説明

遊技媒体貸出システム

【課題】玉貸出処理機の売上情報を記憶するためのメモリカードおよびメモリカードを装備する構成が不要となるうえ、第三者(カード会社など)に対する売上情報の送信を視認可能とすることができる遊技媒体貸出システムを提供する。
【解決手段】玉貸出処理機200は、遊技客により投入された紙幣を紙幣識別部231により正常な紙幣であるか判定するとともに、紙幣が正常であると判定された場合、表示パネル206に「カード表示」を点灯させるとともに、この玉貸出処理機200の売上情報を管理サーバ500に送信し、この「カード表示」の点灯によりカード会社600(第三者機関)に対して、玉貸出処理機200の売上情報が送信された旨を視認可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリペイドカードなどのカード媒体やカード情報の読み取り装置/書き込み装置などを不要とすることでコストダウンを実現できるとともに、第三者(カード会社など)に対して、遊技媒体の貸出処理に関する売上情報の送信を視認可能とする遊技媒体貸出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機を設置した遊技店で遊技をおこなう場合には、カード発行機などから、一旦プリペイドカードなどの磁気カード(記録媒体)を購入し、このプリペイドカードに関連付けられた識別IDに基づく、有価価値に応じてパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を借り受ける遊技媒体貸出システム(プリペイドカードシステム)が一般的に採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の遊技媒体貸出システムでは、遊技機に隣接した位置にプリペイドカードを挿入するカード処理機が並設され、このカード処理機およびカード発行機はターミナルコントローラ(TC)などの管理装置に接続されている。
【0004】
このような遊技媒体貸出システムによると、例えば、カード発行機により、1000円分の有価価値があるプリペイドカードを購入し、このプリペイドカードをカード処理機に挿入することで1000円分の遊技媒体(パチンコ玉など)を借り受け遊技をおこなうことができ、このプリペイドカードに予め記録(付与)された識別IDに対応する1000円がカード処理機に対する入金情報となる。そして、カード発行機によるカードの売上情報とカード処理機によるカードの利用情報とを管理装置で、収集することにより売上情報を管理するシステムが構築されている。
【0005】
そして、この従来のプリペイドカードなどを利用した遊技媒体貸出システム(プリペイドカードシステム)によるとプリペイドカードの識別IDと売上情報とを関連付けることにより、カード毎の売上情報、残高情報を正確に把握することができ、これによって、各遊技店毎の総売上金額を正確に算出し管理することができる。
【0006】
具体的に説明すると、管理装置は、各カード処理機から送信されるカードの有価価値残高(カード処理機による有価価値分のデータ)を売上情報として収集し管理するとともに、この売上情報をカード会社(中央管理コンピュータ)に送信するようにしている。このように、現在では、各遊技店毎の売上情報を利用情報として、遊技店以外のカード会社などの第三者機関により統括的に管理することで、各遊技店の売上を明朗化とするシステムが構築されている(INのクリアシステム)。なお、カード会社は、各遊技店から収集された売上情報(売上実績)に基づいて、カードの使用料(システムの使用料金)を、遊技店から徴収するようにしている。
【0007】
ところが、この従来の遊技媒体貸出システムの場合、遊技をおこなう際には、プリペイドカードなどのカード媒体を使用する必要があるため、カードの導入コストおよびカード情報を読み取るカードリーダなどが必要となり、これにより、ランニングコストが嵩む原因となるという問題がある。
【0008】
また、従来では、度数がなくなった使用済みのプリペイドカードは、遊技店内に大量の不要物(廃棄物)として、残存するうえ、このようなプリペイドカードは、まとめて廃棄することとなるため、環境衛生の観点で問題がある。
【0009】
このため、近年では、プリペイドカードなどのカード媒体を使用することなく遊技媒体の貸し出しをおこなう紙幣対応の遊技媒体貸出機(CRユニット)が普及している。このような紙幣対応の遊技台では、遊技客が投入した紙幣による有価価値分の遊技媒体を貸し出すことができる。そして、この場合、投入された紙幣の有価価値情報は、遊技台の内部に設けたメモリカードに記憶されるとともに、遊技台の台番号(識別ID)に対応付けられ、売上情報として管理装置により管理されている。
【0010】
【特許文献1】特開平10−99519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、上述した従来の紙幣対応の遊技台の場合、以下に示すような問題がある。すなわち、紙幣対応の遊技台は、プリペイドカードなどのカード媒体やカードリーダ/カードライタを不要とすることができるが、新たに、紙幣の投入による入金情報を記憶するための、メモリカードが必要となる。
【0012】
すなわち、この遊技台の構成は、カードを介しての遊技媒体の貸し出しが義務付けられている。このため、この紙幣対応の遊技台の場合、貸出処理機本体の一部に透明カバーを有する窓部を設け、この窓部を介して、外部からメモリカードが視認できるように構成されている。以上のように、紙幣対応の遊技台では、紙幣の投入による入金情報を記憶するメモリカードが必要となったため、メモリカードを貸出機内部に装備し、さらに、このメモリカードを外部から目視可能とする構成が新たに必要になるという問題がある。
【0013】
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解決するためになされたものであり、貸出処理機の売上情報を記憶するためのメモリドカードおよびメモリカードを装備する構成が不要となるうえ、第三者(カード会社など)に対する売上情報の送信を容易に視認することができる遊技媒体貸出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遊技客によって投入された紙幣の有価価値に基づいて、遊技客に遊技媒体を貸し出す貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上情報として取得する管理装置とを備えた遊技媒体貸出システムであって、前記貸出処理機は、前記遊技客により投入される紙幣を受け入れ可能な紙幣挿入手段と、前記紙幣挿入手段から挿入された紙幣の有価価値を識別する有価価値識別手段と、前記紙幣に対する真偽を判定する真偽判定手段と、前記真偽判定手段により紙幣が真であると判定された場合、表示手段にカード表示を点灯させるカード表示点灯制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記貸出処理機は、カード表示点灯制御手段によるカード表示の点灯に基づいて、前記入金情報を売上情報として、前記管理装置に送信する送信制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記貸出処理機は、遊技媒体の貸し出し処理にともなって減算する有価価値の残度数を判定する残度数判定手段を備え、前記カード表示による表示は、前記残度数判定手段により判定された残度数がなくなるまで点灯する制御をおこなうことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載の発明において、前記貸出処理機と前記管理装置との通信を判定する通信判定手段を備え、前記通信判定手段により通信異常があると判定された場合に、前記カード表示点灯制御手段は、前記表示手段に表示するカード表示を点滅させる制御をおこなうことを特徴とする。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記貸出処理機は、前記有価価値識別手段により、識別された有価価値に対応するカードを発行する旨を示すとともに、前記表示手段にカード表示の点灯を指示するカード表示指示手段を備え、前記カード表示点灯制御手段によるカード表示の点灯は、前記カード表示指示手段による設定に基づいておこなうことを特徴とする。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記管理装置は、前記送信制御手段により送信された貨幣の有価価値情報を売上情報として記憶/格納するカード売上情報データベースを備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記表示手段に表示されるカード表示は、カードの形状を模倣したデザインとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、貸出処理機は、遊技客により投入される貨幣を受け入れ可能な貨幣挿入手段と、前記貨幣挿入手段から挿入された貨幣の有価価値を識別する有価価値識別手段と、前記貨幣に対する真偽を判定する真偽判定手段と、前記真偽判定手段により紙幣が真であると判定された場合、表示手段にカード表示を点灯させるカード表示点灯制御手段とを備えたので、プリペイドカードなどのカード媒体(磁気カード、ICカード)やICコインおよびカードリーダ/カードライタを不要とすることができるうえ、貸出処理機の売上情報を記憶するためのメモリカードおよびメモリカードを装備する構成を不要とすることができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記貸出処理機は、前記カード表示点灯制御手段によるカード表示の点灯に基づいて、前記入金情報を売上情報として、前記管理装置に送信する送信制御手段とを備えたので、貸出処理機の表示部に表示されるカード表示の点灯により、第三者(カード会社など)に対して、売上情報の送信を目視により視認可能とすることができるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項3に記載の発明によれば、前記貸出処理機は、遊技媒体の貸し出し処理にともなって減算する有価価値の残度数を判定する残度数判定手段を備え、前記カード表示による表示は、前記残度数判定手段により判定された残度数がなくなるまで点灯する制御をおこなうので、投入された紙幣(現金)の残度数を、外部に対して確実に報知できるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記貸出処理機と前記管理装置との通信を判定する通信判定手段を備え、前記通信判定手段により通信異常があると判定された場合に、前記カード表示点灯制御手段は、前記表示手段に表示するカード表示を点滅させる制御をおこなうので、貸出処理機と前記管理装置との間で通信異常があることを、外部に対して確実に報知でき、これによって、通信異常に対する保守などを迅速におこなうことができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項5に記載の発明によれば、前記貸出処理機は、前記有価価値識別手段により、識別された有価価値に対応するカードを発行する旨を示すとともに、前記表示手段にカード表示の点灯を指示するカード表示指示手段を備え、前記カード表示点灯制御手段によるカード表示の点灯は、前記カード表示指示手段による設定に基づいておこなうので、カード表示を点灯させることでカードの発行を知らせることができるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項6に記載の発明によれば、前記管理装置は、前記送信制御手段により送信された貨幣の有価価値情報を売上情報として記憶/格納するカード売上情報データベースを備えるので、カード売上情報データベースにより貸出処理機別の売上情報を正確に管理できるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項7に記載の発明によれば、前記表示手段に表示されるカード表示は、カードの形状を模倣したデザインとするので、従来通りのカードでの玉貸しとの相違点を無くし違和感を少なくすることができるうえ、売上情報の送信を目視により確実に視認可能とすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る遊技媒体貸出システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、本発明に係る遊技媒体貸出システムをパチンコ遊技に適用した場合を示すこととする。なお、以下では、本実施例に係る遊技媒体貸出システムの概要および特徴を説明し、これに続いて、この遊技媒体貸出システムの構成による機能の詳細を説明し、その後、遊技媒体貸出システムによる全体処理に関する処理手順を説明することとする。
【実施例1】
【0029】
(遊技媒体貸出システムの概要および特徴)
まず最初に、本実施例に係る遊技媒体貸出システムの概要および特徴を説明する。図1は、本実施例に係る遊技媒体貸出システムの概要を示す説明図である。図2は、本実施例に係る遊技媒体貸出システムの概略構成を示す機能ブロック図である。また、図3は、管理サーバ500の構成を示す機能ブロック図をそれぞれ示している。
【0030】
すなわち、図1、2に示すように、この遊技媒体貸出システムでは、遊技店内のそれぞれ「島」と呼ばれるグループごとに複数の遊技機(以下、『パチンコ機』と称する)が併設されるとともに、これらパチンコ機100にはそれぞれ1台ずつペアとなるように遊技媒体貸出処理機(以下、『玉貸出処理機』と称する)がパチンコ機100の相互間に挟まれるように据置されており、遊技客により、この玉貸出処理機200に挿入された紙幣(1000円札など)や硬貨(500円玉など)による入金情報は売上情報として、島コントローラ300、中継器400を介して管理サーバ500に送信するとともに、この管理サーバ500により各玉貸出処理機200の売上情報(金額)を個別に管理するようにしている。
【0031】
また、管理サーバ500は、第三者機関によって管理されるカード会社600の中央管理コンピュータ610に接続されるとともに、最終的に管理サーバ500により集計された各玉貸出処理機200の売上情報は、カード会社600に送信されるため、このカード会社600の中央管理コンピュータ610により、各遊技店の売上情報が統括的に管理されている。
【0032】
具体的に説明すると、玉貸出処理機200には、予め個別の識別ID(玉貸出処理機200の本体識別ID)が付与されており、各玉貸出処理機200による入金情報は、売上情報として、玉貸出処理機から管理サーバ500に対して送信される。以降、各玉貸出処理機200は、遊技客により投入された貨幣よる入金毎に管理サーバ500に対して入金額(売上金額)をリアルタイムに送信するようにしている。
【0033】
一方、管理サーバ500では、玉貸出処理機200からの通信情報(売上金額)を受信し、玉貸出処理機200の識別IDに関連付けて、更新および集計(登録)をおこない、この更新情報をカード情報管理データベース510(図6)に記憶/格納するようにしている。なお、この管理サーバ500は、遊技店内に配置されているがカード会社600を管理する第三者機関により設置される。
【0034】
島コントローラ300は、玉貸出処理機200と管理サーバ500との間における通信を統括的に制御するものである。
【0035】
中継器400(HUB)は、遊技店内に1基(或いは、2基)据置されており、各「島」内のネットワークケーブルを束ねる集線装置(コンセントレータ)としての機能を備えている。具体的には、シリアル接続(ディジーチェーン)により構成されており、複数の島コントローラ300と接続されるとともに、さらに、この中継器400は、管理サーバ500と接続されている。
【0036】
玉貸出処理機200は、紙幣や硬貨の投入により、この投入された貨幣に関連付けられた度数(有価価値)を上限としたパチンコ玉の貸し出し処理を主機能とするものである。
【0037】
すなわち、本実施例1における玉貸出処理機200は、遊技客により投入された紙幣(1000円札)により所定数の遊技玉を貸し出すようにパチンコ機100へ指示を与える機能とともに、この紙幣投入時の入金情報をメモリ250(図5)に一時的に、記憶するとともに、この入金情報を売上情報としてリアルタイムで管理サーバ500に通知する機能を備えている。
【0038】
ここで、本発明の特徴は、第三者(カード会社など)により玉貸出処理機200による個別の売上情報を視認することにある。このため、玉貸出処理機200に備えている表示パネル206(図4)には、紙幣の投入により売上が発生したことを示す「カード表示」が点灯するように構成されている。
【0039】
すなわち、遊技客により投入された紙幣が正常な紙幣であると判定された場合、表示パネル206に「カード表示」を点灯させる制御をおこなうとともに、この「カード表示」の点灯時に、入金情報を売上情報として、管理サーバ500に送信することで、売上情報の送信を第三者(例えば、カード会社)が視認できるようにしている。なお、この「カード表示」の構成および点灯制御についての詳細は後述する。
【0040】
また、本実施例1では、遊技客から投入された紙幣の有価価値が遊技にともない減少することを判定する機能を備えており(残度数判定部232)、「カード表示」による表示は、この残度数(有価価値残高)が「0」になるまで点灯する制御をおこなうようにしている。すなわち、これによって、第三者(例えば、カード会社)に視認可能であり、また、目視により投入された紙幣(現金)の残度数が無くなったことを、遊技客や外部に対して報知することができる。
【0041】
また、本実施例1では、玉貸出処理機200と管理サーバ500との通信を判定する通信判定部271(図5)を備えており、この通信判定部271により通信異常があると判定された場合に、表示制御部206aによる制御により、表示パネル206に表示する「カード表示」を点滅させる制御をおこなうようにしている。すなわち、これによって、玉貸出処理機200と管理サーバ500との間で発生する通信障害を迅速に対処できるようにしている。
【0042】
また、本実施例1では、玉貸出処理機200は、投入された紙幣による有価価値に対応する「カード」を発行する旨を示すとともに、表示部206に「カード表示」の点灯を指示するカード発行指示ボタン209(図5)を備えており、表示制御部206aによる「カード表示」の点灯は、カード発行指示ボタン209の押下(ON)に基づいておこなうようにしている。すなわち、これによって、玉貸出処理機200をカードを発行するカード発行機としての機能をイメージとして備えることができるとともに、玉貸出処理機200とカード発行機とを兼用する遊技台を実現することができるようにしている。
【0043】
(管理サーバ500の構成および機能の詳細)
次に、図3を参照して管理サーバ500の構成および機能の詳細について説明する。管理サーバ500は、概略的に、遊技媒体貸出システムを構成する各機器の制御をおこなうものであり、各玉貸出処理機200に投入された貨幣(1000円札、500円硬貨)による入金情報を個別の売上情報として取得する機能を備えている。
【0044】
具体的には、各玉貸出処理機200に付与されている識別IDに基づいて、個々の玉貸出処理機200ごとに投入された貨幣による入金情報を売上情報として集計し、管理する機能を備えている。玉貸出処理機200による売上情報は、リアルタイムで管理サーバ500に送信され、管理サーバ500内に備えたカード情報管理データベース510(図6)に格納される。
【0045】
すなわち、図3に示すように、この管理サーバ500は、カード情報管理データベース510と、玉貸出処理機200と相互に通信をおこなうための通信I/F部520と、メニュー画面や売上情報の一覧などを表示する表示部530(モニタ)と、表示制御部535と、各種指示入力を受け付ける入力部560と、出力部570と、管理サーバ500全体を統括的に制御する主制御部580とを備えている。
【0046】
カード情報管理データベース510は、玉貸出処理機200の識別IDに関連付けた入金情報を売上情報として管理する機能を備えている。以下、図6を参照して、カード情報管理データベース510の詳細について説明する。
【0047】
すなわち、図6に示すように、カード情報管理データベース510は、各遊技店を個別に識別する遊技店コード(A001)、取引時(遊技客による紙幣投入時)の日付を示す取引日付、玉貸出処理機200の本体を特定する本体識別ID(××××1)、遊技台(パチンコ機100)の台番号、売上金額、取引時に設定される取引識別IDという6項目のフィールドが設けられている。
【0048】
このカード情報管理データベース510の各フィールドのうち売上金額は、玉貸出処理機200から通知される識別IDに関連付けられた売上情報に基づいて、照合がおこなわれるとともに、この更新処理により更新された売上情報(金額)は、遊技店の閉店後(或いは、定期時間毎)にカード会社600(図1)に送信され、このカード会社600の中央管理コンピュータ610により統括的に管理されるものとなる。
【0049】
図3に戻り、通信I/F部520は、玉貸出処理機200の通信I/F部270(図5)および中継器400を介して各玉貸出処理機200による売上情報を通信により受信する機能を備えている。
【0050】
表示部530は、表示画面を出力する出力手段であり、玉貸出処理機200から送信された売上情報に関するカード情報管理データベース510内の内容を表示する機能を備えており、CRTや液晶ディスプレイなどのモニタにより構成される。表示制御部535は、表示部530による表示を制御する表示制御機能を備えている。
【0051】
入力部560は、管理サーバ500により制御(指示)される各種の情報を入力するキーボード、マウス及びトラックボールなどの操作入力手段(入力用デバイス)であり、主に、遊技店の経営者などの経営に携わる者(管理者)からの操作により操作をおこなう手段として使用される。
【0052】
出力部570はプリンタなどの印刷手段であり、本例では、管理者などの操作により、表示部530(モニタ)に表示されるカード情報管理データベース510内(図6)の内容を印字(プリント)する機能を備えている。
【0053】
主制御部580は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部としての機能を備えている。
【0054】
(玉貸出処理機200の構成)
次に、玉貸出処理機200およびパチンコ機100について説明する。図4は、本実施例1で適用する玉貸出処理機200およびパチンコ機100の外観を示した正面図、図5は、この玉貸出処理機200の内部構成を示すブロック図である。
【0055】
玉貸出処理機200は、外見上縦長に構成したもので、その前面パネルに、現金ランプ202と、紙幣投入/返却口203と、硬貨投入口204と、返却レバー205と、表示パネル206(請求項に記載の「表示手段」に該当)と、金額表示部207と、金額設定ボタン208と、カード発行指示ボタン209と、硬貨返却口210とを有している。
【0056】
現金ランプ202は、後述する主制御部220からの制御信号に基づいて点灯し、紙幣および硬貨の受け付け可能状態を遊技客に報知するためのものである。
【0057】
紙幣投入/返却口203は、紙幣を受け入れてこれを紙幣処理部230に取り込むとともに、不良紙幣を返却するための開口である。また、この紙幣処理部230は、紙幣識別部231により紙幣投入/返却口203から取り込んだ紙幣の金種を識別し、この識別結果を主制御部220に与えるとともに、取り込んだ紙幣を島端回収ボックスに搬出させるべく紙幣搬送路222へ導出する部分である。
【0058】
紙幣識別部231は、遊技客により紙幣挿入/返却口203から挿入された紙幣に対する金額情報の判定(識別)および金額情報を記憶する紙幣処理機能を備えており、遊技客により挿入された紙幣を受け入れて識別し、正常と判定される紙幣については、その識別結果および金額情報を主制御部220に通知する機能を備えている。一方、不良紙幣と識別した紙幣は、そのまま紙幣挿入/返却口203を通じて返却する機能を備えている。
【0059】
残度数判定部232は、紙幣挿入/返却口203を通じて遊技客から投入された紙幣による有価価値の残金(残度数)を判定する機能を備えている。具体的には、遊技により減算する残金を判定する機能を備えている。
【0060】
主制御部220は、玉貸出処理機200の識別IDに関連付けて売上情報をメモリ250に一旦記憶する機能を備えている。
【0061】
硬貨投入口204は、硬貨(100円、500円)を受け入れてこれを硬貨処理部240に取り込むための開口である。この硬貨処理部240は、硬貨投入口204から取り込んだ硬貨の金種を識別し、この識別結果を主制御部220に与えるとともに、取り込んだ硬貨を島端回収ボックスに搬出させるべく硬貨搬送路241へ導出する部分である。
【0062】
返却レバー205は、正常と判定されない硬貨を硬貨返却口210から遊技客に返却させるためのレバーである。なお、正常と判定されない紙幣はそのまま紙幣投入/返却口203から自動的に返却される。
【0063】
表示パネル206は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)によるバックライト方式により構成されている。この表示パネル206は、遊技客により投入された紙幣が紙幣識別部231(図5)により正常な紙幣であると判定された場合、表示パネル206に「カード表示」を点灯させる機能を備えている。
【0064】
この「カード表示」の点灯に基づいて、玉貸出処理機200の売上情報を管理サーバ500に送信するとともに、また、第三者機関であるカード会社600に売上情報が送信された旨を視認させることができる。また、この表示パネル206には、遊技客により投入された紙幣の有価価値情報(金額)や紙幣が識別できない紙幣である旨を知らせるガイダンスを表示することができる。この表示パネル206に表示されるガイダンスについての詳細は、後述する。
【0065】
表示制御部206aは、遊技客により紙幣挿入/返却口203(図4)から投入された紙幣が紙幣識別部261(図5)により正常な紙幣であると判定された場合、表示パネル206に「カード表示」を点灯させる機能を備えている。また、投入された紙幣が読み取りができない紙幣或いは、識別ができない紙幣であった場合に、表示パネル206に例えば、「識別できない紙幣のため、返却します」などのガイダンス表示をおこなう機能を備えている(図8−1参照)。さらに、この表示制御部206aは、遊技媒体の貸し出し処理にともなって減算する有価価値の残度数がなくなるまで、この「カード表示」によるカードの表示を点灯させる機能を備えている。
【0066】
ここで、図7−1、2および図8−1、2を参照して、表示パネル206に表示される「カード表示」の詳細について、説明する。図7−1は、玉貸出処理機200に備えられた表示パネル206の第一例を示している。同図に示すように、表示パネル206には、カード発行機から発行されるプリペイドカードの外観を模倣した「カード表示」が点灯する例を示している。前述したように、遊技客が紙幣投入/返却口203に紙幣を投入した際に、表示パネル206には、図7−1に示す「カード表示」が点灯するものとなる。
【0067】
図7−2は、「カード表示」の点灯による表示例の第二例を示しており、この図7−2に示すように、表示パネル206には、カード発行機から発行されるプリペイドカードの外観を模倣した「カード表示」とともに、遊技客により投入された紙幣の金額情報を表示する。これによって、遊技客は、この「カード表示」により、投入した金額を確認することもできる。なお、この「カード表示」に表示される金額は、貸玉される毎に減算された表示となる。具体的には、1回の貸し出しにともなって、500円分の金額が減算され、この場合、表示パネル206には、2500の表示がカード表示として点灯することとなる。
【0068】
図8−1は、玉貸出処理機200に備えられた表示パネル206のガイダンス表示の第一例を示している。この図8−1に示す、表示パネル206のガイダンスは、例えば、遊技客が紙幣投入/返却口203(図4)に紙幣を投入した際に、この紙幣が読み取りができない紙幣或いは、識別ができない紙幣であった場合に、表示パネル206に表示されるガイダンスの一例を示している。実際には、この表示パネル206に、「識別ができない紙幣のため返却します」旨のガイダンスが表示された際、この紙幣は紙幣投入/返却口203から返却される。
【0069】
図8−2は、玉貸出処理機200に備えられた表示パネル206のガイダンス表示の第二例を示している。この表示パネル206に表示されるガイダンス表示(「カード発行指示ボタンを押して下さい」)は、遊技客にカード発行指示ボタン209(図4)の押下(ON)を要求するガイダンスであり、このカード発行指示ボタン209の押下(ON)をおこなうことにより、遊技媒体(パチンコ玉)を投出することによって、玉貸出処理機200をカードを発行するカード発行機としての機能をイメージとして備えることができるとともに、玉貸出処理機200とカード発行機とを兼用するCRユニットを実現することができる。
【0070】
図5に戻り、金額設定ボタン208は、後述するパチンコ機100の貸出ボタン104を1回操作する毎に貸し出されるパチンコ玉の金額(貸出単位)を遊技客が設定(指定)するボタンであり、この金額設定ボタン208によって設定した情報は、主制御部220に与えられる。そして、この主制御部220からの制御信号によって、金額設定ボタン208により設定されたパチンコ玉の金額(貸出単位)を金額表示部207に表示する。
【0071】
金額表示部207は、金額設定ボタン208により設定された金額を表示するものである。従って、この金額表示部207の表示内容は、金額設定ボタン208の操作に応じて更新される。なお、この貸出単位の指定、表示は、実際には度数単位でおこなわれる。なお、図7−2に示す金額を示す表示が表示パネル206に表示されている場合は、金額表示部207に表示した度数分を貸玉する毎に、この図7−2に示す表示から減算していくこととなる。
【0072】
カード発行指示ボタン209は、「カード」を発行する旨を示すとともに、表示部206に「カード表示」を点灯させる機能を備えており、この場合、表示制御部206aによる「カード表示」の点灯は、このカード発行指示ボタン209の押下(ON)によりおこなうこととしている。すなわち、これによって、玉貸出処理機200をカードを発行するカード発行機としての機能をイメージとして備えることができるとともに、玉貸出処理機200とカード発行機とを兼用する遊技台を実現することができるようにしている。
【0073】
通信判定部271は、玉貸出処理機200と管理サーバ500との通信を判定する機能を備えている。具体的には、この通信判定部271により通信異常があると判定された場合に、表示制御部206aによる制御により、表示パネル206に表示する「カード表示」を点滅させる制御をおこなうことにより、玉貸出処理機200と管理サーバ500との間で発生する通信障害を迅速に対処することができる。
【0074】
(パチンコ機100の構成および機能の詳細)
次に、図4に示したパチンコ機100の詳細について説明する。図4に示すように、パチンコ機100は遊技領域101および下方に設けた上皿102とにより構成され、その内部には玉投出機構部106が設けてある。この玉投出機構部106は、玉貸出処理機200の主制御部220から貸玉投出要求が与えられた場合、並びにパチンコ機100による賞玉投出要求が与えられた場合に、それぞれパチンコ機100の上皿102に所定数のパチンコ玉を投出する部分である。
【0075】
同図に示すように、このパチンコ10の前面上部は遊技者がパチンコ遊技を行う遊技領域であり、このパチンコ機100の内部には玉投出機構部106が設けられ、また、前面下部の上皿102には度数表示部103と、貸出ボタン104と、返却ボタン105とが設けられている。
【0076】
度数表示部103は、遊技客により玉貸出処理機200に投入された紙幣の有価価値および遊技にともない減算する有価価値残高を数値(度数)として表示する表示部としての機能を備えている。
【0077】
貸出ボタン104は、遊技客が玉の貸し出しを受ける際に押下するボタンであり、この貸出ボタン104の押下(ON)に応じて、玉貸出処理機200からパチンコ機100に対してパチンコ玉が投出されるとともに、管理サーバ500により管理されている残度数が減算される。
【0078】
玉投出機構部106は、パチンコ玉の貸出用と、パチンコ機100における入賞時の賞玉の払出し用との両方を兼用している。従って、この玉投出機構部106は、直接、あるいは、パチンコ機100のコントローラを介して間接的に、玉貸出処理機200によって制御される。なお、上述した度数表示部103なども同様に玉貸出処理機200からの指示に従ってその表示内容が更新され、上述した貸出ボタン104などの操作状況は、パチンコ機100から玉貸出処理機200へと通知される。
【0079】
玉貸出処理機200の主制御部220から玉投出要求が与えられた場合、並びにパチンコ機100の図示せぬ制御手段から賞球投出要求が与えられた場合に、それぞれパチンコ機100の上皿102に所定数のパチンコ玉を投出する機能を備えている。
【0080】
(遊技媒体貸出システムにおける基本制御手順)
図9は、本実施例に係る遊技媒体貸出システムの基本制御手順を示すフローチャートである。すなわち、本発明の遊技媒体貸出システムは、大別して(1)紙幣真偽判定工程(ステップSA100)、(2)カード表示点灯制御工程(ステップSA110)、(3)売上情報送信工程(ステップSA120)、(4)残度数判定工程(ステップSA130)、(5)玉貸出処理工程(ステップSA140)(6)カード表示消灯制御工程(ステップSA150)の6つの処理工程により構成されている。まず、これら(1)〜(6)の各制御工程について簡単に説明する。
【0081】
(1)紙幣真偽判定工程(ステップSA100)
紙幣真偽判定工程は、遊技客により紙幣挿入/返却口203(図4)から投入された紙幣が正常であるか否かを判定する処理工程である。この紙幣の真偽判定は、紙幣処理部230の紙幣識別部231によりおこなわれる。
【0082】
(2)カード表示点灯制御工程(ステップSA110)
カード表示点灯制御工程は、紙幣真偽判定工程により紙幣挿入/返却口203から投入された紙幣が正常であると判定された場合に、表示パネル206に「カード表示」を点灯する制御をおこなう処理工程である。また、このカード表示点灯制御工程は、玉貸出処理機200と管理サーバ500との間で、通信障害(通信の断線)が発生した場合には、表示パネル206に表示されている「カード表示」による点灯を点滅とする制御に移行することにより外部に対して、異常を報知する処理機能も備えている。
【0083】
(3)売上情報送信工程(ステップSA120)
売上情報送信工程は、玉貸出処理機200の入金情報を売上情報として、識別IDに対応付けて管理サーバ500に対して送信する処理工程である。具体的には、遊技客によって玉貸出処理機200に対して現金(紙幣)が投入された際、投入された紙幣による売上情報を玉貸出処理機200の本体識別IDに関連付けて管理サーバ500に対して通知する処理工程である。ここで、玉貸出処理機200から管理サーバ500に対して送信される売上情報の通知は、通常はリアルタイム通信により、逐次おこなわれるが、一定時間毎におこなうようにしてもよい。
【0084】
(4)残度数判定工程(ステップSA130)
残度数判定工程は、遊技客による遊技にともない当初、紙幣挿入/返却口203から投入された紙幣の残度数の減算値(有価価値残高)を判定する処理工程である。この残度数判定工程による、残度数の判定は、残度数判定部232(図5)によりおこなわれる。
【0085】
(5)玉貸出処理工程(ステップSA140)
玉貸出処理工程は、パチンコ機100に対して玉の貸し出し処理をおこなう処理工程である。具体的には、遊技客によって玉貸出処理機200に対して現金(紙幣)が投入された際、この玉貸出処理機200からパチンコ機100に対して、玉を貸し出す玉貸し出し命令を通知する処理工程である。
【0086】
(6)カード表示消灯制御工程(ステップSA150)
カード表示消灯制御工程は、表示パネル206に点灯させている「カード表示」を所定のタイミングで消灯させる制御をおこなう処理工程である。実際には、残度数判定工程により残度数(有価価値の残高)がなくなったと判定された場合に、表示パネル206に点灯させている「カード表示」を消灯する。この「カード表示」の消灯により、投入された紙幣の有価価値分の玉貸し出し処理をおこなったことを確認することができる。
【0087】
(遊技媒体貸し出し処理手順)
次に、図10のフローチャートを参照して、本実施例1における遊技媒体の貸し出し処理手順を詳細に説明する。この図10に示すフローチャートは、遊技店に設置された玉貸出処理機200と管理サーバ500との間でおこなわれる遊技媒体(パチンコ玉)の貸出処理手順を示している。ここで、以下の図10に示すフローチャートでは、個別の玉貸出処理機200を示す識別ID(本体ID)を「××××1」として、遊技客により投入される貨幣は、1000円札の紙幣を例として説明する。
【0088】
すなわち、図10のフローチャートに示すように、玉貸出処理機200は、遊技客による紙幣(貨幣)の投入待機状態となっており(ステップS100)、以下、遊技客により玉貸出処理機200の紙幣投入/返却口203に紙幣(1000円札)が投入されると(ステップS110)、次いで、この遊技客により投入された紙幣の真偽を判定する紙幣真偽判定処理に移行する(ステップS120)。
【0089】
具体的には、投入された紙幣が、正常な紙幣か正常でない紙幣かの判定をおこなう(ステップS130)。なお、このステップS130による、紙幣の真偽判定は、紙幣処理部230(図5)の紙幣識別部231によりおこなう。そして、このステップS130の判定により、投入された紙幣が正常な紙幣(真)と判定された場合には(ステップS130肯定)、表示パネル206(図5)に「カード表示」の点灯をおこなう(ステップS140)。前述したように、この表示パネル206に点灯する「カード表示」は、プリペイドカードなどのカードを模倣したカードがデザインであるととともに、この投入された紙幣の金額(本例では、カード表示内に1000が点灯)が表示されることとなる(図7−1、図7−2参照)。
【0090】
すなわち、ステップS130の判定により、遊技客により投入された紙幣が、正常な紙幣か正常でない紙幣かの判定をおこない(ステップS130)、このステップS130の判定により紙幣が正常な紙幣(真)と判定された場合には(ステップS130肯定)、表示パネル206に投入された紙幣の有価価値情報(金額)を表示する。本例の場合、表示パネル206には、1000円札の投入を示す1000円がガイダンスとして表示される。
【0091】
なお、この正常と判定された紙幣は、紙幣処理部230で一旦、保留された後、紙幣搬送路222から島端回収ボックスに回収される。
【0092】
次いで、玉貸出処理機200は、通信I/F270部(図5)を通じて管理サーバ500に対して識別IDに対応付けた売上情報(入金情報)の送信をおこなう(ステップS150)。具体的に説明すると、本例では、玉貸出処理機200を示す識別ID(「××××1」)および、ステップS110で投入された紙幣の有価価値情報を示す金額(本例では、1000円)が管理サーバ500に対して送信される。
【0093】
一方、ステップS130の判定により、投入された紙幣が識別或は読み取りできない紙幣と判定された場合には(ステップS130否定)、表示パネル206に紙幣の識別或は読み取りができない旨を示す表示(例えば、「識別できない紙幣のため返却します」などの表示)をおこなった後(ステップS134)、この不良と判定された紙幣を紙幣投入/返却口203を通じて返却し(ステップS135)、以下、処理を終了する(エンド)。
【0094】
一方、管理サーバ500では、玉貸出処理機200からの売上情報の通知を受信した場合(ステップS151肯定)、次いで、この売上情報をカード情報管理データベース510(図6)内に格納する(ステップS152)。次いで、ステップS151により受信した、同一の識別IDがあるか否かの判定をおこない(ステップS153)、同一の識別IDがある場合には(ステップS153肯定)、この同一の識別IDに関連付けて売上情報の更新をおこなう(ステップS154)。そして、この売上情報は、カード会社600に通信により送信される(ステップS155)。
【0095】
一方、ステップS153の判定により、玉貸出処理機200から通知された識別IDが無い場合は(ステップS153否定)、エラー処理に移行し、玉貸出処理機200は、エラーダウン(エラー処理)となる(ステップS156)。具体的には、玉貸出処理機200に対して取引停止指令を送信するとともに、操作者(管理者)にエラー処理に玉貸出処理機200がエラーダウンした旨の報知を通知する。ここで、遊技店内に設置される全ての玉貸出処理機200は、電源ON時(開店時或は、玉貸出処理機200の交換時)に、各玉貸出処理機200の識別IDを管理サーバ500に登録しているため、管理サーバ500に登録されていない識別IDが玉貸出処理機200から送信される(ステップS153において否定)ことは、通常起こることはない。
【0096】
ここで、玉貸出処理機200は、ステップS150により管理サーバ500に対して、入金情報を送信した後、パチンコ機100に対して、度数表示部103(図4)に投入された紙幣の有価価値(金額)を示す度数を表示(本例では、1000円の投入を示す「10」)する(ステップS160)。次いで、遊技媒体(パチンコ玉)の投出指示通知をパチンコ機100に対して送信する(ステップS170)。すなわち、次の、ステップS170による玉貸出処理に移行することとなる。
【0097】
また、この際、表示パネル206には、1000円の投入を示す「1000」が表示される。ここで、金額設定ボタン208で設定された貸し出し分、つまり、金額表示部207に表示された金額分の貸し出しを貸出ボタン104の押下(ON)によりおこなう。なお、遊技客の所有する残金額が金額設定ボタン208で設定した1回の貸し出し単位額よりも少ない場合は、残額全部を貸し出すこととなる。
【0098】
具体的には、玉投出機構部106(図4)により1000円分の玉の貸し出し処理がおこなわれ、これにより、パチンコ機100の上皿102には、1000円分のパチンコ玉の投出がおこなわれ、遊技客による遊技が可能となる。
【0099】
次いで、玉貸出処理機200では、遊技にともない度数表示部103の減算処理をおこない(ステップS180)、以下、ステップS190により、投入された紙幣の有価価値分の玉の投出が終了したかの判定をおこなう。具体的には、度数表示部103による表示が「0」であるかの判定をおこなう(ステップS190)。
【0100】
このステップS190判定により、度数表示が「0」となった場合に(ステップS190肯定)、表示パネル206(図4)に点灯してる「カード表示」を消灯させる(ステップS200)。以下、全ての処理が終了となる(エンド)。実際には、玉貸出処理機200は、待機状態となり紙幣の投入待ち状態に移行する。なお、ステップS190判定により、度数表示が「0」でないと判定された場合(ステップS190否定)、再度、ステップS170からの処理に戻る。
【0101】
以上説明したように、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムによれば、玉貸出処理機200は、遊技客により投入された紙幣が紙幣識別部231により正常な紙幣であると判定された場合、表示パネル206に「カード表示」を点灯に基づいて、玉貸出処理機200の売上情報を管理サーバ500に送信するとともに、この「カード表示」の点灯時に、カード会社600(第三者機関)に売上情報が送信された旨を確実に報知するようにしているので、この玉貸出処理機200に備えた表示パネル206に表示される「カード表示」の点灯により、第三者(カード会社など)に対して、遊技媒体の貸出処理に関する売上情報の送信を目視により視認可能とすることができる。
【実施例2】
【0102】
次に、本発明の遊技媒体貸出システムに係る実施例2の詳細を説明する。ここで、前述した、実施例1においては、遊技客により投入された紙幣の真偽を判定し、紙幣が正常であると判定された場合に、表示パネル260に「カード表示」を点灯させているが、本実施例2では、遊技客により、カード発行指示ボタン209(図4)の押下(ON)がある場合に、表示パネル260に「カード表示」を点灯させることに特徴がある。
【0103】
すなわち、本実施例2では、カード発行指示ボタン209(図4)の押下(ON)により、表示パネル260に「カード表示」を点灯させることにより、玉貸出処理機200にカードを発行するカード発行機としての機能をイメージとして備えることができるとともに、玉貸出処理機200とカード発行機を兼用する遊技台を実現することができる。
【0104】
なお、この図11に示すフローチャートにおいて、前記図10に示したフローチャートと相違する処理手順は、ステップS131からステップS133までであるため、以下では、このステップS131からステップS133までの処理手順について主に説明し、その他、図10のフローチャートと同様の処理手順については、詳細な説明は省略する。
【0105】
以下、本実施例2について、図11のフローチャートを参照して説明する。すなわち、玉貸出処理機200は、遊技客による紙幣(貨幣)の投入待機状態となっており(ステップS100)、以下、遊技客により玉貸出処理機200の紙幣投入/返却口203に紙幣(1000円札)が投入されると(ステップS110)、次いで、この遊技客により投入された紙幣の真偽を判定する紙幣真偽判定処理に移行する(ステップS120)。
【0106】
具体的には、遊技客により紙幣投入/返却口203から投入された紙幣が、正常な紙幣か正常でない紙幣かの判定をおこない(ステップS130)、このステップS130の判定により紙幣が正常な紙幣(真)と判定された場合には(ステップS130肯定)、この紙幣による金額(有価価値情報)を表示パネル206(図4)にガイダンスとして表示する(ステップS131)。本例では、この表示パネル206に3000円の紙幣が投入されたことを示すガイダンスが表示される(「3000円」)。
【0107】
すなわち、遊技客は、この表示パネル206に表示される投入金額を示すガイダンスにより、従来のプリペイドカードの挿入により表示される金額と同等に、遊技客自身による紙幣の投入金額(遊技をおこなえる金額)を確認することができる。
【0108】
次いで、玉貸出処理機200は、ステップS132により、カード発行指示ボタン209(図4)の押下(ON)を、遊技客に対して促す要求をおこなう(ステップS132)。このステップS132によるガイダンス表示は、前述したように、例えば、カード発行指示ボタン209(図4)の押下(ON)を促すガイダンス表示となる(図8−2に示す「カード発行指示ボタンを押して下さい」など)。
【0109】
そして、次のステップS133により、遊技客によりカード発行指示ボタン209が押下(ON)された否かの判定をおこない(ステップS133)、このステップS133の判定により、カード発行指示ボタン209が押下(ON)されたと判定された場合には(ステップS133肯定)、表示パネル206(図4)に「カード表示」の点灯をおこなう(ステップS140)。以下、前記図10に示したフローチャートと同様、ステップS140〜ステップS200による処理をおこなう。
【0110】
以上説明したように、本実施例2に係る遊技媒体貸出システムによれば、遊技客が玉貸出処理機200に備えているカード発行指示ボタン209(図4)を押下(ON)した場合に、表示パネル206に「カード表示」を点灯させる制御をおこなうので、玉貸出処理機200にカードを発行するカード発行機としての機能をイメージとして備えることができるとともに、カード発行機を兼用する遊技台としての機能を備えた玉貸出処理機200を実現することができる。
【0111】
(他の実施例)
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例1、2以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施されてもよいものである。
【0112】
すなわち、本実施例1、2では、本発明に係る遊技媒体貸出システムをパチンコ遊技に適用した場合を示しているが、本発明の遊技媒体貸出システムは、パチンコ遊技に限定することなく、例えば、パチスロ機による遊技媒体貸出システムにも好適に適用することができる。
【0113】
また、本実施例1、2において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
以上のように、本発明に係る遊技媒体貸出システムは、プリペイドカードなどのカード媒体やカード情報の読み取り装置/書き込み装置などを不要とすることによるコストダウンを実現できるとともに、第三者(カード会社など)に対して、遊技媒体の貸出処理に関する売上情報の送信を視認可能とすることができる遊技媒体貸出システムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】実施例1に係る遊技媒体貸出システムの概要を示す説明図である。
【図2】実施例1に係る遊技媒体貸出システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示した管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図2に示した遊技媒体貸出システムで適用する玉貸出処理機およびパチンコ機の外観正面図である。
【図5】玉貸出処理機の構成を示す全体機能ブロック図である。
【図6】カード情報管理データベースの内部構成を示す図である。
【図7−1】表示パネルの表示例を示す図である(通常点灯時)。
【図7−2】表示パネルの表示例を示す図である(投入金額の表示)。
【図8−1】表示パネルの表示例を示す図である(NGガイダンスの表示)。
【図8−2】カード発行指示ボタンの押下(ON)を要求する表示例を示す図である。
【図9】本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの基本制御手順を示すフローチャートである。
【図10】本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本実施例2に係る遊技媒体貸出システムの全体処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
100 パチンコ機
101 遊技領域
102 上皿
103 度数表示部
104 玉貸出ボタン
105 返却ボタン
106 玉投出機構部
200 玉貸出処理機
202 現金ランプ
203 紙幣挿入/返却口
204 硬貨挿入口
205 返却レバー
206 表示パネル
206a、535 表示制御部
207 金額表示部
208 金額設定ボタン
209 カード発行指示ボタン
210 硬貨返却口
220、580 主制御部
222 紙幣搬送路
230 紙幣処理部
231 紙幣識別部
232 残度数判定部
240 硬貨処理部
241 硬貨搬送路
250 メモリ
270、520 通信I/F部
271 通信判定部
300 島コントローラ
400 中継器
500 管理サーバ
510 カード情報管理データベース
530 表示部
560 入力部
570 出力部
600 カード会社
610 中央管理コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客によって投入された紙幣の有価価値に基づいて、遊技客に遊技媒体を貸し出す貸出処理機と、前記紙幣による入金情報を売上情報として取得する管理装置とを備えた遊技媒体貸出システムであって、
前記貸出処理機は、
前記遊技客により投入される紙幣を受け入れ可能な紙幣挿入手段と、
前記紙幣挿入手段から挿入された紙幣の有価価値を識別する有価価値識別手段と、
前記紙幣に対する真偽を判定する真偽判定手段と、
前記真偽判定手段により紙幣が真であると判定された場合、表示手段にカード表示を点灯させるカード表示点灯制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【請求項2】
前記貸出処理機は、前記カード表示点灯制御手段によるカード表示の点灯に基づいて、前記入金情報を売上情報として、前記管理装置に送信する送信制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項3】
前記貸出処理機は、遊技媒体の貸し出し処理にともなって減算する有価価値の残度数を判定する残度数判定手段を備え、前記カード表示点灯制御手段によるカード表示は、前記残度数判定手段により判定された残度数がなくなるまで点灯する制御をおこなうことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項4】
前記貸出処理機と前記管理装置との通信を判定する通信判定手段を備え、前記通信判定手段により通信異常があると判定された場合に、前記カード表示点灯制御手段は、前記表示手段に表示するカード表示を点滅させる制御をおこなうことを特徴とする請求項1、2または3に記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項5】
前記貸出処理機は、前記有価価値識別手段により、識別された有価価値に対応するカードを発行する旨を示すとともに、前記表示手段にカード表示の点灯を指示するカード表示指示手段を備え、前記カード表示点灯制御手段によるカード表示の点灯は、前記カード表示指示手段による設定に基づいておこなうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記送信制御手段により送信された紙幣の有価価値情報を売上情報として記憶/格納するカード売上情報データベースを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の遊技媒体貸出システム。
【請求項7】
前記表示手段に表示されるカード表示は、カードの形状を模倣したデザインとすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の遊技媒体貸出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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