説明

遊技機

【課題】可動演出役物装置と、該可動演出役物装置を制御する演出制御手段によって、普通図柄遊技に係る抽選の当否結果と変動表示を示唆すると共に、電動チューリップの開閉タイミングを示唆する視線誘導装置を有する遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機1の盤面上に配設される可動演出役物装置は、所定の通路12に沿って移動可能及び回動可能な星型のポインタ11からなる視線誘導装置10を有する。通路終端12bは電動チューリップ14に近接配置されている。そして、示唆パターンにしたがって動作するポインタ11は、普通図柄遊技に係る変動表示と抽選の当否結果を示唆する。ポインタ11の移動動作は、普通図柄遊技に係る抽選の当否結果を示唆し、ポインタ11の回動動作は、普通図柄遊技に係る変動表示を示唆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に演出制御手段で制御される可動演出役物装置によって、普通図柄遊技に係る抽選の当否結果及び変動表示を演出する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機は、該遊技機の盤面へ打ち出した遊技球を第1始動口へ入球させたとき、特賞の抽選が行われている。当該抽選の結果、特賞に当選したとき、大入賞口に入球した遊技球に応じて所定数の賞球が払い出されている。同時に、遊技機の盤面へ打ち出した遊技球がゲートを通過したときにもまた抽選が行われている。このときの抽選に当選すると電動チューリップが開放される。前者の抽選による遊技を特別図柄遊技といい、後者の抽選による遊技を普通図柄遊技という。
特別図柄遊技は、先の当選の際に設定された確変や時短といった、より当選確率の高い遊技状態が、後の当選に係る遊技状態に引き継がれる場合がある。そのため、確変遊技状態や時短遊技状態がしばらく連続して続くことがあるように構成されている。
そして、電動チューリップ内には、特別図柄遊技に係る第2始動口が設けられている。当該第2始動口に遊技球が入球すると、特別図柄遊技は、当選確率の高い遊技状態へ容易に移行する可能性が与えられる。
【0003】
また、一般的な遊技機において遊技球は、打ち出された後に盤面左側の領域を通過している。
しかし、盤面右側の領域へ玉を打ち出す、いわゆる「右打ち」といった特殊な打ち方によって、遊技球を大入賞口や電動チューリップへ入球させる遊技機が一部にある。
このような特殊な打ち方は、一般的な打ち方と異なることから、当該「右打ち」状態に移行したとき、開放される大入賞口或いは電動チューリップを遊技者に示して、当該遊技者に当選していること報知する必要がある。
【0004】
また、遊技機の盤面上には、遊技球の向きを変化させる釘や風車の他に、種々の演出役物装置が配設されている。当該演出役物装置は、パチンコ遊技中、当選するか否かといった遊技者の期待感を高めるように動作する。さらに当該演出役物装置のうち、画像表示器は、近年大画面化しつつある液晶画面を具備し、特別図柄遊技或いは普通図柄遊技と連動してリーチや当選予告、大当たり等を示す動画を表示し、可動演出役物装置は、制御手段によって制御される動作パターンにしたがって、動作している。
【0005】
図柄表示器とは、液晶やドット、セグメント表示器等からなり、普通図柄遊技に係る普通図柄表示器と特別図柄遊技に係る特別図柄表示器がある。図柄表示器に表示される図柄とは、普通図柄遊技に係る抽選の当否結果及び変動表示を示す図柄並びに特別図柄遊技に係る抽選の当否結果及び変動表示を示す図柄をいう。
上記のように図柄表示、抽選、変動表示等のパチンコ遊技の中核は、遊技制御手段で実行されている。対して、画像表示器にリーチ予告等を表示したり、ランプ等を点滅させたり、可動装飾装置類を動作させたりする等の演出役物装置の動作は、演出制御手段で実行されている。
【0006】
ここで、特開2000−325598号公報に開示されている遊技機は、普通図柄表示器の普通図柄の変動が開始されたときから、普通電動役物が不利な状態から有利な状態に変化するまでの経過時間を報知する経過時間報知手段を備え、普通図柄表示器の普通図柄の変動後に、当たり図柄が確定表示されると、不利な状態から有利な状態へ移行する普通電動役物を有している。
そして、前記経過時間報知手段で報知される経過時間から、「当たり」状態になるタイミングを予測させて、当該タイミングにあわせて普通電動役物の入賞口に遊技球を入賞させて賞球の払い出しを受けることにより、新たに遊技球を補給することができ、長時間にわたってパチンコを続けることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−325598号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】平成18年度 標準技術集 遊技機及びその関連技術(http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu.htm)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1で開示された遊技機の経過時間報知手段は、配設された位置と表示される経過時間の情報に基づいて以下のような問題が生じるおそれがある。
先ず、経過時間報知手段が遊技者に正確に認識されず、単なる演出の一環として看過されるおそれがある。
これは、経過時間報知手段が液晶画面周辺に配設されていることと、当該液晶画面上にリーチ予告や大当たり等を示す動画及び保留球の残存個数が表示されていることにより、液晶画面周辺に様々な情報が集約表示されて、遊技者に対して優先的に報知したい情報が曖昧になってしまうことによる。
次に、経過時間報知手段を遊技者が正確に認識している場合であっても、電動チューリップ等の普通図柄の入賞口が開放するタイミングを計りにくいというおそれがある。
これは、経過時間報知手段は、電動チューリップが開放されるまでの経過時間を液晶画面周辺で棒グラフ状に表示しているが、当該棒グラフが電動チューリップの近傍に配されていないので、遊技者が電動チューリップに視線を集中させることができないことによる。
【0010】
そこで、上記課題を解決しようとする本発明は、可動演出役物装置と、該可動演出役物装置を制御する演出制御手段によって、普通図柄遊技に係る抽選の当否結果と変動表示を示唆すると共に、電動チューリップの開閉タイミングを示唆する視線誘導装置を有する遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の遊技機は、遊技球の通過を検知する検知手段を有する第1始動口及び第2始動口並びにゲートと、
前記第1始動口又は前記第2始動口へ入球した前記遊技球による抽選が当選したとき、所定条件の下で開閉する大入賞口と、
前記ゲートを通過した前記遊技球による抽選が当選したときに拡開する電動チューリップと、
前記遊技球を前記ゲートに通過させて抽選し、該抽選が当選か否かで前記電動チューリップを開閉させる普通図柄遊技に関し、該普通図柄遊技の抽選の当否結果に係る図柄及び前記普通図柄遊技の変動表示に係る図柄を表示する表示手段を有する普通図柄表示器と、
前記検知手段で検知された遊技球の抽選結果に基づく遊技全般を制御する遊技制御手段及び当該遊技全般に係る演出を制御する演出制御手段を備えた制御基板と、
動作パターンが前記演出制御手段で制御される可動演出役物装置と、
を有し、
前記遊技制御手段は、
前記普通図柄遊技と、
前記大入賞口を開閉して、所定の当選確率に設定された複数の遊技状態のうちの一つへ移行する特別図柄遊技とを制御し、
該特別図柄遊技に係る遊技状態の下で、前記普通図柄遊技に係る遊技の当選確率、前記普通図柄表示器に表示する前記変動表示に係る図柄の表示時間、及び前記電動チューリップの開閉時間を制御し、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄遊技に係る演出及び前記普通図柄遊技に係る演出とを制御すると共に、
前記可動演出役物装置を制御して、
前記特別図柄遊技に係る所定の遊技状態に応じて、前記普通図柄遊技に係る演出を制御する遊技機であって、
前記普通図柄遊技の抽選の当否結果に係る図柄及び前記普通図柄遊技の変動表示に係る図柄を示唆する示唆パターンを形成し、
該示唆パターンにしたがって、前記可動演出役物装置を前記演出制御手段で制御するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の発明において、前記可動演出役物装置に、所定の通路に沿って移動可能なポインタからなる視線誘導装置を含み、
前記通路の終端は、電動チューリップに近接して配置され、
前記ポインタは、前記演出制御手段で制御される所定の示唆パターンにしたがって、前記通路上を移動すると共に、
該示唆パターンで、前記普通図柄遊技に係る抽選の当否結果を示唆するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1若しくは請求項2に記載の発明において、前記普通図柄遊技に係る前記抽選の結果が当たりである場合、
前記示唆パターンとして、
前記ポインタは、前記電動チューリップの近傍に配した前記通路の終端に向かって移動し、当該通路の終端で停止するようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記普通図柄遊技に係る前記抽選の結果がハズレである場合、
前記示唆パターンとして、
前記ポインタは、前記通路の終端に向かって移動し、当該通路の途中で一旦移動を停止してから、前記通路の始端に戻るようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の遊技機は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、前記普通図柄遊技に係る前記変動表示が開始されたとき、
前記示唆パターンとして、
前記ポインタは、回動を開始するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の遊技機によれば、普通図柄遊技の抽選の当否結果に係る図柄及び普通図柄遊技の変動表示に係る図柄を示唆する示唆パターンにしたがって、可動演出役物装置を演出制御手段で制御するようにした。
これにより、遊技盤面上に配置した電動チューリップの位置に応じて、普通図柄遊技に係る演出を行う可動演出役物装置を配置し、該可動演出役物装置の動作によって、普通図柄遊技の変動表示の終了までの時間を示唆し、該普通図柄遊技の抽選の当否結果を遊技者に対して示唆することができる。
【0017】
請求項2に記載の遊技機によれば、可動演出役物装置に、終端が電動チューリップに近接して配置された所定の通路に沿って移動可能なポインタからなる視線誘導装置を備えて、演出制御手段で示唆パターンを制御して、該示唆パターンにしたがってポインタが通路上を移動すると共に、示唆パターンで普通図柄遊技の抽選の当否結果と普通図柄遊技の変動表示を示唆するようにした。
これにより、ポインタは、遊技者に対して普通図柄遊技の変動表示の変動時間と、普通図柄遊技の抽選の当否結果を示唆することができる。
【0018】
請求項3に記載の遊技機によれば、普通図柄遊技に係る抽選の結果が当たりである場合に、ポインタが通路の終端に向かって移動し、当該通路の終端で停止するようにした。
これにより、ポインタは、普通図柄遊技に係る抽選が当選したことを遊技者に知らせることができる。また、ポインタが通路終端に到達するときに合わせて、遊技球を電動チューリップに向けて打ち出すことにより、遊技者は、電動チューリップへ入球させるタイミングを計ることができる。
【0019】
請求項4に記載の遊技機によれば、普通図柄遊技に係る抽選の結果がハズレである場合に、ポインタは、通路の終端に向かって移動し、当該通路の途中で一旦移動を停止してから、通路の始端に戻るようにした。
これにより、ポインタは、普通図柄遊技に係る抽選がハズレたことを遊技者に知らせることができる。
【0020】
請求項5に記載の遊技機によれば、普通図柄遊技に係る変動表示が普通図柄表示器で表示開始されたときに、ポインタが回動を開始するようにした。
これにより、ポインタは、遊技者の視線を電動チューリップ周辺に誘導することができる。また、ポインタは、普通図柄遊技に係る抽選の結果に関して遊技者に期待感を抱かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施例に係る視線誘導装置を有する遊技機の盤面の概略構成を示す平面図である。
【図2】本実施例に係る視線誘導装置の概略構成を示す部分拡大斜視図である。
【図3】本実施例に係る視線誘導装置を拡大して示した部分拡大平面図である。
【図4】本実施例に係る遊技機の制御基板の構成の概略を示すブロック図である。
【図5】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段のうち、タイマ割込処理の概略を示すフローチャート図である。
【図6】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段のうち、始動口スイッチ処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図7】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段のうち、特別図柄処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図8】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段であって、特別図柄処理に係る大当たり判定処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図9】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段であって、特別図柄処理に係る変動パターン選択処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図10】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段であって、特別図柄処理に係る停止中処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図11】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段のうち、大入賞口処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図12】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段であって、大入賞口処理に係る遊技状態設定処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図13】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段のうち、ゲートスイッチ処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図14】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段のうち、普通図柄処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図15】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段のうち、電動チューリップ処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図16】遊技制御基板で実行されている遊技制御手段であって、電動チューリップ処理に係る開閉動作パターン選択処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図17】演出制御基板で実行されている演出制御手段の概略構成を示すフローチャート図である。
【図18】演出制御基板で実行されている演出制御手段のうち、受信コマンド処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【図19】演出制御基板で実行されている演出制御手段であって、受信コマンド処理に係る演出役物装置及び視線誘導装置の動作パターン選択処理の概略構成を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための形態を有する遊技機1は、図1に示したように、当該遊技機1の盤面上に配設される視線誘導装置10を有する。該視線誘導装置10は、所定の通路12に沿って移動可能及び回動可能な星型のポインタ11からなり、演出制御手段で制御される可動演出役物装置のうちの一つである。前記通路終端12bは電動チューリップ14に近接配置されている。
また、遊技機1は、演出制御手段を備えた演出制御基板を有している。演出制御手段で制御される示唆パターンにしたがって、視線誘導装置10のポインタ11は、回動すると共に通路12上を移動する。
該示唆パターンとしては、普通図柄遊技に係る変動表示をポインタ11の回動動作で示唆するパターンが設けられ、普通図柄遊技に係る抽選の当否結果をポインタ11の通路12上の移動動作で示唆するパターンが設けられている。
【実施例1】
【0023】
本実施例に係る遊技機を、添付した図面にしたがって、以下説明する。図1には、視線誘導装置を有する遊技機の盤面構成の概略を示した盤面図を示す。また、図2には、当該視線誘導装置部分を拡大して示した部分拡大図を示す。さらに、図3には、視線誘導装置による示唆パターンを示した部分拡大図を示す。
【0024】
遊技機1は、図1に示すように、盤面中央に画像表示器53が配されている。該画像表示器53の右側に本実施例に係る視線誘導装置10、並びにゲート13及び電動チューリップ14が配されている。
また、画像表示器53の下方には、第1始動口15と大入賞口16が配されている。
なお、図示を省略したが、演出役物装置として、遊技機1の枠体には枠ランプ55が、盤面上には盤ランプ56が配され、遊技機1の盤面には、釘が適宜配されている。さらに、電動チューリップ14内には、第2始動口17が配されている。
また、遊技機1の盤面右下には、第1特別図柄表示器42、第1特別図柄保留数表示器45、第2特別図柄表示器43、第2特別図柄保留数表示器46、普通図柄表示器44及び普通図柄保留数表示器47がまとめられた表示器ユニット20が配設されている。
【0025】
本実施例に係る視線誘導装置10は、星型状に形成されているポインタ11と、通路12とからなる。
通路12は、図1に示したように、画像表示器53の右下角部に配されており、その通路始端12aは第1始動口15側に配され、通路終端12bは、電動チューリップ14に近接して配されている。
ポインタ11は、図2に示すように、回動可能にロッド11aで軸支され、該ロッド11aは、基端がポインタ回動用モータ11bに取り付けられている。これにより、ポインタ11は、回動することができる。
また、ロッド11aは、通路ラック12cの一端に取り付けられている。通路ラック12cの上端に形成した歯は、通路ピニオン12dの円周に沿って形成した歯と歯合している。該通路ピニオン12dはポインタ移動用モータ12eで回動可能に軸支され、裏面側に回動を制限するストッパ12fが配されている。これにより、ポインタ11は、通路12に沿って移動することができる。
さらに、ポインタ回動用モータ11bとポインタ移動用モータ12eの回動は、後述する遊技制御手段に基づく演出制御手段で、それぞれ制御されている。
【0026】
上記構成を有する視線誘導装置10のポインタ11は、後述する演出制御手段で制御される示唆パターンにしたがって、回動及び移動する。当該示唆パターンを、添付した図3にしたがって、以下説明する。
ポインタ11が、回動を停止し、及び通路始端12aで移動を停止している状態を図3(a)に示す。
ポインタ11が、回動し、通路終端12bで移動を停止した状態を図3(b)に示す。このとき、電動チューリップ14が開閉動作している。
ポインタ11が、回動し、通路12の途中で一旦移動を停止した状態を図3(c)に示す。
ポインタ11が、回動し、通路始端12aで移動を停止している状態を図3(d)に示す。
【0027】
普通図柄遊技に係る変動表示が開始されたとき、ポインタ11は、回動を開始する。これによって、ポインタ11は、普通図柄遊技に係る変動表示が開始されたことを示唆する。
一方、普通図柄遊技に係る抽選の当否結果は、以下に示すように、ポインタ11の移動動作の相違によって示唆される。
なお、ポインタ11の移動動作と回動動作は別個独立に制御されているので、移動が停止した場合であっても回動は維持される。
【0028】
(1)時短又は確変状態のときに普通図柄遊技に係る抽選が当選した場合
この場合は、図3(a)に示す位置から図3(b)に示す位置に向かって、ポインタ11は移動する。
本実施例において、ポインタ11は、普通図柄遊技に係る変動表示の開始と共に回動しながら、電動チューリップ14に向かって、通路始端12aから通路終端12bまでを1.5秒で移動する。
そして、ポインタ11が通路終端12bに到達した時と略同時に、電動チューリップ14が3回開閉する。電動チューリップ14が開放されている時間は1.8秒である。
電動チューリップ14の開閉動作の終了と同時に、ポインタ11は通路始端12aに戻る(以下「パターンA」という)。
【0029】
(2)通常又は潜確状態のときであって、当選確率の低い普通図柄遊技に係る抽選に当選した場合
この場合は、図3(a)に示す位置から図3(d)の状態を経由して図3(b)に示す位置に向かって、ポインタ11は移動する。
本実施例において、ポインタ11は、普通図柄遊技に係る変動表示の開始と共に通路始端12aで回動を開始する(図3(d))。このとき、ポインタ11は移動していない。
その後、ポインタ11は、通路始端12aから通路終端12bまで移動する。
通路始端12aで回動を開始してから、通路終端12bに到達するまでの時間は全体で4秒に設定されている。
そして、ポインタ11が通路終端12bに到達した時と略同時に、電動チューリップ14が1回だけ開く。電動チューリップ14が開放されている時間は1.8秒である。
電動チューリップ14の開閉動作の終了と同時に、ポインタ11は通路始端12aに戻る(以下「パターンB」という)。
【0030】
(3)通常又は潜確状態のときであって、当選確率の高い普通図柄遊技に係る抽選に当選した場合
この場合は、図3(a)に示す位置から図3(c)の状態を経由して図3(b)に示す位置に向かって、ポインタ11は移動する。
本実施例において、ポインタ11は、普通図柄遊技に係る変動表示の開始と共に通路始端12aから回動しながら、通路12の途中まで移動して一旦停止する(図3(c))。
その後、ポインタ11は、通路終端12bまで移動する。
通路始端12aで回動を開始してから、通路終端12bに到達するまでの時間は全体で4秒に設定されている。また、図3(a)に示す位置から、図3(c)の状態までは、2秒乃至3秒間に設定されている。
そして、ポインタ11が通路終端12bに到達した時と略同時に、電動チューリップ14が1回だけ開く。電動チューリップ14が開放されている時間は0.15秒である。
電動チューリップ14の開閉動作の終了と同時に、ポインタ11は通路始端12aに戻る(以下「パターンC」という)。
【0031】
(4)普通図柄遊技に係る抽選に外れた場合
この場合、図3(a)に示す位置から図3(c)に示す状態を経て、図3(a)に示す位置に向かって、ポインタ11は移動する。
本実施例において、ポインタ11は、普通図柄遊技に係る変動表示の開始と共に通路始端12aから回動しながら、通路12の途中まで移動して一旦停止する(図3(c))。
その後、普通図柄遊技に係る変動表示の終了までに、ポインタ11は通路始端12aに戻る。
通路始端12aで回動を開始してから、再度通路始端12aに戻るまでの時間は、全体で4秒に設定されている。また、図3(a)に示す位置から、図3(c)の状態までは、2秒乃至3秒間に設定されている。(以下「パターンD」という)。
【0032】
上記のように、示唆パターンのパターンA乃至パターンDにしたがって、ポインタ11は、普通図柄遊技に係る変動表示を回動動作によって示唆し、普通図柄遊技に係る抽選の当否結果を移動動作によって示唆する。
パターンAの場合、ポインタ11が通路終端12bまで1.5秒で素早く移動するので、ポインタ11が通路終端12bに到達した時、電動チューリップが3回開閉することを遊技者に推測させることができる。
そのため、遊技者は、ポインタ11が通路終端12bに到達するタイミングに合わせて遊技球を電動チューリップ14に向けて打ち出すことができる。
【0033】
また、ポインタ11が途中で止まらずに通路終端12bに到達するパターンBの場合、ポインタ11は、電動チューリップ14が比較的長く解放されることを遊技者に推測させることができる。
一方、パターンC及びパターンDで示したように、ポインタ11が通路12の途中で一旦停止する場合、ポインタ11が、通路12の途中で移動を停止したとき、その後通路終端12bに向かってポインタ11が移動すれば、普通図柄遊技に係る抽選に当選したことが判明し、対して、通路始端12aに向かってポインタ11が戻れば、普通図柄遊技に係る抽選に落選したことが判明する。このとき、図3(c)に示したように、ポインタ11が一旦停止することにより、遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0034】
本実施例に係る視線誘導装置10を有する遊技機1は、以下のように制御され、ポインタ11の示唆パターンを制御する演出制御手段は、普通図柄遊技に係る遊技と特別図柄に係る遊技を制御する遊技手段によって制御されている。
遊技機1の制御方法を、添付した以下の図面にしたがって説明する。
【0035】
図4は遊技機1の制御基板と、該制御基板に制御される装置等の構成を示したブロック図である。
遊技機1の制御基板は、遊技制御基板25、払出制御基板26、演出制御基板27、画像制御基板28、ランプ制御基板29、及び外部情報端子基板30の各基板から構成されている。
【0036】
遊技制御基板25は、中央演算装置(以下「CPU」という)25aと、ランダムアクセスメモリ(以下「RAM」という)25bと、リードオンリーメモリ(以下「ROM」という)25cとを有し、遊技に係る抽選を制御すると共に、当該抽選に当選したか否かを判定して、遊技状態を制御する遊技制御手段が設けられている。
【0037】
遊技制御基板25は、入出力端子を有している。遊技制御基板25の入出力双方向端子には払出制御基板26が接続されている。遊技制御基板25の入力端子には、スイッチが接続され、遊技制御基板25の出力端子には、演出制御基板27並びにソレノイド、図柄表示器及び保留数表示器が接続されている。
【0038】
遊技制御基板25の入力端子に接続されるスイッチは、第1始動口スイッチ35、第2始動口スイッチ36、ゲートスイッチ37、大入賞口スイッチ38、一般入賞口スイッチ39からなり、各スイッチ35,36,37,38,39は、それぞれ遊技球の通過を検知する検知手段を有している。
第1始動口スイッチ35及び第2始動口スイッチ36並びにゲートスイッチ37は、遊技球の入球を検知した検知信号を遊技制御基板25に送信する。当該検知信号を遊技制御基板25が受信した時、それぞれ、第1特別図柄遊技、第2特別図柄遊技、普通図柄遊技に係る抽選が行われる。
また、大入賞口スイッチ38及び一般入賞口スイッチ39は、遊技球の入球を検知した検知信号を遊技制御基板25に送信する。当該検知信号を遊技制御基板25が受信した場合、遊技制御基板25から賞球の払出信号が払出制御基板26に対して送信される。
当該払出信号を払出制御基板26が受信したとき、賞球の払い出しが行われる。
【0039】
遊技制御基板25の出力端子に接続されるソレノイドは、大入賞口ソレノイド40と、電動チューリップソレノイド41とからなる。
大入賞口ソレノイド40は、第1特別図柄遊技又は第2特別図柄遊技に係る抽選の結果が「大当たり」であったとき、遊技制御基板25から送信される大入賞口16の開閉動作の制御信号にしたがって、大入賞口16に設けたソレノイド(図示略)を作動させて大入賞口16を開閉させる。大入賞口16の開閉時間は、大当たり図柄乱数のうち、長当たり図柄に分類される乱数と、短当たり図柄に分類される乱数とで、異なるように設定されている。
電動チューリップソレノイド40は、普通図柄遊技に係る抽選の結果が「当たり」であったとき、遊技制御基板25から送信される電動チューリップ14の開閉動作の制御信号にしたがって、電動チューリップ14に設けたソレノイド(図示略)を作動させて電動チューリップ14を開閉させる。電動チューリップ14の開閉時間は、「当たり」になったとき、並行して行われている特別図柄遊技に係る遊技状態によって異なるように設定されている。
電動チューリップソレノイド40の開閉動作の制御信号はまた、遊技制御基板25から演出制御基板27を介してランプ制御基板29にも送信されている。
これにより、本実施例に係る視線誘導装置10のポインタ11は、電動チューリップ14が開くタイミングに合わせて、通路終端12bに到達することができる。
【0040】
遊技制御基板25の出力端子に接続される図柄表示器は、例えば、液晶やドット、セグメントからなる表示部を有し、液晶やドット、セグメントの点滅を組み合わせて、変動表示又は遊技に係る抽選の当否結果を表示している。
図柄表示器は、第1特別図柄遊技に係る変動表示及び抽選の当否結果を表示する第1特別図柄表示器42と、第2特別図柄遊技に係る変動表示及び抽選の当否結果を表示する第2特別図柄表示器43と、普通図柄遊技に係る変動表示及び抽選の当否結果を表示する普通図柄表示器44とからなる。
【0041】
第1特別図柄表示器42は、第1始動口15に遊技球が入球した時に抽選された第1特別図柄遊技に係る抽選の結果に基づいて、当否を示す特定の図柄と、当該特定の図柄が表示されるまでランダムに明滅する変動表示の図柄が表示される。
第2特別図柄表示器43は、第2始動口17に遊技球が入球した時に抽選された第2特別図柄遊技に係る抽選の結果に基づいて、当否を示す特定の図柄と、当該特定の図柄が表示されるまでランダムに明滅する変動表示の図柄が表示される。
普通図柄表示器44は、ゲート13を遊技球が通過した時に抽選された普通図柄遊技に係る抽選の結果に基づいて、当否を示す特定の図柄と、当該特定の図柄が表示されるまでランダムに明滅する変動表示の図柄が表示される。
本実施例に係る視線誘導装置10のポインタ11は、普通図柄表示器44に表示される普通図柄遊技に係る抽選の結果と普通図柄遊技に係る変動表示に連動するように構成されている。
ポインタ11は、普通図柄遊技に係る抽選の結果を通路12上の移動及び当該移動の停止によって示唆し、普通図柄遊技に係る変動表示を回動によって示唆する。
【0042】
遊技制御基板25の出力端子に接続される保留数表示器は、例えば、液晶やドット、セグメントからなる表示部を有し、液晶やドット、セグメントの点滅を組み合わせて保留球の残数が表示される。
ここで、第1始動口15又は第2始動口17へ入球した遊技球は、特別図柄遊技に係る抽選の権利を有し、ゲート13を通過した遊技球は、普通図柄に係る抽選の権利を有している。
しかし、始動口15,17やゲート13へ入球した遊技球の抽選の結果に応じて、図柄表示器42,43,44で所定時間変動表示が行われることから、次々に入球した遊技球は、入球と同時に抽選されるものの、当該抽選の当否結果に係る処理は保留される。保留球とは、特別図柄遊技或いは普通図柄遊技に係る抽選の権利を保留している遊技球をいい、先の抽選に係る変動表示と当否結果に係る処理が終了するまで、特別図柄遊技或いは普通図柄遊技に係る抽選に伴う処理が順番待ちとなっている遊技球をいう。
保留数表示器は、第1特別図柄遊技に係る保留球が表示される第1特別図柄保留数表示器45と、第2特別図柄遊技に係る保留球が表示される第2特別図柄保留数表示器46と、普通図柄遊技に係る保有球が表示される普通図柄保留数表示器47とからなり、それぞれ4個の保留球を表示することができる。
【0043】
払出制御基板26は、CPU26a、RAM26b、ROM26cを有し、当選したときの賞球の払出を制御する払出制御手段が設けられている。
遊技制御基板25と払出制御基板26との間では、遊技に係るデータの双方向通信がなされている。
また、遊技制御基板25と払出制御基板26は、外部情報端子基板30に接続されている。
外部情報端子基板30は、外部に情報を送信するための出力端子であるコネクタが複数個配設されている。
【0044】
払出制御基板26は、入出力端子を有している。払出制御基板26の入出力双方向端子には遊技制御基板25が接続されている。払出制御基板26の入力端子には、払出球検出スイッチ48と、球有り検出スイッチ49と満タン検出スイッチ50が接続され、払出制御基板26の出力端子には、賞球を払い出すための払出駆動モータ51が接続されている。
払出球検出スイッチ48は、払い出した賞球を検知して個数をカウントし、球有り検出スイッチ49と満タン検出スイッチ50は、遊技機に適正な個数の遊技球がストックされているか否かを検知している。
【0045】
演出制御基板27は、CPU27a、RAM27b、ROM27cを有し、遊技に係る演出を全般にわたって制御する演出制御手段が設けられている。
本実施例において、演出制御基板27に設けた演出制御手段は、遊技制御基板25に設けた遊技制御手段に制御されている一方、画像制御基板28に設けた画像制御手段と、ランプ制御基板29に設けたランプ制御手段を総合的に制御している。
なお、本実施例のように、演出制御基板27と画像制御基板28又はランプ制御基板29とを分けて、演出制御手段が、画像制御手段又はランプ制御手段を制御しても良く、また、演出制御基板27に設けた演出制御手段で直接的に画像表示器或いは可動演出役物装置等を制御しても良い。
【0046】
演出制御基板27は、入出力端子を有している。演出制御基板27の入出力双方向端子には、画像制御基板28が接続されている。演出制御基板27の入力端子には、遊技制御基板25及び演出ボタン52が接続され、出力端子には、ランプ制御基板29が接続されている。
演出ボタン52は、遊技球を用いた特別図柄遊技又は普通図柄遊技に係る抽選とは関係のない演出に用いられる演出役物装置であって、例えば、簡単なゲーム等のための操作ボタンとして遊技者に当該ゲームへの参加を促すために用いられている。
【0047】
画像制御基板28は、CPU28a、RAM28b、ROM28cを有し、画像表示器上で表示される画像を制御する画像制御手段が設けられている。
画像制御基板28は、入出力端子を有している。画像制御基板の入出力双方向端子には、演出制御基板27が接続されている。画像制御基板28の出力端子には、画像表示器53とスピーカー54が接続されている。
画像表示器53は、例えば液晶、プラズマ、有機EL等からなる表示部を有し、演出制御基板に設けられた演出制御手段で制御される画像制御手段にしたがって、該表示部には所定の画像が表示されている。
【0048】
ランプ制御基板29は、CPU29a、RAM29b、ROM29cを有し、画像表示器以外の演出役物装置、例えば、遊技機1の枠体に配された枠ランプ55、遊技機1の盤面に配された盤ランプ56、可動装飾装置57、及び本実施例に係る視線誘導装置10からなる演出役物装置を制御している。
ランプ制御基板29は、入出力端子を有している。ランプ制御基板29の入力端子には演出制御基板27が接続されている。ランプ制御基板29の出力端子には、枠ランプ55、盤ランプ56、可動装飾装置57及び本実施例に係る視線誘導装置10が接続されている。
【0049】
遊技機1の制御基板は、上記のように、遊技制御基板25、払出制御基板26、演出制御基板27、画像制御基板28、ランプ制御基板29、及び外部情報端子基板30の各基板から構成されている。
遊技機1は、遊技制御基板25に設けられた遊技制御手段、並びに演出制御基板27に設けられた演出制御手段、画像制御基板28に設けられた画像制御手段及びランプ制御基板に設けられたランプ制御手段を総合的に実行するためにそれぞれ関連する制御プログラムを有している。
以下、添付した図面にしたがって、説明する。
【0050】
ここで、本実施例において、遊技は、特別図柄遊技と普通図柄遊技とからなる。特別図柄遊技は、第1始動口15に入球させた遊技球で抽選を行い、第1特別図柄表示装置42を作動させる第1特別図柄遊技と、第2始動口17に入球させた遊技球で抽選を行い、第2特別図柄表示装置43を作動させる第2特別図柄遊技とからなる。普通図柄遊技は、ゲート13に入球させた遊技球で抽選を行い、普通図柄表示装置44を作動させる遊技をいう。
特別図柄遊技に係る抽選に当選した場合、大当たり遊技状態の下で大入賞口16が開放される。一方、普通図柄遊技に係る抽選に当選した場合、電動チューリップ14が開放される。当該電動チューリップの開閉動作は、特別図柄遊技に係る通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態に基づいて異なる設定がなされている。
特別図柄遊技に係る抽選及び普通図柄遊技に係る抽選には、乱数が用いられている。当該乱数は、抽選の種類によって、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数等が設定されている。
【0051】
ここで、特別図柄遊技に係る遊技状態とは、大当たり乱数及び大当たり図柄乱数によって定まり、通常遊技状態、大当たり遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態をいう。
通常遊技状態とは、特別図柄遊技に係る抽選で当選する確率が低く設定され、普通図柄遊技に係る抽選で当選する確率もまた低く設定されている遊技状態をいう。
本実施例において、通常遊技状態の下では、普通図柄遊技に係る変動表示の変動時間は4秒に設定されている。また、電動チューリップ14の開放パターンは、0.15秒間で一回開くように設定されている。
したがって、通常遊技状態の下では、電動チューリップ14の内部に配されている第2始動口17に遊技球を入球させることは著しく困難であるので、第2特別図柄遊技はほとんど行われず、第1特別図柄遊技が行われる。
【0052】
通常遊技状態の下でなされた第1特別図柄遊技に係る抽選では、大当たり乱数並びに大当たり図柄乱数及びリーチ乱数が取得されている。大当たり乱数が当選の場合、大当たり遊技状態に移行する。
大当たり遊技状態とは、大入賞口16が開放される遊技状態をいう。開放された大入賞口16は、所定個数の遊技球が入球したとき、或いは所定時間が経過した後に閉じる。
大入賞口の一回の開閉動作を以下「1ラウンド」といい、大当たり遊技状態では、役物連続作動手段によって、少なくとも2ラウンドが実行される。
本実施例において、大当たり遊技状態の下では、普通図柄遊技に係る変動表示と電動チューリップ14の開放パターンは通常遊技状態と同様に設定されている。
したがって、電動チューリップ14の内部に配されている第2始動口17に遊技球を入球させることは著しく困難である。そのため、大当たり遊技状態の下でも、第2特別図柄遊技はほとんど行われず、第1特別図柄遊技が行われる。
一方、大当たり遊技状態に移行した場合、続いて移行する遊技状態は、第1特別図柄遊技に係る抽選の際に同時に取得した大当たり図柄乱数によって決定されている。後続の遊技状態には、確変遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態等がある。
【0053】
確変遊技状態とは、特別図柄遊技に係る抽選に当選する確率が高く設定され、普通図柄遊技に係る抽選は全て当選に設定されている遊技状態をいう。
本実施例において、確変遊技状態の下では、普通図柄に係る変動表示の変動時間は、1.5秒に設定され、通常遊技状態及び大当たり遊技状態のときの変動時間と比べて短くされている。対して、電動チューリップ14の開放パターンは、1.8秒間、開放され、その開放が3回繰り返されるように設定されている。
したがって、電動チューリップ14の内部に配されている第2始動口17に遊技球を容易に入球させることができるので、第2特別図柄遊技が実行される。
また、このとき、第1始動口15に入球した遊技球で行われる第1特別図柄遊技を妨げるものではないが、本実施例においては、第2特別図柄遊技が第1特別図柄遊技に優先して行われている。
【0054】
時短遊技状態とは、特別図柄遊技に係る抽選で当選する確率が通常遊技状態と同様に設定され、普通図柄遊技に係る抽選で当選する確率が確変遊技状態と同様に設定されている遊技状態をいう。
時短遊技状態の下では、特別図柄遊技に係る抽選によって「大当たり」に当選し難いものの、電動チューリップ14が長時間に亘って頻繁に開くので、主として第2特別図柄遊技が行われる。これにより、結果として遊技球を減らさずに長時間にわたって特別図柄遊技に係る抽選を行うことができる。
また、潜確遊技状態とは、特別図柄遊技に係る抽選で当選する確率が確変遊技状態と同様に設定され、普通図柄遊技に係る抽選で当選する確率が通常遊技状態と同様に設定されている遊技状態をいう。
潜確遊技状態の下では、特別図柄遊技に係る抽選によって「大当たり」に当選し易いものの、電動チューリップ14がほとんど開かないので、主として第1特別図柄遊技が行われる。このとき、普通図柄遊技に係る賞球の払出がほとんどないので遊技球が補充され難い。そのため、遊技の進行に伴い、遊技球は漸減することとなる。
【0055】
上記の確変遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態は、第1段階として通常遊技状態から大当たり遊技状態に移行し、当該大当たり遊技状態からさらに移行する遊技状態として設定されている。確変遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態に移行した後は、それらの遊技状態の下で行われた特別図柄遊技に係る抽選に当選したとき、大当たり遊技状態に遊技状態が戻されて、大入賞口16が開放される。
そして、「大当たり」のラウンド回数が多い場合或いは大入賞口16の開放時間が長い場合には、「長あたり」といい、「大当たり」のラウンド回数が少ない場合或いは大入賞口16の開放時間が短い場合には、「短当たり」と分けられている。
【0056】
さらに、遊技状態の移行を伴わない、「小当たり」が設定されている。
小当たりとは、大入賞口16の開閉動作はあるものの、大入賞口16の開放時間が極短時間に設定され、「大当たり」ではない「ハズレ」の一類型として設定されている。
【0057】
また本実施例において、「当たり」とは、ゲート13へ入球した遊技球による普通図柄遊技に係る抽選に当選したことをいう。当選した結果として、電動チューリップ14が拡開し、特別図柄遊技に係る遊技状態によって、電動チューリップ14はそれぞれ所定の時間及び回数で拡開するように設定されている。そのため、特別図柄遊技に係る遊技状態によって、電動チューリップ14内に設けられた第2始動口17の露出時間は変わるように設定されている。
なお、本実施例において、特別図柄遊技に係る遊技状態が確変遊技状態若しくは時短遊技状態の下の「当たり」を、普通図柄遊技に係る「第1当たり」とし、特別図柄遊技に係る遊技状態が通常遊技状態或いは潜確遊技状態の下の「当たり」を、普通図柄遊技に係る「第2当たり」とする。
【0058】
遊技機1に電源を投入すると、払出制御基板26、演出制御基板27、画像制御基板28、ランプ制御基板29といった、遊技制御基板25の周辺基板から立ち上がり、遊技制御基板25は最後に立ち上がる。そして、各制御基板25,26,27,28,29の初期設定が終了すると、カウンタタイマで4ミリ秒周期に設定され、遊技機1の電源を監視し、乱数を更新するタイマ循環処理が開始される。特別図柄遊技及び普通図柄遊技は、タイマ循環処理に割り込んで処理を行うタイマ割込み処理フロー100で制御されている。
【0059】
タイマ割込処理フロー100は、図5に示すように、構成されている。
ステップ105は、乱数の更新の処理を行うステップである。更新される乱数は、特別図柄遊技に係る大当たり乱数並びに大当たり図柄乱数及びリーチ乱数である。当該乱数の更新は、タイマ割込処理フロー100が開始される毎に「1」加算されている。
ステップ105は、始動口スイッチ処理ステップであって、第1始動口15或いは第2始動口17に入球した遊技球による抽選および保留球の処理が行われる。当該始動口スイッチ処理ステップ105を構成する処理フローは、別途図6に示して説明する。
ステップ110は、特別図柄処理ステップであって、第1特別図柄遊技或いは第2特別図柄遊技に係る抽選の結果に基づいて、変動表示設定及び特別図柄遊技に係る遊技状態の設定等の処理が行われる。当該特別図柄処理ステップ110を構成する処理フローは、別途図7に示して説明する。
ステップ115は、大入賞口処理ステップであって、特別図柄遊技に係る遊技状態に基づいて、大入賞口16の開放パターンを設定する処理が行われる。当該大入賞口処理ステップを構成する処理フローは、別途図11に示して説明する。
ステップ120は、賞球処理ステップであって、大入賞口16に入球した遊技球の個数に応じて、払出制御基板26に接続された払出駆動モータ51で、賞球を払い出す処理を行うステップである。
ステップ125は、出力処理ステップであって、タイマ割込処理フロー100の上記各ステップを構成する処理フロー中で設定されたフラグ、コマンドからなる遊技データを遊技制御信号として、演出制御基板27に出力する処理を行うステップである。
【0060】
始動口スイッチ処理ステップ110は、図6に示すように、第1始動口15の始動に係る処理フローと第2始動口17の始動に係る処理フローから構成されている。両始動口15,17に遊技球の入球がない場合には、リターンステップ245で、図5に示した、タイマ割込処理フロー100へ演算処理が戻される。
【0061】
ステップ205は、第1始動口スイッチ35のオン・オフを判定するステップである。ここで、第1始動口のスイッチ35が作動しなかった場合には、第2始動口スイッチ36のオン・オフを判定するステップ225にジャンプする。
【0062】
第1始動口のスイッチが作動した場合、すなわち、第1始動口で遊技球の入球が検知された時、先ず保留球の残数が規定(通常は4個)よりも少ないか否か判定する(ステップ210)。
当該残数が規定数よりも少ない場合には、規定数まで保留球を貯めることができるので、保留球を一つ増やし(ステップ215)、第1特別図柄遊技に係る抽選が行われる(ステップ220)。当該抽選では、大当たり乱数並びに大当たり図柄乱数及びリーチ乱数が取得されると共にRAM25bに格納される。
一方、当該残数が規定よりも多い場合には、ステップ225にジャンプする。
【0063】
ステップ225は、第2始動口スイッチ36のオン・オフを判定するステップである。ここで、第2始動口のスイッチが作動しなかった場合には、リターンステップ245にジャンプする。
【0064】
第2始動口のスイッチが作動した場合、すなわち、第2始動口で遊技球の入球が検知された時、先ず保留球の残数が規定(通常は4個)よりも少ないか否か判定する(ステップ230)。
当該残数が規定数よりも少ない場合には、規定数まで保留球を貯めることができるので、保留球を一つ増やし(ステップ235)、第1特別図柄遊技に係る抽選が行われる(ステップ240)。当該抽選では、大当たり乱数並びに大当たり図柄乱数及びリーチ乱数が取得されると共にRAM25bに格納される。
一方、当該残数が規定よりも多い場合には、リターンステップ245にジャンプする。
リターンステップ245は、特別図柄遊技に係る演算処理をタイマ割込み処理フロー100に戻す処理が行われる。
【0065】
続いて図7に示すように、特別図柄処理ステップ100に係る処理フローが開始される。
ステップ305からステップ320は、特別図柄遊技に係る抽選について判定するステップである。
ステップ305は、特別図柄遊技に係る遊技状態にあることを示すフラグが立っているか否か判定し(ステップ305)、第1特別図柄表示器42或いは第2特別図柄表示器43が変動表示をしているか否かを判定し(ステップ310)、第2特別図柄遊技に係る保留球を第1特別図柄遊技に係る保留球に優先して消化し(ステップ315)、第1特別図柄遊技に係る保留球が残っていればこれを消化する(ステップ320)。
上記の判定が全て否定された場合、遊技機1が客待ち状態にあること示すフラグが立てられると共に、客待ち状態に係る演出をするためコマンドがRAM25bにセットされる(ステップ325)。客待ち処理が行われると、リターンステップ385へジャンプする。
【0066】
ステップ305で大当たり遊技フラグが立っている場合には、既に実行されている大当たり遊技状態を維持するため、ステップ385のリターンステップにジャンプする。
ステップ310で、第1特別図柄表示器42或いは第2特別図柄表示器43が変動表示中であれば、変動時間が終了したか否かを監視するステップ365にジャンプする。
ステップ315で、第2特別図柄遊技に係る保留球があれば、第1特別図柄遊技に係る保留球に優先して第2特別図柄遊技に係る保留球を消費して特別図柄遊技に係る処理が行われる(ステップ330)。また、第2特別図柄遊技に係る保留球がなく、ステップ320で第1特別図柄遊技に係る保留球が一つでも残っていれば、第1特別図柄遊技に係る保留球を消費して特別図柄遊技に係る処理が行われる(ステップ335)。
【0067】
客待ち状態であれば、当該客待ち状態は取り消される(ステップ340)。
そして、大当たりか否かが判定され(ステップ345)、第1特別図柄表示器42又は第2特別図柄表示器43に表示する変動表示の変動パターンが選択される(ステップ350)。
ここで、大当たり判定処理ステップ345を構成する処理フローは、別途図8(a)に示して説明する。また、変動パターン選択処理ステップ350を構成する処理フローも同様に、別途図9(a)に示して説明する。
【0068】
そして、変動表示を開始させる変動開始コマンドをセットし(ステップ355)、第1特別図柄表示器42若しくは第2特別図柄表示器43で、特別図柄遊技に係る変動表示が開始される(ステップ360)。
その後、変動時間が終了したか否かが判定され(ステップ365)、変動時間が終了していれば、ステップ370に移行し、変動時間が終了していなければ、リターンステップ385にジャンプする。
【0069】
特別図柄遊技に係る変動表示を停止するために、変動停止コマンドをセットし(ステップ370)、第1特別図柄表示器42及び第2特別図柄表示器43で特別図柄遊技に係る変動表示を停止する(ステップ375)。変動表示が停止すると、停止中の処理がステップ380で行われる。当該停止中処理ステップ380を構成する処理フローは、別途図10に示して説明する。
特別図柄処理115を構成する処理フローが終了したとき、タイマ割込処理フロー100へ、リターンステップ385で演算処理が戻される。
【0070】
上述の通り、大当たり判定処理ステップ345は、以下に示す処理フローから構成されている。当該処理フローを、添付した図8(a)にしたがって、以下説明する。
【0071】
ステップ405は、第1始動口15或いは第2始動口17で取得された大当たり乱数を、図8(b)に示すように、予め記憶された大当たり乱数の乱数値に照会して判定する処理を行うステップである。
ステップ410は、取得した乱数が「大当たり」として設定されていた数値に該当するか否かを判定する処理を行うステップである。「大当たり」でない場合には、ステップ425にジャンプする。
【0072】
ステップ415は、大当たり図柄乱数を図8(c)に示すように、予め記憶された大当たり図柄乱数の乱数値に照会して判定する処理を行うステップである。図8(c)に示した大当たり図柄乱数は例示したものであって、これに限定されず、さらに長当たりや短当たりを細分化して設定することができる。
ステップ420は、ステップ415で確定した大当たり図柄が第1特別図柄表示器42又は第2特別図柄表示器43にセットされる処理を行うステップである。
【0073】
一方、ステップ410で大当たりでないと判定された場合、さらに「小当たり」であるか否かが判定される(ステップ425)。
小当たりである場合には、小当たり図柄が第1特別図柄表示器42又は第2特別図柄表示器43にセットされ(ステップ430)、小当たりでない場合には、ハズレ図柄が第1特別図柄表示器42又は第2特別図柄表示器43にセットされる(ステップ435)。
上記のように、大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄が第1特別図柄表示器42又は第2特別図柄表示器43にセットされると、リターンステップ440で処理は特別図柄処理ステップ115をい構成する処理フローに戻される。
【0074】
大当たり判定処理ステップ345の後に続いて行われる変動パターン選択処理ステップ350は、以下のような処理フローから構成されている。当該処理フローを、添付した図9(a)にしたがって以下説明する。
【0075】
大当たり判定処理ステップ345で判定した結果が「大当たり」であったか否かが判定され(ステップ505)、「大当たり」であれば、ステップ510に移行して、大当たり用テーブルがRAM25bにセットされる。
一方、「大当たり」でない場合には、ステップ515に移行する。
【0076】
ステップ515とステップ520は、「ハズレ」であった場合に、取得したリーチ乱数を図7(b)に示したリーチ乱数表に照会して判定し(ステップ515)、リーチである場合にはステップ525でリーチ用テーブルがRAM25bにセットされ、リーチでない場合にはステップ530でハズレ用テーブルがRAM25bにセットされるように振り分けられる(ステップ520)。
【0077】
ここで、上記の大当たり用テーブル、リーチ用テーブル、ハズレ用テーブルには、変動パターンを指定する乱数が配されている。カウンタで取得した変動パターン乱数をRAM25bのアドレスに格納し(ステップ535)、取得した変動パターン乱数を、各テーブルに示された変動パターンの数値に照会して判定し(ステップ540)、選択決定された変動パターンがRAM25bにセットされる(ステップ1045)。
以上で、変動パターン選択処理ステップ350に係る処理フローは終了し、リターンステップ550で特別図柄処理ステップ115に係る処理フローに演算処理が戻される。
【0078】
上述の通り、停止中処理ステップ380は、以下に示す処理フローから構成されている。当該処理フローを、添付した図10にしたがって、以下説明する。
【0079】
ステップ605は、特別図柄遊技に係る抽選結果が大当たりであるか否かを判定する処理を行うステップである。
大当たりであると判定された場合、さらに、「長当たり」であるか否か判定され(ステップ610)、当該大当たりは「長当たり」(ステップ615)、又は「短当たり」(ステップ620)に振り分けられる。
【0080】
振り分けられた「長当たり」については、「長当たり」を示すフラグが立てられ(ステップ615)、振り分けられた「短当たり」については、「短当たり」を示すフラグが立てられる(ステップ620)。
そして、大当たりになる前の特別図柄遊技に係る遊技状態が、時短遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態であって、各遊技状態を示すフラグが立てられていた場合、時短遊技状態を示すフラグ並びに確変遊技状態を示すフラグ及び潜確遊技状態を示すフラグが全て取り消されリセットされる(ステップ1125)。時短遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態においては、大入賞口16は開放されないからである。
その後、オープニング開始ステップ680に移行する。
【0081】
一方、大当たりではないと判定(ステップ605)された場合、時短遊技状態であるか、確変又は潜確遊技状態であるか、「小当たり」であるかが、それぞれ順に判定される。
【0082】
ステップ630は、時短遊技状態を示すフラグが立っているか否かを判定する処理を行うステップである。時短遊技状態であれば、ステップ635に移行し、時短遊技状態でなければ、ステップ650にジャンプする。
ステップ635は、時短遊技状態の下で設定された、特別図柄遊技に係る抽選回数に関する時短カウンタを一つ戻す処理を行うステップである。当該時短カウンタは、ステップ640で計測され、「0」になったときに終了する。
本実施例においては、時短遊技状態下で特別図柄遊技に係る抽選が100回終了した時点で時短遊技状態は終了する。
100回の抽選が終了するまでの時短遊技状態にある間は、特別図柄遊技に係る変動表示が第1特別図柄表示器42又は第2特別図柄表示器43に表示される時間は短縮されている。
そして、ステップ640で、100回の抽選が終了したか否かが判定され、全て終わっていれば、時短遊技状態を示すフラグが取り消される(ステップ645)。一方、抽選回数が残っている場合、ステップ650にジャンプする。
【0083】
ステップ650は、確変遊技状態又は潜確遊技状態を示すフラグが立っているか否かを判定する処理を行うステップである。確変遊技状態又は潜確遊技状態であれば、ステップ655に移行し、確変遊技状態又は潜確遊技状態でなければ、ステップ670にジャンプする。
ステップ655は、特別図柄遊技に係る抽選回数に関する確変/潜確カウンタを一つ戻す処理を行うステップである。当該確変/潜確カウンタは、ステップ660で判定されるように、「0」になったときに終了する。
本実施例においては、確変/潜確遊技状態下で確変/潜確カウンタが10000回カウントした時点で確変遊技状態又は潜確遊技状態は終了する。
そして、ステップ660で、確変/潜確カウンタのカウンタが全て終了したか否かが判定され、全て終わっていれば、確変遊技状態又は潜確遊技状態を示すフラグが取り消される(ステップ665)。一方、抽選回数が残っている場合、ステップ670にジャンプする。
【0084】
ステップ670は、「小当たり」であるか否かを判定する処理を行うステップである。
「小当たり」であれば、ステップ675に移行して、「小当たり」を示すフラグを立てる処理が行われる。「小当たり」でなければ、リターンステップ690にジャンプする。
【0085】
ステップ680とステップ685では、「大当たり」若しくは「小当たり」に関して、ラウンドが開始されるオープニングの開始(ステップ680)と、当該オープニングが開始されたことを演出制御基板27に対して送信するオープニングコマンドをセットする(ステップ685)処理を行うステップである。
そして、上記の停止中処理ステップ380を構成する処理フローが終了すると、690のリターンステップで特別図柄処理ステップ115を構成する処理フローへ演算処理が戻される。
【0086】
上記特別処理ステップ115を構成する処理フローは上記のように、大当たり判定処理、変動パターン選択処理、停止中処理をそれぞれ構成する処理フローを有し、それらの演算処理が終了した場合、図7に示すように、特別図柄処理フローのリターンステップ385で、タイマ割込処理フロー100に戻り、続いて大入賞口処理ステップ120を構成する処理フローについて演算処理が行われる。
大入賞口処理ステップ120を構成する処理フローは、添付した図11にしたがって説明する。
【0087】
ステップ705は、大当たりとして長当たり若しくは短当たりを示すフラグが、又は小当たりを示すフラグが立てられているか否かを判定する処理を行うステップである。
フラグが設定されていない場合、リターンステップ785にジャンプする。
【0088】
ステップ710及びステップ715は、特別図柄処理フロー115を構成する停止中処理ステップ380の処理フローで設定されたオープニングに関して、当該オープニング中であるか否かを判定し(ステップ710)、オープニング時間が経過したかを判定する(ステップ715)する処理を行うステップである。
オープニング中であって、かつ、オープニング時間が経過している場合は、ステップ720に移行する。
一方、オープニング中であって、オープニング時間が経過していない場合は、リターンステップ785にジャンプする。
また、オープニング中ではないときは、ステップ795に移行する。
【0089】
ステップ720からステップ730は、ステップ705で判定した「大当たり」又は「小当たり」を示すフラグの種類に応じて、各遊技状態の下で設定されている特別図柄遊技に係るラウンド数がセットされると共に大入賞口の開放パターンがセットされ(ステップ720)、設定されたラウンド数を一つ増やして(ステップ725)、当該ラウンドを開始する、すなわち大入賞口16の開放動作を開始する(ステップ730)処理を行うステップである。
「長当たり」、「短当たり」、「小当たり」に関するラウンド数と大入賞口の開放時間の例を、表1に示す。ここで、大当たり遊技の「短当たり」と、小当たり遊技は、ラウンド数に依拠して大入賞口16を開放しているか、開放回数に依拠して大入賞口16を開放しているかの違いはあるものの、遊技上は見分けが付かないように構成されている。
【0090】
【表1】

【0091】
ステップ735及びステップ740は、大入賞口16の開放時間の終期を判定する処理を行うステップである。
1ラウンドは、段落「0055」に記載したように、所定の開放時間が経過したか(ステップ735)、或いは大入賞口16に所定個数の遊技球が入賞したか(ステップ740)によって終了する。何れの条件も満たしていないときには、ラウンドは終了していないので、リターンステップ785にジャンプする。
一方、ステップ735或いはステップ740の何れか一方の条件が満たされていた場合には、大入賞口の開放動作は終了する(ステップ745)。
【0092】
続いて、規定のラウンド数を実行したか否かが判定される。
ステップ750は、実行されたラウンドが最終ラウンドであったか否かを判定するステップである。
最終ラウンドの場合には、ステップ755に移行する。一方、最終ラウンドではない場合には、一のラウンドと他のラウンドの間に設けられたインターバルが開始され(ステップ790)、リターンステップ785にジャンプする。
【0093】
最終ラウンドであった場合には、大当たり遊技状態のエンディングが開始され(ステップ755)、当該エンディングが開始されたことを演出制御基板27に送信するコマンドをセットし(ステップ760)、ラウンド数を「0」にリセットする(ステップ765)。
【0094】
ステップ770は、大当たり遊技状態のエンディングの時間が経過したか否かを判定するステップである。
経過していない場合は、リターンステップ785にジャンプする。
経過している場合は、ステップ775で、特別図柄遊技に係る遊技状態について、次に移行する遊技状態を設定する処理を行う。当該ステップ775では、例えば、大当たり遊技状態から確変遊技状態に移行する設定が行われる。
遊技状態設定処理755は、別途図12に示して説明する。
【0095】
ステップ775で、現在の大当たり遊技状態に続いて行われる遊技状態を設定した後、「長当たり」、「短当たり」、或いは「小当たり」を示すフラグは消去され(ステップ780)、リターンステップ785で、タイマ割込処理フロー100に演算処理が戻される。
【0096】
一方、ステップ710でオープニング中でないと判断されたときに移行するステップ795は、大入賞口16が開放されているか否かを判定する処理を行うステップである。
大入賞口16が開放されている場合は、ラウンド中であると判断され、大入賞口16の開閉動作に関する終期判定処理(ステップ735、ステップ740)にジャンプする。
【0097】
大入賞口16が開放されていない場合、ラウンド間のインターバル(ステップ790)中であるか否かが判定される(ステップ800)。
インターバル中である場合は、ステップ805へ移行する。
一方、インターバル中でない場合は、ここまでの判定処理で、オープニング中ではなく(ステップ710)、かつ、大入賞口16が開放されていない(ステップ795)ことから、エンディング中であると判定され、エンディング時間経過判定ステップ770にジャンプする。
【0098】
ステップ805は、インターバルの設定時間が経過したか否かを判定する処理を行うステップである。
インターバル時間が経過していない場合、リターンステップ785にジャンプする。
インターバル時間が経過している場合、ステップ725でラウンド数が一つ減ぜられて、次のラウンドが開始される。
【0099】
ここで、遊技状態設定処理ステップ775は、図12に示すように、別途処理フローを有している。以下説明する。
【0100】
ステップ850からステップ860は、大入賞口処理ステップ120で処理されている大当たり遊技状態を特定の図柄にしたがって分類するステップである。
ステップ850は、小当たり図柄であるか否かを判定するステップである。
小当たり図柄でない場合は、ステップ855に移行する。
小当たり図柄である場合は、リターンステップ890にジャンプする。
【0101】
ステップ860は、通常図柄であるか否かを判定するステップである。
通常図柄でない場合は、ステップ860に移行する。
通常図柄である場合は、ステップ880にジャンプする。
【0102】
ステップ860は、確変図柄であるか否かを判定するステップである。
確変図柄でない場合は、ステップ865に移行する。
確変図柄である場合は、ステップ875にジャンプする。
上記のステップで特別図柄遊技に係る特定の図柄にしたがって、ステップ775で、現在の大当たり遊技状態に続いて行われる遊技状態が振り分けられる
【0103】
ステップ865は、潜確遊技状態であることを示すフラグを立てる処理を行うステップである。
ステップ875は、確変遊技状態であることを示すフラグを立てる処理を行うステップである。
また、ステップ855からジャンプしたステップ880は、時短遊技状態であることを示すフラグを立てる処理を行うステップである。
上記のようにフラグが立てられることにより、大当たり遊技状態に続く、次の特別図柄遊技に係る遊技状態が設定される。
【0104】
さらに、ステップ870では、特別図柄遊技に係る潜確遊技状態又は確変遊技状態下の抽選回数をカウントする確変カウンタが10000回に設定される。
そして、ステップ885では、特別図柄遊技に係る時短遊技状態下の抽選回数をカウントする時短カウンタが100回に設定される。
これらカウンタの初期設定回数は、上記回数に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
【0105】
リターンステップ890は、遊技設定処理ステップ775を構成する処理フローが終了した時、大入賞口処理ステップ120の処理フローに演算処理を戻すステップである。
【0106】
大入賞口処理ステップ120を構成する処理フローは、以上のように構成される。
タイマ割込処理フロー100では、大入賞口処理ステップ120に続いて、主に払出制御基板28に送信される制御信号によって、賞球処理ステップ125が開始される。
【0107】
さらに、賞球処理ステップ125に続いて、出力処理ステップ130が実行される。該出力処理ステップ130は、特別図柄遊技に係る遊技状態を制御する制御信号を遊技制御基板25から演出制御基板27へ一方向で送信するステップである。
【0108】
一方、特別図柄遊技に係る遊技状態の下で、普通図柄遊技は、以下のように行われ、特別図柄遊技に付随してタイマ割込み処理100が行われている
ゲートスイッチ処理900は、以下のステップで構成されている。添付した図13にしたがって、以下説明する。
【0109】
ステップ905は、ゲート13によるスイッチのオン・オフを判定するステップである。ここで、ゲート13によるスイッチがオフである場合には、リターンステップ925にジャンプする。
【0110】
ゲート13によるスイッチがオンである場合、すなわち、ゲート13に設けられた検知手段で遊技球の入球が検知された時、先ず保留球の残数が規定(通常は4個)よりも少ないか否か判定する(ステップ910)。
当該残数が規定よりも少ない場合には、保留球を一つ増やして(ステップ915)、普通図柄遊技に係る抽選が行われる(ステップ920)。
当該保留球の残数が規定よりも多い場合には、リターンステップ925にジャンプする。
ステップ920は普通図柄遊技に係る抽選を行うステップである。当該抽選は、普通図柄遊技に係る当たり乱数及び当たり図柄乱数を一つ取得し、取得した乱数を普通図柄遊技に係る抽選のためにRAM27b格納する処理が行われる。
【0111】
ステップ925は、ゲートスイッチ処理ステップ900の処理フローが終了したとき、演算処理をタイマ割込処理フロー100に戻すためのリターンステップである。
【0112】
続いて普通図柄処理ステップ1000を構成する処理フローが開始される。当該処理フローを添付した図14にしたがって以下説明する。
【0113】
普通図柄処理ステップ1000では、普通図柄遊技に係る抽選の結果を示す図柄と変動表示を示す図柄が決定される。
ステップ1005は、補助遊技状態を示すフラグが立っているか否かを判定するステップである。
本実施例においては、特別図柄遊技に係る遊技状態を有利な状態に移行させるために、電動チューリップ14を開かせる普通図柄遊技に係る遊技状態を補助遊技状態という。
補助遊技状態を示すフラグが立っている場合は、リターンステップ1055にジャンプする。
補助遊技状態を示すフラグが立っていない場合は、ステップ1010に移行する。
ステップ1010は、普通図柄表示器44で変動表示が行われているか否かを判定するステップである。
変動表示されている場合にはステップ1050にジャンプする。
変動表示されていない場合は、ステップ1015に移行する。
ステップ1015は、普通図柄遊技に係る保留球の残りが「0」であるか否かを判定するステップである。
残りが「0」である、すなわち保留球が無い場合には、リターンステップ1055にジャンプする。
残りが「0」でない、すなわち保留球がある場合には、ステップ1020に移行する。
上記の判定によって、普通図柄遊技に係る保留球を使って抽選の結果が処理される。
【0114】
ステップ1020は、補助遊技状態について、取得された当たり乱数が当たりか否かを判定する処理を行うステップである。当該当たり判定処理ステップ1020では、普通図柄遊技に係る抽選の結果、「当たり」遊技と、「ハズレ」遊技に振り分けられる。当たり遊技にしたがって電動チューリップ14を拡開する制御が行われる。
【0115】
ステップ1025は、補助遊技状態について、取得された当たり図柄乱数を用いて第1当たり図柄遊技か、或いは第2当たり図柄遊技か、又はハズレ図柄遊技であるかを振り分ける処理を行うステップである。
ステップ1020とステップ1025とを合わせて補助遊技状態を判定することにより、普通図柄遊技に係る抽選の結果は、第1当たり図柄、第2当たり図柄、或いはハズレ図柄に振り分けられる。
【0116】
そして、ここで、特別図柄遊技に係る遊技状態が、時短/確変遊技状態にあるか、又は通常/潜確遊技状態にあるかによって、第1当たり図柄と、第2当たり図柄は、さらに表2に示すように、分類される。
【0117】
【表2】

【0118】
ステップ1030は、普通図柄表示器44の変動表示の表示時間を表2のパターンに基づいて選択する処理を行うステップである。パターンAのときは、1.5秒に設定され、他のパターンB,C,Dのときは4秒に設定される。
ステップ1035は、変動表示を開始する処理を行うステップである。
【0119】
ステップ1040とステップ1045は、演出制御基板27に向けて表2に示したパターンに基づく演出役物装置を始動させるコマンドをセットする(ステップ740)と共に、本実施例に係る視線誘導装置10を始動させるコマンドをセットする(ステップ745)処理を行うステップである。
セットされた演出役物装置及び視線誘導装置10の始動コマンドは、タイマ割込処理フロー100の出力処理ステップ130で、特別図柄遊技に係るコマンドと共に演出制御基板27に向けて一方向で送信される。
【0120】
ステップ1050は、普通図柄表示器44で表示している変動表示の表示時間が終了したか否かを判定する処理を行うステップである。
変動時間が終了していれば、ステップ1060に移行する。一方、変動時間が終了していなければ、リターンステップ1055に移行する。
【0121】
ステップ1060は、普通図柄遊技に係る変動表示を停止する処理を行うステップである。
ステップ1065は、普通図柄遊技に係る抽選の結果が当たりであるか否かを判定する処理を行うステップである。
当たりと判定された場合、補助遊技状態を示すフラグが立てられ(ステップ1070)、リターンステップ1055へ移行する。
ハズレと判定された場合には、リターンステップ1055にジャンプする。
リターンステップ1060は、普通図柄処理ステップ1000に係る処理フローの終了と共に、タイマ割込処理フロー100に演算処理を戻すステップである。
【0122】
続いて、電動チューリップ処理ステップ1100に係る処理フローについて、添付した図14にしたがって説明する。
ステップ1105は、補助遊技状態を示すフラグが立てられているか否かを判定する処理を行うステップである。
フラグが立てられていない場合は、リターンステップ1135にジャンプする。
フラグが立てられている場合は、ステップ1110に移行する。
【0123】
ステップ1110は、電動チューリップ14が開閉動作をしているか否かを判定する処理を行うステップである。
開閉動作中である場合には、ステップ1115に移行する。
開閉動作中でない場合には、ステップ1140にジャンプする。
【0124】
ステップ1115は、電動チューリップ14の開閉動作が終了したか否かを判定する処理を行うステップである。
開閉動作中である場合には、ステップ1120に移行する。
開閉動作中でない場合には、リターンステップ1135にジャンプする。
【0125】
ステップ1120は、補助遊技状態を示すフラグを消去する処理を行うステップである。
ステップ1125及びステップ1130は、上記のフラグ消去を受けて、演出役物装置の停止コマンドをセットする(ステップ1125)と共に、本実施例に係る視線誘導装置10の停止コマンドをセットする(ステップ1130)処理を行うステップである。
【0126】
ステップ1135は、電動チューリップ処理ステップ1100に係る処理フローを終了し、タイマ割込処理フロー100へ演算処理を戻すリターンステップである。
【0127】
一方、ステップ1110で、電動チューリップ14が開放動作中でないと判定されたときに移行するステップ1140は、電動チューリップ14の開閉動作のパターンを選択する処理を行うステップである。当該開閉動作パターン選択処理は、別途図16(a)に示して説明する。
【0128】
ステップ1145は、ステップ1140で選択された開放動作パターンで電動チューリップを始動させる処理を行うステップである。
【0129】
ここで、図16(a)に示したように、当該開閉動作パターン選択処理ステップ1140について説明する。
ステップ1150は、補助遊技状態について、当たり乱数を判定する処理を行うステップである。
普通図柄遊技に係る抽選の際に取得された当たり乱数は、図16(b)に示した表に基づいて当たりであるか否かが判定される。
ステップ1155は、当該判定の結果当たりであるか否かを振り分ける処理を行うステップである。
当たりである場合には、ステップ1160に移行する。一方、ハズレた場合には、ステップ1180にジャンプする。ステップ1180はハズレ図柄がセットされるステップである。これにより、表2に示したパターンDにしたがって、電動チューリップ14は開放されない。
【0130】
ステップ1160は、普通図柄遊技の抽選結果が当たりと判定された場合に、さらに、当たり図柄で、当たりの種類を特定するステップである。この判定には、図16(c)に示す表が用いられる。
ステップ1165は、判定された当たり図柄乱数が、第1当たり図柄を示すものか否か判定することによって、第1当たり図柄と第2当たり図柄に振り分けるステップである。
第1当たり図柄である場合には、ステップ1170に移行する。ステップ1170は、第1当たり図柄をセットするステップである。このとき、特別図柄遊技に係る遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合には、表2に示したパターンAが選択される。一方、時短遊技状態又は確変遊技状態でなければ、パターンCが選択される。
第1当たり図柄でない場合には、ステップ1175に移行する。ステップ1175は、第2当たり図柄をセットするステップである。このとき、特別図柄遊技に係る遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態である場合には、表2に示したパターンAが選択される。一方、時短遊技状態又は確変遊技状態でなければ、パターンBが選択される。
上記のように振り分けたパターンと、図16(d)に示した電動チューリップの開閉動作パターンから、本実施例の視線誘導装置10の示唆パターンが演出制御基板27で形成される。
【0131】
ステップ1185は、演算処理を電動チューリップ処理ステップ1100を構成する処理フローに戻すリターンステップである。
【0132】
電動チューリップ処理フロー1100は、以上のように構成される。
電動チューリップ処理フロー1100が終了して、演算処理がタイマ割込処理フロー100に戻されると、続いて、賞球処理ステップ125が実行され、さらに、出力処理ステップ130が実行される。該出力処理ステップ130は、制御信号を演出制御基板27に送信するステップである。
【0133】
上記のように、遊技制御基板25に設けられた遊技制御手段で特別図柄遊技及び普通図柄遊技は制御される。
当該遊技制御手段の出力処理ステップ130から、演出制御基板27の演出制御手段に対して、上記処理フローの中で示した各種のコマンドが一方向で送信される。
そこで、演出制御基板27に設けられた演出制御手段について以下説明する。
【0134】
演出制御手段を構成する処理フローは、タイマ割込処理フロー1200を有している。タイマ割込処理フロー1200は、遊技制御基板のタイマ割込み処理フロー100と同期するように、周期的に循環するように構成されている。
【0135】
タイマ割込処理フロー1200は、図17に示すように、コマンド受信処理ステップ1205、演出ボタン処理ステップ1210、コマンド送信処理ステップ1215、及びリターンステップ1220からなり、コマンド受信処理ステップ1205、演出ボタン処理ステップ1210、コマンド送信処理ステップ1215は、それぞれ別途処理フローを有している。
以下に示す処理フローは、本実施例に係る視線誘導装置10の動作パターンについて主に説明するものである。
【0136】
図18に示すように、コマンド受信処理ステップ1205は、以下説明する各ステップからなるフローから構成されている。
ステップ1250並びにステップ1255及びステップ1260は、演出役物装置の始動コマンドを受信したか否かを判定し(ステップ1250)、受信していた場合には演出役物装置の動作パターン及び視線誘導装置10の示唆パターンを選択する(ステップ1255、ステップ1260)処理を行うステップである。
演出役物装置の動作パターン及び視線誘導装置10の示唆パターンを選択する処理ステップ1255及びステップ1260は、別途図19(a)に示して説明する。
始動コマンドを遊技制御基板25から受信していなければ、ステップ1265にジャンプする。
【0137】
ステップ1265並びにステップ1270及びステップ1275は、演出役物装置の停止コマンドを受信したか否かを判定し(ステップ1265)、受信していた場合には当該停止コマンドを画像制御基板28及びランプ制御基板29に向けてセットする(ステップ1270、ステップ1275)処理を行うステップである。
演出役物装置の停止コマンドを遊技制御基板25から受信していなければ、ステップ1280へジャンプする。
【0138】
ここまでの処理フローが、本実施例に係る普通図柄遊技に係る抽選の当否結果及び変動表示に関して、演出制御基板27で演出が選択される処理ステップである。
以下の処理フローは、特別図柄遊技に係る遊技状態に関して演出制御基板27で演出が選択される処理ステップである。
ステップ1280とステップ1285は、特別図柄遊技に係る変動表示の始動コマンドを受信したか否かを判定し(ステップ1280)、受信していた場合には当該変動表示に対応した演出が選択される(ステップ1285)処理を行うステップである。当該演出選択処理ステップでは、変動表示の開始コマンドを解析して、特別図柄遊技に係る変動表示の変動演出パターンを選択する。そして、選択した当該変動演出パターンに係る演出開始コマンドをランプ制御基板29及び画像制御基板28に向けてセットしている。
一方、変動表示に係る始動コマンドを受信していなければステップ1290へジャンプする。
【0139】
ステップ1290とステップ1295は、特別図柄遊技に係る変動表示の停止コマンドを受信したか否かを判定し(ステップ1290)、受信していた場合には当該停止コマンドに基づいて変動表示に係る演出停止コマンドをセットする(ステップ1290)処理を行うステップである。
停止マンドを受信していなければ、ステップ1300へジャンプする。
【0140】
ステップ1300とステップ1305は、特別図柄遊技に係る遊技状態に関して、オープニングコマンドを受信したか否かを判定し(ステップ1300)、受信していた場合には当該オープニングコマンドに基づいて特別図柄遊技に係るそれぞれの遊技状態に応じて、オープニングの演出パターンを選択する(ステップ1305)処理を行うステップである。オープニング選択処理ステップ1305は、特別図柄遊技に係る遊技状態に応じて送信されたオープニングコマンドを解析して、オープニング演出パターンを選択し、当該オープニング演出パターンに係るコマンドを、ランプ制御基板29及び画像制御基板28に向けてセットしている。
一方、オープニングコマンドを受信していなければ、ステップ1310へジャンプする。
【0141】
ステップ1310とステップ1315は、特別図柄遊技に係る遊技状態に関して、エンディングコマンドを受信したか否かを判定し(ステップ1310)、受信していた場合には当該エンディングコマンドに基づいて特別図柄遊技に係るそれぞれの遊技状態に応じて、エンディングの演出パターンを選択する(ステップ1315)処理を行うステップである。
エンディング演出選択処理ステップ1315は、特別図柄遊技に係る遊技状態に応じて、エンディングコマンドを解析し、エンディング演出パターンを選択して、当該エンディング演出パターンに係るコマンドを、ランプ制御基板29及び画像制御基板28に向けてセットしている。
一方、エンディングコマンドを受信していなければ、ステップ1320へジャンプする。
【0142】
ステップ1320は、客待ちコマンドを受信して演出パターンを選択する処理を行うステップである。当該客待ちコマンド受信選択処理ステップ1320では、客待ち状態にあるか否か判定され、遊技機1が所定時間稼動していない場合に、客待ち状態にあることを演出するコマンドを画像制御基板28及びランプ制御基板29に向けてセットしている。
そして、リターンステップ1325は、コマンド受信処理ステップ2105に係る処理フローが終了した時、演算処理をタイマ割込処理フロー1200に戻すステップである。
【0143】
上述した演出役物装置の動作パターン及び視線誘導装置10の示唆パターンを選択する処理ステップ1255及びステップ1260は、図19(a)に示すように、以下のステップから構成される処理フローを有している。
ステップ1350は、演出役物装置の始動コマンドを解析する処理を行うステップである。
始動コマンドを解析することによって、演出役物装置の動作パターン及び本実施例に係る視線誘導装置10を構成するポインタ11の示唆パターンに関して、図19(b)に示した動作パターンのうちの一つが選択される(ステップ1355、ステップ1360)。
そして、選択された演出役物装置の動作パターン及びポインタ11の示唆パターンに関する演出コマンドが、ランプ制御基板29及び画像制御基板28に向けてセットされる(ステップ1365、1370)。
セットが終了すると、リターンステップ1375でコマンド受信処理ステップ1205に係る処理フローに演算処理が戻される。
【0144】
コマンド受信処理ステップ1205を構成する処理フローが終了すると、続いて、演出制御基板27のタイマ割込処理フロー1200は、ステップ1210に移行する。
ステップ1210は、演出ボタン52に係る処理が行われるステップである。
演出ボタン処理ステップ1210は、演出ボタン52が押下されたか否かを判定し、押下された場合には、演出ボタン52に係るボタン演出コマンドをランプ制御基板29及び画像制御基板28に向けてセットしている。
【0145】
そして、演出ボタン処理ステップ1210に続くコマンド送信処理ステップ1215は、コマンド受信処理ステップ1210でランプ制御基板29及び画像制御基板28に向けてセットされた、各演出コマンドを当該両基板28,29に向けて送信するステップである。
コマンドの送信処理が終了すると、リターンステップ1220でタイマ割込処理フロー1200の割込処理が終了する。
【0146】
本実施例に係る視線誘導装置10は、タイマ割込処理フロー1200のコマンド送信ステップ1215でランプ制御基板28に向けて送信されたコマンドに基づいて動作する。各コマンドとポインタ11の示唆パターンとは以下のように関連付けられている。
【0147】
普通図柄遊技に係る変動表示が開始されたとき、略同時にポインタ11は回動を開始する。当該回動は、電動チューリップ14の開閉動作が終了するまで維持される。
【0148】
(1)特別図柄遊技に係る遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態の場合
図19(b)に示した「パターンA」がステップ1360で選択され、視線誘導装置10の動作コマンド(ステップ1370)にしたがって、ポインタ11は、通路終端12bまで1.5秒で通路12上を移動する。
電動チューリップ14が3回開閉動作した後は、ポインタ11は通路始端12aに戻る。
【0149】
(2)特別図柄遊技に係る遊技状態が通常遊技状態又は潜確遊技状態の場合であって、普通図柄遊技の当たりが第2当たり図柄である場合
図19(b)に示した「パターンB」がステップ1360で選択され、視線誘導装置10の動作コマンド(ステップ1370)にしたがって、ポインタ11は、通路終端12bまで4秒で通路12上を移動する。
電動チューリップ14が1回開閉動作した後は、ポインタ11は通路始端12aに戻る。
【0150】
(3)特別図柄遊技に係る遊技状態が通常遊技状態又は潜確遊技状態の場合であって、普通図柄遊技の当たりが第1あたり図柄である場合
図19(b)に示した「パターンC」がステップ1360で選択され、視線誘導装置10の動作コマンド(ステップ1370)にしたがって、通路終端12bまで通路12上を移動する。このとき、通路の途中でポインタ11は移動を一旦停止する演出が当該動作コマンドに含まれている。
電動チューリップ14が1回開閉動作した後は、ポインタ11は通路始端12aに戻る。
【0151】
(4)普通図柄遊技がハズレ図柄である場合
図19(b)に示した「パターンD」がステップ1360で選択され、視線誘導装置10の動作コマンド(ステップ1370)にしたがって、ポインタ11は、通路12の途中まで移動し、一旦その移動を停止させる。
当該移動の停止後は、ポインタ11は通路始端12aに戻る。
【0152】
本実施例に係る視線誘導装置10のポインタ11の示唆パターンは、普通図柄遊技に係る抽選の結果と普通図柄遊技に係る変動表示に基づいて、電動チューリップ14の開閉動作に係るタイミングを示唆することができる。
そのため、電動チューリップ14の開閉動作パターンに従う限り、動作パターンは任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0153】
1…遊技機、
10…視線誘導装置、
11…ポインタ、11a…ロッド、11b…ポインタ回動用モータ、
12…通路、12a…通路始端、12b…通路終端、12c…通路ラック、12d…通路ピニオン、12e…ポインタ移動用モータ、12f…ストッパ、
13…ゲート、14…電動チューリップ、
15…第1始動口、16…大入賞口、17…第2始動口、
20…表示器ユニット、
25…遊技制御基板、26…払出制御基板、27…演出制御基板、28…画像制御基板、29…ランプ制御基板、30…外部情報端子基板、
35…第1始動口スイッチ、36…第2始動口スイッチ、37…ゲートスイッチ、
38…大入賞口スイッチ、39…一般入賞口スイッチ、
40…大入賞口ソレノイド、41…電動チューリップソレノイド、
42…第1特別図柄表示器、43…第2特別図柄表示器、44…普通図柄表示器、
45…第1特別図柄保留数表示器、46…第2特別図柄保留数表示器、47…普通図柄保留数表示器、
48…払出球検出スイッチ、49…球有り検出スイッチ、50…満タン検出スイッチ、51…払出駆動モータ、
52…演出ボタン、
53…画像表示器、
54…スピーカ、
55…枠ランプ、56…盤ランプ、57…演出役物装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の通過を検知する検知手段を有する第1始動口及び第2始動口並びにゲートと、
前記第1始動口又は前記第2始動口へ入球した前記遊技球による抽選が当選したとき、所定条件の下で開閉する大入賞口と、
前記ゲートを通過した前記遊技球による抽選が当選したときに拡開する電動チューリップと、
前記遊技球を前記ゲートに通過させて抽選し、該抽選が当選か否かで前記電動チューリップを開閉させる普通図柄遊技に関し、該普通図柄遊技の抽選の当否結果に係る図柄及び前記普通図柄遊技の変動表示に係る図柄を表示する表示手段を有する普通図柄表示器と、
前記検知手段で検知された遊技球の抽選結果に基づく遊技全般を制御する遊技制御手段及び当該遊技全般に係る演出を制御する演出制御手段を備えた制御基板と、
動作パターンが前記演出制御手段で制御される可動演出役物装置と、
を有し、
前記遊技制御手段は、
前記普通図柄遊技と、
前記大入賞口を開閉して、所定の当選確率に設定された複数の遊技状態のうちの一つへ移行する特別図柄遊技とを制御し、
該特別図柄遊技に係る遊技状態の下で、前記普通図柄遊技に係る遊技の当選確率、前記普通図柄表示器に表示する前記変動表示に係る図柄の表示時間、及び前記電動チューリップの開閉時間を制御し、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄遊技に係る演出及び前記普通図柄遊技に係る演出とを制御すると共に、
前記可動演出役物装置を制御して、
前記特別図柄遊技に係る所定の遊技状態に応じて、前記普通図柄遊技に係る演出を制御する遊技機であって、
前記普通図柄遊技の抽選の当否結果に係る図柄及び前記普通図柄遊技の変動表示に係る図柄を示唆する示唆パターンを形成し、
該示唆パターンにしたがって、前記可動演出役物装置を前記演出制御手段で制御するようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動演出役物装置に、所定の通路に沿って移動可能なポインタからなる視線誘導装置を含み、
前記通路の終端は、電動チューリップに近接して配置され、
前記ポインタは、前記演出制御手段で制御される所定の示唆パターンにしたがって、前記通路上を移動すると共に、
該示唆パターンで、前記普通図柄遊技に係る抽選の当否結果を示唆するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記普通図柄遊技に係る前記抽選の結果が当たりである場合、
前記示唆パターンとして、
前記ポインタは、前記電動チューリップの近傍に配した前記通路の終端に向かって移動し、当該通路の終端で停止するようにしたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記普通図柄遊技に係る前記抽選の結果がハズレである場合、
前記示唆パターンとして、
前記ポインタは、前記通路の終端に向かって移動し、当該通路の途中で一旦移動を停止してから、前記通路の始端に戻るようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記普通図柄遊技に係る前記変動表示が開始されたとき、
前記示唆パターンとして、
前記ポインタは、回動を開始するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−227300(P2010−227300A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78261(P2009−78261)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】