部品供給装置
【課題】複数枚の段積みされたトレイを積載可能なパレットを上下方向に複数枚配列した状態でストッカに収納して使用するときのパレット交換時間を短縮できる部品供給装置を提供すること。
【解決手段】部品供給装置10は、ストッカ12を昇降させるストッカ昇降装置60と、パレット搬送装置40を昇降させるパレット昇降装置70と、を備えている。これにより、例えばパレット搬送装置を降下させると共にストッカを上昇させることができる。さらに、最上段のトレイが部品採取高さに達したとき、パレット搬送装置およびストッカの上昇を停止させることができる。よって、従来のようにパレット搬送装置のみを昇降させてパレット交換する時間よりも、本実施形態のパレット搬送装置40およびストッカ12を昇降させてパレット交換する時間の方が短時間となり、生産効率を向上させることができると共に省エネルギ化を図ることができる。
【解決手段】部品供給装置10は、ストッカ12を昇降させるストッカ昇降装置60と、パレット搬送装置40を昇降させるパレット昇降装置70と、を備えている。これにより、例えばパレット搬送装置を降下させると共にストッカを上昇させることができる。さらに、最上段のトレイが部品採取高さに達したとき、パレット搬送装置およびストッカの上昇を停止させることができる。よって、従来のようにパレット搬送装置のみを昇降させてパレット交換する時間よりも、本実施形態のパレット搬送装置40およびストッカ12を昇降させてパレット交換する時間の方が短時間となり、生産効率を向上させることができると共に省エネルギ化を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイに収容された部品を供給する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、段積みされた複数枚のトレイを押上げ可能なストッカ(部品供給部)を備えた部品供給装置が開示されている。この部品供給装置は、段積みされたトレイの最上段が部品取出し位置に位置するように段積みされたトレイを押上げ、最上段のトレイから部品を吸着ヘッドにより取出して搬送ベルト上に移載し、移載した部品を搬送ベルトにより部品供給位置に搬送して供給する。そして、最上段のトレイ内の全ての部品の取出しが完了して該トレイが空になったら、空のトレイを吸着ヘッドにより吸着移動して廃棄し、次段のトレイが部品取出し位置に位置するように段積みされたトレイを押上げ、上述と同様に部品を供給する。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、複数枚の段積みされたトレイを積載可能なパレットを複数枚収納可能なストッカ(マガジン)と、該ストッカからパレットを引出して搬送する昇降可能なパレット搬送装置(引出し部)とを備えた部品供給装置(トレイフィーダ)が開示されている。この部品供給装置は、ストッカに収納されたパレットのうち、必要なパレットの位置にパレット搬送装置を昇降させて位置決めし、該パレットをパレット搬送装置により引出して部品供給位置(ピックアップ位置)に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−24389号公報(段落番号0016、図1)
【特許文献2】特開2001−24387号公報(段落番号0008、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の部品供給装置では、段積みされた複数枚のトレイを最上段から順次使用していく必要がある。このため、複数枚のトレイをストッカに使用順に段積みする作業が必須であるため手間が掛かり、また、トレイの使用順を誤って段積みした場合には生産品不良が発生する。一方、特許文献2に記載の部品供給装置では、パレット搬送装置が昇降可能に構成されているため、複数枚のパレットをストッカに使用順に配列して収納する必要はない。しかし、ストッカに収納されているパレットを使用する場合、例えばパレット搬送装置を降下させて使用するパレットの位置に位置決めし、該パレットをストッカから取出して部品供給位置に搬送する。そして、パレット搬送装置を上昇させて最上段のトレイを部品採取高さに位置決めする。全てのトレイの部品採取が完了したら、パレット搬送装置を降下させてパレットが収納されていた位置に位置決めし、該パレットをストッカに収納する。以上の動作をストッカに収納されている各パレットに対して行う必要がある。よって、パレット交換に伴うパレット搬送装置の昇降時間が長くなる傾向にある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数枚の段積みされたトレイを積載可能なパレットを上下方向に複数枚配列した状態でストッカに収納して使用するときのパレット交換時間を短縮できる部品供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数個のトレイ部品を配列して収容したトレイを収納し、前記トレイを部品供給位置に搬送して前記トレイ部品を供給する部品供給装置であって、ハウジングと、前記ハウジング内に昇降可能に装架され、複数枚の段積みされた前記トレイを積載可能なパレットを上下方向に複数枚配列した状態で収納可能なストッカと、該ストッカを昇降させるストッカ昇降装置と、前記ハウジングに昇降可能に装架され、前記ストッカと前記部品供給位置との間で前記パレットを搬送するパレット搬送装置と、該パレット搬送装置を昇降させるパレット昇降装置と、を備えたことである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記パレットが前記ハウジングの一定位置に位置するように前記ストッカを前記ストッカ昇降装置によって位置決めし、前記パレット搬送装置を前記一定位置に位置するパレットと一致するように前記パレット昇降装置によって位置決めし、前記パレットを前記パレット搬送装置によって前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えたことである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1において、前記パレットに段積み積載された複数枚の前記トレイの最上段のトレイが前記ハウジングの一定位置に位置するように前記ストッカを前記ストッカ昇降装置によって位置決めし、前記パレット搬送装置を前記複数枚のトレイが段積み積載された前記パレットと一致するように前記パレット昇降装置によって位置決めし、前記パレットを前記パレット搬送装置によって前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えたことである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記ストッカ昇降装置による前記ストッカの動作と、前記パレット搬送装置による前記パレットの搬送動作と、前記パレット昇降装置による前記パレット搬送装置の動作とが一部同時に行われるように制御して前記パレットを前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えたことである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記ストッカは、前記パレットを水平方向に複数枚配列した状態で収納可能に構成され、前記パレット搬送装置は、前記ストッカに対し前記各パレットをそれぞれ搬入出可能な複数台で構成され、前記パレット昇降装置は、前記各パレット搬送装置をそれぞれ昇降可能な複数台で構成されていることである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項3において、段積み積載された複数枚の前記トレイの高さが異なる複数枚の前記パレットを使用順に配列した状態で前記ストッカに収納する場合、最初に使用する前記パレットに段積み積載された前記トレイの高さと、最後に使用する前記パレットに段積み積載された前記トレイの高さとを比較し、高い方の前記パレットが前記ストッカの下方の位置となるように配列することである。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項3において、前記部品供給位置に搬送された前記トレイから直接的に採取可能な第1トレイ部品を収容した第1の前記トレイが載置された第1の前記パレット、および前記部品供給位置に搬送された前記トレイから採取した後に反転して受渡しが必要な第2トレイ部品を収容した第2の前記トレイが載置された第2の前記パレットを、使用順に配列した状態で前記ストッカに収納する場合、最上段の前記トレイが位置決めされる前記一定位置を、前記第1のトレイ用の第1の一定位置として設定すると共に、前記第1の一定位置よりも前記反転に必要な距離だけ下方に離間した前記第2のトレイ用の第2の一定位置として設定し、前記第1の一定位置に対して前記第1のパレットを前記ストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列し、前記第2の一定位置に対して前記第2のパレットを前記ストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列することである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、部品供給装置は、ストッカを昇降させるストッカ昇降装置と、パレット搬送装置を昇降させるパレット昇降装置と、を備えるように構成されている。これにより、ストッカに収納されているパレットを使用する場合、例えばパレット搬送装置を降下させると共にストッカを上昇させる。パレット搬送装置が使用するパレットの位置に達したとき、パレット搬送装置の降下およびストッカの上昇を停止させる。該パレットをパレット搬送装置に取出して部品供給位置に搬送する。そして、パレット搬送装置およびストッカを同期させて上昇させ、最上段のトレイが部品採取高さに達したとき、パレット搬送装置およびストッカの上昇を停止させる。全てのトレイの部品採取が完了したら、パレットをストッカに向けて搬送することにより、パレット搬送装置およびストッカを昇降させなくても、該パレットの収納位置に収納することができる。以上の動作をストッカに収納されている各パレットに対して行う。よって、従来のようにパレット搬送装置のみを昇降させてパレット交換する時間よりも、パレット搬送装置およびストッカを昇降させてパレット交換する時間の方が短時間となり、生産効率を向上させることができると共に省エネルギ化を図ることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、パレット出入制御手段は、パレットがハウジングの一定位置に位置するようにストッカをストッカ昇降装置によって位置決めするように構成されている。これにより、パレットに段積みされたトレイの段数によらずストッカからのパレットの取出位置を一定にすることができ、ストッカの位置決めを容易に行うことができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、パレット出入制御手段は、パレットに段積み積載された複数枚のトレイの最上段のトレイがハウジングの一定位置に位置するようにストッカをストッカ昇降装置によって位置決めし、パレット搬送装置を当該パレットと一致するようにパレット昇降装置によって位置決めするように構成されている。これにより、段数によって異なる最上段のトレイの位置は、ストッカを昇降させることにより一致させることができるので、最上段のトレイの位置を部品採取高さに位置決めすることができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、パレット出入制御手段は、ストッカの昇降動作と、パレットの搬送動作と、パレット搬送装置の昇降動作とを関連制御するように構成されている。これにより、パレット搬送装置をストッカに収納されているパレットに位置決めし、パレット搬送装置とストッカとを同期させて上昇させている間に、該パレットをストッカからパレット搬送装置に取出して部品供給位置へ搬送し、最上段のトレイを部品採取高さに位置決めすることができる。そして、全てのトレイの部品採取が完了したら、パレットをストッカに向けて搬送することにより、パレット搬送装置およびストッカを昇降させなくても、該パレットが収納されていた位置に収納することができる。以上の動作をストッカに収納されている各パレットに対して行うことができる。よって、パレット交換時間をより短縮させることができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、ストッカは、パレットを水平方向に複数枚配列した状態で収納可能に構成され、パレット搬送装置は、ストッカに対し各パレットをそれぞれ搬入出可能な複数台で構成され、パレット昇降装置は、各パレット搬送装置をそれぞれ昇降可能な複数台で構成されている。これにより、水平方向に複数枚配列した各パレットに段積みされているトレイには、例えば、種類の異なる部品を種類毎に振り分けて収納することができる。よって、1台のパレット昇降装置によりパレットを1枚ずつ引出して搬送する装置と比較してパレット交換時間を短縮させることができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、最初に使用するパレットに段積み積載されたトレイの高さと、最後に使用するパレットに段積み積載されたトレイの高さとを比較し、高い方のパレットがストッカの下方の位置となるように配列するようにしている。これにより、例えば、トレイの高さが低い方のパレットがストッカの下方の位置となるように配列した場合と比較して、パレットの昇降距離を短くすることができ、パレット交換時間を短縮させることができる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、最上段のトレイが位置決めされる一定位置を、第1のトレイ用の第1の一定位置として設定すると共に、第1の一定位置よりも反転に必要な距離だけ下方に離間した第2のトレイ用の第2の一定位置として設定し、第1の一定位置に対して第1のパレットをストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列し、第2の一定位置に対して第2のパレットをストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列するようにしている。これにより、トレイから直接的に採取可能な第1トレイ部品とトレイから採取した後に反転して受渡しが必要な第2トレイ部品とが混在していても、パレットの昇降距離を短くすることができ、パレット交換時間を短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る部品供給装置の一実施の形態を備えた部品実装装置を示す斜視図である。
【図2】図1の部品実装装置の主に部品供給装置を示す概略側面図である。
【図3】図1の部品供給装置のパレット出入制御装置を示すブロック図である。
【図4】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第1のパレット出入制御動作を示す第1の図である。
【図5】(A),(B)は、図3のパレット出入制御装置による第1のパレット出入制御動作を示す第2の図である。
【図6】(A),(B)は、図3のパレット出入制御装置による第1のパレット出入制御動作を示す第3の図である。
【図7】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第2のパレット出入制御動作を示す第1の図である。
【図8】(A),(B)は、図3のパレット出入制御装置による第2のパレット出入制御動作を示す第2の図である。
【図9】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第3のパレット出入制御動作を示す図である。
【図10】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第4のパレット出入制御動作を示す図である。
【図11】(A)は、第4のパレット出入制御動作によるパレットの移動距離を示す図、(B)は、比較例のパレットの移動距離を示す図である。
【図12】(A),(B),(C),(D)は、フリップウエハカット部品を反転部品吸着ノズルにより吸着した後に反転する動作を示す図である。
【図13】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第5のパレット出入制御動作を示す図である。
【図14】(A)は、第5のパレット出入制御動作によるパレットの移動距離を示す図、(B)は、第5のパレット出入制御動作によるパレットの最短となる移動距離を示す図である。
【図15】(A)は、トレイ部品、ダイレクトウエハカット部品およびフリップウエハカット部品が混在したパレットを出入制御するときの使用順の一例を示す図、(B)は、(A)に示す使用順でのパレットの移動距離を示す図である。
【図16】(A)−(a),(b)は、本発明に係る部品供給装置の変形例によるパレットの第1の出入制御動作を示す図、(B)−(a),(b)は、本発明に係る部品供給装置の変形例によるパレットの第2の出入制御動作を示す図である。
【図17】(A)〜(G)は、従来の部品供給装置によるパレットの出入制御動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る部品供給装置の一実施の形態を備えた部品実装装置について説明する。図1および図2に示すように、部品実装装置1は、基枠2の一側(装置前方側)に設けられて基板Bに装着する部品としてトレイTに収容されたトレイ部品TPを供給する部品供給装置10と、基枠2上に設けられて基板Bを搬送する基板搬送装置20と、基枠2の上方に設けられて部品供給装置10により供給されたトレイ部品TPを採取して基板搬送装置20に支持された基板Bに装着する部品移載装置30とを備えている。なお、以下の説明において、基板Bの搬送方向をX軸方向と称し、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称し、X軸方向とY軸方向とに直角な方向をZ軸方向と称する。
【0023】
図1および図2に示すように、部品供給装置10は、ハウジング11と、ハウジング11内に設けられ、複数枚の段積みされたトレイTを積載可能なパレットPを収納するストッカ12と、ハウジング11に設けられ、パレットPをストッカ12と部品供給位置Sとの間で搬送するパレット搬送装置40と、パレットPの出入れを制御するパレット出入制御装置50(図3参照)とを備えている。
【0024】
ハウジング11の一側(装置前方側)の略中央部には、トレイ部品TPを収容したトレイTが積載されたパレットPを取入れ、トレイ部品TPの採取が完了しトレイTが廃棄されて空になったパレットPを取出すパレット出入口13が設けられている。パレット出入口13には、出し入れするパレットPを一時的に載置するパレット載置台14が設けられている。そして、パレット載置台14には、パレットPをピン15aに掛けてパレット出入口13を通してパレット載置台14とストッカ12との間で出し入れする第1パレット出入装置15が設けられている。
【0025】
ハウジング11の一側(装置前方側)の下部には、廃棄された空のトレイTを排出するトレイ排出口16が設けられている。トレイ排出口16の内部には、廃棄された空のトレイTを一時的に保管するトレイ保管部17と、廃棄された空のトレイTをロッド18aによりトレイ保管部17から外部へ押し出すトレイ押出装置18が設けられている。そして、トレイ排出口16には、排出されるトレイTを一時的に載置するトレイ載置台19が設けられている。
【0026】
ストッカ12は、パレットPを上下方向に複数枚配列した状態で収納可能に構成されている。すなわち、ストッカ12は箱状に形成され、ストッカ12の左右側板12b,12bの内壁面には、水平方向に全幅にわたって延在する複数の案内溝12a,12aがそれぞれ対向して形成されている。これら案内溝12a,12aには、パレットPの左右端が摺動可能に係合するようになっている。これにより、ストッカ12の内部には、複数枚のパレットPを段積みされるトレイTの段数に応じた位置に保持することができる。そして、パレットPを案内溝12a,12aに沿って摺動することにより、パレット載置台14およびパレット搬送装置40に対し出し入れすることができる。
【0027】
パレット搬送装置40は、パレットPをY軸方向に搬送可能に構成されている。すなわち、パレット搬送装置40は、水平配置された基台41と、この基台41上に互いに平行に対向させてそれぞれ水平にY軸方向に延びるように並設され、搬送されるパレットPを案内する一対のガイドレール42,42と、各ガイドレール42,42に並設され、パレットPを支持して搬送する一対のコンベアベルト43,43と、コンベアベルト43,43を駆動する電気モータおよびギヤ機構を備えたベルト駆動部44と、基台41におけるストッカ12側に設けられ、パレットPをピン45aに掛けてストッカ12とコンベアベルト43,43との間で出し入れする第2パレット出入装置45とにより概略構成されている。
【0028】
ストッカ12は、ストッカ昇降装置60によりハウジング11内にZ軸方向に昇降可能に装架されている。パレット搬送装置40は、パレット昇降装置70によりハウジング11にZ軸方向に昇降可能に装架されている。すなわち、ストッカ12は、ストッカ昇降装置60により独立して昇降可能に構成され、パレット搬送装置40は、パレット昇降装置70により独立して昇降可能に構成されている。
【0029】
ストッカ昇降装置60は、Z軸方向に延びるように配置された送りネジ61と、ストッカ12に設けられ、送りネジ61に螺合可能な送りナット62と、送りネジ61を軸回りで回転させる電気モータおよびギヤ機構を備えたストッカ昇降駆動部63とにより概略構成されている。パレット昇降装置70は、Z軸方向に延びるように配置された送りネジ71と、パレット搬送装置40に設けられ、送りネジ71に螺合可能な送りナット72と、送りネジ71を軸回りで回転させる電気モータおよびギヤ機構を備えたパレット昇降駆動部73とにより概略構成されている。
【0030】
図3に示すように、パレット出入制御装置50は、マイクロコンピュータ50Aを有しており、マイクロコンピュータ50Aは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAM及びROM(いずれも図示省略)を備えている。このマイクロコンピュータ50Aには、表示装置51、通信装置52、記憶装置53、ストッカ昇降制御部54、第1パレット出入制御部55、第2パレット出入制御部56、パレット搬送制御部57、パレット昇降制御部58及びトレイ押出制御部59が接続されている。表示装置51は、パレット情報、トレイ情報、部品情報や警告等を表示する。通信装置52は、LAN(図示省略)を介してホストコンピュータ(図示省略)に接続されて信号を送受信する。記憶装置53は、ホストコンピュータから送信されたパレット情報等を記憶する。
【0031】
ストッカ昇降制御部54は、ストッカ昇降駆動部63が接続され、ストッカ昇降駆動部63の電気モータをオン・オフしてストッカ12を昇降させて所定位置に位置決め制御する。第1パレット出入制御部55は、第1パレット出入装置15が接続され、第1パレット出入装置15のピン15aをY軸方向に移動させてパレット載置台14とストッカ12との間でパレットPの出し入れを制御する。第2パレット出入制御部56は、第2パレット出入装置45が接続され、第2パレット出入装置45のピン45aをY軸方向に移動させてストッカ12とコンベアベルト43,43との間でパレットPの出し入れを制御する。
【0032】
パレット搬送制御部57は、ベルト駆動部44が接続され、ベルト駆動部44の電気モータをオン・オフしてコンベアベルト43,43を回動させパレットPを搬送して所定位置に位置決め制御する。パレット昇降制御部58は、パレット昇降駆動部73が接続され、パレット昇降駆動部73の電気モータをオン・オフしてパレット搬送装置40を昇降させて所定位置に位置決め制御する。トレイ押出制御部59は、トレイ押出装置18が接続され、トレイ押出装置18のロッド18aを突出させてパレットPをトレイ保管部17からトレイ載置台19への押出しを制御する。
【0033】
図1に示すように、基板搬送装置20は、一例として、同一構成の2台の搬送装置21,21を並設したダブルコンベアで構成されている。搬送装置21は、基枠2上に互いに平行に対向させてそれぞれ水平にX軸方向に延びるように並設され、搬送される基板Bを案内する一対のガイドレール22,22と、各ガイドレール22,22に並設され、基板Bを支持して搬送する図略の一対のコンベアベルトと、コンベアベルトを駆動する電気モータおよびギヤ機構を備えた図略のベルト駆動部と、所定の部品装着位置に搬送された基板Bを持ち上げてクランプする図略のクランプ装置とにより概略構成されている。
【0034】
図1に示すように、部品移載装置30は、基枠2上部に装架されて基板搬送装置20およびパレット搬送装置40の上方に配設されたXYロボットで構成されている。部品移載装置30は、Y軸サーボモータ31YによりY軸方向に移動されるY軸スライダ32Yと、X軸サーボモータ31XによりX軸方向に移動されるX軸スライダ32Xとを備えている。このX軸スライダ32Xは、Y軸スライダ32YにX軸方向に移動可能に案内されている。X軸スライダ32Xには、トレイ部品TPを基板Bに装着する部品装着ヘッド34が取付けられている。
【0035】
部品装着ヘッド34には、ヘッド本体35から下方に突出して設けられたノズルホルダー部361と、該ノズルホルダー部361の下端部に設けられてトレイ部品TPを吸着保持する部品吸着ノズル362と、ヘッド本体35から下方に突出して設けられて基板位置を認識するため基板Bを撮像する基板撮像カメラ37とが取付けられている。部品吸着ノズル362は、部品装着ヘッド34にサーボモータ(図示省略)によりZ軸方向に昇降可能に且つノズル軸周りで回転可能に支承されたノズルホルダー部361の下端部に取付けられている。そして、部品吸着ノズル362は、ノズル先端で部品を吸引可能なように図略の真空ポンプに接続されている。また、部品吸着ノズル362に吸着保持されたトレイ部品TPを撮像する部品撮像カメラ38が、基板搬送装置20とパレット搬送装置40の間に設けられている。
【0036】
次に、パレット出入制御装置50による第1のパレット出入制御動作について図4〜図6を参照して説明する。一例として、パレットP1に3枚段積みされたトレイT1のトレイ部品TP1およびパレットP2に9枚段積みされたトレイT2のトレイ部品TP2をこの順序で使用(実装)する場合について説明する。なお、初期状態では、ストッカ12は、ハウジング11内の最上方に位置し、パレット搬送装置40は、ハウジング11側の上方に位置しているものとする。
【0037】
パレット出入制御装置50は、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を下降させ、パレットP2用のストッカ12の案内溝12a,12aがパレット載置台14と一致するように位置決めする。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、パレット載置台14に載置されているパレットP2を水平移動させてストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる。同様に、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を下降させ、パレットP1用のストッカ12の案内溝12a,12aがパレット載置台14と一致するように位置決めする。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、パレット載置台14に載置されているパレットP1を水平移動させてストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる(図4(A)参照)。
【0038】
パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を下降させるとともにストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレット搬送装置40がパレットP1の位置に達したとき、パレット搬送装置40の降下およびストッカ12の上昇を停止させる(図4(B)参照)。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP1がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる(図4(C)参照)。
【0039】
パレット出入制御装置50は、パレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図5(A)参照)。そして、パレット昇降駆動部73およびストッカ昇降駆動部63を同期制御してパレット搬送装置40およびストッカ12を上昇させ、パレットP1に段積み積載された3枚のトレイT1の最上段のトレイT1が部品採取高さHPに達したとき、パレット搬送装置40およびストッカ12の上昇を停止させる(図5(B)参照)。
【0040】
ここで、トレイ部品TP1が装着される基板Bは、基板搬送装置20のガイドレール22,22により案内されつつコンベアベルトにより部品実装位置まで搬送され、クランプ装置によって部品装着位置に位置決めクランプされている(図6(A)参照)。パレットP1に段積み積載された3枚のトレイT1の最上段のトレイT1のトレイ部品TP1は、Y軸スライダ32Y及びX軸スライダ32Xにより移動された部品装着ヘッド34の部品吸着ノズル362により吸着保持される(図6(A)−(a)参照)。そして、吸着保持されたトレイ部品TP1の保持位置が部品撮像カメラ38により認識され(図6(A)−(b)参照)、トレイ部品TP1に特に問題が無い場合は、トレイ部品TP1は基板Bに装着される(図6(A)−(c)参照)。
【0041】
パレットP1の最上段のトレイT1の全てのトレイ部品TP1の基板Bへの装着が完了したら、部品装着ヘッド34の部品吸着ノズル362がトレイ吸着ノズル363に交換される。そして、パレットP1の最上段の空になったトレイT1は、部品装着ヘッド34のトレイ吸着ノズル363により吸着保持され、ハウジング11近傍のトレイ廃棄位置まで移動されて吸着解除される(図6(A)−(d)参照)。これにより、パレットP1の最上段の空になったトレイT1は、図示破線矢印で示すように、トレイ保管部17に向かって落下する。そして、パレット出入制御装置50は、トレイ押出装置18を駆動制御し、空になったトレイT1をトレイ排出口16からトレイ載置台19へ押出す。
【0042】
パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73およびストッカ昇降駆動部63を同期制御してパレット搬送装置40およびストッカ12を上昇させ、パレットP1に段積み積載された次段のトレイT1が部品採取高さHPに達したとき、パレット搬送装置40およびストッカ12の上昇を停止させる。そして、上述のトレイ部品TP1の装着およびトレイT1の廃棄を実行する。そして、パレットP1が空になったら、パレット出入制御装置50は、ベルト駆動部44を駆動制御してコンベアベルト43,43を回動させ、空のパレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させてストッカ12の案内溝12a,12aに掛かるまで水平移動させる。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、空のパレットP1をストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる。以上によりパレットP1の処理が完了する。そして、次のパレットP2に対しても同様の処理を実行する。
【0043】
以上のように、第1のパレット出入制御動作によれば、従来のようにパレット搬送装置のみを昇降させてパレット交換する時間よりも、本実施形態のパレット搬送装置40およびストッカ12を昇降させてパレット交換する時間の方が短時間となる。すなわち、図17に示すように、従来は、上方に位置しているパレット搬送装置91を降下させて使用するパレットPPの位置に位置決めし(図17(A),(B),(C)参照)、該パレットPPをストッカ92から取出して部品供給位置Sに搬送する(図17(D)参照)。そして、パレット搬送装置91を上昇させて最上段のトレイTTを部品採取高さHPに位置決めする(図17(E)参照)。全てのトレイTTの部品採取が完了したら、パレット搬送装置91を降下させてパレットPPが収納されていた位置に位置決めし(図17(F)参照)、該パレットPPをストッカ92に収納する(図17(G)参照)。以上の動作をストッカ92に収納されている各パレットPPに対して行う必要がある。
【0044】
しかし、本実施形態のパレット搬送装置40を降下させつつストッカ12を上昇させて、パレット搬送装置40をパレットPの位置に位置決めする動作時間(図4(B)参照)は、従来のパレット搬送装置91のみを降下させて、パレット搬送装置91をパレットPPの位置に位置決めする動作時間(図17(B),(C)参照)よりも短時間となる。さらに、本実施形態のパレット搬送装置40を上昇させつつストッカ12を上昇させて、最上段のトレイTを部品採取高さHPに位置決めする動作時間(図5(B)参照)は、従来のパレット搬送装置91を上昇させて、最上段のトレイTTを部品採取高さHPに位置決めする動作時間(図17(E)参照)よりも短時間となる。そして、本実施形態のパレット搬送装置40およびストッカ12は停止させたままでパレットPをストッカ12に収納できる(図6(B)参照)のに対し、従来はパレット搬送装置91を降下させて、パレット搬送装置91をパレットPPが収納されていた位置に位置決めしてからパレットPPをストッカ92に収納する必要がある(図17(F)参照)。よって、従来のようにパレット搬送装置のみを昇降させてパレット交換する時間よりも、本実施形態のパレット搬送装置40およびストッカ12を昇降させてパレット交換する時間の方が短時間となり、生産効率を向上させることができると共に省エネルギ化を図ることができる。
【0045】
次に、パレット出入制御装置50による第2のパレット出入制御動作について図7および図8を参照して説明する。この第2のパレット出入制御動作は、パレットPに段積み積載された複数枚のトレイTの最上段のトレイTがハウジング11の一定位置、本例では部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めし、パレット搬送装置40を複数枚のトレイTが段積み積載されたパレットPと一致するように位置決めしてパレットPを出し入れ制御する動作である。一例として、パレットP1に3枚段積みされたトレイT1のトレイ部品TP1およびパレットP2に9枚段積みされたトレイT2のトレイ部品TP2をこの順序で使用(実装)する場合について説明する。なお、初期状態では、ストッカ12は、ハウジング11内の最下方に位置し、パレット搬送装置40は、ハウジング11側の最下方に位置しているものとする。
【0046】
パレット出入制御装置50は、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、ストッカ12の案内溝12a,12aがパレット載置台14と一致するように位置決めする。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、パレット載置台14に載置されているパレットP2を水平移動させてストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる。同様に、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、ストッカ12の案内溝12a,12aがパレット載置台14と一致するように位置決めする。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、パレット載置台14に載置されているパレットP1を水平移動させてストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる(図7(A)参照)。
【0047】
パレット出入制御装置50は、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレットP1の最上段のトレイT1が部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を上昇させ、パレット搬送装置40をパレットP1と一致するように位置決めする(図7(B)参照)。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP1がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。
【0048】
パレット出入制御装置50は、パレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図7(C)参照)。これにより、パレットP1の最上段のトレイT1は、部品供給位置Sにおいて既に部品採取高さHPに位置決めされることになるので、上述したトレイ部品TP1の装着を直ちに実行することができる。
【0049】
パレット出入制御装置50は、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を下降させ、パレットP2の最上段のトレイT2が部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を下降させ、パレット搬送装置40をパレットP2と一致するように位置決めする(図8(A)参照)。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP2がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。
【0050】
パレット出入制御装置50は、パレットP2をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図8(B)参照)。これにより、パレットP2の最上段のトレイT2は、部品供給位置Sにおいて既に部品採取高さHPに位置決めされることになるので、上述したトレイ部品TP2の装着を直ちに実行することができる。
【0051】
以上のように、第2のパレット出入制御動作によれば、パレット出入制御装置50は、パレットPに段積み積載された複数枚のトレイTの最上段のトレイTが部品採取高さHPに位置するようにストッカ12をストッカ昇降装置60によって位置決めし、パレット搬送装置40を当該パレットPと一致するようにパレット昇降装置70によって位置決めするように構成されている。これにより、段数によって異なる最上段のトレイTの位置は、ストッカ12を昇降させることにより一致させることができるので、最上段のトレイTの位置を部品採取高さHPに位置決めすることができる。なお、パレットPに段積みされたトレイTの段数によらずストッカ12からのパレットPの取出位置を一定、例えばハウジング11の略中央高さにすることができるので、ストッカ12の位置決めを容易に行うことができる。
【0052】
次に、パレット出入制御装置50による第3のパレット出入制御動作について図9を参照して説明する。この第3のパレット出入制御動作は、ストッカ昇降装置60によるストッカ12の動作と、パレット搬送装置40によるパレットPの搬送動作と、パレット昇降装置70によるパレット搬送装置40の動作とが一部同時に行われるようにしてパレットPを出し入れ制御する動作である。例えば、トレイTが9枚段積みされたパレットPをストッカ12から取出して搬送し部品供給位置Sに達したときに、パレットPの最上段のトレイTが部品採取高さHPに達するようにパレットPを出し入れ制御する動作である。
【0053】
パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を下降させるとともにストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレット搬送装置40がパレットPの位置に達したとき、パレット搬送装置40の降下およびストッカ12の上昇を停止させる(図9(A)参照)。
【0054】
パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73およびストッカ昇降駆動部63を同期制御してパレット搬送装置40およびストッカ12を上昇させている間に、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットPがコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる(図9(B)参照)。
【0055】
さらに、パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73およびストッカ昇降駆動部63の同期制御を継続してパレット搬送装置40およびストッカ12を上昇させている間に、パレットPをガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて搬送する。そして、パレットPが部品供給位置Sに達し、且つパレットPの最上段のトレイTが部品採取高さHPに達したら、ストッカ昇降駆動部63、パレット昇降駆動部73およびベルト駆動部44の駆動制御を停止する(図9(C)参照)。そして、上述したトレイ部品TPの装着を実行する。
【0056】
以上のように、第3のパレット出入制御動作によれば、パレット出入制御装置50は、ストッカ12の昇降動作と、パレットPの搬送動作と、パレット搬送装置40の昇降動作とを関連制御するように構成されている。これにより、パレット搬送装置40をストッカ12に収納されているパレットPに位置決めし、パレット搬送装置40とストッカ12とを同期させて上昇させている間に、該パレットPをストッカ12からパレット搬送装置40に取出して部品供給位置Sへ搬送し、最上段のトレイTを部品採取高さHPに位置決めすることができる。そして、全てのトレイTの部品採取が完了したら、パレットPをストッカ12に向けて搬送することにより、パレット搬送装置40およびストッカ12を昇降させなくても、該パレットPが収納されていた位置に収納することができる。以上の動作をストッカ12に収納されている各パレットPに対して行うことができる。よって、パレット交換時間をより短縮させることができる。
【0057】
次に、パレット出入制御装置50による第4のパレット出入制御動作について図10および図11を参照して説明する。この第4のパレット出入制御動作は、第2のパレット出入制御動作において、段積み積載された複数枚のトレイTの高さが異なる複数枚のパレットPをストッカ12から使用順に出し入れするとき、最短のストッカ12の昇降距離でパレットPを出し入れ制御する動作である。この場合、最初に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さと、最後に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さとを比較し、高い方のパレットPがストッカ12の下方の位置となるように配列した状態でストッカ12に収納する。
【0058】
一例として、パレットP1に2枚段積みされたトレイT1のトレイ部品TP1、パレットP2に4枚段積みされたトレイT2のトレイ部品TP2およびパレットP3に9枚段積みされたトレイT3のトレイ部品TP3をこの順序で使用(実装)する場合について説明する。この場合、最初に使用するパレットP1に段積み積載されたトレイT1の高さhsと、最後に使用するパレットP3に段積み積載されたトレイT3の高さheとを比較し、高い方のパレットP3がストッカ12の下方の位置となるように配列した状態でストッカ12に収納する(図10(A)参照)。
【0059】
パレット出入制御装置50は、第2のパレット出入制御動作と同様にストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレットP1の最上段のトレイTが部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を上昇させ、パレット搬送装置40をパレットP1と一致するように位置決めする。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP1がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。そして、パレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図10(A)参照)。
【0060】
パレット出入制御装置50は、パレットP2およびパレットP3に対しても同様の動作を繰り返す(図10(B)、(C)参照)。図11(A)に示すように、このときのストッカ12の上昇距離L1は、パレットP1の最上段のトレイT1とパレットP3の最上段のトレイT3との距離、すなわち2枚のトレイT1の高さと4枚のトレイT2の高さとを含む距離となる。一方、図11(B)に示すように、高い方のパレットP3がストッカ12の上方の位置となるように配列した状態でストッカ12に収納したときのストッカ12の上昇距離L2は、パレットP3の最上段のトレイT3とパレットP1の最上段のトレイT1との距離、すなわち9枚のトレイT3の高さと4枚のトレイT2の高さとを含む距離となる。よって、本実施形態のストッカ12の上昇距離L1は、比較例のストッカ12の上昇距離L2よりも、9枚のトレイT3の高さと2枚のトレイT1の高さとの差分だけ短縮されることになる。
【0061】
以上のように、第4のパレット出入制御動作によれば、パレット出入制御装置50は、最初に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さと、最後に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さとを比較し、高い方のパレットPがストッカ12の下方の位置となるように配列するようにしている。これにより、例えば、トレイTの高さが低い方のパレットPがストッカ12の下方の位置となるように配列した場合と比較して、パレットPの昇降距離を短くすることができ、パレット交換時間を短縮させることができる。
【0062】
なお、パレット昇降駆動部73によるパレット搬送装置40の駆動制御を行わず、パレットPを固定高さで部品供給位置まで搬送する場合には、上述の収納順とは逆に、最初に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さと、最後に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さとを比較し、高い方のパレットPがストッカ12の上方の位置となるように配列した状態でストッカ12に収納することにより、上述と同様の効果を得ることができる。
【0063】
次に、パレット出入制御装置50による第5のパレット出入制御動作について図12〜図15を参照して説明する。この第5のパレット出入制御動作は、第2のパレット出入制御動作において、部品供給位置Sに搬送されたトレイTから直接的に採取可能な第1トレイ部品を収容したトレイTが載置されたパレットP、および部品供給位置Sに搬送されたトレイTから採取した後に反転して受渡しが必要な第2トレイ部品を収容したトレイTが載置されたパレットPをストッカ12から使用順に出し入れするとき、最短のストッカ12の昇降距離でパレットPを出し入れ制御する動作である。
【0064】
ここで、第1トレイ部品としては、既述のトレイ部品TPの他に、ウエハの表面全面に多数の同一の部品が形成され、各部品ごとにカットされて部品吸着ノズル362により直接的に吸着可能なダイレクトウエハカット部品DPがある。また、第2トレイ部品としては、図12に示すように、ウエハの表面全面に多数の同一の部品が形成され、各部品ごとにカットされ、第2ノズルホルダー部364に取付けられた反転部品吸着ノズル365により吸着した後に反転して部品吸着ノズル362に受渡しが必要なフリップウエハカット部品FPがある。なお、ダイレクトウエハカット部品DPおよびフリップウエハカット部品FPが収容されたトレイTは、基本的にはパレットPに複数枚段積みされることはなく、1枚のみ積載される。
【0065】
既述のように、トレイ部品TPを収納したトレイTが複数枚段積みされたパレットPの場合、部品供給位置Sにおいて最上段のトレイTが第1の一定位置として部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めする。また、ダイレクトウエハカット部品DPを収納したトレイTが1枚積載されたパレットPの場合、部品供給位置SにおいてトレイTが第1の一定位置として部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めする。一方、フリップウエハカット部品FPを収納したトレイTが複数枚段積みされたパレットPの場合、部品供給位置Sにおいて最上段のトレイTが第1の一定位置よりも反転に必要な距離だけ下方に離間した第2の一定位置として第2部品採取高さHPPに位置するようにストッカ12を位置決めする。
【0066】
第2ノズルホルダー部364および反転部品吸着ノズル365は、ノズルホルダー部361および部品吸着ノズル362と同様に構成され、部品装着ヘッド34に設けられた軸回りに回動可能な回動軸部366に取付けられている。そして、反転部品吸着ノズル365は、垂直下方を向いているとき、第2部品採取高さHPPに位置するトレイTからフリップウエハカット部品FPを吸着可能となるように(図12(A)参照)、また、垂直上方を向いているとき、吸着したフリップウエハカット部品FPが部品採取高さHPに位置するように(図12(B)参照)、すなわち、部品吸着ノズル362が該フリップウエハカット部品FPを吸着可能となるように(図12(C),(D)参照)、部品吸着ノズル362から垂直下方に所定距離離間して配設されている。
【0067】
この場合、部品採取高さHPに対して第1トレイ部品のパレットPをストッカ12の下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列し、第2部品採取高さHPP(第2の一定位置)に対して第2トレイ部品のパレットPをストッカ12の下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列した状態でストッカ12に収納する。一例として、図13に示すように、パレットP1に4枚段積みされたトレイT1のトレイ部品TP1、パレットP2に1枚積載されたトレイT2のダイレクトウエハカット部品DPおよびパレットP3に1枚積載されたトレイT3のフリップウエハカット部品FPをこの順序で使用(実装)する場合について説明する。この場合、部品採取高さHPに対して最初に使用するパレットP1が次に使用するパレットP2に対しストッカ12の下方の位置となるように配列し、第2部品採取高さHPPに対して最初に使用するパレットP3が位置するように配列した状態でストッカ12に収納する。
【0068】
パレット出入制御装置50は、第2のパレット出入制御動作と同様にストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレットP1の最上段のトレイT1が部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を上昇させ、パレット搬送装置40をパレットP1と一致するように位置決めする。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第1パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP1がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。そして、パレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図13(A)参照)。これにより、パレットP1の最上段のトレイT1は、部品供給位置Sにおいて既に部品採取高さHPに位置決めされることになるので、上述したトレイ部品TP1の装着を直ちに実行することができる。そして、パレットP2に対しても同様の動作を実行する(図13(B)参照)。
【0069】
パレット出入制御装置50はストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を下降させ、パレットP3のトレイT3が第2部品採取高さHPPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を下降させ、パレット搬送装置40をパレットP3と一致するように位置決めする。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第1パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP3がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。そして、パレットP3をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図13(C)参照)。そして、垂直下方に向けた反転部品吸着ノズル365によりトレイT3からフリップウエハカット部品FPを吸着させ、反転部品吸着ノズル365を回動させて垂直上方に向け、該フリップウエハカット部品FPを部品吸着ノズル362に受け渡す。
【0070】
図14(A)に示すように、このときのストッカ12の下降距離は、パレットP1の最上段のトレイT1とパレットP2のトレイT2との距離L11、すなわちパレットP1の最上段のトレイT1が部品採取高さHPに位置決めされた位置からパレットP2のトレイT2が部品採取高さHPに位置決めされるまでの距離L11と、パレットP2のトレイT2が部品採取高さHPに位置決めされた位置からパレットP3のトレイT3が第2部品採取高さHPPに位置決めされるまでの距離L12との和の距離L11+L12となる。また、図14(B)に示すように、パレットP2のトレイT2が部品採取高さHPに位置決めされたとき、パレットP3のトレイT3が第2部品採取高さHPPに位置決めされるようにパレットP2とパレットP3との距離を調整することにより、ストッカ12の下降距離は、パレットP1の最上段のトレイT1とパレットP2のトレイT2との距離L11のみとなり、さらに短縮することができ、パレット交換時間を短縮させることができる。
【0071】
また、別例として、図15に示すように、パレットP11に1枚積載されたトレイT11のダイレクトウエハカット部品、パレットP12に1枚積載されたトレイT12のフリップウエハカット部品、パレットP13に4枚段積みされたトレイT13のトレイ部品、パレットP14に1枚積載されたトレイT14のフリップウエハカット部品、パレットP15に1枚積載されたトレイT15のダイレクトウエハカット部品、パレットP16に1枚積載されたトレイT16のフリップウエハカット部品をこの順序で使用(実装)する場合について説明する(図15(A)参照)。
【0072】
この場合、部品採取高さHPに対して最初に使用するパレットP11、次に使用するパレットP13、さらに次に使用するパレットP15をこの順でストッカ12の下方から上方に向かうように配列し、第2部品採取高さHPPに対して最初に使用するパレットP12、次に使用するパレットP14、さらに次に使用するパレットP16をこの順でストッカ12の下方から上方に向かうように配列した状態でストッカ12に収納する(図15(B)参照)。
【0073】
これにより、パレット出入制御装置50は、先ず、パレットP11の最上段のトレイT11が部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めし(図15(B)(a)参照)、パレットP11から部品供給位置Sまで搬送してトレイ部品を基板Bに装着する。次に、パレットP12の最上段のトレイT12が部品採取高さHPPに位置するようにストッカ12を下降して位置決めし(図15(B)(b)参照)、パレットP12から部品供給位置Sまで搬送してフリップウエハカット部品を基板Bに装着する。このように、ストッカ12を下降させるのみで、パレット11からパレット16までを順次部品供給位置Sまで搬送して各部品を基板Bに装着することができる。このときのストッカ12の下降距離L21は、パレットP11のトレイT11とパレットP15のトレイT15との距離、すなわち1枚のトレイT11の高さと4枚のトレイT13の高さと1枚のトレイT15の高さとを含む距離となる。一方、パレット11からパレット16までをストッカ12の下方から上方に向かうように配列した状態でストッカ12に収納した比較例の場合は、各パレット11〜16によって部品採取高さHPと第2部品採取高さHPPとが異なるため、ストッカ12を上下動させなければならない。よって、本実施形態のストッカ12の下降距離L21は、比較例のストッカ12の上昇下降距離よりも、大幅に短縮されることになる。
【0074】
次に、部品供給装置の変形例について図16を参照して説明する。この部品供給装置80は、パレットPを水平方向に複数枚(本例では、3枚)配列した状態で収納可能に構成されたストッカ81と、ストッカ81に対し各パレットP21,P22,P23をそれぞれ搬入出可能な複数台(本例では、3台)で構成されたパレット搬送装置82a,82b,82cと、各パレット搬送装置82a,82b,82cをそれぞれ昇降可能な複数台(本例では、3台)で構成されたパレット昇降装置83a,83b,83cとを備えている。ストッカ81、各パレット搬送装置82a,82b,82cおよび各パレット昇降装置83a,83b,83cは、既述のストッカ12、パレット搬送装置40およびパレット昇降装置70と略同一構成である。
【0075】
このような構成の部品供給装置80によれば、例えば、各パレットP21,P22,P23に段積みされているトレイT21,T22,T23には、例えば、種類の異なる部品を種類毎に振り分けて収納することができるので(図16(A)参照)、1台のパレット昇降装置40によりパレットP21,P22,P23を1枚ずつ引出して搬送する装置と比較してパレット交換時間を短縮させることができ、生産効率を向上させることができると共に省エネルギ化を図ることができる。また、各パレットP21,P22,P23に段積みされるトレイT21,T22,T23の枚数がパレットP21,P22,P23毎に異なっていても、部品供給位置Sに搬送されたときの最上段の各トレイT21,T22,T23の高さを同一の部品採取高さHPにすることができる。よって、部品吸着ノズル362がパレットP21,P22,P23間を移動するとき、トレイT21,T22,T23との衝突を避けるために大きく移動する必要はなく、部品吸着ノズル362の移動時間を短縮させることができる。
【0076】
また、例えば、同一種類の多数のトレイ部品TPを収納した各トレイT21,T22,T23を同一の段数で1枚のパレットPに段積みすることにより(図16(B)参照)、各パレット搬送装置82a,82b,82cを同期制御して1枚のパレットPをストッカ81から部品装着位置Sに搬送し、各パレット昇降装置83a,83b,83cを同期制御して1枚のパレットPを昇降して最上段の各トレイT21,T22,T23を部品採取高さHPにそれぞれ一致させることができる。よって、同一種類の多数のトレイ部品TPを連続して基板Bに装着することが可能となり、生産効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・部品実装装置、10,80・・・部品供給装置、11・・・ハウジング、12,81・・・ストッカ、20・・・基板搬送装置、30・・・部品移載装置、362・・・部品吸着ノズル、365・・・反転部品吸着ノズル、40,82a,82b,82c・・・パレット搬送装置、50・・・パレット出入制御装置、60・・・ストッカ昇降装置、70,83a,83b,83c・・・パレット昇降装置、P・・・パレット、T・・・トレイ、TP・・・トレイ部品、DP・・・ダイレクトウエハカット部品、FP・・・フリップウエハカット部品、B・・・基板、S・・・部品供給位置、HP・・・部品採取高さ、HPP・・・第2部品採取高さ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイに収容された部品を供給する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、段積みされた複数枚のトレイを押上げ可能なストッカ(部品供給部)を備えた部品供給装置が開示されている。この部品供給装置は、段積みされたトレイの最上段が部品取出し位置に位置するように段積みされたトレイを押上げ、最上段のトレイから部品を吸着ヘッドにより取出して搬送ベルト上に移載し、移載した部品を搬送ベルトにより部品供給位置に搬送して供給する。そして、最上段のトレイ内の全ての部品の取出しが完了して該トレイが空になったら、空のトレイを吸着ヘッドにより吸着移動して廃棄し、次段のトレイが部品取出し位置に位置するように段積みされたトレイを押上げ、上述と同様に部品を供給する。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、複数枚の段積みされたトレイを積載可能なパレットを複数枚収納可能なストッカ(マガジン)と、該ストッカからパレットを引出して搬送する昇降可能なパレット搬送装置(引出し部)とを備えた部品供給装置(トレイフィーダ)が開示されている。この部品供給装置は、ストッカに収納されたパレットのうち、必要なパレットの位置にパレット搬送装置を昇降させて位置決めし、該パレットをパレット搬送装置により引出して部品供給位置(ピックアップ位置)に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−24389号公報(段落番号0016、図1)
【特許文献2】特開2001−24387号公報(段落番号0008、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の部品供給装置では、段積みされた複数枚のトレイを最上段から順次使用していく必要がある。このため、複数枚のトレイをストッカに使用順に段積みする作業が必須であるため手間が掛かり、また、トレイの使用順を誤って段積みした場合には生産品不良が発生する。一方、特許文献2に記載の部品供給装置では、パレット搬送装置が昇降可能に構成されているため、複数枚のパレットをストッカに使用順に配列して収納する必要はない。しかし、ストッカに収納されているパレットを使用する場合、例えばパレット搬送装置を降下させて使用するパレットの位置に位置決めし、該パレットをストッカから取出して部品供給位置に搬送する。そして、パレット搬送装置を上昇させて最上段のトレイを部品採取高さに位置決めする。全てのトレイの部品採取が完了したら、パレット搬送装置を降下させてパレットが収納されていた位置に位置決めし、該パレットをストッカに収納する。以上の動作をストッカに収納されている各パレットに対して行う必要がある。よって、パレット交換に伴うパレット搬送装置の昇降時間が長くなる傾向にある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数枚の段積みされたトレイを積載可能なパレットを上下方向に複数枚配列した状態でストッカに収納して使用するときのパレット交換時間を短縮できる部品供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数個のトレイ部品を配列して収容したトレイを収納し、前記トレイを部品供給位置に搬送して前記トレイ部品を供給する部品供給装置であって、ハウジングと、前記ハウジング内に昇降可能に装架され、複数枚の段積みされた前記トレイを積載可能なパレットを上下方向に複数枚配列した状態で収納可能なストッカと、該ストッカを昇降させるストッカ昇降装置と、前記ハウジングに昇降可能に装架され、前記ストッカと前記部品供給位置との間で前記パレットを搬送するパレット搬送装置と、該パレット搬送装置を昇降させるパレット昇降装置と、を備えたことである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記パレットが前記ハウジングの一定位置に位置するように前記ストッカを前記ストッカ昇降装置によって位置決めし、前記パレット搬送装置を前記一定位置に位置するパレットと一致するように前記パレット昇降装置によって位置決めし、前記パレットを前記パレット搬送装置によって前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えたことである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1において、前記パレットに段積み積載された複数枚の前記トレイの最上段のトレイが前記ハウジングの一定位置に位置するように前記ストッカを前記ストッカ昇降装置によって位置決めし、前記パレット搬送装置を前記複数枚のトレイが段積み積載された前記パレットと一致するように前記パレット昇降装置によって位置決めし、前記パレットを前記パレット搬送装置によって前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えたことである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記ストッカ昇降装置による前記ストッカの動作と、前記パレット搬送装置による前記パレットの搬送動作と、前記パレット昇降装置による前記パレット搬送装置の動作とが一部同時に行われるように制御して前記パレットを前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えたことである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記ストッカは、前記パレットを水平方向に複数枚配列した状態で収納可能に構成され、前記パレット搬送装置は、前記ストッカに対し前記各パレットをそれぞれ搬入出可能な複数台で構成され、前記パレット昇降装置は、前記各パレット搬送装置をそれぞれ昇降可能な複数台で構成されていることである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項3において、段積み積載された複数枚の前記トレイの高さが異なる複数枚の前記パレットを使用順に配列した状態で前記ストッカに収納する場合、最初に使用する前記パレットに段積み積載された前記トレイの高さと、最後に使用する前記パレットに段積み積載された前記トレイの高さとを比較し、高い方の前記パレットが前記ストッカの下方の位置となるように配列することである。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項3において、前記部品供給位置に搬送された前記トレイから直接的に採取可能な第1トレイ部品を収容した第1の前記トレイが載置された第1の前記パレット、および前記部品供給位置に搬送された前記トレイから採取した後に反転して受渡しが必要な第2トレイ部品を収容した第2の前記トレイが載置された第2の前記パレットを、使用順に配列した状態で前記ストッカに収納する場合、最上段の前記トレイが位置決めされる前記一定位置を、前記第1のトレイ用の第1の一定位置として設定すると共に、前記第1の一定位置よりも前記反転に必要な距離だけ下方に離間した前記第2のトレイ用の第2の一定位置として設定し、前記第1の一定位置に対して前記第1のパレットを前記ストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列し、前記第2の一定位置に対して前記第2のパレットを前記ストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列することである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、部品供給装置は、ストッカを昇降させるストッカ昇降装置と、パレット搬送装置を昇降させるパレット昇降装置と、を備えるように構成されている。これにより、ストッカに収納されているパレットを使用する場合、例えばパレット搬送装置を降下させると共にストッカを上昇させる。パレット搬送装置が使用するパレットの位置に達したとき、パレット搬送装置の降下およびストッカの上昇を停止させる。該パレットをパレット搬送装置に取出して部品供給位置に搬送する。そして、パレット搬送装置およびストッカを同期させて上昇させ、最上段のトレイが部品採取高さに達したとき、パレット搬送装置およびストッカの上昇を停止させる。全てのトレイの部品採取が完了したら、パレットをストッカに向けて搬送することにより、パレット搬送装置およびストッカを昇降させなくても、該パレットの収納位置に収納することができる。以上の動作をストッカに収納されている各パレットに対して行う。よって、従来のようにパレット搬送装置のみを昇降させてパレット交換する時間よりも、パレット搬送装置およびストッカを昇降させてパレット交換する時間の方が短時間となり、生産効率を向上させることができると共に省エネルギ化を図ることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、パレット出入制御手段は、パレットがハウジングの一定位置に位置するようにストッカをストッカ昇降装置によって位置決めするように構成されている。これにより、パレットに段積みされたトレイの段数によらずストッカからのパレットの取出位置を一定にすることができ、ストッカの位置決めを容易に行うことができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、パレット出入制御手段は、パレットに段積み積載された複数枚のトレイの最上段のトレイがハウジングの一定位置に位置するようにストッカをストッカ昇降装置によって位置決めし、パレット搬送装置を当該パレットと一致するようにパレット昇降装置によって位置決めするように構成されている。これにより、段数によって異なる最上段のトレイの位置は、ストッカを昇降させることにより一致させることができるので、最上段のトレイの位置を部品採取高さに位置決めすることができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、パレット出入制御手段は、ストッカの昇降動作と、パレットの搬送動作と、パレット搬送装置の昇降動作とを関連制御するように構成されている。これにより、パレット搬送装置をストッカに収納されているパレットに位置決めし、パレット搬送装置とストッカとを同期させて上昇させている間に、該パレットをストッカからパレット搬送装置に取出して部品供給位置へ搬送し、最上段のトレイを部品採取高さに位置決めすることができる。そして、全てのトレイの部品採取が完了したら、パレットをストッカに向けて搬送することにより、パレット搬送装置およびストッカを昇降させなくても、該パレットが収納されていた位置に収納することができる。以上の動作をストッカに収納されている各パレットに対して行うことができる。よって、パレット交換時間をより短縮させることができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、ストッカは、パレットを水平方向に複数枚配列した状態で収納可能に構成され、パレット搬送装置は、ストッカに対し各パレットをそれぞれ搬入出可能な複数台で構成され、パレット昇降装置は、各パレット搬送装置をそれぞれ昇降可能な複数台で構成されている。これにより、水平方向に複数枚配列した各パレットに段積みされているトレイには、例えば、種類の異なる部品を種類毎に振り分けて収納することができる。よって、1台のパレット昇降装置によりパレットを1枚ずつ引出して搬送する装置と比較してパレット交換時間を短縮させることができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、最初に使用するパレットに段積み積載されたトレイの高さと、最後に使用するパレットに段積み積載されたトレイの高さとを比較し、高い方のパレットがストッカの下方の位置となるように配列するようにしている。これにより、例えば、トレイの高さが低い方のパレットがストッカの下方の位置となるように配列した場合と比較して、パレットの昇降距離を短くすることができ、パレット交換時間を短縮させることができる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、最上段のトレイが位置決めされる一定位置を、第1のトレイ用の第1の一定位置として設定すると共に、第1の一定位置よりも反転に必要な距離だけ下方に離間した第2のトレイ用の第2の一定位置として設定し、第1の一定位置に対して第1のパレットをストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列し、第2の一定位置に対して第2のパレットをストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列するようにしている。これにより、トレイから直接的に採取可能な第1トレイ部品とトレイから採取した後に反転して受渡しが必要な第2トレイ部品とが混在していても、パレットの昇降距離を短くすることができ、パレット交換時間を短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る部品供給装置の一実施の形態を備えた部品実装装置を示す斜視図である。
【図2】図1の部品実装装置の主に部品供給装置を示す概略側面図である。
【図3】図1の部品供給装置のパレット出入制御装置を示すブロック図である。
【図4】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第1のパレット出入制御動作を示す第1の図である。
【図5】(A),(B)は、図3のパレット出入制御装置による第1のパレット出入制御動作を示す第2の図である。
【図6】(A),(B)は、図3のパレット出入制御装置による第1のパレット出入制御動作を示す第3の図である。
【図7】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第2のパレット出入制御動作を示す第1の図である。
【図8】(A),(B)は、図3のパレット出入制御装置による第2のパレット出入制御動作を示す第2の図である。
【図9】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第3のパレット出入制御動作を示す図である。
【図10】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第4のパレット出入制御動作を示す図である。
【図11】(A)は、第4のパレット出入制御動作によるパレットの移動距離を示す図、(B)は、比較例のパレットの移動距離を示す図である。
【図12】(A),(B),(C),(D)は、フリップウエハカット部品を反転部品吸着ノズルにより吸着した後に反転する動作を示す図である。
【図13】(A),(B),(C)は、図3のパレット出入制御装置による第5のパレット出入制御動作を示す図である。
【図14】(A)は、第5のパレット出入制御動作によるパレットの移動距離を示す図、(B)は、第5のパレット出入制御動作によるパレットの最短となる移動距離を示す図である。
【図15】(A)は、トレイ部品、ダイレクトウエハカット部品およびフリップウエハカット部品が混在したパレットを出入制御するときの使用順の一例を示す図、(B)は、(A)に示す使用順でのパレットの移動距離を示す図である。
【図16】(A)−(a),(b)は、本発明に係る部品供給装置の変形例によるパレットの第1の出入制御動作を示す図、(B)−(a),(b)は、本発明に係る部品供給装置の変形例によるパレットの第2の出入制御動作を示す図である。
【図17】(A)〜(G)は、従来の部品供給装置によるパレットの出入制御動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る部品供給装置の一実施の形態を備えた部品実装装置について説明する。図1および図2に示すように、部品実装装置1は、基枠2の一側(装置前方側)に設けられて基板Bに装着する部品としてトレイTに収容されたトレイ部品TPを供給する部品供給装置10と、基枠2上に設けられて基板Bを搬送する基板搬送装置20と、基枠2の上方に設けられて部品供給装置10により供給されたトレイ部品TPを採取して基板搬送装置20に支持された基板Bに装着する部品移載装置30とを備えている。なお、以下の説明において、基板Bの搬送方向をX軸方向と称し、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称し、X軸方向とY軸方向とに直角な方向をZ軸方向と称する。
【0023】
図1および図2に示すように、部品供給装置10は、ハウジング11と、ハウジング11内に設けられ、複数枚の段積みされたトレイTを積載可能なパレットPを収納するストッカ12と、ハウジング11に設けられ、パレットPをストッカ12と部品供給位置Sとの間で搬送するパレット搬送装置40と、パレットPの出入れを制御するパレット出入制御装置50(図3参照)とを備えている。
【0024】
ハウジング11の一側(装置前方側)の略中央部には、トレイ部品TPを収容したトレイTが積載されたパレットPを取入れ、トレイ部品TPの採取が完了しトレイTが廃棄されて空になったパレットPを取出すパレット出入口13が設けられている。パレット出入口13には、出し入れするパレットPを一時的に載置するパレット載置台14が設けられている。そして、パレット載置台14には、パレットPをピン15aに掛けてパレット出入口13を通してパレット載置台14とストッカ12との間で出し入れする第1パレット出入装置15が設けられている。
【0025】
ハウジング11の一側(装置前方側)の下部には、廃棄された空のトレイTを排出するトレイ排出口16が設けられている。トレイ排出口16の内部には、廃棄された空のトレイTを一時的に保管するトレイ保管部17と、廃棄された空のトレイTをロッド18aによりトレイ保管部17から外部へ押し出すトレイ押出装置18が設けられている。そして、トレイ排出口16には、排出されるトレイTを一時的に載置するトレイ載置台19が設けられている。
【0026】
ストッカ12は、パレットPを上下方向に複数枚配列した状態で収納可能に構成されている。すなわち、ストッカ12は箱状に形成され、ストッカ12の左右側板12b,12bの内壁面には、水平方向に全幅にわたって延在する複数の案内溝12a,12aがそれぞれ対向して形成されている。これら案内溝12a,12aには、パレットPの左右端が摺動可能に係合するようになっている。これにより、ストッカ12の内部には、複数枚のパレットPを段積みされるトレイTの段数に応じた位置に保持することができる。そして、パレットPを案内溝12a,12aに沿って摺動することにより、パレット載置台14およびパレット搬送装置40に対し出し入れすることができる。
【0027】
パレット搬送装置40は、パレットPをY軸方向に搬送可能に構成されている。すなわち、パレット搬送装置40は、水平配置された基台41と、この基台41上に互いに平行に対向させてそれぞれ水平にY軸方向に延びるように並設され、搬送されるパレットPを案内する一対のガイドレール42,42と、各ガイドレール42,42に並設され、パレットPを支持して搬送する一対のコンベアベルト43,43と、コンベアベルト43,43を駆動する電気モータおよびギヤ機構を備えたベルト駆動部44と、基台41におけるストッカ12側に設けられ、パレットPをピン45aに掛けてストッカ12とコンベアベルト43,43との間で出し入れする第2パレット出入装置45とにより概略構成されている。
【0028】
ストッカ12は、ストッカ昇降装置60によりハウジング11内にZ軸方向に昇降可能に装架されている。パレット搬送装置40は、パレット昇降装置70によりハウジング11にZ軸方向に昇降可能に装架されている。すなわち、ストッカ12は、ストッカ昇降装置60により独立して昇降可能に構成され、パレット搬送装置40は、パレット昇降装置70により独立して昇降可能に構成されている。
【0029】
ストッカ昇降装置60は、Z軸方向に延びるように配置された送りネジ61と、ストッカ12に設けられ、送りネジ61に螺合可能な送りナット62と、送りネジ61を軸回りで回転させる電気モータおよびギヤ機構を備えたストッカ昇降駆動部63とにより概略構成されている。パレット昇降装置70は、Z軸方向に延びるように配置された送りネジ71と、パレット搬送装置40に設けられ、送りネジ71に螺合可能な送りナット72と、送りネジ71を軸回りで回転させる電気モータおよびギヤ機構を備えたパレット昇降駆動部73とにより概略構成されている。
【0030】
図3に示すように、パレット出入制御装置50は、マイクロコンピュータ50Aを有しており、マイクロコンピュータ50Aは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAM及びROM(いずれも図示省略)を備えている。このマイクロコンピュータ50Aには、表示装置51、通信装置52、記憶装置53、ストッカ昇降制御部54、第1パレット出入制御部55、第2パレット出入制御部56、パレット搬送制御部57、パレット昇降制御部58及びトレイ押出制御部59が接続されている。表示装置51は、パレット情報、トレイ情報、部品情報や警告等を表示する。通信装置52は、LAN(図示省略)を介してホストコンピュータ(図示省略)に接続されて信号を送受信する。記憶装置53は、ホストコンピュータから送信されたパレット情報等を記憶する。
【0031】
ストッカ昇降制御部54は、ストッカ昇降駆動部63が接続され、ストッカ昇降駆動部63の電気モータをオン・オフしてストッカ12を昇降させて所定位置に位置決め制御する。第1パレット出入制御部55は、第1パレット出入装置15が接続され、第1パレット出入装置15のピン15aをY軸方向に移動させてパレット載置台14とストッカ12との間でパレットPの出し入れを制御する。第2パレット出入制御部56は、第2パレット出入装置45が接続され、第2パレット出入装置45のピン45aをY軸方向に移動させてストッカ12とコンベアベルト43,43との間でパレットPの出し入れを制御する。
【0032】
パレット搬送制御部57は、ベルト駆動部44が接続され、ベルト駆動部44の電気モータをオン・オフしてコンベアベルト43,43を回動させパレットPを搬送して所定位置に位置決め制御する。パレット昇降制御部58は、パレット昇降駆動部73が接続され、パレット昇降駆動部73の電気モータをオン・オフしてパレット搬送装置40を昇降させて所定位置に位置決め制御する。トレイ押出制御部59は、トレイ押出装置18が接続され、トレイ押出装置18のロッド18aを突出させてパレットPをトレイ保管部17からトレイ載置台19への押出しを制御する。
【0033】
図1に示すように、基板搬送装置20は、一例として、同一構成の2台の搬送装置21,21を並設したダブルコンベアで構成されている。搬送装置21は、基枠2上に互いに平行に対向させてそれぞれ水平にX軸方向に延びるように並設され、搬送される基板Bを案内する一対のガイドレール22,22と、各ガイドレール22,22に並設され、基板Bを支持して搬送する図略の一対のコンベアベルトと、コンベアベルトを駆動する電気モータおよびギヤ機構を備えた図略のベルト駆動部と、所定の部品装着位置に搬送された基板Bを持ち上げてクランプする図略のクランプ装置とにより概略構成されている。
【0034】
図1に示すように、部品移載装置30は、基枠2上部に装架されて基板搬送装置20およびパレット搬送装置40の上方に配設されたXYロボットで構成されている。部品移載装置30は、Y軸サーボモータ31YによりY軸方向に移動されるY軸スライダ32Yと、X軸サーボモータ31XによりX軸方向に移動されるX軸スライダ32Xとを備えている。このX軸スライダ32Xは、Y軸スライダ32YにX軸方向に移動可能に案内されている。X軸スライダ32Xには、トレイ部品TPを基板Bに装着する部品装着ヘッド34が取付けられている。
【0035】
部品装着ヘッド34には、ヘッド本体35から下方に突出して設けられたノズルホルダー部361と、該ノズルホルダー部361の下端部に設けられてトレイ部品TPを吸着保持する部品吸着ノズル362と、ヘッド本体35から下方に突出して設けられて基板位置を認識するため基板Bを撮像する基板撮像カメラ37とが取付けられている。部品吸着ノズル362は、部品装着ヘッド34にサーボモータ(図示省略)によりZ軸方向に昇降可能に且つノズル軸周りで回転可能に支承されたノズルホルダー部361の下端部に取付けられている。そして、部品吸着ノズル362は、ノズル先端で部品を吸引可能なように図略の真空ポンプに接続されている。また、部品吸着ノズル362に吸着保持されたトレイ部品TPを撮像する部品撮像カメラ38が、基板搬送装置20とパレット搬送装置40の間に設けられている。
【0036】
次に、パレット出入制御装置50による第1のパレット出入制御動作について図4〜図6を参照して説明する。一例として、パレットP1に3枚段積みされたトレイT1のトレイ部品TP1およびパレットP2に9枚段積みされたトレイT2のトレイ部品TP2をこの順序で使用(実装)する場合について説明する。なお、初期状態では、ストッカ12は、ハウジング11内の最上方に位置し、パレット搬送装置40は、ハウジング11側の上方に位置しているものとする。
【0037】
パレット出入制御装置50は、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を下降させ、パレットP2用のストッカ12の案内溝12a,12aがパレット載置台14と一致するように位置決めする。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、パレット載置台14に載置されているパレットP2を水平移動させてストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる。同様に、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を下降させ、パレットP1用のストッカ12の案内溝12a,12aがパレット載置台14と一致するように位置決めする。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、パレット載置台14に載置されているパレットP1を水平移動させてストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる(図4(A)参照)。
【0038】
パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を下降させるとともにストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレット搬送装置40がパレットP1の位置に達したとき、パレット搬送装置40の降下およびストッカ12の上昇を停止させる(図4(B)参照)。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP1がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる(図4(C)参照)。
【0039】
パレット出入制御装置50は、パレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図5(A)参照)。そして、パレット昇降駆動部73およびストッカ昇降駆動部63を同期制御してパレット搬送装置40およびストッカ12を上昇させ、パレットP1に段積み積載された3枚のトレイT1の最上段のトレイT1が部品採取高さHPに達したとき、パレット搬送装置40およびストッカ12の上昇を停止させる(図5(B)参照)。
【0040】
ここで、トレイ部品TP1が装着される基板Bは、基板搬送装置20のガイドレール22,22により案内されつつコンベアベルトにより部品実装位置まで搬送され、クランプ装置によって部品装着位置に位置決めクランプされている(図6(A)参照)。パレットP1に段積み積載された3枚のトレイT1の最上段のトレイT1のトレイ部品TP1は、Y軸スライダ32Y及びX軸スライダ32Xにより移動された部品装着ヘッド34の部品吸着ノズル362により吸着保持される(図6(A)−(a)参照)。そして、吸着保持されたトレイ部品TP1の保持位置が部品撮像カメラ38により認識され(図6(A)−(b)参照)、トレイ部品TP1に特に問題が無い場合は、トレイ部品TP1は基板Bに装着される(図6(A)−(c)参照)。
【0041】
パレットP1の最上段のトレイT1の全てのトレイ部品TP1の基板Bへの装着が完了したら、部品装着ヘッド34の部品吸着ノズル362がトレイ吸着ノズル363に交換される。そして、パレットP1の最上段の空になったトレイT1は、部品装着ヘッド34のトレイ吸着ノズル363により吸着保持され、ハウジング11近傍のトレイ廃棄位置まで移動されて吸着解除される(図6(A)−(d)参照)。これにより、パレットP1の最上段の空になったトレイT1は、図示破線矢印で示すように、トレイ保管部17に向かって落下する。そして、パレット出入制御装置50は、トレイ押出装置18を駆動制御し、空になったトレイT1をトレイ排出口16からトレイ載置台19へ押出す。
【0042】
パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73およびストッカ昇降駆動部63を同期制御してパレット搬送装置40およびストッカ12を上昇させ、パレットP1に段積み積載された次段のトレイT1が部品採取高さHPに達したとき、パレット搬送装置40およびストッカ12の上昇を停止させる。そして、上述のトレイ部品TP1の装着およびトレイT1の廃棄を実行する。そして、パレットP1が空になったら、パレット出入制御装置50は、ベルト駆動部44を駆動制御してコンベアベルト43,43を回動させ、空のパレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させてストッカ12の案内溝12a,12aに掛かるまで水平移動させる。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、空のパレットP1をストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる。以上によりパレットP1の処理が完了する。そして、次のパレットP2に対しても同様の処理を実行する。
【0043】
以上のように、第1のパレット出入制御動作によれば、従来のようにパレット搬送装置のみを昇降させてパレット交換する時間よりも、本実施形態のパレット搬送装置40およびストッカ12を昇降させてパレット交換する時間の方が短時間となる。すなわち、図17に示すように、従来は、上方に位置しているパレット搬送装置91を降下させて使用するパレットPPの位置に位置決めし(図17(A),(B),(C)参照)、該パレットPPをストッカ92から取出して部品供給位置Sに搬送する(図17(D)参照)。そして、パレット搬送装置91を上昇させて最上段のトレイTTを部品採取高さHPに位置決めする(図17(E)参照)。全てのトレイTTの部品採取が完了したら、パレット搬送装置91を降下させてパレットPPが収納されていた位置に位置決めし(図17(F)参照)、該パレットPPをストッカ92に収納する(図17(G)参照)。以上の動作をストッカ92に収納されている各パレットPPに対して行う必要がある。
【0044】
しかし、本実施形態のパレット搬送装置40を降下させつつストッカ12を上昇させて、パレット搬送装置40をパレットPの位置に位置決めする動作時間(図4(B)参照)は、従来のパレット搬送装置91のみを降下させて、パレット搬送装置91をパレットPPの位置に位置決めする動作時間(図17(B),(C)参照)よりも短時間となる。さらに、本実施形態のパレット搬送装置40を上昇させつつストッカ12を上昇させて、最上段のトレイTを部品採取高さHPに位置決めする動作時間(図5(B)参照)は、従来のパレット搬送装置91を上昇させて、最上段のトレイTTを部品採取高さHPに位置決めする動作時間(図17(E)参照)よりも短時間となる。そして、本実施形態のパレット搬送装置40およびストッカ12は停止させたままでパレットPをストッカ12に収納できる(図6(B)参照)のに対し、従来はパレット搬送装置91を降下させて、パレット搬送装置91をパレットPPが収納されていた位置に位置決めしてからパレットPPをストッカ92に収納する必要がある(図17(F)参照)。よって、従来のようにパレット搬送装置のみを昇降させてパレット交換する時間よりも、本実施形態のパレット搬送装置40およびストッカ12を昇降させてパレット交換する時間の方が短時間となり、生産効率を向上させることができると共に省エネルギ化を図ることができる。
【0045】
次に、パレット出入制御装置50による第2のパレット出入制御動作について図7および図8を参照して説明する。この第2のパレット出入制御動作は、パレットPに段積み積載された複数枚のトレイTの最上段のトレイTがハウジング11の一定位置、本例では部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めし、パレット搬送装置40を複数枚のトレイTが段積み積載されたパレットPと一致するように位置決めしてパレットPを出し入れ制御する動作である。一例として、パレットP1に3枚段積みされたトレイT1のトレイ部品TP1およびパレットP2に9枚段積みされたトレイT2のトレイ部品TP2をこの順序で使用(実装)する場合について説明する。なお、初期状態では、ストッカ12は、ハウジング11内の最下方に位置し、パレット搬送装置40は、ハウジング11側の最下方に位置しているものとする。
【0046】
パレット出入制御装置50は、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、ストッカ12の案内溝12a,12aがパレット載置台14と一致するように位置決めする。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、パレット載置台14に載置されているパレットP2を水平移動させてストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる。同様に、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、ストッカ12の案内溝12a,12aがパレット載置台14と一致するように位置決めする。そして、第1パレット出入装置15を駆動制御し、パレット載置台14に載置されているパレットP1を水平移動させてストッカ12の案内溝12a,12aに係合させる(図7(A)参照)。
【0047】
パレット出入制御装置50は、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレットP1の最上段のトレイT1が部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を上昇させ、パレット搬送装置40をパレットP1と一致するように位置決めする(図7(B)参照)。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP1がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。
【0048】
パレット出入制御装置50は、パレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図7(C)参照)。これにより、パレットP1の最上段のトレイT1は、部品供給位置Sにおいて既に部品採取高さHPに位置決めされることになるので、上述したトレイ部品TP1の装着を直ちに実行することができる。
【0049】
パレット出入制御装置50は、ストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を下降させ、パレットP2の最上段のトレイT2が部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を下降させ、パレット搬送装置40をパレットP2と一致するように位置決めする(図8(A)参照)。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP2がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。
【0050】
パレット出入制御装置50は、パレットP2をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図8(B)参照)。これにより、パレットP2の最上段のトレイT2は、部品供給位置Sにおいて既に部品採取高さHPに位置決めされることになるので、上述したトレイ部品TP2の装着を直ちに実行することができる。
【0051】
以上のように、第2のパレット出入制御動作によれば、パレット出入制御装置50は、パレットPに段積み積載された複数枚のトレイTの最上段のトレイTが部品採取高さHPに位置するようにストッカ12をストッカ昇降装置60によって位置決めし、パレット搬送装置40を当該パレットPと一致するようにパレット昇降装置70によって位置決めするように構成されている。これにより、段数によって異なる最上段のトレイTの位置は、ストッカ12を昇降させることにより一致させることができるので、最上段のトレイTの位置を部品採取高さHPに位置決めすることができる。なお、パレットPに段積みされたトレイTの段数によらずストッカ12からのパレットPの取出位置を一定、例えばハウジング11の略中央高さにすることができるので、ストッカ12の位置決めを容易に行うことができる。
【0052】
次に、パレット出入制御装置50による第3のパレット出入制御動作について図9を参照して説明する。この第3のパレット出入制御動作は、ストッカ昇降装置60によるストッカ12の動作と、パレット搬送装置40によるパレットPの搬送動作と、パレット昇降装置70によるパレット搬送装置40の動作とが一部同時に行われるようにしてパレットPを出し入れ制御する動作である。例えば、トレイTが9枚段積みされたパレットPをストッカ12から取出して搬送し部品供給位置Sに達したときに、パレットPの最上段のトレイTが部品採取高さHPに達するようにパレットPを出し入れ制御する動作である。
【0053】
パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を下降させるとともにストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレット搬送装置40がパレットPの位置に達したとき、パレット搬送装置40の降下およびストッカ12の上昇を停止させる(図9(A)参照)。
【0054】
パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73およびストッカ昇降駆動部63を同期制御してパレット搬送装置40およびストッカ12を上昇させている間に、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットPがコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる(図9(B)参照)。
【0055】
さらに、パレット出入制御装置50は、パレット昇降駆動部73およびストッカ昇降駆動部63の同期制御を継続してパレット搬送装置40およびストッカ12を上昇させている間に、パレットPをガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて搬送する。そして、パレットPが部品供給位置Sに達し、且つパレットPの最上段のトレイTが部品採取高さHPに達したら、ストッカ昇降駆動部63、パレット昇降駆動部73およびベルト駆動部44の駆動制御を停止する(図9(C)参照)。そして、上述したトレイ部品TPの装着を実行する。
【0056】
以上のように、第3のパレット出入制御動作によれば、パレット出入制御装置50は、ストッカ12の昇降動作と、パレットPの搬送動作と、パレット搬送装置40の昇降動作とを関連制御するように構成されている。これにより、パレット搬送装置40をストッカ12に収納されているパレットPに位置決めし、パレット搬送装置40とストッカ12とを同期させて上昇させている間に、該パレットPをストッカ12からパレット搬送装置40に取出して部品供給位置Sへ搬送し、最上段のトレイTを部品採取高さHPに位置決めすることができる。そして、全てのトレイTの部品採取が完了したら、パレットPをストッカ12に向けて搬送することにより、パレット搬送装置40およびストッカ12を昇降させなくても、該パレットPが収納されていた位置に収納することができる。以上の動作をストッカ12に収納されている各パレットPに対して行うことができる。よって、パレット交換時間をより短縮させることができる。
【0057】
次に、パレット出入制御装置50による第4のパレット出入制御動作について図10および図11を参照して説明する。この第4のパレット出入制御動作は、第2のパレット出入制御動作において、段積み積載された複数枚のトレイTの高さが異なる複数枚のパレットPをストッカ12から使用順に出し入れするとき、最短のストッカ12の昇降距離でパレットPを出し入れ制御する動作である。この場合、最初に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さと、最後に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さとを比較し、高い方のパレットPがストッカ12の下方の位置となるように配列した状態でストッカ12に収納する。
【0058】
一例として、パレットP1に2枚段積みされたトレイT1のトレイ部品TP1、パレットP2に4枚段積みされたトレイT2のトレイ部品TP2およびパレットP3に9枚段積みされたトレイT3のトレイ部品TP3をこの順序で使用(実装)する場合について説明する。この場合、最初に使用するパレットP1に段積み積載されたトレイT1の高さhsと、最後に使用するパレットP3に段積み積載されたトレイT3の高さheとを比較し、高い方のパレットP3がストッカ12の下方の位置となるように配列した状態でストッカ12に収納する(図10(A)参照)。
【0059】
パレット出入制御装置50は、第2のパレット出入制御動作と同様にストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレットP1の最上段のトレイTが部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を上昇させ、パレット搬送装置40をパレットP1と一致するように位置決めする。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第2パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP1がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。そして、パレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図10(A)参照)。
【0060】
パレット出入制御装置50は、パレットP2およびパレットP3に対しても同様の動作を繰り返す(図10(B)、(C)参照)。図11(A)に示すように、このときのストッカ12の上昇距離L1は、パレットP1の最上段のトレイT1とパレットP3の最上段のトレイT3との距離、すなわち2枚のトレイT1の高さと4枚のトレイT2の高さとを含む距離となる。一方、図11(B)に示すように、高い方のパレットP3がストッカ12の上方の位置となるように配列した状態でストッカ12に収納したときのストッカ12の上昇距離L2は、パレットP3の最上段のトレイT3とパレットP1の最上段のトレイT1との距離、すなわち9枚のトレイT3の高さと4枚のトレイT2の高さとを含む距離となる。よって、本実施形態のストッカ12の上昇距離L1は、比較例のストッカ12の上昇距離L2よりも、9枚のトレイT3の高さと2枚のトレイT1の高さとの差分だけ短縮されることになる。
【0061】
以上のように、第4のパレット出入制御動作によれば、パレット出入制御装置50は、最初に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さと、最後に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さとを比較し、高い方のパレットPがストッカ12の下方の位置となるように配列するようにしている。これにより、例えば、トレイTの高さが低い方のパレットPがストッカ12の下方の位置となるように配列した場合と比較して、パレットPの昇降距離を短くすることができ、パレット交換時間を短縮させることができる。
【0062】
なお、パレット昇降駆動部73によるパレット搬送装置40の駆動制御を行わず、パレットPを固定高さで部品供給位置まで搬送する場合には、上述の収納順とは逆に、最初に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さと、最後に使用するパレットPに段積み積載されたトレイTの高さとを比較し、高い方のパレットPがストッカ12の上方の位置となるように配列した状態でストッカ12に収納することにより、上述と同様の効果を得ることができる。
【0063】
次に、パレット出入制御装置50による第5のパレット出入制御動作について図12〜図15を参照して説明する。この第5のパレット出入制御動作は、第2のパレット出入制御動作において、部品供給位置Sに搬送されたトレイTから直接的に採取可能な第1トレイ部品を収容したトレイTが載置されたパレットP、および部品供給位置Sに搬送されたトレイTから採取した後に反転して受渡しが必要な第2トレイ部品を収容したトレイTが載置されたパレットPをストッカ12から使用順に出し入れするとき、最短のストッカ12の昇降距離でパレットPを出し入れ制御する動作である。
【0064】
ここで、第1トレイ部品としては、既述のトレイ部品TPの他に、ウエハの表面全面に多数の同一の部品が形成され、各部品ごとにカットされて部品吸着ノズル362により直接的に吸着可能なダイレクトウエハカット部品DPがある。また、第2トレイ部品としては、図12に示すように、ウエハの表面全面に多数の同一の部品が形成され、各部品ごとにカットされ、第2ノズルホルダー部364に取付けられた反転部品吸着ノズル365により吸着した後に反転して部品吸着ノズル362に受渡しが必要なフリップウエハカット部品FPがある。なお、ダイレクトウエハカット部品DPおよびフリップウエハカット部品FPが収容されたトレイTは、基本的にはパレットPに複数枚段積みされることはなく、1枚のみ積載される。
【0065】
既述のように、トレイ部品TPを収納したトレイTが複数枚段積みされたパレットPの場合、部品供給位置Sにおいて最上段のトレイTが第1の一定位置として部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めする。また、ダイレクトウエハカット部品DPを収納したトレイTが1枚積載されたパレットPの場合、部品供給位置SにおいてトレイTが第1の一定位置として部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めする。一方、フリップウエハカット部品FPを収納したトレイTが複数枚段積みされたパレットPの場合、部品供給位置Sにおいて最上段のトレイTが第1の一定位置よりも反転に必要な距離だけ下方に離間した第2の一定位置として第2部品採取高さHPPに位置するようにストッカ12を位置決めする。
【0066】
第2ノズルホルダー部364および反転部品吸着ノズル365は、ノズルホルダー部361および部品吸着ノズル362と同様に構成され、部品装着ヘッド34に設けられた軸回りに回動可能な回動軸部366に取付けられている。そして、反転部品吸着ノズル365は、垂直下方を向いているとき、第2部品採取高さHPPに位置するトレイTからフリップウエハカット部品FPを吸着可能となるように(図12(A)参照)、また、垂直上方を向いているとき、吸着したフリップウエハカット部品FPが部品採取高さHPに位置するように(図12(B)参照)、すなわち、部品吸着ノズル362が該フリップウエハカット部品FPを吸着可能となるように(図12(C),(D)参照)、部品吸着ノズル362から垂直下方に所定距離離間して配設されている。
【0067】
この場合、部品採取高さHPに対して第1トレイ部品のパレットPをストッカ12の下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列し、第2部品採取高さHPP(第2の一定位置)に対して第2トレイ部品のパレットPをストッカ12の下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列した状態でストッカ12に収納する。一例として、図13に示すように、パレットP1に4枚段積みされたトレイT1のトレイ部品TP1、パレットP2に1枚積載されたトレイT2のダイレクトウエハカット部品DPおよびパレットP3に1枚積載されたトレイT3のフリップウエハカット部品FPをこの順序で使用(実装)する場合について説明する。この場合、部品採取高さHPに対して最初に使用するパレットP1が次に使用するパレットP2に対しストッカ12の下方の位置となるように配列し、第2部品採取高さHPPに対して最初に使用するパレットP3が位置するように配列した状態でストッカ12に収納する。
【0068】
パレット出入制御装置50は、第2のパレット出入制御動作と同様にストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を上昇させ、パレットP1の最上段のトレイT1が部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を上昇させ、パレット搬送装置40をパレットP1と一致するように位置決めする。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第1パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP1がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。そして、パレットP1をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図13(A)参照)。これにより、パレットP1の最上段のトレイT1は、部品供給位置Sにおいて既に部品採取高さHPに位置決めされることになるので、上述したトレイ部品TP1の装着を直ちに実行することができる。そして、パレットP2に対しても同様の動作を実行する(図13(B)参照)。
【0069】
パレット出入制御装置50はストッカ昇降駆動部63を駆動制御してストッカ12を下降させ、パレットP3のトレイT3が第2部品採取高さHPPに位置するようにストッカ12を位置決めするとともに、パレット昇降駆動部73を駆動制御してパレット搬送装置40を下降させ、パレット搬送装置40をパレットP3と一致するように位置決めする。そして、ベルト駆動部44を駆動制御し、コンベアベルト43,43を回動させるとともに、第1パレット出入装置15を駆動制御し、ストッカ12の案内溝12a,12aに係合されているパレットP3がコンベアベルト43,43に掛かるまで水平移動させる。そして、パレットP3をガイドレール42,42に案内させつつコンベアベルト43,43に支持させて部品供給位置Sまで搬送する(図13(C)参照)。そして、垂直下方に向けた反転部品吸着ノズル365によりトレイT3からフリップウエハカット部品FPを吸着させ、反転部品吸着ノズル365を回動させて垂直上方に向け、該フリップウエハカット部品FPを部品吸着ノズル362に受け渡す。
【0070】
図14(A)に示すように、このときのストッカ12の下降距離は、パレットP1の最上段のトレイT1とパレットP2のトレイT2との距離L11、すなわちパレットP1の最上段のトレイT1が部品採取高さHPに位置決めされた位置からパレットP2のトレイT2が部品採取高さHPに位置決めされるまでの距離L11と、パレットP2のトレイT2が部品採取高さHPに位置決めされた位置からパレットP3のトレイT3が第2部品採取高さHPPに位置決めされるまでの距離L12との和の距離L11+L12となる。また、図14(B)に示すように、パレットP2のトレイT2が部品採取高さHPに位置決めされたとき、パレットP3のトレイT3が第2部品採取高さHPPに位置決めされるようにパレットP2とパレットP3との距離を調整することにより、ストッカ12の下降距離は、パレットP1の最上段のトレイT1とパレットP2のトレイT2との距離L11のみとなり、さらに短縮することができ、パレット交換時間を短縮させることができる。
【0071】
また、別例として、図15に示すように、パレットP11に1枚積載されたトレイT11のダイレクトウエハカット部品、パレットP12に1枚積載されたトレイT12のフリップウエハカット部品、パレットP13に4枚段積みされたトレイT13のトレイ部品、パレットP14に1枚積載されたトレイT14のフリップウエハカット部品、パレットP15に1枚積載されたトレイT15のダイレクトウエハカット部品、パレットP16に1枚積載されたトレイT16のフリップウエハカット部品をこの順序で使用(実装)する場合について説明する(図15(A)参照)。
【0072】
この場合、部品採取高さHPに対して最初に使用するパレットP11、次に使用するパレットP13、さらに次に使用するパレットP15をこの順でストッカ12の下方から上方に向かうように配列し、第2部品採取高さHPPに対して最初に使用するパレットP12、次に使用するパレットP14、さらに次に使用するパレットP16をこの順でストッカ12の下方から上方に向かうように配列した状態でストッカ12に収納する(図15(B)参照)。
【0073】
これにより、パレット出入制御装置50は、先ず、パレットP11の最上段のトレイT11が部品採取高さHPに位置するようにストッカ12を位置決めし(図15(B)(a)参照)、パレットP11から部品供給位置Sまで搬送してトレイ部品を基板Bに装着する。次に、パレットP12の最上段のトレイT12が部品採取高さHPPに位置するようにストッカ12を下降して位置決めし(図15(B)(b)参照)、パレットP12から部品供給位置Sまで搬送してフリップウエハカット部品を基板Bに装着する。このように、ストッカ12を下降させるのみで、パレット11からパレット16までを順次部品供給位置Sまで搬送して各部品を基板Bに装着することができる。このときのストッカ12の下降距離L21は、パレットP11のトレイT11とパレットP15のトレイT15との距離、すなわち1枚のトレイT11の高さと4枚のトレイT13の高さと1枚のトレイT15の高さとを含む距離となる。一方、パレット11からパレット16までをストッカ12の下方から上方に向かうように配列した状態でストッカ12に収納した比較例の場合は、各パレット11〜16によって部品採取高さHPと第2部品採取高さHPPとが異なるため、ストッカ12を上下動させなければならない。よって、本実施形態のストッカ12の下降距離L21は、比較例のストッカ12の上昇下降距離よりも、大幅に短縮されることになる。
【0074】
次に、部品供給装置の変形例について図16を参照して説明する。この部品供給装置80は、パレットPを水平方向に複数枚(本例では、3枚)配列した状態で収納可能に構成されたストッカ81と、ストッカ81に対し各パレットP21,P22,P23をそれぞれ搬入出可能な複数台(本例では、3台)で構成されたパレット搬送装置82a,82b,82cと、各パレット搬送装置82a,82b,82cをそれぞれ昇降可能な複数台(本例では、3台)で構成されたパレット昇降装置83a,83b,83cとを備えている。ストッカ81、各パレット搬送装置82a,82b,82cおよび各パレット昇降装置83a,83b,83cは、既述のストッカ12、パレット搬送装置40およびパレット昇降装置70と略同一構成である。
【0075】
このような構成の部品供給装置80によれば、例えば、各パレットP21,P22,P23に段積みされているトレイT21,T22,T23には、例えば、種類の異なる部品を種類毎に振り分けて収納することができるので(図16(A)参照)、1台のパレット昇降装置40によりパレットP21,P22,P23を1枚ずつ引出して搬送する装置と比較してパレット交換時間を短縮させることができ、生産効率を向上させることができると共に省エネルギ化を図ることができる。また、各パレットP21,P22,P23に段積みされるトレイT21,T22,T23の枚数がパレットP21,P22,P23毎に異なっていても、部品供給位置Sに搬送されたときの最上段の各トレイT21,T22,T23の高さを同一の部品採取高さHPにすることができる。よって、部品吸着ノズル362がパレットP21,P22,P23間を移動するとき、トレイT21,T22,T23との衝突を避けるために大きく移動する必要はなく、部品吸着ノズル362の移動時間を短縮させることができる。
【0076】
また、例えば、同一種類の多数のトレイ部品TPを収納した各トレイT21,T22,T23を同一の段数で1枚のパレットPに段積みすることにより(図16(B)参照)、各パレット搬送装置82a,82b,82cを同期制御して1枚のパレットPをストッカ81から部品装着位置Sに搬送し、各パレット昇降装置83a,83b,83cを同期制御して1枚のパレットPを昇降して最上段の各トレイT21,T22,T23を部品採取高さHPにそれぞれ一致させることができる。よって、同一種類の多数のトレイ部品TPを連続して基板Bに装着することが可能となり、生産効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・部品実装装置、10,80・・・部品供給装置、11・・・ハウジング、12,81・・・ストッカ、20・・・基板搬送装置、30・・・部品移載装置、362・・・部品吸着ノズル、365・・・反転部品吸着ノズル、40,82a,82b,82c・・・パレット搬送装置、50・・・パレット出入制御装置、60・・・ストッカ昇降装置、70,83a,83b,83c・・・パレット昇降装置、P・・・パレット、T・・・トレイ、TP・・・トレイ部品、DP・・・ダイレクトウエハカット部品、FP・・・フリップウエハカット部品、B・・・基板、S・・・部品供給位置、HP・・・部品採取高さ、HPP・・・第2部品採取高さ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のトレイ部品を配列して収容したトレイを収納し、前記トレイを部品供給位置に搬送して前記トレイ部品を供給する部品供給装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に昇降可能に装架され、複数枚の段積みされた前記トレイを積載可能なパレットを上下方向に複数枚配列した状態で収納可能なストッカと、
該ストッカを昇降させるストッカ昇降装置と、
前記ハウジングに昇降可能に装架され、前記ストッカと前記部品供給位置との間で前記パレットを搬送するパレット搬送装置と、
該パレット搬送装置を昇降させるパレット昇降装置と、を備えた部品供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記パレットが前記ハウジングの一定位置に位置するように前記ストッカを前記ストッカ昇降装置によって位置決めし、前記パレット搬送装置を前記一定位置に位置するパレットと一致するように前記パレット昇降装置によって位置決めし、前記パレットを前記パレット搬送装置によって前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えた部品供給装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記パレットに段積み積載された複数枚の前記トレイの最上段のトレイが前記ハウジングの一定位置に位置するように前記ストッカを前記ストッカ昇降装置によって位置決めし、前記パレット搬送装置を前記複数枚のトレイが段積み積載された前記パレットと一致するように前記パレット昇降装置によって位置決めし、前記パレットを前記パレット搬送装置によって前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えた部品供給装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項において、
前記ストッカ昇降装置による前記ストッカの動作と、前記パレット搬送装置による前記パレットの搬送動作と、前記パレット昇降装置による前記パレット搬送装置の動作とが一部同時に行われるように制御して前記パレットを前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えた部品供給装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項において、
前記ストッカは、前記パレットを水平方向に複数枚配列した状態で収納可能に構成され、
前記パレット搬送装置は、前記ストッカに対し前記各パレットをそれぞれ搬入出可能な複数台で構成され、
前記パレット昇降装置は、前記各パレット搬送装置をそれぞれ昇降可能な複数台で構成されている部品供給装置。
【請求項6】
請求項3において、
段積み積載された複数枚の前記トレイの高さが異なる複数枚の前記パレットを使用順に配列した状態で前記ストッカに収納する場合、
最初に使用する前記パレットに段積み積載された前記トレイの高さと、最後に使用する前記パレットに段積み積載された前記トレイの高さとを比較し、高い方の前記パレットが前記ストッカの下方の位置となるように配列する部品供給装置。
【請求項7】
請求項3において、
前記部品供給位置に搬送された前記トレイから直接的に採取可能な第1トレイ部品を収容した第1の前記トレイが載置された第1の前記パレット、および前記部品供給位置に搬送された前記トレイから採取した後に反転して受渡しが必要な第2トレイ部品を収容した第2の前記トレイが載置された第2の前記パレットを、使用順に配列した状態で前記ストッカに収納する場合、
最上段の前記トレイが位置決めされる前記一定位置を、前記第1のトレイ用の第1の一定位置として設定すると共に、前記第1の一定位置よりも前記反転に必要な距離だけ下方に離間した前記第2のトレイ用の第2の一定位置として設定し、前記第1の一定位置に対して前記第1のパレットを前記ストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列し、前記第2の一定位置に対して前記第2のパレットを前記ストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列する部品供給装置。
【請求項1】
複数個のトレイ部品を配列して収容したトレイを収納し、前記トレイを部品供給位置に搬送して前記トレイ部品を供給する部品供給装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に昇降可能に装架され、複数枚の段積みされた前記トレイを積載可能なパレットを上下方向に複数枚配列した状態で収納可能なストッカと、
該ストッカを昇降させるストッカ昇降装置と、
前記ハウジングに昇降可能に装架され、前記ストッカと前記部品供給位置との間で前記パレットを搬送するパレット搬送装置と、
該パレット搬送装置を昇降させるパレット昇降装置と、を備えた部品供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記パレットが前記ハウジングの一定位置に位置するように前記ストッカを前記ストッカ昇降装置によって位置決めし、前記パレット搬送装置を前記一定位置に位置するパレットと一致するように前記パレット昇降装置によって位置決めし、前記パレットを前記パレット搬送装置によって前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えた部品供給装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記パレットに段積み積載された複数枚の前記トレイの最上段のトレイが前記ハウジングの一定位置に位置するように前記ストッカを前記ストッカ昇降装置によって位置決めし、前記パレット搬送装置を前記複数枚のトレイが段積み積載された前記パレットと一致するように前記パレット昇降装置によって位置決めし、前記パレットを前記パレット搬送装置によって前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えた部品供給装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項において、
前記ストッカ昇降装置による前記ストッカの動作と、前記パレット搬送装置による前記パレットの搬送動作と、前記パレット昇降装置による前記パレット搬送装置の動作とが一部同時に行われるように制御して前記パレットを前記ストッカと前記部品供給位置との間で搬送するパレット出入制御手段を備えた部品供給装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項において、
前記ストッカは、前記パレットを水平方向に複数枚配列した状態で収納可能に構成され、
前記パレット搬送装置は、前記ストッカに対し前記各パレットをそれぞれ搬入出可能な複数台で構成され、
前記パレット昇降装置は、前記各パレット搬送装置をそれぞれ昇降可能な複数台で構成されている部品供給装置。
【請求項6】
請求項3において、
段積み積載された複数枚の前記トレイの高さが異なる複数枚の前記パレットを使用順に配列した状態で前記ストッカに収納する場合、
最初に使用する前記パレットに段積み積載された前記トレイの高さと、最後に使用する前記パレットに段積み積載された前記トレイの高さとを比較し、高い方の前記パレットが前記ストッカの下方の位置となるように配列する部品供給装置。
【請求項7】
請求項3において、
前記部品供給位置に搬送された前記トレイから直接的に採取可能な第1トレイ部品を収容した第1の前記トレイが載置された第1の前記パレット、および前記部品供給位置に搬送された前記トレイから採取した後に反転して受渡しが必要な第2トレイ部品を収容した第2の前記トレイが載置された第2の前記パレットを、使用順に配列した状態で前記ストッカに収納する場合、
最上段の前記トレイが位置決めされる前記一定位置を、前記第1のトレイ用の第1の一定位置として設定すると共に、前記第1の一定位置よりも前記反転に必要な距離だけ下方に離間した前記第2のトレイ用の第2の一定位置として設定し、前記第1の一定位置に対して前記第1のパレットを前記ストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列し、前記第2の一定位置に対して前記第2のパレットを前記ストッカの下方および上方の一方から他方に使用順で向かうように配列する部品供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−26403(P2013−26403A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159180(P2011−159180)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】
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