説明

遮熱性農業用フィルム

【課題】 本発明は、強度と耐候性を備え、太陽光を十分透過すると共に太陽光からの熱線を十分遮蔽でき、防曇流摘性を持続する遮熱性農業用フィルムを提供する。
【解決手段】 本発明の遮熱性農業用フィルムは、熱可塑性樹脂100重量部と、表面が酸化チタンで被覆された雲母0.1〜10重量部とを含有し、表面が酸化チタンで被覆された雲母は、10%粒子径が3μm以上で且つ90%粒子径が80μm以下で、酸化チタンによる雲母の被覆率が35〜70%であり、水性媒体100重量部中に、粒径が5〜40nmのシリカコロイド粒子が40〜300nmの長さに鎖状に結合してなる鎖状シリカコロイド粒子0.1〜20重量部と、粘度平均分子量が5万〜150万のポリエチレンオキサイド0.1〜10重量部とが分散されてなるpHが7〜12である防曇流滴剤から形成された防曇流滴層が表面に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物の栽培施設に使用される遮熱性農業用フィルムに関する。詳しくは、透明性を有し、且つ優れた遮熱性を有する農業用ハウスの外張りとして好適に使用される遮熱性農業用フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ほうれん草、小松菜、チンゲン菜、セロリ、水菜などの軟弱野菜は農業用フィルムを外張りした農業用ハウス内で栽培される。上記軟弱野菜の栽培には、太陽光からの熱線をある程度遮蔽する必要があるものの、太陽光からの光線を農業用ハウス内に十分に透過させる必要もある。太陽光からの光線量が不足すると、作物の生育不良や野菜の品質低下を生じてしまう。一方、太陽光からの熱線が全く遮蔽されていなければ、特に5月から9月頃の比較的気温が高い時期に上記軟弱野菜を栽培した場合、その他の比較的気温が低い時期に比べ、発芽率の低下や生育遅延、ほうれん草においては萎凋病、小松菜などにおいては萎黄病などの病害が発生しやすく、収穫した野菜の良品率も低下してしまうという問題が生じた。
【0003】
上記問題を解決するために、従来は高温時の軟弱野菜の栽培を休止するか、或いは農業用塩化ビニルフィルムや農業用ポリオレフィン系フィルムなどの農業用フィルムの外面に、更に寒冷紗、遮光ネット、遮光幕、不織布などの遮光資材を重ね合わせて農業用の透明フィルムの外面を遮光資材で被覆して、軟弱野菜を栽培する方法がとられていた。しかしながら、上記方法では、太陽光からの熱線の遮蔽はできても、太陽光からの光線量が不足し、軟弱野菜の生育不良や品質低下が生じた。
【0004】
更に、別の方法として、農業用の透明フィルム中に熱線遮蔽剤を練りこみ、農業用ハウスを農業用の透明フィルムで被覆することで、太陽光からの熱線を遮蔽する方法もある。例えば、特許文献1及び特許文献2には、熱線吸収剤としてナフタロシアニン化合物を用いた方法が開示されている。しかしながら、上記方法では、ナフタロシアニン化合物の耐候性及び熱線遮蔽効果の持続性に問題があった。
【0005】
又、特許文献3及び特許文献4には、アンチモンがドープされた酸化スズ(以下「ATO」と略す)微粒子或いはスズがドープされた酸化インジウム(以下「ITO」と略す)微粒子を含む溶液をフィルム基材表面に塗布する方法が開示されている。更に、ATO微粒子やITO微粒子を熱可塑性樹脂フィルム中に練りこむ方法が特許文献5に開示されている。しかしながら、何れの方法も、ATO微粒子やITO微粒子の価格が非常に高価であり、経済的にも不利になること、又、ATO微粒子やITO微粒子をフィルム基材に塗布する場合においては、塗布された塗膜が基材から剥離し、熱線遮蔽効果が減少するという問題点があった。
【0006】
又、従来からパイプハウスやトンネルなどの農業用途に使用される農業用フィルムは、屋外環境下で使用されるため、その表面に水分が付着し易く、例えば、農業用フィルムをハウスなどに展張すると、ハウス内外の温度差や湿度によって、農業用フィルムにおけるハウス内側の表面に曇りや水滴を生じ、太陽光線の透過が悪くなって作物の育成を妨げたり、或いは、農業用フィルムの表面に生じた水滴が作物上に落下して病気が発生するなどの問題を生じていた。
【0007】
上記問題に対して、農業用フィルムの表面に生じた結露水を流滴させ、防曇性を発現させるために様々な手法がこれまでに考案されている。例えば、農業用フィルム中に防曇流滴剤を練り込み、この防曇流滴剤をブリードアウトさせることにより、農業用フィルムにおけるハウス内側の表面に付着した結露水を流滴させる方法がある。ところが、この手法では、短期間の防曇効果は得られるが、防曇流滴剤が完全にブリードアウトしてしまうと全く防曇効果が無くなってしまう、つまり長期間の防曇持続性が不足するという問題があった。
【0008】
又、その他の方法として、農業用フィルム表面に防曇流滴剤をコーティングして防曇層を形成し、 この防曇層によって農業用フィルム表面の結露水を流滴させて長期間に亘って防曇効果を持続させる防曇積層体が種々提案されている。例えば、特許文献6、特許文献7、特許文献8及び特許文献9には、シリカコロイドとコロイダルアルミナを併用した防曇被膜を形成する方法が開示されている。
【0009】
しかしながら、これらの方法は上記問題点を十分に解決するものではなく、農業用フィルムを長期間に亘って使用すると、農業用フィルムの表面に付着した水滴が水膜にならず、流滴不良を生じて水滴が作物上に落下することがあるという問題点があった。又、一般的なシリカコロイドを用いた防曇流滴剤は酸性であるため、長期間に亘って保存すると、防曇流滴剤の貯蔵安定性が低下することがしばしばあった。更に、このような酸性の防曇流滴剤を使用した場合、防曇流滴剤を塗布するのに必要な塗布装置を長時間運転させると、塗布装置が錆びるだけでなく、防曇流滴剤を塗布した農業用フィルムをハウスの外張り用に用いると、ハウス内の環境が高温多湿であるため、ハウスの鉄骨部分に錆びが発生するのを促進してしまうといった問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−265033号公報
【特許文献2】特開2003−265034号公報
【特許文献3】特開平10−250001号公報
【特許文献4】特開平10−250002号公報
【特許文献5】特開平9−140275号公報
【特許文献6】特開平7−53747号公報
【特許文献7】特開平7−82398号公報
【特許文献8】特開平8−319476号公報
【特許文献9】特開平11−240112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、農業用フィルムとして使用できる強度と耐候性を備え、太陽光からの光線を十分透過すると共に、長期間に亘って太陽光からの熱線を十分遮蔽することのでき、更に、長期間に亘って防曇流摘性を持続し、農業用ハウスの外張り用として好適に使用することができる遮熱性農業用フィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の遮熱性農業用フィルムは、熱可塑性樹脂100重量部と、表面が酸化チタンで被覆された雲母0.1〜10重量部とを含有する遮熱性農業用フィルムであって、上記表面が酸化チタンで被覆された雲母は、その10%粒子径が3μm以上で且つ90%粒子径が80μm以下であると共に酸化チタンによる雲母の被覆率が35〜70%であり、更に、水性媒体100重量部中に、粒径が5〜40nmのシリカコロイド粒子が40〜300nmの長さに鎖状に結合してなる鎖状シリカコロイド粒子0.1〜20重量部と、粘度平均分子量が5万〜150万のポリエチレンオキサイド0.1〜10重量部とが分散されてなり、且つ、pHが7〜12である防曇流滴剤を上記遮熱性農業用フィルムの一面に塗布、乾燥させてなる防曇流滴層が形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の遮熱性農業用フィルムに使用される熱可塑性樹脂としては、従来から農業用フィルムに使用されているものが用いられ、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体などのプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂;ポリカーボネート系樹脂などが挙げられ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用されてもよい。上記熱可塑性樹脂としては、これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましく、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
【0014】
なお、エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテンなどが挙げられ、又、プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
【0015】
上記表面が酸化チタンで被覆された雲母(以下、「酸化チタン被覆雲母」ということもある)は熱線遮蔽剤として用いられる。酸化チタン被覆雲母における酸化チタンによる雲母の被覆率は、低いと、太陽光からの熱線遮蔽性が不足し、高いと、遮熱性農業用フィルムの透明性が低下し、或いは、酸化チタンの有する触媒活性によって遮熱性農業用フィルムの耐候性が低下するので、35〜70%に限定され、45〜60%が好ましい。この酸化チタン被覆雲母の製造方法としては、特に限定されず、例えば、四塩化チタンの加水分解により雲母表面に水酸化チタンを被覆させ、更に、焼結して酸化チタンを結晶化させる方法が挙げられる。
【0016】
なお、上記酸化チタンの雲母表面への被覆率は、表面が酸化チタンで被覆された雲母中における二酸化チタン換算での酸化チタンの重量比率を表したものをいう。
【0017】
上記酸化チタン被覆雲母の10%粒子径は、小さいと、太陽光からの熱線遮蔽の効果が低下するので、3μm以上に限定され、5μm以上が好ましい。又、上記酸化チタン被覆雲母の90%粒子径は、大きいと、遮熱性農業用フィルムの透明性が低下し或いは強度が低下するので、80μm以下に限定され、65μm以下が好ましい。
【0018】
なお、酸化チタン被覆雲母の10%粒子径及び90%粒子径とは、下記の要領で測定されたものをいう。先ず、測定対象となる酸化チタン被覆雲母の粒度分布をレーザー回折法によって測定する。そして、得られた酸化チタン被覆雲母の重量基準の粒度分布において、最も粒子径の小さい酸化チタン被覆雲母から、粒子径の大きい酸化チタン被覆雲母に向かって、10%累積となった粒子径を酸化チタン被覆雲母の10%粒子径とし、90%累積となった粒子径を酸化チタン被覆雲母の90%粒子径とする。
【0019】
上記酸化チタン被覆雲母としては、例えば、メルク株式会社から、商品名「Iriodin123」「Iriodin221」「Solarflair870」「Solarflair875」などとして市販されている。
【0020】
遮熱性農業用フィルム中の酸化チタン被覆雲母の含有量は、少ないと、太陽光からの熱線遮蔽の効果が低下する一方、多いと、遮熱性農業用フィルムの透明性が低下するので、遮熱性農業用フィルムを構成する熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部に限定され、0.5〜5重量部が好ましい。
【0021】
上記遮熱性農業用フィルムには、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて無機保温剤、有機保温剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料などが添加されてもよい。
【0022】
上記無機保温剤は、遮熱性農業用フィルムの保温性向上及びフィルム成形時の押出し変動防止の二つの目的で添加される。無機保温剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、タルク、ハイドロタルサイト類、リチウムアルミニウム複合水酸化物、及び、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B族元素、珪素以上の4B族元素から選ばれる少なくとも二種以上の元素を有する複合水酸化物などが挙げられ、これらは単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0023】
上記光安定剤としては、従来公知のものが使用できるが、これらのなかでも、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−[(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}などが挙げられ、これらは単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0024】
上記酸化防止剤としては、従来公知のものが使用できるが、熱安定剤としての効果を兼ね備えているものが好ましい。このような酸化防止剤としては、例えば、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステルなどのキレーターが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0025】
上記紫外線吸収剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0026】
上記遮熱性農業用フィルムは単層からなるものでもよいが、単層の遮熱性農業用フィルムよりもフィルム強度及びアンチブロッキング性に優れる多層の遮熱性農業用フィルムでもあってもよく、遮熱性農業用フィルムの少なくとも一面に熱可塑性樹脂フィルムが積層一体化されることが好ましく、遮熱性農業用フィルムの両面に熱可塑性樹脂フィルムが積層一体化されることがより好ましい。
【0027】
上記熱可塑性樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体などのプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂;ポリカーボネート系樹脂などが挙げられ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用されてもよい。これらの熱可塑性樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂の中でも、遮熱性農業用フィルムがフィルム強度及びアンチブロッキング性に優れるという点から、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンが好ましい。
【0028】
遮熱性農業用フィルムの成形方法としては、従来公知の方法が採用されてよく、遮熱性農業用フィルムが単層の場合には、例えば、インフレーション法、Tダイ押出法、カレンダー法などが挙げられ、遮熱性農業用フィルムが多層の場合には、例えば、上記方法により各層を形成するフィルムを製膜した後に複数枚のフィルムを重ね合わせて積層一体化する方法、Tダイ押出法やインフレーション法による多層押出法などが挙げられ、インフレーション法による多層押出法が好ましい。
【0029】
遮熱性農業用フィルムの厚さは、薄いと、遮熱性農業用フィルムの機械的強度や遮熱効果が低下することがある一方、厚いと、遮熱性農業用フィルムの裁断、接合、展張作業などが困難になり、取扱い性が低下することがあるので、20〜200μmが好ましく、50〜150μmがより好ましい。なお、遮熱性農業用フィルムの一面又は両面に熱可塑性樹脂フィルムが積層一体化されている場合には、遮熱性農業用フィルムの厚さとは、熱可塑性樹脂フィルムを含めた厚さをいう。
【0030】
上記遮熱性農業用フィルムの一面には防曇流滴剤が塗布、乾燥させてなる防曇流滴層が形成されている。なお、遮熱性農業用フィルムの少なくとも一面に熱可塑性樹脂フィルムが積層一体化されている場合には、遮熱性農業用フィルム又は熱可塑性樹脂フィルムの何れかの表面に防曇流滴層が形成される。
【0031】
この防曇流滴剤は、水性媒体100重量部中に、粒径が5〜40nmのシリカコロイド粒子が40〜300nmの長さに鎖状に結合してなる鎖状シリカコロイド粒子0.1〜20重量部と、粘度平均分子量が5〜150万のポリエチレンオキサイド0.1〜10重量部とが分散されてなり、且つ、pHが7〜12である。
【0032】
防曇流滴剤に用いられる水性媒体は、鎖状シリカコロイド粒子及びポリエチレンオキサイドを分散させることができるものであれば、特に限定されず、例えば、水と水溶性溶媒との混合媒体、水などが挙げられる。
【0033】
上記水溶性媒体としては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルコールなどが挙げられる。そして、混合媒体中における水溶性媒体の量は、多くなると、防曇流滴剤を熱可塑性樹脂フィルムに塗布した後の乾燥工程において引火の虞れがあるので、混合媒体中、50重量%以下が好ましい。
【0034】
防曇流滴剤に用いられる鎖状シリカコロイド粒子とは、シリカコロイド粒子が複数個、鎖状に結合したものであり、両端のシリカコロイド粒子同士が結合していないものをいい、直鎖状であっても途中で分岐していてもよいが、直鎖状であることが好ましい。
【0035】
そして、シリカコロイド粒子の粒径は、小さいと、鎖状シリカコロイド粒子の製造が困難となり、或いは、防曇流滴剤の防曇性が低下し、大きいと、防曇流滴剤から得られる塗膜と熱可塑性樹脂フィルムとの密着性が低下するので、5〜40nmに限定され、10〜30nmが好ましく、18〜25nmがより好ましい。なお、シリカコロイド粒子の粒径は、動的光拡散法によって測定されたものをいい、この動的光拡散法とは、溶液中のコロイド粒子のブラウン運動を光拡散法により検出してコロイド粒子の粒径を算出する方法である。
【0036】
そして、鎖状シリカコロイド粒子の長さは、短いと、防曇流滴剤の防曇性が低下し、長いと、鎖状シリカコロイド粒子の製造が困難となるので、40〜300nmに限定され、100〜200nmが好ましい。
【0037】
鎖状シリカコロイド粒子の結合状態は、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて確認することができ、鎖状シリカコロイド粒子の長さは、走査電子顕微鏡で観察された鎖状シリカコロイド粒子の長さを倍率で除すことによって測定されたものをいう。なお、鎖状シリカコロイド粒子が分岐構造を有している場合、鎖状シリカコロイド粒子の長さとは、最長の鎖部分の長さをいう。
【0038】
そして、鎖状シリカコロイド粒子の防曇流滴剤中における含有量は、少ないと、防曇流滴剤の防曇性が低下するだけでなく、フィルム表面への水膜形成が困難になるため、水膜による断熱効果も減少し、保温性能も低下し、多いと、防曇流滴剤の貯蔵安定性が低下するので、水性媒体100重量部に対して0.1〜20重量部に限定され、2〜10重量部が好ましい。
【0039】
又、防曇流滴剤に用いられるポリエチレンオキサイドの粘度平均分子量は、低いと、防曇流滴剤の塗工性が低下するだけでなく、フィルム表面へ均一に塗工できないため、フィルム表面への水膜形成が困難になり、水膜による断熱効果も減少し、保温性能も低下し、高いと、防曇流滴剤の粘度が上昇し過ぎてフィルム表面へ均一な厚みの防曇流滴層の形成が困難となり、フィルム表面への水膜の形成が困難となり、保温性能も低下することから、5万〜150万に限定され、10万〜100万が好ましい。なお、ポリエチレンオキサイドの粘度平均分子量Mvは、 F.E.Bailey Jr.et al.,J.Polym.Sci.,32,517(1958)に記載される次式を用いて、ポリエチレンオキサイド水溶液について、30℃で測定した固有粘度[η]から算出したものである。
[η]=1.25×10-4×Mv0.78
【0040】
防曇流滴剤中におけるポリエチレンオキサイドの含有量は、少ないと、防曇流滴剤の貯蔵安定性や塗工性が低下し、多いと、防曇流滴剤の粘度が上昇して塗工性が低下するので、水性媒体100重量部に対して0.1〜10重量部に限定され、1〜5重量部が好ましい。
【0041】
又、防曇流滴剤中における、鎖状シリカコロイド粒子の量と、ポリエチレンオキサイドの量との重量比(鎖状シリカコロイド粒子/ポリエチレンオキサイド)は、小さいと、防曇流滴性が低下し、大きいと、遮熱性農業用フィルムと鎖状シリカコロイド粒子との密着性が低下し、或いは、防曇流滴剤から得られる塗膜の耐傷付き性が低下するので、0.5〜10が好ましい。
【0042】
更に、防曇流滴剤のpHは、小さいと、防曇流滴剤の貯蔵安定性が低下する一方、高いと、鎖状シリカコロイド粒子が水性溶媒中に溶解して防曇流滴剤の防曇性が低下するので、7〜12に限定され、8〜11が好ましい。
【0043】
なお、本発明の防曇流滴剤には、その物性を損なわない範囲内において、粘度調整剤、界面活性剤、消泡剤、架橋剤などの添加剤が添加されていてもよい。
【0044】
次に、上記防曇流滴剤の製造方法について説明する。防曇流滴剤の製造方法としては、特に限定されず、鎖状シリカコロイド粒子を水性媒体中に分散させてなるコロイド溶液及びポリエチレンオキサイドを水性媒体中に添加し、更に、必要に応じて種々の添加剤を水性媒体中に添加した上で、水性媒体をホモジナイザーなどの汎用の攪拌装置を用いて攪拌する方法が挙げられる。なお、鎖状シリカコロイド粒子を水性媒体中に分散させてなるコロイド溶液は、日産化学工業社から例えば、商品名「ST−PSM」「ST−PSS」などで市販されている。
【0045】
そして、遮熱性農業用フィルムの一面に防曇流滴剤を塗布する要領としては、特に限定されず、例えば、グラビアコーターなどのロールコート法、バーコード法、ディップコート法、スプレー法、はけ塗り法などが挙げられる。
【0046】
上述のようにして遮熱性農業用フィルムの一面に防曇流滴剤を塗布し乾燥させて得られる防曇流滴層は、優れた防曇流滴性を発揮する。更に、上記防曇流滴剤から形成された防曇流滴層は、水膜形成能力が高いので、遮熱性農業用フィルムの防曇流滴層上に水膜が形成され、この水膜が断熱層の役割を果たす。従って、本発明の遮熱性農業用フィルムを農業用ハウスの外張りとして用いた場合には、夜間における農業用ハウスの保温効果に特に優れている。
【発明の効果】
【0047】
本発明の遮熱性農業用フィルムは、上述の如き構成を有しているので、農業用フィルムとして使用できる強度及び耐候性を備え、太陽光からの光線を十分透過すると共に、長期間に亘って太陽光からの熱線を十分遮蔽することができ、更に、防曇流滴剤を塗布、乾燥させて得られる防曇流滴層によって防曇流滴性が長期間に亘って持続すると共に、防曇流滴層の水膜形成能力によって保温性にも優れている。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0049】
(防曇流滴剤A)
水に、直鎖状シリカコロイド粒子を水中に分散させてなるコロイド溶液(日産化学工業社製 商品名「ST−PSM」、シリカコロイド粒子の粒径:18〜25nm、鎖状シリカコロイド粒子の長さ:80〜120nm、鎖状シリカコロイド粒子:20重量%)及びポリエチレンオキサイド(住友精化社製 商品名「PEO−1Z」、粘度平均分子量:27.5万)を添加、混合して防曇流滴剤を得た。なお、防曇流滴剤は、水100重量部中に鎖状シリカコロイド粒子5重量部とポリエチレンオキサイド2重量部が分散されて形成されていた。防曇流滴剤のpHは10であった。直鎖状シリカコロイド粒子は、粒径が18〜25nmのシリカコロイド粒子が80〜120nmの長さに直鎖状に結合してなるものであった。
【0050】
(防曇流滴剤B)
水に、直鎖状シリカコロイド粒子を水中に分散させてなるコロイド溶液(日産化学工業社製 商品名「ST−PSM」、シリカコロイド粒子の粒径:18〜25nm、鎖状シリカコロイド粒子の長さ:80〜120nm、鎖状シリカコロイド粒子:20重量%)及びポリエチレンオキサイド(住友精化社製 商品名「PEO−3Z」、粘度平均分子量:85万)を添加、混合して防曇流滴剤を得た。なお、防曇流滴剤は、水100重量部中に鎖状シリカコロイド粒子5重量部とポリエチレンオキサイド2重量部とが分散されて形成されていた。防曇流滴剤のpHは10であった。直鎖状シリカコロイド粒子は、粒径が18〜25nmのシリカコロイド粒子が80〜120nmの長さに直鎖状に結合してなるものであった。
【0051】
(防曇流滴剤C)
水に、直鎖状シリカコロイド粒子を水中に分散させてなるコロイド溶液(日産化学工業社製 商品名「ST−PSM」、シリカコロイド粒子の粒径:18〜25nm、鎖状シリカコロイド粒子の長さ:80〜120nm、鎖状シリカコロイド粒子:20重量%)及びポリエチレンオキサイド(住友精化社製 商品名「PEO−8Z」、粘度平均分子量:195万)を添加、混合して防曇流滴剤を得た。なお、防曇流滴剤は、水100重量部中に鎖状シリカコロイド粒子5重量部とポリエチレンオキサイド2重量部とが分散されて形成されていた。防曇流滴剤のpHは10であった。直鎖状シリカコロイド粒子は、粒径が18〜25nmのシリカコロイド粒子が80〜120nmの長さに直鎖状に結合してなるものであった。
【0052】
(防曇流滴剤D)
水に、球状シリカコロイド粒子を水中に分散させてなるコロイド溶液(日産化学工業社製 商品名「ST−20」、粒径:80〜120nm、球状シリカコロイド粒子:20重量%)及びポリエチレンオキサイド(住友精化社製 商品名「PEO−1Z」、粘度平均分子量:27.5万)を添加、混合して防曇流滴剤を得た。なお、防曇流滴剤は、水100重量部中に球状シリカコロイド粒子5重量部とポリエチレンオキサイド2重量部が分散されて形成されていた。防曇流滴剤のpHは10であった。
【0053】
(実施例1)
層(A)構成用として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.915g/cm3、メルトマスフローレイト:1.5g/10分)70重量部及び低密度ポリエチレン(密度:0.922g/cm3、メルトフローレイト:0.4g/10分)30重量部を第一押出機に、層(B)構成用として、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部(密度:0.938g/cm3、メルトマスフローレイト:1.0g/10分、酢酸ビニル含有率:20重量%)及び酸化チタン被覆雲母A(メルク株式会社製 商品名「Solarflair870」、10%粒子径:5μm、90%粒子径:60μm、酸化チタンによる雲母の被覆率:45%)5重量部を第二押出機に、層(C)構成用として、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.915g/cm3、メルトマスフローレイト:1.5g/10分)70重量部及び低密度ポリエチレン(密度:0.922g/cm3、メルトフローレイト:0.4g/10分)30重量部を第三押出機にそれぞれ供給して溶融混練した後、第一〜三押出機から、層(A)、層(B)及び層(C)の厚さ比が2:6:2になるようにインフレーション法で三層共押出成形し、層(A)、層(B)及び層(C)がこの順で三層に積層一体化されてなる総厚さ150μmの遮熱性農業用フィルムを得た。なお、上記メルトマスフローレイトはJIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重21.18Nの条件下で測定された値である。次に、上記遮熱性農業用フィルムの層(C)表面に乾燥後の塗布量が10g/cm2になるように防曇流滴剤Aをグラビアコーターで塗布し、熱風で乾燥させて防曇流滴層を形成した。
【0054】
(実施例2)
防曇流滴剤Aの代わりに防曇流滴剤Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0055】
(実施例3)
第二押出機に供給した酸化チタン被覆雲母Aの量を5重量部の代わりに8重量部としたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0056】
(実施例4)
第二押出機に供給した酸化チタン被覆雲母Aの量を5重量部の代わりに0.5重量部としたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0057】
(実施例5)
酸化チタン被覆雲母Aの代わりに、10%粒子径が5μmで且つ90%粒子径が25μmであると共に酸化チタンによる雲母の被覆率が50%である酸化チタン被覆雲母B(メルク株式会社製 商品名「Solarflair875」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0058】
(実施例6)
酸化チタン被覆雲母Aの代わりに、10%粒子径が5μmで且つ90%粒子径が25μmであると共に酸化チタンによる雲母の被覆率が39%である酸化チタン被覆雲母C(メルク株式会社製 商品名「Iriodin123」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0059】
(比較例1)
防曇流滴剤Aの代わりに防曇流滴剤Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0060】
(比較例2)
防曇流滴剤Aの代わりに防曇流滴剤Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0061】
(比較例3)
第二押出機に供給した酸化チタン被覆雲母Aの量を5重量部の代わりに15重量部としたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0062】
(比較例4)
第二押出機に供給した酸化チタン被覆雲母Aの量を5重量部の代わりに0.05重量部としたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0063】
(比較例5)
酸化チタン被覆雲母Aの代わりに、10%粒子径が10μmで且つ90%粒子径が125μmであると共に酸化チタンによる雲母の被覆率が36%である酸化チタン被覆雲母D(メルク株式会社製 商品名「Iriodin299」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0064】
(比較例6)
酸化チタン被覆雲母Aの代わりに、10%粒子径が10μmで且つ90%粒子径が60μmである共に酸化チタンによる雲母の被覆率が30%である酸化チタン被覆雲母E(メルク株式会社製 商品名「Iriodin103」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0065】
(比較例7)
第二押出機及び第三押出機に非イオン系界面活性剤としてジグリセリンステアリン酸エステル(理研ビタミン社製 商品名「S71−D」)10重量部を更に供給したこと、防曇流滴剤Aを遮熱性農業用フィルムの一面に塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0066】
(比較例8)
第二押出機に酸化チタン被覆雲母Aを供給しなかった事以外は実施例1と同様にして遮熱性農業用フィルムを得た。
【0067】
(全光線透過率)
得られた遮熱性農業用フィルムの550nmにおける全光線透過率を濁度計(日本電色工業株式会社製 商品名「NDH2000」)を用いて測定した。
【0068】
(遮熱性及び夜間保温性)
密閉したパイプハウス(縦1.5m×横1m×奥行2.5m)に遮熱性農業用フィルムを展張し、夏場(8月)の日中の地温及び気温を測定した。地温は、パイプハウス中央部とパイプハウス外において土中深さ10cmの地温を熱電対を用いてそれぞれ測定した。気温は、快晴時の午後2時に、パイプハウスの内外でそれぞれ測定した。これらの地温及び気温に基づいて下記式に基づいて地温差及び気温差を算出した。
地温差(℃)=(パイプハウス中央部の地温)−(パイプハウス外の地温)
気温差(℃)=(パイプハウス内の気温)−(パイプハウス外の気温)
【0069】
更に、上記同一のハウスを用いて、冬場(2月)の夜間の地温及び気温を上記と同様の要領で測定した。但し、気温は、午前4時に、パイプハウスの内外でそれぞれ測定した。これらの地温、気温に基づいて下記式に基づいて地温差及び気温差を算出した。
地温差(℃)=(パイプハウス中央部の地温)−(パイプハウス外の地温)
気温差(℃)=(パイプハウス内の気温)−(パイプハウス外の気温)
【0070】
(防曇流滴性)
水を入れた水槽の上部に遮熱性農業用フィルムをその層(C)が水槽側となるように配設し、外気温15℃、水温を23℃に1時間に亘って保持し、遮熱性農業用フィルムの表面に形成される水滴の状態を目視観察して下記基準により防曇流滴性を評価した。なお、水槽内の水面と遮熱性農業用フィルムとの距離を30cmとした。
【0071】
1回目の測定結果を初期防曇流滴性として評価し、更に、測定が終了する毎に遮熱性農業用フィルムを乾燥させた上で上記測定を200回繰り返して行い、200回目の測定が終了した後の防曇流滴性を防曇持続性として評価した。
○:素早く水膜になった。
△:微少水滴が付着した後に水膜に成長した。
×:微少水滴が長時間(60分以上)形成された。
【0072】
(防曇流滴層のテープ剥離性)
遮熱性農業用フィルムの防曇流滴層上に粘着テープを貼着し、この粘着テープを剥離させた後の遮熱性農業用フィルムの防曇流滴層の剥離状態を目視観察し下記基準に基づいて評価した。
○:防曇流滴層に剥がれはなかった。
△:防曇流滴層の一部が剥がれた。
×:防曇流滴層が全面的に剥がれた。
【0073】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂100重量部と、表面が酸化チタンで被覆された雲母0.1〜10重量部とを含有する遮熱性農業用フィルムであって、上記表面が酸化チタンで被覆された雲母は、その10%粒子径が3μm以上で且つ90%粒子径が80μm以下であると共に酸化チタンによる雲母の被覆率が35〜70%であり、更に、水性媒体100重量部中に、粒径が5〜40nmのシリカコロイド粒子が40〜300nmの長さに鎖状に結合してなる鎖状シリカコロイド粒子0.1〜20重量部と、粘度平均分子量が5万〜150万のポリエチレンオキサイド0.1〜10重量部とが分散されてなり、且つ、pHが7〜12である防曇流滴剤を上記遮熱性農業用フィルムの一面に、塗布、乾燥させてなる防曇流滴層が形成されていることを特徴とする遮熱性農業用フィルム。
【請求項2】
熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の遮熱性農業用フィルム。

【公開番号】特開2010−220567(P2010−220567A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72894(P2009−72894)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(596111276)積水フイルム株式会社 (133)
【Fターム(参考)】