説明

金属表面を粗くする方法

【課題】小さな労力で溶射層の接着性を向上させるための金属表面を粗くする方法を提供する。
【解決手段】金属表面(2)に溝(7)を形成する第1工程と、溝(7)の間に形成される溝畝(8)を、溝(7)内にアンダーカットが形成されるように、塑性変形させる第2工程とを含む。この方法は、溝畝(8)の塑性変形量を溝(7)の長手方向に沿って規則的に変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶射層の接着性を向上させるために金属表面を粗化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2007087989 A1には、溶射層の接着性を向上させるために金属表面を粗化する方法が開示されている。そこでは、まず第1工程において、一様な溝、例えば、方形または台形状の溝を、金属の表面に形成する。第2工程において、溝と溝の間の畝の部分(以下、「溝畝」という)に沿ってアンダーカットを形成するために該溝畝を塑性変形させる。この方法の欠点は、溝畝が、その全長に亘って塑性変形されることである。これは、比較的多大な努力を必要とし、均一なアンダーカットを形成するためにはかなりの困難性を有する。さらに、溝の全長に亘ってアンダーカットを形成すると、隣接するアンダーカットの間隔が狭くなり、溶射材料の一部のみしか通過できなくなるので、溝を溶射材料で完全に満たすことが難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/087989号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、小さな労力で溝畝を塑性変形させてアンダーカットを形成することができるように、さらには、一様なアンダーカットが形成できるように、また、溝が最大限可能な量の溶射材料で満たされるようなアンダーカットを形成できるように、従来の粗化方法を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、金属表面(2)に、例えば断面方形又は台形の一様な溝(7)を、例えば旋削、掘削、フライス又は圧延によって形成する第1工程と、該溝(7)の間に形成される溝畝(8)を、該溝(7)内にアンダーカットが形成されるように、塑性変形させる第2工程とを含む溶射層の接着性を向上させるために金属表面(2)を粗くする方法を対象とする。この方法は、上記溝畝(8)の塑性変形量を上記溝(7)の長手方向に沿って規則的に変化させるものとする。
【0006】
溝畝の塑性変形量が溝の長手方向に沿って規則的に変化しているので、溝畝の規則的な部分に所望の方法でアンダーカットを形成することができる。このために、溝畝はそれぞれ、アンダーカットが形成されるように適切な工具で部分的に変形させられる。溝の長手方向に見ると、アンダーカットの形状は、連続的且つ規則的に変化している。この場合、場所によっては、塑性変形が小さすぎたり、塑性変形が全く生じないために、部分的にアンダーカットが形成されないかもしれない。
【0007】
この溝形状の規則的な変化は、全体として要求される、溝畝の塑性変形量が少なくなるので、それにより生じる規則的なアンダーカットを溝畝に比較的小さな労力で形成できることを意味する。また、アンダーカットを、より高精度に形成することができる。その結果、これらのアンダーカットを溝に沿って同一の寸法で規則的に形成することができる。これが、その後に付着させられる溶射層の均一な接着強度にとっての主要な効果である。また、これらの溝は、規則的にアンダーカットがない部分又はアンダーカットが少なくとも相対的に小さな部分があるため、付着される溶射材料が非常によく溝を埋めるという効果もある。これらの領域では、溶射材料が各溝に非常によく浸透して、アンダーカットと直接隣接する溝の領域を容易に埋めることができる。
【0008】
1つの有利な実施形態では、塑性変形は、溝畝の上面に形成されたローレットである。この目的のために、既知のローレット工具は、溝に沿って移動される。ローレット工具の形状に応じて、ローレット工具のギザギザ形状に従った均一な塑性変形が生成される。
【0009】
さらなる実施形態においては、塑性変形は、溝畝の上面に形成された局所的な窪みである。これは、対応する突起、ポイント又は針を有するローラによって形成され得る。
【0010】
どちらの場合では、溝の上面が塑性変形するような力で押圧されて、結果として、溝の側面が側方、即ち、溝の長手方向に対して横方向に塑性変形することによって、アンダーカットが形成される。
【0011】
別の有利な改良では、塑性変形は、溝の長手方向に対して横方向に形成された局所的な窪みである。これは、溝の長手方向に対して横方向に溝を変形させる規則的な突起、ポイント又は肩部が外周面状に形成されたローラを溝内で移動することによって形成することができる。その結果、溝は、溝の長手方向に対して横方向に塑性的に曲げられる。溝畝は、溝の底の方では変形せずに残っているので、溝畝はその高さが増加するに従って横方向へより厳しく変形させられ、実質的に傾いて、結果として、溝にアンダーカットが形成される。
【0012】
塑性変形は、好ましくは、溝畝のエッジに形成された窪みである。これは、溝畝のエッジを一定の間隔で適切に押圧するか、又は波形にすることによって形成される。その結果として、溝の側面にアンダーカットが形成される。
【0013】
塑性変形を形成するための工具は、少なくとも1つのパンチを有し得る。このパンチは好ましくは回転移動し得る。この工具が溝に沿って案内されると、この移動するパンチが対応する塑性変形を溝畝に形成する。この場合、パンチは、適切な形状のパンチヘッドを有し得る。そして、パンチは、最適な形状のアンダーカットを溝畝に形成するために、溝に対して適切な方向に作用し得る。例として、パンチは直接、溝畝の上面に直接作用し得る。その結果として、溝畝は上方から押圧されて、それにより、溝畝の材料が横方向に変形する。一方、パンチは、溝の長手方向に対して横方向にも浅い角度で作用する。その結果、溝畝は、溝の長手方向に対して横方向へ変形する。
【0014】
塑性変形を形成するための工具は、好ましくは、溝の中を案内される。これにより、工具は溝畝に対して常に正確に配設されることになり、隣接する溝畝の一方だけが加工される。工具は、溝の上又は中を案内されるので、溝畝は常に溝に対応して変形される。こうして、高い精度及び再現性のもとに変形が実行される。
【0015】
第2工程の塑性変形が、第1工程と同じ工程で実行された場合は、特に有利である。例として、塑性変形のための工具は、回転工具、ドリル又は圧搾工具の下流に配置され得る。この場合において、第1及び第2工程のための工具は、例えば、フライス又は回転スピンドルのような、同じ工具キャリアに設置することができる。そのため、第1及び第2工程は、実質的に同じとき、又は短時間の間に連続的に実行される。時間短縮に加えて(それ以上の操作は必要ないが)、第2工程を実行するための測定又は装置についての出費も削減される。両方の工具は、相互に直接結合され、互いの位置合わせを一度だけ行う必要がある。
【0016】
以上、説明した塑性変形及びアンダーカットを形成するための方法は、適切に組み合わせ得る。例として、上方からの窪みは横方向への窪み及び/又は溝の側面の塑性変形と交互に形成することができる。1つの工具で、様々な塑性変形及び/又は塑性変形を混合させた状態で若しくは塑性変形を重ね合わせた状態で形成することができる。また、最も有益なアンダーカットを形成するために、第2工程を実行するための複数の工具を適切に組み合わせることもできる。
【0017】
この方法は、特に、内燃エンジンのシリンダブロックの加工及びコーティングの前処理に適している。この方法は、小さな労力でアンダーカットを溝畝に確実に且つ均一に形成できるので、比較的小さなシリンダボアにおいて容易に使用可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、規則的なアンダーカットを溝畝に比較的小さな労力で形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係る方法を実行するための2つの工具を有する加工対象物の断面図である。
【図2】図1に示す構成の平面図である。
【図3】図1のAの部分の拡大図である。
【図4】別の変形を有する溝畝の断面図である。
【図5】図4に示す変形した溝畝の斜視図である。
【図6】ローレットのためのローラの側面図及び断面図である。
【図7】溝畝の端縁を変形させるためのローラの側面図及び断面図である。
【図8】横方向への変形のためのローラの側面図及び断面図である。
【図9】溝畝の端縁を変形させるためのパンチ工具の側面図及び断面図である。
【図10】横方向への変形のためのパンチ工具の断面図及び平面図である。
【図11】横方向への変形のためのツインローラの断面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
《発明の実施形態》
図1〜3は、本発明に係る方法を実行するための配置を示している。図1は、ワーク(加工対象物)の断面図を、図2は、ワークの平面図を示す。図3は、図1の枠Aの拡大図を示す。加工対象物であるシリンダブロック1は、溶射層を付着を可能とするために、本方法によって下処理される金属表面2を有している。回転工具6を保持する工具ホルダ5は、工具スピンドル4に取り付けられる。工具スピンドル4は回転し且つシリンダボア3の下方へゆっくりと移動するので、回転工具6は、金属表面2に、円周方向に延びると共に溝畝8を有する溝7を形成する。
【0022】
回転可能なローレットローラ9が工具ホルダ5上に配設される。回転スピンドル4が回転すると、ローラ9の外周に配置された規則的な突起10が溝畝8に作用して、溝畝8を規則的な間隔でギザギザ又は溝ひだ11の形状に塑性変形させる。これら溝ひだ11は、溝畝8の溝側面12に次々にアンダーカット13を形成する。
【0023】
ローレットローラ9は、軸方向(即ち、回転スピンドルが移動する軸方向に見たときに)において回転工具6に対して後側の位置に設けられている。その結果、ローレットローラ9は常に、形成されたばかりの溝畝8だけに作用する。
【0024】
図4(a)〜4(d)は、様々に変形した溝畝の断面図を示し、図5(a)〜5(d)は対応する斜視図を示す。
【0025】
図4(a),5(a)は、上面15の幅方向中央に規則的に窪み14が形成された溝畝8aの塑性変形を示す。窪み14は、塑性変形をもたらす。結果として、溝の側面12に規則的なアンダーカット13が形成される。ここでは、規則的とは、窪み又はアンダーカットが、溝の長手方向において、概ね同じ間隔で常に存在することを意味する。
【0026】
図4(b),5(b)は、図3で既に示したような、ローレットローラによって形成された、溝8bの塑性変形を示す。形成された窪み、ギザギザ形状又は溝ひだ形状11は、溝畝の材質を溝に対して横方向へ塑性変形させる。その結果、アンダーカット13が形成される。
【0027】
図4(c),5(c)は、溝畝のエッジ16の塑性変形を示す。溝畝のエッジ16が規則的に押圧されているので、規則的なアンダーカット13が形成される。
【0028】
図4(d),5(d)は、溝畝8d自体の塑性変形を示す。溝畝は、規則的に且つ、溝の長手方向に対して横方向の一方の側と反対側とへ交互に曲げられている。結果として、アンダーカット13が溝の側面12に溝の長手方向に沿って交互に形成される。
【0029】
本発明に係る溝畝を形成するための様々な工具が後続の図に示されている。これらの工具は、各工具で異なる変形を形成するように互いに組み合わせることができる。一方、異なる変形を形成するために、これらの工具のうちの複数の工具を平行に、又は連続に配列することもできる。
【0030】
図6(a),6(b)は、溝畝8の上面15に窪み14を形成するのに使用することができるローラ9aを示す。図6(a)では、ローラ9aがその中心面(ローラ9aの中心軸に直交し且つローラ9aの幅方向中央を通る平面)で切断されている。図6(b)は、ローラ9aの図6(a)のA−A線における断面図でる。円錐状突起17が一定の間隔でローラ9aの外周面に一体に形成されている。ローラ9aが、溝の長手方向に沿って溝畝8aの上面15上を転がると、窪み14が溝畝8aに塑性変形として形成され、図4(a),5(a)で既述したアンダーカット13が形成される。ローラ9aは、ローラ9aの両側に設けられて半径方向に突出する2つのガイド円盤18aによって溝畝8a上を案内される。このため、ローラ9aの中心が、溝畝8aの幅方向中央に合うようになり、窪み14が上面15の幅方向中央に常に正確に形成されるようになる。窪み14が形成される部分においてガイド円盤18aが溝畝8aの塑性変形を妨害しないように、ガイド円盤18aは円錐状突起17に対応する部分が半径方向及び軸方向に切り欠かれている。
【0031】
図7(a),7(b)は、溝畝のエッジ16を塑性変形させるために使用することができるローラ9cを示す。図7(a)では、ローラ9cがその中心面で切断されている。図7(b)は、ローラ9cの図7(a)のB−B線における断面図である。ローラ9cも、ローラ9cの両側に設けられて半径方向に突出する2つのガイド円盤18cによって溝畝8c上を案内される。三角形の肩部19が一定の間隔でローラ9cの外周面に一体に形成されている。ガイド円盤18cとローラ9cは、肩部19の剛性を高くするために一体的に形成されている。ローラ9cが、溝に沿って溝の長手方向に沿って溝畝8cの上面15上を転がると、溝畝のエッジ16が一定の間隔で塑性変形させられる。これらによって、溝畝8c及び溝畝のエッジ16は部分的に窪まされ又は波形に変形させられる。その結果、図4(c),5(c)で既述したようにアンダーカット13が形成される。
【0032】
図8(a)は、溝畝8dを横方向へ塑性変形させるために使用することができるローラ9dの側面図を示す。図8(b)は、図8(a)のA−A線における断面図を、図8(c)は、図8(a)のB−B線における断面図を示す。ローラ9dは、幅方向の中央においてローラ9dに一体的に形成され、ローラ9dを溝7’に沿って案内するガイド円盤18dを有している。ガイド円盤18dは、ローラ9dの外周面から始まって(即ち、外周面には存在していない)ローラ9dの回転軸へ向かって(つまり、半径方向内側へ向かって)大きくなる円錐状突起20を有している。ローラ9dがガイド円盤18dに案内されて溝7’内を転がると、円錐状突起20が、円錐状突起20に対応する部分の溝畝8dを横方向へ曲げるように、溝畝8dを規則的に塑性変形させる。その結果、アンダーカット13が形成される。
【0033】
溝畝8dを左右の両方に曲げるためには、ローラ9dが溝7’に隣接する溝7’’を案内されるときに、溝畝8dが突起20によってローラ9dの反対側へ変形させられることが必要である。これは、図8(b)に示されている。ローラ9dは、第1の溝7’を案内され、溝畝8d’を左へ溝畝8d’’を右へ曲げる。図8(c)においては、ローラ9dは、第1の溝7’に隣接する溝7’’を通過し、溝畝8d’’を左へ、溝畝8d’’’を右へ変形させる。この曲げが1つの溝畝において右と左へ交互に行われるように、ローラ9dの回転は溝7’と溝7’’とで調整される。これはガイド円盤18で実現される。つまり、2つの突起20の間の部分には、凹部21が形成されている。この凹部21は、溝畝8d’’の右側へ曲げられた部分に合致するようになっている。そのため、溝畝8d’’の2つの右側へ曲げられた部分の間の部分が肩部20で左側へ曲げられる。
【0034】
図9(a)は、溝畝のエッジ16(図示せず)を塑性変形させるためのパンチ工具22の断面図である。パンチ23は、パンチ工具22にバネを介して弾性的に取り付けられている。パンチ23は、パンチ工具22が溝畝8に沿って移動するときに周期的に飛び出すようになっている。パンチ23の動きは、任意の適切なアクチュエータによって実現したり、例えば回転スピンドルに設けられたカムディスクによって機械的に実現することができる。パンチヘッド24は、パンチが溝畝のエッジ16に作用して塑性変形させるように凹んだ形状をしている。図9(b)は、パンチヘッド24の正面図を示す。
【0035】
図10(a)は、溝畝8を横方向へ塑性変形させるためのパンチ工具22’の断面図である。2つのパンチ23a,23bは、パンチ工具22’が溝畝8に沿って移動するときに周期的に交互に延びるように、パンチ工具22’にバネを介して弾性的に取り付けられている。パンチ23a,23bは、パンチヘッド24a,24bが溝7内に進入して溝畝8に当接するように、溝7の深さ方向に対して傾斜した状態で且つ溝7に対して横方向から配置されている。この状態においても、パンチの動きは、任意の適切なアクチュエータによって実現したり、機械的な構成で実現することができる。図10(b)におけるパンチ工具22’の平面図では、パンチ23aが延びて畝溝8を上方へ変形させている。一方、図10(c)では、パンチ工具22’が溝畝8に沿って移動し、パンチ23bによって溝畝8を下方へ変形させている。
【0036】
図11(a)〜11(c)は、横方向へ変形させるための別の実施形態を示す。ツインローラ工具25は、2つのスクリューローラ26a,26bを有している。2つのスクリューローラ26a,26bは、変形させられる溝畝8の両側に設置される。スクリューローラ26a,26bは互いに傾斜している。スクリューローラ26a,26bは、外周面27が凹凸形状に形成されており、互いに噛み合うように構成されている。そして、スクリューローラ26a,26bの間に位置する溝畝8が変形させられるようになっている。ツインローラ工具25が溝畝8に沿って移動してスクリューローラ26a,26bが回転すると、溝畝8は、図11(b),11(c)に示すように、上方と下方へ交互に曲げられる。
【0037】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明したように、本発明は、溶射層の接着性を向上させるために金属表面を粗化する方法について有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 シリンダブロック(加工対象物)
2 金属表面
3 シリンダボア
4 工具スピンドル
5 工具ホルダ
6 回転工具
7 溝
8 溝畝
9 ローレットローラ
10 (ローレットローラの)突起
11 溝ひだ
12 溝側面
13 アンダーカット
14 窪み
15 (溝畝の)上面
16 溝畝のエッジ
17 円錐状突起
18 ガイド円盤
19 肩部
20 円錐状突起
21 凹部
22 パンチ工具
23 パンチ
24 パンチヘッド
25 ツインローラ工具
26 スクリューローラ
27 外周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属表面(2)に溝(7)を形成する第1工程と、該溝(7)の間に形成される溝畝(8)を、該溝(7)内にアンダーカットが形成されるように、塑性変形させる第2工程とを含む、溶射層の接着性を向上させるために金属表面(2)を粗くする方法であって、
上記溝畝(8)の塑性変形量を上記溝(7)の長手方向に沿って規則的に変化させることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
上記溝(7)には、上記アンダーカット(13)が形成されていない部分が上記長手方向に沿って規則的に形成されることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
上記塑性変形は、上記溝畝(8,8b)の上面(15)に形成される溝ひだ(11)又はローレット(15)であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の方法において、
上記塑性変形は、上記溝畝(8,8a)の上面(15)に形成される局所的な窪み(14)であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の方法において、
上記塑性変形は、上記溝(7)の長手方向に対して横方向への上記溝畝(8,8d)の局所的な変形であることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の方法において、
上記塑性変形は、上記溝畝のエッジ(16)に形成される局所的な窪みであることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1つに記載の方法において、
上記塑性変形は、回転しながら上記溝(7)に沿って移動する工具によって形成されることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
上記工具は、外周面に突起(20)、肩部(19)、ポイント(17)又は針が形成されたローラ(9)であることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1乃至6の何れか1つに記載の方法において、
上記塑性変形は、少なくとも1つのパンチ(23)を有する工具(22)によって形成されることを特徴とする方法。
【請求項10】
上記1乃至6の何れか1つに記載の方法において、
上記塑性変形は、上記溝(7)及び/又は上記溝畝(8)に沿って案内される工具(9,22,25)によって形成されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1つに記載の方法において、
上記第2工程における塑性変形は、上記第1工程と同じ工程で行われることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1つに記載の上記第2工程を実行する工具。
【請求項13】
請求項1乃至11の何れか1つに記載の方法で形成された加工対象物。
【請求項14】
請求項13に記載の加工対象物において、
上記加工対象物は、内燃エンジンのシリンダボアであることを特徴とする加工対象物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−5549(P2011−5549A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139542(P2010−139542)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(503136222)フォード グローバル テクノロジーズ、リミテッド ライアビリティ カンパニー (236)
【Fターム(参考)】