁雑な作業を軽減出来る。
【0016】
請求項6の発明によれば、例えば多数の遊技媒体数が対応付けられた係員記録媒体を係員が落とし、他の遊技者が係員記録媒体を拾っても遊技に使用出来ないので、サービス業者や遊技場の利益が減少することがない。また、係員が自身の利益とするために係員記録媒体を遊技に使用することも防止出来る。
【0017】
請求項7の発明によれば、遊技者による景品の提供状況を管理可能となるばかりか、注文呼出情報に応じた景品の提供状況と遊技機IDとの出力により、係員を呼出している遊技者が、どの遊技機にいて、どのような景品を希望する遊技者であるのかを把握した上で、遊技機へと出向くことが可能となり、より円滑なワゴンサービスを提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【図2】各台計数機の正面図
【図3】リモコンの正面図
【図4】管理装置に記憶されている設定情報を示す図
【図5】各台計数機の記憶領域の推移を示す図
【図6】注文確認画面例を示す図
【図7】返却画面例を示す図
【図8】各台計数機処理を示すフローチャート
【図9】持玉券受付処理を示すフローチャート
【図10】本発明の第2実施形態を示す図1相当図
【図11】注文管理装置が記憶する注文履歴を示す図
【図12】注文管理装置の画面表示例を示す図
【図13】遊技場単位の注文データ集計を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の複数の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1から図9を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用システム100の全体構成を示す概略図である。遊技場には遊技機1に対応して貸出機2、各台計数機3が設置され、管理室には遊技場管理装置4が設置されている。各中継装置5は、2台の遊技機1、2台の貸出機2、2台の各台計数機3、及び遊技場管理装置4と接続されている。遊技場管理装置4は、遊技機側(遊技機1、貸出機2、各台計数機3等)から送信される遊技信号を中継装置5を介して受信することにより遊技機1を管理する。尚、図1では省略したが、実際には数百台の遊技機1が遊技場管理装置4の管理対象となる。
【0020】
管理対象となる遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル6に対する操作により盤面7に発射された遊技玉が始動口8、9に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を表示部12において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たりを発生させる。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド(R)分だけ大入賞口13を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿10にて受けられ、この上部受皿10が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿11で受けられる。尚、1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。また、本実施形態における管理対象となる遊技機1はパチンコ遊技機を想定しており、遊技媒体としてはパチンコ玉を想定している。以下、本実施形態においてパチンコ玉は、必要に応じて、玉、或いは遊技玉と表現する。
【0021】
貸出機2(ID受付手段に相当)は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部、表示部を備えた所謂CRサンドとして構成されており、以下の機能を有する。
【0022】
(1)固有のIDが記録された所謂会員カード或いはビジターカードをカード挿入口14にて受付可能であり、受付けした状態で貨幣投入口15に貨幣が投入された場合に、そのIDに対応付けてその価値(有価価値)を記憶する。
(2)ビジターカードを所定数(5枚程度)ストック可能であり、会員カード或いはビジターカードを受付していない状態で貨幣を受付すると、ストックしているビジターカードに貨幣の有価価値を記録して、そのビジターカードを受付状態にする。
(3)有価価値が特定可能な状態で遊技機1に設けられた図示しない貸出釦が押下されると、その有価価値に基づき貸玉を遊技機1の払出口から払出して売上信号を送信する。
(4)ビジターカードを受付けした状態で返却釦17の押下を受付すると、受付中のビジターカードを排出する。
(5)表示部18では貸出情報を表示可能であり、各種の対応する遊技機1に関する遊技情報等も表示可能となる。
(6)対応する管理装置としては各台計数機3に対応する遊技場管理装置4だけでなく図示しないカード会社の管理装置にも対応し、有価価値に対応する残高はカード会社の管理装置にて管理する。
【0023】
これら遊技機側の装置からは、例えば、使用玉(使用媒体に相当)を回収するアウトBOXから出力される使用玉数(アウト)を特定可能なアウト信号や、遊技機1から出力される払出玉数(セーフ、払出媒体数に相当)を特定可能なセーフ信号、或いは、大当たりを特定可能な大当たり信号や特別状態を特定可能な特別状態信号等が出力される。また、売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な売上信号等も出力される。
【0024】
図2は各台計数機3の正面図である。各台計数機3は、CPUからなる制御部(媒体受付手段、払戻手段、更新手段、発行手段、移行手段、設定手段、抑制手段に相当)、CF、RAM、ROMからなる記憶部(記憶手段に相当)、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部(送信手段に相当)を備えている。また、各台計数機3は、装置本体19に、状態表示LED20、テンキー21、貯玉釦22、液晶表示部23、発行可能時に点灯する発行釦24、玉払出ノズル25、払戻釦26、リモコン受光部27、持玉券のストック状態を示す周囲表示部28aを有した持玉券挿入口28、受皿部29、遊技場の従業員を呼出すための従業員呼出釦30を備えて構成されている。
【0025】
各台計数機3は、遊技機1の下部受皿11の開放に伴って落下した遊技玉を受皿部29で受けることにより装置本体19の下部に配置された計数部にて計数(玉計数)して、持玉を更新する。各台計数機3により計数された遊技玉は後述するように持玉(獲得媒体数に相当)として特定され、持玉が0より多ければ遊技者による払出操作(払戻釦26の押下)により玉払出ノズル25から遊技機1の上部受皿10に払戻1単位(125玉)を上限として払い戻す払戻処理を行う。一方、発行釦24の押下(発行操作)に応じて持玉を記録させた持玉券(遊技者用記録媒体に相当)を発行する発行処理を行う。尚、テンキー21に設けられている「C」釦21aはテンキー21に対する操作により入力した数値をクリアする釦であり、「確」釦21bは入力した数値を確定する釦である。
【0026】
この各台計数機3は持玉券を所定枚数(10枚)までストック可能である。また、持玉券挿入口28奥にて複数の持玉券を受付順にストックしており、発行処理を行う場合には、ストックしている持玉券の内、受付順が最新である持玉券を発行する。尚、テンキー21にて持玉の一部のみを指定(数値入力後に「確」釦21b押下)した状態で発行釦24を押下すれば、その持玉分の発行も可能である。
【0027】
図3は、ワゴンサービスの係員が携帯するオーダーリモコン(以下、単にリモコンという)40を模式的に示す図である。リモコン40には、7セグ表示部41、テンキー42、クリア釦43、送信釦44、取消釦45、発行釦46、返却釦47が設けられている。7セグ表示部41には、テンキー42の操作により入力された玉数(図3では56玉)が表示される。このとき、玉数の入力を間違えた場合には、クリア釦43の押下により、入力された玉数を最初から再度入力することが可能となる。玉数を入力した状態で送信釦44を押下すると、後述する注文信号として各台計数機3に入力した玉数が送信される。
【0028】
このとき、取消釦45を押下すると、送信した玉数が取消しされる一方、係員が携帯する持玉券であるワゴン用持玉券(係員記録媒体に相当)を持玉券挿入口28に挿入すると、そのワゴン用持玉券に記録された玉数に送信した玉数を加算してワゴン用持玉券が発行(返却)される。また、詳細は後述するが、係員により一旦持玉券を発行した後に玉数の間違いなどがあった場合には、テンキー42を押下して返却する玉数を入力し、返却釦47を押下することで後述する返却信号として各台計数機3に玉数を送信した後、ワゴン用持玉券を挿入することにより、ワゴン用持玉券に記録されている玉数から送信した玉数が減算され遊技者に返却される。
【0029】
遊技場管理装置4は、CPUからなる制御部、HDD、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部等を備えており、中継装置5に接続されている。このような構成の遊技場管理装置4は、遊技機側の装置から出力される各種の信号に基づいて売上などを集計・管理するとともに、各種の設定情報などを記憶している。
【0030】
図4は、遊技場管理装置4に記憶されている設定情報を示しており、以下の各項目が設定されている。尚、この設定情報は、後述するように各台計数機3の記憶部にも同一の内容が記憶されている。
端玉設定値=新たな持玉券を受付けるために許容される持玉数。持玉がこの設定値未満であることを条件として新たな持玉券を受付ける。尚、持玉数がこの設定値になり、持玉券を受付けていない場合には、ストックしている持玉を受付中持玉券とする。
注文タイマ=後述する注文信号を受付けた場合に作動するタイマの作動時間。注文タイマはタイムアップ、或いは後述するワゴン用持玉券の受付に応じて作動停止する。
返却タイマ=後述する返却信号を受付けた場合に作動するタイマの作動時間。返却タイマはタイムアップ、或いはワゴン用持玉券の受付に応じて作動停止する。
【0031】
タイマ作動中=注文タイマ或いは返却タイマ作動中の後述する発行処理及び払戻処理に対して行われる処理の設定で、「禁止」、「キャンセル」、「有効」のいずれかが設定可能(図4では「禁止」が設定された状態を示している)。
「禁止」:発行釦24及び払戻釦26の操作を無効化し、各処理を禁止する処理(抑制処理に相当)を行う。
「キャンセル」:発行釦24及び払戻釦26の操作に応じて注文や返却をキャンセルする処理(キャンセル処理に相当)を行う。
「有効」:発行釦24及び払戻釦26の操作に応じて、対象玉数(後述する注文対価、返却玉数、或いは前回対価のいずれか)を差し引いた持玉数を対象として処理を有効化する処理(抑制処理に相当)を行う。
【0032】
さて、各台計数機3は、中継装置5を介して遊技機1、貸出機2及び遊技場管理装置4等と接続され、各種情報の送受信が可能となっている。そのため、上記した設定情報が設定又は更新されると、遊技場管理装置4から送信される設定信号に基づいて、自身の記憶する設定情報を更新する。また、図5に示す記憶領域を備えており、以下の各項目が記憶されている。尚、図5(a)〜(e)は、詳細は後述するが、記憶領域のデータの推移を示している。
【0033】
持玉数=遊技者が獲得した玉数。玉計数により加算され、再プレイ等の対価の支払いに応じて減算される。勿論、持玉券を受付けた場合にも加算される。尚、玉計数値、再プレイ玉数等を各々記憶し、その演算値(差引)等で特定しても良い(いずれも獲得情報に相当)。
注文対価=注文信号により特定するワゴン景品の交換対価となる玉数(対価媒体数に相当)。
返却玉数=返却信号により特定するワゴン用持玉券への返却対象となる玉数(返却媒体数に相当)。
前回対価=前回取り扱ったワゴン景品の交換対価となった玉数。
【0034】
また、図5(a)〜(e)に示す「ワゴン用持玉券」は、ワゴン用持玉券に記録されている持玉数(係員媒体数に相当)の推移を示している。例えば図5(a)では、注文信号を受信する前の状態ではワゴン用持玉券には3000個の持玉が記録されていることを示している。ワゴンサービスを提供する係員は、交換装置31(POS:登録手段、交換手段に相当。図1参照)を介して任意の持玉券をワゴン用持玉券(係員記録媒体に相当)として遊技場管理装置4にて登録可能であり、そのワゴン用持玉券を携帯しながらワゴンサービスを行っている。
【0035】
次に、上記構成の遊技場用システム100の作用について、図6から図9を参照しながら、また、図5(a)〜(e)に示す各台計数機3の記憶領域の推移も参照しながら説明する。以下においては、各台計数機3の基本的な処理である玉計数及び払戻処理についてまず説明し、その後、注文時の処理について説明し、最後に、返却時の処理について説明する。
【0036】
<<玉計数及び払戻処理>>
遊技者は、遊技を終了したり、台移動したり、上皿10,11の遊技玉が満杯状態となった場合は、各台計数機3にて遊技玉を計数し、上皿10,11に残されている遊技玉が少なくなった場合は、各台計数機3にて記憶されている持玉から遊技玉を補充する払戻しを行う。尚、以下の説明では、簡略化のために、後述する注文フラグ及び返却フラグは共に「0」であり、注文タイマ及び返却タイマも動作していない状態(つまり、注文或いは返却操作がなされない状態)であるものとする。
【0037】
図8は、各台計数機3による各台計数機処理のフローチャートである。各台計数機3は、玉計数であるか(A1)、持玉券を受付けたか(A2)、注文信号を受信したか(A5)、返却信号を受信したか(A11)を判定していると共に、注文フラグが0(A16:YES)、返却フラグが0(A17:YES)の状態では、持玉が有るかも判定している(A18)。
【0038】
遊技者が獲得した遊技玉を計数するために遊技機1の下部受皿11を開放すると、下部受皿11から落下した遊技玉が受皿部29で受けられて計数されるので、各台計数機3は、玉計数であると判定し(A1:YES)、持玉を更新する(A4)。このように持玉が更新された結果、持玉が有る状態となると(A18:YES)、払戻釦26が押下げられたか(A19)、発行釦24が押下げられたか(A24)を判定するようになる。つまり、払戻釦26及び発行釦24に対する操作が有効となる。
【0039】
遊技者により払戻釦26が押下された場合には(A19:YES)、払戻処理を実行する(A20)。この払戻処理では、上記したように払戻1単位(125玉)を上限とした払戻しが行われる。また、遊技者により発行釦24が押下された場合には(A24:YES)、発行処理を実行する(A25)。この発行処理では、全ての持玉数或いはテンキー21から入力された数値に対応した持玉数を記録した持玉券(遊技者用記録媒体に相当)が発行される。
【0040】
各台計数機3は、払戻処理(A20)或いは発行処理(A25)が終了すると、持玉が0であるかを判定し(A26)、持玉が0でない場合には(A26:NO)、リターンする。また、上述した払戻処理又は発行処理により持玉が減算され、持玉が0になった場合には(A26:YES)、前回対価を初期化した後(A27)、リターンする。尚、前回対価の詳細については後述する。
一方、例えば遊技の進行にともなって上皿10,11の残されている手持玉が少なくなり、遊技者が手持玉を追加するために遊技者自身の持玉券を持玉券挿入口28に挿入した場合は、持玉券を受付けたと判定し(A2:YES)、持玉券受付処理を実行する(A3)。
【0041】
図9は、各台計数機3による持玉券受付処理のフローチャートである。各台計数機3は、受付けした持玉券がワゴン用持玉券であるかを判定する(B1)。上記の場合、持玉券挿入口28に挿入されたのは遊技者自身の持玉券であり、ワゴン用持玉券ではないことから(B1:NO)、持玉が端玉設定値(図4に示す50玉)未満であるかを判定する(B15)。このとき、持玉が端玉設定値未満であれば(B15:YES)、持玉を更新して(B16)、リターンする。一方、持玉が端玉設定値以上の場合には(B15:NO)、不正防止のために受付けした持玉券を返却(持玉券挿入口28から排出)した後(B14)、リターンする。
【0042】
一方、受付けした持玉券が後述するワゴン用持玉券である場合に(B1:YES)、注文フラグが0(B2:NO)、且つ返却フラグが0の場合には(B8:NO)、受付けしたワゴン用持玉券は無効であるとして返却(持玉券挿入口28から排出して)して(B14)、リターンする。つまり、ワゴン用持玉券は、注文フラグ及び返却フラグが0の状態では受付けされずに返却され、その他(遊技者)の持玉券は、持玉が端玉設定値未満であることを条件として受付けされる。
【0043】
このように、各台計数機3は、通常は、遊技者による操作に応じて持玉を計数する玉計数、持玉を補充するための払戻処理、持玉を記録した持玉券の発行処理を行っている。このとき、図5(a)に示す各台計数機3の記憶領域は、持玉の増減に応じて更新される。また、上述した払戻処理及び発行処理は注文フラグ及び返却フラグが共に0であることを条件として許容される(但し、図4に示す設定情報の設定により変更可である)。尚、図5(a)は、遊技者がID=0010001の持玉券を持玉券挿入口28に挿入している状態を示している。
【0044】
<<注文時の処理>>
次に、注文時の処理について説明する。尚、ここでは、説明の簡略化のために、返却処理は行われないものとする(つまり、返却フラグは「0」であり、返却タイマは動作していない状態とする)。
遊技者は、遊技中に飲食物などのワゴン景品を注文したい場合は、ワゴンサービスの係員に所望の飲食物を注文する。注文を受けた係員は、飲食物の提供が可能であれば、その対価となる玉数(注文対価:対価媒体数に相当)を、携帯しているリモコン40からの操作(対価特定操作)にて特定し、特定した玉数を各台計数機3に送信する(注文信号を送信する)。
【0045】
これにより、各台計数機3は、図8に示す各台計数機処理において、注文信号を受信することから(A5:YES)、注文対価が持玉数以下であるかを判定する(A6)。図5(b)の場合、注文対価が75玉、持玉数が5210玉であり、注文対価が持玉数以下であることから(A6:YES)、注文タイマを作動開始する(A7)。このとき、図5(b)に示すように注文対価(例えば75玉)を記憶して記憶領域を更新する。続いて、注文フラグ(対価特定操作(注文操作)が受付けられた状態を示すフラグ)を1にし(A8)、注文確認画面を表示する(A9)。尚、図8のステップA6において、注文時の注文対価が持玉より多い場合には(A6:NO)、図示しないエラー画面を表示する(A10)。また、注文信号を受信した状態(注文フラグ=1)でワゴン用持玉券を受付けないまま(A2:NO)、注文タイマがタイムアップした場合には(A16:NO、A29:NO)、注文フラグを0にして(A30)、注文確認画面の表示を終了して(A31)、リターンする。
【0046】
図6は、表示部18に表示される注文確認画面の表示例を示す図である。この注文確認画面には、注文対価を示すメッセージM1と、遊技者への報知メッセージM2とが表示される。報知メッセージM2は、例えば「ご注文を受付けました 係員の持玉券を受付けるまで発行、及び払戻し出来ません」のようなメッセージであり、注文を受付けたこと、及び、係員の持玉券(ワゴン用持玉券)を受付けるまで発行及び払戻しが出来ないことを遊技者に報知する。
【0047】
各台計数機3は、注文フラグが1の状態では(A16:NO)、注文タイマが作動中であるかを判定するようになる(A29)。この場合、ステップA7において注文タイマが作動開始していることから(A29:YES)、リターンする。このように、注文フラグが1である場合には、上記したような払戻処理(A20)或いは発行処理(A25)が実行されることはない。このため、報知メッセージM2(図6参照)に示したように、係員のワゴン用持玉券が受付けられるまで、発行及び払戻しの処理が抑制される。尚、玉計数(A4)は注文処理中であっても実施される。
【0048】
注文信号を送信した係員がワゴン用持玉券を持玉券挿入口28に挿入すると、各台計数機3は、ワゴン用持玉券を受付け(A2:YES)、ステップA3の持玉券受付処理を実行する。この場合図9に示す持玉券受付処理において、受付けした持玉券はワゴン用持玉券であることから(B1:YES)、注文フラグが1であるか(B2)、返却フラグが1であるか(B8)を判定するようになる。この場合、注文信号を受信した状態、即ち、注文フラグが1の状態であることから(B2:YES)、注文成立として、受付けしたワゴン用持玉券に注文対価を加算し(B3)、持玉から注文対価を減算する処理(対価徴収処理)を実行する(B4)。続いて、注文フラグを0にし(B5)、前回対価を更新する(B6)。このとき、各台計数機3の記憶領域は、図5(c)のように各データが更新される。つまり、注文対価である75玉が前回対価となり、持玉数が75玉減数される。尚、図5(c)は、ID=0019001のワゴン用持玉券を受付けた状態を示している。一方、持玉券の持玉数は75玉加算される。
【0049】
続いて、注文確認画面(図6参照)の表示を終了し(B7)、ワゴン用持玉券を返却した後(B14)、リターンする。これにより、注文対価が係員のワゴン用持玉券に移行され、遊技者の注文が確定する。注文が確定すると、係員は、遊技者に飲食物などを提供する。
【0050】
このように、各台計数機3は、遊技者による飲食物等の注文があった場合には、注文対価を、遊技者の持玉数からワゴン用持玉券に記録されている持玉数に移行する。これにより、係員は、遊技者が注文した飲食物に対応する対価を、実際の玉を使用することなく、受取ることが可能になる。
【0051】
<<返却時の処理>>
次に、返却時の処理について説明する。尚、ここでは、説明の簡略化のために、注文処理は行われないものとする(つまり、注文フラグは「0」であり、注文タイマは動作していない状態とする)。
ワゴン用持玉券を利用する場合、例えば、上記した注文時の処理において注文単価を間違えたとき、或いは、遊技者が注文確定後に飲食物の種類を変更したときなど、一旦ワゴン用持玉券に移行された持玉を遊技者に返却するような状況が考えられる。このような場合、係員は、その差引分を返却玉数としてリモコン40からの操作(返却操作)にて特定し、特定した玉数を各台計数機3に送信する(返却信号を送信する)。
【0052】
この場合、各台計数機3は、図8に示す各台計数機処理において、返却信号を受信することから(A11:YES)、図5(d)に示すように返却玉数(例えば25玉)を記憶して記憶領域を更新するとともに、返却玉数が前回対価以下であるかを判定する(A12)。例えば図5(b)のように前回対価が75玉である場合、即ち、返却玉数(25玉)が前回対価(75玉)以下である場合には(A12:YES)、返却タイマを作動開始し(A13)、返却フラグを1にし(A14)、返却画面を表示する(A15)。尚、図8のステップA12において、返却玉数が前回対価より多い場合には(A12:NO)、図示しないエラー画面を表示する(A10)。また、返却信号を受信した状態(返却フラグ=1)でワゴン用持玉券を受付けないまま(A2:NO)、返却タイマがタイムアップした場合には(A17:NO、A21:NO)、返却フラグを0にし(A22)、返却画面の表示を終了して(A23)、リターンする。
【0053】
図7は、表示部18に表示される返却画面の表示例を示す図である。この返却画面には、返却玉数を示すメッセージM3と、遊技者への報知メッセージM4とが表示される。報知メッセージM4は、例えば「持玉を返却します 係員の持玉券を受付けるまで発行、及び払戻し出来ません」のようなメッセージであり、余分に徴収した持玉を返却すること、及び、係員の持玉券(ワゴン用持玉券)を受付けるまで発行及び払戻しが出来ないことを遊技者に報知する。
【0054】
続いて、各台計数機3は、図8に示すステップA16に移行し、今回は上記したように注文フラグが0であることから(A16:YES)、返却フラグが0であるかを判定する(A17)。この場合、ステップA14において返却フラグを1にしたことから(A17:NO)、返却タイマが作動中であるかを判定し(A21)、ステップA13において返却タイマが作動開始したことから(A21:YES)、リターンする。このように、返却フラグが1である場合には、払戻処理(A20)或いは発行処理(A25)が実行されることはない。尚、玉計数(A4)は返却処理中であっても実施される。
【0055】
さて、返却信号を送信した係員がワゴン用持玉券を持玉券挿入口28に挿入すると、各台計数機3は、ワゴン用持玉券を受付け(ステップA2:YES)、ステップA3の持玉券受付処理を実行する。この場合、図9に示す持玉券受付処理において、注文フラグが0(B2:NO)、返却フラグが1であることから(B8:YES)、受付けしたワゴン用持玉券から返却玉数を減算し(B9)、遊技者の持玉に返却玉数を加算する処理(対価返却処理)を実行する(B10)。続いて、返却フラグを0にし(B11)、前回対価から返却玉数を減算する(B12)。このとき、各台計数機3の記憶領域は、図5(e)のように各データが更新される。つまり、持玉数が25玉増加し、返却玉数が0となる。一方、持玉券の持玉数が25玉減数される。
続いて、返却確認画面(図7参照)の表示を終了し(B13)、ワゴン用持玉券を返却した後(B14)、リターンする。これにより、余分に徴収した玉が遊技者に返却される。
【0056】
このように、各台計数機3は、徴収しすぎた対価に相当する返却玉を、ワゴン用持玉券に記録されている持玉数から遊技者の持玉数に移行する。これにより、係員は、遊技者に返却すべき対価を、実際の玉を使用することなく返却することが可能になる。このとき、各台計数機3は、一度受付けしたワゴン用持玉券のIDを記憶しておき、同じIDのワゴン用持玉券が受付けされた場合に、対価返却処理の実行が可能になる。
さて、上述した注文時及び返却時の処理で使用されたワゴン用持玉券は、その他の持玉券同様に、交換装置31にて受付けることにより、所謂特殊景品等の景品と交換可能(景品交換処理)であり、係員はその景品を受取ることで遊技場を介して遊技者から対価を徴収することが可能となる。
【0057】
以上に説明したように、本実施形態の遊技場用システム100によれば次のような効果を奏する。
サービス業者の係員用の持玉券であるワゴン用持玉券を設けたことで、その係員は提供した景品の提供数に対応する膨大な数の記録媒体を管理する必要もなければ、それらの記録媒体を別途集計する必要もなくなり、サービス業者による効率的なワゴンサービスを支援することができる。
遊技場にとっては、ワゴンサービス毎に係員に持玉券を発行する必要がないので、多数の持玉券を扱う必要がなくなり、コストを削減することができる。
【0058】
遊技者の持玉からワゴン用持玉券への注文対価或いは返却玉の移行はデータ上で行われるので、実際の遊技玉を扱う必要がなく、遊技者及び係員の双方にとって、玉数を数えるなどの手間が削減され、煩わしさを解消出来る。
ワゴン用持玉券にて返却処理を行うことを可能にしたので、係員が間違って提供した景品の対価以上の持玉を徴収した場合であっても、余分に徴収した持玉を容易に遊技者へと返却出来る。また、許容範囲を逸脱した対価返却が出来ないので、2重のミスを防止出来る。
注文時に受付けしたワゴン用持玉券のIDを記憶領域に記憶しておき、IDが一致した場合にのみ返却処理を可能にしたので、係員と遊技者が共謀することで、他の遊技者から対価として徴収してきた遊技媒体を自身の持玉として返却するといった不正行為を防止することが出来る。
【0059】
本来返却対象となるのは間違って徴収した遊技媒体数のみであるという事情を考慮し、前回対価を記憶しておき、返却玉の許容範囲をこの前回対価より小さい値に設定しているので、必要以上に返却媒体数を制限することなく、例えば上記したような不正行為を考慮した適切な許容範囲を定めることが可能となる。
注文時或いは返却時において発行処理或いは払戻処理を抑制するようにしたので、対価特定操作後或いは返却操作後からワゴン用持玉券を受付けるまでにはタイムラグが生じるが、そのタイムラグ中に遊技者の持玉が少なくなることでワゴン景品の移行が出来なくなる不都合や、持玉が無い状態での無意味な対価徴収処理を行う不都合等を解消出来る。
【0060】
遊技者が利用する持玉券を、そのままワゴン用持玉券として登録出来るので、利便性が高まるばかりか、別途係員用の記録媒体を製造するコストが削減出来る。また、遊技者が利用する持玉券同様に景品交換が可能なので、サービス業者は遊技者同様に景品交換を行うことで遊技場を介して遊技者から提供したワゴン景品の対価を徴収可能となる。この場合、遊技場側にとっても特別に対価をサービス業者へと渡す必要が無くなるので、両者の繁雑な作業を軽減出来る。
【0061】
注文処理或いは返却処理が終了した場合には受付けしたワゴン用持玉券を返却するようにしたので、例えば多数の持玉が対応付けられたワゴン用持玉券を係員が落とし、他の遊技者がそのワゴン用持玉券を拾ったとしても遊技に使用することが出来ないので、サービス業者や遊技場の利益が減少することがない。また、係員が自身の利益とするためにワゴン用持玉券を遊技に使用することも防止出来る。
【0062】
注文操作又は返却操作を受付していない場合(注文フラグ又は返却フラグが1でない場合)にワゴン用持玉券を受付けたときは、そのワゴン用持玉券を返却するようにしたので、例えば多数の持玉が対応付けられたワゴン用持玉券を係員が落とし、他の遊技者がそのワゴン用持玉券を拾ったとしても遊技に使用することが出来ず、サービス業者や遊技場の利益が減少することがない。また、係員が自身の利益とするためにワゴン用持玉券を遊技に使用することも防止出来る。
注文処理中或いは返却処理中には、発行処理及び払戻処理は抑制されるものの、玉計数は引き続き実行するようにしたので、注文又は返却中に大当たりが発生した場合に遊技玉が溢れるなどの不利益を遊技者に与えることがない。
【0063】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図10から図13を参照しながら説明する。第2実施形態では、注文履歴などを管理する注文管理装置を設けている点が第1実施形態と異なっている。尚、第1実施形態と実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、第2実施形態による遊技場用システムの全体構成を示す図である。遊技場用システム200には、遊技者による飲食物の注文履歴などを管理する注文管理装置50が設けられている。
【0064】
注文管理装置50(注文管理手段に相当)は、CPUからなる制御部、HDD、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部等を備えた本体51と、各種の情報などを表示するモニタ52とを備えている。また、遊技場管理装置4や中継装置5等に接続され、これらの装置との間で、各種の信号や情報の送受信が可能に構成されている。また、図11に示す記憶領域を備えており、遊技者ID(00001)、氏名(大黒太郎)等の遊技者毎に、注文日、注文時刻、注文景品を注文履歴として記憶・管理している。
【0065】
さて、第2実施形態の各台計数機3には注文専用の図示しない呼出釦(呼出操作手段)が設けられており、その呼出釦の押下に応じて、対応する台番(遊技機ID)と遊技者IDを特定可能な情報である注文呼出情報が注文管理装置50に送信される。尚、貸出機2(ID受付手段に相当)にて遊技者の会員カードを受付け、遊技者IDと遊技機IDとを特定する。
注文呼出情報を受信した注文管理装置50は、図12に示す注文管理画面をモニタ52に表示する。このとき、注文管理画面には、例えば注文元の遊技機IDと遊技者名とを示すメッセージM5が表示されるとともに、図11に基づいて、直近の注文内容を示すメッセージM6、及び、前回までの注文傾向を示す履歴データM7が表示される。尚、新規の遊技者IDを受信した場合には遊技場管理装置4が周知のように管理する会員データベースから遊技者IDと遊技者氏名とを受信することで、会員IDと会員氏名とを紐付けられる。
【0066】
呼出を受けた係員は、第1実施形態と同様に、リモコンを操作することによりワゴン景品を特定する(景品特定操作)。この場合、リモコンには、例えば「コーヒー」釦や「紅茶」釦など、ワゴン景品の種類を特定可能な釦が設けられている。係員は、これらの釦等を押下することにより、ワゴン景品を特定する。続いて、注文が成立(対価徴収が終了)した場合に、各台計数機3から注文管理装置50に、遊技者IDと注文景品とを特定可能な注文管理情報を送信する。尚、「コーヒー」釦や「紅茶」釦等は、例えば図3に示すリモコンの場合、未使用の釦に割り振ればよい。
【0067】
注文管理装置50は、注文管理情報を受信すると、図11に示す注文履歴を更新する。つまり、図12は、図11の注文履歴により特定される遊技者毎の注文傾向(景品の提供状況)を、上段は直近(最新)の注文、下段は注文数のランキングとして表示している。尚、モニタ52への表示以外に、印刷手段により印字するようにしても良い。
また、注文管理装置50は、図11に基づいて注文景品毎の注文数や利用人数を特定し、管理することで、図13に示すように、注文景品毎に注文総数と利用人数を集計している。これにより、遊技場全体の注文傾向が把握出来る。また、図示していないが、時間帯毎に注文景品毎の注文数や利用人数を特定して管理することで、時間帯毎の注文傾向が把握出来る。
【0068】
また、遊技者による景品の提供状況を管理可能となるばかりか、注文呼出情報に応じた景品の提供状況と遊技機IDとの出力により、係員を呼出している遊技者が、どの遊技機にいて、どのような景品を希望する遊技者であるのかを把握した上で、遊技機へと出向くことが可能となり、より円滑なワゴンサービスを提供可能となる。
【0069】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張できる。
図4に示す設定情報において、「タイマ作動中」に対して「禁止」、「キャンセル」、「有効」のいずれかを設定可能にしたが、「注文タイマ」、「返却タイマ」の各々について設定しても良い。また、発行処理及び払戻処理に共通の設定としたが、発行処理、払戻処理の各々について設定しても良い。
対価返却処理による返却許容範囲として前回対価を採用したが、例えば提供対象となる景品の対価の最小対価媒体数等のような除外返却玉数を予め設定しておき、その除外返却玉数を前回対価から差し引いた値を上限とする等、前回対価以下を上限とすればどのように上限を定めても良い。
【0070】
更に、図4の設定情報のように操作入力にて返却許容範囲を予め別途設定しても良い。
対価特定操作又は返却操作後にワゴン用持玉券を受付ける構成としたが、ワゴン用持玉券を受付けてから対価特定操作又は返却操作を受付けても良い。この場合、ワゴン用持玉券を受付けることを条件に各台計数機等にて対価特定操作又は返却操作の受付画面を表示すれば係員による操作を特定出来る。
ワゴン用持玉券の登録は、交換装置31(POS)以外の登録端末を別途設けても良い。また、ワゴン用持玉券として通常の持玉券として利用出来ない持玉券を別途設けても良い。
【0071】
係員による不正を防止するためワゴン用持玉券を通常の遊技に使用できないよう返却したが、使用できるようにしても良い。
操作受付手段としてリモコン40を例示したが、係員による操作が特定出来れば、例えば各台計数機3にて係員側のみが把握する暗証番号を入力した上で、入力操作を行う等しても良い。
持玉数を持玉券に記録する構成としたが、持玉券には持玉券のIDのみを記録し、持玉数を遊技場管理装置4にて記憶する所謂背番号管理にて持玉数を特定しても良い。勿論、不正防止を考慮して両者の構成を併用しても良い。
【0072】
遊技者が遊技場へと預入れた遊技媒体である所謂貯玉に基づく再プレイシステムに対応しても良い。この場合、対価となる貯玉を特定可能な所謂会員カード等を受付けることで特定し、払出される再プレイ玉に所謂手数料に相当する玉を加算して玉数が対価となる。
持玉券はカード状の記録媒体だけでなく、例えばコイン型の記録媒体等であっても良い
各台計数機3を示したが、計数機能を各台に備えない、所謂各台再プレイシステムに適用しても良い、この場合、遊技媒体の計数は島端に設けられる計数機にて行い、その計数機にて持玉券を発行し、その持玉券を各台にて受付ける構成とすれば良い。
【0073】
対応する遊技機はスロットマシン等の遊技機であっても良い。この場合、遊技媒体はメダルとなる。
各台計数機3が行う情報処理の一部、或いは全部を中継装置5、貸出機2や遊技場管理装置4等にて行っても良い。同様に遊技場管理装置4が行う情報処理の一部を中継装置5や各台計数機3にて行っても良い。勿論、貸出機2と各台計数機3を一体化しても良い。
【符号の説明】
【0074】
図面中、1は遊技機、2は貸出機(ID受付手段)、3は各台計数機(媒体受付手段、払戻手段、記憶手段、更新手段、発行手段、移行手段、設定手段、抑制手段、呼出操作手段、送信手段)、31は交換装置(登録手段、交換手段)、40はリモコン(操作受付手段)、50は注文管理装置(注文管理手段)、100、200は遊技場用システムである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体数である獲得媒体数を特定可能な記録媒体である遊技者用記録媒体を受付ける媒体受付処理を行う媒体受付手段と、
遊技機に対応して設けられ、遊技者による払戻操作に応じて前記獲得媒体を対価として遊技者に遊技媒体を払戻す払戻処理を行う払戻手段と、
遊技機に対応して設けられ、その遊技者の前記獲得媒体数を特定可能な獲得情報を記憶する記憶手段と、
前記獲得情報により特定される前記獲得媒体数が、前記媒体受付処理に応じて受付けられた前記遊技者用記録媒体により特定される獲得媒体数分加算される一方、前記払戻処理に応じて対価となる遊技媒体数分減算されるように前記記憶手段により記憶される前記獲得情報を更新する更新処理を行う更新手段と、
遊技機に対応して設けられ、遊技者による発行操作に応じて、前記記憶手段により記憶される獲得情報により特定される前記獲得媒体数を特定可能な記録媒体を前記遊技者用記録媒体として発行する発行処理を行う発行手段と、
遊技者へと景品を提供する係員による、当該提供する景品の対価となる遊技媒体数である対価媒体数を特定可能な操作である対価特定操作を受付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により対価特定操作が受付けられたこと、及び前記媒体受付手段により係員の支配下にある遊技媒体数である係員媒体数を特定可能な記録媒体である係員記録媒体が受付けられたことを条件として、当該対価特定操作により特定される前記対価媒体数を、前記記憶手段により記憶される獲得情報により特定される遊技者の獲得媒体数から前記係員媒体数へと移行する対価徴収処理を行う移行手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記操作受付手段は、係員による遊技者へと返却したい遊技媒体数である返却媒体数を特定可能な操作である返却操作を受付可能であり、
前記移行手段は、前記操作受付手段により返却操作が受付けられたこと、及び前記媒体受付手段により前記係員記録媒体が受付けられたことを条件として、当該返却操作により特定される前記返却媒体数を、前記係員媒体数から遊技者の獲得媒体数へと移行する対価返却処理を行う請求項1記載の遊技場用システムであって、
前記返却媒体数に対する許容範囲を設定する設定手段を備え、
前記移行手段は、前記設定手段により設定された許容範囲に前記返却操作により特定される前記返却媒体数が属することを条件として前記対価返却処理を行うことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記対価徴収処理に応じて、その対価媒体数を前回対価として記憶し、
前記設定手段は、前記許容範囲の上限を前記記憶手段により記憶される前回対価以下に設定することを特徴とする請求項2記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記対価特定操作、或いは前記返却操作が受付けられた状態で、前記払戻操作、或いは前記発行操作があった場合に、当該払戻操作、或いは当該発行操作に対応する前記払戻処理、或いは前記発行処理を抑制する抑制処理、又は受付けられた状態である前記対価特定操作、或いは前記返却操作をキャンセルするキャンセル処理を行う抑制手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記遊技者用記録媒体として利用可能な記録媒体、及び遊技場の従業員、或いは係員による登録操作を受付可能であり、当該登録操作、及び前記記録媒体を受付けることを条件として、受付けた記録媒体を前記係員記録媒体として登録する登録手段と、
前記係員記録媒体、及び前記遊技者用記録媒体を受付可能であり、いずれの記録媒体を受付けた場合であっても、その記録媒体により特定可能な遊技媒体を、交換対象となる景品の対価分減算する景品交換処理を行う交換手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技場用システム。
【請求項6】
前記更新手段は、前記媒体受付処理により受付けられた記録媒体が前記遊技者用記録媒体であることを条件として前記払戻処理に応じた更新処理を実行することで、前記係員媒体を対価とした前記払戻処理を禁止することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技場用システム。
【請求項7】
遊技機に対応して設けられ、遊技者IDを受付可能なID受付手段と、
遊技機に対応して設けられ、遊技者が係員を呼出したい場合に操作する呼出操作手段と、
前記ID受付手段が遊技者IDを受付けた状態で前記呼出操作手段が操作された場合に、当該ID受付手段に対応する遊技機ID、及び受付状態にある遊技者IDを特定可能な注文呼出情報を送信する一方、前記対価徴収処理に応じて注文管理情報を送信する送信手段と、
前記注文呼出注文情報、及び前記注文管理情報を受信し、当該注文呼出情報、及び注文管理情報の少なくとも一方により特定される注文情報を管理する注文管理手段と、を備え、
前記操作受付手段は、遊技者へと提供する景品を特定可能な景品特定操作を受付可能であり、
前記送信手段は、前記景品特定操作を受付けた状態で、前記対価徴収処理があった場合に、当該景品特定操作により特定される景品を特定可能な前記注文管理情報を送信し、
前記注文管理手段は、前記注文呼出情報、及び前記注文管理情報のうち少なくとも一方により遊技者の遊技者ID、及びその遊技者へと提供した景品を特定し、遊技者ID単位の景品提供情報を管理することで前記注文情報を管理する一方、前記注文呼出情報を受信した場合に、当該注文呼出情報により特定される遊技者IDについて管理する景品の提供状況を出力すると共に、同じく注文呼出情報により特定される遊技機IDを出力することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の遊技場用システム。
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体数である獲得媒体数を特定可能な記録媒体である遊技者用記録媒体を受付ける媒体受付処理を行う媒体受付手段と、
遊技機に対応して設けられ、遊技者による払戻操作に応じて前記獲得媒体を対価として遊技者に遊技媒体を払戻す払戻処理を行う払戻手段と、
遊技機に対応して設けられ、その遊技者の前記獲得媒体数を特定可能な獲得情報を記憶する記憶手段と、
前記獲得情報により特定される前記獲得媒体数が、前記媒体受付処理に応じて受付けられた前記遊技者用記録媒体により特定される獲得媒体数分加算される一方、前記払戻処理に応じて対価となる遊技媒体数分減算されるように前記記憶手段により記憶される前記獲得情報を更新する更新処理を行う更新手段と、
遊技機に対応して設けられ、遊技者による発行操作に応じて、前記記憶手段により記憶される獲得情報により特定される前記獲得媒体数を特定可能な記録媒体を前記遊技者用記録媒体として発行する発行処理を行う発行手段と、
遊技者へと景品を提供する係員による、当該提供する景品の対価となる遊技媒体数である対価媒体数を特定可能な操作である対価特定操作を受付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により対価特定操作が受付けられたこと、及び前記媒体受付手段により係員の支配下にある遊技媒体数である係員媒体数を特定可能な記録媒体である係員記録媒体が受付けられたことを条件として、当該対価特定操作により特定される前記対価媒体数を、前記記憶手段により記憶される獲得情報により特定される遊技者の獲得媒体数から前記係員媒体数へと移行する対価徴収処理を行う移行手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記操作受付手段は、係員による遊技者へと返却したい遊技媒体数である返却媒体数を特定可能な操作である返却操作を受付可能であり、
前記移行手段は、前記操作受付手段により返却操作が受付けられたこと、及び前記媒体受付手段により前記係員記録媒体が受付けられたことを条件として、当該返却操作により特定される前記返却媒体数を、前記係員媒体数から遊技者の獲得媒体数へと移行する対価返却処理を行う請求項1記載の遊技場用システムであって、
前記返却媒体数に対する許容範囲を設定する設定手段を備え、
前記移行手段は、前記設定手段により設定された許容範囲に前記返却操作により特定される前記返却媒体数が属することを条件として前記対価返却処理を行うことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記対価徴収処理に応じて、その対価媒体数を前回対価として記憶し、
前記設定手段は、前記許容範囲の上限を前記記憶手段により記憶される前回対価以下に設定することを特徴とする請求項2記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記対価特定操作、或いは前記返却操作が受付けられた状態で、前記払戻操作、或いは前記発行操作があった場合に、当該払戻操作、或いは当該発行操作に対応する前記払戻処理、或いは前記発行処理を抑制する抑制処理、又は受付けられた状態である前記対価特定操作、或いは前記返却操作をキャンセルするキャンセル処理を行う抑制手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記遊技者用記録媒体として利用可能な記録媒体、及び遊技場の従業員、或いは係員による登録操作を受付可能であり、当該登録操作、及び前記記録媒体を受付けることを条件として、受付けた記録媒体を前記係員記録媒体として登録する登録手段と、
前記係員記録媒体、及び前記遊技者用記録媒体を受付可能であり、いずれの記録媒体を受付けた場合であっても、その記録媒体により特定可能な遊技媒体を、交換対象となる景品の対価分減算する景品交換処理を行う交換手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技場用システム。
【請求項6】
前記更新手段は、前記媒体受付処理により受付けられた記録媒体が前記遊技者用記録媒体であることを条件として前記払戻処理に応じた更新処理を実行することで、前記係員媒体を対価とした前記払戻処理を禁止することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技場用システム。
【請求項7】
遊技機に対応して設けられ、遊技者IDを受付可能なID受付手段と、
遊技機に対応して設けられ、遊技者が係員を呼出したい場合に操作する呼出操作手段と、
前記ID受付手段が遊技者IDを受付けた状態で前記呼出操作手段が操作された場合に、当該ID受付手段に対応する遊技機ID、及び受付状態にある遊技者IDを特定可能な注文呼出情報を送信する一方、前記対価徴収処理に応じて注文管理情報を送信する送信手段と、
前記注文呼出注文情報、及び前記注文管理情報を受信し、当該注文呼出情報、及び注文管理情報の少なくとも一方により特定される注文情報を管理する注文管理手段と、を備え、
前記操作受付手段は、遊技者へと提供する景品を特定可能な景品特定操作を受付可能であり、
前記送信手段は、前記景品特定操作を受付けた状態で、前記対価徴収処理があった場合に、当該景品特定操作により特定される景品を特定可能な前記注文管理情報を送信し、
前記注文管理手段は、前記注文呼出情報、及び前記注文管理情報のうち少なくとも一方により遊技者の遊技者ID、及びその遊技者へと提供した景品を特定し、遊技者ID単位の景品提供情報を管理することで前記注文情報を管理する一方、前記注文呼出情報を受信した場合に、当該注文呼出情報により特定される遊技者IDについて管理する景品の提供状況を出力すると共に、同じく注文呼出情報により特定される遊技機IDを出力することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の遊技場用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−110196(P2011−110196A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268733(P2009−268733)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]