説明

配管減肉測定装置

【課題】配管の内部に障害物が存在しても、障害物を避けて通過することができ、配管内での姿勢を一定に保持して検査を行うことが可能な配管減肉測定装置を提供する。
【解決手段】内部に障害物11が存在する配管12内に挿入される測定台車13と、測定台車13の前側に設けられた配管12の厚み測定手段14と、測定台車13の後部に配置された進退駆動手段15とを有する配管減肉測定装置10であって、測定台車13は、中央に配置される筒状ケーシング17と、障害物11が存在しない領域では半径方向外側に向けて放射状に拡出し、障害物11が存在する領域では半径方向内側に向けて放射状に縮退する少なくとも3つの平行リンク機構18と、各平行リンク機構18の半径方向外側に設けられた前後対となる車輪19と、各平行リンク機構18を同期して拡出又は縮退するリンク駆動機構20とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平面内に配置され、内部に障害物(例えば、接続端部が内部に突出するT字配管箇所や溶接箇所のように出っ張った部分、接続端部が内部に突出しないT字配管箇所のように陥没部分)が存在する長距離の配管内に挿入されて、配管の肉厚測定を行う配管減肉測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所や変電所等の電力設備、化学プラント、都市ガス供給設備、下水道設備等で使用されている液体やガス等の流体移送用の配管は、保全のために定期的に検査が行われている。しかし、地中に埋設された配管、高所に設けられた配管、管径の小さな(例えば、500mm以下の)配管等のように、配管内に直接人が入って内部点検を行うことができない配管では、検査機器を搭載した自走式の測定台車を配管内に挿入し、配管内を移動させながら検査を行っている。このとき、測定台車の側部から半径方向外側に突出する複数の車輪を配管の内面に当接させて移動することにより、測定台車の配管内での姿勢(周方向位置)を一定に保つと共に、測定台車の中心を配管の軸心上に保持している(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−066562号公報
【特許文献2】特開平08−230666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載された測定台車では、測定台車の側部から半径方向外側に突出する複数の車輪を配管の内面に当接させながら移動するので、配管の内部に出っ張った部分(例えば、接続端部が内部に突出するT字配管箇所や溶接箇所)が存在すると、突出した車輪が出っ張った部分に引っかかって、出っ張った部分を通過できないという問題がある。また、内部に陥没する部分(例えば、接続端部が内部に突出しないT字配管箇所)が存在すると、突出させた車輪が陥没部分に落ち込んで引っかかり、陥没部分を通過できないという問題がある。このため、配管の入り口から、出っ張った部分や陥没部分までの領域は検査できても、出っ張った部分や陥没部分を越えた遠方の領域は検査できないという問題が生じる。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、内部に出っ張った部分や陥没部分等の障害物が存在しても、障害物をスムーズに通過することができると共に、測定台車の配管内での姿勢を保持して検査を行うことが可能な配管減肉測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る配管減肉測定装置は、水平面内に配置され、内部に障害物が存在する配管内に挿入される測定台車と、該測定台車の前側に設けられ前記配管の厚みを測定する厚み測定手段と、前記測定台車の後部に配置され、該測定台車を進退させる進退駆動手段とを有する配管減肉測定装置であって、
前記測定台車は、中央に配置される筒状ケーシングと、
前記筒状ケーシングの外周部を周方向に均等に分割した位置にそれぞれ設けられて、前記障害物が存在しない領域では半径方向外側に向けて放射状に拡出し、該障害物が存在する領域では半径方向内側に向けて放射状に縮退する少なくとも3つの平行リンク機構と、
前記各平行リンク機構の半径方向外側に設けられた前後対となる車輪と、
前記各平行リンク機構を同期して拡出又は縮退するリンク駆動機構とを有している。
【0007】
本発明に係る配管減肉測定装置において、前記少なくとも3つの平行リンク機構は、前記筒状ケーシングの前後の一方側に固定配置された固定リングと、前記筒状ケーシングの前後の他方側に前後方向に移動可能に配置された摺動リングと、前記固定リング及び前記摺動リングにそれぞれ基部が回動自在に連結されたクロスアームと、前記各クロスアームの先側に設けられ、前後両側にそれぞれ前記車輪が設けられたリンクプレートと、前記摺動リングを前記固定リングの方向に付勢するスプリングとを有する構成とすることができる。
【0008】
本発明に係る配管減肉測定装置において、前記リンク駆動機構は、前記固定リングに設けられた第1の軸受けと、前記固定リングと対向し、前記摺動リングを間にして前記筒状ケーシングの他方側に配置した第2の固定リングに設けられた第2の軸受けと、前記摺動リングに設けられた雌ねじ部材に中間部が螺合し、一方端部及び他方側がそれぞれ前記第1、第2の軸受けに支持された雄ねじ部材と、該雄ねじ部材の他端部と連結して、該雄ねじ部材を回転する第1のモータとを有する構成とすることができる。
【0009】
本発明に係る配管減肉測定装置において、前記厚み測定手段は、前記筒状ケーシング内に配置された第2のモータと、該第2のモータによって回転駆動され前記筒状ケーシングの軸心位置に配置された回転軸と、該回転軸に中間部が直交して取付けられたアーム部材と、該アーム部材の一端側に設けられた厚み測定センサとを有する構成とすることができる。
【0010】
本発明に係る配管減肉測定装置において、前記アーム部材は、前記回転軸と連結するアーム本体と、先側から前記厚み測定センサを突出させて保持するセンサホルダと、前記アーム本体の一端側と前記センサホルダの基側を接続する自在継手とを有し、しかも、前記自在継手は、前記センサホルダの基部に設けられた傾動部と、前記アーム本体の一端部に設けられ、前記傾動部と係合して該傾動部の軸心位置と該アーム本体の軸心位置を一致させるベース部と、前記傾動部を前記ベース部の方向に付勢するスプリングとを備えていることが好ましい。
【0011】
本発明に係る配管減肉測定装置において、前記進退駆動手段は、前記筒状ケーシングの後部に該筒状ケーシングの軸心回りに回転自在に連結された長尺の可撓性部材と、該可撓性部材を前記配管内に挿入する送出し機構とを有することができる。
【0012】
本発明に係る配管減肉測定装置において、前記筒状ケーシングの外側には、該筒状ケーシングの軸心に平行に、撮像手段が設けられていることが好ましい。
ここで、前記撮像手段は、前記測定台車の前方を照明する前方照明器と、該測定台車の前方を撮影する前方カメラと、該測定台車の後方を照明する後方照明器と、該測定台車の後方を撮影する後方カメラとを有する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る配管減肉測定装置においては、平行リンク機構が半径方向外側に向けて放射状に拡出して、平行リンク機構の半径方向外側に設けられた前後対となる車輪を、配管の内面に当接させることができるので、筒状ケーシングの軸心位置を配管の軸心位置に一致させることができる。その結果、測定台車は、配管内での姿勢を一定に保持しながら、配管内を移動することができる。
また、平行リンク機構が半径方向内側に向けて放射状に縮退して、平行リンク機構の半径方向外側に設けられた前後対となる車輪を半径方向内側に向けて移動させることができるので、配管内に障害物が存在しても、車輪が障害物に引っかかることがない。その結果、測定台車は、障害物を避けて通過することができる。なお、測定台車が、障害物が存在する領域を通過した後は、平行リンク機構を半径方向外側に向けて放射状に再び拡出させて、平行リンク機構に設けられた車輪を配管の内面に当接させることで、測定台車の筒状ケーシングの軸心位置を配管の軸心位置に再度一致させることができ、配管内での姿勢を一定に保持しながら、配管内を移動させることができる。
【0014】
本発明に係る配管減肉測定装置において、少なくとも3つの平行リンク機構が、筒状ケーシングの前後の一方側に固定配置された固定リングと、筒状ケーシングの前後の他方側に前後方向に移動可能に配置された摺動リングと、固定リング及び摺動リングにそれぞれ基部が回動自在に連結されたクロスアームと、各クロスアームの先側に設けられ、前後両側にそれぞれ車輪が設けられたリンクプレートと、摺動リングを固定リングの方向に付勢するスプリングとを有する場合、簡単な構成で、配管内に測定台車を挿入した際に、筒状ケーシングの軸心を配管の中央に容易に保持できる。
【0015】
本発明に係る配管減肉測定装置において、リンク駆動機構が、固定リングに設けられた第1の軸受けと、固定リングと対向し、摺動リングを間にして筒状ケーシングの他方側に配置した第2の固定リングに設けられた第2の軸受けと、摺動リングに設けられた雌ねじ部材に中間部が螺合し、一方端部及び他方側がそれぞれ第1、第2の軸受けに支持された雄ねじ部材と、雄ねじ部材の他端部と連結して、雄ねじ部材を回転する第1のモータとを有する場合、簡単な構成で、配管内に測定台車を挿入した際に、各平行リンク機構をリンク駆動機構を介して同期して駆動(半径方向外側に向けて拡出、又は半径方向内側に向けて縮退)させることができる。
【0016】
本発明に係る配管減肉測定装置において、厚み測定手段が、筒状ケーシング内に配置された第2のモータと、第2のモータによって回転駆動され筒状ケーシングの軸心位置に配置された回転軸と、回転軸に中間部が直交して取付けられたアーム部材と、アーム部材の一端側に設けられた厚み測定センサとを有する場合、厚み測定センサの回転中心位置を配管の中心位置に維持し、厚み測定センサを配管の内周面に沿って移動させることができる。これにより、配管の周方向に沿った厚みを容易に測定できる。
【0017】
本発明に係る配管減肉測定装置において、アーム部材が、回転軸と連結するアーム本体と、先側から厚み測定センサを突出させて保持するセンサホルダと、アーム本体の一端側とセンサホルダの基側を接続する自在継手とを有し、しかも、自在継手が、センサホルダの基部に設けられた傾動部と、アーム本体の一端部に設けられ、傾動部と係合して傾動部の軸心位置とアーム本体の軸心位置を一致させるベース部と、傾動部をベース部の方向に付勢するスプリングとを備えている場合、厚み測定センサを配管の内周面に対向させて配置することができ、配管の厚みを正確に測定することができると共に、厚み測定センサが障害物に接触した際に、センサホルダの軸心を測定台車の移動方向の後方側に傾斜させることができ、障害物との接触による衝撃力で厚み測定センサが破損することを防止する。更に、厚み測定センサが障害物に引っかかることを防止できると共に、障害物が存在していても、厚み測定センサを通過させることができる。
【0018】
本発明に係る配管減肉測定装置において、進退駆動手段が、筒状ケーシングの後部に筒状ケーシングの軸心回りに回転自在に連結された長尺の可撓性部材と、可撓性部材を配管内に挿入する送出し機構とを有する場合、可撓性部材の捩れ状態が測定台車に伝達するのを簡単な構成で防止することができ、測定台車を配管の内面に沿ってスムーズに移動させて、目標とする測定位置まで移動させることができる。
【0019】
本発明に係る配管減肉測定装置において、筒状ケーシングの外側に、筒状ケーシングの軸心に平行に、撮像手段が設けられている場合、配管内の障害物の存在を確認することができ、障害物の配管内の位置に応じて、平行リンク機構の操作(半径方向外側への拡出又は半径方向内側への縮退)を的確に行うことができる。
【0020】
本発明に係る配管減肉測定装置において、撮像手段が、測定台車の前方を照明する前方照明器と、測定台車の前方を撮影する前方カメラと、測定台車の後方を照明する後方照明器と、測定台車の後方を撮影する後方カメラとを有する場合、測定台車を配管内に挿入する際の障害物の状況、測定台車を配管内から引出しながら検査を行う際の障害物の状況を、それぞれ正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る配管減肉測定装置の使用状態を示す側面図である。
【図2】図1のP−P断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る配管減肉測定装置の要部の説明図である。
【図4】同配管減肉測定装置の筒状ケーシングの部分側断面図である。
【図5】(A)、(B)は同配管減肉測定装置のセンサホルダの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る配管減肉測定装置(以下、単に測定装置ともいう)10は、水平面内又は傾斜面内(0を超えて30度以下の範囲の傾斜角度)に配置され、内部に障害物11が存在する配管12内に挿入される測定台車13と、測定台車13の前側に設けられ配管12の厚み(肉厚)を測定する厚み測定手段14と、測定台車13の後部に配置され、測定台車13を進退させる進退駆動手段15とを有するものであり、測定台車13を配管12内に挿入してその目標とする測定位置まで移動(前進)させた後、この測定台車13を配管12内から引出しながら(測定位置から後退させながら)、配管12の厚み測定を行う。以下、測定台車13の配管12内への挿入方向(引出し方向とは反対の方向)を、測定台車13の進行方向(前方)として、詳しく説明する。
【0023】
ここで、配管12は、例えば、直線部16と、図示しない曲がり部の組合わせから構成され、障害物11は、接続端部が配管12の内部(図1では、直線部16の内部)に突出しているT字配管箇所である。なお、測定対象となる配管は、この構成に限定されるものではなく、例えば、直線部のみで構成されたものでもよく、また曲がり部のみで波形状に構成されたものでもよい。ここで、配管12は、例えば、50mm以上500mm以下程度の内径を有し、30m以上(主として、50m以上、更には70m以上)の長さを有している。なお、測定装置10は、長距離の配管の測定に適しているため、長さの上限値については規定していないが、例えば、200m以下(主として、150m以下、更には120m以下)程度である。
【0024】
図1〜図3に示すように、測定台車13は、中央に配置される筒状ケーシング17と、筒状ケーシング17の外周部を周方向に均等に分割した位置(図2では、3等分した位置)にそれぞれ設けられて、障害物11が存在しない領域では半径方向外側に向けて放射状に拡出し、障害物11が存在する領域では半径方向内側に向けて放射状に縮退する3つの平行リンク機構18と、各平行リンク機構18の半径方向外側に設けられた前後対となる車輪19と、各平行リンク機構18を同期して半径方向外側に向けて放射状に拡出又は半径方向内側に向けて放射状に縮退するリンク駆動機構20とを有している。
【0025】
ここで、測定台車13は、耐食性を備える金属(例えば、ステンレスやアルミニウム合金)やプラスチック(例えば、繊維強化プラスチック等)で構成され、軽量(例えば、3kg以下程度、更には1kg以下程度)であり、その全長(筒状ケーシング17の長さ)が30cm以下、更には15cm以下程度である。また、車輪19は、配管12の内面21から滑りにくい材質で構成する必要があるため、例えば、MCナイロン(登録商標)と呼ばれる6ナイロン(PA6)で構成することが好ましい。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、ゴム製やプラスチック製のものも使用できる。
【0026】
3つの平行リンク機構18は、筒状ケーシング17の前後の一方側(例えば、前側)の周囲に環状に固定配置された固定リング22と、筒状ケーシング17の前後の他方側(後側)の周面に環状に設けられ、前後方向に移動可能に配置された摺動リング23と、固定リング22及び摺動リング23にそれぞれ基部が回動自在に連結されたクロスアーム24と、各クロスアーム24の先側に設けられ、前後両側にそれぞれ車輪19が設けられたリンクプレート25と、摺動リング23を固定リング22の方向に付勢する引張りばね(スプリングの一例)26とを有している。クロスアーム24は、側面視してX字状に交差配置される主ロッド27と2つのガイドロッド28、29とを有するパンタグラフ式のものである。
【0027】
図3に示すように、2つのガイドロッド28、29は、主ロッド27を幅方向両側から挟み込むように対向配置され、その交差部分が回動自在にねじ止め固定されている。この主ロッド27の基部が、固定リング22に回動自在に取付けられ、2つのガイドロッド28、29の基部が、摺動リング23に回動自在に取付けられている。そして、平行リンク機構18は、筒状ケーシング17を配管12の軸心位置に保持するため3組設けているが、4組以上(上限は、8組程度)でもよい。また、リンクプレート25は、対向配置されて、車輪19の車軸30を前後両側にそれぞれ回転可能に保持する2つのプレート部31、32で構成されている。なお、主ロッド27の先部は、対向配置されたプレート部31、32の間に配置され、しかも各プレート部31、32に形成された長孔33内を移動可能に取付けられている。また、各ガイドロッド28、29の先部は、プレート部31、32を、外側から挟み込むように、回動自在に取付けられている。
【0028】
摺動リング23を固定リング22の方向に付勢する引張りばね26の両側には、フック部34、35が設けられ、一方側のフック部34が、固定リング22にねじ止めされた係合部36に、また他方側のフック部35が、摺動リング23にねじ止めされた係合部37に、それぞれ引っ掛けられている。なお、引張りばね26は、筒状ケーシング17の周方向に隣り合うクロスアーム24の間に、1つずつ配置されている(ここでは、合計3つ)。しかし、その一部に配置してもよく(合計が1つ又は2つ)、また、隣り合うクロスアームの間に2つ以上配置してもよい。
【0029】
リンク駆動機構20は、固定リング22の外周部に設けられた第1の軸受け38と、固定リング22と対向し、摺動リング23を間にして筒状ケーシング17の他方側(後側)に、第1の軸受け38と同一の周方向角度位置に配置した第2の固定リング39に設けられた第2の軸受け40と、摺動リング23に設けられた雌ねじ部材41に中間部が螺合し、一方端部及び他方側がそれぞれ第1、第2の軸受け38、40に支持されたボールねじ42(雄ねじ部材の一例)と、ボールねじ42の他端部とカップリング43を介して連結して、ボールねじ42を回転する第1のモータ44とを有している。なお、符号45は、筒状ケーシング17の外周部に取付けられて、ボールねじ42をガイドするガイド部材、符号46はカップリング43のカバー部材である。
【0030】
このような構成とすることにより、第1のモータ44を回転させると、ボールねじ42が回転し、ボールねじ42に螺合している雌ねじ部材41は、ボールねじ42の回転に伴って、ボールねじ42に沿って前後方向に移動するので、雌ねじ部材41に連結している摺動リング23も、ボールねじ42に沿って前後方向に移動する。その結果、各平行リンク機構18を同期して駆動(半径方向外側に向けて拡出、又は半径方向内側に向けて縮退)させることができる
【0031】
具体的には、摺動リング23が固定リング22から離れる方向に移動すると、各リンクプレート25は、図3に示す実線の位置から二点鎖線の位置へ移動して、主ロッド27の先部がプレート部31、32の長孔33に沿って、測定台車13の後側へ移動する。その結果、各平行リンク機構18は、同期して半径方向内側に向けて縮退する。ここで、各引張りばね26に縮もうとする方向の力(圧縮力)が加わっている。このため、各平行リンク機構18にこの圧縮力が作用して、各平行リンク機構18の連結部に生じる遊びが解消され、第1のモータ44を回転させて摺動リング23を移動させた際、各平行リンク機構18の駆動の応答性を高めることができる。なお、圧縮力は、各引張りばね26を固定リング22と摺動リング23に取付ける係合部36、37のねじ止め位置を変更することで調整できる。
【0032】
図1、図4、図5に示すように、厚み測定手段14は、筒状ケーシング17内に配置された第2のモータの一例であるギヤ付きモータ47と、ギヤ付きモータ47によって回転駆動され筒状ケーシング17の軸心位置に配置された回転軸48と、回転軸48に直交して中間部が取付けられたアーム部材49と、アーム部材49の一端側に設けられた厚み測定センサの一例である超音波探触子50とを有している。ここで、筒状ケーシング17の前側には断面円形の前蓋部51が、後側には断面円形で後部に縮径した突出部52を備えた後蓋部53が、それぞれ嵌込まれている。そして、ギヤ付きモータ47と前蓋部51との間、及びギヤ付きモータ47と後蓋部53との間には、それぞれモータ押え54、55が配置され、筒状ケーシング17内でのギヤ付きモータ47の位置決めがなされている。
【0033】
ギヤ付きモータ47の出力軸56には、カップリング57及び回転連結軸58を介して回転軸48が設けられている。回転軸48は、回転連結軸58の先部にねじ固定されて、筒状ケーシング17の前方へ突出して設けられ、しかも測定台車13の前側中心位置にある。また、回転軸48に直交して取付けられたアーム部材49の他端部には、取付け部材59を介してカウンターウエイト60が取付けられている。これにより、ギヤ付きモータ47によって回転軸48が回転駆動することで、超音波探触子50を、スムーズに回転させることができる。
【0034】
また、カップリング57の前方には、周知のスリップリング61が設けられ、筒状ケーシング17内の信号用コード(図示せず)が、スリップリング61を介し、回転連結軸58の内部を通って超音波探触子50に接続されている。ここで、スリップリング61は、リング押え62により筒状ケーシング17内に取付けられている。なお、図4において、符号63、64は、筒状ケーシング17内への水の侵入を防止するOリングである。
【0035】
図5(A)、(B)に示すように、アーム部材49は、回転軸48と連結する管部材(アーム本体の一例)65と、先側から超音波探触子50を突出させて保持するセンサホルダ66と、管部材65の一端側とセンサホルダ66の基側を接続する自在継手67とを有している。また、自在継手67は、センサホルダ66の基部に設けら、基端に向けて徐々に縮径する円錐台状の傾動部68と、管部材65の一端部に設けられ、傾動部68と係合して(傾動部68が嵌入可能な円錐台状の窪み部を有して)傾動部68の軸心位置と管部材65の軸心位置を一致させるベース部69と、傾動部68をベース部69の方向に付勢するスプリング70とを備えている。ここで、スプリング70の一端側は、傾動部68の中央部に傾動部68の軸心方向に形成された貫通孔内に挿入され、貫通孔に直交して挿通されたピン部材71を介して掛止されている。一方、スプリング70の他端側は、フック部材72を介して、管部材65の他端部に設けられた取付け部材59に掛止されている。
【0036】
測定台車13が配管12内を移動して、超音波探触子50の側部が、配管12内に突出している障害物11に当接すると、超音波探触子50が障害物11を押す際の反力が超音波探触子50に作用する。その結果、超音波探触子50を保持しているセンサホルダ66では、図5(B)に示すように、傾動部68がベース部69から離脱することになって、センサホルダ66(超音波探触子50)は、管部材65(ベース部69)に対して、測定台車13の移動方向の後方側に傾斜する(折れ曲がる)。そして、管部材65(ベース部69)の軸心と障害物11の中心との間の距離が減少するのに伴って、センサホルダ66(超音波探触子50)の後方側への傾斜角度は徐々に増加する。その結果、超音波探触子50の側部に当接した障害物11の先端角部は、超音波探触子50の側面上を超音波探触子50の先端側に向けて移動し、障害物11の先端角部は超音波探触子50の先端面上に到達する。その結果、超音波探触子50は、超音波探触子50の先端角部を障害物11の先端面上に当接させながら移動することができ、超音波探触子50は障害物11を通過することができる。
【0037】
また、センサホルダ66が管部材65に対して折れ曲がった場合、スプリング70は更に引伸ばされた状態になる。このため、スプリング70に生じる圧縮力が増大することになって、超音波探触子50が障害物11を通過し終わると同時に、傾動部68はベース部69に係合する(傾動部68がベース部69に形成されている窪み部内に引き込まれる)。その結果、センサホルダ66の軸心位置は管部材65の軸心位置に一致する。
【0038】
図1、図2に示すように、筒状ケーシング17の外側には、筒状ケーシング17の軸心に平行に、撮像手段73が設けられている。そして、撮像手段73は、筒状ケーシング17の両側にそれぞれ配置され、前側に測定台車13の前方を照明する前方照明器75、後方に測定台車の後方を照明する後方照明器76を備えた照明部77と、前側に測定台車13の前方を撮影する前方カメラ78、後側に測定台車13の後方を撮影する後方カメラ79を備えたカメラ部80とを有している。ここで、前方照明器75、後方照明器76には、発光源に、例えば、高輝度の白色発光ダイオードを使用する。また、前方カメラ78、後方カメラ79には、CCDを撮像素子に用いたビデオカメラを使用する。なお、符号81、82は、照明部77、カメラ部80をそれぞれ筒状ケーシング17に取付けるための取付け部材である。
【0039】
図1、図4に示すように、進退駆動手段15は、筒状ケーシング17の後部に、スリップリング83を介して筒状ケーシング17の軸心回りに回転自在に連結された長尺の可撓性部材の一例であるコイルスプリング84と、配管12の入口の外側に配置され、コイルスプリング84を配管12内に挿入する(送出す)図示しない送出し機構とを有している。ここで、コイルスプリングの代わりに、例えば、フレキシブルホース(樹脂ホース、FRP製のホース等)、ワイヤー等を使用することもできる。更に、配管が直線部から構成される場合は、棒を使用することもできる。そして、コイルスプリング84の内部には、第1のモータ44、ギヤ付きモータ47の電力線、超音波探触子50の信号線、照明部77の信号線、カメラ部80の信号線を含むケーブルが収納されている。なお、各信号線は、配管12の位置ごとの損傷状況を出力する演算部を有する制御装置(例えば、コンピュータ)や電源等(図示しない)に、それぞれ接続されている。
【0040】
スリップリング83の外側に配置されるカバー部材85は、一端側が後蓋部53に取付け部材86を介して固定され、他端側には、ベアリング87を介して第1の接続部88が連結されている。そして、第1の接続部88には、結部材(例えば、ねじ)を介して第2の接続部89が連結され、第2の接続部89には、連結部材90を介してコイルスプリング84の先端部が固定されている。このような構成とすることにより、コイルスプリング84を配管12内に送出して測定台車13を配管12内で移動させる際に、コイルスプリング84が測定台車13に対して捩れても、第1の接続部88がベアリング87を介してカバー部材85の外側で回転することができる。その結果、コイルスプリング84の捩れの影響が測定台車13に伝わることが防止される。
【0041】
続いて、本発明の一実施の形態に係る配管減肉測定装置を用いた配管減肉測定方法について説明する。
まず、測定対象となる配管12の近傍で、図1に示すように、測定台車13に進退駆動手段15のコイルスプリング84を連結して配管減肉測定装置10を組立てる。次いで、前記したケーブルを構成する各線を、制御装置や電源等にそれぞれ接続する。これにより、配管減肉測定装置10による測定準備が整う。
【0042】
次に、厚み測定手段14が設けられた測定台車13を配管12内に挿入する。そして、各平行リンク機構18を半径方向外側に向けて放射状に拡出させて、各平行リンク機構18の半径方向外側に設けた車輪19が配管12の内面21を押圧するように、リンク駆動機構20を操作する。これにより、筒状ケーシング17の軸心位置を配管12の軸心位置に一致させて、測定台車13の配管12内での姿勢を一定に保持しながら、配管12内を移動させることができる
【0043】
続いて、図示しない送出し機構を介して、コイルスプリング84を配管12内に順次送り出す。これにより、測定台車13に推進力が与えられ、車輪19が車軸30の回りに回転することによって、測定台車13を配管12内でその軸方向に沿って測定範囲の起点位置まで移動させることができる。なお、起点位置までの距離は、測定台車13に設けられた図示しない距離センサからの信号により検出できるが、配管12内に挿入されたコイルスプリング84の長さから検出することもできる。
【0044】
測定台車13を配管12内で前進させる際に、測定台車13の筒状ケーシング17の外側に設けた前方照明器75で測定台車13の前方を照らし、前方カメラ78で測定台車13の前方を撮影することにより、測定台車13の前方の状況を確認しながら、測定台車13を配管12内で前進させることができる。このため、測定台車13の前方にT字配管箇所があって、配管12に接続された別の配管の接続端部が配管12の内部に突出して障害物11が存在することが確認されると、測定台車13が障害物11に当接する前に、リンク駆動機構20を操作して、各平行リンク機構18を半径方向内側に向けて放射状に縮退させて、平行リンク機構18の半径方向外側に設けられた車輪19を、半径方向内側に向けて移動させる。これにより、車輪19が障害物11に引っかかることがなく、測定台車13は、障害物11を避けて通過できる。
【0045】
ここで、各平行リンク機構18を半径方向内側に向けて縮退させて、測定台車13が障害物11を避けながら通過する際、超音波探触子50が障害物11に当接した場合、超音波探触子50が障害物11を押す反力が超音波探触子50に作用して、超音波探触子50を保持しているセンサホルダ66は、図5(B)に示すように、測定台車13の移動方向の後方側に傾斜する。これにより、超音波探触子50も測定台車13の移動方向の後方側に傾斜して、超音波探触子50は、その先端部を障害物11の端面に当接させながら、障害物11を通過することができる。
【0046】
そして、測定台車13が障害物11を通過した後は、各平行リンク機構18を半径方向外側に向けて放射状に再び拡出させて、各平行リンク機構18に設けられた車輪19を配管12の内面21に当接させる。これにより、測定台車13の筒状ケーシング17の軸心位置を配管12の軸心位置に再度一致させることができ、測定台車13は、配管12内での姿勢を一定に保持しながら、配管12内を移動できる。
【0047】
そして、測定台車13が、目標とする測定位置まで移動したことが検出されると、コイルスプリング84の配管12内への挿入を停止する。このとき、測定台車13のギヤ付きモータ47の出力軸56の回転中心は、配管12の軸心位置に一致しているので、測定台車13のギヤ付きモータ47を作動させと、超音波探触子50の検出部と配管12の内面21との距離を略一定に維持しながら、超音波探触子50を回転させることができる。
【0048】
次いで、測定台車13の筒状ケーシング17の外側に設けた後方照明器76で測定台車13の後方を照らし、後方カメラ79で測定台車13の後方を撮影しながら、測定台車13に接続しているコイルスプリング84を配管12内から引出し、測定台車13の超音波探触子50で配管12の厚みを測定する。なお、配管12内からのコイルスプリング84の引出しは、巻取り機等を用いて自動的に等速で行うことが好ましいが、作業者が行ってもよい。これにより、長距離の配管であっても、配管内からその厚みを作業性よく効率的に測定できる。
【0049】
コイルスプリング84を配管12内から引出しながら測定台車13を移動させているときに、測定台車13の移動方向の前方に障害物11が存在すると、測定台車13が障害物11に当接する前に、超音波探触子50を回転を停止し、リンク駆動機構20を操作して、各平行リンク機構18を半径方向内側に向けて放射状に縮退させて、平行リンク機構18の半径方向外側に設けられた車輪19を、半径方向内側に向けて移動させる。これにより、車輪19が障害物11に引っかかることがなく、測定台車13は、障害物11を避けて通過できる。
【0050】
ここで、超音波探触子50が障害物11に接触する場合、超音波探触子50が障害物11に接触した際の反力が超音波探触子50に作用して、超音波探触子50を保持しているセンサホルダ66が、図5(B)に示すように、測定台車13の移動方向の後方側に傾斜する。これにより、超音波探触子50も測定台車13の移動方向の後方側に傾斜して、超音波探触子50は、障害物11の先端角部を超音波探触子50の先端面上に当接させながら移動することができ、超音波探触子50は障害物11を通過することができる。
【0051】
そして、測定台車13が障害物11を通過した後は、各平行リンク機構18を半径方向外側に向けて放射状に再び拡出させて、各平行リンク機構18に設けられた車輪19を配管12の内面21に当接させる。これにより、測定台車13の筒状ケーシング17の軸心位置を配管12の軸心位置に再度一致させることができる。次いで、超音波探触子50を再び回転させて、測定台車13を配管12内で移動する。これにより、配管12の厚み測定が再開される。
【0052】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の配管減肉測定装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
そして、前記実施の形態においては、平行リンク機構がパンタグラフ式のクロスアームを備えている場合について説明したが、厚み測定センサを回転させるモータの出力軸を、配管の軸心位置に配置できる構成であれば、この構成に限定されるものではない。
【0053】
また、撮像手段を照明部とカメラ部から構成し、更に、照明部を前方照明器と後方照明器から、カメラ部を前方カメラと後方カメラからそれぞれ構成したが、検査する配管の内径が大きい場合、前方カメラと前方照明器を一体化して前方撮影部を、後方カメラと後方照明器を一体化して後方撮影部をそれぞれ構成し、前方撮影部を筒状ケーシングの前側に、後方撮影部を筒状ケーシングの後側に設けてもよい。
更に、配管内を測定台車が移動する際、配管の内部に存在する出っ張った部分を障害物としたが、接続端部が内部に突出しないT字配管箇所のように、配管内に存在する陥没部分が障害物となる場合についても、本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0054】
10:配管減肉測定装置、11:障害物、12:配管、13:測定台車、14:厚み測定手段、15:進退駆動手段、16:直線部、17:筒状ケーシング、18:平行リンク機構、19:車輪、20:リンク駆動機構、21:内面、22:固定リング、23:摺動リング、24:クロスアーム、25:リンクプレート、26:引張りばね、27:主ロッド、28、29:ガイドロッド、30:車軸、31、32:プレート部、33:長孔、34、35:フック部、36、37:係合部、38:第1の軸受け、39:第2の固定リング、40:第2の軸受け、41:雌ねじ部材、42:ボールねじ、43:カップリング、44:第1のモータ、45:ガイド部材、46:カバー部材、47:ギヤ付きモータ、48:回転軸、49:アーム部材、50:超音波探触子、51:前蓋部、52:突出部、53:後蓋部、54、55:モータ押え、56:出力軸、57:カップリング、58:回転連結軸、59:取付け部材、60:カウンターウエイト、61:スリップリング、62:リング押え、63、64:Oリング、65:管部材、66:センサホルダ、67:自在継手、68:傾動部、69:ベース部、70:スプリング、71:ピン部材、72:フック部材、73:撮像手段、75:前方照明器、76:後方照明器、77:照明部、78:前方カメラ、79:後方カメラ、80:カメラ部、81、82:取付け部材、83:スリップリング、84:コイルスプリング、85:カバー部材、86:取付け部材、87:ベアリング、88:第1の接続部、89:第2の接続部、90:連結部材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面内に配置され、内部に障害物が存在する配管内に挿入される測定台車と、該測定台車の前側に設けられ前記配管の厚みを測定する厚み測定手段と、前記測定台車の後部に配置され、該測定台車を進退させる進退駆動手段とを有する配管減肉測定装置であって、
前記測定台車は、中央に配置される筒状ケーシングと、
前記筒状ケーシングの外周部を周方向に均等に分割した位置にそれぞれ設けられて、前記障害物が存在しない領域では半径方向外側に向けて放射状に拡出し、該障害物が存在する領域では半径方向内側に向けて放射状に縮退する少なくとも3つの平行リンク機構と、
前記各平行リンク機構の半径方向外側に設けられた前後対となる車輪と、
前記各平行リンク機構を同期して拡出又は縮退するリンク駆動機構とを有することを特徴とする配管減肉測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の配管減肉測定装置において、前記少なくとも3つの平行リンク機構は、前記筒状ケーシングの前後の一方側に固定配置された固定リングと、前記筒状ケーシングの前後の他方側に前後方向に移動可能に配置された摺動リングと、前記固定リング及び前記摺動リングにそれぞれ基部が回動自在に連結されたクロスアームと、前記各クロスアームの先側に設けられ、前後両側にそれぞれ前記車輪が設けられたリンクプレートと、前記摺動リングを前記固定リングの方向に付勢するスプリングとを有することを特徴とする配管減肉測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の配管減肉測定装置において、前記リンク駆動機構は、前記固定リングに設けられた第1の軸受けと、前記固定リングと対向し、前記摺動リングを間にして前記筒状ケーシングの他方側に配置した第2の固定リングに設けられた第2の軸受けと、前記摺動リングに設けられた雌ねじ部材に中間部が螺合し、一方端部及び他方側がそれぞれ前記第1、第2の軸受けに支持された雄ねじ部材と、該雄ねじ部材の他端部と連結して、該雄ねじ部材を回転する第1のモータとを有することを特徴とする配管減肉測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の配管減肉測定装置において、前記厚み測定手段は、前記筒状ケーシング内に配置された第2のモータと、該第2のモータによって回転駆動され前記筒状ケーシングの軸心位置に配置された回転軸と、該回転軸に中間部が直交して取付けられたアーム部材と、該アーム部材の一端側に設けられた厚み測定センサとを有することを特徴とする配管減肉測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の配管減肉測定装置において、前記アーム部材は、前記回転軸と連結するアーム本体と、先側から前記厚み測定センサを突出させて保持するセンサホルダと、前記アーム本体の一端側と前記センサホルダの基側を接続する自在継手とを有し、しかも、前記自在継手は、前記センサホルダの基部に設けられた傾動部と、前記アーム本体の一端部に設けられ、前記傾動部と係合して該傾動部の軸心位置と該アーム本体の軸心位置を一致させるベース部と、前記傾動部を前記ベース部の方向に付勢するスプリングとを備えていることを特徴とする配管減肉測定装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の配管減肉測定装置において、前記進退駆動手段は、前記筒状ケーシングの後部に該筒状ケーシングの軸心回りに回転自在に連結された長尺の可撓性部材と、該可撓性部材を前記配管内に挿入する送出し機構とを有していることを特徴とする配管減肉測定装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の配管減肉測定装置において、前記筒状ケーシングの外側には、該筒状ケーシングの軸心に平行に、撮像手段が設けられていることを特徴とする配管減肉測定装置。
【請求項8】
請求項7記載の配管減肉測定装置において、前記撮像手段は、前記測定台車の前方を照明する前方照明器と、該測定台車の前方を撮影する前方カメラと、該測定台車の後方を照明する後方照明器と、該測定台車の後方を撮影する後方カメラとを有していることを特徴とする配管減肉測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−21882(P2012−21882A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159916(P2010−159916)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(391037814)株式会社東京エネシス (24)
【出願人】(591053856)新日本非破壊検査株式会社 (29)
【Fターム(参考)】