説明

酸化物半導体ナノ繊維を利用した超高感度ガスセンサー及びその製造方法

【課題】特定ガスに高感応性を有するナノサイズの金属酸化物または金属触媒粒子が塗布された酸化物半導体ナノ繊維を利用したガスセンサーを提供する。
【解決手段】本発明によるガスセンサーは、絶縁基板と、該絶縁基板の上部に形成された金属電極と、該金属電極の上部に形成された高感応性を有するナノ粒子が塗布された酸化物半導体ナノ繊維層とを含む。本発明によれば、酸化物を電気放射用溶液で製造した後、これを電気放射し、熱処理して酸化物半導体ナノ繊維を形成し、次いで、大きい比表面積を有するナノ繊維の表面に特定ガスに高感応性を有するナノサイズの金属酸化物または金属触媒粒子を部分的に塗布し、超高感度、高選択性、高応答性、長期安定性の特性を有する酸化物半導体ナノ繊維ガスセンサーを製作することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物半導体ナノ繊維を利用した超高感度ガスセンサー及びその製造方法に関する。より詳細には、大きい比表面積のナノ繊維に特定ガスに高感応性を有するナノ物質を塗布することによって、超高感度、高選択性、高応答性及び長期安定性の特性を有することができる酸化物半導体ナノ繊維を利用した超高感度ガスセンサー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス感知用酸化物半導体は、反応ガスに対して優れた反応性、安定性、耐久性及び生産性を示すので、バルク、厚膜、チップ及び薄膜形態で研究及び開発されている。
【0003】
酸化物半導体ガスセンサーの反応ガスに対するガス感知特性は、酸化物表面に反応ガスが吸着または脱着時に発生する可逆的化学反応によって半導体酸化物の電気的特性が変化することに起因する。
【0004】
酸化物半導体ガスセンサーのガス感知特性改善は、主に反応性の高い半導体酸化物素材開発と製造工程の改善に集中されている。特に数nmから数百nm程度の直径を有する結晶化された酸化物センサー素材を利用して体積対比表面積と多孔率の高い2または3次元構造の半導体酸化物薄膜ガスセンサーを製造するための努力が進行されている。
【0005】
さらに、高分子テンプレートを利用するなど多様な有機/無機融合工程が試みられている。
【0006】
しかし、酸化物半導体薄膜ガスセンサーは、絶縁支持基板とガス感知用酸化物間の界面反応が存在し、反応面積の増大に制限があるなど根本的な構造的限界を持っていて、新しい工程の接近が要求されている。これと関して、最近になって酸化物ナノ繊維を利用したガスセンサー製造が活発に試みられている。
【0007】
酸化物半導体ナノ繊維の製造方法のうち電気放射法は、製造費用が低価であり、簡単であり、且つ、生産性が高くて、最も効果的にナノ繊維を製造することができる方法として提示されている。
【0008】
電気放射を利用したナノ繊維の製造において酸化物半導体ナノ繊維は、金属酸化物前駆体、高分子、溶媒を混合した複合溶液を電気放射した後に熱処理して製造する。このように製造した金属酸化物ナノ繊維は、結晶化された酸化物で構成された酸化物微細繊維であって、数nmから数百nmの直径及び数mmに至る長さを示す。
【0009】
半導体酸化物ナノ繊維は、外形的に堅固であり、薄膜と比べて格別に高い体積対比表面積と気孔率を提供する利点がある。また、電気放射の工程変数、部品と装置を簡単に調節することによって、さらに微細なナノ繊維を製造することができる。すなわち、ナノ繊維の直径を空乏層の幅に近く製造することができる利点を提供する。このため、極少量の反応ガスの濃度に対しても高い感度と応答/回復速度を示す新しい1次元ガスセンサー材料として応用しようとする試み及び研究が活発に行われている。
【0010】
電気放射で製造された酸化物半導体ナノ繊維のうちTiO2ナノ繊維ガスセンサーの場合、ppbレベルの反応ガス濃度に対して高いガス感度を示すものと報告されている。
【0011】
しかし、このような高感度の酸化物半導体ガスセンサーの材料がTiO2に制限され、反応気体に対する応答/回復速度が速くないという短所がある。また、このような特性を向上させるために貴金属触媒を利用する試み及び研究が行われているが、貴金属触媒の使用は、製造費用を上昇させるという短所がある。
【0012】
前述したように、酸化物半導体ナノ繊維センサーは、バルク、薄膜及び厚膜型センサーに比べて非常に大きい比表面積を有しており、このような特性を利用して環境有害ガスを検知することができる超高感度、高機能性センサーを製作することができる。しかし、現在、このようなナノ繊維の利点があるにもかかわらず、ナノ繊維を利用した環境有害ガスセンサーは、現在商用化されていない実情である。その理由として、第一に、反応ガスに対する画期的な反応性改善を示す酸化物半導体ナノ繊維材料がTiO2に制限され、応答/回復速度が充分でない問題、第二に、反応性を向上させるために使用した貴金属触媒に起因して、製造費用が上昇する問題を有している。
【0013】
これより、本発明者らは、ナノ繊維の大きい比表面積を有する特性を利用しながら、前述した従来技術の問題点を解決するための方案を研究したところ、大きい比表面積を有する酸化物半導体ナノ繊維に特定ガスに高感応性を有するナノサイズの金属酸化物粒子または金属触媒粒子を部分的に塗布する場合、超高感度、高応答性、高選択性、長期安定性のような利点を有するガスセンサーを得ることができることを知見し、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、特定ガスに高感応性を有するナノサイズの金属酸化物または金属触媒粒子が塗布された酸化物半導体ナノ繊維を利用したガスセンサーを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、特定ガスに高感応性を有するナノサイズの金属酸化物または金属触媒粒子が塗布された酸化物半導体ナノ繊維を利用したガスセンサーの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る超高感度ガスセンサーは、絶縁基板と、絶縁基板の上部に形成された金属電極と、金属電極の上部に形成された高感応性を有するナノ粒子が塗布された金属酸化物半導体ナノ繊維層とを含む。
【0017】
本発明によるガスセンサーにおいて、絶縁基板として、酸化物単結晶基板、セラミック基板、絶縁層が上部に形成されたシリコーン基板及びガラス基板よりなる群から選択されることが好ましい。
【0018】
また、本発明によるガスセンサーにおいて、金属電極として、Pt、Pd、Ag、Au、Ni、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から一種以上選択されることが好ましい。
【0019】
また、本発明によるガスセンサーにおいて、酸化物半導体ナノ繊維層を構成する酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択されることが好ましい。
【0020】
また、本発明によるガスセンサーにおいて、ナノ繊維層の表面に塗布されるナノ粒子は、特定ガスに高感応性を有するナノサイズの金属酸化物粒子または金属触媒粒子であることが好ましく、ここで、金属酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択され、金属として、Pt、Pd、Ag、Au、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から一種以上選択される。
【0021】
また、本発明の他の態様に係る超高感度ガスセンサーの製造方法は、絶縁基板の上に金属電極を形成する段階と、金属電極の上に、金属酸化物、ポリマー物質及び溶媒が混合された複合溶液を電気放射法で放射し、酸化物/ポリマー複合ナノ繊維層を形成する段階と、前記複合ナノ繊維層を1次熱処理し、溶媒を除去する段階と、溶媒が除去された複合ナノ繊維層を2次高温熱処理し、酸化物半導体ナノ繊維層を形成する段階と、酸化物半導体ナノ繊維層の表面にナノ粒子を塗布する段階と、ナノ粒子が塗布された酸化物半導体ナノ繊維層を3次高温熱処理する段階とを含む。
【0022】
本発明によるガスセンサーの製造方法において、複合溶液を構成する金属酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34、及びAl23前駆体よりなる群から一種以上選択され、ポリマーとして、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニル酢酸(PVAc)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエーテルウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリビニルカルバゾール(PVC)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリカプロラクタム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリエチレンナフタレート(PEN)よりなる群から一種以上選択され、溶媒として、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロピルアルコール(IPA)、水、クロロホルム、ギ酸、ジエチルホルムアミド(DEF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジクロロメタン、トルエン、及び酢酸よりなる群から一種以上選択されることが好ましい。
【0023】
また、本発明によるガスセンサーの製造方法において、1次熱処理は、ポリマー物質のガラス転移温度付近で行われ、2次熱処理は、300乃至800℃で行われ、3次熱処理は、300乃至600℃の温度で行われることが好ましい。
【0024】
また、本発明によるガスセンサーの製造方法において、ナノ繊維層に塗布されるナノ粒子として、ナノサイズの金属酸化物または金属触媒粒子が使用されることができ、これは、物理的または化学的蒸着手段を用いて酸化物半導体ナノ繊維層の表面に薄膜形態で、またはドット形態で塗布されることが好ましい。
【0025】
ナノサイズの金属酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択され、ナノサイズの金属触媒として、Pt、Pd、Ag、Au、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から一種以上選択されることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、大きい比表面積を有するナノ繊維の表面に特定ガスに高感応性を有するナノサイズの金属酸化物または金属触媒粒子を部分的に塗布することによって、超高感度、高選択性、高応答性、長期安定性の特性を有する酸化物半導体ナノ繊維ガスセンサーを提供することができる。
【0027】
また、優秀な特性を有する酸化物半導体ナノ繊維ガスセンサーを開発することができるので、環境有害ガスの一層正確な測定と制御が要求される次世代ユビキタスセンサーシステム、環境監視システムなどに活用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例に係る酸化物半導体ナノ繊維を利用した超高感度ガスセンサーの斜視図である。
【図2】本発明に一実施例に係る薄膜形態でナノ粒子が塗布された場合(a)とドット形態でナノ粒子が塗布された場合(b)の酸化物半導体ナノ繊維の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る超高感度ガスセンサーの製造方法を示すための工程図である。
【図4】本発明の一実施例に係る酸化物/ポリマー複合繊維の表面を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の一実施例に係る酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層の表面を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明の一実施例に係る酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層のエネルギー分散X−線分光スペクトル(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)結果である。
【図7】本発明の一実施例に係る酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維のθ−2θ X−線回折パターンを示すグラフである。
【図8】本発明の一実施例に係るSnO2ナノ粒子が塗布された酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維の表面を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図9】本発明の一実施例に係るSnO2ナノ粒子が塗布された酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維のエネルギー分散X−線分光スペクトル(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)結果である。
【図10】本発明の一実施例に係るSnO2ナノ粒子が塗布された酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維のθ−2θ X−線回折パターンを示すグラフである。
【図11】本発明の一実施例に係るNO2ガスセンサーの動作温度と時間によって測定した敏感度の変化を示すグラフである。
【図12】本発明の一実施例に係るO2ガスセンサーの動作温度による敏感度の変化を示すグラフである。
【図13】本発明の一実施例に係るNO2ガスセンサーの200℃の動作温度でNO2ガス濃度によって測定した敏感度の変化を示すグラフである。
【図14】本発明の一実施例に係るNO2ガスセンサーのNO2ガス濃度によって測定した敏感度の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳しく説明される。
図1は、本発明の一実施例に係る酸化物半導体ナノ繊維を利用したガスセンサーを示す斜視図である。
【0030】
図1を参照すれば、本発明による酸化物半導体ナノ繊維ガスセンサー100は、絶縁基板110と、絶縁基板の上に形成された金属電極120と、金属電極の上に形成されたナノ粒子が塗布された酸化物半導体ナノ繊維層130とを含む。
【0031】
絶縁基板110は、0.1乃至1mmの厚さを有することが好ましく、酸化物単結晶基板(例えば、Al23、MgO、及びSrTiO3)、セラミック基板(例えば、Al23及びクオーツ)、絶縁層が上部に形成されたシリコーン基板(例えば、SiO2/Si)、ガラス基板よりなる群から選択されることができる。
【0032】
金属電極120として、Pt、Pd、Ag、Au、Ni、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から選択されることが好ましく、その厚さは、10nm乃至1000nmであることが好ましい。前記金属電極120の上に、電極パッド140を含むことができ、金属電極120と同一素材で形成されることができるが、必ず含まれる必要はない。
【0033】
酸化物半導体ナノ繊維層130を構成する酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択されることが好ましい。
【0034】
酸化物半導体ナノ繊維層130において、各々のナノ繊維は、直径が1nm乃至100nmであることが好ましい。これは、多結晶性を有するほど、ナノ結晶粒子の接合数が多くなり、このため、比表面積が増加し、特定ガスに対する感応度を増加させることができるからである。
【0035】
酸化物半導体ナノ繊維層130の表面には、高感応性を有するナノ粒子が塗布される。ナノ粒子として、ナノサイズの金属酸化物粒子またはナノサイズの金属触媒粒子を使用することができ、ナノサイズの金属酸化物粒子は、薄膜形態でナノ繊維層に塗布されることができ、ナノサイズの金属触媒粒子は、ドット形態でナノ繊維層に塗布されることができる。
【0036】
ナノサイズの金属酸化物粒子として、感応性と選択性を向上させるために、特定ガスに高感応性を有する酸化物が好ましく、例えば、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択されることができる。また、ナノサイズ金属酸化物粒子で塗布される薄膜の厚さは、電気応答性を向上させるために、表面空間電荷層の厚さ(100nm以下)で塗布されることが好ましい。金属酸化物ナノ粒子は、パルスレーザー蒸着法、スパッタリング法、ゾル−ゲル法などのような物理的または化学的蒸着法によってナノ繊維層120に薄膜形態で塗布されることができる。また、ナノサイズ金属触媒粒子として、高感性性と選択性を増加させるために、特定ガスに高感応性を有するPt、Pd、Au、Ag、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から選択されることが好ましく、より好ましくは、Pt、Pd、AuまたはAgである。
【0037】
金属触媒ナノ粒子は、パルスレーザー蒸着法、スパッタリング法のような物理的な蒸着法によってナノ繊維層120の上に部分的に、例えばドット形態で塗布されることができる。
【0038】
図2は、本発明による酸化物半導体ナノ繊維の表面にナノ粒子が薄膜形態で塗布された場合(a)と、ドット形態で塗布された場合(b)を各々示している。図2を参照して、ナノ繊維200の上に薄膜形態でナノ粒子210が塗布されており、また、ドット形態でナノ粒子220が部分的に塗布されている。
【0039】
図3は、本発明による酸化物半導体ナノ繊維ガスセンサーの製作過程を示す工程図である。
【0040】
図3に示されたように、本発明による酸化物ナノ繊維ガスセンサーの製造方法は、絶縁基板の上に金属電極を形成する段階S11と、金属電極の上に、金属酸化物、ポリマー物質及び溶媒が混合された複合溶液を電気放射法で放射し、酸化物/ポリマー複合ナノ繊維層を形成する段階S12と、複合ナノ繊維層を1次熱処理し、溶媒を除去する段階S13と、溶媒が除去された前記複合ナノ繊維層を2次高温熱処理し、酸化物半導体ナノ繊維層を形成する段階S14と、酸化物半導体ナノ繊維層の表面に高感応性を有するナノ粒子を塗布する段階S15と、ナノ粒子が塗布された酸化物半導体ナノ繊維層を3次高温熱処理する段階S16とを含む。
【0041】
酸化物ナノ繊維ガスセンサーを製作するためには、まず、絶縁基板の上に金属電極を形成する(S11)。ここで、金属電極として、Pt、Pd、Ag、Au、Ni、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から選択されることが好ましく、この分野の一般的な方法を通じて10nm乃至1000nmの厚さで形成されることができる。
【0042】
次に、金属電極の上に金属酸化物、ポリマー物質及び溶媒が混合された複合溶液を電気放射法で放射し、酸化物/ポリマー複合ナノ繊維層を形成する(S12)。ここで、複合溶液は、金属酸化物または金属酸化物前駆体を、ポリマー物質と溶媒を混合して得ることができ、電気放射用として使用するためには、粘度が1000乃至3000cpsであることが好ましい。この場合、金属酸化物、ポリマー物質と溶媒の重量比は、5:4:2乃至4:3:1の範囲内で混合することが好ましい。また、ポリマー物質と溶媒は、極性高分子−極性溶媒または非極性高分子−非極性溶媒の組合であることができる。複合溶液は、室温以上の温度(例えば、25乃至100℃)で混合し、長時間(具体的に3乃至24時間)溶液を撹拌することによって、ビーズのないナノ繊維を製造することができる。
【0043】
複合溶液を構成する金属酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In2O3、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34またはAl23前駆体が使用されることができ、ポリマーとして、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニル酢酸(PVAc)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエーテルウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリビニルカルバゾール(PVC)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリカプロラクタム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリエチレンナフタレート(PEN)が使用されることができ、溶媒として、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロピルアルコール(IPA)、水、クロロホルム、ギ酸、ジエチルホルムアミド(DEF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジクロロメタン、トルエン、及び酢酸を使用することが好ましい。
【0044】
複合溶液は、電気放射装置に投入され、直径10μm乃至1mmの噴射ノズルを通じて放射され、この場合、噴射ノズルに1kV乃至30kVの電圧を印加し、複合溶液が放射されながら接地されたコレクタ上の基板に収集され、直径1乃至100nmのナノ繊維が得られることができる。
【0045】
次に、溶媒を除去するために、1次熱処理をする(S13)。1次熱処理は、ポリマー物質のガラス転移温度付近で10分乃至1時間行われ、これにより、酸化物/ポリマー複合ナノ繊維は、熱的、物質的安定性及び堅固性を有するナノ繊維間ネットワーク構造を形成することができ、したがって、金属電極とナノ繊維層間の接着性を向上させることができる。1次熱処理を通じて溶媒が完全に除去されることが好ましい。
【0046】
次に、ポリマー物質除去と結晶化のために2次熱処理をする(S14)。2次熱処理は、500℃以上、好ましくは500乃至700℃の高温で10分乃至10時間行われ、2次熱処理を通じて酸化物半導体ナノ繊維層を形成する。
【0047】
次に、1次及び2次熱処理された酸化物半導体ナノ繊維層の表面に高感応性を有するナノ粒子で塗布する(S15)。ここで、ナノ粒子として、ナノサイズの金属酸化物粒子またはナノサイズの金属触媒粒子が使用されることができる。
【0048】
ナノサイズの金属酸化物粒子は、薄膜形態でナノ繊維層に塗布されることができ、ナノサイズの金属触媒粒子は、ドット形態でナノ繊維層に塗布されることができる。
【0049】
ナノサイズの金属酸化物粒子として、感応性と選択性を向上させるために特定ガスに高感応性を有する酸化物が好ましく、例えば、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択されることができる。
【0050】
また、ナノサイズ金属酸化物粒子で塗布される薄膜の厚さは、電気応答性を向上させるために、表面空間電荷層の厚さ(100nm以下)で塗布されることが好ましい。ナノサイズ金属酸化物粒子は、パルスレーザー蒸着法、スパッタリング法、ゾル−ゲル法などのような物理的または化学的蒸着法によってナノ繊維層に薄膜形態で塗布されることができる。
【0051】
また、ナノサイズ金属触媒粒子として、感応性と選択性を増加させるために、特定ガスに高感応性を有するPt、Pd、Au、Ag、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から選択されることが好ましい。ナノサイズ金属触媒粒子は、パルスレーザー蒸着法、スパッタリング法のような物理的な蒸着法によってナノ繊維層にドット形態で塗布されることができる。
【0052】
次に、薄膜形態またはドット形態で塗布されたナノ粒子の結晶化と特定ガスに対する反応性を向上させるために、300℃以上、好ましくは300乃至500℃の温度で30分乃至10時間3次熱処理をすることが好ましい。
【0053】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【0054】
実施例1
環境有害ガスセンサー用酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層製造
金属酸化物ZnO前駆体、ポリビニルフェノール(以下、PVPという)ポリマー、及びエタノールを5:3:1の重量比で秤量して混合し、70℃の温度で10時間撹拌し、1200cpsの粘度を有するZnO/PVP複合溶液を準備した。次に、ZnO/PVPポリマー複合溶液を電気放射装置を用いて放射し、SiO2/Si基板の上にZnO/PVPポリマー複合ナノ繊維を製造した。次に、ZnO/PVP複合ナノ繊維を空気中で300℃の温度で30分間1次熱処理し、エタノールを揮発させた。次に、ZnO/PVP複合ナノ繊維を600℃の温度で30分間2次熱処理し、酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層を得た。
【0055】
前記実施例1から得たZnO/PVPポリマー複合ナノ繊維と酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層について下記のように特性を評価した。
【0056】
図4は、実施例1から得たZnO/PVPポリマー複合ナノ繊維の表面を示す走査電子顕微鏡写真である。
【0057】
図4を参照すれば、SiO2/Si基板の上に電気放射法で製造されたZnO/PVP複合ナノ繊維の直径は200乃至300nmであった。
【0058】
図5は、実施例1から得た酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層の表面を示す走査電子顕微鏡写真である。
【0059】
図5を参照すれば、SiO2/Si基板の上に形成されたZnO/PVP複合ナノ繊維を600℃で30分間2次熱処理して製造されたZnOナノ繊維層の微細構造を示すもので、ZnOナノ繊維の直径は30乃至70nmであった。図5から明らかなように、酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層は、ZnOナノ結晶粒が連結された1次元構造を有することが分かる。
【0060】
図6は、実施例1から得た酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層のエネルギー分散X−線分光スペクトル(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)結果である。図6を参照すれば、実施例1の酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維は、ZnとO元素だけが観測されることを確認することができる。
【0061】
図7は、実施例1から得た酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維のθ−2θ X−線回折パターンを示すグラフである。
【0062】
図7を参照すれば、実施例1の酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維のX−線回折実験結果であって、(100)、(002)、(101)、(102)回折ピークが観察され、これは、多結晶のZnOナノ繊維が形成されたことを示すものである。
【0063】
実施例2
環境有害ガスセンサー用ナノ粒子が塗布された酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層製作
現在優秀なガス反応特性を有するガスセンサー素材であるSnO2物質を使用し、実施例1で得た酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維の表面に20nmの厚さでSnO2薄膜を室温でパルスレーザー蒸着法を利用して塗布した。次に、酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維の表面に塗布されたSnO2ナノ薄膜層を結晶化させるために600℃の温度で10分間熱処理した。
【0064】
前記実施例2から得たSnO2ナノ粒子が薄膜形態で塗布された酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層について下記のように特性を評価した。
【0065】
図8は、実施例2から得たSnO2ナノ粒子が塗布されたZnOナノ繊維層の表面を示す走査電子顕微鏡写真である。
【0066】
図8から明らかなように、実施例2から得た酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維の直径は、50乃至90nmであり、実施例1から得た図5のZnOナノ繊維に比べてさらに大きい直径を有することが分かり、塗布されたSnO2ナノ粒子層の厚さは、略20nmであると認められる。また、図5と図8を比較すれば、SnO2ナノ粒子が塗布された酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層は、ナノ粒子が塗布されていない酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層よりさらに小さく、高密度のナノ結晶粒で形成されたことが分かる。
【0067】
図9は、実施例2から得たSnO2ナノ粒子が塗布された酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層のエネルギー分散X−線分光スペクトル(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)結果である。
【0068】
図9を参照すれば、実施例2のSnO2ナノ粒子が塗布された酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層は、Zn、Sn、O元素だけが観測されることを確認することができる。
【0069】
図10は、実施例2から得たSnO2ナノ粒子が塗布されたZnOナノ繊維層のθ−2θ X−線回折パターンを示すグラフである。多結晶のZnO回折ピーク(100)、(002)、(101)、(102)だけでなく、多結晶のSnO2回折ピーク(200)が追加に観察される。したがって、ZnOナノ繊維層上にSnO2ナノ粒子が塗布されたことを確認することができる。
【0070】
実施例3
環境有害ガスセンサー
0.5mm厚さのクオーツ基板の上にインターデジタルトランスデューサ金属電極(Pt)を100nmの厚さで形成し、次に、金属電極の上に実施例1と同一の方法で酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層を形成した後、実施例2と同一の方法で酸化物半導体(ZnO)ナノ繊維層の表面に20nmの厚さを有するSnO2ナノ粒子を塗布し、図1のような構造の超高感度ナノ繊維環境有害ガスセンサーを製作した。
【0071】
前記実施例3で製造したガスセンサーについて下記のようなガス反応特性を評価した。
図11は、実施例3で製造した環境有害ガスセンサーの動作温度と時間によるNO2ガス反応に対する敏感度の変化を示すグラフである。図11によれば、3.2ppmのNO2ガスの濃度に対して温度を154℃から347℃まで変化させながら抵抗変化を測定し、敏感度を求めた。ガスセンサーの敏感度は、NO2ガス雰囲気での抵抗と空気中での抵抗の比として定義される。図11によれば、温度の増加によって敏感度が増加し、時間の経過によって敏感度が増加してから任意の時点で減少する傾向を示した。
【0072】
図12は、実施例3で製作された環境有害ガスセンサーの動作温度によるNO2ガス反応に対する敏感度を示すグラフである。図12によれば、3.2ppmのNO2ガスに対して180℃と220℃の温度領域で最も優秀なガス反応特性を示す。
【0073】
図13は、実施例3で製作された環境有害ガスセンサーに対してNO2ガスの濃度による敏感度を示すグラフである。図13によれば、200℃の動作温度でNO2ガス濃度を0.4ppmから4ppmまで変化させながらガスセンサーの敏感度の変化を測定し、ガスの濃度が増加するにつれて敏感度が増加することが分かる。
【0074】
図14は、実施例3で製作された環境有害ガスセンサーのNO2ガス濃度変化による敏感度の変化を示すグラフである。図14によれば、NO2ガス濃度によって敏感度が線形的に増加することが分かる。
【符号の説明】
【0075】
100 ガスセンサー
110 絶縁基板
120 金属電極
130 電極パッド
140 ナノ粒子が塗布された酸化物ナノ繊維層
200 酸化物ナノ繊維
210 薄膜形態のナノ粒子塗布層
220 ドット形態のナノ粒子塗布層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板の上部に形成された金属電極と、
前記金属電極の上部に形成された高感応性を有するナノ粒子が塗布された金属酸化物半導体ナノ繊維層とを含む超高感度ガスセンサー。
【請求項2】
前記絶縁基板として、酸化物単結晶基板、セラミック基板、絶縁層が上部に形成されたシリコーン基板及びガラス基板よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の超高感度ガスセンサー。
【請求項3】
前記金属電極として、Pt、Pd、Ag、Au、Ni、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から一種以上選択されることを特徴とする請求項1に記載の超高感度ガスセンサー。
【請求項4】
前記金属酸化物半導体ナノ繊維層を構成する金属酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択され、ナノ繊維層を構成する各々のナノ繊維は、1乃至100nmの直径を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の超高感度ガスセンサー。
【請求項5】
前記ナノ繊維層に塗布されるナノ粒子は、特定ガスに高感応性を有するナノサイズの金属酸化物粒子または金属触媒粒子であることを特徴とする請求項1に記載の超高感度ガスセンサー。
【請求項6】
前記金属酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択され、前記金属として、Pt、Pd、Ag、Au、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から一種以上選択されることを特徴とする請求項5に記載の超高感度ガスセンサー。
【請求項7】
絶縁基板の上に金属電極を形成する段階と、
前記金属電極の上に、金属酸化物、ポリマー物質及び溶媒が混合された複合溶液を電気放射法で放射し、酸化物/ポリマー複合ナノ繊維層を形成する段階と、
前記複合ナノ繊維層を1次熱処理し、溶媒を除去する段階と、
溶媒が除去された前記複合ナノ繊維層を2次高温熱処理し、酸化物半導体ナノ繊維層を形成する段階と、
前記酸化物半導体ナノ繊維層の表面にナノ粒子を塗布する段階と、
前記ナノ粒子が塗布された酸化物半導体ナノ繊維層を3次高温熱処理する段階とを含む超高感度ガスセンサーの製造方法。
【請求項8】
前記金属酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34、及びAl23前駆体よりなる群から一種以上選択され、
前記ポリマーとして、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニル酢酸(PVAc)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエーテルウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリビニルカルバゾール(PVC)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリカプロラクタム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリエチレンナフタレート(PEN)よりなる群から一種以上選択され、
前記溶媒として、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロピルアルコール(IPA)、水、クロロホルム、ギ酸、ジエチルホルムアミド(DEF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジクロロメタン、トルエン、及び酢酸よりなる群から一種以上選択されることを特徴とする請求項7に記載の超高感度ガスセンサーの製造方法。
【請求項9】
前記1次熱処理は、ポリマー物質のガラス転移温度付近で行われ、2次熱処理は、300乃至800℃で行われ、3次熱処理は、300乃至600℃の温度で行われることを特徴とする請求項7に記載の超高感度ガスセンサーの製造方法。
【請求項10】
前記ナノ粒子は、ナノサイズの金属酸化物または金属触媒粒子であることを特徴とする請求項7に記載の超高感度ガスセンサーの製造方法。
【請求項11】
前記ナノサイズの金属酸化物粒子は、物理的または化学的蒸着手段を用いて酸化物半導体ナノ繊維層の表面に薄膜形態で塗布され、前記ナノサイズの金属触媒粒子は、物理的または化学的蒸着手段を用いて酸化物半導体ナノ繊維層の表面にドット形態で塗布されることを特徴とする請求項10に記載の超高感度ガスセンサーの製造方法。
【請求項12】
前記ナノサイズの金属酸化物として、ABO3型ペロブスカイト酸化物(BaTiO3、金属ドープされたBaTiO3、SrTiO3、BaSnO3)、ZnO、CuO、NiO、SnO2、TiO2、CoO、In23、WO3、MgO、CaO、La23、Nd23、Y23、CeO2、PbO、ZrO2、Fe23、Bi23、V25、VO2、Nb25、Co34及びAl23よりなる群から一種以上選択され、前記ナノサイズの金属触媒として、Pt、Pd、Ag、Au、Ti、Cr、Al、Cu、Sn、Mo、Ru及びInよりなる群から一種以上選択されることを特徴とする請求項10に記載の超高感度ガスセンサーの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−139497(P2010−139497A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172320(P2009−172320)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】