説明

遊技機、ランプ制御方法およびプログラム

【課題】疑似連モード毎に異なる発光色となるランプ制御ができ、遊技継続時の面白みを提供すること。
【解決手段】始動入賞毎にコマンドを出力する主制御部201と、このコマンドを受信し、コマンドの受信毎に図柄変動させ、かつ図柄変動に対応したランプ制御のコマンドを出力する演出統括部202aと、演出統括部202aから出力され、1回の始動入賞あたり複数回の図柄変動をおこなわせる疑似連コマンドを受信する毎に遊技機に設けられたランプの発光色を変更させるランプ制御部202cとを備え、ランプ制御部202cは、複数の発光色が設定されたランプデータ911と、疑似連コマンドの受信毎に受信の回数をカウントするカウンタと、カウント値を記憶保持する記憶部904と、カウント値に基づき、ランプデータ911から前回のカウント値とは異なる一つの発光色を読み出して図柄変動毎の発光色を決定する制御部902とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぱちんこ遊技機などの遊技機に関し、特に、大当たりの確率を変動させる遊技機と、遊技時のランプ制御をおこなうランプ制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤の遊技領域に打ち出した遊技球が特定の始動入賞口に入ると、表示部に表示される3列の図柄(たとえば、1〜12の数字の図柄など)が上から下に移動するように表示され、あるライン(有効ライン)上に同一あるいは関連性のある図柄が揃うと大当たりとなって、大入賞口が開き、大当たり遊技ができる遊技機が広く使用されている。
【0003】
このような遊技機においては、主制御基板は、大当たり、確変、時短、通常の各モードで動作し、この主制御基板から出力されるコマンドに応じて各モード時毎の演出をおこなうものがあり、大当たりが確定するまでの遊技者の興奮を高め、遊技を面白くするようにしたものがあった。
【0004】
この演出としては、表示部による演出だけではなく、この表示部の周囲の遊技盤上に設けられたLEDなどからなるランプを点灯制御することにより演出することにより、遊技の面白みを向上させている。ランプ制御は、大当たりに関する制御をおこなう主制御基板とは別のランプ制御基板(あるいはランプ制御機能を有する演出制御基板)が実行する構成となっている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0005】
近年の遊技機では、図柄変動に関しては各種モード別の演出をおこなったり、図柄そのものの高精細化等により図柄変動の処理が大幅に増え、また、ランプについても個数およびフルカラーLED等を使用した発光色に関する制御内容が増えてきている。このため、ランプ制御に関する制御を演出制御基板から独立させる傾向にある。基板としては、演出制御基板内にランプ制御にかかる回路素子を一体的に設けた構成もあるが、これら演出制御部(特に図柄変動)とランプ制御部との間は別構成とされ、相互にコマンド送受するようになってきている。
【0006】
そして、近年、疑似連と呼称されるある演出のモードが設けられた。この疑似連とは、始動入賞口に対する1個の入賞で複数回の図柄変動をおこなうモードである。この疑似連の期間中は、図柄変動を数回繰り返し、リーチ演出に移行する場合も含む。
【0007】
図14は、疑似連のタイミングチャートを示す図である。主制御基板は、a.始動口への入賞があると、b.図柄変動の時間情報Tを演出制御基板に出力する。これを受けた演出制御基板は、c.時間情報Tに対応した回数の図柄変動をおこなう。また、d.図柄変動の開始毎に(時期t1,t2,…)ランプ制御基板に対して疑似連のコマンドを送出する。e.ランプ制御基板は、この疑似連のコマンドを受信すると、疑似連のコマンドに含まれる発光色と時間の情報とに基づいてコマンド受信毎にランプの発光色を変更する。
【0008】
【特許文献1】特開2001−62116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のようにランプ制御部を演出制御部から独立させコマンド送受する構成とした場合、以下のような問題が生じた。疑似連では、演出制御部から図柄変動毎に送出するd.疑似連のコマンドに、図柄変動毎のランプの発光色の情報と、図柄変動期間の情報を含ませて送出していた。ここで、演出上、図柄変動とランプ制御とを同期させねばならない。具体的には、図柄変動期間中に対応した時間を有してある所定の発光色でランプを点灯させ、かつ、図柄変動する毎に異なる発光色で発光させて遊技上の面白みを与えている。このため、演出制御部が送出する疑似連のコマンドに、図柄変動毎のランプの発光色の情報と、図柄変動期間の情報を含ませるために、疑似連のコマンドの情報量が増え、演出制御部の処理負担が増えることになった。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、疑似連モードの際の複数回の図柄変動とランプ制御とを同期させ演出効果を高めることができるとともに、これら図柄変動とランプ制御とを簡単に同期させることができ、制御の処理負担を軽減できる遊技機、ランプ制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。また、疑似連モード毎に異なる発光色となるランプ制御ができ、遊技継続時の面白みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる遊技機は、始動入賞がある毎にコマンドを出力する主制御基板と、前記主制御基板から出力されるコマンドを受信し、当該コマンドの受信毎に図柄変動させ、かつ当該図柄変動に対応したランプ制御のコマンドを出力する演出制御基板と、前記演出制御基板から出力される1回の始動入賞あたり複数回の図柄変動をおこなわせる疑似連コマンドを受信する毎に、遊技機に設けられたランプの発光色を変更させるランプ制御基板とを備え、前記ランプ制御基板は、複数のそれぞれ異なる発光色が設定されたランプデータと、前記疑似連コマンドの受信毎に当該受信の回数をカウントするカウンタと、前記カウント値を記憶保持する記憶部と、前記カウント値に基づき、前記ランプデータから前回のカウント値とは異なる一つの発光色を読み出し、当該発光色を用いて前記図柄変動毎の発光色を決定する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、前記記憶部は、遊技モードの変更にかかわらず前記カウント値を保持し、前記カウンタは、疑似連コマンドの受信毎にカウント値をインクリメントし、前記制御部は、前記カウント値に対応した発光色を読み出し、発光色を決定することとしてもよい。
【0013】
また、前記主制御基板は、1回の始動入賞毎に図柄変動の変動時間を前記演出制御基板に出力し、前記演出制御基板は、前記変動時間に基づいて、図柄変動の回数を決定し、当該決定したタイミング毎に前記疑似連コマンドを前記ランプ制御基板に出力することとしてもよい。
【0014】
また、本発明にかかるランプ制御方法は、主制御部が、始動入賞がある毎にコマンドを出力する主制御工程と、演出制御部が、前記主制御部から出力されるコマンドを受信し、当該コマンドの受信毎に図柄変動させ、かつ当該図柄変動に対応したランプ制御のコマンドを出力する演出制御工程と、ランプ制御部が、前記演出制御部から出力される1回の始動入賞あたり複数回の図柄変動をおこなわせる疑似連コマンドを受信する毎に、遊技機に設けられたランプの発光色を変更させるランプ制御工程とを含み、当該ランプ制御工程は、前記疑似連コマンドの受信毎に当該受信の回数をカウントするカウント工程と、当該カウント値を記憶部に記憶保持させる記憶工程と、前記カウント値に基づき、複数の異なる発光色が設定されたランプデータから前回のカウント値とは異なる一つの発光色を読み出し、当該発光色を用いて前記図柄変動毎の発光色を決定する制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかるプログラムは、上記に記載のランプ制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、ランプ制御部は、演出制御部から疑似連コマンドの受信毎に受信の回数をカウントする。ランプデータには異なる複数の発光色が設定されており、カウント値に応じて一つの発光色を読み出してランプを発光制御する。これにより、遊技中に複数回、疑似連モードとなった場合であっても、毎回異なる発光色でランプ制御され、遊技の継続時の面白みを維持できる。また、演出制御部が出力する疑似連のコマンドに発光色の情報を含ませる必要がなく、コマンドのデータ量を削減できるとともに、演出制御部の処理負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、疑似連モードの際に図柄変動毎に異なる発光色でランプを発光でき、特に、遊技中に複数回、疑似連モードとなった場合でも、毎回異なる発光色で発光させることができ、遊技継続の面白みを提供できる。また、ランプ制御部に対して演出制御部が送信する疑似連コマンドから発光色の情報を削減することができ、コマンドのデータ量を削減できるとともに、演出制御部の制御負担を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる遊技機、ランプ制御方法およびプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
(遊技機の基本構成)
図1は、本発明の遊技機の一例を示す正面図である。本発明の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、図示を省略する複数の釘が設けられ、遊技球を各種の方向に向けて落下させるとともに、落下途中の位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、入賞口が配設されている。
【0020】
遊技盤101の遊技領域103の中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては、たとえば液晶表示器(LCD)が用いられる。画像表示部104の下方には、始動入賞させるための始動入賞口105a,105bが配設されている。画像表示部104の左側には、入賞ゲート106が配設されている。
【0021】
入賞ゲート106は、遊技球の通過を検出し、始動入賞口105a,105b付近に設けられた不図示の電動役物(以下「電動チューリップ」という)を一定時間だけ開放させる抽選をおこなうために設けられる。画像表示部104の側部や下方等には普通入賞口107が配設されている。普通入賞口107に遊技球が入賞すると、普通入賞時の賞球数(たとえば10個)の払い出しをおこなう。遊技領域103の最下部には、どの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
【0022】
上述した画像表示部104は、特定の入賞口に遊技球が入賞したとき(始動入賞時)に、複数の図柄の表示の変動を開始させ、所定時間後に図柄が停止する。この停止時に特定図柄(たとえば「777」)が揃ったとき、大当たり状態となる。大当たり状態のとき、下方に位置する大入賞口109の一定の期間の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返し、入賞した遊技球に対応した数の賞球を払い出す。
【0023】
遊技盤101の右下部分には、普通図柄表示部119および特別図柄表示部120が配置されている。普通図柄表示部119および特別図柄表示部120としては、たとえば、7セグメントディスプレイが用いられる。普通図柄表示部119および特別図柄表示部120には、所定の抽選結果をあらわす数字やアルファベット等が表示される。普通図柄表示部119に表示された数字やアルファベット等の図柄(以下「普通図柄」という)は、遊技球が入賞ゲート106を通過した際に変動が開始され、所定時間後に停止する。このとき、所定の普通図柄が停止すると、上記の電動チューリップが一定時間だけ開放される。特別図柄表示部120に表示された数字やアルファベット等の図柄(以下「特別図柄」という)は、遊技球が始動入賞口105a,105bへ入賞した際に変動が開始され、所定時間後に停止する。このとき、所定の特別図柄が停止すると、大当たり状態となる。
【0024】
普通図柄表示部119および特別図柄表示部120の左側には、普通図柄または特別図柄の変動に対する保留玉表示部121が配置されている。保留玉表示部121としては、たとえば、LEDが用いられる。この保留玉表示部121としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって普通図柄または特別図柄の変動に対する保留玉の数をあらわしている。たとえば、保留玉表示部121を構成するLEDのうちの、上段のLEDが2個点灯している場合には、普通図柄の変動に対する保留数は2であることをあらわしている。
【0025】
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材110は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。これにより、本実施の形態の遊技機を、枠部材110を備えていない他機種の遊技機よりも目立たせることができる。遊技機を目立たせることにより、遊技機の稼働率の向上を図るとともに、遊技機に対する不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
【0026】
枠部材110の所定位置には、演出ライト部(不図示)が設けられている。演出ライト部は、複数のライト(照明装置)を備えている。各ライトは、遊技機の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更することができる。また、各ライトは、演出ライト部に設けられた不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
【0027】
光の照射方向は、たとえば、大当たり状態となった場合に変更させる。これにより、遊技者および遊技機の周囲を順次照射して、遊技機が大当たり状態となっていることを周囲に知らしめることができ、大当たり状態となった遊技者の注目度を高めることができる。これによって、遊技者に対して、注目されていることによる高揚感を与え、本実施の形態の遊技機を継続あるいは繰り返して利用させ、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
【0028】
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0029】
操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。
【0030】
画像表示部104の周辺(たとえば上側や側方)には、不図示の演出用の役物(以下、「可動役物」という)が設けられている。可動役物は、不図示のソレノイドやモータによって駆動される。
【0031】
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン(チャンスボタン)117が設けられている。また、枠部材110において、演出ボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。演出ボタン117および十字キー118によって、操作部が構成されている。加えて、枠部材110には、音声を出力するスピーカ(図2における符号277を参照)が組み込まれている。
【0032】
(制御部の内部構成 1.主制御部)
図2は、遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。制御部200は、複数の制御部により構成されている。図示の例では、主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203とを有する。主制御部201は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。演出制御部202は、遊技中の演出動作を制御する。賞球制御部203は、払い出す賞球数を制御する。
【0033】
主制御部201は、ROM212に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するCPU211と、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM213等を備えて構成される。主制御部201は、たとえば主制御基板によってその機能を実現する。RAM213にセットされた各種コマンドは、演出制御部202、賞球制御部203に所定のタイミングで送出される。
【0034】
この主制御部201には、始動入賞口105aに入賞した入賞球を検出する始動入賞口検出部(始動口SW)221aと、始動入賞口105bに入賞した入賞球を検出する始動口SW221bと、入賞ゲート106を通過した遊技球を検出するゲート検出部(ゲートSW)222と、普通入賞口107に入賞した遊技球を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口SW)223と、大入賞口109に入賞した入賞球を検出する大入賞口検出部(大入賞口SW)224と、普通図柄表示部119と、特別図柄表示部120と、が接続されている。普通入賞口SW223は、普通入賞口107の配置位置別に複数個設けてもよい。これらの検出部としては、近接スイッチ等を用いて構成することができる。
【0035】
始動入賞口検出部221、ゲート検出部222、普通入賞口検出部223、および大入賞口検出部224による検出結果は、主制御部201に入力される。
【0036】
また、主制御部201は、上記の電動チューリップを一定時間開放させる始動口ソレノイド225と、大入賞口109を開閉する大入賞口ソレノイド231に対する駆動と、保留玉表示部121に対する点灯の制御をおこなう。大入賞口ソレノイド231は、大当たり時に大入賞口109を一定期間開放する動作をおこなう。この大当たりは、生成した乱数に基づき所定の確率で発生するようあらかじめプログラムされている。
【0037】
この主制御部201は、遊技中における大当たりの確率を変更することができる。たとえば、本実施の形態の遊技機においては、低確率状態と高確率状態との2つの確率状態があり、高確率状態は、一般的に確変状態と呼ばれる。ここで、低確率状態とは、生成された乱数を所定の低確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定やハズレ判定などをおこなう遊技状態である。また、高確率状態とは、生成された乱数を所定の高確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定やハズレ判定などをおこない、さらに後述する電動チューリップ制御処理によって遊技球の始動入賞口105bへの入賞をしやすくした遊技状態である。なお、各テーブルは、あらかじめROM212などに記憶されている。
【0038】
これによって、たとえば、本実施の形態の遊技機では、低確率状態においては1/300で大当たりが発生するようになっており、高確率状態においては1/30で大当たりが発生するようになっている。また、低確率状態には、通常の低確率状態と、時短状態とがある。ここで、時短状態とは、通常の低確率状態と同様に大当たり判定やハズレ判定などをおこなうが、遊技球の始動入賞口105bへの入賞をしやすくした遊技状態である。具体的には、時短状態では、生成された乱数を所定の低確率状態用のテーブルと比較して大当たり判定やハズレ判定などをおこなうが、電動チューリップ制御処理によって遊技球の始動入賞口105bへの入賞がしやすくなっている。なお、実行中の遊技状態を示す情報は演出制御部202にコマンド出力され、実行中の遊技状態に応じた演出(たとえば図柄変動や可動役物の制御)がなされる。
【0039】
また、主制御部201は、始動入賞口105a(または105b)に対する1回の入賞があると、演出制御部202に対し、1回の図柄変動にかける図柄変動の時間情報をコマンドで出力する。
【0040】
(2.演出制御部)
次に、演出制御部202は、遊技中における演出内容の制御をおこなう。この演出制御部202は、主制御部201から送出されるコマンドに基づき、演出内容を統括する演出統括部202aと、演出統括部202aによって指示された画像および音声の制御をおこなう画像・音声制御部202bと、遊技盤および枠に設けられたランプの点灯を制御するランプ制御部202cによって構成されている。
【0041】
演出統括部202aは、演出処理を実行するCPU241と、演出のプログラムを記憶するROM242と、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM243とを備えて構成される。
【0042】
また、この演出統括部202aには、実時間を計時出力する計時手段としてのリアルタイムクロック(RTC)247が接続されている。このリアルタイムクロック247は、電源断時においても図示しないバックアップ電源により計時動作を継続する。RAM243にセットされた各種データは、画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに所定のタイミングで送出される。なお、RTC247は、演出制御部202に配置するに限らず、主制御部201に配置したり単独で配置したりと、配置位置が限られるものではない。
【0043】
画像・音声制御部202bは、画像および音声の生成および出力処理を実行するCPU251と、背景画像、図柄画像、キャラクタ画像など各種画像データや各種音声を記憶するROM252と、画像表示部104に表示させる画像データや、スピーカ277を介して出力させる音声を格納するRAM253と、を備えて構成される。これらCPU241,251は、画像表示部104等に対する制御手段を構成している。すなわち、これらCPU241,251によって本実施の形態の遊技機は実行中の遊技状態に応じた演出を実行するように制御される。
【0044】
演出制御部202のうち演出統括部202aには、上記の演出ボタン117が接続されており、演出ボタン117の操作は、演出統括部202aに入力される。
【0045】
演出統括部202aは、主制御部201から送出されるコマンドに基づき、CPU241がROM242に記憶されたプログラムを読み込んで、演出内容を決定し、画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに指示出力する。画像・音声制御部202bのCPU251は、指示された演出内容に基づいて、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行し、必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。RAM253に書き込まれた背景画像、図柄画像、キャラクタ画像は、表示画面上において画像表示部104に重畳表示される。すなわち、図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。
【0046】
この図柄画像は、画像表示部104上で変動および停止を繰り返す図柄変動パターンとしてあらかじめROM252に複数パターン登録されている。主制御部201から出力されるコマンドに基づき、通常時(低確率状態時)は、これら複数登録された中からいずれか一つの図柄変動パターンが選択される。また、たとえば、高確率状態時は、通常時とは異なる図柄変動パターンが選択される。これによって、遊技機は、実行中の遊技状態が、低確率状態/高確率状態であることを遊技者に示唆することができる。また、実行中の遊技状態が高確率状態であっても、所定の条件を満たした際には、図柄変動パターンを通常時と同様のものとしてもよい。このようにすることで、遊技者は、見た目からでは、実行中の遊技状態が低確率状態/高確率状態のどちらであるかわからず、常に期待感を持ちつつ遊技をすることができる。
【0047】
なお、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。
【0048】
演出制御部202は、画像表示部104に対しては、遊技中における演出内容、たとえば、図柄の変動表示や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)、および大当たり時の各種表示情報を生成して出力する。遊技が一定時間中断されたときには客待ちの画面を表示出力する。また、この演出制御部202は、スピーカ277から音声を出力させるためのデータを出力する。
【0049】
ランプ制御部202cは、ランプ点灯等のための処理を実行するCPU261と、ランプ点灯等の制御データを記憶するROM262と、CPU261のワークエリアとしてのRAM263と、枠ランプ265aおよび盤ランプ265bと、可動役物267と、を備えて構成される。
【0050】
ランプ制御部202cは、演出制御部202の演出統括部202aから出力されたランプ点灯等のコマンドに基づいて、遊技盤101に設けられている盤ランプ265bや枠部材110に設けられている枠ランプ265aを点灯制御するデータを出力する。また、可動役物267に対して動作制御するデータを出力する。
【0051】
以上の演出制御部202は、たとえば演出制御基板によってその機能を実現する。図2に示すように、演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しており、演出統括部202aを中心として、この演出統括部202aは、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとの間でコマンドを送受する構成となっている。
【0052】
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203は、ROM282に記憶されたプログラムに基づき、賞球制御をおこなう。この賞球制御部203は、賞球制御の処理を実行するCPU281と、CPU281の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM283と、を備えて構成される。賞球制御部203は、たとえば賞球基板によってその機能を実現する。
【0053】
賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。また、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。
【0054】
賞球制御部203は、この払出部291に対して、各入賞口(始動入賞口105a,105b、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
【0055】
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。
【0056】
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【0057】
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【0058】
(遊技機の基本動作)
上記構成による遊技機の基本動作の一例を説明する。主制御部201のCPU211により遊技中の制御がおこなわれ、各入賞口に対する遊技球の入賞状況を賞球制御部203に出力する。そして、賞球制御部203は、入賞状況に対応した賞球数の払い出しをおこなう。
【0059】
また、始動入賞口105a,105bに遊技球が入賞する毎に、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、画像表示部104の図柄を変動表示させ、停止させることを繰り返す。大当たり発生が決定しているときには、対応する制御信号を演出制御部202に出力し、演出制御部202は、所定の図柄で揃えて停止させる。このときには、さらに、大入賞口109を開放する制御をおこなう。
【0060】
演出制御部202は、当選したイベントに対応する各種演出をおこなう。ここで、イベントには、たとえば、大当たり(15ラウンド確変大当たり(いわゆる、確変大当たり)、15ラウンド通常大当たり、2ラウンド確変大当たり(いわゆる、突確)、2ラウンド通常大当たり(いわゆる、突時))や、小当たりなどが含まれる。ここで、小当たりとは、ハズレの一つであるが、遊技機に2ラウンド確変大当たりと同様の振る舞い(演出)を実行させるイベントである。
【0061】
たとえば、演出制御部202は、大当たり発生期間中、および大当たり発生までの間のリーチ時や、リーチ予告時等には、画像表示部104に対して、図柄の変動表示に加えて各種の演出表示をおこなう。このほか、各種役物に対して特定の駆動をおこなったり、枠ランプ265aや盤ランプ265bの点灯状態を変更する等の演出をおこなう。
【0062】
そして、たとえば、大当たり(15ラウンド確変/通常大当たり)発生時には、大入賞口109が複数回開放される。1回の開放を1ラウンドとして、15回のラウンドが繰り返し実行される。1ラウンドの期間は、遊技球がたとえば10個入賞したとき、あるいは所定期間(たとえば30秒)とされている。
【0063】
この際に、賞球制御部203は、大入賞口109に対する遊技球1個の入賞あたり15個の賞球数で払い出しをおこなう。大当たり終了後は、大当たり状態が解除され、15ラウンド確変大当たりであった場合には高確率状態の遊技状態へ復帰し、15ラウンド通常大当たりであった場合には低確率状態の遊技状態へ復帰する。
【0064】
(主制御部の処理手順)
次に、主制御部201の処理手順の内容について説明する。図3は、主制御部が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、電源供給期間中、所定期間(たとえば4ms)毎に主制御部201が実行する主制御処理に割り込み動作する。まず、乱数更新処理をおこない(ステップS301)、始動口入賞時のスイッチ処理をおこなう(ステップS302)。この後、遊技機が備える各種の電動役物(たとえば電動チューリップ、大入賞口、可動役物)の動作を制御する電動役物制御処理をおこない(ステップS303)、図柄処理をおこない(ステップS304)、賞球処理をおこない(ステップS305)、これらの出力処理をおこなう(ステップS306)。
【0065】
ステップS302のスイッチ処理では、始動入賞口105a,105bに設けられた始動口SW221a,221bが遊技球を検出する毎、所定の保留数(たとえば上述した普通図柄と特別図柄にそれぞれ設けられる保留ランプの4球)を上限として保留数毎に乱数を取得する。ステップS303の電動役物制御処理では、取得した乱数が大当たりに相当する数値であるときに、大当たりと判定し、上述したように、大入賞口109に設けられた大入賞口ソレノイド231を所定回数開放させる処理をおこなう。
【0066】
ステップS303の電動役物制御処理には、大入賞口109に対する開閉の処理や、始動入賞口105bを開閉する電動チューリップ制御処理等がある。大入賞口109は、各大当たり(15ラウンド確変/通常大当たり)、小当たりなどによって開閉制御される。また、ステップS304においては、特別図柄処理および普通図柄処理がおこなわれる。
【0067】
図4は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。大入賞口処理とは、図3のステップS303に示した電動役物制御処理に含まれる一処理である。大入賞口処理においては、まず、当たりであるか判断する(ステップS401)。ここで、当たりとは、たとえば、上記の各大当たり(15ラウンド確変/通常大当たり)、小当たりなどのイベントである。
【0068】
ステップS401において、当たりでないときは(ステップS401:No)、そのまま処理を終了する。当たり中のときには(ステップS401:Yes)、オープニング処理をおこなう(ステップS402)。このオープニング処理では、大入賞口の開放の処理等をおこなう。
【0069】
次に、当たりの種別を判定する。具体的には、小当たりであるときには(ステップS403:Yes)、小当たり用の値(小当たり残りラウンド数)Kを1加算した値を新たなKとする(ステップS404)。小当たりでないときには(ステップS403:No)、大当たり用の値(大当たり残りラウンド数)Rを1加算した値を新たなRとする(ステップS405)。
【0070】
ステップS404またはステップS405において、新たなKまたは新たなRを得ると、大入賞口ソレノイド231を制御して、大入賞口109を開放する(ステップS406)。大入賞口109を開放後、開放開始時から所定期間(例えば30秒の開放時間)が経過したか判断する(ステップS407)。開放時間が経過したときには(ステップS407:Yes)、大入賞口109を閉口させる(ステップS410)。開放時間が経過していないときには(ステップS407:No)、大入賞口109への遊技球の入賞数Cが9であるか判断し(ステップS408)、入賞数Cが9であるときには(ステップS408:Yes)、ステップS410へ移行する。入賞数Cが9でないときには(ステップS408:No)、フラグを設定し(ステップS409)、処理を終了する。
【0071】
ステップS409のフラグ設定は、ステップS406の大入賞口開放後、後述するステップS410による大入賞口閉口までの間において、大入賞口109の開放時間および入賞数のいずれか一方が満たされない場合(ステップS407:NoおよびステップS408:No)、フラグONとする。すなわち、図4の大入賞口処理は、図3に示す所定期間(たとえば4ms)毎に実行する電動役物制御処理(ステップS303)の一部であるため、この所定期間の周期毎に実行されるステップS402〜ステップS406ではフラグがONであればラウンド数の更新やオープニング処理をおこなわない。
【0072】
ステップS410では、大入賞口109の開放時間と入賞数のいずれか一方が満たされた場合(ステップS407:Yes、あるいはステップS408:Yes)の場合に大入賞口109を閉口させる。この際、ステップS410のフラグをOFFにする。この後、小当たり中であるか判断する(ステップS411)。小当たり中であるときには(ステップS411:Yes)、小当たり用の値Kが2であるか判断し(ステップS412)、値Kが2であるときには(ステップS412:Yes)、値Kを0にし(ステップS413)、所定変動回数Sを5とし(ステップS414)、ステップS417へ移行する。小当たり用の値Kが2でないときには(ステップS412:No)、処理を終了する。なお、ここでは、所定変動回数Sを5としたが、これに限るものではない。所定変動回数Sは、任意の値であってもよい。また、所定変動回数Sは、所定の抽選をおこない、その抽選結果によって変化する値などであってもよい。
【0073】
小当たり中でないときには(ステップS411:No)、この当たり中に消化された大当たり用の値Rが最大(15ラウンド確変/通常大当たりのときは15、2ラウンド確変/通常大当たりのときは2)となったか判断する(ステップS415)。大当たり用の値Rが最大でないときには(ステップS415:No)、処理を終了する。大当たり用の値Rが最大であるときには(ステップS415:Yes)、大当たり用の値Rを0とし(ステップS416)、エンディング処理をおこなう(ステップS417)。
【0074】
エンディング処理では、エンディング開始から所定のエンディング時間が経過すると当たりを終了し(ステップS418)、以上の処理を終了する。
【0075】
図5は、図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。図3のステップS304における処理内容である。図柄処理は、大当たり中であれば(ステップS501:Yes)、図柄変動させず処理を終了する。大当たり中でなければ(ステップS501:No)、図柄の変動中であるか判断し(ステップS502)、変動中でなければ(ステップS502:No)、保留数Uが最低1個はあるか判断する(ステップS503)。保留数がなければ(U=0)(ステップS503:No)、図柄変動させず終了する。
【0076】
保留数が1個以上あれば(ステップS503:Yes)、保留数を1個分減算したものを新たな保留数とし(ステップS504)、変動パターン選択処理(別ルーチン)をおこなう(ステップS505)。この変動パターン選択処理では、当たり(大当たり、小当たり、リーチ等)の各当たりの種別が選択されるとともに、図柄の変動時間が設定される。上述した疑似連の時間情報(変動時間)は、ここで設定される。次に、変動開始コマンドをRAM213にセットし(ステップS506)、図柄の変動を開始させる(ステップS507)。そして図柄が変動している変動期間を計測開始して終了する(ステップS508)。
【0077】
ステップS502において、図柄の変動中の場合(ステップS502:Yes)、次に変動時間が終了したか判断する(ステップS509)。変動時間が終了していなければ(ステップS509:No)、処理を終了し、変動時間が終了していれば(ステップS509:Yes)、図柄の変動停止のコマンドをセットし(ステップS510)、図柄の変動を終了させる(ステップS511)。この際、図柄の変動時間をリセットし(ステップS512)、所定の停止中処理をおこない(ステップS513)、終了する。
【0078】
図6は、変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。図5のステップS505における処理内容である。変動パターン選択処理は、大当たりであるか判断し(ステップS601)、大当たりであれば(ステップS601:Yes)、確変大当たりであるか判定する(ステップS602)。確変大当たりであれば(ステップS602:Yes)、確変大当たりの種別が2R確変大当たりであるか判定し(ステップS603)、2R確変大当たりであれば(ステップS603:Yes)、2R確変図柄セットをRAM213に設定し(ステップS604)、2R確変大当たりでなければ(ステップS603:No)、15Rの確変大当たり用の確変図柄セットを設定する(ステップS605)。ステップS602において確変大当たりでなければ(ステップS602:No)、通常図柄セットを設定する(ステップS606)。
【0079】
また、ステップS601にて大当たりでなければ(ステップS601:No)、リーチ判定をおこない(ステップS608)、次に、小当たりであるか判定する(ステップS609)。小当たりであれば(ステップS609:Yes)、小当たり図柄セットを設定し(ステップS610)、小当たりでなければ(ステップS609:No)、ハズレ図柄セットを設定する(ステップS611)。
【0080】
ステップS604,ステップS605,ステップS606,ステップS610,ステップS611では、各変動図柄セットがRAM213に設定され、この後、変動パターンが設定され(ステップS607)、処理を終了する。この変動パターンの設定時には、併せて図柄変動をおこなう期間(変動時間)が設定される。主制御部201では、疑似連モードであると判断し、疑似連モードとしてのコマンドを設定して演出制御部202に出力することもできるが、この実施の形態では、主制御部201では、疑似連のモードであるか否かは認識せず、単に乱数に基づき設定した図柄の変動時間である時間情報を演出制御部202に出力する構成とする。この際の時間情報は、1回の図柄変動あたり約15秒程度であるが、リーチを含む場合には、比較的長い時間(たとえば3分)程度となる。したがって、この実施の形態では、演出制御部202側では、主制御部201が出力した時間情報に基づき、図柄の変動回数を設定する構成となっている。
【0081】
(演出制御部の処理手順)
次に、演出制御部202の処理手順の内容について説明する。演出制御部202は、主制御部201から送信される各種コマンドを受信し演出表示させる所定のメイン演出処理(不図示)をおこなう。
【0082】
図7は、演出統括部がおこなう演出統括処理の処理手順を示すフローチャートである。演出統括処理は、演出統括部202aがおこなう主演出処理に対し、所定時間間隔(たとえば4ms毎)のタイミングで割り込み実行される。
【0083】
演出統括処理では、まず、演出中であるか判断し(ステップS701)、演出中でなければ(ステップS701:No)、主制御部201から変動開始コマンドを受信したか判断する(ステップS702)。変動開始コマンドを受信していないときには(ステップS702:No)、処理を終了する。変動開始コマンドを受信したときには(ステップS702:Yes)、変動開始コマンドに基づき、実行する演出の種別を選択させる演出パターン選択処理を実行する(ステップS703)。
【0084】
演出パターン選択処理の実行後、図柄の背景となる背景選択処理を実行し(ステップS704)、演出を開始させて(ステップS705)、処理を終了する。
【0085】
ステップS701にて演出中であれば(ステップS701:Yes)、変動停止コマンドを受信したか判断する(ステップS706)。変動停止コマンドを受信したときには(ステップS706:Yes)、演出を終了し(ステップS707)、終了する。変動停止コマンドを受信しないときには(ステップS706:No)、そのまま処理を終了する。
【0086】
ステップS703における演出パターン選択処理では、主制御部201からの変動開始コマンドに含まれる変動時間を用いた演出パターンを生成する。この際、疑似連モードとするか否かが決定される。疑似連モードとされれば、変動時間内での図柄の変動回数と、各図柄変動時における変動時間が設定される。
【0087】
図8は、演出統括部に設定される変動時間を示すテーブルである。図示の変動時間テーブル800は、疑似連モードの際に、ランプ制御部202cに出力するための設定テーブルである。演出統括部202aには、複数の変動時間が設定されており、この変動回数を組み合わせて主制御部201からの時間情報に適合させる。たとえば、主制御部201が出力する時間情報が1分であれば、コマンドDF01を1回、コマンドDF02を2回、コマンドDF03を1回発行する選択をおこなう。ここで、演出統括部202aは、コマンドの種別のみ変動時間到達毎に送出するが、このコマンドに時間情報を含まずに送出する。
【0088】
(ランプ制御部の構成)
図9は、ランプ制御部の構成を示すブロック図である。ランプ制御部202cは、入力部901と、制御部902と、タイマ903と、データ格納部904と、出力部905とを備えている。入力部901には、演出統括部202aから出力されるランプ点灯制御のためのデータがコマンド入力され、このコマンドは制御部902に出力される。制御部902は、図2に示したCPU261、ROM262、RAM263等からなり、このコマンドを解析し、コマンドに対応したランプ制御データを出力部905を介してランプ群908に出力する。ランプ群908は、図2に記載の枠ランプ265aおよび盤ランプ265bに相当する。
【0089】
制御部902は、疑似連コマンドの入力時には、タイマ903の計時情報と、データ格納部904に格納されているランプデータ911を参照して、疑似連コマンドに対応したランプ制御データを生成し、出力部905に出力する。ランプ群908は、図示のように、複数の群1〜5を有しており、この群毎に個別に点灯制御されるようになっている。これらのランプ群908は、図1に示す遊技盤101や枠部材110に設けられている。
【0090】
図10は、実施の形態1のランプデータを示すテーブルである。図示のランプデータ911には、疑似連コマンドの入力回数と、この入力回数に対応した発光色の情報が設定されている。図示のランプデータ911は、疑似連モードの際に、入力される複数回の疑似連コマンド毎に、対応する発光色の情報を出力するための設定テーブルである。図示の例では、1回目の疑似連コマンドを受信すると、青色でランプ群908を発光させる。そして2回目の疑似連コマンドを受信すると、ランプ群908の発光を青色からピンク色に変更する。また、3回目の疑似連コマンドの受信により、ランプ群908をピンク色からレインボー色(虹色の相当する複数色を順次発光)に変更する。このように、制御部902は、疑似連コマンドの受信回数をカウントしてランプ群908の発光色を変更させる。
【0091】
図10に示す例では発光色は、便宜上、3回の図柄変動分しか記載していないが、より多くの変動回数に対応した発光色を設定してもよい。疑似連による変動回数が多いほど、大当たりを期待させる色、たとえば、青系の色から赤系の色に変化させることができ、これにより遊技の期待度を高める演出がおこなわれる。レインボー色による発光は、疑似連の最後の変動時間が長い(たとえば2分程度)リーチ時等に用いる構成とすれば、大当たりの期待度を高めるための発光色として有効である。
【0092】
上記の発光色は、図9に示すランプ群908(1〜5の群)全体に対して一様の発光色で切り替える構成としてもよいし、ランプ群908を構成する1〜5の順に順番に発光色を変更させる構成としてもよい。
【0093】
(ランプ制御部の処理手順)
図11は、実施の形態1によるランプ制御部が実行する疑似連コマンド受信時のランプ発光制御のフローチャートである。このフローチャートでは、疑似連コマンドの受信時のみの処理を記載してある。まず、ランプ制御部202cの制御部902は、演出統括部202aから疑似連コマンドの受信を待ち(ステップS1101:No)、疑似連コマンドを受信すると(ステップS1101:Yes)、疑似連コマンドの受信カウント値Gに1を加算する(ステップS1102)。そして、ランプデータ911を参照し、カウント値Gに対応した発光色をRAM263にセットし(ステップS1103)、ランプ群908を発光させ、処理を終了する。これにより、疑似連コマンドの受信毎に、対応する発光色でランプ群908を発光させることができる。
【0094】
本発明によるランプ制御によれば、疑似連のタイミングチャートは、図14と同様である。主制御部201は、a.始動口への入賞があると、b.図柄変動の時間情報Tを演出統括部202aに出力する。これを受けた演出統括部202aは、c.時間情報Tに対応した回数の図柄変動をおこなう。また、d.図柄変動の開始毎に(時期t1,t2,…)ランプ制御部202cに対して疑似連のコマンドを送出する。
【0095】
ただし、この発明においては、演出統括部202aは、所定の間隔で疑似連のコマンドだけを送出すればよい。この疑似連のコマンドには、従来技術において用いた、発光色の情報と、点灯時間の情報が含まれていない。すなわち、e.ランプ制御部は、疑似連のコマンドを受信したタイミングにて図10に示したランプデータ911を参照し、受信した回数に対応する発光色でランプ群908を発光制御する。なお、演出統括部202aは、疑似連のコマンドを画像・音声制御部202bに対しても出力し、ランプ点灯制御と同期した図柄変動をおこなわせる。
【0096】
これにより、上記構成によれば、演出統括部202aが疑似連のコマンドを送出するだけでよく、この疑似連のコマンドに発光色の情報と、点灯時間の情報とを含ませる必要がない。したがって、演出統括部202aは、必要なタイミング毎に疑似連コマンドを送出するだけでよく、演出統括部202aにおける処理負担を軽減できるようになる。
【0097】
(実施の形態2)
(複数回の疑似連モード時の演出について)
上記の実施の形態では、1回の疑似連モード時の処理を説明したが、遊技を継続していると複数回、疑似連モードに入る場合がある。この実施の形態では、複数回の疑似連モードに対応したランプ制御について説明する。
【0098】
図12は、実施の形態2のランプデータを示すテーブルである。このランプデータ1211は、図10のランプデータに比して回数をあらかじめ増やしておき、増やした回数のそれぞれに異なる発光色を設定してある。図示の例では1回目は水色とし、回数を増すにつれて大当たりを期待させる発光色としN個目は赤色の発光色を設定してある。図中Pはポインタであり、前回の疑似連モードの際の図柄変動の回数を指す。このポインタPの値は、制御部902によってカウント処理され、データ格納部904の一部の領域に記憶保持される。記憶内容は、1回の疑似連モードが終わった後においてもクリアされず内容が保持される。これにより、ポインタPの値は、複数回の疑似連モードに渡って継続的に使用される。
【0099】
図13は、実施の形態2による疑似連コマンド受信時のランプ発光制御のフローチャートである。まず、ランプ制御部202cの制御部902は、演出統括部202aから疑似連コマンドの受信を待ち(ステップS1301:No)、疑似連コマンドを受信すると(ステップS1301:Yes)、疑似連コマンドの受信カウント値をインクリメントする(ステップS1302)。この際、受信カウント値Gは、ポインタPの値を1増加させた値とする。次に、この記憶保持したポインタPの値を更新する(ステップS1303)。そして、ランプデータ911を参照し、カウント値Gに対応した発光色をRAM263にセットし(ステップS1304)、ランプ群908を発光させ、処理を終了する。
【0100】
上記一連の処理により、疑似連コマンドを1回受信する毎にポインタPの値が1ずつ増加し、更新記憶される。これにより、1回の疑似連モードが終了した後もポインタPが記憶されているから、次の疑似連モード時には、前回記憶したポインタPに対応する発光色を用いてランプ群908が発光する。また、回数Nの発光色による発光が終了後には、ポインタPをクリアし、次はポインタPを回数1に設定しなおす。
【0101】
これにより、疑似連モード毎に同じ発光色で開始されることを防ぎ、遊技中に疑似連モードへ複数回移行した場合であっても、それぞれの疑似連モードの開始時にランプ群908が異なる発光色で発光させることができるようになる。これによる遊技の継続に興味を持たせた演出が行えるようになる。
【0102】
図12に示すランプデータには、さらに特定時に用いる発光色を設定しておいてもよい。例えば、特定の回数(たとえばN+1)として、レインボー色を設定しておく。そして、疑似連の最後の変動時間が2分程度と長いリーチ時等にN+1の発光色を用いるようにすれば、大当たりの期待度を高めるための発光色として有効である。この場合、リーチコマンドの受信時には、ポインタPをN+1にする。また、この発光色による発光後はポインタPをクリアする。
【0103】
上記構成では、ポインタPを1ずつ増加させる構成としたが、これに限らず2以上増加させたり、更新毎に増加の数を変更してもよい。例えば、図12のランプデータに設定した発光色が多数色(100色等)である場合には、多様な発光色で発光させることができるようになる。また、ポインタPの記憶内容は、1回の疑似連モードが終わってもクリアされず内容が保持されるとしたが、この疑似連モードで最終的に大当たりとなった場合には、ポインタPの既往内容をクリアする構成としてもよく、次の新たな疑似連モード時には、ポインタPが初期値1から開始される。また、図12に示す例では、図柄変動の回数が増すにつれて大当たりを期待させる発光色とし、図13の処理では、図柄変動毎に増加させる構成としたが、図柄変動の回数と発光色の傾向を問わない設定とすることもでき、この場合には、図柄変動毎にポインタPをランダムに増減させる構成としてもよく、この場合でも、図柄変動毎に異なる発光色とすることができる。
【0104】
以上説明したように、本発明にかかる遊技機によれば、演出統括部202aは、図柄変動およびランプ制御に関する制御をおこなうものであるが、疑似連モードのときには、図柄変動をおこなう画像・音声制御部202bと、ランプ制御をおこなうランプ制御部202cに対して、図柄変動毎に疑似連コマンドを出力するだけでよい。これにより、図柄変動期間中におけるランプ点灯を簡単に同期させることができる。
【0105】
また、遊技中に複数回の疑似連モードとなった場合でも、疑似連モードが開始される際の発光色が特定の発光色とはならず、異なる発光色とすることができる。また、前回の疑似連モード終了後に続く発光色とすることもできる。これにより、疑似連モードになった場合の期待感を持続でき遊技に対する興味を持続させることができるようになる。
【0106】
なお、本実施の形態で説明した遊技機のランプ制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムを演出制御部に設けたCPUなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明にかかる遊技機、ランプ制御方法およびプログラムは、ぱちんこ遊技機などの遊技機に関し、特に、大当たりの確率を変動させる遊技機、当該遊技機に設けられる演出制御基板および当該演出制御基板に実行させるコンピュータプログラムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の遊技機の一例を示す正面図である。
【図2】遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】主制御部が実行するタイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】変動パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】演出統括部がおこなう演出統括処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】演出統括部に設定される変動時間を示すテーブルである。
【図9】ランプ制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態1のランプデータを示すテーブルである。
【図11】実施の形態1によるランプ制御部が実行する疑似連コマンド受信時のランプ発光制御のフローチャートである。
【図12】実施の形態2のランプデータを示すテーブルである。
【図13】実施の形態2による疑似連コマンド受信時のランプ発光制御のフローチャートである。
【図14】疑似連のタイミングチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0109】
101 遊技盤
104 画像表示部
201 主制御部
202 演出制御部
202a 演出統括部
202b 画像・音声制御部
202c ランプ制御部
203 賞球制御部
211,241,251,261,281 CPU
212,242,252,262,282 ROM
213,243,253,263,283 RAM
265a 枠ランプ
265b 盤ランプ
902 制御部
904 データ格納部
911 ランプデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞がある毎にコマンドを出力する主制御基板と、
前記主制御基板から出力されるコマンドを受信し、当該コマンドの受信毎に図柄変動させ、かつ当該図柄変動に対応したランプ制御のコマンドを出力する演出制御基板と、
前記演出制御基板から出力される1回の始動入賞あたり複数回の図柄変動をおこなわせる疑似連コマンドを受信する毎に、遊技機に設けられたランプの発光色を変更させるランプ制御基板とを備え、
前記ランプ制御基板は、
複数のそれぞれ異なる発光色が設定されたランプデータと、前記疑似連コマンドの受信毎に当該受信の回数をカウントするカウンタと、前記カウント値を記憶保持する記憶部と、前記カウント値に基づき、前記ランプデータから前回のカウント値とは異なる一つの発光色を読み出し、当該発光色を用いて前記図柄変動毎の発光色を決定する制御部と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記記憶部は、遊技モードの変更にかかわらず前記カウント値を保持し、
前記カウンタは、疑似連コマンドの受信毎にカウント値をインクリメントし、
前記制御部は、前記カウント値に対応した発光色を前記記憶部から読み出し、発光色を決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記主制御基板は、1回の始動入賞毎に図柄変動の変動時間を前記演出制御基板に出力し、
前記演出制御基板は、前記変動時間に基づいて、図柄変動の回数を決定し、当該決定したタイミング毎に前記疑似連コマンドを前記ランプ制御基板に出力することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
主制御部が、始動入賞がある毎にコマンドを出力する主制御工程と、
演出制御部が、前記主制御部から出力されるコマンドを受信し、当該コマンドの受信毎に図柄変動させ、かつ当該図柄変動に対応したランプ制御のコマンドを出力する演出制御工程と、
ランプ制御部が、前記演出制御部から出力される1回の始動入賞あたり複数回の図柄変動をおこなわせる疑似連コマンドを受信する毎に、遊技機に設けられたランプの発光色を変更させるランプ制御工程とを含み、
当該ランプ制御工程は、
前記疑似連コマンドの受信毎に当該受信の回数をカウントするカウント工程と、当該カウント値を記憶部に記憶保持させる記憶工程と、前記カウント値に基づき、複数の異なる発光色が設定されたランプデータから前回のカウント値とは異なる一つの発光色を読み出し、当該発光色を用いて前記図柄変動毎の発光色を決定する制御工程と、を含むことを特徴とするランプ制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載のランプ制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−22540(P2010−22540A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186493(P2008−186493)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】