説明

遠隔医療用電子内視鏡システム

【課題】遠隔操作が可能な遠隔医療用の電子内視鏡システムを提供する。
【解決手段】撮像素子からの信号に基づいて観察画像を生成する第1の画像処理部と該撮像素子からの信号を無線送信する電子内視鏡と、無線送信される画像信号を受信して観察画像を生成する第2の画像処理部とを有する受信装置とを備える遠隔医療用の電子内視鏡システムであって、受信装置は第1の操作手段の操作によって、電子内視鏡の動作を制御するための合意を行う第1の信号を該電子内視鏡に無線送信し、電子内視鏡は第2の操作手段の操作によって、前記受信装置による該電子内視鏡の動作の制御を許可する第2の信号を該受信装置に無線送信し、受信装置は第2の信号を受信した後に、第3の操作手段の操作によって、電子内視鏡の動作を制御するための第3の信号を該電子内視鏡に無線送信し、電子内視鏡は第3の信号に基づいて動作する電子内視鏡システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子内視鏡システムに関し、より詳しくは、遠隔医療において遠隔操作の制限や許可を制御することが可能な電子内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子内視鏡の体腔内挿入部の先端部に設けられた撮像素子によって体腔内の部位を撮像し、電子内視鏡に接続されたビデオプロセッサによって撮像画像を生成してモニタに出力する電子内視鏡システムが広く実用に供されている。そして、近年では、電子内視鏡とビデオプロセッサとの間の画像信号の送受信を無線により行う電子内視鏡システムも提案されている。このような電子内視鏡システムの一例が、特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の電子内視鏡システムにおいては、従来の有線型の電子内視鏡を接続するビデオプロセッサに受信用の無線モジュールを装着し、電子内視鏡から無線送信された画像信号を無線モジュールにて受信する。電子内視鏡では、撮像素子から出力される画像信号が無線送信用に変調された後、ビデオプロセッサに装着された受信用の無線モジュールに無線送信される。該受信用の無線モジュールは、電子内視鏡から画像信号を受信して信号を復調した後、該復調された画像信号には、従来と同様に、ビデオプロセッサにおいて画像処理が施される。これにより得られた観察画像をモニタに表示する。従って、電子内視鏡が有線型であるか無線型であるかに関係なく単一のビデオプロセッサにおいて観察画像を生成して表示することができる。
【0004】
また、無線型の電子内視鏡システムにおいては、一方の装置から他方の装置を遠隔操作することも提案されている。例えば、電子内視鏡を操作する術者と内視鏡画像を観察する診断者とが異なる場所にいる場合、診断者は、より適切な画像を表示して診断を行うために術者による電子内視鏡の操作を支援することで、診断者が観察したい部位を的確に撮像させることができる。さらに、研修医や実習生に対して電子内視鏡の研修を行う場合、指導者が術者の施術現場に立ち会うことなく遠隔指導を行うこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−61296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、遠隔医療において電子内視鏡を操作する術者と内視鏡画像を観察する診断者とが異なる場所において別個のモニタを用いて観察を行う場合、例えば、術者が救急車内において電子内視鏡を操作し、診断者が病院内の診療室において電子内視鏡からの画像を観察する場合や、人身事故現場において術者が傷病者に対して気管挿管を行う際に、術者が電子内視鏡により撮像した傷病者の体腔内の観察画像を病院などの施設内にいる専門医に送信して専門医から助言を求める場合、特許文献1のような電子内視鏡システムにおいては、術者が予期しないタイミングで診断者による遠隔操作が発生した場合、術者による電子内視鏡の操作に支障をきたす可能性がある。例えば、診断者が電子内視鏡を遠隔操作してフリーズ、画像ズームなどの画像処理操作を行った場合、術者側のモニタに表示される画像が静止画像になったり、拡大画像になったりすると、術者は不意に観察画像の画像処理が発生したことにより施術を中断しなければならない場合があり施術効率の低下を招く可能性がある。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、電子内視鏡を用いた遠隔医療において、電子内視鏡を操作する術者と内視鏡画像を観察する診断者とが互いの装置の遠隔制御を適切に行って施術効率を向上させることができる電子内視鏡システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による遠隔医療用の電子内視鏡システムは、撮像素子から出力される画像信号に基づいて観察画像を生成する第1の画像処理部と該撮像素子から出力される画像信号を無線送信する無線モジュールとを有する電子内視鏡と、該電子内視鏡から無線送信される画像信号を受信する無線モジュールと受信した画像信号に基づいて観察画像を生成する第2の画像処理部とを有する受信装置とを備える遠隔医療用の電子内視鏡システムであって、受信装置は、該受信装置に設けられた第1の操作手段の操作によって、電子内視鏡の動作を制御するための合意を行う第1の信号を該電子内視鏡に無線送信し、電子内視鏡は、該電子内視鏡に設けられた第2の操作手段の操作によって、受信装置による該電子内視鏡の動作の制御を許可する第2の信号を該受信装置に無線送信し、受信装置は、第2の信号を受信した後に、該受信装置に設けられた第3の操作手段の操作によって、電子内視鏡の動作を制御するための第3の信号を該電子内視鏡に無線送信し、電子内視鏡は、第3の信号に基づいて動作する。
【0009】
好ましくは、電子内視鏡は、該電子内視鏡の動作を制御するための合意の有無を示す識別子を記憶する第1の記憶部を有し、受信装置は、電子内視鏡の動作を制御するための合意の有無を示す識別子を記憶する第2の記憶部を有し、電子内視鏡は、第2の信号を受信装置に無線送信したときに、該電子内視鏡の動作を制御するための合意があったことを示す識別子を第1の記憶部に記憶し、受信装置は、第2の信号を受信したときに、電子内視鏡の動作を制御するための合意があったことを示す識別子を第2の記憶部に記憶し、受信装置は、第2の記憶部に記憶された識別子が電子内視鏡の動作を制御するための合意があったことを示す場合に、第3の信号を該電子内視鏡に無線送信する。これにより、電子内視鏡と受信装置との間で1度合意確認を行った後は、改めて合意確認を行うことなく受信装置は任意のタイミングで電子内視鏡を繰り返し遠隔操作することができる。
【0010】
そして、電子内視鏡は、該電子内視鏡の電源がオフになると、電源がオフになったことを通知する第4の信号を前記受信装置に無線送信し、受信装置は、該受信装置の電源がオフになると、電源がオフになったことを通知する第5の信号を電子内視鏡に無線送信し、電子内視鏡は、該電子内視鏡の電源がオフになった場合又は第5の信号を受信した場合に、該電子内視鏡の動作を制御するための合意がないことを示す識別子を第1の記憶部に記憶し、受信装置は、該受信装置の電源がオフになった場合又は第4の信号を受信した場合に、該電子内視鏡の動作を制御するための合意がないことを示す識別子を第2の記憶部に記憶する。これにより、合意確認が1度の施術内においてのみ有効になるため、次回施術時に電子内視鏡システムの電源をオンにした直後から遠隔操作が有効になることはない。
【0011】
または、第1の操作手段が操作されている間、第1の信号が継続して電子内視鏡に無線送信され、第2の操作手段が操作されている間、第2の信号が継続して受信装置に無線送信され、電子内視鏡は、第1の信号を受信しており、かつ第2の信号が受信装置に無線送信されている間のみ、第3の信号に基づいて動作する。従って、電子内視鏡と受信装置が互いに遠隔操作の合意を行う信号を送信し続けている間のみ遠隔操作が有効になるため、術者にとって電子内視鏡の遠隔操作が不意に実行されることがなく、電子内視鏡と受信装置との間で合意に基づく遠隔操作をより確実に行うことができる。
【0012】
さらに好ましくは、電子内視鏡は、第1の信号を受信したときに、受信装置から該電子内視鏡の動作を制御するための合意が求められていることを通知する通知手段を有する。また、受信装置は、第2の信号を受信したときに、電子内視鏡の動作の制御を許可されたことを通知する通知手段を有する。これにより、電子内視鏡を操作する術者と受信装置を操作する診断者が、相手による合意確認があったか否かを把握することができるため、より円滑な合意確認及び遠隔操作を実現することができる。
【0013】
また、電子内視鏡は、該電子内視鏡に設けられた第4の操作手段の操作によって、受信装置の動作を制御するための第6の信号を無線送信し、受信装置は、第6の信号に基づいて動作する。従って、診断者が電子内視鏡を遠隔操作していないときなどに、診断者側のモニタに表示される観察画像の処理を制御することにより、術者が所望する画像を診断者にモニタにて確認してもらい、術者は診断者により的確な指示や診断を仰ぐことができる。
【0014】
そして、第1の操作手段は受信装置のフロントパネルに含まれる。または、第2の操作手段は電子内視鏡の操作部に含まれる。従って、術者は操作部を操作して電子内視鏡の種々の動作を行いつつ第1の操作手段を操作して合意確認を行うことができる。また同様に、診断者も、フロントパネルを操作して観察画像の種々の処理を行いつつ第2の操作手段を操作して合意確認を行うことができる。さらに、第3の信号には電子内視鏡の種々の処理を制御する信号が含まれる。従って、電子内視鏡は受信装置から受信する第3の信号に基づいて多様な遠隔操作を行うことにより、電子内視鏡システムにおける施術効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子内視鏡システムによれば、術者及び診断者の施術や診断に支障をきたすことなく、電子内視鏡を操作する術者が受信装置を操作する診断者に対して、受信装置による電子内視鏡の遠隔操作を必要なときに許可することができる。従って、不用意な遠隔操作によって施術効率を低下させることなく、術者と診断者とがより連携した施術及び診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施形態における電子内視鏡システムの概略を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施例1における電子内視鏡とビデオプロセッサとの間の遠隔操作の合意確認処理のハンドシェイクのタイミングチャートであり、図2(b)は、本発明の実施例2における電子内視鏡とビデオプロセッサとの間の遠隔操作の合意確認処理のハンドシェイクのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態における電子内視鏡システムについて説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態における電子内視鏡システム100の構成を示すブロック図である。電子内視鏡システム100は、電子内視鏡1、ビデオプロセッサ2、モニタ3,4、光源装置5を備える。本実施形態においては、電子内視鏡1を操作する術者とビデオプロセッサ2を操作する診断者は、互いに離れた場所にいて、遠隔医療を行うものとする。光源装置5は、光ファイバ束から構成されたライトガイド19を介して電子内視鏡1の同じく光ファイバ束から構成されたライトガイド18と光学的に接続されている。光源装置5は、いずれも図示しないものの、ハロゲンランプ、キセノンランプ、白色LEDなどの光源、照明光の伝搬路であるライトガイド19の入射端に光源からの光を集光する集光レンズ、光源とライトガイド19との間に設けられ光源からの白色光を赤(R)、緑(G)、青(B)の光に順次色分解するためのカラーフィルタ、画像信号をフレームメモリに書き込む際のタイミングパルスや垂直同期信号に同期してカラーフィルタが回転するようにカラーフィルタの速度と位相を制御するためのカラーフィルタ回転制御回路、照明光の光量を調整するための光量絞り、光量絞りを制御する回路などを有し、面順次方式にて照明光を生成する。なお、撮像方式は、面順次方式の代わりに同時方式の撮像方式を採用してもよい。すなわち、光源の白色光をそのままライトガイドに集光して伝搬させて観察対象部位に照射し、撮像素子上にオンチップ化された補色フィルタによって補色信号を分離し、この補色信号をR,G,Bの原色信号に変換して、この原色信号を色差マトリクスによって色差信号R−Y,B−Yを得ることができる。また、光源装置5を用いる代わりに電子内視鏡1内に光源部を設ける構成としてもよい。
【0019】
電子内視鏡1には、その先端(体腔内挿入部の先端)から基端(操作部あるいは操作部に連なる画像処理部などが設けられた部分)にかけてライトガイド18が延在している。光源装置5により発生される照明光はライトガイド18,19によって電子内視鏡1の挿入部の先端に伝搬される。挿入部の先端部にはライトガイド18を介して伝搬された照明光を観察対象部位に照射するための配光レンズ6が配置されている。また、挿入部の先端部には配光レンズ6の他に対物レンズ7が設けられており、対物レンズ7の後段にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの撮像素子8が配置されている。撮像素子8からの画像信号の読み出しは、駆動制御部17により制御される。
【0020】
ライトガイド18から出射された照明光は、配光レンズ6を介して観察対象部位に到達する。照明光は観察対象部位によって反射され、対物レンズ7に入射した後、撮像素子8の撮像面に到達する。従って、観察対象部位の像は対物レンズ7によって撮像素子8の撮像面に結ばれる。撮像素子8によって受光された照明光は光電変換され、ケーブルを介して画像信号として電子内視鏡1内に設けられたADC(Analog Digital Converter)10にアナログ伝送される。画像信号はADC10においてデジタル信号化された後、電子内視鏡1内に設けられた画像処理部11に送られる。画像処理部11では、画像表示に適切な色再現がなされるように種々の画像処理が施される。
【0021】
ADC10から画像処理部11に送られた画像信号は、まずホワイトバランス処理においてホワイトバランスが取られる。ホワイトバランス処理において、光源の色温度やライトガイドの分光特性などで変化した色再現が補正される。具体的には、被写体の白い部分でRGB信号のそれぞれの振幅値が等しくなるようにゲインが調整される。次に、画素補間処理により、画像信号が有する被写体の像の画像データのうち、画素欠陥が発生している画素から取得したデータに対し、画素欠陥位置の周辺に存在する画素に基づく補間処理が行われる。続いて、エンハンス処理により画像内の像の輪郭を強調する処理が行われる。さらに、色マトリクス補正によってゲイン調整などの色補正処理が行われる。次に、γ補正によって、モニタに表示される観察画像の明るさや彩度の調整を行うための処理が行われる。γ補正により画質最適化が行われた画像信号には、術者による操作に基づいて観察画像の彩度、輝度、エンハンスなどの各種設定値の変更が行われる。各種設定値が変更された画像信号は、Y色差変換によりRGB信号からY色差信号に変換される。このように画像処理が施された画像信号は、変調部12及び画像メモリ14にそれぞれ送られる。
【0022】
画像メモリ14は、画像処理部11からの画像信号を格納する。そして、格納された画像信号は、タイミングジェネレータ(図示せず)から出力されるタイミング信号に対応する所定のタイミングで読み出されて電子内視鏡1内に設けられたDAC(Digital Analog Converter)15に送られる。ここで、所定のタイミングとは、例えば、1秒あたり30フレームから構成される動画がモニタ3に表示できるタイミングなどをいう。DAC15によって画像信号はアナログ信号に変換されて出力部16に送られ、出力部16において、モニタ3の表示方式に適したビデオ信号に変換される。変換されたビデオ信号はモニタ3に送られて観察画像として表示される。一方、変調部12に送られた画像信号は、搬送波である電波に該画像信号を載せる処理が行われた後、電子内視鏡1内に設けられた無線(RF;Radio Frequency)モジュール13を経由して受信装置としてのビデオプロセッサ2に無線送信される。
【0023】
RFモジュール13から送信された電波は、ビデオプロセッサ2内のRFモジュール31によって受信された後、復調部32に送られる。復調部32にて、受信された信号は、復調されてベースバンドの画像信号に変換された後、画像処理部33に入力される。ビデオプロセッサ2のフロントパネル37には、モニタ4に表示される観察画像の彩度、輝度、エンハンスなどを調整するためのボタンなどの入力手段が設けられている。画像処理部33は、診断者がフロントパネル37に設けられた入力手段を操作することにより発生する操作信号にに基づいて、画像信号に色調整やノイズリダクションなどの処理を施す。画像処理部33によって処理された画像信号はビデオプロセッサ2内の画像メモリ34に格納される。画像メモリ34からは、画像信号が上記と同様、タイミングジェネレータ(図示せず)から出力されるタイミング信号に基づいて所定のタイミングで読み出されてDAC35に送られる。DAC35によって、画像信号は、アナログ信号に変換されて出力部36に送られ、出力部36において、電子内視鏡1の出力部16と同様に、モニタ4の表示方式に適したビデオ信号に変換される。変換されたビデオ信号は、モニタ4に送られて観察画像として表示される。
【0024】
次に、電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間における遠隔操作について説明する。遠隔地にいる診断者によって術者が直接操作する電子内視鏡を遠隔操作する場合、不意に遠隔操作の制御が介入することを防止する必要がある。そのため本実施形態では、遠隔操作を開始する前に、電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間で遠隔操作を行う合意を取る処理を行う。そこで、一例として、電子内視鏡1の操作部のボタン群9のボタンと、ビデオプロセッサ2のフロントパネル37のボタンとに、それぞれ合意確認の入力手段としての機能を割り当てる。電子内視鏡システム100の電源投入時は、合意確認用の各ボタンをオフにして遠隔操作を無効の状態にしておく。そして、電源投入後に両方のボタンがオンになった時点で、電子内視鏡1がビデオプロセッサ2からの遠隔操作の制御を受け入れる状態とする。
【0025】
電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間の合意は、コマンド通信を用いて行うことも可能である。診断者がフロントパネル37などの入力手段を操作してCPU38を経由してRFモジュール31から電子内視鏡1に遠隔操作の制限解除依頼用のコマンドを送信する。制限解除依頼用のコマンドは電子内視鏡1のRFモジュール13により受信された後、CPU20に送られる。CPU20は制限解除依頼用のコマンドを受信すると、画像処理部11を制御してモニタ3に制限解除依頼を通知するダイアログボックスを表示する。術者はダイアログボックスに表示されるメッセージを確認してダイアログボックスのボタンを介して制限解除を行うか否かを決定する。術者が制限解除を許可するか否かに応じて、モニタ4に術者の操作結果に関するメッセージを表示するためのメッセージ表示用のコマンドをビデオプロセッサ2に送信する。メッセージ表示用のコマンドは、RFモジュール31によって受信された後、CPU38に送られる。CPU38は受信したコマンドに応じてモニタ4に術者の操作結果に関するメッセージを表示するよう画像処理部33の画像処理を制御する。その後、電子内視鏡1は、RFモジュール13を経由してビデオプロセッサ2から制御信号を受信した場合に、その制御信号に基づいて電子内視鏡1内の各種処理を実行する。
【0026】
ここで、電子内視鏡1が制限可能な制御について説明する。診断者は、遠隔操作により電子内視鏡1のフリーズ処理やコピー処理を行うことができる。これにより診断者がこれらの処理を行って所望の画像を取得することができるため、術者が同じ処理を行って取得した画像に比べてより適切な画像に基づいて診断を行うことができる。また、画像の色調、ゲイン、コントラストなどの画質を変更することもできる。このため、診断者は、注目部位を見やすくするために、カラーバランス、ブライトネス、エンハンスなどの表示に関する設定値を変更して観察画像の色味や明るさを調整することができる。
【0027】
さらに、診断者は、遠隔操作により電子内視鏡1の光学ズームや電子ズームを制御して画像の拡大及び縮小を行うことができる。電子内視鏡1の操作部内には、光学ズーム手段として、モータ22、モータ22の回転数を検出するロータリエンコーダ23、モータ制御部21、ギア24が設けられている。モータ22の駆動力がギア24に伝えられ、対物レンズ7がギア24により光軸方向に移動されて、撮像素子8の撮像面との焦点距離が変更される。ロータリエンコーダ23により検出されるモータ22の回転数などの情報に基づいてフィードバック制御することにより、光学ズームを所望の倍率に合わせることができる。電子内視鏡1のCPU20は、ビデオプロセッサ2からRFモジュール13を経由して受信した光学ズームの制御信号に基づいてモータ制御部21に制御信号を送る。モータ制御部21は受信した制御信号に基づいてモータ22を制御し、モータ22の回転数分だけ対物レンズ7を光軸方向に移動する。電子ズームを行う場合は、画像処理部11において観察画像上の指定された位置に相当する画像信号を切り取って拡大表示する処理が実行される。CPU20は、ビデオプロセッサ2から受信した電子ズームの制御信号により指定される倍率に基づいて画像処理部11における電子ズーム処理を制御する。
【0028】
また、診断者は、電子内視鏡1を遠隔操作して術者側のモニタ3に表示される観察画像上に指標を表示することができる。従って、診断者は、指標を用いて指定した部位を撮像するよう術者に指示することもできる。また、術者が対象部位に対して適切な範囲の施術を行うことができるように、診断者が指標を用いて施術範囲を指示することもできる。
【0029】
さらに、例えば、画像データを保存するための外部のファイリング装置25などの周辺デバイスが電子内視鏡1と接続されている場合、周辺デバイスの制御を行うことも可能である。例えば、上記のように電子内視鏡1を遠隔操作してフリーズ処理やコピー処理によって取得した画像についてファイリング装置25内における保存先を指定し、診断者が後で使用しやすいように所望の場所に画像を保存しておくことができる。また、診断者は、施術後に電子内視鏡1や周辺デバイスの電源の切り忘れに気付いた場合に、ビデオプロセッサ2を操作するだけで簡便に遠隔地にある電子内視鏡1や周辺デバイスの電源をオフにすることもできる。従って、診断者が電子内視鏡1を遠隔操作して周辺デバイスの動作を制御できるようにすることで、本発明の電子内視鏡システムの利便性が向上する。
【0030】
さらに、術者は、診断者に電子内視鏡1の送気送水の制御を許可してもよい。電子内視鏡1には、外部の送気送水プラグを挿入するための送気送水口26と、外部の送気送水装置から供給された洗浄水や空気を先端部に送るための送気送水管路27が設けられている。術者は、操作部に設けられたボタン群9の送気送水ボタンによって送気送水を制御する。そして、送気によって患者の管腔を広げて視野を確保したり、体液や出血などで対物レンズ表面が汚れて内視鏡の観察性能が低下した場合に、洗浄液を噴射してレンズ表面の汚れを除去し、空気を送って対物レンズ表面の液滴を飛ばすことで視界を回復したりする。従って、診断者は、電子内視鏡1の送気送水を遠隔制御することにより、術者に指示を出すよりも適切なタイミングで送気送水を行うことができる。
【0031】
また、電子内視鏡1の操作部には、回動することによって挿入部の湾曲を調節するアングルノブ28が設けられている。そこで、術者は、診断者にアングルノブ28の回動やロックのオン/オフの遠隔制御を許可することもできる。従って、診断者は、アングルノブ28を遠隔操作して、電子内視鏡1の挿入部を湾曲制御したり先端部の位置を固定したりすることによって診断に最適な画像を撮像することができる。
【0032】
なお、合意確認用のボタンのオンオフ状態に関係なく、電子内視鏡1からビデオプロセッサ2に対する画像処理関連の遠隔操作は制限しないものとする。例えば、術者が診断者側のモニタに表示される観察画像にマーカなどの指標を表示して、特定の部位に対する診断を依頼する場合、指標の追加は術者による操作であるため電子内視鏡1の操作が阻害されることはなく、また診断者は観察画像上に指標が表示されればその指標に基づいて術者が所望する施術指示を的確に与えることができる。そのため、電子内視鏡1からビデオプロセッサ2に対する画像処理関連の遠隔操作を合意確認の作業を行う必要なく許可することにより、術者及び診断者が円滑に施術や診断を行うことができる。
【0033】
電子内視鏡1のCPU20は、電子内視鏡1内の各ブロックに接続されており、各ブロックにおける処理の設定値を指定したり各処理の動作を制御したりする。同様に、ビデオプロセッサ2のCPU38は、ビデオプロセッサ2内の各ブロックに接続されており、各ブロックにおける処理の設定値を指定したり各処理の動作を制御したりする。なお、CPU20と電子内視鏡1内の各ブロックとの接続関係、CPU38とビデオプロセッサ2内の各ブロックとの接続関係は図示していない。
【0034】
ここで、本発明の実施形態における実施例を2つ挙げて説明する。
【実施例1】
【0035】
図2(a)は、実施例1における電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間の遠隔操作の合意確認処理のハンドシェイクのタイミングチャートである。電子内視鏡1とビデオプロセッサ2には、合意確認処理に用いる不揮発性メモリであるフラグメモリ39,40がそれぞれ設けられている。フラグメモリ39,40は、電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間での電子内視鏡1の動作を制御するための合意の有無を示す識別子としてのフラグを記憶する記憶部として機能する。そして、フラグメモリ39,40において、フラグが0であるときは合意確認が取れていないことを示し、フラグが1であるときは合意確認が取れていることを示す。フラグメモリ39,40のフラグが共に1である場合に、電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間で遠隔操作を実行できる状態となる。合意確認処理を行う前は、フラグメモリ39,40のフラグは0に設定されている。まず、電子内視鏡1の遠隔操作を行う診断者は、ビデオプロセッサ2のフロントパネル37のボタンを用いて合意要求の信号を電子内視鏡1に送信する。電子内視鏡1では、合意要求の信号を受信すると、診断者からの合意要求があったことを通知するメッセージなどをモニタ3に表示する。術者は、診断者からの合意要求があったことを確認し、電子内視鏡1のボタン群9のボタンを操作して診断者による遠隔操作を許可するリプライを送信する。電子内視鏡1のCPU20は、遠隔操作を許可するリプライを送信したらフラグメモリ39のフラグを1に変更する。
【0036】
ビデオプロセッサ2のCPU38は、電子内視鏡1から遠隔操作を許可するリプライを受信すると、フラグメモリ40のフラグを1に変更する。また、CPU38は、遠隔操作が許可されたことを通知するメッセージがモニタ4に表示されるように、画像処理部33の画像処理を制御する。診断者は、モニタ4に表示されるメッセージから術者からの合意確認及び遠隔操作の許可を確認し、フロントパネル37のボタンを用いて電子内視鏡1の各種操作を行う。電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間で1度合意確認を取って遠隔操作を許可した後はフラグメモリ39,40のフラグが1の状態で維持される。従って、遠隔操作を行う度に合意確認処理を実行する必要はなく、診断者は種々の遠隔操作を連続して効率よく行うことができる。
【0037】
電子内視鏡1及びビデオプロセッサ2においては、一方の電源が切られると、電源オフを通知する信号が他方に送られる。CPU20は、電子内視鏡1を図示しない電源部から引き抜いたり電子内視鏡1の電源を切ったりした場合、あるいはビデオプロセッサ2から電源オフの信号を受信した場合に、フラグメモリ39のフラグを0に変更し、遠隔操作を許可しない状態に戻す。同様に、CPU38も、ビデオプロセッサ2の電源が切られた場合、あるいは電子内視鏡1から電源オフの信号を受信した場合に、フラグメモリ40のフラグを0に変更し、遠隔操作を許可しない状態に戻す。以上より、遠隔操作の合意は施術単位で有効になるため、遠隔操作を許可して施術を行った場合に、次回施術時に合意確認処理を行っていないにもかかわらず遠隔操作が許可される現象を防止することができる。
【実施例2】
【0038】
図2(b)は、実施例2における電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間の遠隔操作の合意確認処理のハンドシェイクのタイミングチャートである。本実施例では、電子内視鏡1のボタン群9とビデオプロセッサ2のフロントパネル37に、それぞれ合意確認の信号を発生する合意確認用のボタンが設けられている。本実施例では、電子内視鏡1及びビデオプロセッサ2の両方の合意確認用のボタンが押されている間、すなわち電子内視鏡1及びビデオプロセッサ2から合意確認の信号が同時に発生している間のみ、遠隔操作が許可される。まず、診断者は、合意確認用のボタンを押して遠隔操作を行うための合意確認の信号を電子内視鏡1に送信する。遠隔操作を希望する診断者は合意確認用のボタンを押し続けるため、合意確認の信号が電子内視鏡1に送信され続ける。電子内視鏡1では、合意要求の信号を受信すると、診断者からの合意要求があったことを通知するメッセージがモニタ3に表示される。
【0039】
術者は、モニタ3に表示されるメッセージから診断者から遠隔操作の合意確認が求められていることを確認し、遠隔操作を許可する場合に合意確認用のボタンを押して、遠隔操作の合意を行うリプライをビデオプロセッサ2に送信する。術者も、診断者に遠隔操作を行わせるために合意確認用のボタンを押し続けるため、合意確認の信号がビデオプロセッサ2に送信され続ける。従って、電子内視鏡1とビデオプロセッサ2が互いに合意確認の信号を送信し続ける状態になる。この状態において、診断者は合意確認用のボタンを押し続けながら、電子内視鏡1に対して所望の遠隔操作を行う。診断者は、遠隔操作が終了したら合意確認用のボタンの押し下げをやめる。電子内視鏡1のCPU20は、ビデオプロセッサ2から合意確認の信号を受信しなくなった時点、あるいは術者が合意確認用のボタンの押し下げをやめた時点で遠隔操作を許可しない状態に戻す。本実施例では、電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間で、遠隔操作を許可する状態と許可しない状態とを簡易なボタン操作で繰り返し切り替えることができるため、遠隔操作を用いた施術を効率よく利用することができる。なお、図2(b)では、診断者が合意確認用のボタンを離して遠隔操作を終了する場合について示しているが、本実施例においては、術者が任意のタイミングで合意確認用のボタンを離して遠隔操作を許可しない状態に戻してもよい。
【0040】
以上が本発明の実施形態に関する説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲においてさまざまな変形が可能である。例えば、術者と診断者との間の合意確認はボタンの他に、キーボードなどの入力手段を用いて行ってもよい。また、合意確認における通知は、モニタにメッセージを表示する以外にも、電子内視鏡とビデオプロセッサの両方に音声処理部やスピーカを設けて音声通知を行うなどの構成を採用することもできる。また、電子内視鏡とビデオプロセッサとは、それぞれ単一の無線モジュールにて送受信を行うこともできるし、複数の無線モジュールを用いて送受信を行ってもよい。
【0041】
また、上記実施形態では電子内視鏡を遠隔操作の対象としているが、本願発明によれば、これに限定されるものではない。例えば、電子内視鏡1には、外部から高周波ナイフ、生検鉗子、細胞診ブラシ、バスケットなどの処置具を挿入するための処置具挿入口29と、処置具を電子内視鏡1の先端に導くための処置具管路30が設けられている。そこで、処置具として電動処置具を使用したときに、診断者に電動処置具の遠隔操作を許可することも可能である。よって、ある部位に対して施術を行う際に、術者は電子内視鏡1の先端部や挿入部の位置の保持に専念し、診断者は電動処置具を遠隔操作して、治療が必要な部位のみを適切に施術することができる。すなわち、電子内視鏡1の代わりにあるいは電子内視鏡1と共に電動処置具を遠隔操作の対象とすることも可能である。ただし、電子内視鏡1と電動処置具を共に遠隔操作の対象とする場合には、上記ビデオプロセッサ2に相当する受信装置(受信機能)が2種類必要となる。
【0042】
また、実施例1において、合意確認を行った後に遠隔操作によって種々の処理を行う際、各処理を行う前に、遠隔操作しようとする処理が電子内視鏡1でも実行可能な処理であることや電子内視鏡1側のフラグが引き続き遠隔操作を許可する状態であることをビデオプロセッサ2が確認する処理を追加することもできる。これにより、遠隔操作時に、実行しようとする処理が電子内視鏡1で実行できるか否かを診断者に通知することができる。また、例えば、最初に合意確認処理を行って遠隔操作を許可した後、電子内視鏡1のフラグが遠隔操作を許可しない状態になった場合に、その状態に変わったことをビデオプロセッサ2側から確認し、モニタ4などから遠隔操作が許可されない状態になったことを診断者に通知することができる。従って、電子内視鏡1とビデオプロセッサ2との間での遠隔操作の切り替えをより円滑かつ柔軟に行いつつ遠隔操作の安全性を高めることができる。
【0043】
さらに、実施例2において、合意確認用のボタンは術者あるいは診断者が押し下げている間のみオンになるモーメンタリボタンを用いているが、一度押し下げると再度押し下げるまで継続してオンになるオルタネートボタンを用いてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 電子内視鏡
2 ビデオプロセッサ
3,4 モニタ
8 撮像素子
9 ボタン群
11,33 画像処理部
13,31 RFモジュール
21 モータ制御部
22 モータ
23 ロータリエンコーダ
24 ギア
25 ファイリング装置
26 送気送水口
27 送気送水管路
29 処置具挿入口
30 処置具管路
37 フロントパネル
39,40 フラグメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子から出力される画像信号に基づいて観察画像を生成する第1の画像処理部と該撮像素子から出力される画像信号を無線送信する無線モジュールとを有する電子内視鏡と、該電子内視鏡から無線送信される画像信号を受信する無線モジュールと受信した画像信号に基づいて観察画像を生成する第2の画像処理部とを有する受信装置と、
を備える遠隔医療用の電子内視鏡システムであって、
前記受信装置は、該受信装置に設けられた第1の操作手段の操作によって、前記電子内視鏡の動作を制御するための合意を行う第1の信号を該電子内視鏡に無線送信し、
前記電子内視鏡は、該電子内視鏡に設けられた第2の操作手段の操作によって、前記受信装置による該電子内視鏡の動作の制御を許可する第2の信号を該受信装置に無線送信し、
前記受信装置は、前記第2の信号を受信した後に、該受信装置に設けられた第3の操作手段の操作によって、前記電子内視鏡の動作を制御するための第3の信号を該電子内視鏡に無線送信し、
前記電子内視鏡は、前記第3の信号に基づいて動作する、
ことを特徴とする遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項2】
前記電子内視鏡は、該電子内視鏡の動作を制御するための合意の有無を示す識別子を記憶する第1の記憶部を有し、
前記受信装置は、前記電子内視鏡の動作を制御するための合意の有無を示す識別子を記憶する第2の記憶部を有し、
前記電子内視鏡は、前記第2の信号を前記受信装置に無線送信したときに、該電子内視鏡の動作を制御するための合意があったことを示す識別子を第1の記憶部に記憶し、
前記受信装置は、前記第2の信号を受信したときに、前記電子内視鏡の動作を制御するための合意があったことを示す識別子を第2の記憶部に記憶し、
前記受信装置は、前記第2の記憶部に記憶された識別子が前記電子内視鏡の動作を制御するための合意があったことを示す場合に、前記第3の信号を該電子内視鏡に無線送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項3】
前記電子内視鏡は、該電子内視鏡の電源がオフになると、電源がオフになったことを通知する第4の信号を前記受信装置に無線送信し、
前記受信装置は、該受信装置の電源がオフになると、電源がオフになったことを通知する第5の信号を前記電子内視鏡に無線送信し、
前記電子内視鏡は、該電子内視鏡の電源がオフになった場合又は前記第5の信号を受信した場合に、該電子内視鏡の動作を制御するための合意がないことを示す識別子を前記第1の記憶部に記憶し、
前記受信装置は、該受信装置の電源がオフになった場合又は前記第4の信号を受信した場合に、該電子内視鏡の動作を制御するための合意がないことを示す識別子を前記第2の記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項2に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項4】
前記第1の操作手段が操作されている間、前記第1の信号が継続して前記電子内視鏡に無線送信され、
前記第2の操作手段が操作されている間、前記第2の信号が継続して前記受信装置に無線送信され、
前記電子内視鏡は、前記第1の信号を受信しており、かつ前記第2の信号が前記受信装置に無線送信されている間のみ、前記第3の信号に基づいて動作する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項5】
前記電子内視鏡は、前記第1の信号を受信したときに、前記受信装置から該電子内視鏡の動作を制御するための合意が求められていることを通知する通知手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項6】
前記受信装置は、前記第2の信号を受信したときに、前記電子内視鏡の動作の制御を許可されたことを通知する通知手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項7】
前記電子内視鏡は、該電子内視鏡に設けられた第4の操作手段の操作によって、前記受信装置の動作を制御するための第6の信号を無線送信し、
前記受信装置は、前記第6の信号に基づいて動作する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項8】
前記第1の操作手段は、前記受信装置のフロントパネルに含まれることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項9】
前記第2の操作手段は、前記電子内視鏡の操作部に含まれることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項10】
前記第3の信号には、前記第1の画像処理部により生成される観察画像の画質を変更する信号が含まれることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項11】
前記第3の信号には、前記第1の画像処理部により生成される観察画像上に位置を示す指標を追加する信号が含まれることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項12】
前記電子内視鏡は、静止画像を取得する機能を有し、
前記第3の信号には、前記静止画像を取得する機能を制御する信号が含まれる、
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項13】
前記電子内視鏡は、ズーム機能を有し、
前記第3の信号には、前記ズーム機能を制御する信号が含まれる、
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項14】
前記電子内視鏡は、送気送水機能を有し、
前記第3の信号には、前記送気送水機能を制御する信号が含まれる、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項15】
前記電子内視鏡は、処置具操作機能を有し、
前記第3の信号には、前記処置具操作機能を制御する信号が含まれる、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項16】
前記電子内視鏡は、該電子内視鏡の挿入部の湾曲を制御するアングルノブを有し、
前記第3の信号には、前記電子内視鏡のアングルノブの動作を制御する信号が含まれる、
ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。
【請求項17】
前記電子内視鏡は、各種周辺デバイスに接続され、
前記第3の信号には、前記周辺デバイスの動作を制御する信号が含まれる、
ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の遠隔医療用の電子内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−167332(P2011−167332A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33397(P2010−33397)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】