配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体
【課題】 配線・配管材を配設する際の作業性を高めることができる、配線・配管材配設具を提供する。
【解決手段】 配線・配管材配設具5は、支持体6と、ボルト体4に螺合する規制ナット7とを備える。支持体6は、配線・配管材3を、一方側Rから支持する、支持部6aと、その支持部6aから延設されて、ボルト体4が貫通する通孔6cが設けられた、基部6bとを有する。そして、規制ナット7は、基部6bを一方側Rとなる下方側から受け止める、受け部7aと、その受け部7aから、支持体6の通孔6cを貫通するように他方側Sとなる上方に延出する、延出部7bとを有する。そこで、支持体6の通孔6cを貫通する延出部7bの先端側に、回動操作される操作部7cが形成される。
【解決手段】 配線・配管材配設具5は、支持体6と、ボルト体4に螺合する規制ナット7とを備える。支持体6は、配線・配管材3を、一方側Rから支持する、支持部6aと、その支持部6aから延設されて、ボルト体4が貫通する通孔6cが設けられた、基部6bとを有する。そして、規制ナット7は、基部6bを一方側Rとなる下方側から受け止める、受け部7aと、その受け部7aから、支持体6の通孔6cを貫通するように他方側Sとなる上方に延出する、延出部7bとを有する。そこで、支持体6の通孔6cを貫通する延出部7bの先端側に、回動操作される操作部7cが形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配線・配管材を配設するための、配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、排水管等の配管材を支持固定する支持金具があった(例えば、特許文献1参照)。図22に示すように、この支持金具35は、配管材としての排水管31を上下で挟むように配備されて、1対のネジ杆32、32に架設される、2つの湾曲バンド36、37からなっていた。そして、ネジ杆32には、両湾曲バンド36、37を上下で挟むように、ナット38、39が螺合していた。そこで、ネジ杆32に対し下側の湾曲バンド37を組み付け、上側の湾曲バンド36を外した状態で、下側のナット39(規制ナット)を回すことで、下側の湾曲バンド37に載る排水管31の高さ位置とか、排水勾配が調整され、上側の湾曲バンド36をネジ杆32に組み付けて、上側のナット38を締め込むことで、排水管31は、両湾曲バンド36、37により挟持された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−160048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の支持金具35にあっては、支持金具35の端部を上下で挟むナット38、39のうち、下側のナット39(規制ナット)は、操作しにくく、作業性が悪かった。特に、壁等の障害物の際では、ナット39を回す工具を差し入れできないこともあった。この場合には、下側の湾曲バンド37やその湾曲バンド37に載る排水管31を、一旦移動させたりして、高さ位置を調整する必要があった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、配線・配管材を配設する際の作業性を高めることができる、配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、および、その配線・配管材配設具を用いた配線・配管材の配設方法、並びに、配線・配管材配設装置体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、配設部に配備されたボルト体に取り付けられて、配線・配管材を支持する、配線・配管材配設具である。この配線・配管材配設具は、支持体と、前記ボルト体に螺合してそのボルト体が突き抜ける規制ナットとを備える。ここで、前記支持体は、前記配線・配管材を、前記ボルト体の軸心に沿う方向の一方側から支持する、支持部と、その支持部から延設されて、前記ボルト体が貫通する通孔が設けられた、基部とを有する。前記規制ナットは、前記支持体の前記一方側への移動を規制すべく、前記基部を前記一方側から受け止める、受け部と、その受け部から、前記ボルト体の軸心に沿って前記通孔を貫通するように前記一方側とは反対の他方側に延出する、延出部とを有する。そして、前記通孔を前記ボルト体とともに貫通する前記延出部の先端側には、前記基部よりも前記他方側から回動操作可能な操作部が形成されている。
【0007】
この配線・配管材配設具によると、支持体における支持部が、配線・配管材を、配設部に配備されたボルト体の軸心に沿う方向の一方側から支持する。そして、支持体における基部に設けられた通孔をボルト体が貫通する。また、ボルト体には、規制ナットが螺合し、この規制ナットの受け部が、支持体の基部を前記一方側から受け止める。こうして、支持体は、ボルト体に組み付けられ、この支持体の支持部によって配線・配管材が支持されて、この配線・配管材は、配設部に配設される。ここにおいて、規制ナットは、受け部から通孔を貫通するように延出する延出部を有している。そして、この延出部の先端側に形成された操作部を、基部よりも、前記一方側とは反対の他方側から、すなわち受け部がある側とは反対側から、回動操作すると、支持体は、ボルト体の軸心に沿って移動し、この移動により、配線・配管材は、位置調整される。そして、この際、規制ナットは、受け部がある側とは反対側からの回動操作により、容易に回動される。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、請求項1に記載の配線・配管材配設具において、第2支持体を備え、その第2支持体は、前記配線・配管材に前記他方側から当接して、前記支持体の前記支持部とで前記配線・配管材を挟持する、第2支持部を有する。このように、第2支持体を設けることで、配線・配管材は、第2支持体と支持体とで挟持されて、ボルト体にしっかりと固定される。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、請求項2に記載の配線・配管材配設具において、前記ボルト体に螺合する押圧ナットを備える。そして、前記第2支持体は、前記第2支持部の他に、その第2支持部から延設されて、前記ボルト体が貫通する第2通孔が設けられた、第2基部を有する。そこで、前記押圧ナットが、前記第2基部を前記他方側から押圧することで、前記第2支持部は、前記配線・配管材に前記他方側から当接して、前記支持部とで前記配線・配管材を挟持する。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、請求項3に記載の配線・配管材配設具において、前記第2通孔は、前記ボルト体がその周面側から出入り可能となるよう、前記第2基部の外側に開口する開口部を有する。そこで、前記支持部が前記配線・配管材を支持した状態で、前記第2支持体は、前記ボルト体に対して、前記開口部を通じて、取外し、取付け可能である。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線・配管材配設具において、前記規制ナットは、合成樹脂製の規制ナット本体と、前記受け部において、前記規制ナット本体に対して回動不能に収容されて、前記ボルト体に螺合する、金属ナットとを備える。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る配線・配管材配設装置は、請求項1に記載の配線・配管材配設具と、基礎面に固定されるベース板と、そのベース板から起立して平行位置する1対の前記ボルト体とを備える。ここで、前記支持体は、1対の前記ボルト体に架設されるよう、両側に前記基部が設けられるとともに、中間部に前記支持部が設けられる。そして、前記規制ナットは、1対設けられて、1対の前記ボルト体にそれぞれ螺合し、これら1対の規制ナットにより、前記支持体の前記一方側への移動を規制する。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る配線・配管材配設装置は、請求項6に記載の配線・配管材配設装置において、前記支持体は、1対の前記基部が1対の前記ボルト体の並設方向に並ぶ基準姿勢に対して傾斜可能となるよう、前記通孔が、1対の前記基部を結ぶ方向に延びる長孔状に形成されるとともに、前記延出部は、前記支持体の前記基準姿勢に加えて、その基準姿勢に対して傾斜する、前記支持体の傾斜姿勢で、前記通孔を貫通するように、軸方向に長く形成される。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係る配線・配管材配設装置は、請求項7に記載の配線・配管材配設装置において、前記規制ナットは、合成樹脂製の規制ナット本体と、前記受け部において、前記規制ナット本体に対して回動不能に収容されて、前記ボルト体に螺合する、金属ナットとを備える。そして前記支持体の前記基部は、前記ボルト体の軸方向から見て、前記金属ナットと重なるように、前記通孔の長孔を構成する二面幅が狭く形成される。このように、ボルト体の軸方向から見て、支持体の基部と金属ナットとが重なることで、配線・配管材からの荷重を、規制ナットの受け部でしっかりと受け止めることができる。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係る配線・配管材配設装置は、請求項7または8に記載の配線・配管材配設装置において、前記通孔の各々は、互いに他の通孔から離れた側が、前記ボルト体の外径よりも小さい幅で開口している、または、塞がれている。これにより、支持体が傾斜姿勢となった際に、規制ナットの延出部、ひいてはボルト体は、支持体の通孔から抜け出ることがない。さらに、規制ナットの延出部が、規制ナットの回動により通孔の周縁と擦れ、その擦れた部分でボルト体が露出するに至った場合であっても、支持体が傾斜姿勢となった際に、ボルト体は、通孔から抜け出ることがない。
【0016】
また、請求項10に記載の発明に係る配線・配管材の配設方法は、請求項4に記載の配線・配管材配設具を用いた配線・配管材の配設方法である。この配設方法は、前記ボルト体に螺合する前記規制ナットの前記受け部で、前記支持体の基部を前記一方側から受け止めるように、前記規制ナットに組み付けられた前記支持体の、前記支持部に対し、前記配線・配管材を配置する。そして、前記基部よりも前記他方側において、前記ボルト体の軸方向に近接して並ぶ、前記規制ナットの前記操作部と、前記ボルト体に螺合する前記押圧ナットに備わる第2操作部とを、螺回動工具により同時に回動操作して、前記支持体と前記配線・配管材とを所要の位置に移動する。次いで、前記第2支持体の前記第2基部を、前記規制ナットと前記押圧ナットとの間で前記ボルト体が前記第2基部の前記第2通孔を貫通するように、前記ボルト体に嵌める。その後、前記押圧ナットが前記第2基部を前記他方側から押圧するように、前記押圧ナットを締め込んで、前記第2支持部と前記支持部とで前記配線・配管材を挟持する。この配設方法によると、配線・配管材を位置調整するにあたって、規制ナットと押圧ナットとを、螺回動工具により同時に回動操作することで、その後に、ボルト体に第2支持部を組み付けて、押圧ナットを締め込む際に、その締込み時間を短縮することができる。
【0017】
また、請求項11に記載の発明に係る配線・配管材配設装置体は、請求項4に記載の配線・配管材配設具と、基礎面に固定されるベース板と、そのベース板から起立する前記ボルト体と、前記配線・配管材配設具の前記規制ナットおよび前記押圧ナットを回動操作する螺回動工具とを備える。ここで、前記螺回動工具は、筒状に形成された工具本体を備える。この工具本体は、内部に、前記ボルト体に螺合した前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを収容可能である。そして、前記ボルト体の軸方向に並ぶ、前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを、前記工具本体内に収容した状態で、その工具本体を回動させることで、前記規制ナットと前記押圧ナットとの両方が前記工具本体とともに回動して前記ボルト体に対して螺進退するよう、前記工具本体内に、前記規制ナットの前記操作部と係合する第1係合部と、前記押圧ナットに備わる第2操作部と係合する第2係合部とが設けられている。これにより、配線・配管材を位置調整するにあたって、規制ナットと押圧ナットとを、螺回動工具により同時に回動操作することで、その後に、ボルト体に第2支持部を組み付けて、押圧ナットを締め込む際に、その締込み時間を短縮することができる。
【0018】
また、請求項12に記載の発明に係る配線・配管材配設装置体は、請求項11に記載の配線・配管材配設装置体において、前記第1係合部と第2係合部とは、前記工具本体の軸方向に直交する断面が、同一形状となっており、これら同一形状の第1係合部および第2係合部が、前記操作部および前記第2操作部と係合するように、前記操作部と前記第2操作部とは、その軸方向に直交する断面が同一または近似する形状となっている。
【0019】
また、請求項13に記載の発明に係る配線・配管材配設装置体は、請求項11に記載の配線・配管材配設装置体において、前記ボルト体は、前記他方側が自由端となっており、前記工具本体は、前記ボルト体の前記自由端側から前記ボルト体の軸方向に沿うようにして、そのボルト体を口元から内部に挿入可能であるとともに、前記ボルト体に螺合した前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを収容可能である。そして、前記第1係合部は、前記工具本体内の口元側に設けられ、前記第2係合部は、前記第1係合部よりも奥側に設けられる。そこで、前記工具本体の軸方向の長さは、前記規制ナットが前記支持体の前記基部を受け止めたまま前記一方側の極端に位置する状態で、前記ボルト体の挿入を許容して前記操作部に前記第1係合部が係合可能となる長さである。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係る配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体によれば、配線・配管材の位置調整のための規制ナットを、受け部がある側とは反対側からの回動操作により、容易に回動することができ、これによって、配線・配管材を配設する際の作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施の形態の、縦断面図である。
【図2】同じく、支持体およびベース板を省略した状態の平面図である。
【図3】同じく、図1におけるA−A線による断面図である。
【図4】同じく、配線・配管材の配設過程を示す縦断面図である。
【図5】同じく、支持体を傾斜姿勢にした、縦断面図である。
【図6】この発明の第1の変形形態を示す、縦断面図である。
【図7】この発明の第2の変形形態を示す、縦断面図である。
【図8】この発明の第3の変形形態を示す、縦断面図である。
【図9】この発明の第4の変形形態を示す、縦断面図である。
【図10】この発明の第5の変形形態を示す、縦断面図である。
【図11】この発明の第6の変形形態を示す、縦断面図である。
【図12】この発明の第7の変形形態を示す、図3相当図である。
【図13】同じく、図5相当図である。
【図14】同じく、規制ナットを示し、(A)は、拡大正面図、(B)は、(A)におけるY−Y線による断面図である。
【図15】この発明の第8の変形形態を示す、図3相当図である。
【図16】この発明の第9の変形形態を示す、図3相当図である。
【図17】この発明の第10の変形形態を示す、縦断面図である。
【図18】この発明の第11の変形形態を示す、縦断面図である。
【図19】この発明の第12の変形形態を示す、縦断面図である。
【図20】この発明の第13の変形形態を示す、縦断面図である。
【図21】この発明の第14の変形形態を示す、縦断面図である。
【図22】従来の支持金具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明に係る配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図5は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、建物の基礎床面等からなる基礎面である。2は、その基礎面1上の配設部である。3は、前記配設部2に配設される配線・配管材(配線材または配管材)である。4は、前記配設部2に配備されたボルト体である。5は、配設部2に配線・配管材3を配設すべく、前記ボルト体4に取り付けられて、配線・配管材3を支持する、配線・配管材配設具である。
【0024】
この配線・配管材配設具5は、支持体6と、前記ボルト体4に螺合してそのボルト体4が突き抜ける規制ナット7とを備える。ここで、支持体6は、配線・配管材3を、ボルト体4の軸心に沿う方向Pの一方側Rから支持する、支持部6aと、その支持部6aから延設されて、ボルト体4が貫通する通孔6cが設けられた、基部6bとを有する。そして、規制ナット7は、支持体6の前記一方側Rへの移動を規制すべく、基部6bを前記一方側Rから受け止める、受け部7aと、その受け部7aから、ボルト体4の軸心に沿って支持体6の通孔6cを貫通するように前記一方側Rとは反対の他方側Sに延出する、延出部7bとを有する。そこで、支持体6の通孔6cをボルト体4とともに貫通する延出部7bの先端側には、支持体6の基部6bよりも前記他方側Sから回動操作可能な操作部7cが形成されている。
【0025】
また、この配線・配管材配設具5は、第2支持体8を備えている。この第2支持体8は、配線・配管材3に前記他方側Sから当接して、前記支持体6の支持部6aとで配線・配管材3を挟持する、第2支持部8aを有する。さらに、この第2支持体8は、第2支持部8aの他に、その第2支持部8aから延設されて、ボルト体4が貫通する第2通孔8cが設けられた、第2基部8bを有する。
【0026】
そして、この配線・配管材配設具5は、ボルト体4に螺合する押圧ナット9を備えている。そこで、この押圧ナット9が、第2支持体8の第2基部8bを前記他方側Sから押圧することで、第2支持部8aは、配線・配管材3に前記他方側Sから当接して、支持部6aとで配線・配管材3を挟持する。
【0027】
ところで、第2支持体8の第2基部8bに設けられた第2通孔8cは、ボルト体4がその周面側から出入り可能となるよう、第2基部8bの外側に開口する開口部8dを有する(図2参照)。詳しくは、その開口部8dは、配線・配管材3の配設方向Tの一側に設けられる。そこで、支持体6が配線・配管材3を支持した状態で、第2支持体8は、ボルト体4に対して、前記開口部8dを通じて、取外し、取付け可能となる。
【0028】
そして、第2基部8bをボルト体4から外した状態で、前記支持体6の基部6bよりも前記他方側Sにおいて、ボルト体4の軸方向に近接して並ぶ、規制ナット7の操作部7cと、押圧ナット9に備わる第2操作部9aとを、ソケットレンチ等の螺回動工具21により同時に操作可能となっている(図4参照)。この螺回動工具21は、筒状に形成された工具本体21aを備えており、工具本体21aは、内部に、ボルト体4に螺合した規制ナット7の操作部7cおよび押圧ナット9を収容可能である。そして、ボルト体4の軸方向に並ぶ、規制ナット7の操作部7cおよび押圧ナット9を、工具本体21a内に収容した状態で、その工具本体21aを回動させることで、規制ナット7と押圧ナット9との両方が工具本体21aとともに回動してボルト体4に対して螺進退するよう、工具本体21a内に、規制ナット7の操作部7cと係合する第1係合部21cと、押圧ナット9に備わる第2操作部9aと係合する第2係合部21dとが設けられる。詳しくは、ボルト体4は、前記他方側Sが自由端4aとなっており、工具本体21aは、ボルト体4の自由端4a側からボルト体4の軸方向に沿うようにして、そのボルト体4を口元21bから内部に挿入可能であるとともに、ボルト体4に螺合した規制ナット7の操作部7cおよび押圧ナット9を収容可能である。そして、前記第1係合部21cは、工具本体21a内の口元21b側に設けられ、前記第2係合部21dは、第1係合部21cよりも奥側に設けられる。
【0029】
詳細には、前記基礎面1には、ベース板10が固定され、そのベース板10から、1対の前記ボルト体4、4が平行位置するように起立する。そこで、これらベース板10と、1対のボルト体4、4と、前記配線・配管材配設具5とで、配線・配管材配設装置11が構成される。すなわち、配線・配管材配設装置11は、配線・配管材配設具5と、基礎面1に固定されるベース板10と、そのベース板10から起立して平行位置する1対のボルト体4、4とを備える。ここにおいて、配線・配管材配設具5における支持体6は、1対のボルト体4、4に架設されるよう、両側に前記基部6b、6bが設けられるとともに、中間部に前記支持部6aが設けられる。そして、前記規制ナット7は、1対設けられて、1対のボルト体4、4にそれぞれ螺合し、これら1対の規制ナット7、7により、支持体6の前記一方側Rへの移動を規制する。
【0030】
また、支持体6は、1対の基部6b、6bが1対のボルト体4、4の並設方向Uに並ぶ(つまり、両側の基部6b、6bが水平位置する)基準姿勢に対して傾斜可能となるよう、通孔6cが、1対の基部6b、6bを結ぶ方向に延びる長孔状に形成される。そして、規制ナット7の延出部7b(詳しくは、後述する第1延出部7d)は、支持体6の前記基準姿勢に加えて、その基準姿勢に対して傾斜する、支持体6の傾斜姿勢(図5参照)で、通孔6cを貫通するように、軸方向に長く形成される。そこで、このように、延出部7bを軸方向に長く形成することで、後述する位置調整(例えば、高さ調整とか勾配調整)にあたって、1対の基部6b、6bに対する1対の規制ナット7、7を、片方ずつ回動することができる。なお、支持体6が前記基準姿勢を採るためには、その支持体6の基部6b、6bを受け止める両受け部7a、7a(つまり、両規制ナット7、7)の位置は、同一高さとなる。
【0031】
第2支持体8は、1対のボルト体4、4に架設されるよう、両側に前記第2基部8b、8bが設けられるとともに、中間部に前記第2支持部8a、が設けられる。そして、押圧ナット9は、1対設けられて、1対のボルト体4、4にそれぞれ螺合し、これら1対の押圧ナット9、9が、1対の第2基部8b、8bをそれぞれ前記他方側Sから押圧する。
【0032】
また、配線・配管材配設具5と、ベース板10と、ボルト体4と、螺回動工具21とで、配線・配管材配設装置体が構成される。すなわち、配線・配管材配設装置体は、配線・配管材配設具5と、基礎面1に固定されるベース板10と、そのベース板10から起立するボルト体4と、配線・配管材配設具5の規制ナット7および押圧ナット9を回動操作する螺回動工具21とを備える。
【0033】
具体的には、ベース板10は、図示実施の形態においては、配線・配管材3が延びる方向である前記配設方向Tと交叉する方向(1対のボルト体4、4の並設方向Uでもある)に細長に延びる、平板横長に形成されて、各端部に、ビスとか釘等の固着具が通る取付孔10aがあけられている。そこで、この取付孔10aを通って、固着具が基礎面1にねじ込まれたり打ち込まれたりすることで、ベース板10は、基礎面1に固定される。そして、ベース板10の両端側には、ナット10bが設けられており(詳しくは、溶接とかカシメ等により固定されており)、このナット10bにボルト体4がねじ込まれることで、ボルト体4は、ベース板10から上方に起立することとなる。
【0034】
支持体6は、例えば鋼板製であって、横長に形成され、その横長の両端部の前記基部6b、6bが、一平面を形成するように延びている。そして、支持体6は、中間部の前記支持部6aが、配線・配管材3の外周に合わせるように前記一方側Rとなる下方側に凸となるように湾曲して(詳しくは、弧状に形成されて)、配線・配管材3をその下方側Rから支持する。また、基部6bに設けられる通孔6cは、前述のように、1対の基部6b、6bを結ぶ方向に延びる長孔状に形成されるが、支持体6の両端となる側に、ボルト体4が出入り可能な開口部6dを有している。そして、この支持体6の基部6bは、ボルト体4の軸方向から見て、後述する金属ナット702と重なるように、通孔6cの長孔を構成する二面幅6eが狭く形成されている。
【0035】
規制ナット7は、合成樹脂製の規制ナット本体701と、ボルト体4に螺合する金属ナット702とを備える。この金属ナット702は、規制ナット7の受け部7aにおいて、規制ナット本体701に対して回動不能に収容される。また、規制ナット7における前記延出部7bは、ボルト体4が貫通するように筒状に形成されており、この延出部7bは、受け部7aよりも径小となって延出する第1延出部7dと、第1延出部7dに続きその第1延出部7dよりも径大な第2延出部7eとからなる。そこで、第1延出部7dに、支持体6における基部6b(詳しくは、通孔6c)が係合する。そして、第2延出部7eの先端側が、前記操作部7cとなり、その外周面は、例えば六角形状をしている。そして、第2延出部7eの基端部は、鍔状に突出して、前記螺回動工具21の先端が当接する座部7fとなっている。
【0036】
第2支持体8は、支持体6と同様に、例えば鋼板製であって、横長に形成され、その横長の両端部の前記第2基部8b、8bが、一平面を形成するように延びている。この第2基部8bの、押圧ナット9が当たる座面8eは、その押圧ナット9が嵌まるように若干窪んで形成される。そして、第2支持体8は、中間部の前記第2支持部8aが、配線・配管材3の外周に合わせるように前記他方側Sとなる上方側に凸となるよう湾曲して(詳しくは、弧状に形成されて)、配線・配管材3に上方側から当接する。
【0037】
押圧ナット9は、その全体が前記第2操作部9aとなる一般的なナットであって、その外周面は、例えば六角形状をしている。詳しくは、この押圧ナット9の第2操作部9aは、その六角形状の面幅が、規制ナット7の操作部7cにおける六角形状の面幅と同一寸法となっている。
【0038】
螺回動工具21においては、前記第1係合部21cと第2係合部21dとは、工具本体21aの軸方向に直交する断面が、同一形状となっている。そして、これら同一形状の第1係合部21cおよび第2係合部21dが、前記操作部7cおよび前記第2操作部9aと係合するように、前記操作部7cと前記第2操作部9aとは、その軸方向に直交する断面が同一または近似する形状となっている。図示実施の形態においては、第1係合部21cと第2係合部21dとは、工具本体21aの軸方向に直交する断面が、同一の六角形状をして、軸方向に連続して形成されている。そして、規制ナット7の操作部7cと押圧ナット9の第2操作部9aとは、その軸方向に直交する断面が、六角形状をしており、その面幅は、前記第1および第2係合部21c、21dのそれと略同一寸法となっている。
【0039】
そして、工具本体21aの軸方向の長さは、規制ナット7(詳しくは、受け部7a)が支持体6の基部6bを受け止めたまま前記一方側Rの極端に位置する(つまり、支持体6が基礎面1またはベース板10に当接する、または、規制ナット7がベース板10(詳しくは、ナット10b)に当接する)状態で、ボルト体4の挿入を許容して操作部7cに第1係合部21cが係合可能となる長さとなっている。なお、この工具本体21aの長さが足りない場合には、ボルト体4の自由端4a側が工具本体21aを貫通して露出するように、この工具本体21aにおける口元21bとは反対側を開口してもよい。
【0040】
また、工具本体21aは、この工具本体21aを回動するための回動操作部21eを有している。この回動操作部21eは、工具本体21aにおける口元21bのある先端部とは反対側の端部に設けられている。図示実施の形態においては、回動操作部21eは、工具本体21aの外周の、例えば六角形状に形成された第1回動操作部21fとか、内周の、例えば六角形状に形成された第2回動操作部21gからなる。そこで、この工具本体21aの回動にあたっては、回動操作部21fを、直接手で回したり、回動操作部21f、21gを、手動のハンドルや電気ドライバー等の電動工具等を用いたりして回すことができる。
【0041】
次に、この配線・配管材配設具5を用いた配線・配管材3の配設方法を説明する。始めに、ボルト体4に螺合する規制ナット7の受け部7aで、支持体6の基部6bを前記一方側R(詳しくは、下方側)から受け止めるように、規制ナット7に組み付けられた支持体6の、支持部6aに対し、配線・配管材3を配置する。そして、基部6bよりも前記他方側S(詳しくは、上方側)において、ボルト体4の軸方向に近接して並ぶ、規制ナット7の操作部7cと、ボルト体4に螺合する押圧ナット9の第2操作部9aとを、螺回動工具21により同時に回動操作して、支持体6と配線・配管材3とを所要の位置に移動する(図4参照)。次いで、第2支持体8の第2基部8bを、規制ナット7と押圧ナット9との間でボルト体4が第2基部8bの第2通孔8cを貫通するように、ボルト体4に嵌める。その後、押圧ナット9が第2基部8bを前記他方側Sから押圧するように、押圧ナット9を締め込んで、第2支持部8aと支持部6aとで配線・配管材3を挟持する(図1参照)。
【0042】
次に、以上の構成からなる配線・配管材配設具5(配線・配管材配設装置11、配線・配管材配設装置体)、および配線・配管材3の配設方法の作用効果について説明する。配線・配管材配設具5の支持体6における支持部6aが、配線・配管材3を、配設部2に配備されたボルト体4の軸心に沿う方向Pの一方側R(詳しくは、下方側)から支持する。そして、支持体6における基部6bに設けられた通孔6cをボルト体4が貫通する。また、ボルト体4には、そのボルト体4が突き抜けるようにして規制ナット7が螺合し、この規制ナット7の受け部7aが、支持体6の基部6bを前記一方側Rから受け止める。こうして、支持体6は、ボルト体4に組み付けられ、この支持体6の支持部6aによって配線・配管材3が支持されて、配線・配管材3は、配設部2に配設される。ここにおいて、規制ナット7は、受け部7aから支持体6の通孔6cを貫通するように延出する延出部7bを有している。そして、この延出部7bの先端側に形成された操作部7cを、支持体6の基部6bよりも、前記一方側Rとは反対の他方側S(詳しくは、上方側)から、すなわち受け部7aがある側とは反対側から、回動操作すると、支持体6は、ボルト体4の軸心に沿って移動し、この移動により、配線・配管材3は、位置調整(詳しくは、高さ調整とか勾配調整)される。ここで、特に、配線・配管材3が排水管である場合には、その高さ調整とともに排水勾配が調整される。そして、この際、規制ナット7は、受け部7aがある側とは反対側からの回動操作により、容易に回動される。すなわち、配線・配管材3の位置調整のための規制ナット7を、受け部7aがある側とは反対側からの回動操作により、容易に回動することができ、これによって、配線・配管材3を配設する際の作業性を高めることができる。
【0043】
また、第2支持体8を設けることで、配線・配管材3は、第2支持体8と支持体6とで挟持されて、ボルト体4にしっかりと固定される。また、規制ナット7と押圧ナット9とを、螺回動工具21により同時に回動操作することで、両ナット7、9の近接位置(相対位置)を維持したまま共に移動させられるため、その後に、ボルト体4に第2支持体8を組み付けて、押圧ナット9を締め込む際に、その締込み時間を短縮することができる。
【0044】
また、ボルト体4の軸方向から見て、支持体6の基部6bと金属ナット702とが重なることで、配線・配管材3からの荷重を、規制ナット7の受け部7aでしっかりと受け止めることができる。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、規制ナット7は、合成樹脂製の規制ナット本体701と金属ナット702とからならなくとも、図6〜図8に示すように、全体が金属等の一つの部材で形成されてもよい。図6に示す規制ナット7は、受け部7aが円盤状に形成され、延出部7bは、ボルト体4が貫通するように筒状に形成される。この延出部7bは、受け部7aよりも径小となって延出する第1延出部7dと、第1延出部7dに続きその第1延出部7dよりも径大な第2延出部7eとからなる。そして、第2延出部7eが、前記操作部7cとなり、その操作部7cは、前記螺回動工具21が係合するように、例えば断面六角形状をしている。
【0046】
図7に示す規制ナット7は、第1延出部7dに続く第2延出部7eが、第1延出部7dよりも径小に形成されている。そこで、この第2延出部7eが、例えば断面六角形状をした操作部7cとなる。そして、これら第1延出部7dと第2延出部7eとの境界の段部が、螺回動工具21の先端が当接する座部7fとなっている。
【0047】
図8に示す規制ナット7は、延出部7bの全体が、断面六角形状をしており、そのうち支持体6の基部6bから突出する部分が、前記操作部7cとなる。
【0048】
また、支持体6は、その支持部6aが、配線・配管材3の外周に合わせるように湾曲して形成されなくとも、図9に示すように、支持部6aと基部6bとの全体が平板状に形成されてもよい。
【0049】
また、第2支持体8は、ボルト体4に組み付けられなくとも、図10に示すように、支持体6に組み付けられてもよい。ここで、第2支持体8は、第2支持部8aから各側に延びる端部8fを有しており、この端部8fが、支持体6に、ビス等の固着具12を用いて固定される。また、この実施の形態では、押圧ナット9は用いられず、支持体6を固定するために、ボルト体4に螺合して、支持体6の基部6bを前記他方側Sとなる上方側から押える、固定ナット13が用いられる。
【0050】
また、上述の図10に示す第2支持体8は、一つの部材で構成されるが、図11に示すように、二つの支持部材801、801からなっていてもよい。ここで、支持部材801、801は、配線・配管材3を両側方から挟むように湾曲して形成される。これら支持部材801、801は、下端の鉤状に折れ曲がったフック部8g、8gが、支持体6に設けられた係合部である係合孔6f、6fに係合し、上端の互いに対向する対向片8h、8hが、ビス等の固着具14で締め付けられる。このとき、支持部材801、801における、前記他方側S(詳しくは、上方側)が、第2支持部8aとなって、この第2支持部8aが、配線・配管材3に前記他方側Sから当接して、支持体6の支持部6aとで配線・配管材3を挟持する。
【0051】
また、図12に示すように、支持体6における通孔6c、6cの各々は、互いに他の通孔6cから離れた側(つまり、支持体6の両端となる側)が、ボルト体4の外径よりも小さい幅6gで開口していてもよい。これにより、この支持体6が傾斜姿勢となった際に(図13参照)、規制ナット7の延出部7b(詳細には、第1延出部7d)、ひいてはボルト体4は、支持体6の通孔6cから抜け出ることがない。つまり、支持体6は、規制ナット7、ひいてはボルト体4から外れることがない。さらに、規制ナット7の延出部7b(第1延出部7d)が、規制ナット7の回動により通孔6cの周縁と擦れ、その擦れた部分でボルト体4が露出するに至った場合であっても、支持体6が傾斜姿勢となった際に、ボルト体4は、通孔6cから抜け出ることがない。つまり、支持体6は、ボルト体4から外れることがない。ところで、この実施の形態では、規制ナット7は、その第1延出部7d(詳しくは、第1延出部7dの反受け部7a側の端部)に、規制ナット7の軸心に直交する方向の二面幅7gを残すようにして、スリットなどの切り込み7h、7hが形成されている(図14参照)。そして、スリットなどの切り込み7hの溝幅7iは、支持体6の厚さよりも若干大きく形成され、二面幅7gは、通孔6cの開口する開口部6hの幅6g以下に形成されている。したがって、規制ナット7は、ボルト体4に取り付けられる前であれば、二面幅7gの部分で、開口部6hを通って通孔6c内に出入り可能となる。
【0052】
また、支持体6における通孔6c、6cの各々は、互いに他の通孔6cから離れた側(つまり、支持体6の両端となる側)が、開口することなく塞がれていてもよい。この場合、通孔6cは、その長手方向(ボルト体4、4の並設方向U)の中間位置において側方(配線・配管材3の配設方向T)に開口したり(図15参照)、その長手方向(ボルト体4、4の並設方向U)の端位置、例えば互いに他の通孔6cに近い側の端位置で側方(配線・配管材3の配設方向T)に開口したりして(図16参照)、通孔6cに開口部6hが設けられてもよい。そして、この場合においても、通孔6cは、開口部6hが、ボルト体4の外径よりも小さい幅6gで開口することで、図12〜図14に示す例と同様の作用効果を奏し、また、規制ナット7の回動による連れ回りで支持体6がボルト体4から外れようとしても、開口部6hの幅6gが狭く、ボルト体4が通孔6cから抜け出ることがない。もっとも、図7に示すように、操作部7cが第1延出部7dの径以下に形成されていたり、図8とか図10とか図11に示すように、延出部7bがそのまま操作部7cとなっていたりする場合には、支持体6における通孔6c、6cは、その全周が塞がれていてもよく、上述した規制ナット7におけるスリットなどの切り込み7hは、設ける必要がない。そして、この場合にも、上述の開口部6h(図12、図15、図16参照)が設けられる場合と同様の作用効果を奏する。
【0053】
また、支持体6の通孔6cに設けられる開口部6h(図12、図15、図16参照)は、その幅6gが、ボルト体4の外径よりも小さいが、1対のボルト体4、4に対する支持体6の姿勢が、基準姿勢と傾斜姿勢とのどの姿勢であっても、開口部6hの位置が、その開口部6hからボルト体4や第1延出部7d(規制ナット7)が抜け出ることがない位置に設けられるのであれば、開口部6hの幅6gを、ボルト体4の外径とか規制ナット7の第1延出部7dの外径以上とする等、幅6gは、特に限定されない。
【0054】
また、ボルト体4は、二本設けられなくとも、図17〜図21に示すように一本のみ設けられてもよい。図17に示す実施の形態では、支持体6と第2支持体8とは、ヒンジ部Xを介して、一体に形成されて、支持体6に対して第2支持体8が、ヒンジ部Xを中心に、回動可能となっている。そして、支持体6の先端部分に設けられた基部6bが、規制ナット7の受け部7aによって、前記一方側R(詳しくは、下方側)から受け止められ、第2支持体8の先端部分に設けられた第2基部8bが、押圧ナット9によって、前記他方側S(詳しくは、上方側)から押圧される。
【0055】
図18に示す実施の形態では、図17に示す実施の形態と同様に、支持体6と第2支持体8とは、ヒンジ部Xを介して、一体に形成されて、支持体6に対して第2支持体8が、ヒンジ部Xを中心に、回動可能となっている。そして、支持体6の先端部分に設けられた基部6bが、規制ナット7の受け部7aによって、前記一方側R(詳しくは、下方側)から受け止められ、ボルト体4に螺合する固定ナット13によって、前記他方側S(詳しくは、上方側)から押圧される。また、第2支持体8の先端部分には、フック部8gが設けられており、このフック部8gが、支持体6に設けられた係合部である係合孔6fに係合する。
【0056】
図19に示す実施の形態では、第2支持体8は設けられず、支持体6の先端部分に設けられた基部6bが、規制ナット7の受け部7aによって、前記一方側R(詳しくは、下方側)から受け止められ、ボルト体4に螺合する固定ナット13によって、前記他方側S(詳しくは、上方側)から押圧される。
【0057】
図20に示す実施の形態では、図19に示す実施の形態に対し、支持部6aが、支持体6の中央部に設けられた基部6bを挟む両側に一体的に設けられるが、他は同様の構造を有している。
【0058】
図21に示す実施の形態は、基礎面1は、基礎床面ではなく、建物の天井面であって、ボルト体4は、その天井面から吊り下がる吊りボルトからなっている。他の構造は、図17に示す実施の形態と同様であるが、図17以外の実施の形態においても、ボルト体4を吊りボルトとしてもよいのは勿論である。
【0059】
また、図示を省略するが、第2支持体8あるいは支持体6に、配線・配管材3の高さ調整とか勾配調整をしたことを表わす印をマジックで書き込むための凹部あるいは凹面等からなる表示部を設けてもよい。こうして、定められた場所に印を付けることで、配線・配管材3を複数箇所で支持する一連の配線・配管材配設具5、5(配線・配管材配設装置11、11)において(つまり、配線・配管経路全体で)、前記印に統一感が生じる。
【0060】
また、工具本体21aは、ボルト体4がその自由端4a側から挿入されるものでなくとも、例えば、工具本体21aをその軸を含む面で半割状に分割した分割体によって形成することで、ボルト体4にその側方から近づいて、ボルト体4に螺合した規制ナット7の操作部7cおよび押圧ナット9を両分割体で挟み込むようにして収容してもよい。
【符号の説明】
【0061】
2 配設部
3 配線・配管材
4 ボルト体
4a 自由端
5 配線・配管材配設具
6 支持体
6a 支持部
6b 基部
6c 通孔
6g 幅
7 規制ナット
7a 受け部
7b 延出部
7c 操作部
701 規制ナット本体
702 金属ナット
8 第2支持体
8a 第2支持部
8b 第2基部
8c 第2通孔
8d 開口部
9 押圧ナット
9a 第2操作部
10 ベース板
11 配線・配管材配設装置
21 螺回動工具
21a 工具本体
21b 口元
21c 第1係合部
21d 第2係合部
P 軸心に沿う方向
R 一方側
S 他方側
T 配設方向
U 並設方向
【技術分野】
【0001】
この発明は、配線・配管材を配設するための、配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、排水管等の配管材を支持固定する支持金具があった(例えば、特許文献1参照)。図22に示すように、この支持金具35は、配管材としての排水管31を上下で挟むように配備されて、1対のネジ杆32、32に架設される、2つの湾曲バンド36、37からなっていた。そして、ネジ杆32には、両湾曲バンド36、37を上下で挟むように、ナット38、39が螺合していた。そこで、ネジ杆32に対し下側の湾曲バンド37を組み付け、上側の湾曲バンド36を外した状態で、下側のナット39(規制ナット)を回すことで、下側の湾曲バンド37に載る排水管31の高さ位置とか、排水勾配が調整され、上側の湾曲バンド36をネジ杆32に組み付けて、上側のナット38を締め込むことで、排水管31は、両湾曲バンド36、37により挟持された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−160048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の支持金具35にあっては、支持金具35の端部を上下で挟むナット38、39のうち、下側のナット39(規制ナット)は、操作しにくく、作業性が悪かった。特に、壁等の障害物の際では、ナット39を回す工具を差し入れできないこともあった。この場合には、下側の湾曲バンド37やその湾曲バンド37に載る排水管31を、一旦移動させたりして、高さ位置を調整する必要があった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、配線・配管材を配設する際の作業性を高めることができる、配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、および、その配線・配管材配設具を用いた配線・配管材の配設方法、並びに、配線・配管材配設装置体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、配設部に配備されたボルト体に取り付けられて、配線・配管材を支持する、配線・配管材配設具である。この配線・配管材配設具は、支持体と、前記ボルト体に螺合してそのボルト体が突き抜ける規制ナットとを備える。ここで、前記支持体は、前記配線・配管材を、前記ボルト体の軸心に沿う方向の一方側から支持する、支持部と、その支持部から延設されて、前記ボルト体が貫通する通孔が設けられた、基部とを有する。前記規制ナットは、前記支持体の前記一方側への移動を規制すべく、前記基部を前記一方側から受け止める、受け部と、その受け部から、前記ボルト体の軸心に沿って前記通孔を貫通するように前記一方側とは反対の他方側に延出する、延出部とを有する。そして、前記通孔を前記ボルト体とともに貫通する前記延出部の先端側には、前記基部よりも前記他方側から回動操作可能な操作部が形成されている。
【0007】
この配線・配管材配設具によると、支持体における支持部が、配線・配管材を、配設部に配備されたボルト体の軸心に沿う方向の一方側から支持する。そして、支持体における基部に設けられた通孔をボルト体が貫通する。また、ボルト体には、規制ナットが螺合し、この規制ナットの受け部が、支持体の基部を前記一方側から受け止める。こうして、支持体は、ボルト体に組み付けられ、この支持体の支持部によって配線・配管材が支持されて、この配線・配管材は、配設部に配設される。ここにおいて、規制ナットは、受け部から通孔を貫通するように延出する延出部を有している。そして、この延出部の先端側に形成された操作部を、基部よりも、前記一方側とは反対の他方側から、すなわち受け部がある側とは反対側から、回動操作すると、支持体は、ボルト体の軸心に沿って移動し、この移動により、配線・配管材は、位置調整される。そして、この際、規制ナットは、受け部がある側とは反対側からの回動操作により、容易に回動される。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、請求項1に記載の配線・配管材配設具において、第2支持体を備え、その第2支持体は、前記配線・配管材に前記他方側から当接して、前記支持体の前記支持部とで前記配線・配管材を挟持する、第2支持部を有する。このように、第2支持体を設けることで、配線・配管材は、第2支持体と支持体とで挟持されて、ボルト体にしっかりと固定される。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、請求項2に記載の配線・配管材配設具において、前記ボルト体に螺合する押圧ナットを備える。そして、前記第2支持体は、前記第2支持部の他に、その第2支持部から延設されて、前記ボルト体が貫通する第2通孔が設けられた、第2基部を有する。そこで、前記押圧ナットが、前記第2基部を前記他方側から押圧することで、前記第2支持部は、前記配線・配管材に前記他方側から当接して、前記支持部とで前記配線・配管材を挟持する。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、請求項3に記載の配線・配管材配設具において、前記第2通孔は、前記ボルト体がその周面側から出入り可能となるよう、前記第2基部の外側に開口する開口部を有する。そこで、前記支持部が前記配線・配管材を支持した状態で、前記第2支持体は、前記ボルト体に対して、前記開口部を通じて、取外し、取付け可能である。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る配線・配管材配設具は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線・配管材配設具において、前記規制ナットは、合成樹脂製の規制ナット本体と、前記受け部において、前記規制ナット本体に対して回動不能に収容されて、前記ボルト体に螺合する、金属ナットとを備える。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る配線・配管材配設装置は、請求項1に記載の配線・配管材配設具と、基礎面に固定されるベース板と、そのベース板から起立して平行位置する1対の前記ボルト体とを備える。ここで、前記支持体は、1対の前記ボルト体に架設されるよう、両側に前記基部が設けられるとともに、中間部に前記支持部が設けられる。そして、前記規制ナットは、1対設けられて、1対の前記ボルト体にそれぞれ螺合し、これら1対の規制ナットにより、前記支持体の前記一方側への移動を規制する。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る配線・配管材配設装置は、請求項6に記載の配線・配管材配設装置において、前記支持体は、1対の前記基部が1対の前記ボルト体の並設方向に並ぶ基準姿勢に対して傾斜可能となるよう、前記通孔が、1対の前記基部を結ぶ方向に延びる長孔状に形成されるとともに、前記延出部は、前記支持体の前記基準姿勢に加えて、その基準姿勢に対して傾斜する、前記支持体の傾斜姿勢で、前記通孔を貫通するように、軸方向に長く形成される。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係る配線・配管材配設装置は、請求項7に記載の配線・配管材配設装置において、前記規制ナットは、合成樹脂製の規制ナット本体と、前記受け部において、前記規制ナット本体に対して回動不能に収容されて、前記ボルト体に螺合する、金属ナットとを備える。そして前記支持体の前記基部は、前記ボルト体の軸方向から見て、前記金属ナットと重なるように、前記通孔の長孔を構成する二面幅が狭く形成される。このように、ボルト体の軸方向から見て、支持体の基部と金属ナットとが重なることで、配線・配管材からの荷重を、規制ナットの受け部でしっかりと受け止めることができる。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係る配線・配管材配設装置は、請求項7または8に記載の配線・配管材配設装置において、前記通孔の各々は、互いに他の通孔から離れた側が、前記ボルト体の外径よりも小さい幅で開口している、または、塞がれている。これにより、支持体が傾斜姿勢となった際に、規制ナットの延出部、ひいてはボルト体は、支持体の通孔から抜け出ることがない。さらに、規制ナットの延出部が、規制ナットの回動により通孔の周縁と擦れ、その擦れた部分でボルト体が露出するに至った場合であっても、支持体が傾斜姿勢となった際に、ボルト体は、通孔から抜け出ることがない。
【0016】
また、請求項10に記載の発明に係る配線・配管材の配設方法は、請求項4に記載の配線・配管材配設具を用いた配線・配管材の配設方法である。この配設方法は、前記ボルト体に螺合する前記規制ナットの前記受け部で、前記支持体の基部を前記一方側から受け止めるように、前記規制ナットに組み付けられた前記支持体の、前記支持部に対し、前記配線・配管材を配置する。そして、前記基部よりも前記他方側において、前記ボルト体の軸方向に近接して並ぶ、前記規制ナットの前記操作部と、前記ボルト体に螺合する前記押圧ナットに備わる第2操作部とを、螺回動工具により同時に回動操作して、前記支持体と前記配線・配管材とを所要の位置に移動する。次いで、前記第2支持体の前記第2基部を、前記規制ナットと前記押圧ナットとの間で前記ボルト体が前記第2基部の前記第2通孔を貫通するように、前記ボルト体に嵌める。その後、前記押圧ナットが前記第2基部を前記他方側から押圧するように、前記押圧ナットを締め込んで、前記第2支持部と前記支持部とで前記配線・配管材を挟持する。この配設方法によると、配線・配管材を位置調整するにあたって、規制ナットと押圧ナットとを、螺回動工具により同時に回動操作することで、その後に、ボルト体に第2支持部を組み付けて、押圧ナットを締め込む際に、その締込み時間を短縮することができる。
【0017】
また、請求項11に記載の発明に係る配線・配管材配設装置体は、請求項4に記載の配線・配管材配設具と、基礎面に固定されるベース板と、そのベース板から起立する前記ボルト体と、前記配線・配管材配設具の前記規制ナットおよび前記押圧ナットを回動操作する螺回動工具とを備える。ここで、前記螺回動工具は、筒状に形成された工具本体を備える。この工具本体は、内部に、前記ボルト体に螺合した前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを収容可能である。そして、前記ボルト体の軸方向に並ぶ、前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを、前記工具本体内に収容した状態で、その工具本体を回動させることで、前記規制ナットと前記押圧ナットとの両方が前記工具本体とともに回動して前記ボルト体に対して螺進退するよう、前記工具本体内に、前記規制ナットの前記操作部と係合する第1係合部と、前記押圧ナットに備わる第2操作部と係合する第2係合部とが設けられている。これにより、配線・配管材を位置調整するにあたって、規制ナットと押圧ナットとを、螺回動工具により同時に回動操作することで、その後に、ボルト体に第2支持部を組み付けて、押圧ナットを締め込む際に、その締込み時間を短縮することができる。
【0018】
また、請求項12に記載の発明に係る配線・配管材配設装置体は、請求項11に記載の配線・配管材配設装置体において、前記第1係合部と第2係合部とは、前記工具本体の軸方向に直交する断面が、同一形状となっており、これら同一形状の第1係合部および第2係合部が、前記操作部および前記第2操作部と係合するように、前記操作部と前記第2操作部とは、その軸方向に直交する断面が同一または近似する形状となっている。
【0019】
また、請求項13に記載の発明に係る配線・配管材配設装置体は、請求項11に記載の配線・配管材配設装置体において、前記ボルト体は、前記他方側が自由端となっており、前記工具本体は、前記ボルト体の前記自由端側から前記ボルト体の軸方向に沿うようにして、そのボルト体を口元から内部に挿入可能であるとともに、前記ボルト体に螺合した前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを収容可能である。そして、前記第1係合部は、前記工具本体内の口元側に設けられ、前記第2係合部は、前記第1係合部よりも奥側に設けられる。そこで、前記工具本体の軸方向の長さは、前記規制ナットが前記支持体の前記基部を受け止めたまま前記一方側の極端に位置する状態で、前記ボルト体の挿入を許容して前記操作部に前記第1係合部が係合可能となる長さである。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係る配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体によれば、配線・配管材の位置調整のための規制ナットを、受け部がある側とは反対側からの回動操作により、容易に回動することができ、これによって、配線・配管材を配設する際の作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施の形態の、縦断面図である。
【図2】同じく、支持体およびベース板を省略した状態の平面図である。
【図3】同じく、図1におけるA−A線による断面図である。
【図4】同じく、配線・配管材の配設過程を示す縦断面図である。
【図5】同じく、支持体を傾斜姿勢にした、縦断面図である。
【図6】この発明の第1の変形形態を示す、縦断面図である。
【図7】この発明の第2の変形形態を示す、縦断面図である。
【図8】この発明の第3の変形形態を示す、縦断面図である。
【図9】この発明の第4の変形形態を示す、縦断面図である。
【図10】この発明の第5の変形形態を示す、縦断面図である。
【図11】この発明の第6の変形形態を示す、縦断面図である。
【図12】この発明の第7の変形形態を示す、図3相当図である。
【図13】同じく、図5相当図である。
【図14】同じく、規制ナットを示し、(A)は、拡大正面図、(B)は、(A)におけるY−Y線による断面図である。
【図15】この発明の第8の変形形態を示す、図3相当図である。
【図16】この発明の第9の変形形態を示す、図3相当図である。
【図17】この発明の第10の変形形態を示す、縦断面図である。
【図18】この発明の第11の変形形態を示す、縦断面図である。
【図19】この発明の第12の変形形態を示す、縦断面図である。
【図20】この発明の第13の変形形態を示す、縦断面図である。
【図21】この発明の第14の変形形態を示す、縦断面図である。
【図22】従来の支持金具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明に係る配線・配管材配設具、配線・配管材配設装置、配線・配管材の配設方法、および配線・配管材配設装置体を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図5は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、建物の基礎床面等からなる基礎面である。2は、その基礎面1上の配設部である。3は、前記配設部2に配設される配線・配管材(配線材または配管材)である。4は、前記配設部2に配備されたボルト体である。5は、配設部2に配線・配管材3を配設すべく、前記ボルト体4に取り付けられて、配線・配管材3を支持する、配線・配管材配設具である。
【0024】
この配線・配管材配設具5は、支持体6と、前記ボルト体4に螺合してそのボルト体4が突き抜ける規制ナット7とを備える。ここで、支持体6は、配線・配管材3を、ボルト体4の軸心に沿う方向Pの一方側Rから支持する、支持部6aと、その支持部6aから延設されて、ボルト体4が貫通する通孔6cが設けられた、基部6bとを有する。そして、規制ナット7は、支持体6の前記一方側Rへの移動を規制すべく、基部6bを前記一方側Rから受け止める、受け部7aと、その受け部7aから、ボルト体4の軸心に沿って支持体6の通孔6cを貫通するように前記一方側Rとは反対の他方側Sに延出する、延出部7bとを有する。そこで、支持体6の通孔6cをボルト体4とともに貫通する延出部7bの先端側には、支持体6の基部6bよりも前記他方側Sから回動操作可能な操作部7cが形成されている。
【0025】
また、この配線・配管材配設具5は、第2支持体8を備えている。この第2支持体8は、配線・配管材3に前記他方側Sから当接して、前記支持体6の支持部6aとで配線・配管材3を挟持する、第2支持部8aを有する。さらに、この第2支持体8は、第2支持部8aの他に、その第2支持部8aから延設されて、ボルト体4が貫通する第2通孔8cが設けられた、第2基部8bを有する。
【0026】
そして、この配線・配管材配設具5は、ボルト体4に螺合する押圧ナット9を備えている。そこで、この押圧ナット9が、第2支持体8の第2基部8bを前記他方側Sから押圧することで、第2支持部8aは、配線・配管材3に前記他方側Sから当接して、支持部6aとで配線・配管材3を挟持する。
【0027】
ところで、第2支持体8の第2基部8bに設けられた第2通孔8cは、ボルト体4がその周面側から出入り可能となるよう、第2基部8bの外側に開口する開口部8dを有する(図2参照)。詳しくは、その開口部8dは、配線・配管材3の配設方向Tの一側に設けられる。そこで、支持体6が配線・配管材3を支持した状態で、第2支持体8は、ボルト体4に対して、前記開口部8dを通じて、取外し、取付け可能となる。
【0028】
そして、第2基部8bをボルト体4から外した状態で、前記支持体6の基部6bよりも前記他方側Sにおいて、ボルト体4の軸方向に近接して並ぶ、規制ナット7の操作部7cと、押圧ナット9に備わる第2操作部9aとを、ソケットレンチ等の螺回動工具21により同時に操作可能となっている(図4参照)。この螺回動工具21は、筒状に形成された工具本体21aを備えており、工具本体21aは、内部に、ボルト体4に螺合した規制ナット7の操作部7cおよび押圧ナット9を収容可能である。そして、ボルト体4の軸方向に並ぶ、規制ナット7の操作部7cおよび押圧ナット9を、工具本体21a内に収容した状態で、その工具本体21aを回動させることで、規制ナット7と押圧ナット9との両方が工具本体21aとともに回動してボルト体4に対して螺進退するよう、工具本体21a内に、規制ナット7の操作部7cと係合する第1係合部21cと、押圧ナット9に備わる第2操作部9aと係合する第2係合部21dとが設けられる。詳しくは、ボルト体4は、前記他方側Sが自由端4aとなっており、工具本体21aは、ボルト体4の自由端4a側からボルト体4の軸方向に沿うようにして、そのボルト体4を口元21bから内部に挿入可能であるとともに、ボルト体4に螺合した規制ナット7の操作部7cおよび押圧ナット9を収容可能である。そして、前記第1係合部21cは、工具本体21a内の口元21b側に設けられ、前記第2係合部21dは、第1係合部21cよりも奥側に設けられる。
【0029】
詳細には、前記基礎面1には、ベース板10が固定され、そのベース板10から、1対の前記ボルト体4、4が平行位置するように起立する。そこで、これらベース板10と、1対のボルト体4、4と、前記配線・配管材配設具5とで、配線・配管材配設装置11が構成される。すなわち、配線・配管材配設装置11は、配線・配管材配設具5と、基礎面1に固定されるベース板10と、そのベース板10から起立して平行位置する1対のボルト体4、4とを備える。ここにおいて、配線・配管材配設具5における支持体6は、1対のボルト体4、4に架設されるよう、両側に前記基部6b、6bが設けられるとともに、中間部に前記支持部6aが設けられる。そして、前記規制ナット7は、1対設けられて、1対のボルト体4、4にそれぞれ螺合し、これら1対の規制ナット7、7により、支持体6の前記一方側Rへの移動を規制する。
【0030】
また、支持体6は、1対の基部6b、6bが1対のボルト体4、4の並設方向Uに並ぶ(つまり、両側の基部6b、6bが水平位置する)基準姿勢に対して傾斜可能となるよう、通孔6cが、1対の基部6b、6bを結ぶ方向に延びる長孔状に形成される。そして、規制ナット7の延出部7b(詳しくは、後述する第1延出部7d)は、支持体6の前記基準姿勢に加えて、その基準姿勢に対して傾斜する、支持体6の傾斜姿勢(図5参照)で、通孔6cを貫通するように、軸方向に長く形成される。そこで、このように、延出部7bを軸方向に長く形成することで、後述する位置調整(例えば、高さ調整とか勾配調整)にあたって、1対の基部6b、6bに対する1対の規制ナット7、7を、片方ずつ回動することができる。なお、支持体6が前記基準姿勢を採るためには、その支持体6の基部6b、6bを受け止める両受け部7a、7a(つまり、両規制ナット7、7)の位置は、同一高さとなる。
【0031】
第2支持体8は、1対のボルト体4、4に架設されるよう、両側に前記第2基部8b、8bが設けられるとともに、中間部に前記第2支持部8a、が設けられる。そして、押圧ナット9は、1対設けられて、1対のボルト体4、4にそれぞれ螺合し、これら1対の押圧ナット9、9が、1対の第2基部8b、8bをそれぞれ前記他方側Sから押圧する。
【0032】
また、配線・配管材配設具5と、ベース板10と、ボルト体4と、螺回動工具21とで、配線・配管材配設装置体が構成される。すなわち、配線・配管材配設装置体は、配線・配管材配設具5と、基礎面1に固定されるベース板10と、そのベース板10から起立するボルト体4と、配線・配管材配設具5の規制ナット7および押圧ナット9を回動操作する螺回動工具21とを備える。
【0033】
具体的には、ベース板10は、図示実施の形態においては、配線・配管材3が延びる方向である前記配設方向Tと交叉する方向(1対のボルト体4、4の並設方向Uでもある)に細長に延びる、平板横長に形成されて、各端部に、ビスとか釘等の固着具が通る取付孔10aがあけられている。そこで、この取付孔10aを通って、固着具が基礎面1にねじ込まれたり打ち込まれたりすることで、ベース板10は、基礎面1に固定される。そして、ベース板10の両端側には、ナット10bが設けられており(詳しくは、溶接とかカシメ等により固定されており)、このナット10bにボルト体4がねじ込まれることで、ボルト体4は、ベース板10から上方に起立することとなる。
【0034】
支持体6は、例えば鋼板製であって、横長に形成され、その横長の両端部の前記基部6b、6bが、一平面を形成するように延びている。そして、支持体6は、中間部の前記支持部6aが、配線・配管材3の外周に合わせるように前記一方側Rとなる下方側に凸となるように湾曲して(詳しくは、弧状に形成されて)、配線・配管材3をその下方側Rから支持する。また、基部6bに設けられる通孔6cは、前述のように、1対の基部6b、6bを結ぶ方向に延びる長孔状に形成されるが、支持体6の両端となる側に、ボルト体4が出入り可能な開口部6dを有している。そして、この支持体6の基部6bは、ボルト体4の軸方向から見て、後述する金属ナット702と重なるように、通孔6cの長孔を構成する二面幅6eが狭く形成されている。
【0035】
規制ナット7は、合成樹脂製の規制ナット本体701と、ボルト体4に螺合する金属ナット702とを備える。この金属ナット702は、規制ナット7の受け部7aにおいて、規制ナット本体701に対して回動不能に収容される。また、規制ナット7における前記延出部7bは、ボルト体4が貫通するように筒状に形成されており、この延出部7bは、受け部7aよりも径小となって延出する第1延出部7dと、第1延出部7dに続きその第1延出部7dよりも径大な第2延出部7eとからなる。そこで、第1延出部7dに、支持体6における基部6b(詳しくは、通孔6c)が係合する。そして、第2延出部7eの先端側が、前記操作部7cとなり、その外周面は、例えば六角形状をしている。そして、第2延出部7eの基端部は、鍔状に突出して、前記螺回動工具21の先端が当接する座部7fとなっている。
【0036】
第2支持体8は、支持体6と同様に、例えば鋼板製であって、横長に形成され、その横長の両端部の前記第2基部8b、8bが、一平面を形成するように延びている。この第2基部8bの、押圧ナット9が当たる座面8eは、その押圧ナット9が嵌まるように若干窪んで形成される。そして、第2支持体8は、中間部の前記第2支持部8aが、配線・配管材3の外周に合わせるように前記他方側Sとなる上方側に凸となるよう湾曲して(詳しくは、弧状に形成されて)、配線・配管材3に上方側から当接する。
【0037】
押圧ナット9は、その全体が前記第2操作部9aとなる一般的なナットであって、その外周面は、例えば六角形状をしている。詳しくは、この押圧ナット9の第2操作部9aは、その六角形状の面幅が、規制ナット7の操作部7cにおける六角形状の面幅と同一寸法となっている。
【0038】
螺回動工具21においては、前記第1係合部21cと第2係合部21dとは、工具本体21aの軸方向に直交する断面が、同一形状となっている。そして、これら同一形状の第1係合部21cおよび第2係合部21dが、前記操作部7cおよび前記第2操作部9aと係合するように、前記操作部7cと前記第2操作部9aとは、その軸方向に直交する断面が同一または近似する形状となっている。図示実施の形態においては、第1係合部21cと第2係合部21dとは、工具本体21aの軸方向に直交する断面が、同一の六角形状をして、軸方向に連続して形成されている。そして、規制ナット7の操作部7cと押圧ナット9の第2操作部9aとは、その軸方向に直交する断面が、六角形状をしており、その面幅は、前記第1および第2係合部21c、21dのそれと略同一寸法となっている。
【0039】
そして、工具本体21aの軸方向の長さは、規制ナット7(詳しくは、受け部7a)が支持体6の基部6bを受け止めたまま前記一方側Rの極端に位置する(つまり、支持体6が基礎面1またはベース板10に当接する、または、規制ナット7がベース板10(詳しくは、ナット10b)に当接する)状態で、ボルト体4の挿入を許容して操作部7cに第1係合部21cが係合可能となる長さとなっている。なお、この工具本体21aの長さが足りない場合には、ボルト体4の自由端4a側が工具本体21aを貫通して露出するように、この工具本体21aにおける口元21bとは反対側を開口してもよい。
【0040】
また、工具本体21aは、この工具本体21aを回動するための回動操作部21eを有している。この回動操作部21eは、工具本体21aにおける口元21bのある先端部とは反対側の端部に設けられている。図示実施の形態においては、回動操作部21eは、工具本体21aの外周の、例えば六角形状に形成された第1回動操作部21fとか、内周の、例えば六角形状に形成された第2回動操作部21gからなる。そこで、この工具本体21aの回動にあたっては、回動操作部21fを、直接手で回したり、回動操作部21f、21gを、手動のハンドルや電気ドライバー等の電動工具等を用いたりして回すことができる。
【0041】
次に、この配線・配管材配設具5を用いた配線・配管材3の配設方法を説明する。始めに、ボルト体4に螺合する規制ナット7の受け部7aで、支持体6の基部6bを前記一方側R(詳しくは、下方側)から受け止めるように、規制ナット7に組み付けられた支持体6の、支持部6aに対し、配線・配管材3を配置する。そして、基部6bよりも前記他方側S(詳しくは、上方側)において、ボルト体4の軸方向に近接して並ぶ、規制ナット7の操作部7cと、ボルト体4に螺合する押圧ナット9の第2操作部9aとを、螺回動工具21により同時に回動操作して、支持体6と配線・配管材3とを所要の位置に移動する(図4参照)。次いで、第2支持体8の第2基部8bを、規制ナット7と押圧ナット9との間でボルト体4が第2基部8bの第2通孔8cを貫通するように、ボルト体4に嵌める。その後、押圧ナット9が第2基部8bを前記他方側Sから押圧するように、押圧ナット9を締め込んで、第2支持部8aと支持部6aとで配線・配管材3を挟持する(図1参照)。
【0042】
次に、以上の構成からなる配線・配管材配設具5(配線・配管材配設装置11、配線・配管材配設装置体)、および配線・配管材3の配設方法の作用効果について説明する。配線・配管材配設具5の支持体6における支持部6aが、配線・配管材3を、配設部2に配備されたボルト体4の軸心に沿う方向Pの一方側R(詳しくは、下方側)から支持する。そして、支持体6における基部6bに設けられた通孔6cをボルト体4が貫通する。また、ボルト体4には、そのボルト体4が突き抜けるようにして規制ナット7が螺合し、この規制ナット7の受け部7aが、支持体6の基部6bを前記一方側Rから受け止める。こうして、支持体6は、ボルト体4に組み付けられ、この支持体6の支持部6aによって配線・配管材3が支持されて、配線・配管材3は、配設部2に配設される。ここにおいて、規制ナット7は、受け部7aから支持体6の通孔6cを貫通するように延出する延出部7bを有している。そして、この延出部7bの先端側に形成された操作部7cを、支持体6の基部6bよりも、前記一方側Rとは反対の他方側S(詳しくは、上方側)から、すなわち受け部7aがある側とは反対側から、回動操作すると、支持体6は、ボルト体4の軸心に沿って移動し、この移動により、配線・配管材3は、位置調整(詳しくは、高さ調整とか勾配調整)される。ここで、特に、配線・配管材3が排水管である場合には、その高さ調整とともに排水勾配が調整される。そして、この際、規制ナット7は、受け部7aがある側とは反対側からの回動操作により、容易に回動される。すなわち、配線・配管材3の位置調整のための規制ナット7を、受け部7aがある側とは反対側からの回動操作により、容易に回動することができ、これによって、配線・配管材3を配設する際の作業性を高めることができる。
【0043】
また、第2支持体8を設けることで、配線・配管材3は、第2支持体8と支持体6とで挟持されて、ボルト体4にしっかりと固定される。また、規制ナット7と押圧ナット9とを、螺回動工具21により同時に回動操作することで、両ナット7、9の近接位置(相対位置)を維持したまま共に移動させられるため、その後に、ボルト体4に第2支持体8を組み付けて、押圧ナット9を締め込む際に、その締込み時間を短縮することができる。
【0044】
また、ボルト体4の軸方向から見て、支持体6の基部6bと金属ナット702とが重なることで、配線・配管材3からの荷重を、規制ナット7の受け部7aでしっかりと受け止めることができる。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、規制ナット7は、合成樹脂製の規制ナット本体701と金属ナット702とからならなくとも、図6〜図8に示すように、全体が金属等の一つの部材で形成されてもよい。図6に示す規制ナット7は、受け部7aが円盤状に形成され、延出部7bは、ボルト体4が貫通するように筒状に形成される。この延出部7bは、受け部7aよりも径小となって延出する第1延出部7dと、第1延出部7dに続きその第1延出部7dよりも径大な第2延出部7eとからなる。そして、第2延出部7eが、前記操作部7cとなり、その操作部7cは、前記螺回動工具21が係合するように、例えば断面六角形状をしている。
【0046】
図7に示す規制ナット7は、第1延出部7dに続く第2延出部7eが、第1延出部7dよりも径小に形成されている。そこで、この第2延出部7eが、例えば断面六角形状をした操作部7cとなる。そして、これら第1延出部7dと第2延出部7eとの境界の段部が、螺回動工具21の先端が当接する座部7fとなっている。
【0047】
図8に示す規制ナット7は、延出部7bの全体が、断面六角形状をしており、そのうち支持体6の基部6bから突出する部分が、前記操作部7cとなる。
【0048】
また、支持体6は、その支持部6aが、配線・配管材3の外周に合わせるように湾曲して形成されなくとも、図9に示すように、支持部6aと基部6bとの全体が平板状に形成されてもよい。
【0049】
また、第2支持体8は、ボルト体4に組み付けられなくとも、図10に示すように、支持体6に組み付けられてもよい。ここで、第2支持体8は、第2支持部8aから各側に延びる端部8fを有しており、この端部8fが、支持体6に、ビス等の固着具12を用いて固定される。また、この実施の形態では、押圧ナット9は用いられず、支持体6を固定するために、ボルト体4に螺合して、支持体6の基部6bを前記他方側Sとなる上方側から押える、固定ナット13が用いられる。
【0050】
また、上述の図10に示す第2支持体8は、一つの部材で構成されるが、図11に示すように、二つの支持部材801、801からなっていてもよい。ここで、支持部材801、801は、配線・配管材3を両側方から挟むように湾曲して形成される。これら支持部材801、801は、下端の鉤状に折れ曲がったフック部8g、8gが、支持体6に設けられた係合部である係合孔6f、6fに係合し、上端の互いに対向する対向片8h、8hが、ビス等の固着具14で締め付けられる。このとき、支持部材801、801における、前記他方側S(詳しくは、上方側)が、第2支持部8aとなって、この第2支持部8aが、配線・配管材3に前記他方側Sから当接して、支持体6の支持部6aとで配線・配管材3を挟持する。
【0051】
また、図12に示すように、支持体6における通孔6c、6cの各々は、互いに他の通孔6cから離れた側(つまり、支持体6の両端となる側)が、ボルト体4の外径よりも小さい幅6gで開口していてもよい。これにより、この支持体6が傾斜姿勢となった際に(図13参照)、規制ナット7の延出部7b(詳細には、第1延出部7d)、ひいてはボルト体4は、支持体6の通孔6cから抜け出ることがない。つまり、支持体6は、規制ナット7、ひいてはボルト体4から外れることがない。さらに、規制ナット7の延出部7b(第1延出部7d)が、規制ナット7の回動により通孔6cの周縁と擦れ、その擦れた部分でボルト体4が露出するに至った場合であっても、支持体6が傾斜姿勢となった際に、ボルト体4は、通孔6cから抜け出ることがない。つまり、支持体6は、ボルト体4から外れることがない。ところで、この実施の形態では、規制ナット7は、その第1延出部7d(詳しくは、第1延出部7dの反受け部7a側の端部)に、規制ナット7の軸心に直交する方向の二面幅7gを残すようにして、スリットなどの切り込み7h、7hが形成されている(図14参照)。そして、スリットなどの切り込み7hの溝幅7iは、支持体6の厚さよりも若干大きく形成され、二面幅7gは、通孔6cの開口する開口部6hの幅6g以下に形成されている。したがって、規制ナット7は、ボルト体4に取り付けられる前であれば、二面幅7gの部分で、開口部6hを通って通孔6c内に出入り可能となる。
【0052】
また、支持体6における通孔6c、6cの各々は、互いに他の通孔6cから離れた側(つまり、支持体6の両端となる側)が、開口することなく塞がれていてもよい。この場合、通孔6cは、その長手方向(ボルト体4、4の並設方向U)の中間位置において側方(配線・配管材3の配設方向T)に開口したり(図15参照)、その長手方向(ボルト体4、4の並設方向U)の端位置、例えば互いに他の通孔6cに近い側の端位置で側方(配線・配管材3の配設方向T)に開口したりして(図16参照)、通孔6cに開口部6hが設けられてもよい。そして、この場合においても、通孔6cは、開口部6hが、ボルト体4の外径よりも小さい幅6gで開口することで、図12〜図14に示す例と同様の作用効果を奏し、また、規制ナット7の回動による連れ回りで支持体6がボルト体4から外れようとしても、開口部6hの幅6gが狭く、ボルト体4が通孔6cから抜け出ることがない。もっとも、図7に示すように、操作部7cが第1延出部7dの径以下に形成されていたり、図8とか図10とか図11に示すように、延出部7bがそのまま操作部7cとなっていたりする場合には、支持体6における通孔6c、6cは、その全周が塞がれていてもよく、上述した規制ナット7におけるスリットなどの切り込み7hは、設ける必要がない。そして、この場合にも、上述の開口部6h(図12、図15、図16参照)が設けられる場合と同様の作用効果を奏する。
【0053】
また、支持体6の通孔6cに設けられる開口部6h(図12、図15、図16参照)は、その幅6gが、ボルト体4の外径よりも小さいが、1対のボルト体4、4に対する支持体6の姿勢が、基準姿勢と傾斜姿勢とのどの姿勢であっても、開口部6hの位置が、その開口部6hからボルト体4や第1延出部7d(規制ナット7)が抜け出ることがない位置に設けられるのであれば、開口部6hの幅6gを、ボルト体4の外径とか規制ナット7の第1延出部7dの外径以上とする等、幅6gは、特に限定されない。
【0054】
また、ボルト体4は、二本設けられなくとも、図17〜図21に示すように一本のみ設けられてもよい。図17に示す実施の形態では、支持体6と第2支持体8とは、ヒンジ部Xを介して、一体に形成されて、支持体6に対して第2支持体8が、ヒンジ部Xを中心に、回動可能となっている。そして、支持体6の先端部分に設けられた基部6bが、規制ナット7の受け部7aによって、前記一方側R(詳しくは、下方側)から受け止められ、第2支持体8の先端部分に設けられた第2基部8bが、押圧ナット9によって、前記他方側S(詳しくは、上方側)から押圧される。
【0055】
図18に示す実施の形態では、図17に示す実施の形態と同様に、支持体6と第2支持体8とは、ヒンジ部Xを介して、一体に形成されて、支持体6に対して第2支持体8が、ヒンジ部Xを中心に、回動可能となっている。そして、支持体6の先端部分に設けられた基部6bが、規制ナット7の受け部7aによって、前記一方側R(詳しくは、下方側)から受け止められ、ボルト体4に螺合する固定ナット13によって、前記他方側S(詳しくは、上方側)から押圧される。また、第2支持体8の先端部分には、フック部8gが設けられており、このフック部8gが、支持体6に設けられた係合部である係合孔6fに係合する。
【0056】
図19に示す実施の形態では、第2支持体8は設けられず、支持体6の先端部分に設けられた基部6bが、規制ナット7の受け部7aによって、前記一方側R(詳しくは、下方側)から受け止められ、ボルト体4に螺合する固定ナット13によって、前記他方側S(詳しくは、上方側)から押圧される。
【0057】
図20に示す実施の形態では、図19に示す実施の形態に対し、支持部6aが、支持体6の中央部に設けられた基部6bを挟む両側に一体的に設けられるが、他は同様の構造を有している。
【0058】
図21に示す実施の形態は、基礎面1は、基礎床面ではなく、建物の天井面であって、ボルト体4は、その天井面から吊り下がる吊りボルトからなっている。他の構造は、図17に示す実施の形態と同様であるが、図17以外の実施の形態においても、ボルト体4を吊りボルトとしてもよいのは勿論である。
【0059】
また、図示を省略するが、第2支持体8あるいは支持体6に、配線・配管材3の高さ調整とか勾配調整をしたことを表わす印をマジックで書き込むための凹部あるいは凹面等からなる表示部を設けてもよい。こうして、定められた場所に印を付けることで、配線・配管材3を複数箇所で支持する一連の配線・配管材配設具5、5(配線・配管材配設装置11、11)において(つまり、配線・配管経路全体で)、前記印に統一感が生じる。
【0060】
また、工具本体21aは、ボルト体4がその自由端4a側から挿入されるものでなくとも、例えば、工具本体21aをその軸を含む面で半割状に分割した分割体によって形成することで、ボルト体4にその側方から近づいて、ボルト体4に螺合した規制ナット7の操作部7cおよび押圧ナット9を両分割体で挟み込むようにして収容してもよい。
【符号の説明】
【0061】
2 配設部
3 配線・配管材
4 ボルト体
4a 自由端
5 配線・配管材配設具
6 支持体
6a 支持部
6b 基部
6c 通孔
6g 幅
7 規制ナット
7a 受け部
7b 延出部
7c 操作部
701 規制ナット本体
702 金属ナット
8 第2支持体
8a 第2支持部
8b 第2基部
8c 第2通孔
8d 開口部
9 押圧ナット
9a 第2操作部
10 ベース板
11 配線・配管材配設装置
21 螺回動工具
21a 工具本体
21b 口元
21c 第1係合部
21d 第2係合部
P 軸心に沿う方向
R 一方側
S 他方側
T 配設方向
U 並設方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配設部に配備されたボルト体に取り付けられて、配線・配管材を支持する、配線・配管材配設具であって、
支持体と、前記ボルト体に螺合してそのボルト体が突き抜ける規制ナットとを備え、
前記支持体は、前記配線・配管材を、前記ボルト体の軸心に沿う方向の一方側から支持する、支持部と、その支持部から延設されて、前記ボルト体が貫通する通孔が設けられた、基部とを有し、
前記規制ナットは、前記支持体の前記一方側への移動を規制すべく、前記基部を前記一方側から受け止める、受け部と、その受け部から、前記ボルト体の軸心に沿って前記通孔を貫通するように前記一方側とは反対の他方側に延出する、延出部とを有し、
前記通孔を前記ボルト体とともに貫通する前記延出部の先端側には、前記基部よりも前記他方側から回動操作可能な操作部が形成されていることを特徴とする、配線・配管材配設具。
【請求項2】
第2支持体を備え、
その第2支持体は、前記配線・配管材に前記他方側から当接して、前記支持体の前記支持部とで前記配線・配管材を挟持する、第2支持部を有することを特徴とする、請求項1に記載の配線・配管材配設具。
【請求項3】
前記ボルト体に螺合する押圧ナットを備え、
前記第2支持体は、前記第2支持部の他に、その第2支持部から延設されて、前記ボルト体が貫通する第2通孔が設けられた、第2基部を有し、
前記押圧ナットが、前記第2基部を前記他方側から押圧することで、前記第2支持部は、前記配線・配管材に前記他方側から当接して、前記支持部とで前記配線・配管材を挟持することを特徴とする、請求項2に記載の配線・配管材配設具。
【請求項4】
前記第2通孔は、前記ボルト体がその周面側から出入り可能となるよう、前記第2基部の外側に開口する開口部を有し、前記支持部が前記配線・配管材を支持した状態で、前記第2支持体は、前記ボルト体に対して、前記開口部を通じて、取外し、取付け可能であることを特徴とする、請求項3に記載の配線・配管材配設具。
【請求項5】
前記規制ナットは、合成樹脂製の規制ナット本体と、前記受け部において、前記規制ナット本体に対して回動不能に収容されて、前記ボルト体に螺合する、金属ナットとを備えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線・配管材配設具。
【請求項6】
請求項1に記載の配線・配管材配設具と、基礎面に固定されるベース板と、そのベース板から起立して平行位置する1対の前記ボルト体とを備える、配線・配管材配設装置であって、
前記支持体は、1対の前記ボルト体に架設されるよう、両側に前記基部が設けられるとともに、中間部に前記支持部が設けられ、
前記規制ナットは、1対設けられて、1対の前記ボルト体にそれぞれ螺合し、これら1対の規制ナットにより、前記支持体の前記一方側への移動を規制する、配線・配管材配設装置。
【請求項7】
前記支持体は、1対の前記基部が1対の前記ボルト体の並設方向に並ぶ基準姿勢に対して傾斜可能となるよう、前記通孔が、1対の前記基部を結ぶ方向に延びる長孔状に形成されるとともに、前記延出部は、前記支持体の前記基準姿勢に加えて、その基準姿勢に対して傾斜する、前記支持体の傾斜姿勢で、前記通孔を貫通するように、軸方向に長く形成されることを特徴とする、請求項6に記載の配線・配管材配設装置。
【請求項8】
前記規制ナットは、合成樹脂製の規制ナット本体と、前記受け部において、前記規制ナット本体に対して回動不能に収容されて、前記ボルト体に螺合する、金属ナットとを備え、
前記支持体の前記基部は、前記ボルト体の軸方向から見て、前記金属ナットと重なるように、前記通孔の長孔を構成する二面幅が狭く形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の配線・配管材配設装置。
【請求項9】
前記通孔の各々は、互いに他の通孔から離れた側が、前記ボルト体の外径よりも小さい幅で開口している、または、塞がれていることを特徴とする、請求項7または8に記載の配線・配管材配設装置。
【請求項10】
請求項4に記載の配線・配管材配設具を用いた配線・配管材の配設方法であって、
前記ボルト体に螺合する前記規制ナットの前記受け部で、前記支持体の基部を前記一方側から受け止めるように、前記規制ナットに組み付けられた前記支持体の、前記支持部に対し、前記配線・配管材を配置し、
前記基部よりも前記他方側において、前記ボルト体の軸方向に近接して並ぶ、前記規制ナットの前記操作部と、前記ボルト体に螺合する前記押圧ナットに備わる第2操作部とを、螺回動工具により同時に回動操作して、前記支持体と前記配線・配管材とを所要の位置に移動し、
前記第2支持体の前記第2基部を、前記規制ナットと前記押圧ナットとの間で前記ボルト体が前記第2基部の前記第2通孔を貫通するように、前記ボルト体に嵌め、その後、
前記押圧ナットが前記第2基部を前記他方側から押圧するように、前記押圧ナットを締め込んで、前記第2支持部と前記支持部とで前記配線・配管材を挟持することを特徴とする、配線・配管材の配設方法。
【請求項11】
請求項4に記載の配線・配管材配設具と、基礎面に固定されるベース板と、そのベース板から起立する前記ボルト体と、前記配線・配管材配設具の前記規制ナットおよび前記押圧ナットを回動操作する螺回動工具とを備える、配線・配管材配設装置体であって、
前記螺回動工具は、筒状に形成された工具本体を備え、
前記工具本体は、内部に、前記ボルト体に螺合した前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを収容可能であって、
前記ボルト体の軸方向に並ぶ、前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを、前記工具本体内に収容した状態で、その工具本体を回動させることで、前記規制ナットと前記押圧ナットとの両方が前記工具本体とともに回動して前記ボルト体に対して螺進退するよう、前記工具本体内に、前記規制ナットの前記操作部と係合する第1係合部と、前記押圧ナットに備わる第2操作部と係合する第2係合部とが設けられることを特徴とする、配線・配管材配設装置体。
【請求項12】
前記第1係合部と第2係合部とは、前記工具本体の軸方向に直交する断面が、同一形状となっており、これら同一形状の第1係合部および第2係合部が、前記操作部および前記第2操作部と係合するように、前記操作部と前記第2操作部とは、その軸方向に直交する断面が同一または近似する形状となっていることを特徴とする、請求項11に記載の配線・配管材配設装置体。
【請求項13】
前記ボルト体は、前記他方側が自由端となっており、
前記工具本体は、前記ボルト体の前記自由端側から前記ボルト体の軸方向に沿うようにして、そのボルト体を口元から内部に挿入可能であるとともに、前記ボルト体に螺合した前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを収容可能であって、
前記第1係合部は、前記工具本体内の口元側に設けられ、前記第2係合部は、前記第1係合部よりも奥側に設けられ、
前記工具本体の軸方向の長さは、前記規制ナットが前記支持体の前記基部を受け止めたまま前記一方側の極端に位置する状態で、前記ボルト体の挿入を許容して前記操作部に前記第1係合部が係合可能となる長さであることを特徴とする、請求項11に記載の配線・配管材配設装置体。
【請求項1】
配設部に配備されたボルト体に取り付けられて、配線・配管材を支持する、配線・配管材配設具であって、
支持体と、前記ボルト体に螺合してそのボルト体が突き抜ける規制ナットとを備え、
前記支持体は、前記配線・配管材を、前記ボルト体の軸心に沿う方向の一方側から支持する、支持部と、その支持部から延設されて、前記ボルト体が貫通する通孔が設けられた、基部とを有し、
前記規制ナットは、前記支持体の前記一方側への移動を規制すべく、前記基部を前記一方側から受け止める、受け部と、その受け部から、前記ボルト体の軸心に沿って前記通孔を貫通するように前記一方側とは反対の他方側に延出する、延出部とを有し、
前記通孔を前記ボルト体とともに貫通する前記延出部の先端側には、前記基部よりも前記他方側から回動操作可能な操作部が形成されていることを特徴とする、配線・配管材配設具。
【請求項2】
第2支持体を備え、
その第2支持体は、前記配線・配管材に前記他方側から当接して、前記支持体の前記支持部とで前記配線・配管材を挟持する、第2支持部を有することを特徴とする、請求項1に記載の配線・配管材配設具。
【請求項3】
前記ボルト体に螺合する押圧ナットを備え、
前記第2支持体は、前記第2支持部の他に、その第2支持部から延設されて、前記ボルト体が貫通する第2通孔が設けられた、第2基部を有し、
前記押圧ナットが、前記第2基部を前記他方側から押圧することで、前記第2支持部は、前記配線・配管材に前記他方側から当接して、前記支持部とで前記配線・配管材を挟持することを特徴とする、請求項2に記載の配線・配管材配設具。
【請求項4】
前記第2通孔は、前記ボルト体がその周面側から出入り可能となるよう、前記第2基部の外側に開口する開口部を有し、前記支持部が前記配線・配管材を支持した状態で、前記第2支持体は、前記ボルト体に対して、前記開口部を通じて、取外し、取付け可能であることを特徴とする、請求項3に記載の配線・配管材配設具。
【請求項5】
前記規制ナットは、合成樹脂製の規制ナット本体と、前記受け部において、前記規制ナット本体に対して回動不能に収容されて、前記ボルト体に螺合する、金属ナットとを備えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線・配管材配設具。
【請求項6】
請求項1に記載の配線・配管材配設具と、基礎面に固定されるベース板と、そのベース板から起立して平行位置する1対の前記ボルト体とを備える、配線・配管材配設装置であって、
前記支持体は、1対の前記ボルト体に架設されるよう、両側に前記基部が設けられるとともに、中間部に前記支持部が設けられ、
前記規制ナットは、1対設けられて、1対の前記ボルト体にそれぞれ螺合し、これら1対の規制ナットにより、前記支持体の前記一方側への移動を規制する、配線・配管材配設装置。
【請求項7】
前記支持体は、1対の前記基部が1対の前記ボルト体の並設方向に並ぶ基準姿勢に対して傾斜可能となるよう、前記通孔が、1対の前記基部を結ぶ方向に延びる長孔状に形成されるとともに、前記延出部は、前記支持体の前記基準姿勢に加えて、その基準姿勢に対して傾斜する、前記支持体の傾斜姿勢で、前記通孔を貫通するように、軸方向に長く形成されることを特徴とする、請求項6に記載の配線・配管材配設装置。
【請求項8】
前記規制ナットは、合成樹脂製の規制ナット本体と、前記受け部において、前記規制ナット本体に対して回動不能に収容されて、前記ボルト体に螺合する、金属ナットとを備え、
前記支持体の前記基部は、前記ボルト体の軸方向から見て、前記金属ナットと重なるように、前記通孔の長孔を構成する二面幅が狭く形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の配線・配管材配設装置。
【請求項9】
前記通孔の各々は、互いに他の通孔から離れた側が、前記ボルト体の外径よりも小さい幅で開口している、または、塞がれていることを特徴とする、請求項7または8に記載の配線・配管材配設装置。
【請求項10】
請求項4に記載の配線・配管材配設具を用いた配線・配管材の配設方法であって、
前記ボルト体に螺合する前記規制ナットの前記受け部で、前記支持体の基部を前記一方側から受け止めるように、前記規制ナットに組み付けられた前記支持体の、前記支持部に対し、前記配線・配管材を配置し、
前記基部よりも前記他方側において、前記ボルト体の軸方向に近接して並ぶ、前記規制ナットの前記操作部と、前記ボルト体に螺合する前記押圧ナットに備わる第2操作部とを、螺回動工具により同時に回動操作して、前記支持体と前記配線・配管材とを所要の位置に移動し、
前記第2支持体の前記第2基部を、前記規制ナットと前記押圧ナットとの間で前記ボルト体が前記第2基部の前記第2通孔を貫通するように、前記ボルト体に嵌め、その後、
前記押圧ナットが前記第2基部を前記他方側から押圧するように、前記押圧ナットを締め込んで、前記第2支持部と前記支持部とで前記配線・配管材を挟持することを特徴とする、配線・配管材の配設方法。
【請求項11】
請求項4に記載の配線・配管材配設具と、基礎面に固定されるベース板と、そのベース板から起立する前記ボルト体と、前記配線・配管材配設具の前記規制ナットおよび前記押圧ナットを回動操作する螺回動工具とを備える、配線・配管材配設装置体であって、
前記螺回動工具は、筒状に形成された工具本体を備え、
前記工具本体は、内部に、前記ボルト体に螺合した前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを収容可能であって、
前記ボルト体の軸方向に並ぶ、前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを、前記工具本体内に収容した状態で、その工具本体を回動させることで、前記規制ナットと前記押圧ナットとの両方が前記工具本体とともに回動して前記ボルト体に対して螺進退するよう、前記工具本体内に、前記規制ナットの前記操作部と係合する第1係合部と、前記押圧ナットに備わる第2操作部と係合する第2係合部とが設けられることを特徴とする、配線・配管材配設装置体。
【請求項12】
前記第1係合部と第2係合部とは、前記工具本体の軸方向に直交する断面が、同一形状となっており、これら同一形状の第1係合部および第2係合部が、前記操作部および前記第2操作部と係合するように、前記操作部と前記第2操作部とは、その軸方向に直交する断面が同一または近似する形状となっていることを特徴とする、請求項11に記載の配線・配管材配設装置体。
【請求項13】
前記ボルト体は、前記他方側が自由端となっており、
前記工具本体は、前記ボルト体の前記自由端側から前記ボルト体の軸方向に沿うようにして、そのボルト体を口元から内部に挿入可能であるとともに、前記ボルト体に螺合した前記規制ナットの操作部および前記押圧ナットを収容可能であって、
前記第1係合部は、前記工具本体内の口元側に設けられ、前記第2係合部は、前記第1係合部よりも奥側に設けられ、
前記工具本体の軸方向の長さは、前記規制ナットが前記支持体の前記基部を受け止めたまま前記一方側の極端に位置する状態で、前記ボルト体の挿入を許容して前記操作部に前記第1係合部が係合可能となる長さであることを特徴とする、請求項11に記載の配線・配管材配設装置体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−241977(P2011−241977A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22271(P2011−22271)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
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