説明

遊技機

【課題】入力部分にも表示手段を設けることで、複数の表示手段を備えた構成とし、演出の幅を高度に広げることを可能としながらも、遊技の企画に応じて交換が必要な部分のコストを低く抑える。
【解決手段】遊技の企画に応じて交換される分離ユニットと、分離ユニットを装着する装置本体とを備えた遊技機として、複数の表示手段を備えるようにする。また、装置本体が、表示手段で表示するための画像情報および制御情報を分離ユニットから受信して格納する受信格納手段と、受信格納手段に格納された画像情報および制御情報に基づいて表示手段における表示制御を行う表示制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示部により遊技の演出を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技機における遊技の演出内容を高度化するため、液晶表示部により映像表示を行うものが増えている。また、その液晶表示部も大型化されている傾向があり、表示制御のための表示制御部も高性能なものが必要となりつつある。
【0003】
また、遊技盤背面に液晶表示部を設けると共に、遊技盤の前方にタッチパネルを設け、遊技者のタッチパネルへの接触により、その接触位置に対応する液晶表示部の位置における表示画像を変化させるようにした遊技機がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−226138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遊技者が操作入力を行う入力手段は、LED付きのプッシュボタンが主流であった。
このため、遊技における演出の幅をさらに高度に広げるには、入力部分にも液晶表示部を設けた構成とすることが考えられる。しかし、そうして複数の表示手段を備える構成とすると、複数の表示手段における表示制御を同時に処理可能な高性能な表示制御部が必要となり、コスト高となってしまう問題があった。
【0006】
また、遊技演出の企画は、時代の流行などに応じて新規の企画が次々と開発されていくため、表示制御部がコスト高になってしまうと、新規の企画に応じたユニットを導入する度に高コストが発生してしまう問題があった。
【0007】
また、上述した特許文献1のものは、遊技盤の前方にタッチパネルを設けることで、操作入力のための入力手段を多様化させようとするものであり、複数の表示手段を低コストで実現することについてまで考慮されたものではなかった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、入力部分にも表示手段を設けることで、複数の表示手段を備えた構成とし、演出の幅を高度に広げることを可能としながらも、遊技の企画に応じて交換が必要な部分のコストを低く抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技の企画に応じて交換される分離ユニットと、分離ユニットを装着する装置本体とを備えた遊技機であって、遊技機は複数の表示手段を備え、装置本体は、複数の表示手段の内、少なくとも1つの表示手段で表示するための画像情報および制御情報を分離ユニットから受信して格納する受信格納手段と、受信格納手段に格納された画像情報および制御情報に基づいて該少なくとも1つの表示手段における表示制御を行う表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、入力部分にも表示手段を設けることで、複数の表示手段を備えた構成とし、演出の幅を高度に広げることができる。かつ、遊技の企画に応じて交換が必要な部分のコストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態としてのパチンコ機100の外観を示す斜視図である。
【図2】該パチンコ機100の分解斜視図である。
【図3】該パチンコ機100の表示制御における機能的構成の概略を示すブロック図である。
【図4】該パチンコ機100の表示制御における物理的構成の概略を示すブロック図である。
【図5】該表示制御におけるメモリマップイメージの一例を示す図である。
【図6】該パチンコ機100における起動時の動作例を示すフローチャートである。
【図7】該パチンコ機100における入力待ち時の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
まず、本実施形態の概略について説明する。
本実施形態のパチンコ機100は、図1〜図3に示すように、遊技盤ユニット3などの分離ユニットを遊技演出の企画に応じて交換することで、各企画に応じた遊技ができる構成となっている。
【0014】
また、遊技盤ユニット3における液晶表示部31に加えて、液晶表示部102とタッチパネル101とを重畳して有する液晶入力パッド14を備え、企画に応じた多様な演出ができるようになっている。さらに液晶入力パッド14が表示制御部103を備えることで、企画に応じた遊技盤ユニット3などの分離ユニットが交換されても、その表示制御部103を備えた液晶入力パッド14などは引き続き使用することができる。このため、企画に応じた交換を考慮したトータルコストを低く抑えることができる。
【0015】
また、企画に応じて交換される遊技盤ユニット3などの分離ユニットについても、液晶入力パッド14の液晶表示部102までは制御する必要がないため、CPU(Central Processing Unit)やVDP(Video Display Processor)といった制御部品を低コストなものとすることができる。
【0016】
次に、本実施形態としてのパチンコ機100の構成について、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
【0017】
パチンコ機100は、大きく分けて、方形枠状の本体枠1と、本体枠1に着脱自在に取り付けられる扉ユニット2および遊技盤ユニット3とから構成されている。そして、本体枠1を遊技場のいわゆる「島」と呼ばれるスペース(図示せず)に設置して、パチンコ遊技機として取り扱われるものである。
【0018】
本体枠1は、図1に示すように、外枠11と内枠12を有している。外枠11は、木質複合材よりなる長方形の枠材であり、パチンコ機100を島に取り付けるためのものである。また、内枠12は、外枠11の一方の側板に水平方向に回動自在に取り付けられた板状の扉体である。
【0019】
内枠12の上側には、図2に示すように、正面側から背面側に開口する内枠開口17が形成されている。この内枠開口17には、後述する扉ユニット2の取り付け枠21を介して遊技盤ユニット3が取り付けられるようになっている。また、内枠12の正面側下方には、図1に示すように、上側が開放する球皿13と、球皿13の下部に収容可能な液晶入力パッド14と、球皿13の右下端部に位置し正面側に突出するハンドル16が設けられている。
【0020】
球皿13は、入賞により払い出された遊技球を貯留可能な受け皿である。
液晶入力パッド14は、ケーブル15により本体枠1内の配線(不図示)に接続される。遊技者は、使用時に球皿13下部の収容位置から液晶入力パッド14を取り出して手元で操作することができる。図1,図2には、液晶入力パッド14が球皿13下部の収容位置から取り出された状態を示す。
ハンドル16は、液晶入力パッド14と共に、遊技者による各種操作に用いられる。
【0021】
扉ユニット2は、本体枠1に取り付けられ、内枠開口17を開閉自在に塞ぐ扉体であって、図2に示すように、取り付け枠21、前扉22およびガラス枠23を有している。
取り付け枠21は、中央部が開口する方形の枠体であって、本体枠1の内枠開口17の内部に収納可能に形成されている。そしてこの取り付け枠21の開口部には、遊技盤ユニット3が取り付けられ、その遊技盤ユニット3により内枠開口17が塞がれるようになっている。
【0022】
前扉22は、正面側に飾り部やランプなどからなる表示装置が設けられた扉であり、取り付け枠21に軸支部を介して水平方向に回動自在に取り付けられている。前扉22の中央部には、遊技盤ユニット3の盤面を正面側から視認可能とするための開口窓が形成されており、この開口窓を内側から塞ぐように、ガラス枠23が取り付けられている。
【0023】
ガラス枠23は、枠体に嵌め込まれたガラスなどからなる透明パネルを有し、前扉22の裏面又は取り付け枠21に、軸支部を介して水平方向に回動自在に取り付けられている。
扉ユニット2は、取り付け枠21を内枠開口17の内部に収納固定することにより本体枠1に取り付けられる。また、扉ユニット2は、パチンコ機100の面替えの際、本体枠1に残したままにしておけるものである。そして、パチンコ機100の正面デザインを変更する場合には、扉ユニット2を本体枠1から取り外し、新たな扉ユニット2と交換することもできるようになっている。
【0024】
遊技盤ユニット3は、パチンコ機100の主たる遊技装置であって、図2に示すように、正面側に複数の釘(図示せず)が打ち込まれた盤面を有する。盤面の遊技領域には、始動入賞口や、アタッカーと呼ばれる入賞口などが設けられると共に、遊技演出に応じて文字、図形、動画等種々の表示を行う液晶表示部31が設けられる。
遊技盤ユニット3の盤面細部や扉ユニット表面の装飾については企画に応じて各種のものであってよく、説明を省略する。
【0025】
遊技盤ユニット3の裏面には、固定された制御基板などから成る盤面制御部32が設けられている。この盤面制御部32は、遊技盤ユニット3の本体枠1への取り付け時に、例えばUSB(登録商標)など各種のコネクタにより本体枠1内の配線(不図示)に接続される。
【0026】
遊技盤ユニット3の盤面制御部32と、液晶入力パッド14による制御のための構成について、図3、図4を参照して説明する。図3は機能的構成を示し、図4は物理的構成を示す。
【0027】
盤面制御部32は、当選を決定する抽選、入賞口の作動、液晶表示部への表示内容等、遊技の企画毎に必要な制御情報(プログラムなど)や画像情報などを、記憶部303としてのROMに格納する。
このROMに格納された情報に基づいて上位CPUなどが処理を行うことで、抽選や入賞口の作動などの遊技演出に関する各種動作制御を行う主制御部302(分離ユニット制御手段)として機能する。また、ROMに格納された情報に基づいて液晶制御CPUやVDPなどが処理を行うことで、遊技盤ユニット3の液晶表示部31への表示制御を行う表示制御部301として機能する。
【0028】
液晶入力パッド14は、パチンコ機100への電源投入時に、図4に示す上位CPUの指示(経路A)または液晶制御CPUの指示(経路B)により、企画に応じた制御を行うための制御情報および画像情報などを取得する。液晶入力パッド14は、こうして盤面制御部32から取得した制御情報および画像情報などを記憶部105としてのDDR−SDRAMに格納する。
【0029】
このDDR−SDRAMに格納された情報に基づいて液晶入力パッド14内のCPUなどが処理を行うことで、遊技の進行に応じた表示制御など演出全体に関する各種動作制御を行う主制御部104(装置本体制御手段)として機能する。
また、このDDR−SDRAMに格納された制御情報および画像情報などに基づいて液晶入力パッド14内のCPUやVDPなどが処理を行うことで、表示制御部103は液晶表示部102への表示制御の機能を実現し、入力制御部106はタッチパネル101への押圧位置による入力情報の制御機能を実現する。
【0030】
液晶入力パッド14の通信部107と、盤面制御部32の通信部304は、上述した盤面制御部32から液晶入力パッド14への制御情報および画像情報などのロードや、遊技者による液晶入力パッド14への操作入力時などにおける通信を行う。
【0031】
また、液晶入力パッド14の記憶部105としてのBOOT ROMは、BOOT情報やデフォルトの演出情報など、企画にかかわらず必要となる制御情報や画像情報を格納する。このデフォルトの演出情報は、例えば盤面制御部32から制御情報および画像情報などがロードされない場合であっても、液晶入力パッド14により基本的な操作入力を行うことができるようにするものである。
【0032】
このように、液晶入力パッド14がデフォルトの演出情報を格納することにより、遊技盤ユニット3が、その遊技盤ユニット3および液晶入力パッド14の両方の液晶表示部による液晶表示に対応していない場合であっても、その遊技盤ユニット3を本実施形態としての本体枠1に取り付けて動作させることができる。
【0033】
遊技盤ユニット3の盤面制御部32と、液晶入力パッド14におけるメモリマップイメージの一例を図5に示す。
【0034】
この図5に示すように、盤面制御部32は、企画に応じた演出として遊技盤ユニット3の液晶表示部31を制御するための制御情報や画像情報を液晶制御ROMに格納すると共に、その演出として液晶入力パッド14を動作させるための各種制御情報や画像情報を枠演出用ROMに格納する。
【0035】
枠演出用ROMに格納される情報は、各種の命令にどのようなコマンドを用いるかといったコマンド情報、制御のためのプログラム、液晶表示部102に表示させる画像情報などを含み、企画に応じて液晶入力パッド14を動作させるために必要となる情報である。
【0036】
液晶入力パッド14は、パチンコ機100の電源投入時に、この枠演出用ROMに格納された制御情報や画像情報などの枠演出用情報をロードしてRAM内の所定領域に保持する。こうして、BOOT ROMなどの小型液晶制御ROMに格納された情報と共に、盤面制御部32からロードした枠演出用情報を用いて、液晶入力パッド14は演出等の動作制御を行う。
【0037】
なお、図5の例でROMとして記載されている部分は、ROMで実現することに限定されず、RAMに展開されて実現されてもよい。
【0038】
次に、本実施形態としてのパチンコ機100における起動時の動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
まず、パチンコ機100の電源がONされると、盤面制御部32の主制御部302および表示制御部301は所定の起動処理を行う(ステップS1)。また、液晶入力パッド14の主制御部104、表示制御部103および入力制御部106は、企画に関わらず共通する共通部分のプログラムや演出用情報を記憶部105としてのBOOT ROMから読み出し、起動処理を行う(ステップS2)。
【0040】
企画に関わらず共通する共通部分の起動処理が終了すると、液晶入力パッド14は、盤面制御部32にReady信号(要求信号)を送信し、企画に応じた処理のための制御情報や画像情報などの枠演出用情報の受信待ちとなる(ステップS3)。盤面制御部32は、主制御部302により液晶入力パッド14からのReady信号が検知されると、記憶部303としての枠演出用ROMから枠演出用情報を読み出し、液晶入力パッド14に送信する。
【0041】
液晶入力パッド14は、盤面制御部32からの枠演出用情報のロードが完了すると(ステップS5;Yes)、盤面制御部32にコマンドReady信号を送信する(ステップS6)。盤面制御部32は、コマンドReady信号を受信すると、液晶入力パッド14にコマンドを送信し(ステップS7)、液晶入力パッド14による液晶表示と、遊技盤ユニット3の液晶表示部31とを用いた遊技の企画に応じた演出動作を開始する(ステップS8)。
【0042】
上述したステップS3で液晶入力パッド14が盤面制御部32にReady信号を送信した後、予め定められた時間経過しても枠演出用情報のロードが行われない、または完了しない場合(ステップS4;Yes)、液晶入力パッド14は盤面制御部32に枠演出用情報が格納されていない、または転送不可状態であると判断し、BOOT ROMに格納されたデフォルトの演出情報に基づいて、企画によらない共通部分としての演出動作モードとして動作する(ステップS9)。
【0043】
次に、本実施形態としてのパチンコ機100で、遊技者による液晶入力パッド14からの入力待ちとする場合の動作例について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
パチンコ機100の起動が完了して企画に応じた演出動作が開始された後、遊技の進行として、遊技者による液晶入力パッド14からの操作入力を促す入力待ちの部分になると、盤面制御部32は、液晶入力パッド14に入力待ち演出を行う旨のコマンドを送信すると共に、液晶表示部31により入力待ち演出を行い、液晶入力パッド14からのコマンド待ち状態となる(ステップS11)。
【0045】
液晶入力パッド14は、入力待ち演出のコマンドを受信すると、主制御部104の制御により、起動時にロードした枠演出用情報に基づいて入力待ち演出を行い(ステップS12)、遊技者からの入力待ち状態となる。液晶入力パッド14は、遊技者からの操作入力を検知すると(ステップS14;Yes)、主制御部104の制御により、入力内容を示す演出コマンドを盤面制御部32に送信する(ステップS15)。
【0046】
盤面制御部32は、遊技者による入力内容を示す演出コマンドを液晶入力パッド14から受信すると(ステップS18;Yes)、主制御部302の制御により、その入力内容に応じた演出動作へと移行する(ステップS19)。
【0047】
液晶入力パッド14がステップS12で入力待ち状態となった後、予め定められた時間経過しても遊技者による操作入力が検知されない場合(ステップS13;Yes)、液晶入力パッド14は、主制御部104の制御により、起動時にロードした枠演出用情報に基づいて入力なしの場合の演出に移行する(ステップS16)。
【0048】
また、盤面制御部32は、ステップS11で液晶入力パッド14からのコマンド待ち状態となった後、予め定められた時間経過しても液晶入力パッド14からのコマンドが検知されない場合(ステップS17;Yes)、主制御部302の制御により、入力なしの場合の演出に移行する(ステップS20)。
【0049】
以上のように、上述した実施形態によれば、遊技機における入力装置として、液晶表示部102とタッチパネル101とが重畳して設けられた液晶入力パッド14を備えることにより、遊技盤ユニット3の液晶表示部31に加えて入力装置においても画面表示での演出が可能となり、遊技における演出の幅を広げると共にビジュアル的にも訴える構成とすることができる。
また、企画によっては、液晶入力パッド14側での抽選や個別演出も可能であり、さらに演出を増やすことも可能である。
【0050】
遊技盤ユニット3が遊技の企画に応じて交換されても、本体枠1の液晶入力パッド14は引き続き使用可能であるため、企画が更新される度に遊技盤ユニット3等の分離ユニットを購入する場合であっても、表示制御部分等を含めた形で再度購入する必要がなく、トータル的に低コストで遊技企画の更新を行うことができる。
【0051】
また、2つの液晶表示部の表示制御を、遊技盤ユニット3の盤面制御部32と、本体枠1の液晶入力パッド14とのそれぞれが別々に並列で行う構成であるため、効率的な演算が可能となり、表示制御のためのCPUやVDPといった制御部品を低コストなものとすることができる。このため、企画に応じた遊技盤ユニット3などの分離ユニットを低コスト化することができる。
【0052】
また、液晶入力パッド14がデフォルトの演出情報を格納するため、液晶モデル以外の盤面(いわゆる羽根もの等)を用いる場合など、画面表示のための制御情報が含まれていない遊技盤ユニット3を本体枠1に取り付ける場合であっても、特別な対応を考慮する必要なく、そのまま取り付けて動作させることができる。
【0053】
また、上述した実施形態では、液晶入力パッド14が企画に応じた演出を行うための制御情報や画像情報といった枠演出用情報を、液晶入力パッド14がパチンコ機100の起動時に遊技盤ユニット3からロードし、そのロードした枠演出用情報に基づいて、液晶入力パッド14が盤面制御部32との間で所定のコマンドを送受信しながら動作を行う。
このため、遊技盤ユニット3の設計者は、液晶入力パッド14の処理能力の範囲で、枠演出用情報を企画に応じて多様に設計することができ、多様な企画や演出を設計することができる。このため、企画に応じて交換される分離ユニットを、多様な企画や演出を盛り込んだものとすることができる。
【0054】
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0055】
例えば、液晶入力パッド14は、ケーブル15を介して本体枠1に分離不能に取り付けられる構成に限定されず、本体枠1に着脱可能であってもよく、本体枠1に埋め込まれた構成であってもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、液晶入力パッド14が主制御部104と、表示制御部103と、入力制御部106と、記憶部105と、盤面制御部32との通信を行う通信部107と、を備えることとして説明したが、企画に応じて分離ユニット部分が交換されても引き続き使用可能な本体枠1側であればこれら機能部分は液晶入力パッド14内に限定されず、例えば外枠11内や内枠12内などに設けられる構成であってもよい。
【0057】
また、液晶表示部は2つとして説明したが、2つ以上であればこの数に限定されず、例えば遊技盤ユニット3に複数の液晶表示部が設けられ、液晶入力パッド14がさらに設けられた構成などであってもよい。
【0058】
また、表示手段が液晶表示部であることとして説明したが、演出画像を表示することができればこのものに限定されず、例えば有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。
【0059】
また、液晶入力パッド14がタッチパネル101以外の入力部をさらに備えた構成であっても、本発明は同様に実現することができる。
【0060】
また、液晶入力パッド14に加えて遊技盤ユニット3にもタッチパネルを備えた構成であってもよい。この場合、扉ユニット2のガラス枠23表面にタッチパネルが設けられ、盤面制御部32に入力制御部がさらに設けられた構成とすることで、上述した実施形態と同様に実現することができる。
【0061】
また、企画に応じて交換される分離ユニットが遊技盤ユニット3であることとして説明したが、分離ユニットと、その分離ユニットを着脱可能に装着する装置本体の構成はこのものに限定されない。すなわち、分離ユニットは企画に応じて交換される部分であれば各種の部分で構成されてよく、例えば分離ユニットが盤面制御部32の基板および装飾部のみであり、装置本体が2つの液晶表示部を含む他の部分を有する構成であっても、本発明は同様に実現することができる。
また、分離ユニットが遊技盤ユニット3および扉ユニット2を含み、装置本体が本体枠1であってもよい。
このように、分離ユニットは、遊技盤ユニット3全体を含むものに限定されず、盤面制御部32の基板を含む交換可能な任意の部分であってよい。
【0062】
また、上述した実施形態では、本発明をパチンコ機に適用した例について説明したが、遊技の企画に応じて分離ユニットを交換する遊技機であればこのものに限定されず、例えばスロットマシン、TVゲーム機など、各種の遊技機にも本発明は同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 本体枠
11 外枠
12 内枠
14 液晶入力パッド
15 ケーブル
16 ハンドル
17 内枠開口
2 扉ユニット
21 取り付け枠
22 前扉
23 ガラス枠
3 遊技盤ユニット
31 液晶表示部
32 盤面制御部
101 タッチパネル
102 液晶表示部
103 表示制御部
104 主制御部
105 記憶部
106 入力制御部
301 表示制御部
302 主制御部
303 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の企画に応じて交換される分離ユニットと、前記分離ユニットを装着する装置本体とを備えた遊技機であって、
前記遊技機は複数の表示手段を備え、
前記装置本体は、
前記複数の表示手段の内、少なくとも1つの表示手段で表示するための画像情報および制御情報を前記分離ユニットから受信して格納する受信格納手段と、
前記受信格納手段に格納された画像情報および制御情報に基づいて該少なくとも1つの表示手段における表示制御を行う表示制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記装置本体は、タッチパネルを有する入力パッドを備え、
前記表示制御手段は、前記入力パッドに設けられた表示手段の表示制御を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記複数の表示手段の内、前記入力パッドに設けられた表示手段以外の少なくとも1つの表示手段における表示内容の制御を、前記タッチパネルからの入力内容に応じて行う分離ユニット制御手段と、
前記入力パッドに設けられた表示手段における表示内容の制御を、前記受信格納手段に格納された制御情報に基づいて、前記タッチパネルからの入力内容に応じて行う装置本体制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記装置本体は、
前記少なくとも1つの表示手段で表示するための画像情報および制御情報を前記分離ユニットから受信できない場合に該少なくとも1つの表示手段で表示するためのデフォルト画像情報および制御情報を格納するデフォルト格納手段と、
前記デフォルト格納手段に格納された画像情報および制御情報に基づいて該少なくとも1つの表示手段における表示制御を行うデフォルト表示制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技機の起動の際に、前記少なくとも1つの表示手段で表示するための画像情報および制御情報を前記分離ユニットに要求する要求信号を送信する要求手段を備え、
前記分離ユニットから前記少なくとも1つの表示手段で表示するための画像情報および制御情報が受信された場合、前記表示制御手段により表示制御を行い、
前記分離ユニットから前記少なくとも1つの表示手段で表示するための画像情報および制御情報が所定時間内に受信されない場合、前記デフォルト表示制御手段により表示制御を行うことを特徴とする請求項4記載の遊技機。
【請求項6】
前記分離ユニットは、前記複数の表示手段で表示するための画像情報および制御情報を格納する格納手段を備えたことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−206350(P2011−206350A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78322(P2010−78322)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】