説明

過剰増殖性皮膚疾患を治療するための組成物および方法

本発明は、乾癬などの過剰増殖性皮膚疾患を治療するための組成物および方法を記載する。この優れた組成物は、ボスウェリア・セラータ ゴム樹脂、その抽出物、単離物または誘導体から選択される天然ロイコトリエン阻害剤を、生体が利用できる有機セレン栄養補助剤と組み合わされて含有する。これらの組成物は、所望の効果が表れるための最適な量および適切な剤形で、治療が必要な個別のヒトまたは動物に経口投与および局所投与され、有害な副作用はない。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、乾癬などの過剰増殖性皮膚疾患、およびそれらの関連症状を治療するための組成物および方法に関する。本明細書に記載する組成物は、ボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)ゴム樹脂、その抽出物、単離物または誘導体から選択される天然ロイコトリエン阻害剤を、生体が利用できる(bioavailable)有機セレン栄養補助剤と組み合わされて含有する。これらの組成物は、所望の効果が表れるための最適な量および適切な剤形で、治療が必要な個別のヒトまたは動物に経口投与および局所投与され、有害な副作用はない。
【0002】
(背景技術)
乾癬は、輪郭のはっきりした、銀色の薄片状の表面に覆われた赤いパッチが定期的・突発的に現れることを特徴とする慢性皮膚病である。乾癬においては、皮膚表皮はストレスおよび環境要因により引き起こされる免疫系の遺伝的異常に起因する破壊的な変化に曝される。表皮において未成熟ケラチン生成細胞の過剰増殖が起こり、表面から剥離した銀色の薄片状の死皮膚の付着したパッチを形成する。真皮において、異常増殖するケラチン生成細胞への血管による供給血液量が増加し、その結果乾癬に特徴的な皮膚下側の炎症および赤みを引き起こす。独立的に、同時にまたは前後して起こるいくつかの種類の乾癬が存在する。最も一般的な乾癬の形態は慢性尋常性乾癬である。乾癬性関節炎は、乾癬と関節炎の両方を伴う消耗性疾患である。
乾癬は、局所投薬、光線療法、全身投薬により臨床的処置が行われる。この目的のために医薬製剤に使用されるステロイド剤、シクロスポリン、メトトレキサート、経口用または局所用のレチノイド、硫化セレンなどの薬剤は様々な副作用を有する。乾癬を完全に治療する方法は知られていない。
【0003】
カンラン科ボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata (Roxb.) Burseraceae)は、インドの乾燥性・丘陵性地帯に生育する大木である。ボスウェリア・セラータの滲出物は、“ドゥープ(Dhup)”、“インディアンフランキンセンス”または“インディアンオリバナムインド”として一般的に知られるゴム樹脂である(Anonymous, 1948 and Chopra et al, 1956)。サライグッガル(Salai Guggal)として知られるゴム樹脂は、リウマチ、呼吸器疾患および肝臓疾患の治療のために医療アーユルヴェーダシステムにおいて使用されている(Kirtikar and Basu, 1935)。古くからのアーユルヴェーダ教本(Shushrutha Samhitha Gulabkunvarba,1949)およびCharaka Samhitha (Chowkhamba,1968)は、グッガルの抗リウマチ活性に言及した。ボスウェリアのゴム樹脂の非酸性油画分は、ラットにおいて著しい鎮痛効果を示すことが発見された(Menon and Kar, 1971 および Menon and Kar, 1969)。ボスウェリア酸を含むゴム;ボスウェリア・セラータの酸性画分は、ラットおよびウサギにおいて解熱作用を示すことが発見された(Singh and Atal, 1986, Singh et al., 1993)。しかしながら、ゴム;ボスウェリア・セラータの酸性画分が鎮痛作用を有することは知られていなかった。天然では、ボスウェリア酸はボスウェリア・セラータ(Roxb.)の木からのゴムまたは滲出物に存在する。前記ゴムは4つのボスウェリア酸の混合物を含む。
【0004】
ボスウェリア酸は、アラキドン酸から炎症性ロイコトリエンへの変換を触媒する酵素である5-リポキシゲナーゼを阻害する(Safayhi et al., 1992)。ボスウェリア酸はさらに結合組織破壊を触媒する酵素ヒト白血球エラスターゼ(HLE)をも阻害する(Safayhi et al., 1997)。
炎症性ロイコトリエンは、乾癬の病因および病態に関係する。乾癬患者および湿疹患者からの病変皮膚においては、ロイコトリエンB4が約6.6倍に増加することが発見された(Reilly et al. 2000)。5-リポキシゲナーゼにより触媒される、アラキドン酸からの生成物であるロイコトリエンB4は、乾癬の病因に重要な役割を果たすと考えられている(Iversen et al., 1997)。ヒト白血球エラスターゼ(HLE)活性は、乾癬(31倍)、アレルギー性接触皮膚炎(55倍)、およびアトピー性皮膚炎(35倍)の病変皮膚において大きく上昇するが、患者の病変の見られない皮膚では上昇しないことが発見された(Wiedow, 1992)。
【0005】
WO 96/19212は、脳腫瘍を治療するためのボスウェリア酸の使用について記載する。
WO 97/07796は、通常および上昇した白血球エラスターゼまたはプラスミン活性を阻害するための、ボスウェリア酸およびその誘導体の使用について記載する。
US 5,888,514は、骨炎症または関節炎症を治療するための、ボスウェリア酸を含む天然組成物について記載する。
US 5,629,351は、ボスウェリア酸組成物およびその調製について記載する。
US 5,494,668は、筋骨格疾患を治療するためのボスウェリア酸組成物について記載する。
US 5,720,975は、アルツハイマー病を治療するための乳香の使用について記載する。
EP 0552657は、ロイコトリエン形成の増加により引き起こされる炎症進行の予防および/または制御のための、高純度ボスウェリア酸、生理学的に許容される塩、誘導体、または誘導体の塩、あるいは薬草調製物を含むボスウェリア酸の、ヒトおよび動物用の薬における使用について記載する。
WO 00/57893は、ボスウェリア・セラータ抽出物を含む組成物について記載し、ここでボスウェリア・セラータ抽出物、ボスウェリア酸またはその誘導体は、炎症を起こした皮膚に鎮痛作用を提供することが可能なスキンケアまたはヘアケア用組成物の調製に有用である。
【0006】
セレンは、高等動物およびヒトにおける生細胞の成長および機能発揮に多様な役割を果たす必須微量元素栄養素である。分子レベルでは、セレン(セレンタンパク質として)は、抗酸化酵素グルタチオンペルオキシダーゼ、および甲状腺機能に関与する酵素であるヨードチロニン-5'-脱ヨウ素酵素と哺乳動物チオレドキシン還元酵素の活性サイトの必須成分である。セレンはさらに、他のいくつかの哺乳動物セレンタンパク質にも存在する。セレン欠乏状態は、疾患に対する免疫性の低下および様々な形態の癌の進行と関連付けられている。
中度または重度の乾癬患者は、血中のセレン濃度が低く、かつ、遊離基により引き起こされる酸化の生成物であるマロンアルデヒドの濃度が上昇していることが示されている(Corrocher, et al. 1989)。臨床試験では、セレンの摂取量の減少は乾癬の進行に関連づけられている(Serwin, et al. 1999)。ヒト被験者および実験動物の両方において、局所的セレノメチオニンが、UV放射線により誘導された皮膚傷害の程度を軽減させることが示されている (Burke, et al., 1992)。従って、抗酸化酵素における役割を通してのセレノメチオニンの抗酸化作用(Cronin, 2000)は、乾癬の場合においても役立つ可能性がある。
【0007】
最近の研究は、乾癬は本来的には皮膚疾患ではなく、皮膚の下の免疫障害であることを示唆している。皮膚症状は、インターロイキン2、6および8の生成の増加、およびトランスフォーミング増殖因子-αインターロイキン-10の生成の減少による表皮細胞(ランゲルハンス細胞)への過剰刺激の結果である(Christ, 1999)。
皮膚と血液のセレン含有量、皮膚グルタチオンペルオキシダーゼ活性、および、血液と皮膚の様々な化学的および免疫学的パラメーター、に対するセレン栄養補助(400μg/1日を6週間、約70%セレノメチオニンを含むセレン酵母として)の効果を7人の乾癬患者について調べた。この研究の結果は、セレノメチオニンは、CD4+ T 細胞の数を増加させることによって乾癬病変部の免疫機構を調節し得ることを示唆した(Harvima, 1993)。
腫瘍壊死因子-α(TNF-α)およびその受容体は、乾癬病変の誘導および維持に重要な役割を果たす。最近の研究は、セレノメチオニンによる経口栄養補助は、皮膚病変の改善にも関わらず、慢性尋常性乾癬においてはアジュバント治療として有効ではなく、乾癬患者において、上昇したTNF-R1(可溶性TNF-α受容体1型)濃度の維持に関与し得ることを報告する(Serwin et al., 2003)。
【0008】
特許出願CN1233482は、乾癬の治療における光沢性(glossy)セレン富化マンネンタケの使用について記載する。
WO02096429は、リポソーム乳液の形態にある乾癬の外観治療用薬剤について記載し、メチルキサンチン類の調製物、セレンおよび他のいくつかの調製物が活性成分として使用されている。
IT1244459は、白斑、座瘡、乾癬、脱毛症、先天性貧毛症などの皮膚疾患の治療のために局所投与し得る医薬組成物について記載し、前記組成物は、リチウム、亜鉛、銅、可能であれば金、銀、硫黄、セレンおよびケイ素が溶解または分散された、タラ肝油、ミンク油およびカメ油から選択される1または2以上の動物由来油を含む。
米国特許第6,630,442号は、グルタチオン、セレン(セレノアミノ酸またはセレン酵母として)および上皮細胞増殖因子を局所用担体に含む組成物、並びに、該組成物を美容的(エクスフォリエーションおよびケミカルピール)、外科的(レーザーおよび他の治療法)処置による皮膚損傷や、皮膚組織に対する他の化学火傷および熱傷を軽減または回復に使用する方法について記載する。
上に列挙したいずれの従来技術も、5-リポキシゲナーゼとヒト白血球エラスターゼとの天然デュアル阻害剤を、有機セレン栄養補助剤と組み合わせて、乾癬を処置する。ボスウェリア酸の抗補体活性は文献に詳述されている(Kapil, A et al. 1992)。TNF-αの補体依存的誘導はよく確立された経路である。従って、本発明の組み合わせ治療は、起こり得るTNF-αレベル上昇を阻止し、これはセレン栄養補助ではもたらされない。
【0009】
以下は、本出願に引用する文献の一覧であり、それぞれは引用によりその全体が本明細書に含まれるものとする。
Anonymous (1948), The Wealth of India: Raw Materials, Vol I, CSIR Publications, Delhi, pp 208-210.
Chopra, R. N. Nayar, S. L., Chopra, I. C. (1956), Glossary of India Medicinal Plants, SCIR, Delhi.Chowkhamba (1968), Charaka Samhita (2.sup.nd ed), Sanskrit Series Office, Varanasi.
Kirtikar, K. R. and Basu, B. D. (1935), Indian Medicinal Plants, Vol. I, pp. 521- 529.
Menon, M. K. and Kar. A. (1971), Analgesic and psycho-pharmacological effects of the gum resin of Boswellia serata. Planta Med. 19:338-341.
Menon, M. K. and Kar, A. (1969). Analgesic effects of the gum resin of Boswellia serrata. Life Sciences 8(1):1023-28.
Singh, G. B. and Atal, C. K. (1986), Pharmacology of an extract of salai guggal ex-Boswellia serrata, a new nonsteroidal anti-inflammatory agent, Agents and Actions 18 (3/4):407-411.
Singh, G. B. et al. (1993), Boswellic Acids, Drugs of the Future 18(4):307 309.
Sushruta Samhita (1949), Shree Gulabkunvarba, Vol 1 6, Ayurvedic Soc., Jamnagar.
Reilly D M. et al. (2000) Inflammatory mediators in normal, sensitive and diseased skin types. Acta Derm Venereol80(3):171-4
Iversen L, et al. (1997) Significance of leukotriene-A4 hydrolase in the pathogenesis of psoriasis. Skin Pharmacol. 10(4):169-77
Wiedow O, et al. (1992) Lesional elastase activity in psoriasis, contact dermatitis, and atopic dermatitis. Invest Dermatol. 99(3):306-9
【0010】
Safayhi, H. et al. (1992) Boswellic acids: novel, specific, non-redox inhibitors of 5-lipoxygenase. J. Pharmacol. Exp. Ther. 261:1143-6.
Safayhi, H. et al. (1997) Inhibition by boswellic acids of human leukocyte elastase. J. Pharmacol. Exp. Ther. 281:460-463
Corrocher, R. et al. (1989) Effect of fish oil supplementation on erythrocyte lipid pattern, malondialdehyde production and glutathione-peroxidase activity in psoriasis. Clin Chim Acta 179(2):121-31
Serwin A B, et al. (1999) Selenium nutritional status and the course of psoriasis. Pol Merkuriusz Lek. 6(35):263-5
Burke, K. E. et al. (1992) The effect of topical L-selenomethionine on minimal erythema dose of ultraviolet irradiation in humans. Photodermatol Photoimmunol Photomed 9(2):52-7
Cronin, J. R. (2000) Dietary selenium: Elemental Nutrition for Muscles, Immunity, Well-Being and Cancer Prevention. Alt. Complement. Therap. 6(6):342-346.
Christ H W. (1999) Immunomodulating therapy of psoriasis vulgaris. Med Klin 94 Suppl 3:90-2
Serwin, A. B. et al. Soluble tumor necrosis factor-alpha receptor type 1 during selenium supplementation in psoriasis patients. Nutrition. October 2003;19(10):847-850.
Harvima, R. J. (1993) Screening of effects of selenomethionine-enriched yeast supplementation on various immunological and chemical parameters of skin and blood in psoriatic patients. Acta Derm. Venerol. 73(2): 88-91.
Kapil, A and Moza, N Anticomplementary activity of boswellic acids--an inhibitor of C3-convertase of the classical complement pathway. Int J Immunopharmacol. October 1992;14(7):1139-43.
【0011】
(発明の開示)
過剰増殖性皮膚疾患の典型例は乾癬である。乾癬は、銀色の薄片状の表面に覆われた赤いパッチが定期的・突発的に皮膚に現れることを特徴とする慢性皮膚病である。前記疾患は、環境要因によって誘発される免疫系の遺伝的異常に起因し、従って、自己免疫疾患に分類される。乾癬にはいくつかの種類が存在し、そのうち最も一般的なのは慢性尋常性乾癬であり、肘、膝および背中下部に見られる。乾癬性関節炎においては、乾癬病変は関節炎の症状を伴う。乾癬性関節炎は、関節が硬くなり、痛みを伴い、炎症を起すことを特徴とする。
本発明は、過剰増殖性皮膚疾患に新規の治療処置方法を施し、該方法では、5-リポキシゲナーゼとヒト白血球エラスターゼとの天然デュアル作用阻害剤の経口摂取とともに局所投与(applied topically)が、生体が利用できる有機セレン栄養補助剤の経口摂取と組み合わされて行われる。
すべての自己免疫疾患につながる過程では、遺伝的に制御されたヒト白血球抗原(HLA)系が関係する。この系の異常は、乾癬性関節炎を含めてほとんどの免疫疾患の根幹にある。本発明は、炎症性酵素の阻害およびケラチノサイト増殖因子の発現の調節を通して炎症性プロセスを阻害し得る栄養素の補助を対象とする。有効な治療を行うためには、根底にある関連遺伝的プロセスに好ましい影響を与える正しい投与計画を構築することが必要である。
【0012】
(発明の実施形態)
本発明の例示的な実施態様は、乾癬を有効に治療するための組成物および投与計画を提供する。
実施例1 本発明の組成物
本発明の経口製剤の活性成分組成の実施態様の一例を表1に示す。
表1:経口製剤の活性成分組成

【0013】
製剤は、その目的に一般に使用される賦形剤および添加剤とともに、カプセル剤、錠剤、粉末剤、スパンスルまたは他の経口投与用の剤形で調製される。
局所投与用の製剤の例示的な実施態様を表2に示す。
表2:局所用クリームの組成

【0014】
ボスウェリン(サビンサ・コーポレーション(米国ニュージャージー州)の商標)は、規格化されたボスウェリア・セラータ ゴム樹脂抽出物であり、β-ボスウェリア酸、アセチル-β-ボスウェリア酸、11-ケト-β-ボスウェリア酸およびアセチル-11-ケト-β-ボスウェリア酸を含む。
活性成分は、クリーム、ローション、パッチ、ゲルまたは他の任意の局所用の剤形として製剤化し得る。
【0015】
実施例2 本発明の組成物および方法による乾癬患者の治療
痒み、皮膚剥離、および掻破による出血を伴う環状、多環状、麻疹状の病変として現れる、主要なる斑と従属的な薄片の症状を有する年齢18〜65歳の、12名の患者(男性6名、女性4名)が本研究に参加した。
400mgのボスウェリア酸および100mcgのセレンをL(+)-セレノメチオニンの形体で含む錠剤を患者に経口投与し、かつ、400mgのボスウェリア酸を含む局所用クリームで患者を処置した。
履行した処方計画は、150日間にわたって上述の錠剤1錠と上述の局所投与を1日3回であった。体表面積とともに紅斑(赤み)、硬化度(厚み)および鱗状状態を指標とするPASIスコア(乾癬範囲重症度指数)を4週間毎に評価した。血清の生化学的パラメーターも同様に評価した。
乾癬の患部を、研究の開始時および4週間毎に写真撮影した。
患者をさらに30日間追跡調査したところ、乾癬の症状の改善が見られ、有害な副作用は見られなかった。
乾癬の外観上の症状に対する治療効果を写真で図1〜4に示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】患者1、患者2、患者3の、治療開始時、第8週の終わり(第1回訪問時)、第12週の終わり(第2回訪問時)における乾癬病変部の外観を示す。
【図2】患者4、患者5、患者6の、治療開始時、第8週の終わり(第1回訪問時)、第12週の終わり(第2回訪問時)における乾癬病変部の外観を示す。
【図3】患者7、患者8、患者9の、治療開始時、第8週の終わり(第1回訪問時)、第12週の終わり(第2回訪問時)における乾癬病変部の外観を示す。
【図4】患者10、患者11、患者12の、治療開始時、第8週の終わり(第1回訪問時)、第12週の終わり(第2回訪問時)における乾癬病変部の外観を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過剰増殖性皮膚疾患の治療のための組成物および方法。
【請求項2】
過剰増殖性皮膚疾患が乾癬である、請求項1に記載の組成物および方法。
【請求項3】
ボスウェリア酸、単離ボスウェリア酸、合成ボスウェリア酸、または誘導体を、単独で若しくは組み合わせて含む、ボスウェリア・セラータ ゴム樹脂、ボスウェリア・セラータ ゴム樹脂抽出物から選択される、5-リポキシゲナーゼとヒト白血球エラスターゼとのデュアル阻害剤; および、
セレノメチオニン、メチルセレノシステイン、セレン富化植物質から選択される、生体が利用できる有機セレン栄養補助剤、
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
治療が必要なヒトまたは動物の対象に経口投与または局所投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
経口投与されるボスウェリア・セラータ抽出物およびセレノメチオニンの製剤を、局所投与されるボスウェリア・セラータ抽出物の製剤と組み合わせて成る、請求項1に記載の組成物および方法。
【請求項6】
50〜500mgのボスウェリア酸および100mcgのセレノメチオニンとしてのセレンを含む請求項5に記載の経口製剤であって、前記ボスウェリア酸は、以下の1または2以上の群により表される前記経口製剤:a) 単独でまたは混合物として、β-ボスウェリア酸、アセチルβ-ボスウェリア酸、11ケトβ-ボスウェリア酸、アセチル-11-ケト-β-ボスウェリア酸、 b) 単独でまたは組み合わされて、β-ボスウェリア酸、アセチルβ-ボスウェリア酸、11ケトβ-ボスウェリア酸、アセチル-11-ケト-β-ボスウェリア酸のコンジナーまたは誘導体。
【請求項7】
50-400mgのボスウェリア酸を含む請求項5に記載の経口製剤であって、前記ボスウェリア酸は、以下の1または2以上の群により表される前記経口製剤:a) 単独でまたは混合物として、β-ボスウェリア酸、アセチルβ-ボスウェリア酸、11ケトβ-ボスウェリア酸、アセチル-11-ケト-β-ボスウェリア酸、 b) 単独でまたは組み合わされて、β-ボスウェリア酸、アセチルβ-ボスウェリア酸、11ケトβ-ボスウェリア酸、アセチル-11-ケト-β-ボスウェリア酸のコンジナーまたは誘導体。
【請求項8】
10〜400mgのアセチル-11-ケト-β-ボスウェリア酸、および10〜100mcgのL(+)-セレノメチオニンを含む、請求項5に記載の経口製剤。
【請求項9】
10〜400mgのアセチル-11-ケト-β-ボスウェリア酸を含む、請求項5に記載の局所製剤。
【請求項10】
錠剤、カプセル剤、スパンスル、粉末剤または他の剤形である、請求項5に記載の経口製剤。
【請求項11】
クリーム、ローション、ゲル、パッチ、薬用オイル、または他の剤形である、請求項5に記載の局所製剤。
【請求項12】
皮膚、頭皮または爪への使用に適した、請求項9に記載の局所製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−508354(P2008−508354A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524780(P2007−524780)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/033846
【国際公開番号】WO2006/022762
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(306039603)
【出願人】(306039636)
【Fターム(参考)】