説明

遊技機

【課題】ストップスイッチに対する操作が無効化されていることを報知するとともに、その報知が遊技者にとって直感的に認識可能な態様で行われる遊技機を提供する。
【解決手段】所定条件を充足するまでストップスイッチに対する操作を無効化する遊技機において、ストップスイッチに対する操作が無効化されているにも関わらずストップスイッチが操作されたときに、その旨を報知する報知手段を備えるようにした。そして、この報知手段による報知は、ストップスイッチを操作した指に対して触覚的に体感可能となるように形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、ストップスイッチに対する操作が無効化されていることを報知可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機、例えばパチスロ機には、回転リールを回転させて遊技を開始するためのスタートスイッチ、および回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチが設けられている。そして、こうした遊技機は、回転リールの回転開始から回転停止までを1ゲームとして形成されている。
ところで、こうした遊技機では、遊技者の射幸心をいたずらに煽ることなく遊技を行わせるために、一定時間内に実行可能なゲーム回数に制限を設けることが行われている。例えば、前回遊技から所定時間(例えば4.1秒のいわゆるウェイト時間)が経過するまでストップスイッチに対する操作を無効化することにより、一定時間内に実行可能なゲーム回数に制限を設けることが行われている。そして、ストップスイッチに対する操作の無効化が行われると、無効時にストップスイッチを操作しても回転リールの回転停止が行われないようになっている。
【0003】
また、その他にも、回転リールが回転を開始してからその回転速度が一定速度に達するまでは、ストップスイッチに対する操作を無効化するような遊技機も知られている。
ここで、特許文献1には、ストップボタンに開口穴を設け、この開口穴を介して空気の吸引又は吐出を行うことにより、ゲームの演出を行う遊技機が開示されている。しかしながら、この遊技機は、ストップスイッチに対する操作が無効化されているかを考慮したものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−246066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の遊技機では、操作が無効化されているときにストップスイッチを操作したとしても回転リールの回転停止が行われないため、遊技者が意図した動作(回転リールの回転停止)が実行されないこととなる。そして、そのことが遊技者に報知されないため、遊技者は自らのストップスイッチに対する操作が有効であったと信じ、次の操作、例えば他のストップスイッチの操作に移行してしまうことがあった。
このことは、特に、ストップボタンの操作順序が遊技の結果に影響を与えるような場合に不都合がある。具体的には、所定の順序でストップスイッチを操作することにより当選した役に入賞可能となる、いわゆるAT(アシストタイム)遊技やART(アシスト・リプレイタイム)遊技などにおいては、ストップスイッチに対する操作が受け付けられないことにより、遊技者が意図した順序とは違う順序で回転停止が行われてしまい、遊技者が正しい順序で操作を行ったにも関わらず、入賞を得られない場合があるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、ストップスイッチに対する操作が無効化されていることを報知するとともに、その報知が遊技者にとって直感的に認識可能な態様で行われる遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
各請求項にそれぞれ記載された発明は、上記した課題を解決するためになされたものである。以下、図面に示した発明の実施の形態を用いて、各請求項にそれぞれ記載された発明の特徴および作用を説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載の遊技機10は、複数の図柄を変動表示又は停止表示するための複数の回転リール40と、前記複数の回転リール40の図柄を変動表示させるためのスタートスイッチ30と、前記複数の回転リール40それぞれに対応して設けられ、対応する回転リール40の図柄を停止表示させるための複数のストップスイッチ50と、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選を行う当選抽選手段110と、前記当選抽選手段110の抽選結果と前記ストップスイッチ50の操作とに基づいて前記回転リール40の図柄の停止表示に係る制御を行う停止制御手段130と、前記複数の回転リール40が図柄を停止表示した際の表示態様に基づいて前記複数の役のいずれかに入賞したか又は入賞しなかったかの判定を行う入賞判定手段150と、所定条件を充足するまで前記複数のストップスイッチ50に対する操作を無効化するストップスイッチ無効化手段160と、前記複数のストップスイッチ50に対する操作が無効化されているにも関わらず前記複数のストップスイッチ50のいずれかが操作されたときに、その旨を報知する報知手段170(51、200)と、を備え、前記報知手段170(51、200)は、前記ストップスイッチ50を操作した指に対して触覚的に体感可能に報知することを特徴とする。
【0008】
ここで「回転リール」は、複数の図柄を変動表示および停止表示可能なものを意味する。具体的な態様としては、周囲に複数の図柄を付したものに限らず、液晶表示装置により図柄を変動表示又は停止表示可能に形成したものも含まれる。
「ストップスイッチ無効化手段」は、所定条件を充足するまでストップスイッチに対する操作を無効化するためのものである。ストップスイッチ無効化手段によりストップスイッチに対する操作が無効化されると、ストップスイッチが操作されたとしても回転リールの停止制御がされないこととなる。このストップスイッチ無効化手段の具体的な態様としては、例えば、ストップスイッチが操作されたときに発生される信号を制御するプログラムとして形成することができる。この場合、ストップスイッチ無効化手段は、所定条件を充足していれば当該信号を停止制御手段等に送信し、所定条件を充足していなければ当該信号を停止制御手段等に送信しないような制御を行うプログラムとして形成することができる。また、このような態様に限らず、ストップスイッチの押下を検知するセンサなどの有効無効を制御することにより、ストップスイッチに対する操作を無効化するものであっても良い。
【0009】
なお、本発明では、ストップスイッチ無効化手段によりストップスイッチに対する操作が無効化されているとしても、ストップスイッチが操作されたこと自体は検知されるように形成されている。これにより、後述する報知手段による報知が可能となっている。
「所定条件」の具体例としては、様々な態様が考えられるが、例えば、経過時間を条件に用いる態様が考えられる。つまり、前回遊技から所定時間(例えば4.1秒のいわゆるウェイト時間)が経過しているかどうかや、スタートスイッチの操作から所定時間が経過しているか、などを条件として用いても良い。その他、経過時間を用いる態様に限らず、所定の演出が完了するまでを条件としても良い。また、回転リールの回転速度が一定になるまでを条件としても良い。
【0010】
「報知手段」は、ストップスイッチに対する操作が無効化されているにも関わらずストップスイッチのいずれかが操作されたときに、その旨を報知するためのものである。そして、本発明における報知手段は、ストップスイッチを操作した指に対して触覚的に体感可能に報知するものである。具体的には、例えば、ストップスイッチに孔を設け、この孔から空気を吸引もしくは吐出することにより、ストップスイッチを操作した指に対して触覚的に体感可能に報知することができる。この場合、ストップスイッチに設けられた孔、空気を吸引もしくは吐出するためのコンプレッサなどの装置、および、これらを制御するためのプログラム等で報知手段を形成することができる。また、他の態様として、ストップスイッチを振動させることにより、ストップスイッチを操作した指に対して触覚的に体感可能に報知する態様も考えられる。この場合は、振動を発生させる動力装置、および、これを制御するためのプログラム等で報知手段を形成することができる。
【0011】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
すなわち、前記報知手段170(51、200)は、前記複数のストップスイッチ50のそれぞれに設けられた吸引口51から空気を吸引することにより報知することを特徴とする。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
【0012】
すなわち、当選した役に入賞可能な操作順序として前記複数のストップスイッチ50の操作順序を決定することが可能であるとともに、その操作順序が報知される特別遊技を実行可能に形成されており、前記報知手段170(51、200)による報知は、前記特別遊技中に実行されることを特徴とする。
ここで、「特別遊技」は、当選した役に入賞可能なストップスイッチの操作順序が決定され、その操作順序が報知される遊技を意味している。すなわち、この特別遊技は、ストップスイッチの操作順序が報知されることにより入賞の可能性が高くなり、遊技者にとって有利な遊技とすることができるものである。具体的には、いわゆるAT(アシストタイム)遊技やART(アシスト・リプレイタイム)遊技などとして設けることができる。
【0013】
なお、特別遊技は所定の契機により開始するように形成することができる。例えば、特定の役への当選や入賞、当該当選や入賞からの所定ゲーム数の消化、役に係る抽選とは別の抽選で当選したしたこと、などが達成されたことにより開始するように形成することができる。
そして、この特別遊技中には、ストップスイッチに対する操作が無効化されているにも関わらずストップスイッチのいずれかが操作されたときに、その旨が報知手段により報知される。
ここで、報知手段による報知は、特別遊技中に実行されるものであれば良い。すなわち、特別遊技中にのみ報知が行われることとしても良いし、例えば演出として、特別遊技中以外においても報知が行われることとしても良い。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、無効なストップスイッチの操作が行われたときに、その旨が触覚的に体感可能に報知される。このため、遊技者が無効な操作を行ったことを直感的に認識できるという効果がある。
また、請求項2に記載の発明によれば、ストップスイッチのそれぞれに設けられた吸引口から空気が吸引されることにより、無効なストップスイッチの操作が行われたことが報知される。このため、遊技者は、ストップスイッチを操作した指がストップスイッチに吸いつけられ、再度ストップスイッチを操作しなければならないことが直感的に認識できるという効果がある。
【0015】
また、請求項3に記載の発明によれば、ストップスイッチの操作順序によって入賞の有無が決定される特別遊技の実行中に無効なストップスイッチの操作が行われたことが報知される。このため、特にストップスイッチの操作順序が重要な意味を持つ場合に報知が行われることとなり、遊技者に的確な報知を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの入力、出力および制御装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、ストップボタンの拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、吸引処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態であって、吸引処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施の形態を、遊技機としてのスロットマシン10を例に挙げ、図面を参照しつつ説明する。
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、図1に示すように、四角箱状の筐体11と、筐体11の正面側に開閉自在に取り付けられる前扉31を有する。この前扉31には、遊技者側に向かって臨む表示窓12が形成されており、さらに表示窓12には、三個の回転リール40の図柄を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。そして、前扉31の高さ方向略中央部は、手前側に張り出したカウンタ状の操作部31Aとなっており、スロットマシン10を作動させるための操作部31Aおよびメダル投入口14が設けられている。この操作部31Aには、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50などが設けられている。また、操作部31Aの下方には、下パネル31Bを挟んで、メダルを払い出すためのメダル払い出し口18と、メダル払い出し口18から払い出されたメダルを貯留可能な下皿31Cが設けられている。
【0018】
なお、スロットマシン10の内部には、図示しないが、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20(図4参照)が内蔵されている。
(制御装置20)
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、一個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAMおよびI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、遊技制御装置21、および演出制御装置22を構成する。
【0019】
なお、遊技制御装置21は、スタートスイッチ30およびストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転および停止を制御するためのものである。また、演出制御装置22は、ランプ68やスピーカ69等の演出部66を制御するためのものである。
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、図2に示すように、投入スイッチ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50が接続されている。
なお、入力段としては、上記した各入力装置に限定されるものではない。
(投入スイッチ15)
投入スイッチ15は、図1に示すように、メダル投入口14の下方に内蔵されたスイッチであって、投入された遊技メダルを検知するためのものである。
【0020】
(ベットスイッチ16)
ベットスイッチ16は、図1に示すように、操作部31Aの上面に位置するスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。
ここで、クレジットとは、次遊技以降に使用するためのメダルをあらかじめ遊技機内部に貯留しておくことであり、スロットマシン10は、メダル投入口14から投入され投入スイッチ15を通過した遊技メダルを、最大50枚まで、遊技機内部に貯留する扱いができるように形成されている。
(精算スイッチ17)
精算スイッチ17は、図1に示すように、操作部31Aの上面左端に位置するスイッチであって、クレジットされているメダルを払い戻すためのものである。
【0021】
(スタートスイッチ30)
スタートスイッチ30は、図1に示すように、操作部31Aの正面左側に位置するレバーであって、前遊技終了後、遊技メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、後述するリールユニット60の駆動を開始させるためのものである。
なお、「再遊技(Replay)」とは、当選抽選手段110の抽選により「リプレイ」に当選し、「リプレイ」の図柄が入賞有効ライン上に揃うことにより、次の遊技において、遊技メダルを新たに投入することなく、再度、遊技を行うことができるものである。
【0022】
(ストップスイッチ50)
ストップスイッチ50は、後述するリールユニット60の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、図1に示すように、各回転リール40に対応した三個のスイッチから構成され、各回転リール40の下方に一個ずつ配置されているものである。回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止するように設定されているものである。
以下、ストップスイッチ50の構造について説明する。なお、以下においては三個のストップスイッチ50のうちの一つを取り出して説明するが、他の二つのストップスイッチ50についても同様の構造である。
【0023】
図3は、本実施の形態に係るストップスイッチ50の拡大断面図である。この図3に示すように、本実施の形態に係るストップスイッチ50は、コイルばね52により付勢されて外側へ押し出されており、指により内側へ押圧可能に形成されている。そして、ストップスイッチ50が押圧されると、図示しないセンサがこれを検知し、操作信号を発生させ、この操作信号は後述するストップスイッチ無効化手段160に伝達される。
そして、ストップスイッチ50のそれぞれには、中心に吸引口51が設けられている。この吸引口51は、内部で空気を導くための管と連通しており、この管は後述するコンプレッサ200の吸込口に繋がっている。
【0024】
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ50を押下式としているが、これに限らず、例えばタッチセンサ等により操作を検知するものであっても良いことはもちろんである。
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、演出部66(画像表示部67およびランプ68およびスピーカ69)、の各パーツが接続されている。
なお、出力段としては、上記した各パーツに限定されるものではない。
(リールユニット60)
リールユニット60は、特に図示しないが枠体に固定或いは支持された三個のモータと、各々のモータの出力軸に固定された三個の回転リール40とから構成されている。そして、各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、複数個(例えば21個)の図柄が表示されている。
【0025】
(ホッパーユニット65)
ホッパーユニット65は、図1に示すように、筐体11の内部に配置されており、遊技の結果等に基づいてメダルを払い出すためのものである。
(コンプレッサ200)
コンプレッサ200は、図示しないが、筐体11の内部に配置されており、後述する吸引制御手段170の制御に従って吸引処理を実行するためのものである。具体的には、吸引制御手段170からの駆動制御信号を受け取ると、コンプレッサ200は吸引駆動を開始する。そして、この吸引駆動により、ストップスイッチ50の吸引口51から空気が吸引される。すなわち、コンプレッサ200の吸込口は、図示しない管によりストップスイッチ50の吸引口51と連通しているため、コンプレッサ200が吸引駆動を開始すると、ストップスイッチ50の吸引口51から空気が吸引されることとなる。
【0026】
なお、本実施形態に係るコンプレッサ200には、三個のストップスイッチ50に設けられた吸引口51のそれぞれと対応するように、三個の吸込口が設けられている。そして、この三個の吸込口のうちのいずれの吸込口から吸引を行うかを制御可能に形成されている。これにより、後述する吸引制御手段170が、いずれのストップスイッチ50に設けられた吸引口51から空気を吸引するかを制御可能に形成されている。
(演出部66)
演出部66は、演出制御装置22の制御により、入賞等の報知など、種々の演出を行うものである。具体的には、演出部66は、画像表示部67およびランプ68およびスピーカ69から構成されている。
【0027】
画像表示部67は、回転リール40の上方に設けられた窓部であり、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。なお、画像表示部67としては上記のものに限られず、例えば演出専用の回転リールを設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしても良い。
本実施形態では、この画像表示部67は、後述するAT遊技に関するストップスイッチ50の操作順序を報知するためのものとしても機能する。
そして、ランプ68およびスピーカ69は、発光体の点灯又は点滅、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
【0028】
(遊技制御装置21)
次に、遊技制御装置21について詳述する。
遊技制御装置21は、スロットマシン10の遊技全般を制御する装置であり、例えば、スタートスイッチ30およびストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転および停止を制御する。具体的には、この遊技制御装置21は、通常遊技制御手段70、特別遊技制御手段80、当選抽選手段110、リール制御手段130、ホッパー制御手段140、入賞判定手段150、ストップスイッチ無効化手段160、吸引制御手段170、の各手段として機能する。
なお、遊技制御装置21としては、上記した各手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
【0029】
(通常遊技制御手段70)
通常遊技制御手段70は、通常遊技を行わせるためのものである。
すなわち、メダルの投入若しくはベットスイッチ16の押下を条件に、または、「再遊技(Replay)」時には前遊技から所定時間経過を条件に、スタートスイッチ30を操作すると、リールユニット60が駆動され、三個の回転リール40が回転を開始する。
その後、ストップスイッチ50の一個を操作すると、当該対応する回転リール40の回転が停止する。
そして、ストップスイッチ50を三個全て操作し終わると、三個の回転リール40の回転が全て停止する。このとき、表示窓12の入賞有効ライン上に、予め設定された図柄61が停止すると、ホッパーユニット65を介して所定枚数のメダルが払い出される。
【0030】
当選には、入賞により遊技メダルを払い出す小役当選と、この小役当選よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特典当選と、遊技メダルの払い出しは無いが、遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行うことができる「リプレイ」当選とを備えている。また、前記小役当選には、入賞により払い出されるメダル数の異なる複数種類の当選役が設定されている。
そして、後述する当選抽選手段110による抽選の結果としていずれかの役に当選となった場合、その当選に対応した当選フラグが成立する。そして、抽選結果が特典当選である場合に、特典当選フラグが成立し、この特典当選フラグ成立中に、リールユニット60の回転リール40の停止図柄の組み合わせが、予め定められた所定の特典当選図柄(例えば、入賞有効ライン上に「7」が三個揃うもの)と一致したことを条件に特典入賞が発生し、遊技者に有利な特別遊技を行わせるように形成されている。
【0031】
また、いずれかの当選フラグが成立中に、対応する当選図柄を入賞有効ライン上に揃えることができるか否かは、回転リール40の回転速度が一定の場合、ストップスイッチ50のタイミングによるものである。具体的には、ストップスイッチ50を操作した後、190ms以内に回転リール40が停止するように設定されているため、ストップスイッチ50を操作した後、そのまま停止させるか、或いは190ms以内に停止可能な回転リール40の円周上の引き込み可能図柄、例えば停止図柄から連続する4個の引き込み可能図柄の中に、対応する入賞図柄が含まれているような場合には、停止するまでの時間を遅らせて、回転リール40は入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止する。一方、かかる4個の引き込み可能図柄の中に、対応する当選図柄が含まれていないような場合には、入賞有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止することができない。
【0032】
(特別遊技制御手段80)
特別遊技制御手段80は、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技を行わせるためのものである。つまり、本実施の形態に係る遊技機は、通常遊技と特別遊技とを備えていることにより、得られる利益の異なる複数の遊技状態を備えている。
そして、本実施形態に係る遊技機は、特別遊技としてAT(アシストタイム)遊技を備えている。AT遊技は、当選した役に入賞可能な操作順序として前記複数のストップスイッチ50の操作順序が決定され、その操作順序が報知されるものである。具体的には、本実施形態では、AT遊技中にある役に当選すると、その役は例えば「右、左、中」などの特定の順番でストップスイッチ50を操作した場合にのみ入賞するようになっている。そして、この「右、左、中」の押し順が画像表示部67によって報知される。このため、遊技者は、画像表示部67の報知に従ってストップスイッチ50を順に操作することにより、容易に入賞を得ることができるようになっている。
【0033】
(当選抽選手段110)
当選抽選手段110は、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選を行うためのものである。すなわち、予め定めた抽選確率に基づいて当選役に係る抽選を行うものである。そして、当選抽選手段110による抽選の結果、所定の当選役に当選である場合に当選フラグが成立し、この当選フラグ成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた当選図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
具体的には、当選抽選手段110は、乱数を所定の範囲内で発生させる乱数発生手段111、乱数発生手段111が発生する乱数をスタートスイッチ30の操作タイミングで抽出する乱数抽出手段112、乱数発生手段111が発生させる範囲内の各乱数が前記複数の役もしくは「ハズレ」のいずれと対応するかを定めた当選判定テーブル113、乱数抽出手段112が抽出した抽出乱数データと当選判定テーブル113とを照合して当選したか又は「ハズレ」かの判定を行うための当選判定手段114、などにより構成されている。
【0034】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、有効なスタートスイッチ30の操作信号に基づいて回転リール40を回転させると共に、特に図示しないがリール回転検知センサの検知信号に基づいて図柄の現在位置を認識しつつ、当選抽選手段110の抽選結果および有効なストップスイッチ50の操作タイミングに基づいて、回転リール40の停止を制御するためのものである。
具体的には、リール制御手段130は、投入スイッチ15が投入メダルを検知した場合、クレジットが「1」以上の場合、およびホッパーユニット65がメダルの払い出し中でないなど、所定の遊技開始条件を満たしている場合には、スタートスイッチ30の操作信号に基づくスタート信号(リールユニット60の駆動モータを駆動開始させるための信号)を出力し、回転リール40を回転させる。
【0035】
また、回転リール40が回転中にいずれかのストップスイッチ50が操作されると、ストップスイッチ50の操作信号に基づきストップ信号(リールユニット60の駆動モータを駆動停止させるための信号)を出力し、回転リール40の回転を停止させる。
なお、本実施形態に係る遊技機では、後述するストップスイッチ無効化手段160によりストップスイッチ50に対する操作が無効化されている場合には、上記したストップスイッチ50の操作信号はリール制御手段130へ出力されないようになっている。この点は後ほど詳述する。
なお、リール制御手段130は回転リール40を停止させる際、当選抽選手段110の抽選結果が「ハズレ」の場合には、三個の回転リール40の図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように制御を行い、抽選結果が所定の当選役に当選の場合には、三個の回転リール40の図柄が極力当該当選に係る入賞の態様となるように制御を行う。これは特典当選の場合でも同様であり、特典当選が発生したときには、この特典当選に係る特典入賞を極力発生させ得る制御を行う。また、AT遊技中に当選役に当選した場合には、この当選役が入賞することとなるストップスイッチ50の操作順序が決定されるため、決定された操作順序以外の順番でストップスイッチ50が操作された場合には、当該当選役に入賞しないように制御する。これらの制御は、ストップスイッチ50の操作信号受信とストップ信号出力のタイミングをずらして、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせることにより行われる。
【0036】
このように、リール制御手段130は回転リール40の停止制御を行うことにより、請求項に記載の停止制御手段を構成するものである。
(ホッパー制御手段140)
ホッパー制御手段140は、入賞判定手段150からの払い出し入賞信号、精算スイッチ17の操作信号、図示しない払い出しセンサからの信号などに基づいて、ホッパーユニット65を作動させ、メダルの払い出しを制御するためのものである。
(入賞判定手段150)
入賞判定手段150は、ストップスイッチ50の操作により三個の回転リール40が停止したときに、その表示態様に基づいて、入賞したか又は入賞なしかの判定を行うためのものである。具体的には、すべての回転リール40の回転が停止した際に、いずれかの有効入賞ライン上に所定の図柄配列が揃うことを条件として、当該図柄配列に対応した役に入賞したと判定するように形成されている。そして、入賞がメダル払い出しを伴う場合には、ホッパーユニット65に払い出し入賞信号を出力し、特典入賞の場合には、特別遊技制御手段80に特別遊技を開始させたりするためのものである。
【0037】
(ストップスイッチ無効化手段160)
ストップスイッチ無効化手段160は、所定条件を充足するまで前記複数のストップスイッチ50に対する操作を無効化するためのものである。具体的には、ストップスイッチ50が操作されたときに発生する操作信号をリール制御手段130に伝達するか否かを決定するプログラムとして構成されている。
更に具体的には、まず、いずれかのストップスイッチ50が操作されると、ストップスイッチ50の操作信号が発生され、ストップスイッチ無効化手段160へ出力される。この操作信号をストップスイッチ無効化手段160が受け取ると、ストップスイッチ無効化手段160は、所定条件を満たしているかを判定する。すなわち、前回遊技から所定時間(4.1秒のいわゆるウェイト時間)が経過しているか、および、回転リール40の回転速度が一定になっているか(すなわち加速中でないか)、を判定する。そして、所定条件を満たしている場合には、ストップスイッチ50の操作信号をリール制御手段130に出力すると決定し、逆に、所定条件を満たしていない場合には、ストップスイッチ50の操作信号をリール制御手段130に出力しないと決定する。このように、所定条件を満たしているか否かを判定することにより、ストップスイッチ50の操作信号がリール制御手段130に出力されるか否かが決定され、すなわち、ストップスイッチ50に対する操作が有効であるか無効であるかが決定されることとなる。
【0038】
なお、このストップスイッチ無効化手段160は、ストップスイッチ50の操作信号をリール制御手段130に出力しない場合には、後述する吸引制御手段170に対し、その旨を通知する。これにより、ストップスイッチ50に対する操作が無効化されているにも関わらず、ストップスイッチ50のいずれかが操作されたことを、吸引制御手段170が検知できるようになっている。
(吸引制御手段170)
吸引制御手段170は、前記複数のストップスイッチ50に対する操作が無効化されているにも関わらずストップスイッチ50のいずれかが操作されたときに、その旨を報知するためのプログラムとして形成されている。
【0039】
以下、吸引制御手段170の具体的な動作について説明する。
前述したように、所定条件を満たしていない場合には、ストップスイッチ無効化手段160は、ストップスイッチ50の操作信号をリール制御手段130に出力しないので、ストップスイッチ50に対する操作が無効化されることとなる。このとき、ストップスイッチ無効化手段160は、吸引制御手段170に対し、ストップスイッチ50に対する操作が無効化されているにも関わらずストップスイッチ50のいずれかが操作されたことを通知する。そして、この通知を受け取った吸引制御手段170は、この通知に基づき無効なストップスイッチ50の操作が行われたことを検知する。吸引制御手段170は、無効なストップスイッチ50の操作を検知すると、特別遊技中(すなわち、AT遊技中)であるかや、AT遊技における押し順が正しいかどうかなどの判定を行い、無効な操作が行われたことを報知するか否かを決定する(詳細は後述する)。この判定の結果、報知を行うべきであると決定すれば、前記コンプレッサ200を駆動させる。そして、コンプレッサ200が駆動すると、コンプレッサ200の吸込口と連通したストップスイッチ50の吸引口51から空気が吸引され、当該ストップスイッチ50を押下している遊技者の指がストップスイッチ50の吸引口51に吸いつけられることにより、無効なストップスイッチ50の操作が行われたことが報知される。
【0040】
なお、本実施形態においては、ストップスイッチ無効化手段160から吸引制御手段170へと通知される信号は、どのストップスイッチ50に対する操作が行われたかという情報を含んで構成される。これにより、吸引制御手段170は、無効な操作が行われたストップスイッチ50を特定することが可能となっている。そして、吸引制御手段170は、この無効な操作が行われたストップスイッチ50の吸引口51から空気が吸引されるようにコンプレッサ200を制御し、駆動させる。これにより、無効な操作が行われたストップスイッチ50の吸引口51からは空気が吸引される一方、他のストップスイッチ50の吸引口51からは空気が吸引されないこととなる。
【0041】
この吸引制御手段170は、前記したコンプレッサ200やストップスイッチ50の吸引口51とともに、請求項に言う「報知手段」を構成している。
(演出制御装置22)
演出制御装置22は、遊技制御装置21からの信号を受信して、ランプ68やスピーカ69等の演出部66を制御するためのものである。本実施形態では、この演出制御装置22がAT遊技中の押し順の報知を制御している。すなわち、演出制御装置22は、AT遊技中に役に当選したときに、特別遊技制御手段80が決定した当該役に入賞可能な操作順序を画像表示部67に表示する制御を行う。
【0042】
(スロットマシン10の作動)
続いて、スロットマシン10の作動の概略について説明する。
本実施形態に係るスロットマシン10は、メダル投入等の所定の遊技開始条件が満たされた後スタートスイッチ30が操作されることにより、スタートスイッチ30がONとなる。 スタートスイッチ30がONとなったことを契機として、当選抽選手段110により抽選処理が行われ、所定の役に当選したか否かが決定される。また、同時に回転リール40の回転が開始する。
そして、回転リール40の回転開始後にストップスイッチ50が操作されると、リール制御手段130により、回転リール40の回転停止処理が行われるが、これには以下の例外がある。
【0043】
すなわち、本実施形態においては、所定条件を満たしていない場合、ストップスイッチ無効化手段160によりストップスイッチ50に対する操作が無効化されている。よって、所定条件を満たしていない状態におけるストップスイッチ50の操作はリール制御手段130に伝達されず、この場合、回転リール40の回転停止処理は行われない。
そして、ストップスイッチ50に対する操作が有効となったのちにすべてのストップスイッチ50が操作された場合、すなわち、三個の回転リール40すべてが停止した場合、入賞判定手段150により、入賞したか否かが判定される。そして、入賞したと判定された場合、当選図柄に相当するメダルの払い出しや特別遊技の開始など、所定の入賞処理が行われる。
【0044】
(吸引処理)
次に、吸引処理について、図4のフローを参照しながら説明する。
この吸引処理は、ストップスイッチ50の押下が検出されたときに実行されるものである。
まず、図4に示すステップ200において、ストップスイッチ50の押下が検出される。このストップスイッチ50の押下が検出されると、図示しないセンサがこれを検知し、操作信号を発生させ、この操作信号は後述するストップスイッチ無効化手段160に伝達される。そして、ステップ201に進む。
【0045】
ステップ201では、ストップスイッチ無効化手段160が、ストップスイッチ50の操作信号を受け取る。そして、所定条件を充足したかを判定する。すなわち、前回遊技から所定時間(4.1秒のいわゆるウェイト時間)が経過したか、および、回転リール40の回転速度が一定になっているか、を判定する。
そして、所定条件を充足していないと判定すれば、吸引制御手段170に対して信号を出力し、ステップ202に進む。なお、この吸引制御手段170への信号は、どのストップスイッチ50に対して無効な操作が行われたかという情報を含んで構成されている。
一方、所定条件を充足していると判定すれば、ストップスイッチ50の操作信号をリール制御手段130に出力し、ステップ205に進む。この場合、リール制御手段130は回転リール40の回転停止処理を実行し、処理が終了する。
【0046】
ステップ202に進んだ場合、吸引制御手段170は、特別遊技中であるか、すなわち、AT遊技中であるかを判定する。そして、特別遊技中であると判定すれば、ステップ203に進む。特別遊技中でないと判定すれば、処理は終了する。
ステップ203に進んだ場合、吸引制御手段170は、押し順が正しいかどうか、すなわち、画像表示部67によって報知されている押し順どおりのストップスイッチ50が押下されたかを判定する。そして、押し順が正しいと判定すれば、ステップ204に進む。押し順が正しくないと判定すれば、処理は終了する。
そして、ステップ204に進んだ場合、吸引制御手段170は、無効な操作が行われたストップスイッチ50の吸引口51から空気が吸引されるように、コンプレッサ200を駆動させる。これにより、コンプレッサ200の吸込口から連通する管を介して、無効な操作が行われたストップスイッチ50の吸引口51から空気が吸引されるので、遊技者の指はストップスイッチ50に吸いつけられることとなる。
【0047】
以上のような処理が行われることにより、ストップスイッチ50に対する操作が無効化されているにも関わらずストップスイッチ50のいずれかが操作されたときに、その旨を報知することが可能となっている。しかも、その報知が、ストップスイッチ50のそれぞれに設けられた吸引口51から空気が吸引されるという態様で実行されるため、遊技者は無効な操作を行ったことを直感的に認識できるようになっている。
なお、上記フローチャートでは、ステップ203において、押し順が正しいかどうかを判定することとした。これは遊技者が意図的に正しくない押し順を選択した場合には報知を行わないこととしたためであるが、本発明の実施形態としては、特にこれに限るものではなく、押し順が正しくない場合でもコンプレッサ200の吸引駆動を開始するようにしても良い。
【0048】
また、本実施の形態に係るコンプレッサ200では、吸込口を三個のストップスイッチ50に設けられた吸引口51のそれぞれと対応するように三個設け、この三個の吸込口のうちのいずれの吸込口から吸引を行うかを切り替えることが可能に形成したが、これに限らない。すなわち、コンプレッサ200を駆動させると、ストップスイッチ50に設けられた吸引口51のすべてにおいて同時に吸引が開始されるように形成しても良い。
(変形例)
以下に、上記した実施形態の変形例を示す。なお、以下の変形例の説明においては、変更のある部分についてのみ説明し、上記した実施形態と同じ構成である部分については特に説明しない。
【0049】
本変形例は、コンプレッサ200による吸引駆動の開始タイミングを異なるものとしたことを特徴とするものである。すなわち、上記した実施形態では、コンプレッサ200による吸引駆動をストップスイッチ50の押下が検出されたときに開始するとしたが、これに代えて、コンプレッサ200による吸引駆動をスタートスイッチ30の押下により遊技が開始されたときに開始するようにしたものである。
(ストップスイッチ無効化手段160)
本変形例におけるストップスイッチ無効化手段160は、所定条件を充足するまで前記複数のストップスイッチ50に対する操作を無効化するためのものであり、具体的には、ストップスイッチ50が操作されたときに発生する操作信号をリール制御手段130に伝達するか否かを決定するプログラムとして構成されている点は、第1の実施の形態と同様である。
【0050】
しかしながら、第1の実施の形態と異なり、本変形例におけるストップスイッチ無効化手段160は、ストップスイッチ50の操作信号をリール制御手段130に出力しないことを決定した場合でも、吸引制御手段170に対する通知は行わない。この通知を行う代わりに、所定条件を充足したときに、その旨を吸引制御手段170に対し通知するように形成されている。
(吸引制御手段170)
本変形例における吸引制御手段170は、スタートスイッチ30の押下によりAT遊技が開始すると、前記コンプレッサ200の駆動を開始させる。そして、前記ストップスイッチ無効化手段160による通知に基づき、所定条件を満たしたことを検知し、前記コンプレッサ200の駆動を停止させることとを特徴とする。
【0051】
具体的には、スタートスイッチ30の押下が検出されると、遊技が開始されたことが吸引制御手段170に通知される。すると、吸引制御手段170は、当該開始された遊技がAT遊技であるか否かを判定し、AT遊技であればコンプレッサ200の吸引駆動を開始する。そして、この吸引駆動は所定条件を満たしたことがストップスイッチ無効化手段160により通知されるまで継続される。これにより、吸引制御手段170は、AT遊技が開始してから所定条件を満たすまで、ストップスイッチ50の吸引口51から空気が吸引されるようにコンプレッサ200を制御することができるようになっている。
(吸引処理)
次に、変形例に係る吸引処理について、図5のフローを参照しながら説明する。
【0052】
まず、図5に示すステップ300において、スタートスイッチ50の押下が検出される。これにより、回転リール40が回転を開始すると同時に、吸引制御手段170に対して回転リール40の回転開始が通知される。そして、ステップ301に進む。
ステップ301では、吸引制御手段170が回転リール40の回転開始を検知する。そして、特別遊技中であるか、すなわち、AT遊技中であるかを判定する。そして、特別遊技中であると判定すれば、ステップ302に進む。特別遊技中でないと判定すれば、処理は終了する。
ステップ302に進んだ場合、吸引制御手段170は、コンプレッサ200を駆動させる。具体的には、演出制御装置22からAT遊技に関する情報を取得することにより、当選した役に入賞可能なストップスイッチ50の操作順序において、最初に押下されるべきストップスイッチ50を特定する。そして、当該最初に押下されるべきストップスイッチ50に設けられた吸引口51から空気が吸引されるようにコンプレッサ200を制御して、駆動させる。そして、ステップ303に進む。
【0053】
ステップ303では、所定条件を充足したことがストップスイッチ無効化手段160から通知されるまで、吸引制御手段170が待機する。そして、ステップ304に進む。
ステップ304では、所定条件を充足したことがストップスイッチ無効化手段160から通知されたので、吸引制御手段170がコンプレッサ200の駆動を停止させる。そして、処理が終了する。
以上のような処理が行われることにより、ストップスイッチ50に対する操作が無効化されているにも関わらずストップスイッチ50のいずれかが操作されたときには、吸引制御手段170によるコンプレッサ200の吸引駆動が継続しているので、ストップスイッチ50に設けられた吸引口51から空気が吸引されており、遊技者はストップスイッチ50が無効であることを知ることができる。
【0054】
また、第1の実施の形態と異なり、このように形成すれば、例えばコンプレッサ200の吸引性能等の制限により、実効性のある吸引駆動を迅速に実行できない場合に発生する問題を解決できる。すなわち、予め吸引駆動を実行しているので、遊技者に対する報知が遅れてしまうという問題が発生することがない。
なお、上記フローチャートでは、ステップ302において、最初に押下されるべきストップスイッチ50に設けられた吸引口51から空気が吸引されることとした。これは遊技者が意図的に正しくない押し順を選択した場合には、その報知を行わないこととしたためであるが、本発明の実施形態としては、特にこれに限るものではなく、すべてのストップスイッチ50に設けられた吸引口51から空気が吸引されるように形成しても良い。
【符号の説明】
【0055】
10 スロットマシン 30 スタートスイッチ
40 回転リール 50 ストップスイッチ
51 吸引口(報知手段) 110 当選抽選手段
130 リール制御手段(停止制御手段) 150 入賞判定手段
160 ストップスイッチ無効化手段 170 吸引制御手段(報知手段)
200 コンプレッサ(報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を変動表示又は停止表示するための複数の回転リールと、
前記複数の回転リールの図柄を変動表示させるためのスタートスイッチと、
前記複数の回転リールそれぞれに対応して設けられ、対応する回転リールの図柄を停止表示させるための複数のストップスイッチと、
複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選を行う当選抽選手段と、
前記当選抽選手段の抽選結果と前記ストップスイッチの操作とに基づいて前記回転リールの図柄の停止表示に係る制御を行う停止制御手段と、
前記複数の回転リールが図柄を停止表示した際の表示態様に基づいて前記複数の役のいずれかに入賞したか又は入賞しなかったかの判定を行う入賞判定手段と、
所定条件を充足するまで前記複数のストップスイッチに対する操作を無効化するストップスイッチ無効化手段と、
前記複数のストップスイッチに対する操作が無効化されているにも関わらず前記複数のストップスイッチのいずれかが操作されたときに、その旨を報知する報知手段と、
を備え、
前記報知手段は、前記ストップスイッチを操作した指に対して触覚的に体感可能に報知することを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記報知手段は、前記複数のストップスイッチのそれぞれに設けられた吸引口から空気を吸引することにより報知することを特徴とする、請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
当選した役に入賞可能な操作順序として前記複数のストップスイッチの操作順序を決定することが可能であるとともに、その操作順序が報知される特別遊技を実行可能に形成されており、
前記報知手段による報知は、前記特別遊技中に実行されることを特徴とする、請求項1又は2記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−220798(P2010−220798A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71147(P2009−71147)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】