説明

部品供給装置および部品供給方法

【課題】簡単な構成で、安定姿勢の部品をピックアップエリアに効率良く供給することができる部品供給装置を提供する。
【解決手段】任意の姿勢に投入された多数の部品を、循環搬送路Bに沿って搬送し、投入エリアA1からピックアップエリアA3までの間で姿勢変化させて、安定姿勢のパーツ割合を増加させる部品供給装置1であって、投入エリアA1に臨む投入口16と、投入された多数のパーツPを、循環搬送路Bに沿って搬送する循環搬送手段3と、循環搬送路Bに臨み、多数のパーツPにエアーを吹き付けて転動させるエアー流路部材22と、を備え、エアー流路部材22の吹付けエアーは、安定姿勢のパーツPに対し転動を抑制し、不安定姿勢のパーツPに対し転動を促進する吹付け力に制御されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を安定姿勢でピックアップエリアに供給するために、任意の姿勢に投入された多数の部品を姿勢変化させて、ピックアップエリアにおける安定姿勢の部品割合を増加させる部品供給装置および部品供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のパーツフィーダシステム(部品供給装置)として、供給された多数の部品が載置されると共に、フレキシブルな表面を有する支持部と、支持部に衝撃エネルギを負荷する(フレキシブルな表面に衝撃を与える)衝撃生成器を有する変更器と、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−180538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなパーツフィーダシステムでは、部品の姿勢変化に衝撃生成器を有する必要があるため、装置構成が複雑になってしまうという問題があった。すなわち、衝撃や振動により姿勢変化を行うものでは、それ相応の衝撃生成器や振動発生器が必要であるため、装置構成が複雑になってしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、簡単な構成で、安定姿勢の部品をピックアップエリアに効率良く供給することができる部品供給装置および部品供給方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の部品供給装置は、部品を安定姿勢でピックアップエリアに供給するために、任意の姿勢に投入された多数の部品を、ピックアップエリアを含む循環搬送路に沿って搬送し、投入エリアからピックアップエリアまでの間で姿勢変化させて、安定姿勢の部品割合を増加させる部品供給装置であって、投入エリアに臨む部品投入部と、投入された多数の部品を、循環搬送路に沿って搬送する循環搬送手段と、循環搬送路に臨み、多数の部品にエアーを吹き付けて転動させるエアーブロー手段と、を備え、エアーブロー手段の吹付けエアーは、安定姿勢の部品に対し転動を抑制し、不安定姿勢の部品に対し転動を促進する吹付け力に制御されていることを特徴とする。
【0006】
本発明の部品供給方法は、部品を安定姿勢でピックアップ位置に供給するために、任意の姿勢に投入された多数の部品を、ピックアップ位置を含む循環搬送路に沿って搬送し、投入位置からピックアップ位置までの間で姿勢変化させて、安定姿勢の部品割合を増加させる部品供給方法であって、部品にエアーを吹き付けて転動させて姿勢変化させることを特徴とする。
【0007】
任意の姿勢にある多数の部品にエアーを吹き付けると、安定姿勢の部品は転動しにくく、不安定姿勢の部品は転動しやすい。
これらの構成によれば、循環搬送路を搬送されていく多数の部品にエアーを吹き付ける吹付け力を、安定姿勢の部品に対し転動を抑制し、不安定姿勢の部品に対し転動を促進する吹付け力に制御することで、不安定姿勢が安定姿勢に姿勢変化し、安定姿勢の部品割合を増加させる。これにより、安定姿勢の部品をピックアップエリアに効率良く供給することができる。また、衝撃生成器や振動発生器といった装置を搭載する必要がなく、部品供給に用いる装置(部品供給装置)を簡単な構成にすることができる。
【0008】
上記の部品供給装置において、エアーブロー手段に対峙するように循環搬送路に臨み、エアーブロー手段により転動する部品が衝突する障壁手段を、更に備えることが好ましい。
【0009】
上記の部品供給方法において、転動した部品を、更に障壁に衝突させて姿勢変化させることが好ましい。
【0010】
転動した部品が障壁(障壁手段)に衝突すると複雑な動きをし、不安定姿勢の部品が姿勢変化しやすくなる。
これらの構成によれば、エアーの吹付けにより転動した部品を障壁手段(障壁)に衝突させることにより、不安定姿勢の部品が安定姿勢に姿勢変化する頻度が増し、安定姿勢の部品割合を効率良く増加させることができる。
【0011】
上記の部品供給装置において、障壁手段は、転動する部品が乗り上げる傾斜面を有していることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、障壁手段に衝突した部品が、傾斜面に乗り上げた後に落下する。そのため、落下の衝撃により不安定姿勢の部品における姿勢変化の頻度が高まり、安定姿勢の部品割合を更に効率良く増加させることができる。
【0013】
上記の部品供給装置において、循環搬送手段は、循環搬送路を兼ねる円板と、円板を鉛直軸廻りに回転させる回転機構と、を有していることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、円板が循環搬送路を兼ね、且つ鉛直軸周りに回転することのより、円板に載置した部品が円周方向に移動し、円周状の循環搬送路で循環搬送される。これにより、循環搬送手段を簡単な構成にすることができる。
【0015】
この場合、エアーブロー手段は、循環搬送路に沿って円弧状に延在し、圧縮エアー供給手段に連通すると共に延在方向に複数の吹出し口を形成したエアー流路部材を、有していることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、圧縮エアー供給手段から供給されたエアーが、円弧状に延在したエアー流路部材の複数の吹出し口から放出され、部品を転動させる。これにより、不安定姿勢の部品を数度にわたって転動させることができると共に、円周状の循環搬送路を有する部品供給装置において、エアーブロー手段を簡単な構成にすることができる。
【0017】
この場合、障壁手段は、エアー流路部材に対向するように循環搬送路に沿って円弧状に延在する障壁部材を、有していることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、部品を循環搬送路に沿って送りながら、安定姿勢の部品割合を増加することができる。また、円周上の循環搬送路を有する部品供給装置において、障壁手段を簡単な構成にすることができる。
【0019】
この場合、エアー流路部材と、エアー流路部材に対向する障壁手段とから成る姿勢変化機構が、同心円上に且つ、径方向に隣接して複数組設けられていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、複数組のエアー流路部材および障壁部材(姿勢変化機構)を、用いることにより、供給された多数の部品を、複数組のエアー流路部材および障壁部材にて、複数の組に分けて姿勢変化させることができる。そのため、効率良く姿勢変化を行うことができ、安定姿勢の部品割合を更に効率良く増加させることができる。
【0021】
この場合、隣り合うと共に相互に異なる姿勢変化機構のエアー流路部材および障壁部材が、背合わせに位置して一体に形成されていることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、隣り合うと共に背合わせに位置したエアー流路部材もしくは障壁部材を一体に形成することにより、部品点数を削減することができ、部品供給装置を簡単な構成にすることができる。
【0023】
上記の部品供給装置において、循環搬送手段は、搬送方向の上流側に投入エリアが設定され、下流側にピックアップエリアが設定された、コンベアベルトが循環搬送路の半部を兼ねるコンベア方式の往搬送機構と、往搬送機構と逆向きに且つ横並びに隣接して配置した、コンベアベルトが循環搬送路の半部を兼ねるコンベア方式の返搬送機構と、部品を往搬送機構から返搬送機構に移載する往移載機構と、部品を返搬送機構から往搬送機構に移載する返移載機構と、を有していることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、往搬送機構により投入エリアからピックアップエリアに搬送された部品は、ピックアップエリアで安定姿勢の部品のみピックアップされ、それ以外のものは、搬送方向の下流側に搬送され、往移載機構により返搬送機構の搬送方向上流側に移載される。その後、返搬送機構により、その搬送方向の下流側に搬送され、今後は、返移載機構により、往搬送機構の搬送方向上流側に移載される。このように、往復する循環搬送路で循環搬送される。これにより、循環搬送手段を簡単な構成にすることができる。
【0025】
この場合、往移載機構は、往搬送機構の下流端部と返搬送機構の上流端部との間に、往搬送機構の搬送方向に倣う斜め横断方向に掛け渡すように臨み、往搬送機構により搬送されてきた部品を返搬送機構に導く往−返ガイド部材を、有していることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、往搬送機構の搬送を利用して、部品を移載することができるため、往移載機構を簡単な構成にすることができる。
【0027】
この場合、返移載機構は、返搬送機構の下流端部と往搬送機構の上流端部との間に、返搬送機構の搬送方向に倣う斜め横断方向に掛け渡すように臨み、返搬送機構により搬送されてきた部品を往搬送機構に導く返−往ガイド部材を、有していることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、返搬送機構の搬送を利用して、部品を移載することができるため、返移載機構を簡単な構成にすることができる。
【0029】
この場合、エアーブロー手段は、往搬送機構の循環搬送路に対し斜め横断方向に延在し、圧縮エアー供給手段に連通すると共に延在方向に複数の吹出し口を形成したエアー流路部材を、有していることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、圧縮エアー供給手段から供給されたエアーが、斜め横断方向に延在したエアー流路部材の複数の吹出し口から放出され、部品を転動させる。これにより、不安定姿勢の部品を数度にわたって転動することができると共に、往復する循環搬送路を有する部品供給装置において、エアーブロー手段を簡単な構成にすることができる。
【0031】
この場合、障壁手段は、エアー流路部材に対向するように往搬送機構の循環搬送路に対し斜め横断方向に延在する障壁部材を、有していることが好ましい。
【0032】
この構成によれば、部品を斜め横断方向に送りながら、安定姿勢の部品割合を増加させることが出来る。また、往復する循環搬送路を有する部品供給装置において、障壁手段を簡単な構成にすることができる。
【0033】
この場合、エアー流路部材と、エアー流路部材に対向する障壁手段とから成る姿勢変化機構が、搬送方向に位置して複数組設けられ、複数組の姿勢変化機構は、正逆の傾き角度の姿勢変化機構が、搬送方向に対し交互に位置して設けられていることが好ましい。
【0034】
この構成によれば、複数組の姿勢変化機構を用いて多数の部品を転動させることにより、多数の部品の姿勢変化を効率良く行うことができ、安定姿勢の部品割合を更に効率良く増加させることができる。
【0035】
この場合、隣り合うと共に相互に異なる姿勢変化機構のエアー流路部材および障壁部材が、背合わせに位置して一体に形成されていることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、背合わせに位置して隣り合うエアー流路部材もしくは障壁部材を一体に形成することにより、部品点数を削減することができ、部品供給装置を簡単な構成にすることができる。
【0037】
これらの場合、エアーブロー手段は、多数の部品にエアーを断続的に吹き付けることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、エアーの吹付けを断続的に行うことにより、吹付けを受ける部品が複雑な動きをし、不安定姿勢の部品が姿勢変化しやすくなる。これにより、不安定姿勢の部品が安定姿勢に姿勢変化する頻度が増し、安定姿勢の部品割合を効率良く増加させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る部品供給装置について説明する。この部品供給装置は、パーツ(部品)を、ロボットによりピックアップ可能な安定姿勢でピックアップエリアに供給するために、任意の姿勢に投入された多数のパーツを姿勢変化させて、ピックアップエリアにおける安定姿勢のパーツ割合を増加させるものである。すなわち、ピックアップエリアに安定姿勢のパーツが供給されると、このパーツは製品組立用のロボットにピックアップされる。ここで、部品供給装置について詳細に説明する前に、供給対象となるパーツについて説明する。
【0040】
パーツPは、安定姿勢と不安定姿勢とを有するものであり、例えば、液滴吐出装置の機能液滴吐出ヘッドの機能液導入部に設けた接続針や、軸付きの歯車(軸一体形の歯車)等を想定している。例えば、軸付きの歯車は、端面を平端面とする歯車を下として軸部が鉛直に立つ姿勢が安定姿勢であり、それ以外の姿勢(安定姿勢に対し横に倒れた姿勢:歯車の歯と軸部の先端が机上に接する姿勢)を不安定姿勢とする。すなわち、不安定姿勢に対し、安定姿勢は、転動しにくくなっており、また、載置面(後述する回転テーブル3)に対し、大きい接触面積を有している。なお、図中では、段付き円筒状の部材をパーツPとする。
【0041】
図1および図2に示すように、部品供給装置1は、支持フレーム2と、支持フレーム2に回転自在に支持された回転テーブル(円板)3と、回転テーブル3に多数のパーツPを投入するホッパー4と、回転テーブル3を鉛直軸廻りに回転させて、多数のパーツPを円周状の循環搬送路Bに沿って循環させるテーブル回転機構5と、ピックアップエリアA3に上方から臨み、ピックアップエリアA3に到達したパーツPを画像認識する画像認識カメラ6と、循環搬送路Bの略半部に臨み、循環するパーツPを転動させて姿勢変化させる姿勢変化ユニット7と、を備えている。
【0042】
ホッパー4から投入された多数のパーツPは、循環搬送路Bに沿って配設した姿勢変化ユニット7において姿勢変化(一定の確率で安定姿勢から不安定姿勢に変化)した後、ピックアップエリアA3に到達する。この際、安定姿勢のパーツPは、画像認識カメラ6に基づいて、ロボットによりピックアップされ、不安定姿勢のパーツPは、ホッパー4の投入エリアA1近傍に戻り、再度循環搬送路Bに沿って搬送される。すなわち、循環搬送路Bは、投入エリアA1、姿勢変化エリアA2およびピックアップエリアA3を循環するものであり、パーツPは、安定姿勢でピックアップされるまで、この循環搬送路Bを循環搬送される。
【0043】
支持フレーム2は、上面に環状溝を有して回転テーブル3に下側から臨み、環状円板フレーム部8と、環状円板フレーム部8の内側に立設され、回転テーブル3およびテーブル回転機構5を支持する主支持フレーム部9と、環状円板フレーム部8の外側に立設され、回転テーブル3を囲むように設けた外壁フレーム部12と、で構成されている。外壁フレーム部12の上部は、回転テーブル3の外周面に対し僅かな間隙を存して対峙しており、パーツPの回転テーブル3からの落下を防止している。また、ピックアップエリアA3から投入エリアA1に至る外壁フレーム部12の上端には、弦形ガイド13が設けられており、循環搬送されてきたパーツPを循環搬送路Bの中央に寄せ込むようにしている。なお、図中の符号17は、回転テーブル3に上側から臨む邪魔板であり、図外のフレームに垂設されている。この邪魔板17により、ホッパー4から投入されたパーツPが、直接、回転テーブル3の中心部に入り込むのを防止している。なお、外壁フレーム部12に代わり、回転テーブル3の周縁部に立設された外壁部を有していてもよい。かかる場合、弦形ガイド13を別部材により支持する必要がある。
【0044】
回転テーブル3は、中心部除く部分が循環搬送路Bを兼ねており、この部分に多数のパーツPが載置され且つ搬送される。また、回転テーブル3は、中心部の下面部分で、主支持フレーム部9との間に介設したベアリング19により、水平姿勢を維持したまま、主支持フレーム部9に回転自在に支持されている。回転テーブル3の中心軸部には、下側からテーブル回転機構5の駆動軸15が連結されている。テーブル回転機構5は、上向き鉛直姿勢の駆動モータ18と、駆動モータ18の主軸18aに連結した減速機14と、減速機14から延びる上記の駆動軸15とで構成されている。駆動モータ18が回転すると、減速機14および駆動軸15を介して回転テーブル3が低速回転する。この場合、回転テーブル3の回転速度は、上記のロボットがパーツPをピックアップできる程度とすることが、好ましい(詳細は後述する)。
【0045】
ホッパー4は、回転テーブル3に多数のパーツPを投入する投入口(部品投入部)16を有しており、多数のパーツPは任意の姿勢の状態で投入エリアA1に投入される。投入エリアA1の投入延在方向には、支持フレーム2に吊設された上記の邪魔板17が設けられている。パーツPの投入量は、すでに投入された投入量とロボットのピックアップ量から算出した、回転テーブル3に残存するパーツPの量に基づいて決定される。なお、パーツPの投入タイミングは、任意である。
【0046】
画像認識カメラ6は、ピックアップエリアA3に上方から臨んでおり、ピックアップエリアA3上のパーツPを画像認識するものである。少なくとも、パーツPの位置と、姿勢(安定姿勢であるか否か)を認識することができ、その認識結果に基づいて、ロボットによるピックアップが行われる。画像認識カメラ6が安定姿勢のパーツPを検出すると、テーブル回転機構5を停止してパーツPの移動を停止し、ロボットによるピックアップが行われる。なお、パーツPの移動中に、ロボットによるピックアップを行うものであって良い。かかる場合、ロボットによるピックアップができるように、回転速度が調整されている必要がある。また、画像認識カメラ6を、ピックアップエリアA3の搬送方向の手前位置に臨ませ、ピックアップエリアA3に到達するパーツPの位置および姿勢を予測(算出)して、ピックアップを行うようにしても良い。
【0047】
姿勢変化ユニット7は、循環搬送路Bと同心円上に延在し、且つ径方向に隣接した半円状の内方エアー流路部材(エアー流路部材)21および半円状の外方エアー流路部材(エアー流路部材)22と、同じく循環搬送路Bと同心円上に延在し、且つ径方向に隣接した半円状の内方障壁部材(障壁部材)23および半円状の外方障壁部材(障壁部材)24と、各エアー流路部材21,22に圧縮エアーを供給すると共に、これら各エアー流路部材21,22を吊設支持するエアー供給機構(圧縮エアー供給手段)25と、を備えている。
【0048】
各エアー流路部材21,22および各障壁部材23,24は、径方向に交互に配設されており、すなわち、中心側から、内方障壁部材23、内方エアー流路部材21、外方障壁部材24、外方エアー流路部材22という順に配設されている。各エアー流路部材21,22および各障壁部材23,24は、投入エリアA1からピックアップエリアA3に至る中間に位置した姿勢変化エリアA2に配設されており、投入エリアA1から搬送される多数のパーツPは、内方障壁部材23と内方エアー流路部材21との間、内方エアー流路部材21と外方障壁部材24との間および外方障壁部材24と外方エアー流路部材22との間のいずれかを通過し、各エアー流路部材21,22から放出される圧縮エアーにより転動(姿勢変化)される。なお、請求項にいうエアーブロー手段は、各エアー流路部材21,22により構成されており、請求項にいう障壁手段および障壁は、各障壁部材23,24により構成されている。
【0049】
エアー供給機構25は、支持フレーム2の上端に固定され、内部にエアー流路31aを形成した吊設部材31と、エアー流路31aに接続した圧縮エアー供給設備32と、エアー流路31aと圧縮エアー供給設備32の間に介設されたレギュレータ33および流量計34とで構成されている。吊設部材31は、径方向に延在しており、内方エアー流路部材21および外方エアー流路部材22を上側から支持すると共に、内方エアー流路部材21および外方エアー流路部材22に圧縮エアーを供給する。レギュレータ33および流量計34は、圧縮エアー供給設備32から供給される圧縮エアーの流量(圧力)を調整する。なお、供給される圧縮エアーは、後述する放出開口部38から放出されるエアーが、安定姿勢のパーツPに対し転動を抑制し、不安定姿勢のパーツPに対し転動を促進する吹付け力に制御されている。
【0050】
また、エアーの吹付けは、連続的に行うのではなく、レギュレータ33の下流側に設けた開閉弁により、断続的に行うようにしてもよい。これにより、吹付けを受けるパーツPが複雑な動きをし、不安定姿勢のパーツPが姿勢変化しやすくなる。そのため、不安定姿勢のパーツPが安定姿勢に姿勢変化する頻度が増し、安定姿勢のパーツ割合を効率良く増加させることができる。また、エアー放出開口39の放出エリア(もしくは、2以上のエアー放出開口39のグループの放出エリア)に到達するパーツPを検出する検出装置を備え、パーツPを検出したときのみ、圧縮エアーを(連続的もしくは断続的に)放出するようにして良い。かかる場合、エアー放出開口39ごと(グループごと)にエアー放出の開閉を制御自在に構成する必要がある。
【0051】
図3(a)に示すように、内方エアー流路部材21および外方エアー流路部材22の内部には、エアー室36が形成されており、エアー室36には、エアー流路31aからの圧縮エアーが流入する流入口37と、エアー室36内の圧縮エアーを側方に放出する複数のエアー放出開口(吹出し口)39を有する放出開口部38が形成されている。外方エアー流路部材22は、循環搬送路Bの外縁部にあたるため、パーツPが通る中心側の一方のみに放出開口部38が形成されており、内方エアー流路部材21は、両側方に放出開口部38が形成されている。なお、複数の吹出し口を有する放出開口部38として、パンチング部材を用いたものや、多孔質部材を用いたものを使用してもよい。また、パーツPの形状等によりエアーの吹付け角度も適宜設計される。
【0052】
内方障壁部材23および外方障壁部材24は、各放出開口部38に対向すると共に、転動したパーツPが衝突し、乗り上げる衝突斜面(傾斜面)41を有している。すなわち、内方エアー流路部材21および外方エアー流路部材22の中間位置に位置する外方障壁部材24は、両側方に衝突斜面41,41を有し、循環搬送路Bの内縁部にあたる内方障壁部材23は、中心に対し外側の一方に衝突斜面41が形成されている(図2参照)。
【0053】
エアー流路部材21,22と障壁部材23,24の間を通過するパーツPには、放出開口部38から放出された圧縮エアーが吹き付けられる。放出開口部38から放出される圧縮エアーは、上記したように、安定姿勢のパーツPに対し転動を抑制し、不安定姿勢のパーツPに対し転動を促進する吹付け力に制御されている。すなわち、任意の姿勢にある多数のパーツPに圧縮エアーを吹き付けると、安定姿勢のパーツPは転動しにくく、不安定姿勢のパーツPは転動しやすいため、上記の制御により、安定姿勢のパーツPは転動せず、不安定姿勢のパーツPは転動する。転動した不安定姿勢のパーツPは、対向する衝突斜面41に衝突し、衝突斜面41に乗り上げ、その後落下転動する。このように、不安定姿勢のパーツPの転動、衝突および落下により、不安定姿勢のパーツPが一定の確率で安定姿勢に姿勢変化する(図3(b)ないし(d)参照)。なお、障壁部材23,24は、循環搬送路B上の搬送をガイドする役割も有している。
【0054】
なお、本実施形態の姿勢変化ユニット7は、複数のパーツPが絡み合っているものにも有効であり、転動、衝突および落下の衝撃により、絡み合ったパーツPを分離することができる。
【0055】
このように、エアー流路部材21,22により、安定姿勢のパーツPに対し転動を抑制し、不安定姿勢のパーツPに対し転動を促進する吹付け力で、パーツPにエアーを吹き付けることにより、不安定姿勢のパーツPが安定姿勢に姿勢変化し、安定姿勢のパーツ割合を増加させる。これにより、安定姿勢のパーツPをピックアップエリアA3に効率良く供給することができる。また、衝撃生成器や振動発生器といった装置を搭載する必要がなく、部品供給に用いる装置(部品供給装置1)を簡単な構成にすることができる。
【0056】
また、エアー流路部材21,22に対向する障壁部材23,24を有し、エアーの吹付けにより転動したパーツPを障壁部材23,24に衝突させることで、衝突したパーツPが複雑な動きをし、不安定姿勢のパーツPが姿勢変化しやすくなる。これにより、不安定姿勢のパーツPが安定姿勢に姿勢変化する頻度が増加し、安定姿勢のパーツ割合を効率良く増加させることができる。さらに、障壁部材23,24が、転動するパーツPが乗り上げる衝突斜面41を有していることにより、障壁部材23,24に衝突したパーツPが、衝突斜面41に乗り上げた後に落下する。そのため、落下の衝撃により不安定姿勢のパーツPにおける姿勢変化の頻度が高まり、安定姿勢のパーツ割合を更に効率良く増加させることができる。
【0057】
なお、本実施形態においては、循環搬送路Bに沿って多数のパーツPを循環搬送手段として、回転テーブル3およびテーブル回転機構5を有している。これにより、回転テーブル3に載置したパーツPが円周方向に移動し、円周状の循環搬送路Bで循環搬送される。これにより、循環搬送手段を簡単な構成にすることができる。また、円周状の循環搬送路Bを有する部品供給装置1に対し、上記のようなエアー流路部材21,22を有することにより、不安定姿勢のパーツPを数度にわたって転動させることができると共に、エアーブロー手段を簡単な構成にすることができる。加えて、上記のような障壁部材23,24を有することにより、パーツPを循環搬送路Bに沿って送りながら、安定姿勢のパーツ割合を増加することができる。また、障壁手段を簡単な構成にすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、エアー流路部材21,22とそれに対向する障壁部材23,24とから成る姿勢変化機構が、径方向に並列して配設された構成と成っている。加え、隣り合う姿勢変化機構が相互に背合せに配設され、背合せに位置したエアー流路部材21,22および障壁部材23,24が一体に形成されている。すなわち、内方障壁部材23と内方エアー流路部材21、内方エアー流路部材21と外方障壁部材24、および外方障壁部材24と外方エアー流路部材22の3組の姿勢変化機構が配設されている。このように、複数組の姿勢変化機構を用いることにより、供給された多数のパーツPを、複数組の姿勢変化機構にて、複数の組に分けて姿勢変化させることができる。そのため、効率良く姿勢変化を行うことができ、安定姿勢のパーツ割合を更に効率良く増加させることができる。また、背合せの部材を一体に形成することにより、部品点数を削減することができ、部品供給装置1を簡単な構成にすることができる。
【0059】
なお、本実施形態においては、隣り合う姿勢変化機構が相互に背合せに配設されると共に、背合せの各部材が一体に形成された姿勢変化ユニット7を用いたが、隣り合う姿勢変化機構を背合せにせず並列させ、背合せとなるエアー流路部材21,22と障壁部材23,24とが一体に形成されているものを用いても良い。ここで変形例として、異なる姿勢変化機構に属し、背合せに位置するエアー流路部材21,22と障壁部材23,24とが一体に形成された姿勢変化ユニット7について説明する。
【0060】
図4に示すように、本変形例の姿勢変化ユニット7は、上記の各エアー流路部材21,22および各障壁部材23,24に代わり、4つの一体エアー流路部材(エアー流路部材および障壁部材)42を有している。4つの一体エアー流路部材42は、回転中心に対して外側に衝突斜面41を有し、最内端のものを除く3つの一体エアー流路部材42は、内側に放出開口部38を有している。各一体エアー流路部材42は、放出開口部38の有無を除き、同一形状を有している。これにより、3組の姿勢変化機構を並列した構成にすることができ、効率良く姿勢変化を行うことができるため、安定姿勢のパーツ割合を更に効率良く増加させることができる。また、背合せの部材を一体に形成することにより、部品点数を削減することができ、部品供給装置1を簡単な構成にすることができる。さらに、同一形状の部材を並列させることで、3組の姿勢変化機構を構成することができる。すなわち、本変形例では、各一体エアー流路部材42により、請求項にいうエアーブロー手段および障壁手段(障壁)が構成されている。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態に係る部品供給装置1について、特に異なる部分について説明する。図5に示すように、第2実施形態の部品供給装置1は、循環搬送路Bの半部を兼ねる往搬送コンベア(往搬送機構)51と、往搬送コンベア51と逆向きに且つ横並びに隣接し、循環搬送路Bの残り半部を兼ねる返搬送コンベア(返搬送機構)52と、往搬送コンベア51から返搬送コンベア52へパーツPをガイド(移載)する往−返ガイド部材(往移載機構)53と、返搬送コンベア52から往搬送コンベア51へパーツPをガイド(移載)する返−往ガイド部材54(返移載機構)と、を有している。そして、これらにより往復を主体とする循環搬送路Bが形成されている。往搬送コンベア51には、上流側に投入エリアA1、下流側にピックアップエリアA3が配設されており、投入エリアA1とピックアップエリアA3の中間位置には、姿勢変化エリアA2が構成されている。
【0062】
往搬送コンベア51および返搬送コンベア52は、搬送方向に並列した複数のローラ56と、複数のローラ56に掛け渡されたコンベアベルト57と、を備えている。往搬送コンベア51の幅は、返搬送コンベア52の幅より広く形成されており、姿勢変化エリアA2を広く取れるように構成されている。また、往搬送コンベア51の外側側方および返搬送コンベア52の外側側方には、外壁ガイド58が形成されており、往搬送コンベア51および返搬送コンベア52との間で、且つ搬送方向中間位置には、隔壁ガイド59が形成されている。これらにより、パーツPが循環搬送路Bから外れることなく搬送される。
【0063】
往−返ガイド部材53および返−往ガイド部材54は、図外の支持フレームに上方から吊設されており、往−返ガイド部材53は、往搬送コンベア51の下流端部と返搬送コンベア52の上流端部との間に、往搬送コンベア51の搬送方向に倣う斜め横断方向に掛け渡すように臨んで配設されており、往搬送コンベア51により搬送されてきた多数のパーツPを返搬送コンベア52に導く(ガイドする)よう構成されている。一方、返−往ガイド部材54は、返搬送コンベア52の下流端部と往搬送コンベア51の上流端部との間に、返搬送コンベア52の搬送方向に倣う斜め横断方向に掛け渡すように臨んで配設されており、返搬送コンベア52により搬送されてきたパーツPを往搬送コンベア51に導く(ガイドする)よう構成されている。このような往−返ガイド部材53および返−往ガイド部材54を有することにより、往搬送コンベア51の搬送もしくは返搬送コンベア52の搬送を利用してパーツPを移載することができる。
【0064】
姿勢変化ユニット7は、往搬送コンベア51の搬送方向に対し正逆の斜め横断方向に延在した4つの直線エアー流路部材(エアー流路部材)61と、最も上流側に位置するものを除く3つの直線エアー流路部材61に対応する3つの直線障壁部材(障壁部材)62と、直線エアー流路部材61に圧縮エアーを供給するエアー供給機構25(図5では図示を省略する)と、を備えている。なお、直線エアー流路部材61および直線障壁部材62は、記載にない部分について、第1実施形態の各エアー流路部材21,22および各障壁部材23.24と同一の構成である。また、請求項にいうエアーブロー手段は、直線エアー流路部材61により構成されており、請求項にいう障壁手段および障壁は、直線障壁部材62により構成されている。
【0065】
4つの直線エアー流路部材61は、正逆に斜め横断方向が異なる直線エアー流路部材61が搬送方向に交互に位置して、すなわちジグザグ状に配設されており、パーツPは、直線エアー流路部材61および直線障壁部材62にガイドされて蛇行して搬送される。すなわち、パーツPは、直線エアー流路部材61および直線障壁部材62の間(最上流部では、一方の直線エアー流路部材61のみ)を通り、蛇行にガイドされ、ピックアップエリアA3に導かれる。各直線エアー流路部材61は、パーツPが通る一方に放出開口部38が形成されており、各障壁部材62は、パーツPが通る一方に衝突斜面41が形成されている。パーツPは、蛇行にガイドされつつ、放出開口部38からの圧縮エアーによって転動、姿勢変化し、ピックアップエリアA3に導かれる。
【0066】
なお、図5中では、搬送方向の下流側にエアー流路部材61が、上流側に対向する直線障壁部材62が配設されているが、搬送方向の下流側に直線障壁部材62が、上流側にエアー流路部材61が配設される構成でも良い。
【0067】
このように循環搬送手段として、往搬送コンベア51、返搬送コンベア52、往−返ガイド部材53および返−往ガイド部材54を有することにより、往復する循環搬送路Bで循環搬送される。これにより、循環搬送手段を簡単な構成にすることができる。また、往復する循環搬送路Bを有する部品供給装置1に、上記のような直線エアー流路部材61を有することにより、不安定姿勢のパーツPを数度にわたって転動することができると共に、エアーブロー手段を簡単な構成にすることができる。加えて、上記のような直線障壁部材62を有することにより、パーツPを循環搬送路Bに沿って送りながら、安定姿勢のパーツ割合を増加することができる。また、障壁手段を簡単な構成にすることができる。
【0068】
なお、本実施形態においては、直線エアー流路部材61および直線障壁部材62から成る姿勢変化機構を搬送方向に直列して配設したものを採用した。このように、複数組の姿勢変化機構を用いて多数のパーツPを転動させることにより、多数のパーツPの姿勢変化を効率良く行うことができ、安定姿勢のパーツ割合を更に効率良く増加させることができる。
【0069】
ところで、搬送方向に加え、姿勢変化機構を幅方向(搬送方向に対する垂直方向)に並列して配設したものでも良い。ここで、姿勢変化ユニット7の変形例として姿勢変化機構を幅方向に並べて配設したものについて説明する。図6に示すように、本変形例の姿勢変化ユニット7は、幅方向に並列配設した右方エアー流路部材(エアー流路部材)71および左方エアー流路部材(エアー流路部材)72と、その中間に位置する中間障壁部材(障壁部材)73からなる組を有し、この組が、正逆の斜め横断方向で、2組搬送方向に直列している。なお、右方エアー流路部材71と左方エアー流路部材72、および中間障壁部材73の記載しない部分については、上記の直線エアー流路部材61および直線障壁部材62と同一の構成である。また、請求項にいうエアーブロー手段は、各エアー流路部材71,72により構成されており、請求項にいう障壁手段および障壁は、中間障壁部材73により構成されている。
【0070】
上流側の組に属する左方エアー流路部材72と、下流側の組に属する右方エアー流路部材71とは、循環搬送路Bの側辺をあたるため、これらは、パーツPが通る一方のみに放出開口部38が形成されており、それ以外のエアー流路部材71,72は、両側方に放出開口部38が形成されている。また、両エアー流路部材71,72の中間に位置する中間障壁部材73は、両側方に衝突斜面41,41を有している。なお、姿勢変化ユニット7の下流部には、姿勢変化ユニット7を通過したパーツPを内側側方でピックアップエリアA3に導くピックアップガイド74が形成されることが好ましい(図6参照)
【0071】
このように本変形例では、エアー流路部材71,72とそれに対向する障壁部材73とから成る姿勢変化機構が、幅方向に並列して配設された構成となっている。加え、隣り合う姿勢変化機構が相互に背合せに配設され、背合せに位置したエアー流路部材71,72および障壁部材73が一体に形成されている。すなわち、右方エアー流路部材71と中間障壁部材73、および中間障壁部材73と左方エアー流路部材72の2組の姿勢変化機構が並列して配設されている。このように、複数組の姿勢変化機構を用いることにより、供給された多数のパーツPを、複数組の姿勢変化機構にて、複数の組に分けて姿勢変化させることができる。そのため、効率良く姿勢変化を行うことができ、安定姿勢のパーツ割合を更に効率良く増加させることができる。また、背合せの部材を一体に形成することにより、部品点数を削減することができ、部品供給装置1を簡単な構成にすることができる。
【0072】
なお、第1実施形態における姿勢変化ユニット7の変形例のように、右方エアー流路部材71、中間障壁部材73、および左方エアー流路部材72に代わり、3つの一体エアー流路部材42を用い、隣り合う姿勢変化機構が背合せにせず配設し、背合せのエアー流路部材71,72および障壁部材73を一体に形成した構成にしてよい。かかる場合、3つの一体エアー流路部材42は、搬送方向に対し、右側に放出開口部38を有し、左側に衝突斜面41を有している。
【0073】
以上のような構成により、循環搬送路Bを搬送されていく多数のパーツPにエアーを吹き付ける吹付け力を、安定姿勢のパーツPに対し転動を抑制し、不安定姿勢のパーツPに対し転動を促進する吹付け力に制御することで、不安定姿勢が安定姿勢に姿勢変化し、安定姿勢のパーツ割合を増加させる。これにより、安定姿勢のパーツPをピックアップエリアA3に効率良く供給することができる。また、衝撃生成器や振動発生器といった装置を搭載する必要がなく、部品供給に用いる装置(部品供給装置1)を簡単な構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態に係る部品供給装置を模式的に表した平面図である。
【図2】部品供給装置を模式的に表した断面図である。
【図3】内方エアー流路部材および外方障壁部材廻りを模式的に表した図である。
【図4】変形例の姿勢変化ユニットを模式的に表した断面図である。
【図5】第2実施形態の部品供給装置を模式的に表した平面図である。
【図6】第2実施形態に係る姿勢変化ユニットの変形例を模式的に表した平面図である。
【符号の説明】
【0075】
1:部品供給装置、 3:回転テーブル、 5:回転機構、 16:投入口、 21:内方エアー流路部材、 22:外方エアー流路部材、 23:内方障壁部材、 24:外方障壁部材、 39:エアー放出開口、 41:傾斜面、 42:一体エアー流路部材、 51:往搬送コンベア、 52:返搬送コンベア、 53:往−返ガイド部材、 54:返−往ガイド部材、 57:コンベアベルト、 61:直線エアー流路部材、 62:直線障壁部材、 71:右方エアー流路部材、 72:左方エアー流路部材、 73:中間障壁部材、 A1:投入エリア、 A3:ピックアップエリア、 B:循環搬送路、 P:パーツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を安定姿勢でピックアップエリアに供給するために、
任意の姿勢に投入された多数の部品を、前記ピックアップエリアを含む循環搬送路に沿って搬送し、投入エリアから前記ピックアップエリアまでの間で姿勢変化させて、前記安定姿勢の部品割合を増加させる部品供給装置であって、
前記投入エリアに臨む部品投入部と、
投入された多数の部品を、前記循環搬送路に沿って搬送する循環搬送手段と、
前記循環搬送路に臨み、多数の部品にエアーを吹き付けて転動させるエアーブロー手段と、を備え、
前記エアーブロー手段の吹付けエアーは、安定姿勢の部品に対し転動を抑制し、不安定姿勢の部品に対し転動を促進する吹付け力に制御されていることを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記エアーブロー手段に対峙するように前記循環搬送路に臨み、前記エアーブロー手段により転動する部品が衝突する障壁手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記障壁手段は、転動する部品が乗り上げる傾斜面を有していることを特徴とする請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記循環搬送手段は、前記循環搬送路を兼ねる円板と、
前記円板を鉛直軸廻りに回転させる回転機構と、を有していることを特徴とする請求項2または3に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記エアーブロー手段は、前記循環搬送路に沿って円弧状に延在し、圧縮エアー供給手段に連通すると共に延在方向に複数の吹出し口を形成したエアー流路部材を、有していることを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記障壁手段は、前記エアー流路部材に対向するように前記循環搬送路に沿って円弧状に延在する障壁部材を、有していることを特徴とする請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記エアー流路部材と、前記エアー流路部材に対向する前記障壁手段とから成る姿勢変化機構が、同心円上に且つ、径方向に隣接して複数組設けられていることを特徴とする請求項6に記載の部品供給装置。
【請求項8】
隣り合うと共に相互に異なる前記姿勢変化機構の前記エアー流路部材および前記障壁部材が、背合わせに位置して一体に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記循環搬送手段は、搬送方向の上流側に前記投入エリアが設定され、下流側に前記ピックアップエリアが設定された、コンベアベルトが前記循環搬送路の半部を兼ねるコンベア方式の往搬送機構と、
前記往搬送機構と逆向きに且つ横並びに隣接して配置した、コンベアベルトが前記循環搬送路の半部を兼ねるコンベア方式の返搬送機構と、
部品を前記往搬送機構から前記返搬送機構に移載する往移載機構と、
部品を前記返搬送機構から前記往搬送機構に移載する返移載機構と、を有していることを特徴とする請求項2または3に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記往移載機構は、前記往搬送機構の下流端部と前記返搬送機構の上流端部との間に、前記往搬送機構の搬送方向に倣う斜め横断方向に掛け渡すように臨み、前記往搬送機構により搬送されてきた部品を前記返搬送機構に導く往−返ガイド部材を、有していることを特徴とする請求項9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記返移載機構は、前記返搬送機構の下流端部と前記往搬送機構の上流端部との間に、前記返搬送機構の搬送方向に倣う斜め横断方向に掛け渡すように臨み、前記返搬送機構により搬送されてきた部品を前記往搬送機構に導く返−往ガイド部材を、有していることを特徴とする請求項9または10に記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記エアーブロー手段は、前記往搬送機構の前記循環搬送路に対し斜め横断方向に延在し、圧縮エアー供給手段に連通すると共に延在方向に複数の吹出し口を形成したエアー流路部材を、有していることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項13】
前記障壁手段は、前記エアー流路部材に対向するように前記往搬送機構の前記循環搬送路に対し斜め横断方向に延在する障壁部材を、有していることを特徴とする請求項12に記載の部品供給装置。
【請求項14】
前記エアー流路部材と、前記エアー流路部材に対向する前記障壁手段とから成る姿勢変化機構が、搬送方向に位置して複数組設けられ、
前記複数組の姿勢変化機構は、正逆の傾き角度の姿勢変化機構が、搬送方向に対し交互に位置して設けられていることを特徴とする請求項13に記載の部品供給装置。
【請求項15】
前記エアー流路部材と、前記エアー流路部材に対向する前記障壁手段とから成る姿勢変化機構が、複数組設けられ、
隣り合うと共に相互に異なる前記姿勢変化機構の前記エアー流路部材および前記障壁部材が、背合わせに位置して一体に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の部品供給装置。
【請求項16】
前記エアーブロー手段は、多数の部品にエアーを断続的に吹き付けることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項17】
部品を安定姿勢でピックアップ位置に供給するために、
任意の姿勢に投入された多数の部品を、前記ピックアップ位置を含む循環搬送路に沿って搬送し、投入位置から前記ピックアップ位置までの間で姿勢変化させて、前記安定姿勢の部品割合を増加させる部品供給方法であって、
部品にエアーを吹き付けて転動させて姿勢変化させることを特徴とする部品供給方法。
【請求項18】
転動した部品を、更に障壁に衝突させて姿勢変化させることを特徴とする請求項17に記載の部品供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−102106(P2009−102106A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274162(P2007−274162)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】