説明

配線基板及び半導体装置

【課題】接続パッドの下の下側配線層の配線密度を向上させることができる配線基板を提供する。
【解決手段】配線層22と、配線層22の上に形成された絶縁層32と、絶縁層32の上に形成された接続パッドCと、絶縁層32を貫通して形成され、配線層22と接続パッドCとを接続するビア導体VC2とを含み、接続パッドCの1層下の配線層22は、接続パッドCに対応する領域に、接続パッドCより小さい面積のビア受け用電極部22a,22c(22x)と、それと分離された配線部22b(22y)とを備えて形成され、ビア受け用電極部22a,22c(22x)がビア導体VC2を介して接続パッドCに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配線基板及び半導体装置に係り、さらに詳しくは、半導体チップが実装される半導体パッケージに適用できる配線基板及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体パッケージを実装するための配線基板(半導体パッケージ)がある。配線基板はコア基板の両面側にビルドアップ配線が形成されて構成される。
【0003】
特許文献1には、配線基板の四コーナーに従来配置されていた複数の金属ランドを1つに統合した金属ランドとすることにより、四コーナー部分の強度を向上させることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、半導体パッケージにおいて、個々の外部接続端子(ピン)が接続されるパッドを複数のパッドに分割し、分割して配置したパッド間に他のパッドに接続される配線を配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−112765号公報
【特許文献2】特開2002−329802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
後述する関連技術で説明するように、半導体チップが実装される配線基板では、上面側の接続パッドの1層下の下側配線層の設計ルールが最も縮小される傾向がある。
配線基板では、各接続パッドの下にその主要部に接続される一つのビア導体が配置され、接続パッドと同等面積で配置された下側配線層のビアパッドの上にビア導体が配置されて層間接続される。
【0007】
下側配線層のさらなる配線密度の向上が要求される際(配線の本数を増加)、高度なフォトリソグラフィ技術を導入することにより下側配線層の狭ピッチ化を行うことは可能であるが、膨大な設備投資とプロセス変更が必要になるため、現実的には容易には対応できない。従って、既存のフォトリソグラフィ技術によって下側配線層のビアパッドの間に何本の配線を配置できるかによって最小の設計ルールが決まる。
【0008】
また、関連技術では、下側配線層のビアパッドは接続パッドに対応する大きさで配置されるため、ビアパッドの存在が下側配線層の配線密度の向上を阻害している。
【0009】
本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、接続パッドの下の下側配線層の配線密度を向上させることができる配線基板及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は配線基板に係り、配線層と、前記配線層の上に形成された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された接続パッドと、前記絶縁層を貫通して形成され、前記配線層と前記接続パッドとを接続するビア導体とを有し、前記接続パッドの1層下の前記配線層は、前記接続パッドに対応する領域に、前記接続パッドより小さい面積のビア受け用電極部と、前記ビア受け用電極部と分離された配線部とを備えて形成され、前記ビア受け用電極部が前記ビア導体を介して前記接続パッドに接続されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の配線基板では、接続パッドの1層下の配線層は、接続パッドに対応する領域に、ビア受け用電極部とそれと分離された配線部とを備えて形成されている。ビア受け用電極部は、接続パッドより小さい面積(例えば細い幅)で形成されており、余った領域に配線部が配置されている。
【0012】
一つの好適な態様では、ビア受け用電極部は、接続パッドに対応する領域の両端側に配置され、配線部は2つのビア受け用電極部の間に配置される。そして、ビア受け用電極部はその上に配置されるビア導体によって上側の接続パッドに接続されている。
【0013】
このように、本発明では、接続パッドの下にはそれと同等面積の下側配線層のビアパッドは設けられておらず、接続パッドより小さい面積のビア受け用電極部を配置している。これにより、接続パッドに対応する領域に、配線層の配線部を配置するための配線領域を確保することができる。
【0014】
このようにして、接続パッドに対応する領域にその接続パッドと直接接続されない別系統の配線部を配置することができる。従って、配線ルールを変更することなく、同一層の配線層内において配線の本数を増やすことが可能になり、高度なフォトリソグラフィ技術を導入することなく、配線密度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明では、高度なフォトリソグラフィ技術を導入することなく、接続パッドの下の配線層の配線密度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は本発明に関連する関連技術の配線基板を示す断面図である。
【図2】図2は本発明の実施形態の配線基板を示す断面図及び部分透視平面図である。
【図3】図3は本発明の実施形態の半導体装置を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の実施形態の第1変形例の配線基板を示す断面図である。
【図5】図5は本発明の実施形態の第2変形例の配線基板を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0018】
(関連技術)
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関連する関連技術について説明する。図1は関連技術の配線基板を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように、関連技術の配線基板100では、コア基板200にはその厚み方向に貫通する貫通電極220が形成されている、コア基板200の両面側には貫通電極220を介して相互接続される第1配線層300がそれぞれ形成されている。
【0020】
コア基板200の両面側の第1配線層300の上には第1層間絶縁層400がそれぞれ形成されている。コア基板200の両面側の第1層間絶縁層400には第1配線層300に到達する第1ビアホールVH1がそれぞれ形成されている。
【0021】
コア基板200の両面側の第1層間絶縁層400の上には第1ビアホールVH1に充填されたビア導体VC1を介して第1配線層300に接続される第2配線層320がそれぞれ形成されている。コア基板200の下面側には第2配線層320の接続部上に開口部410aが設けられたソルダレジスト410が形成されている。
【0022】
コア基板200の上面側の第2配線層320はその一端部にビアパッドVPを備えている。
【0023】
さらに、コア基板200の上面側の第2配線層320の上には第2層間絶縁層420が形成されている。第2層間絶縁層420には第2配線層320のビアパッドVPに到達する第2ビアホールVH2が形成されている。
【0024】
第2層間絶縁層420の上には、第2ビアホールVH2に充填されたビア導体VC2を介して第2配線層320のビアパッドVPに接続される接続パッドCが形成されている。
【0025】
図1の部分透視平面図を加えて参照すると、関連技術の配線基板100では、各接続パッドCの下にはその主要部に接続される一つのビア導体VC2が配置され、第2配線層320のビアパッドVPの上にビア導体VC2が配置されて層間接続されている。つまり、接続パッドCの1層下の第2配線層320には、ビア導体VC2を受けるために接続パッドCに対応する大きさ(同等面積)のビアパッドVPが設けられている。
【0026】
そして、配線基板100の接続パッドCには半導体チップがフリップチップ接続される。そのような配線基板100では、接続パッドCの1層下の第2配線層320(下側配線層)の設計ルールが最も縮小される傾向がある。
【0027】
第2配線層320の配線密度の向上を要求される際(配線の本数を増加)、高度なフォトリソグラフィ技術を導入することにより第2配線層320の狭ピッチ化によって配線の本数を増やすことは可能であるが、膨大な設備投資とプロセス変更が必要になるため、現実的には容易には対応できない。
【0028】
このように、実装ラインの既存のフォトリソグラフィ技術によって第2配線層320のビアパッドVPの間に何本の配線を配置できるかによって最小の設計ルールが決まるため、配線密度の向上に容易に対応できない課題がある。
【0029】
また、関連技術では、第2配線層320のビアパッドVPは接続パッドCに対応させて比較的大きな面積で配置されるため、ビアパッドVPの存在が第2配線層320の配線密度の向上を阻害している。
【0030】
本願発明者は以上の課題を鑑み鋭意研究した結果、高度なフォトリソグラフィ技術を導入することなく、接続パッドの1層下の配線層の配線密度を向上させることができる新規の配線構造を考案した。
【0031】
(実施の形態)
図2は本発明の実施形態の配線基板を示す断面図及び部分透視平面図である。
【0032】
図2に示すように、本実施形態の配線基板1では、コア基板として厚みが200μm程度のシリコン基板10が使用され、シリコン基板10にはその厚み方向に貫通するスルーホールTHが設けられている。シリコン基板10の両面及びスルーホールTHの内面にはシリコン酸化層からなる絶縁層12が形成されている。
【0033】
スルーホールTHが設けられたシリコン基板10を熱酸化してシリコン酸化層を形成するか、あるいはシリコン基板10の両面及びスルーホールTHの内面にCVD法によってシリコン酸化層を形成することにより絶縁層12が得られる。シリコン酸化層の代わりに、シリコン窒化層又はシリコン酸化窒化層を形成して絶縁層12としてもよい。
【0034】
さらに、シリコン基板10のスルーホールTHには貫通電極14が充填されている。貫通電極14の形成方法としては、まず、スルーホールTHが設けられて全面に絶縁層12が形成されたシリコン基板10をめっき給電材(銅箔など)の上に配置する。続いて、めっき給電材をめっき給電経路に利用する電解めっきによってスルーホールTHの下部から上部に銅めっき層を充填することにより貫通電極14が得られる。
【0035】
基板の好適な例として微細加工が可能なシリコン基板10を挙げるが、セラミックス基板や樹脂基板などの絶縁基板を使用してもよい。絶縁基板を使用する場合は、絶縁層12は省略される。
【0036】
さらに、シリコン基板10の両面側には、貫通電極14を介して相互接続される第1配線層20がそれぞれ形成されている。第1配線層20の配線構造の一例としては、下から順に、チタン(Ti)層(厚み:0.05μm)/第1銅(Cu)層(厚み:0.2μm)/第2銅(Cu)層(厚み:2μm)から形成される積層金属膜が使用される。
【0037】
第1配線層20の形成方法としては、まず、シリコン基板10の上にスパッタ法によってTi層(厚み:0.05μm)/第1Cu層(厚み:0.2μm)から構成されるシード層(不図示)を形成した後に、第1配線層20が配置される部分に開口部が設けられためっきレジスト(不図示)をシード層の上に形成する。
【0038】
続いて、シード層をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、めっきレジストの開口部に第2Cu層として銅めっき層(厚み:2μm)を形成する。さらに、めっきレジストを除去した後に、銅めっき層をマスクにしてシード層をエッチングすることにより第1配線層20が得られる。
【0039】
また、シリコン基板10の両面側には、第1配線層20を被覆する第1層間絶縁層30がそれぞれ形成されている。第1層間絶縁層30はエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの樹脂シートをシリコン基板10に熱圧着することにより形成される。又は、液状樹脂をシリコン基板10上に塗布し、硬化させてもよい。あるいは、シリコン酸化層などの無機絶縁層をCVD法で成膜することにより第1層間絶縁層30を形成してもよい。
【0040】
シリコン基板10の両面側の第1層間絶縁層30には第1配線層20に到達する第1ビアホールVH1がそれぞれ形成されている。第1ビアホールVH1はレーザやドライエッチングにより形成される。
【0041】
また、シリコン基板10の両面側の第1層間絶縁層30の上には、第1ビアホールVH1に充填されたビア導体VC1を介して第1配線層20に接続される第2配線層22がそれぞれ形成されている。第2配線層22は、第1配線層20と同様な積層金属膜から形成される。
【0042】
第2配線層22の形成方法としては、特に図示しないが、まず、第1層間絶縁層30上及び第1ビアホールVH1の内面に銅などからなるシード層を形成し、第2配線層22が配置される部分(第1ビアホールVH1を含む)に開口部が設けられためっきレジスト(不図示)を形成する。
【0043】
次いで、シード層をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、第1ビアホールVH1内からめっきレジストの開口部に銅めっき層を充填する。さらに、めっきレジストを除去した後に、銅めっき層をマスクにしてシード層をエッチングすることにより、第2配線層22が得られる。
【0044】
また、シリコン基板10の下面側には第2配線層22の接続部上に開口部31aが設けられたソルダレジスト31が形成されている。そして、シリコン基板10の下面側の第2配線層22の接続部が外部接続用パッドCX(ランド)として機能する。
【0045】
シリコン基板10の上面側の第2配線層22の上には第2層間絶縁層32が形成されている。第2層間絶縁層32には第2配線層22に到達する第2ビアホールVH2が形成されている。
【0046】
シリコン基板10の上面側の第2層間絶縁層32の上には、第1ビアホールVH2に充填されたビア導体VC2を介して第2配線層22に接続される接続パッドCが形成されている。ビア導体VC2及びそれに接続される接続パッドCは、前述した第2配線層22と同様に電解めっきによって第2のビアホールVH2を埋め込みながら形成される。
【0047】
ここで、図1のA領域の接続パッドCからその下の第2配線層22までの配線構造について説明する。第1部分透視平面図を加えて参照すると、A領域の接続パッドCの1層下の第2配線層22は、接続パッドCに対応する領域において、両端側に配置された第1、第2ビア受け用電極部22a,22cと、中央部に配置された配線部22bと備えて形成されている。
【0048】
つまり、第1、第2ビア受け用電極部22a,22cは、接続パッドCに対応する領域の両端側に分離されて配置され、配線部22bは第1、第2ビア受け用電極部22a,22cの間に配置されている。第1、第2ビア受け用電極部22a,22cは、接続パッドCより細い幅(小さい面積)で配置されており、余った領域に配線部22bが配置されている。配線部22bは接続パッドCに対応する領域を通過して配置され、その領域から外側に延在している。
【0049】
そして、第1、第2ビア受け用電極部22a,22c上に配置された2つの第2ビアホールVH2内にビア導体VC2がそれぞれ充填されている。これにより、第1ビア受け用電極部22aは分離された2つのビア導体VC2によって上側の接続パッドCに接続されている。
【0050】
また同様に、第2ビア受け用電極部22cは分離された2つのビア導体VC2によって上側の接続パッドCに接続されている。第1ビア受け用電極部22はその下に配置されたビア導体VC1(図1の断面図)によって第1配線層20に接続されている。
【0051】
特に図示されていないが、同様に、第2ビア受け用電極部22cはその下に配置されたビア導体によって第1ビア受け用電極部22aと同一系統の配線層に接続されている。
【0052】
また、第2配線層22の配線部22bにおいても、上下に配置されるビア導体によって第1配線層20及び他の接続パッドに接続される。
【0053】
このように、本実施形態では、接続パッドCの下には、その主要部に接続されるビア導体とそれを受けるための接続パッドCと同等面積のビアパッドは設けられておらず、接続パッドCより幅の細いビア受け用電極部22aが配置されている。これにより、接続パッドCの下の余った領域を第2配線層22の配線部22bを配置するための配線領域として利用することができる。
【0054】
このようにして、接続パッドCに対応する領域に接続パッドCと直接接続されない別系統の配線22bを配置することができる。第2配線層22のビア受け用電極部22a,22c及び配線部22bと第2ビアホールVH2は、実装ラインの既存のフォトリソリソグラフィ技術によってパターン化できる設計ルールに設定される。例えば、接続パッドCの径が25〜30μmの場合、ビア受け用電極部22a,22c及び配線部22bの各幅は2〜5μm程度に設定される。
【0055】
従って、高度なフォトリソグラフィ技術を導入して設計ルールを変更することなく、同一層の第2配線層22内において配線を増やすことが可能になり、配線密度を向上させることができる。
【0056】
接続パッドCに接続されるビア受け用電極部22a,22cと配線部22bは、電源ラインとグランドライン、電源ラインと信号ライン、グランドラインと信号ラインの組み合わせ、あるいは、違う種類の信号ライン同士の組み合わせなどで配置することができる。
【0057】
次に、図1のB領域の接続パッドCからその下の第2配線層22までの配線構造について説明する。第2部分平面図を加えて参照すると、B領域の接続パッドCの1層下の第2配線層22は、接続パッドCに対応する領域において、両端側に配置されたビア受け用電極部22xと、中央部に配置された配線部22yとを備えて形成されている。
【0058】
接続パッドCに対応する領域の両端側に配置された2つのビア受け用電極部22xは、その領域から外側に延在し、第1層間絶縁層30上においてU字型で繋がって形成されている。つまり、U字型で形成されたビア受け用電極部22xの両終端側が接続パッドCに対応する領域に配置されている。
【0059】
前述したA領域と同様に、ビア受け用電極部22xは接続パッドCに対応する領域に接続パッドCより細い幅(小さい面積)で形成され、余った領域に配線部22yが配置されている。そして、接続パッドCに対応する領域の両端側に配置されたビア受け用電極部22xの上に2つのビア導体VC2がそれぞれ配置されている。
【0060】
これにより、第2配線層22のビア受け用電極部22xは4つのビア導体VC2によって上側の接続パッドCに接続されている。特に図示しないが、第2配線層22のビア受け用電極部22xは、その下に配置されたビア導体によって同一配線系統の第1配線層20に接続されている。
【0061】
第2配線層22の配線部22yは、接続パッドCに対応する領域を通過してその領域から外側に延在した状態で、ビア受け用電極部22xの間(内側)に配置されている。また、配線部22yは、接続パッドCに対応する領域から外側(U字型のビア受け用電極部22xの内側)にパッドP(第2透視部分平面図)を備えている。
【0062】
そして、第2配線層22の配線部22yはそのパッドPの下に配置されたビア導体VCxによって同一配線系統の第1配線層20に接続されている。さらに、第2配線層22の配線部22yは、その上に配置されるビア導体(不図示)によって他の接続パッドに接続されている。
【0063】
前述したA領域及びB領域では、接続パッドCに対応する領域の両端側に、接続パッドCより幅が細いビア受け用電極部22a,22c(22x)を形成することにより、配線部22b(22y)を配置するための配線領域を確保している。
【0064】
この形態に限定されるものではなく、第2配線層22の配線部が接続パッドCに対応する領域を通過できるように、第2配線層22のビア受け用電極部のトータルの面積を接続パッドCの面積より小さく設定すればよい。従って、ビア受け用電極部の形状、配置位置、面積(幅)、は任意に設定することができる。また、ビア受け用電極部の上に配置されるビア導体の数も任意(1以上)に設定することができる。
【0065】
次に、図1のC領域の接続パッドC(他の接続パッド)から第2配線層22までの配線構造について説明する。C領域の接続パッドCは、A領域及びB領域の接続パッドCと同一層から形成される他の接続パッドである。第3部分平面図を加えて参照すると、C領域は、接続パッドC(他の接続パッド)に対応する領域に第2配線層22の配線部を配置する必要がない領域を示しており、接続パッドCに対応する領域に接続パッドCに対応する大きさ(同等面積)の第2配線層22のビアパッドVPが配置されている。
【0066】
そして、第2配線層22のビアパッドVPの上には4つのビア導体VC2が分離されて配置されており、第2配線層22のビアパッドVPは4つのビア導体VC2によって接続パッドC(他の接続パッド)に接続される。
【0067】
前述したように、接続パッドCは第2ビアホールVH2を電解めっきで埋め込みながら形成されるので、全ての第2ビアホールVH2はプロセスの安定性の観点からA領域及びB領域の第2ビアホールVH2と同一径に設定される。
【0068】
従って、図1のC領域では、接続パッドCに対応する領域に配置された第2配線層22のビアパッドVPの上に配置される複数のビア導体VC2は、A領域及びB領域のビア導体VC2と同一径で形成される。
【0069】
第2配線層22のビアパッドVP上に配置されるビア導体VC2の数は、ビアパッドVPの面積、ビア導体VC2(第2ビアホールVH2)の径に応じて適宜調整される。
【0070】
以上説明したように、本実施形態の配線基板1では、上面側の接続パッドCの1層下の第2配線層22において、接続パッドCに対応する領域に一体的なビアパッドを配置せずに、ビア受け用電極部22a,22c(22x)と配線部22b(22y)とを配置している。
【0071】
接続パッドCの下側にそれより幅が細いビア受け用電極部22a,22c(22x)を配置することにより、余った領域を配線領域として使用することができ、別系統の配線部22b(22y)を追加で配置することができる。
【0072】
これにより、高度なフォトリソグラフィ技術を導入することなく、配線の本数を増加させることができるので、第2配線層22の配線密度を容易に向上させることができる。
【0073】
また、本実施形態では、関連技術より径の小さいビア導体VC2を複数に分割して配置するので、個々のビア導体VC2の電流密度を減らすことができ、ビア接続の信頼性を向上させることができる。
【0074】
なお、本実施形態では、シリコン基板10の両面側に2層の配線層(第1、第2配線層20,22)をそれぞれ積層し、上面側に接続パッドCを設けているが、配線層の積層数はn層(nは1以上の整数)で任意に設定することができる。また、シリコン基板10の片面のみに配線層及び接続パッドを形成してもよい。
【0075】
また、コア基板をもたないコアレスタイプの配線基板を使用してもよい。この場合、剥離可能な仮基板の上にビルドアップ配線を形成し、ビルドアップ配線から仮基板を除去することにより、絶縁層(樹脂)が基板として機能するコアレス配線基板を得ることができる。
【0076】
次に、本実施形態の配線基板を使用して構成される半導体装置について説明する。図3には、前述した配線基板1に半導体チップが実装されて構成される半導体装置2が示されている。図3に示すように、図2の配線基板1の接続パッドC(ランド)に、半導体チップ40(LSIチップ)の接続電極がバンプ電極42によってフリップチップ接続されて半導体装置2が構成される。
【0077】
例えば、配線基板1の接続パッドCに仮接着されたはんだボールに半導体チップ40(LSIチップ)の接続電極を配置し、リフローはんだ付けを行うことにより半導体チップ40が配線基板1にフリップチップ接続される。さらに、半導体チップ40の下側の隙間にアンダーフィル樹脂44が充填される。
【0078】
半導体装置2の配線基板1の下面側の外部接続用パッドCXが実装基板(マザーボード)に接続される。半導体装置2はインターポーザを介して実装基板(マザーボード)に接続されるようにしてもよい。
【0079】
また、配線基板1の下面側の外部接続用パッドCXに下側に突出する外部接続端子を設けてもよい。
【0080】
図4には、本発明の実施形態の第1変形例の配線基板1aが示されている。前述した図3の配線基板1では、接続パッドCは第1、第2配線層20,22と同等の厚み(例えば2〜3μm)のランドとして形成される。図4の第1変形例の配線基板1aのように、接続パッドCの厚みを例えば15μm程度にして、第1、第2配線層20,22の厚みより高い(厚い)バンプ電極として形成してもよい。
【0081】
接続パッドCをバンプ電極として厚く形成することにより、半導体チップ40から配線基板1aへの電気経路(バンプ電極42(はんだ)から接続パッドC(銅))においてエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができる。図4においてその他の要素は図3の配線基板1と同一である。
【0082】
図5には、本発明の実施形態の第2変形例の配線基板1bが示されている。図5の第2変形例の配線基板1bのように、図3の配線基板1の上面側に、接続パッドC上に開口部33aが設けられたソルダレジスト33(絶縁保護層)を形成してもよい。図5においてその他の要素は図3の配線基板1と同一である。
【0083】
図4及び図5の第1、第2変形例の配線基板1a、1bにおいても、同様に配線基板1a,1bの接続パッドCに半導体チップがフリップチップ接続されて半導体装置が構成される。
【符号の説明】
【0084】
1,1a,1b…配線基板、2…半導体装置、10…シリコン基板、12…絶縁層、14…貫通電極、20…第1配線層、22…第2配線層、22a,22b,22x…ビア受け用電極部、22c,22y…配線部、30…第1層間絶縁層、31,33…ソルダレジスト、32…第2層間絶縁層、C…接続パッド、CX…外部接続用パッド、TH…スルーホール、VC1,VC2,VCx…ビア導体、VH1…第1ビアホール、VH2…第2ビアホール、VP…ビアパッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線層と、
前記配線層の上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層の上に形成された接続パッドと、
前記絶縁層を貫通して形成され、前記配線層と前記接続パッドとを接続するビア導体とを有し、
前記接続パッドの1層下の前記配線層は、
前記接続パッドに対応する領域に、前記接続パッドより小さい面積のビア受け用電極部と、前記ビア受け用電極部と分離された配線部とを備えて形成され、
前記ビア受け用電極部が前記ビア導体を介して前記接続パッドに接続されていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記ビア受け用電極部は、前記接続パッドに対応する領域の両端側に分離されて配置され、前記配線部は前記ビア受け用電極部の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記ビア受け用電極部は、前記接続パッドに対応する領域の両端側に配置され、前記接続パッドに対応する領域から外側に延在し、かつ前記絶縁層上で繋がっており、
前記配線部は前記ビア受け用電極部の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記ビア導体は、前記ビア受け用電極部の上に複数個で相互に分離されて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項5】
前記接続パッドの1層下の前記配線層は、前記接続パッドと同一層からなる他の接続パッドに対応する領域に、前記他の接続パッドに対応する大きさのビアパッドを備えて形成されており、
前記ビアパッドは、前記ビア受け用電極部上の前記ビア導体と同一径の複数のビア導体を介して前記他の接続パッドに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項6】
前記配線層はシリコン基板の片面又は両面にn層(nは1以上の整数)で形成されてことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項7】
前記接続パッドは、前記配線層の厚みより高いバンプ電極として形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項の配線基板と、
前記配線基板の前記接続パッドにフリップチップ接続された半導体チップとを有することを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−129729(P2011−129729A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287132(P2009−287132)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】