遊技機
【課題】予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【解決手段】
本発明に係る遊技機10では、保留数が8個に達し、その8個の保留の中に当たりとなる保留が含まれていることを条件として、予告メッセージの各文字を8個の保留表示部32Hに割り当て、操作ボタン29を押すことを遊技者に促すボタン操作アイコン35を各保留表示部32Hに対応させて表示する。そして、操作ボタン29が遊技者によって押される毎に、保留表示部32Hを1つずつ選択し、その保留表示部32Hに割り当てられていた文字を段階的に表示する。
【解決手段】
本発明に係る遊技機10では、保留数が8個に達し、その8個の保留の中に当たりとなる保留が含まれていることを条件として、予告メッセージの各文字を8個の保留表示部32Hに割り当て、操作ボタン29を押すことを遊技者に促すボタン操作アイコン35を各保留表示部32Hに対応させて表示する。そして、操作ボタン29が遊技者によって押される毎に、保留表示部32Hを1つずつ選択し、その保留表示部32Hに割り当てられていた文字を段階的に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技についての当否判定結果を保留記憶する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、例えば、保留された当否判定結果の中に当たりとなるものが含まれている場合に、当たりであることを示唆する予告メッセージを、遊技者が操作ボタンを1回が操作したときに表示するものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−236111号公報(段落[0026])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の遊技機では、予告メッセージの表示が操作ボタンの1回の操作で行われるため、趣向性に欠けるものがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、遊技媒体が入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、判定報知手段により当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、当否判定結果の報知が完了していない状態で入賞領域に遊技媒体が入賞した際に予め当否判定結果と事前演出についての情報とを記憶する記憶手段と、入賞領域への入賞のうち当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、基準保留数に達した複数の保留入賞の中に事前演出を行う保留入賞が含まれていることに起因して、当りであること又は事前演出を実行することを示唆している複数文字の予告メッセージを複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数ずつ保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、保留入賞の数が基準保留数に達したことに起因してメッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、少なくとも1つの保留目印毎のメッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられている複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の数分の文字又は記号又は図形を段階的に順に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明に係る遊技機は、遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、遊技媒体が入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、判定報知手段により当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、当否判定結果の報知が完了していない状態で入賞領域に遊技媒体が入賞した際に予め当否判定結果と事前演出についての情報とを記憶する記憶手段と、入賞領域への入賞のうち当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、基準保留数に達した複数の保留入賞の中に事前演出を行う保留入賞が含まれていることに起因して、当りであること又は非通常事前演出を実行することを示唆しかつ、文字、記号、図形又はそれらの結合で構成される予告メッセージを、複数のメッセージ構成要素に分割して保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、保留入賞の数が基準保留数に達したことに起因してメッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、少なくとも1つの保留目印毎のメッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられているメッセージ構成要素を段階的に順に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当りの保留入賞が含まれていないことに起因して、当りであることを示唆する複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の予告メッセージを複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数分ずつ又はメッセージ構成要素ずつ保留目印に割り当てる第2のメッセージ割当手段を備えたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明に係る遊技機は、遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、遊技媒体が入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、当否判定結果の報知が完了していない状態で入賞領域に遊技媒体が入賞した際に当否判定結果及び遊技に関わる遊技情報を記憶する記憶手段と、入賞領域への入賞のうち当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当否判定結果又は遊技情報を実行する保留入賞が含まれていることに起因して、当否判定結果又は遊技情報を実行することを示唆する予告メッセージを、基準保留数以下の複数のメッセージ構成要素に分割して複数の保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、保留入賞の数が基準保留数に達したことに起因してメッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、少なくとも1つの保留目印毎のメッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられているメッセージ構成要素を段階的に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当りの保留入賞が含まれていないことに起因して、当りであることを示唆する予告メッセージを基準保留数以下の複数のメッセージ構成要素に分割して複数の保留目印に割り当てる第2のメッセージ割当手段を備えたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、判定報知手段により当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、事前演出実行手段に行わせる事前演出を、当否判定結果が当たりになる可能性が高いことを示唆する非通常事前演出と、当否判定結果が当たりになる可能性が非通常事前演出とは異なることを示唆する通常事前演出とのいずれかにするかを決定する事前演出決定手段と、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に非通常事前演出を行う保留入賞が含まれていることに起因して、非通常事前演出を実行することを意味している複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類或いは複数のメッセージ構成要素の予告メッセージを複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数分ずつ又はメッセージ構成要素ずつ保留目印に割り当てる第3の予告メッセージ割当手段とを備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、当否判定結果又は事前演出又は遊技情報を意味する複数種類の予告メッセージを記憶した予告メッセージ記憶手段と、予告メッセージ記憶手段に記憶された複数種類の予告メッセージから予告メッセージを選択して、予告メッセージ割当手段に付与するメッセージ選択手段とを備えたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、予告メッセージ割当手段は、予告メッセージを割り当てた複数の保留目印に対応した保留入賞に対する判定表示手段による当否判定結果の表示が終了していることを条件にして作動するところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、予告メッセージ割当手段は、当否判定結果又は前記事前演出を実行する又は前記遊技情報を実行する保留入賞に対応した保留目印に予告メッセージの最初の文字又はメッセージ構成要素を割り当てるところに特徴を有する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1乃至9のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、操作示唆手段は、メッセージ取得操作部の操作を促すための操作示唆目印を保留目印毎、別個に表示するところに特徴を有する。
【0016】
請求項11の発明は、請求項10に記載の遊技機において、保留目印表示手段は、複数の保留目印を1列又は複数列に並べて表示し、操作示唆手段は、保留目印の列の隣に複数の操作示唆目印を1列又は複数列に並べかつ、対応した保留目印と操作示唆目印とを隣り合わせに配置して表示するところに特徴を有する。
【0017】
請求項12の発明は、請求項10又は11に記載の遊技機において、操作示唆手段は、メッセージ取得操作部の操作が完了した保留目印毎に操作示唆目印の表示を、操作完了を示唆する表示に切り替えるところに特徴を有する。
【0018】
請求項13の発明は、請求項1乃至12のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、任意の画像を表示可能な表示画面を有した表示装置を備え、判定表示手段、保留目印表示手段、操作示唆手段及びメッセージ段階表示手段は、表示画面に当否判定結果と保留目印と操作示唆の画像と予告メッセージを表示するところに特徴を有する。
【0019】
請求項14の発明は、請求項1乃至13のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、メッセージ取得操作部は、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、第1位置に配置されるように付勢され、メッセージ段階表示手段は、メッセージ取得操作部が1回又は複数回、第1位置から第2位置に移動したことを以て1つの保留目印に必要な操作が完了したと判断するところに特徴を有する。
【0020】
請求項15の発明は、請求項1乃至14のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、メッセージ取得操作部は、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、第1位置に配置されるように付勢され、メッセージ段階表示手段は、メッセージ取得操作部が予め設定された所定時間だけ第2位置に保持されたことを以て1つの保留目印に必要な操作が完了したと判断するところに特徴を有する。
【0021】
請求項16の発明は、請求項1乃至15のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、基準保留数を、記憶手段が当否判定結果と事前演出又は遊技情報に関する情報とを記憶可能な上限数に一致させたところに特徴を有する。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1乃至16のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、予告メッセージを構成する構成要素の個数を基準保留数内で選択する個数選択手段を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0023】
[請求項1,2の発明]
請求項1,2の発明では、操作示唆手段の操作示唆情報に促されて遊技者がメッセージ取得操作部を操作すると、保留目印に割り当てられている予告メッセージの各文字若しくは各記号若しくは各図形又は各メッセージ構成要素が報知されていく。この構成によれば、遊技者がメッセージ取得操作部を操作することによって、基準保留数の保留入賞に事前演出が実行される保留入賞があることを示唆する予告メッセージを段階的に報知することができる。これにより、予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能になる。
【0024】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、予告メッセージの文字が段階的に表示されるときに、当たりとなるか否か又は事前演出が実行されるか否かについて遊技者に期待をさせることが可能になる。
【0025】
[請求項4の発明]
請求項4の発明では、操作示唆手段の操作示唆情報に促されて遊技者がメッセージ取得操作部を操作すると、保留目印に割り当てられている予告メッセージのメッセージ構成要素が報知されていく。この構成によれば、遊技者がメッセージ取得操作部を操作することによって、基準保留数の保留入賞に当否判定結果の保留入賞又は遊技情報が実行される保留入賞の少なくとも一方があることを示唆する予告メッセージを段階的に報知することができる。これにより、予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能になる。
【0026】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、予告メッセージのメッセージ構成要素が段階的に表示されるときに、当たりとなるか否かについて遊技者に期待をさせることが可能になる。
【0027】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、予告メッセージのメッセージ構成要素が段階的に表示されるときに、当たりか否か或いは事前演出又は遊技情報が実行されるか否かについて遊技者に期待をさせることが可能になる。
【0028】
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、予告メッセージにバリエーションを持たせることが可能になる。
【0029】
[請求項8の発明]
請求項8の発明では、予告メッセージを割り当てた複数の保留目印に対応した保留入賞に対する判定表示手段による当否判定結果の表示が終了していることを条件にして、新たな予告メッセージの割り当てが行われる。この構成によれば、常に、予告メッセージを基準保留数分の保留目印に割り当てることが可能になる。
【0030】
[請求項9の発明]
請求項9の発明によれば、基準保留数の保留入賞のうち何れの保留入賞で当たりとなるか又は事前演出が実行されるか又は遊技情報が実行されるかを遊技者に知らせることが可能になる。
【0031】
[請求項10の発明]
請求項10の発明によれば、メッセージ取得操作部の操作と保留目印とを対応させて遊技者に認識させることが可能になる。
【0032】
[請求項11の発明]
請求項11の発明によれば、メッセージ取得操作部の操作がどの保留入賞に対応しているかを遊技者に認識させやすくすることが可能になる。
【0033】
[請求項12の発明]
請求項12の発明によれば、基準保留数の保留入賞のうち何れの保留入賞についてメッセージ取得操作部の操作が完了したかを遊技者に報知することが可能になる。
【0034】
[請求項13の発明]
請求項13の発明では、当否判定結果と保留目印と操作示唆の画像と予告メッセージとを共通の表示画面に表示するので、省スペース化を図ることが可能になる。
【0035】
[請求項14の発明]
請求項14の発明では、メッセージ取得操作部を、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、第1位置に配置されるように付勢されるように構成し、請求項12の発明のように、メッセージ段階表示手段を、メッセージ取得操作部が1回又は複数回、第1位置から第2位置に移動したことを以て1つの保留目印に必要な操作が完了したと判断するように構成されるので、メッセージ取得操作部の操作と予告メッセージの表示との対応を遊技者に認識させやすくすることが可能になる。
【0036】
[請求項15の発明]
請求項15の発明によれば、メッセージ取得操作部が予め設定された所定時間だけ第2位置に保持されたことを以て1つの保留目印に必要な操作が完了したと判断するので、所定時間が経過するまでの間、遊技者に趣向性を与えることが可能になる。
【0037】
[請求項16の発明]
請求項16の発明では、予告メッセージを表示するために遊技者に保留入賞の数が記憶手段が記憶可能な上限数となることを目標として遊技を行わせることができ、通常時の遊技に趣向性を持たせることが可能になる。
【0038】
[請求項17の発明]
請求項17の発明によれば、予告メッセージにバリエーションを持たせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図
【図2】(A)保留数が8個になる前の表示画面の正面図、(B)保留数が8個になった状態の表示画面の正面図、(C)ボタン操作アイコンが表示された状態の表示画面の正面図、(D)操作ボタンが2回操作された状態の表示画面の正面図
【図3】(A)操作ボタンが3回操作された状態の表示画面の正面図、(B)操作ボタンが5回操作された状態の表示画面の正面図、(C)操作ボタンが8回操作された状態の表示画面の正面図
【図4】(A)予告メッセージが継続表示された状態の表示画面の正面図、(B)予告メッセージの表示後、1番目の保留が消化された状態の表示画面の正面図、(C)1番目の保留の当否判定結果が表示された状態の表示画面の正面図、
【図5】(A)2番目の保留の当否判定結果が表示された状態の表示画面の正面図、(B)当たり保留の当否判定結果の表示中にリーチ状態になったときの表示画面の正面図(C)当たり保留の当否判定結果が表示された状態の表示画面の正面図、(D)予告メッセージの文字が消去された状態の表示画面の正面図
【図6】文字出現演出処理のフローチャート
【図7】文字出現演出処理のフローチャート
【図8】文字出現演出実行後に特別図柄を変動表示する処理のフローチャート
【図9】文字出現演出実行後に特別図柄を変動表示する処理のフローチャート
【図10】文字出現演出実行後に特別図柄を変動表示する処理のフローチャート
【図11】(A)変形例に係る保留表示部の正面図、(B)変形例に係る保留表示部の正面図、(C)変形例に係る保留表示部の正面図、(D)変形例に係る保留表示部の正面図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明を適用した遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図10に基づいて説明する。遊技機10の遊技盤11には、本発明の「遊技媒体」としての遊技球を誘導可能な誘導レール12に囲まれた略円形の遊技領域R1が設けられている。
【0041】
図1に示すように、遊技盤11は、前側を前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zには、遊技領域R1に対応した略円形のガラス窓10Wが設けられている。そして、そのガラス窓10Wを通して遊技領域R1が前方に臨んでいる。前面枠10Zのうちガラス窓10Wの上方には左右に1対のスピーカ25S,25Sが設けられ、ガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。
【0042】
前面枠10Zの右下角部の後側には、発射装置の本体部(図示せず)が備えられ、その発射装置の一部であるハンドル28が、前面枠10Zの右下角部の前面側に突出している。そして、ハンドル28を回動操作すると、遊技球(本発明の「遊技媒体」に相当する)が遊技領域R1へと送り込まれる。
【0043】
下皿27Bの左側には、本発明の「メッセージ取得操作部」に相当する操作ボタン29が備えられている。操作ボタン29は、上面が透光部材で形成され、その下方に設置された発光部の点灯によって発光して、操作可能な状態であることを遊技者に報知するようになっている。また、操作ボタン29は、通常は、例えば、バネによって上方に付勢されて第1位置に配置され、遊技者が操作ボタン29を押すと下方に押し込まれて第2位置に配置され、遊技者が操作ボタン29から手を離すと再び第1位置に配置されるようになっている。
【0044】
遊技領域R1の中央には、表示窓34Wが貫通形成され、その表示窓34Wの奥部には表示装置13が備えられている。また、表示窓34Wの周縁部には、遊技盤11の前面側から表示枠体23が装着されている。
【0045】
遊技領域R1のうち表示枠体23の下方における左右方向の中央部には、第1及び第2の始動入賞口14A,14B(本発明の「入賞領域」に相当する)、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられ、左右両側部には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20,20及びサイドランプ22,22がそれぞれ設けられている。表示枠体23の左側には、始動ゲート18と風車19とが上下に並べて設けられている。また、遊技領域R1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための障害釘が配設されている。
【0046】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、ゲートスイッチ(図示せず)を内蔵し、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄表示部18Hを、例えば、点灯又は消灯することによって普通図柄の当否判定結果を確定表示する。なお、普通図柄の当否判定結果が当たりであった場合を「小当たり」と呼ぶことにする。
【0047】
第1及び第2の始動入賞口14A,14Bは、上下方向に並んで配置されている。各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
【0048】
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した「小当たり」であった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1の状態)。
【0049】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、各始動入賞口14A,14B内に設けた図示しない球検出センサが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて特別図柄当否判定が行われる。この判定結果は、後述する表示装置13の表示画面34において特別図柄32A,32B,32C(本発明の「識別情報」に相当する)の組み合わせで表示される。そして、特別図柄当否判定の結果が当たりである場合に、「大当たり」となり、大当たり遊技が実行される。
【0050】
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15T(図1参照)にて閉塞されている。そして、「大当たり遊技」が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1回の大当たり遊技は、例えば、15ラウンドまで継続する。また、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が所定時間(例えば、29秒)に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。
【0051】
表示装置13は、表示枠体23の内側に表示画面34を有し、遊技者は、表示枠体23を通して表示画面34に表示された画像を見ることができる。表示画面34の中央に位置する判定結果表示部33には、図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄32A,32B,32Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄32A,32B,32Cは、例えば、「1」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄32A,32B,32Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄32A,32B,32Cが停止表示される。そして、特別図柄の当否判定結果が当たり(即ち、「大当たり」)の場合には、各特別図柄32A,32B,32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当たり遊技状態」に移行する。これに対し、当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当たり遊技状態」ではない通常の遊技状態が続く。
【0052】
また、各特別図柄32A,32B,32Cを変動表示後、停止する際に、最後に停止表示される特別図柄(例えば、中特別図柄32B)を除いて他の特別図柄(例えば、左特別図柄32Aと右特別図柄32C)が同一となる場合がある。この状態を「リーチ」という。
【0053】
判定結果表示部33において特別図柄32A,32B,32Cが変動表示されている間又は「大当たり遊技」が行われている間に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定結果、即ち、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示の結果は、各始動入賞口について最大4回分、即ち、合計で最大8回分まで保留記憶され、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されるか又は「大当たり遊技」が終了すると、古い保留記憶から順番に、その保留記憶に基づいて再び特別図柄32A,32B,32Cが変動表示される。
【0054】
図2(A)及び図2(B)に示すように当否判定結果の保留数は、表示画面34の複数の保留表示部32H(本発明の「保留目印」に相当する)にて表示される。具体的には、保留表示部32Hは、円形の保留アイコンで表され、判定結果表示部33の下方で左側から右側へ合計8個横並びになっている。保留アイコンは、保留がない状態では、例えば、白色の保留なし態様(図2(A)では白丸で表示されている)にて表示されている。そして、当否判定結果が保留されると、左側の保留アイコンから順番に、例えば、青色の保留有り態様(図2(B)では、ハッチングが施された丸で表示されている)に変化し、この保留有り態様で表示された保留表示部の数によって保留数を報知するようになっている。なお、保留記憶されている当否判定結果についての変動表示が開始されて保留が1つ消化されると、一番左側の保留アイコンが消えて、残りの保留アイコンが1つずつ左へシフトする。以上が遊技領域R1に備えた各種役物に関する説明である。なお、保留表示部32Hは、表示装置13以外の複数のレンズやランプ等で構成し、後述する予告メッセージを表示する際に表示装置13に保留表示アイコンを表示する構成にしてもよい。
【0055】
さて、遊技機10には、上記した第1と第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15、表示装置13、スピーカ25S,25S等の各種役物を制御するための図示しない制御基板が設けられている。以下、この制御基板が行う制御のうち、本発明に関係する部分について説明する。なお、制御基板は、例えば、メインCPUとサブCPUというように複数のCPUで構成されていてもよいし、1つのCPUで構成されていてもよい。
【0056】
制御基板は、大当たり乱数値、リーチ乱数値等の特別図柄関連乱数値(以下、「特図関連乱数値」という)を生成して、それら特図関連乱数値を所定周期ごとに更新、記憶する。そして、第1又は第2の始動入賞口14A,14Bの何れかに遊技球が入賞すると、記憶されている特図関連乱数値を取得し、取得した各特図関連乱数値を保留記憶する。そして、取得した大当たり乱数値が予め設定された大当たり乱数に一致する場合に、遊技の当否判定結果が大当たりとなる。
【0057】
各特図関連乱数値は、各始動入賞口14A,14Bについて4個まで、保留記憶可能になっていて、特図関連乱数値がすでに4個まで保留記憶されている場合、即ち、遊技球が入賞した始動入賞口についての当否判定結果の保留数が4個に達している場合には、各特図関連乱数値は取得されないようになっている。
【0058】
各特図関連乱数値が取得されると、それら特図関連乱数値に基づいて、表示画面34で特別図柄32A,32B,32Cを変動表示させるときの変動態様パターンを決定する。具体的には、「スーパーリーチ」、「リーチ」、「リーチなし」といった複数種類の変動態様パターンの中から一の変動態様パターンを選択するようになっている。決定された変動態様パターンは、特図関連乱数値と共に記憶される。
【0059】
なお、詳細には、大当たり乱数値が予め設定された大当たり乱数に一致する、即ち、遊技の当否判定結果が大当たりである場合には、リーチ乱数値を大当たり用リーチ乱数テーブルに照らして、変動態様パターンが決定される。また、大当たり乱数値が大当たり乱数でない、即ち、遊技の当否判定結果がハズレである場合には、リーチ乱数値をハズレ用リーチ乱数テーブルに照らして、変動態様パターンが決定される。
【0060】
このようにして変動態様パターンが決定されると、当否判定結果の保留数を1加算し、保留なし態様で表示されている保留表示部32Hの中で最も左側にある保留表示部32Hを保留有り態様(図2(B)参照)に変化させる。
【0061】
このとき、加算後の保留数が1であって、表示画面34にて特別図柄32A,32B,32Cが変動表示中でなく、大当たり遊技中でもない場合には、すぐに、その保留を消化する。即ち、保留記憶数を1減算すると共に保留表示部32Hを保留なし態様(図2(A)参照)に変化させ、保留記憶されていた変動態様パターン及び特図関連乱数値に基づいて、特別図柄32A,32B,32Cを変動表示して当否判定結果を表示する。一方、加算後の保留数が1であって、表示画面34にて特別図柄32A,32B,32Cが変動表示中であるか又は大当たり遊技中であった場合には、その変動表示終了後に保留を消化する。
【0062】
また、保留数が2以上であった場合には、先に記憶された保留から順番に、即ち、入賞順に消化していく。
【0063】
ここで、本実施形態の遊技機10では、各始動入賞口14A,14Bの入賞についての保留数が共に4個に達した、即ち、各始動入賞口14A,14Bの保留数の合計が保留上限数である8個になったときに、それら8個の保留の中に、大当たりとなる「当たり保留」又はスーパーリーチ(SPリーチ)の変動態様パターンとなる「SPリーチ保留」が含まれていると、文字出現演出が行われることがある。以下では、まず、8個の保留のうち3番目に消化される保留が「当たり保留」であった場合を例に挙げて、文字出現演出の流れを説明する。なお、8個の保留のうち、n番目に消化される保留のことを、単に、n番目の保留と呼ぶことにする。
【0064】
保留数が8個になって文字出現演出が実行されると、まず、図2(B)から図2(C)の変化に示すように、操作ボタン29の操作を遊技者に促すボタン操作アイコン35(本発明の「操作示唆目印」及び「操作示唆の画像」に相当する)が、表示画面34の8個の保留表示部32Hそれぞれに対応して、各保留表示部32Hの下に合計8個表示される。ボタン操作アイコン35は、例えば、操作ボタン29をかたどった形状をなし、中央部に「押」という文字が示されている。
【0065】
8個のボタン操作アイコン35は、操作ボタン29が1回押される度に、左側から順番に1つずつ消去されていく(図2(D)参照)。そして、「当たり保留」に対応した左から3番目の保留表示部32Hの下にあるボタン操作アイコン35が消去されるときに、その保留表示部32Hに、「大」の文字が表示され(図3(A)参照)、以降、左から4,5番目の保留表示部32Hに、「激」、「熱」の文字が表示される(図3(B)参照)。そして、操作ボタン29が合計で8回押されると、8個全てのボタン操作アイコン35が消去され、3,4,5番目の保留表示部32Hにて、「大激熱」という大当たりの可能性を示唆する予告メッセージが表示される(図3(C)参照)。なお、操作ボタン29が押されたことによってボタン操作アイコン35が消去された表示が本発明の「操作完了を示唆する表示」に相当する。
【0066】
このように、文字出現演出では、遊技者が操作ボタン29を押す毎に大当たりの可能性を示唆する予告メッセージの文字が1つずつ保留表示部32Hに表示されていく。
【0067】
全てのボタン操作アイコン35が消去されて保留表示部32Hに予告メッセージが出現すると、その予告メッセージが表示されたまま、8個の保留が順次消化されていく(図4(A)及び図4(B)参照)。即ち、図4(A)における1番目の保留が消化されると、保留が1つシフトして、2,3,4番目の保留表示部32Hにて「大激熱」の文字が表示され、さらに保留が消化されると、1,2,3番目の保留表示部32Hにて「大激熱」の予告メッセージが表示される(図4(B)参照)。そして、図4(A)における1番目、2番目の保留が消化されると、図4(C)及び図5(A)に示すように、それら保留についての当否判定結果が表示される。
【0068】
次いで、図4(A)における3番目の保留であった「当たり保留」が消化されると、特別図柄32A,32B,32Cが変動表示されてリーチ状態となり、SPリーチ演出へ発展する(図5(B)参照)。このとき、保留表示部32Hに表示されていた予告メッセージのうち残りの文字、即ち、「激」、「熱」の文字が消去され、保留表示部32Hは、保留有り態様の表示に戻る。そして、SPリーチ演出が終了すると、特別図柄32A,32B,32Cがゾロ目で停止し大当たりとなり(図5(C)参照)、大当たり遊技が実行される(図5(D)参照)。
【0069】
次に、この文字出現演出を実行するために遊技機10の制御基板が行っている処理について説明する。この処理は、保留表示部32Hに予告メッセージが表示されるまでの演出を行う文字出現処理(S10)と、保留表示部32Hに予告メッセージが表示された後の演出を行う文字出現後保留消化処理(S50)とで構成されている。なお、図6〜図7には、図2〜図3に示した文字出現演出を実行するときの文字出現処理(S10)の主なフローが示されており、図8〜図10には、図4〜図5に示した文字出現演出を実行するときの文字出現後消化処理(S50)の主なフローが示されている。
【0070】
図6に示すように、文字出現処理(S10)では、まず、前述した当否判定結果の保留数を加算したときに、加算後の保留数が8個になったか否かと、その他の条件を満たしたか否かを判断する(S11)。
【0071】
ここで、その他の条件では、まず、第1の条件として、保留されている8個の保留の中に、以前に文字出現演出が実行されたときに保留されていたものがあったか否かを判断する。そして、8個の保留の中に、以前に文字出現演出が実行されたときに保留されていたものがなかった場合に、第2の条件を判断する。
【0072】
なお、第1の条件を判断するためには、例えば、電源ON後、初めて文字出現演出が実行されたときに文字出現用カウンタを「8」にセットし、以後、保留を1つ消化する毎に文字出現用カウンタを1減算するように構成する。この文字出現用カウンタは、カウンタ数がゼロであって文字出現演出が実行されたときにのみ、「8」にセットされる。そして、文字出現用カウンタがゼロであるか否かを判断し、ゼロである場合に、第1の条件を満たすと判断する。
【0073】
第2の条件では、8個の保留のうち1番目から7番目までの7個の保留に、「当たり保留」又は「SPリーチ保留」(以下、「特定演出保留」という)の何れかが含まれているか否かを判断する。そして、1番目から7番目までの保留の中に、特定演出保留が含まれていた場合に、文字出現演出を実行するか否かを抽選する。この抽選は、文字出現乱数値を取得し(S12)、その乱数値によって決定される(S13)。そして、この抽選に当選した場合に、文字出現演出が実行される。なお、このとき、特定演出保留の当否判定結果を表示する際の演出に、特定演出、例えば、SPリーチ演出を設定する。
【0074】
ここで、取得した文字出現乱数値によって文字出現演出の実行が選択された場合には、更に、2以上の文字で構成された予告メッセージを決定する。具体的には、文字出現乱数値を用いて、複数種類の予告メッセージの中から予告メッセージを1つ選択する。ここで、複数種類の予告メッセージは、例えば、制御基板のROM(本発明の「予告メッセージ記憶手段」に相当する)に記憶されており、「当たりだよ」、「当たりかも」、「大激熱」、「激熱」、「チョイ熱」、「頑張れ」などの種類がある。なお、リーチ演出の種類が複数ある場合には、その保留で実行されるリーチ演出の種類を予告メッセージとして表示するようにしてもよい。このような種類が本発明の「非通常事前演出」に相当するものであり、他に特定の演出や単なるリーチなども「非通常事前演出」に含まれる。また、本実施形態では、リーチとならない演出が「通常事前演出」に相当する。以上を踏まえたものが本発明の「遊技に関わる遊技情報」に相当する。また、「通常事前演出」と「非通常事前演出」とが、本発明において、「判定報知手段により前記当否判定結果の報知の前に前記当否判定結果を示唆、より具体的には意味する事前演出」となる。即ち、複数文字の予告メッセージはそのメッセージに該当した事前演出を意味する。
【0075】
詳細には、予告メッセージの選択は、以下のようにして行われる。即ち、特定演出保留が何番目の保留であるかを判断し、特定演出保留以降に消化される保留の数以下の文字数で構成された予告メッセージを選択する。上述の図2〜図5に示した例では、3番目の保留が特定演出保留であるので、それ以降の保留の数は、「6」である。従って、予告メッセージは、6文字以下のものから選択される。また、例えば、7番目の保留が特定演出保留であった場合には、選択可能な予告メッセージは、2文字のものに限定されることになる。
【0076】
なお、1番目から7番目までの保留の中に、特定演出保留が2個以上含まれている場合には、一番先に消化される「当たり保留」を基準として予告メッセージが選択される。「当たり保留」がない場合には、一番先に消化される「SPリーチ保留」を基準として予告メッセージが選択される。
【0077】
予告メッセージが選択されると、予告メッセージの最初の文字を、基準とした特定演出保留に割り当て、それ以降の文字を、特定演出保留以降の保留に割り当てる(S14)。
【0078】
この文字の割り当ては、例えば、特定演出保留に対応した保留表示部32Hに予告メッセージの最初の文字(図2〜図5の例では、「大激熱」の「大」)を表示させるためのデータを、特定演出保留の当否判定結果に加えて記憶させることにより行われる。予告メッセージの残りの文字についても、特定演出保留以降の保留に、保留表示部32Hに文字を表示させるためのデータを記憶させる。
【0079】
予告メッセージの各文字の割り当てが終了すると、図2(C)に示したように、各保留表示部32Hの下方にボタン操作アイコン35を表示させる(S15)。
【0080】
ボタン操作アイコン35が表示されると、操作ボタン29が押されたか否かをチェックする(S16)。操作ボタン29が押されると、ボタン操作アイコン35を表示してから何回目の操作であるかを判断する(図6のS17〜S21、図7のS30〜32)。そして、n回目の操作であった場合には(但し、1≦n≦8とする)、n番目の保留に予告メッセージの文字データが記憶されているかをチェックし、文字データが記憶されている場合には、その文字をn番目の保留に対応した保留表示部32Hに表示する。文字データが記憶されていない場合には、再度、ボタン操作アイコン35が操作された否かをチェックする(S16)。
【0081】
具体的には、図6の例に示すように、1回目の操作であった場合(S17でYes、S18でNo)には、1番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去する(S22)。この例では、1番目の保留に文字データは記憶されていないので、1番目の保留に対応した保留表示部32Hに、文字は表示されない(図2(D)参照)。
【0082】
2回目の操作であった場合(S18でYes、S19でNo)は、2番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去する(S23)。図6の例では、2番目の保留にも文字データは記憶されていないので、2番目の保留に対応した保留表示部32Hにも、文字は表示されない(図2(D)参照)。
【0083】
3回目の操作であった場合(S19でYes、S20でNo)には、3番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去する(S24)。ここで、図6の例では、3番目の保留は、「当たり保留」になっていて、その保留には、予告メッセージ「大激熱」の最初の文字「大」の文字データが記憶されているので、3番目の保留に対応した保留表示部32Hに、「大」の文字を表示する(S25)。
【0084】
4回目の操作であった場合(S20でYes、S21でNo)には、4番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去し(S26)、4番目の保留表示部32Hに、「激」の文字を表示する(S27)。5回目の操作であった場合(S21でYes、図7のS30でNo)は、上記した4回目の操作であった場合と同様にして、5番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去し(S33)、5番目の保留に対応した保留表示部32Hに、「熱」の文字を表示する(S34)。
【0085】
6〜8回目の操作であった場合は、上記した1、2回目の操作であった場合と同様にして、ボタン操作アイコン35が消去され、保留表示部32Hに文字は表示されない(図3(C)及び図7のS31,32,35〜37を参照)。
【0086】
ボタン操作アイコン35が8回操作されるか、又は、ボタン操作アイコン35が表示されたときに変動表示中であった特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されると、文字出現処理(S10)は終了する。
【0087】
また、操作ボタン29が押されて、予告メッセージの一部あるいは全部が保留表示部32Hに表示されたが、操作ボタン29が8回押されるまでに特別図柄32A,32B,32Cの変動表示が終了した場合には、その変動終了時に、保留表示部32Hに表示していた予告メッセージの文字を消去し、保留表示部32Hを、保留有り態様に戻すようになっている。
【0088】
なお、図6に示したステップS11では、文字出現演出の実行を抽選するときに変動表示中の特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されるまでの時間が所定時間以下のときは、文字出現演出の実行をしないように設定されてもよい。
【0089】
次に、文字出現後保留消化処理(S50)について説明する。図8に示すように、この処理(S50)では、まず、文字出現演出の実行後に保留の変動表示が開始されたかが判断される(S51)。そして、変動表示が開始された場合(S51でYes)には、文字出現演出の実行が設定されたときにおける何番目の保留が変動表示されたかを判断し(図8のS52〜S53、図9のS60〜S61、図10のS70〜S73)、各保留に対応した当否判定結果を表示画面34に表示する(図8のS54〜S55、図9のS62〜S69、図10のS74〜S77)。
【0090】
ここで、特定演出保留を消化するときには、その特定演出保留が「当たり保留」であるか否かが判断され(S62)、「当たり保留」であった場合(S62でYes)には、それ以降の保留表示部32Hに表示されていた予告メッセージの残りの文字(図2〜図4の例では、「大激熱」の「激」と「熱」)を消去し(S63)、大当たり用の特定演出を表示する(S64)。詳細には、表示画面34の特別図柄32A,32B,32Cがリーチ状態となったときに予告メッセージの残りの文字を消去し、特定演出が行われるようになっている(図2(B)参照)。そして、表示画面34に当たり図柄(即ち、特別図柄32A,32B,32Cのゾロ目)を表示する(S65)。
【0091】
特定演出保留が「当たり保留」でなかった場合(S62でNo)には、即ち、「SPリーチ保留」であった場合には、予告メッセージの残りの文字を消去して(S66)、SPリーチ用の特定演出を表示した後(S67)、ハズレ図柄を表示する(S68)。
【0092】
以上が、文字出現演出を実行するために制御基板が行っている処理(文字出現処理(S10)及び文字出現後保留消化処理(S50))についての説明である。
【0093】
なお、本実施形態では、特図関連乱数値を取得する処理を実行しているときの制御基板が本発明の「当否判定手段」に、取得した特図関連乱数値に基づいて表示画面34の特別図柄32A,32B,32Cで当否判定結果を表示する処理を実行しているときの制御基板が本発明の「事前演出実行手段」及び「判定報知手段」に、特別図柄32A,32B,32Cの変動態様を「SPリーチ」、「リーチ」等のパターンから選択する処理を実行しているときの制御基板が本発明の「事前演出決定手段」に、保留数に応じて保留表示部32Hを保留なし態様と保留有り態様に切り替える処理を実行しているときの制御基板が本発明の「保留目印表示手段」にそれぞれ相当する。
【0094】
また、保留数が8個になったこと及びその他の条件を満たしたことを条件として文字出現演出を実行するか否かを抽選し、予告メッセージの文字を割り当てる処理(図6のステップS11〜ステップS14までの処理)を実行しているときの制御基板が本発明の「メッセージ割当手段」及び「偽メッセージ割当手段」に相当し、ボタン操作アイコン35を表示画面34に表示する処理(図6のステップS15の処理)を実行しているときの制御基板が本発明の「操作示唆手段」に相当し、操作ボタン29が操作される度に保留表示部32Hに文字が割り当てられているかを判断して、割り当てがあった場合に文字を表示する処理(図6のステップS18〜ステップ27及び図7のステップS30〜ステップ37の処理)を実行しているときの制御基板が本発明の「メッセージ段階表示手段」に相当し、乱数値に基づいて予告メッセージを選択する処理(図6のステップS12〜ステップS13の処理)を実行しているときの制御基板が「メッセージ選択手段」に相当する。
【0095】
本実施形態の遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。遊技者が操作ノブ28を操作すると遊技領域R1に遊技球が弾き出される。その遊技球は、遊技領域R1に配設された障害釘や表示枠体23等に衝突してランダムに方向を変えなから流下する。
【0096】
遊技領域R1を流下する遊技球が第1の始動入賞口14A又は第2の始動入賞口14Bに入賞すると、表示画面34に表示された特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロールして変動表示される。そして、特別図柄32A,32B,32Cがゾロ目で停止表示すると、大当たり遊技が実行される。
【0097】
また、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示中や大当たり遊技中に遊技球が第1又は第2の始動入賞口14A,14Bに入賞すると、その入賞についての当否判定結果が保留上限数の8個まで保留記憶され、保留表示部32Hにて保留数が表示される。
【0098】
さて、本実施形態の遊技機10では、当否判定結果の保留数が8個に達し、かつ、その保留の中に特定演出保留(「当たり保留」又は「SPリーチ保留」)が含まれていることを条件として、文字出現演出が実行される。
【0099】
即ち、8個の保留表示部32Hに、予告メッセージ(図3(C)の「大激熱」)の文字を割り当てる。このとき、特定演出保留に予告メッセージの最初の文字が割り当てられる。
【0100】
次いで、8個の保留表示部32Hそれぞれに対応させて各保留表示部32Hの下方にボタン操作アイコン35を表示して(図2(B)参照)、遊技者に操作ボタン29の操作を促す。そして、操作ボタン29が操作される毎に、ボタン操作アイコン35を1つずつ消去し、そのボタン操作アイコン35に対応した保留表示部32Hに文字を表示する。8個全てのボタン操作アイコン35が消去されると、保留表示部32Hに、予告メッセージ(図3(C)の「大激熱」)が表示される。
【0101】
次いで、保留が消化されてき、予告メッセージの最初の文字が表示された保留表示部32Hに対応した入賞についての当否判定結果が開始すると、特定演出が実行される。このとき、特定演出保留が「当たり保留」であった場合には、特定演出を経て、表示画面34に大当たりの結果が表示される。
【0102】
このように、本実施形態の遊技機10では、ボタン操作アイコン35に促されて遊技者が操作ボタン29を操作すると、保留表示部32Hに割り当てられている予告メッセージの各文字が報知されていく。この構成によれば、遊技者が操作ボタン29を操作することによって、基準保留数(8個)の保留入賞に当たりがあることを示唆する予告メッセージを段階的に報知することができる。これにより、予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能になる。また、遊技機10では、基準保留数(8個)の保留の中に当たりとなる保留がない場合にも、文字出現演出が実行されるので、予告メッセージの文字が段階的に表示されるときに、当たりとなるか否かについて遊技者に期待をさせることが可能になる。
【0103】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0104】
(1)上記実施形態では、「当たり保留」又「SPリーチ保留」に予告メッセージの最初の文字が割り当てられていたが、予告メッセージの途中の文字が割り当てられてもよいし、最後の文字が割り当てられてもよい。なお、最後の文字が割り当てられるように構成した場合は、8番目の保留が「当たり保留」又は「SPリーチ保留」であった場合にも、文字出現演出が実行可能となる。
【0105】
(2)上記実施形態では、本発明の「基準保留数」が保留上限数の8個であったが、2個以上の何れかの数であれば8個に限定されるものではない。
【0106】
(3)上記実施形態では、ボタン操作アイコン35を、「基準保留数」だけ表示していたが、例えば、ボタン操作アイコン35を1つだけ表示すると共に「連打」等のメッセージを表示して、操作ボタン29を複数回操作させるようにしてもよい。
【0107】
(4)上記実施形態では、ボタン操作アイコン35を複数表示することによって、操作ボタン29を複数回押させる構成であったが、例えば、「長押しせよ」などのメッセージによって操作ボタン29を長押しさせる構成であってもよい。この構成では、操作ボタン29が一定時間押し続けられたときに、保留表示部32Hに予告メッセージの文字が割り当てられていたか否かを判断する。
【0108】
(5)上記実施形態では、本発明の「メッセージ取得操作部」が操作ボタン29であったが、例えば、通常は、遊技盤11側に付勢されて遊技者側に引き寄せることが可能な操作レバーであってもよい。
【0109】
(6)上記実施形態では、「当たり保留」又は「SPリーチ保留」が消化されると、予告メッセージの残りの文字を消去する構成であったが、残りの文字に対応した保留が「当たり保留」又は「SPリーチ保留」であった場合には、残りの文字を表示し続けてもよい。これにより、大当たりの可能性がまだあるかも知れないと遊技者に期待させることができる。
【0110】
(7)上記実施形態では、予告メッセージの文字を1文字ずつ割り当てる構成であったが、予告メッセージを複数の構成要素に分割して各構成要素を割り当てる構成であれば、2文字以上の文字で構成された文字群に分割してその文字群を割り当ててもよい。
【0111】
(8)上記実施形態では、予告メッセージは文字のみで構成されていたが、文字に加えて、「!」、「?」等の記号や数字を含む構成であってもよい。
【0112】
(9)また、予告メッセージを記号や図形のみで構成してもよい。即ち、図形や記号の組み合わせで、当否判定結果やリーチ演出が実行されるか否かの事前演出に関する情報を暗示させる予告メッセージを構成してもよい。
【0113】
(10)図11(A)〜図11(D)に示すように、少なくとも1つの表示領域を複数の保留表示部に分割し、少なくとも一部の分割された各々の領域を跨ぐようにして「当」、「あつい」、「◎」、「!!」などの当たりとなることやSPリーチが実行されることを意味する文字、記号又は図形などを表示するようにしてもよい。
【0114】
(11)上記実施形態では、操作ボタン29の操作が完了したときに保留に文字が割り当てられているか否かの判断を、1番目の保留から順番に行っていたが、所定の順番であればよく、例えば、8番目の保留から逆順に判断してもよいし、1,3,5,7番目の保留というように奇数番目の保留を先に判断してから、2,4,6,8番目の保留というように偶数番目の保留を判断してもよい。
【0115】
(12)また、8個の保留をランダムに選択して、選択された保留に文字が割り当てられているか否かの判断を行ってもよい。
【0116】
(13)上記実施形態では、液晶画面34にボタン操作アイコン35を表示することで、遊技者に操作ボタン29の操作を促していたが、音声によって促す構成であってもよい。
【符号の説明】
【0117】
10 遊技機
13 表示装置
14A 第1始動入賞口(入賞領域)
14B 第2始動入賞口(入賞領域)
29 操作ボタン(メッセージ取得操作部)
32A,32B,32C 特別図柄
32H 保留表示部(保留目印)
33 判定結果表示部
34 表示画面
35 ボタン操作アイコン(操作示唆目印)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技についての当否判定結果を保留記憶する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、例えば、保留された当否判定結果の中に当たりとなるものが含まれている場合に、当たりであることを示唆する予告メッセージを、遊技者が操作ボタンを1回が操作したときに表示するものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−236111号公報(段落[0026])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の遊技機では、予告メッセージの表示が操作ボタンの1回の操作で行われるため、趣向性に欠けるものがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、遊技媒体が入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、判定報知手段により当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、当否判定結果の報知が完了していない状態で入賞領域に遊技媒体が入賞した際に予め当否判定結果と事前演出についての情報とを記憶する記憶手段と、入賞領域への入賞のうち当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、基準保留数に達した複数の保留入賞の中に事前演出を行う保留入賞が含まれていることに起因して、当りであること又は事前演出を実行することを示唆している複数文字の予告メッセージを複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数ずつ保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、保留入賞の数が基準保留数に達したことに起因してメッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、少なくとも1つの保留目印毎のメッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられている複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の数分の文字又は記号又は図形を段階的に順に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明に係る遊技機は、遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、遊技媒体が入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、判定報知手段により当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、当否判定結果の報知が完了していない状態で入賞領域に遊技媒体が入賞した際に予め当否判定結果と事前演出についての情報とを記憶する記憶手段と、入賞領域への入賞のうち当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、基準保留数に達した複数の保留入賞の中に事前演出を行う保留入賞が含まれていることに起因して、当りであること又は非通常事前演出を実行することを示唆しかつ、文字、記号、図形又はそれらの結合で構成される予告メッセージを、複数のメッセージ構成要素に分割して保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、保留入賞の数が基準保留数に達したことに起因してメッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、少なくとも1つの保留目印毎のメッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられているメッセージ構成要素を段階的に順に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当りの保留入賞が含まれていないことに起因して、当りであることを示唆する複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の予告メッセージを複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数分ずつ又はメッセージ構成要素ずつ保留目印に割り当てる第2のメッセージ割当手段を備えたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明に係る遊技機は、遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、遊技媒体が入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、当否判定結果の報知が完了していない状態で入賞領域に遊技媒体が入賞した際に当否判定結果及び遊技に関わる遊技情報を記憶する記憶手段と、入賞領域への入賞のうち当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当否判定結果又は遊技情報を実行する保留入賞が含まれていることに起因して、当否判定結果又は遊技情報を実行することを示唆する予告メッセージを、基準保留数以下の複数のメッセージ構成要素に分割して複数の保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、保留入賞の数が基準保留数に達したことに起因してメッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、少なくとも1つの保留目印毎のメッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられているメッセージ構成要素を段階的に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の遊技機において、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当りの保留入賞が含まれていないことに起因して、当りであることを示唆する予告メッセージを基準保留数以下の複数のメッセージ構成要素に分割して複数の保留目印に割り当てる第2のメッセージ割当手段を備えたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、判定報知手段により当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、事前演出実行手段に行わせる事前演出を、当否判定結果が当たりになる可能性が高いことを示唆する非通常事前演出と、当否判定結果が当たりになる可能性が非通常事前演出とは異なることを示唆する通常事前演出とのいずれかにするかを決定する事前演出決定手段と、保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に非通常事前演出を行う保留入賞が含まれていることに起因して、非通常事前演出を実行することを意味している複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類或いは複数のメッセージ構成要素の予告メッセージを複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数分ずつ又はメッセージ構成要素ずつ保留目印に割り当てる第3の予告メッセージ割当手段とを備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、当否判定結果又は事前演出又は遊技情報を意味する複数種類の予告メッセージを記憶した予告メッセージ記憶手段と、予告メッセージ記憶手段に記憶された複数種類の予告メッセージから予告メッセージを選択して、予告メッセージ割当手段に付与するメッセージ選択手段とを備えたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、予告メッセージ割当手段は、予告メッセージを割り当てた複数の保留目印に対応した保留入賞に対する判定表示手段による当否判定結果の表示が終了していることを条件にして作動するところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、予告メッセージ割当手段は、当否判定結果又は前記事前演出を実行する又は前記遊技情報を実行する保留入賞に対応した保留目印に予告メッセージの最初の文字又はメッセージ構成要素を割り当てるところに特徴を有する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1乃至9のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、操作示唆手段は、メッセージ取得操作部の操作を促すための操作示唆目印を保留目印毎、別個に表示するところに特徴を有する。
【0016】
請求項11の発明は、請求項10に記載の遊技機において、保留目印表示手段は、複数の保留目印を1列又は複数列に並べて表示し、操作示唆手段は、保留目印の列の隣に複数の操作示唆目印を1列又は複数列に並べかつ、対応した保留目印と操作示唆目印とを隣り合わせに配置して表示するところに特徴を有する。
【0017】
請求項12の発明は、請求項10又は11に記載の遊技機において、操作示唆手段は、メッセージ取得操作部の操作が完了した保留目印毎に操作示唆目印の表示を、操作完了を示唆する表示に切り替えるところに特徴を有する。
【0018】
請求項13の発明は、請求項1乃至12のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、任意の画像を表示可能な表示画面を有した表示装置を備え、判定表示手段、保留目印表示手段、操作示唆手段及びメッセージ段階表示手段は、表示画面に当否判定結果と保留目印と操作示唆の画像と予告メッセージを表示するところに特徴を有する。
【0019】
請求項14の発明は、請求項1乃至13のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、メッセージ取得操作部は、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、第1位置に配置されるように付勢され、メッセージ段階表示手段は、メッセージ取得操作部が1回又は複数回、第1位置から第2位置に移動したことを以て1つの保留目印に必要な操作が完了したと判断するところに特徴を有する。
【0020】
請求項15の発明は、請求項1乃至14のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、メッセージ取得操作部は、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、第1位置に配置されるように付勢され、メッセージ段階表示手段は、メッセージ取得操作部が予め設定された所定時間だけ第2位置に保持されたことを以て1つの保留目印に必要な操作が完了したと判断するところに特徴を有する。
【0021】
請求項16の発明は、請求項1乃至15のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、基準保留数を、記憶手段が当否判定結果と事前演出又は遊技情報に関する情報とを記憶可能な上限数に一致させたところに特徴を有する。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1乃至16のうち何れか1の請求項に記載の遊技機において、予告メッセージを構成する構成要素の個数を基準保留数内で選択する個数選択手段を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0023】
[請求項1,2の発明]
請求項1,2の発明では、操作示唆手段の操作示唆情報に促されて遊技者がメッセージ取得操作部を操作すると、保留目印に割り当てられている予告メッセージの各文字若しくは各記号若しくは各図形又は各メッセージ構成要素が報知されていく。この構成によれば、遊技者がメッセージ取得操作部を操作することによって、基準保留数の保留入賞に事前演出が実行される保留入賞があることを示唆する予告メッセージを段階的に報知することができる。これにより、予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能になる。
【0024】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、予告メッセージの文字が段階的に表示されるときに、当たりとなるか否か又は事前演出が実行されるか否かについて遊技者に期待をさせることが可能になる。
【0025】
[請求項4の発明]
請求項4の発明では、操作示唆手段の操作示唆情報に促されて遊技者がメッセージ取得操作部を操作すると、保留目印に割り当てられている予告メッセージのメッセージ構成要素が報知されていく。この構成によれば、遊技者がメッセージ取得操作部を操作することによって、基準保留数の保留入賞に当否判定結果の保留入賞又は遊技情報が実行される保留入賞の少なくとも一方があることを示唆する予告メッセージを段階的に報知することができる。これにより、予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能になる。
【0026】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、予告メッセージのメッセージ構成要素が段階的に表示されるときに、当たりとなるか否かについて遊技者に期待をさせることが可能になる。
【0027】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、予告メッセージのメッセージ構成要素が段階的に表示されるときに、当たりか否か或いは事前演出又は遊技情報が実行されるか否かについて遊技者に期待をさせることが可能になる。
【0028】
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、予告メッセージにバリエーションを持たせることが可能になる。
【0029】
[請求項8の発明]
請求項8の発明では、予告メッセージを割り当てた複数の保留目印に対応した保留入賞に対する判定表示手段による当否判定結果の表示が終了していることを条件にして、新たな予告メッセージの割り当てが行われる。この構成によれば、常に、予告メッセージを基準保留数分の保留目印に割り当てることが可能になる。
【0030】
[請求項9の発明]
請求項9の発明によれば、基準保留数の保留入賞のうち何れの保留入賞で当たりとなるか又は事前演出が実行されるか又は遊技情報が実行されるかを遊技者に知らせることが可能になる。
【0031】
[請求項10の発明]
請求項10の発明によれば、メッセージ取得操作部の操作と保留目印とを対応させて遊技者に認識させることが可能になる。
【0032】
[請求項11の発明]
請求項11の発明によれば、メッセージ取得操作部の操作がどの保留入賞に対応しているかを遊技者に認識させやすくすることが可能になる。
【0033】
[請求項12の発明]
請求項12の発明によれば、基準保留数の保留入賞のうち何れの保留入賞についてメッセージ取得操作部の操作が完了したかを遊技者に報知することが可能になる。
【0034】
[請求項13の発明]
請求項13の発明では、当否判定結果と保留目印と操作示唆の画像と予告メッセージとを共通の表示画面に表示するので、省スペース化を図ることが可能になる。
【0035】
[請求項14の発明]
請求項14の発明では、メッセージ取得操作部を、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、第1位置に配置されるように付勢されるように構成し、請求項12の発明のように、メッセージ段階表示手段を、メッセージ取得操作部が1回又は複数回、第1位置から第2位置に移動したことを以て1つの保留目印に必要な操作が完了したと判断するように構成されるので、メッセージ取得操作部の操作と予告メッセージの表示との対応を遊技者に認識させやすくすることが可能になる。
【0036】
[請求項15の発明]
請求項15の発明によれば、メッセージ取得操作部が予め設定された所定時間だけ第2位置に保持されたことを以て1つの保留目印に必要な操作が完了したと判断するので、所定時間が経過するまでの間、遊技者に趣向性を与えることが可能になる。
【0037】
[請求項16の発明]
請求項16の発明では、予告メッセージを表示するために遊技者に保留入賞の数が記憶手段が記憶可能な上限数となることを目標として遊技を行わせることができ、通常時の遊技に趣向性を持たせることが可能になる。
【0038】
[請求項17の発明]
請求項17の発明によれば、予告メッセージにバリエーションを持たせることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図
【図2】(A)保留数が8個になる前の表示画面の正面図、(B)保留数が8個になった状態の表示画面の正面図、(C)ボタン操作アイコンが表示された状態の表示画面の正面図、(D)操作ボタンが2回操作された状態の表示画面の正面図
【図3】(A)操作ボタンが3回操作された状態の表示画面の正面図、(B)操作ボタンが5回操作された状態の表示画面の正面図、(C)操作ボタンが8回操作された状態の表示画面の正面図
【図4】(A)予告メッセージが継続表示された状態の表示画面の正面図、(B)予告メッセージの表示後、1番目の保留が消化された状態の表示画面の正面図、(C)1番目の保留の当否判定結果が表示された状態の表示画面の正面図、
【図5】(A)2番目の保留の当否判定結果が表示された状態の表示画面の正面図、(B)当たり保留の当否判定結果の表示中にリーチ状態になったときの表示画面の正面図(C)当たり保留の当否判定結果が表示された状態の表示画面の正面図、(D)予告メッセージの文字が消去された状態の表示画面の正面図
【図6】文字出現演出処理のフローチャート
【図7】文字出現演出処理のフローチャート
【図8】文字出現演出実行後に特別図柄を変動表示する処理のフローチャート
【図9】文字出現演出実行後に特別図柄を変動表示する処理のフローチャート
【図10】文字出現演出実行後に特別図柄を変動表示する処理のフローチャート
【図11】(A)変形例に係る保留表示部の正面図、(B)変形例に係る保留表示部の正面図、(C)変形例に係る保留表示部の正面図、(D)変形例に係る保留表示部の正面図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明を適用した遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図10に基づいて説明する。遊技機10の遊技盤11には、本発明の「遊技媒体」としての遊技球を誘導可能な誘導レール12に囲まれた略円形の遊技領域R1が設けられている。
【0041】
図1に示すように、遊技盤11は、前側を前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zには、遊技領域R1に対応した略円形のガラス窓10Wが設けられている。そして、そのガラス窓10Wを通して遊技領域R1が前方に臨んでいる。前面枠10Zのうちガラス窓10Wの上方には左右に1対のスピーカ25S,25Sが設けられ、ガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。
【0042】
前面枠10Zの右下角部の後側には、発射装置の本体部(図示せず)が備えられ、その発射装置の一部であるハンドル28が、前面枠10Zの右下角部の前面側に突出している。そして、ハンドル28を回動操作すると、遊技球(本発明の「遊技媒体」に相当する)が遊技領域R1へと送り込まれる。
【0043】
下皿27Bの左側には、本発明の「メッセージ取得操作部」に相当する操作ボタン29が備えられている。操作ボタン29は、上面が透光部材で形成され、その下方に設置された発光部の点灯によって発光して、操作可能な状態であることを遊技者に報知するようになっている。また、操作ボタン29は、通常は、例えば、バネによって上方に付勢されて第1位置に配置され、遊技者が操作ボタン29を押すと下方に押し込まれて第2位置に配置され、遊技者が操作ボタン29から手を離すと再び第1位置に配置されるようになっている。
【0044】
遊技領域R1の中央には、表示窓34Wが貫通形成され、その表示窓34Wの奥部には表示装置13が備えられている。また、表示窓34Wの周縁部には、遊技盤11の前面側から表示枠体23が装着されている。
【0045】
遊技領域R1のうち表示枠体23の下方における左右方向の中央部には、第1及び第2の始動入賞口14A,14B(本発明の「入賞領域」に相当する)、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられ、左右両側部には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20,20及びサイドランプ22,22がそれぞれ設けられている。表示枠体23の左側には、始動ゲート18と風車19とが上下に並べて設けられている。また、遊技領域R1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための障害釘が配設されている。
【0046】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、ゲートスイッチ(図示せず)を内蔵し、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄表示部18Hを、例えば、点灯又は消灯することによって普通図柄の当否判定結果を確定表示する。なお、普通図柄の当否判定結果が当たりであった場合を「小当たり」と呼ぶことにする。
【0047】
第1及び第2の始動入賞口14A,14Bは、上下方向に並んで配置されている。各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
【0048】
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した「小当たり」であった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1の状態)。
【0049】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、各始動入賞口14A,14B内に設けた図示しない球検出センサが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて特別図柄当否判定が行われる。この判定結果は、後述する表示装置13の表示画面34において特別図柄32A,32B,32C(本発明の「識別情報」に相当する)の組み合わせで表示される。そして、特別図柄当否判定の結果が当たりである場合に、「大当たり」となり、大当たり遊技が実行される。
【0050】
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15T(図1参照)にて閉塞されている。そして、「大当たり遊技」が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1回の大当たり遊技は、例えば、15ラウンドまで継続する。また、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が所定時間(例えば、29秒)に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。
【0051】
表示装置13は、表示枠体23の内側に表示画面34を有し、遊技者は、表示枠体23を通して表示画面34に表示された画像を見ることができる。表示画面34の中央に位置する判定結果表示部33には、図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄32A,32B,32Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄32A,32B,32Cは、例えば、「1」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄32A,32B,32Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄32A,32B,32Cが停止表示される。そして、特別図柄の当否判定結果が当たり(即ち、「大当たり」)の場合には、各特別図柄32A,32B,32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当たり遊技状態」に移行する。これに対し、当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当たり遊技状態」ではない通常の遊技状態が続く。
【0052】
また、各特別図柄32A,32B,32Cを変動表示後、停止する際に、最後に停止表示される特別図柄(例えば、中特別図柄32B)を除いて他の特別図柄(例えば、左特別図柄32Aと右特別図柄32C)が同一となる場合がある。この状態を「リーチ」という。
【0053】
判定結果表示部33において特別図柄32A,32B,32Cが変動表示されている間又は「大当たり遊技」が行われている間に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定結果、即ち、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示の結果は、各始動入賞口について最大4回分、即ち、合計で最大8回分まで保留記憶され、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されるか又は「大当たり遊技」が終了すると、古い保留記憶から順番に、その保留記憶に基づいて再び特別図柄32A,32B,32Cが変動表示される。
【0054】
図2(A)及び図2(B)に示すように当否判定結果の保留数は、表示画面34の複数の保留表示部32H(本発明の「保留目印」に相当する)にて表示される。具体的には、保留表示部32Hは、円形の保留アイコンで表され、判定結果表示部33の下方で左側から右側へ合計8個横並びになっている。保留アイコンは、保留がない状態では、例えば、白色の保留なし態様(図2(A)では白丸で表示されている)にて表示されている。そして、当否判定結果が保留されると、左側の保留アイコンから順番に、例えば、青色の保留有り態様(図2(B)では、ハッチングが施された丸で表示されている)に変化し、この保留有り態様で表示された保留表示部の数によって保留数を報知するようになっている。なお、保留記憶されている当否判定結果についての変動表示が開始されて保留が1つ消化されると、一番左側の保留アイコンが消えて、残りの保留アイコンが1つずつ左へシフトする。以上が遊技領域R1に備えた各種役物に関する説明である。なお、保留表示部32Hは、表示装置13以外の複数のレンズやランプ等で構成し、後述する予告メッセージを表示する際に表示装置13に保留表示アイコンを表示する構成にしてもよい。
【0055】
さて、遊技機10には、上記した第1と第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15、表示装置13、スピーカ25S,25S等の各種役物を制御するための図示しない制御基板が設けられている。以下、この制御基板が行う制御のうち、本発明に関係する部分について説明する。なお、制御基板は、例えば、メインCPUとサブCPUというように複数のCPUで構成されていてもよいし、1つのCPUで構成されていてもよい。
【0056】
制御基板は、大当たり乱数値、リーチ乱数値等の特別図柄関連乱数値(以下、「特図関連乱数値」という)を生成して、それら特図関連乱数値を所定周期ごとに更新、記憶する。そして、第1又は第2の始動入賞口14A,14Bの何れかに遊技球が入賞すると、記憶されている特図関連乱数値を取得し、取得した各特図関連乱数値を保留記憶する。そして、取得した大当たり乱数値が予め設定された大当たり乱数に一致する場合に、遊技の当否判定結果が大当たりとなる。
【0057】
各特図関連乱数値は、各始動入賞口14A,14Bについて4個まで、保留記憶可能になっていて、特図関連乱数値がすでに4個まで保留記憶されている場合、即ち、遊技球が入賞した始動入賞口についての当否判定結果の保留数が4個に達している場合には、各特図関連乱数値は取得されないようになっている。
【0058】
各特図関連乱数値が取得されると、それら特図関連乱数値に基づいて、表示画面34で特別図柄32A,32B,32Cを変動表示させるときの変動態様パターンを決定する。具体的には、「スーパーリーチ」、「リーチ」、「リーチなし」といった複数種類の変動態様パターンの中から一の変動態様パターンを選択するようになっている。決定された変動態様パターンは、特図関連乱数値と共に記憶される。
【0059】
なお、詳細には、大当たり乱数値が予め設定された大当たり乱数に一致する、即ち、遊技の当否判定結果が大当たりである場合には、リーチ乱数値を大当たり用リーチ乱数テーブルに照らして、変動態様パターンが決定される。また、大当たり乱数値が大当たり乱数でない、即ち、遊技の当否判定結果がハズレである場合には、リーチ乱数値をハズレ用リーチ乱数テーブルに照らして、変動態様パターンが決定される。
【0060】
このようにして変動態様パターンが決定されると、当否判定結果の保留数を1加算し、保留なし態様で表示されている保留表示部32Hの中で最も左側にある保留表示部32Hを保留有り態様(図2(B)参照)に変化させる。
【0061】
このとき、加算後の保留数が1であって、表示画面34にて特別図柄32A,32B,32Cが変動表示中でなく、大当たり遊技中でもない場合には、すぐに、その保留を消化する。即ち、保留記憶数を1減算すると共に保留表示部32Hを保留なし態様(図2(A)参照)に変化させ、保留記憶されていた変動態様パターン及び特図関連乱数値に基づいて、特別図柄32A,32B,32Cを変動表示して当否判定結果を表示する。一方、加算後の保留数が1であって、表示画面34にて特別図柄32A,32B,32Cが変動表示中であるか又は大当たり遊技中であった場合には、その変動表示終了後に保留を消化する。
【0062】
また、保留数が2以上であった場合には、先に記憶された保留から順番に、即ち、入賞順に消化していく。
【0063】
ここで、本実施形態の遊技機10では、各始動入賞口14A,14Bの入賞についての保留数が共に4個に達した、即ち、各始動入賞口14A,14Bの保留数の合計が保留上限数である8個になったときに、それら8個の保留の中に、大当たりとなる「当たり保留」又はスーパーリーチ(SPリーチ)の変動態様パターンとなる「SPリーチ保留」が含まれていると、文字出現演出が行われることがある。以下では、まず、8個の保留のうち3番目に消化される保留が「当たり保留」であった場合を例に挙げて、文字出現演出の流れを説明する。なお、8個の保留のうち、n番目に消化される保留のことを、単に、n番目の保留と呼ぶことにする。
【0064】
保留数が8個になって文字出現演出が実行されると、まず、図2(B)から図2(C)の変化に示すように、操作ボタン29の操作を遊技者に促すボタン操作アイコン35(本発明の「操作示唆目印」及び「操作示唆の画像」に相当する)が、表示画面34の8個の保留表示部32Hそれぞれに対応して、各保留表示部32Hの下に合計8個表示される。ボタン操作アイコン35は、例えば、操作ボタン29をかたどった形状をなし、中央部に「押」という文字が示されている。
【0065】
8個のボタン操作アイコン35は、操作ボタン29が1回押される度に、左側から順番に1つずつ消去されていく(図2(D)参照)。そして、「当たり保留」に対応した左から3番目の保留表示部32Hの下にあるボタン操作アイコン35が消去されるときに、その保留表示部32Hに、「大」の文字が表示され(図3(A)参照)、以降、左から4,5番目の保留表示部32Hに、「激」、「熱」の文字が表示される(図3(B)参照)。そして、操作ボタン29が合計で8回押されると、8個全てのボタン操作アイコン35が消去され、3,4,5番目の保留表示部32Hにて、「大激熱」という大当たりの可能性を示唆する予告メッセージが表示される(図3(C)参照)。なお、操作ボタン29が押されたことによってボタン操作アイコン35が消去された表示が本発明の「操作完了を示唆する表示」に相当する。
【0066】
このように、文字出現演出では、遊技者が操作ボタン29を押す毎に大当たりの可能性を示唆する予告メッセージの文字が1つずつ保留表示部32Hに表示されていく。
【0067】
全てのボタン操作アイコン35が消去されて保留表示部32Hに予告メッセージが出現すると、その予告メッセージが表示されたまま、8個の保留が順次消化されていく(図4(A)及び図4(B)参照)。即ち、図4(A)における1番目の保留が消化されると、保留が1つシフトして、2,3,4番目の保留表示部32Hにて「大激熱」の文字が表示され、さらに保留が消化されると、1,2,3番目の保留表示部32Hにて「大激熱」の予告メッセージが表示される(図4(B)参照)。そして、図4(A)における1番目、2番目の保留が消化されると、図4(C)及び図5(A)に示すように、それら保留についての当否判定結果が表示される。
【0068】
次いで、図4(A)における3番目の保留であった「当たり保留」が消化されると、特別図柄32A,32B,32Cが変動表示されてリーチ状態となり、SPリーチ演出へ発展する(図5(B)参照)。このとき、保留表示部32Hに表示されていた予告メッセージのうち残りの文字、即ち、「激」、「熱」の文字が消去され、保留表示部32Hは、保留有り態様の表示に戻る。そして、SPリーチ演出が終了すると、特別図柄32A,32B,32Cがゾロ目で停止し大当たりとなり(図5(C)参照)、大当たり遊技が実行される(図5(D)参照)。
【0069】
次に、この文字出現演出を実行するために遊技機10の制御基板が行っている処理について説明する。この処理は、保留表示部32Hに予告メッセージが表示されるまでの演出を行う文字出現処理(S10)と、保留表示部32Hに予告メッセージが表示された後の演出を行う文字出現後保留消化処理(S50)とで構成されている。なお、図6〜図7には、図2〜図3に示した文字出現演出を実行するときの文字出現処理(S10)の主なフローが示されており、図8〜図10には、図4〜図5に示した文字出現演出を実行するときの文字出現後消化処理(S50)の主なフローが示されている。
【0070】
図6に示すように、文字出現処理(S10)では、まず、前述した当否判定結果の保留数を加算したときに、加算後の保留数が8個になったか否かと、その他の条件を満たしたか否かを判断する(S11)。
【0071】
ここで、その他の条件では、まず、第1の条件として、保留されている8個の保留の中に、以前に文字出現演出が実行されたときに保留されていたものがあったか否かを判断する。そして、8個の保留の中に、以前に文字出現演出が実行されたときに保留されていたものがなかった場合に、第2の条件を判断する。
【0072】
なお、第1の条件を判断するためには、例えば、電源ON後、初めて文字出現演出が実行されたときに文字出現用カウンタを「8」にセットし、以後、保留を1つ消化する毎に文字出現用カウンタを1減算するように構成する。この文字出現用カウンタは、カウンタ数がゼロであって文字出現演出が実行されたときにのみ、「8」にセットされる。そして、文字出現用カウンタがゼロであるか否かを判断し、ゼロである場合に、第1の条件を満たすと判断する。
【0073】
第2の条件では、8個の保留のうち1番目から7番目までの7個の保留に、「当たり保留」又は「SPリーチ保留」(以下、「特定演出保留」という)の何れかが含まれているか否かを判断する。そして、1番目から7番目までの保留の中に、特定演出保留が含まれていた場合に、文字出現演出を実行するか否かを抽選する。この抽選は、文字出現乱数値を取得し(S12)、その乱数値によって決定される(S13)。そして、この抽選に当選した場合に、文字出現演出が実行される。なお、このとき、特定演出保留の当否判定結果を表示する際の演出に、特定演出、例えば、SPリーチ演出を設定する。
【0074】
ここで、取得した文字出現乱数値によって文字出現演出の実行が選択された場合には、更に、2以上の文字で構成された予告メッセージを決定する。具体的には、文字出現乱数値を用いて、複数種類の予告メッセージの中から予告メッセージを1つ選択する。ここで、複数種類の予告メッセージは、例えば、制御基板のROM(本発明の「予告メッセージ記憶手段」に相当する)に記憶されており、「当たりだよ」、「当たりかも」、「大激熱」、「激熱」、「チョイ熱」、「頑張れ」などの種類がある。なお、リーチ演出の種類が複数ある場合には、その保留で実行されるリーチ演出の種類を予告メッセージとして表示するようにしてもよい。このような種類が本発明の「非通常事前演出」に相当するものであり、他に特定の演出や単なるリーチなども「非通常事前演出」に含まれる。また、本実施形態では、リーチとならない演出が「通常事前演出」に相当する。以上を踏まえたものが本発明の「遊技に関わる遊技情報」に相当する。また、「通常事前演出」と「非通常事前演出」とが、本発明において、「判定報知手段により前記当否判定結果の報知の前に前記当否判定結果を示唆、より具体的には意味する事前演出」となる。即ち、複数文字の予告メッセージはそのメッセージに該当した事前演出を意味する。
【0075】
詳細には、予告メッセージの選択は、以下のようにして行われる。即ち、特定演出保留が何番目の保留であるかを判断し、特定演出保留以降に消化される保留の数以下の文字数で構成された予告メッセージを選択する。上述の図2〜図5に示した例では、3番目の保留が特定演出保留であるので、それ以降の保留の数は、「6」である。従って、予告メッセージは、6文字以下のものから選択される。また、例えば、7番目の保留が特定演出保留であった場合には、選択可能な予告メッセージは、2文字のものに限定されることになる。
【0076】
なお、1番目から7番目までの保留の中に、特定演出保留が2個以上含まれている場合には、一番先に消化される「当たり保留」を基準として予告メッセージが選択される。「当たり保留」がない場合には、一番先に消化される「SPリーチ保留」を基準として予告メッセージが選択される。
【0077】
予告メッセージが選択されると、予告メッセージの最初の文字を、基準とした特定演出保留に割り当て、それ以降の文字を、特定演出保留以降の保留に割り当てる(S14)。
【0078】
この文字の割り当ては、例えば、特定演出保留に対応した保留表示部32Hに予告メッセージの最初の文字(図2〜図5の例では、「大激熱」の「大」)を表示させるためのデータを、特定演出保留の当否判定結果に加えて記憶させることにより行われる。予告メッセージの残りの文字についても、特定演出保留以降の保留に、保留表示部32Hに文字を表示させるためのデータを記憶させる。
【0079】
予告メッセージの各文字の割り当てが終了すると、図2(C)に示したように、各保留表示部32Hの下方にボタン操作アイコン35を表示させる(S15)。
【0080】
ボタン操作アイコン35が表示されると、操作ボタン29が押されたか否かをチェックする(S16)。操作ボタン29が押されると、ボタン操作アイコン35を表示してから何回目の操作であるかを判断する(図6のS17〜S21、図7のS30〜32)。そして、n回目の操作であった場合には(但し、1≦n≦8とする)、n番目の保留に予告メッセージの文字データが記憶されているかをチェックし、文字データが記憶されている場合には、その文字をn番目の保留に対応した保留表示部32Hに表示する。文字データが記憶されていない場合には、再度、ボタン操作アイコン35が操作された否かをチェックする(S16)。
【0081】
具体的には、図6の例に示すように、1回目の操作であった場合(S17でYes、S18でNo)には、1番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去する(S22)。この例では、1番目の保留に文字データは記憶されていないので、1番目の保留に対応した保留表示部32Hに、文字は表示されない(図2(D)参照)。
【0082】
2回目の操作であった場合(S18でYes、S19でNo)は、2番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去する(S23)。図6の例では、2番目の保留にも文字データは記憶されていないので、2番目の保留に対応した保留表示部32Hにも、文字は表示されない(図2(D)参照)。
【0083】
3回目の操作であった場合(S19でYes、S20でNo)には、3番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去する(S24)。ここで、図6の例では、3番目の保留は、「当たり保留」になっていて、その保留には、予告メッセージ「大激熱」の最初の文字「大」の文字データが記憶されているので、3番目の保留に対応した保留表示部32Hに、「大」の文字を表示する(S25)。
【0084】
4回目の操作であった場合(S20でYes、S21でNo)には、4番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去し(S26)、4番目の保留表示部32Hに、「激」の文字を表示する(S27)。5回目の操作であった場合(S21でYes、図7のS30でNo)は、上記した4回目の操作であった場合と同様にして、5番目の保留に対応した保留表示部32Hの下方にあるボタン操作アイコン35を消去し(S33)、5番目の保留に対応した保留表示部32Hに、「熱」の文字を表示する(S34)。
【0085】
6〜8回目の操作であった場合は、上記した1、2回目の操作であった場合と同様にして、ボタン操作アイコン35が消去され、保留表示部32Hに文字は表示されない(図3(C)及び図7のS31,32,35〜37を参照)。
【0086】
ボタン操作アイコン35が8回操作されるか、又は、ボタン操作アイコン35が表示されたときに変動表示中であった特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されると、文字出現処理(S10)は終了する。
【0087】
また、操作ボタン29が押されて、予告メッセージの一部あるいは全部が保留表示部32Hに表示されたが、操作ボタン29が8回押されるまでに特別図柄32A,32B,32Cの変動表示が終了した場合には、その変動終了時に、保留表示部32Hに表示していた予告メッセージの文字を消去し、保留表示部32Hを、保留有り態様に戻すようになっている。
【0088】
なお、図6に示したステップS11では、文字出現演出の実行を抽選するときに変動表示中の特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されるまでの時間が所定時間以下のときは、文字出現演出の実行をしないように設定されてもよい。
【0089】
次に、文字出現後保留消化処理(S50)について説明する。図8に示すように、この処理(S50)では、まず、文字出現演出の実行後に保留の変動表示が開始されたかが判断される(S51)。そして、変動表示が開始された場合(S51でYes)には、文字出現演出の実行が設定されたときにおける何番目の保留が変動表示されたかを判断し(図8のS52〜S53、図9のS60〜S61、図10のS70〜S73)、各保留に対応した当否判定結果を表示画面34に表示する(図8のS54〜S55、図9のS62〜S69、図10のS74〜S77)。
【0090】
ここで、特定演出保留を消化するときには、その特定演出保留が「当たり保留」であるか否かが判断され(S62)、「当たり保留」であった場合(S62でYes)には、それ以降の保留表示部32Hに表示されていた予告メッセージの残りの文字(図2〜図4の例では、「大激熱」の「激」と「熱」)を消去し(S63)、大当たり用の特定演出を表示する(S64)。詳細には、表示画面34の特別図柄32A,32B,32Cがリーチ状態となったときに予告メッセージの残りの文字を消去し、特定演出が行われるようになっている(図2(B)参照)。そして、表示画面34に当たり図柄(即ち、特別図柄32A,32B,32Cのゾロ目)を表示する(S65)。
【0091】
特定演出保留が「当たり保留」でなかった場合(S62でNo)には、即ち、「SPリーチ保留」であった場合には、予告メッセージの残りの文字を消去して(S66)、SPリーチ用の特定演出を表示した後(S67)、ハズレ図柄を表示する(S68)。
【0092】
以上が、文字出現演出を実行するために制御基板が行っている処理(文字出現処理(S10)及び文字出現後保留消化処理(S50))についての説明である。
【0093】
なお、本実施形態では、特図関連乱数値を取得する処理を実行しているときの制御基板が本発明の「当否判定手段」に、取得した特図関連乱数値に基づいて表示画面34の特別図柄32A,32B,32Cで当否判定結果を表示する処理を実行しているときの制御基板が本発明の「事前演出実行手段」及び「判定報知手段」に、特別図柄32A,32B,32Cの変動態様を「SPリーチ」、「リーチ」等のパターンから選択する処理を実行しているときの制御基板が本発明の「事前演出決定手段」に、保留数に応じて保留表示部32Hを保留なし態様と保留有り態様に切り替える処理を実行しているときの制御基板が本発明の「保留目印表示手段」にそれぞれ相当する。
【0094】
また、保留数が8個になったこと及びその他の条件を満たしたことを条件として文字出現演出を実行するか否かを抽選し、予告メッセージの文字を割り当てる処理(図6のステップS11〜ステップS14までの処理)を実行しているときの制御基板が本発明の「メッセージ割当手段」及び「偽メッセージ割当手段」に相当し、ボタン操作アイコン35を表示画面34に表示する処理(図6のステップS15の処理)を実行しているときの制御基板が本発明の「操作示唆手段」に相当し、操作ボタン29が操作される度に保留表示部32Hに文字が割り当てられているかを判断して、割り当てがあった場合に文字を表示する処理(図6のステップS18〜ステップ27及び図7のステップS30〜ステップ37の処理)を実行しているときの制御基板が本発明の「メッセージ段階表示手段」に相当し、乱数値に基づいて予告メッセージを選択する処理(図6のステップS12〜ステップS13の処理)を実行しているときの制御基板が「メッセージ選択手段」に相当する。
【0095】
本実施形態の遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。遊技者が操作ノブ28を操作すると遊技領域R1に遊技球が弾き出される。その遊技球は、遊技領域R1に配設された障害釘や表示枠体23等に衝突してランダムに方向を変えなから流下する。
【0096】
遊技領域R1を流下する遊技球が第1の始動入賞口14A又は第2の始動入賞口14Bに入賞すると、表示画面34に表示された特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロールして変動表示される。そして、特別図柄32A,32B,32Cがゾロ目で停止表示すると、大当たり遊技が実行される。
【0097】
また、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示中や大当たり遊技中に遊技球が第1又は第2の始動入賞口14A,14Bに入賞すると、その入賞についての当否判定結果が保留上限数の8個まで保留記憶され、保留表示部32Hにて保留数が表示される。
【0098】
さて、本実施形態の遊技機10では、当否判定結果の保留数が8個に達し、かつ、その保留の中に特定演出保留(「当たり保留」又は「SPリーチ保留」)が含まれていることを条件として、文字出現演出が実行される。
【0099】
即ち、8個の保留表示部32Hに、予告メッセージ(図3(C)の「大激熱」)の文字を割り当てる。このとき、特定演出保留に予告メッセージの最初の文字が割り当てられる。
【0100】
次いで、8個の保留表示部32Hそれぞれに対応させて各保留表示部32Hの下方にボタン操作アイコン35を表示して(図2(B)参照)、遊技者に操作ボタン29の操作を促す。そして、操作ボタン29が操作される毎に、ボタン操作アイコン35を1つずつ消去し、そのボタン操作アイコン35に対応した保留表示部32Hに文字を表示する。8個全てのボタン操作アイコン35が消去されると、保留表示部32Hに、予告メッセージ(図3(C)の「大激熱」)が表示される。
【0101】
次いで、保留が消化されてき、予告メッセージの最初の文字が表示された保留表示部32Hに対応した入賞についての当否判定結果が開始すると、特定演出が実行される。このとき、特定演出保留が「当たり保留」であった場合には、特定演出を経て、表示画面34に大当たりの結果が表示される。
【0102】
このように、本実施形態の遊技機10では、ボタン操作アイコン35に促されて遊技者が操作ボタン29を操作すると、保留表示部32Hに割り当てられている予告メッセージの各文字が報知されていく。この構成によれば、遊技者が操作ボタン29を操作することによって、基準保留数(8個)の保留入賞に当たりがあることを示唆する予告メッセージを段階的に報知することができる。これにより、予告メッセージの表示に多様性を持たせて遊技の趣向性を高めることが可能になる。また、遊技機10では、基準保留数(8個)の保留の中に当たりとなる保留がない場合にも、文字出現演出が実行されるので、予告メッセージの文字が段階的に表示されるときに、当たりとなるか否かについて遊技者に期待をさせることが可能になる。
【0103】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0104】
(1)上記実施形態では、「当たり保留」又「SPリーチ保留」に予告メッセージの最初の文字が割り当てられていたが、予告メッセージの途中の文字が割り当てられてもよいし、最後の文字が割り当てられてもよい。なお、最後の文字が割り当てられるように構成した場合は、8番目の保留が「当たり保留」又は「SPリーチ保留」であった場合にも、文字出現演出が実行可能となる。
【0105】
(2)上記実施形態では、本発明の「基準保留数」が保留上限数の8個であったが、2個以上の何れかの数であれば8個に限定されるものではない。
【0106】
(3)上記実施形態では、ボタン操作アイコン35を、「基準保留数」だけ表示していたが、例えば、ボタン操作アイコン35を1つだけ表示すると共に「連打」等のメッセージを表示して、操作ボタン29を複数回操作させるようにしてもよい。
【0107】
(4)上記実施形態では、ボタン操作アイコン35を複数表示することによって、操作ボタン29を複数回押させる構成であったが、例えば、「長押しせよ」などのメッセージによって操作ボタン29を長押しさせる構成であってもよい。この構成では、操作ボタン29が一定時間押し続けられたときに、保留表示部32Hに予告メッセージの文字が割り当てられていたか否かを判断する。
【0108】
(5)上記実施形態では、本発明の「メッセージ取得操作部」が操作ボタン29であったが、例えば、通常は、遊技盤11側に付勢されて遊技者側に引き寄せることが可能な操作レバーであってもよい。
【0109】
(6)上記実施形態では、「当たり保留」又は「SPリーチ保留」が消化されると、予告メッセージの残りの文字を消去する構成であったが、残りの文字に対応した保留が「当たり保留」又は「SPリーチ保留」であった場合には、残りの文字を表示し続けてもよい。これにより、大当たりの可能性がまだあるかも知れないと遊技者に期待させることができる。
【0110】
(7)上記実施形態では、予告メッセージの文字を1文字ずつ割り当てる構成であったが、予告メッセージを複数の構成要素に分割して各構成要素を割り当てる構成であれば、2文字以上の文字で構成された文字群に分割してその文字群を割り当ててもよい。
【0111】
(8)上記実施形態では、予告メッセージは文字のみで構成されていたが、文字に加えて、「!」、「?」等の記号や数字を含む構成であってもよい。
【0112】
(9)また、予告メッセージを記号や図形のみで構成してもよい。即ち、図形や記号の組み合わせで、当否判定結果やリーチ演出が実行されるか否かの事前演出に関する情報を暗示させる予告メッセージを構成してもよい。
【0113】
(10)図11(A)〜図11(D)に示すように、少なくとも1つの表示領域を複数の保留表示部に分割し、少なくとも一部の分割された各々の領域を跨ぐようにして「当」、「あつい」、「◎」、「!!」などの当たりとなることやSPリーチが実行されることを意味する文字、記号又は図形などを表示するようにしてもよい。
【0114】
(11)上記実施形態では、操作ボタン29の操作が完了したときに保留に文字が割り当てられているか否かの判断を、1番目の保留から順番に行っていたが、所定の順番であればよく、例えば、8番目の保留から逆順に判断してもよいし、1,3,5,7番目の保留というように奇数番目の保留を先に判断してから、2,4,6,8番目の保留というように偶数番目の保留を判断してもよい。
【0115】
(12)また、8個の保留をランダムに選択して、選択された保留に文字が割り当てられているか否かの判断を行ってもよい。
【0116】
(13)上記実施形態では、液晶画面34にボタン操作アイコン35を表示することで、遊技者に操作ボタン29の操作を促していたが、音声によって促す構成であってもよい。
【符号の説明】
【0117】
10 遊技機
13 表示装置
14A 第1始動入賞口(入賞領域)
14B 第2始動入賞口(入賞領域)
29 操作ボタン(メッセージ取得操作部)
32A,32B,32C 特別図柄
32H 保留表示部(保留目印)
33 判定結果表示部
34 表示画面
35 ボタン操作アイコン(操作示唆目印)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、
前記遊技媒体が前記入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、
前記入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、
前記判定報知手段により前記当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、
前記当否判定結果の報知が完了していない状態で前記入賞領域に前記遊技媒体が入賞した際に予め前記当否判定結果と前記事前演出についての情報とを記憶する記憶手段と、
前記入賞領域への入賞のうち前記当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、前記基準保留数に達した複数の保留入賞の中に前記事前演出を行う前記保留入賞が含まれていることに起因して、当りであること又は前記事前演出を実行することを示唆している複数の文字又は記号又は図形の少なくとも一種類の予告メッセージを前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数ずつ前記保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、
前記予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、
前記保留入賞の数が前記基準保留数に達したことに起因して前記メッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、
少なくとも1つの前記保留目印毎の前記メッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられている前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の数分の文字又は記号又は図形を段階的に順に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、
前記遊技媒体が前記入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、
前記入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、
前記判定報知手段により前記当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、
前記当否判定結果の報知が完了していない状態で前記入賞領域に前記遊技媒体が入賞した際に予め前記当否判定結果と前記事前演出についての情報とを記憶する記憶手段と、
前記入賞領域への入賞のうち前記当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、前記基準保留数に達した複数の保留入賞の中に前記事前演出を行う前記保留入賞が含まれていることに起因して、当りであること又は前記事前演出を実行することを示唆しかつ、文字、記号、図形又はそれらの結合で構成される予告メッセージを、複数のメッセージ構成要素に分割して前記保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、
前記予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、
前記保留入賞の数が前記基準保留数に達したことに起因して前記メッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、
少なくとも1つの前記保留目印毎の前記メッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられている前記メッセージ構成要素を段階的に順に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当りの前記保留入賞が含まれていないことに起因して、当りであることを示唆する複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の予告メッセージを前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数分ずつ又は前記メッセージ構成要素ずつ前記保留目印に割り当て可能な第2のメッセージ割当手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、
前記遊技媒体が前記入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、
前記入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、
前記当否判定結果の報知が完了していない状態で前記入賞領域に遊技媒体が入賞した際に前記当否判定結果及び遊技に関わる遊技情報を記憶する記憶手段と、
前記入賞領域への入賞のうち前記当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に前記当否判定結果又は前記遊技情報の前記保留入賞が含まれていることに起因して、前記当否判定結果又は前記遊技情報を実行することを示唆する予告メッセージを、前記基準保留数以下の複数のメッセージ構成要素に分割して複数の前記保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、
前記予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、
前記保留入賞の数が前記基準保留数に達したことに起因して前記メッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、
少なくとも1つの前記保留目印毎の前記メッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられている前記メッセージ構成要素を段階的に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当りの前記保留入賞が含まれていないことに起因して、当りであることを示唆する予告メッセージを前記基準保留数以下の複数のメッセージ構成要素に分割して複数の前記保留目印に割り当てる第2のメッセージ割当手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記判定報知手段により前記当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、
前記事前演出実行手段に行わせる前記事前演出を、前記当否判定結果が当たりになる可能性が高いことを示唆する非通常事前演出と、前記当否判定結果が当たりになる可能性が前記非通常事前演出とは異なることを示唆する通常事前演出とのいずれかにするかを決定する事前演出決定手段と、
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に前記非通常事前演出を行う前記保留入賞が含まれていることに起因して、前記非通常事前演出を実行することを意味している前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類或いは前記複数のメッセージ構成要素の予告メッセージを前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数分ずつ又は前記メッセージ構成要素ずつ前記保留目印に割り当てる第3の予告メッセージ割当手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記当否判定結果又は前記事前演出又は前記遊技情報を意味する複数種類の予告メッセージを記憶した予告メッセージ記憶手段と、
前記予告メッセージ記憶手段に記憶された複数種類の予告メッセージから予告メッセージを選択して、前記予告メッセージ割当手段に付与するメッセージ選択手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記予告メッセージ割当手段は、前記予告メッセージを割り当てた複数の保留目印に対応した前記保留入賞に対する前記判定表示手段による前記当否判定結果の表示が終了していることを条件にして作動することを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項9】
前記予告メッセージ割当手段は、前記当否判定結果又は前記事前演出を実行する又は前記遊技情報を実行する前記保留入賞に対応した前記保留目印に前記予告メッセージの最初の文字又はメッセージ構成要素を割り当てることを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項10】
前記操作示唆手段は、前記メッセージ取得操作部の操作を促すための操作示唆目印を前記保留目印毎、別個に表示することを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項11】
前記保留目印表示手段は、複数の前記保留目印を1列又は複数列に並べて表示し、
前記操作示唆手段は、前記保留目印の列の隣に複数の前記操作示唆目印を1列又は複数列に並べかつ、対応した前記保留目印と前記操作示唆目印とを隣り合わせに配置して表示することを特徴とする請求項10に記載の遊技機。
【請求項12】
前記操作示唆手段は、前記メッセージ取得操作部の操作が完了した前記保留目印毎に前記操作示唆目印の表示を、操作完了を示唆する表示に切り替えることを特徴とする請求項10又は11に記載の遊技機。
【請求項13】
任意の画像を表示可能な表示画面を有した表示装置を備え、
前記判定表示手段、前記保留目印表示手段、前記操作示唆手段及び前記メッセージ段階表示手段は、前記表示画面に前記当否判定結果と前記保留目印と操作示唆の画像と前記予告メッセージを表示することを特徴とする請求項1乃至12のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項14】
前記メッセージ取得操作部は、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、前記第1位置に配置されるように付勢され、
前記メッセージ段階表示手段は、前記メッセージ取得操作部が1回又は複数回、前記第1位置から前記第2位置に移動したことを以て1つの前記保留目印に必要な操作が完了したと判断することを特徴とする請求項1乃至13のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項15】
前記メッセージ取得操作部は、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、前記第1位置に配置されるように付勢され、
前記メッセージ段階表示手段は、前記メッセージ取得操作部が予め設定された所定時間だけ前記第2位置に保持されたことを以て1つの前記保留目印に必要な操作が完了したと判断することを特徴とする請求項1乃至14のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項16】
前記基準保留数を、前記記憶手段が前記当否判定結果と前記事前演出又は前記遊技情報に関する情報とを記憶可能な上限数に一致させたことを特徴とする請求項1乃至15のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項17】
前記予告メッセージを構成する構成要素の個数を前記基準保留数内で選択する個数選択手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至16のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、
前記遊技媒体が前記入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、
前記入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、
前記判定報知手段により前記当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、
前記当否判定結果の報知が完了していない状態で前記入賞領域に前記遊技媒体が入賞した際に予め前記当否判定結果と前記事前演出についての情報とを記憶する記憶手段と、
前記入賞領域への入賞のうち前記当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、前記基準保留数に達した複数の保留入賞の中に前記事前演出を行う前記保留入賞が含まれていることに起因して、当りであること又は前記事前演出を実行することを示唆している複数の文字又は記号又は図形の少なくとも一種類の予告メッセージを前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数ずつ前記保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、
前記予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、
前記保留入賞の数が前記基準保留数に達したことに起因して前記メッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、
少なくとも1つの前記保留目印毎の前記メッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられている前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の数分の文字又は記号又は図形を段階的に順に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、
前記遊技媒体が前記入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、
前記入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、
前記判定報知手段により前記当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、
前記当否判定結果の報知が完了していない状態で前記入賞領域に前記遊技媒体が入賞した際に予め前記当否判定結果と前記事前演出についての情報とを記憶する記憶手段と、
前記入賞領域への入賞のうち前記当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、前記基準保留数に達した複数の保留入賞の中に前記事前演出を行う前記保留入賞が含まれていることに起因して、当りであること又は前記事前演出を実行することを示唆しかつ、文字、記号、図形又はそれらの結合で構成される予告メッセージを、複数のメッセージ構成要素に分割して前記保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、
前記予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、
前記保留入賞の数が前記基準保留数に達したことに起因して前記メッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、
少なくとも1つの前記保留目印毎の前記メッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられている前記メッセージ構成要素を段階的に順に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当りの前記保留入賞が含まれていないことに起因して、当りであることを示唆する複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の予告メッセージを前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数分ずつ又は前記メッセージ構成要素ずつ前記保留目印に割り当て可能な第2のメッセージ割当手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技媒体が入賞可能な入賞領域と、
前記遊技媒体が前記入賞領域に入賞することを起因にして当否判定を行う当否判定手段と、
前記入賞領域への遊技媒体の入賞順に、各入賞に対する当否判定結果を、報知する判定報知手段と、
前記当否判定結果の報知が完了していない状態で前記入賞領域に遊技媒体が入賞した際に前記当否判定結果及び遊技に関わる遊技情報を記憶する記憶手段と、
前記入賞領域への入賞のうち前記当否判定結果の報知待ちの複数の保留入賞毎に対応させて保留目印を複数表示可能な保留目印表示手段とを備えた遊技機において、
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に前記当否判定結果又は前記遊技情報の前記保留入賞が含まれていることに起因して、前記当否判定結果又は前記遊技情報を実行することを示唆する予告メッセージを、前記基準保留数以下の複数のメッセージ構成要素に分割して複数の前記保留目印に割り当て可能な予告メッセージ割当手段と、
前記予告メッセージを表示するために遊技者が操作可能なメッセージ取得操作部と、
前記保留入賞の数が前記基準保留数に達したことに起因して前記メッセージ取得操作部の操作を遊技者に促すことが可能な操作示唆情報を出力可能な操作示唆手段と、
少なくとも1つの前記保留目印毎の前記メッセージ取得操作部の操作が完了する度に、その保留目印に割り当てられている前記メッセージ構成要素を段階的に表示するメッセージ段階表示手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に当りの前記保留入賞が含まれていないことに起因して、当りであることを示唆する予告メッセージを前記基準保留数以下の複数のメッセージ構成要素に分割して複数の前記保留目印に割り当てる第2のメッセージ割当手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記判定報知手段により前記当否判定結果の報知の前に事前演出を行う事前演出実行手段と、
前記事前演出実行手段に行わせる前記事前演出を、前記当否判定結果が当たりになる可能性が高いことを示唆する非通常事前演出と、前記当否判定結果が当たりになる可能性が前記非通常事前演出とは異なることを示唆する通常事前演出とのいずれかにするかを決定する事前演出決定手段と、
前記保留入賞の数が、予め設定された所定複数の基準保留数に達したこと及び、その基準保留数に達した複数の保留入賞の中に前記非通常事前演出を行う前記保留入賞が含まれていることに起因して、前記非通常事前演出を実行することを意味している前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類或いは前記複数のメッセージ構成要素の予告メッセージを前記複数の文字又は記号又は図形の少なくとも1種類の一部の文字又は記号又は図形の数分ずつ又は前記メッセージ構成要素ずつ前記保留目印に割り当てる第3の予告メッセージ割当手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記当否判定結果又は前記事前演出又は前記遊技情報を意味する複数種類の予告メッセージを記憶した予告メッセージ記憶手段と、
前記予告メッセージ記憶手段に記憶された複数種類の予告メッセージから予告メッセージを選択して、前記予告メッセージ割当手段に付与するメッセージ選択手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項8】
前記予告メッセージ割当手段は、前記予告メッセージを割り当てた複数の保留目印に対応した前記保留入賞に対する前記判定表示手段による前記当否判定結果の表示が終了していることを条件にして作動することを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項9】
前記予告メッセージ割当手段は、前記当否判定結果又は前記事前演出を実行する又は前記遊技情報を実行する前記保留入賞に対応した前記保留目印に前記予告メッセージの最初の文字又はメッセージ構成要素を割り当てることを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項10】
前記操作示唆手段は、前記メッセージ取得操作部の操作を促すための操作示唆目印を前記保留目印毎、別個に表示することを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項11】
前記保留目印表示手段は、複数の前記保留目印を1列又は複数列に並べて表示し、
前記操作示唆手段は、前記保留目印の列の隣に複数の前記操作示唆目印を1列又は複数列に並べかつ、対応した前記保留目印と前記操作示唆目印とを隣り合わせに配置して表示することを特徴とする請求項10に記載の遊技機。
【請求項12】
前記操作示唆手段は、前記メッセージ取得操作部の操作が完了した前記保留目印毎に前記操作示唆目印の表示を、操作完了を示唆する表示に切り替えることを特徴とする請求項10又は11に記載の遊技機。
【請求項13】
任意の画像を表示可能な表示画面を有した表示装置を備え、
前記判定表示手段、前記保留目印表示手段、前記操作示唆手段及び前記メッセージ段階表示手段は、前記表示画面に前記当否判定結果と前記保留目印と操作示唆の画像と前記予告メッセージを表示することを特徴とする請求項1乃至12のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項14】
前記メッセージ取得操作部は、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、前記第1位置に配置されるように付勢され、
前記メッセージ段階表示手段は、前記メッセージ取得操作部が1回又は複数回、前記第1位置から前記第2位置に移動したことを以て1つの前記保留目印に必要な操作が完了したと判断することを特徴とする請求項1乃至13のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項15】
前記メッセージ取得操作部は、第1位置と第2位置との間を往復動すると共に、通常は、前記第1位置に配置されるように付勢され、
前記メッセージ段階表示手段は、前記メッセージ取得操作部が予め設定された所定時間だけ前記第2位置に保持されたことを以て1つの前記保留目印に必要な操作が完了したと判断することを特徴とする請求項1乃至14のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項16】
前記基準保留数を、前記記憶手段が前記当否判定結果と前記事前演出又は前記遊技情報に関する情報とを記憶可能な上限数に一致させたことを特徴とする請求項1乃至15のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項17】
前記予告メッセージを構成する構成要素の個数を前記基準保留数内で選択する個数選択手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至16のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−78554(P2013−78554A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232512(P2011−232512)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(599104196)株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(599104196)株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]