説明

過酸化水素含有系にアルカリ化剤を溶解する間の過酸化水素の安定化

本発明は、少なくとも一つのタイプのアルカリ化剤と少なくとも一つのキレート剤の凝集混合物を含んでなるアルカリ化剤、および本発明の固体アルカリ化組成物を含有する固体またはペースト状成分、溶解されるべき溶媒および/または過酸化水素含有成分を、アルカリ化剤の形態で溶解する間の過酸化水素の分解を低減するための該組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、組成物の重量に基づいて、少なくとも75重量%の、少なくとも一つのアルカリ化剤と少なくとも一つのキレート剤の混合物を含有する、固体のアルカリ化に有効な組成物、ならびに、アルカリ化剤として、本発明の固体のアルカリ化に有効な組成物、溶媒および/または溶解される過酸化水素含有成分を含有する固体またはペースト状成分の溶解工程の間に過酸化水素の分解を低減するための、この組成物の使用である。
【背景技術】
【0002】
過酸化水素含有剤は、多種多様の工程、例えば、任意のタイプの繊維の酸化処理、繊維製品または表面の増白および洗浄、繊維(例えば、ケラチン含有繊維)の酸化的着色または漂白における永久的な変形または永久的な変色に使用される。
【0003】
漂白、例えば、繊維製品の増白または人毛の漂白(後者の場合、特に「ハイライティング」用途)に関して、固体酸化剤(いわゆる「漂白促進剤」)を有する固体またはペースト状調製物を、使用直前に過酸化水素希釈溶液と混合することが通例である。次いで、この混合物を毛髪に塗布し、そして特定の接触時間後に再び洗い流す。
【0004】
いわゆる酸化性着色剤は、対応する固着特性を伴って、繊維(特に、ケラチン含有繊維)の永久的な極めて強い着色に使用される。このような着色剤は、通常、酸化性色素前駆体、いわゆる顕色剤成分、およびカップラー成分を含有する。塗布前に添加された酸化剤の影響下、顕色剤成分は、互いの間で、または一以上のカップラー成分にカップリングすることによって、実際の染料を形成する。酸化着色剤は、顕著な長期に亘る着色成果を特徴とする。
【0005】
一時的な着色成果は、いわゆる直接吸収染料が着色剤に使用される場合、繊維において達成される。直接吸収染料は、本来的に色付きであり、色を製造するのに酸化剤を必要としない。しかしながら、直接吸収染料は、故意に色合いに影響を与えるために、酸化性着色剤と一緒に使用することもできる。
【0006】
唯一の着色成分を構成する直接吸収染料が、過酸化水素含有剤(例えば、上記漂白剤など)と組み合わさって色の変化をもたらす着色法も既知である。過酸化水素含有剤は、得られる繊維の色が、直接吸収染料で着色した場合よりも、より光り輝くようにみえる結果を伴う、繊維の増白の原因である。
【0007】
過酸化水素含有剤は、しばしば、塗布直前に、分離して保存された組成物に混合され、実際の塗布混合物を生じる。この手順は、特に塗布混合物が過酸化水素ばかりでなく、過酸化水素との化学反応に参入する成分も含有する場合、必要である。そうした理由で、実際の塗布混合物は、保存安定性でない。
【0008】
例えば、直接吸収染料は、過酸化水素に対して、かなりの頻度で不安定である。それらが過酸化水素と一緒に使用される場合、それらは、塗布直前に混合され、過酸化水素含有組成物を生じる。酸化性色素前駆体および直接吸収染料は、大半、固体であるので、それらは、塗布直前に、粉末、ペレット、またはタブレットとして固体の形態で過酸化水素含有組成物に添加することができる。
【0009】
上記漂白剤の効率(例えば、増白力)または上記着色剤の着色力は、塩基性pH(特に、8と12の間のpH)で最大となる。しかしながら、過酸化水素調製物は、このようなアルカリpHで保存安定性でない。保存安定性である過酸化水素調製物は、中性の、通常、2〜5の酸性のpHを有する。アルカリ塗布混合物に到達するため、混合される成分は、アルカリ化剤を含有する。
【0010】
さらに、アルカリpHに加えて、分解促進剤(例えば、金属カチオン、ゼオライト、または漂白促進剤)の存在が、過酸化水素の分解を促進することも既知である。
【0011】
溶媒として機能する水性液体組成物中への固体のアルカリ化に有効な組成物の溶解に際して、液体および/または固体組成物中に含まれた過酸化水素の分解が、通常、溶解工程の間に起こる。H分解は、溶媒として機能する水性組成物が粘性である場合、特に顕著になる。このような分解は、酸素の発生を伴い、最悪の場合、発熱化学反応として明らかになる。Hおよび発泡剤の両方を含有する媒体において、ガスの発生は、発泡をもたらす。過酸化水素分解と同様に、この発泡も望ましくない。なぜなら、泡は、繊維中への活性成分の拡散を妨げるためである。溶解工程を、密閉容器中、通常の様式で、撹拌によって行う場合、ガスの発生の結果、その容器中に過剰の圧力が生じる。溶解工程後に容器を開ける際、最悪の場合、同時に起こる圧力平衡は、塗布混合物を制御できない様式で容器から噴出させる。これは、使用者に危険となり得る。
【0012】
結果として、過酸化水素含有剤を用いる場合、過酸化水素の分解は、塗布混合物の効率を低減し、潜在的な危険を高める。したがって、過酸化水素を安定化するために、過酸化水素含有組成物中にキレート剤を組み込むことが既知である。上記多成分剤において、これらの安定化剤は、液体溶媒および溶解される固体の両方の成分であり得る。しかしながら、キレート剤に混合するだけでは、溶解工程の間の過酸化水素の分解を十分に低減することを達成するのに十分ではない。
【0013】
文献国際公開WO-A1-94/03553は、過酸化水素、過酸化水素放出物質、およびH安定化剤としての1,2-エチレンジアミン-N,N'-ジサクシネートまたはその遊離酸を含有する固体または液体漂白剤に関する。
【0014】
文献国際公開WO-A1-95/23210は、その核が過酸化水素放出物質(例えば、過炭酸ナトリウムまたはペルオキシ酸)であり、およびキレート剤としてのヒドロキシカルボン酸で被覆された、固体粒子を記載する。該固体粒子の貯蔵安定性は、被覆により改善される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、少なくとも一つの液体成分および少なくとも一つのアルカリ化に有効な固体またはペースト状成分で構成される酸化に有効なH含有剤の製造において、アルカリ化に有効な固体またはペースト状成分の液体成分中への溶解工程の間、過酸化水素の分解を防止すること、または、既存品の剤と比べて、その分解を大きく低減することである。これに関して、過酸化水素は、少なくとも一つの上記成分中に、必須構成成分として含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
驚くべきことに、今日、Hの存在下でのアルカリ化に有効な組成物の溶解工程の間の過酸化水素の分解は、溶解される組成物が、凝集体として、少なくとも一つのアルカリ化剤ばかりでなく、少なくとも一つのキレート剤も含有するアルカリ化に有効な固体組成物を、アルカリ化物質として含有する場合、大きく低減できることがわかった。キレート剤は、凝集体の同じ粒子中にアルカリ化剤と一緒に存在する。この種類のアルカリ化に有効な組成物は、新規である。
【0017】
組成物は、それが20℃、101,325Paの圧力で固体として存在する場合、本発明のために固体である。
本発明のための凝集体は、固体粒子を形成する幾つかの異なる物質の凝集体である。
本発明のために、アルカリ化に有効な組成物は、少なくとも10−2モル/lの濃度にて、水系または水/アルコール系のpHを、7より大きいpHに高めることができる。
本発明のために、水系または水性担体は、少なくとも10重量%の水を含有する。10重量%未満の水を含有する系を「無水」と称する。水/アルコール系または水/アルコール性担体は、本発明のために、3〜70重量%の、必要に応じて置換された、少なくとも一つのヒドロキシ基を有するC〜Cアルコール、例えば、メトキシブタノール、ベンジルアルコール、エチルジグリコールまたは1,2-プロピレングリコール、グリセロール、および特にエタノールまたはイソプロパノールを含有する水系であると理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本明細書において、ケラチン含有繊維は、毛皮、羊毛、羽毛、および特に人毛であると理解される。
用語「キレート剤」は、当業者によく知られている。その件に関して、Roempp Chemie Lexikon、増補改訂第9版、Georg Thieme Verlag、シュトゥットガルト(1995)、第1(A-Cl)巻、第634頁に対して明示的に参照がなされる。
【0019】
本発明の第一の主題は、
(i)組成物の重量に基づいて、少なくとも75重量%の量の、(a)少なくとも一つの粒状アルカリ化剤と(b)少なくとも一つのキレート剤の混合物;および
(ii)適切であれば、さらなる添加剤、
を含有するアルカリ化に有効な固体組成物であって、
該組成物は、(a)、(b)および必要に応じて含まれる添加剤から形成された凝集体で構成されている、組成物である。
【0020】
本発明のアルカリ化に有効な固体組成物の凝集体は、種々の方法で製造することができる。アルカリ化剤およびキレート剤は、この製造方法において、固体および液体の両方として利用することができる。二つの固体を使用して凝集体を製造する場合、それらは、既知のプレス凝集法を使用して凝集体へと凝集される。これに関して、さらに、いわゆる結合剤、例えば、ベントナイト、糖蜜、油、またはワックスを使用することが好適であり得る。キレート剤およびアルカリ化剤の凝集体を形成させるため、好適には、まず、二つの固体成分を溶媒(例えば、水)中に一緒に溶解させ、次いで、溶媒を除去する。既知の乾燥方法、例えば、ドラム乾燥法またはトリクル乾燥を使用して、溶媒を除去し、本発明のアルカリ化に有効な固体組成物を得る。
【0021】
アルカリ化剤またはキレート剤のいずれかを固体として、および他の成分を液体または溶液として使用する場合、液体の分注は、自由流動粉末が、液体成分による固体の処理後に、後に残るように選択されるべきである。好適には液体成分は、適当な装置を使用して固体成分上に噴霧される。
【0022】
さらに、上記のように得られたアルカリ化に有効な固体組成物は、通常の方法を使用して、コンパクト化、押出成形、または顆粒化することができる。
【0023】
キレート剤は、凝集体内に異なる方法で空間的に分配することができる。例えば、キレート剤は、いわゆる表面被覆物としてアルカリ化剤の凝集体の表面上に存在することができる。しかしながら、アルカリ化剤およびキレート剤の粒子は、均一に分配された様式で凝集体中に存在することもできる。
【0024】
凝集体は、好適には10〜300μm、特に好適には100〜200μmの平均粒径を有する。
【0025】
任意の添加剤は、上記結合剤に加えて、好適には、本発明のアルカリ化に有効な固体組成物の以下に定義する実施態様中に含有させることができる添加剤であり得る。
【0026】
本発明によれば、当業者に既知の通常の粒状アルカリ化剤、例えば、アンモニウム、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、ヒドロキシ炭酸塩、カルバミド、ケイ酸塩(特に、メタケイ酸塩)、ならびにアルカリリン酸塩を使用することができる。好適な実施態様において、本発明のアルカリ化に有効な固体組成物は、少なくとも二つの異なる粒状アルカリ化剤を含有する。これに関して、例えば、メタケイ酸塩とヒドロキシ炭酸塩の混合物は、好適であり得る。
【0027】
特に好適な実施態様において、本発明のアルカリ化に有効な固体組成物は、アルカリ化剤として、少なくとも一つのアンモニウムあるいはアルカリ金属またはアルカリ土類金属のメタケイ酸塩を含有する。非常に特に好適な本発明によるメタケイ酸塩は、式:
(SiO)(NaO)(KO)
〔式中、nは、正の有理数を示し、mおよびpは、互いに独立して、正の有理数または0を示し、ただし、パラメーターmまたはpの少なくとも一つは、0とは異なり、およびnと、mおよびpの合計の間の比は、1:4と4:1の間である。〕
で示されるケイ酸塩の水溶液から形成される水ガラスである。
【0028】
また、原理上使用可能なものは、1:2〜1:3.3、好適には1:2〜1:2.8、および特に1:2〜1:2.6のNaO:SiO係数を有する無定形ケイ酸ナトリウムである。これは、遅延して溶解する。従来の無定形ケイ酸ナトリウムと比べた遅延溶解は、種々の方法、例えば、表面処理、コンパウンディング、コンパクション、または過乾燥によって引き起こすことができる。また、本発明において、用語「無定形」は、「X線無定形」を意味すると理解される。これは、該ケイ酸塩は、X線回折実験において、結晶性物質に典型的である鋭敏なX線反射を全く示さず、最良の状態でも、数度の回折角度幅を有する散乱X線の最大値を1またはそれ以上しか示さないことを意味する。しかしながら、電子回折実験において、ケイ酸塩粒子が屈曲した回折最大値または鋭敏な回折最大値を形成する場合でも、特に良好なビルダー特性を達成することができる。これは、生成物の微結晶域が寸法10〜数百nm(最大50nmまで)であることを意味するもの、と説明され、その寸法は、特に、最大で20nmのものが好適である。以上のようないわゆるX線無定形ケイ酸塩は、通常の水ガラスよりも遅延した溶解特性を示す。コンパクト化無定形ケイ酸塩、コンパウンド化無定形ケイ酸塩および過乾燥X線無定形ケイ酸塩が特に好適である。
【0029】
また、実験式によって記載した成分に加えて、水ガラスは、少量のさらなる添加剤、例えば、リン酸塩またはマグネシウム塩を含有することができる。
【0030】
本発明に特に好適である水ガラスは、とりわけ、Henkel社によって、名称Ferrosil(登録商標) 119、ソーダ水ガラス40/42、Portil(登録商標) A、Portil(登録商標) AW、Portil(登録商標) NおよびPortil(登録商標) W、および名称Britesil(登録商標) C20のもとPQ Nederlandsによって市販されている。
【0031】
粒状アルカリ化剤は、本発明のアルカリ化に有効な固体組成物中に、いずれの場合にも全組成物の重量に基づいて、好適には80〜99.8重量%の量で、特に好適には90〜98重量%の量で含まれる。
【0032】
複数のキレート剤は、関連文献から当業者に既知である。特に適当には、ポリカルボン酸およびそれらの水溶性のナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびアンモニウム塩、種々のフルーツ酸、アミノ酸の誘導体、アミノポリカルボン酸、メタリン酸、ポリリン酸、およびポリホスホン酸およびそれらの塩、アルカリ金属スズ酸塩(例えば、スズ酸ナトリウムなど)、ヒドロキシカルボン酸およびそれらの塩(例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、およびグルコン酸、グルクロン酸、ガラクタル酸など)、ならびに、ベンズアミドおよびアニリド(例えば、アセトアニリドなど)、および国際公開WO-A1-95/23210(これに対して明示的に参照がなされる)によるα-ヒドロキシカルボン酸である。
【0033】
本発明によるポリカルボン酸の例は、コハク酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、ジピコリン酸、シクロデキストリン、β-アラニン二酢酸およびその塩である;ジヒドロキシエチルグリシネート、ジカルボキシメチルアラニネート、テトラヒドロキシエチル-およびテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミンも、本発明によるキレート剤である。
【0034】
キレート剤としてさらに適当なものは、アミノポリカルボン酸の水溶性塩ならびにそれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、カルシウム、およびトリエタノールアミン塩である。第一の主題の本発明の組成物に好適に組み込まれるアミノカルボン酸は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、例えば、カルシウム-二ナトリウムEDTA、二アンモニウムEDTA、二ナトリウムおよび二カリウムEDTA、トリエタノールアミンEDTA、三ナトリウムおよび三カリウムEDTA、四ナトリウムおよび四カリウムEDTA、ならびにニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ラウロイルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミンジコハク酸、およびジピコリン酸、および対応する塩などである。アミノポリカルボン酸として本発明に特に好適なものは、四ナトリウムEDTAおよび三ナトリウムEDTAであり、これらは、例えば、名称Trilon(登録商標) BおよびTrilon(登録商標) Aのもと市販されている。さらに好適な本発明によるアミノカルボン酸は、1,2-エチレンジアミン-N,N'-ジグルタル酸(EDDG)ならびにイミノジサクシネート、例えば、1,2-エチレンジアミン-N,N'-ジサクシネート(EDDS)および2-ヒドロキシプロピレンジアミン-N,N'-ジサクシネート(HPDDS)などである。
【0035】
好適に使用されるポリリン酸およびその塩は、式:
n+2-x [H3n+1](n+2−x)−
〔式中、Mは、好適には水素、ナトリウム、またはカリウムを示し、およびnは、0および1ではない自然数であり、およびxは、0〜3の自然数である。〕
で示されるものである。本発明によるこのようなポリリン酸およびそれらの塩の例は、二リン酸四ナトリウム、三リン酸五ナトリウムおよび二リン酸二水素二ナトリウムである。
【0036】
また、本発明によれば、さらに、式:
[P3n+1]n−
〔式中、nは、0ではない自然数である。〕
を有する環式メタリン酸およびそれらの塩である。好適なメタリン酸の例は、例えば、商品名Calgon(登録商標)のもと市販されている、メタリン酸三ナトリウムまたはメタリン酸ナトリウムである。
【0037】
本発明によるポリホスホン酸の例は、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(エチドロン酸)、N,N,N-トリ(ホスホノメチル)アミン、1,2-エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、N,N,N-トリ(1-ホスホノエチル)アミン、N,N,N-トリ(1-ホスホノプロピル)アミンおよびN,N,N-トリ(2-ホスホノプロパ-2-イル)アミンである。エチドロン酸は、好適なポリホスホン酸である。
【0038】
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ酢酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(エチドロン酸)、ジピコリン酸、アセトアニリド、およびスズ酸ナトリウム、ならびに上記酸の生理学的に許容される塩から選択されるキレート剤は、特に好適である。
【0039】
キレート剤は、好適には、これらの本発明のアルカリ化に有効な組成物中に、いずれの場合にも組成物全体の重量に基づいて、0.1〜20重量%の量、特に好適には2〜10重量%の量で含まれる。
【0040】
アルカリ化剤とキレート剤の混合物は、好適には、本発明のアルカリ化に有効な固体組成物全体の重量に基づいて、少なくとも90重量%、特に好適には少なくとも97重量%として存在する。
【0041】
本発明のアルカリ化に有効な固体組成物は、さらなる化粧品添加剤を含有することができる。これらの添加剤は、本発明の第二の主題の組成物(A)、(B)、および(C)中に含有することができるものである。好適な化粧品添加剤は、界面活性剤、調整成分、染料、および色素前駆体である。化粧品添加剤は、全体で、アルカリ化に有効な固体組成物中に、好適には、いずれの場合にも組成物の重量に基づいて、0〜25重量%、特に好適には0〜10重量%、非常に特に好適には0〜3重量%の割合で含まれる。
【0042】
本発明の第二の主題は、少なくとも2つの別個に製造された組成物(A)および(B)を混合することによって得られた過酸化水素含有剤であって、
(i)組成物(A)は、無水であり、少なくとも一つの本発明の第一の主題のアルカリ化に有効な固体組成物を含有し;
(ii)組成物(B)は、水性または水/アルコール性であり;および
(iii)組成物(A)および(B)の少なくとも一つは、過酸化水素を含有する、
剤である。
【0043】
本発明によれば、本発明による組成物(A)および/または(B)に含まれる過酸化水素は、溶液として、または過酸化水素と無機または有機化合物との固体付加化合物、例えば、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、ナトリウムペルカルバミド、ポリビニルピロリドン・nH(式中、nは、0より大きい正の数である。)、ウレアペルハイドレート、およびメラミンペルハイドレートなどの形態で組成物(A)または(B)に添加される。
【0044】
過酸化水素が無水組成物(A)の構成成分である場合、それは、過酸化水素と無機または有機化合物との固体付加化合物の形態の分散粒状固体として存在する。組成物(B)との混合の間、溶解した過酸化水素は、水との接触によって形成される。
好適な実施態様において、組成物(A)または(B)の一つのみが過酸化水素を含有する。
【0045】
好適な実施態様において、本発明のアルカリ化に有効な固体組成物は、過酸化水素含有剤の唯一のアルカリ化剤として含まれる。
【0046】
好適には、本発明の剤は、7より大きいpHを有する。
【0047】
組成物(A)は、好適には固体またはペースト状である。ペースト状形態は、例えば、固体成分を、油および/または液体および無水非イオノゲン性界面活性剤と混合することによって得ることができる。これに関して好適な油は、とりわけ、天然および合成油、直鎖および分枝状の炭化水素、および液体ワックス、ならびにシリコーンオイル(欧州特許出願公開EP-A1-560 088(その全内容に対して参照がなされる。)による。例えば、パラフィンオイル)、ジアルキルエーテル(例えば、文献独国特許出願公開DE-A1-196 00 216(その全内容に対して参照がなされる。)中に開示されたものなど、例えば、ジ-n-オクチルエーテルおよびジ-n-ドデシルエーテル)、およびカルボン酸および二酸化炭素のエステルである。
【0048】
さらに、組成物(A)は、本発明のアルカリ化に有効な固体組成物を、いずれの場合にも組成物(A)全体の重量に基づいて、好適には1〜40重量%の量で、特に好適には2〜30重量%の量で含有する。
【0049】
組成物(A)は、好適には少なくとも一つの漂白促進剤を含有する。過酸化水素の他の成分との付加生成物に相当しない固体ペルオキソ化合物は、ケラチン含有繊維の漂白に特に有利である。本発明による組成物(A)に含まれるペルオキソ化合物の選択は、原理上、いかなる限定も受けない;当業者に既知の通常のペルオキソ化合物は、例えば、(i)ペルオキソ二硫酸塩、過硫酸塩、およびペルオキソ二リン酸塩、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、ペルオキソ二リン酸カリウムなど;および、さらに(ii)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の過酸化物、例えば、過酸化マグネシウムおよび過酸化バリウム;ならびに(iii)ペルオキソカルボン酸またはそれらの生理学的に許容される塩、例えば、過フタル酸マグネシウムである。これらのペルオキソ化合物(これらは、組み合わせて使用することができる。)のなかでも、無機化合物が本発明に好適である。ペルオキソ二硫酸、特にペルオキソ二硫酸アンモニウムが特に好適である。
【0050】
さらに、特に任意の種類の繊維製品の繊維を漂白または洗浄するために、漂白促進剤として使用可能なものは、ペルヒドロリシス条件下、好適には1〜10個の炭素原子(特に2〜4個の炭素原子)を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸、および/または必要に応じて置換された過安息香酸を生じる化合物である。上記の数の炭素原子を有するO-および/またはN-アシル基、および/または必要に応じて置換されたベンゾイル基を有する物質が適当である。複数アシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS)、カルボン酸無水物、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート、および2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフランが好適である。
【0051】
さらなる好適な漂白活性剤は、(iv)カチオン性ニトリル、特に以下の式:
【0052】
【化1】

【0053】
〔式中、Rは、-H、-CH、C2-24アルキルまたはアルケニル基、-Cl、-Br、-OH、-NHおよび-CNの群からの少なくとも一つの置換基を有する置換C2-24アルキルまたはアルケニル基、C1-24アルキル基を有するアルキルまたはアルケニルアリール基、またはC1-24アルキル基を有し、芳香環上に少なくとも一つのさらなる置換基を有する置換アルキルまたはアルケニルアリール基を示し、RおよびRは、互いに独立して、-CH-CN、-CH、-CH-CH、-CH-CH-CH、-CH(CH)-CH、-CH-OH、-CH-CH-OH、-CH(OH)-CH、-CH-CH-CH-OH、-CH-CH(OH)-CH、-CH(OH)-CH-CH、-(CHCH-O)H(式中、n=1、2、3、4、5または6)から選択され、およびXは、アニオンである。〕
で示されるカチオン性ニトリルである。
【0054】
この一般式は、本発明において使用可能である多数のカチオン性ニトリルを包含する。本発明の組成物が、式中、Rがメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはn-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシルまたはn-オクタデシル基を示すカチオン性ニトリルを含有する場合、特に有利である。RおよびRは、好適にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびヒドロキシエチルから選択される;また、一つまたは両方の基は、有利には、シアノメチレン基であり得る。
【0055】
漂白促進剤は、本発明による組成物(A)中に、好適には、いずれの場合にも組成物(A)全体の重量に基づいて、5〜60重量%の量、特に8〜30重量%の量で含まれる。
【0056】
組成物(B)は、水系または水/アルコール系である。それは、エマルジョン、例えばW/OまたはO/Wエマルジョンの形態で存在し得る。組成物(B)の粘度は、好適には1〜100,000mPa・s、好適には1000〜70,000mPa・s、特に好適には6000〜50,000mPa・s、および非常に特に好適には10,000〜30,000mPa・sの範囲にある。粘度は、好適には、温度20℃、4rpmにて、番号4スピンドルを使用して、ブルックフィールドRVT粘度計を用いて測定される。しかしながら、上記粘度を測定するためのスピンドルは、表1による粘度範囲(上記実験条件下で測定)に基づいて選択される:
【0057】
【表1】

【0058】
具体的な実施態様において、組成物(B)は、1〜50,000mPa・s、特に好適には500〜25,000mPa・s、非常に特に好適には500〜15,000mPa・sの粘度を有する。この具体的な実施態様の粘度は、温度20℃、20rpmにて、番号4スピンドルを使用して、ブルックフィールドRVT粘度計を用いて測定される。
【0059】
組成物(B)は、好適にはpH2〜7、特に好適にはpH3〜6の範囲のpHを有する。
【0060】
組成物(B)は、少なくとも一つのキレート剤をさらに含有することができる。上記キレート剤は、好適なキレート剤と考えられる。
【0061】
組成物(A)および(B)は、原理上適当な少なくとも一つの界面活性剤、アニオン性ならびに双性イオン性の両方、両性、非イオン性、およびカチオン性界面活性剤をさらに含有することができる。しかしながら、多くの場合、アニオン性、双性イオン性または非イオン性界面活性剤から選択することが有利であることが見出された。
【0062】
人体に対する使用に適した全てのアニオン性界面活性物質は、アニオン性界面活性剤として本発明の調製物に適当である。これらの物質は、水溶性を与えるアニオン基、例えばカルボキシレート、スルフェート、スルホネートまたはホスフェート基と、約10〜22個の炭素原子を含む親油性アルキル基とを有することを特徴とする。グリコールまたはポリグリコールエーテル基、エステル、エーテル、アミドおよびヒドロキシル基も、分子中に含有することができる。適当なアニオン性界面活性剤の例は、いずれの場合も、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩ならびにモノ-、ジ-およびトリアルカノールアンモニウム塩(アルカノール基中に2個または3個の炭素原子を有する。)の形態である:
・10〜22個の炭素原子を含む直鎖脂肪酸(石鹸);
・式:R-O-(CH-CHO)-CH-COOH〔式中、Rは10〜22個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、x=0または1〜16である。〕で示されるエーテルカルボン酸;
・アシル基に10〜18個の炭素原子を含むアシルサルコシド;
・アシル基に10〜18個の炭素原子を含むアシルタウリド;
・アシル基に10〜18個の炭素原子を含むアシルイセチオネート;
・アルキル基に8〜18個の炭素原子を含むスルホコハク酸モノ-およびジアルキルエステル、およびアルキル基に8〜18個の炭素原子と1〜6個のオキシエチル基とを含むスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル;
・12〜18個の炭素原子を含む直鎖アルカンスルホネート;
・12〜18個の炭素原子を含む直鎖α-オレフィンスルホネート;
・12〜18個の炭素原子を含む脂肪酸由来のα-スルホ脂肪酸メチルエステル;
・式:R-O(CH-CHO)-OSOH〔式中、Rは、好ましくは10〜18個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、x=0または1〜12である。〕で示されるアルキルスルフェートおよびアルキルポリグリコールエーテルスルフェート;
・独国特許出願公開DE-A-37 25 030による界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物;
・独国特許出願公開DE-A-37 23 354による硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレン-および/またはヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル;
・独国特許出願公開DE-A-39 26 344による12〜24個の炭素原子および1〜6個の二重結合を含む不飽和脂肪酸のスルホネート;
・8〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールにエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド約2〜15分子が付加した生成物に相当する、酒石酸およびクエン酸とアルコールのエステル。
【0063】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸(アルキル基中に10〜18個の炭素原子を含み、分子中のグリコールエーテル基数が12までのもの)、ならびに、とりわけ、飽和および特に不飽和のC〜C22カルボン酸(例えば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、およびパルミチン酸)の塩である。
【0064】
少なくとも一つの第四級アンモニウム基および少なくとも一つの-COO()または-SO()基を分子中に有する界面活性化合物は、双性イオン性界面活性剤と呼ばれる。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えば、ヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えば、ヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリンであって、それぞれアルキルまたはアシル基中に8〜18個の炭素原子を含むもの、ならびにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI名ヤシ油アミドプロピルベタインとして知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0065】
両性界面活性剤は、分子中に、C8−18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも一つの遊離アミノ基および少なくとも一つの-COOH基または-SOH基を含有し、分子内塩を形成することができる、界面活性化合物であると理解される。適当な両性界面活性剤の例は、それぞれアルキル基中に約8〜18個の炭素原子を含む、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好適な両性界面活性剤は、N-ヤシ油アルキルアミノ-プロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12−18アシルサルコシンである。
【0066】
非イオン性界面活性剤は、例えば、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオールとポリグリコールエーテル基の組み合わせを、親水性基として有する。そのような化合物の例は、例えば:
・8〜22個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を含む脂肪酸、およびアルキル基中に8〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノールの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モル付加物;
・グリセロールのエチレンオキシド1〜30モル付加物の、C12−22脂肪酸モノ-およびジエステル;
・C8−22アルキルモノ-およびオリゴグリコシドならびにそれらのエトキシル化類似体;
・ヒマシ油および水素化ヒマシ油のエチレンオキシド5〜60モル付加物;
・ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物;
・脂肪酸アルカノールアミドのエチレンオキシド付加物
である。
【0067】
本発明の組成物に使用可能なカチオン性界面活性剤の例は、とりわけ、第四級アンモニウム化合物である。ハロゲン化アンモニウム、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、およびトリセチルメチルアンモニウムクロリドが好適である。第四級化タンパク質加水分解物は、本発明において使用可能なさらなるカチオン性界面活性剤に相当する。
【0068】
同様に、本発明に使用するのに適当なものは、カチオン性シリコーン油、例えば、市販品Q2-7224(製造者:Dow Corning;安定化トリメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning 929 Emulsion(アモジメチコンとしても知られるヒドロキシアミノ修飾シリコーンを含有)、SM-2059(製造者:General Electric)、SLM-55067(製造者:Wacker)、ならびにAbil(登録商標)-Quat 3270および3272(製造者:Th. Goldschmidt;ジ第四級ポリジメチルシロキサン、Quaternium-80)などである。
【0069】
アルキルアミドアミン、とりわけ脂肪酸アミドアミン、例えば、Tego Amid(登録商標)S18として入手できるステアリルアミドプロピルジメチルアミンは、良好なコンディショニング効果ばかりでなく、特に良好な生分解性を特徴とする。
また、高度に生分解性であるものは、第四級エステル化合物(いわゆる「エステルクォート(esterquat)」)、例えば、Stepantex(登録商標)の商品名で市販されているメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェートおよびDehyquart(登録商標)(例えば、Dehyquart(登録商標) AU-46)の商品名で市販されている製品である。
【0070】
カチオン性界面活性剤として使用可能な第四級糖誘導体の例は、市販品Glucquat(登録商標) 100である。これは、INCI命名法によれば、「ラウリルメチルグルセト-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド」である。
【0071】
界面活性剤として使用するアルキル基を有する各々の化合物は、各々単一の物質であり得る。しかしながら、通常、これらの物質を製造する場合、天然の植物性または動物性原料から製造することが好適であり、その結果、(特に原料に応じて)異なるアルキル鎖長を有する物質の混合物が得られる。
【0072】
脂肪アルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物、またはそのような付加物の誘導体に相当する界面活性剤は、「正規」同族体分布を有する生成物、および狭い同族体分布を有する生成物の両方を使用することができる。「正規」同族体分布は、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを使用して、脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応によって得られる同族体の混合物を意味すると理解される。一方、狭い同族体分布は、例えば、ヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物またはアルコラートを触媒として使用した場合に得られる。同族体分布の狭い生成物を使用することが有利であり得る。
【0073】
組成物(A)および/または(B)は、好適には、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、アルキルアミドアミン、パラフィン油、植物油、および合成油からなる群から選択される調整成分をさらに含有することができる。
【0074】
カチオン性ポリマーは、好適には、調整成分として使用することができる。これらは、概して、第四級窒素原子(例えば、アンモニウム基の形態)を含有するポリマーである。
好適なカチオン性ポリマーは、例えば:
・名称Celquat(登録商標)およびPolymer JR(登録商標)のもと市販されているような第四級化セルロース誘導体。化合物Celquat(登録商標) H 100、Celquat(登録商標) L 200およびPolymer JR(登録商標) 400が好適な第四級化セルロース誘導体である。;
・ジメチルジアリルアンモニウム塩のポリマー、ならびに、それらのアクリル酸、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとのコポリマー。名称Merquat(登録商標) 100(ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド))およびMerquat(登録商標) 550(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミドコポリマー)、およびMerquat(登録商標) 280(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリル酸コポリマー)のもとでの市販品は、このようなカチオン性ポリマーの例である。;
・ビニルピロリドンと、ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの第四級化誘導体とのコポリマー、例えば、ジエチルサルフェートで第四級化されたビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー。このような化合物は、名称Gafquat(登録商標) 734およびGafquat(登録商標) 755のもと市販されている。;
・名称Luviquat(登録商標)のもと市販されているような、ビニルピロリドン/メトイミダゾリニウムクロライドコポリマー;
・第四級ポリ(ビニルアルコール);
および、名称
・ポリクオタニウム2、
・ポリクオタニウム17、
・ポリクオタニウム18、および
・ポリクオタニウム27、
のもと公知の、ポリマー主鎖中に第四級窒素原子を有するポリマーである。
【0075】
上記の最初の4つの群のカチオン性ポリマーが、特に好適である;ポリクオタニウム2、ポリクオタニウム10、およびポリクオタニウム22が、非常に特に好適である。
【0076】
シリコーンオイルは、調整成分としてさらに適当であり、特にジアルキル-およびアルキルアリールシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサン、ならびにそれらのアルコキシル化および第四級類似体などが挙げられる。このようなシリコーンの例は、Dow Corningによって、名称DC 190、DC 200、DC 344、DC 345およびDC 1401のもと市販されている製品、および市販品Q2-7224(製造者:Dow Corning;安定化トリメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning(登録商標)929 Emulsion(アモジメチコンとしても知られるヒドロキシアミノ修飾シリコーンを含有)、SM-2059(製造者:General Electric)、SLM-55067(製造者:Wacker)、ならびにAbil(登録商標)-Quat 3270および3272(製造者:Th. Goldschmidt;ジ第四級ポリジメチルシロキサン、Quaternium-80)である。
【0077】
また、調整成分として使用可能なものは、パラフィン油、合成によって製造されたアルケンオリゴマー、および植物油、例えば、ホホバ油、ひまわり油、オレンジ油、扁桃油、小麦胚種油、および杏仁油である。
【0078】
また、適当である毛髪調整化合物は、リン脂質、例えば、大豆レシチン、卵レシチン、およびケファリンである。
【0079】
さらなる実施態様において、本発明の組成物(A)および/または(B)は、さらに構造改善成分を含有する。この種類の毛髪構造改善成分は、ビタミンおよびそれらの誘導体および前駆体に代表される。本発明に特に好適なものは、パンテノールおよびその生理学的に許容される誘導体である。このような誘導体は、特に、パンテノールならびにカチオン誘導化パンテノールのエステルおよびエーテルである。個々の代表例は、例えば、パンテノールトリアセテート、パンテノールモノエチルエーテルおよびそのモノアセテート、ならびに国際公開WO 92/13829 A1に開示されたカチオン性パンテノール誘導体である。さらなる本発明に好適なパンテノール誘導体は、その前駆体パントラクトンである。この群のうち、パンテノールが好適である。構造改善ビタミンのさらなる例は、ピリドキシン(ビタミンB6)である。
【0080】
ポリビニルピロリドン(PVP)も既知であり、その繊維構造改善特性のため、本発明に好適である。
【0081】
本発明に特に有効なさらなる構造改善化合物は、アルデヒドに代表される。特に好適な例は、ホルムアルデヒドおよびホルムアルデヒド開裂化合物、例えば、メトキシメチルエステル、ジメチロール(チオ)尿素誘導体、オキサゾリジン誘導体、N-ヒドロキシメチルマレインイミド、ヘキサメチレンテトラミンおよびその誘導体、ヒダントイン誘導体、ピリジニウム置換ジメチルエーテル、イミダゾリジニル尿素誘導体、イソチアゾリノン、2-ブロモ-2-ニトロプロパンジオール、および5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサンである。他の特に好適なアルデヒドは、アセトアルデヒド、グリオキサール、グリセルアルデヒド、およびグルタル酸ジアルデヒドである。
【0082】
さらなる適当な構造改善成分の群は、植物抽出物である。
これらの抽出物は、通常、全植物の抽出により製造される。しかしながら、特定の場合には、植物の花および/または葉から専ら抽出物を製造することが好適であり得る。
【0083】
本発明に使用可能な植物抽出物に関して、特にIndustrieverband Koerperpflege-und Waschmittel e.V.(IKW)(フランクフルト)によって発行された、化粧剤の内容物を示すためのガイドライン「Leitfadens zur lnhaltsstoffdeklaration kosmetischer Mittel」第3版の第44頁の初めの表に列挙された抽出物に対して参照がなされる。
【0084】
本発明によれば、なかでも、オーク樹皮、イラクサ、マンサク、ホップ、カモミール、ゴボウ根、スギナ、サンザシ、ボダイジュ花、アーモンド、アロエベラ、松葉、セイヨウトチノキ、ビャクダン、ビャクシン、ココナッツ、マンゴー、アプリコット、レモン、小麦、キウイ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、サルビア、ローズマリー、カバノキ、ゼニアオイ、タネツケバナ、イブキジャコウソウ、ノコギリソウ、レモン・バーム、ハリシュモク、フキタンポポ、ハイビスカス、分裂組織、緑茶、チョウセンニンジンおよび根生姜由来の抽出物が特に好適である。
【0085】
オーク樹皮、イラクサ、マンサク、ホップ、カモミール、ゴボウ根、スギナ、ボダイジュ花、アーモンド、アロエベラ、ココナッツ、マンゴー、アプリコット、レモン、小麦、キウイ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、サルビア、ローズマリー、カバノキ、タネツケバナ、イブキジャコウソウ、ノコギリソウ、ハリシュモク、分裂組織、緑茶、チョウセンニンジンおよび根生姜由来の抽出物が特に好適である。
【0086】
アーモンド、アロエベラ、ココナッツ、マンゴー、アプリコット、レモン、小麦、キウイ、メロン、および緑茶由来の抽出物が、本発明の組成物に非常に特に適当である。
【0087】
水、アルコールおよびその混合物は、上記植物抽出物を製造するための抽出剤として使用することができる。アルコールのなかでも、低級アルコール(例えば、エタノールおよびイソプロパノール)、しかし、特に多価アルコール(例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコール)が、唯一の抽出剤として、および水との混合物として、好適である。1:10〜10:1の比の水/プロピレングリコールに基づく植物抽出物が特に適当であることが分かった。
【0088】
本発明によれば、植物抽出物は、純粋な形態および希釈形態の両方で使用することができる。それらが希釈形態で使用される場合、それらは、通常、約2〜80重量%の活性物質を含有し、そして、溶媒として、それらを得るために使用された抽出剤または抽出剤混合物を含有する。
【0089】
さらに、幾つかの、特には二つの異なる植物抽出物の混合物が、本発明の組成物に使用されることが好適であり得る。
【0090】
同様に、蜂蜜抽出物は、構造改善成分として本発明に好適である。これらの抽出物は、植物抽出物と類似する方法で得られ、通常、1〜10重量%(特に3〜5重量%)の活性物質を含有する。なお、水/プロピレングリコール混合物は、好適な抽出剤であり得る。
【0091】
さらなる構造改善成分は、タンパク質加水分解物、特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、牛乳タンパク質、大豆タンパク質、アーモンドタンパク質、および小麦タンパク質加水分解物、脂肪酸とそれらの縮合生成物、および第四級化タンパク質加水分解物である。400〜800の範囲の分子量を有する高度に分解したケラチン加水分解物は、特に好適である。また、本発明に特に好適なものは、第四級化タンパク質加水分解物、例えば、商品名Gluadin(登録商標) WQ(INCI名:ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質)およびCrotein(登録商標) Q(INCI名:ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン)のもと市販されているものなどである。
【0092】
第四級化タンパク質加水分解物に加えて、第四級ポリマーも本発明に好適である構造改善化合物に相当する。商品名Mirapol(登録商標) A15(INCI名:ポリクオタニウム2)、Onamer(登録商標) M(INCI名:ポリクオタニウム1)、およびMerquat(登録商標) 100(INCI名:ポリクオタニウム6)のもと市販されているポリマーは、特に好適である。
【0093】
さらなる繊維構造改善成分は、モノ、ジ-、およびオリゴ糖、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、果糖、蔗糖、および乳糖などである。これらのペントースおよびヘキソースの誘導体、例えば、対応する-オニックおよび-ウロン酸(糖酸)、糖アルコール、糖アミン、例えば、N-グルコサミン、およびグリコシドも、本発明に使用することができる。糖酸は、遊離形態、それらの塩(カルシウム、マグネシウム、および亜鉛塩が好適である。)の形態、およびそれらのエステルまたはラクトンの形態で本発明に使用することができる。好適な糖酸は、グルコン酸、グルコン酸γ-ラクトン、ラクトビオン酸、グルクロン酸およびそのモノおよびジラクトン、パンガミン酸、サッカリン酸、マンノサッカリン酸およびそのモノおよびジラクトン、ならびにムチン酸およびそのモノおよびジラクトンである。好適な糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール、およびズルシトールである。好適なグリコシドは、メチルグルコシドである。この群のなかでも、グルコース、N-グルコサミン、およびグルコン酸は、特に好適である。
【0094】
また、特定のアミノ酸は、本発明において毛髪構造改善成分として使用可能である。その例は、独国特許公開DE-195 22 569(ここで、該文献に対して明示的に参照がなされる)に記載されたアミノ酸、セリン、スレオニン、およびチロシンである。また、本発明に好適なものは、セリンの誘導体、例えば、リン酸セリンである。さらなる構造改善アミノ酸は、リジンに代表される。セリンは、特に好適な繊維構造改善成分である。
【0095】
また、特定の酸、特にα-ヒドロキシカルボン酸、およびそれらの塩を、構造を改善するために使用することができる。本発明に好適な構造改善酸は、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸、およびマレイン酸である。乳酸が特に好適である。また、具体的なホスホン酸およびそれらの塩も、ケラチン含有繊維の構造を改善する。本発明に好適なホスホン酸は、n-オクチルホスホン酸およびn-デシルホスホン酸である。
【0096】
脂溶性エステルアルコールまたはエステルポリオールは、それらの構造改善効果に関してさらに知られている。それらは、これらの生成物の5重量%が、80℃にてセチルアルコール中に透明に溶解する場合、脂溶性とみなすべきである。
【0097】
本発明に適当であるエステルアルコールまたはエステルポリオールは、エポキシ脂肪酸を、水または1〜10個の炭素原子を有する一価または多価アルコールと反応させ、エポキシド環を開環させ、そして隣接したジヒドロキシルエチルまたはヒドロキシルアルコキシエチル基を形成させることによって得ることができる。また、エポキシ脂肪酸は、飽和脂肪酸内容物を有する工業銘柄の脂肪酸エステルのエポキシ化生成物であり得る。しかしながら、エポキシド酸素含量は、少なくとも3重量%、好適には5〜10重量%であるべきである。
【0098】
エポキシ脂肪酸エステルは、一価アルコールのエポキシ化脂肪酸エステル、すなわち、例えば、エポキシ化オレイン酸メチルエステル、リノール酸メチルエステル、リシノール酸メチルエステル、または多価アルコールのエポキシ化脂肪酸エステル、例えば、グリセロールモノオレエートまたはプロピレングリコールモノオレエート、またはエポキシ化脂肪酸トリグリセリド、例えば、オレイン酸トリグリセリド、あるいは、不飽和油、例えば、オリーブ油、大豆油、ひまわり油、亜麻仁油、菜種油などのいずれかである。
【0099】
不飽和植物性脂肪酸からの不飽和脂肪酸メチルエステルエポキシドは、主として、特に技術的興味があるものである。したがって、エステルポリオールとして特に好適なものは、植物油脂肪酸メチルエステルエポキシデートと、2〜6個の炭素原子および2〜6個の水酸基を有するポリオールとの反応生成物である。エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、またはジグリセロールは、例えば、ポリオールとして存在することができる。
【0100】
エステルポリオールとして本発明の組成物に特によく適したものは、ヒドロキシル価350〜450を有する、植物性脂肪酸メチルエステルエポキシデートとトリメチルプロパンとの反応生成物である。大豆油脂肪酸メチルエステルエポキシドとトリメチロールプロパンに基づくこの種の生成物は、商品名Sovermol(登録商標) 760のもと入手できる。
【0101】
また、ビタミンB3も構造改善成分として使用することができる。化合物ニコチン酸およびニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)は、しばしば、この名称のもと市販されている。ニコチン酸アミドは、本発明に好適である。
【0102】
また、ビタミンHは、本発明のための構造改善成分として使用可能である。「ビタミンH」は、化合物(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロチエノール[3,4-d]-イミダゾール-4-バレリアン酸についての名称である。しかしながら、これに関して、現在、慣用名「ビオチン」が定着している。
【0103】
本発明に特に好適である構造改善成分は、パンテノール、生理学的に許容されるパンテノール誘導体、モノ、ジ-、およびオリゴ糖、セリン、グリセリン酸、ビタミンB6、ナイアシンアミド、ポリビニルピロリドン、グルコン酸、ビオチン、および脂溶性エステルアルコールまたはエステルポリオールから選択される。
【0104】
本発明の組成物は、構造改善成分を、好適には0.1〜5重量%の量、特に好適には0.2〜2重量%の量で含有する。
【0105】
好適な本発明の実施態様において、さらに、該組成物は、マグネシウム化合物を含有する。本発明の組成物は、Mg2+カチオンを添加することによって、それらの構造維持特性に関して、さらに最適化できる。好適なマグネシウム化合物は、無機および有機Mg2+塩、例えば、ハロゲン化物、炭酸塩および炭酸水素塩、酢酸塩およびクエン酸塩などである。
着色剤を処方する場合、本発明の組成物(A)または(B)は、以下のものを含有する:
・少なくとも一つの直接吸収染料および/または
・少なくとも一つの顕色剤タイプの色素前駆体生成物(顕色剤成分)、ならびに、適切であれば、少なくとも一つのカップラータイプの色素前駆体生成物(カップラー成分)。
【0106】
ニトロ染料は、直接吸収染料として適当であることが分かった。本発明によれば、「ニトロ染料」は、少なくとも一つのニトロ基を有する、少なくとも一つの芳香環系を含んでなる着色成分を意味すると理解される。
【0107】
特に好適なニトロ染料は、HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、HC Orange 1、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red BN、HC Blue 2、HC Blue 12、HC Violet 1、ならびに1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノフェノール、2-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、1-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-4-メチル-2-ニトロベンゼン、1-アミノ-4-(2'-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2'-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、4-アミノ-2-ニトロジフェニルアミン-2'-カルボン酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸、および2-クロロ-6-エチルアミノ-1-ヒドロキシ-4-ニトロベンゼンである。
【0108】
ニトロ染料に加えて、アゾ染料、アントラキノン、またはナフトキノンも、本発明に好適な合成直接吸収染料である。好適なこのタイプの直接吸収染料は、例えば、Disperse Orange 3、Disperse Blue 3、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Acid Violet 43、Disperse Black 9、およびAcid Black 52、ならびに2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンである。
【0109】
合成直接吸収染料がカチオン性基を有する場合、さらに本発明に好適であり得る。以下のものが特に好適である:
(i)カチオン性トリフェニルメタン染料、
(ii)第四級窒素基によって置換された芳香族系、および
(iii)少なくとも一つの第四級窒素原子を含んでなるヘテロ環を含有する直接吸収染料。
【0110】
クラス(i)の染料の例は、特に、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Violet 2、およびBasic Violet 14である。
クラス(ii)の染料の例は、特に、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 99、Basic Brown 16、およびBasic Brown 17である。
クラス(iii)の染料の例は、特に欧州特許出願公開EP-A2-998 908(この点で該文献に対して明示的に参照がなされる。)の請求項6〜11中に開示されている。
【0111】
群(iii)の好適なカチオン性直接吸収染料は、特に、以下の化合物である:
【0112】
【化2】

【0113】
【化3】

【0114】
式(DZ1)、(DZ3)、および(DZ5)で示される化合物は、非常に特に好適な群(iii)のカチオン性直接吸収染料である。
【0115】
また、本発明による組成物(A)または(B)は、天然に存在する染料、例えば、レッドヘンナ、ニュートラルヘンナ、ブラックヘンナ、カモミール花、ビャクダン、紅茶、セイヨウイソノキの樹皮、サルビア、ロッグウッド、アカネ根、カテキュー、スペインスギおよびアルカンナ根に含まれるものをさらに含有することができる。
【0116】
本発明による組成物(A)または(B)は、直接吸収染料を、いずれの場合にも直接吸収染料を含有する各々の組成物の総重量に基づいて、好適には0.01〜20重量%の量で含有する。
【0117】
パラ-またはオルト位に配置された、さらなる遊離または置換ヒドロキシまたはアミノ基を有する第一級芳香族アミン、ジアミノピリジン誘導体、ヘテロ環式ヒドラゾン、4-アミノピラゾール誘導体、および2,4,5,6-テトラアミノピリミジンおよびそれらの誘導体は、通常、顕色剤成分として使用される。
【0118】
本発明によれば、顕色剤成分として、p-フェニレンジアミン誘導体またはその生理学的に許容される塩の一つを使用することが好適であり得る。式(E1)
【0119】
【化4】

【0120】
〔式中、
・Gは、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cモノヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、(C〜C)-アルコキシ-(C〜C)-アルキル基、4'-アミノフェニル基、または、窒素含有基、フェニル基または4'-アミノフェニル基で置換されたC〜Cアルキル基を示し;
・Gは、水素原子、C〜Cアルキル基、C〜Cモノヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、(C〜C)-アルコキシ-(C〜C)-アルキル基、または窒素含有基で置換されたC〜Cアルキル基を示し;
・Gは、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはフッ素原子)、C〜Cアルキル基、C〜Cモノヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、C〜Cヒドロキシアルコキシ基、C〜Cアセチルアミノアルコキシ基、C〜Cメシルアミノアルコキシ基またはC〜Cカルバモイルアミノアルコキシ基を示し;
・Gは、水素原子、ハロゲン原子またはC〜Cアルキル基を示し;または
・GおよびGが互いに関してオルト位にある場合、それらは一緒になって架橋α,ω-アルキレンジオキソ基(例えば、エチレンジオキシ基)を形成し得る。〕
で示されるp-フェニレンジアミン誘導体が特に好適である。
【0121】
本発明による化合物において置換基として言及されたC〜Cアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチル基である。エチルおよびメチルが好適なアルキル基である。本発明に好適なC〜Cアルコキシ基は、例えば、メトキシまたはエトキシ基である。さらに、C〜Cヒドロキシアルキル基の好適例として、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピルまたは4-ヒドロキシブチル基を挙げることができる。2-ヒドロキシエチル基が特に好適である。特に好適なC〜Cポリヒドロキシアルキル基は、1,2-ジヒドロキシエチル基である。本発明によれば、ハロゲン原子の例は、F、ClまたはBr原子であり、Cl原子が非常に特に好適である。本発明によれば、使用されるさらなる用語は、ここで与えられる定義に由来する。式(E1)で示される窒素含有基の例は、特に、アミノ基、C〜Cモノアルキルアミノ基、C〜Cジアルキルアミノ基、C〜Cトリアルキルアンモニウム基、C〜Cモノヒドロキシアルキルアミノ基、イミダゾリニウムおよびアンモニウムである。
【0122】
式(E1)で示される特に好適なp-フェニレンジアミンは、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-p-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-メチル-(N,N-ジエチル)-アニリン、N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-クロロアニリン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-フルオロ-p-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-p-フェニレンジアミン、N,N-(エチル-β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、2-(β-アセチルアミノエチルオキシ)-p-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-p-フェニレンジアミンおよび5,8-ジアミノベンゾ-1,4-ジオキサン、ならびにそれらの生理学的に許容される塩から選択される。
【0123】
本発明に非常に特に好適である式(E1)で示されるp-フェニレンジアミン誘導体は、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、2-(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-(α,β-ジヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、およびN,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミンである。
【0124】
アミノおよび/またはヒドロキシル基で置換された少なくとも二つの芳香族核を含んでなる化合物を、顕色剤成分として使用することは、本発明にさらに好適であり得る。
【0125】
本発明による組成物(A)または(B)に使用することができる二核顕色剤成分のなかでも、特に以下の式(E2):
【0126】
【化5】

【0127】
〔式中:
・ZおよびZは、互いに独立して、C〜Cアルキル基、C〜Cヒドロキシアルキル基および/または架橋基Yによって必要に応じて置換された、または必要に応じて架橋環系の部分である、ヒドロキシル基またはNH基を示し;
・架橋基Yは、1〜14個の炭素原子を有するアルキレン基、例えば、一以上の窒素含有基および/または一以上のヘテロ原子(例えば、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子)によって割り込まれまたは終結され得る、および、場合により一以上のヒドロキシル基またはC〜Cアルコキシ基によって置換され得る、直鎖または分岐状のアルキレン鎖またはアルキレン環を示すか、あるいは直接結合を示し;
・GおよびGは、互いに独立して、水素原子またはハロゲン原子、C〜Cアルキル基、C〜Cモノヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、C〜Cアミノアルキル基または架橋Yへの直接結合を示し;
・G、G、G、G10、G11およびG12は、互いに独立して、水素原子、架橋Yへの直接結合、またはC〜Cアルキル基を示し;
ただし、
・式(E2)で示される化合物は、一分子当たり一つのみの架橋Yを含有し;および
・式(E2)で示される化合物は、少なくとも一つの水素原子を有する少なくとも一つのアミノ基を含有する。〕
に対応する化合物、ならびにそれらの生理学的に許容される塩が挙げられる。
本発明によれば、式(E2)に使用される置換基は、上記と同様に定義される。
【0128】
式(E2)で示される好適な二核の顕色剤成分は、特に、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパン-2-オール、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス-(4-アミノフェニル)-テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ジエチル-N,N'-ビス-(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン、ビス-(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)メタン、N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタン、N,N'-ビス-(2-ヒドロキシ-5-アミノベンジル)ピペラジン、N-(4'-アミノフェニル)-p-フェニレンジアミンおよび1,10-ビス-(2',5'-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカン、およびそれらの生理学的に許容される塩である。
【0129】
式(E2)で示される非常に特に好適な二核の顕色剤成分は、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパン-2-オール、ビス-(2-ヒドロキシ-5-アミノフェニル)メタン、N,N'-ビス-(4'-アミノフェニル)-1,4-ジアザシクロヘプタンおよび1,10-ビス-(2',5'-ジアミノフェニル)-1,4,7,10-テトラオキサデカン、またはそれらの生理学的に許容される塩の一つである。
【0130】
さらに、顕色剤成分としてp-アミノフェノール誘導体またはその生理学的に許容される塩の一つを使用することが本発明に好適であり得る。式(E3):
【0131】
【化6】

【0132】
〔式中:
・G13は、水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基、C〜Cモノヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、(C〜C)アルコキシ-(C〜C)アルキル基、C〜Cアミノアルキル基、ヒドロキシ-(C〜C)アルキルアミノ基、C〜Cヒドロキシアルコキシ基、C〜Cヒドロキシアルキル-(C〜C)アミノアルキル基、または(ジ-C〜Cアルキルアミノ)-(C〜C)アルキル基を示し;
・G14は、水素原子またはハロゲン原子、C〜Cアルキル基、C〜Cモノヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、(C〜C)アルコキシ-(C〜C)アルキル基、C〜Cアミノアルキル基、またはC〜Cシアノアルキル基を示し;
・G15は、水素、C〜Cアルキル基、C〜Cモノヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を示し;および
・G16は、水素またはハロゲン原子を示す。〕
で示されるp-アミノフェノール誘導体が特に好適である。
本発明によれば、式(E3)に使用される置換基は、上記と同様に定義される。
【0133】
式(E3)で示される好適なp-アミノフェノールは、特に、p-アミノフェノール、N-メチル-p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、2-ヒドロキシメチルアミノ-4-アミノフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-(□-ヒドロキシエトキシ)フェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)フェノール、4-アミノ-2-フルオロフェノール、4-アミノ-2-クロロフェノール、4-アミノ-2,6-ジクロロフェノール、4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)フェノール、およびそれらの生理学的に許容される塩である。
【0134】
式(E3)で示される非常に特に好適な化合物は、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(α,β-ジヒドロキシエチル)フェノール、および4-アミノ-2-(ジエチルアミノメチル)フェノールである。
【0135】
さらに、顕色剤成分は、o-アミノフェノールおよびその誘導体、例えば、2-アミノ-4-メチルフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、または2-アミノ-4-クロロフェノールなどから選択することができる。
【0136】
さらに、顕色剤成分は、ヘテロ環式顕色剤成分、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラゾール、ピラゾール-ピリミジン誘導体、およびそれらの生理学的に許容される塩などから選択することができる。
【0137】
好適なピリジン誘導体は、特に、英国特許GB 1 026 978およびGB 1 153 196に記載された化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4'-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、および3,4-ジアミノピリジンである。
【0138】
好適なピリミジン誘導体は、特に、独国特許DE 2 359 399、未審査日本出願JP 02019576 A2、または未審査出願WO 96/15765に記載された化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2-ジメチルアミノ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、および2,5,6-トリアミノピリミジンである。
【0139】
好適なピラゾール誘導体は、特に、独国特許DE 3 843 892、DE 4 133 957、および特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、EP 740 931、およびDE 195 43 988に記載された化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert.-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert.-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(□-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール、および3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾールである。
【0140】
好適なピラゾロピリミジン誘導体は、特に、以下の式(E4):
【0141】
【化7】

〔式中、
・G17、G18、G19およびG20は、互いに独立して、水素原子、C〜Cアルキル基、アリール基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、(C〜C)アルコキシ-(C〜C)アルキル基、適切であれば、アセチルウレイドまたはスルホニル基によって保護され得るC〜Cアミノアルキル基、(C〜C)アルキルアミノ-(C〜C)アルキル基、ジ-[(C〜C)アルキル]-(C〜C)アミノアルキル基、適切であれば、5または6員鎖を有する炭素環またはヘテロ環を形成するジアルキル基、C〜Cヒドロキシアルキル基、またはジ-(C〜C)[ヒドロキシアルキル]-(C〜C)アミノアルキル基を示し;
・X基は、互いに独立して、水素原子、C〜Cアルキル基、アリール基、C〜Cヒドロキシアルキル基、C〜Cポリヒドロキシアルキル基、C〜Cアミノアルキル基、(C〜C)アルキルアミノ-(C〜C)アルキル基、ジ-[(C〜C)-アルキル]-(C〜C)アミノアルキル基、適切であれば、5または6員鎖を有する炭素環またはヘテロ環を形成するジアルキル基、C〜Cヒドロキシアルキル基またはジ-(C〜Cヒドロキシアルキル)アミノアルキル基、アミノ基、C〜Cアルキル-またはジ-(C〜Cヒドロキシアルキル)アミノ基、ハロゲン原子、カルボン酸基、またはスルホン酸基を示し;
iは、0、1、2、または3の値を有し、
pは、0または1の値を有し、
qは、0または1の値を有し、および
nは、0または1の値を有する。
ただし、
・p+qの合計は、0ではなく、
・p+qが2である場合、nは値0を有し、基NG1718およびNG1920は、(2,3);(5,6);(6,7);(3,5)または(3,7)位を占め;
・p+qが1である場合、nは値1を有し、基NG1718(またはNG1920)およびOH基は(2,3);(5,6);(6,7);(3,5)または(3,7)位を占める。〕
で示されるピラゾロ[1,5-a]ピリミジンの誘導体、および、互変異性平衡が存在する限りにおいてその互変異性形態である。
本発明によれば、式(E4)に使用される置換基は、上記と同様に定義される。
【0142】
上記式(E4)で示されるピラゾロ[1,5-a]ピリミジンが環系の2位、5位または7位の一つにヒドロキシ基を含有する場合、例えば、以下の図式:
【0143】
【化8】

【0144】
に例示されるような互変異性平衡が存在する。
【0145】
上記式(E4)で示されるピラゾロ[1,5-a]ピリミジンのなかでも、以下のものを特に挙げることができる:
・ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
・2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
・ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;
・2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;
・3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール;
・3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-オール;
・2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール;
・2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール;
・2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
・2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール;
・5,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
・2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;
・3-アミノ-7-ジメチルアミノ-2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン;
およびそれらの生理学的に許容される塩、ならびに、互変異性平衡が存在する場合、それらの互変異性形態。
【0146】
文献に記載されるように、上記式(E4)で示されるピラゾロ[1,5-a]ピリミジンは、アミノピラゾールから、またはヒドラジンから、進行する環化によって製造することができる。
【0147】
少なくとも一つのヒドロキシまたはアミノ基を、好適には六員環上の置換基として含んでなる、これらのインドールおよびインドリンは、天然類似色素の前駆体としての使用に好適である。これらの基は、例えば、ヒドロキシ基のエーテル化またはエステル化、あるいはアミノ基のアルキル化の形態で、さらなる置換基を有することができる。第二の好適な実施態様において、着色剤は、少なくとも一つのインドール誘導体および/またはインドリン誘導体を含有する。
【0148】
式(IIa):
【0149】
【化9】

【0150】
〔式中、互いに独立して、
・Rは、水素、C〜Cアルキル基、またはC〜Cヒドロキシアルキル基を示し、
・Rは、水素または-COOH基を示し、該-COOH基は任意に生理学的に許容されるカチオンを有する塩としても存在することができ、
・Rは、水素またはC〜Cアルキル基を示し、
・Rは、水素、C〜Cアルキル基、または-CO-R基を示し、ここでRは、C〜Cアルキル基を示し、および
・Rは、Rについて挙げられた基の一つを示す。〕
で示される5,6-ジヒドロキシインドリンの誘導体およびこれらの化合物と有機酸または無機酸との生理学的に許容される塩は、顕色剤成分として、天然類似毛髪色素の前駆体として特に適当である。
【0151】
特に好適なインドリンの誘導体は、5,6-ジヒドロキシインドリン、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸、ならびに6-ヒドロキシインドリン、6-アミノインドリン、および4-アミノインドリンである。
【0152】
この基の範囲内で、特に重要なものは、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドリン、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドリンであり、および特には5,6-ジヒドロキシインドリンである。
【0153】
さらに、式(IIb):
【0154】
【化10】

【0155】
〔式中、互いに独立して、
・Rは、水素、C〜Cアルキル基、またはC〜Cヒドロキシアルキル基を示し、
・Rは、水素または-COOH基を示し、該-COOH基は任意に生理学的に許容されるカチオンを有する塩としても存在することができ、
・Rは、水素またはC〜Cアルキル基を示し、
・Rは、水素、C〜Cアルキル基、または-CO-R基を示し、ここでRは、C〜Cアルキル基を示し、および
・Rは、Rについて挙げられた基の一つを示す。〕
で示される5,6-ジヒドロキシインドールの誘導体およびこれらの化合物と有機酸または無機酸との生理学的に許容される塩は、天然類似毛髪色素の前駆体として非常に適当である。
【0156】
特に好適なインドールの誘導体は、5,6-ジヒドロキシインドール、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、および6-ヒドロキシインドール、6-アミノインドール、および4-アミノインドールである。
【0157】
この基の範囲内で、重要なものは、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-エチル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-プロピル-5,6-ジヒドロキシインドール、N-ブチル-5,6-ジヒドロキシインドールであり、および特には5,6-ジヒドロキシインドールである。
【0158】
インドリン誘導体およびインドール誘導体は、本発明による組成物(A)および(B)中で、遊離塩基として、およびそれらの無機または有機酸との生理学的に許容される塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、および臭化水素酸塩)の形態の両方で使用することができる。インドール誘導体またはインドリン誘導体は、通常、それら中に、0.05〜10重量%、好適には0.2〜5重量%の量で含まれる。
【0159】
さらなる実施態様において、本発明によれば、インドリン誘導体またはインドール誘導体を、少なくとも一つのアミノ酸またはオリゴペプチドと組み合わせて使用することを提供することができる。アミノ酸は、有利にはα-アミノ酸である;非常に特に好適なα-アミノ酸は、アルギニン、オルニチン、リジン、セリンおよびヒスチジン、特にはアルギニンである。
【0160】
さらなる実施態様において、本発明による組成物(A)または(B)は、少なくとも一つのカップラー成分を含有する。
【0161】
m-フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシノールおよびレゾルシノール誘導体、ピラゾロン、およびm-アミノフェノール誘導体は、通常、カップラー成分として使用される。1-ナフトール、1,5-、2,7-および1,7-ジヒドロキシナフタレン、5-アミノ-2-メチルフェノール、m-アミノフェノール、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、m-フェニレンジアミン、1-フェニル-3-メチルピラゾロン-5、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール、1,3-ビス-(2',4'-ジアミノフェノキシ)プロパン、2-クロロレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロ-6-メチル-3-アミノフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、および2-メチル-4-クロロ-5-アミノフェノールは、カップラー物質として特に適当である。
【0162】
本発明に好適なカップラー成分は、
・m-アミノフェノールおよびその誘導体、例えば、5-アミノ-2-メチルフェノール、N-シクロペンチル-3-アミノフェノール、3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-アミノフェノキシエタノール、2,6-ジメチル-3-アミノフェノール、3-トリフルオロアセチルアミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、5-アミノ-4-クロロ-2-メチルフェノール、5-アミノ-4-メトキシ-2-メチルフェノール、5-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-(ジエチルアミノ)フェノール、N-シクロペンチル-3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシ-5-(メチルアミノ)ベンゼン、3-エチルアミノ-4-メチルフェノール、および2,4-ジクロロ-3-アミノフェノールなど、
・o-アミノフェノールおよびその誘導体、
・m-ジアミノベンゼンおよびその誘導体、例えば、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1,3-ビス-(2',4'-ジアミノフェノキシ)プロパン、1-メトキシ-2-アミノ-4-(2'-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1,3-ビス-(2',4'-ジアミノフェニル)プロパン、2,6-ビス-(2'-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メチルベンゼン、および1-アミノ-3-ビス-(2'-ヒドロキシエチル)アミノベンゼンなど、
・o-ジアミノベンゼンおよびその誘導体、例えば、3,4-ジアミノ安息香酸および2,3-ジアミノ-1-メチルベンゼンなど、
・ジ-およびトリヒドロキシベンゼン誘導体、例えば、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、2-クロロレゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、ピロガロール、および1,2,4-トリヒドロキシベンゼンなど、
・ピリジン誘導体、例えば、2,6-ジヒドロキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-5-クロロ-3-ヒドロキシピリジン、3-アミノ-2-メチルアミノ-6-メトキシピリジン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジンおよび3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジンなど、
・ナフタレン誘導体、例えば、1-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、2-ヒドロキシメチル-1-ナフトール、2-ヒドロキシエチル-1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、および2,3-ジヒドロキシナフタレンなど、
・モルホリン誘導体、例えば、6-ヒドロキシベンゾモルホリンおよび6-アミノベンゾモルホリンなど、
・キノキサリン誘導体、例えば、6-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリンなど、
・ピラゾール誘導体、例えば、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オンなど、
・インドール誘導体、例えば、4-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、および7-ヒドロキシインドールなど、
・ピリミジン誘導体、例えば、4,6-ジアミノピリミジン、4-アミノ-2,6-ジヒドロキシピリミジン、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、2,4,6-トリヒドロキシピリミジン、2-アミノ-4-メチルピリミジン、2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-メチルピリミジン、および4,6-ジヒドロキシ-2-メチルピリミジンなど、または
・メチレンジオキシベンゼン誘導体、例えば、1-ヒドロキシ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、1-アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、および1-(2'-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼンなど
である。
【0163】
本発明に特に好適なカップラー成分は、1-ナフトール、1,5-、2,7-および1,7-ジヒドロキシナフタレン、3-アミノフェノール、5-アミノ-2-メチルフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、2-クロロ-6-メチル-3-アミノフェノール、2-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、および2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジンである。
【0164】
着色剤としての実施態様において、組成物(A)および(B)の一つが過酸化水素を含有せず、および、その過酸化水素非含有組成物中に直接吸収染料または酸化性色素前駆体が含まれることが好適である。
【0165】
さらに、本発明による組成物(A)および/または(B)は、このような調製物について既知の全ての成分、添加剤、および補助剤を含有することができる。
【0166】
さらなる成分、補助剤、および添加剤は、例えば、以下のものである:
・非イオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン、およびビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、およびポリシロキサンなど、
・双性イオン性および両性ポリマー、例えば、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマーおよびオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマーなど、
・アニオン性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、およびアクリル酸/アクリル酸エチル/N-tert.ブチルアクリルアミドターポリマーなど、
・増粘剤、例えば、寒天、グアーガム、アルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴム、イナゴ豆粉、アマニガム、デキストラン、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシメチルセルロース)、デンプン画分および誘導体(例えば、アミロース、アミロペクチンおよびデキストリン)、粘土(例えば、ベントナイトなど)または完全合成ハイドロコロイド(例えば、ポリビニルアルコールなど)、
・構造剤、例えば、マレイン酸および乳酸;
・タンパク質加水分解物、特に、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、牛乳タンパク質、大豆タンパク質および小麦タンパク質加水分解物、それらの脂肪酸との縮合生成物、および第四級化タンパク質加水分解物、
・香油、ジメチルイソソルビドおよびシクロデキストリン、
・溶媒および可溶化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、およびジエチレングリコール、
・第四級化アミン、例えば、メチル-1-アルキルアミドエチル-2-アルキルイミダゾリニウムメトサルフェート、
・消泡剤、例えば、シリコーン、
・フケ防止成分、例えば、ピロクトンオラミン、チンクオマジン、およびクリンバゾール、
・光防護剤、特に、誘導体化ベンゾフェノン、桂皮酸誘導体、およびトリアジン、
・pH調整用物質、例えば、典型的な酸、特に食用の酸および塩基など、
・成分、例えば、アラントイン、ピロリドンカルボン酸、およびそれらの塩、ならびにビサボロール;
・コレステロール、
・コンシステンシー剤、例えば、糖エステル、ポリオールエステル、またはポリオールアルキルエーテル、
・脂肪およびワックス、例えば、鯨蝋、蜜蝋、モンタンワックス、およびパラフィン、
・脂肪酸アルカノールアミド、
・膨張および浸透物質、例えば、グリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、ならびに第一級、第二級および第三級リン酸塩、
・乳白剤、例えば、ラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー、
・つや出し剤、例えば、エチレングリコールモノ-およびジステアレート、ならびにPEG-3-ジステアレート、
・顔料、
・過酸化水素および他の酸化剤のための安定化剤、
・推進剤、例えば、プロパン/ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、CO、および空気、
・抗酸化剤。
【0167】
さらなる任意の成分および使用されるそれらの成分の量に関して、関連する当業者に既知のマニュアル、例えば、Kh. Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika、第2版、Huethig Buch Verlag、ハイデルベルク、1989年に対して参照がなされる。
【0168】
組成物(A)が固体として存在する場合、組成物(A)は、粉末または成形要素(すなわち顆粒、押出物、またはプレス成形品、例えば、タブレットの形状)の形態で製造される。
【0169】
本発明による成形要素の製造は、まず、構成成分を乾燥混合し(これは、完全または部分的に予備顆粒化することができる。)、次いで、成形すること(これに関して、既知の方法を行うことができる。)、特にタブレットへの圧縮することにより達成することができる。本発明による成形要素の製造に関して、プレミックスは、二つのダイの間のいわゆる型中でコンパクト化され、固体圧縮体を生じさせる。この操作(以下、簡略化のため打錠と呼ぶ)は、4つの段階(計量、コンパクション(弾性変形)、可塑変形および吐出)に分けられる。
【0170】
まず、プレミックスをダイに導入する。充填量、したがって、得られる成形要素の重量および形状は、下部ダイの位置およびプレス成形ツールの形状によって決定される。高い成形要素スループット率の場合でさえも、好適には、プレミックスの容量計量供給によって均一な計量供給が達成される。打錠の進行につれて、上部ダイは、プレミックスに接触した状態になり、下部ダイに向かって下降する。このコンパクションは、プレミックスの粒子を互い緊密にプレスし、その一方、ダイ間の充填材料内部のキャビティ体積は、連続的に低下する。上部ダイの特定の位置を超えると(したがって、プレミックスに対する特定の圧力を超えると)、可塑変形は、開始される。ここで、粒子は、互いに結合し、成形要素の形成が起こる。プレミックスの物性に応じて、幾つかのプレミックス粒子は、粉砕され、そして、なお一層高い圧力にて、プレミックスの焼結が起こる。プレス成形速度が増加するにつれて(すなわち高いスループット率になると)、弾性変形相は、次第に短くなり、その結果、得られる成形要素は、種々の大きさのキャビティを示し得る。打錠の最終相では、完成した成形要素は、下部ダイによって型から押し出され、下流の輸送装置によって運ばれる。この時点では、成形要素の重量のみが完全に規定される。なぜなら、物理的プロセス(リバンウンド、結晶学的効果、冷却など)は、成形体の形状および大きさを、なお変化させるからである。
【0171】
打錠は、市販の打錠プレスで実施できる。これは、原則として、単一または二重ダイを備えることができる。後者の場合、圧力を形成するため、上部ダイが使用されるばかりでなく、下部ダイも打錠プロセスの間に上部ダイの方へ移動し、上部ダイは、下方へと押し進む。小生産量のためには、好適には偏心打錠プレスを使用することが好適である。ここでは、ダイは、偏心ディスクに取り付けられ、次いで、このディスクは、特定の回転速度を有するシャフト上に備え付けられる。これらのプレスダイの動きは、従来の4ストロークエンジンの操作に類似する。プレス成形は、一つの上部ダイおよび一つの下部ダイを使用して達成することができるが、複数のダイを一つの偏心ディスクに取り付けることもでき、型孔の数は、対応して増加する。偏心プレスのスループット率は、そのタイプに応じて、数百から最大で3,000タブレット/時間まで変化する。
【0172】
高いスループット率のためには、多数の型がいわゆる型テーブル上に円形に配置されている回転式タブレットプレスが選択される。型の数は、モデルに応じて、6〜55の間で変化するが、これよりも多数の型のものも市販されている。型テーブル上の各型は、それと結びついた上部ダイおよび下部ダイを有する。前記と同様に、付与される圧力は、上部ダイまたは下部ダイばかりでなく、両方のダイによっても積極的に形成される。型テーブルおよびダイは、共通の垂直指向軸の周囲を移動し、ダイは、レール様湾曲トラックの助けを借りて、充填、コンパクション、可塑変形、および排出の位置に運ばれる。ダイの特に顕著な上昇/下降が必要な位置(充填、コンパクション、排出)では、これらの湾曲トラックは、付加的な押下げ部材、押下げレールおよび押上げトラックによって補助される。型は、プレミックス用の貯蔵器に連結した固定供給装置(いわゆる充填シュー)を通じて充填される。プレミックスに付与される圧力は、上部ダイおよび下部ダイについてのプレス成形運動によって、個別に調節することができる。圧力は、ダイシャフトヘッドが置換可能な圧力ローラーを回転して通過するときに形成される。
【0173】
スループット率を高めるため、回転式プレスは、2つの充填シューを備えることもできる。この場合、半円回転のみが、タブレットを製造するのに必要である。二層または多層成形要素を製造するため、複数の充填シューを直列で配置し、軽く圧縮して形成した第一層を、さならる充填前に排出しない。適切なプロセス制御によって、被覆タブレット、およびタマネギ様構造を有するコアタブレットを、このようにして形成することができる。コアタブレットの場合、コアの上面、すなわちコア層は、被覆されないため、可視のままである。また、回転式打錠プレスは、単一または複数の型を取り付けることができ、これにより、例えば、50孔を有する外部サークルおよび35孔を有する内部サークルを、同時に使用してプレス成形することができる。現代の回転式打錠プレスのスループット率は、100万を超える成形要素/1時間である。
【0174】
回転式プレスを用いる打錠において、できるだけ小さいタブレット重量のばらつきで、打錠を実施することが有利であることが分かった。また、これは、タブレットの硬度のばらつきも低下させることができる。小さい重量のばらつきは、以下のようにして達成することができる:
・小さい厚み公差を有するプラスチックインサートを用いること
・ローターの低い回転速度
・大型の充填シュー
・充填シューブレード速度を、ローター回転速度に適合させること
・充填シュー中の一定の粉末高さ
・充填シューを、粉末供給から切り離すこと。
【0175】
当該分野で既知の抗接着被覆物の全ては、ダイケーキングを減少させるのに適当である。プラスチック被覆、プラスチックインサートまたはプラスチックダイが、特に好適である。また、回転式ダイは、有利であることが分かった。可能ならば、上部ダイおよび下部ダイは、回転可能に構成されるべきである。回転式ダイの場合、通常、プラスチックインサートを省くことができる。この場合、ダイ表面は、電解研磨されるべきである。
【0176】
さらに、長いプレス成形時間が有利であることが分かった。これらは、プレスレール、複数のプレスローラー、または低いローター回転速度を使用することで達成することができる。タブレット硬度のばらつきは、プレス力のばらつきによって引き起こされるため、プレス力を制限する系を利用すべきである。ここで、プレス力の経路中に、弾性ダイ、空気圧補償機または弾力性要素を使用することができる。また、プレスローラーも、弾性的に具現化することができる。
【0177】
本発明において適当な打錠機械は、例えば、以下の会社から入手することができる:Apparatebau Holzwarth GbR、アスペルク;Wihelm Fette GmbH、シュヴァルツェンベーク;Fann Instruments Company、ヒューストン、テキサス(米国);Hofer GmbH、バイル;Horn & Noack, Pharmatechnik GmbH、ウォルムス;IMA Verpackungssysteme GmbH、フィールゼン;KILIAN、ケルン;KOMAGE、ケル・アム・ゼー;KORSCH Pressen AG、ベルリン;およびRomaco GmbH、ウォルムス。さらなる供給者は、例えば、Dr. Herbert Pete、ウィーン(オーストリア);Mapag Maschinenbau AG、ベルン(スイス);BWI Manesty、リバプール(英国);I. Holand Ltd.、ノッティンガム(英国);Courtoy N.V.、ハーレ(ベルギー/ルクセンブルク);およびMediopharm、カムニーク(スロベニア)である。例えば、HPF 630油圧二重圧プレス(LAEIS, D)は、特に適当である。打錠ツールは、例えば、以下の会社から入手できる:Adams Tablettierwerkzeuge、ドレスデン;Wilhelm Fett GmbH、シュヴァルツェンベーク;KIaus Hammer、ゾーリンゲン;Herber & Soehne GmbH、ハンブルク;Hofer GmbH、バイル;Horn & Noack, Pharmatechnik GmbH、ウォルムス;Ritter Pharmatechnik GmbH、ハンブルク;Romaco GmbH、ウォルムス;およびNotter Werkzeugbau、タム。さらなる供給者として、Senss AG、ライナッハ(スイス)およびMedicopharm、カムニーク(スロベニア)が挙げられる。
【0178】
しかしながら、成形要素を製造する方法は、一つの粒状プレミックスのみを成形要素にプレスすることに限定されない。それどころか、多層成形要素が、互いにプレスされる二以上のプレミックスを製造することによって、既知の様式で製造される方法にも広げることができる。最初に充填されるプレミックスを、成形要素の底に平行して広がる滑らかな上面を作り出すためにわずかに予備圧縮し、次いで、第二のプレミックスを添加した後、最終的に圧縮して完成した成形要素を得る。三層または多層成形要素の場合、プレミックスをそれぞれ添加した後にさらに予備圧縮を行い、次いで、最後のプレミックスの添加後に成形要素を最終的に圧縮する。
【0179】
本発明の第三の主題は、少なくとも一つの本発明の第一の主題のアルカリ化に有効な固体組成物、ならびに少なくとも一つの漂白促進剤を含有する無水組成物である。
【0180】
本発明のアルカリ化に有効な固体組成物は、無水組成物中に、いずれの場合にも無水組成物全体の重量に基づいて、好適には1〜40重量%の量で、特に好適には2〜30重量%の量で含まれる。
【0181】
用語「漂白促進剤」およびその好適な代表例について、これに関してなされた、本発明の第二の主題に関する記述が適用可能である。漂白促進剤は、無水組成物全体に基づいて、好適には5〜60重量%の量、特に8〜30重量%の量で存在する。
【0182】
無水組成物は、必要に応じて、過酸化水素と固体有機または無機化合物との付加生成物の形態の過酸化水素を含有することができる。これらの付加生成物の好適な代表例は、本発明の第二の主題において既にまとめた。
【0183】
本発明の無水組成物は、好適には固体またはペースト状である。本発明の第二の主題においてなされた記述は、これらの実施態様に適用可能である。
【0184】
本発明の無水組成物は、界面活性剤、調整成分、構造改善成分、および構成成分、補助剤、および添加剤から選択される少なくとも一つの化合物を、好適な量でさらに含有することができる。本発明の第二の主題においてなされた記述は、これらの実施態様に適用可能である。
【0185】
本発明の無水組成物は、顕色剤成分、カップラー成分、直接吸収染料、および天然類似染料の前駆体の群からの少なくとも一つの化合物をさらに含有することができる。これらの化合物の好適な代表例は、本発明の第二の主題において既にまとめた。
【0186】
本発明の第四の主題は、水性または水/アルコール性組成物(B)中への固体またはペースト状組成物(A)の溶解工程の間、Hを安定化する方法である。ここで、組成物(A)は、アルカリ化剤として、少なくとも一つの本発明の第一の主題のアルカリ化に有効な固体組成物を含有し;および組成物(A)および(B)の少なくとも一つは、過酸化水素を含有する。
組成物(B)のみが過酸化水素を含有することが本発明に好適である。
【0187】
組成物(A)および(B)の特徴および好適な実施態様に関して、本発明の第二の主題の過酸化水素含有剤およびそれらの組成物(A)および(B)に関してなされた記述が適用可能である。
【0188】
アルカリ化に有効な固体組成物の特徴および好適な実施態様に関して、第一の主題の組成物に関してなされた記述が適用可能である。
【0189】
本発明の第五の主題は、ケラチン含有繊維の漂白方法であって、該繊維を、上記の本発明の第二の主題の過酸化水素含有剤の一つで処理することを含む、方法である。
【0190】
本発明の第六の主題は、ケラチン含有繊維の着色方法であって、該繊維を、直接吸収染料および/または酸化性色素前駆体の存在下、本発明の第二の主題の過酸化水素含有剤で処理することを含む、方法である。
【0191】
本発明の第七の主題は、繊維製品および塗装面の洗浄方法であって、該繊維製品または塗装面を、上記の本発明の第二の主題の過酸化水素含有剤で処理することを含む、方法である。
【0192】
以下の実施例は、本発明の主題を説明することを意図するが、これを限定することを意図しない。
【実施例】
【0193】
〔1.0 本発明による凝集体1の製造〕
56.0gのBritesil(登録商標) C20および121gの水を混合した。0.4gのTurpinal(登録商標) SLを、この混合物中に攪拌しながら滴下した。該混合物を、ロータリーエバポレーター(125rpm)中、80℃にて真空中で乾燥した。該混合物を、ビーカー中に置き、乾燥キャビネット中、50℃にてさらに3日間乾燥した。
ケイ酸ナトリウム(INCI名:ケイ酸ナトリウム)(The PQ Corporation)
1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(水中の60%活性物質)(INCI名:エチドロン酸、アクア(水))(Solutia)
【0194】
〔2.0 毛髪脱色粉末における使用例〕
【0195】
【表2】

【0196】
〔3.0 比較例〕
2.0による本発明の毛髪脱色粉末1との比較のために、以下の毛髪脱色粉末(本発明ではない)を製造した。
【0197】
【表3】

【0198】
毛髪脱色粉末1は、凝集体1中のBritesil(登録商標) C20の形態のアルカリ化剤28.02重量%、および、キレート剤として、凝集体1からのエチドロン酸0.12重量%、ならびにEDTA二ナトリウム塩0.60重量%を含有した。
【0199】
毛髪脱色粉末V1は、Britesil(登録商標) C20の形態のアルカリ化剤28.00重量%、および、キレート剤としてEDTA二ナトリウム塩0.60重量%を含有した。
【0200】
毛髪脱色粉末V2は、Britesil(登録商標) C20の形態のアルカリ化剤27.45重量%、および、キレート剤として、EDTA二ナトリウム塩0.59重量%、およびエチドロン酸1.96重量%を含有した。
【0201】
〔3.1 混合工程中の過酸化水素の分解試験〕
以下の試験において、製品Poly(登録商標) Intensiv Aufheller Ultra Plus(Schwarzkopf-Henkel)の対応する過酸化水素含有クリームを、過酸化水素含有クリームとして使用した。商品の過酸化水素含有クリームの保存容器を、ボトルとして使用した。
【0202】
〔3.1.1 実験1〕
20.0gの各々の毛髪脱色粉末処方物(1、V1、またはV2)を、それぞれ50.0gの過酸化水素含有クリームを含むボトル中に入れ、ボトルを密閉した。該ボトルを30秒間振盪させた。次いで、20秒間の静止期間後、直立状態のボトルを開口し、分解反応において発生したガスのために、ボトルからボトル内容物が現れ始めるまでの経過時間(出現時間)を記録した。
【0203】
〔3.1.2 実験2〕
20.0gの各々の毛髪脱色粉末処方物(1、V1、またはV2)を、それぞれ50.0gの過酸化水素含有クリームを含むボトル中に入れ、ボトルを密閉した。該ボトルを30秒間振盪させた。密閉したボトルを、さらに30分間放置した。この静止期間後、ボトルを開口し、および開口の間の系の挙動を観察した。
【0204】
〔3.1.3 実験的観察〕
毛髪脱色粉末1(本発明)
実験1:出現時間:1時間55分
実験2:ボトルを開口したときにわずかに発泡した。ボトルの開口の間または直後、生成物の出現は、生じなかった。
【0205】
毛髪脱色粉末V1
実験1:出現時間:29分
実験2:ボトルを開口したときに強く発泡し、噴出した。ボトルを開口した直後、激しい噴水様の生成物の出現が生じた。
【0206】
毛髪脱色粉末V2
実験1:出現時間:38分
実験2:ボトルを開口したときに強く発泡し、噴出した。ボトルの開口の間または直後、生成物の出現は、生じなかった。
【0207】
毛髪脱色粉末V2は、キレート剤(全量2.55重量%)を、本発明による毛髪脱色粉末1(全量0.72重量%)よりも含有したが、毛髪脱色粉末V2と過酸化水素含有クリームとの混合工程の後、かなりの過酸化水素の分解反応が起こり、その結果としてガスの発生が起こった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)組成物の重量に基づいて、少なくとも75重量%の量の、(a)少なくとも一つの粒状アルカリ化剤と(b)少なくとも一つのキレート剤の混合物;および
(ii)適切であれば、さらなる添加剤、
を含有するアルカリ化に有効な固体組成物であって、
該組成物は、(a)、(b)および必要に応じて含まれる添加剤から形成された凝集体で構成されている、組成物。
【請求項2】
粒状アルカリ化剤は、アンモニウム、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、ヒドロキシ炭酸塩、カルバミドおよびケイ酸塩(特にメタケイ酸塩)、ならびにアルカリリン酸塩から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも一つの必要に応じて水和した式:
(SiO)(NaO)(KO)
〔式中、nは、正の有理数を示し、mおよびpは、互いに独立して、正の有理数または0を示し、ただし、パラメーターmまたはpの少なくとも一つは、0とは異なり、およびnと、mおよびpの合計の間の比は、1:4と4:1の間である。〕
で示されるケイ酸塩を、粒状アルカリ化剤として含有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ酢酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(エチドロン酸)、ジピコリン酸、アセトアニリド、およびスズ酸ナトリウム、ならびに上記酸の生理学的に許容される塩から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
粒状アルカリ化剤を、組成物全体に基づいて、80〜99.8重量%の量で含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
キレート剤を、組成物全体に基づいて、0.1〜20重量%の量で含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
凝集体は、平均粒径10〜300μmを有する、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
粉末、押出物、または顆粒の形態で存在する、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも2つの別個に製造された組成物(A)および(B)を混合することによって得られた過酸化水素含有剤であって、
(i)組成物(A)は、無水であり、少なくとも一つの請求項1〜8のいずれかに記載のアルカリ化に有効な固体組成物を含有し;
(ii)組成物(B)は、水性または水/アルコール性であり;および
(iii)組成物(A)および(B)の少なくとも一つは、過酸化水素を含有する、
剤。
【請求項10】
組成物(A)は、少なくとも一つの漂白促進剤をさらに含有する、請求項9に記載の剤。
【請求項11】
漂白促進剤は、(i)アンモニウムならびにアルカリ金属およびアルカリ土類金属の、過オキソ二硫酸塩、過硫酸塩、および過リン酸塩、(ii)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の過酸化物、(iii)ペルオキソカルボン酸およびその生理学的に許容される塩、および(iv)カチオン性ニトリルからなる群から選択される、請求項10に記載の剤。
【請求項12】
漂白促進剤は、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、ペルオキソ二リン酸カリウム、過フタル酸マグネシウム、過酸化マグネシウムおよび過酸化バリウムから選択される、請求項10または11のいずれかに記載の剤。
【請求項13】
組成物(B)は、1〜100,000mPa・sの粘度(ブルックフィールドRVT粘度計、温度20℃、番号4スピンドル、4rpm)を有する、請求項9〜12のいずれかに記載の剤。
【請求項14】
組成物(B)は、6000〜50,000mPa・sの粘度(ブルックフィールドRVT粘度計、温度20℃、番号4スピンドル、4rpm)を有する、請求項9〜13のいずれかに記載の剤。
【請求項15】
組成物(B)のpHは、pH2〜7の範囲である、請求項9〜14のいずれかに記載の剤。
【請求項16】
7より大きいpHを有する、請求項9〜15のいずれかに記載の剤。
【請求項17】
少なくとも一つの非イオン性、アニオン性、カチオン性、双性、または両性界面活性剤をさらに含有する、請求項9〜16のいずれかに記載の剤。
【請求項18】
少なくとも一つの調整成分をさらに含有する、請求項9〜17のいずれかに記載の剤。
【請求項19】
少なくとも一つの構造改善成分をさらに含有する、請求項9〜18のいずれかに記載の剤。
【請求項20】
少なくとも一つの直接吸収染料および/または少なくとも一つの顕色剤またはカップラータイプの酸化性色素前駆体をさらに含有する、請求項9〜19のいずれかに記載の剤。
【請求項21】
請求項1〜8のいずれかに記載のアルカリ化に有効な固体組成物と、少なくとも一つの漂白促進剤を含有する、無水組成物。
【請求項22】
水性または水/アルコール性組成物(B)中への固体またはペースト状組成物(A)の溶解工程の間、Hを安定化する方法であって、
組成物(A)は、アルカリ化剤として、少なくとも一つの請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を含有し、および
組成物(A)および(B)の少なくとも一つは、過酸化水素を含有する、
方法。
【請求項23】
ケラチン含有繊維の漂白方法であって、該繊維を、請求項9〜20のいずれかに記載の過酸化水素含有剤で処理することを含む、方法。
【請求項24】
ケラチン含有繊維の着色方法であって、該繊維を、請求項20に記載の過酸化水素含有剤で処理することを含む、方法。
【請求項25】
繊維製品および塗装面の洗浄方法であって、該繊維製品または塗装面を、請求項9〜19のいずれかに記載の過酸化水素含有剤で処理することを含む、方法。

【公表番号】特表2007−503409(P2007−503409A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524290(P2006−524290)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009207
【国際公開番号】WO2005/021427
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(391008825)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN
【住所又は居所原語表記】40191 Dusseldorf,Henkelstrasse 67,Germany
【Fターム(参考)】