説明

酸化触媒およびその製造

【課題】エタンからエチレンおよび/または酢酸への酸化および/またはエチレンから酢酸への酸化に適する支持触媒組成物の製造方法を提供するとともに、前記方法により形成された支持触媒組成物、並びにエタンからエチレンおよび/または酢酸への選択的酸化および/または支持触媒組成物を用いるエチレンから酢酸への選択的酸化のための方法をも提供する。
【解決手段】支持触媒組成物はα−アルミナからなる支持体上に1種もしくはそれ以上の金属成分を含む触媒からなり、前記方法は(a)1種もしくはそれ以上の金属成分とα−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ支持体先駆体とからなるスラリーを形成させ、(b)このスラリーを噴霧乾燥し、必要に応じ(c)噴霧乾燥されたスラリーを焼成して支持触媒組成物を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エタンからエチレンおよび/または酢酸への酸化および/またはエチレンから酢酸への酸化のための触媒、前記触媒の製造方法、並びに前記触媒を用いるエチレンおよび/または酢酸の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エタンをエチレンおよび/または酢酸まで酸化するのに適するおよび/またはエチレンを酢酸まで酸化するのに適する触媒は周知されている。ジャーナル・キャタリスト、第52巻、第116〜132頁(1978)は、たとえばモリブデン、バナジウムおよび他の遷移金属(好ましくはニオブ)を含むエタンの酸化脱水素化のための混合酸化物触媒を開示している。これら触媒はα−アルミナに支持することができる。α−アルミナ支持触媒は、含浸に続く蒸発により作成される。
【0003】
エタンおよびエチレンの酸化による酢酸の製造に使用するための更なる触媒が、たとえば米国特許第4,250,346号明細書、欧州特許出願公開第1043064号明細書、国際公開第99/20592号パンフレット、ドイツ国特許出願公開第19630832号明細書および国際公開第00/14047号パンフレットから当業界にて公知である。
【0004】
米国特許第4,250,346号明細書は、気相反応にて比較的高レベル変換率、選択率および生産率にて約550℃未満の温度でエタンをエチレンまで酸化脱水素化することを開示しており、その際触媒としては元素モリブデンを含み、XおよびYを比Mo[ここでXはCr、Mn、Nb、Ta、Ti、Vおよび/またはW、好ましくはMn、Nb、Vおよび/またはWであり;YはBi、Ce、Co、Cu、Fe、K、Mg、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、Tlおよび/またはU、好ましくはSb、Ceおよび/またはUであり、aは1であり、bは0.05〜1.0であり、cは0〜2、好ましくは0.05〜1.0であり、ただし、Co、Niおよび/またはFeにつきcの合計値は0.5未満である]にて含む組成物を使用する。
【0005】
国際公開第99/20592号パンフレットは、エタン、エチレンもしくはその混合物と酸素とから高温度にて式MoPd[式中、XはCr、Mn、Nb、Ta、Ti、V、TeおよびWの1種もしくはそれ以上を示し;YはB、Al、Ga、In、Pt、Zn、Cd、Bi、Ce、Co、Rh、Ir、Cu、Ag、Au、Fe、Ru、Os、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Nb、Zr、Hf、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、TlおよびUの1種もしくは数種を示し;a=1、b=0.0001〜0.01、c=0.4〜1およびd=0.005〜1である]を有する触媒の存在下に酢酸を選択的に製造する方法に関するものである。
【0006】
ドイツ国特許出願公開第19630832号明細書は同様な触媒組成物に関するものであり、ここでa=1,b>0,c>0およびd=0〜2である。好ましくはa=1,b=0.0001〜0.5、c=0.1〜1.0およびd=0〜1.0である。
【0007】
欧州特許出願公開第1043064号明細書は、エタンをエチレンおよび/または酢酸まで酸化するためのおよび/またはエチレンを酢酸まで酸化するための触媒組成物を開示しており、これは酸素と組み合わせて元素モリブデン、バナジウム、ニオブおよび金を実験式:
MoAuNb (I)
[式中、YはCr、Mn、Ta、Ti、B、Al、Ga、In、Pt、Zn、Cd、Bi、Ce、Co、Rh、Ir、Cu、Ag、Fe、Ru、Os、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Zr、Hf、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、Tl、U、Re、TeおよびLaよりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の元素であり;a、b、c、d、eおよびfは0<a≦1;0≦b<1およびa+b=1;10−5<c≦0.02;0<d≦2;0<e≦1;および0≦f≦2となるような各元素のグラム原子比を示す]
に従いパラジウムの不存在下に含む。
【0008】
国際公開第00/14047号パンフレットは、エタンおよび/またはエチレンを微小球流動化球状固体酸化触媒の存在下に分子酸素含有ガスと接触させることからなる酢酸の製造方法を開示している。
【0009】
日本国特開昭61−000447号公報は金属支持粉末触媒の製造方法に関するものであり、この方法は(1)混練された支持体原料もしくは粉末支持体を与え、(2)前記支持体を適する金属を含有する溶液に懸濁させ、(3)懸濁物を噴霧乾燥し、(4)得られた乾燥材料を焼成することからなっている。日本国特開昭61−000447号公報は、エタンをエチレンおよび/または酢酸まで酸化するのに適するおよび/またはエチレンを酢酸まで酸化するのに適する触媒を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,250,346号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1043064号明細書
【特許文献3】国際公開第99/20592号パンフレット
【特許文献4】ドイツ国特許出願公開第19630832号明細書
【特許文献5】国際公開第00/14047号パンフレット
【特許文献6】日本国特開昭61−000447号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】ジャーナル・キャタリスト、第52巻、第116〜132頁(1978)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、エタンをエチレンおよび/または酢酸まで酸化するためのおよび/またはエチレンを酢酸まで酸化するための触媒、並びに前記触媒を用いるエチレンおよび/または酢酸の製造方法を開発するニーズが残されており、ここで触媒はエチレンおよび/または酢酸への高い選択率を達成することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くことに今回、α−アルミナからなる支持体上の触媒(この支持触媒は噴霧乾燥により作成されている)を用いることにより所望生産物への増大した選択率を以ておよび減少したCO形成を以てエタンをエチレンおよび/または酢酸まで酸化することができ、および/またはエチレンを酢酸まで酸化することができることを突き止めた。
【0014】
従って一面において本発明はエタンからエチレンおよび/または酢酸への酸化および/またはエチレンから酢酸への酸化に適する支持触媒組成物の製造方法を提供し、この方法は前記支持触媒組成物がα−アルミナからなる支持体上に支持された1種もしくはそれ以上の金属成分を含む触媒からなり:
(a)1種もしくはそれ以上の金属成分、α−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ支持体先駆体とのスラリーを形成させ;
(b)このスラリーを噴霧乾燥する
ことを特徴とする。
【0015】
好適具体例において、この方法は更に噴霧乾燥されたスラリーを焼成する更なる工程(工程(c))をも含む。
【0016】
更に本発明はエタンをエチレンおよび/または酢酸まで酸化するのに適するおよび/またはエチレンを酢酸まで酸化するのに適する支持触媒組成物をも提供し、この支持触媒組成物は本発明の第一面の方法に従って作成されたことを特徴とする。
【0017】
本発明は、α−アルミナからなる支持体を必要とする。好ましくはα−アルミナは予備成形された支持体粒子とすることができる。好適には支持体につき使用されるα−アルミナは、BETにより測定して15m/g未満、たとえば10m/g未満、たとえば5m/g未満の表面積を有する。好ましくはα−アルミナは少なくとも0.1m/g、特に好ましくは少なくとも0.5m/g、たとえば0.5〜10m/g未満の範囲、より好ましくは0.5m/g〜5m/g未満の範囲の表面積を有する。α−アルミナは好ましくは0.5〜5g/cc、好ましくは0.8〜2g/ccの密度を有する。
【0018】
市販入手しうるα−アルミナを用いることができる。代案として、予備形成されたα−アルミナは適するα−アルミナ先駆体から形成することができ、たとえばα−アルミナはγ−アルミナもしくはベーマイトを適する高温度(典型的には少なくとも500℃)まで加熱してα−アルミナへの相変化を行うことにより作成することができる。
【0019】
本発明にて用いるα−アルミナは、1種もしくはそれ以上のα−アルミナの組み合わせ物とすることができる。支持体はα−アルミナとすることができ、或いはα−アルミナと1種もしくはそれ以上の非α−アルミナ材料との混合物、たとえば1種もしくはそれ以上の他のアルミナ(たとえばγ−アルミナ)または1種もしくはそれ以上の非アルミナ(たとえばシリカもしくはチタニア)との混合物とすることもできる。1種もしくはそれ以上のシリカを1種もしくはそれ以上のα−アルミナと組み合わせて使用する場合、シリカは好ましくは低ナトリウム含有シリカである。
【0020】
支持体がα−アルミナと1種もしくはそれ以上の非α−アルミナ材料との混合物からなる場合、α−アルミナは全支持体の少なくとも10重量%を占めねばならない。好ましくはα−アルミナは支持体の全重量の少なくとも20重量%、より好ましくは40%もしくはそれ以上、特に好ましくは50%もしくはそれ以上を占める。
【0021】
本発明による支持触媒組成物は好ましくは、BETにより測定して0.1〜20m/g、より好ましくは1〜5m/gの表面積を有する。支持触媒組成物は好ましくは0.5〜5g/cc、より好ましくは0.8〜2g/ccの密度を有する。
【0022】
1種もしくはそれ以上の金属成分は、好ましくは支持触媒組成物中に全支持触媒組成物の5〜60重量%、好ましくは20〜50%に等しい合計量にて存在する。
【0023】
支持触媒組成物はエタンをエチレンおよび/または酢酸まで酸化するのに適しおよび/またはエチレンを酢酸まで酸化するのに適する。好適には触媒は1種もしくはそれ以上の金属成分としてモリブデン、バナジウムおよびニオブを酸素と組み合わせて含む。モリブデン、バナジウムおよびニオブの本発明に使用するための適する組み合わせ物は米国特許第4,250,346号明細書、欧州特許出願公開第1043064号明細書、国際公開第99/20592号パンフレットおよびドイツ国特許出願公開第19630832号明細書(その内容をここに参考のため引用する)に記載されている。
【0024】
本発明の1具体例において、触媒は金属成分としてパラジウムを含む。適するパラジウム含有触媒はたとえば国際公開第99/20592号パンフレット(その内容を参考のためここに引用する)に記載されている。特に国際公開第99/20592号パンフレットの触媒は式MoPd[式中、XはCr、Mn、Nb、Ta、Ti、V、TeおよびWの1種もしくは数種を示し;YはB、Al、Ga、In、Pt、Zn、Cd、Bi、Ce、Co、Rh、Ir、Cu、Ag、Au、Fe、Ru、Os、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Nb、Zr、Hf、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、TlおよびUの1種もしくは数種を示し;a=1、b=0.0001〜0.01、c=0.4〜1およびd=0.005〜1である]により示すことができる。
【0025】
好ましくは触媒は金属モリブデン、バナジウム、ニオブおよびパラジウムを含む。
【0026】
本発明の第二の特に好適な具体例において、触媒は実験式
MoAuNb (I)
[式中、YはCr、Mn、Ta、Ti、B、Al、Ga、In、Pt、Zn、Cd、Bi、Ce、Co、Rh、Ir、Cu、Ag、Fe、Ru、Os、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Zr、Hf、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、Tl、U、Re、TeおよびLaよりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の金属であり;
a、b、c、d、eおよびfは
0<a≦1;0≦b<1およびa+b=1;
10−5<c≦0.02;
0<d≦2;
0<e≦1;および
0≦f≦2
となるような金属のグラム原子比を示す]
に従いパラジウムの不存在下に金属モリブデン、バナジウム、ニオブおよび金を含む。
【0027】
式(I)に含まれる触媒は次のものを包含する:
MoAuNb
MoAuNb
MoAuNbおよび
MoAuNb
【0028】
式(I)を有する適する触媒の例は次のものを包含する:
Mo1.000.25Nb0.12Au0.01
Mo1.000.213Nb0.138Au0.007
Mo1.000.232Nb0.139Au0.007
Mo1.0000.426Nb0.115Au0.0008;および
Mo1.0000.529Nb0.124Au0.0012
[式中、yは酸素のための触媒組成物における金属の原子価を満たす数である]。
【0029】
好ましくはa>0.01であり、好ましくはd>0.1であり、好ましくはe>0.01であり、好ましくはe≦0.5であり、好ましくはf≧0.01であり、好ましくはf≦0.5である。
【0030】
この第二具体例による触媒は更に比較的高レベルのニオブおよびバナジウムをも含み、ここで触媒は上記式(I)により規定されるがdおよびeの好適範囲は次の通りである:
0.4≦d≦0.865;0.135≦e≦0.23;および0.55≦d+e≦1
【0031】
これら比較的高レベルのNbおよびVを有すると共に式(I)を有する適する触媒の例は次のものを包含する:
Mo1.000.455Nb0.200Au0.0008
Mo1.000.547Nb0.163Au0.0009;および
Mo1.0000.661Nb0.174Au0.0009
[ここでyは酸素のため触媒における金属の原子価を満たす数である]。
【0032】
これら比較的高レベルのニオブおよびバナジウムを有する触媒につきa、b、c、d、eおよびfの好適範囲は次の通りである。好ましくはa>0.01、特に好ましくはa=1である。好ましくはc>0.0001、特に好ましくはc>0.0005である。好ましくはc≦0.002、特に好ましくはc≦0.001である。好ましくはd≧0.425、たとえばd≧0.45、特に好ましくはd≧0.5である。好ましくはd≦0.8、特に好ましくはd≦0.7である。好ましくはe≧0.14、特に好ましくはe≧0.15である。好ましくはe≦0.20、特に好ましくはe≦0.18である。好ましくはd+e≧0.6、たとえばd+e≧0.7である。特に好ましくはd+e≧0.8である。好ましくはd+e≦0.95、特に好ましくはd+e≦0.9である。好ましくはf≦0.2、特に好ましくはf≦0.02である。
【0033】
第二具体例の触媒のいずれかに存在するYは好ましくはSn、Sb、Cu、Pt、Ag、FeおよびReよりなる群から選択される。
【0034】
本発明の方法は、1種もしくはそれ以上の金属成分とα−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ支持先駆体とのスラリーを形成させることからなっている。
【0035】
好ましくは1種もしくはそれ以上の金属成分からなる1種もしくはそれ以上の溶液をα−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ支持先駆体と混合することによりスラリーを形成させる。1種もしくはそれ以上の溶液は可溶性もしくは不溶性の化合物および/または触媒の各金属成分の錯体を含む。作成された溶液をα−アルミナもしくは適するα−アルミナ先駆体と混合し、必要ならば他の支持材料もしくは適する先駆体と混合してスラリーを形成させる。
【0036】
好ましくは充分量の可溶性化合物を溶解させおよび/または任意の不溶性化合物または所定量の前記化合物を分散させて触媒組成物における金属成分の所望のグラム原子比を与えることにより各金属成分を含む別々の溶液を作成する。触媒が2種以上の金属成分からなる場合、各溶液を混合して所望量の金属成分を含む単一溶液を形成させる。
【0037】
次いで、α−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ先駆体(および必要に応じ他の支持材料もしくは先駆体)を得られた溶液に添加することができる。
【0038】
代案として、各金属を含む溶液とα−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ先駆体(および必要に応じ他の支持体材料もしくは先駆体)との混合は同時に行うことができる。
【0039】
金属成分を含む1種もしくはそれ以上の溶液は、任意適する金属化合物および/または錯体から作成することができる。1種もしくはそれ以上の溶液は好ましくは1〜12、好ましくは2〜8の範囲のpHを20〜100℃の温度にて有する水溶液である。
【0040】
たとえば適するモリブデン含有化合物は酢酸モリブデン、オキサレート、グリコレート、オキサイドもしくはハライドを包含する。より好ましくはモリブデンを、たとえばヘプタモリブデン酸アンモニウムのようなアンモニウム塩の形態で導入することができる。
【0041】
たとえば適するバナジウム含有化合物は酢酸、蓚酸、酒石酸バナジウム、酸化バナジウムおよび硫酸バナジウムを包含する。より好ましくはバナジウムはたとえばメタバナジウム酸アンモニウムのようなアンモニウム塩として導入することができる。
【0042】
適するニオブ含有化合物はたとえばハロゲン化ニオブおよび蓚酸ニオブを包含する。好ましくはニオブはニオブ蓚酸アンモニウムのようなアンモニウム塩として導入することができる。
【0043】
適する金含有化合物はたとえば酢酸金および金ハロゲン化物を包含する。
【0044】
本発明の方法においては、1種もしくはそれ以上の金属成分とα−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ支持先駆体とのスラリーを噴霧乾燥する。任意適する噴霧乾燥技術を使用することができる。噴霧乾燥に関する考察は、適するハンドブック、たとえばK.マスターズ、スプレイ・ドライニング・ハンドブック(1985)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ出版に見ることができる。
【0045】
一般に、噴霧乾燥機の出口温度は溶剤除去を確保するよう充分高くすべきであり、たとえば水を溶剤として水除去を確保する場合は少なくとも100℃とすべきである。更に支持触媒組成物を焼成する場合は、使用する噴霧乾燥機の最大入口温度は焼成温度を越えないことが好ましい。
【0046】
好適には噴霧乾燥は250〜350℃、たとえば280〜300℃の入口温度にて行うことができる。好適には出口温度は120〜180℃、たとえば130〜150℃である。
【0047】
好ましくは噴霧乾燥された支持触媒組成物を焼成する。
【0048】
好ましくは焼成は、空気もしくは酸素中で1分間〜24時間にわたり200〜550℃の温度まで加熱することにより行われる。焼成手順は更に窒素下で触媒をその後に加熱することをも含みうる。焼成は任意適する炉(たとえばマッフル炉)にて行うことができ、或いは反応器中で現場で行うこともできる。使用する任意の焼成雰囲気(たとえば空気もしくは酸素)を焼成に際しゆっくり流動させることもできる。
【0049】
好ましくは噴霧乾燥され必要に応じ焼成された支持触媒組成物は球状粒子、より好ましくは微小球粒子の形態である。「球状粒子」と言うここで使用する用語は実質的に球形状の粒子を意味する。ここで使用する「微小球粒子」と言う用語は実質的に球形状を有すると共に、直径300μm未満を有する粒子を意味する。
【0050】
本発明の他の実施態様においては、エタンからエチレンおよび/または酢酸への選択的酸化および/またはエチレンから酢酸への選択的酸化の方法が提供され、この酸化方法はエタンおよび/またはエチレンを上記したような噴霧乾燥支持触媒組成物の存在下に高められた温度にて分子状酸素含有ガスと接触させることからなっている。
【0051】
エタンおよび/またはエチレンの酸化によりエチレンおよび/または酢酸を製造する際に使用するため、支持触媒組成物は好ましくは焼成され、より好ましくは250〜500℃の範囲の温度にて酸素含有ガス(たとえば空気)の存在下に加熱することにより焼成されたものである。
【0052】
酸化プロセスは固定床法として或いは流動床法として行うことができる。しかしながら、本発明の支持触媒組成物は特に流動床におけるエタンのオキシ脱水素化に適している。従って、酸化プロセスは好ましくは流動床プロセスである。
【0053】
流動床酸化プロセスにて支持触媒組成物を使用する場合、粒子寸法は好ましくは粒子の少なくとも50%が300μm未満の寸法、特に好ましくは粒子の少なくとも90%が300μm未満の寸法を有するような寸法である。好ましくは流動床酸化プロセスに使用するための支持触媒組成物の粒子は微小球粒子である。
【0054】
固定床酸化プロセスにて使用するには、より大きい粒子の支持触媒組成物が好適であり、これは固定床の寸法に依存する。固定床の特定寸法に適する粒子寸法は当業者により容易に計算することができる。
【0055】
酸化プロセスに使用するための支持触媒組成物の粒子の所望寸法は、この支持触媒組成物の作成にて適する寸法の予備形成された支持体粒子を使用して達成することができる。更に、所望粒子寸法は、必要に応じ大型粒子の磨砕により適する篩を使用して、より広範囲の粒子寸法から達成することもできる。
【0056】
従って支持触媒組成物を微小球粒子の形態で流動床酸化プロセスに使用する場合、これは300μm未満の寸法の適する予備形成されたα−アルミナ顆粒、好ましくは予備形成された微小球α−アルミナを前記支持触媒組成物の作成に使用して達成することができる。
【0057】
好ましくは本発明の酸化プロセスにて使用するための支持触媒組成物は、上記実験式(I)に従いパラジウムの不存在下に金属モリブデン、バナジウム、ニオブおよび金で構成される。最も好適な支持触媒組成物は、前記したようなa、b、c、d、e、fおよびYの好適数値により規定された通りである。
【0058】
本発明の酸化プロセスへの供給物はエタンおよび/またはエチレン、好ましくはエタンである。
【0059】
エタンおよび/またはエチレンは、それぞれ実質的に純粋な形態で或いは窒素、メタン、二酸化炭素および水蒸気の形態の水(これらはたとえば5容量%より大の多量で存在することができる)の1種もしくはそれ以上と混合して、或いは水素、一酸化炭素、C/Cアルケンおよびアルケン類(これらはたとえば5容量%未満の少量で存在することができる)の1種もしくはそれ以上と混合して使用することができる。
【0060】
分子状酸素含有ガスは空気または空気よりも分子状酸素リッチもしくは貧弱なガスまたは(たとえば酸素)とすることができる。適するガスはたとえば適する希釈剤(たとえば窒素)で希釈された酸素とすることができる。
【0061】
エタンおよび/またはエチレンおよび分子状酸素含有ガスの他に、水(水蒸気)を供給するのが好適である。何故なら、これは酢酸への選択率を改善しうるからである。
【0062】
好適な供給組成物(モル%)はたとえば40〜80%のエタン、0〜10%のエチレン、0〜20%の水、2〜10%の酸素で構成される。
【0063】
残部の不活性ガス、好ましくは窒素も使用することができる。
【0064】
高められた温度は好適には200〜500℃、好ましくは200〜400℃、特に好ましくは260〜360℃の範囲とすることができる。
【0065】
圧力は好適には大気圧または超大気圧、たとえば1〜50バール、好ましくは1〜30バールの範囲とすることができる。
【0066】
ガス空時速度(GHSV)は好適には100〜10,000h−1、好ましくは1,000〜5,000h−1とすることができる。
【0067】
本発明の酸化プロセスに用いうる操作条件および他の情報は前記従来技術、たとえば米国特許第4,250,346号明細書に見ることができる。
【0068】
以下、本発明を以下の実施例および図1を参照して更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】シリカ上の噴霧乾燥触媒と比較した本発明による2種の触媒のCO(空時収率(STY)の比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
触媒作成
Mo、V、Nb、Auスラリーの作成
次の3種の溶液を作成した:
溶液A:427gのヘプタモリブデン酸アンモニウムを550gの水に攪拌しながら40〜45℃にて溶解させた。
溶液B:149gのメタバナジウム酸アンモニウムを2リットルビーカーにおける1,500gの水に添加すると共に73℃まで加熱した。メタバナジウム酸アンモニウムは完全には溶解しなかった。
溶液C:158gのニオブ蓚酸アンモニウムを6リットルのステンレス鋼ビーカーにおける600gの水に添加して45℃まで加熱した。30分間以内にゾルが形成された。
【0071】
溶液Cを溶液Bに添加すると共に、媒体熱にて(約50〜70℃と規定)30分間にわたり蒸解させた。次いで溶液Aを混合物に添加し、これを次いで15分間にわたり媒体熱にて攪拌した。次いで0.606gのAuClを全スラリーに添加してMo、V、NbおよびAuを含有するスラリーを得た。
【0072】
本発明による実施例
触媒A(Mo1.0000.529Nb0.124Au0.0012(=Mo60.532Nb7.5Au0.07)/α−アルミナ上で噴霧乾燥)
上記のように作成したMo、V、NbおよびAuを含有するスラリーを媒体熱にて少なくとも18時間にわたり加熱して、溶液の容積を初期容積の約70%の所定容積まで減少させた。
【0073】
506gのSt/ゴベインSA社5396αAl(1m/g未満の表面積(SA)、1.27g/cmの密度)を攪拌混合物に添加した。同じ日に、スラリーを5,500rpmにて約2分間にわたりホモゲナイズした。噴霧乾燥を、溶液がホモゲナイズされた直後にミニ−ニロ噴霧乾燥機にて行った。噴霧乾燥条件は次の通りとした:290℃の入口温度および138℃の出口温度。
【0074】
支持触媒組成物を、空気中で3時間にわたり375℃にて静的マッフル炉において焼成した後に使用した。
【0075】
得られた噴霧乾燥した微小球支持触媒組成物はα−アルミナ上の名目組成Mo60.532Nb7.5Au0.07を有すると共に、全触媒重量の50%の名目金属負荷であった。支持触媒組成物は3m/gの表面積と1.2g/cmの密度とを有した。
【0076】
触媒B(Mo1.0000.529Nb0.124Au0.0012(=Mo60.532Nb7.5Au0.07)/α−アルミナ/シリカ上で噴霧乾燥)
上記で作成したMo、V、NbおよびAuを含有するスラリーを媒体熱にて少なくとも18時間にわたり加熱して、上記したように溶液の容積を減少させた。
【0077】
253gのα−Alおよび858gのシリカゾル(ナルコTX11183、低Naゾル)を攪拌混合物に添加した。この混合物を更に加熱して水容積を実施例Aにおけるアルミナの添加後とほぼ同等なレベルまで減少させた。同じ日に、スラリーを5,500rpmにて約2分間にわたりホモゲナイズした。噴霧乾燥は、溶液がホモゲナイズされた直後にミニ−ニロ噴霧乾燥機にて行った。噴霧乾燥条件は次の通りとした:290℃の入口温度および138℃の出口温度。
【0078】
生成された支持触媒組成物を空気中で3時間にわたり375℃にて使用前に静的マッフル炉において焼成した。
【0079】
得られた噴霧乾燥微小球支持触媒組成物は名目組成Mo60.532Nb7.5Au0.07をα−アルミナ/シリカ上に有し、更に全触媒組成物の50%の金属負荷にて25%のα−アルミナおよび25%のシリカであった。
【0080】
本発明によらない例
比較例1(Mo1.0000.529Nb0.124Au0.0012(=Mo60.532Nb7.5Au0.07)/シリカ上で噴霧乾燥)
上記で作成したMo、V、NbおよびAuを含有するスラリーを媒体熱にて加熱すると共に、少なくとも18時間にわたり攪拌して上記のように溶液の容積を減少させた。
【0081】
1.263gのシリカゾル(ナルコ2327)を次いで攪拌混合物に添加し、更に加熱して水容積を実施例Aにおけるアルミナの添加後とほぼ同等なレベルまで減少させた。得られたスラリーを5,500rpmにて約2分間にわたりホモゲナイズした。噴霧乾燥は、溶液がホモゲナイズされた直後にミニ−ニロ噴霧乾燥機にて行った。噴霧乾燥条件は次の通りでした:290℃の入口温度および138℃の出口温度。
【0082】
支持触媒組成物を空気中で3時間にわたり375℃にて使用前に静的マッフル炉で焼成した。
【0083】
得られた噴霧乾燥微小球支持触媒組成物はシリカ上の名目組成Mo60.532Nb7.5Au0.07を触媒重量の50%の名目金属負荷にて有すると共に、約32m/gの表面積を有した。
【0084】
触媒試験手順
試験に使用すべき触媒は、70%の230/325メッシュ(50/50)と25%のパンス(微細物)と5%の170メッシュより大とを有する特定粒子寸法分布(psd)を得るよう篩い分けした。
【0085】
触媒および不活性希釈剤(α−アルミナ(SA5396))を40ccの流動床反応器に添加した。
【0086】
反応を285〜330℃の温度および16バールの反応圧力にて行った。エタンとエチレン(エチレンの循環を模倣する)と窒素と酸素との混合物を、ブルックス・マス・フロー・コントローラにより反応器に供給した。反応帯域へ供給するに先立ち、水を気化および前記供給物ガスとの混合物により添加した。
【0087】
揮発性反応器流出物をサンプリングすると共に気液クロマトグラフィーにより分析する一方、水と酢酸とを凝縮させると共に気液クロマトグラフィーにより分析した。反応器床温度を移動式熱伝対により監視した。
【0088】
オンストリームで経時的に使用した反応条件(HOS)を表1に示す。
【0089】
【表1】

【0090】
上記条件下における触媒Aの結果を表2に示す(Sel.=選択率、STY=空時収率、Conv.=(変換率):
【0091】
ここで使用する選択率とは、形成された生成物における全炭素と比較した、生成された所望酢酸生成物の量を反映する%を意味する:
【0092】
%選択率=生成酢酸の100モル/S
ここでS=流出液におけるアルカンを除いた全炭素含有生成物のモル産当量合計(炭素基準)。
【0093】
【表2】

【0094】
触媒Aおよび触媒Bから得られた結果と比較例1の比較を図1に示す。
【0095】
図1は、本発明による支持触媒組成物がシリカ単独に支持された触媒と比較して減少CO形成を有することを示す。所望生成物(エチレンおよび酢酸)への選択率は、シリカに支持された触媒組成物と比較して本発明の支持触媒組成物につき一層高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタンからエチレンおよび/または酢酸への酸化および/またはエチレンから酢酸への酸化に適する支持触媒組成物の製造方法において、前記支持触媒組成物はα−アルミナからなる支持体上に支持された1種もしくはそれ以上の金属成分を含む触媒からなり:
(a)1種もしくはそれ以上の金属成分とα−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ支持体先駆体とのスラリーを形成させ;
(b)このスラリーを噴霧乾燥する
ことを特徴とする支持触媒組成物の製造方法。
【請求項2】
(c)噴霧乾燥されたスラリーを焼成する
ことを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
支持体につき使用するα−アルミナが、BETにより測定して15m/g未満、たとえば10m/g未満、たとえば5m/g未満の表面積を有する請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
支持体につき使用するα−アルミナが、BETにより測定して少なくとも0.1m/g、特に好ましくは少なくとも0.5m/g、たとえば0.5m/g〜10m/g未満の範囲、より好ましくは0.5m/g〜5m/g未満の範囲の表面積を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
支持体につき使用するα−アルミナが0.5〜5g/ccの密度、好ましくは0.8〜2g/ccの密度を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
支持体がα−アルミナである請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
支持体がα−アルミナと1種もしくはそれ以上の非α−アルミナ材料との混合物からなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
支持体が1種もしくはそれ以上のシリカと組み合わせた1種もしくはそれ以上のα−アルミナからなり、前記1種もしくはそれ以上のシリカが低ナトリウム含有シリカである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
α−アルミナが全支持体の少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20%、たとえば40%もしくはそれ以上、特に好ましくは支持体の全重量の50重量%もしくはそれ以上からなる請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
支持触媒組成物が、BETにより測定して0.1〜20m/g、より好ましくは1〜5m/gの表面積を有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
支持触媒組成物が0.5〜5g/cc、より好ましくは0.8〜2g/ccの密度を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
1種もしくはそれ以上の金属成分が支持触媒組成物中に全支持触媒組成物の5〜60重量%、好ましくは20〜50重量%に等しい全量にて存在する請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
触媒が、金属成分としてパラジウムを含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
触媒が式MoPd[式中、XはCr、Mn、Nb、Ta、Ti、V、TeおよびWの1種もしくはそれ以上を示し;YはB、Al、Ga、In、Pt、Zn、Cd、Bi、Ce、Co、Rh、Ir、Cu、Ag、Au、Fe、Ru、Os、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Nb、Zr、Hf、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、TlおよびUの1種もしくはそれ以上を示し;a=1、b=0.0001〜0.01、c=0.4〜1およびd=0.005〜1である]により示される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
触媒が金属モリブデン、バナジウムおよびニオブを含む請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
触媒が金属モリブデン、バナジウム、ニオブおよび金を実験式:
MoAuNb (I)
[式中、YはCr、Mn、Ta、Ti、B、Al、Ga、In、Pt、Zn、Cd、Bi、Ce、Co、Rh、Ir、Cu、Ag、Fe、Ru、Os、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Zr、Hf、Ni、P、Pb、Sb、Si、Sn、Tl、U、Re、TeおよびLaよりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の金属であり;
a、b、c、d、eおよびfはたとえば
0<a≦1;0≦b<1およびa+b=1;
10−5<c≦0.02;
0<d≦2;
0<e≦1;および
0≦f≦2
となるような金属のグラム原子比を示す]
に従いパラジウムの不存在下に含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
a>0.01、d>0.1およびe>0.01である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
e≦0.5および0.01≦f≦0.5である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
0.4≦d≦0.865;0.135≦e≦0.23;および0.55≦d+e≦1である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
a>0.01、0.0001<c≦0.002、0.425≦d≦0.8、0.14≦e≦0.20、0.6≦d+e≦0.95およびf≦0.2である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
0.0005<c≦0.001、0.45≦d≦0.7、e≧0.15、d+e≦0.9およびf≦0.02である請求項20に記載の方法。
【請求項22】
d≧0.5、e≦0.18およびd+e≧0.7である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
d+e≧0.8である請求項22記載の方法。
【請求項24】
a=1である請求項16〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
YがSn、Sb、Cu、Pt、Ag、FeおよびReよりなる群なら選択される請求項16〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
工程(a)が、(i)充分量の可溶性化合物を溶解させおよび/または任意の不溶性化合物もしくは所定量前記化合物を分散させて触媒組成物における各金属成分の所望のグラム原子比を与えることにより各金属成分からなる別々の溶液を作成し、(ii)触媒が1種より多い金属成分からなる場合は各溶液を混合して所望量の金属成分からなる単一溶液を形成させ、(iii)得られる溶液をα−アルミナ支持体粒子もしくはα−アルミナ先駆体および必要ならば他の支持体材料もしくは先駆体と混合してスラリーを形成させることからなる請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
各金属成分を含む1種もしくはそれ以上の溶液が、20〜100℃の温度にて1〜12の範囲、好ましくは2〜8の範囲のpHを有する水溶液である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
噴霧乾燥を少なくとも100℃、好ましくは120〜180℃、たとえば130〜150℃の出口温度にて行う請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
噴霧乾燥を250〜350℃、たとえば280〜300℃の入口温度にて行う請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
支持触媒組成物が請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法により作成されたことを特徴とする、エタンからエチレンおよび/または酢酸への酸化および/またはエチレンから酢酸への酸化に適する支持触媒組成物。
【請求項31】
エタンおよび/またはエチレンを請求項30に記載の噴霧乾燥された支持触媒組成物の存在下に高められた温度にて分子状酸素含有ガスと接触させることを特徴とするエタンからエチレンおよび/または酢酸への選択的酸化および/またはエチレンから酢酸への選択的酸化のための方法。
【請求項32】
支持触媒組成物が、たとえば空気のような酸素含有ガスの存在下に250〜500℃の範囲の温度で加熱することにより焼成された請求項31に記載の方法。
【請求項33】
流動床法である請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
支持触媒組成物の粒子寸法は、粒子の少なくとも50%が300μm未満の寸法を有するような寸法、好ましくは粒子の少なくとも90%が300μm未満の寸法を有するような寸法である請求項33に記載の方法。
【請求項35】
支持触媒組成物が微小球粒子の形態である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
分子状酸素含有ガスが酸素または適する希釈剤(たとえば窒素)で希釈された酸素である請求項31〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
エタンおよび/またはエチレンおよび分子状酸素含有ガスの他に水(水蒸気)をも供給する請求項31〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
40〜80%のエタンと0〜10%のエチレンと0〜20%の水と2〜10%の酸素と残部の不活性ガス、好ましくは窒素とからなる供給組成物(モル%)をプロセスに供給する請求項31〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
高められた温度が200〜500℃、好ましくは200〜400℃、特に好ましくは260〜360℃の範囲である請求項31〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
1〜50バール、好ましくは1〜30バールの範囲の圧力にて操作する請求項31〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
100〜10,000h−1、好ましくは1,000〜5,000h−1のガス空時速度(GHSV)にて操作する請求項31〜40のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−212683(P2011−212683A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158445(P2011−158445)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【分割の表示】特願2004−567363(P2004−567363)の分割
【原出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【出願人】(591001798)ビーピー ケミカルズ リミテッド  (66)
【氏名又は名称原語表記】BP CHEMICALS LIMITED
【Fターム(参考)】