説明

遊離炭素の除去方法

【課題】半導体基板のパーティクル汚染を減少させるプラズマ処理装置の炭化シリコン部品を提供する。
【解決手段】半導体基板処理装置のシャワーヘッド電極10の下側バッフル板22aに用いられる炭化シリコン部品について、シリコン蒸気と炭素との反応により生成した後、パーティクル汚染の要因となる遊離炭素を、少なくともその表面から除去するために、およそ750℃かおよそ1200℃の温度で加熱する処理を行なう、あるいは酸素プラズマで処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊離炭素を取り除くために扱われた半導体基板処理装置の炭化シリコン部品に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板材料は、金属材料、誘電体材料及び半導体材料の化学気相成長法(CVD)のような成膜プロセス、エッチングプロセス、及びフォトレジスト除去プロセスを含む様々なプロセスによって処理される。プラズマエッチングは、従来から、金属材料、誘電体材料、および半導体材料をエッチングするのに使用される。
【発明の概要】
【0003】
半導体基板処理装置の炭化シリコン部品を処理する方法、そのような部品を製造する方法、およびそれらの方法によって処理される部品が提供される。その方法では、その部品から遊離炭素、例えば黒鉛を取り除く。この結果、プラズマ処理チャンバーでの半導体基板の処理において、半導体基板のパーティクル汚染が減少する。
【0004】
その方法によって扱うことができる炭化シリコン部品は、例えば、シャワーヘッド電極アセンブリのバッフル板及びガス供給プレート、エッジリング、フォーカスリング、プラズマ閉じ込めリング、チャンバーライナー、電極、ウェハ通路インサート、ウィンドウ、プラズマスクリーン、およびチャンバー壁を含んでいる。
【0005】
好適な実施形態において、扱われる炭化シリコン部品は、シリコン蒸気と炭素との反応合成によって微量遊離炭素を含む部品が生成されるようなプロセスによって処理される。炭化シリコン部品は、多孔性であり、内部と露出している表面とを含んでいる。シリコン蒸気と炭素とを反応合成して炭化シリコンを作成する過程における炭素の不完全な変換、及び機械的な処理、例えば、炭化シリコンの研摩などの製造プロセスの結果、処理された部品は、内部と露出している表面とに遊離炭素を含むようになる。ここで、用語「露出している表面」は、例えば、機械的粉砕などの処理によって炭化シリコン部品から材料が除去されて露出され、遊離炭素を持つようになる部品の表面を意味する。好ましい方法では、半導体処理装置の炭化シリコン部品が、少なくとも実質的に露出している表面の遊離炭素のすべてを取り除くように処理される。
【0006】
遊離炭素を取り除く好ましい方法は、酸素含有雰囲気において遊離炭素を含む半導体処理装置で炭化シリコン部品を加熱して、少なくとも部品の露出している表面から遊離炭素のすべてを実質的に取り除くことを備える。
【0007】
別の好ましい方法は、少なくとも露出している表面から実質的に炭化シリコンを取り除かないで遊離炭素のすべてを実質的に取り除くのに有効な化学溶液に、遊離炭素を含む半導体処理装置の炭化シリコン部品を接触させることを備える。
【0008】
さらに、別の好ましい方法は、酸素プラズマで遊離炭素を含む半導体処理装置の炭化シリコン部品を処理して、少なくとも部品の露出している表面から遊離炭素のすべてを実質的に取り除くことを備える。
【0009】
別の好適な実施形態では、炭化シリコン成分は、多孔性であり、内部と露出している表面とを含む。炭化シリコン部品は、(i)内部に遊離炭素をもたらすプロセスによって作られ、(ii)その上に遊離炭素を持つ露出している表面を作り出すように処理され、(iii)少なくとも露出している表面から遊離炭素が実質的になるように遊離炭素が取り除かれるように処理される。
別の好適な実施形態によれば、プラズマ処理チャンバーと、少なくとも1つの炭化シリコン部品とを備える半導体基板処理装置が提供される。炭化シリコン部品は、例えば、バッフル板、ガス供給プレート、プラズマ閉じ込めリング、エッジリング、フォーカスリング、バッキングプレート、チャンバーライナー、電極、ウェハ通路インサート、ウィンドウ、プラズマスクリーン、またはチャンバー壁であってもよい。好適な実施形態において、炭化シリコン部品は、プラズマ処理チャンバーにプロセスガスを供給するためのシャワーヘッド電極アセンブリの少なくとも1つのバッフル板である。
【0010】
さらに、別の好適な実施形態によれば、半導体基板処理装置のプラズマ処理チャンバーの中の半導体基板を処理する方法が提供される。半導体処理装置はプロセスガスがどのプロセスガスパスを通してシャワーヘッド電極にシャワーヘッド電極、バッフルチャンバーを含むシャワーヘッド電極アセンブリによって供給されるプラズマ処理チャンバーを含んでいる。遊離炭素を除去する好ましい方法によって扱われた少なくとも1つの炭化シリコン部品は、プラズマ処理装置において提供される。その方法は、炭化シリコン部品が提供されるプラズマ処理チャンバーにおいて半導体基板が処理されることを備える。
【0011】
別の好適な実施形態では、プラズマ処理チャンバーの中で生産半導体基板が処理される前に、チャンバーがプラズマ調整(plasma conditioned)される。プラズマ調整(plasma conditioning)は、プラズマ処理チャンバーで生産半導体基板が処理される前に、プラズマ処理チャンバーでダミーウェハが次に処理されることを備える。遊離炭素を取り除くために扱われた少なくとも1つの炭化シリコン部品は、プラズマ処理チャンバーに提供される。この結果、ダミーウェハに付着する付着パーティクル数(the number of adder particles)がかなり減少し、チャンバー調整(chamber conditioning)時間が短縮する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、半導体基板上でカウントされた付着パーティクル数と、プラズマ処理チャンバーにおけるプラズマ調整のRF時間との関係を示すグラフである。ここで、プラズマ処理チャンバーは、遊離炭素を取り除くように処理されていない炭化シリコンのバッフル板を含むもの(曲線A)と、遊離炭素を取り除くように処理された炭化シリコンのバッフル板を含むもの(曲線B)とが示されている。
【図2】図2は、ウェハ処理のためのシャワーヘッド電極アセンブリの一例となる実施形態の断面図である。
【図3】図3は、好適な実施形態に従った弾性体の接着されたシャワーヘッド電極アセンブリの断面図である。
【図4】図4は、図3に示されるシャワーヘッド電極アセンブリの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1つの一例となるタイプの半導体基板処理装置は平行平板リアクタである。平行平板リアクタは、上部電極と、半導体ウェハなどの基板がプラズマ処理の間に支えられる基板支持体とを含むプラズマ処理チャンバーを備える。基板支持体は、下部電極と、基板を固定するためのクランプ機構、例えば、機械的なチャックや静電気のチャック(ESC)などとを含んでいる。上部電極は、プラズマチャンバーでプロセスガスを供給するためのシャワーヘッド電極アセンブリの一部であってもよい。シャワーヘッド電極アセンブリは、シャワーヘッド上部電極を介してシャワーヘッド電極へのプロセスガスの供給を制御するように鉛直方向に間隙が設けられたバッフル板を含んでもよい。
【0014】
また、半導体基板処理装置は、エッジリングやプラズマ閉じ込めリングアセンブリを通常含む基板支持体上の基板によって定義されるゾーンの中などのようなプラズマチャンバーの選択された領域にプラズマを閉じ込めるように組み立てられる部品を含んでもよい。
【0015】
バッフル板を含む典型的なシャワーヘッド電極アセンブリにおいて、プロセスガスは、シャワーヘッド電極を通して排出される前に、1つ以上のバッフル板を通過する。プラズマは、シャワーヘッド電極のホール付近において、少なくともシャワーヘッド電極に隣接した底部のバッフル板にぶつかる。時間がたつにつれて、侵食パターンはバッフル板の下側に広がっていき、バッフル板から取り除かれながら基板に付着した「付着物(adders)」と呼ばれるパーティクルをもたらすようになる。付着物は、マイクロプロセッサ、メモリ、トランジスタ、および同様のものなどの半導体素子を欠陥のあるものとする。従って、半導体基板の上でレイヤをエッチングし始めるプラズマ処理操作の間に作り出される付着物の数を最小にすることが望ましい。
【0016】
また、プラズマ処理操作の間、プラズマにさらされる他の半導体基板処理装置の部品、例えば、ガス供給プレート、エッジリング、フォーカスリング、プラズマ閉じ込めリング、チャンバーライナー、電極、ウェハ通路インサート、ウィンドウ、プラズマスクリーン、チャンバー壁、および同様のものなどは、プラズマで浸食されてもよく、プラズマ処理操作において取り除かれたパーティクルによって潜在的に半導体基板の汚染をもたらしてもよい。
【0017】
炭化シリコン材料を含む様々な材料から半導体基板処理装置のそのような部品を製造することができる。そのような炭化シリコン成分は、例えば、焼結処理や、シリコン蒸気と炭素との反応合成を含む様々なプロセスによって作ることができる。そのような反応合成プロセスによって作られた炭化シリコン材料は、汚染低減、耐摩耗性、および設計フレキシビリティなどのようなプラズマ環境で使用されるのに好ましい性質を提供する。
【0018】
しかしながら、半導体処理装置の炭化シリコン部品が「遊離炭素」を含む可能性があることが分かっている。ここで、「遊離炭素」は、炭化シリコン部品の内部及び/又は表面上に、離散的な炭素粒子又はクラスタ(塊)の炭素粒子の形で存在している炭素である。「遊離炭素」は、炭化シリコンマトリックス材と異なるが、化学量論的組成を有するか、化学量論的組成に近い組成を有することが好ましい。また、そのような遊離炭素が少なくともそのような炭化シリコン部品のある部分から取り除かれない場合、部品がプラズマ環境で使用されるとき、遊離炭素はパーティクルとして放出される可能性がある判断される。遊離炭素パーティクルが開放されると、付着物となる可能性がある。その付着物は、プラズマ環境で処理される半導体基板を汚染することがある。
【0019】
遊離炭素を含む炭化シリコン部品は、少なくともそのような部品の露出している表面から遊離炭素を取り除くように処理できることが分かっている。また、炭化シリコン部品から少なくとも表面遊離炭素を取り除くことによって、そのような部品を含むプラズマチャンバーで処理される間に、その部品から放出されるパーティクルの数を減少させることができることが分かる。その結果、付着物に起因してデバイス故障が発生することと、ウェハなどの処理された基板に対して良くない衝撃を与える率とは、かなり減少する可能性がある。
【0020】
炭化シリコン部品の炭化シリコン材料は、好ましくは、高純度、シリコン蒸気を使用しながら炭素源の変換によって作り出される商業的に製造された炭化シリコンである。その変換過程は、黒鉛などの炭素の有形物をSi0ガスと反応させることと、その結果、SiOガスを生成することと、その雰囲気で炭素をSiOガスと反応させて炭素をSiCに変換して過剰な一酸化炭素を作り出すこととを含む。始めの炭素材料は、好ましくは、粉体、低多孔性、黒鉛の高純度グレードである。商業的に利用可能な炭化シリコン材料は、テキサス州ディケーターのPoco Graphite, Inc.製の炭素のソース「SUPERSiC」炭化シリコンを変換することによって作り出された。
【0021】
黒鉛を炭化シリコンに変換して作られた半導体基板処理装置の部品は、黒鉛が炭化シリコンへ不完全に変換された黒鉛粒子などの微量遊離炭素を備えることができると判断される。黒鉛の不完全な変換によって炭化シリコンに形成された炭化シリコン材料の中には、遊離炭素が炭素粒子か炭素クラスタの形で存在することができる。そのようなプロセスから生じる遊離炭素は、炭化シリコン部品の内部に位置する。しかしながら、そのような部品を例えば機械的粉砕及び/又は研摩により処理すると、表面の材料が取り除かれて、処理表面に遊離炭素が露出する可能性がある。ここで、その表面を、露出された表面と呼ぶ。炭化シリコン部品の露出している表面の「遊離炭素」は、部品の内部に位置する遊離炭素よりも基板のパーティクル汚染に関して好ましくない。特に、表面の遊離炭素を含むその部品が、チャンバーにプラズマにされることによって表面の遊離炭素が完全に取り除かれるまで、炭素パーティクルの発生源となりうることが分かる。表面の遊離炭素を除去することは、完全に粒子問題を解決するというわけではない。なぜなら、そのような炭化シリコン部品の内部に位置する遊離炭素は、プラズマが徐々に炭化シリコンを浸食するにしたがって露出されるようになるからである。一般に、しかしながら、表面の遊離炭素に比べて数の少ない内部の遊離炭素は、一定時間プラズマにさらされる。
【0022】
不完全な炭素の変換から生じる遊離炭素を含む半導体基板処理装置においてプラズマにさらされる炭化シリコン部品を、その装置で処理された基板のパーティクル汚染をかなり減少させるために少なくとも部品の露出している表面に位置する遊離炭素を取り除くように処理できることが分かる。そのうえ、下記のように、露出している表面と内部とに遊離炭素を含む炭化シリコン部品の処理方法の実施形態では、その処理によって、露出している表面だけでなく内部からも遊離炭素を取り除くことができる。
【0023】
炭化シリコン部品において遊離炭素を除去する処理方法は、好ましくは、炭素の変換で作られた部品を処理するのに使用される。しかしながら、その方法は、また、他のプロセスによって作られた炭化シリコンの材料から遊離炭素を取り除くのに使用されてもよい。例えば、炭化シリコンは、例えば、カリフォルニア州ビスタのセルコム社、カリフォルニア州コスタメサのカーボランダム社、及びカリフォルニア州コスタメサのセラダイン社などから利用可能な焼結材料を用いることができる。
【0024】
不完全な炭素の変換の結果として炭化シリコン部品に存在している遊離炭素は、炭素クラスタ、すなわち、より小さい炭素粒子の塊の形で炭素を含んでも良いことが分かる。これらのクラスタは、通常、およそ20μm〜およそ200μmのサイズを持っており、例えば、およそ50μm〜およそ100μmのサイズを持っている。通常、そのような炭化シリコン部品の中の遊離炭素の量は、およそ1重量%以下であり、例えば、およそ0.5重量%以下である。
【0025】
半導体基板処理装置の炭化シリコン部品から遊離炭素を除去する異なった方法も、提供される。炭化シリコン部品は、多孔性であり、内部と露出している表面の上とに遊離炭素が存在するようになるプロセスによって作られる。その方法は、炭化シリコン部品を処理して少なくとも露出している表面から実質的に遊離炭素のすべてを取り除くことを備える。好ましくは、その処理は、露出している表面の遊離炭素のすべてを取り除く。また、その方法の実施形態によれば、部品の内部からも遊離炭素を取り除くことができる。
【0026】
好適な実施形態では、炭化シリコン部品がシリコン蒸気と炭素との反応合成によって作られている。上記のように、そのようなプロセスにおいて、黒鉛などの炭素の不完全な変換により部品の内部で遊離炭素が発生するようになる。機械的な処理によって内部の遊離炭素を露出することができる。遊離炭素を取り除く方法の好適な実施形態は、露出している表面から遊離炭素のすべてを実質的に取り除くのに有効な時間、ある温度において酸素含有雰囲気で炭化シリコン部品を加熱することを備える。その加熱することにより、好ましくは、炭化シリコン部品の内部から少なくともいくつかの遊離炭素が取り除かれて、その結果、取り除かれた内部の遊離炭素がプラズマ処理チャンバーで放出されることが潜在的に防がれる。
【0027】
高温のオーブンや炉などの適当などんな容器の中でも、遊離炭素を含む炭化シリコン部品は加熱することができる。酸素含有雰囲気は、O、空気、水蒸気、又はそれらの混合物を含んでも良いが、それに限定されるものではない。好適な実施形態では、容器は密封されており、空気などのような酸素含有雰囲気がガス供給系を通して容器の中に供給される。
【0028】
酸素含有雰囲気は、遊離炭素を酸化させる(すなわち、遊離炭素をCO、二酸化炭素またはそれの混合物に変換する)のに有効な温度で維持されるが、炭化シリコンを酸化させるのを実質的に避ける(すなわち、炭化シリコンの機械的及び/又は物理的な性質に悪影響を与える)のに十分低い温度に維持されることが好ましい。処理容器における酸素含有雰囲気の温度は、およそ750℃からおよそ1200℃までであることが好ましく、およそ800℃からおよそ900℃までであることがさらに好ましい。露出している表面から少なくとも実質的に遊離炭素のすべてを取り除くのに有効な時間、好ましくはおよそ2時間からおよそ12時間まで、炭化シリコン部品は酸素含有雰囲気で扱われる。
【0029】
遊離炭素を含む炭化シリコン部品を酸素含有雰囲気で加熱すると、部品の露出している表面で遊離炭素のすべてを取り除くことができることが分かる。その加熱は、また、部品の内部に少なくともいくつかの遊離炭素を取り除くのに有効であることが好ましい。好ましくは、その加熱により、内部でおよそ50μmより大きい、好ましくは少なくともおよそ80%の、さらに好ましくはおよそ90%の数の遊離炭素パーティクル及び/又はクラスタが除去される。その加熱により、また、より小さいパーティクル及び/又はクラスタが部品から取り除かれる。炭化シリコン部品の遊離炭素パーティクル及び/又はクラスタの数は、例えば、顕微鏡法、自動イメージ分析法、または同様の方法によるどんな適当な技術によって、手動的に又は自動的に測定してもよい。
【0030】
遊離炭素を取り除くために炭化シリコン部品を処理する別の好ましい方法は、実質的に炭化シリコンを取り除かずに少なくとも表面から遊離炭素のすべてを実質的に取り除くのに有効な化学溶液に接触させることを備える。好ましくは、その化学溶液は、炭化シリコンの重さのおよそ1%未満を除去する。その化学溶液は、この結果を達成するのに有効などんな適当な化学的組成であってもよい。その化学溶液は、好ましくは、酸性溶液、例えば、硝酸、硫酸、または同様のものを含んだ溶液である。遊離炭素の除去の速度を高めるために、その化学溶液は、好ましくは高温に加熱される。その処理は、炭化シリコン部品を化学溶液に浸すことを含んでもよい。あるいは、その化学溶液は、スプレーなどのいかなる他の適当なプロセスによって、炭化シリコン部品に適用されてもよい。
【0031】
その化学溶液の濃度は、必要な処理時間以内に処理を行うことができるように、遊離炭素の除去速度を制御するように調整することができる。その化学溶液の濃度、溶液温度、ペーハー、および他のパラメータは、遊離炭素の除去に必要な速度を達成するように選択することができる。炭化シリコン部品は、部品の露出している表面で少なくとも実質的に遊離炭素のすべてを取り除くために好ましくは遊離炭素の必要な量を取り除くのに有効な時間化学溶液に接触されることができる。
【0032】
遊離炭素を取り除くように炭化シリコン部品を処理する別の好ましい方法は、酸素プラズマでその部品を処理して遊離炭素のすべてを少なくとも表面から実質的に取り除くことを備える。例えば、炭化シリコン部品を半導体基板処理装置のアッシングチャンバーで処理して、遊離炭素を取り除くことができる。例えば、炭化シリコン部品の温度は、この処理において、およそ200℃からおよそ300℃の範囲にすることができる。
【0033】
炭化シリコン部品の外側の表面では、粉砕及び/又は研磨などの機械加工を行って、好ましい方法の1つにより遊離炭素を部品から取り除くように処理する前に必要な表面状況を得ておくことができる。この機械加工は、その上に遊離炭素を持っている露出している表面を作り出すことができる。
【0034】
炭化シリコン部品の表面では、その部品が上記の方法の1つにより遊離炭素を取り除くように処理された後にプラズマで調整することができる。そのプラズマ調整(plasma conditioning)処理は、部品の表面からの炭化シリコンパーティクルなどの付着パーティクルを取り除くために実行され得る。そのような付着パーティクルは、部品の機械加工及び/又は焼結により得ることができる。炭化シリコン部品を調整する適切な方法は、2000年6月30日に出願された本願と同じ出願人によるU.S.Patent Application No.09/607,922に示されており、ここでその全体が参照されて用いられても良い。
【0035】
好適な実施形態では、生産半導体基板の処理に先立ち、遊離炭素を取り除くように処理される1つ以上の炭化シリコン部品を含むプラズマ処理チャンバーは、ダミーウェハを処理することによりプラズマ調整(plasma conditioned)される。その処理された炭化シリコン部品は、好ましくは、生産半導体基板が処理される前に、プラズマ処理チャンバーに置かれる。
【0036】
図1は、半導体基板の上の付着パーティクル数(the number of particle adders)と、炭化シリコンバッフル板を含むプラズマ処理チャンバーのプラズマ調整の持続時間との関係を示す。ここで、炭化シリコンバッフル板は、遊離炭素を取り除くように処理されていないもの(曲線A)と、遊離炭素を取り除くように酸素含有雰囲気で処理されたもの(曲線B)とが示されている。水平線は、200mmのダミーウェハに少なくともおよそ0.2μmの大きさを持つ20個の付着物(adders)が付着するという典型的な仕様を示す。
【0037】
曲線Bによれば、少なくともおよそ0.2μmの大きさを有しておりプラズマ処理チャンバーにおいて200mmのダミーウェハに付着される付着パーティクル数(the number of particle adders)は、チャンバーのプラズマ調整のおよそ2RF時間(すなわち、調整される間にプラズマ反応装置でプラズマが作り出されるような時間の数)の後に、およそ10未満まで減少して、そのような付着パーティクル数(the number of such particle adders)が調整の持続時間を伸ばすことによってさらにおよそ5まで減少することが示されている。
【0038】
しかしながら、曲線Aで示されるように、遊離炭素を取り除くように処理されていなかった炭化シリコンの下側のバッフル板を含んだプラズマ処理チャンバーにおいてダミーウェハに付着した付着パーティクル数(the number of particle adders)は、プラズマ調整(plasma conditioning)の45RF時間以降においてさえ、20よりも高くなっていた。従って、遊離炭素の除去により、プラズマ処理チャンバーにおける付着パーティクルの発生をかなり抑えることができる。
【0039】
上記の方法により遊離炭素が除去された半導体基板処理装置の炭化シリコン部品は、バッフル板、ガス供給プレート、エッジリング、フォーカスリング、プラズマ閉じ込めリング、チャンバーライナー、電極、ウェハ通路インサート、ウィンドウ、プラズマスクリーン、およびチャンバー壁を含むが、それらに制限されるものではない。そのような部品を含む半導体基板処理装置の一例となる部品は、U.S.Patent No.6,129,808に示されており、ここでその全体が参照されて用いられても良い。
【0040】
炭化シリコン部品は、様々な形と大きさとを持ってもよい。遊離炭素を取り除くように処理される遊離炭素を含む炭化シリコン部品は、好ましくは、およそ1/4インチまでの厚みを持つ。しかしながら、さらに厚い部品も、酸素含有雰囲気で上記の方法により処理されても良い。
【0041】
好適な実施形態では、遊離炭素を取り除くように扱われた1つ以上の炭化シリコン部品が、半導体基板処理装置に設置される。そのような装置の一例となる1つは、図2に示されている。しかしながら、炭化シリコン部品は、また、図2に示されるものと別の構造を有するプラズマ処理装置で使用されてもよい。半導体基板処理装置は、シャワーヘッド電極アセンブリ10を含んでいる。そのシャワーヘッド電極アセンブリ10は、通常、チャッキング機構を含む基板支持体と共に使用される。チャッキング機構は、例えば、シャワーヘッド電極アセンブリ10の下方に、上にのせられた基板例えば半導体ウェハを支える平坦な下部電極を有する静電気のチャックである。また、基板支持体は、基板の温度を制御するための機能を含んでもよい。例えば、基板支持体は、基板とチャックとの間の熱伝達を制御するためのウェハ背面ヘリウム供給システム、及び/又は、基板支持体を通して流体例えば水を循環させるように操作可能な熱伝達流体供給システムを含んでもよい。バッフル板などの処理された炭化シリコン部品の使用に適した別の一例となる電極アセンブリは、本願と同じ出願人によるU.S.Patent No.6,391,787に示されており、ここでその全体が参照されて用いられても良い。
【0042】
シャワーヘッド電極アセンブリ10は、プロセスガスが半導体基板の上に供給されるどんなタイプの半導体基板処理装置にも適用可能である。そのような装置は、CVDシステム、アッシャー、容量結合プラズマリアクタ、誘導結合プラズマリアクタ、ECR反応器、および同様のものを含んでもよいが、それに制限されるものではない。示されたシャワーヘッド電極アセンブリ10は、消耗部品である。すなわち、それは、定期的に交換される。シャワーヘッド電極10が交換容易なように温度制御部材に取り付けられているので、シャワーヘッド電極10の上部表面は、下記のように、弾性体の接合部などのいかなる適切な技術により、黒鉛サポートリングなどのサポートリング12に接着されてもよい。
【0043】
図2で示されるシャワーヘッド電極10は、平面円盤状である。フランジを持っているサポートリング12は、クランプリング16よって、熱伝達流体(液体か気体)がその中を流れる流路13を有するアルミニウム部材など温度制御式部材14に固定されている。例えば、水流入口/出口接続13aを介して冷却通路13内に水を循環させることができる。プラズマ閉じ込めリングのスタックを含むプラズマ閉じ込めリングアセンブリ17は、シャワーヘッド電極10の外側の周辺部を囲んでいる。プラズマ閉じ込めリングは、水晶、炭化シリコン、および同様のものなどの様々な材料で作ることができる。プラズマ閉じ込めリングアセンブリ17は、誘電体ハウジング18aに取り付けられた誘電体(例えば、水晶)の環状リング18に取り付けられる。プラズマ閉じ込めリングアセンブリ17は、プラズマチャンバーで圧力差を発生させ、プラズマチャンバー24とプラズマとの間で電気抵抗を増加させて、その結果、シャワーヘッド電極10と下部電極との間のプラズマを閉じ込める。
【0044】
半導体基板処理装置についての実施形態において、ガス供給からのプロセスガスは、温度制御部材14の通路20を介してシャワーヘッド電極10に供給される。プロセスガスは、垂直方向に間隙を介して設けられた1以上のバッフル板22を通して供給され、シャワーヘッド電極10における(図示しない)ガス供給開口を通過して、プラズマチャンバー24内に均等に分散する。シャワーヘッド電極10から温度制御部材14までの熱伝導を高めるために、プロセスガスは、温度制御式部材14とサポートリング12との互いに対向している表面の間に形成された空間に供給されてもよい。さらに、ガス通路27は、環状リング18か閉じ込めリングアセンブリ17における(図示しない)ガス通路に接続され、プラズマチャンバー24で圧力をモニターすることを可能にしている。温度制御部材14とサポートリング12との間の圧力の下でプロセスガスを維持するために、任意の第1Oリングシール28が、サポートリング12の内部表面と温度制御部材14において対向した表面との間に設けられ、任意の第2Oリングシール29が、サポートリング12の上部表面の外側部分と温度制御部材14において対向した表面との間に設けられる。プラズマチャンバー24において真空状態を維持するために、追加的な任意のOリング30、32は、温度制御部材14と筒状部材18bとの間、及び、筒状部材18bとハウジング18aとの間に設けられても良い。
【0045】
好適な実施形態において、少なくとも下側のバッフル板22aは炭化シリコンで作られている。シャワーヘッド電極アセンブリ10における他のバッフル板は、直接プラズマにさらされていないので、プラズマで誘発される浸食が下側のバッフルプレート22aに比べて問題とならない。しかしながら、1つ以上の他のバッフル板も、炭化シリコンで作られていてもよい。
【0046】
炭化シリコンのバッフル板は、既存のバッフル板をドロップイン交換可能に構成された部分(drop-in replacement part)であっても良いし、特定部分に起因する汚染を減少させるために適したどんなガス供給システムの一部として構成されていても良い。例えば、炭化シリコンのバッフル板は、Exelan(登録商標)か4520XLE(登録商標)のバッフル板をドロップイン交換可能に構成された部分(drop-in replacement part)であっても良い。なお、Exelan(登録商標)及び4520XLE(登録商標)は、本願の出願人Lam Research Corporationによって製造されたものである。
【0047】
電極アセンブリが消耗部品であるので、プラズマに接触する電極アセンブリの部品には、汚染されていない材料を使用すべきである。プロセスガスの化学に依存するが、その材料は、アルミニウムを含まない伝導性の半導体材料か絶縁体材料であることが好ましく、例えば、ガラス、セラミック及び/又はポリマ材料などであってもよい。そのような材料は、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、水晶であってもよく、シリコン、ボロン、イットリア、セリア、チタン、タンタル、ニオブ及び/又はジルコニウムの炭化物、窒化物及び/又は酸化物であってもよく、チタン、タングステン、タンタル及び/又はコバルトのシリサイドであってもよく、ダイヤモンドであってもよく、それらと同様のものであってもよい。シリコン、炭素、窒素及び/又は酸素で作られた材料は、最も好ましくは、プラズマ反応チャンバーの中の表面に使用される。
【0048】
その電極には、電気伝導性を有する材料が使用されても良い。そのような材料は、例えば、中心からその外端まで一様な厚みを有する平面状シリコン(例えば、単結晶シリコン)や炭化シリコンの電極ディスクなどである。しかしながら、また、一様でない厚みを有する電極(例えば、U.S.Patent No.6,391,787に示されたステップ状電極)を使用してもよい。また、その電極アセンブリと共に、プロセスガス供給開口の形成されていない異なる材料及び/又は電極を使用してもよい。好適な実施形態において、その電極は、間隔を離して設けられてプロセスガスを供給するのに適した大きさと分布を有するガス放電通路と共に設けられるシャワーヘッド電極である。そのガス放電通路は、電極によってエネルギーを与えれ、電極下方の反応チャンバーにおいてプラズマを形成する。
【0049】
図3は、シャワーヘッド電極40を示す。このシャワーヘッド電極40は、図2で示すシャワーヘッド電極10及びサポートリング12を含むシャワーヘッド電極アセンブリに置き換え可能である。シャワーヘッド電極40では、図4に示されるように、電極42が弾性体接合部46を介してサポートリング44に結合されており、弾性体接合部46がリセス48に位置している。リセス48は、サポートリング44の(図示しない)内壁と外壁50との間において、サポートリング44の周りを連続的に延びている。それぞれの壁50は、できるだけ薄くてもよく、例えば30ミル幅であってもよい。これにより、それぞれの壁50に接触した領域及びリセス48における薄層(例えば、およそ0.0025インチ)において、弾性体を薄層状(例えば、弾性体が0.7〜2μmの大きさのフィルタを含む場合、およそ2μm厚)に形成することができる。その壁によって形成されたリセスは、非常に浅くてもよく、例えば、2ミルの深さであってもよい。この場合、薄くても電極をサポートリングに固着するのに十分な強度を有する弾性体接合部を提供することができ、シャワーヘッド電極アセンブリ40の温度サイクルにおいて、サポートリング44と電極42とを相対運動させることができる。
【0050】
電極アセンブリの寸法は、電極アセンブリの用途に応じた要求を満たすように選択されてもよい。例えば、その電極が8インチウェハを処理するために使用される場合、その電極は、直径をおよそ9インチよりわずかに少ない値にしてもよく、サポートリングは、その電極との接触面における幅がおよそ0.5よりもわずかに少ない値にしても良い。
【0051】
弾性体接合部は、ポリマ材料、つまり真空環境に耐えられ、高温例えば200℃において耐熱劣化性を有するようなどんな適切な弾性体材料を備えてもよい。弾性体材料は、電気的及び/又は熱的に伝導性のあるパーティクルの充てん剤や、ワイヤメッシュ、織られた導電繊維、織られていない導電繊維、及びそれらと同様なものなどのような他の形態の充てん剤をさらに含んでもよい。弾性体接合部の詳細は、本願と同じ出願人によるU.S.Patent No.6,073,577に示されており、ここでその全体が参照して用いられても良い。
【0052】
遊離炭素を取り除くように処理された炭化シリコン部品は、様々なプロセスに使用されるプラズマ処理チャンバーに用いられても良い。その様々なプロセスは、(例えば、弗化シリコン酸化物(FSG)などの)ドープされたシリコン酸化物;二酸化シリコンなどのドープされていないシリコン酸化物;スピンオングラス(SOG);ほう酸燐酸塩ケイ酸塩ガラス(BPSG)や燐酸塩ケイ酸塩ガラスなど(PSG)などのケイ酸ガラス;ドープされた又はドープされていない熱成長シリコン酸化物;ドープされた又はドープされていないTEOS成膜シリコン酸化膜、及び同様のものなどの様々な誘電体材料をプラズマエッチングするプロセスを含む。誘電体のドーパントは、ほう酸、リン及び/又は砒素を含む。誘電体材料は、導電性又は半導性を有する材料層の上に形成される。その材料層は、例えば、多結晶シリコン;アルミニウム、銅、チタニウム、タングステン、モリブデンまたはそれらの合金などの金属;チタン窒化物などの窒化物;チタンシリサイド、コバルトシリサイド、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイドなどの金属シリサイド、および同様のものなどで形成される。例えば、そのガス供給システムは、ダマシン構造のプラズマエッチングに使用することができる。
【0053】
そのプラズマは、様々なプラズマ処理装置で作り出される高密度プラズマであってもよい。そのようなプラズマ処理装置は、通常、RFエネルギー、マイクロ波エネルギー、磁場、および同様のものを使用して高密度のプラズマを作り出す高エネルギー源を有している。例えば、高密度プラズマは、高周波誘導結合プラズマリアクタとも呼ばれるトランス結合プラズマ(TCPTM)、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマリアクタ、ヘリコンプラズマリアクタ、または同様のものにより作り出すことができる。高密度プラズマを作り出すことができる高流量プラズマ処理装置に関する例は、本願と同じ出願人によるU.S.Patent No.5,820,723に開示されており、ここでその全体が参照されて用いられても良い。
【0054】
本発明では、好適な実施形態に関して説明されている。しかしながら、当業者にとって明らかなように、発明の思想から逸脱しない範囲内で、上記と異なる特定の形態において発明を実現することができる。上記した好適な実施形態は、どんな方法によっても限定的に解釈すべきでない。本発明の範囲は、前述した記述よりも添付された特許請求の範囲にしたがって解釈すべきであり、特許請求の範囲及びそれに内包される範囲内であらゆる変更及び均等物への置換が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板処理装置の炭化シリコン部品から遊離炭素を除去する除去方法であって、
前記炭化シリコン部品は、多孔性であり、内部と露出された表面とを含み、
前記炭化シリコン部品は、前記内部及び前記露出された表面に遊離炭素を含み、
前記除去方法は、少なくとも実質的に前記露出された表面にある遊離炭素のすべてを除去するように、前記炭化シリコン部品を処理する処理工程を備える
ことを特徴とする除去方法。
【請求項2】
前記炭化シリコン部品は、シリコン蒸気と炭素との反応生成により形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項3】
前記処理工程は、
酸素含有雰囲気中で所定温度において、少なくとも前記露出された表面から実質的に全ての遊離炭素を除去するのに有効な所定時間、前記炭化シリコン部品を加熱する加熱工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項4】
前記所定温度は、およそ750℃からおよそ1200℃である、あるいは、およそ800℃からおよそ900℃であり、
前記所定時間は、およそ2時間からおよそ12時間である
ことを特徴とする請求項3に記載の除去方法。
【請求項5】
前記処理工程は、
実質的に炭化シリコンを除去せずに少なくとも前記露出された表面から実質的に全ての遊離炭素を除去するのに有効な化学溶液に、前記炭化シリコン部品を接触させる接触工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項6】
前記処理工程は、
少なくとも前記露出された表面から実質的に全ての遊離炭素を除去するように、酸素プラズマで前記炭化シリコン部品を処理する工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項7】
前記処理工程の後に、前記炭化シリコン部品の前記露出された表面を調整する調整工程をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項8】
前記遊離炭素は、炭素パーティクル及び/又は炭素クラスタの形であり、
前記処理工程では、前記炭化シリコン部品の内部において少なくともおよそ50μmの大きさを有する炭素パーティクル及び/又は炭素クラスタのうち、少なくともおよそ90%の個数の炭素パーティクル及び/又は炭素クラスタが除去される、
ことを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項9】
前記炭化シリコン部品は、炭化シリコン及び遊離炭素から本質的に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項10】
前記炭化シリコン部品は、シャワーヘッド電極アセンブリのバッフル板、プラズマ閉じ込めリング、エッジリング、フォーカスリング、バッキングプレート、チャンバーライナー、電極、ウェハ通路インサート、ウィンドウ、プラズマスクリーン、及びチャンバー壁から構成されるグループから選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の除去方法。
【請求項11】
半導体基板処理装置の炭化シリコン部品であって、
前記炭化シリコン部品は、多孔性であり、内部と露出された表面とを含み、
前記炭化シリコン部品は、(i)内部に遊離炭素を含む前記炭化シリコン部品を生じさせる工程によって作られ、(ii)中に遊離炭素を有する露出された表面を作り出すように処理され、(iii)少なくとも前記露出された表面から前記遊離炭素が実質的になくなるように前記遊離炭素を除去するように処理されたものである
ことを特徴とする炭化シリコン部品。
【請求項12】
前記炭化シリコン部品は、シャワーヘッド電極アセンブリのバッフル板、プラズマ閉じ込めリング、エッジリング、フォーカスリング、バッキングプレート、チャンバーライナー、電極、ウェハ通路インサート、ウィンドウ、プラズマスクリーン、及びチャンバー壁から構成されるグループから選択される
請求項11に記載の炭化シリコン部品。
【請求項13】
プラズマ処理チャンバーと、
前記プラズマ処理チャンバーに設けられた少なくとも1つの請求項11に記載の炭化シリコン部品と、を備えた
ことを特徴とする半導体基板処理装置。
【請求項14】
前記プラズマ処理チャンバーは、エッチングチャンバーである
ことを特徴とする請求項13に記載の半導体基板処理装置。
【請求項15】
シャワーヘッド電極と、前記シャワーヘッド電極を通過してプロセスガスが向かうバッフルチャンバーと、前記バッフルチャンバーに設けられた請求項12に記載の炭化シリコンバッフル板とを含むシャワーヘッド電極アセンブリによってプロセスガスが中に供給される半導体基板処理装置のプラズマチャンバーにおける半導体基板の処理方法であって、
生産半導体基板を前記ブラズマ処理チャンバーの基板支持体の上に載せる載置工程と、
プロセスガスを前記バッフルチャンバーへ供給して、前記プロセスガスを前記炭化シリコンバッフル板を通過させて前記炭化シリコンバッフル板と前記シャワーヘッド電極との間の空間へと導き、さらに前記シャワーヘッド電極を通過させて前記プラズマ処理チャンバーへと導く供給工程と、
前記シャワーヘッド電極を通過したプロセスガスで前記生産半導体基板を処理する処理工程と、
を備えたことを特徴とする半導体基板の処理方法。
【請求項16】
前記シャワーヘッド電極にRFパワーが供給されて、前記半導体基板の露出された表面に接触するように前記プロセスガスがプラズマを形成することにより、前記生産半導体基板の上の誘電体材料層がエッチングされるエッチング工程をさらに備えた
ことを特徴とする請求項15に記載の半導体基板の処理方法。
【請求項17】
前記生産半導体基板を前記ブラズマ処理チャンバーの前記基板支持体の上に載せる載置工程の前に、前記プラズマ処理チャンバーをプラズマ調整するプラズマ調整工程をさらに備えた
ことを特徴とする請求項15に記載の半導体基板の処理方法。
【請求項18】
前記プラズマ調整工程は、前記生産半導体基板を処理する前に前記プラズマ処理チャンバーにおいてダミーウェハを次に処理する次処理工程を含み、
前記プラズマ処理チャンバーでは、少なくともおよそ0.2μmの大きさを有し前記ダミーウェハに付着する付着パーティクル数が、およそ2RF時間までプラズマ調整された後に、およそ20以下である
ことを特徴とする請求項17に記載の半導体基板の処理方法。
【請求項19】
少なくともおよそ0.2μmの大きさを有し前記ダミーウェハに付着する前記付着パーティクル数は、およそ2RF時間までプラズマ調整された後に、およそ10以下である
ことを特徴とする請求項18に記載の半導体基板の処理方法。
【請求項20】
前記炭化シリコンバッフル板は、前記プラスマ処理チャンバーをプラズマ調整する前に、前記プラズマ処理チャンバーの中に置かれる
ことを特徴とする請求項17に記載の半導体基板の処理方法。
【請求項21】
半導体基板処理装置の炭化シリコン部品を製造する製造方法であって、
内部に遊離炭素を含む前記炭化シリコン部品を生成する方法によって、炭化シリコン部品を製造する製造工程と、
上部に遊離炭素を有する露出された表面を生成するように、前記炭化シリコン部品の一部を除去する除去工程と、
少なくとも実質的に前記露出された表面にある遊離炭素のすべてを除去するように、前記炭化シリコン部品を処理する処理工程と、
を備えたことを特徴とする処理方法。
【請求項22】
前記炭化シリコン部品は、シリコン蒸気と炭素との反応生成により形成される
ことを特徴とする請求項21に記載の除去方法。
【請求項23】
前記処理工程は、
酸素含有雰囲気中で所定温度において、少なくとも前記露出された表面から実質的に全ての遊離炭素を除去するのに有効な所定時間、前記炭化シリコン部品を加熱する加熱工程を含む
ことを特徴とする請求項21に記載の除去方法。
【請求項24】
前記所定温度は、およそ750℃からおよそ1200℃である、あるいは、およそ800℃からおよそ900℃であり、
前記所定時間は、およそ2時間からおよそ12時間である
ことを特徴とする請求項23に記載の除去方法。
【請求項25】
前記処理工程は、
実質的に炭化シリコンを除去せずに少なくとも前記露出された表面から実質的に全ての遊離炭素を除去するのに有効な化学溶液に、前記炭化シリコン部品を接触させる接触工程を含む
ことを特徴とする請求項21に記載の除去方法。
【請求項26】
前記処理工程は、
少なくとも前記露出された表面から実質的に全ての遊離炭素を除去するように、酸素プラズマで前記炭化シリコン部品を処理する工程を含む
ことを特徴とする請求項21に記載の除去方法。
【請求項27】
前記炭化シリコン部品は、バッフル板、プラズマ閉込めリング、エッジリング、フォーカスリング、バッキングプレート、チャンバーライナー、電極、ウェハ通路インサート、ウィンドウ、プラズマスクリーン、及びチャンバー壁から構成されるグループから選択される
ことを特徴とする請求項21に記載の除去方法。
【請求項28】
前記除去工程は、
炭化シリコンを除去するように、前記炭化シリコン部品を機械的に処理する機械処理工程を含む
ことを特徴とする請求項21に記載の除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−134535(P2012−134535A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−47250(P2012−47250)
【出願日】平成24年3月2日(2012.3.2)
【分割の表示】特願2006−539942(P2006−539942)の分割
【原出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】