説明

選別装置

【課題】野菜、いも類、果実、魚貝類等の選別装置に関し、選別場床面積を狭くする。
【解決手段】被選別物を載せて搬送しながら選別位置に転倒排出する選別皿1を、円周水平面方向に沿って回転搬送して、この回転域上に被選別物を供給する供給装置2をのぞませ、回転域下に各選別位置の排出シュータ3をのぞませて配置する。各選別皿1の回転によって、この選別皿1に受けられた被選別物は遠心作用が働いて、選別皿1の外周端側への移行が容易で、この選別皿1の転倒排出作用の行われ易い状態に揃えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、野菜、いも類、果実、魚貝類等の選別装置に関し、選別場床面積を狭くするものである。
【背景技術】
【0002】
選別皿を前後一直線方向へ移行させるように、又は、往復移行させれように駆動して、重量被選別物から軽量被選別物にわたって複数階級の選別排出させる構成としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多数個の選別皿を連接させて搬送させる形態の直線方向の選別皿ライン形態では、各選別位置がこの直線方向の選別皿ラインに沿って配置されて、各選別位置において選別皿の転倒排出作用を行わせるため、選別装置の設置場床面の形態が長く限定され、床面積も広くなり、更には作業者の移動距離も長くなり、作業効率も低下するため、小規模の作業、乃至作業場では適しない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、被選別物を載せて搬送しながら選別位置に転倒排出する選別皿1を、円周水平面方向に沿って回転搬送して、この回転域上に被選別物を供給する供給装置2をのぞませ、回転域下に各選別位置の排出シュータ3をのぞませて配置することを特徴とする選別装置の構成とする。一連の選別皿1が円周水平面上に沿う円形状に回転されて、この回転域上においては供給装置2から搬送供給される被選別物を受けて回転方向へ搬送しながら、回転域下にのぞませた各選別位置の排出シュータ3に該当被選別物を転倒排出させる。各選別皿1の回転によって、この選別皿1に受けられた被選別物は遠心作用が働いて、選別皿1の外周端側への移行が容易で、この選別皿1の転倒排出作用の行われ易い状態に揃えることができる。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記供給装置2を、選別皿1の回転方向と同調する側に偏倚してのぞませ、この供給装置2による供給搬送方向ロと選別皿1の回転搬送方向イとを同調させることを特徴とする。供給装置2を搬送される被選別物は、前側下部を前方に向って移行される選別皿1上面に供給される。選別皿1はこの供給される被選別物を載置して前方回転方向イへ搬送しながら選別位置へ回転搬送する。これら各選別皿1上面に受ける被選別物は、この選別皿1の回転搬送方向イを供給搬送方向ロと同調させているため、選別皿1上面に落着するときの衝撃力が緩和され、選別皿1上での転動等を少くし、安定した姿勢になる。
【0006】
請求項3に記載の発明は、前記各選別皿1を、回転内径端側の幅Aを狭くし、回転外径端側の幅Bを広くして扇形状形態に形成したことを特徴とする。前記のように回転搬送しながら選別する一連の選別皿1は、この回転内径端側の幅Aを狭くし、回転外径端側の幅Bを広くした扇形状形態に形成しているため、各選別皿1の回転方向側前後相互間の間障部を小さくすることによって、被選別物を受ける選別皿1面積を広く形成して、安定した姿勢に支持する。又、選別皿1の回転によって被選別物は遠心力作用を受けて、選別皿1の回転外径端側へ移動されて支持されるようになるが、この回転外径端側の選別皿1の幅Bを広く形成して、選別排出し易い態勢の状態で選別個所へ速かに案内させることができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明は、一連の選別皿1が円形状に回転搬送されて、上面に載せた被選別物を各選別位置で転倒排出して選別するため、選別排出間隔位置を短間隔に配置することができ、全搬送距離を短かくすることができる。又、選別皿1には遠心作用が働いていて、載置される被選別物を選別皿1の外周端側に揃えて受けることができ、この選別皿1の転倒による選別排出作用を速かに行わせることができる。このため、選別装置の設置床面積を小さくすることができ、選別作用を効率よく行うことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、供給装置2から選別皿1に供給される被選別物は、これら供給装置2による供給搬送方向ロと、選別皿1の回転搬送方向イを略同調するように設定することができるため、選別皿1上面に受継した被選別物の衝撃力を緩和することができ、安定した搬送状態への定着を速かに行わせることができる。そして、被選別物の損傷を少くすることができ、より正確な選別を行うことができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、回転外周端側の選別皿1の幅Bを内径端側の幅Aよりも広くして扇形状形態に形成することによって、一連の回転する選別皿1相互間の間障部を狭くして、被選別物の脱落を無くすることができ、安定支持させることができる。又、この選別皿1の回転による遠心力作用によって回転外周端側幅B部へ移行支持される被選別物を、選別位置で排出するときは、この選別皿1の外周側への転倒によって速かに的確に排出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図例に基づいて、生きている鰻(うなぎ)の選別等に適する供給装置2を備えた選別装置として、選別場床面に据付け可能の選別フレーム4上に、モータ5によって回転されるアーム6を設け、このアーム6上の外周に沿って支持ブラケット7により、支持軸9周りに搬送姿勢排出姿勢とに切替回動可能の選別皿1を配置する。又、このアーム6の回転内周部には、選別皿1の支持レバー10を係合させて、この選別皿1の搬送姿勢Cを排出転倒姿勢Dにソレノイド8出力で切替える切替ガイド11を設け、回転外周部には、転倒姿勢Dの選別皿1を搬送姿勢Cに復帰回動するためのスライドガイド12を設けている。このような選別装置の一側には、供給装置2として、ベルトコンベア13と、これを支持して計量するロードセル14を構成し、更に、このベルトコンベア13に搬送供給するための供給台15、供給ベルト16等を配置して、うなぎを一匹毎搬送計量しながら選別更1上に供給する構成としている。
【0011】
ここにおいて、この選別装置は、被選別物を載せて搬送しながら選別位置に転倒排出する選別皿1を、円周水平面方向に沿って回転搬送して、この回転域上に被選別物を供給する供給装置2をのぞませ、回転域下に各選別位置の排出シュータ3をのぞませて配置することを特徴とする選別装置の構成とする。一連の選別皿1が水平面上に沿う円形状に回転されて、この回転域上においては供給装置2から搬送供給される被選別物を受けて回転方向へ搬送しながら、回転域下にのぞませた各選別位置の排出シュータ3に該当被選別物を転倒排出させる。各選別皿1の回転によって、この選別冊1に受けられた被選別物は遠心作用が働いて、選別皿1の外周端側への移行が容易で、この選別冊1の転倒排出作用の行われ易い状態に揃えることができる。
【0012】
又、前記供給装置2を、選別皿1の回転方向と同調する側に偏倚してのぞませ、この供給装置2による供給搬送方向ロと選別皿1の回転搬送方向イとを同調させることを特徴とする。供給装置2を搬送される被選別物は、前側下部を前方に向って移行される選別皿1上面に供給される。選別冊1はこの供給される被選別物を載置して前方回転方向イへ搬送しながら選別位置へ回転搬送する。これら各選別皿1上面に受ける被選別物は、この選別皿1の回転搬送方向イを供給搬送方向ロと同調させているため、選別皿1上面に落着するときの衝撃力が緩和され、選別皿1上での転動等を少くし、安定した姿勢になる。
【0013】
更には、前記各選別皿1を、回転内径端側の幅Aを狭くし、回転外径端側の幅Bを広くして扇形状形態に形成したことを特徴とする。前記のように回転搬送しながら選別する一連の選別皿1は、この回転内径端側の幅Aを狭くし、回転外径端側の幅Bを広くした扇形状形態に形成しているため、各選別皿1の回転方向側前後相互間の間障部を小さくすることによって、被選別物を受ける選別皿1面積を広く形成して、安定した姿勢に支持する。又、選別皿1の回転によって被選別物は遠心力作用を受けて、選別皿1の回転外径端側へ移動されて支持されるようになるが、この回転外径端側の選別皿1の幅Bを広く形成して、選別排出し易い態勢の個所へ速かに案内させることができる。
【0014】
前記選別皿1は、鍵盤形態に構成されて、ギヤドモータ5のモータ軸17によって一体回転されるアーム6の回転外周部上に、支持ブラケット7によって取付支持される。このアーム6の外周下部にはレール10を設け、選別フレーム4に取付けたローラ18によりこのレール10を支持させて回転案内させる。即ち、回転テーブル形態のレール10上周部にそって選別皿1を配置するものである。20はモータ5を覆うカバーである。前記選別更1を押上げて搬送姿勢Cに復帰させるスライドガイド12は、レール19の外周部に取付ける支持ブラケット21を介して支持させている。又、前記選別更1の回転外周部の下側部に沿って各選別位置に配置する排出シュータ3は、選別フレーム4に着脱可能に設ける。この排出シュータ3の下側に設けた係合ピン22を、選別フレーム4に設けた係合ブラケット23のピン溝24に嵌合させることによって支持させることができる。又、前記選別皿1の回転外周上部には、カバー25を選別フレーム4に取付け、回転搬送中の被選別物が選別皿1上面から外方へオーバフローしないように構成している。又、前記選別皿1を転倒させるための切替ガイド11は、この選別フレーム4の上端部からアーム6の上方にわたって構成される上部フレーム26に配置して、前記ソレノイド8により回動軸27の周りに回動制御されて、選別皿1の支持レバー10の回転位置に接離することができる。
【0015】
前記選別皿1は、平面視短冊状形態で、かつ鍵盤形態の鍵盤アーム28を、前記モータ軸17を中心とする円周方向に沿って一連に連接配置し、この回転方向に並ぶ相連接の一対の鍵盤アーム28を一体として、支持軸9で支持ブラケット7上端部に回動自在に支持させている。この各選別皿1の支持軸9は、前記モータ軸17を回転中心とする回転円の接線方向に向けて設定している。これら一対の鍵盤アーム28は、上側面に皿板29をビス30止めして固定し、一選別皿1を構成している。この皿板29は回転内径端側の幅Aを狭く形成し、回転外径端側の幅Bを広く形成して、略扇形状形態に構成している。又、これらの内端円31急勾配に起立し、外端縁32は緩勾配に起立させて、被選別物を安定姿勢に受けて搬送し易い形態に構成している。又、これらの内端縁31は急勾配に起立し、外端縁32は緩勾配に起立させて、被選別物を安定姿勢に受けて搬送し易い形態に構成している。このように扇形状に形成の皿板29の相隣接の相互間の間障部を小さく設定して、被選別物の落込み、乃至食い込を防止するように構成している。
【0016】
又、記鍵盤アーム28の下部には支持レバー10をレバー軸33周りに回動自在に設け、この支持レバー10と鍵盤アーム28との間にスプリング34を設けて、この支持レバー10を鍵盤アーム28に対して、平行状等の一定姿勢を維持する状態に弾発させている。この支持レバー10は、選別皿1を略水平状態の搬送姿勢Cと、外径端側を下り傾斜させる転倒姿勢Dとに切替えて維持するもので、支持レバー10の内端側には、支持ブラケット7の係合ピン35に係合できる係合部36を形成し、内端部には、前記切替ガイド11の摺接される叩部37を形成する。又、この支持レバー10の外端側には係合ピン38を有し、鍵盤アーム28の下面に形成の係合部39に係合させて、スプリング34の弾発による支持レバー10の係止位置を維持する。そして、支持レバー10が係合ピン35に係合支持した状態では、選別皿1が搬送姿勢Cとなり、支持レバー10が係合ピン35から外れた状態では、選別皿1は支持軸9周りに外下り傾斜に回動して転倒姿勢Dとなる。これらの選別皿1の姿勢切替えは、前記スライドガイド12によって、選別皿1の底下面を押上げて支持レバー10を係合ピン35に係合支持させて搬送姿勢Cとし、選別位置では切替ガイド11による摺接によって、支持レバー10の係合ピン35との係合を外して転倒姿勢Dに切替えることができる。
【0017】
前記各選別皿1の支持ブラケット7は、アーム6に対してボルト40締めで取付けられるソケット41に嵌合して、ボルト42締めによって取付けることができる。
【0018】
前記各選別位置に設けられる排出シュータ3は、上端部を幅広く形成して例えば選別皿1三個分の幅にわたって広く形成し、下端部をこれと同幅、乃至これよりも狭い幅に形成している。各排出シュータ3の下方には選別排出された被選別物を受けるコンテ43を置くことができる。各排出シュータ3は選別皿1回転周部の外側に構成されるため、相隣接の排出シュータ3間隔を広くして、各コンテナ43の出し入れを行い易くすることができる。
【0019】
前記選別フレーム4の一側には、供給フレーム44を連結して、供給ベルト16、ベルトコンベア13、ロードセル14、及びコントロールボックス45等を配置する。これら供給ベルト16やベルトコンベア13等による被選別物の供給搬送方向ロが、選別皿1の円周回転搬送方向イに対して略接線方向になるようにして連設し、ベルトコンベア13の終端部を選別皿1の回転面上にのぞませている。このベルトコンベア13の終端にはシュータ46を設けて案内供給する構成としている。ベルトコンベア13は前後略水平状に張設されて、上部のロードセル14に架設されて、このベルトコンベア13上面を搬送される被選別物の重量を、これらベルトコンベア13や、これを吊下げるコンベアフレーム47等と共に計測することによりコントロールボックス45におけるコントローラによって被選別物の重量を算出するものである。供給ベルト16の手前には供給台15を設けて被選別物であるうなぎを一匹毎手操作で、供給ベルト16側へ繰出供給するように構成している。この供給台15の前側には幅狭い絞りガイド48を設けて、一匹毎正確に繰出し易い形態に構成している。
【0020】
供給台15上に載置したうなぎを一匹毎供給ベルト16上に繰出す。この供給ベルト16の回転によって繰出されるうなぎがベルトコンベア13上面に受け継ぎされて搬送される間に、ロードセル14によって重量計測されて、重量区域の選別位置が指定される。選別冊1は、モータ軸17周りに一定速度で回転イされるが、ベルトコンベア13終端のシュータ46下側を通る間に、このベルトコンベア13から繰出されるうなぎを一匹毎受ける。このシュータ46下側を通る選別皿1は搬送姿勢Cにあって、供給されたうなぎは回転遠心作用によって幅Bの広い回転外周側へ移行される。又、このシュータ46から供給されるうなぎが内径端側へ偏倚しないように、このシュータ46と対向する部分の選別皿1の回転面上方にガイド板49を設けている。このようにしてシュータ46から繰出供給されるうなぎは、この供給搬送方向ロと略同調する方向に回転する回転搬送方向イの選別皿1上面に受けられて搬送される。
【0021】
この搬送行程における各選別位置の排出シュータ3部では、選別重量域に該当するうなぎが選別排出される。重量の大きいうなぎから小さいうなぎにわたって順次選別排出される。選別位置に指定された選別皿1が該当選別位置に搬送されると、コントローラからの出力によってソレノイド8を出力して切替ガイド11を回動軸27周りに外側へ回動させて、支持レバー10の回転軌跡位置へ突出させる。このとき選別皿1が回転搬送通過すると、この支持レバー10が切替ガイド11に叩かれて、支持レバー10が係合ピン35から外れ、搬送姿勢Cの選別皿1が転倒姿勢Dに転倒して切替えられ、この選別位置のシュータ3にうなぎを排出させる。このようにして全周の選別皿1の選別排出が完了して、再度供給シュータ46位置に戻るときは、スライドガイド12による摺動を受けて転倒姿勢Dの選別皿1が支持軸9周りに回動されて搬送姿勢Cに復帰される。
【0022】
上例では、ロードセル14を供給装置1に設けたが、選別皿1の回転搬送される選別皿搬送経路部に設ける形態とすることも良く、このロードセル14による計量によって搬送中の選別皿1を選別位置で転倒排出するように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 選別装置の平面図。
【図2】 その側面図。
【図3】 その選別皿部の側面図。
【図4】 その平面図。
【図5】 選別皿の側面図と、正面図、及び皿板の平面図。
【符号の説明】
【0024】
1 選別皿
2 供給装置
3 排出シュータ
A 回転内径端側の幅
B 回転外径端側の幅
イ 回転搬送方向
ロ 供給搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を載せて搬送しながら選別位置に転倒排出する選別皿(1)を、円周水平面方向に沿って回転搬送して、この回転域上に被選別物を供給する供給装置(2)をのぞませ、回転域下に各選別位置の排出シュータ(3)をのぞませて配置することを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記供給装置(2)を、選別皿(1)の回転方向と同調する側に偏倚してのぞませ、この供給装置(2)による供給搬送方向(ロ)と選別皿(1)の回転搬送方向(イ)とを同調させることを特徴とする請求項1に記載の選別装置。
【請求項3】
前記各選別皿(1)を、回転内径端側の幅(A)を狭くし、回転外径端側の幅(B)を広くして扇形状形態に形成したことを特徴とする請求項1、又は2に記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−126709(P2009−126709A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333132(P2007−333132)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(599167582)株式会社横崎製作所 (19)
【Fターム(参考)】