説明

遊技機

【課題】 入力された名前の要部を含むように名前音データを検索し、この検索した名前音データを再生することで、音声データ数を限定しながら、遊技者を名前で呼ぶ遊技機を提供する。
【解決手段】 一つのまとまりをなして呼称された名前を録音した名前音データを、名前毎に記憶する名前音データ記憶手段と、名前を文字入力する名前入力手段と、入力された名前に対応する名前音データを検索する名前音データ検索手段と、検索した名前音データを再生する名前音データ再生手段と、を備え、名前音データ検索手段は、入力された名前と名前音データに録音された名前とが一致せずに、入力された名前に対応する名前音データが検索されないときに、入力された名前を構成する文字の最後尾側の文字から1文字以上を除いた先頭側文字列を、入力された名前とみなして検索する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、録音した音声データにもとづいて遊技中に音声を出力する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシン、パチンコ機などの遊技機では、予め録音した音声データを遊技中の所定のタイミングで再生して出力するようになっている。
例えば、「リーチ」、「大当り」、「ボーナス確定」などの遊技用語を録音した音声データをプログラムで定められたタイミングで出力する。
【0003】
しかしながら、このような音声データは、聴きなれた遊技用語であることから、新鮮味に欠けていた。そこで、遊技者に自分の名前を入力させ、これを遊技中に再生して出力する遊技システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
このような遊技システムでは、遊技中における名前の呼称により、遊技者を驚かせることができるとともに、ゲームの主人公になったような気持ちにさせることができるので、ゲーム性を向上させる新たな趣向として注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−201910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、入力した文字データにもとづいて音声を出力する場合には、予め音声データとして記憶(録音)しておいた50音のそれぞれの音を、入力された文字データと対応付けながら一音ずつ出力していたことから、聴こえる音声が単音をつなぎ合わせたぎこちないものとなっていた。
例えば、「たかし」という名前を文字入力した場合では、「た」、「か」、「し」の各音を、一定の間隔で出力することから、肉声で呼びかけるようなまとまりのよい滑らかな音声として聴こえず、趣のないデジタル音となってしまった。
このような問題は、名前を一つのまとまりをなすように呼称した肉声音を録音するとともに、これを音声データとして記憶することで解決できるものの、音源ROMの容量制限から記憶可能な音声データ数には限りがあるため、全ての人名に対応する音声データを記憶することは困難であった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題を解決するために提案されたもので、音源ROMの容量を考慮しながら、一つのまとまりをなすように呼称された名前を録音した名前音データを再生して遊技者を名前で呼称する遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、録音した音声データを再生して出力する遊技機であって、一つのまとまりをなして呼称された名前を録音した名前音データを、名前毎に記憶する名前音データ記憶手段と、名前を文字入力する名前入力手段と、入力された名前に対応する名前音データを検索する名前音データ検索手段と、検索した名前音データを再生する名前音データ再生手段と、を備え、前記名前音データ検索手段は、入力された名前と名前音データに録音された名前とが一致せずに、入力された名前に対応する名前音データが検索されないときに、入力された名前を構成する文字の最後尾側の文字から1文字以上を除いた先頭側文字列を、前記入力された名前とみなし、これに対応する名前音データを検索する構成としてある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技機によれば、入力された名前の要部を含むように名前音データを検索し、この検索した名前音データを再生することで、名前音データ数を限定しながら、遊技者を名前で呼称することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】遊技機の概略正面図である。
【図2】遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は、名前音データとその配列を示すデータ構造図であり、(b)は、遊技可能な対象者の各年代における名前の人気度を示す所定のランキングデータの図表である。
【図5】入力された名前と名前の要部と名前音データとの関係を示す説明図であり、(a)、(b)は、名前の先頭から2文字を要部する場合の図であり、(c)、(d)は、名前の先頭から3文字を要部とする場合の図である。
【図6】遊技機における名前入力処理を示すフローチャートである。
【図7】遊技機における要部抽出処理を示すフローチャートである。
【図8】遊技機における名前出力処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技機には、スロットマシン、パチンコ機など様々な種類があるが、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。
本実施形態のスロットマシン1は、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる一般的な回胴式遊技機であるものの、一つのまとまりをなして呼称された名前を録音した名前音データを、名前毎に記憶するとともに、遊技者により入力された名前に対応する名前音データを再生することで、遊技者の名前を聴こえよく滑らかに発音された音声で呼ぶことができるようになっている。
さらに、この入力された名前に対応する名前音データがないときには、入力された名前を構成する文字の最後尾側の文字から1文字以上を除いた先頭側文字列を、入力された名前とみなし、これに対応する名前音データを検索して再生することで、名前音データ数を限定できるようになっている。以下、本実施形態に係るスロットマシン1の各部の構成について詳述する。
【0011】
[スロットマシン本体]
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す概略正面図、図2は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図、図3は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示すブロック図である。
【0012】
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール41a,41b,41cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0013】
スロットマシン1は、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成され、内部には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部10、制御部10からの指令により、表示器8,スピーカ9,LED等のランプ類を制御する演出制御部20、及び必要な機械,装置等が収納されている。
【0014】
前扉1aは、図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る複数の操作手段が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0015】
操作手段としては、メダルが投入されるメダル投入口2と、装置内部にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール41a,41b,41cの回転を始動させるスタートレバー3と、回転している各リール41a,41b,41cを停止させる3つの停止ボタン5a,5b,5cと、遊技者の名前を入力可能な決定ボタン8a,矢印キー8bなどが設けられている。
さらに、前扉1aには、各リール41a,41b,41cに表示された図柄を視認可能とする表示窓6が、各操作手段の上側に設けられている。また、前扉1a上部には、効果音、遊技者の名前等が出力されるスピーカ9が設けられている。
【0016】
筐体1bの中央には、リール41a,41b,41cと、各リール41a,41b,41cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等を備えるドラムユニット4が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置7が設けられる。メダル払出装置7には、メダルを貯留するホッパー7aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ2bにより検出されるとともに、ホッパー7aに誘導されるようになっている。
【0017】
スロットマシン1では、上記の各操作手段からの信号やメダルセレクタ2bからの信号に基づき、制御部10が、ドラムユニット4、メダル払出装置7などの各装置を制御することで、以下のようなスロットマシン遊技が進行する。
【0018】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が制御部10に入力される。また、ベットボタン2aが操作された場合は、その検出信号が制御部10に入力される。制御部10は、これらの検出信号の入力数からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
ゲーム可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、制御部10は、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a,41b,41cを回転させる制御を行う。
【0019】
さらに、制御部10は、スタートレバー3が操作されたときに、ボーナス役、小役、再遊技役、ハズレの複数の抽選対象の中から今回ゲームの当選対象を抽選する内部抽選を行い、各停止ボタン5a,5b,5cが押下操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a,41b,41cの停止制御を行う。
【0020】
また、制御部10は、各リール41a,41b,41cに停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置7に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口7bから払い出す。
【0021】
また、スロットマシン1では、上述したようなスロットマシン遊技において、制御部10が所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン操作、ボーナスゲーム開始、ボーナス役当選)に応じた所定の制御信号を演出制御部20に出力することで、演出制御部20が、この制御信号に従い、予め記憶した演出プログラムに基づき、表示器8、スピーカ9等を制御して、所定の遊技演出を行うようになっている。
【0022】
[演出制御部]
演出制御部20は、コンピュータとして構成され、表示制御部20aと音制御部20bとを制御することで、映像演出及び音響演出を行うとともに、本発明の特徴となっている、名前の受付けから、名前に対応する名前音データの検索、検索した名前音データの再生までの一連の動作処理を実行する。
また、演出制御部20には決定ボタン8a,矢印キー8bが接続され、遊技者が名前を入力できるようになっている。
以下、演出制御部20について詳細に説明する。
【0023】
演出制御部20は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備え、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行処理することで、表示制御部20aと音制御部20bとを制御して、表示器8に所定の画像を表示させるとともに、スピーカ9から所定の音声を出力させる。
具体的には、演出制御部20は、制御部10からの制御信号にもとづいてスロットマシン1のそのときの状態を判定し、その状態に応じた演出を行うように表示制御部20aと音制御部20bとに指示し、この指示を受けた表示制御部20aと音制御部20bが、この指示に従った画像データ、音声データを以下のように出力するようになっている。
【0024】
表示制御部20aは、例えば、画像制御用のプロセッサ(VDPなど)、VRAM、画像データを記憶した画像ROMなどから構成され、演出制御部20からの指示に従い、背景、文字等のキャラクタなどの画像データを表示器8に表示する。
また、この画像データの中には、50音表と、決定キー,消去キー,漢字への変換を行う変換キーなどの所定の操作キー等が配置されたソフトキーボードの画像がある。
演出制御部20は、決定ボタン8a、矢印キー8bの操作にもとづき、このソフトキーボードを表示器8に表示させるように表示制御部20aに指示するとともに、矢印キー8bの操作にもとづいてカーソルを移動表示させるようになっている。さらに、決定ボタン8aが操作されたときにカーソルの位置する50音の文字を一文字ずつ受け付けるとともに、カーソルが決定キー上に位置するときに決定ボタン8aが操作されると、入力された名前を符号化(アスキーコード)して演出制御部20のRAMに記憶するようになっている。
また、演出制御部20は、この入力された名前に対応する文字キャラクタを、遊技中の所定のタイミングで表示器8に表示させるように表示制御部20aに指示する。
【0025】
なお、演出制御部20は、入力された文字列(名前)がNGワードに該当する場合は、名前としての入力を禁止する。
具体的には、演出制御部20のROMには、入力を禁止するNGワード(誹謗・中傷する言葉、卑猥な言葉など)が予め既定された文字列として記憶され、演出制御部20は、遊技者の入力を一文字ずつ受け付けながら、記憶したNGワードとの照合を行い、入力される文字列がNGワードのときは、名前としてRAMに記憶しないようになっている。
このようにNGワードの入力を禁止するのは、NGワードはそもそも音声データとして記憶されていないものの、本実施形態では、入力された文字列は名前として表示器8に表示されるので、このようなNGワードを表示させないためである。
【0026】
音制御部20bは、例えば、PCM音源、音声データを記憶した音声ROM、アンプなどから構成され、演出制御部20からの指示に従い、音声データを再生してスピーカ9から出力する。
音声ROMには、効果音データ、音声データが記憶され、この音声データには、「ボーナス確定」などの遊技用語を録音した音声データの他に、遊技者を名前で呼称するための名前音データがある。
【0027】
名前音データは、一つのまとまりをなして呼称された名前を録音したもので、聴こえよく滑らかに発音された肉声(例えば、著名な声優、人気俳優の肉声)を録音した音声データである。
名前音データは、音声ROMにおいて、名前ごとに割り当てられたアドレスの記憶領域に格納され、演出制御部20からの指示により、ロードされて再生されるようになっている。
【0028】
図4(a)に、音声ROMに記憶されている名前音データの一覧を示す。
本実施形態の名前音データは、男性の名前を「くん」付けで呼称したものが録音されている。すなわち、「○○くん」が、一つのまとまりをなして呼称された録音データとなっている。また、名前音データは、一定の基準で選りすぐった複数の男性の名前を録音したデータ群となっている。
これらの名前音データは音声ROMに格納されていると同時に、この名前音データの各音の全部又は一部を文字に置換した名前音文字置換データが、演出制御部20のROMに記憶されている。
【0029】
演出制御部20のROMに記憶されている名前音文字置換データは、例えば、図4(a)と同様、所定の配列(例えば、50音順等)でデータ構造化されているとともに、入力された名前と照合可能なように、名前音データから「くん」の音を除いた各音を文字に置換した文字列を、符号化(アスキーコード)したものとなっている。
また、この名前音文字置換データは、それぞれ音声ROMに格納されている名前音データのアドレスの番地と一対一で対応付けられている。
これにより、演出制御部20において実行される所定の検索処理により、名前音文字置換データの中から入力された名前と一致する名前音文字置換データが検索されるとともに、検索された名前音文字置換データのアドレス番地が指定され、この指定にもとづいて、音声ROMから名前音データがロードされるようになっている。
【0030】
この検索処理では、入力された名前と名前音文字置換データとを、先頭の文字から1文字ずつ照合しながら(アスキーコード同士を照合)、対応する名前音文字置換データを検索する。
例えば、入力された名前の「ひろと」と、名前音文字置換データの中の文字列「ひろと」とを、「ひ」、「ろ」、「と」の順に1文字ずつ同じ文字か否かの照合を行ないながら、名前音文字置換データ「ひろと」を検索する。すべての文字が一致すると、その名前音文字置換データと対応付けられたアドレス番地が指定され、「ひろとくん」と呼称する名前音データが音声ROMからロードされる。
また、入力された名前「りょうすけ」と、名前音文字置換データの中の文字列「りょうすけ」とを、「り」、「ょ」、「う」、「す」、「け」の順に1文字ずつ同じ文字か否かの照合を行ないながら、対応する名前音文字置換データ「りょうすけ」を検索する。すべての文字が一致すると、その名前音文字置換データと対応付けられたアドレス番地が指定され、「りょうすけくん」と呼称する名前音データが音声ROMからロードされるようになっている。
ロードされた名前音データは、PCM音源に転送されることで、そこで再生されてスピーカ9から出力される。
【0031】
このように音声ROMに記憶されている名前音データは、数ある名前の中から、一定の基準で選りすぐった名前を記憶したものとなっている。
この場合の一定の基準とは、例えば、遊技可能な対象者の各年代において、名前の人気度を示す所定のランキングデータのうちの上位の名前(ベスト10位)までに該当する名前とすることができる。
具体的には、本実施形態の名前音データの元になる名前は、図4(b)に示すように、毎年公表される、「生まれた赤ちゃんに名づけた名前のベスト10」を参考にして、遊技可能な対象者(例えば、2011年現在18歳[1993年生まれ]〜49歳[1962年生まれ])の各年代のランキングデータ(32年分)から重複する名前を除き、これらから選んだ名前となっている。
このように、名前音データとなっている名前を、遊技可能な対象者の各年代で、かつ、人気のある上位の名前に対応させることで、数多くの遊技者の名前に対応させながら、名前音データ数を削減することができる。
【0032】
さらに、記憶されている名前音データは、名前をすべて呼称したものに限らず、名前を構成する文字のうちの先頭の文字から数えて1又は2以上の文字からなる文字列(以下、先頭側文字列という)を呼称したものを含ませてある。
すなわち、名前のすべてを呼称したものを音声データ化とすると、上記のランキングデータにおける名前であったとしても、すべての名前(単純計算で、32×10通り)の名前音データを記憶することは、音声ROM容量の制限から困難である。そこで、本実施形態では、名前音データの一部又はすべてを、先頭側文字列を呼称したものとすることで、名前が異なっても、先頭側文字列は同じことがあるので、データ容量の削減ができるようになっている。
【0033】
例えば、「たかし」、「たかと」、「たかのぶ」、「たかとし」と名前が異なっても、先頭側文字列となる「たか」は共通するので、「たか」と呼称したものを名前音データとして記憶しておくことで、「たか」を含むすべての名前の名前音データを記憶する場合に比べて、その分のデータ容量の削減が図られる(図5(a)参照)。また、この場合の名前音データは、「たかくん」なので、「たかとしくん」よりもデータ長が短くなり、その分の削減も図れる。
【0034】
このように、人名において共通する部分は、名前を構成する文字のうちの最後尾側の文字を除いた先頭側文字列に多いことは明らかであるとともに、この先頭側文字列が、その人を愛称で呼ぶときの要部となっていることが多い。
そこで、本発明では、このような名前の構成に着目して、入力された名前に対応する名前音データがないとき、すなわち、入力された名前と構成する文字がすべて一致する名前音文字置換データがないときは、入力された名前を構成する文字の最後尾側の文字から1文字以上を除いた先頭側文字列を、入力された名前の要部とみなし、これに対応する名前音文字置換データ(名前音データ)を検索するようになっている。
【0035】
具体的には、演出制御部20は、入力された名前を受け付ける、名前入力処理において、入力された名前に対応する名前音データを検索する検索処理を実行する。
本実施形態に係る検索処理は、入力された名前と、前述の名前音文字置換データとを、各名前を構成する文字の先頭側から順に同じ文字か否かの照合を行い、照合結果の連続して一致する文字で構成された文字列を、先頭側文字列とし、この先頭側文字列に対応する名前音データを、入力された名前に対応する名前音データとして検索する連続照合処理となっている。
さらに、連続照合処理において求めた先頭側文字列を構成する文字の種類を判定することで、入力された名前の要部を抽出し、これと名前音文字置換データとの照合を行なって名前音データを検索する要部抽出処理をも実行可能となっている。
【0036】
前述したように、遊技者は表示器8に表示されたソフトキーボードを確認しながら、決定ボタン8a、矢印キー8bを操作して名前を入力することができる。このとき、演出制御部20では、入力された名前と一致する名前音文字置換データを検索する上記の検索処理を実行するようになっている。最初に、連続照合処理について説明する。
【0037】
[連続照合処理]
連続照合処理では、入力された名前と、名前音データから「くん」の音を除いた各音を文字に置換した名前音文字置換データとを、各名前を構成する文字の先頭側から順に同じ文字か否かの照合を行い、照合結果の連続して一致する文字で構成された文字列を、先頭側文字列とし、この先頭側文字列に対応する名前音データを、入力された名前に対応する名前音データとして処理する。
【0038】
例えば、入力された名前が「たかとし」であり、「たかとし」に対応する名前音データが存在せず、「たかと」に対応する名前音データが存在する場合を例に挙げて説明すると、連続照合処理では、入力された名前「たかとし」と、名前音文字置換データの中から、「たかと」の名前音データを文字で表した名前音文字置換データ「たかと」とを、「た」、「か」、「と」、「し」の順に1文字ずつ同じ文字か否かの照合を行ないながら、対応する名前音文字置換データを検索する。
その結果、「た」、「か」、「と」の各文字は同じであるものの、名前音文字置換データには、「し」が存在しないことから、「し」の照合において照合結果の一致が途切れることになる。
このような場合、連続照合処理では、照合結果の連続して一致する文字で構成された文字列を、先頭側文字列とすることから、入力された名前「たかとし」を構成する文字の最後尾の文字「し」を除いた先頭側文字列「たかと」が、入力された名前とみなされ、「たかと」の名前音文字置換データに対応する名前音データが、入力された名前「たかとし」に対応する名前音データとして検索されることになる。検索された名前音データは、「たかと」を「くん」付けで呼称した「たかとくん」となる。
【0039】
また、例えば、入力された名前が「しょうたろう」であり、「しょうたろう」に対応する名前音データが存在せず、「しょうた」に対応する名前音データが存在する場合を例に挙げて説明すると、連続照合処理では、入力された名前「しょうたろう」と、名前音文字置換データの中から、「しょうた」の名前音データに対応する名前音文字置換データ「しょうた」とを、「し」、「ょ」、「う」、「た」、「ろ」、「う」の順に1文字ずつ同じ文字か否かの照合を行ないながら、対応する名前音文字置換データを検索する。
その結果、「し」、「ょ」、「う」、「た」の各文字は先頭の文字から照合結果が連続して一致するものの、名前音文字置換データには、「ろ」、「う」が存在しないことから、「ろ」の照合において照合結果の一致が途切れることになる。
このような場合、連続照合処理では、照合結果の連続して一致する文字で構成された文字列を、先頭側文字列とすることから、入力された名前「しょうたろう」を構成する文字の最後尾から2文字「ろう」を除いた先頭側文字列「しょうた」が、入力された名前とみなされ、「しょうた」の名前音文字置換データに対応する名前音データが、入力された名前「しょうたろう」に対応する名前音データとして検索されることになる。検索された名前音データは、「しょうた」を「くん」付けで呼称した「しょうたくん」となる。
このように、連続照合処理では、先頭の文字から照合結果が連続して一致する限り、その文字列を先頭側文字列とすることから、入力された名前と、入力された名前に対応する名前音データ(名前音文字置換データ)との共通する文字数が多くなるという利点がある。
【0040】
ところが、連続照合処理では、照合結果が連続して一致する限り、その文字列を先頭側文字列とすることから、これにより求められた先頭側文字列が必ずしも入力された名前の要部とならないこともある。
例えば、上記の入力された名前「しょうたろう」を例に挙げて説明すると、「しょうたろう」を愛称で呼称する場合、一般的には、「しょうくん」と呼称し、「しょうたくん」とは呼称しない。つまり、連続照合処理で求めた先頭側文字列には、入力された名前の要部は含まれているものの、要部そのものとは限らない。そこで、本実施形態では、連続照合処理で求めた先頭側文字列から、さらに、入力された名前の要部を抽出し、これと名前音文字置換データとの照合を行なって名前音データを検索する要部抽出処理を実行するようになっている。
【0041】
[要部抽出処理]
要部抽出処理は、連続照合処理で求めた先頭側文字列のうちで、先頭から数えて2番目の文字の種類が小文字のときは、先頭から3文字を入力された名前の要部として抽出し、それ以外のときは、先頭から2文字を入力された名前の要部として抽出し、この要部と文字列の一致する名前音文字置換データの名前音データを、入力された名前に対応する名前音データとして処理する。
このように、名前を構成する文字の種類に着目して、要部を抽出するのは、人名において、以下のような称呼上の慣習があるからである。
【0042】
例えば、図5(a)に示すように、「たかし」、「たかと」、「たかのぶ」、「たかとし」とそれぞれ名前は異なるものの、これらの名前の人は、「たかくん」と呼称されることが多い。
同様に、図5(b)に示すように、「ひろし」、「ひろゆき」、「ひろかず」、「ひろと」とそれぞれ名前が異なるものの、これらの名前の人は、「ひろくん」と呼称されることが多い。
このように、先頭から数えて2番目の文字の種類が小文字でない名前の場合、先頭から2文字を、愛称として呼称することから、これを要部とすることができる。
【0043】
一方、先頭から数えて2番目の文字の種類が小文字の名前の場合、例えば、図5(c)に示すように、「しょうた」、「しょうすけ」、「しょうたろう」、「しょうじろう」とそれぞれ名前は異なるものの、これらの名前の人は、「しょうくん」と呼称されることが多い。
また、図5(d)に示すように、「りょう」、「りょうた」、「りょうすけ」、「りょういち」とそれぞれ名前は異なるものの、これらの名前の人は、「りょうくん」と呼称されることが多い。
このように、先頭から数えて2番目の文字の種類が小文字の名前の場合、先頭から3文字を、愛称として呼称することから、これを要部とすることができる。
そこで、要部抽出処理では、人名におけるこのような称呼上の慣習に着目して連続照合処理で求めた先頭側文字列から要部を抽出する。
【0044】
具体的には、先頭から数えて2番目の文字が小文字の場合の例として、例えば、上記の入力された名前「しょうたろう」を例に挙げて説明すると、要部抽出処理では、連続照合処理で求めた先頭側文字列「しょうた」を構成する、先頭から数えて文字の2番目の文字が小文字なので、先頭から3文字の「しょう」を要部として抽出し、これと文字列の一致する名前音文字置換データを検索する。
この検索は、連続照合処理と同様、要部「しょう」と、名前音文字置換データとを、「し」、「ょ」、「う」の順に1文字ずつ照合する手法でもよいし、又は連続照合処理に実行する前に、予め要部「しょう」を抽出する要部抽出処理を実行しておき、その後、連続照合処理において、この抽出した要部の先頭の文字から順に1文字ずつ照合する手法でもよい。
その結果、「し」、「ょ」、「う」の各文字の照合が一致したときは、その名前音文字置換データに対応する名前音データが、入力された名前「しょうたろう」に対応する名前音データとして検索されることになる。検索された名前音データは、「しょう」を「くん」付けで呼称した「しょうくん」となる。
【0045】
なお、連続照合処理で求めた先頭側文字列「しょうた」に対応する名前音文字置換データが存在するものの、そこから抽出した要部「しょう」に一致する名前音文字置換データが存在しないときには、連続照合処理で求めた先頭側文字列「しょうた」が優先され、これに対応する名前音データ「しょうたくん」が採用されることはいうまでもない。
【0046】
また、先頭から数えて2番目の文字が小文字でない場合の例として、例えば、入力された名前「たかとし」を例に挙げて説明する。
要部抽出処理では、連続照合処理で求めた先頭側文字列「たかと」を構成する、先頭から数えて文字の2番目の文字が小文字ではないので、先頭から2文字の「たか」を要部として抽出し、これと文字列の一致する名前音文字置換データを検索する。
この検索は、上記の「しょう」場合と同様な手法で行われ、その結果、「た」、「か」の各文字の照合結果が一致したときは、その名前音文字置換データに対応する名前音データが、入力された名前「たかとし」に対応する名前音データとして検索されることになる。検索された名前音データは、「たか」を「くん」付けで呼称した「たかくん」となる。
このようして、入力された名前から要部を抽出することで、日本人の名前であれば、ほとんどの名前の要部を正確に抽出できる。
なお、名前音データに、人名の要部のみ録音したものを数多く含めておくことはいうまでもない。
【0047】
以上のような連続照合処理と、要部抽出処理は、遊技者の名前を受け付ける名前入力処理において実行される。図6は、名前入力処理を示すフローチャートであり、図7は、要部抽出処理を示すフローチャートである。以下、これらを用いて、名前入力処理について説明する。
まず、演出制御部20は、遊技者により名前が入力されると(S1)、入力された名前がNGワードか否かの判定を行う(S2)。演出制御部20は、遊技者の入力を一文字ずつ受け付けながら、ROMに記憶したNGワードとの照合を行い、入力される文字列がNGワードのときは(S2−Yes)、入力を拒否し、文字データとしてRAMに記憶せずに、NGワード以外の文字列(名前)の入力待ちとなる(S1)。
一方、NGワードでないときは(S2−No)、入力された名前と、名前音データの各音を文字に置換した名前音文字置換データとを照合する連続照合処理を実行する(S3)。
【0048】
演出制御部20は、入力された名前と、名前音データから「くん」の音を除いた各音を文字に置換した名前音文字置換データとを、各名前を構成する文字の先頭側から順に同じ文字か否かの照合を行い、先頭の文字から照合結果の連続して一致する文字で構成された名前音文字置換データがある場合には(S4−Yes)、この名前音文字置換データと、これに対応付けられた名前音データの記憶先アドレスとを記憶する(S5)。
【0049】
例えば、入力された名前が「しょうたろう」であり、「しょうたろう」に対応する名前音データが存在せず、「しょうた」に対応する名前音データが存在する場合では、連続照合処理により、照合結果の連続して一致する「しょうた」を文字列とする名前音文字置換データが検索されるとともに、この名前音文字置換データと、この名前音文字置換データに対応付けられた名前音データの記憶先アドレスとを記憶する。
【0050】
また、例えば、入力された名前が「たかとし」であり、「たかとし」に対応する名前音データが存在せず、「たかと」に対応する名前音データが存在する場合では、連続照合処理により、照合結果の連続して一致する「たかと」を文字列とする名前音文字置換データが検索されるとともに、この名前音文字置換データと、この名前音文字置換データに対応付けられた名前音データの記憶先アドレスとを記憶する。
【0051】
また、例えば、入力された名前が「あああ」であり、「あああ」に対応する名前音データが存在せず、「あ」に対応する名前音データが存在する場合では、連続照合処理により、照合結果の連続して一致する「あ」を文字列とする名前音文字置換データが検索されるとともに、この名前音文字置換データと、この名前音文字置換データに対応付けられた名前音データの記憶先アドレスとを記憶する。
このように、先頭の文字から照合結果が連続して一致する限り、その文字列が入力された名前とみなされることから、入力された名前に対応する名前音データ(名前音文字置換データ)との共通する文字数が多くなり、入力された名前に近い名前で呼称することができる。
また、先頭の文字から照合結果の連続して一致する文字列には、入力された名前の要部が含まれているとともに、その文字列が要部そのものの場合もある。
【0052】
一方、入力された名前と、名前音データから「くん」の音を除いた各音を文字に置換した名前音文字置換データとを、各名前を構成する文字の先頭側から順に同じ文字か否かの照合を行い、先頭の文字から照合結果の連続して一致する文字で構成された名前音文字置換データがない場合には(S4−No)、入力された名前を文字データとしてRAMに記憶する(S6)。
【0053】
また、演出制御部20は、要部抽出処理を実行する。この要部抽出処理は、例えば、名前入力処理のS3とS4との間で呼び出されるサブルーチン処理として実行可能となっている。
具体的には、図7に示すように、演出制御部20は、連続照合処理で検索された先頭側文字列(名前音文字置換データと同義)において、先頭側文字列の先頭から数えて2番目の文字が小文字か否かの判定を行い(S11)、2番目の文字が小文字であれば(S11−Yes)、先頭側文字列の先頭から数えて3文字を要部とみなして処理を終了する。この要部は、その後、再び実行される連続照合処理に入力される。
【0054】
3文字を要部とみなして処理する例として、例えば、入力された名前が「しょうたろう」であり、「しょうたろう」に対応する名前音データが存在せず、「しょうた」及び「しょう」に対応する名前音データが存在する場合では、連続照合処理により、照合結果の連続して一致する「しょうた」が最初に先頭側文字列(名前音文字置換データ)として検索されるものの、要部抽出処理を呼び出すことで、「しょうた」から要部「しょう」が抽出される。要部「しょう」は、再び連続照合処理に入力され、これと照合結果の連続して一致する文字で構成された名前音文字置換データ「しょう」(名前音データ「しょうくん」)が最終的に検索されることになる。
【0055】
一方、先頭側文字列の先頭から数えて2番目の文字が小文字でない場合は(S11−No)、先頭側文字列の先頭から数えて2文字を要部とみなして処理を終了する。この要部は、その後、再び実行される連続照合処理に入力される。
【0056】
2文字を要部とみなして処理する例として、例えば、入力された名前が「たかとし」であり、「たかとし」に対応する名前音データが存在せず、「たかと」及び「たか」に対応する名前音データが存在する場合では、連続照合処理により、照合結果の連続して一致する「たかと」が最初に先頭側文字列(名前音文字置換データ)として検索されるものの、要部抽出処理を呼び出すことで、「たかと」から要部「たか」が抽出される。要部「たか」は、再び連続照合処理に入力され、これと照合結果の連続して一致する文字で構成された名前音文字置換データ「たか」(名前音データ「たかくん」)が最終的に検索されることになる。
【0057】
なお、この要部抽出処理は、名前入力処理のS3とS4との間に限らず、S2とS3との間で呼び出されるサブルーチン処理として実行することもできる。
S2とS3との間で呼び出される場合は、連続照合処理が実行される前に入力された名前から要部を抽出し、連続照合処理においてこの要部と照合結果の連続して一致する文字で構成された名前音文字置換データが検索される。この場合、直接的に名前の要部が抽出されるとともに、これと照合結果の連続して一致する文字で構成された名前音文字置換データ(名前音データ)が検索されることから、検索処理速度が向上する。
【0058】
また、演出制御部20は、上記の名前入力処理で検索された名前音文字置換データの表示及びこの名前音文字置換データに対応する名前音データの再生を行なう、名前出力処理を実行する。
具体的には、名前出力処理は、制御部10から所定のタイミングで送信される制御信号の指示に従って実行する演出処理のうちの一つであり、名前入力処理で記憶した名前音データの記憶先アドレス及び名前音文字置換データ、又は入力された名前の文字データをRAMから読み込み(ロード)、このロードした名前音文字置換データ又は入力された名前の文字データに対応する文字キャラクタの表示を、表示制御部20aに指示して表示させるとともに、読み込んだ名前音データの記憶先アドレスの有無に応じて、記憶先アドレスがあるときには、この記憶先アドレスに対応する名前音データの再生を音制御部20bに指示して再生させるようになっている。
【0059】
演出制御部20は、RAMの所定の記憶領域から、名前音データの記憶先アドレス及び名前音文字置換データ、又は入力された名前の文字データをロードし、記憶先アドレスが記憶されているときには、このアドレスに格納されている名前音データの再生を音制御部20bに指示して再生させると同時に、ロードした名前音文字置換データに対応する文字キャラクタの表示を、表示制御部20aに指示して表示させる。
一方、記憶先アドレスが記憶されていないときには(RAMの所定領域が、例えば、ゼロ)、名前音文字置換データも記憶されていないことから、入力された名前の文字データをロードし、この文字データに対応する文字キャラクタの表示を、表示制御部20aに指示して表示させる。
なお、RAMに記憶した文字データもないときには、すなわち、名前が入力されていないときには、予め定められた(デフォルトの)名前音データの再生及び文字キャラクタの表示を行なわせるようになっている。
【0060】
以上のような名前出力処理は、図8に示すフローチャートにもとづいて実行される。
まず、演出制御部20は、記憶した名前音データのアドレス及び名前音文字置換データをRAMからロードし(S21)、アドレスの有無の判定を行う(S22)。
アドレスが記憶されているときには(S22−Yes)、このアドレスに格納されている名前音データの再生を、音制御部20bに指示して再生させるとともに、ロードした名前音文字置換データに対応する文字キャラクタの表示を、表示制御部20aに指示して表示させ(S23)、処理を終了する。
一方、アドレスが記憶されていないときには(S22−No)、入力された名前の文字データをロードし、この文字データに対応する文字キャラクタの表示を、表示制御部20aに指示して表示させ(S24)、処理を終了する。
このような名前出力処理を実行することで、遊技者が名前で呼称されることになり、これにより遊技者を驚かせることができるとともに、ゲームの主人公になったような気持ちにさせることができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、入力された名前の要部を含むように名前音データを検索し、この検索した名前音データを再生することで、遊技者を一つのまとまりをなした名前で呼ぶことができ、音声データ数を限定しながら、ゲーム性を向上させることができる。
【0062】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0063】
例えば、遊技者が名前の入力を煩雑に感じ、例えば、「あああ」、「いいい」など、すべて同じ文字を入力する場合において(大文字と小文字の混成を含む)、演出制御部20が、入力された名前を構成する文字の種類を判定し、文字の種類がすべて同じときには、入力された名前の先頭から数えて1文字を、要部とし(要部抽出処理)、これに対応する名前音文字置換データを検索することもできる。この場合、上記の例では、「あ」、「い」(大文字)が要部とみなされ、これに対応する名前音データとして、「あーくん」、「いーくん」というように、先頭から数えて1文字目の母音をのばした長音に「くん」を付けたもの録音しておくことで、このような遊技者にも対応することができる。
【0064】
また、名前音データは、名前を「くん」付けで呼称したものとしたが、「ちゃん」付けで呼称したものとすることもできる。これにより、女性の名前音データとの共有化が図れる。
また、入力される名前として、男性の名前を例に挙げて説明したが、女性の名前を入力することもできる。
また、名前の入力は、決定ボタンや矢印キーからに限らず、遊技者の所持する携帯端末からの無線通信による入力など、任意な入力手段を用いることができる。
また、すべての人名に対応可能なように、50音のそれぞれに対応した(ただし、重複する音は除く)名前音データを記憶しておくこともできる。この場合、例えば、「あーくん」、「いーくん」の順に、「わーくん」までとする。
また、本実施形態の名前音文字置換データは、「くん」の音を除いたが、「くん」の音を含む名前音データの各音をすべて文字に置換したものとすることもできる。
この場合には、名前の入力において「くん」を入力させ、これと同じ名前音文字置換データを検索することもできるし、「くん」の入力がなければ、入力された名前の最後尾に「くん」を付加したものを入力された名前として、これと同じ名前音文字置換データを検索することもできる。
また、本実施形態では、スロットマシンを例に挙げて説明したが、パチンコ機やその他の遊技機にも適用可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、録音した音声データにもとづいて遊技中に音声を出力する遊技機に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 スロットマシン
2 メダル投入口
3 スタートレバー
4 ドラムユニット
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 表示窓
7 メダル払出装置
8 表示器
8a 決定ボタン(名前入力手段)
8b 矢印キー(名前入力手段)
9 スピーカ
10 制御部
20 演出制御部(名前音データ記憶手段,名前音データ検索手段,名前音データ再生手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
録音した音声データを再生して出力する遊技機であって、
一つのまとまりをなして呼称された名前を録音した名前音データを、名前毎に記憶する名前音データ記憶手段と、
名前を文字入力する名前入力手段と、
入力された名前に対応する名前音データを検索する名前音データ検索手段と、
検索した名前音データを再生する名前音データ再生手段と、を備え、
前記名前音データ検索手段は、
入力された名前と名前音データに録音された名前とが一致せずに、入力された名前に対応する名前音データが検索されないときに、入力された名前を構成する文字の最後尾側の文字から1文字以上を除いた先頭側文字列を、前記入力された名前とみなし、これに対応する名前音データを検索する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記名前音データ検索手段は、
入力された名前を構成する文字と、名前音データに録音された名前を構成する文字とが同じ文字か否かの照合を、各名前の先頭の文字から順に行い、照合結果の連続して一致する文字で構成された前記先頭側文字列を、前記入力された名前とみなして検索する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記名前音データ検索手段は、
入力された名前の、又は前記照合結果の連続して一致する文字で構成された先頭側文字列の、先頭から数えて2番目の文字が小文字のときは、先頭から3文字を、入力された名前とみなして検索し、
それ以外のときは、先頭から2文字を、入力された名前とみなして検索する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記名前音データ検索手段は、
入力された名前を構成する文字がすべて同じ文字のときは、先頭の1文字を、前記入力された名前とみなして検索する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記名前音データとなる名前を、遊技可能な対象者の各年代において、名前の人気度を示す所定のランキングデータのうちの上位の名前に対応させた
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記名前入力手段による文字入力において、予め既定された所定の文字列の入力を受け付けない
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−165859(P2012−165859A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28448(P2011−28448)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】