説明

遊技装置、及び演出装置

【課題】遊技者がより積極的に参加してもらえる遊技装置の演出を実現すること。
【解決手段】抽選演出として、遊技者が操作入力して参加することのできるサブゲームを実行する。その際、内部抽選結果に対応づけられた複数のゲーム難易度設定の中から何れかを選択する。演出表示選択したゲーム難易度設定に対応づけられた入力評価判定領域を用いて入力評価判定する。このサブゲームにおける成績は、入力評価判定に応じて付与される獲得ポイントの累積である。よって、サブゲームをプレイし獲得ポイントの増え方で内部抽選の結果を推測することができるので、演出に無関心だが内部抽選結果は知りたいと考えるような熟練遊技者にも積極的にサブゲームに参加してもらえるよう促すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部抽選結果に応じた演出を実行する遊技装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のパチンコ装置やスロットマシーンなどの遊技装置では、演算処理等による内部抽選の結果(いわゆる内部当たりの抽選結果)に応じて様々な演出を実行し、遊技者をメインの遊技以外の面でも楽しませようとする仕組みが知られるところである。演出の形態は多岐に渡り、役物と呼ばれる機構を可動させたり、付属する液晶ディスプレイ等に予め用意された動画を表示させるものなどが有る。
【0003】
通常、演出の種類は内部抽選の結果によって少しずつ内容が異なるように設定されており、遊技者に演出を見せることで内部当たりの状態を告知・示唆することができるようになっている。
この内部当たり状態の示唆については、演出表示に興味は無いが内部当たり状態だけが分かれば良いと思っている熟練遊技者向けに、内部当たり状態を遊技者が意図するタイミングで表示させることのできる構成が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−253740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内部抽選に伴う各種の演出は、メインの遊技以外でも遊技者に楽しんでもらおうとする配慮から生まれたものであり、熟練技術者が演出に興味が無く内部当たりの状態を認知できれば十分と考えていても、できるだけ演出を楽しんでほしいのが遊技装置メーカ側の願いである。特許文献1の技術によれば確かに熟練遊技者が望むように意図するタイミングで、求める情報を提供することができるが、せっかくの演出を楽しんでもらうと言う願いを叶えるものではなかった。
【0006】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、遊技者がより積極的に参加してもらえる遊技装置の演出を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための第1の発明は、内部抽選処理を実行して所与の数の遊技媒体をボーナスとして排出する遊技装置であって、
表示部(例えば、図1の液晶ディスプレイ202)と、
遊技者が操作入力するための操作入力部(例えば、図1の操作ボタン1410)と、
前記操作入力部からの操作入力に従って前記表示部を表示制御して所定のゲームの進行を制御するゲーム制御部(例えば、図1の演出装置200、サブ基板204、図7の処理部600、演出制御部610、図10のステップS8〜S18)と、
前記ゲーム結果に応じて、前記ボーナスとして排出する遊技媒体の数を変更して排出する制御を行うボーナス排出制御部(例えば、図1のメイン基板1450、メダル排出装置1412)と、を備え、
前記ゲーム制御部は、前記ゲームの難易度を前記抽選結果に応じて可変に設定する難易度設定部を有する遊技装置である。
【0008】
また、別の形態として、内部抽選処理を実行して所与の数の遊技媒体をボーナスとして排出し、表示部と、操作入力部とを具備した遊技装置に装着される演出装置であって、前記操作入力部からの操作入力に従って前記表示部を表示制御して、前記内部抽選処理による抽選を演出するための所定のゲームの進行を制御するゲーム制御部と、前記ゲーム結果に応じて、前記ボーナスとして排出する遊技媒体の数を変更して排出する制御を行うボーナス排出制御部と、を備えるとともに、前記ゲーム制御部は、前記ゲームの難易度を前記抽選結果に応じて可変に設定する難易度設定部を有する演出装置を構成することができる。
【0009】
第1の発明によれば、演出の形態として遊技者参加型のゲーム(メインの遊技に対する位置づけではサブゲーム或いはミニゲーム)を実行することができる。このゲームのゲーム難易度は抽選結果によって可変される。つまり、内部抽選結果を知るにはゲームに僅かでも参加する必要があり、遊技者を演出に注目させゲームに参加することで、演出を楽しんでもらうように促すことができる。またこれは同時に、ゲーム難易度で内部抽選の結果を告知するといった従来にない遊技装置を実現することにもなる。
【0010】
また、第1の発明によれば、例えば、ゲームをクリアした場合に、ボーナスとして排出する遊技媒体の数を増量して排出することができるので、熟練遊技者でもゲームに参加させるインセンティブを付与することができる。
【0011】
第2の発明は、前記ゲーム制御部が、操作入力すべきタイミングを遊技者に示すタイミング提示部(例えば、図1の液晶ディスプレイ202、図2〜図3の符合流域4、入力タイミング指標8、符合10、図7の演出装置200、演出制御部610、画像表示部360、図10のステップS10)と、
前記タイミング提示部により示されたタイミングと前記操作入力部からの操作入力タイミングとのズレを所定の入力評価判定基準に基づき評価することで、前記遊技者の操作入力の優劣を評価する評価部(例えば、図1のサブ基板204、図7の演出制御部610、入力評価判定領域設定データ508、図10のステップS14)と、を有し、
前記難易度設定部は、前記入力評価判定基準を前記抽選結果に応じて変更することで前記ゲームの難易度を設定する第1の発明の遊技装置である。
【0012】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するとともに、操作入力タイミングと操作入力すべき最適タイミングとのズレの評価基準を変更することで、ゲーム難易度を設定することができる。つまり、同じようなタイミングで操作入力したとしても、内部抽選の結果によってその評価が異なり、ゲームの進行状況に影響する。例えば、ポイント制のゲームであれば、獲得ポイントの増加具合などに影響する。
遊技者にとってみれば、あからさまに内部抽選結果が明示されるわけでなく、何度となくゲームをプレイしてみることで、いつも通りプレイしているつもりなのにゲームの進行状況(例えば、獲得ポイントの増加具合など)が違うことを察知して内部抽選の結果の違いを推測するできることになる。よって、遊技者を、ゲームに意欲的に参加してもらうように促すことができる。
【0013】
第3の発明は、前記難易度設定部が、前記抽選結果が所定の良好条件を満たしている場合に、満たしていない場合に比べて、高評価と判定する前記ズレの許容範囲を広くするように前記入力評価判定基準を変更する第2の発明の遊技装置である。
【0014】
第3の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏するとともに、抽選結果が遊技者にとって有益な結果、例えば大役など何らかの形で当選した場合の操作入力の評価は、そうでない場合よりも高く評価される。
遊技者にとってみれば、ゲームをプレイしていて、いつもよりも成績が良くプレイできれば内部抽選結果が良好であると推測できることになる。これは、演出に伴って抽選結果に応じた数の遊技媒体をボーナスとして排出する流れを鑑みれば、好成績で気持ちよくゲームを楽しむことができ、加えてボーナスがもらえると言う、良いことづくめの流れとなり、ゲームに参加することの楽しさをより印象づけることができる。
【0015】
第4の発明は、前記ゲーム制御部が、操作入力すべきタイミングを遊技者に示すタイミング提示部と、前記タイミング提示部により示されたタイミングと前記操作入力部からの操作入力タイミングとのズレに基づくゲームポイントを算出するゲームポイント算出部と、を有し、前記難易度設定部が、前記ゲームポイントの算出単位を前記抽選結果に応じて変更することで前記ゲームの難易度を設定する(例えば、図15の獲得ポイント設定データ518、図16のステップS16C)、第1の発明の遊技装置である。
【0016】
第4の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するとともに、操作入力タイミングと操作入力すべき最適タイミングとのズレに基づいてゲームポイントを算出する際、内部抽選の結果に応じた算出単位を用いることでゲーム難易度を可変することができる。つまり、同じようなタイミングで操作入力したとしても、内部抽選の結果によって獲得ポイントの増加具合が変わる。
遊技者にとってみれば、何度となくゲームをプレイしてみることで、いつも通りプレイしているつもりなのに獲得ポイントの増加具合が違うことを察知して内部抽選の結果の違いを推測できることになる。よって、遊技者をゲームに意欲的に参加してもらうように促すことができる。
【0017】
第5の発明は、前記難易度設定部が、前記抽選結果が所定の良好条件を満たしている場合に、満たしていない場合に比べて、ゲームポイントの加算単位が大きくなるように前記算出単位を変更する第4の発明の遊技装置である。
【0018】
第5の発明によれば、第4の発明と同様の効果を奏するとともに、抽選結果が遊技者にとって有益な結果、例えば何らかの形で当選した場合の操作入力の評価は、そうでない場合よりもゲームポイントの加算単位が大きくされる。
遊技者にとってみれば、ゲームをプレイしてみて、いつもよりも成績が良くプレイできれば内部抽選結果が良好であると推測できる。これは、演出に伴って抽選結果に応じた数の遊技媒体をボーナスとして排出する流れを鑑みれば、好成績で気持ちよくゲームを楽しむことができ、加えてボーナスがもらえるという、良いことづくめの流れとなり、ゲームに参加することの楽しさを印象づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態におけるスロットマシーンの構成例を示す正面外観図。
【図2】第1実施形態におけるサブゲームのゲーム画面例を示す図。
【図3】第1実施形態におけるサブゲームのゲーム画面例を示す図。
【図4】称賛演出の表示例を説明するための画面図。
【図5】ゲームオーバー演出の表示例を説明するための画面図。
【図6】第1実施形態におけるゲーム難易度の設定と入力評価判定基準との対応関係の例を示す概念図
【図7】第1実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図8】難易度設定データのデータ構成例を示す図。
【図9】入力評価判定領域設定データのデータ構成例を示す図。
【図10】第1実施形態における演出実行に係わる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図11】第2実施形態におけるサブゲームのゲーム画面例を示す図。
【図12】クリア条件設定データのデータ構成例を示す図。
【図13】第2実施形態における演出実行に係わる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図14】第3実施形態におけるサブゲームのゲーム画面例を示す図。
【図15】獲得ポイント設定データのデータ構成例を示す図。
【図16】第3実施形態における演出実行に係わる処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図17】第3実施形態の変形例におけるサブゲームのゲーム画面例を示す図。
【図18】第4実施形態のメダルゲーム装置の構成例を示す正面外観図。
【図19】第4実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】第5実施形態におけるサブゲームのゲーム画面例を示す図。
【図21】第5実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図22】図21よりつづくフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態として、本発明が適用された演出装置を遊技装置の一例であるスロットマシーンに搭載した形態を例に挙げて説明する。
【0021】
[スロットマシーンの概略説明]
図1は、本実施形態における遊技装置であるスロットマシーン1400の正面外観図である。スロットマシーン1400は、内蔵するメイン基板1450の駆動制御される3連リール1402を正面中央に備えるとともに、この3連リール1402下方、リールの連なりに沿って、メダル投入口1404と、スタートレバー1406と、各リールに対応する3つのリール停止ボタン1408と、操作ボタン1410とを備える。また、正面下部には、内蔵するメダル排出装置1412から払出されるメダルを受けるメダル受皿1414を備え、正面上部には液晶パネル202を備えた演出装置200と、スピーカ1416とを備える。
【0022】
遊技者がメダル投入口1404からメダルを投入するとゲーム可能となり、スタートレバー1406が操作されたのを検知して、メイン基板1450が3連リール1402を回転させる。メイン基板1450は、いわゆる制御基板に相当し、CPUや、ROMやRAMといった各種ICチップ、基板間のデータ通信制御用ICチップ、通信ケーブルの端子などを搭載し、スロットマシーン1400の各部を制御することができる。
【0023】
メイン基板1450は、スタートレバー1406の操作入力がなされることで演算処理によって内部抽選を実行し、今回のゲームの抽選結果(大役・小役・普通当たり・ハズレの何れか)を決定して、3連リール1402の回転を開始させる。そして、リール停止ボタン1408が押下されたことを検知して、メイン基板1450は押下されたリール停止ボタン1408に対応するリールの回転を停止制御する。この時、3連リール1402の図柄が先に決定した抽選結果の当選役(大役・小役・普通当たり)に合致した場合には、ボーナスメダルをメダル排出装置1412から払い出させる。
【0024】
さて、本実施形態のメイン基板1450は、内部抽選の結果を決定すると、演出装置200に内部抽選結果の情報を含めた抽選演出の実行命令信号を送出することができる。
演出装置200が内蔵するサブ基板204は、メイン基板1450からの制御信号を受信可能なように通信ケーブルで接続されており、メイン基板1450からの抽選演出実行の命令信号を受信すると、液晶ディスプレイ202へ遊技者参加型のサブゲーム形式の演出表示を実行し、更にゲーム終了後にゲームエンディング演出を表示させる。
【0025】
[演出の説明]
本実施形態の演出装置200は、演出の一形態として操作ボタン1410を用いて遊技者が参加することのできるサブゲームを、3連リール1402の回転開始から停止して、ボーナスメダルの払出が開始されるまでの間、3連リール1402が自動停止される制限時間より短い時間で実行される。
【0026】
図2〜図3は、液晶ディスプレイ202に表示されるサブゲームのゲーム画面例を示す図である。
本実施形態のサブゲームはいわゆる「音楽ゲーム」「音ゲーム」などと称される仮想の楽器演奏をテーマとするミニゲームである。スピーカ1416から再生される演奏曲を聴きながら指定タイミングに合わせて操作ボタン1410をリズム良く操作すると、再生されている演奏曲に重ねて打楽器の打音が再生される。つまり、演奏曲に合わせた仮想打楽器の演奏を楽しむことができる。
【0027】
ゲーム画面W2,W4には、符合流域4と、累積ポイント表示部6と、入力タイミング指標8とが表示される。
符合流域4は、ゲーム画面W2,W4の中央に画面左右端にかけて設けられた帯状領域である。この符合流域4には、演奏曲の再生とともに、画面右端から仮想演奏操作の種類を示す符合10が出現し、符合流域4の左端に固定表示された入力タイミング指標8へ向かって、演奏曲の再生と同期してそれぞれ所定のタイミングで進入するように流れ表示される。つまり、流れ表示される符合10が入力タイミング指標8へ進入することが、操作入力すべきタイミングであり、このことを遊技者に示すこととなる。入力タイミング指標8の中心が、符合10の中心と重なるタイミングが最適入力タイミングとなる。
【0028】
遊技者は、流れ表示される符合10がこの入力タイミング指標8に入ったタイミングで、当該符号10の示す操作種類に対応する操作ボタン1410を操作することで、再生されている演奏曲のリズムに合わせて打楽器音を発生させ、あたかも自分が演奏曲の打楽器パートを演奏しているかのような仮想現実感を楽しみながらゲームをプレイする。
【0029】
遊技者による操作入力のタイミングは、最適入力タイミングとのズレに基づいて所定の入力評価基準に従い評価される。そして、遊技者は、この入力評価の優劣の判定結果(優・良・可・不可)に応じてポイントを取得することができる。例えば、優が3ポイント、良が2ポイント、可が1ポイント、不可が0ポイントと言った具合である。
【0030】
優劣の判定結果は、入力評価結果表示12として画面内に表示される。そして、取得したポイントの累積は累積ポイント表示部6に常に表示される。累積されたポイントが、演奏終了までに規定値まで到達すればゲームクリアとなり、到達できなければゲームオーバーとなる。
【0031】
ゲームが終了すると、液晶ディスプレイ202でゲームエンディング演出が表示される。例えばゲームクリアした場合には、図4に示すように、ゲーム画面W6の上に、ゲームクリアを称賛し、ゲームエンディング演出の後に、メダル排出装置1412から払い出されるメダルがゲームをクリアしたボーナスであるかのように演出する内容の称賛演出30が表示される。勿論、同演出の表示に伴って専用音声40がスピーカ1416から再生・音出力される。
【0032】
一方、ゲームオーバーとなった場合には、図5に示すように、ゲームを失敗した旨を通知するゲームオーバー演出34(失敗演出)がゲームエンディング演出としてゲーム画面W8に表示される。本実施形態のゲームオーバー演出34は、ゲームに失敗したのでボーナスがもらえない旨を通告する内容の演出とされる。勿論、同演出の表示に伴って専用音声44がスピーカ1416から再生される。
【0033】
[内部抽選結果に応じたゲーム難易度の設定]
さて、本実施形態のサブゲームは、遊技者の操作入力に対する入力評価判定の基準を内部抽選の結果に応じて切り換えることで、内部抽選結果が良好であれば(つまりは「当たり」が出れば)ゲーム難易度が相対的に低く、内部抽選結果が不良であれば(つまりは「ハズレ」が出れば)ゲーム難易度が相対的に高くなるように可変できる。
【0034】
図6は、本実施形態におけるゲーム難易度の設定と入力評価判定基準との対応関係の例を示す概念図である。
本実施形態ではイージー、スタンダード、ハードの3段階のゲーム難易度が選択可能に構成されている。入力評価は、操作ボタン1410を押したタイミングにおける入力タイミング指標8の中心点8pと、この時の中心点8pに最寄りの符合10の中心点10pとの画面横方向のズレによって、優・良・可・不可の4段階に評価される。より具体的には、優・良・可の入力評価については、入力タイミング指標8の内部及びその周辺に各入力評価別の入力評価判定領域(優判定領域20e,20s,20h、良判定領域22e,22s,22h、可判定領域24e,24s,24h)が設定されており、操作ボタン1410を押したタイミングにおいて入力タイミング指標8の最寄りの符合10の中心点10pがどの判定領域内に有るかで入力評価が決定される。何れの判定領域にも入っていなければ、当然、入力評価は「不可」となる。
同図に示すように、本実施形態の入力評価判定領域は、ゲーム難易度が低いほどより高い評価が得られやすいように設定されている。
【0035】
つまり、本実施形態によれば、(遊技者が入力タイミング指標8の中心点8pと符合10の中心点10pとを常に一致させる程の技量を持っていれば別として)サブゲームに適用されるゲーム難易度が異なれば同じようなタイミングで操作入力したとしても、入力評価判定結果が異なり、それは獲得するポイントの違いとなって遊技者に提示されることとなる。換言すると、ゲームの難易度設定でもって間接的に内部抽選結果が遊技者に示唆されるのである。
【0036】
このように、内部抽選結果をサブゲームのゲーム難易度として遊技者へ示唆可能な構成であれば、遊技者は積極的にサブゲームに参加することで示唆を確認することが可能になる。遊技者に対しても、より積極的にゲームをプレイさせるように働きかけ、当たり状態を知りつつ演出も楽しもうとするように促す効果を生む。
【0037】
加えて、本実施形態の演出装置200は、サブゲームの結果(ゲームクリア又はゲームオーバー)に応じて追加ボーナスメダルの数を決定して、決定した追加ボーナスメダル数の情報をメイン基板1450に送出することができる。メイン基板1450は、内部抽選結果に元々設定されているボーナスメダル払出数に加えて、演出装置200より受信した追加ボーナスメダルの数だけ、メダル排出装置1412からメダルを払い出させる。勿論、追加ボーナスメダルの数はサブゲームのゲーム成績が良いほど多くなるように設定される。
【0038】
よって、遊技者にしてみればサブゲームに参加して好成績を収めると、それだけ追加ボーナスとしてのメダルを獲得できることになるので、遊技者に対して、よりサブゲームに参加するように促すことができる。
【0039】
尚、本実施形態ではメイン基板1450とサブ基板204とを別体の構成としているが、両者を一体にした構成としても良い。その場合、演出装置200は液晶ディスプレイ202と、メイン基板1450と、メダル排出装置1412を含む構成とみなすことができる。
【0040】
[機能ブロックの説明]
次に、演出装置200に係る機能構成について説明する。
図7は、本実施形態における演出装置200に係わる機能構成の一例を示す機能ブロック図である。演出装置200は、処理部600と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。このうち、処理部600と記憶部500とが演出装置200の制御基板、スロットマシーン1400で言うところのサブ基板204に相当する。
尚、ここでは演出装置200が外部の音出力部350に音声信号を出力可能な構成として説明するが、演出装置200自体が音出力部350を備える構成としても良い。
【0041】
処理部600は、例えばマイクロプロセッサやASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリ、ステッピングモータの駆動回路などの電子部品によって実現され、所定のプログラムやデータ、通信部370で受信するメイン基板112からの制御信号、及び操作ボタン1410からの入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して演出装置200の動作を制御する。そして、本実施形態における処理部600は、演出制御部610と、音生成部650と、画像生成部660と、通信制御部670とを備える。
【0042】
演出制御部610は、記憶部500の演出制御プログラム504を処理部600が読み出して実行することによって実現され、メイン基板112から内部抽選結果の情報を含む演出実行開始信号を受信すると、前述のように内部抽選結果に対応したゲーム難易度が適用されたサブゲーム演出を実行し、サブゲーム終了後にサブゲームのプレイ結果に応じたゲームエンディング演出の表示制御を実行する。また、サブゲーム終了時には、ゲーム成績に応じて追加ボーナスメダル数を決定し、メイン基板1450に決定したメダル数の情報を送信する。
尚、サブゲームの実行に関する基本的なゲーム処理は、内部抽選結果に対応したゲーム難易度を適用する点を除けば、公知のビデオゲームに関する処理と同様にして実現することができる。
【0043】
音生成部650は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサやその制御プログラムによって実現され、演出制御部610による処理結果に基づいて効果音を生成し、音出力部350に出力する。
尚、本実施形態では演出装置200のサブ基板204が、音生成部650を有することで公知の「音声制御基板」の機能を兼ねた構成となっているが、音制御基板を別に設けた構成としても良いのは勿論である。
【0044】
音出力部350は、音生成部650から入力される音信号に基づいて効果音等を音出力する装置によって実現される。図1のスピーカ1416がこれに該当する。
【0045】
画像生成部660は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、その制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部660は、演出制御部610による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画像を生成したり予め用意されている動画データをデコードして再生処理することによって、演出用の画像信号を生成して画像表示部360に出力する。
【0046】
画像表示部360は、画像生成部660から入力される画像信号に基づいて画像を表示する。例えば、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクターといった画像表示装置によって実現できる。図1の液晶ディスプレイ202がこれに該当する。
【0047】
通信制御部670は、例えばコマンドをシリアル信号へエンコードしたり、デコードするなどのデータ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置(本実施形態ではメイン基板112)とのデータのやりとりを実現する。
通信部370は、通信回線や通信ケーブルと接続して外部との間で電気的信号の送受を行う。例えば、シリアル通信用インターフェース回路、通信ケーブルのジャックなどによって実現される。
【0048】
記憶部500は、処理部600に演出装置200を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、処理部600の作業領域として用いられ、処理部600が各種プログラムに従って実行した演算結果や通信部370を介して受信したメイン基板112からの制御信号の情報等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスクなどによって実現される。
【0049】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム502と、演出制御プログラム504とを記憶している。処理部600が演出制御プログラム504を読み出して実行することによって、処理部600に演出制御部610としての機能を実現させることができる。
【0050】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、難易度設定データ506と、入力評価判定領域設定データ508と、演奏曲設定データ510と、予め作成された複数種類の演出動画データを格納する演出動画データライブラリ512と、各種効果音のデータを格納する効果音データライブラリ514とが記憶されている。また、演出の実行の各種処理に必要となる累積ポイントや、タイマー値やフラグなども適宜記憶される。
【0051】
難易度設定データ506は、内部抽選結果と適用されるゲーム難易度の対応づけをする。例えば、図8に示すように、抽選結果506aと対応づけて難易度設定506bを格納する。本実施形態の内部抽選では、ボーナスとして払い出される遊技媒体の量が多い順に大役・小役・普通当たりの3種類と、ボーナスの遊技媒体が払い出されないハズレの合計4種類が設定されている。そして、大役・小役については、ゲーム難易度が他より相対的に低く設定され、ハズレは相対的に難易度が高く設定されている。
【0052】
入力評価判定領域設定データ508は、各ゲーム難易度選択時に適用される入力評価判定領域(図6参照)を定義する。例えば、図9に示すように、難易度設定508aと対応づけて判定領域設定508bを対応づけて格納する。判定領域設定508bでは、前述の優判定領域20e,20s,20h、良判定領域22e,22s,22h、可判定領域24e,24s,24hがそれぞれ定義されている。
【0053】
演奏曲設定データ510は、サブゲームで仮想演奏する音楽データや、音楽データの再生とともに流れ表示制御される符号10の種類や表示位置などの情報が格納されている。演奏曲設定データ510は、公知の音楽ゲームにおける同種のデータと同様に実現できる。
【0054】
演出動画データライブラリ512には、予め用意された演出用の動画データが格納されている。本実施形態では称賛演出30(図4参照)やゲームオーバー演出34(図5参照)の動画データ及び動画再生とともに音声再生される音声データが格納されている。
【0055】
[演出実行に係る処理の流れの説明]
図10は、本実施形態における演出実行に係る処理の流れについて説明するためのフローチャートである。演出装置200の処理部600は、通信部370を介してメイン基板112から内部抽選結果の情報を含む制御信号を受信した場合(ステップS6のYES)、ステップS8〜S42の処理を所定の演出実行時間T内で実行する。
【0056】
具体的には、難易度設定データ506を参照して、受信した制御信号に含まれる内部抽選結果に基づいて難易度設定506bを選択し(ステップS8)、演奏曲設定データ510を参照して符合10の流れ表示制御とともに演奏曲の再生を開始し(ステップS10)、サブゲームをスタートさせる。
【0057】
サブゲームがスタートしたならば、処理部600は操作ボタン1410からの操作入力を検知する都度(ステップS12のYES)、ステップS8で選択された難易度設定506bに対応する判定領域設定508bで定義された入力評価判定領域に基づいて入力評価を実行する(ステップS14)。
【0058】
そして、入力評価の判定結果を入力判定表示12としてゲーム画面内に一定時間表示させ(ステップS15)、同判定結果に対応する所定のポイントを累積ポイントに加算し、累積ポイント表示6を更新する(ステップS16)。これを演奏曲が終了するまで繰り返す(ステップS18のNO)。
【0059】
演奏曲が終了したならば(ステップS18のYES)、処理部600は累積ポイントが規定値に達したか否かでサブゲームをクリアできたか否かを判定する(ステップS30)。肯定の場合(ステップS30のYES)、称賛演出30を表示制御する(ステップS32)。そして称賛演出30の終了後、所定の追加ボーナスメダル数(例えば、50枚)の情報をメイン基板1450に送信する(ステップS34)。
【0060】
一方、累積ポイントが規定値に達しなかった場合には、ゲームオーバーと判断して(ステップS30のNO)、処理部600はゲームオーバー演出34を表示させる(ステップS40)。そして、ゲームオーバー演出34の終了後、所定の最低の追加ボーナスメダル数(例えば、10枚でもよいし、1枚でもよい。0枚とすることで、追加ボーナスを無しとしてもよい。)をメイン基板1450に送信する(ステップS42)。
【0061】
前述のように、メイン基板1450は、サブ基板204から追加ボーナスメダル数の情報を受信すると、内部抽選結果に元々設定されているボーナスメダル数に、受信した追加ボーナスメダル数を加算した数のメダルを払出制御する。勿論、サブゲームに参加しなかった場合には、追加ボーナスメダル数の情報を受信することは無いので、内部抽選結果に元々設定されているボーナスメダル数しか払い出されないことになる。
【0062】
以上、本実施形態によれば、ミニゲームを実行するタイプの演出において、内部抽選結果に対応したゲーム難易度設定のゲームを実行することができる。
遊技者が意図的に操作タイミングをずらさない限り、内部抽選結果に対応したゲーム難易度は遊技者の操作入力に対する入力評価の結果、つまりは獲得するポイントの大小として遊技者に示唆される。よって、演出そのものには興味は無いが、内部抽選の結果は知りたいと考える熟練遊技者であっても、積極的にサブゲームをプレイするように参加を促すことができる。
【0063】
また、内部抽選結果がハズレたときより当選した時を低難易度に設定することによって、内部抽選が当選しているときには気持ちよくゲームクリアして、ボーナスの遊技媒体を獲得するといった流れを実現することができる。よって、ゲーム難易度が変化しない従来のサブゲーム演出には無い、心地良いボーナス獲得までの楽しさや盛り上がり感は、より一層遊技者に積極的にサブゲームをプレイするように促す効果を高める。
【0064】
また、本実施形態では、サブゲームをクリアすると追加ボーナスメダルが追加して払い出されるので、熟練遊技者でもサブゲームに参加させるインセンティブ効果を奏することができる。
【0065】
尚、本実施形態ではメイン基板1450とサブ基板204とを別体の構成としているが、両者を一体にした構成としても良い。その場合、演出装置200は液晶ディスプレイ202と、メイン基板1450と、メダル排出装置1412を含む構成とみなすことができる。
【0066】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様に実現されるが、ゲームクリアの条件を可変することでゲーム難易度を変化させる構成を含む点が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略するものとする。
【0067】
図11は、本実施形態におけるサブゲームのゲーム画面例を示す図である。本実施形態のゲーム画面W10には、ゲームクリア条件通知14と、現在入力評価の成績表示16とが含まれる。
ゲームクリア条件通知14は、ゲーム開始前に内部抽選結果に応じたゲーム難易度設定となるように決定された条件が表示される。同図の例では、入力評価判定結果が「優」となる評価が演奏終了までに3回以上得られればゲームクリアとなる。
成績表示16には、今現在までに得られた評価結果が表示される。
【0068】
内部抽選結果に応じたゲーム難易度設定を実現するゲームクリア条件は、本実施形態の記憶部500に予め記憶されたクリア条件設定データ516によって定義される。
具体的には、例えば図12に示すように、難易度設定516a毎に、複数のクリア条件候補516bが対応づけて格納されている。処理部600は難易度設定データ506の設定に従って内部抽選結果に対応する難易度設定506bを選択した上で、このクリア条件設定データ516を参照して、先に選択した難易度設定506bに対応するクリア条件候補516bの中から何れか1つを選択して、実行するサブゲームのゲームクリア条件とする。
【0069】
図13は、本実施形態における演出実行に係る処理の流れについて説明するためのフローチャートである。基本的には第1実施形態の処理の流れと同様であり、演出装置200の処理部600は、通信部370を介してメイン基板112から内部抽選結果の情報を含む制御信号を受信した場合(ステップS6のYES)、ステップS8〜S42の処理を所定の演出実行時間T内で実行する。
【0070】
第1実施形態からの変更点を述べると、先ず第1実施形態のステップS8に代えて、受信した内部抽選結果に対応するクリア条件をクリア条件設定データ516のクリア条件候補516bの中から1つ選択するとともに、ゲーム画面W10にゲームクリア条件通知14を表示させる(ステップS8B)。
【0071】
また、第1実施形態のステップS14に代えて、所定の入力判定基準領域に基づいてステップS12で検出された操作ボタン1410への操作入力の入力評価を行う(ステップS14B)。そして、入力評価に応じてポイントを加算し累積ポイント表示6の更新を行ったならば(ステップS16)、成績表示16の更新をする(ステップS17B)。
【0072】
また、第1実施形態のステップS30に代えて、演奏曲が終了したのち(ステップS18のYES)、処理部600はステップS8Bで選択したゲームクリア条件を満たしているかを判定する(ステップS30B)。
【0073】
よって、本実施形態によれば第1実施形態と同様に内部抽選結果に応じてゲーム難易度が変化するゲーム演出を実現することができる。
尚、本実施形態に第1実施形態の入力評価判定基準を内部抽選結果に応じて選択する構成を合わせる構成も可能である。その場合、第1実施形態のステップS8をステップS8Bで代替するのではなくそのまま残し、ステップS14Bは設けず第1実施形態のステップS14をそのまま実行する構成とすれば良い。
【0074】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様に実現されるが、第1実施形態では優・良・可それぞれで獲得できるポイントが固定であったが、入力評価に伴って獲得できるポイントが内部抽選結果に応じて変化する構成である点が異なる。
尚、第1又は第2実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略するものとする。
【0075】
図14は、本実施形態におけるサブゲームのゲーム画面例を示す図である。本実施形態のゲーム画面W12では入力評価表示12とともに、今回の操作入力で遊技者が獲得したポイントを示す獲得ポイント通知18が表示される。この入力評価に伴って獲得できるポイントが内部抽選結果に応じて増減する。
【0076】
そのために、本実施形態の記憶部500には予め獲得ポイント設定データ518が記憶されている。具体的には、例えば図15に示すように、難易度設定518aと対応づけて、入力評価別獲得ポイント518bが記憶されている。
入力評価別獲得ポイント518bは、ゲーム難易度が高いほど小さく、ゲーム難易度が低いほど多くなるように設定されている。入力評価別獲得ポイント518bが規定値でなく幅で設定されている場合には、獲得ポイントを決定する都度、設定幅内でランダムに決定する。
【0077】
図16は、本実施形態における演出実行に係る処理の流れについて説明するためのフローチャートである。基本的には第1実施形態の処理の流れと同様である。演出装置200の処理部600は、通信部370を介してメイン基板112から内部抽選結果の情報を含む制御信号を受信した場合(ステップS6のYES)、ステップS8〜S42の処理を所定の演出実行時間T内で実行する。
【0078】
第1実施形態からの変更点を述べると、第1実施形態のステップS14に代えて、第2実施形態と同様に所定の入力評価判定領域に基づく入力評価判定処理を実行する(ステップS14B)。そして、判定された入力評価結果を入力評価表示12としてゲーム画面内に表示させ(ステップS15)、ステップS8で選択したゲーム難易度設定とステップS14Bで判定された入力評価とに対応する獲得ポイントを獲得ポイント設定データ520から選択し、獲得ポイント通知18を表示させる(ステップS16C)。次いで、獲得ポイントを累積ポイントに加算して累積ポイント表示6を更新する(ステップS17C)。
【0079】
よって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に内部抽選結果に応じてゲーム難易度が変更されるサブゲーム演出を実現できる。そして、本実施形態では、ゲーム難易度が変更されることで入力評価に応じて獲得できるポイントが、内部抽選結果が良好であれば多く、内部抽選結果が良くなければ少なくなる。この結果は、ゲームに参加して獲得ポイント通知18が表示されることによって遊技者に示唆されるとともに、ゲームクリアを容易にさせて追加ボーナスメダル数を一層増加させるチャンスを与えることになるので、遊技者を積極的にサブゲーム演出に参加させるように促す効果を生む。
【0080】
尚、本実施形態では入力評価判定領域は固定としているが、第1実施形態と同様に内部抽選結果に応じて入力評価判定領域設定データ508から適用する判定領域設定508bを選択する構成としても良い。その場合、ステップS14Bは設けず第1実施形態のステップS14をそのまま実行する構成とすれば良い。
【0081】
また、本実施形態では、全ての符合10についてゲーム難易度設定に応じて獲得ポイントが変化する構成としているが、例えば図17に、流れ表示される符合の中に入力タイミング指標8で一定時間(例えば、3秒程度)停止しつづけて、その間操作ボタン1410の連打入力を要求する特殊符合11を設定し、当該特殊符合11の時のみゲーム難易度設定に応じて獲得ポイントが変化する構成としても良い。
【0082】
このケースでは、ゲーム難易度がイージーである場合には、当該特殊符合11の獲得ポイントのみで累積ポイントがゲームクリアをするための規定値に到達するように極端に設定することができる。すると、特殊符合11の前後のゲームプレイの成績にかかわらず、一回の連打操作のみでゲームをクリアできることになる。これによって、最初からメインの遊技(この場合、スロット)のみに興味があってサブゲームには全く参加意欲が無い遊技者に対しても、ほんの少しでも参加すれば内部抽選結果の示唆を与えることができ、加えて、ゲームクリアが容易になることによる追加ボーナスメダル数の一層の増量を可能とさせることができる。
【0083】
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態として、本発明を適用した遊技装置の1つとしてメダルゲーム装置を例に挙げ、第1実施形態と同様のサブゲーム演出を実行するケースを説明する。
【0084】
図18は本実施形態におけるメダルゲーム装置300の構成例を示す外観図である。メダルゲーム装置300は、基本的には遊技媒体としてメダルを使用する公知のメダルゲーム装置と同様の構成を有する。すなわち、メダルゲーム装置300は、透明カバーガラス302で遊技空間を画成し、遊技空間内に前端がメダル落下口304の上方に向かって設置された固定テーブル306と、この固定テーブル306の上面に沿って延設されるとともにその上面に沿って周期的に往復動されるプッシャーテーブル308とを備えた、所謂「プッシャー型」と称されるメダルゲーム装置に分類される構成を有している。
【0085】
通常は、遊技開始前にメダルゲーム装置300の管理人らによって固定テーブル306並びにプッシャーテーブル308の上面に多数のメダルMが予め載置された状態から、遊技者は筐体前部に延設された操作テーブル上に開口されたメダル挿入口310に新たなメダルMを挿入して遊技する。
【0086】
遊技者がメダル挿入口310に新たなメダルMを入れると、挿入されたメダルMがメダル収容部312に収容される途中で投入メダル通過センサ314によってメダルの通過が検出される。投入メダル通過センサ314は、物体の通過を検出する手段であって、例えば投光素子と受光素子とが対向配置された遮光によって物体の通過を検出するセンサや、超音波の反射時間から距離を計測する距離センサなどによって実現できる。通過する物体に接触して揺動する揺動スイッチなどでも良い。
【0087】
メダルMの通過が検出されると、メダル挿入口310に挿入されたのと同数のメダルが、公知の搬送機構(不図示)によってメダル収容部312から遊技空間の天井部内に設けられたメダル貯留部316に搬送されるとともに、すでにメダル貯留部316に貯留されているメダルが投入メダル通過センサ314によってメダルMの通過を検出した直後に、検出したのと同数だけメダル射出装置318から射出される。
【0088】
メダル射出装置318から射出されたメダルは、新規メダル投入口320から遊技空間内に落下・投入される。遊技空間内に投入されたメダルMは、遊技盤322とカバーガラス324との間に立設された釘326などに当りながら流下し、やがてプッシャーテーブル308の上面に落ちる。
【0089】
プッシャーテーブル308は、固定テーブル306の上面に沿ってスライド移動可能に載置されており、筐体内に設置された公知の往復動機構(不図示)によって、遊技空間の奥に立設された遊技盤322の下端に開口する挿通孔328から出入りするように前後方向に周期的に往復運動する。
【0090】
プッシャーテーブル308が、固定テーブル306上をスライドするようにして後進(退行)すると、その上面に載置されているメダルMも載置されたまま一緒に移動する。プッシャーテーブル308が後進に伴って挿通孔328に引き込まれると、後進した分だけプッシャーテーブル308の延出長が短くなり、プッシャーテーブル308の上面後方に載置されていたメダルが挿通孔328の周縁に当たって相対的に前方に押される格好になる。すると、プッシャーテーブル308に載置されていた他のメダルも玉突き状に連鎖的に前方へ押され、ついには前端側に載っているメダルが固定テーブル306上に落下する。
【0091】
その後、プッシャーテーブル308の前進(押出動作)に伴ってその前方端面が押出部として機能し、固定テーブル306の上面に落下して固定テーブル306に載置されたメダルは前方に押される。すると今度は、固定テーブル306に載置されているメダルが玉突き状に前方へ押されメダル落下口304に落下する。
【0092】
メダル落下口304の下部は、落下したメダルMの通過を検出する落下メダル通過センサ332を備えた通路334に連通している。
メダル落下口304に落下したメダルMは、この通路334を通ってメダル収容部312に収容される。そして、この通路334を通過する際に検出されたメダルMと同数だけ、メダル収容部312に収容されているメダルが公知の搬送機構(不図示)によって取得メダル払出口336に搬送され、メダル受皿338へ払い出される。
【0093】
また、固定テーブル306は、前端すなわちメダル落下端部の横幅がプッシャーテーブル308の横幅よりも広く設定されており、プッシャーテーブル308の前進限界位置近傍から左右に拡幅する形状を成している。そして、拡幅部分の左右側壁部にそれぞれメダルMが進入可能な側部メダル落下口311が設けられており、ここに落下したメダルMは通過検知されることなくメダル収容部312とは別の不図示の収容部に別途回収される。
【0094】
さて、本実施形態におけるメダルゲーム装置300は抽選機能を有し、遊技盤322を流下したメダルMが所定のチャッカー336を通過すると、通過信号が制御ユニット350に送信され、制御ユニット350で内部抽選処理が実行される。本実施形態において、このチャッカー336によるメダルの検知が内部抽選処理を発動させるための条件(抽選権獲得条件)である。
【0095】
制御ユニット350は、いわゆる制御基板に相当し、CPU(中央演算装置)352やICメモリ354などの電子・電気部品が搭載されている。制御ユニット350は、ICメモリ354に予め記憶されていたプログラムに従ってCPU352が各種演算処理を実行して内部抽選処理を実行する。そして、内部抽選結果に応じた枚数のボーナスメダルを、プッシャーテーブル308の脇に設けられたボーナスメダル排出口348から排出する。
【0096】
本実施形態では、制御ユニット350はボーナスメダルの排出の前に、液晶ディスプレイ356に第1実施形態〜第3実施形態と同様にして操作ボタン1410を遊技者が操作してプレイすることのできるゲーム(サブゲーム)を実行するとともに、音声をスピーカ358から再生させる。つまり、制御ユニット350と液晶ディスプレイ356とスピーカ358とで第1〜第3実施形態における演出装置200に相当する機能を果たす。
【0097】
図19は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。制御ユニット350は、投入メダル通過センサ314でメダルの通過を検知したならば(ステップS1のYES)、新規メダルの投入処理を実行し、検出枚数と同数のメダルをメダル射出装置318より射出して新規メダル投入口320より遊技空間へメダルを排出する(ステップS2)。
【0098】
そして、遊技盤322に沿って流下するメダルがチャッカー336に入ったことが検知されると(ステップS3のYES)、制御ユニット350は内部抽選処理を実行し(ステップS4)、その抽選結果に基づいてサブゲームの難易度設定を選択する(ステップS5)。
【0099】
以下、制御ユニット350は、ステップS10〜S42については第1実施形態と同様の処理を実行する。そして、ステップS10〜S42の処理を実行したならば、ボーナスメダルの排出処理を実行して、内部抽選結果に応じた枚数のメダルをボーナスメダル排出口348から排出する(ステップS46)。
【0100】
次いで、制御ユニット350は落下メダル通過センサ332によってメダル落下口304に落下したメダルを検出したならば(ステップS48のYES)、メダル払出処理を実行して落下メダル通過センサ332で検出したのと同数のメダルをメダル払出口336から払い出す(ステップS50)。
【0101】
よって、本実施形態のメダルゲーム装置300においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。勿論、サブゲームの実行に関しては第1実施形態のみならず第2及び第3実施形態と同様に実行する構成も可能である。
【0102】
〔第5実施形態〕
次に、本発明を適用した第5実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第4実施形態と同様のハードウェア及び機能構成によって実現されるが、サブゲームがクレー射撃をモチーフとした内容である点が異なる。以下では、第4実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略し、本実施形態の特徴的な部分についてのみ説明する。
【0103】
図20は、本実施形態におけるサブゲームの内容を説明するためのゲーム画面図である。本実施形態のサブゲームは、画面左右に仮想の標的射出装置50が配置され、画面中央方向へ標的52をランダムなタイミングで射出する。画面中央には、ゲーム難易度に応じてその大きさが可変する着弾領域マーク54が表示されており、標的52がこの着弾領域マーク54内を通過中に、チャッカー336にメダルMが入ると通過中の標的を打ち落としたと判定される。所定時間内に規定値以上の標的52を打ち落とす事が出来たらゲームクリアとなる。
【0104】
図21〜図22は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。制御ユニット350は、投入メダル通過センサ314でメダルの通過を検知したならば(ステップS1のYES)、新規メダルの投入処理を実行し、検出枚数と同数のメダルをメダル射出装置318より射出して新規メダル投入口320より遊技空間へメダルを排出する(ステップS2)。
【0105】
排出されたメダルが遊技盤322に沿って流下し、チャッカー336に入ったことが検知されたならば(ステップS3のYES)、制御ユニット350は現在サブゲームが実行中であるかを判定する(ステップS3B)。
そして、実行中でなければ内部抽選処理を実行し(ステップS4)、その抽選結果に基づいてサブゲームの難易度設定を選択する(ステップS5)。
【0106】
次に、制御ユニット350は、選択したゲーム難易度に基づいて着弾領域マーク64の表示サイズを抽選結果の上位ほど大きくなるように決定し(ステップS20)、着弾表示マーク64を画面中央に配するとともに、標的射出装置60を画面下方両サイドに配したゲーム画面を表示する(ステップS21)。そして、プレイ残時間のカウントダウンを開始したり、標的ヒット数をリセットして「0」にするなど初期化処理を行い、サブゲームをスタートさせる(ステップS22)。
【0107】
ゲームをスタートさせたならば、制御ユニット350は標的射出装置60からランダムなタイミングで、着弾領域マーク54を通過するコースで標的62を射出するように表示制御を開始する(ステップS23)。
射出された標的62は所定のコースに沿って移動表示され、着弾領域マーク54を通過する間にメダルがチャッカー336に入ったことが検知されたならば(ステップS24のYES)、制御ユニット350は標的62が打ち落とされたと判定して、標的ヒット数を「1」加算する(ステップS25)。
標的62のランダムタイミングな射出はプレイ時間が「0」になるまでつづき(ステップS26のNO)、プレイ時間が「0」になったら(ステップS26のYES)、制御ユニット350は標的ヒット数が規定値に達したかを判定する(図22;ステップS31)。
【0108】
以下、ステップS31が肯定判定ならば第4実施形態と同様にステップS32〜S34を実行し、否定判定ならば第4実施形態と同様にステップS40〜S42を実行する。
そして、内部抽選結果に応じたボーナスメダルの排出処理(ステップS46)、及びメダル落下口304に落下したメダルと同数のメダルをメダル払出口336から払い出す処理を実行する(ステップS48〜S50)。
【0109】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した第1〜第5実施形態について説明したが、本発明の実施形態がこれらに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0110】
例えば、遊技装置としてスロットマシーンとメダルゲーム装置を例示したが、内部抽選を実行するとともに演出を実行する遊技装置であれば、パチンコ機や、ピンボールなどその他の種類の装置にも同様に適用することができる。
【0111】
また、上記実施形態ではゲーム(サブゲーム)として音楽ゲームとクレー射撃をモチーフとしたゲームを実行する例を挙げたが、サブゲームのジャンルはこれらに限られるものではなく、シューティングゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、スポーツゲームなどその他のジャンルでも良く、それぞれのジャンルにおいて適切にゲーム難易度の設定を内部抽選結果に応じて可変すれば良い。
【0112】
また、上記実施形態ではゲーム難易度を変更する条件を大役・小役・普通当たり・ハズレと言った役の当りハズレを例にしているが、これに限らずいわゆる確変を条件に含めることができるのは勿論である。
【0113】
また、上記実施形態では、ゲーム結果に応じてボーナスとして払い出すメダルの数を追加する構成として説明したが、追加するばかりでなく、ゲーム結果が悪ければ削減することとしてもよい。例えば、ゲームクリアできなかった場合には、ボーナスメダルの数を所定量(例えば10枚)減量したり、所定割合(例えば1割や半分)減量したりしてもよい。勿論、ゲーム結果としては、ゲームクリアできたか否かに加えて、累積ポイント(ゲームポイント)に応じて、追加ボーナスメダルの数を増減するとしてもよい。
【符号の説明】
【0114】
4 符合流域
6 累積ポイント表示
8 入力タイミング指標
10 符合
20e、20s、20h 入力評価「優」用の入力評価判定領域
22e、22s、22h 入力評価「良」用の入力評価判定領域
24e、24s、24h 入力評価「可」用の入力評価判定領域
30 称賛演出(ゲームクリア演出)
34 ゲームオーバー演出
200 演出装置
202 液晶ディスプレイ
204 サブ基板
500 記憶部
504 演出制御プログラム
506 難易度設定データ
508 入力評価判定領域設定データ
510 演奏曲設定データ
600 処理部
610 演出制御部
1400 スロットマシーン
1402 3連スロット
1450 メイン基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部抽選処理を実行して所与の数の遊技媒体をボーナスとして排出する遊技装置であって、
表示部と、
遊技者が操作入力するための操作入力部と、
前記操作入力部からの操作入力に従って前記表示部を表示制御して所定のゲームの進行を制御するゲーム制御部と、
前記ゲーム結果に応じて、前記ボーナスとして排出する遊技媒体の数を変更して排出する制御を行うボーナス排出制御部と、
を備え、
前記ゲーム制御部は、前記ゲームの難易度を前記抽選結果に応じて可変に設定する難易度設定部を有する遊技装置。
【請求項2】
前記ゲーム制御部は、
操作入力すべきタイミングを遊技者に示すタイミング提示部と、
前記タイミング提示部により示されたタイミングと前記操作入力部からの操作入力タイミングとのズレを所定の入力評価判定基準に基づき評価することで、前記遊技者の操作入力の優劣を評価する評価部と、
を有し、
前記難易度設定部は、前記入力評価判定基準を前記抽選結果に応じて変更することで前記ゲームの難易度を設定する、
請求項1に記載の遊技装置。
【請求項3】
前記難易度設定部は、前記抽選結果が所定の良好条件を満たしている場合に、満たしていない場合に比べて、高評価と判定する前記ズレの許容範囲を広くするように前記入力評価判定基準を変更する請求項2に記載の遊技装置。
【請求項4】
前記ゲーム制御部は、
操作入力すべきタイミングを遊技者に示すタイミング提示部と、
前記タイミング提示部により示されたタイミングと前記操作入力部からの操作入力タイミングとのズレに基づくゲームポイントを算出するゲームポイント算出部と、
を有し、
前記難易度設定部は、前記ゲームポイントの算出単位を前記抽選結果に応じて変更することで前記ゲームの難易度を設定する、
請求項1に記載の遊技装置。
【請求項5】
前記難易度設定部は、前記抽選結果が所定の良好条件を満たしている場合に、満たしていない場合に比べて、ゲームポイントの加算単位が大きくなるように前記算出単位を変更する請求項4に記載の遊技装置。
【請求項6】
内部抽選処理を実行して所与の数の遊技媒体をボーナスとして排出し、表示部と、操作入力部とを具備した遊技装置に装着される演出装置であって、
前記操作入力部からの操作入力に従って前記表示部を表示制御して、前記内部抽選処理による抽選を演出するための所定のゲームの進行を制御するゲーム制御部と、
前記ゲーム結果に応じて、前記ボーナスとして排出する遊技媒体の数を変更して排出する制御を行うボーナス排出制御部と、
を備えるとともに、
前記ゲーム制御部は、前記ゲームの難易度を前記抽選結果に応じて可変に設定する難易度設定部を有する、
演出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−213926(P2010−213926A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64754(P2009−64754)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】