説明

遷移金属含有型エフェクト顔料

【課題】 表面上では実質的に光化学的または熱化学的に不活性で、調合剤中において有機物質と錯体を形成する傾向をわずかしか示さない、遷移金属酸化物またはヒドロキシ酸化物層を有するエフェクト顔料の提供。
【解決手段】 非被覆の、または1種以上の金属酸化物で被覆されたフレーク形状基材に基づいた、遷移金属酸化物または遷移金属ヒドロキシ酸化物または遷移金属水酸化物を含むエフェクト顔料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非被覆のもしくは被覆されたフレーク形状基材に基づいた遷移金属酸化物または遷移金属ヒドロキシ酸化物または遷移金属水酸化物を含むエフェクト顔料に関し、またそれらの使用、とりわけペイント、コーティング、印刷インキ、プラスチックにおける、特に化粧用調合剤における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばFe23などの遷移金属化合物の酸化物/水酸化物を含む層を含む顔料は、多くの産業領域において光沢またはエフェクト顔料として用いられ、特にプラスチック、ペイント、コーティング、印刷インキにおいて、また化粧用調合剤において装飾コーティングに用いられる。
【0003】
性状を改良するため、適用媒体は一般に、例えば可塑剤、フィラー、安定剤、抗老化剤、滑剤および剥離剤、帯電防止剤、ならびに着色剤などのいくつかの添加剤を含む。ここで、一方のエフェクト顔料と、他方の適用媒体中の添加剤との間で、望ましくない相互作用がしばしば観察され、この相互作用には、遷移金属カチオンの有機系添加剤との反応が包含されると考えられる。すなわち、プラスチックでは、安定剤および/または耐老化剤の分子が顔料粒子の表面に拡散し、そこでそれらが黄変反応をもたらすことがしばしば観察され、この反応は、特にプラスチックが酸化防止剤、熱安定剤、またはUV安定剤としてフェノール成分を含む場合、しばしば暗所においても進行する。
【0004】
フェノール成分を有するプラスチックは、0.01重量%と低い顔料濃度から黄変を呈する。特に、プラスチック中に立体的に容易に接近が可能なフェノール化合物が存在する場合、既に加工中に黄変反応が明らかになる恐れがある。これに反して立体的に接近しにくい化合物の場合、加工後18カ月ではじめて黄変が生じることがある。一般に、80℃でかつ顔料濃度例えば0.1重量%で加工する場合、2時間以内に黄変が目で見られる。黄変反応は、特に比較的淡い色相を有する顔料の場合、非魅力的な効果につながり、プラスチック系における美的印象を少なからず損なう。しかし、非常に低い顔料濃度の場合、より濃い色相でも黄変が生じる。黄変反応の原因は、例えばTiO2、Fe(OH)3、FeOOH、Fe23、Fe34、CrO3、ZnOまたはこれらの混合酸化物からなる遷移金属層の光活性であることが多く、遷移金属層によりプラスチックまたはコーティングにおける有機成分の光分解がしばしばかなり促進される。
【0005】
国際公開第2006/018196号は、例えばTiO2被覆雲母顔料に比べて著しく低い光活性を有する、特別に後被覆した被覆ガラスフレークに基づいた干渉顔料を開示している。従来技術から知られるこの顔料は、化粧用セルフタンニング製剤中のジヒドロキシアセトン(DHA)の分解を著しく遅らせもする。しかし従来技術から知られるこの顔料は、TiO2被覆を有するガラスフレークに基づいた高度に透明な干渉顔料、すなわち固有の吸収色(「マストーン」)を有しない顔料である。しかし、化粧品において、DHA安定性を有する、鉄含有エフェクト顔料の魅力的なベージュ〜赤褐吸収色と組み合わせて使用可能なエフェクト顔料を有することはやはり有利である。酸化鉄または水酸化鉄層を含有するエフェクト顔料を含む化粧用調合剤は、顔料表面が化粧品の活性化合物と化学的に相互作用するため、一般に非常に限定された化学的安定性しか有しない。このため、化粧品活性物質が分解されるほかに、製剤の貯蔵寿命も著しく短縮化される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、遷移金属酸化物またはヒドロキシ酸化物層を有する、特に酸化鉄またはヒドロキシ酸化鉄含有層を有するエフェクト顔料であって、表面上では実質的に光化学的または熱化学的に不活性であり、したがって調合剤中において有機物質と錯体を形成する傾向をわずかしか示さずまたはまったく示さない、またそれらの魅力的なベージュ〜赤褐吸収色のため、化粧用調合剤において「スキンコレクター」顔料として用いることができるエフェクト顔料を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、フレーク形状基体に基づき遷移金属の酸化物/水酸化物を含むエフェクト顔料は、外側層としてSiO2および/またはAl23層を有する場合に、安定化することができることがここに見出された。SiO2および/もしくはAl23、またはそれらの水和物SiOx(OH)y/AlOOHにより、遷移金属酸化物/水酸化物層を封入することによって、適用媒質中の化学的に反応活性な有機物質と、化学的に反応性のある遷移金属酸化物/水酸化物表面との直接接触が完全にまたは実質的に抑制される。
【0008】
それらのマストーンのため、このタイプのエフェクト顔料は、例えばデイクリーム、ファンデーション、またはセルフタンニングクリームなどの化粧用調合剤において、例えば酸化鉄もしくは水酸化鉄などの遷移金属酸化物が存在すると通常は極めて限定された安定性しか有しない例えばジヒドロキシアセトンなどの有機物質、例えばUVフィルターなどの化粧品活性化合物と一緒に、例えば組み合わせることができる。ここで本発明による顔料を使用することによって、化粧品活性物質の分解に関する貯蔵寿命は著しく延長される。その上、本発明によるエフェクト顔料で顔料着色する場合、コーティングおよびプラスチックにおける非常に遅い黄変が観察される。
【0009】
したがって本発明は、非被覆のもしくは被覆されたフレーク形状基材に基づいたエフェクト顔料であって、その顔料表面に最終層として
(A)酸化鉄および/または鉄オキソ水和物の層と、
(B)SiO2および/もしくはAl23またはそれらの水和物の層と
を含む層パッケージ、あるいは
(A)一般式 M1v2wx(OH)yz
(式中、M1=Fe、およびM2=MgII、CaII、SrII、BaII、TiIII/IV、ZrIV、CrIII、FeII/III、CoII/III、NiII、CuII、AgI、ZnII、AlIII、GaIII、SnII/IV、SbIII/IV、BiIIIであり、X=Cl-、NO3-、SO42-、CO32-であり、v=1〜3、w=0〜3、x=0〜6、y=0〜12およびz=0〜1であり、この場合v+w>0およびx+y>0であり、v、w、x、およびyは、部分酸化物の場合、非整数の係数でもよい)
の混合酸化物、水酸化物、オキソ水和物または複水酸化物を含む層と、
(B)SiO2および/もしくはAl23またはそれらの水和物の層と
を含む層パッケージを含有するということにより識別されるエフェクト顔料に関する。
【0010】
本発明によるエフェクト顔料は、プラスチックを顔料着色するのに特に適している。それは、SiO2および/またはAl23により遷移金属酸化物/水酸化物層を封入することは、それらの顔料がそれらの表面において著しく低い化学反応性を有すること、したがって、特にプラスチック中のフェノール成分に関して、黄変を強く抑制することを意味するからである。それらのマストーンによって、本発明によるエフェクト顔料は、例えば有機活性化合物、UVフィルターなどの有機物質を含む化粧用調合剤に特に非常に適している。本発明によるエフェクト顔料は、遷移金属敏感性有機物質を含む調合剤の貯蔵寿命を劇的に延長させる。
【0011】
その上、本発明によるエフェクト顔料は、例えば軟膏、クリーム、およびコンパクトパウダーにおいて、いわゆる「スキンコレクター」顔料として使用するのに非常に適している。「スキンコレクター」顔料は一般に、それらが皮膚領域の色の不均質性を和らげること、あるいはそれらの固有色により色彩の不均質性を理想的に完全に補償することにより、皮膚の色彩不均質性(例えば赤斑、黒ずんだ眼の隈)を補償することができることによって特徴づけられる。しかし、適用後、この種の顔料の特性的光沢によりある状況下で皮膚が視覚的に「脂ぎって」見えるようになる場合、この用途では不利である。本発明によるエフェクト顔料の場合、干渉顔料の表面が鉄イオン含有水酸化物または複水酸化物で覆われるという点で、この不利益点は巧みに回避される。これらの層は、入射光の分散中心として作用し、したがって干渉色を弱め過ぎてこの用途に不利となることなく顔料の光沢を軽減させる。さらに、鉄イオン含有水酸化物または複水酸化物の場合、それらが「スキンコレクター」顔料に対してさらなる肌色の、ベージュ〜褐色の吸収色をもたらす点で特に有利である。したがって、本発明は、「スキンコレクター」顔料としての本発明による顔料の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明によるエフェクト顔料に適したベース基材は、例えばガラスフレーク、合成もしくは天然雲母フレーク、SiOxフレーク(x≦2.0、好ましくはx=2)、Al23フレーク、TiO2フレーク、合成もしくは天然酸化鉄フレークなどの透明フレーク;例えばアルミニウムフレークなどの場合によって不動態化された金属フレーク;アルミニウム青銅、黄銅青銅、亜鉛青銅、チタン青銅、または他の同等材料のフレーク;黒鉛フレーク、液晶ポリマー(LCP)、ホログラフィック顔料、BiOClフレーク、あるいはこれらフレークの混合物が好ましい。好ましい基材混合物は、下記の組合せである:
− 合成もしくは天然雲母フレーク+Al23フレーク、
− 合成もしくは天然雲母フレーク+ガラスフレーク、
− 合成もしくは天然酸化鉄フレーク+合成もしくは天然雲母フレーク、
− アルミニウムフレークまたは青銅+合成もしくは天然雲母フレーク、
− アルミニウムフレークまたは青銅+Al23フレーク、
− アルミニウムフレークまたは青銅+ガラスフレーク、
− BiOClフレーク+ガラスフレーク、
− BiOClフレーク+合成もしくは天然雲母フレーク。
【0013】
好ましく用いられるSiO2フレークは、均一な層厚を有する合成の、ドープされたもしくはドープされない、好ましくはドープされないSiO2フレークであり、例えば、国際公開第93/08237号中に記載されるように水ガラス溶液の固化および加水分解により、連続ベルト上で調製される。ここで、均一な層厚とは、粒子の全乾燥層厚についての層厚許容差3〜10%、好ましくは3〜5%を意味すると解釈される。フレーク形状二酸化ケイ素粒子は一般に非晶質形態にある。このタイプの合成フレークは、所望の効果に関して層厚を設定することができ、また層厚許容差を限られているという、例えば雲母などの天然材料に優る利点を有する。
【0014】
非常に特に好ましいガラスフレークは、例えばCa/Alホウケイ酸塩ガラス、窓ガラス、Cガラス、Eガラス、ECRガラス、デュラン(登録商標)ガラス、実験室設備用ガラス、光学ガラスなどの当業者に知られているすべてのガラスタイプからなるものとすることができる。Eガラス、ECRガラス、およびCa/Alホウケイ酸塩ガラスが特に好ましい。ガラスフレークの屈折率は、1.45〜1.80、特に1.50〜1.70が好ましい。ドープされたガラスのガラスフレークは、好ましい基材としてさらに適切である。適切なドープ剤は、例えばFe、Bi、La、Nb、Ba、Ti、V、Ce、AuおよびCu、またはこれらの混合物である。ドーピングによって、例えば最高2.3までの高屈折率、または強い固有色などの特別な性質を有するガラスを用いることができる。
【0015】
適切な基材は、Ca/Alホウケイ酸塩(例えばメルク社のロナスター(登録商標))、SiO2(例えばメルク社のカラーストリーム(登録商標))、Al23(例えばメルク社のキシラリック(登録商標))、天然葉状酸化鉄(例えばケーントナーモンタンインダストリー社のMIOX(登録商標))、黒鉛、合成フレーク形状酸化鉄(例えばチタン工業社のタロックス(登録商標))、または金属アルミニウムに基づいたフレーク形状基材であることが好ましい。
【0016】
基材混合物は、異なった粒径を有するフレークが混合されている外観を有してもよい。この場合、基材混合物は、例えば1〜15μm、1〜25μm、3〜8μm、3〜10μm、5〜25μm、5〜30μm、5〜50μm、17〜26μm、10〜60μm、5〜100μm、10〜100μm、10〜125μm、10〜150μm、20〜180μm、20〜200μm、45〜500μmなどの異なった粒径を有する雲母フレークの混合物であることが好ましい。混合物における粒径の適切な選択によって、ここで当業者に知られている製品の特別な性状および外観を具体的に確立することができる。これらは、例えば、
− 狭い粒度分布を有する粒子の混合物における高い色の明度、
− 微粒子(好ましくは1〜25μm)および粗粒子(好ましくは≧100μm、特に100〜500μm)からなる混合物における比較的高い隠蔽力、および閃光性の組合せ、
である。
【0017】
ベース基材の大きさはそれ自体あまり重要ではなく、特定の用途に合致させることができる。一般に、フレーク形状基材は0.05と5μmの間の、特に0.1と4.5μmの間の厚さを有する。ガラスフレークは、≦1μm、特に≦900nm、および非常に特に好ましくは≦500nmの厚さを有するのが好ましい。2つの他の次元の大きさは、通常1と250μmの間、好ましくは2と200μmの間、また特に5と150μmの間である。粒径は、当業者に知られ、市販されている機器(例えばMalvernまたはHoriba社からの)を使用して粉末についてまたは顔料懸濁物についてレーザー回折によって測定される。
【0018】
基材は、5〜750の、特に10〜300の、また非常に特に好ましくは20〜200の形状因子(アスペクト比:直径/厚さ比)を有することが好ましい。
【0019】
ベース基材は、被覆せず、または1種以上の、好ましくは無色の金属酸化物で、特に高屈折率金属酸化物で単被覆もしくは多重被覆されていてよい。特に挙げてよい金属酸化物は、ルチルまたはアナターゼ変態のTiO2、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素である。ベース基材は、1、2、3、または4層で、特に金属酸化物1層で覆われるのが好ましい。ベース基材が酸化物3層を有する場合、それらは例えばTiO2−SiO2−TiO2の層順など、交互に高−および低屈折率層であるのが好ましい。特に好ましいベース基材は、天然および/もしくは合成雲母フレーク、SiO2フレーク、Al23フレーク、Fe23フレーク、ガラスフレーク、不動態化アルミニウムフレーク;アルミニウム青銅、黄銅青銅、亜鉛青銅、チタン青銅、もしくは他の相当材料から製造したフレーク;TiO2被覆した雲母、ガラス、SiO2もしくはAl23フレーク、またはTiO2−SiO2−TiO2被覆した雲母、ガラス、SiO2もしくはAl23フレーク;SiO2−TiO2被覆したガラスフレーク、SiO2−TiO2−SiO2−TiO2被覆したガラスフレーク、SiO2被覆したガラスもしくはAl23フレークである。
【0020】
したがって、特に好ましい基材は、下記の構造を有する:
基材+高屈折率金属酸化物+層パッケージ(A)(B)、
基材+SiO2+高屈折率金属酸化物+層パッケージ(A)(B)、
基材+層パッケージ(A)(B)、
基材+SiO2+層パッケージ(A)(B)、
基材+高屈折率金属酸化物+低屈折率金属酸化物+高屈折率金属酸化物+層パッケージ(A)(B)、
基材+SiO2+高屈折率金属酸化物+低屈折率金属酸化物+高屈折率金属酸化物+層パッケージ(A)(B)。
【0021】
被覆されたもしくは非被覆の基材の屈折率は、1.20〜2.20、特に1.50〜1.70が好ましい。しかし、後被覆した基材の屈折率は、それ自体重要なパラメータではない。したがって、示した範囲も限定することを意味するのではなく、説明に役立つことを意図するだけである。金属フレークの場合のように、より高い屈折率を有する基材も当然適している。
【0022】
本特許出願において、高屈折率コーティングは、屈折率>1.8を有する層を意味すると解釈され、低屈折率層は、n≦1.8を意味すると解釈される。
【0023】
基材フレークをTiO2で覆う場合、TiO2は、ルチルまたはアナターゼ変態におけるものとすることができる。TiO2は、ルチル形であるのが好ましい。この場合、TiO2で覆う前に、SnO2で全面積または一部を覆うこと、あるいはSnO2核で一部覆うことが行われるのが好ましい。この非常に薄いSnO2層は、大きくとも10nm、好ましくは≦5nmの厚さを有する。
【0024】
層(A)は、酸化(水酸化)鉄層、混合酸化物層または複水酸化物、特にFe23、Fe34、FeOOH、FeTiO3、Fe2TiO5の層;Fe(OH)3/Ca(OH)2混合物、Fe(OH)3/Al(OH)3混合物、Fe(OH)3/Zn(OH)2混合物、またはFe(OH)3/Mg(OH)2混合物の層であることが好ましい。ここで、水酸化物混合物に関する混合比は、0.1:99.9〜99.9〜0.1重量部とすることができる。
【0025】
被覆されたまたは非被覆基材上の層(A)の厚さは、もちろん所望される効果に応じて広い範囲で変動させることができる。
【0026】
層(A)は、2〜350nmの、特に5〜200nmの厚さを有することが好ましい。色相、光沢および色の濃度を制御するため、20〜150nmの層厚が好ましい。
【0027】
低屈折率コーティング(B)は、層(A)を封入するのに役立つものであり、SiO2および/またはAl23からなることが好ましい。SiO2およびAl23の混合物の場合、混合比は1:100〜100:1、好ましくは1:50〜50:1、特に1:10〜10:1である。層(B)は、0.005〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%、特に0.05〜5重量%の、V、Zr、Zn、Ce、Ti、B、Na、K、Mg、Ca、および/またはMnの群からのさらなる酸化物または水酸化物を含むことができる。前記酸化物および水酸化物のなかでも、V、Zr、Ce、および/またはZnの酸化物および水酸化物が特に好ましい。最終層(B)の厚さは2〜200nm、好ましくは10〜80nm、特に10〜60nmである。
【0028】
本発明による特に好ましいエフェクト顔料に関して、層(B)の割合は、全体としての顔料に対して5〜60重量%、特に10〜30重量%、また特に好ましくは12〜20重量%である。
【0029】
本発明によるエフェクト顔料の油吸収値(DIN EN ISO787−5:1995−10に従って測定している)は、5〜100、特に5〜50、また非常に特に好ましくは20〜40であることが好ましい。しかし、本発明によるエフェクト顔料の油吸収値は、それ自体あまり重要ではない。
【0030】
本鉄イオン含有顔料は、それらの魅力的な光学効果によって特徴づけられるだけでなく、ポリマーにおける、特にフェノール含有プラスチックおよびコーティングにおける著しく改良された貯蔵寿命をも示す。その上、これらの顔料は、機械的安定性の増加によっても特徴づけられる。層(B)による不動態化を受けないエフェクト顔料と比較すると、プラスチックにおいてほんのわずかな淡色/濃色の黄変が観察されるに過ぎないか、またはまったく何も観察されない。すなわち本発明による顔料は、プラスチック成分との反応を示したとしてもわずかな表面反応を示すに過ぎない。
【0031】
さらに本発明は、ペイント、コーティング、特に自動車ペイント、産業用コーティング、粉末コーティング、印刷インキ、セキュリティ印刷インキ、プラスチック、セラミック材料、ガラス、紙における;電子写真印刷工程向けトナーにおける、種子における、温室シーティングおよびターポリンにおける;紙およびプラスチックのレーザーマーキングにおける吸収体としての、プラスチックのレーザー溶接における吸収体としての、ならびに化粧用調合剤における本発明によるエフェクト顔料の使用に関する。本発明による顔料はさらに、水、有機および/もしくは水性溶媒との顔料ペースト、顔料組成物の調製にも、また例えば顆粒、チップ、ペレット、ブリケットなどの乾式調合剤の調製にも適している。乾式調合剤は印刷インキ向けに、また化粧品において特に適している。
【0032】
本発明による特に好ましいエフェクト顔料を以下に挙げる:
基質+(SiO2)+Fe23+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe23+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+SiO2+TiO2+Fe23+SiO2
基質+(SiO2)+FeOOH+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeOOH+SiO2
基質+(SiO2)+Fe2TiO5+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe2TiO5+SiO2
基質+(SiO2)+FeTiO3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeTiO3+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Mg(OH)2+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Mg(OH)2+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Ca(OH)2−+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Ca(OH)2+SiO2
基質+(SiO2)+Fe34+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe34+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Al(OH)3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/AI(OH)3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeCa2(OH)6Cl+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeCa2(OH)6NO3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeMg2(OH)6CO3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeZn2(OH)6CO3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+CrO3+Fe34+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Zn(OH)2+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Zn(OH)2+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe23+SiO2+Fe23+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe23+SiO2+Fe23+SiO2
基質+(SiO2)+Fe34+SiO2+Fe34+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe34+SiO2+Fe34+SiO2
基質+(SiO2)+Fe23+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe23+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+SiO2+TiO2+Fe23+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+FeOOH+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+FeOOH+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe2TiO5+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe2TiO5+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+FeTiO3+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+FeTiO3+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Mg(OH)2+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Mg(OH)2+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Ca(OH)2−+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Ca(OH)2+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe34+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe34+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Al(OH)3+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Al(OH)3+SiO2/Al23
基材がガラスまたはアルミニウムフレークである場合、SiO2層で直接覆うのが好ましい。「スキンコレクター」顔料として本発明により使用する場合、使用する基材は天然もしくは合成雲母および/またはガラスフレーク、特にTiO2(ルチル)被覆した天然もしくは合成雲母またはガラスフレーク、場合によってSiO2被覆したガラスフレークであるのが好ましい。
【0033】
金属酸化物(水酸化物)層は、湿式化学法で適用するのが好ましく、エフェクト顔料の調製向けに開発された湿式化学コーティング方法を使用することが可能である。このタイプの方法は、例えば、ドイツ特許第1467468号、ドイツ特許第1959988号、ドイツ特許第2009566号、ドイツ特許第2214545号、ドイツ特許第2215191号、ドイツ特許第2244298号、ドイツ特許第2313331号、ドイツ特許第1522572号、ドイツ特許第3137808号、ドイツ特許第3137809号、ドイツ特許第3151343号、ドイツ特許第3151354号、ドイツ特許第3151355号、ドイツ特許第3211602号、ドイツ特許第3235017号中に、または当業者に知られているさらなる特許文献、および他の出版物中に記載されている。
【0034】
湿式コーティングの場合、基材粒子は水中に懸濁させ、加水分解に適しかつフレーク上に金属酸化物もしくは金属酸化物水和物が、二次沈殿を生じることなく直接沈殿するように選択されたpHで、1種以上の加水分解可能な金属塩、または水ガラス溶液を添加する。塩基および/または酸の同時計量添加によって、pHを通常一定に保持する。その後この顔料を分離して取り出し、洗浄し、50〜150℃で6〜18時間乾燥して、酸化物層を所望している場合には、0.5〜3時間か焼する。この際、か焼温度はそれぞれの場合に存在するコーティングに関し最適化することができる。一般に、か焼温度は、基材およびコーティングに応じて500と1000℃の間、好ましくは600と900℃の間である。例えばFeOOHなどのヒドロキシ酸化物、および例えばFe(OH)3/Mg(OH)2またはFeCa2(OH)6NO3などの水酸化物/水酸化物混合物の場合、か焼ステップを省いて、顔料は最高120℃で乾燥するだけである。個々の層順に関して所望される場合または必要な場合(例えば酸化物層上の水酸化物層)、個々にコーティングを施した後、この顔料を分離して取り出し、乾燥し、場合によってか焼し、次いでさらなる層を沈殿させるため再懸濁させることができる。
【0035】
基材上へのSiO2層の沈殿は、適切なpHにおけるカリウムもしくはナトリウム水ガラス溶液の添加により一般に行われる。
【0036】
さらに、気相コーティングによって、流動床反応器内でコーティングを行うこともでき、例えばエフェクト顔料調製のために欧州特許第0045851号および欧州特許第0106235号中に提案されている方法を使用することが可能である。
【0037】
本発明によるエフェクト顔料の色相は、層組成、層の組合せ、コーティング量、またはそれらから得られる層厚の様々な選択によって、非常に広い範囲で変動させることができる。視覚または測定技術の制御下で所望の色に近づけることにより、ある色相についての微調整を、単なる量の選択を超えて達成することができる。
【0038】
干渉顔料の鉄含有コーティングの吸収色は、複数の調節手段によって具体的に調節することができる。これらは、例えば下記の通りである:
− Fe(OH)3またはFeOOHの沈殿:沈殿した水酸化物の量によって、顔料の色を調節することができる;
− 例えばCa(OH)2、Mg(OH)2、Al(OH)3、Zn(OH)2などの白色アルカリ土類金属、アルカリ金属または遷移金属水酸化物と組み合わせたFe(OH)3またはFeOOHの沈殿:混合比により、コーティングの明るさおよび黄色含量が決まる。さらに、沈殿した水酸化物混合物の量によって、顔料の色を調節することができる;
− 一般式[FeM22(OH)6]Xの鉄含有複水酸化物の沈殿:ここでM2=MgII、CaII、SrII、BaII、ZnIIとすることができる。この場合、Fe3+およびM2の化学量論比は予め指定されている。次いで沈殿した複水酸化物の量およびM2カチオンの色によって、色を調節することができる。
【0039】
上述の3つの場合において、顔料の最終色は、乾燥もしくはか焼温度によってさらに影響されて、非常に特有なものとすることができる。
【0040】
鉄イオンまたは他の遷移金属イオンのせいで、化粧活性物質および/または有機製剤成分の分解に関連して貯蔵寿命が悪影響を受ける危険がもちろん存在する。したがってこの場合、SiO2および/またはAl23層によって、これらの「スキンコレクター」顔料を熱化学的にかつ光化学的に不動態化することは大変有利である。
【0041】
光、水、および耐候安定性を増加させるために、適用領域に応じて、仕上げエフェクト顔料に後コーティングまたは後処理を受けさせることがしばしば推奨される。適切な後コーティングまたは後処理は、例えばドイツ特許第2215191号、ドイツ特許A3151354号、ドイツ特許A3235017号、またはドイツ特許A3334598号中に記載される方法である。この後コーティングにより、化学的および光化学安定性がさらに増加し、すなわち顔料の取扱い、特に種々の媒体への添加が容易になる。湿潤性、分散性、および/またはユーザ媒体との適合性を改良するために、Al23またはZrO2またはこれらの混合物の機能コーティングを、例えば顔料表面に適用することができる。さらに、例えば欧州特許第0090259号、欧州特許第0634459号、国際公開第99/57204号、国際公開第96/32446号、国際公開第99/57204号、米国特許第5759255号、米国特許第5571851号、国際公開第01/92425号中に、またはJ.J.Ponjee、Philips Technical Review、Vol.44、No.3、81 ff.およびP.H.Harding J.C.Berg、J.Adhesion Sci.Technol.Vol.11 No.4、pp.471〜493中に記載されるように、例えばシランによる有機性後コーティングが可能である。
【0042】
最終的な後コーティングを選択するのは、表面反応性遷移金属化合物または遷移金属カチオンが、最終製品に不都合となるほど多量には再導入されない点が当然確実である場合に、専ら限られる。
【0043】
マストーンを有する本発明による顔料は、好ましくはペイント、コーティング、印刷インキおよび化粧用調合剤の領域からの様々な色彩系と適合性がある。例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、オフセットオーバープリントワニス向けの印刷インキを調製するため、例えばBASF、Marubu、Proell、Sericol、Hartmann、Gebr.Schmidt、Sicpa、Aarberg、Siegberg、GSB−Wahl、Follmann、RucoまたはCoates Screen INKS社から販売される、様々なバインダー、特に水溶性タイプが適している。印刷インキは、水系または溶媒系の構成を有することができる。さらに、本顔料は、紙およびプラスチックのレーザーマーキングにも、また農業分野における用途にも、例えば温室シーティングに、また例えば防水布を着色するのに適している。
【0044】
それらの化学的安定性が向上している結果として、本発明によるエフェクト顔料はポリマー、特にプラスチックに適している。プラスチックは、0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、また非常に特に好ましくは0.2〜2.5重量%の本発明による顔料を含むのが好ましい。<0.5重量%の低い顔料濃度でも、フェノール含有添加剤を含むプラスチックの著しく濃い黄変が明らかになることはない。さらに、本エフェクト顔料は、コーティング製剤に適している。
【0045】
遷移金属酸化物、遷移金属ヒドロキシ酸化物、および遷移金属水酸化物/水酸化物混合物(例えばFe/Ti、Fe、Cuを含む)の天然着色層を有する本発明によるエフェクト顔料は、金、黄銅、青銅、銅領域における特に高貴な色相を呈し、一般に金属光沢および高い明度により特徴づけられるので、種々の適用媒体において、例えばネイルエナメル、口紅、コンパクトパウダー、ゲル、ローション、エマルジョン、石鹸、練り歯磨きなどの化粧用調合剤において、特に好ましくはセルフタンニング製剤において特に有効な効果を達成するのに使用することができる。
【0046】
本発明によるエフェクト顔料は、好ましいタイプの適用において、化粧活性化合物と非常に良好に組み合わせることができる。適切な活性化合物は、例えば昆虫忌避剤、例えばTiO2、UV A/BC防護フィルター(例えばOMC、B3、MBC)などの無機UVフィルター(カプセル化形態におけるものも)、抗老化活性化合物、ビタミンおよびそれらの誘導体(例えばビタミンA、C、Eなど)、ならびに、例えばビサボロール、LPO、VTA、エクトイン、エンブリカ、アラントイン、ビオフラボノイド、およびそれらの誘導体などのさらなる化粧活性化合物である。
【0047】
例えば、セルフタンニング剤であるDHA(1,3−ジヒドロキシアセトン)もしくはエリトルロースまたはこれら二物質の混合物と、TiO2もしくはFe23最終層を有するエフェクト顔料とを含むセルフタンニングクリーム、ローション、スプレーなどでは、特にTiO2がアナターゼ変態のものである場合、製剤内でDHAが比較的速やかに、期間3カ月で分解する。これに反して、製剤内に本発明によるエフェクト顔料を使用すると、DHAの作用が完全に保持される。
【0048】
セルフタンニング剤物質は、通常、皮膚上に噴霧しまたは溶液もしくはエマルジョンとして手で塗布する。従来技術からの顔料と比較すると、例えば1,3−ジヒドロキシアセトンおよびエリトルロースなどの通常のセルフタンニング剤物質と一緒に、本発明による顔料を含むセルフタンニングクリーム、ローション、またはスプレーの貯蔵寿命は、著しく延長される。
【0049】
セルフタンニングクリーム/スプレーは、0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の本発明によるエフェクト顔料と、0.01〜20重量%の量における、好ましくは0.05重量%〜10重量%、特に1〜8重量%の量におけるセルフタンニング物質とを含むのが好ましい。セルフタンニング剤物質の混合物において、重量パーセント比は1:10と10:1の間にあるのが好ましい。好ましいセルフタンニング剤物質の混合物は、DHAとエリトルロースとの混合物である。例えば、DHA:エリトルロース混合比2:1および3:1が用いられる。さらに好ましいセルフタンニング剤は、いわゆる「DHAプラス」である。1,3−ジヒドロキシアセトンおよびステアリン酸マグネシウムのほかに、このものは、ホルムアルデヒドをマスキングし/除去し/中和するために二亜硫酸ナトリウム(Na225、INCL:二亜硫酸ナトリウム)を含む。
【0050】
種々の用途向けに、本発明によるエフェクト顔料が、有機染料、ホログラフィック顔料、LCP(液晶ポリマー)、透明および不透明の白色、着色および黒色顔料などの有機顔料または無機顔料とのブレンドとして、またフレーク形状酸化鉄と、金属酸化物被覆雲母、ガラス、Al23、Fe23およびSiO2、ならびに不動態化アルミニウムフレークなどに基づいた従来の透明、着色および黒色光沢顔料とのブレンドとしても有利に使用することができることは、言うまでもない。本発明による顔料は、市販の顔料およびフィラーと任意の比率で混合することができる。
【0051】
挙げてよいフィラーの例は、天然および合成雲母、ナイロン粉末、純粋もしくはフィラー混入メラミン樹脂、タルク、SiO2、ガラス、カオリン、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛の酸化物もしくは水酸化物、BiOCl、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、ならびにこれらの物質の物理的または化学的組合せである。
【0052】
フィラーの粒子形状に関する制約は存在しない。要求条件に従って、例えば、フレーク形状、球状、または針状だけでなく、完全に不規則な形状とすることもできる。
【0053】
本発明によるエフェクト顔料を含む化粧用調合剤は、親油性、親水性、または疎水性タイプに属することができる。別々の水性および非水性相を有する不均一調合剤に関しては、本発明によるエフェクト顔料は、それぞれの場合、2相の一方だけに存在でき、あるいは両相にわたって分配されてもよい。
【0054】
その調合剤のpH値は、1と14の間、好ましくは2と11の間、または特に好ましくは5と8の間とすることができる。
【0055】
調合剤中の本発明によるエフェクト顔料の濃度は制限されていない。濃度は用途に応じて0.001(すすぎ切り製品、例えばシャワーゲル)〜100%(例えば特定の用途向けの光沢効果物品)とすることができる。
【0056】
本発明による顔料は、任意のタイプの原料および補助剤を有する調合剤中に混ぜ合わせることももちろんできる。これらには、とりわけ油、脂、ワックス、被膜形成剤、保存剤、界面活性剤、例えばビタミンCまたはビタミンEなどの酸化防止剤、安定剤、香り強調剤、シリコーン油、乳化剤、例えばエタノールまたは酢酸エチルもしくは酢酸ブチルなどの溶媒、ならびに、例えば増粘剤、およびレオロジー添加剤(例えばベントナイト、ヘクトライト、二酸化ケイ素、Caケイ酸塩、ゼラチン、高分子量炭水化物および/または界面活性補助剤など)などの、一般に適用性状を決定する補助剤が含まれる。
【0057】
有機UVフィルターは0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の量で、無機UVフィルターは0.1〜30重量%の量で、化粧用調合剤中に一般に組み込まれる。
【0058】
本発明による組成物は、さらに、さらなる従来の皮膚保護またはスキンケア活性化合物を含んでよい。これらは原則として当業者に知られているすべての活性化合物であってよい。特に好ましい活性化合物は、ピリミジンカルボン酸、および/またはアリールオキシムである。
【0059】
化粧品用途について、老化した、乾燥した、またはヒリヒリする皮膚の手入れ向けにエクトインおよびエクトイン誘導体の使用を特に挙げることができる。すなわち、欧州特許A0671161号は、例えばパウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング製品、口紅、ルージュ、メークアップ、ケアクリーム、および日焼け止め製剤などの化粧品組成物においてエクトインおよびヒドロキシエクトインを用いることができることを開示している。
【0060】
挙げることができる化粧用調合剤の適用形態は、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、PITエマルジョン、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング製剤、油、エーロゾル、およびスプレーである。他の適用形態の例は、スティック、シャンプー、およびシャワー製剤である。任意の所望される通例の賦形剤、補助剤、および所望される場合さらなる活性化合物を組成物に添加できる。
【0061】
軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、通例の賦形剤、例えば動物および植物脂、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク、および酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含んでよい。
【0062】
パウダーおよびスプレーは、通例の賦形剤、例えばラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含んでよい。スプレーは、通例の噴霧剤、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタン、またはジメチルエーテルを追加的に含んでよい。
【0063】
溶液およびエマルジョンは、例えば溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に綿実油、ラッカセイ油、コムギ麦芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などの通例の賦形剤を含んでよい。
【0064】
懸濁液は、液体希釈剤、例えば水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁媒質、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、あるいはこれらの物質の混合物などの通例の賦形剤を含んでよい。
【0065】
石鹸は、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオネート、ラノリン、脂肪族アルコール、植物油、植物エキス、グリセロール、糖、またはこれらの物質の混合物などの通例の賦形剤を含んでよい。
【0066】
界面活性剤含有クレンジング製品は、脂肪族アルコールサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオネート、イミダゾリニウム誘導体、タウリン酸メチル、サルコジネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物および合成油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などの通例の賦形剤を含んでよい。
【0067】
フェースおよびボディオイルは、例えば脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、シリコーン油などの合成油、植物油および油性植物エキスなどの天然油、パラフィン油、ラノリン油、またはこれらの物質の混合物などの通例の賦形剤を含んでよい。
【0068】
化粧品組成物は、種々の形態で存在できる。すなわち、化粧品組成物は例えば溶液、無水組成物、油中水(W/O)または水中油(O/W)型のエマルジョンもしくはミクロエマルジョン、例えば水中油中水(W/O/W)型の多重エマルジョン、ゲル、固形スティック、軟膏、またはエーロゾルとすることができる。エクトインを、例えばコラーゲンマトリックスおよび他の従来の封入材料中に封入した形態で、例えばゼラチン、ワックスマトリックス中のセルロース封入物として、またはリポソームに封入して投与することも有利である。特に、例えばドイツ特許A4308282号中に記載されているワックスマトリックスが有利であることが判明している。エマルジョンが好ましい。O/W型エマルジョンが特に好ましい。エマルジョン、W/O型エマルジョンおよびO/W型エマルジョンは従来の形で得ることが可能である。
【0069】
さらなる実施形態は、天然もしくは合成油、およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドに基づいた油性ローション、あるいは、エタノールなどの低級アルコール、またはプロピレングリコールなどのグリセロール、および/またはグリセロールなどの多価アルコール、ならびに油、ワックス、および脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステルに基づいた油性アルコール性ローションである。
【0070】
固形スティックは、天然もしくは合成ワックスおよび油、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、および他の脂肪性物質からなる。
【0071】
エーロゾルとして組成物を製剤する場合、アルカン、フルオロアルカン、およびクロロフルオロアルカンなどの通例の噴霧剤が一般に使用される。
【0072】
本化粧用調合剤は、変色、脱色、または機械的な部類の損傷を防止するために、光化学的損傷に対して毛髪を保護するのにも使用できる。この場合、適切な製剤は、すすぎ切りシャンプー、ローション、ゲルまたはエマルジョンの形態におけるものであり、当組成物はシャンプー処理の前または後に、着色または脱色の前または後に、あるいはパーマネントウエーブ処理の前または後に適用される。毛髪のスタイリングまたは処理向けのローションまたはゲルの形態で、毛髪のブラシ掛けまたはブローウエーブ処理向けのローションまたはゲルの形態で、ヘアラッカー、パーマネントウエーブ処理組成物、着色剤または脱色剤の形態で組成物を選択することも可能である。光保護性状を有する組成物は、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、柔軟剤、保存剤、泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、油、ワックス、アンチグリース剤、組成物自体もしくは毛髪を着色する染料および/または顔料、あるいは毛髪の手入れに通常使用される他の成分などのアジュバントを含んでよい。
【0073】
したがって、本発明は、ペイント、コーティング、自動車ペイント、粉末コーティング、印刷インキ、セキュリティ印刷インキ、プラスチック、セラミック材料、ガラス、紙などの配合物における、紙コーティングにおける、電子写真印刷工程向けトナーにおける、種子における、温室シーティングおよびターポリンにおける;紙およびプラスチックのレーザーマーキングにおける吸収体としての、プラスチックのレーザー溶接における吸収体としての、化粧用調合剤としての;水、有機および/もしくは水性溶媒による顔料ペーストの調製向けの、顔料組成物および例えば顆粒などの乾式製剤の調製向けの本エフェクト顔料の使用にも関する。
【0074】
下記の実施例は、より大きく詳細に、しかし本発明を限定することなく説明することを意図している。
【実施例】
【0075】
I.顔料の調製
実施例1
天然雲母+TiO2+FeOOH+SiO2
10〜60μm画分の天然カリ雲母200gを、脱イオン水で濃度100g/lに調合する。この懸濁液を80℃まで加温する。その後塩酸(15%HCl)を使用してpHを1.8に調節する。32重量%NaOHで逆滴定しながら一定のpHで約30mlのTiOCl2溶液(400g/l)を量り入れる。計量添加が終わると、混合物をさらに10分間攪拌する。その後NaOHを使用して、pH4.0に設定する。次いで、FeCl3(Fe14.25%)溶液の計量添加により、一定のpHで金緑色となるまでFeOOH層が上に沈殿され、この混合物をさらに30分間攪拌する。
【0076】
その後、希薄水酸化ナトリウム溶液を使用して、pH9.0にpHを調節する。2時間にわたって、ケイ酸含量5%を有するナトリウム水ガラス溶液100mlを添加し、その間2.5%硫酸によってpHを一定に保持する。この混合物を、その後さらに30分間攪拌し、次いで硫酸を使用して30分かけてpHを7.5に調節する。後攪拌時間30分の後、濾過により上澄み反応溶液から後被覆顔料を分離して取り出し、塩がなくなるまで洗浄する。この顔料を110℃で乾燥し、所望の粒径に従って篩い分ける。
【0077】
こうして得られた本発明による顔料は、金黄土色のマストーンと共に淡緑色の干渉を示す。この顔料は、層厚約20〜35nmを有する二酸化ケイ素のコーティングを含む。
【0078】
実施例2
合成雲母+Fe23+SiO2 5%/Al23 2.5%(2:1)
粒径10〜50μmを有する合成雲母フレーク75gを、脱イオン水1.5l中で攪拌しながら75℃まで加熱する。
【0079】
次いで、5%塩酸を使用して、この懸濁液のpHを3.0に調節する。その後、3重量%(Fe3+含量に基づく)塩化鉄溶液を量り入れ、その間32%水酸化ナトリウム溶液を同時に1滴ずつ添加することによりpHを一定に保持する。工程の間、色測定を行うことにより、顔料を調製する間に色性状を監視し、その色相(色相角度逆タンジェントb*/a*)に従って沈殿過程を制御する。こうして沈殿したヒドロキシ酸化鉄の層厚が増加するにつれて、青銅色、橙色−赤色、赤−褐色〜赤−菫色の色相を通過する。
【0080】
所望の終点に到達している場合、混合物をさらに15分間攪拌する。
【0081】
得られた顔料懸濁液を、32%NaOHを使用してpH9に調節する。2時間にわたってケイ酸含量5%(水で比率1:1に希釈した;水1000ml中39ml)を有するナトリウム水ガラス溶液を添加した後、混合物を15分間攪拌し、濃HClを使用してpHを、pH6.5に調節する。混合物を15分間攪拌した後、固体の形態の5.33gのAlCl3・6H2Oと、3.20gの硫酸ナトリウムとを添加する。得られた懸濁液を、90℃で1時間攪拌する。その後水溶液を吸引濾過し、塩化物がなくなるまで洗浄し、生成物を乾燥する。その生成物を700℃で30分間か焼する。
【0082】
こうして得られた本発明による顔料は、層厚約30nmを有する酸化ケイ素/酸化アルミニウムのコーティングを含む。
【0083】
実施例3
天然雲母+Fe23+SiO2(K+をドープした)
粒径10〜50μmを有する雲母フレーク(天然)75gを、脱イオン水1.5l中で攪拌しながら75℃まで加熱する。次いで、濃塩酸を使用して、懸濁液のpHを3.0に調節する。
【0084】
次いで、5重量%(Fe3+含量に基づく)塩化鉄溶液を量り入れ、その間32%水酸化ナトリウム溶液を同時に1滴ずつ添加することによりpHを一定に保持する。工程の間、色測定を行うことにより、顔料を調製する間に色性状を監視し、その色相(色相角度逆タンジェントb*/a*)に従って沈殿過程を制御する。こうして沈殿したヒドロキシ酸化鉄の層厚が増加するにつれて、青銅色、橙色−赤色、赤−褐色〜赤−菫色の色相を通過する。
【0085】
所望の終点に到達している場合、混合物をさらに15分間攪拌する。
【0086】
希薄水酸化カリウム溶液を使用して、pH9.0までpHを調節する。2時間にわたって、ケイ酸含量5%を有するカリウム水ガラス溶液100mlを添加し、その間2.5%硫酸によってpHを一定に保持する。この混合物を、その後さらに30分間攪拌し、次いで硫酸を使用して、30分かけてpHを7.5に調節する。後攪拌時間30分の後、濾過により上澄み反応溶液から後被覆顔料を分離して取り出し、洗浄する。100〜150℃で乾燥した後、この顔料を、700℃で45分間か焼する。
【0087】
こうして得られた顔料は、層厚約20〜30nmを有する二酸化ケイ素のコーティングを含む。
【0088】
実施例4
天然雲母+Fe23+SiO2(ベース顔料に基づいて、SiO2の量を変動させる)
実施例4a:天然雲母+Fe23(比較)
青銅領域の所望の色終点まで実施例3と同様に、Fe23による雲母のコーティングを行う。混合物をさらに30分間攪拌し、その後被覆した基材を、濾過することにより上澄み反応溶液から分離し、洗浄する。その後顔料前駆体を150℃で乾燥し、700℃で45分間か焼する。
【0089】
得られた顔料は、後被覆なしの比較用として役立つものであり、実施例4bおよび実施例4cについて、さらなる後被覆を施すために直接用いられる。
【0090】
実施例4b:実施例4aによる青銅色Fe23顔料+SiO2 15%
実施例4aと同様に調製した、粒径10〜60μmを有するか焼した青銅色顔料200gを脱イオン水2.4l中に再懸濁させ、攪拌しながら70℃まで加熱する。希釈水酸化ナトリウム溶液を使用してpH9.0に、pHを調節する。
【0091】
3時間にわたって、SiO2含量8%を有するナトリウム水ガラス溶液383gを量り入れ、その間10%塩酸によってpHを一定に保持する。この混合物を、その後さらに30分間攪拌し、次いで塩酸を使用して30分かけてpHを5に調節する。後攪拌時間30分の後、濾過により上澄み反応溶液から後被覆顔料を分離して取り出し、塩がなくなるまで洗浄する。この顔料を150℃で乾燥し、700℃で45分間か焼する。
【0092】
こうして得られた本発明による顔料は、青銅色に着色されている。
【0093】
実施例4c:実施例4aによる青銅色Fe23顔料+SiO2 30%
実施例4aと同様に調製した、粒径10〜60μmを有するか焼した青銅色顔料200gを脱イオン水2.4l中に再懸濁させ、攪拌しながら70℃まで加熱する。希釈水酸化ナトリウム溶液を使用してpH9.0に、pHを調節する。
【0094】
7時間にわたって、SiO2含量8%を有するナトリウム水ガラス溶液766gを量り入れ、その間10%塩酸によってpHを一定に保持する。この混合物を、その後さらに30分間攪拌し、次いで塩酸を使用して30分にわたってpHを5に調節する。後攪拌時間30分の後、濾過により上澄み反応溶液から後被覆顔料を分離して取り出し、塩がなくなるまで洗浄する。この顔料を150℃で乾燥し、700℃で45分間か焼する。
【0095】
こうして得られた本発明による顔料は、青銅色に着色されている。
【0096】
II.セルフタンニング製剤におけるDHAへの顔料反応性の定量的測定
比較実験として、ジヒドロキシアセトン5%と、実施例4a、4b、または4cからの顔料5%とを、それぞれの場合にO/W型クリーム中に、また水性溶液中に組み込んでいる(比較:ジヒドロキシアセトンのみについて)。
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
【表3】

【0100】
調製:
相AおよびBを75〜80℃に加熱する。速やかに相Bを相Aに添加する。均質化する。
【0101】
攪拌して冷却し、40℃で相Cを添加する。
【0102】
・ 光を排除して、試料を室温で、また40℃で3カ月貯蔵する、
・ 調製後(初期値)、および3カ月後に酵素的DHA測定を行う、
・ 安定なDHA製剤の必要条件:精々20%のDHA分解性。
【0103】
【表4】

【0104】
III.使用例:
【0105】
【表5】

【0106】
調製:
相AおよびBを別々に75℃に加温する。次いで攪拌しながらゆっくりと相Bを相Aと混合する。手持形攪拌器を用い60℃で相Cを相A/Bと混合する。40℃まで冷却させ、相Dおよび相E中で攪拌する。
【0107】
注:
pH23℃=4.0、
粘度:23℃において18,600cps(ブルックフィールド RVT DV−II型、ヘリパススピンドルC、10rpm)。
【0108】
供給源:
(1)セピック社
(2)ウニケマ社
(3)コグニス社
(4)コンデアキミカD.A.C社
(5)ダウコーニング社
(6)メルク社/ロナ(登録商標)
(7)D.D.ウィリアムソン社
(8)レスコロランツワッカー社
(9)ドゥロム社
【0109】
【表6】

【0110】
調製:
相Aを80℃に加温し、また相Bを75℃に加温する。次いで攪拌しながら相Aをゆっくりと相Bに添加する。手持形攪拌器を用い65℃で混合物を1分間均質化する。40℃まで冷却させ、相C中で攪拌する。35℃までさらに冷却し、攪拌しながら相Dをよく混ぜ合わせる。
【0111】
注:
pH23℃=4.6、
粘度:23℃において42,500mPas(ブルックフィールドRVT、sp.C、10rpm)。
【0112】
供給源:
(1)デグサゴールドシュミット社
(2)メルク社/Rona(登録商標)
(3)サゾールドイツ社
(4)コグニス社
【0113】
【表7−1】

【0114】
【表7−2】

【0115】
調製:
相Aを80℃に加温し、また相Bを80℃に加温する。次いで攪拌しながら相Bをゆっくりと相Aに添加する。混合物を均質化する。40℃まで冷却させ、相C中で攪拌する。攪拌しながら相Dをよく混ぜ合わせる。
【0116】
【表8−1】

【0117】
【表8−2】

【0118】
調製:
硫酸マグネシウム7水和物を相Bの水中に溶解する。相Bの残りの成分の添加。手持形攪拌器を用い攪拌しながら相Bを相Aにゆっくり添加する。2分間急速に攪拌し、かつ2分間均質化する。
【0119】
【表9】

【0120】
調製:
ナトロソールを相Aに添加し、均質化する。
【0121】
【表10−1】

【0122】
【表10−2】

【0123】
調製:
攪拌によりすべての成分を均質化する。
【0124】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーク形状基材、または1種以上の金属酸化物で被覆されたフレーク形状基材に基づいたエフェクト顔料であって、最終層として、
(A)酸化鉄および/または鉄オキソ水和物の層と、
(B)SiO2および/もしくはAl23またはそれらの水和物の層と
を含む層パッケージ、あるいは
(A)一般式 M1v2wx(OH)yz
(式中、M1=Fe、およびM2=MgII、CaII、SrII、BaII、TiIII/IV、ZrIV、CrIII、FeII/III、CoII/III、NiII、CuII、AgI、ZnII、AlIII、GaIII、SnII/IV、SbIII/IV、BiIIIであり、X=Cl-、NO3-、SO42-、CO32-であり、v=1〜3、w=0〜3、x=0〜6、y=0〜12およびz=0〜1であり、この場合v+w>0およびx+y>0であり、v、w、x、およびyは、部分酸化物の場合、非整数の係数でもよい)の混合酸化物、水酸化物、オキソ水和物または複水酸化物を含む層と、
(B)SiO2および/もしくはAl23またはそれらの水和物の層と
を含む層パッケージを含むことを特徴とするエフェクト顔料。
【請求項2】
前記被覆されたもしくは非被覆の基材が、ガラスフレーク、合成もしくは天然雲母フレーク、SiOxフレーク(x≦2.0)、Al23フレーク、TiO2フレーク、合成もしくは天然酸化鉄フレーク、場合によって不動態化された金属フレーク;アルミニウム青銅、黄銅青銅、亜鉛青銅、チタン青銅のフレーク、黒鉛フレーク、液晶ポリマー(LCP)、ホログラフィック顔料、BiOClフレーク、または前記フレークの混合物の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のエフェクト顔料。
【請求項3】
前記基材が、1、2、3、または4層の金属酸化物と、前記層パッケージ(A)(B)とで覆われることを特徴とする、請求項1または2に記載のエフェクト顔料。
【請求項4】
前記基材が、ルチルまたはアナターゼ変態のTiO2、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素の群からの金属酸化物で覆われることを特徴とする、請求項1から3の一項または複数項に記載のエフェクト顔料。
【請求項5】
層(A)が、Fe23、Fe34、FeOOH、FeTiO3、Fe2TiO5、Fe(OH)3/Al(OH)3混合物、Fe(OH)3/Ca(OH)2混合物、Fe(OH)3/Mg(OH)2混合物、またはFe(OH)3/Zn(OH)2混合物からなることを特徴とする、請求項1から4の一項または複数項に記載のエフェクト顔料。
【請求項6】
層(A)が、2〜350nmの厚さを有することを特徴とする、請求項1から5の一項または複数項に記載のエフェクト顔料。
【請求項7】
層(B)が、SiO2からなることを特徴とする、請求項1から6の一項または複数項に記載のエフェクト顔料。
【請求項8】
層(B)が、SiO2およびAl23の混合物であることを特徴とする、請求項1から7の一項または複数項に記載のエフェクト顔料。
【請求項9】
層(B)が、V、Zr、Zn、Ce、Ti、B、Na、K、Mg、Ca、および/またはMnの群からの酸化物または水酸化物でドープされることを特徴とする、請求項1から8の一項または複数項に記載のエフェクト顔料。
【請求項10】
層(B)が、2〜200nmの厚さを有することを特徴とする、請求項1から9の一項または複数項に記載のエフェクト顔料。
【請求項11】
下記の層の順序:
基質+(SiO2)+Fe23+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe23+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+SiO2+TiO2+Fe23+SiO2
基質+(SiO2)+FeOOH+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeOOH+SiO2
基質+(SiO2)+Fe2TiO5+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe2TiO5+SiO2
基質+(SiO2)+FeTiO3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeTiO3+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Mg(OH)2+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Mg(OH)2+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Ca(OH)2−+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Ca(OH)2+SiO2
基質+(SiO2)+Fe34+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe34+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Al(OH)3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/AI(OH)3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeCa2(OH)6Cl+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeCa2(OH)6NO3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeMg2(OH)6CO3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+FeZn2(OH)6CO3+SiO2
基質+(SiO2)+TiO2+CrO3+Fe34+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Zn(OH)2+SiO2
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Zn(OH)2+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe23+SiO2+Fe23+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe23+SiO2+Fe23+SiO2
基質+(SiO2)+Fe34+SiO2+Fe34+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe34+SiO2+Fe34+SiO2
基質+(SiO2)+Fe23+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe23+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+SiO2+TiO2+Fe23+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+FeOOH+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+FeOOH+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe2TiO5+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe2TiO5+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+FeTiO3+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+FeTiO3+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Mg(OH)2+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Mg(OH)2+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Ca(OH)2−+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Ca(OH)2+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe34+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+TiO2+Fe34+SiO2/Al23
基質+(SiO2)+Fe(OH)3/Al(OH)3+SiO2/Al23、または
基質+(SiO2)+TiO2+Fe(OH)3/Al(OH)3+SiO2/Al23
を有することを特徴とする、請求項1から10の一項または複数項に記載のエフェクト顔料。
【請求項12】
前記フレーク形状基材のコーティングが、湿式化学法、CVD法、またはPVD法により行われることを特徴とする、請求項1から11の一項または複数項に記載のエフェクト顔料の調製方法。
【請求項13】
請求項1から11の一項または複数項に記載のエフェクト顔料の使用であって、ペイント、コーティング、自動車ペイント、粉末コーティング、印刷インキ、セキュリティ印刷インキ、プラスチック、セラミック材料、ガラス、紙における;紙コーティングにおける;電子写真印刷工程向けトナーにおける;種子における;温室シーティングおよびターポリンにおける;紙およびプラスチックのレーザーマーキングにおける吸収体としての;プラスチックのレーザー溶接における吸収体としての;化粧用調合剤としての;水、有機および/もしくは水性溶媒による顔料ペーストの調製向けの;顔料組成物および乾式製剤の調製向けの使用。
【請求項14】
デイクリーム、ファンデーション、セルフタンニングクリーム、セルフタンニングスプレー、セルフタンニングローションにおける、請求項13に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項15】
1,3−ジヒドロキシアセトンおよび/またはエリトルロースと組み合わせた、請求項13または14に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項16】
化粧用調合剤におけるスキンコレクターとしての、請求項13から15の一項または複数項に記載のエフェクト顔料の使用。

【公開番号】特開2008−214634(P2008−214634A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−55269(P2008−55269)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】