酵素阻害のための化合物

【課題】構成的プロテアソーム活性よりも免疫プロテアソーム活性を優先的に阻害する阻害剤の提供。
【解決手段】酵素阻害剤としてN末端に求核性の基を有する酵素を阻害する。プロテアーゼのキモトリプシン様(CT-L)活性を阻害するのに有用ないくつかの実施態様では、2乃至8個の骨格単位が存在し、そしてCT-L阻害に有用ないくつかの好適な実施態様では2乃至6個の骨格単位が存在する。骨格単位から延びる側鎖には天然の脂肪族又は芳香族アミノ酸側鎖が含まれていてもよく、いくつかの実施態様では、極性又は荷電残基をペプチドエポキシド又はペプチドアジリジンに導入することができる。ある実施態様では、当該骨格単位はアミド単位[-NH-CHR-C(=O)-](但し式中、Rは側鎖である)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
真核生物においては、タンパク質分解は主にユビキチン経路を通じて媒介されるが、この経路では破壊の標的となるタンパク質が76個のアミノ酸ポリペプチドであるユビキチンに連結される。こうして一旦標的となったユビキチン化タンパク質は、タンパク質をより短いペプチドに、その三つの主要なタンパク質分解活性を通じて切断する多重触媒性プロテアーゼである26Sプロテアソームの基質として働く。プロテアソーム媒介型分解は、細胞内タンパク質のターンオーバーにおける一般的な機能を有する一方、主要組織適合性複合体(MHC) クラスI提示、アポトーシス及び細胞生存力、抗原プロセッシング、NF-κB活性化、及び炎症誘発性シグナルの伝達など、数多くのプロセスで鍵となる役割を果たす。
【0002】
20Sプロテアソームは700 kDaの筒状の多重触媒性プロテアーゼ複合体であり、28個のサブユニットから成り、α-及びβ-型に分類され、7量体環が4層になるようになるように並んだものである。酵母及び他の真核生物では、7個の異なるαサブユニットが外側の環を形成し、7個の異なるβサブユニットが内側の環を成す。これらαサブユニットは 19S (PA700) 及び11S (PA28) 調節複合体の結合部位や、2つのβサブユニットにより形成される内側のタンパク質分解チャンバにとっての物理的バリアとして働く。このように、in vivoでは、プロテアソームは26S 粒子(26Sプロテアソーム)として存在すると考えられている。In vivo 実験において、20S 型のプロテアソームの阻害を26S プロテアソームの阻害に容易に相関付けることができることが示されている。
【0003】
粒子形成中のβサブユニットのアミノ末端側プロ配列の切断により、触媒性の求核試薬として働くアミノ末端側スレオニン残基が露出する。このように、プロテアソーム中で触媒活性を担うサブユニットはアミノ末端側に求核性残基を持つが、これらのサブユニットはN末端求核試薬 (Ntn) ヒドロラーゼ(求核性のN末端残基が例えばCys、Ser、Thrなどの求核性の部分であるもの)のファミリーに属する。このファミリーには、例えば、ペニシリンGアシラーゼ(PGA)、ペニシリンVアシラーゼ(PVA)、グルタミンPRPP アミドトランスフェラーゼ (GAT)、及び細菌性グリコシルアスパラギナーゼがある。高等脊椎動物は、全身発現性のβサブユニットに加え、それらの通常の相対物であるそれぞれβ5、β1及びβ2に置換する三種のインターフェロンγ誘導性βサブユニット(LMP7、LMP2 及びMECLl)も持つ。三つのIFN-γ誘導性サブユニットがすべて存在する場合、そのプロテアソームは「免疫プロテアソーム」と呼ばれる。このように、真核細胞は二つの形のプロテアソームを多様な比率でプロセシングすることができる。
【0004】
真核性20Sプロテアソームについては、三つの主要なタンパク質分解活性が、様々なペプチド基質の利用を通じて定義されてきた:大型の疎水性残基の後ろで切断するキモトリプシン様活性 (CT-L);塩基性残基の後ろでトリプシン様活性(T-L);及び酸性残基の後ろで切断するペプチジルグルタミルペプチド加水分解活性 (PGPH)である。更に2つの、特徴付けの進んでいない活性もこのプロテアソームに帰属させられている:分枝状アミノ酸の後ろで切断するBrAAP活性;そして小型の中性アミノ酸の後ろで切断するSNAAP活性である。両者の型のプロテアソーム共、五つの酵素活性全てを持つが、これらの型の間での活性の程度の違いが、特異的基質に基づいて解説されてきた。両者の型のプロテアソーム共について、主たるプロテアソームタンパク質分解活性は20Sコア内の異なる触媒部位が寄与しているようである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プロテアソーム活性を該するために用いられてきた低分子にはいくつかの例があるが、これらの化合物は一般に、プロテアソームの2つの型の間をなぞる特異性に欠ける。このように、各特異的プロテアソーム型の細胞レベル及び分子レベルでの役割を探求及び利用することはできなかった。従って、プロテアソームの一つの型を優先的に阻害する低分子阻害剤を創出することが、各プロテアソーム型の細胞レベル及び分子レベルでの役割を解明できるようにするには必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の局面の一つは、構成的プロテアソーム活性よりも免疫プロテアソーム活性を優先的に阻害する阻害剤に関する。いくつかの実施態様では、本発明は、本発明の化合物を投与するステップを含む、免疫関連疾患の処置に関する。いくつかの実施態様では、本発明は、本発明の化合物を投与するステップを含む、癌の処置に関する。
【0007】
本発明の局面の一つは式(I)を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩
【0008】
【化1】

【0009】
に関し、但し式中、
各 Ar は、独立に、選択的に1乃至4個の置換基で置換される一個の芳香族又はヘテロ芳香族基であり;
各 A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはC=Oであるが;あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
B は存在しないか、あるいはN(R9)R10であるが、好ましくは存在しないとよく;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはSO2 又はC=Oであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであるが、好ましくはC1-8アルキルであり;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
X はO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択されるが、好ましくはOであり;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各 Z は、独立に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R1 はH、-C1-6アルキル-B、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され;
R2 及びR3 はそれぞれ独立にアリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及びC1-6へテロアラルキルから選択され;
R4 はN(R5)L-Q-R6であり;
R5 は 水素、OH、C1-6アラルキル、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R6 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NHから選択され;好ましくは一個のN-キャッピング基であり;あるいは
R5 及び R6 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又は C1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R7 及びR8 は独立に水素、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R9 は水素、OH、及びC1-6アルキルから選択されるが、好ましくはC1-6アルキルであり;そして
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及びR12 は独立に水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択され、あるいは R11 及びR12 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R13 は、独立に、水素、及びC1-6アルキルから選択されるが、好ましくはC1-6アルキルであり;そして;
R14 は独立に水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され;
R15 は水素、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、-C(O)OC1-6アルキル、-C(O)NHC1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない。
【0010】
本発明の別の局面は、式(II)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩
【0011】
【化2】

【0012】
に関し、但し式中、
各Ar は、独立に、選択的に1乃至4個の置換基で置換される一個の芳香族又はヘテロ芳香族基であり;
各 A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはC=Oであるが;あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
B は存在しないか、あるいはN(R9)R10であるが、好ましくは存在しないとよく;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはSO2 又はC=Oであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであるが、好ましくはC1-8アルキルであり;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
X はO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択されるが、好ましくはOであり;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各 Z は独立にO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R2 及びR3 はそれぞれ独立にアリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及びC1-6へテロアラルキルから選択され;
R4 はN(R5)L-Q-R6であり;
R5 は 水素、OH、C1-6アラルキル、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R6 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NHから選択されるが;好ましくは一個のN-キャッピング基であり;あるいは
R5 及びR6 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又は C1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R8 は水素、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択されるが、好ましくは水素であり;
R9 は水素、OH、及びC1-6アルキルから選択されるが、好ましくはC1-6アルキルであり;そして
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及びR12 は、独立に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択され、あるいは R11 及びR12 は共に C1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各 R13 は、独立に、水素、及びC1-6アルキルから選択されるが、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R14 は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され;
R15 は水素、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、-C(O)OC1-6アルキル、-C(O)NHC1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない。
【0013】
本発明の別の局面は、式(III)の構造を有する化合物、又は、その薬学的に許容可能な塩
【0014】
【化3】

【0015】
に関し、但し式中、
各 A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはC=Oであるが;あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
B は存在しないか、あるいはN(R9)R10であるが、好ましくは存在しないとよく;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはSO2 又はC=Oであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであるが、好ましくはC1-8アルキルであり;
Wは -CHO 及び-B(OR11)2から選択され;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各 Z は、独立に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R1 はH、-C1-6アルキル-B、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され;
R2 及びR3 はそれぞれ独立にアリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及びC1-6へテロアラルキルから選択され;
R4 はN(R5)L-Q-R6であり;
R5 は 水素、OH、C1-6アラルキル、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R6 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NHから選択され;好ましくは一個のN末端キャッピング基であり;あるいは
R5 及びR6 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又は C1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R7 及びR8 は、独立に、水素、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R9 は水素、OH、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくはC1-6アルキルであり;そして
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及びR12 は、独立に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択されるとよく、あるいはR11 及びR12 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R13 は、独立に、水素、 及びC1-6アルキルから選択され、好ましくはC1-6アルキルであり;そして
R14 は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択され;
各R16 は、独立に、水素、及び C1-6アルキルから選択され;あるいは2個の R11 があるときには共に C1-6アルキルであることで、介在するホウ素、及び、これらが結合した相手の酸素原子と一緒になって一個の環を形成していてもよく;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない。
【0016】
本発明の別の局面は、式(IV)の構造を有する化合物、又は、その薬学的に許容可能な塩
【0017】
【化4】

【0018】
に関し、但し式中、
各 A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはC=Oであるが;あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはSO2 又はC=Oであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであるが、好ましくはC1-8アルキルであり;
Wは -CHO 及び-B(OR11)2から選択され;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各 Z は、独立に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R2 及びR3 はそれぞれ独立にアリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及びC1-6へテロアラルキルから選択され;
R4 はN(R5)L-Q-R6であり;
R5 は 水素、OH、C1-6アラルキル、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R6 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NHから選択され;好ましくは一個のN-キャッピング基であり;あるいは
R5 及びR6 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又はC1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R8 は水素、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R9 は水素、OH、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及びR12 は、独立に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及び
C1-6アルキルから選択され、あるいは R11 及びR12 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R13 は、独立に、水素、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R14 は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され;
各R16 は、独立に、水素、 及びC1-6アルキルから選択され;あるいは2個の R11 があるときには共に C1-6アルキルであることで、介在するホウ素、及び、これらが結合した相手の酸素原子と一緒になって一個の環を形成していてもよく;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない。
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は酵素阻害剤として有用な化合物に関する。これらの化合物は、一般に、N末端に求核性の基を有する酵素を阻害するために有用である。例えば、スレオニン、セリン、又はシステインなど、N末端のアミノ酸の側鎖に求核試薬を有する酵素又は酵素サブユニットの活性は、ここで解説する酵素阻害剤により成功裡に阻害することができる。例えば保護基又は糖など、非アミノ酸の求核基をそれらのN末端に有する酵素又は酵素サブユニットの活性もまた、ここに解説した酵素阻害剤により、成功裡に阻害することができる。
【0020】
いずれの特定の作動理論に縛られる訳ではないが、NtnのこのようなN末端求核試薬は、ここで解説する酵素阻害剤のエポキシド、アジリジン、アルデヒド、又はホウ酸官能基と共有結合的付加物を形成すると考えられる。例えば20Sプロテアーゼのβ5/Pre2サブユニットにおいては、そのN-末端スレオニンは、ここで解説するもののようなペプチドエポキシド又はアジリジンと反応するとモルホリノ又はピペラジノ付加物を非可逆的に形成すると考えられる。このような付加物形成には当該エポキシド又はアジリジンの開環が関与するであろう。
【0021】
立体化学の面では、絶対立体化学を決定するカーン−インゴールド−プレローグの規則に従う。これらの規則は、そのセクションを引用をもってここに援用することとするOrganic Chemistry, Fox and Whitesell; Jones and Bartlett Publishers,
Boston, MA (1994); Section 5-6, pp 177-178に解説されている。ペプチドは、その骨格単位から側鎖を延ばした反復する骨格構造を有することができる。一般に、各骨格単位はそれに付随する側鎖を有するが、場合によってはその側鎖は水素原子である。他の実施態様では、骨格単位の全てが付随する側鎖を有するわけではない。ペプチドエポキシド又はペプチドアジリジンにおいて有用なペプチドは二つ以上の骨格単位を有する。プロテアーゼのキモトリプシン様(CT-L)活性を阻害するのに有用ないくつかの実施態様では、2乃至8個の骨格単位が存在し、そしてCT-L阻害に有用ないくつかの好適な実施態様では2乃至6個の骨格単位が存在する。
【0022】
骨格単位から延びる側鎖には天然の脂肪族又は芳香族アミノ酸側鎖が含まれていてもよく、例えば
水素、 (グリシン)、 メチル (アラニン)、イソプロピル (バリン)、sec-ブチル (イソロイシン)、イソブチル (ロイシン)、フェニルメチル (フェニルアラニン)や、アミノ酸プロリンを構成する側鎖が含まれていてもよい。側鎖はまた他の分枝状もしくは非分枝状の脂肪族又は芳香族の基であってよく、例えばエチル、n-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、及びアリール置換誘導体、例えば1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、(1-ナフチル)メチル、(2-ナフチル)メチル、1-(1-ナフチル)エチル、1-(2-ナフチル)エチル、2-(1-ナフチル)エチル、2-(2-ナフチル)エチル、及び同様な化合物であってよい。当該のアリール基を更に、分枝状もしくは非分枝状C1-6アルキル基、あるいは置換アルキル基、アセチル等、あるいは更なるアリール基又は置換アリール基、例えばベンゾイル等、で置換することができる。ヘテロアリール基はまた側鎖置換基としても用いることができる。ヘテロアリール基には、窒素-、酸素-、及び硫黄-含有アリール基、例えばチエニル、ベンゾチエニル、ナフトチエニル、チアントレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、インドリル、プリニル、キノリル等を含めることができる。
【0023】
いくつかの実施態様では、極性又は荷電残基をペプチドエポキシド又はペプチドアジリジンに導入することができる。例えばヒドロキシ含有(Thr、Tyr、Ser)又は硫黄含有(Met、Cys)などの天然発生型のアミノ酸や、タウリン、カルニチン、シトルリン、シスチン、オルニチンノルロイシンなどの非必須アミノ酸を導入することができる。例えば一つ以上のヒドロキシ、短鎖アルコキシ、スルフィド、チオ、カルボキシル、エステル、ホスホ、アミド又はアミノ基を持つC1-6アルキル鎖又はC6-12アリール基や、あるいは一つ以上のハロゲン原子で置換されたこのような置換基など、荷電又は極性部分を持つ非天然発生型の側鎖置換基も含めることができる。いくつかの好適な実施態様では、少なくとも一つのアリール基が当該ペプチド部分の側鎖中に存在する。
【0024】
ある実施態様では、当該骨格単位はアミド単位 [-NH-CHR-C(=O)-](但し式中、Rは側鎖である)である。このような指定は、天然発生型のプロリン、又は、当業者が認識するであろう他の非天然発生型の環状二次アミノ酸を除外するものではない
【0025】
他の実施態様では、当該骨格単位はN-アルキル化アミド単位(例えばN-メチル 等)、オレフィン類似体(但し一つ以上のアミド結合がオレフィン結合で置換されている)、テトラゾール類似体(但しテトラゾール環が骨格に対してcis配座になっている)、あるいはこのような骨格結合の組合せである。更に他の実施態様では、当該アミノ酸α-炭素はアミノイソ酪酸などのα-アルキル置換により修飾される。いくつかの更なる実施態様では、側鎖は、例えば二重結合が側鎖のα及びβ原子間に存在するようなΔE又はΔZデヒドロ修飾や、あるいは、シクロプロピル基が側鎖のα及びβ原子間に存在するようなΔE又はΔZシクロプロピル修飾によって、局所的に修飾されている。アミノ酸基を用いた更に更なる実施態様ではD型アミノ酸を用いることができる。更なる実施態様には、側鎖対骨格環化、ジスルフィド結合形成、ラクタム形成、アゾ結合、そして引用をもってここに援用することとする、Robert A. Meyers編集による, VCH Publishers (1995)刊の “Molecular Biology and Biotechnology: A Comprehensive Desk Reference”, pp. 658-664 のHruby and Boteju 著、“Peptides and Mimics, Design of Conformationally Constrained” に
論じられた修飾も含めることができる。
【0026】
本発明の局面の一つは、式(I)の構造を有する化合物又は薬学的に許容可能なその塩
【0027】
【化5】

【0028】
に関し、但し式中、
各 Ar は、独立に、選択的に1乃至4個の置換基で置換される一個の芳香族又はヘテロ芳香族基であり;
各 A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはC=Oであるが;あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
B は存在しないか、あるいはN(R9)R10であるが、好ましくは存在しないとよく;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはSO2 又はC=Oであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであるが、好ましくはC1-8アルキルであり;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
X はO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択されるが、好ましくはOであり;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各 Z は、独立に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R1 はH、-C1-6アルキル-B、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され;
R2 及びR3 はそれぞれ独立にアリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及びC1-6へテロアラルキルから選択され;
R4 はN(R5)L-Q-R6であり;
R5 は 水素、OH、C1-6アラルキル、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R6 は水素、 C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NHから選択され;好ましくは一個のNキャッピング基、より好ましくはt-ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルであり;あるいは
R5 及びR6 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又は C1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R7 及びR8 は、独立に、水素、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R9 は水素、OH、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及びR12 は、独立に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択され、あるいはR11
及びR12 は共にC1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R13 は、独立に、水素、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R14 は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され;
R15 は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、-C(O)OC1-6アルキル、-C(O)NHC1-6アルキル、及びC1-6アラルキル、好ましくは C1-6アルキル
及びC1-6ヒドロキシアルキル、より好ましくはメチル、エチル、ヒドロキシメチル、及び2-ヒドロキシエチルから選択され;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない。
【0029】
いくつかの実施態様では、R1 は -C1-6アルキル-B 及びC1-6アラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R1 はヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸(又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R1 はカルボン酸及びエステルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかの実施態様では、R1 はメチル、エチル、イソプロピル、カルボキシメチル、及びベンジルから選択される。いくつかの実施態様では、R1 は-C1-6アルキル-B 及びC1-6アラルキルである。いくつかの好適なこのような実施態様では、Bは存在しない。
【0030】
いくつかの実施態様では、R2 はC1-6アラルキル及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R2 はC1-6アルキル-フェニル、C1-6アルキル-インドリル、C1-6アルキル-チエニル、C1-6アルキル-チアゾリル、及びC1-6アルキル-イゾチアゾリルから選択されるが、この場合、当該アルキル部分は6個、5個、4個、3個、2個、又は1個の炭素原子を含んでいてもよいが、好ましくは一個又は二個を含むとよい。いくつかのこのような実施態様では、R2 はヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸(又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステル)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R2 はアルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、又はシアノから選択される一個の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R2 はC1-6アルキル-フェニル及びC1-6アルキル-インドリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R2

【0031】
【化6】

【0032】
から選択されるが、但し式中、
D はH、OMe、OBut、OH、CN、CF3 及びCH3から選択される。いくつかの実施態様では、D はH、OMe、OH、CN、CF3
及びCH3から選択される。
【0033】
Dが6員環に結合しているいくつかの好適なこのような実施態様では、好ましくはこの環の4位がピリジン環の窒素に占められているような実施態様を除き、 Dは当該結合点に対して4位に結合している。
【0034】
いくつかの実施態様では、R3 はC1-6アラルキル 及びC1-6ヘテロアラルキルから選択されるが、但しこの場合、当該アルキル部分は6個、5個、4個、3個、2個、又は一個の炭素原子を含んでいてよいが、好ましくは
1個又は2個を含むとよい。いくつかのこのような実施態様では、R3 はヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸(又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R3 はアルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、又はシアノから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R3 はC1-6アルキル-フェニル 及びC1-6アルキル-インドリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R3

【0035】
【化7】

【0036】
から選択され、但し式中、
D はH、OMe、OBut、OH、CN、CF3 又はCH3. から選択される。いくつかの実施態様では、D は H、OMe、OH、CN、CF3
又は CH3から選択される。
【0037】
いくつかの実施態様では、R5 は水素であり、L は C=O 又はSO2であり、R6 は Ar-Y-であり、そして各 Ar は、独立に、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジル等から選択される。いくつかのこのような実施態様では、Ar をAr-E-で置換してもよいが、この場合 Eは一個の直接的結合、-O-、及びC1-6アルキルから選択される。Q が C1-6アルキルであるいくつかの他のこのような実施態様では、Q を、好ましくはフェニルなどの Arで置換するとよい。
【0038】
いくつかの実施態様では、R5 は 水素であり、Q は存在せず、L は C=O 又は SO2であり、そして R6 はAr-Y 及びヘテロシクリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、ヘテロシクリルはクロモニル、クロマニル、モルホリノ、及びピペリジニルから選択される。いくつかの他の好適なこのような実施態様では、Ar はフェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジル等から選択される。
【0039】
いくつかの実施態様では、R5 は水素であり、L は C=O 又は SO2であり、Q は存在せず、そしてR6 は C1-6アルケニルであるが、但しこの場合 C1-6アルケニルは一個の置換ビニル基であり、当該置換基は好ましくは
一個のアリール又はヘテロアリール基、より好ましくは選択的に1個乃至4個の置換基で置換された一個のフェニル基である。
【0040】
いくつかの実施態様では、L 及びQ は存在せず、そしてR6
はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R5は C1-6アルキルであり、そして R6 はブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルから選択される。
【0041】
他の実施態様では、L は SO2であり、Qは存在せず、そして R6 はC1-6アルキル 及び アリールから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6 はメチル 及びフェニルから選択される。
【0042】
いくつかの実施態様では、L は C=O であり、そして R6
は C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZA-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R11ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-8アルキル-、(R13)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及び R14SO2NH-から選択され、但しこの場合、 Z 及び A はそれぞれ、独立に、一個の共有結合以外であり。いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そして R6 は Hである。
【0043】
いくつかの実施態様では、R5 はC1-6アルキルであり、R6 は C1-6アルキルであり、Q は存在せず、そしてL はC=Oである。いくつかのこのような実施態様では、R6 はエチル、イソプロピル、2,2,2-トリフルオロエチル、又は 2-(メチルスルホニル)エチルである。
【0044】
他の実施態様では、L はC=Oであり、Q は存在せず、そしてR6 は C1-6アラルキルである。いくつかのこのような実施態様では、R6 は 2-フェニルエチル、フェニルメチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(4-クロロフェニル)メチル、及び(4-フルオロフェニル)メチルから選択される。
【0045】
他の実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、R5 は C1-6アルキルであり、そして R6 はアリールである。いくつかのこのような実施態様では、R6
は置換もしくは非置換フェニルである。
【0046】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そして R6 はヘテロアリール 及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6 は、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、イソキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンから選択されるヘテロアリールである。いくつかの代替的なこのような実施態様では、R6 は、ピロリルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル、イミダゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、オキサゾリルメチル、オキサジアゾリルメチル、チアゾリルメチル、チアジアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、ピラゾリルメチル、ピリジルメチル、ピラジニルメチル、ピリダジニルメチル及びピリミジニルメチルから選択されるC1-6ヘテロアラルキルである。
【0047】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、Q は存在しないか、又はOであり、そしてR6 は カルボシクリルM-(但し式中、M は C0-1アルキルである)である。いくつかのこのような実施態様では、R6 はシクロプロピル又はシクロヘキシルである。
【0048】
いくつかの実施態様では、L 及びA はC=Oであり、Q は存在せず、Z は Oであり、M は C1-8アルキルであり、好ましくは メチレンであり、そして R6 R11ZA-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、R11ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、及びヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-から選択され、但し、Aは、それぞれ独立に、一個の共有結合以外である。いくつかのこのような実施態様では、R6
は ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル- (但し式中、ヘテロシクリルは置換もしくは非置換 オキソジオキソレニル 又はN(R16)(R17)である)、但しこの場合、R16 及び R17 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、好ましくは C1-3アルキル-Y-C1-3アルキル、であることで一個の環を形成する。
【0049】
いくつかの好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、M は C1-8アルキルであり、そして R6 は (R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2NC1-8アルキル、(R13)3N+C1-8アルキル-、及び ヘテロシクリル-M-から選択される。 いくつかのこのような実施態様では、R6 は (R13)2NC1-8アルキル
又は (R13)3N+C1-8アルキル-(但し式中、R13 は C1-6アルキルである)である。いくつかの他のこのような実施態様では、R6 は ヘテロシクリルM-であるが、この場合ヘテロシクリルは
モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、及びピロリジノから選択される。
【0050】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NHから選択され、そして R6
は C1-6アルキル、シクロアルキル-M、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。他の実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NHから選択され、そしてR6
は C1-6アルキルであるが、この場合
C1-6アルキル は メチル、エチル、及び イソプロピルから選択される。更なる実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NH から選択され、そしてR6
は C1-6アラルキルであるが、この場合のアラルキルはフェニルメチルである。他の実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NHから選択され、そして R6
は C1-6ヘテロアラルキルであるが、この場合のヘテロアラルキル は (4-ピリジル)メチルである。
【0051】
いくつかの実施態様では、L は存在しないか、又は C=Oであり、そしてR5 及びR6 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、又はC1-6アルキル-Aであり、但しこの場合、Z 及び A は、それぞれ独立に、一個の共有結合以外であることで一個の環を形成する。いくつかの好適な実施態様では、L はC=Oであり、Q 及び Y は存在せず、そしてR5 及び R6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L 及びQ は存在せず、そして R5 及びR6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。 別の好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、Y はNH 及び N-C1-6アルキルから選択され、そして R5 及びR6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。
別の好適な実施態様では、L は C=Oであり、Y は存在せず、そして R5 及び R6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及び A は C=Oであり、そして R5
及び R6 は共に C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及び A は C=O であり、そして R5
及び R6 は共に C2-3アルキル-Aである。
【0052】
いくつかの実施態様では、R7 及びR8 は、独立に、水素、及びC1-6アルキルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R7 及びR8 は、独立に、 水素、及びメチルから選択される。より好適なこのような実施態様では、R7 及び R8 は両者とも 水素である。
【0053】
いくつかの実施態様では、X はOであり、R2
及び R3 は、それぞれ独立にC1-6アラルキルであり、そしてR1 はC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択されるが、いずれも選択によってはアミド、アミン、カルボン酸 (又はこれらの塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステル)、チオール、又はチオエーテル置換基のうちの一つ以上で置換される。
【0054】
当業で公知の、ペプチド合成に適したN-末端保護基には、t-ブトキシカルボニル (Boc)、ベンゾイル (Bz)、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル (Fmoc)、トリフェニルメチル(トリチル)及びトリクロロエトキシカルボニル (Troc) 等がある。例えばベンジルオキシカルボニル基又は t-ブチルオキシカルボニル基 (Boc) などの多様なN-保護基、ジシクロヘキシルカルボジイミド (DCC)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド (DIC)、1-(3-ジメチルアミドプロピル)-3-エチルカルボジイミド (EDC)、N-ヒドロキシアザベンゾトリアゾール (HATU)、カルボニルジイミダゾール、又は1-ヒドロキシベンゾトリアゾールモノヒドレート (HOBT)などの多様なカップリング試薬の使用、並びに多様な開裂条件:例えばトリフルオロ酢酸 (TFA)、塩酸のジオキサン溶液、有機溶媒(例えばメタノール又は酢酸エチル)、トリス(トリフルオロアセテート)ホウ素、及び臭化シアノゲン中のPd-C上での水素化、並びに中間産物の単離及び精製を伴う溶液中での反応、は、ペプチド合成業においては公知であり、本化合物の調製に等しく応用することができる。適した保護性のN-末端保護基はまた、例えばGreene, T.W.; Wuts, P.G.M. “Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd
ed.; Wiley: New York, 1999 or Kocienski, P. J., “Protective
Groups”, Georg Thieme Verlag, 1994に見られよう。
【0055】
いくつかの実施態様では、R1、R2、又はR3 を持つ炭素の立体化学的配置は、独立にD型又はL型である。いくつかの好適な実施態様では、それぞれR1、R2、及び R3 を持つ炭素のうちの少なくとも一つの立体化学的配置はD型である。いくつかの好適なこのような実施態様では、R1 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。いくつかのこのような実施態様では、R2 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。いくつかのこのような実施態様では、R3 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。いくつかの実施態様では、それぞれR1、R2、及び R3 を持つ炭素のうちの少なくとも二つの立体化学的配置はD型である。更に別の好適な実施態様では、それぞれR1、R2、及びR3 を持つ炭素の三つ全ての立体化学的配置はD型である。
【0056】
本発明の別の局面は、式(II)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩
【0057】
【化8】

【0058】
に関し、但し式中、
各Ar は、独立に、選択的に1乃至4個の置換基で置換される一個の芳香族又はヘテロ芳香族基であり;
各 A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはC=Oであるが;あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
B は存在しないか、あるいはN(R9)R10であるが、好ましくは存在しないとよく;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはSO2 又はC=Oであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであるが、好ましくはC1-8アルキルであり;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
X はO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択されるが、好ましくはOであり;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各 Z は独立にO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R2 及びR3 はそれぞれ独立にアリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及びC1-6へテロアラルキルから選択され;
R4 はN(R5)L-Q-R6であり;
R5 は水素、OH、C1-6アラルキル、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは
水素であり;
R6 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NHから選択され;
好ましくは一個のN-キャッピング基、より好ましくは t-ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルであり;あるいは
R5 及びR6 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又はC1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R8 は水素、C1-6アルキル、及び C1-6アラルキルから選択され、好ましくは 水素であり;
R9 は水素、OH、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及びR12 は、独立に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは 水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択され、あるいは R11 及び R12 は共に C1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各 R13 は、独立に、水素、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R14 は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択され;
R15 は水素、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、-C(O)OC1-6アルキル、-C(O)NHC1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから、好ましくは C1-6アルキル
及び C1-6ヒドロキシアルキルから、より好ましくは メチル、エチル、ヒドロキシメチル、及び2-ヒドロキシエチルから選択され;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない。
【0059】
いくつかの実施態様では、R2 はC1-6アラルキル 及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R2 は C1-6アルキル-フェニル、C1-6アルキル-インドリル、C1-6アルキル-チエニル、C1-6アルキル-チアゾリル、及びC1-6アルキル-イゾチアゾリルから選択されるが、この場合、当該アルキル部分は6個、5個、4個、3個、2個又は一個の炭素原子を含有していてよく、好ましくは1個又は2個を含有するとよい。いくつかのこのような実施態様では、R2 は ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸 (又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及び
アリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテルから選択される一個以上の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R2 はアルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、又は シアノから選択される一個の置換基で置換される。
いくつかのこのような実施態様では、R2 は C1-6アルキル-フェニル 及びC1-6アルキル-インドリルから選択される。 いくつかの好適なこのような実施態様では、R2

【0060】
【化9】

【0061】
から選択されるが、但し式中、D は H、OMe、OBut、OH、CN、CF3 及び CH3から選択される。いくつかの実施態様では、D は H、OMe、OH、CN、CF3
及び CH3から選択される。
【0062】
Dが6員環に結合しているようないくつかの好適なこのような実施態様では、Dは、当該結合点に対して4位に結合しており、この場合好ましくは当該環の4位がピリジン環の窒素に占められているような実施態様を除く。
【0063】
いくつかの実施態様では、R3 はC1-6アラルキル及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかでは、当該アルキル部分は6個、5個、4個、3個、2個又は一個の炭素原子を含有していてよく、好ましくは1個又は2個を含有するとよい。いくつかのこのような実施態様では、R3 はヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸(又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。
いくつかのこのような実施態様では、R3 はアルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、又はシアノから選択される一個の置換基で置換される。
いくつかのこのような実施態様では、R3 はC1-6アルキル-フェニル 及び C1-6アルキル-インドリルから選択される。 いくつかの好適なこのような実施態様では、R3

【0064】
【化10】

【0065】
から選択されるが、但し式中、 D はH、OMe、OBut、OH、CN、CF3 又はCH3 から選択される。いくつかの実施態様では、D は H、OMe、OH、CN、CF3
又は CH3から選択される。
【0066】
いくつかの実施態様では、R5 は水素であり、L は C=O 又は SO2であり、R6 は Ar-Y-であり、そして各 Ar は、独立に、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジル等から選択される。
いくつかのこのような実施態様では、Ar はAr-E-で置換されてよく、この場合 E は一個の直接的結合、-O-、及び
C1-6アルキルから選択される。 Q が
C1-6アルキルである、いくつか他のこのような実施態様では、Qは置換されており、好ましくはフェニルなどのArで置換されているとよい。
【0067】
いくつかの実施態様では、R5 は水素であり、Q は存在せず、L は C=O 又は SO2であり、そして R6 はAr-Y 及び ヘテロシクリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、ヘテロシクリルはクロモニル、クロマニル、モルホリノ、及びピペリジニルから選択される。いくつか他の好適なこのような実施態様では、Ar はフェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジル等から選択される。
【0068】
いくつかの実施態様では、R5 は 水素であり、L は C=O 又は SO2であり、Q は存在せず、そして R6 は C1-6アルケニルであるが、但しこの場合 C1-6アルケニルは一個の置換ビニル基(但し当該置換基は
好ましくはアリール又はヘテロアリール基、より好ましくは、1個乃至4個の置換基で置換されたフェニル基、であるとよい)である。
【0069】
いくつかの実施態様では、L 及びQ は存在せず、そしてR6
はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。 いくつかのこのような実施態様では、R5 は C1-6アルキルであり、そしてR6 はブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルから選択される。
【0070】
他の実施態様では、L は SO2であり、Q は存在せず、そして R6 は C1-6アルキル 及びアリールから選択される。 いくつかのこのような実施態様では、R6 はメチル及びフェニルから選択される。
【0071】
いくつかの実施態様では、L は C=O であり、そして R6
はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZA-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R11ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-8アルキル-、(R13)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NH-から選択され、この場合、各Z及びAは、独立に、一個の共有結合以外である。いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そしてR6 はHである。
【0072】
いくつかの実施態様では、R5 は C1-6アルキルであり、R6 は C1-6アルキルであり、Q は存在せず、そして L は C=Oである。いくつかのこのような実施態様では、R6 は エチル、イソプロピル、2,2,2-トリフルオロエチル、又は 2-(メチルスルホニル)エチルである。
【0073】
他の実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そしてR6 は C1-6アラルキルである。
いくつかのこのような実施態様では、R6 は2-フェニルエチル、フェニルメチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(4-クロロフェニル)メチル、及び(4-フルオロフェニル)メチルから選択される。
【0074】
他の実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、R5は C1-6アルキルであり、そしてR6 は アリールである。 いくつかのこのような実施態様では、R6
は 置換もしくは非置換 フェニルである。
【0075】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そしてR6 はヘテロアリール 及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。
いくつかのこのような実施態様では、R6 は、 ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、イソキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン
及びピリミジンから選択されるヘテロアリールである。いくつかの代替的なこのような実施態様では、R6 は、ピロリルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル、イミダゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、オキサゾリルメチル、オキサジアゾリルメチル、チアゾリルメチル、チアジアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、ピラゾリルメチル、ピリジルメチル、ピラジニルメチル、ピリダジニルメチル
及びピリミジニルメチルから選択されるC1-6ヘテロアラルキルである。
【0076】
いくつかの実施態様では、L は C=O、Q は存在しないか、又はOであり、そして R6 は カルボシクリルM-(但し式中、M は C0-1アルキルである)である。
いくつかのこのような実施態様では、R6 はシクロプロピル又はシクロヘキシルである。
【0077】
いくつかの実施態様では、L 及びA はC=Oであり、Q は存在せず、Z は Oであり、M は C1-8アルキル、好ましくは メチレンであり、そしてR6 は R11ZA-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、R11ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、及び ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-から選択され、但しこの場合、各Aは、独立に、一個の共有結合以外である。いくつかのこのような実施態様では、R6
は ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル- (但し式中、ヘテロシクリル は置換もしくは非置換 オキソジオキソレニル 又は N(R16)(R17)である)であり、この場合 R16 及びR17 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、好ましくは C1-3アルキル-Y-C1-3アルキル、であることで一個の環を形成する。
【0078】
いくつかの好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、M は C1-8アルキルであり、そしてR6 は (R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2NC1-8アルキル、(R13)3N+C1-8アルキル-、及びヘテロシクリル-M-から選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6 は (R13)2NC1-8アルキル
又は (R13)3N+C1-8アルキル-(但し式中、 R13 は C1-6アルキルである)である。いくつか他のこのような実施態様では、R6 は ヘテロシクリルM-(但し式中、ヘテロシクリル
はモルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、及び ピロリジノから選択される)である。
【0079】
いくつかの実施態様では、L はC=Oであり、R5
はC1-6アルキルであり、Q はO 及び NH から選択され、そしてR6
は C1-6アルキル、シクロアルキルM、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。他の実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NHから選択され、そして R6
は C1-6アルキル(但し式中、C1-6アルキル
はメチル、エチル、及びイソプロピルから選択される)である。更なる実施態様では、L は C=Oであり、R5 は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NH から選択され、そしてR6
は C1-6アラルキル(但し式中、アラルキルは フェニルメチルである)である。他の実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NHから選択され、そして R6 はC1-6ヘテロアラルキル(但し式中、ヘテロアラルキル は (4-ピリジル)メチルである)である。
【0080】
いくつかの実施態様では、L は存在しないか、又は C=Oであり、そして R5 及びR6 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、又は C1-6アルキル-Aであり、但しこの場合、各 Z 及び A は、独立に、一個の共有結合以外であることで一個の環を形成する。いくつかの好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q 及び Y は存在せず、そしてR5 及び R6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L 及び Q は存在せず、そしてR5 及び R6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。 別の好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、Y はNH 及びN-C1-6アルキルであり、そしてR5 及びR6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。
別の好適な実施態様では、L は C=Oであり、Y は存在せず、そしてR5 及び R6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及びA は C=Oであり、そしてR5
及び R6 は共に C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及び A は C=O であり、そして R5
及び R6 は共に C2-3アルキル-Aである。
【0081】
いくつかの実施態様では、R8 は 水素及びC1-6アルキルから選択される。
いくつかの好適なこのような実施態様では、R8 は 水素及びメチルから選択される。 より好適なこのような実施態様では、R8 は 水素である。
【0082】
いくつかの実施態様では、X は Oであり、R2
及び R3 は、それぞれ独立に、 C1-6アラルキルであり、そして R1 はC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され、但しこれらのうちのいずれかは選択に応じて、アミド、アミン、カルボン酸(又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステル)、チオール、又はチオエーテル置換基のうちの一つ以上で置換される。
【0083】
いくつかの実施態様では、R2 又は R3 を持つ炭素の立体化学的配置は、独立に、D型又はL型である。いくつかの好適な実施態様では、それぞれ R2 及びR3 を持つ炭素のうちの少なくとも一つの立体化学的配置はD型である。いくつかのこのような実施態様では、R2 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。このような実施態様では、R3 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。いくつかの実施態様では、それぞれR2 及びR3 を持つ炭素の両方の立体化学的配置はD型である。
【0084】
本発明の別の局面は、式(III)の構造を有する化合物又はその許容可能な塩
【0085】
【化11】

【0086】
各 A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはC=Oであるが;あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
B は存在しないか、あるいはN(R9)R10であるが、好ましくは存在しないとよく;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはSO2 又はC=Oであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであるが、好ましくはC1-8アルキルであり;
Wは -CHO 及び-B(OR11)2から選択され;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各 Z は、独立に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R1 はH、-C1-6アルキル-B、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され;
R2 及びR3 はそれぞれ独立にアリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及びC1-6へテロアラルキルから選択され;
R4 はN(R5)L-Q-R6であり;
R5 は 水素、OH、C1-6アラルキル、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R6 は水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NHから選択され;
好ましくは 一個のN-キャッピング基、より好ましくは t-ブトキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルであり;あるいは
R5 及び R6 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又は C1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R7 及びR8 は、独立に、水素、C1-6アルキル、及び C1-6アラルキルから選択され、好ましくは水素であり;
R9 は 水素、OH、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及び R12 は、独立に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択され、あるいは R11 及び R12 は共に C1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各 R13 は、独立に、水素、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R14 は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択され;
各 R16 は、独立に、 水素、及びC1-6アルキルから選択され;あるいはR11 が二つあるときは共に C1-6アルキルであることで、介在するホウ素、及び、これらが結合した相手の酸素原子と一緒になって一個の環を形成していてもよく;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない。
【0087】
いくつかの実施態様では、R1 は -C1-6アルキル-B 及び C1-6アラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R1 は ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸(又はその塩)、エステル( C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R1 はカルボン酸 及びエステルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかの実施態様では、R1 は メチル、エチル、イソプロピル、カルボキシメチル、及びベンジルから選択される。いくつかの実施態様では R1 は -C1-6アルキル-B 及び C1-6アラルキルである。いくつかの好適なこのような実施態様では、B は存在しない。
【0088】
いくつかの実施態様では、R2 はC1-6アラルキル及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。 いくつかのこのような実施態様では、R2 は C1-6アルキル-フェニル、C1-6アルキル-インドリル、C1-6アルキル-チエニル、C1-6アルキル-チアゾリル、及びC1-6アルキル-イゾチアゾリルから選択されるが、但しこの場合、当該アルキル部分は、6個、5個、4個、3個、2個又は1個の炭素原子を含んでいてよいが、好ましくは
1個又は2個を含むとよい。いくつかのこのような実施態様では、R2 はヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸
(又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステル)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R2 は、アルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、又は シアノから選択される1個の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R2 はC1-6アルキル-フェニル 及び C1-6アルキル-インドリルから選択される。 いくつかの好適なこのような実施態様では、R2

【0089】
【化12】

【0090】
から選択されるが、但し式中、
D はH、OMe、OBut、OH、CN、CF3 及び CH3 から選択される。いくつかの実施態様では、 D は H、OMe、OH、CN、CF3
及びCH3.から選択される。
【0091】
Dが6員環に結合しているようないくつかの好適なこのような実施態様では、好ましくは環の4位がピリジン環の窒素に占められているような実施態様を除き、Dは、当該結合点に対して4位に結合している。
【0092】
いくつかの実施態様では、R3 はC1-6アラルキル及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかでは、当該アルキル部分は6個、5個、4個、3個、2個又は1個の炭素原子を含んでいてよいが、好ましくは
1個又は2個を含むとよい。いくつかのこのような実施態様では、R3 はヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸
(又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R3 は アルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、又はシアノから選択される1個の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R3 はC1-6アルキル-フェニル 及びC1-6アルキル-インドリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R3

【0093】
【化13】

【0094】
から選択されるが、但し式中、D は H、OMe、OBut、OH、CN、CF3 又は CH3 から選択される。
いくつかの実施態様では、D はH、OMe、OH、CN、CF3 又は CH3から選択される。
【0095】
いくつかの実施態様では、R5は水素であり、Lは C=O 又は SO2であり、R6 は Ar-Y-であり、そして各 Ar は、独立に、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジル等から選択される。いくつかのこのような実施態様では、Ar は Ar-E-(但し式中、E は1個の直接的な結合、-O-、及び C1-6アルキル)で置換されてもよい。Q が C1-6アルキルであるようないくつかの他のこのような実施態様では、 Qは好ましくはフェニルなどのArで置換されてもよい。
【0096】
いくつかの実施態様では、R5 は 水素であり、Q は存在せず、L は C=O 又はSO2であり、そしてR6 はAr-Y 及び ヘテロシクリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、ヘテロシクリルは
クロモニル、クロマニル、モルホリノ、及びピペリジニルから選択される。いくつか他の好適なこのような実施態様では、Ar はフェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジル等から選択される。
【0097】
いくつかの実施態様では、R5 は 水素であり、L は C=O 又は SO2であり、Q は存在せず、そしてR6 は C1-6アルケニル(但し式中、C1-6アルケニルは置換ビニル基であり、この場合の当該置換基は好ましくはアリール又はヘテロアリール基、より好ましくは、選択的に1個乃至4個の置換基で置換されたフェニル基であるとよい。
【0098】
いくつかの実施態様では、L 及び Q は存在せず、そして R6
は C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R5 は C1-6アルキルであり、そしてR6 はブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルから選択される。
【0099】
他の実施態様では、L はSO2であり、Q は存在せず、そして R6 は C1-6アルキル及び アリールから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6 はメチル及びフェニルから選択される。
【0100】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、そして R6
はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZA-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R11ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-8アルキル-、(R13)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NH-から選択され、但しこの場合、各 Z 及びA は、独立に、1個の共有結合以外である。いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そしてR6 は Hである。
【0101】
いくつかの実施態様では、R5 は C1-6アルキルであり、R6 は C1-6アルキルであり、Q は存在せず、そしてL は C=Oである。いくつかのこのような実施態様では、R6 は エチル、イソプロピル、2,2,2-トリフルオロエチル、又は 2-(メチルスルホニル)エチルである。
【0102】
他の実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そしてR6 は C1-6アラルキルである。いくつかのこのような実施態様では、R6 は 2-フェニルエチル、フェニルメチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(4-クロロフェニル)メチル、及び (4-フルオロフェニル)メチルから選択される。
【0103】
他の実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、R5 は C1-6アルキルであり、そして R6 は アリールである。いくつかのこのような実施態様では、R6
は置換もしくは非置換 フェニルである。
【0104】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そして R6 はヘテロアリール及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6 はピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、イソキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン
及びピリミジンから選択されるヘテロアリールである。いくつかの代替的なこのような実施態様では、R6 は、ピロリルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル、イミダゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、オキサゾリルメチル、オキサジアゾリルメチル、チアゾリルメチル、チアジアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、ピラゾリルメチル、ピリジルメチル、ピラジニルメチル、ピリダジニルメチル及びピリミジニルメチルから選択されるC1-6ヘテロアラルキルである。
【0105】
いくつかの実施態様では、Lは C=Oであり、Q は存在しないか、又はOであり、そしてR6 はカルボシクリルM-(但し式中、M はC0-1アルキルである)である。
いくつかのこのような実施態様では、R6 は シクロプロピル 又はシクロヘキシルである。
【0106】
いくつかの実施態様では、L 及び A はC=Oであり、Q は存在せず、Z はOであり、M はC1-8アルキル、好ましくは メチレン、であり、そしてR6 は R11ZA-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、R11ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、及び ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-から選択され、但しこの場合、Aは、独立に、1個の共有結合以外である。いくつかのこのような実施態様では、R6
はヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-(但しこの場合、ヘテロシクリルは置換もしくは非置換 オキソジオキソレニル 又は N(R16)(R17)である)であり、この場合 R16 及び R17 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、好ましくは C1-3アルキル-Y-C1-3アルキル、であることで、1個の環を形成する。
【0107】
いくつかの好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、M は C1-8アルキルであり、そしてR6 は (R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2NC1-8アルキル、(R13)3N+C1-8アルキル-、及びヘテロシクリル-M-から選択される。 いくつかのこのような実施態様では、R6 は (R13)2NC1-8アルキル
又は (R13)3N+C1-8アルキル-(但し式中、 R13 は C1-6アルキルである)である。いくつかの他のこのような実施態様では、R6 はヘテロシクリルM-(但しこの場合のヘテロシクリル
はモルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、及びピロリジノから選択される)である。
【0108】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NH から選択され、そしてR6
はC1-6アルキル、シクロアルキルM、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。他の実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q は O 及びNHから選択され、そしてR6
は C1-6アルキル(但しこの場合、 C1-6アルキルはメチル、エチル、及び
イソプロピルから選択される)である。更なる実施態様では、L はC=Oであり、R5 は C1-6アルキルであり、Q はO 及びNH から選択され、そしてR6 は C1-6アラルキル(但しこの場合のアラルキルはフェニルメチルである)である。他の実施態様では、L は C=Oであり、R5
はC1-6アルキルであり、Q は O 及びNHから選択され、そしてR6
は C1-6ヘテロアラルキル(但しこの場合のヘテロアラルキル は (4-ピリジル)メチルである)である。
【0109】
いくつかの実施態様では、L は存在しないか、又は C=Oであり、そしてR5 及びR6 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、又は C1-6アルキル-Aであり、但しこの場合、各 Z 及び Aは、独立に、一個の共有結合以外であることで1個の環を形成する。いくつかの好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q 及びY は存在せず、そして R5 及びR6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及びQ は存在せず、そしてR5 及び R6 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。 別の好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、Y はNH 及び N-C1-6アルキルから選択され、そしてR5 及び R6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。
別の好適な実施態様では、L はC=Oであり、Y は存在せず、そして R5 及び R6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及び A はC=Oであり、そしてR5
及びR6 は共に C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及び Aは C=Oであり、そしてR5
及び R6 は共にC2-3アルキル-Aである。
【0110】
いくつかの実施態様では、R7 及び R8 は、独立に、水素及び C1-6アルキルから選択される。 いくつかの好適なこのような実施態様では、R7 及びR8 は、独立に、水素及びメチルから選択される。より好適なこのような実施態様では、R7 及び R8 は両者とも水素である。
【0111】
いくつかの実施態様では、X は Oであり、R2
及び R3 は、それぞれ独立に、 C1-6アラルキルであり、そして R1 は C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択されるが、そのいずれも、選択的には、アミド、アミン、カルボン酸 (又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及び
アリールエステルを含む)、チオール、又は チオエーテル置換基のうちの一つ以上で置換される。
【0112】
いくつかの実施態様では、R1、R2、又はR3 を持つ炭素の立体化学的配置は、独立に、D型又はL型である。いくつかの好適な実施態様では、それぞれ、R1、R2、及びR3 を持つ炭素のうちの少なくとも一つの立体化学的配置はD型である。いくつかの好適なこのような実施態様では、R1 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。いくつかのこのような実施態様では、R2 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。いくつかのこのような実施態様では、R3 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。いくつかの実施態様では、それぞれR1、R2、及びR3 を持つ炭素のうちの少なくとも2つの立体化学的配置はD型である。更に別の好適な実施態様では、それぞれR1、R2、及びR3 を持つ炭素の三つすべての立体化学的配置はD型である。
【0113】
本発明の別の局面は、式(IV)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩
【0114】
【化14】

【0115】
に関し、但し式中、
各 A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはC=Oであるが;あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
L は存在しないか、あるいはC=O、C=S、及びSO2 から選択され、好ましくはSO2 又はC=Oであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであるが、好ましくはC1-8アルキルであり;
Wは -CHO 及び-B(OR11)2から選択され;
Q は存在しないか、あるいはO、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各 Z は、独立に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され、好ましくはOであり;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R2 及び R3 は、それぞれ独立に、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択され;
R4 は N(R5)L-Q-R6であり;
R5 は 水素、OH、C1-6アラルキル、及び C1-6アルキルから選択され、好ましくは
水素であり;
R6 は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及び R14SO2NHから選択される;好ましくは
一個のN-キャッピング基であり、より好ましくは t-ブトキシカルボニル
又はベンジルオキシカルボニルであり;あるいは
R5 及びR6 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又は C1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R8 は水素、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され、好ましくは 水素であり;
R9 は水素、OH、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及びR12 は、独立に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され、好ましくは水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択されるとよく、あるいはR11
及び R12 は共に C1-6アルキルであることで一個の環を形成し;
各R13 は、独立に、水素、及びC1-6アルキルから選択され、好ましくは C1-6アルキルであり;そして
R14 は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択され;
各R16 は、独立に、水素、及びC1-6アルキルから選択され;あるいはR11 が二つある場合はこれらは共にC1-6アルキルであることで、介在するホウ素、及び、これらが結合した相手の酸素原子と共に一個の環を形成していてもよく;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない。
【0116】
いくつかの実施態様では、R2 は C1-6アラルキル及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。 いくつかのこのような実施態様では、R2 は C1-6アルキル-フェニル、C1-6アルキル-インドリル、C1-6アルキル-チエニル、C1-6アルキル-チアゾリル、及びC1-6アルキル-イゾチアゾリルから選択され、但しこの場合、当該アルキル部分は6個、5個、4個、3個、2個又は1個の炭素原子を含んでいてもよいが、好ましくは1個又は2個を含むとよい。いくつかのこのような実施態様では、R2 はヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸 (又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステル)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R2 は、アルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、又はシアノから選択される置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R2 は、C1-6アルキル-フェニル 及びC1-6アルキル-インドリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R2

【0117】
【化15】

【0118】
から選択されるが、但し式中、H、OMe、OBut、OH、CN、CF3
及びCH3から選択される。いくつかの実施態様では、 Dは、 H、OMe、OH、CN、CF3
及びCH3から選択される。
【0119】
Dが6員環に結合しているような、いくつかの好適なこのような実施態様では、D は、好ましくは環の4位がピリジン環の窒素に占められているような実施態様を除き、当該結合点に対して4位に結合している。
【0120】
いくつかの実施態様では、R3 は C1-6アラルキル 及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかでは、当該アルキル部分は6個、5個、4個、3個、2個又は1個の炭素原子を含んでもよいが、好ましくは
1個又は2個を含むとよい。いくつかのこのような実施態様では、 R3 は、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸
(又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテルから選択される一つ以上の置換基で置換される。 いくつかのこのような実施態様では、R3 は、アルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、又はシアノから選択される置換基で置換される。いくつかのこのような実施態様では、R3 は C1-6アルキル-フェニル 及びC1-6アルキル-インドリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R3

【0121】
【化16】

【0122】
から選択されるが、但し式中、D は H、OMe、OBut、OH、CN、CF3 又はCH3から選択される。 いくつかの実施態様では、D はH、OMe、OH、CN、CF3 又は
CH3から選択される。
【0123】
いくつかの実施態様では、R5 は水素であり、L はC=O 又はSO2であり、R6 はAr-Y-であり、そして各 Ar は、独立に、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジル等から選択される。いくつかのこのような実施態様では、Ar は Ar-E-(但し式中、E は一個の直接的な結合、-O-、及び C1-6アルキルから選択される)で置換されてよい。 Q が C1-6アルキルであるような、いくつか他のこのような実施態様では、Q は、好ましくはフェニルなどのArで置換されるとよいであろう。
【0124】
いくつかの実施態様では、R5 は水素であり、Q は存在せず、L は C=O 又は SO2であり、そしてR6 はAr-Y 及びヘテロシクリルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、ヘテロシクリルは
クロモニル、クロマニル、モルホリノ、及びピペリジニルから選択される。いくつか他の好適なこのような実施態様では、Ar はフェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジル等から選択される。
【0125】
いくつかの実施態様では、R5 は 水素であり、L はC=O 又は SO2であり、Q は存在せず、そしてR6 は C1-6アルケニル(但し式中、C1-6アルケニル
は一個の置換ビニル基であり、この場合の当該置換基は好ましくは アリール又はヘテロアリール基、より好ましくは、選択的には1個乃至4個の置換基で置換されたフェニル基であるとよい)である。
【0126】
いくつかの実施態様では、L 及びQ は存在せず、そして R6
はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R5 は C1-6アルキルであり、そしてR6 はブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルから選択される。
【0127】
他の実施態様では、L は SO2であり、Q は存在せず、そして R6 はC1-6アルキル及びアリールから選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6 はメチル及びフェニルから選択される。
【0128】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、そしてR6
はC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、C1-6ヘテロアラルキル、R11ZA-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、R11ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-8アルキル-、(R13)3N+-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及び R14SO2NH-から選択され、但しこの場合、各 Z 及び A は、独立に、一個の共有結合以外である。いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そしてR6 は Hである。
【0129】
いくつかの実施態様では、R5 は C1-6アルキルであり、R6 は C1-6アルキルであり、Q は存在せず、そしてL は C=Oである。いくつかのこのような実施態様では、R6 は エチル、イソプロピル、2,2,2-トリフルオロエチル、又は 2-(メチルスルホニル)エチルである。
【0130】
他の実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、そして R6 は C1-6アラルキルである。いくつかのこのような実施態様では、R6 は2-フェニルエチル、フェニルメチル、(4-メトキシフェニル)メチル、(4-クロロフェニル)メチル、及び (4-フルオロフェニル)メチルから選択される。
【0131】
他の実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、R5 は C1-6アルキルであり、そして R6 はアリールである。いくつかのこのような実施態様では、R6
は 置換もしくは非置換 フェニルである。
【0132】
いくつかの実施態様では、L は C=O、Q は存在せず、そして R6 はヘテロアリール 及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される。
いくつかのこのような実施態様では、R6 は、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、イソキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン
及びピリミジンから選択されるヘテロアリールである。いくつかの代替的なこのような実施態様では、R6 は、ピロリルメチル、フラニルメチル、チエニルメチル、イミダゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、オキサゾリルメチル、オキサジアゾリルメチル、チアゾリルメチル、チアジアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、ピラゾリルメチル、ピリジルメチル、ピラジニルメチル、ピリダジニルメチル
及び ピリミジニルメチルから選択されるC1-6ヘテロアラルキルである。
【0133】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在しないか、又は Oであり、そしてR6 は カルボシクリルM-(但し式中、M は C0-1アルキルである)である。いくつかのこのような実施態様では、R6 は シクロプロピル又はシクロヘキシルである。
【0134】
いくつかの実施態様では、L 及びAはC=Oであり、Q は存在せず、Z は Oであり、M は C1-8アルキル、好ましくは メチレン、であり、そしてR6 は R11ZA-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、R11ZA-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-Z-C1-8アルキル-、及び ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-から選択され、但しこの場合、各 A は、独立に、一個の共有結合以外である。いくつかのこのような実施態様では、R6
は ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-(この場合のヘテロシクリルは 置換もしくは非置換 オキソジオキソレニル 又は N(R16)(R17)である)であり、但しこの場合、R16 及びR17 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、好ましくは C1-3アルキル-Y-C1-3アルキル、であることで一個の環を形成する。
【0135】
いくつかの好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、M は C1-8アルキルであり、そしてR6 は (R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2NC1-8アルキル、(R13)3N+C1-8アルキル-、及び ヘテロシクリル-M-から選択される。いくつかのこのような実施態様では、R6 は (R13)2NC1-8アルキル
又は (R13)3N+C1-8アルキル-(但し式中、 R13 は C1-6アルキルである)である。いくつか他のこのような実施態様では、R6 は ヘテロシクリルM-(但しこの場合のヘテロシクリル
モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、及び ピロリジノから選択される)である。
【0136】
いくつかの実施態様では、L は C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q はO 及び NH から選択され、そしてR6
は C1-6アルキル、シクロアルキルM、C1-6アラルキル、及び C1-6ヘテロアラルキルから選択される。
他の実施態様では、L は C=Oであり、R5 は C1-6アルキルであり、Q は O 及び NHから選択され、そしてR6 は C1-6アルキル(但しこの場合の C1-6アルキルはメチル、エチル、及びイソプロピルから選択される)である。 更なる実施態様では、Lは C=Oであり、R5
は C1-6アルキルであり、Q はO及び NH から選択され、そしてR6
は C1-6アラルキル(但しこの場合のアラルキルはフェニルメチルである)である。
他の実施態様では、L は C=Oであり、R5 は C1-6アルキルであり、Q はO 及びNHから選択され、そしてR6 は C1-6ヘテロアラルキル(但しこの場合のヘテロアラルキル
は (4-ピリジル)メチルである)である。
【0137】
いくつかの実施態様では、L は存在しないか、あるいはC=Oであり、そしてR5 及びR6 は共に C1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZA-C1-6アルキル、又はC1-6アルキル-Aであり、ただしこの場合、各Z 及びA は、独立に、一個の共有結合以外であることで一個の環を形成する。いくつかの好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q 及び Y は存在せず、そしてR5 及びR6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及びQ は存在せず、そしてR5 及びR6 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L は C=Oであり、Q は存在せず、Y はNH 及びN-C1-6アルキルから選択され、そしてR5 及びR6 は共にC1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。別の好適な実施態様では、L は C=Oであり、Y は存在せず、そしてR5 及び R6 は共に C1-3アルキル-Y-C1-3アルキルである。
別の好適な実施態様では、L 及び A は C=Oであり、そしてR5 及び R6 は共に C1-2アルキル-ZA-C1-2アルキルである。 別の好適な実施態様では、L 及び A はC=Oであり、そして R5
及び R6 は共に C2-3アルキル-Aである。
【0138】
いくつかの実施態様では、R8 は水素及びC1-6アルキルから選択される。いくつかの好適なこのような実施態様では、R8 は水素及びメチルから選択される。より好適なこのような実施態様では、R8 は水素である。
【0139】
いくつかの実施態様では、X はOであり、R2
及びR3 は、それぞれ独立に、C1-6アラルキルであり、そしてR1 はC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択されるが、そのいずれも、選択的には、アミド、アミン、カルボン酸 (又はその塩)、エステル(C1-6アルキルエステル、C1-5アルキルエステル、及びアリールエステルを含む)、チオール、又はチオエーテル置換基のうちの一つ以上で置換される。
【0140】
いくつかの実施態様では、R2 又はR3 を持つ炭素の立体化学的配置はD型又はL型である。いくつかの好適な実施態様では、それぞれR2 及びR3 を持つ炭素のうちの少なくとも一つの立体化学的配置はD型である。いくつかのこのような実施態様では、R2 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。このような実施態様では、R3 を持つ炭素の立体化学的配置はD型である。いくつかの実施態様では、それぞれR2 及びR3 を持つ炭素の両方の立体化学的配置はD型である。
【0141】
本発明の局面の一つは、構成的プロテアソーム活性よりも免疫プロテアソーム活性を優先的に阻害する阻害剤に関する。いくつかの実施態様では、構成的プロテアソーム活性の検定において、式I乃至IVのいずれか一つの化合物のEC50
比を、免疫プロテアソーム活性の検定における同じ化合物のEC50 比に比べると1より大きい。いくつかのこのような実施態様では、前記EC50 は、2、3、4、又はさらには5よりも大きい。構成的プロテアソーム活性及び免疫プロテアソーム活性の判定に適した検定法をここに解説する(実施例18を参照されたい)。
【0142】
用語「Cx-yアルキル」とは、トリフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロエチルなどのハロアルキル基を含め、 x乃至y個の炭素を鎖中に含有する、直鎖アルキル及び分枝状アルキル基を含む、置換もしくは非置換飽和炭化水素基を言う。 C0アルキルとは、基が末端の位置にあるときには水素を指し、基が内側にあるときには一個の結合を指す。用語「C2-yアルケニル」及び「C2-yアルキニル」とは、上述のアルキルに長さ及び可能な置換の点で同様であるが、それぞれ少なくとも一個の二重又は三重結合を含有するような置換もしくは非置換不飽和脂肪族の基を言う。
【0143】
用語「アルコキシ」とは、酸素をそれに結合させて有するアルキル基を言う。代表的なアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、t-ブトキシ等がある。「エーテル」とは、酸素により共有結合でつながれた2つの炭化水素である。従って、アルキルをエーテルにするようなアルキルの置換基はアルコキシであるか、又はアルコキシに似ている。
【0144】
用語「C1-6アルコキシアルキル」とは、アルコキシ基で置換されることでエーテルを形成しているような C1-6アルキル基を言う。
【0145】
用語「C1-6アラルキル」とは、ここで用いられる場合、アリール基で置換された C1-6アルキル基を言う。
【0146】
用語「アミン」及び「アミノ」は当業で公知であり、非置換及び置換アミノの両者並びにこれらの塩を言い、例えば一般式:
【0147】
【化17】

【0148】
で表すことのできる部分であるが、但し式中、R9、R10 及びR10’ は、それぞれ独立に、一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル、-(CH2)m-R8を表し、あるいは R9 及び R10 は、これらが結合した相手のN原子と一緒になって、環構造内に4乃至8個の原子を有する複素環を完成し;R8
は一個のアリール、一個のシクロアルキル、一個のシクロアルケニル、一個のヘテロシクリル又は一個のポリシクリルを表し;そしてm はゼロ又は1乃至8の整数である。好適な実施態様では、R9 又は R10 の一方のみが一個のカルボニルであってよく、例えば、R9、R10、及び窒素は共に一個のイミドを形成していない。更により好適な実施態様では、R9 及びR10 (及び選択的にはR10’)は、それぞれ独立に、一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル、又は-(CH2)m-R8を表す。いくつかの実施態様では、アミノ基は塩基性であり、つまりそれが7.00より大きい pKa を有することを意味する。プロトン付加した形のこれらの官能基は7.00よりも大きいpKas を有する。
【0149】
用語「アミド」及び「アミド」はアミノ置換カルボニルとして当業で公知であり、一般式:
【0150】
【化18】

【0151】
で表すことのできる部分を含み、但し式中、R9、R10 は上に定義した通りである。アミドの好適な実施態様には、不安定な可能性のあるイミドは含まれないであろう。
【0152】
ここで用いられる場合の用語「アリール」には、当該環の各原子が炭素であるような5-、6-、及び7員環置換もしくは非置換単環芳香族の基がある。用語「アリール」には、更に、二つ以上の炭素が2つの隣り合う環に共通である二つ以上の環状の環を有し、当該環のうちの少なくとも一つが芳香族であり、例えばその他の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリルであってもよいような多環式の環系も含まれる。アリール基には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリン等がある。
【0153】
ここで用いられる場合の用語「炭素環」及び「カルボシクリル」とは、当該環の各原子が炭素であるような非芳香族の置換もしくは非置換環を言う。用語「炭素環」及び「カルボシクリル」にはまた、二つ以上の炭素が2つの隣り合う環に共通である二つ以上の環状の環を有し、当該環のうちの少なくとも一つが炭素環であって、例えばその他の環が、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリルであってもよいような多環式の環系も含まれる。
【0154】
用語「カルボニル」は当業で公知であり、一般式:
【0155】
【化19】

【0156】
で表すことのできる部分を含み、但し式中、 X は一個の結合であるか、あるいは一個の酸素又は一個の硫黄を表し、そしてR11
は一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル、-(CH2)m-R8
又はこれらの薬学的に許容可能な塩を表し、R11’ は一個の水素、一個のアルキル、一個のアルケニル
又は-(CH2)m-R8(但し m 及び R8 は上に定義したとおりである)を表す。X が酸素であり、そしてR11 又はR11’ が水素でない場合、前記式は「エステル」を表す。Xが酸素であり、そしてR11 が水素である場合、前記式は「カルボン酸」を表す。
【0157】
ここで用いられる場合の「酵素」は、触媒的な態様で化学反応を行なえば、いずれの部分的又は全体的にタンパク質性の分子であってもよい。このような酵素は、天然の酵素、融合酵素、プロ酵素、アポ酵素、変性酵素、ファルネシル化酵素、ユビキチン結合酵素、脂肪酸アシル化酵素、ゲランゲラニル化(原語:gerangeranylated)酵素、GPI-結合酵素、脂質結合酵素、プレニル化酵素、天然発生型又は人工生成型変異酵素、側鎖又は骨格修飾を持つ酵素、リーダ配列を有する酵素、及び、プロテオグリカン、プロテオリポソームなどの非タンパク質性物質と複合体形成した酵素であってもよい。酵素は、天然の発現、促進された発現、クローニング、多様な溶液ベース及び固体ベースのペプチド合成、並びに当業者に公知の同様な方法を含め、いずれの手段によっても作製することができる。
【0158】
ここで用いられる場合の用語「C1-6ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリール基で置換されたC1-6アルキル基を言う。
【0159】
用語「ヘテロアリール」には、環構造が1個ないし4個のヘテロ原子を含む、置換もしくは非置換の芳香5員環乃至7員環構造、より好ましくは5員環乃至6員環が含まれる。用語「ヘテロアリール」にはまた、二つ以上の炭素が2つの隣り合った環に共通であるような二つ以上の環状の環を有し、前記環の少なくとも一つがヘテロ芳香族であり、例えばその他の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリルであってもよいような多環式の環系も含まれる。ヘテロアリール基には、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、イソキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン
及びピリミジン等がある。
【0160】
ここで用いられる場合の用語「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外のいずれかの元素の原子を意味する。好適なヘテロ原子は窒素、酸素、リン、及び硫黄である。
【0161】
用語「ヘテロシクリル」又は「複素環基」とは、環構造が1個乃至4個のヘテロ原子を含むような置換もしくは非置換の非芳香族の 3-乃至 10-員環構造、より好ましくは 3- 乃至7-員環を言う。用語「ヘテロシクリル」又は「複素環基」にはまた、二つ以上の炭素が二つの隣り合った環に共通であるような二つ以上の環状の環を有し、当該環のうちの少なくとも一つが複素環であり、例えばその他の環状の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリルであってよいような多環式の環系も含まれる。ヘテロシクリル基には、例えば、テトラヒドロピラン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム等がある。
【0162】
用語「C1-6ヒドロキシアルキル」とは、ヒドロキシ基で置換された C1-6アルキル基を言う。
【0163】
ここで用いられる場合の用語「阻害剤」は、ある酵素の活性を遮断する又は減じる化合物を記述することを意図している(例えばsuc-LLVY-AMC、Box-LLR-AMC and Z-LLE-AMCなどの標準的な蛍光原ペプチド基質のタンパク質分解の阻害、20Sプロテアソームの多様な触媒活性の阻害など)。阻害剤は、競合的、不競合的、又は非競合的阻害で作用する場合があり得る。阻害剤は可逆的又は非可逆的に結合し得るため、この用語は、ある酵素の自殺基質である化合物も含む。阻害剤は、当該酵素の活性部位上又はその近傍の一つ以上の部位を修飾する場合も、あるいは、酵素の他の場所のコンホメーションを変える場合もあり得る。
【0164】
ここで用いられる場合の用語「ペプチド」には、下に詳述するように、標準的なα-置換基を持つ標準的なアミド結合だけでなく、通常用いられるペプチドミメティック、他の修飾型結合、非天然生成型側鎖、及び側鎖修飾が含まれる。
【0165】
用語「ポリシクリル」又は「多環式の」とは、例えば当該環が「縮合環」であるなど、二つ以上の炭素が2つの隣り合った環に共通であるような二つ以上の環(例えばシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロシクリル)を言う。多環の環のそれぞれは置換もしくは非置換であってよい。
【0166】
用語「予防する」は当業で公知であり、局所的な再発(例えば疼痛)などの状態、癌などの疾患、心不全などの複合症候群、又はいずれか他の医学的状態に関して用いられる場合は当業でおいてよく理解されており、その中には、当該組成物を投与されていない対象に比較して、対象における医学的状態の症状の頻度を減らす又はその発症を遅らすような組成物の投与が含まれる。このように、癌の予防には、例えば統計学的及び/又は臨床的に有意な数により、例えば未処置の対照集団に比べて予防処置を受けた患者集団で検出可能な癌成長数が減ること、及び/又は、未処置の対照集団に比べて処置集団において検出可能な癌成長の出現が遅れること、が含まれる。感染の予防には、例えば、未処置の対照集団に比べて処置集団において感染の診断数が減ること、及び/又は、未処置の対照集団に比べ、処置集団において感染症状の発症が遅れること、が含まれる。疼痛の予防には、例えば、未処置の対照集団に比べ、処置集団において対象が経験する疼痛感覚の程度が減る、又は代替的には遅れる、ことが含まれる。
【0167】
用語「プロドラッグ」は、生理条件下で治療上有効な物質に転化する化合物を包含するものである。プロドラッグの通常の作製法には、生理条件下で加水分解して所望の分子を露出させるような選択された部分を含める方法がある。他の実施態様では、プロドラッグはホスト動物の酵素活性により転化する。
【0168】
用語「予防的又は治療的」な処置は当業で公知であり、その中には、当該組成物の一つ以上のホストへの投与が含まれる。望ましくない状態(例えば疾患、又は、ホスト動物の他の望ましくない状態)の臨床上の発現前にそれが投与されるのであれば、その処置は予防的(即ちそれは、望ましくない状態の発症からホストを防御するものである)であり、他方、望ましくない状態の発現後にそれが投与されるのであれば、その処置は治療的(即ち、既存の望ましくない状態又はその副作用を減じる、改善する、又は安定させることが意図されている)である。
【0169】
用語「置換された」とは、骨格の一つ以上の炭素に付いた水素を置換している置換基を有する部分を言う。「置換」又は「で置換された」には、このような置換が、置換された元素及び置換基の許容される電子価に従ったものであること、そしてその置換の結果、例えば再配列、環化、除去等により自発的には転換を行なわないような安定な化合物が生じること、が暗黙の条件として含まれると理解される。ここで用いられる場合、用語「置換された」には、有機化合物のあらゆる許容できる置換基が含まれるものと、考えられる。広い局面では、許容可能な置換基には、非環状及び環状の、分枝状及び非分枝状の、炭素環式及び複素環式の、芳香族及び非芳香族の、有機化合物の置換基が含まれる。許容可能な置換基は、適する有機化合物にとっては一つ又はそれ以上であっても、同じ又は異なっていてもよい。本発明の目的の場合、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基を有していても、及び/又は、ヘテロ原子の電子価を満たす、ここに記載された有機化合物のいずれの許容可能な置換基を有していてもよい。置換基は、例えばハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル
(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、又はアシル)、チオカルボニル (例えばチオエステル、チオアセテート、又はチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分であってよい。当業者であれば、炭化水素鎖上で置換される部分は、適していれば、それ自体置換可能であることは理解されよう。
【0170】
当該の処置法に関し、ある化合物の「治療上有効量」とは、(哺乳動物に、好ましくはヒトに)所望の投薬計画の一部として投与された場合に、処置しようとする障害又は状態あるいは美容目的にとって臨床上許容できる基準に従って、例えばいずれかの医学的処置に適用できる妥当な利益/リスク比などで、症状を軽減する、状態を改善する、又は疾患状態の開始を遅らせる、製剤中の化合物量を言う。
【0171】
用語「チオエーテル」とは、硫黄部分をそれに結合させて有する、上に定義したとおりのアルキル基を言う。好適な実施態様では、「チオエーテル」は-S-アルキルで表される。代表的なチオエーテル基にはメチルチオ、エチルチオ等がある。
【0172】
ここで用いられる場合の用語「処置する」又は「処置」には、対象の状態を向上させる又は安定させる態様で、ある状態の症状、臨床上の兆候、及び基礎病理を逆行させる、減らす、又は停止させることが含まれる。
【0173】
酵素阻害剤の使用
プロテアソーム阻害の生物学的結果は数多くある。プロテアソーム阻害は増殖性疾患、神経毒性/変性性疾患、虚血状態、炎症、免疫関連疾患、HIV、癌、臓器移植拒絶、敗血症ショック、ウィルス及び寄生生物感染、アシドーシスに関連する状態、黄斑変性、肺状態、筋るいそう性疾患、線維性疾患、骨及び毛髪の成長疾患を含め、しかしこれらに限らず、多数の疾患の予防及び/又は処置として提案されてきた。
【0174】
プロテアソーム阻害剤を用いると、筋肉のるいそうなど、プロテアソームのタンパク質分解機能により直接媒介される状態や、あるいは、NF-κBなどのプロテアソームによりプロセッシングされるタンパク質により間接的に媒介される状態を処置することができる。プロテアソームは、細胞調節(例えば細胞周期、遺伝子転写、及び代謝経路)、細胞間コミュニケーション、及び免疫応答(例えば抗原提示)に関与するタンパク質(例えば酵素)の急速な除去及び翻訳後プロセッシングに参与している
【0175】
細胞レベルでは、ポリユビキチン化タンパク質の蓄積、細胞の形態変化、及びアポトーシスが、多様なプロテアソーム阻害剤で細胞を処置した後に報告されている。しかし、市販のプロテアソーム阻害剤は、プロテアソームの構成的及び免疫型の両方のプロテアソームを阻害することに留意しなければならない。再発性多発性骨髄腫患者の処置のために唯一FDAの認可を受けたプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブ(原語: bortezomib)ですら、この2つの形を区別しない(Altun et al, Cancer Res
65:7896, 2005)。このように、治療用プロテアソーム阻害について知られているのは、両方の型のプロテアソームを阻害する分子を使った研究に基づくものである。従って、本発明の化合物は、両方の型のプロテアソームを阻害する分子に伴う副作用の重篤性を減らすために有益であろう。
【0176】
免疫プロテアソーム発現が起きるのは、主に、例えば白血球(白血球)、骨髄、及び胸腺、脾臓、及びリンパ節など、リンパ系を構成する細胞及び臓器においてである。臓器の中には構成的プロテアソームを優先的に発現するものもあるが(例えば心臓)、副腎、肝臓、肺、及び腸などは両方の型を発現するようである。
【0177】
中でも白血球及びリンパ組織が主要な役割を果たすリンパ系は、外からの生物学的影響から生物を防御する役目を担っている。適切に機能しているときには、それは身体を細菌及びウィルス感染から防御する。免疫系はまた、腫瘍原性の形質転換を起こした自己由来細胞をスクリーニングする。細胞内タンパク質分解によりTリンパ球に提示される小型ペプチドが生じて、MHC クラスI媒介型免疫応答が誘導される。プロテアソームはこれらの前駆ペプチドの主要な提供源であるが、細胞間では抗原性ペプチドの間に違いがあることが観察されており、各プロテアソーム型の量も様々である (Cascio et al, EMBO J 20:2357-2366, 2001)。いくつかの実施態様では、本発明は、ここに解説した化合物に細胞を暴露するステップを含む、細胞における抗原提示を阻害する方法に関する。いくつかの実施態様では、本発明は、プロテアソーム又は多重触媒活性を持つ他のNtnにより産生された抗原性ペプチドのレパートリーを変更する方法に関する。例えば、免疫プロテアソームプロテアソームの活性が選択的に阻害されると、酵素阻害のない状態で産生及び提示されるのとは異なる組合せの抗原性ペプチドが、残りの構成的プロテアソームにより産生されて、細胞表面上のMHC分子中に提示されるかも知れない。
【0178】
いくつかの障害及び疾患状態が、ここで免疫関連状態と呼ばれる異常な免疫系機能に関連付けられてきた。おそらく、最も普通にある免疫関連状態は、アレルギー、喘息及び湿疹のようなアトピー性皮膚炎などのアレルギー障害である。これらは、免疫系が環境中のアレルゲン暴露に過剰反応した場合に起きる。このように、更なる実施態様は、有効量のプロテアソーム阻害剤をここに解説した態様で対象に投与するステップを含む、対象の免疫系を抑制する方法である。
【0179】
免疫不全障害は、免疫系の一部分が適性に働いていないか、又は存在しないときに起きる。これらはBリンパ球、Tリンパ球、又は貪食細胞に影響を与える可能性があり、遺伝性(例えばIgA 欠損、重症複合型免疫不全 (SCID)、胸腺形成不全及び慢性肉芽腫性)
又は後天性(例えば後天性免疫症候群(AIDS)、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)及び薬物誘導性免疫不全)のいずれかである。本発明の選択的プロテアソーム阻害剤を用いた投薬戦略は、免疫不全障害などの免疫関連状態を処置するために用いられよう。
【0180】
自己免疫障害においては、免疫系は、身体の健康な臓器及び組織を、それらがあたかも外来の侵略者であるかのように不適正に攻撃する。自己免疫疾患の一例が、外分泌線へのリンパ球の浸潤及び局所的蓄積を特徴とするシェーグレン症候群である。プロテアソーム発現レベルを調べるある研究では、SS患者の唾液腺にのみ、ベータ5i(LMP7)の有意な上方調節が見出された (Egerer et al, Arthritis Rheum 54:1501-8, 2006)。このような免疫関連状態の他の例には、狼瘡、リウマチ様関節炎、強皮症、強直性脊椎炎、皮膚筋炎、乾癬、多発性硬化症及び炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病)がある。組織/臓器移植拒絶反応は、ホストの身体に導入された細胞を免疫系が誤って攻撃したときに起きる。同種異型移植が原因で生じる移植片対宿主疾患(GVHD)は、ドナー組織由来のT細胞が攻撃的になり、ホストの組織を攻撃したときに起きる。自己免疫疾患、移植片拒絶及びGVHDという三つの状態すべてにおいて、対象を本発明の組成物で処置することにより免疫系を調節すると、有益であろう。
【0181】
炎症は、感染又は刺激に対する免疫系の初めての応答である。炎症の細胞成分には、免疫プロテアソームを発現する白血球の、血球から炎症組織への動きが関与している。これらの細胞は、刺激物質、細菌、寄生生物又は細胞片を除去するという重要な役割を担う。プロテアソーム阻害剤は、抗炎症活性を有することが既に知られている (Meng et al, PNAS 96:10403-10408, 1999)。マクロファージの支配的な存在が特徴である慢性の炎症の場合、当初は防御的物質として働いた細胞が、毒素やTNF-αを含むサイトカインを放出し始め、身体にとって有害となって、組織損傷及び消失を引き起こす。いくつかの実施態様では、本発明は、ここで解説するプロテアソーム阻害剤化合物を有効量、このような処置を必要とする対象に投与するステップを含む、炎症及び炎症性疾患を処置する方法に関する。炎症性疾患には急性(例えば気管支炎、結膜炎、膵炎)及び慢性状態(例えば慢性胆嚢炎、気管支拡張症、大動脈弁狭窄症、再狭窄、乾癬及び関節炎)が、線維症、感染症及び虚血などの炎症に伴う状態と共に、含まれる。
【0182】
炎症プロセスを原因とする損傷を含め、組織損傷に続いて、再生及び修復の進行が開始する。再生ステップの間、失われた組織は、正常な構造を再構築する、同じ種類の細胞の増殖により置換される。しかしながら、組織構造の再生が適切に行なわれないと重篤な結果を招くことがある。慢性の炎症性肝疾患の場合、再生組織が異常な結節構造を形成して硬変及び門脈圧亢進を引き起こすことがある。修復プロセスとは、失われた組織が、肉芽組織から生じる線維性の瘢痕に置換されるところである。線維症は、線維芽細胞の過剰増殖性成長を原因とする瘢痕組織の過剰かつ持続的な形成であり、TGF-βシグナル伝達経路の活性化に関係がある。線維症は細胞外マトリックスの広汎な沈着を伴い、実質的にはあらゆる組織内に、あるいは、複数の異なる組織にわたって、起き得る。通常、TGF-β刺激時に標的遺伝子の転写を活性化する細胞内シグナル伝達タンパク質(Smad)のレベルは、プロテアソーム活性により調節される (Xu et al., 2000)。しかし、TGF-βシグナル伝達成分の分解が加速していることが、癌及び他の過剰増殖性状態で観察されている。このように、本発明のいくつかの実施態様は、糖尿病性網膜疾患、黄斑編成、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、IgA腎症、肝硬変、胆管閉鎖、うっ血性心不全、強皮症、放射性誘導性線維症、及び肺線維症(特発性肺線維症、膠原性血管疾患、サルコイドーシス、間質性肺疾患及び外因性肺障害)などの過剰増殖性状態を処置する方法に関する。火傷の犠牲者の処置はしばしば線維症に妨げられるため、いくつかの実施態様では、本発明は、火傷を処置するための阻害剤の局所又は全身投与に関する。術後の創傷閉塞にはしばしばいびつな瘢痕が伴るが、これは線維症の阻害により妨げ得るかも知れない。従って、いくつかの実施態様では、本発明は、瘢痕の防止又は減少のための方法に関する。
【0183】
細菌、寄生生物又はウィルスの感染はすべて、炎症プロセスを惹起する。結果起きた炎症がその生物全体に打ち勝つと、全身性炎症応答症候群(SIRS)が起きる。敗血症という用語は、これが感染を原因とするときに用いられる。TNFαなどのリポ多糖(LPS)誘導性サイトカインの過剰産生が、敗血症性ショックに関係するプロセスの中心であると考えられる。驚くことではないが、LPS はまた、免疫プロテアソームサブユニットLMP2 及びLMP7を含むMHC-1経路のすべての成分の増加を誘導する (MacAry et al, PNAS 98:3982-3987, 2001)。更に、LPSによる細胞活性化の最初のステップはLPSの特異的膜受容体への結合であると、広く受けとめられている20Sプロテアソーム複合体のα-及びβサブユニットが、LPS結合タンパク質として同定されていることから、LPS誘導性シグナル伝達が敗血症の処置又は防止において重要な治療上のターゲットである可能性が示唆される (Qureshi, N. et al., J. Immun. (2003) 171: 1515-1525)。従って、いくつかの実施態様では、ここに開示されたプロテアソーム阻害剤をTNFαの阻害に用いれば、敗血症性ショックの防止及び/又は処置ができるであろう。
【0184】
別の実施態様では、開示された組成物は、原虫寄生生物により引き起こされる感染など、寄生生物感染の処置に有用である。これらの寄生生物のプロテアソームは、細胞分化及び複製活性に主に関与していると考えられる (Paugam et al., Trends Parasitol. 2003, 19(2): 55-59)。更に、エントアメーバ種はプロテアソーム阻害剤に暴露すると被嚢能を失うことが示されている (Gonzales, et al., Arch. Med. Res. 1997, 28, Spec No:
139-140). いくつかのこのような実施態様では、当該のプロテアソーム阻害剤組成物は、プラスモディウム(原語:Plasmodium )種(マラリアを引き起こすP.ファルシパルム(原語:P.
falciparum)、P.ヴィヴァックス(原語:P. vivax)、P.マラリア(原語:P. malariae)、及びP.オヴァール(原語:P. ovale)を含む)、トリパノソーマ(原語:Trypanosoma )種(シャガス病を引き起こすT.クルジ(原語:T. cruzi)、及びアフリカ睡眠病を引き起こすT.ブルネイ(原語:T. brucei )を含む)、リーシュマニア(原語:Leishmania )種(L.アマゾネシス(原語:L. amazonesis)、L.ドノヴァニ(原語:L. donovani)、L.インファトゥム(原語:L. infantum)、L.マキシカナ(原語:L. mexicana)等を含む)、ニューモシスティス-カリニ(原語:Pneumocystis carinii )(AIDS及び他の免疫抑制のある患者で肺炎を引き起こすことが公知の原虫生物)、トキソプラズマ-ゴンジー(原語:Toxoplasma gondii)、エントアメーバ-ヒストリティカ(原語:Entamoeba histolytica)、エントアメーバ-インヴァデンス(原語:Entamoeba invadens)、及びジアルジア-ランブリア(原語:Giardia lamblia)から選択される原虫寄生生物により引き起こされる、ヒトでの寄生生物感染の処置に有用である。いくつかの実施態様では、開示された組成物は、プラスモディウム-ヘルマニ(原語:Plasmodium hermani)、クリプトスポリジウム(原語:Cryptosporidium )種、エキノコッカス-グラニュローサス(原語:Echinococcus granulosus)、エイメリア-テネラ(原語:Eimeria tenella)、サルコシスティス-ネウロナ(原語:Sarcocystis neurona)、及びネウロスポラ-クラッサ(原語:Neurospora crassa)から選択される原虫寄生生物により引き起こされる、動物及び家畜における寄生生物感染の処置に有用である。寄生生物疾患の処置においてプロテアソーム阻害剤として有用な他の化合物は、その全文をここに援用することとするWO 98/10779に解説されている。
【0185】
いくつかの実施態様では、プロテアソーム阻害剤組成物は、白血球での回収なしに、寄生生物においてプロテアソーム活性を阻害する。いくつかのこのような実施態様では、血球の長い半減期を利用して、寄生生物への繰り返しの暴露に対する治療において長時間の防御を提供してもよいだろう。いくつかの実施態様では、ここで解説するプロテアソーム阻害剤を利用して、将来的な感染に対する予防的化学療法における長期の防御を提供してもよいだろう。
【0186】
ウィルス感染は数多くの疾患の病理に寄与する。進行性心筋炎及び拡張型心筋症などの心臓の状態はコクサッキーウィルスB3に結び付けられてきた。感染マウス心の比較的全ゲノムマイクロアレイ解析では、三つの免疫プロテアソームサブユニットの全てが、慢性心筋炎を起こしたマウスの心臓で均一に上方調節されていた (Szalay et al, Am J Pathol 168:1542-52, 2006)。いくつかのウィルスは、ウィルスがエンドソームから細胞質ゾルへ放出されるウィルス進入ステップにおいてユビキチン-プロテアソーム系を利用する。マウス肝炎ウィルス (MHV) はコロナウィルス・ファミリーに属するが、このファミリーには更に重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウィルスも含まれる。Yu 及びLai (J Virol 79:644-648, 2005) は、MHVに感染した細胞をプロテアソーム阻害剤で処置するとウィルス複製が減少したことを実証しており、未処置細胞のそれと比較したときのウィルス力価減少と相関付けている。ヘパドナウィルス(原語:Hepadnaviridae)の一員であるヒトB型肝炎ウィルス (HBV)は、ウィルスにコードされたエンベロープタンパク質を、増殖するために必要とする。プロテアソーム分解経路を阻害すると、分泌されるエンベロープタンパク質の量に有意な減少が起きる (Simsek et al, J Virol 79:12914-12920, 2005)。HBVに加え、他の肝炎ウィルス(A、C、D及びE)もまた、分泌、形態発生及び病理発生のためにはユビキチン−プロテアソーム分解経路を利用していると考えられる。
【0187】
細菌リステリア-モノサイトゲネスは、その症状は軽度(吐き気、嘔吐及び下痢)から重度(敗血症、髄膜炎、脳炎)までにわたるリステリア症として公知の状態を引き起こす。
プロテアソームサブユニット組成物中の変化を定量的に解析したところ、マウスがリンパ球脈絡髄膜炎ウィルス又はリステリア-モノサイトゲネスに感染すると、7日間のうちに肝臓内で構成的プロテアソームが免疫プロテアソームにほとんど完全に置換されることが判明した(Khan et al, J Immunol 167:6859-6868, 2001)。原核生物は、真核生物20Sプロテアソーム粒子に匹敵するものを有する。原核生物20S粒子のサブユニット組成は真核生物のそれと似てはいるが、それは、同様な態様でのペプチド結合加水分解能は有さない。例えばペプチド結合に対する求核性の攻撃は、β-サブユニットのN末端上のスレオニン残基を通じて起きる。このように、本発明の実施態様は、ここに開示したプロテアソーム阻害剤組成物を有効量、対象に投与するステップを含む、原核生物感染を処置する方法に関する。原核生物感染には、マイコバクテリウム(結核、らい病又はブルーリ潰瘍)又は古細菌により引き起こされる疾患が含まれよう。
【0188】
従って、いくつかの実施態様では、本発明は、有効量のここに開示した化合物に細胞を接触させる(又は対象に投与する)ステップを含む、感染(例えば細菌、寄生生物又はウィルス)を処置する方法に関する。
【0189】
虚血及び再潅流損傷の結果、身体組織に達する酸素の欠乏がある状態である低酸素症が起きる。この状態はIκ-Bαの分解増加を引き起こすことでNF-κBを活性化させる(Koong et al., 1994)。興味深いことに、免疫プロテアソーム発現を亢進することができると明らかにされた因子であるTNF-α及びリポ多糖は、更にNF-κB活性化を刺激する。低酸素症に至るような損傷の重篤度はプロテアソーム阻害剤の投与で低減できることが実証されている (Gao et al., 2000; Bao et al., 2001; Pye et al., 2003)。従って、本発明のいくつかの実施態様は、有効量の、ここで開示されたプロテアソーム阻害剤化合物を、このような処置を必要とする対象に投与するステップを含む、虚血状態又は再潅流損傷を処置する方法に関する。このような状態又は損傷の例には、例えば、しかし限定はしないが、急性冠動脈症候群(脆弱性プラーク)、動脈閉塞性疾患(心臓、大脳、末梢動脈及び血管閉塞)、アテローム性硬化症(冠状動脈疾患)、梗塞、心不全、膵炎、心筋肥大症、狭窄症、及び再狭窄がある。
【0190】
悪液質は、ユビキチン-プロテアーゼ経路を原因とするタンパク質分解亢進に関連した骨格筋のるいそうを特徴とする症候群である。プロテアソームを阻害するとタンパク質分解が減少することで、筋肉タンパク質消失と、腎臓又は肝臓に対する窒素負荷の両方が減る (Tawa et al., JCI 100:197-203, 1997)。悪液質においては、両者とも免疫プロテアソームサブユニットの発現を刺激する炎症誘発性サイトカインTNF-α及びIFN-γの発現上昇をが報告されている (Acharyya et al., JCI 114:370-378, 2004)。実際、大半の種類の筋萎縮はタンパク質分解速度の上昇を示す (Lecker et al., FASEB J 18:39-51, 2004)。筋肉のるいそうは、癌、敗血症、腎不全、AIDS、飢餓、神経脱支配萎縮、アシドーシス、糖尿病、廃用萎縮及びうっ血性心不全を含め、いくつかの生命に危険のある疾患で発現する。本発明の一実施態様は、悪液質及び筋肉るいそう疾患の処置に関する。本発明の方法は、例えば癌、慢性感染性疾患、発熱、筋廃用(萎縮)及び神経脱支配、神経損傷、飢餓、アシドーシスに伴う腎不全、及び肝不全などの状態を処置するために有用である。例えば Goldbergの米国特許第5,340,736号を参照されたい。
【0191】
プロテアソームによる特定のタンパク質の分解はシグナル伝達機序を発動させ、ひいては遺伝子転写、細胞周期、及び代謝経路を発動させる。上述したように、プロテアソーム阻害剤はin vitro及びin vivoにおけるユビキチン化NF-κB活性の分解及びプロセッシングの両方を遮断する。プロテアソーム阻害剤はまた、IkB-A分解及びNF-κB活性化も遮断する (Palombella, et al. Cell
(1994) 78:773-785; and Traenckner, et al., EMBO J. (1994) 13:5433-5441)。本発明の一実施態様は、ここに解説する化合物に細胞を接触させるステップを含む、IkB-α分解を阻害する方法である。
【0192】
いくつかの実施態様では、本発明は、ここで開示するプロテアソーム阻害剤に細胞(in vitro又はin vivoの)を曝露するステップを含む、サイクリン依存的真核細胞周期に影響を与える方法に関する。サイクリンは細胞周期制御に関与するタンパク質である。
プロテアソームはサイクリンの分解に参与する。サイクリンの例には、有糸分裂サイクリン、G1サイクリン、及びサイクリンBがある。サイクリンが分裂することにより、細胞はある一つの細胞周期(例えば有糸分裂)から出て別のもの(例えば分裂)に入ることができるようになる。全てのサイクリンはp34cdc2 タンパク質キナーゼ又は関連キナーゼに関連していると考えられる。タンパク質分解ターゲティング・シグナルはアミノ酸42-RAALGNISEN-50 (破壊ボックス)に位置確認されている。サイクリンがユビキチン・リガーゼに対して弱い形に転化すること、又は、サイクリン特異的リガーゼが有糸分裂中に活性化すること、の証拠がある (Ciechanover, A., Cell, (1994) 79:13-21)。プロテアソームの阻害により、サイクリン分解が阻害され、従って、サイクリン関連癌などにおいて細胞増殖が阻害される (Kumatori et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1990) 87:7071-7075)。
いくつかの実施態様では、本発明は、有効量のプロテアソーム阻害剤組成物をここで開示する態様で対象に投与するステップを含む、対象における増殖性疾患(例えば癌、乾癬、又は再狭窄)を処置する方法に関する。更に本発明は、治療上有効量のプロテアソーム阻害剤組成物をここで解説する態様で対象に投与するステップを含む、対象のサイクリン関連炎症を処置する方法にも関する。
【0193】
インシュリン及び血清の枯渇した網状赤血球を成熟させ、線維芽細胞を成長させる際、タンパク質分解速度はほぼ二倍になることから、細胞代謝におけるプロテアソームの役割が示唆される。いくつかの実施態様では、本発明は、細胞内での細胞内タンパク質分解の速度を低下させる方法に関する。これらの方法の各々が、ここで開示したプロテアソーム阻害剤を含む、有効量の医薬組成物に細胞(in vivo 又はin vitro、例えば対象の筋肉)を接触させるステップを含む。
【0194】
アルツハイマー病(AD)は高等認知機能の喪失を伴う進行性の神経変性性疾患障害である。この疾患の病理学上の特徴には、脳内の選択された領域での老人性アミロイド斑、神経原線維濃縮体、栄養障害性神経炎及び著しい神経細胞消失がある。脳内の常在マクロファージである小グリア細胞、Aβ42により活性化すると、神経炎及び血管アミロイド斑に関係するペプチドであるTNF-αを含め、数多くの炎症誘発性サイトカインを放出する。この小グリア細胞媒介型炎症応答は著しい神経細胞消失に寄与する。細胞ベースの研究では、LPS/INF-γ又は音波破砕済みAβ42ペプチドのいずれかで刺激した小グリア細胞BV2細胞を由来とする、条件培地で処置した初代皮質神経細胞は、細胞生存率がほぼ60%減少したことを示した (Gan et al., J. Biol. Chem. 279:5565-5572,
2004)。免疫プロテアソーム発現は、非痴呆性の老齢成人の脳組織よりもAD患者由来のそれでより高度に見られる (Mishto et al, Neurobiol Aging 27:54-66, 2006)。
【0195】
別の神経変性性障害であるハンチントン病(HD)患者は運動機能不全及び認知の低下を、死に至るまでの数年間にわたって示す。検死では、ポリQ伸長変異(CAGトリプレット反復伸長とも呼ばれる)を原因とする封入体又は神経細胞内凝集物の存在を、脳の線条体及び皮質部分での著しい萎縮と共に検出することができる。免疫組織化学検査では、年齢を合致させた正常な成人の脳の線条体及び前頭皮質での免疫プロテアソーム発現に比較して、HD患者由来のそれでは著しい亢進があったことが見出された (Diaz-Hernandez et al, J Neurosci 23:11653-1161, 2003)。更に分析すると、その亢進は主に変性中の神経細胞で起きていることが発見された。同研究者たちは、HDのマウス・モデルを用い、主に皮質及び線条体である、当該脳の罹患及び凝集物含有領域にキモトリプシン様及びトリプシン様活性の両方に選択的な増加があることを認めた (Diaz-Hernandez et al, J Neurosci 23:11653-1161, 2003)。
【0196】
従って、本発明のいくつかの実施態様は、神経変性疾患の処置のための、ここで開示するプロテアソーム阻害剤組成物の使用に関する。神経変性疾患及び状態には、限定はしないが、脳卒中、神経系への虚血性損傷、神経外傷(例えば打撃による脳の損傷、脊髄損傷、及び神経系への外傷的損傷)、多発性硬化症及び他の免疫媒介型神経障害(例えばギラン-バレー症候群及びそのバリアント、急性運動軸索性神経疾患、急性炎症性脱髄性ポリニューロパチー、及びフィッシャー症候群)、HIV/AIDS 痴呆症候群、アキソノミー(原語:axonomy)、糖尿病性神経障害、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、細菌性、寄生生物性、真菌性、及びウィルス性髄膜炎、脳炎、血管性痴呆、多梗塞痴呆、レーヴィ小体痴呆、ピック病などの前頭葉痴呆、皮質下痴呆(例えばハンチントン又は進行性核上運動麻痺)、局所性皮質萎縮症候群(例えば原発性失語症)、代謝毒性痴呆(例えば慢性甲状腺機能低下又はB12欠損症)、並びに感染により引き起こされる痴呆(例えば梅毒又は慢性髄膜炎)がある。
【0197】
20Sプロテアソームに結合する阻害剤は骨器官培養物中で骨形成を刺激することも実証されている。更に、このような阻害剤をマウスに全身投与したところ、いくつかのプロテアソーム阻害剤が骨体積及び骨形成速度を70%にわたって増加させた(Garrett, I. R. et al., J. Clin. Invest. (2003) 111: 1771-1782)ことから、ユビキチン-プロテアソーム機構は骨芽細胞分化及び骨形成を調節することが示唆された。従って、開示されたプロテアソーム阻害剤組成物は、骨粗鬆症など、骨の消失に関連する疾患の処置及び/又は防止に有用であろう。
【0198】
癌は、細胞の、制御のない異常な成長を特徴とする疾患の一般的な用語である。数多くの癌は、腫瘍サプレッサタンパク質の失活及び発癌性ペプチドの活性化を含む複数のステップの経路を通じて生じる。癌細胞はリンパ系又は血流を通じて身体の他の部分に広がることができる。通常、癌は最も主に関与している組織種又は細胞種に従って分類される。前述したように、プロテアソーム阻害は、癌、特に多発性骨髄腫の処置のための治療戦略として既にバリデートされてきた。図1に示すように、多発性骨髄腫細胞は、比率は幾分違う場合はあるが、両方の型のプロテアソームを持つ。多発性骨髄腫は骨髄中の過剰数の異常プラズマ細胞を特徴とする血液の疾患である。プラズマ細胞はB細胞から発生するため、他のB細胞の悪性腫瘍もまた、何らかの程度、免疫プロテアソームを発現するであろうことは驚くことではない。二種の骨髄系白血病細胞株を除き、ヘム関連癌(例えば多発性骨髄腫、白血病及びリンパ腫)は一般に免疫プロテアソームを発現するようである(図1)。リンパ球を由来とする癌細胞は30%異常の免疫プロテアソームを発現する。いくつかの実施態様では、本発明は、ここに解説した化合物を治療上有効量、投与するステップを含む、癌の処置方法に関する。いくつかの好適な実施態様では、当該癌はヘム関連障害である。
【0199】
興味深いことに、いくつかの癌(例えば充実腫瘍、頭部及び頚部の扁平細胞癌、子宮頸癌及び小細胞肺癌)は下方調節された免疫プロテアソーム発現を有するようである (Evans et al, J Immunol 167:5420, 2001; Meissner et al, Clin Cancer
Res 11:2552, 2005; Restifo et al, J Exp Med 177:265-272, 1993)。このことは欠陥のある抗原プロセッシングと相関するようであり、免疫監視を免れるために腫瘍細胞が用いる戦略になっているかも知れない。この細胞をINF-γで処置すると、免疫プロテアソーム発現を誘導できるかも知れない。従って、本発明のいくつかの実施態様は、INF-γ又はTNFαと、ここに開示したプロテアソーム阻害剤とを治療上有効量、このような処置を必要する対象に投与するステップを含む、癌を処置する方法に関する。
【0200】
投与
ここに解説した通りに調製された化合物を、当業で公知のように、治療しようとする障害、患者の年齢、状態、及び体重に応じて様々な型で投与することができる。例えば、当該化合物を経口投与する場合、これらを錠剤、カプセル、顆粒、粉末、又はシロップとして調合してもよく;あるいは非経口投与の場合、これらを注射(静脈内、筋肉内、又は皮下)、液滴輸注製剤、又は座薬として調合してもよい。眼粘膜経路による適用の場合、これらを目薬又は眼用軟膏として調合してもよい。これらの調合物を従来手段により調製することができ、そして必要であれば、活性成分を、例えば結合剤、崩壊剤、潤滑剤、矯正薬、可溶化剤、懸濁補助剤、乳化剤、コーティング剤、シクロデキストリン、及び/又は緩衝剤などのいずれかの従来の添加剤又は医薬品添加物に混合してもよい。投薬量は、患者の症状、年齢及び体重、処置又は防止しようとする障害の性質及び重篤度、投与経路及び大体の薬物の形態に応じて様々であろうが、成人のヒトの患者の場合、一日当りの投薬量は0.01乃至2000mgの化合物が推奨され、そしてこれを一回分の用量で投与しても、あるいは分割した用量にして投与してもよい。一回分の剤形を作製するために担体物質と配合することのできる活性成分の量は、概して、治療効果を生じる化合物量となるであろう。
【0201】
投与の精確な時点、及び/又は、ある患者の処置の効験という点で最も有効な結果を生じるであろう組成物量は、特定の化合物の活性、薬物動態、及び生物学的利用能、患者の生理条件(年齢、性別、疾患の種類及び段階、全体の身体状態、ある投薬量に対する応答性、医薬の種類を含む)、投与経路等に応じるであろう。しかし、上記の指針を、例えば投与の至適な時間及び/量を決定するなど、処置の微調整の基本として用いることができ、それには、対象を観察すること、そして投薬量及び/又はタイミングを調節することから成るごく慣例的な実験を要するのみである。
【0202】
文言「薬学的に許容可能な」は、ここでは、健全な医学的判断の範囲において、ヒト及び動物の組織に、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題又は合併症なく、妥当な利益/リスク比で接触させて用いるのに適しているようなリガンド、物質、組成物、及び/又は剤形を言うために用いられている。
【0203】
文言「薬学的に許容可能な担体」とは、ここで用いられる場合、例えば液体又は固体の充填剤、希釈剤、医薬品添加物、溶媒又は被包剤など、薬学的に許容可能な物質、組成物、又は賦形剤を意味する。各担体は、当該調合物の他の成分に対して適合性があり、かつ、患者にとって有害でないという意味において「許容可能」でなくてはならない。薬学的に許容可能な担体として役立つ物質のいくつかの例には:(1)乳糖、ブドウ糖、及びショ糖などの糖類;(2)コーンスターチ、いもでんぷん、及び置換もしくは非置換β-シクロデキストリンなどのでんぷん;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、 エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバター及び座薬用ろうなどの医薬品添加物;(9)ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ごま油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油などの油類;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)無発熱原水;(17)等張の生理食塩水;(18)リンガー液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;及び(21)薬剤調合に用いられる他の非毒性適合性物質、がある。いくつかの実施態様では、本発明の医薬組成物は無発熱原性であり、即ち、患者に投与された場合にも有意な温度上昇を誘導しない。
【0204】
用語「薬学的に許容可能な塩」とは、本阻害剤の比較的に非毒性の無機及び有機酸添加塩を言う。これらの塩は、本阻害剤の最終的な単離及び精製中にインシトゥーで調製することも、あるいは、精製済みの阻害剤をその遊離塩基型で、適した有機又は無機酸と別々に反応させた後、こうして形成された塩を単離することにより、調製することもできる。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、グルコヘプト酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩等がある。(例えばBerge et al. (1977) “Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sci. 66: 1-19.を参照されたい)。
【0205】
他の例では、本発明の方法において有用な阻害剤は、一種以上の酸性官能基を含むことで、薬学的に許容可能な塩基と一緒になって薬学的に許容可能な塩を形成することができるようになっていてもよい。これらの場合における用語「薬学的に許容可能な塩」とは、ある阻害剤の比較的に非毒性の無機及び有機塩基添加塩を言う。これらの塩もまた同様に、本阻害剤の最終的な単離及び精製中にインシトゥーで調製することも、あるいは、精製済みの阻害剤をその遊離酸型で、薬学的に許容可能な金属陽イオンの水酸塩、炭酸塩、又は重炭酸塩などの適した塩基と、アンモニアと、又は、薬学的に許容可能な有機第一、第二、又は第三アミンと、別々に反応させることにより、調製することもできる。
代表的なアルカリ又はアルカリ土類塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩等がある。塩基添加塩の調合に有用な代表的な有機アミンには、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等(例えば上記のBerge et al.を参照されたい)がある。
【0206】
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤及び潤滑剤や、着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味料、着香及び香料、保存剤、並びに抗酸化剤も本組成中に存在してよい。
【0207】
薬学的に許容可能な抗酸化剤の例には:(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、異性重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性の抗酸化剤;(2)アスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール (BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン (BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤;並びに(3) クエン酸、エチレンジアミン四酢酸
(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤がある。
【0208】
経口投与に適した調合物は、それぞれ所定量の阻害剤を有効成分として含有する、カプセル、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(通常はショ糖及びアカシア又はトラガカントである、着香した基剤を用いた)、粉末、顆粒の形であっても、あるいは、水性又は非水性の液体に入れた溶液又は懸濁液として、あるいは、水中油又は油中水乳濁液として、あるいは、エリキシル又はシロップとして、あるいは(ゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアカシアなどの不活性の魔トリックを用いた)香錠として、及び/又は、うがい剤としてなどなどであってよい。更に組成物を巨丸剤、舐剤、又はペーストとして投与してもよい。
【0209】
経口投与用の固体剤形(例えばカプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、顆粒等)の場合、有効成分は一種以上の薬学的に許容可能な担体、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、及び/又は、以下:(1)でんぷん、シクロデキストリン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、及び/又は珪酸などの充填剤又は増量剤;(2)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、及び/又はアカシアゴムなどの結合剤;(3)グリセロールなどの湿潤剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、いも又はタピオカでんぷん、アルギン酸、いくつかの珪酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)第四級アンモニア化合物などの吸収加速剤;(7)アセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;(8)カオリン及びベントナイトクレイなどの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物などの潤滑剤;並びに(10)着色剤のうちのいずれかと混合される。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合、本医薬組成物は更に緩衝剤を含んでもよい。同様な種類の固形組成物も、軟質及び硬質の充填ゼラチン・カプセルの充填剤として、ラクトース即ち乳糖や高分子量ポリエチレングリコールなどの医薬品添加物を用いて利用してもよい。
【0210】
錠剤は、圧縮又は成型により、選択に応じて一種以上の付属成分と一緒に作製できよう。圧縮錠剤は結合剤(例えばゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性の希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えばグリコール酸でんぷんナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロース)、界面活性剤又は分散剤を用いて調製できよう。成型錠剤は、不活性の液体希釈剤で示された当該阻害剤の混合物を適した機械で成型することにより、作製できよう。
【0211】
錠剤、及び他の剤形、例えば糖衣錠、カプセル、丸剤及び顆粒など、には、選択に応じて切れ込みを付けてもよく、あるいは、腸溶コーティング及び医薬調合業で公知の他のコーティングなど、コーティング及びシェルと一緒に調製してもよい。所望の放出曲線を提供するための様々な比率のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリママトリックス、リポソーム、及び/又は、マイクロスフィアを用いて、中の有効成分の遅い又は制御された放出を提供できるよう、これらを調合してもよい。これらは、例えば細菌保持フィルタなどを通すろ過を行なったり、あるいは、無菌水又は何らかの他の無菌の注射可能な媒質に溶解させることのできる無菌の固体組成物の形での殺菌剤を導入するなどにより、滅菌できよう。これらの組成物には、更に選択に応じて乳白剤を含めてもよく、そして有効成分のみ、あるいは好ましくは、選択的に遅延した態様で、胃腸管の特定の部分で、放出するような組成物であってもよい。使用の可能な封埋組成物の例には、ポリマ物質及びろうがある。更に有効成分は、適宜、上記の医薬品添加物のうちの一つ以上と一緒に、マイクロ被包型であってもよい。
【0212】
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容可能な乳濁液、マイクロ乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルがある。当該有効成分に加え、液体剤形には、水又は他の溶媒など、当業で通常用いられている不活性の希釈剤、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油類(特に綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油及びごま油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及び、ソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物など、を含めてもよい。
【0213】
経口用組成物には、不活性の希釈剤の他にも、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤などのアジュバント、甘味料、着香料、着色剤、芳香剤及び保存剤も含めることができる。
【0214】
懸濁液には、活性阻害剤に加え、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、並びにこれらの混合物などの懸濁剤を含むであろう。
【0215】
直腸又は膣内投与用の調合物を座薬として提供してもよく、この座薬は、一種以上の阻害剤を、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、座薬用ろう又はサリチル酸塩などを含む一種以上の適した非刺激性医薬品添加物又は担体と混合することにより調製してもよく、この座薬は室温では固形であるが体温では液体であるために直腸又は膣腔内で融解して活性な薬剤を放出するであろう。
【0216】
膣内投与に適した調合物には、更に、当業で適切であることが公知の担体などを含有するペッサリ、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー調合物がある。
【0217】
阻害剤の局所又は経皮投与のための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤がある。活性成分は、薬学的に許容可能な担体と、そして必要に応じていずれかの保存剤、緩衝剤、又は推進薬と、無菌条件下で混合できよう。
【0218】
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、阻害剤に加え、動物性及び植物性脂肪、油類、ろう、パラフィン、でんぷん、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、珪酸、タルク及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物などの医薬品添加物を含むであろう。
【0219】
粉末及びスプレーは、阻害剤に加え、乳糖、タルク、珪酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの医薬品添加物を含むであろう。スプレーには、更に、クロロフルオロハイドロカーボン並びに及びブタン及びプロパンなどの揮発性非置換ハイドロカーボンなどの従来の推進薬が含まれよう。
【0220】
本阻害剤を代替的にはエーロゾルにより投与することもできる。これは、本組成物を含有する水性エーロゾル、リポソーム製製剤、又は固体粒子を調製することにより、達成される。非水性(例えばフルオロカーボンの推進薬)の懸濁剤を用いることもできよう。音波ネブライザは、当該化合物を分解させかねないせん断に薬剤が晒されることを抑えるため、好適である。
【0221】
通常、水性のエーロゾルは、当該薬剤と従来の薬学的に許容可能な担体及び安定化剤の水溶液又は懸濁液を調合することにより、作製される。担体及び安定化剤は特定の当該組成物の要件によって様々であるが、その中には典型的には非イオン性の界面活性剤(トゥイーン、プルロニクス(原語:Pluronics)、ソルビタンエステル、レシチン、クレモフォア(原語:Cremophor))、ポリエチレングリコールなどの薬学的に許容可能な共溶媒、血清アルブミンなどの無害のたんぱく質、オレイン酸、グリシンなどのアミノ酸、緩衝剤、塩類、糖類又は糖アルコールがある。エーロゾルは一般に、等張の溶液から調製される。
【0222】
経皮用パッチは、阻害剤の身体への送達を制御できる点で更なる利点がある。このような剤形は、適した媒質中に薬剤を溶解又は分散させることにより、作製することができる。吸収促進剤を用いても、阻害剤の皮膚を透過する流束を増加させることができる。このような流束の速度は、速度制御膜を提供するか、あるいは、阻害剤をポリママトリックス又はゲル中に分散させることにより、制御することができる。
【0223】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、一種以上の阻害剤を、一種以上の薬学的に許容可能な無菌の等張の水性又は非水性溶液、分散液、懸濁液又は乳液、あるいは無菌粉末と組み合わせて含み、該粉末は、使用直前に無菌の注射用溶液又は分散液中に再構築でき、これらの注射用溶液又は分散液は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、当該調合物を目的のレシピエントの血液と等張にする溶質、あるいは懸濁もしくは増粘剤を含んでいてもよい。
【0224】
本発明の医薬組成物に用いてもよい適した水性及び非水性の担体の例には、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、及びこれらの適した混合物、オリーブ油などの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステル、がある。適正な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング剤を用いたり、分散液の場合には必要な粒子サイズを維持したり、そして界面活性剤を用いるなどにより、維持できよう。
【0225】
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤などのアジュバントも更に含んでいてよい。微生物の活動の防止は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の多様な抗菌剤及び抗カビ剤の含有させることにより、確実となるであろう。更に、糖類、塩化ナトリウムなどの張性調節剤を本組成物中に含めることも好ましいであろう。注射用医薬型の吸収を長引かせるには、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなど、吸収を遅らせる作用物質を含有させることにより、可能であろう。
【0226】
場合によっては、薬物の効果を長引かせるために、皮下又は筋肉な注射からの薬物吸収を遅らせることが好ましい。例えば、非経口投与された薬物形の吸収遅延は薬物を油性賦形剤に溶解又は懸濁させることにより、達成される。
【0227】
注射用デポー型は、阻害剤のマイクロ封入マトリックスをポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマ中に形成することにより、作製される。薬物対ポリマの比、そして用いる特定のポリマの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマの例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)がある。デポー型注射用調合物はまた、身体組織との適合性あるリポソーム又はマイクロ乳濁液中に薬物を捕獲することによっても調製される。
【0228】
作用物質の製剤は経口でも、非経口でも、局所的にも、あるいは経直腸的にも投与できよう。これらは、もちろん、各投与経路に適した形で投与される。例えばこれらは錠剤又はカプセル型で投与されたり、注射、吸入、目薬、軟膏、座薬、輸注により投与されたり、ローション又は軟膏により局所投与されたり、そして座薬により直腸投与される。経口投与が好ましい。
【0229】
ここで用いられる場合の文言「非経口投与」及び「非経口投与する」は、通常は注射による、経腸及び局所投与以外の投与形態を意味し、その中には、限定はしないが、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外及び胸骨内注射及び輸注がある。
【0230】
ここで用いられる場合の用語「全身投与」、「全身投与する」、「末梢投与」、及び「末梢投与する」は、皮下投与など、それが患者の全身に入り、代謝及び他の同様のプロセスに遭うような、中枢神経系に直接投与する以外のリガンド、薬物、又は他の物質の投与を意味する。
【0231】
これらの阻害剤を、ヒト及び他の動物に、例えばスプレー、直腸的、経膣的、非経口、槽内的などによる経口、鼻腔や、そして粉末、軟膏、頬側及び舌下を含むドロップとする局所的なものを含め、いずれかの適した投与経路により、投与してよい。
【0232】
選択された投与経路に関係なく、適した水和型で用いてもよい本阻害剤、及び/又は、本発明の医薬組成物を、当業者に公知の常法により、薬学的に許容可能な剤型に調合される。
【0233】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルを、患者に有害となることなく、特定の患者、組成物及び投与形態にとって所望の治療効果を達成するのに有効な活性成分量を得るように、変更してもよい。
【0234】
開示された化合物の、ある薬学的に許容可能な混合物中での濃度は、投与する化合物の投薬量、用いる化合物の薬物動態学的特徴、及び投与経路を含め、複数の因子に応じて様々であろう。一般的には、本発明の組成物は、非経口投与の場合、他の物質の中でも、ここに開示した化合物を約0.1-10% w/v含有する水溶液として提供してよい。典型的な用量範囲は1日当り体重1kg当り約0.01 乃至約 50
mg/kgを1乃至4回に分割したものである。各分割された用量は、本発明の同じ化合物を含んでいても、又は異なる化合物を含んでいてもよい。投薬量は、患者の全体的健康、並びに選択された化合物の処方及び投与経路を含む複数の因子に応じた有効量となるであろう。
【0235】
本発明の別の局面は、一種以上の治療薬が本プロテアソーム阻害剤と共に投与される同席療法を提供するものである。このような同席処置は、処置の個々の成分の同時、順次、又は別々の投薬を通じて達成できよう。
【0236】
いくつかの実施態様では、本発明の化合物を一種以上の他のプロテアソーム阻害剤と同席投与する。
【0237】
いくつかの実施態様では、本発明の化合物を化学療法薬と同席投与する。適した化学療法薬には、天然生成物、例えばビンカアルカロイド(即ち、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)、パクリタキセル、エピジポドフィロトキシン(即ちエトポシド、テニポシド)、抗生物質(ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)及びミトマイシン、酵素(L-アスパラギンを全身代謝して、自身のアスパラギン合成能を有さない細胞を枯渇させるL-アスパラギナーゼ);抗血小板物質;抗増殖性/抗有糸分裂性アルキル化剤、例えばナイトロジェン・マスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(ヘキサメチルアミン及びチオテパ)、アルキルスルホネート(ブスルファン)、ニトロソウレア(カルムスチン (BCNU) 及び類似体、ストレプトゾトシン)、トラゼン-ダカルバジニン (DTIC);抗増殖性/抗有糸分裂性代謝拮抗剤、例えば葉酸類似体(メトトレキセート)、ピリミジン類似体(フルオロウラシル、フロクスリジン、及びシタラビン)、プリン類似体及び関連阻害剤(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン及び2-クロロデオキシアデノシン);アロマターゼ阻害剤(アナストロゾール、エキセメスタン、及びレトロゾール);及びプラチナ配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、アミノグルテチミド;ホルモン類(即ちエストロゲン)及びホルモンアゴニスト、例えば黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(ゴセレリン、ロイプロリド及びトリプトレリン)が含まれよう。他の化学療法薬にはメクロレタミン、カンプトテシン、イフォスファミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン、ナベルビン、又は前述のもののいずれかの類似体もしくは誘導体バリアントが含まれよう。
【0238】
いくつかの実施態様では、本発明の化合物をステロイドと同席投与する。適したステロイドには、限定はしないが、21-アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコルト、(原語:deflazacort)、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフプレドネート、エノキソロン、フルアザコルト(原語:fluazacort)、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、アセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロンアセテート、フルプレドニデンアセテート、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、フルチカゾンプロピオネート、フォルモコルタル(原語:formocortal)、ハルシノニド、ハロベタゾールプロピオネート、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノールエタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾンフロエート、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25-ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンナトリウムホスフェート、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チクソコルトール(原語:tixocortol)、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、並びにこれらの塩及び/又は誘導体が含まれよう。
【0239】
いくつかの実施態様では、本発明の化合物を免疫療法薬と同席投与する。適した免疫療法薬には、限定はしないが、シクロスポリン、サリドマイド、及びモノクローナル抗体が含まれよう。当該のモノクローナル抗体は、例えばリツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、エプラツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、ゲムツズマブオゾガミシン、ベバシズマブ、セツキシマブ、エルロチニブ及びトラスツズマブなど、裸であっても、又は共役型でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0240】
【図1】図1は、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫及び充実腫瘍を含む、特定の細胞及び患者試料の免疫プロテアソーム発現レベルを示す。
【図2】図2Aは、動物が疾患の兆候を最初に示したとき(矢印で示す)に投薬を開始したリウマチ様関節炎(RA)のマウスモデルにおける疾患の進行に対する化合物14の効果を示し、図示のデータは平均的な疾患スコア (± SEM; N= 7/群) であり、三つの独立した実験の代表である。 図2Bは、 CFA中のウシタイプIIコラーゲンによる免疫処置でメスDBA/1マウスにおいて0日目にRAを誘発したRAのマウスモデルにおける疾患の進行に対する化合物14の効果を示し、この場合、動物が疾患の兆候を最初に示したとき(矢印で示す)に投薬を開始し、図示のデータは平均的な疾患スコア (± SEM; N = 10/群)である。
【0241】
実施例
スキーム1: 実施例1の合成
【0242】
【化20】

【0243】
(A)の合成
Cbz-Trp-OH (10 g, 29 mmol) の DMF (150 mL) 溶液に Me-Im (25.2 mL, 458 mmol) を滴下で加えた。この溶液を10分間攪拌した後、TBSCl (23.9 g,158 mmol)を添加した。できた溶液を一晩、攪拌した。その後、水 (100 mL) を加え、混合物を EtOAc (3 x 50 mL)で抽出した。複合有機層を水 (3 x 50 mL) 及びブライン (50 m l)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して油を生じさせ、この油を 1:1 の水/THF (200 mL) に溶解させ、K2CO3 (440 mg, 0.031 mmol) をこの溶液に加えた。できた溶液を一晩、攪拌した。次に有機溶媒を減圧下で除去し、pH を2 に 1N HClで調節した。できた溶液をEtOAc (3 x 75 mL) で抽出し、複合有機層をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して (A)を生成させた。
【0244】
(B)の合成
0 oCのジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド (3.6 g, 36.9mmol) のDCM (20 mL) 溶液にジイソプロピルエチルアミン (DIEA) (5 mL, 54.7 mmol) を滴下で加えた。できた溶液を20分間、攪拌した。
【0245】
0 oCの(A)のDCM (20 mL) 溶液にイソブチルクロロホルメート (IBCF) (5 mL, 51.5 mmol) を滴下で加えた後、 N-メチルモルホリン (NMM) (4.0 mL, 56.7 mmol)を滴下で加えた。できた溶液を10分間、攪拌してから、予め調製しておいたジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド/DIEA 溶液をそれに加えた。この混合液を3時間、 0 oCで攪拌してから、水 (50 mL)を添加した。層を分離し、水層をDCM (3 x 15 mL)で洗浄した。複合有機層を1N HCl (3 x 20 mL) 及びブライン (20 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して油を生成させ、この油をフラッシュ・クロマトグラフィにより、20 乃至 40% のEtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して(B)を得た。
【0246】
(C)の合成
-20 oC の(B) (6.82 g, 14.4 mmol) の THF (40 mL) 溶液に溶液イソプロペニルマグネシウムブロミド (90 mL,
0.5 M 、 THFに溶かして) を、内部の温度を-5 oC未満に保ちながら加えた。この溶液を3時間、0 oC
で攪拌した後、1N HCl (20 mL)を添加した。この溶液をセライト521でろ過し、ろ過ケークをEtOAcで洗浄した。次に有機溶媒を減圧下で取り除き、残った水溶液をEtOAc (3 x 20 mL)で抽出した。複合有機層を飽和NaHCO3
(3x, 15 mL) 及びブライン(15 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して油を提供し、この油をフラッシュ・クロマトグラフィにより10乃至 20% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて(C)を得た。
【0247】
(D)及び(E)の合成
(C) (3.06 g, 6.75 mmol) のMeOH (40 mL) 及びTHF (40 mL) 溶液にCeCl3-7H2O (3.64 g, 9.77 mmol)を加えた。できた混合物を均質になるまで攪拌した。次にこの溶液を 0 oC まで冷却し、NaBH4 (369
mg, 9.75 mmol) を10分間かけて加えた。この溶液を1時間、攪拌した後、攪拌を20分間、続行しながらAcOH (5 mL) を加えた。減圧下で溶媒を蒸発させ、できた残渣を水 (30 mL)
で希釈し、EtOAc (3 x 10 mL)で抽出した。複合有機層を水 (3 x 10 mL) 及びブライン(10 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して(D)及び(E)の4/1
混合物を得た。
【0248】
(F)及び(G)の合成
(D) 及び(E) の0 oC
のDCM (90 mL) 溶液に VO(acac)2
(63 mg, 0.23 mmol)を加え、5分間、攪拌した後にt-BuOOH (2.25 mL, 6.0M 、デカンに溶かして) を滴下で加えた。できた溶液を2時間、攪拌してからセライト521を通してろ過し、そのろ過ケークを DCM (20 mL)で洗浄した。複合有機層を飽和NaHCO3
(3 x 20 mL) 及び (20 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して(F)及び(G)の4/1 混合物を得た。
【0249】
(H)の合成
0 oCのデス-マーチン(原語:Dess-Martin )ペルイオジナン (6.75 g, 15.9 mmol) のDCM (75 mL) 溶液に、(F)及び(G)の DCM (35 mL) 溶液を滴下で加えた。個の溶液を室温まで温め、一晩、攪拌した。その後、溶媒を減圧下で濃縮し、残渣を EtOAc (20 mL) 及び飽和 NaHCO3 (20
mL)で希釈した。できた混合物をセライト 521を通してろ過し、ろ過ケークをEtOAc (20 mL)で洗浄した。層を分離し、有機層を水 (3 x 10 mL) 及びブライン (10 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して(H)及び(I)の混合物 (4/1) を提供し、この混合物をフラッシュ・カラムクロマトグラフィにより15乃至 40% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して(H)を得た。
【0250】
1の合成
(H) (50 mg, 1.06 mmol) のTFA (5 mL) 溶液にPd/C (14 mg, 10%)を加えた。できた混合物を1気圧のH2下で2時間、攪拌した後、DCM (10 mL)で希釈した。この混合物をセライト 521 を通してろ過し、そのろ過ケークを DCM (10 mL)で洗浄した。ろ過物を減圧下で濃縮し、できた残渣を DCM (10
mL) で希釈し、減圧下で2回目の濃縮を行なった。その残渣を高真空下に2時間置いて1を提供した。
【0251】
スキーム2: 実施例2の合成
【0252】
【化21】

【0253】
(J)の合成
Fmoc-Trp (Boc)-OH (2.4 mmol, 1.0 g,) のDCM
(20 mL) 溶液に Me-Im (6.7 mmol, 0.370 mL) を加え、この溶液が均質になるまで攪拌し、均質になった時点で1-(メシチレン-2-スルホニル)-3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール (MSNT) (2.9 mmol, 0.870 g,) を加えた。MSNT をいったん溶解させた後、その反応混合物をHMPB-BHA 樹脂 (0.8 mmol, 1.25 g)に加え、できた溶液を45分間、振盪した。この樹脂をろ過し、DMF (50 mL)、MeOH (50 mL)、及びDCM (50 mL)で洗浄した。次に樹脂を空気乾燥して(J)を提供した。
【0254】
(K)の合成
(J) (0.40 mmol, 0.62 g) に20% ピペリジン/DMF (10 mL) を加え、できた不均質な溶液を20分間、振盪した。その混合物をろ過し、樹脂を DMF (20 mL)、MeOH (20 mL)、及びDCM (20 mL) で洗浄し、空気乾燥してから、二回目はそれを上記の反応条件に晒して(K)を得た。
【0255】
(L)の合成
(K) (0.40 mmol) に DMF (20 mL)、Cbz-D-Ala-OH (0.40 mmol, 0.090 g)、DIEA (1-6
mmol, 0.12 mL)、HOBT (0.64 mmol, 0.062 mg)、及び BOP (0.64 mmol, 0.178 g) を加え、その反応混合物を45分間、振盪した。その反応混合物をろ過し、樹脂を DMF (40 mL)、MeOH (40 mL)、及びDCM (40 mL)で洗浄し、空気乾燥して(L)を得た。
【0256】
(M)の合成
(L) (0.08 mmol) に 5% TFA/DCM (2 mL) を加え、この混合物を20分間、振盪した。この反応物をろ過し、樹脂を DCM (10 mL)で洗浄した。揮発物質を減圧下で取り除き、できた油を DCM
(10 mL) で希釈し、合計3回、蒸発させて(M)を得た。
【0257】
(N)の合成
攪拌済みの (M) (0.11 mmol, 0.019 g) のMeCN (4 mL) 及びDMF (1 mL) 溶液に(M) (0.1 mmol)、DIEA (2.9 mmol, 0.5 mL)、HOBT (0.2 mmol, 0.032 g)、及びHBTU (0.23 mmol,
0.087 g) を加え、その混合物を室温で一晩、攪拌した。その反応物を飽和 NaHCO3
(15 mL) で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NaHCO3
及びブラインで洗浄し、 MgSO4上で乾燥し、揮発物質を減圧下で取り除いた。粗物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより20 乃至 40% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して(N)を得た。
【0258】
2の合成
攪拌済みの(N) (0.1 mmol) のピリジン (1.5 mL) 及びTHF (3.0 mL) の0 oC の溶液に HF/ピリジン溶液を滴下で加えた。この溶液を2時間、0 oCで攪拌してから水 (5.0 mL)を添加し、EtOAcで抽出した。複合有機層を飽和 NaHCO3 及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、揮発物質を減圧下で取り除いた。粗物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより30 乃至 60% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して2 (4.2 mg)を得た。
【0259】
スキーム3: 実施例3の合成
【0260】
【化22】

【0261】
(O)の合成
Fmoc-Tyr(Me)-OH (1.9 mmol, 0.80 g,) の DCM
(20 mL) 溶液に Me-Im (6.7 mmol, 0.370 mL)を加えた。この溶液が均質になったときにMSNT (2.9 mmol, 0.870 g,) を加え、このMSNTが溶解するまでその混合物を攪拌し、溶解した時点でHMPB-BHA 樹脂 (0.64 mmol, 1.00 g) と、できた溶液とを45分間、振盪した。この樹脂をろ過し、DMF (50 mL)、MeOH (50 mL)、及びDCM (50 mL) で洗浄し、その後この樹脂を空気乾燥して(O)を得た。
【0262】
(P)の合成
(O) (0.40 mmol, 0.62 g) に 20% ピペリジン/DMF (10 mL)を加え、できた不均質な溶液20分間、振盪した。その混合物をろ過し、樹脂を DMF (20 mL)、MeOH (20 mL)、及びDCM (20 mL) で洗浄し、空気乾燥した。次に二回目は樹脂を上記の反応条件に晒して(P)を得た。
【0263】
(Q)の合成
(P) (0.40 mmol) に DMF (20 mL), Cbz-D-Ala-OH
(0.40 mmol, 0.090 g)、DIEA (1-6 mmol, 0.12 mL)、HOBT (0.64 mmol, 0.062 mg)、及び BOP (0.64
mmol, 0.178 g) を加え、その反応混合物を45分間、振盪した。この反応混合物をろ過し、樹脂を
DMF (40 mL)、MeOH (40 mL)、及びDCM
(40 mL)で洗浄し、空気乾燥して(Q)を得た。
【0264】
(R)の合成
(Q) (0.08 mmol) に 5% TFA/DCM (2 mL) を加え、その混合物を20分間、振盪した。その反応物をろ過し、樹脂をDCM (10 mL)で洗浄した。その後揮発物質を減圧下で取り除き、できた油をDCM
(10 mL) で希釈し、合計3回、蒸発させて(R)を得た。
【0265】
(S)の合成
1 (0.11 mmol, 0.019 g) の攪拌済みのMeCN (4 mL) 及び DMF (1 mL) 溶液に (R) (0.1 mmol)、DIEA (2.9 mmol, 0.5 mL)、HOBT (0.2 mmol, 0.032g)、及びHBTU (0.23 mmol,
0.087 g) を加え、この混合物を室温で一晩、攪拌した。その反応物を飽和NaHCO3
(15 mL) で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NaHCO3及びブラインで洗浄し、 MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより20 乃至40% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して(S)を得た。
【0266】
3の合成
(S) (0.1 mmol)の攪拌済みの0 oCのピリジン (1.5 mL) 及びTHF (3.0 mL)溶液にHF/ピリジン 溶液を滴下で加えた。この溶液を2時間、 0 oCで攪拌した後、水 (5.0 mL) を添加し、EtOAcで抽出した。その後、有機層を飽和NaHCO3及び水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより30 乃至60% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して3 (6.7 mg)を得た。
【0267】
スキーム4: 実施例4の合成
【0268】
【化23】

【0269】
(U)の合成
ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド (18.4 g, 226.3 mmol) の0 oCのDCM (400 mL) 溶液にDIEA (25.8 mL, 282 mmol) を滴下で加えた。できた溶液を20分間、攪拌した。
【0270】
Cbz-Phe-OH (50 g, 169 mmol) の0 oC
のDCM (400 mL) 溶液にIBCF (24.4 mL,
266 mmol) を滴下で加えた後、NMM (20.7 mL, 293 mmol)を滴下で添加した。できた溶液を10分間、攪拌してから、予め調製してあったジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド/DIEA 溶液に加えた。この混合物を3時間、0 oC で攪拌した後、水 (250 mL)を添加した。その後、層を分離し、水層をDCM (3 x 100 mL)で洗浄した。複合有機層を1N HCl (3 x 100 mL) 及びブライン (100 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して油を生じさせ、この油をフラッシュ・クロマトグラフィにより20 乃至40% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して(U)を得た。
【0271】
(V)の合成
-20 oC の(U) (47 g, 145 mmol) のTHF (400 mL) 溶液に、内部温度を-5 oC未満に維持しながらイソプロペニルマグネシウムブロミド (800 mL, 0.5 M 、THFに溶かして) 溶液を加えた。この溶液を3時間、0 oC で攪拌した後、1N HCl (200 mL)を添加した。この溶液をセライト 521 を通してろ過し、そのろ過ケークをEtOAcで洗浄した。次に、有機溶媒を減圧下で取り除き、残った水溶液をEtOAc (3
x 200 mL)で抽出した。複合有機層を飽和NaHCO3 (3 x 150 mL) 及びブライン (150 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して油を生じさせ、この油をフラッシュ・クロマトグラフィにより20 乃至40% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して(V)を得た。
【0272】
(W)及び(X)の合成
(V) (30.03 g, 92.0 mmol) の MeOH (500 mL) 及びTHF (500 mL) 溶液にCeCl3.7H2O (48.04 g,
130 mmol)を加えた。できた溶液を、それが均質になるまで攪拌した。次にこの溶液を0 oC
まで冷却し、NaBH4 (4.90 mg, 129 mmol) を10分間かけて加えた。その溶液を1時間、攪拌した後、攪拌を20分間、続行しながらAcOH (70 mL) を加えた。その後、この混合物を減圧下で濃縮し、できた残渣を水
(400 mL) で希釈し、EtOAc (3 x 130 mL)で抽出した。複合有機層を水(3x, 130 mL) 及びブライン (130 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して (W) 及び(X)の5/1混合物を得た。
【0273】
(Y)及び(Z)の合成
0 oC の (W) 及び(X) のDCM (500 mL) 溶液にVO(acac)2 (900 mg, 3.26 mmol)を加え、5分間、攪拌してから t-BuOOH (30 mL, 6.0M デカンに溶かして)を滴下で加えた。できた溶液を2時間、攪拌した後、セライト521 を通してろ過し、ろ過ケークを DCM (200 mL)で洗浄した。次にこのろ過物を飽和NaHCO3 (3 x 200 mL) 及びブライン (200
mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して(Y)及び(Z)の5/1混合物を得た。
【0274】
(AA)の合成
0 oC のデス-マーチン(原語:Dess-Martin )ペルイオジナン (40 g, 94.2 mmol) の DCM (300 mL) 溶液に(Y)及び (Z) のDCM (100 mL) 溶液を滴下で加えた。その後、この溶液を室温まで温め、一晩、攪拌した。次に、この反応混合物を減圧下で濃縮し、その残渣を EtOAc (120 mL) 及び飽和NaHCO3 (120
mL)で希釈した。できた混合物をセライト521 を通してろ過し、ろ過ケークをEtOAc (120 mL)で洗浄した。層を分離し、有機層を水(3 x 60 mL) 及びブライン (60 mL)で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して油を生じさせ、この油をフラッシュ・クロマトグラフィにより15乃至 40% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して(AA)を得た。
【0275】
4の合成
(AA) (50 mg, 1.06 mmol) のTFA (5 mL) 溶液にPd/C (14 mg, 10%)を加えた。できた混合物を2時間、1気圧下のH2
下で攪拌した後、DCM (10 mL)で希釈した。その混合物をセライト 521 を通してろ過し、ろ過ケークをDCM (10 mL)で洗浄した。その後、このろ過物を減圧下で濃縮し、その残渣をDCM (10 mL)で希釈し、減圧下で2回目の濃縮を行なった。その残渣を高真空下に2時間、置いて4を得た。
【0276】
スキーム5: 実施例5の合成
【0277】
【化24】

【0278】
(CC)の合成
(BB) (0.06 mmol) にDMF (2 mL)、Cbz-D-Abu-OH (0.12 mmol, 0.032 g)、DIEA
(0.256 mmol, 0.075 mL)、HOBT (0.102 mmol, 0.010 mg)、及びBOP (0.102 mmol, 0.075 g) を加え、この反応混合物を45分間、振盪した。次にこの反応混合物をろ過し、その樹脂をDMF (4 mL)、MeOH (4 mL)、及び DCM (4 mL)で洗浄し、空気乾燥して(CC)を得た。
【0279】
(DD)の合成
(CC) (0.08 mmol) に 50% TFA/DCM (2 mL) を加え、その混合物を20分間、振盪した。その反応物をろ過し、樹脂をDCM (10 mL)で洗浄した。その後、この溶液を減圧下で、そしてできた油をDCM
(10 mL)で希釈し、合計3回、蒸発させて(DD)を得た。
【0280】
5の合成

4 (0.11 mmol, 0.019 g) の攪拌済みMeCN (4 mL) 及びDMF (1 mL)溶液に 、(DD) (0.1 mmol)、DIEA (2.9 mmol, 0.5 mL)、HOBT (0.2 mmol,
0.032g)、及び HBTU (0.23 mmol, 0.087 g) を加え、その混合物を室温で一晩、攪拌した。その後、反応物を飽和NaHCO3 (15 mL) で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を飽和 NaHCO3 及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより25 乃至 55% EtOAc/ヘキサンを溶離物として用いて精製して5(12.0 mg)を得た。
【0281】
スキーム6: 実施例6の合成
【0282】
【化25】

【0283】
(EE)の合成
(BB) (0.06 mmol) に DMF (2 mL)、Cbz-D-Leu-OH (0.12 mmol, 0.032 g)、DIEA
(0.256 mmol, 0.075 mL)、HOBT (0.102 mmol, 0.010 mg)、及びBOP (0.102 mmol, 0.075 g) を加え、その反応混合物を45分間、振盪した。その後、この反応混合物をろ過し、樹脂をDMF (4 mL)、MeOH (4 mL)、及びDCM (4 mL)で洗浄し、空気乾燥して(EE)を得た。
【0284】
(FF)の合成
(FF) (0.08 mmol) に50% TFA/DCM (2 mL) を加え、この混合物を20分間、振盪した。その反応物をろ過し、樹脂をDCM (10 mL)で洗浄した。揮発物質を減圧下で取り除き、できた油をDCM (10
mL)で希釈し、合計3回、蒸発させて(FF)を得た。
【0285】
6の合成

4 (0.11 mmol, 0.019 g) の攪拌済みMeCN (4 mL) 及びDMF (1 mL) 溶液に (FF) (0.1 mmol)、DIEA (2.9 mmol, 0.5 mL)、HOBT (0.2 mmol, 0.032g)、及び HBTU (0.23 mmol,
0.087 g) を加え、その混合物を室温で一晩、攪拌した。その後、この反応物を飽和 NaHCO3
(15 mL) で希釈し、EtOAcで希釈した。有機層を飽和NaHCO3
及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。その後、できた物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより25 乃至 55% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して20 (14.0 mg)を得た。
【0286】
スキーム7: 実施例7の合成
【0287】
【化26】

【0288】
7の合成
4 (0.11 mmol, 0.019 g) の攪拌済みMeCN (4 mL) 及びDMF (1 mL) 溶液に(R) (0.1 mmol)、DIEA (2.9 mmol, 0.5 mL)、HOBT (0.2 mmol,
0.032g)、及び HBTU (0.23 mmol, 0.087 g) を加え、その混合物を室温で一晩、攪拌した。その後、この反応物を飽和NaHCO3 (15 mL) で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を飽和NaHCO3 及びブラインで洗浄し、 MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより25 乃至55% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して7 (10.5 mg)を得た。
【0289】
スキーム8: 実施例8の合成
【0290】
【化27】

【0291】
(HH)の合成
0 oC のジメチル ヒドロキシルアミンヒドロクロリド (331
mg, 3.4 mmol) のDCM (20 mL) 溶液にトリエチルアミン (343 mg, 3.4 mmol) を滴下で加えた。できた溶液を20分間、攪拌した。
【0292】
0 oC のCbz-HomoPhe-OH (1.0 g, 3.2
mmol) の DCM (100 mL) 溶液にIBCF
(460 mg, 3.35 mmol) を滴下で加えた後、 NMM (343 mg, 3.4 mmol)を滴下で加えた。できた溶液を10分間、攪拌し、その後、予め調製してあったジメチルヒドロキシルアミン HCl/TEA溶液に加えた。できた混合物を0 oC で3時間、攪拌した後、水 (50 mL)を加えた。層を分離し、水層をDCM (3 x 100 mL)で抽出した。複合有機層を1N HCl (30 mL) 及びブライン (30 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。その後、できた物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより EtOAc/ヘキサン (1:3) を溶離液として用いて精製して中間生成物 (HH) (0.92 g)を得た。
【0293】
(II)の合成
-20 oC の(HH) (920 mg, 2.6 mmol) の THF (50 mL) 溶液にイソプロペニルマグネシウムブロミド (26 mL, 12.9 mmol, 0.5 M をTHFに溶かしたもの)溶液を加えた。できた溶液を 0 oC で6時間、攪拌した後、1N HCl (10 mL)を加えた。できた混合物をセライト521を通してろ過し、ろ過ケークを酢酸エチルで洗浄した。層を分離し、水相を酢酸エチル(3 x 20 mL)で洗浄した。複合有機層を飽和NaHCO3
(30 mL) 及びブライン (30 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた物質をフラッシュ・クロマトグラフィによりEtOAc/ヘキサン (1:3) を溶離液として用いて精製して(II) (700 mg)を得た。
【0294】
(JJ)及び(KK)の合成
0 oC の (II) (700 mg, 2.1 mmol) のDCM (50 mL) 溶液にCeCl3.7H2O (942 mg,
2.52 mmol) 及びNaBH4 (98 mg, 2.52 mmol) を順に加えた。この溶液を室温で一晩、攪拌した後、 AcOH (5 mL)を添加した。この混合物を減圧下で濃縮し、その後EtOAc
(100 mL) 及び飽和NaHCO3 (50 mL)で希釈した。次に、水層をEtOAc (2 x 50 mL) で抽出し、複合有機層をNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して黄色の油を生じさせ、この油をフラッシュ・クロマトグラフィによりEtOAc/ヘキサン(1:3) を溶離液として用いて精製して(JJ)及び(KK)を5/1の比率で得た。
【0295】
(LL)及び(MM)の合成
0oC の(JJ) 及び (KK) の THF (50 mL)の溶液にVO(acac)2 (18 mg, 0.066 mmol) 及びt-BuOOH
(0.9 mL, 6.0M、 デカンに溶かして) を順に加えた。できた溶液を室温で10時間、攪拌した後、セライト 521を通してろ過し、ろ過ケークをEtOAc (100 mL)で洗浄した。複合有機層を飽和NaHCO3 (10 mL) 及びブライン (10 mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して(LL)及び(MM)を5/1の比率で得た。
【0296】
(NN)の合成
0 oCのデス-マーチン(原語Dess-Martin )ペルイオジナン (1.40 g, 3.3 mmol) の DMSO (20 mL) 溶液に(LL)及び(MM) (585 mg) の DMSO (10 mL)溶液を加えた。この溶液を室温で6時間、攪拌し、次にEtOAc
(100 mL) 及び飽和NaHCO3 (50 mL)で希釈し、そこで水相をEtOAc (2 x 50 mL)で抽出し、複合有機層をNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して黄色の油を生成させ、この油をフラッシュ・クロマトグラフィによりEtOAc/ヘキサン(2:3) を溶離液として用いて精製して(NN)(465 mg)を得た。
【0297】
8の合成
(NN) (290 mg, 0.82 mmol) の TFA (5 mL) 溶液に Pd/C (14 mg, 10%)を加えた。できた混合物を1気圧のH2
下で2時間、攪拌した後、DCM (10 mL)で希釈した。この混合物をセライト 521を通してろ過し、ろ過ケークをDCM (10 mL)で洗浄した。これを減圧下で濃縮し、その残渣を DCM (10 mL) で希釈し、減圧下で濃縮した。できた残渣を高真空下に2時間、置いて8を得た。
【0298】
スキーム9: 実施例9の合成
【0299】
【化28】

【0300】
(OO)の合成
(K) (0.06 mmol) にDMF (2 mL)、Cbz-Ala-OH (0.12 mmol, 0.032 g)、DIEA (0.256
mmol, 0.075 mL)、HOBT (0.102 mmol, 0.010 mg)、及び BOP (0.102 mmol, 0.075 g)を加え、この反応混合物を45分間、振盪した。そこでこの反応混合物をろ過し、樹脂をDMF (4 mL)、MeOH (4 mL)、及びDCM (4 mL)で洗浄し、空気乾燥して(OO)を得た。
【0301】
(PP)の合成
(OO)(0.08 mmol) に50% TFA/DCM (2 mL) を加え、この混合物20分間、振盪した。次にこの反応物をろ過し、樹脂をDCM (10 mL)で洗浄した。揮発物質を減圧下で取り除き、できた油を DCM (10
mL) で希釈し、合計3回、蒸発させて(PP)を得た。
【0302】
9の合成
8 (0.11 mmol, 0.019 g) の攪拌済みMeCN (4 mL) 及びDMF (1 mL) 溶液に(PP) (0.1 mmol)、DIEA (2.9 mmol, 0.5 mL)、HOBT (0.2 mmol,
0.032 g)、及びHBTU (0.23 mmol, 0.087 g) を加え、この混合物を室温で一晩、攪拌した。次にその反応物を飽和NaHCO3 (15 mL) で希釈し、EtOAcで抽出した。その後、有機層を飽和 NaHCO3 及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより25 乃至55% EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いて精製して9 (7.8 mg)を得た。
【0303】
スキーム10: 実施例10の合成
【0304】
【化29】

【0305】
(QQ)の合成
0 oC のCbz-Asp (t-Bu)-OH (0.32
mmol, 108 mg) の DMF (2 mL)溶液にHOBT
(0.51 mmol, 78 mg)、HBTU (0.51 mmol, 194 mg)、及びDIEA (1.2 mmol, 0.2 mL)を加えた。できた混合物が均質な溶液になったらすぐに、Phe-HMPB-BHA 樹脂 (0.13 mmol, 200 mg) を加え、できた反応混合物を0~4 oC で一晩、振盪した。その樹脂をろ過にかけ、DMF
(3x 5 mL) 及びDCM (3 x 5 mL)で洗浄した。この樹脂を空気乾燥して(QQ)を得た。
【0306】
(RR)の合成
(QQ) (0.13 mmol) に TFA/DCM (5 mL, 5:95) を加え、この混合物を 0~4 oC で30分間、振盪した。そこでこの反応物をろ過し、樹脂を DCM (3 x 10 mL)で洗浄した。揮発物質を減圧下で0 oC
で取り除いて(RR)を得た。
【0307】
(SS)の合成
0 oC の(RR) (0.13 mmol) 及び4 (0.12 mmol) の THF (5 mL) 溶液に HOBT (0.18 mmol, 31 mg)、HBTU (0.18 mmol, 76
mg) 及びDIEA (0.6 mmol, 0.1 mL)を加え、できた反応混合物を 0~4 oC で一晩、攪拌した。次に、この反応混合物をEtOAc
(100 mL) 及び飽和NaHCO3で希釈し、その水相をEtOAcで抽出した。複合有機層を Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して黄色の油を生じさせ、この油をHPLCでMeCN/aq. NH4OAc 溶液で溶離させて精製することで(SS)を生成した。
【0308】
10の合成
(SS)をDCM (5 mL) に溶かした0 oC 溶液にTFA 酸 (5 mL)を滴下で加え、できた溶液を3時間、攪拌した。次にこの反応混合物を減圧下で濃縮し、できた残渣をHPLCにより、MeCN/aq. NH4OAc 溶液で溶離することで精製して10を得た。
【0309】
スキーム11: 実施例11の合成
【0310】
【化30】

【0311】
(TT)の合成
0 oC のZ-Ala-OH (0.32 mmol, 71
mg) の DMF (2 mL) 溶液にHOBT (0.51
mmol, 78 mg)、HBTU (0.51 mmol, 194 mg) 及びジイソプロピルエチルアミン (1.2 mmol, 0.2 mL)を加えた。できた混合物が均質になってすぐにPhe(4-MeO)-ワン(原語:Wang)樹脂 (0.13 mmol, 200 mg) を加え、できた反応混合物を一晩、振盪した。その後この樹脂をろ過にかけ、DMF (3 x 5 mL) 及びDCM (3 x 5 mL)で洗浄した。その後の樹脂を空気乾燥して(TT)を得た。
【0312】
(UU)の合成
(UU) (0.13 mmol) に50% TFA/DCM (5 mL) を加え、この混合物を30分間、振盪した。次にこの反応物をろ過し、樹脂を DCM (3 x 10 mL)で洗浄した。揮発物質を減圧下で取り除いて(UU)を得た。
【0313】
11の合成
0 oC の(UU)(0.13 mmol) 及び4 (0.12 mmol) のTHF (5 mL) 溶液に HOBT (0.18 mmol, 31 mg)、HBTU (0.18 mmol, 76
mg) 及びDIEA (0.6mmol, 0.1 mL)を加えた。出来た反応混合物を0~4 oC で一晩、攪拌した後、EtOAc (100 mL) 及び飽和NaHCO3で希釈した。次にその水相を EtOAcで抽出し、複合有機層をNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して黄色の油を生じさせ、この油をHPLCによりMeCN/aq. NH4OAc 溶液で溶離することで精製して11を得た。
【0314】
スキーム12: 実施例12の合成
【0315】
【化31】

【0316】
12の合成
0 oC の(VV)の (0.18 mmol, 50 mg) 及び4 (0.12 mmol) のTHF (5 mL) 溶液にHOBT (0.18 mmol, 31 mg)、HBTU (0.18 mmol, 76
mg) 及びDIEA (0.6mmol, 0.1 mL)を加えた。できた反応混合物を 0~4 oC で一晩、攪拌した後、EtOAc (100 mL) 及び飽和NaHCO3で希釈した。次に、その水相をEtOAcで抽出し、複合有機層をNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して黄色の油を生じさせ、この油をHPLCにより、MeCN/aq. NH4OAc 溶液で溶離させることで精製して12を提供した。
【0317】
スキーム13: 実施例13の合成
【0318】
【化32】

【0319】
(WW)の合成
Fmoc-O-t-ブチル-L-チロシン
(6.4 mmol, 2.94 g) の DCM (22 mL) 溶液に1-メチルイミダゾール (4.8 mmol, 0.380 mL) を加え、この混合物を、この溶液が均質になるまで攪拌し、均質になった時点で1-(メシチレン-2-スルホニル)-3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール (MSNT) (6.4 mmol, 1.9 g) を加えた。MSNT が溶解したらすぐに、その反応混合物をHMPB-BHA 樹脂 (1.28 mmol, 2 g) に加え、できた混合物を45分間、振盪した。この樹脂をろ過し、DMF (50 mL)、MeOH (50 mL)、及びDCM (50 mL)で洗浄した。その後この樹脂を空気乾燥して(WW)を提供した。
【0320】
(XX)の合成
(WW) (0.40 mmol, 0.62 g) に20% ピペリジン/DMF (50 mL) を加え、できた混合物を20分間、振盪した。該混合物をろ過し、その樹脂を DMF (20 mL)、MeOH (20 mL), 及びDCM (20 mL) で洗浄し、空気乾燥してから、上記の反応条件にもう一回、晒した。
【0321】
できた樹脂にDMF (64 mL)、Fmoc-Ala-OH (32 mmol, 1.05 g)、DIEA (12.8 mmol, 2.2 mL)、HOBT (5.12 mmol,
692 mg)、及びHBTU (5.12 mmol, 1.94 g) を加え、その反応混合物を45分間、振盪した。その反応混合物をろ過し、樹脂をDMF (40 mL)、DCM (40 mL)、MeOH (40 mL)、H2O (40 mL) MeOH (40
mL)、H2O (40 mL)、MeOH
(40 mL)、及びDCM (40 mL)で洗浄し、空気乾燥して(XX)を得た。
【0322】
(YY)の合成
(XX) (0.192 mmol, 0.3 g) に 20% ピペリジン/DMF (10 mL) を加え、できた混合物を20分間、振盪した。この混合物をろ過し、樹脂をDMF (20 mL)、MeOH (20 mL)、及びDCM (20 mL) で洗浄し、空気乾燥してから、それを上記反応にもう一回、晒した。
【0323】
できた樹脂にDMF (12 mL)、モルホリノ酢酸 (0.48 mmol, 70 mg)、DIEA (1.92 mmol, 334 mL)、HOBT (0.768 mmol,
104 mg)、及びHBTU (0.768 mmol, 291 mg) を加え、その反応混合物を45分間、振盪した。その反応混合物をろ過し、樹脂をDMF (40 mL)、DCM (40 mL)、MeOH (40 mL)、H2O (40 mL)、MeOH (40 mL) H2O (40 mL)、MeOH (40
mL)、及び DCM (40 mL)で洗浄し、空気乾燥して(YY)を得た。
【0324】
(ZZ)の合成
(YY) (0.192 mmol) に5% TFA/DCM (10 mL)を加え、その混合物を10分間、0 oCで振盪した。その反応混合物をろ過し、樹脂をDCM (10
mL)で洗浄した。揮発物質を減圧下で取り除き、できた油をDCM (10 mL)で希釈し、合計三回、蒸発させて(ZZ)を得た。
【0325】
13の合成
(ZZ) (0.192 mmol, 83 mg) の攪拌済みMeCN (6 mL) 及びDMF (2 mL) 溶液に4 (0.384 mmol, 79 mg)、DIEA (0.768 mmol, 133 mL)、HOBT (0.3 mmol, 41
mg)、及びHBTU (0.3 mmol, 116 mg) を加え、この混合物を 0 oC で2時間、攪拌した。その反応物を飽和NaHCO3
(15 mL) で希釈し、EtOAc (3 x)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3 及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた粗物質をフラッシュ・クロマトグラフィにより、EtOAc、続いてEtOAc/MeOH/TEA (98/1/1) を溶離液として用いて精製することで
13 を白色の固体として得、この固体をLC/MS (LCRS (MH) m/z:
623.80)で特徴付けた。
【0326】
スキーム14: 実施例14の合成
【0327】
【化33】

【0328】
(AAA)の合成
Boc-Tyr(Me)-OH (10 g) の無水ジクロロメタン (450 mL) 懸濁液を-5 °C まで氷/アセトン槽で冷却した。この懸濁液にトリエチルアミン (9.4 mL, 67.8 mmol) 及び DMAP (600 mg)を加えた。次に、ベンジルクロロホルメート (5.7 mL,
40.6 mmol)のジクロロメタン(50 mL) 溶液を滴下で加えた。できた溶液を-5 °C で3時間、攪拌した後、室温まで温めた。次に、飽和重炭酸ナトリウム (200 mL) の水溶液を加えた。その有機層を分離し、水層をジクロロメタン(200
mL)で洗浄した。複合有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた残渣をシリカゲル・カラム・クロマトグラフィにより80% ヘキサン/ 20% 酢酸エチルを用いて精製することで、11.43 g の白色の固体(88% の収率) を得、この固体を LC/MS (LCRS (MH) m/z: 386.42)で特徴付けた。
【0329】
Boc-Tyr(Me)-OBn (2 g, 5.2 mmol) をジクロロメタン (15
mL) に溶解し、0 °Cまで冷却した後、 TFA (15 mL)を滴下で加えた。この反応物を室温まで温め、2時間、攪拌した。減圧下で溶媒を取り除いて(AAA)を透明な油 (1.4 g, 95% の収率) として得、この油を LC/MS (LCRS (MH) m/z: 286.42) で特徴付け、更なる精製を行なわずに用いた。
【0330】
(BBB)の合成
0 °C のBoc-Ala-OH
(750 mg, 3.9 mmol)、H-Tyr(Me)-OBn (950 mg, 3.3 mmol)、HOBT (712 mg, 5.3 mmol) 及びHBTU (2.0g,
5.3mmol) のアセトニトリル (60 mL) 及びDMF
(6 mL) 溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン
(2.3 mL) を滴下で加えた。この混合物を0 oC で2時間、攪拌した後、酢酸エチル (300 mL) で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (2 x 100 mL) 及びブライン (100 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して不透明な油を得、この油をシリカゲル・カラム・クロマトグラフィにより50% ヘキサン/ 50% 酢酸エチルを用いて精製することで、600 mg の(BBB)を白色の泡(40% の収率) として得、この泡をLC/MS (LCRS (MH) m/z: 457.52)で特徴付けた。
【0331】
(CCC)の合成
0 °C の(BBB) (5.9 g,
12.9 mmol) のテトラヒドロフラン (120 mL) 溶液に10 % Pd/C (1.2 g) を加え、できた混合物を1気圧の水素下で2時間、攪拌した。次にこの混合物をセライト545 を通してろ過し、そのろ過ケークをテトラヒドロフランで洗浄した。その後、有機ろ過物を減圧下で濃縮し、高真空下に置いて4.53 g (95%の収率) の(CCC)を得、この(CCC)を更なる精製なしに用いた。
【0332】
(DDD)の合成
0 °C の(CCC) (4 g,
10.9 mmol)、4 (2.23 g, 10.9 mmol)、HOBT (2.36 g, 17.4
mmol) 及びHBTU (6.6 g, 17.4 mmol) のアセトニトリル (200 mL) 及び DMF (5 mL) 溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (7.6 mL) を加え、この混合物を 0 oC で2時間、攪拌した。次にそれを酢酸エチル (400
mL) で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (2 x 100 mL) 及びブライン (100 mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた残渣をHPLC (水性酢酸アンモニウム (0.02 M) 及びアセトニトリル) により精製して(DDD) (4.47 g, 74% の収率) を得、 LC/MS (LCRS (MH) m/z: 554.79)で特徴付けた。
【0333】
(EEE)の合成
0 °C の(DDD) (2 g,
3.6 mmol) のジクロロメタン(32 mL) 溶液にトリフルオロ酢酸 (8 mL)を加え、できた溶液をその温度でさらに1時間、攪拌した。その後、この溶液を減圧下で濃縮し、高真空下に置いて(EEE)を得、LC/MS (LCRS (MH) m/z: 454.72)で確認し、更なる精製なしで用いた。
【0334】
14の合成
0 °C の(EEE)、モルホリン-4-イル-酢酸 (1.048 g, 7.22 mmol)、HOBT (780 mg, 5.76 mmol) 及びHBTU (2.2 g, 5.76
mmol) のアセトニトリル (60 mL) 及びDMF (3
mL) 溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (2.5
mL) を滴下で加えた。この混合物を 0 oCで2時間、攪拌した後、酢酸エチル (300 mL) で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (2 x 100 mL) 及びブライン (100 mL)で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。できた残渣をHPLCにより(水性酢酸アンモニウム (0.02 M) 及びアセトニトリル)精製して
14 (620 mg, 29% の収率) を提供し、 LC/MS (LCRS (MH) m/z: 581.83)で特徴付けた。
【0335】
スキーム15: 実施例15の合成
【0336】
【化34】

【0337】
0 °Cの(EEE) (65 mg,
0.144 mmol)、(2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)酢酸ヒドロクロリド (FFF) (50 mg, 0.288 mmol)、HOBT (32 mg, 0.23 mmol) 及び HBTU (88 mg, 0.23
mmol) のアセトニトリル (15 mL) 及び DMF
(1 mL) 溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン
(100 mL) を滴下で加え、この混合物を0 oC で2時間、攪拌した。次にそれを酢酸エチル (30 mL) で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (2 x 15 mL) 及びブライン (15 mL)で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して残渣を生じさせ、その残渣を HPLC(水性酢酸アンモニウム (0.02 M) 及びアセトニトリル) により精製して15 (32 mg, 36% の収率) を提供し、LC/MS (LCRS (MH) m/z: 609.83)で特徴付けた。
【0338】
スキーム16: 実施例16の合成
【0339】
【化35】

【0340】
0 °C の(EEE) (62 mg,
0.14 mmol)、(2-メチル-1,3-チアゾール-5-イル)酢酸(GGG)(25 mg,
0.15 mmol)、 HOBT (30 mg, 0.22 mmol) 及び HBTU (84 mg, 0.22 mmol) のアセトニトリル (15 mL) 及びDMF (1 mL) 溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (143 mL)を滴下で加え、できた混合物を 0 oC で2時間、攪拌した。次にそれを酢酸エチル (30 mL) で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (2 x 15 mL) 及びブライン (15 mL)で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して残渣を生じさせ、その残渣をHPLC (水性酢酸アンモニウム (0.02 M) 及びアセトニトリル) により精製して1-6 を提供し、LC/MS
(LCRS (MH) m/z: 593.72)で特徴付けた。
【0341】
スキーム17: 実施例17の合成
【化36】

【0342】
(III)の合成
0 °Cの(HHH) (2 g,
5.9 mmol)、4 (2.44 g, 11.89 mmol)、HOBT (1.28 g, 9.5
mmol) 及びHBTU (3.6 g, 9.5 mmol) のアセトニトリル (180 mL) 及びDMF (10 mL) 溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (4.14 mL) を滴下で加え、この混合物を 0 oCで2時間、攪拌した。次にそれを酢酸エチル (200
mL) で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (2 x 50 mL) 及びブライン (50 mL)で希釈した。複合有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して残渣を生じさせ、この残渣を HPLC (水性酢酸アンモニウム (0.02 M) 及びアセトニトリル) により精製して(III) (1.5 g, 50% の収率) を提供し、LC/MS (LCRS (MH) m/z: 524.71)で特徴付けた。
【0343】
(JJJ)の合成
0 °C の(III) (60 mg,
0.1 mmol) のジクロロメタン (2 mL) 溶液にトリフルオロ酢酸(0.5 mL)を加え、できた溶液をその温度で更に1時間、攪拌した。次にこの溶液を減圧下で濃縮し、高真空下に置いて(JJJ)を提供し、 LC/MS (LCRS (MH) m/z: 424.51) で確認し、更なる精製なしに用いた。
【0344】
17の合成
0 °C の(JJJ) (2,4-ジメチル1,3-チアゾール-5-イル-酢酸 (40 mg, 0.23 mmol), HOBT (25 mg, 0.183 mmol) 及びHBTU (70 mg, 0.183 mmol) のアセトニトリル (6 mL) 及び DMF (1 mL) 溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (80 mL) を滴下で加えた。次にこの混合物を 0 oC で2時間、攪拌した。次にそれを酢酸エチル (50 mL) で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2 x 10 mL) 及びブライン (10 mL)で洗浄した。その複合有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して残渣を生じさせ、その残渣を HPLC (水性酢酸アンモニウム (0.02 M) 及びアセトニトリル) で精製して17 (29 mg, 44% の収率) を提供し、 LC/MS (LCRS (MH) m/z: 577.86)で特徴付けた。
【0345】
実施例18: 阻害優先を判定するための検定
ある分子が、構成的又は免疫プロテアソームのCT-L活性を優先的に阻害するかどうかを判定するときに用いることのできる検定は三種類ある。米国出願一連番号 09/569748号、実施例2及び Stein et al., Biochem. (1996),
35, 3899-3908 に開示されたものなどの酵素反応速度検定は、90%を超える構成的プロテアソーム・サブユニット又は免疫プロテアソーム・サブユニットを持つ単離された 20S プロテアソーム・プレップを用いる。こうして、この分子の阻害優先は構成的プロテアソームのキモトリプシン様活性、対、免疫プロテアソームのそれに対するEC50比(20S比)に基づく。
【0346】
代替的には、ある化合物のCT-L EC50 は、細胞ライセートの文脈で26Sプロテアソームを用いて判断することができる。主に構成的プロテアソーム(例えばHT29)又は免疫プロテアソーム(例えばTHP1)のいずれかを発現する細胞から作製したライセートに化合物を加える。やはり、この優先阻害も、EC50比(ライセート比)に基づく。
【0347】
最後に、より細胞ベースのアプローチを用いることもできる。ほぼ等量の免疫-及び構成的プロテアソームを発現する細胞(例えばRPMI-8226)を検査化合物で処置した後、出願一連番号11/254541で解説されたように、プロテアソーム阻害剤の活性を判断する方法を行なう。β5抗体及びLMP7 抗体を用いてELISAベースの検定で生じるEC50の比(ELISA 比)は、検査化合物の阻害優先を判断する基礎を提供する。全ての場合において、1という比は、その分子が両方の形のプロテアソームのCT-L活性を阻害する上で等しく良好に働くことを示すものである。三つの検定すべてで、1未満という比は、その分子が、免疫プロテアソームのCT-L活性よりも構成的プロテアソームのそれをより良好に阻害することを示すものである。1を越える比は、その分子が、構成的プロテアソームのキモトリプシン様活性よりも免疫プロテアソームのそれをより良好に阻害することを示す。
【0348】
実施例19: ELISA検定
適したELISA検定は、その全文をここに援用することとする米国特許出願番号No.
11/254541号に見られよう。簡単に説明すると、RPMI-8226 細胞を0.1 nM 乃至 1 mM のプロテアソーム阻害剤Bで処置した。次に該試料をリン酸緩衝生理食塩水(PBS) で洗浄し、低張緩衝剤 (20 mM Tris pH 8, 5 mM
EDTA) (Tris-HCl 及び EDTA はカリフォルニア州ホリスターのTeknova社から入手可能)に溶解させた。マイクロ遠心管(4 °C) で14,000 rpm で2分間、遠心して細胞片を取り除いた。上清を新鮮な試験管に移し、液体窒素で瞬間凍結させて-80℃で保存した。氷上で解凍した後、試料 (三重にして行なわれる検定用に30 μl) を500 nM の阻害剤Aで1時間、室温で処置した。阻害剤Aでの処置後、7容の1% SDS (210 μl) (カリフォルニア州ヘラクレス、Bio-Rad社から入手可能)を加え、よく振盪しながら5分間、99 °C で加熱することでライセートを変性させた。該試料を冷却し、2容 (60 μl) の 10%
Triton X-100(カリフォルニア州ヘラクレス、Bio-Rad社から入手可能)を加えた。
【0349】
【化37】

【0350】
【化38】

【0351】
ストレプトアビジン・セファロース・ビーズ (6.5 μl/well) (ニュージャージー州ピスカタウェイ、Amersham Biosciences社から入手可能)を 1 ml PBS(ヴァージニア州ハーンドン、Mediatech社から入手可能) で3回、マイクロ遠心管中で洗浄した。このビーズをELISA
洗浄/遮断緩衝液 (PBS + 0.1% Tween 20 + 1% ウシ血清アルブミン;20 μl/well) に再懸濁させ、96
ウェル・フィルタ・プレート (BSA はミズーリ州セントルイス、Sigma社から入手可能; Tween はカリフォルニア州サンディエゴ、Calbiochem社から入手可能)のウェルに移した。阻害剤3で処置した変性後の全血又はPBMC ライセートを、ストレプトアビジン・セファロース・ビーズを容れたフィルタ・プレート・ウェルに加え(各試料は三重にして検定)、振盪しながら室温で1時間、インキュベート (低タンパク質結合性デュラポア(原語:durapore)膜を付けたマルチスクリーン-DVオペーク・プレート;マサチューセッツ州ビレリカ、Millipore社から入手可能)した。優しくろ過して未結合の物質を取り除き、ビーズを ELISA 洗浄/遮断緩衝液 (それぞれ200μl )で6回、洗浄した。
【0352】
ヒト20S プロテアソーム・サブユニットβ5(ウサギポリクローナル抗体;ペンシルヴァニア州プリマス・ミーティング、Biomol社から入手可能)又はヒト20S 免疫プロテアソーム・サブユニット LMP7 (ウサギポリクローナル抗体;コロラド州ゴールデン、Affinity
BioReagents社から入手可能) に対する一次抗体を
1:1000 に ELISA 洗浄/遮断緩衝液で希釈し、ビーズに加え(100 ml/ウェル)、軌道シェーカ内で室温で1時間、インキュベートした。このビーズをELISA 洗浄/遮断緩衝液で6回、優しくろ過しながら洗浄した。二次抗体処置
(1:5000) 及び洗浄は一次抗体(ヤギ抗ウサギ抗体-HRP 複合体;カリフォルニア州カマリロ、Biosource社から入手可能)について解説した通りである。その後ビーズを 100 mlの化学発光性検出試薬 (スーパーシグナルピコ(原語:Super Signal Pico )化学発光基質TM;イリノイ州ロックフォード、Pierce社から入手可能) に再懸濁させ、発光Tecan プレート・リーダで読み取った。
【0353】
プロテアソームの活性部位がペプチドエポキシケトン阻害剤で占拠されると、キモトリプシン様触媒活性の減少と、ビオチン化プローブ(阻害剤A)の結合の減少という両方が起きる。これらのデータは、ビオチン化プローブを用いたELISAベースの検定が阻害剤Bの阻害活性を精確に反映するものであることを示唆している。
【0354】
ELISAベースのPD 検定の特徴の一つは、それがサブユニット特異的な抗体を利用するため、構成的プロテアソーム阻害(β5)と免疫プロテアソーム阻害(LMP7)とを区別できる点である。
【0355】
異なる活性部位プローブ(阻害剤C)を用いると、両方の形のプロテアソームを同時発現する8226多発性骨髄腫細胞株で複数の構成的(β5、β1、β2)及び免疫プロテアソーム(LMP7、LMP2)活性部位の占拠を測定する上でのELISAベースの検定の実用性が広がる。この拡張された活性部位検定を用いると、免疫-及び構成的プロテアソームの両方の間や、各プロテアソームの三つの活性部位間の相対的阻害剤選択性を測定することができる。加えて、ELISAベースの検定は、ペプチドホウ素酸ベースの阻害剤を含め、他のクラスのプロテアソーム阻害剤の効力及び選択性を判定することができる。
【0356】
【化39】

【0357】
ある阻害剤の薬力学的評価を行なうには、投薬前と投薬後の複数の時点で、全血及びPBMC 試料を採集する。ライセートを調製し、タンパク質濃度検定を行って、各ライセート中の総タンパク質を正規化する。それぞれ全血及びPBMCRPMI-8226 細胞中のβ5及びLMP7サブユニットに結合する阻害剤のレベルを、上記のストレプトアビジン捕獲ELISAで判定する。精製済みの構成的プロテアソーム及び免疫プロテアソームによる標準曲線を用いて検定の直線性/ダイナミックレンジを確認し、化学発光シグナルを、結合したサブユニットの絶対量(μg)に変換する。β5抗体及びLMP7 抗体 を用いたELISAベースの検定で作成したEC50の比(ELISA比)は、検査化合物の阻害優先を判定する基盤となる。上記の阻害剤(B)は20を越える比を有するため、それは免疫プロテアソームに伴うキモトリプシン様活性を阻害する上で、はるかにより選択的である。
【0358】
ある患者にとってのプロテアソーム阻害のレベルを判定するためには、投薬後の試料で検出されるβ5又はLMP7の量を、投薬前試料に比較する。プロテアソーム阻害は、一回の投薬後、又は、1サイクルの投薬後に判定されるか、あるいは、投薬後まもなくの阻害を観察するためや、ある投薬コース後のプロテアソーム活性の回復を観察するために、用いられる。
【0359】
実施例20: 生物学的結果
【0360】
【表1】

【0361】
【表2】

【0362】
【表3】

【0363】
【表4】

【0364】
【表5】

【0365】
【表6】

【0366】
【表7】

【0367】
【表8】

【0368】
【表9】

【0369】
【表10】

【0370】
実施例21: リウマチ様関節炎モデルにおける免疫プロテアソーム阻害剤の使用
疾患の進行に対する化合物14の効果を、リウマチ様関節炎の2匹のマウス・モデルで評価した(図2)。疾患を抗コラーゲン抗体及びリポ多糖(LPS)の投与により誘発する関節形成抗体モデル (Terato et al., J
Immunol 148:2103-2108, 1992)では、化合物14は 疾患の進行を用量依存的に阻害した(図2A)。メスのBalb/cマウスで0日目に抗タイプIIコラーゲンを、続いて3日後にLPSを静脈内投与することによりリウマチ様関節炎を誘発した。化合物Xは4日目から開始する2週間の間、1週間当り3回、静脈内投与され、最初に日に動物は疾患の証拠を示した。マウス1匹毎に、各脚を疾患について0から4のスケールを用いて測定し、合計臨床スコアを各動物に与えた(最大スコア =1-6)。6 mg/kgの化合物14を投与したところ、疾患の重篤度が最高50%、減少したが、 20 mg/kg の用量レベルではこの疾患が75%を超えて阻害された。
【0371】
疾患の進行に対する化合物14の投与の効果は、更に、ウシタイプIIコラーゲンによる免疫処置後21乃至30日で疾患が発症するRAの代替的マウスモデルでも評価された(Kagari et al., J Immunol
169:1459-1466, 2002)。疾患の最初の兆候後に開始した 6 又は 20 mg/kg の化合物14の投与により、伝播体のコントロールに比較して疾患の進行が阻害された(図2B)。やはり、疾患の進行はマウスごとに脚の状態の合計臨床スコアを用いて測定された。前にも見られたように、化合物14の量を増加させると、疾患重篤度の減少が向上した。
【0372】
均等物
当業者であれば、ごく慣例的な実験を用いるのみで、ここに記載された化合物及びその使用法の均等物を数多く認識され、又は確認できることであろう。このような均等物は、本発明の範囲内にあると考えられ、また以下の請求項に網羅されるものである。上記の引用文献及び公開文献のすべてを、引用をもってここに援用することとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容可能な塩
【化40】

であって、但し式中、
各Ar は、独立に、選択的に1乃至4個の置換基で置換される一個の芳香族又はヘテロ芳香族基であり;
各A は、独立に、C=O、C=S、及びSO2 から選択され、あるいは
A は、Zに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
B は存在しないか、あるいはN(R9)R10であり;
L は存在しないであり;
Mは存在しないか、あるいはC1-12アルキルであり;
Q は存在しないであり;
X はO、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;
Yは存在しないか、あるいは、C=O 及びSO2から選択され;
各Z は、独立に、O、S、NH、及びN-C1-6アルキルから選択され;あるいは
Z は、Aに隣り合うときには選択的に一個の共有結合であり;
R1 はH、-C1-6アルキル-B、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシアルキル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され;
R2 及びR3 はそれぞれ独立にアリール、C1-6アラルキル、ヘテロアリール、及びC1-6へテロアラルキルから選択され;
R4 はN(R5)L-Q-R6であり;
R5 は水素であり;
R6 は水素、 C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、Ar-Y-、カルボシクリル、ヘテロシクリル、一個のN-末端保護基、アリール、C1-6アラルキル、R11ZAZ-C1-8アルキル-、R14Z-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、R11ZAZ-C1-8アルキル-ZAZ-C1-8アルキル-、ヘテロシクリルMZAZ-C1-8アルキル-、(R11O)(R12O)P(=O)O-C1-8アルキル-、(R13)2N-C1-12アルキル-、(R13)3N+-C1-12アルキル-、ヘテロシクリルM-、カルボシクリルM-、R14SO2C1-8アルキル-、及びR14SO2NHから選択され;あるいは
R5 及びR6 は共にC1-6アルキル-Y-C1-6アルキル、C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ-C1-6アルキル、ZAZ-C1-6アルキル-ZAZ、又は C1-6アルキル-Aであることで一個の環を形成し;
R7 及びR8 は、独立に、水素、C1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され;
R9 は水素、OH、及びC1-6アルキルから選択され;
R10 は一個のN-末端保護基であり;
R11 及びR12 は、独立に、水素、金属陽イオン、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され;
各R13 は、独立に、水素、及びC1-6アルキルから選択され;そして
R14 は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、カルボシシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びC1-6アラルキルから選択され;そして
R15 はC1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6アルコキシ、-C(O)OC1-6アルキル、-C(O)NHC1-6アルキル、及びC1-6アラルキルから選択され;
但し条件として配列ZAZがある場合は必ず、前記配列の少なくとも一つの構成員は一個の共有結合以外でなくてはならない、
化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
R6が一個のN-末端保護基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R6が、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ベンゾイル、フルオレン-9-イルメトキシカルボニル、トリフェニルメチル、及びトリクロロエトキシカルボニルから選ばれる、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1が置換する炭素がD型立体化学的配置を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
A がC=Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
M がC1-8アルキルである、請求項1乃至5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
B が存在しないである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
X がOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Z がOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R7 及びR8 が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
R9 がC1-6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R11 及びR12 が、独立に、水素、金属陽イオン、及びC1-6アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R1 がC1-6アルキル-B 及びC1-6アラルキルから選択される、請求項1に記載に化合物。
【請求項14】
R1 がヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸若しくはその塩、エステル、チオール及びチオエーテルから選択される一つ以上の置換基により置換されている、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
R1 が、メチル、エチル、イソプロピル、カルボキシメチル、及びベンジルから選択される、請求項13に記載の化合物。
請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
R2 がC1-6アラルキル及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される、請求項1に記載に化合物。
【請求項17】
R2 がC1-6アルキルフェニル、C1-6アルキルインドリル、C1-6アルキルチエニル、C1-6アルキルチアゾリル及びC1-6アルキルイソチアゾリルから選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
R2 がヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸若しくはその塩、エステル、チオール及びチオエーテルから選択される一つ以上の置換基により置換されている、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
R2 がアルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ及びシアノから選択される一つ以上の置換基により置換されている、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
R2 がC1-6アルキルフェニル、及びC1-6アルキルインドリルから選択される、請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
R3 がC1-6アラルキル及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される、請求項1に記載に化合物。
【請求項22】
R3 がヒドロキシ、ハロゲン、アミド、アミン、カルボン酸若しくはその塩、エステル、チオール及びチオエーテルから選択される一つ以上の置換基により置換されている、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
R3 がアルキル、トリハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ及びシアノから選択される一つ以上の置換基に置換されている、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
R3 がC1-6アルキルフェニル、及びC1-6アルキルインドリルから選択される、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
R6 がC1-6アルキル、C1-6アルケニル、C1-6アルキニル、C1-6アラルキル、及びC1-6ヘテロアラルキルから選択される一つ以上の置換基により置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
R6 がブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルから選択される一つ以上の置換基により置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
R7 及びR8 が、独立に、水素及びC1-6アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
R2が置換する炭素が、D型立体化学的配置を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
R3が置換する炭素が、D型立体化学的配置を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
請求項1又はその薬学的に許容可能な塩に記載の化合物及び薬学的に許容可能なキャリヤーを含む、医薬組成物。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−67623(P2013−67623A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−241236(P2012−241236)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【分割の表示】特願2009−516564(P2009−516564)の分割
【原出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(506343520)プロテオリックス, インコーポレイテッド (13)
【住所又は居所原語表記】249E.Grand Avenue,South San Francisco,California 94080 (US)
【Fターム(参考)】