説明

部品搭載プログラム作成システム

【課題】作業能率のよい部品搭載プログラム作成システムを提供する。
【解決手段】部品搭載プログラムを作成又は編集するときに、ライン管理装置のディスプレイで行うときも部品搭載装置の操作入力用表示装置で行うときも同一の画面が表示され同一の入力操作で処理が進行する。例えば部品マスターの編集作業では、先ず実装機・実装支援ソフトメイン画面が表示され(S201)、その8種類の処理作業メニューの中の「部品マスタ作成」のメニューを選択すると部品マスターコード一覧画面が表示される(S202)。ここで画面左側に形状や型番によりツリー構造で表示される部品コードの中から所望の部品コードを選択し、画面の右側に表示させて選択が正しいことを確認し、その部品コードをクリックすると、部品マスター編集画面が表示される(S203)。これで所望の部品に関するデータ入力又は修正を行うことができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業能率のよい部品搭載プログラム作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体装置内に搬入されるプリント回路基板(以下、単に基板という)に電子部品(以下、単に部品という)を搭載して基板ユニットを生産する部品搭載装置がある。
部品搭載装置は、XY軸方向(左右及び前後方向)に移動自在な作業ヘッドと、この作業ヘッドに保持されてZ軸方向(上下方向)に昇降自在で且つθ軸方向(360度方向)に回転可能な搭載ヘッドを備えている。
【0003】
部品搭載装置は、所望の部品供給装置から供給される部品を、搭載ヘッドの先端に着脱自在に装着される部品吸着ノズル(以下、単にノズルという)により吸着し、その吸着した部品を部品カメラで画像認識して吸着姿勢を確認し、位置の補正を行って、その部品を基板上に搭載する、ということを繰り返して基板ユニットを生産する。
【0004】
ところで、このような基板ユニットを生産を開始するに当っては、本体装置内に基板を正しく搬入するための基板案内レール幅の調整処理、その基板の位置を正しく確認するための基板マークのティーチング処理、部品を吸着して基板に搭載するノズルが正しく動作するためのノズル個々の状態の測定、部品供給装置から供給される部品をノズルで正しい姿勢で吸着するための部品のピック点(吸着点)位置の測定などのティーチング処理(生産前の段取り)を行う必要がある。
【0005】
ノズルの吸着位置のXY軸方向とθ軸方向のずれ量を補正(ティーチング)する技術については既に提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、ノズルの高さ位置のティーチングでは、マルチノズルヘッドのノズル高さティーチング方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
ところで、このようなティーチングに係わるプログラムも部品搭載プログラムの一部に含まれている。
【0006】
部品搭載プログラム(NCプログラムとも言われる)は、通常、パーソナルコンピュータ等の外部コンピュータで作成され、フロッピー(登録商標)ディスクその他のプログラム記録媒体に格納され、部品搭載装置のプログラム読み込み装置によって読み込まれてインストールされて、初めて部品搭載装置を制御するプログラムとして機能する。
【0007】
しかし、外部のパーソナルコンピュータ等で作製した部品搭載プログラムを部品搭載装置にインストールしても、直ぐには使用できない。何事も支障が無ければ良いが、たいていは手直しが必要となる。
【0008】
これは、パーソナルコンピュータ等の機器では、実際の部品搭載装置のように、例えばカメラで部品を認識したり基板を認識したりする作業は出来ないからであり、必ず部品搭載装置本体側で部品搭載プログラムによる動作の調整をする必要が生じるからである。
【0009】
その調整には、部品搭載装置側に、部品マスターやノズルマスターなどを作成(実際に部品搭載装置側で行うのは新規作成ではなく修正となる)する機能が必要になる。つまり、部品搭載装置側にも、その操作入力表示装置に、パーソナルコンピュータと同様なデータ入力項目が必要となる。
【0010】
部品マスター(実際には部品マスターのデータ、以下同様)やノズルマスターその他のマスターは、それ自体が部品搭載プログラムの一部に近い。すなわち、これらのマスターデータは、部品搭載プログラムのパラメータを構成している。つまり、部品搭載装置は部品搭載プログラムで動作するが、動作の細部は部品マスターをはじめノズルマスターその他のマスターのデータ(パラメータ)によって左右される。
【0011】
ところが、従来、オフラインで部品搭載プログラムを作成したり、例えば部品マスターを作成したりする実装支援ソフトは、実装機(部品搭載装置)を制御する部品搭載プログラムとは全く別に作成されていた。つまり、パーソナルコンピュータで使用するアプリケーションと部品搭載装置に使用するアプリケーションという2つのステムが存在していた。
【0012】
部品マスターとは、部品を部品認識用カメラで認識するための部品寸法や照明条件、テープフィーダからのピックアップ条件などのデータを記述しているデータマスターである。
【0013】
図6は、パーソナルコンピュータのシステムで例えば部品マスターを作成する場合の処理画面のフローチャートである。
同図に示すように、先ず、最初の支援ソフトメイン画面から「選択」ボタンを押すと(S1)、部品形状の分類選択画面である部品分類一覧画面が表示されるから、ここで、部品形状分類を選択して「Master」ボタンを押す(S2)。
【0014】
すると、部品規格名一覧画面が表示されるので、この表示画面で部品規格名を選択し「Edit」ボタンを押すと(S3)、部品規格マスター編集画面が表示されるので、ここで「部品マスター」ボタンを押す(S4)。
【0015】
すると、部品マスター一覧画面が表示されるので、ここで部品コードを選択して「Edit」ボタンを押すと(S5)、部品マスター編集画面が表示されて、所望の部品に関するデータ入力又は修正を行うことができるようになる(S6)。
【0016】
図7は、従来の部品搭載装置のシステムで、同じく部品マスターを作成する場合の処理画面のフローチャートである。
同図に示すように、先ず、最初の実装機メイン画面から「ティーチング」ボタンを押すと(S101)、ティーチングメニュー画面が表示されるので、このメニューの名から「部品ティーチング」を選択入力する(S102)。
【0017】
すると、部品ティーチング開始画面が表示されるので、ここで「部品コード」を選択入力すると(S103)、部品分類選択画面が開いて各種の部品の形状分類が一覧表示されるので、ここで所望の部品の形状分類の選択入力する(S104)。
【0018】
すると、部品マスターコード一覧画面が表示されるので、ここで所望の部品コードを選択入力すると(S105)、部品マスター編集画面が表示されて、所望の部品に関するデータ入力又は修正を行うことができるようになる(S106)。
【特許文献1】特開2002−314300号公報(要約、図1)
【特許文献2】特開平11−346096号公報(要約、段落0015、図2、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
一般に、パーソナルコンピュータにおける実装支操ソフトの処理システムと、部品搭載装置における実装機処理システムとでは、処理システムがそれぞれ異なるために、マスター編集画面に至るまでの操作方法や、中間過程で表示される画面が異なっている。
【0020】
例えば、編集対象が部品マスターの場合であれば、上記の図6及び図7で示したようにパーソナルコンピュータにおける実装支操ソフトの処理システムで部品マスターを作る手順と、部品搭載装置における実装機処理システムで部品マスターを作る(又は修正する)手順とでは、同じを部品マスターのデータ編集を行う作業であるにも拘わらず、所望の部品の部品マスター編集画面を表示させるに至るまでの表示項目の名称や、データ入力項目の名称、機能メニューの表示位置等が異なっている場合が多い。
【0021】
そのため、現場オペレータは、同一種類のマスター編集についてデータを入力操作する場合の操作方法や、その操作の意味を、実装支操ソフトの処理システムと実装機処理システムとの両方のシステムで、それぞれ別個に学習していた。
【0022】
このように実装支操ソフトの処理システムと実装機処理システムとが異なるために、同一種類のマスター編集についての操作であっても、実装支操ソフトの処理システムと実装機処理システムとの両方でそれぞれの操作方法を熟知する必要があり、学習に時間がかかり、正しい操作を理解するにも時間が掛かるという問題があった。
【0023】
また、実装支操ソフトの処理システムと実装機処理システムとでは、操作画面、操作方法、表示画面の機能等がそれぞれ別々のものとなっているため、同一種類のマスター編集についてのプログラムを開発する場合でも、実装支援ソフトと実装機ソフトを、それぞれ別個に開発して、異なる画面、異なる操作方法でのデータ作成をしなければならず、新たなソフトの開発に手数と時間を要するという問題も有していた。
【0024】
しかし、良く見ると、実装支操ソフトの処理システムと実装機処理システムとでは、入力操作するデータ、取扱うマスター、画面表示方法等で、結構似通っているものもある。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、作業能率のよい部品搭載プログラム作成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の部品搭載プログラム作成システムは、全てのマスターデータ編集、作成、参照、プログラム作成を行う作業で、コンピュータの実装支操ソフトによる処理システムと部品搭載装置の実装機処理システムとの両方で、統一した操作画面レイアウトの表示、統一したデータ内容の表示、統一した名称の表示、統一した操作ボタンの配置表示、統一した機能メニュー配置位置の表示、及び統一したその他の表示を行うように構成される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、全てのマスターデータ編集、作成、参照、プログラム作成を行う作業で、実装支操ソフトの処理システムと実装機処理システムとの両方で、操作方法、名称、機能配置などが統一された状態で画面表示され操作性が一元化されるので、現場オペレータはどちらのシステムを使用する場合でも全く同じ操作感覚で処理を行うことができ、これにより、誤りを起こすことも少なく且つ迅速に処理ができ、したがって、作業能率が向上する。
【0027】
また、同様に実装支操ソフトの処理システムと実装機処理システムの操作性が一元化されるので、実装支援ソフトの開発と実装機ソフトの開発を同一の論理手順で開発することができるので、ソフト開発の能率が向上するだけでなく、ソフト管理が容易となって管理面での能率も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0029】
図1は、実施例1としての部品搭載プログラム作成システムにおけるライン管理装置と部品搭載装置によって構成される基板ユニット製造ラインの一例を示す図である。尚、同図に示す例では、基板ユニット製造ラインを端部の4ラインのみを示している。各ラインの終端には基板に搭載された部品を基板上に固定するリフロー炉3が配置されている。また、各ラインの始端には実際には基板供給装置が配置されるが、同図では図示を省略している。
【0030】
同図に示す各製造ラインは、2台の部品搭載装置4が製造ラインに直列に連結されている。これら2台のうち少なくとも1台は、ペースト状の半田等を添付又は塗布するディスペンサも兼ねている。ディスペンサは製造される基板ユニットに搭載される部品の形式によって、部品搭載専用機の製造ライン上流側に配置される場合もあり、下流側に配置される場合もある。
【0031】
これらの各製造ラインの各装置は、信号線5によってライン管理装置6に接続されて全体としてLAN(Local Aria Network)を構成し、ライン管理装置6によって稼動状態を管理される。
【0032】
本例においては、各現場作業者7(図では代表的に一人のみ示している)は、生産ラインの立ち上がりの初期における段取りで、詳しくは後述するように、生産タクトの長い部品搭載装置4から生産タクトの短い部品搭載装置4に搭載部品の移動を指示入力することができるようになっている。
【0033】
図2(a) は、上記の部品搭載装置4の外観斜視図であり、同図(b) は、その上下の保護カバーを取り除いて内部の構成を模式的に示す斜視図である。同図(a) に示すように、部品搭載装置4は、天井カバー上の前後に、それぞれCRTディスプレイからなるモニタ装置11と、同じく天井カバー上の左右に、それぞれ稼動状態を報知する警報ランプ12を備えている。
【0034】
また、上部保護カバー13の前部と後部の面には、液晶ディスプレイとタッチ式入力装置からなり外部からの操作により各種の指示を入力することができる操作入力用表示装置14が配設されている(図の右斜め上方向になる後部の操作入力用表示装置14は陰になって見えない)。
【0035】
下部の基台15の上には、中央に、固定と可動の1対の平行する基板案内レール16が同図(b) に示す基板17の搬送方向(X方向、図の斜め右下から斜め左上方向)に水平に延在して配設される。これらの基板案内レール16の下部に接して、図には見えないループ状の搬送ベルト(コンベアベルト)が走行可能に配設される。
【0036】
搬送ベルトは、それぞれ数ミリ幅のベルト脇部を基板案内レール16の下から基板搬送路に覗かせて、不図示のベルト駆動モータにより駆動され、基板搬送方向に走行し、基板17の裏面両側を下から支持しながら装置本体内に部品搭載前の基板17をライン上流側から搬入し、部品搭載済みの基板17を順次ライン下流側に搬出する。
【0037】
この部品搭載装置4内には、常時2枚の基板17が搬入され、位置決めされて、電子部品の搭載が終了するまで固定されている。
基台15の前後には、それぞれ部品供給ステージ18が形成されている(同図(a) では図の右斜め上方向になる後部の部品供給ステージ18は陰になって見えない。また、同図(b) では、後部の部品供給ステージ18は図示を省略している)。
【0038】
部品供給ステージ18には、テープ式部品供給装置19が、50個〜70個と多数配置される。テープ式部品供給装置19には、その後端部に、部品を収容したテープを捲着した部品テープ保持リール21が着脱自在に装着されている。
【0039】
また、基台15の上方には本体フレームの左右(X方向)に分かれて固定された二本のY軸レール22と、これら二本のY軸レール22にそれぞれ摺動自在に支持される二本(装置全体で合計四本)のX軸レール23が配置されている。
【0040】
X軸レール23は、Y軸レール22に沿ってY方向に摺動でき、これらのX軸レール23には、それぞれ1台(装置全体で合計4台)の作業ヘッド24(24−1、24−2及び24−3、24−4)がX軸レール23に沿ってX方向に摺動自在に懸架されている。
【0041】
そして、これらの各作業ヘッド24には、同図(b) に示す例では2個の搭載ヘッド25が配設されている。つまりこの部品搭載装置4には合計8個の搭載ヘッド25が配設されている。各搭載ヘッド25の先端には吸着ノズル26が着脱自在に装着されている。
【0042】
上記の作業ヘッド24は、屈曲自在で内部が空洞な帯状のチェーン体27に保護・収容された複数本の不図示の信号コードを介して装置本体10の基台15内部の電装部マザーボード上に配設されている中央制御部と連結されている。
【0043】
作業ヘッド24は、これらの信号コードを介して中央制御部からは電力及び制御信号を供給され、中央制御部へは基板の位置決め用マークや部品の搭載位置の情報を示す画像データを送信する。
【0044】
また、基板案内レール16と部品供給ステージ18との間には、搭載ヘッド25の吸着ノズル26に吸着された部品を画像認識するための複数種類の部品認識用カメラ28が、4個の作業ヘッド24に対応して4箇所にそれぞれ配置されており、その近傍には同図では図示を省略しているが、搭載ヘッド25に対して交換自在に装着するための複数種類の吸着ノズル26を収容したノズルチェンジャーが配置されている。
【0045】
また、基台15の内部には、上述した中央制御部のほかに、特には図示しないが、基板の位置決め装置、基板を2本の基板案内レール16間に固定する基板固定機構等が備えられている。
【0046】
上記の作業ヘッド24は、上述したY軸レール22とX軸レール23とにより前後左右に自在に移動する。これらの作業ヘッド24に支持される各2個の搭載ヘッド25は、それぞれZ方向(上下方向)に昇降可能であり且つθ方向(360°方向)に回転可能である。
【0047】
これにより、搭載ヘッド25の先端に装着されている吸着ノズル26は、作業ヘッド24と搭載ヘッド25を介して、各作業領域において、前後と左右に移動自在であり、上下に昇降自在であり、且つ360°方向に回転自在である。
【0048】
図3は、上記のように構成される部品搭載装置4のシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、部品搭載装置4のシステムは、CPU30と、このCPU30にバス31で接続されたi/o(入出力)制御ユニット32及び画像処理ユニット33からなる制御部を備えている。また、CPU30にはメモリ34が接続されている。メモリ34は特には図示しないがプログラム領域とデータ領域を備えている。
【0049】
また、i/o制御ユニット32には、基板17(図2(b) 参照)の部品搭載位置を照明するための照明装置35や搭載ヘッド25の吸着ノズル26(図2(b) 参照)に吸着されている部品36を下から照明するための照明装置37が接続されている。
【0050】
更に、i/o制御ユニット32には、それぞれのアンプ(AMP)を介して4個のX軸モータ38、4個のY軸モータ39、8個のZ軸モータ41、及び8個のθ軸モータ42が接続されている。
【0051】
X軸モータ38は、X軸レール23を介してX方向に作業ヘッド24を駆動し、Y軸モータ39は、Y軸レール22を介してY方向にX軸レールすなわち作業ヘッド24を駆動する。Z軸モータ41は作業ヘッド24の搭載ヘッド25を上下に駆動し、そしてθ軸モータ42は搭載ヘッド25すなわち吸着ノズル26を360度回転させる。
【0052】
上記の各アンプには、特には図示しないが、それぞれエンコーダが配設されており、これらのエンコーダにより各モータ(X軸モータ38、Y軸モータ39、Z軸モータ41、θ軸モータ42)の回転に応じたエンコーダ値がi/o制御ユニット32を介してCPU30に入力する。これにより、CPU30は、各搭載ヘッド25の前後、左右、上下の現在位置、及び回転角を認識することができる。
【0053】
更に、上記のi/o制御ユニット32には、バキュームユニット43が接続されている。バキュームユニット43はバキュームチューブ44を介して搭載ヘッド25の吸着ノズル26に空気的に接続されている。
【0054】
このバキュームチューブ44には空圧センサ45が配設されている。バキュームユニット43は、吸着ノズル26に対しバキュームによって部品36を吸着させ、又はバキューム解除とエアブローとバキュームブレイク(真空破壊)によって吸着を解除させる。
【0055】
このとき、空圧センサ45からバキュームチューブ44内の空気圧データが電気信号としてi/o制御ユニット32を介しCPU30に出力される。
これにより、CPU30は、バキュームチューブ44内の空気圧の状態を知って、吸着ノズル26によって部品36を吸着する準備が出来ているか否かを認識することができると共に、吸着された部品36が正常に吸着されているかを認識することができる。
【0056】
更に、上記のi/o制御ユニット32には、位置決め装置、ベルト駆動モータ、基板センサ、異常表示ランプ等が、それぞれのドライバを介して接続されている。
位置決め装置は、前述したように部品搭載装置4の基台15内部において基板案内レール16の下方に配置され、装置内に案内されてくる基板17の位置決めを行う。
【0057】
ベルト駆動モータは案内レール16に一体的に配設されている搬送ベルトを循環駆動する。基板センサは基板17の搬入と搬出を検知する。
異常表示ランプ12(図2(a) 参照)は部品搭載装置4の動作異常や作業領域内の異物進入等の異常時に点灯又は点滅して異常発生を現場作業者に報知する。また、点滅又は点灯によって部品補充時期の接近したことを警告報知する。
【0058】
また、i/o制御ユニット32には、通信i/oインターフェース46、図2(a) に示した操作入力用表示装置14、記録装置47が接続されている。通信i/oインターフェース46は、例えばティーチング処理などを例えばパーソナルコンピュータ等の他の処理装置で行う場合などに、これらの処理装置と有線又は無線で接続してCPU30との通信が可能であるようにする。また、図1に示した無線アクセスポイント7からのLANの回線に接続して無線端末6との通信を行う。
【0059】
記録装置47は、例えばハードディスク、MO、FD、CD−ROM/RW、フラッシュメモリ装置等の各種の記録媒体を装着可能であり、部品搭載装置4の部品搭載処理、その事前に行なわれる部品マスター作成処理、部品搭載ティーチング処理、部品搭載処理中における部品補充タイミングの監視処理等のプログラムや、部品ライブラリのデータ、CADからのNCデータ等の各種のデータを記録して保持している。
【0060】
また、記録装置47は、後述する実装機処理システムにおける部品マスターや、その他のマスターからなる搭載データマスターを記録して保持し、また、それらの各種搭載データマスターを作成・編集するアプリケーションを所定の記録領域に保持している。
【0061】
これらのプログラムはCPU30によりメモリ34のプログラム領域にロードされて各部の制御の処理に使用される。また、データもメモリ34のデータ領域に読み出されて、所定の処理がなされ、処理されて更新されたデータは、所定の記録媒体の所定のデータ領域に格納されて保存される。
【0062】
また、画像処理ユニット33には、作業ヘッド24に配設されて照明装置35により照明される基板17の部品搭載位置を撮像する基板搭載位置認識用カメラ48と、照明装置37と一体型の図2(b) に示した部品認識用カメラ28が接続されている。
【0063】
上記の操作入力用表示装置14は、部品搭載作業の実行時には、画像処理ユニット33が作業ヘッド24側の基板搭載位置認識用カメラ48で撮像した基板17の部品搭載位置の画像や、同じく画像処理ユニット33が本体装置側の部品認識用カメラ28で撮像した部品36の画像を表示画面に表示する。
【0064】
またティーチング処理の実行時には、ティーチング画面を表示し、部品マスター作成時には部品マスター作成画面を表示し、段取り作成時又は変更時には搭載データマスターの中の処理に必要な段取り情報を表示する。
【0065】
図4(a) は、上記図1に示したライン管理装置6の外観構成を示す図であり、同図(b) は、そのシステム構成を示すブロック図である。同図(a) に示すように、ライン管理装置6は、例えばパーソナルコンピュータ等からなる。
【0066】
パーソナルコンピュータの本体51には不図示の接続ケーブルを介してディスプレイ52及びキーボード53が接続され、更に、ケーブル54を介して手持ち操作型のバーコード読取装置55が接続されている。バーコード読取装置55は部品テープ保持リール21の側面等に記載されているバーコードを読み取るのに用いられるが、本例では使用しない。
【0067】
また、上記のキーボード53には、ポインティングデバイス(マウス)56が接続されている。また、本体51には、プログラムをローディングするための、又は作成データを保管するためのフロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM、フラッシュメモリ、その他各種の記憶媒体が着脱自在に装着される。
【0068】
このライン管理装置6のシステムは、同図(b) に示すように、CPU(中央演算処理装置)57と、このCPU57にバス58を介して接続されたROM(読み出し専用メモリ)59、RAM(読み書き自在なメモリ)61、HD(ハードディスク)62、LANi/o(LANインターフェース)制御部63、同図(a) に示すディスプレイ52及びキーボード53、同図(a) には図示を省略したプリンタ64等により構成される。
【0069】
ROM59は、このライン管理装置6の制御プログラムを記憶している。CPU57は、その制御プログラムにより上記各部の動作を制御する。RAM61は、キーボード53から入力されるデータやCPU57による演算中の中間データ等を一時的に記憶する。
【0070】
HD62は、キーボード53から入力された或は外部の記録媒体から読み込まれた各種のデータ、ファイル、テーブル等を格納している。
更に、HD62は、後述する実装支援ソフトの処理システムにおける部品マスターや、その他のマスターからなる搭載データマスターを記録して保持し、また、それらの各種搭載データマスターを作成・編集するアプリケーションを所定の記録領域に保持している。
【0071】
HD62は、CPU57の制御により、それらのアプリケーション、データ、ファイル、テーブル等をRAM61に転送する。
RAM61に転送されたアプリケーションやデータ等は、CPU57により読み出されて各部の制御の処理に使用され、また実装支援ソフトの処理システムにおける部品マスター等のデータもRAM61のデータ領域に読み出されて、所定の処理がなされ、処理されて更新されたデータは、所定の記録媒体の所定のデータ領域に格納されて保存される。
【0072】
LANi/o制御部63には、図1に示した信号線5によるLANを介して基板生産ラインの部品搭載装置4やリフロー炉3、無線アクセスポイント7等が接続されている。LANi/o制御部63は、CPU57の制御により、上記接続されている各部の入出力を制御する。
【0073】
ディスプレイ52は、CRT表示装置(LCD表示装置等でもよい)により構成され、入力されたデータを表示し或はCPU57が行った演算結果を表示する。また、キーボード53は、数字、文字及び各種の指令を入力するための複数の操作キーを備えており、これら操作キーのステータス信号をCPU57に出力する。マウス56は、二次元の移動速度信号を出力してディスプレイ52に表示された画面上の任意の位置を指定する。
【0074】
CPU57は、上記の各部を制御しながら、キーボード53から入力される開始指示に基づいて、LANに接続されている各部、各装置への制御を開始する。
また、生産ライン全体の生産タクト短縮のために、必要に応じて、搭載部品を或る部品搭載装置から他の部品搭載装置に移動させる段取り情報の変更をLANすなわち図1に示した信号線5を介して行うこともできる。
【0075】
図5は、上記構成のライン管理装置6及び部品搭載装置4からなる部品搭載プログラム作成システムにおいて部品マスターを作成する場合の処理画面のフローチャートである。
同図において、先ず最初に実装機・実装支援ソフトメイン画面を表示させると、8種類の処理作業のメニューが表示される(S201)。
【0076】
同図に示す実装機・実装支援ソフトメイン画面の例では、2段あるメニュー表示の上段に、左から右に「基板作成・選択」、「座標・部品データ作成」、「製造指示作成・選択」、「製造指示編集」の4種類の処理作業のメニューが表示されている。
【0077】
そして、下段には同じく左から右に「部品マスタ作成」、「OFFLINE−Teaching」、「搬送系設定」、「Online−Teaching」の4種類の処理作業のメニューが表示されている。
【0078】
ここで、現場オペレータが、「部品マスタ作成」を選択すると、部品マスターコード一覧画面が表示される(S202)。
部品マスターコード一覧画面には、表示画面の左半分に、形状や型番を示すツリー構造のコード一覧が表示される。このツリー構造の形状や型番を、スクロールバーでスクロールさせ、ポインティングデバイスで所望の部品コードを選択すると、表示画面の右半分の部品コード表示領域の最上部に、選択した部品コードが表示される。
【0079】
現場オペレータは、その部品コードを視認して確認し、選択が正しければ、表示されている部品コードを、クリック入力する。
すると、部品マスター編集画面が表示される(S203)。これで、所望の部品に関するデータ入力又は修正を行うことができるようになる。
【0080】
本例では、現場オペレータが、ライン管理装置6で部品マスター編集の作業を行っても、部品搭載装置4で部品マスター編集の作業を行う場合でも、上記の図5に示す同一の画面が表示される。
【0081】
したがって、部品マスター編集の作業を行うときは、ライン管理装置6で作業するときも部品搭載装置4で作業するときも、ライン管理装置6のディスプレイ52と部品搭載装置4の操作入力用表示装置14には同一の画面が表示され、同一の入力操作で次に表示される画面も、双方同一であるので、現場オペレータはどちらのシステムを使用する場合でも全く同じ操作感覚で処理を行うことができ、これにより、誤りを起こすことも少なく且つ迅速に処理ができ、したがって、作業能率が向上する。
【0082】
また、このように実装支操ソフトの処理システムと実装機処理システムの操作性が一元化されているので、実装支援ソフトの開発と実装機ソフトの開発を同一の論理手順で開発することができ、ソフト開発の能率が向上するだけでなく、ソフト管理が容易となって管理面での能率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例1としての部品搭載プログラム作成システムにおけるライン管理装置と部品搭載装置によって構成される基板ユニット製造ラインの一例を示す図である。
【図2】(a) は実施例1における部品搭載装置の外観斜視図、(b) はその上下の保護カバーを取り除いて内部の構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】実施例1における部品搭載装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】(a) は実施例1におけるライン管理装置の外観構成を示す図、(b) はそのシステム構成を示すブロック図である。
【図5】実施例1における部品搭載プログラム作成システムにおいて部品マスターを作成する場合の処理画面のフローチャートである。
【図6】パーソナルコンピュータの従来のシステムで部品マスターを作成する場合の処理画面のフローチャートである。
【図7】部品搭載装置の従来のシステムで部品マスターを作成する場合の処理画面のフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 基板
2 部品
3 リフロー炉
4 部品搭載装置
5 信号線
6 ライン管理装置
7 現場作業者(作業者)
11 モニタ装置
12 警報ランプ
13 上部保護カバー
14 操作入力用表示装置
15 基台
16 基板案内レール
17 基板
18 供給ステージ
19 テープ式部品供給装置
21 テープ保持リール
22 Y軸レール
23 X軸レール
24(24−1、24−2、24−3、24−4) 作業ヘッド
25 搭載ヘッド
26 吸着ノズル
27 チェーン体
28 部品認識用カメラ
30 CPU
31 バス
32 i/o制御ユニット
33 画像処理ユニット
34 メモリ
35 照明装置
36 部品
37 照明装置
38 X軸モータ
39 Y軸モータ
41 Zモータ
42 θ軸モータ
43 バキュームユニット
44 バキュームチューブ
45 空圧センサ
46 通信i/oインターフェース
47 記録装置
48 基板搭載位置認識用カメラ
51 本体
52 ディスプレイ
53 キーボード
54 ケーブル
55 バーコード読取装置
56 ポインティングデバイス(マウス)
57 CPU(中央演算処理装置)
58 バス
59 ROM(読み出し専用メモリ)
61 RAM(読み書き自在なメモリ)
62 HD(ハードディスク)
63 LANi/o(LANインターフェース)制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの実装支操ソフトによる処理システムと部品搭載装置の実装機処理システムとの両方において、全てのマスターデータ編集、作成、参照、プログラム作成を行う作業で、統一した操作画面レイアウトの表示、統一したデータ内容の表示、統一した名称の表示、統一した操作ボタンの配置表示、統一した機能メニュー配置位置の表示、及び統一したその他の表示を行うことを特徴とする部品搭載プログラム作成システム。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−250809(P2007−250809A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71988(P2006−71988)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000178022)山形カシオ株式会社 (65)
【Fターム(参考)】