説明

配線回路基板およびその製造方法

【課題】配線パターンの不良を生じることなく、配線パターンのファインピッチ化が可能な配線回路基板およびその製造方法を提供することである。
【解決手段】複数の配線パターン12a〜12fは互いに平行に延びるように形成される。複数のテスト端子Ta〜Tfは、複数の配線パターン12a〜12fの端部から一方の側方に幅広となるように略矩形状に形成される。各グループの複数のテスト端子Ta〜Tfは、配線パターン12a〜12fの長さ方向に沿って並ぶように配列される。配線パターン12a〜12fは、この順に長く形成され、テスト端子Ta〜Tfは、この順に実装領域から離れている。各グループ内のテスト端子Ta〜Tfと他の隣接するグループ内の配線パターン12aとの間の間隔(めっきレジスト32の幅)W1〜W6は、この順に減少するように設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配線回路基板の製造方法として、TAB(Tape Automated Bonding)技術が一般的に知られている。
【0003】
上記TAB技術では、テープキャリア(長尺状のテープ基板)上に導電性の所定の配線パターンが形成される。そして、テープキャリアに形成された配線パターンに半導体チップ等の電子部品の電極がボンディングされる。これにより、テープキャリア上に電子部品が実装される。
【0004】
このような配線回路基板には、電子部品が実装された後に配線パターンの接続信頼性を確認するためのテスト端子が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−358417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、配線の高密度化に伴い、配線パターンおよびテスト端子の数が増加し、配線パターン間の間隔が小さくなっている。
【0006】
ここで、一般的に、ファインピッチ化された配線パターンを製造するためには、セミアディティブ法が用いられる。このセミアディティブ法においては、ベース絶縁層上にめっきレジストのパターン(レジストパターン)が形成され、当該レジストパターンが形成されていない領域に電解めっきにより配線パターンが形成される。
【0007】
しかしながら、上記のように、テスト端子に接続される配線パターン間の間隔を小さくするためには、レジストパターンの幅をより小さくする必要が生じる。それにより、通常直線状に形成される細長いレジストパターンが側方に倒れるといった不具合が生じる場合がある。そのような場合、配線パターン間の短絡等の配線パターンの不良が生じる。
【0008】
本発明の目的は、配線パターンの不良を生じることなく、配線パターンのファインピッチ化が可能な配線回路基板およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)第1の発明に係る配線回路基板は、電子部品が実装されるべき実装領域および電子部品が実装されない非実装領域を有する配線回路基板であって、実装領域および非実装領域を有する絶縁層と、絶縁層上の実装領域内から非実装領域内へ形成される複数の配線パターンとを備え、非実装領域における複数の配線パターンの端部が一方の側方に幅広となることにより複数のテスト用端子部がそれぞれ形成され、複数のテスト用端子部側の複数の配線パターンの部分は互いに平行に配列され、複数の配線パターンは、各々が2以上の所定数の配線パターンを含む複数のグループに区分され、各グループ内の所定数のテスト用端子部は、配線パターンの長さ方向に沿って配列され、各グループ内で実装領域から最も離れたテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔は、各グループ内で実装領域に最も近いテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔よりも大きいものである。
【0010】
その配線回路基板においては、各グループ内で実装領域から最も離れたテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔が各グループ内で実装領域に最も近いテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔よりも大きい。それにより、製造時に、平行に配列される複数の配線パターン間の間隔を小さく維持しつつ、最も長い配線パターンの端部のテスト用端子部の形成領域と隣接する配線パターンの形成領域との間に形成されるレジストパターンの幅を十分に大きくすることができる。したがって、レジストパターンの倒壊による配線パターンの不良を防止することができる。その結果、配線パターンの不良を生じることなく、配線パターンのファインピッチ化が可能となる。
【0011】
(2)各グループ内の所定数のテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔は、実装領域から離れるほど大きくなってもよい。
【0012】
この場合、テスト用端子部が形成される配線パターンが長いほど、テスト用端子部の形成領域と隣接する配線パターンの形成領域との間に形成されるレジストパターンの幅を大きくすることができる。すなわち、倒壊が起こりやすいレジストパターンの部分ほど幅を大きくすることができる。したがって、レジストパターンの倒壊による配線パターンの不良を十分に防止することができる。
【0013】
(3)第2の発明に係る配線回路基板の製造方法は、電子部品が実装されるべき実装領域および電子部品が実装されない非実装領域を有する配線回路基板の製造方法であって、実装領域および非実装領域を有する絶縁層上に、実装領域内から非実装領域内へ延びる複数の配線パターンが形成されるべき領域を除いてレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンが形成された領域を除いて絶縁層上に導体層を形成する工程と、レジストパターンを除去することにより絶縁層上に複数の配線パターンを形成する工程とを備え、非実装領域における複数の配線パターンの端部が一方の側方に幅広となることにより複数のテスト用端子部がそれぞれ形成され、複数のテスト用端子部側の複数の配線パターンの部分は互いに平行に配列され、複数の配線パターンは、各々が2以上の所定数の配線パターンを含む複数のグループに区分され、各グループ内の所定数のテスト用端子部は、配線パターンの長さ方向に沿って配列され、レジストパターンを形成する工程において、各グループ内で実装領域から最も離れたテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔が各グループ内で実装領域に最も近いテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔よりも大きくなるようにレジストパターンを形成するものである。
【0014】
その配線回路基板の製造方法においては、各グループ内で実装領域から最も離れたテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔が各グループ内で実装領域に最も近いテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔よりも大きくなるようにレジストパターンが形成される。それにより、平行に配列される複数の配線パターン間の間隔を小さく維持しつつ、最も長い配線パターンの端部のテスト用端子部の形成領域と隣接する配線パターンの形成領域との間に形成されるレジストパターンの幅を十分に大きくすることができる。したがって、レジストパターンの倒壊による配線パターンの不良を防止することができる。その結果、配線パターンの不良を生じることなく、配線パターンのファインピッチ化が可能となる。
【0015】
(4)レジストパターンを形成する工程において、各グループ内の所定数のテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔が実装領域から離れるほど大きくなるようにレジストパターンを形成してもよい。
【0016】
この場合、テスト用端子部が形成される配線パターンが長いほど、テスト用端子部の形成領域と隣接する配線パターンの形成領域との間に形成されるレジストパターンの幅を大きくすることができる。すなわち、倒壊が起こりやすいレジストパターンの部分ほど幅を大きくすることができる。したがって、レジストパターンの倒壊による配線パターンの不良を十分に防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配線パターンの不良を生じることなく、配線パターンのファインピッチ化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態に係る配線回路基板およびその製造方法について図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る配線回路基板は、TAB(Tape Automated Bonding)用テープキャリアとして用いられる。
【0019】
(1)配線回路基板の基本構成
図1は本発明の一実施の形態に係る配線回路基板の平面図である。
【0020】
図1に示すように、長尺状の配線回路基板1は、半導体チップ等の電子部品を実装するための複数の実装部11を備える。複数の実装部11は、配線回路基板1の長さ方向に所定間隔を隔てて設けられる。
【0021】
配線回路基板1の両側部には、正方形状の複数のスプロケットホール1Sが配線回路基板1の長さ方向に並ぶように所定間隔で形成される。
【0022】
また、各実装部11には、電子部品の電極をボンディングするための例えば銅からなる配線パターン12が形成されている。
【0023】
(2)実装部の構成
以下、図1の実装部11についてさらに詳細に説明する。図2は図1の配線回路基板1の実装部11の拡大平面図である。
【0024】
図2に示すように、ベース絶縁層BILの中央部に矩形の実装領域21が設けられる。この実装領域21に半導体チップ等の電子部品(図示せず)が実装される。実装領域21を除く領域を非実装領域と呼ぶ。
【0025】
ベース絶縁層BILの実装領域21内から非実装領域の一方の側部に延びるように複数の配線パターン12が形成される。また、ベース絶縁層BILの実装領域21内から非実装領域の他方の側部に延びるように複数の配線パターン12が形成される。非実装領域における複数の配線パターン12の端部にテスト端子Tがそれぞれ設けられる。テスト端子Tは、実装領域21に電子部品を実装した後に電子部品と配線パターン12との接続信頼性の確認を行うために用いられる。
【0026】
なお、図2では、一部の配線パターン12およびテスト端子Tのみが図示され、残りの配線パターン12およびテスト端子Tの図示が省略される。実際には、図2に示される複数の配線パターン12間にさらに複数の配線パターン12が形成される。
【0027】
後述するように、複数の配線パターン12および複数のテスト端子Tは、各々が所定数の配線パターン12および所定数のテスト端子Tを含む複数のグループに区分される。
【0028】
実装領域21内の配線パターン12の部分をインナーリード部22と呼ぶ。また、非実装領域における配線パターン12の端部近傍の部分およびテスト端子Tおよびをアウターリード部23と呼ぶ。
【0029】
両側のアウターリード部23を含む領域および実装領域21を除いて配線パターン12を覆うようにベース絶縁層BIL上にカバー絶縁層CILが形成される。これにより、配線パターン12のインナーリード部22およびアウターリード部23は露出している。
【0030】
(3)配線回路基板の製造方法
図3〜図5はセミアディティブ法を用いた配線回路基板1の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0031】
まず、図3(a)に示すように、長尺状基板30を用意する。長尺状基板30としては、例えばステンレス板、銅板またはニッケル板等の金属を用いることができる。
【0032】
次に、図3(b)に示すように、長尺状基板30上にベース絶縁層BILを形成する。ベース絶縁層BILは、例えばポリイミドからなる。ベース絶縁層BILの厚さは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、本実施の形態では、25μmである。
【0033】
次に、図3(c)に示すように、ベース絶縁層BIL上にスパッタリングにより金属薄膜31を形成する。金属薄膜31としては、導電性を有するものであれば特に限定されないが、銅を用いることが好ましい。
【0034】
金属薄膜31の厚さは、0.05μm以上1μm以下であることが好ましく、本実施の形態では、0.1μmである。
【0035】
次に、図4(d)に示すように、金属薄膜31上に所定のパターンの溝部Rを有するめっきレジスト32を形成する。めっきレジスト32は、例えばドライフィルムレジスト等により金属薄膜31上にレジスト膜を形成し、そのレジスト膜を所定のパターンで露光した後、現像することにより形成される。めっきレジスト32は、上記の配線パターン12およびテスト端子Tの形成領域を除く領域に形成される。
【0036】
次に、図4(e)に示すように、金属薄膜31上の溝部Rに、電解めっきにより導体層33を形成する。導体層33としては、例えば銅を用いることができる。導体層33の厚さは、5μm以上35μm以下であることが好ましく、本実施の形態では、8μmである。
【0037】
次に、図4(f)に示すように、めっきレジスト32を剥離によって除去する。なお、めっきレジスト32を化学エッチング(ウェットエッチング)により除去してもよい。
【0038】
次に、図4(g)に示すように、金属薄膜31の露出する領域をエッチングにより除去する。これにより、金属薄膜31および導体層33からなる配線パターン12(図1および図2参照)が形成される。
【0039】
次に、図5(g)に示すように、配線パターン12を覆うように無電解錫めっき層34を形成する。その後、図5(h)に示すように、実装部11(図1および図2参照)の所定領域で配線パターン12および無電解錫めっき層34を覆うようにベース絶縁層BIL上にカバー絶縁層CILを形成する。カバー絶縁層CILの厚さは、6μm以上50μm以下であることが好ましく、本実施の形態では、20μmである。これにより、図1および図2に示した配線回路基板1が完成する。
【0040】
(4)配線パターン12およびテスト端子Tの詳細
以下、配線パターン12およびテスト端子Tの詳細について図面を参照しながら説明する。
【0041】
図6は配線パターン12およびテスト端子Tの詳細を示す平面図である。図6は、図4(e)の工程における平面図を示す。図6において、めっきレジスト32にドットパターンが付される。
【0042】
また、図6においては、複数の配線パターン12および複数のテスト端子Tの各々を区別するために複数の配線パターン12に符号12a〜12fが付され、複数のテスト端子Tに符号Ta〜Tfが付される。なお、所定数(本実施の形態では6本)の配線パターン12a〜12fおよびテスト端子Ta〜Tfが1つのグループを構成する。
【0043】
複数の配線パターン12a〜12fは互いに平行に延びるように形成される。複数のテスト端子Ta〜Tfは、複数の配線パターン12a〜12fの端部から一方の側方に幅広となるように略矩形状に形成される。各グループの複数のテスト端子Ta〜Tfは、配線パターン12a〜12fの長さ方向に沿って並ぶように配列される。
【0044】
以下、配線パターン12a〜12fの長さ方向を単に長さ方向と略記し、配線パターン12a〜12fの長さ方向に垂直な方向(幅方向)を単に幅方向と略記する。
【0045】
配線パターン12a〜12fは、この順に長く形成され、テスト端子Ta〜Tfは、この順に図2の実装領域21から離れている。すなわち、配線パターン12aが最も長く、テスト端子Taが実装領域21から最も離れている。また、配線パターン12fが最も短く、テスト端子Tfが実装領域21に最も近い。
【0046】
図4(e)の工程では、配線パターン12a〜12fおよびテスト端子Ta〜Tfの間の領域にめっきレジスト32が形成される。
【0047】
各グループ内のテスト端子Ta〜Tfの一辺は隣接するグループの配線パターン12aに平行に形成される。各グループ内のテスト端子Ta〜Tfと他の隣接するグループ内の配線パターン12aとの間の間隔(めっきレジスト32の幅)W1〜W6は、次式のように、この順に減少するように設定される。
【0048】
W1>W2>W3>W4>W5>W6
すなわち、各グループ内で実装領域21から最も離れたテスト端子Taと他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターン12aとの間の間隔(めっきレジスト32の幅)W1が最も大きく、各グループ内で実装領域21から最も近いテスト端子Tfと他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターン12aとの間の間隔(めっきレジスト32の幅)W6が最も小さい。
【0049】
本実施の形態では、例えば、間隔W1は0.023mmに設定され、間隔W2は0.021mmに設定され、間隔W3は0.019mmに設定され、間隔W4は0.017mmに設定され、間隔W5は0.015mmに設定され、間隔W6は0.013mmに設定される。すなわち、間隔W6〜W1は、この順に0.002mmずつ大きくなるように設定される。
【0050】
各グループの幅方向における配線パターン12a〜12f間の間隔(めっきレジスト32の幅)は等しく、例えば0.013mmである。また、各グループの長さ方向におけるテスト端子Ta〜Tf間の間隔(めっきレジスト32の幅)は等しく、例えば0.04mmである。
【0051】
長さ方向におけるテスト端子Ta〜Tfの長さは略等しく、例えば0.18mmに設定される。
【0052】
また、幅方向におけるテスト端子Ta,Tb,Tc,Td,Te,Tfの幅は、例えば0.2mm、0.175mm、0.154mm、0.131mm、0.108mmおよび0.085mmにそれぞれ設定される。
【0053】
なお、図6の例では、テスト端子Ta〜Tfは四つの角がそれぞれ丸みを有する略矩形状に形成されるが、テスト端子Ta〜Tfが丸みを有さない矩形状に形成されてもよい。
【0054】
(5)本実施の形態における効果
本実施の形態においては、各グループ内で実装領域21から最も離れたテスト端子Ta〜Tfと他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターン12aとの間の間隔が各グループ内で実装領域21に最も近いテスト端子Tfと他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターン12aとの間の間隔よりも大きい。それにより、製造時に、平行に配列される複数の配線パターン12a〜12f間の間隔を小さく維持しつつ、最も長い配線パターン12aの端部のテスト端子Taの形成領域と他の隣接するグループの配線パターン12aの形成領域との間に形成されるめっきレジスト32の幅を十分に大きくすることができる。したがって、めっきレジスト32の倒壊により配線パターン12a〜12fに不良が発生することを防止することができる。
【0055】
また、テスト端子Ta〜Tfが形成される配線パターン12a〜12fが長いほど、テスト端子Ta〜Tfの形成領域と他の隣接するグループの最も近接する配線パターン12aの形成領域との間に形成されるめっきレジスト32の幅を大きくすることができる。すなわち、倒壊が起こりやすいめっきレジスト32の部分ほど幅を大きくすることができる。したがって、めっきレジスト32の倒壊により配線パターン12a〜12fに不良が発生することを十分に防止することができる。
【0056】
その結果、配線パターン12a〜12fに不良を生じることなく、配線パターン12a〜12fのファインピッチ化が可能となる。
【0057】
(6)他の実施の形態
長尺状基板30の材料は、ステンレスに限らず、銅またはニッケル等の金属材料を用いることができる。
【0058】
ベース絶縁層BILの材料は、ポリイミドに限らず、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルフォン等の他の樹脂材料を用いてもよい。
【0059】
また、配線パターン12の材料は、銅に限らず、銅合金、金、アルミニウム等の他の金属材料を用いてもよい。
【0060】
さらに、カバー絶縁層CILの材料は、ポリイミドに限らず、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルニトリルフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム等の他の樹脂材料を用いてもよい。
【0061】
また、銅張積層板等の二層基材を用いて配線パターン12を形成してもよい。
【0062】
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0063】
上記実施の形態においては、ベース絶縁層BILが絶縁層の例であり、配線パターン12,12a〜12fが配線パターンの例であり、めっきレジスト32がレジストパターンの例であり、テスト端子T,Ta〜Tfがテスト用端子部の例であり、導体層33が導体層の一例である。
【0064】
なお、請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることも可能である。
【実施例】
【0065】
(a)実施例
実施例では、上記実施の形態に基づいてセミアディティブ法により図6に示した配線パターン12a〜12fおよびテスト端子Ta〜Tfを有する配線回路基板1を作製した。
【0066】
実施例では、電解めっきの工程の際に、めっきレジスト32が倒壊することはなかった。
【0067】
(b)比較例
比較例では、セミアディティブ法により図7に示す配線パターン12a〜12fおよびテスト端子Ta〜Tfを有する配線回路基板1を形成した。図7は比較例の配線回路基板における配線パターン12a〜12fおよびテスト端子Ta〜Tfの詳細を示す平面図である。
【0068】
以下、比較例における配線パターン12a〜12fおよびテスト端子Ta〜Tfが実施例におけるテスト端子Ta〜Tfおよび配線パターン12a〜12fと異なる点を説明する。
【0069】
図7に示すように、比較例では、各グループ内のテスト端子Ta〜Tfと他の隣接するグループ内の配線パターン12aとの間隔(めっきレジスト32の幅)W7を等しく0.012mmに設定した。
【0070】
各グループの幅方向における配線パターン12a〜12f間の間隔(めっきレジスト32の幅)は、実施例と同様に等しく0.013mmに設定した。また、各グループの長さ方向におけるテスト端子Ta〜Tf間の間隔(めっきレジスト32の幅)は、実施例と同様に等しく0.04mmに設定した。
【0071】
長さ方向におけるテスト端子Ta〜Tfの長さは、実施例と同様に等しく0.18mmに設定した。
【0072】
幅方向におけるテスト端子Ta,Tb,Tc,Td,Te,Tfの幅は、0.211mm、0.188mm、0.165mm、0.141mm、0.118mmおよび0.095mmにそれぞれ設定した。
【0073】
比較例では、電解めっきの工程の際に、図7に×印で示すように、各グループ内で実装領域21から最も離れたテスト端子Taと他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターン12aとの間のめっきレジスト32が倒壊し、配線パターン12aに不良が生じた。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る配線回路基板は、種々の電気機器、電子機器等に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施の形態に係る配線回路基板の平面図である。
【図2】図1の配線回路基板の実装部の拡大平面図である。
【図3】複数の配線パターンおよび複数のテスト端子の詳細を示す平面図である。
【図4】配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図5】配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図6】配線回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
【図7】比較例の配線回路基板における複数の配線パターンおよび複数のテスト端子の詳細を示す平面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 配線回路基板
11 実装部
12,12a〜12f 配線パターン
21 実装領域
22 インナーリード部
23 アウターリード部
BIL ベース絶縁層
CIL カバー絶縁層
T,Ta〜Tf テスト端子
W1〜W6 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装されるべき実装領域および電子部品が実装されない非実装領域を有する配線回路基板であって、
前記実装領域および前記非実装領域を有する絶縁層と、
前記絶縁層上の前記実装領域内から前記非実装領域内へ形成される複数の配線パターンとを備え、
前記非実装領域における前記複数の配線パターンの端部が一方の側方に幅広となることにより複数のテスト用端子部がそれぞれ形成され、
前記複数のテスト用端子部側の前記複数の配線パターンの部分は互いに平行に配列され、
前記複数の配線パターンは、各々が2以上の所定数の配線パターンを含む複数のグループに区分され、
各グループ内の前記所定数のテスト用端子部は、配線パターンの長さ方向に沿って配列され、各グループ内で前記実装領域から最も離れたテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔は、各グループ内で前記実装領域に最も近いテスト用端子部と前記他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔よりも大きいことを特徴とする配線回路基板。
【請求項2】
各グループ内の前記所定数のテスト用端子部と前記他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔は、前記実装領域から離れるほど大きくなることを特徴とする請求項1記載の配線回路基板。
【請求項3】
電子部品が実装されるべき実装領域および電子部品が実装されない非実装領域を有する配線回路基板の製造方法であって、
前記実装領域および前記非実装領域を有する絶縁層上に、前記実装領域内から前記非実装領域内へ延びる複数の配線パターンが形成されるべき領域を除いてレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンが形成された領域を除いて前記絶縁層上に導体層を形成する工程と、
前記レジストパターンを除去することにより前記絶縁層上に前記複数の配線パターンを形成する工程とを備え、
前記非実装領域における前記複数の配線パターンの端部が一方の側方に幅広となることにより複数のテスト用端子部がそれぞれ形成され、
前記複数のテスト用端子部側の前記複数の配線パターンの部分は互いに平行に配列され、
前記複数の配線パターンは、各々が2以上の所定数の配線パターンを含む複数のグループに区分され、
各グループ内の前記所定数のテスト用端子部は、配線パターンの長さ方向に沿って配列され、
前記レジストパターンを形成する工程において、各グループ内で前記実装領域から最も離れたテスト用端子部と他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔が各グループ内で前記実装領域に最も近いテスト用端子部と前記他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔よりも大きくなるように前記レジストパターンを形成することを特徴とする配線回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記レジストパターンを形成する工程において、各グループ内の前記所定数のテスト用端子部と前記他の隣接するグループ内の最も近接する配線パターンとの間の間隔が前記実装領域から離れるほど大きくなるように前記レジストパターンを形成することを特徴とする請求項3記載の配線回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−187074(P2008−187074A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20591(P2007−20591)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】