説明

配位ブロック共重合体

本発明は、結晶質配位共重合体の組成物、および該組成物の製造方法と使用方法を提供する。該製造方法では、複数種の有機分子を集成して、層状構造もしくはコア−シェル構造を有する多孔性骨格材料を生成させる。これらの材料は、種成長法のような逐次的成長法によって合成される。本発明はさらに、官能性を制御するための単純な手順を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国政府、米エネルギー省の国立エネルギー技術研究所の支援の下に、アワード番号(Award No.)DE−FC26−07NT42121にてなされた。米国政府は、本発明に対してある特定の権利を有する。
【0002】
多孔質固体という種類の既知材料は、有機金属構造体(MOF)または配位重合体と呼ばれている。
【背景技術】
【0003】
Alfred Wernerによって開発された配位結合の理論[A.Werner,Z.Anorg.Allg.Chem.3(1893)267]は、錯体無機化学の実験結果を理解することを初めて可能にした。安定な配位重合体は、溶解無機塩に、錯体を形成できる有機分子(ジアミンや二酸等)を加えることによって得られる。配位中心としての金属イオンの間の距離は、特に有機成分の構造により広い範囲で設定することができ、微孔性〜メソ多孔性材料が得られる。したがって配位重合体は、さまざまに変えることができ、文献にかなりまとめられている[S.Kitagawa et al.Angew.Chem.Int.Ed.43(2004)2334]。
【0004】
多孔性を有する配位重合体を合成できることから、結晶性モレキュラーシーブという新たな種類の材料が得られる。任意の配位重合体の結晶構造は、X線結晶構造解析によって決定することができ、細孔またはチャネルの寸法をかなり正確に求めることができる。一部の多孔質配位重合体の内部表面積は、他の多孔質材料より相当大きい。細孔の径と形状はかなり調整可能であり、既知のゼオライトと比較して大きな細孔径を合成することができる。これらの材料の主鎖や骨格構造の官能化は、官能基が既に組み込まれている有機リンカーを使用して合成をスタートするか、あるいは合成後の修飾によって達成することができる。
【0005】
最近、トポロジー的に区別可能な2種のリンカーを使用する配位共重合法が報告されており、この方法により、これまでは達成できなかったメソ多孔性構造を有する微孔質配位重合体(MCP)を生じさせることができる[K.Koh,A.G.Wong−Foy and A.J.Matzger,Angew.Chem.,Int.Ed.,47,(2008),677]。この方法の最初の例[UMCM−1(ミシガン大学の結晶質材料)]は、単一リンカータイプの個別集成体から生じる結晶相の混合物の代わりに、各有機リンカーのモル比を調節することによって、すべての有機成分を組み込んだ新規相を生成させることができる、ということを示した。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、新しい種類の材料である配位共重合体を説明する。これらの材料の製造には、シード成長法等の逐次成長法が用いられ、第2以上のシェルの三次元増殖により層機能がつくり出される。その材料は、分離工程等の工程で、及び反応触媒として、使用することができる。
【0007】
本発明の新規材料は、少なくとも第1の配位重合体と第2の配位重合体を含む配位共重合体であり、ここで第1と第2の配位重合体は同一ではない。第1の配位重合体と第2の配位重合体は、第1と第2の層状構造にて存在することができる。必要に応じて、少なくとも第3の配位重合体を、第2の層上に層状化することができる。第3の配位重合体は、第1の層と同じであってもよい。第3の配位重合体は、第1と第2の配位重合体のいずれかのそれとは異なる組成または異なる構造を有してよい。第1と第2の層状構造は、コアとシェル構造を形成してよい。少なくとも第3の配位重合体を、シェル上に層状化することができる。第3の配位重合体は、コアと同じであってもよい。第3の配位重合体は、第1と第2の配位重合体のいずれかのそれとは異なる組成または異なる構造を有してよい。
【0008】
配位共重合体を製造する1つの方法は、少なくとも1種の金属カチオン源と少なくとも1種の有機連結化合物(organic linking compound)を溶媒に加えて、第1の溶液もしくはコロイド懸濁液を形成させること;第1の溶液もしくはコロイド懸濁液を処理して、第1の配位重合体の結晶を形成させること;少なくとも1種の金属カチオン源と少なくとも1種の有機連結化合物を溶媒に加えて、第2の溶液またはコロイド懸濁液を形成させること、ここで第2の溶液は、第1の溶液またはコロイド懸濁液と同一ではない;第1の配位重合体の結晶を第2の溶液もしくはコロイド懸濁液に加えること;および、第2の溶液もしくはコロイド懸濁液を処理して、第2の配位重合体の結晶を、第1の配位重合体の1つ以上の結晶を覆う層として形成させ、これにより配位共重合体を形成させること、ここで第1の配位重合体は、第2の配位重合体と同一ではない;を含む。第1の配位重合体の結晶は、10ナノメートル〜1ミクロンの範囲のサイズであってよい。配位共重合体は、“ワンポット”法によっても製造することができる。例えば、配位共重合体は、少なくとも1種の金属カチオン源と少なくとも1種の有機連結化合物を溶媒に加えて、溶液もしくはコロイド懸濁液を形成させること;溶液もしくはコロイド懸濁液を処理して、第1の配位重合体の結晶を形成させること;第2の金属カチオン源、第2の有機連結化合物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の追加試剤を溶液もしくはコロイド懸濁液に加えること;および、溶液を処理して、第2の配位重合体の結晶を、第1の配位重合体の1つ以上の結晶を覆う層として形成させ、これにより配位共重合体を形成させること、ここで第1の配位重合体は、第2の配位重合体と同一ではない;によって製造することができる。
【0009】
配位共重合体は、少なくとも第1の配位重合体と第2の配位重合体とを含む配位共重合体と混合物とを接触させることによって、混合物の第1の成分を、混合物の第2の成分から分離するための方法において使用することができ、ここで第1と第2の配位重合体は同一ではない。配位共重合体はさらに、化学反応における触媒として使用することもできる。例えば、配位共重合体は、少なくとも第1の配位重合体と第2の配位重合体とを含む配位共重合体と、少なくとも1種の反応物を含む供給材料とを接触させることによって少なくとも1種の反応物を転化させて、転化生成物を得るのに使用することができ、ここで第1と第2の配位重合体は同一ではなく、少なくとも1種の配位重合体が触媒機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1a】図1aは、本発明の二層コア−シェル配位共重合体の顕微鏡画像である。
【図1b】図1bは、本発明の二層コア−シェル配位共重合体の顕微鏡画像である。
【図2a】図2aは、本発明の多層配位共重合体の顕微鏡写真である。
【図2b】図2bは、本発明の多層配位共重合体の顕微鏡写真である。
【図3】図3は、(1)配位共重合体の2種の配位重合体がIRMOF−3とMOF−5である場合の配位共重合体、および(2)配位共重合体の2種の配位重合体がシクロヘキシル変性のIRMOF−3とMOF−5である場合の配位共重合体、に吸着されたナイルレッドの量を、曝露時間の関数としてプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、少なくとも2種の異なる配位重合体を含む、配位ブロック共重合体と呼ばれる新規種類の材料を提供する。2種の異なる配位重合体は空間的に連続しており、配位共重合体は、第1の配位重合体の区域もしくはブロック、および第2の配位重合体の区域もしくはブロックを示す。少なくとも2種の異なる配位重合体は、多孔質配位重合体、非多孔質配位重合体、またはこれらの組み合わせであってよい。
【0012】
本明細書に記載の方法は、少なくとも2種の同一ではない配位重合体を含む配位ブロック共重合体の製造を示す。例えば、2種の配位重合体はそれぞれ異なる細孔径を有してよく、単一の配位共重合体を製造するのに使用されると、得られる多成分配位共重合体は、第1の細孔径を有する少なくとも1つの部分と、第2の細孔径を有する少なくとも1つの他の部分を有することがある。3種以上の配位重合体を使用して多成分配位共重合体を製造することができ、このとき異なる細孔径を有する複合材料の複数部分が生じる。したがって、新しい特性を有する新規種類の材料を造りだすことができる。本発明の方法の1つのメリットは、複合材料を(従って細孔径を)製造するのに使用される配位重合体を、該複合材料が使用される用途に応じて選択することができる、という点である。さらに、複合材料の製造方法に応じて、ある特定の細孔径を複合材料の特定区域に位置決めするために、複合材料の製造時に調節を施すことができる。したがって、必要に応じて、開始時の配位重合体の種類と配位共重合体の製造方法を選択することによって、配位共重合体を特定の用途向けに製造することができる。配位共重合体は、サイズ選択的な分離ならびにサイズ及び/又は形状選択的な触媒等の用途において、高い選択性と高い能力を有するように合成することができる、と考えられる。
【0013】
複合配位共重合体を合成する際に使用するための好適な配位重合体の例を最初に説明し、次いで複合配位共重合体を製造するための方法を説明する。
配位共重合体複合物を製造するのに使用される配位重合体が分子骨格を画定する。配位重合体は、複数の有機連結配位子によって連結された複数の金属原子または金属クラスターを含有する。連結配位子は、2つ以上の金属原子または金属クラスターを配位結合させる。有機連結配位子は、同一であっても、異なっていてもよい。有機連結配位子は電荷中性であってもよいし、あるいは各有機連結配位子は、負に帯電した多座配位子から誘導される。配位共重合体の連結配位子は、第1の骨格を有する第1の連結配位子、および第2の骨格を有する第2の連結配位子を含むのが特徴である。最も一般的なケースでは、第1と第2の骨格が同一であり、例えば、同じ芳香環構造もしくは直鎖炭化水素構造を有する。しかしながら、第1と第2の骨格が異なっていてもよいことは言うまでもない。例えば、第1と第2の骨格が異なる環構造もしくは直鎖構造を有してもよく;第1と第2の骨格が同じ環構造もしくは直鎖構造を有するが、異なる官能基で置換されていてもよく;あるいは、第1と第2の骨格が炭化水素であるか、またはN、O、もしくはS等のヘテロ原子で置き換えられた1つ以上の原子を有してもよい。配位共重合体は、結晶クラスターのような結晶形をとることもあり、触媒活性であることもあり、配位重合体の表面は極性であっても無極性であってもよい。
【0014】
本発明の1つの実施態様では、配位共重合体の各金属クラスターは、1つ以上の金属イオンを、有機連結配位子が金属イオンの電荷を部分的もしくは完全に相殺する状態で含む。特定の実施態様では、各金属クラスターが、アクチニド、ランタニド、およびこれらの組み合わせを含めたIUPAC元素周期表の第1〜16族の金属からなる群から選択される金属を有する金属イオンもしくはメタロイドを含む。有用な金属イオンの特定の例としては、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、V3+、V2+、Nb3+、Ta3+、Cr3+、Mo3+、W3+、Mn3+、Mn2+、Re3+、Re2+、Fe3+、Fe2+、Ru3+、Ru2+、Os3+、Os2+、Co3+、Co2+、Rh、Rh2+、Rh3+、Ir、Ir3+、Ni2+、Ni、Pd2+、Pd4+、Pt2+、Pt4+、Cu2+、Cu、Ag、Au、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Si4+、Si2+、Ge4+、Ge2+、Sn4+、Sn2+、Pb4+、Pb2+、As5+、As3+、As、Sb5+、Sb3+、Sb、Bi5+、Bi3+、およびBiからなる群から選択される金属イオンがあるが、これらに限定されない。
【0015】
配位共重合体は、有機連結配位子を有する配位重合体を含んでなる。本発明の1つの実施態様では、有機連結配位子は式I:
XnY(I)
(式中、Xは官能基であり;nは2以上の整数であり;そしてYは、炭化水素基、または、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられた炭化水素基である)で表わすことができる。
【0016】
1つの実施態様では、Xは、CE、C(Ar)、RC(=G)C=C(G’)R、またはRC(ZR)C=C(ZR)Rであって、ここで、EはO、S、Se、またはTeであり、ZはN、PまたはAsであり、R、R、RはH、アルキル基またはアリール基であり、AはN、P、またはAsであり、GがO、S、Se、またはTeである。Xに対する好適な例としては、CO、CS、ROPO、PO−2、ROPO−2、PO−2、ROAsO、AsO−2、ROAsO−2、SO、SO、SeO、SeO、TeO、またはTeOなどがあるが、これらに限定されない。他の実施態様では、Yは、単環式芳香環、多環式芳香環、単環式ヘテロ芳香環、多環式ヘテロ芳香環、1〜10の炭素原子を有するアルキル基、及びこれらの組み合わせ、からなる群から選択される部位を含む。他の実施態様では、Yは、アルキル、アルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、またはフェニルである。さらに他の実施態様では、Yは、C1−10アルキル、C6−50芳香環、またはC4−24ヘテロ芳香環系である。有機連結配位子が、配位重合体の全体にわたって同じであってもよいし、あるいは2種以上の有機連結配位子を配位重合体中に組み込むこともできる。
【0017】
本発明の1つの実施態様では、配位共重合体は、2〜40オングストローム、5〜30オングストローム、または8〜20オングストロームの平均細孔寸法(窒素吸着によって測定)を有することを特徴とする。本発明の他の実施態様では、配位共重合体は、2000m/g以上の表面積(ラングミュア法によって測定)を有することを特徴とする。他の実施態様では、配位共重合体は、1000〜40000m/gの表面積(ラングミュア法によって測定)を有することを特徴とする。さらに他の実施態様では、配位重合体は、配位重合体1グラム当たり0.1cm/g以上の細孔体積(窒素吸着によって測定)を有する。
【0018】
さらに、多成分配位共重合体のバルク特性は、配位重合体の少なくとも1種の合成時に、溶液中における異なるリンカーの濃度を変えることによって制御することができる(実施例2を参照)。配位共重合体のバルク特性を制御することで、特定のバルク特性を必要とする特定の目的に沿った配位共重合体を合成することが可能となる。例えば、配位共重合体複合材料の表面積を制御することで、エンドユーザーは、所定の課題を達成するのにより少ない材料を使用できるようになるであろう。なぜなら、表面積がより大きくなると、非常に多くの活性部位がもたらされるからである。
【0019】
リンカーを加える順序を制御することが配位共重合体の製造方法を構成し、こうした制御は、異なる成分を含む金属有機配位分子のエピタキシャル成長が関与する種成長法であると見なすことができる。得られる物質組成は、骨格のネスティングにより誘導される層状材料である。従来、金属イオンの置き換えに対して幾つかの方法が適用されており、色のコントラストが強くなったり、磁性の変化が起きたりする。本発明の方法により、異なる官能性を有する多層結晶構造のエンジニアリングが可能となる。最初に、2種の異なる配位重合体(AとB)の種を、例えばソルボサーマル法によって別々に作製する。時間と加熱を施すことで、配位重合体AとBの種の成長が可能となる。一般的な結晶化温度は周囲温度〜250℃の範囲であり、反応時間は数分〜数か月の範囲である。周囲温度〜125℃にて数時間〜数日を要する結晶化が最も一般的である。反応時間の例としては、1分〜5ヶ月、あるいは2時間〜4日などがある。好適な溶媒としては、ホルムアルデヒド、スルホキシド、ニトリル、エステル、アミン、エーテル、ケトン、芳香族化合物、脂肪族化合物、水、およびこれらの組み合わせなどがある。溶媒の特定の例としては、アンモニア、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ナフタレン、チオフェン、ピリジン、アセトン、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、エタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、アルコール類、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ブロモホルム、ジブロモメタン、ヨードホルム、ジメードメタン、ハロゲン化有機溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、アミド溶媒、メチルピリジン、ジメチルピリジン、およびこれらの混合物などがあるが、これらに限定されない。
【0020】
次に、それぞれの反応溶液の一部を交換する。例えば、配位重合体Aの種を含有する反応溶液の一部を配位重合体Bに対する反応溶液に加え;そして配位重合体Bの種を含有する反応溶液の一部を、配位重合体Aに対する反応溶液に加える。純度のため、種を含有する一部を、種を生成させるのに使用された反応溶液の代わりにフレッシュな反応溶液に加えてもよいことは言うまでもない。再び時間と加熱を施して、既に存在する第一層(primary layer)の上に配位重合体の新たな層を成長させる(実施例3を参照)。この時点で手順を停止し、このとき配位共重合体は、2種の配位重合体を、一方を第一層もしくはコア層として、そして他方を第一層を覆う又は取り囲む層(例えばシェル)として有する。あるいは、手順を1回以上の繰り返にて続けてもよく、これにより配位重合体のさらなる層を成長させる。当初の2種の配位重合体を使用して、交互の層を形成させることもできるし、あるいは追加の異なる配位重合体を使用して、異なる組成の層をつくり出すこともできる。第1の層の上に第2の層を(等々)成長させた状態で、支持体上に第1の層を成長させることも本発明の範囲内である。
【0021】
異なる層に異なる配位重合体を選択することにより、物質の配位共重合体組成を、特定の目的に適うようエンジニアリングすることができる。例えば、第一層もしくはコア層中の配位重合体がより大きな細孔径を含む一方で、第一層の上の第1の層中の配位重合体がより小さな細孔径を含んでよい。このように、本発明の材料は、高容量の選択性吸着剤として使用することができる。より小さな細孔の配位重合体層は、選択性をもたらすように作用し、一方、第一層におけるより大きな細孔の配位重合体は、高容量をもたらすように作用する。ゲストの取り込みと放出の速度論を調整することができる。配位共重合体の他の特性は、同様の方法で調節することができる。さらに、単一の材料にて多段触媒を作製することができる。
【0022】
触媒機能を有する少なくとも1種の配位重合体を選択することによって、配位共重合体は、反応を触媒するための触媒として使用することができる。例えば、配位共重合体は、少なくとも1種の反応物を含む供給材料と、少なくとも第1の配位重合体と第2の配位重合体を含む配位共重合体とを接触させて転化生成物を得ることによって、少なくとも1種の反応物を転化させるためのプロセスにおいて使用することができる。ここで、第1と第2の配位重合体は同一ではなく、少なくとも一方の配位重合体が触媒機能を含む。他の例においては、反応は、炭化水素を含む供給材料と、少なくとも第1の配位重合体と第2の配位重合体を含む配位共重合体とを接触させて転化生成物を得る、という炭化水素転化反応であってよい。ここで、第1と第2の配位重合体は同一ではなく、少なくとも一方の配位重合体が触媒機能を含む。炭化水素転化プロセスとしては、クラッキング、水素化分解、芳香族アルキル化、イソパラフィンアルキル化、異性化、重合、リフォーミング、脱ろう、水素化、脱水素、アルキル交換、脱アルキル、水和、脱水、水素処理、水素化脱窒素、水素化脱硫、メタン化、開環、および合成ガスシフト等の反応がある。他の実施態様では、合成後に、配位共重合体に触媒機能を加えることができる。
【0023】
実施例5〜7はさらに、特定の晶癖を有する配位重合体を、異なる晶癖を有する配位重合体の結晶上にうまく層状化できる、ということを示している。一般には、これは、うまく行うのが困難な課題である。なぜなら、結晶は、同じモルホロジーと晶癖を有する種上に最も効果的に成長するからである。例えば、角柱は角柱上に最良の状態で成長し、立方体は立方体上に最良の状態で成長する。他方、結晶は、所定の結晶性物質の核形成と成長に必要な試剤に関して過飽和の反応混合物中に存在するナノ粒子上に不均一に核形成させることもできる。例えば、氷の結晶は不均一に核形成され、次いで大気中において、ナノダスト粒子上に雪片として成長し続ける。
【0024】
このプロセスは、少なくとも2タイプの結晶(特に、第1の層、すなわちコア層の結晶)を小さな(すなわちナノ)結晶サイズの型(regime)にて調製することによって可能となる。1つの実施態様では、ナノ結晶は10〜100nmの範囲であってよいが、サイズが500nm(さらには1ミクロンでも)に近い結晶も、コア材料として使用することができる。これらのナノ結晶は、同じ材料のより大きな結晶と比較して、晶癖と結晶モルホロジーがより不規則であることが多い。しかしながら、それらのナノサイズ、ならびにそれほど明白ではないことが多い晶癖と結晶モルオロジーにもかかわらず、結晶は、特徴的な粉末XRDパターンによって容易に識別することができる。同様に、第2の層を第1の層の表面上に成長させると、最終生成物のXRDパターンにおいて、第2の材料の特徴的なXRDパターンが、別のセットのピークとして現われる。
【0025】
このプロセスの重要なメリットは、第1の材料を成長させるのに使用したのと同じ反応溶液において、第2の材料の結晶を第1の層(すなわちコア層)の結晶上に成長させることができる、という点である。こうしたその場合成、すなわち「ワンポット」合成は、廃棄物が最小限化されたり、コストのかかる中間処理工程(例えば、第1の材料を第2の層の層形成化学に付す前に、第1の材料を単離・精製すること)が不要となることから、実際的に極めて重要である。そうは言うものの、本発明の他の実施態様では、第1の材料上に第2の材料を成長させるために、第1の層の結晶を単離し、第2の材料の過飽和溶液中に再懸濁させる。このプロセシングは、2つの材料の溶液化学や他の処理条件が相容れない場合に必要とされることがある。
【0026】
「ワンポット」の実施例5〜7の他の態様は、第1の層(すなわちコア層)の材料の化学と第2の層の化学とを整合させることである。このことは、例えば、第1の層に対する溶媒は、第2の層に対する溶媒と類似しているか、もしくは同一でなければならないので重要である。これは、第2の層を調製するための試剤を、第1の層のナノ結晶の懸濁液に加えなければならないからである。第2の材料を調製するための試剤が、第1の材料の調製からの溶媒に対して不溶性であれば、あるいはこれらの試剤が、第1の材料の調製からの溶液中に残存している他の可溶性試剤と反応すれば、望ましくない副生物及び/又は沈殿物が生じるかもしれない。他方、第2の材料の調製の化学を、第1の材料の結晶と反応するように、第1の材料の結晶を変性するように、及び/又は第1の材料の結晶をある程度溶解するように調整することができる。第1の材料上に第2の層を形成させて得られる複合材料は、極めて望ましい物理的特性(例えば、増大した多孔性や結晶の完全性)を有することがある。
【0027】
実施例においては、コア材料とシェル材料の選択は、2種のそれぞれの材料に対するXRDピークのオフセット配列(offset placement)に基づいて行った。これら実験の一般的な実験計画は、それぞれの生成物に対する反応物を、所望する生成物の分子式に基づいて化学量論量にまで減らすことを含む。金属もしくは金属クラスターへのリンカーの配位を容易にするために、カルボン酸官能基1つ当たり等モル量の塩基[例えばトリエチルアミン(TEA)]を使用した。第1の材料(すなわちコア材料)の反応を適切な時間にわたって進行させてから、第2の材料のための予備混合反応物を加える。詳細については実施例5〜7に記載されている。実施例において使用されている略語としては、HBTC−1,3,5−ベンゼントリカルボン酸;DMF−N,N’−ジメチルホルムアミド;EtOH−エチルアルコール;TEA−トリエチルアミン;HBDC−1,4−ベンゼンジカルボン酸;およびBipy−4,4’−ビピリジル;などがある。実施例において使用されているMOF式としては、HKUST−1:CuBTC(HO);MOF−508:ZnBDC(bipy)1/2DMF(HO)1/2;IRMOF−1:ZnO(BDC);およびMIL−53:Al(OH)(BDC)(HBDC)0.7;などがある。
【0028】
下記の実施例で使用されているように、配位共重合体の略語は下記のとおりである:第1のMOF式を記載し、次いで記号@を記載し、次いで第2のMOF式を記載する。配位共重合体中の複数種の共重合体は、複数のMOF式(それぞれが、記号@によって他から隔離されている)を記載することによって示される。例えば、IRMOF−3@MOF−5は、IRMOF−3とMOF−5を含む配位共重合体を表わすのに使用され;MOF−5@IRMOF−3@MOF−508は、MOF−5とMOF−3とMOF−508を含む配位共重合体を表わすのに使用される。配位共重合体がMOFの層を複数有する場合、層の順序は略語で表わすことができる、という点に留意すべきである。
【0029】
ダイトピック・リンカー(ditopic linker)であるベンゼン−1,4−ジカルボキシレート(BDC)と2−アミノベンゼン−1,4−ジカルボキシレート(ABDC)から誘導される配位共重合体は、本発明を説明するのに役立つ。背景として、硝酸亜鉛・四水和物とジエチルホルムアミド(DEF)の存在下では、純粋なベンゼン−1,4−ジカルボン酸が反応して配位重合体MOF−5を生成する(結晶構造の分析により、Fm−3m空間群中の単純立方体ネットであることがわかる)、という点に留意しておかねばならない。同様に、純粋な2−アミノベンゼン−1,4−ジカルボン酸が反応してIRMOF−3を生成し、これはMOF−5と同じ構造を有する。最初の例として、MOF−5とIRMOF−3の種を、MOF−5の合成の場合と同じソルボサーマル法に従って別々に作製した。15時間後、それぞれの反応溶液を交換した[すなわち、MOF−5の種結晶を、ABDCとZn(NOの未反応溶液中に浸漬した(逆もまた同様)]。溶液をさらに15時間加熱することにより、配位共重合体が得られた。得られた生成物の顕微鏡画像により、コア−シェルキューブであることが明らかになった(図1aと図1bを参照)。カラーコントラストは、白色(MOF−5)とオレンジ色(IRMOF−3)に対応している。図1aは、IRMOF−3をシェル層として、そしてMOF−5をコア層として示しており、一方、図1bは、MOF−5をシェル層として、そしてIRMOF−3をコア層として示している。図1aと1bにおける縮尺目盛りバーは200μmである。MOF−5とIRMOF−3を種とするどちらの場合においても、コア−シェル様のMOFが適切に得られる。コア−シェルMOFを分解させた後のH−NMR分析により、ブロック共重合体のモル組成がBDC:ABDC=1:1であることがわかり、このことは、種MOFの表面上にて、カルボキシレート基のアンカー・ポイント(anchor points)から成長するMOFシェルが適切に形成されている、ということを示している。両方のコア−シェルMOFのN取り込み量は、IRMOF−3@MOF−5とMOF−5@IRMOF−3の両方に対して820cm/gであり、MOF−5の取り込み量(920cm/g)とIRMOF−3の取り込み量(750cm/g)との間である。
【0030】
コア−シェルMOFの存在下で種成長法を利用することで、多層結晶を生成させることもできる。コア−シェル種からの新たな層の成長により、MOF−5層とIRMOF−3層の交互の層が造られる。2つの異なる多層MOFが適切に得られた;図2aに示すMOF−5@IRMOF−3@MOF−5、および図2bに示すIRMOF−3@MOF−5@IRMOF−3。図2aと図2bにおける縮尺目盛りバーは200μmである。
【実施例】
【0031】
実施例1:コア−シェルMOFの作製
ABCD(48mg,0.26ミリモル)とHBDC(44mg,0.26ミリモル)を20mlのバイアル中に別々に装入した。両方のバイアルにZn(NO・4HO(0.208g,0.795ミリモル)と10mlのDEFを加えた。混合物を15分超音波処理し、100℃で加熱した。15時間後、両方の溶液中に立方形状の結晶が形成された。次いで両方の溶液をデカントし、互いに切り換えた。混合物を100℃でさらに15時間加熱した。生成物をDEFで洗浄してから、CHCl中に浸漬した。
【0032】
実施例2:多層MOFの作製
種としてのコア−シェルMOFの作製は、実施例1の場合と同じ方法で行った。コア−シェルMOFを形成させた後、溶液をデカントし、Zn(NO・4HO(0.208g,0.795ミリモル)とHABCD(48mg,0.26ミリモル)もしくはHBDC(44mg,0.26ミリモル)とを10mlのDEF中に含んでなるフレッシュな混合物を加えた。得られた混合物を100℃でさらに15時間加熱した。生成物をDEFで洗浄し、次いでCHCl中に浸漬した。
【0033】
実施例3:コア−シェルMOFにおけるシェル部分の後修飾
湿潤状態のコア−シェルMOF(IRMOF−3@MOF−5,10mg)と10mgのシクロヘキシルイソシアネートを1mlのクロロホルム中で混合した。混合物を、振とう浴によって室温で3日かき混ぜた。反応後、生成物をクロロホルムで洗浄した。
【0034】
実施例4:MOF中へのナイルレッド拡散の測定
5ppmのナイルレッドをクロロホルム中に混合して得られる溶液中にMOFを浸漬した。規定時間にて、溶液の吸光度を紫外線可視分光光度計によって測定した。較正曲線を使用して、溶液中のナイルレッドの濃度を算出した。ナイルレッド濃度の減少から、MOFへのナイルレッドの吸着量を測定した。図3は、(1)配位共重合体の2種の配位重合体がIRMOF−3とMOF−5である場合の配位共重合体、および(2)配位共重合体の2種の配位重合体がシクロヘキシル修飾したIRMOF−3とMOF−5である場合の配位共重合体、に吸着されたナイルレッドの量を曝露時間の関数としてプロットしたものである。
【0035】
実施例5:ナノHKUST−1上ナノMOF−508
BTC(0.5g,2.38ミリモル)、DMF(8.3ml)、EtOH(8.3ml)、水(8.3ml)、および硝酸銅(II)(0.83g,3.57ミリモル)を、室温で磁気撹拌しながらガラスジャーに加えることによって、ナノHKUST−1の懸濁液を調製した。TEA(1ml,7.14ミリモル)を徐々に加え、ジャーを密閉し、曇った青色の懸濁液を室温で3.5時間撹拌した。その一方で、HBDC(0.38g,2.37ミリモル)、DMF(50ml)、EtOH(50ml)、bipy(0.19g,1.18ミリモル)、および硝酸亜鉛(II)(0.70g,2.37ミリモル)の無色透明溶液を、室温で磁気撹拌しながらガラスビーカー中にて調製した。この無色透明溶液を、上記のナノHKUST−1懸濁液に加え、ジャーを密閉し、混合物を撹拌した。3時間後、懸濁液のpHは2〜3であった。次いで、TEA/DMF/EtOH(0.6ml,41.7ml,41.7ml)溶液を混合物に徐々に滴下し、得られた混合物を最後に密閉して一晩撹拌した。ターコイズ色の固体を、無色透明液体(pH約5)から、0.45μmの濾紙を通して濾過することによって分離し、60℃のオーブン中にて窒素雰囲気下で一晩乾燥した。濾液に対しての誘導結合プラズマ(ICP)による元素分析により、0.0001質量%未満のZnとCuが反応後の溶液中に残存する、ということが分かった。その一方で、固体材料に対するXRD粉末パターンは、MOF−508とHKUST−1の両方に対するピークを示し、固体生成物に対するICP元素分析は、両方の金属(CuとZn)の存在を明らかにした。
【0036】
実施例6:ナノIRMOF−1上ナノMOF−508
BDC(0.85g,5ミリモル)、DMF(100ml)、および硝酸亜鉛(II)(3.0g,10ミリモル)を、室温で磁気撹拌しながらガラスジャーに加えることによって、ナノIRMOF−1の懸濁液を調製した。TEA(1.4ml,10ミリモル)を徐々に加え、ジャーを密閉し、曇った白色の懸濁液を室温で3.5時間撹拌した。その一方で、HBDC(0.38g,2.37ミリモル)、EtOH(50ml)、bipy(0.19g,1.18ミリモル)、および硝酸亜鉛(II)(0.70g,2.37ミリモル)の懸濁液を、室温で磁気撹拌しながらガラスビーカー中にて調製した。この乳白色懸濁液を、上記のナノIRMOF−1懸濁液に加え、ジャーを密閉し、混合物を撹拌した。3時間後、懸濁液のpHは3〜3.5であった。TEA/EtOH(0.7ml,50ml)溶液を混合物に徐々に滴下し、得られた混合物を最後に密閉して一晩撹拌した。白色固体を、無色透明液体(pH約4)から、0.45μmの濾紙を通して濾過することによって分離し、60℃のオーブン中にて窒素雰囲気下で一晩乾燥した。濾液に対しての元素分析により、0.16質量%のZnが反応後の溶液中に残存する、ということが分かった。その一方で、固体材料に対するXRD粉末パターンは、MOF−508とIRMOF−1の両方に対するピークを示し、固体生成物に対する元素分析は、Znの存在を明らかにした。
【0037】
実施例7:ナノHKUST−1上ナノMIL−53
BTC(0.5g,2.38ミリモル)、DMF(8.3ml)、EtOH(8.3ml)、水(8.3ml)、および硝酸銅(II)(0.83g,3.57ミリモル)を、室温で磁気撹拌しながらガラスジャーに加えることによって、ナノHKUST−1の懸濁液を調製した。TEA(1ml,7.14ミリモル)を徐々に加え、ジャーを密閉し、曇った青色の懸濁液を室温で3.5時間撹拌した。その一方で、HBDC(0.58g,3.5ミリモル)、DMF(10ml)、EtOH(10ml)、HO(10ml)、および硝酸アルミニウム(III)(2.6g,6.9ミリモル)の懸濁液を、室温で磁気撹拌しながらガラスビーカー中にて調製した。この曇った白色懸濁液を、上記のナノHKUST−1懸濁液に徐々に加え、ジャーを密閉し、混合物を撹拌した。3時間後、懸濁液のpHは1.5〜2.5であった。TEA/DMF/EtOH/HO(0.96ml,7.7ml,7.7ml,8.7ml)溶液を混合物に徐々に滴下し、得られた混合物を最後に密閉して一晩撹拌した。青色懸濁液を、15,000相対遠心力(rcf)にて1時間遠心分離し、pH2〜3の母液をデカントし、得られた固体を、50℃のオーブン中にて窒素雰囲気下で一晩乾燥した。固体材料に対するXRD粉末パターンは、MIL−53ととHKUST−1の両方に対するピークを示し、母液に対する元素分析は、0.094質量%のCuと0.11質量%のAlが溶液中に存在していることを明らかにした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の配位重合体と第2の配位重合体とを含み、第1と第2の配位重合体が同一ではない配位共重合体。
【請求項2】
第1と第2の配位重合体が、IUPACの第1〜16族のいずれかの構成元素、アクチニド、およびランタニドからなる群から選択される少なくとも1種の金属原子または金属クラスターを含む、請求項1に記載の配位共重合体。
【請求項3】
第1と第2の配位重合体が、
式XY(I)
(式中、Xは官能基であり;nは2以上の整数であり;そしてYは、炭化水素基、または、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられた炭化水素基である)で示される有機連結配位子を含む、請求項1に記載の配位共重合体。
【請求項4】
第1と第2の配位重合体が有機金属構造体(MOF)である、請求項1に記載の配位共重合体。
【請求項5】
配位共重合体の平均細孔寸法が、窒素吸着による測定にて2〜40オングストロームであり、ここで配位共重合体の表面積が、ラングミュア法による測定にて2,000m/gより大きく、配位共重合体の1グラム当たりの細孔容積が、窒素吸着による測定にて0.1cm/gより大きい、請求項1に記載の配位共重合体。
【請求項6】
第1の配位重合体と第2の配位重合体が、第1と第2の層状構造にて、またはコア−シェル構造にて存在する、請求項1に記載の配位共重合体。
【請求項7】
第2の層上またはシェル上に層状化された少なくとも第3の配位重合体をさらに含む、請求項6に記載の配位共重合体。
【請求項8】
第1と第2の配位重合体が、CuBTC(HO)(HKUST−1)、ZnBDC(bipy)1/2DMF(HO)1/2(MOF−508)、ZnO(BDC)(IRMOF−10)、およびAl(OH)(BDC)(HBDC)0.7(MIL−53)からなる群から選択される、請求項1に記載の配位共重合体。
【請求項9】
同一ではない少なくとも第1の配位重合体と第2の配位重合体を含んでなる配位共重合体を使用する方法であって、
a)第1の成分と第2の成分とを含む混合物と配位共重合体とを接触させることによって第1の成分を第2の成分から分離し、第1の成分を回収すること;または
b)少なくとも1種の反応物を含む供給材料と配位共重合体とを接触させることによって少なくとも1種の反応物を転化させて、転化生成物を生成させること、ここで少なくとも1種の配位重合体が触媒機能を含む;
を含む方法。
【請求項10】
a)少なくとも1種の金属カチオン源と少なくとも1種の有機連結化合物を溶媒に加えて、第1の溶液もしくはコロイド懸濁液を作製すること;
b)第1の溶液もしくはコロイド懸濁液を処理して、第1の配位重合体の結晶を形成させること;
c)少なくとも1種の金属カチオン源と少なくとも1種の有機連結化合物を溶媒に加えて、第2の溶液もしくはコロイド懸濁液を作製すること、ここで第2の溶液は、第1の溶液もしくはコロイド懸濁液と同一ではない;
d)第1の配位重合体の結晶を第2の溶液もしくはコロイド懸濁液に加えること;及び
e)第2の溶液もしくはコロイド懸濁液を処理して、第2の配位重合体の結晶を、第1の配位重合体の1つ以上の結晶を覆う層として形成させ、これにより配位共重合体を形成させること、ここで第1の配位重合体は、第2の配位重合体と同一ではない;
を含む、配位共重合体の製造方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−519171(P2012−519171A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552092(P2011−552092)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/025145
【国際公開番号】WO2010/099143
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(598055242)ユーオーピー エルエルシー (182)
【出願人】(511209181)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン (1)
【Fターム(参考)】