説明

鉄骨構造物杭柱地中梁接合部一体化工法

【課題】従来、鉄骨建築の基礎はコンクリートと鉄筋を使って施工するのが通例であるが、この場合、基礎のサイズが大きくて、養生期間が長いため現場工期が長く、且つ廃土が出るという問題がある。
【解決手段】本発明は、建築鉄骨構造物柱と鋼管杭とを厚板圧延鋼板・鍛鋼・鋳鋼製の単数又は複数の中実鋼材により一体化することにより、建築基礎が大幅に減り、上下・水平調節が容易で、現場施工性がよく、大きな継手強度を併せ持ち、且つ廃土が少なく環境によい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨建築の上部構造物とその土木基礎構造物の接点を高強度で精度良く製作する技術の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄骨建築は、図1に示すように、通常は角形鋼管・丸形鋼管・H形鋼による柱1とH形鋼による梁2からなっており、該柱と梁の接合部は仕口であり、図2に示すように、角形鋼管を使った柱1の場合、仕口部3はダイアフラム5と柱短管6の部品から構成され溶接7により製作され、該仕口部と柱1と梁2が溶接7で接合されている。
【0003】
鉄骨建築構造を支えているのが、図1で示す基礎4である。この基礎4は、独立基礎、一つの基礎で2本以上の柱を支える複合基礎、フーチングを連続して形成する布基礎がある。これらの基礎を作ってから柱1を基礎に接続して、建築物と基礎とが一体になるのである。
【0004】
図4に、従来の独立基礎の上に構築した鉄骨建築模式図を示す。建築は、大略柱1,梁2、接合部即ち仕口部3からなっており、柱1を支持する基礎柱又は杭8を設置する地盤9を所定深さまで掘削して所定形状の穴を形成させ、穴の所に所定形状の型枠を製作して、コンクリート10を打設して、1週間ほどの養生期間を得て、固まらせる。また、水平材の基礎梁11で基礎間を連結し、建物全体の剛性を上げて不同沈下を押さえているのである。
【0005】
特願平9−348841の例を示す。図5に、従来型の基礎を改良した杭柱一体型工法の模式図を示す。該工法では、従来のような基礎は使わず、先端につけたスクリュー19で地盤9に鋼管杭18をねじ込んで、該鋼管杭18の地表部分で適当な寸法に上部を切断して一定の高さを確保して杭フランジ16を溶接して、該杭フランジ16と柱ベースプレート12とをスペーサ12Sを挟んでボルト15とナット14で固定する。
【0006】
特願2002−052860の例を示す。図3に、柱梁接合部を圧延鋼板等から採取した中実のサイコロ17に柱1及び梁2を溶接接合させるもので、図2に示すような複雑な構造をしていない。
【特許文献1】特願平9−348841
【特許文献2】特願2002−052860
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の基礎工事には、特許文献1にも記述があるように次のような問題がある。
(1)地盤を深く広く掘削する必要があり、掘削の作業量が大きく、残土が大量に出て、その処理に、費用と手間が掛かる。また、振動・騒音・砂埃が発生して環境問題が発生する恐れがある。
(2)コンクリート打設の手間と養生の期間が必要。
(3)大きなフーチングと基礎梁と広い基礎が必要で、高価な費用と長い養生期間の問題の他に、狭い箇所での施工が不都合になる場合が多い。
【0008】
特許文献1では、次の問題がある。
(1)杭柱接合部の構造は従来の柱梁接合部に比べて構造が複雑である。高さ調整用のスペーサなど調整に手間が掛かる。
(2)柱の水平位置の調整が難しい。
(3)杭フランジ部16の大きな剛性と強度を確保するのが難しい。
(4)表層地盤が弱いと単独鋼管杭では柱の曲げ耐力に対し弱い。
【0009】
特許文献2では、次の問題がある。
(1)仕口部の構造が単純で、製作工数も少なく強度も高いが、土木基礎精度に対応した部材間の位置調整ができない。
(2)工場製作には良いが、固定した鋼板等中実鋼材の現場溶接性が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような諸課題は種々研究した結果、圧延・鍛造又は鋳造による鋼製の中実鋼材を用いて、該中実鋼材の形状及び接合方法を変えることによりこれらの問題が解決できることが明らかとなった。
【0011】
請求項1に係る発明の構成は、建築鉄骨構造物において、先ず水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さく、且つ、水平に置かれた単数の又は鉛直方向に合わせて互いに溶接接合された複数の圧延材・鍛造材又は鋳造材による中実鋼材を用いることであり、次の構成では、地盤に立設した単数又は複数の鋼管杭を建設地において所定の高さの位置でガス切断機等により切断することであり、次の構成では、切断して地盤に立設している鋼管杭の上端と建設地で溶接接合することであり、又は、角形鋼管、丸形鋼管又はH形鋼の建築鉄骨柱の下端を該中実鋼材と建設地において溶接により接合させることであり、又は、該鋼管杭の上端及び該建築鉄骨柱の下端の両方を建設地において該中実鋼材と溶接により接合させることにより、段落8記載の特許文献1の(1)(2)(3),及び段落9記載の特許文献2の(1)(2)の諸問題を解決できる。即ち、コンクリートよりも強度の大きい平らな上面を有する単純な中実鋼材を用いて建設地における溶接接合により、諸問題が解決するのである。
【0012】
請求項2に係る発明では、鉛直方向に孔を開けた16mm乃至500mm厚さの、圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材の開口部に、又はリング状の圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材の開口部に、基礎鋼管杭上端を挿入して、挿入高さ又は孔位置を調整して上下・左右方向に位置調整可能にすることを構成要素にして、該中実鋼材と該鋼管杭とを溶接により接合させて鉄骨構造物を製作する方法である。
【0013】
請求項3に係る発明では、請求項1、又は2に係る発明の構成に加えて、水平方向に隣り合った該中実鋼材に対し、地表又は地中に設置するH形鋼梁を溶接接合させる構成をとなった方法である。
【0014】
請求項4に係る発明では、請求項3の構成に加えて、水平方向に隣り合った該中実鋼材に対し、地表又は地中に設置する梁を溶接接合させて、該梁から建築鉄骨柱を立ち上げる構成を加えたものである。この構成は、水平方向に隣り合った該中実鋼材に対し梁を溶接接合させて該梁の中間から一本以上の間柱等の建築鉄骨柱を立ち上げることである。
【0015】
請求項5に係る発明では、建築鉄骨構造物において、発明の構成は請求項1、2、3、又は4に係る発明において、中実鋼材又は地表又は地中に設置する梁の一部又は全体を、セメントモルタル・コンクリート又は鉄筋コンクリートで覆う構成が付加されている。この構成でにより、中実鋼材又は地表・地中梁の耐食性を確保することができる。
【0016】
請求項6に係る発明では、建築鉄骨構造物において、発明の構成は、請求項1、2、3、4又は5に加えて、次の構成は、鋼管杭の地中埋設部分に水平の鋼板又は螺旋状の鋼板を取り付けて、該鋼板部分を基礎定盤の上側、下側、内部又はこれらを組み合わせた複数箇所に設けて、基礎定盤を設けることである。この鋼管杭には、鋼管杭先端又は中間に回転翼付きの鋼管杭も用いることができる。この構成には、既設の基礎定盤に孔を開けて該孔の該基礎定盤の高さ位置の上下又は中間位置に設置される水平の鋼板又は螺旋状の鋼板を取り付けた鋼管杭を打設してから、その孔部分にセメントモルタル・コンクリート又は鉄筋コンクリートを充填する構成も含まれている。
【0017】
請求項7に係る発明では、建築鉄骨構造物において、発明の構成は、請求項1〜6に係る発明の構成において、角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼の建築鉄骨柱を上部分と下部分に分割して、500〜2000mm程度望むらくは800〜1200mm程度のゼロ注又はゼロ節と称する該建築鉄骨柱の下部分の下端を該中実鋼材上面に溶接接合させて、しかる後、該500〜2000mm程度望むらくは800〜1200mm程度の該建築鉄骨柱の下部分の上端に該上部分の柱を溶接する構成が付加されているものである。この800〜1200mm程度の長さの鉄骨柱上端部では、1階鉄骨柱の接合を作業上容易にさせることと、この溶接部位置で1階鉄骨柱の曲げモーメントがその上下位置よりも減少していて耐力上安全側になることを意味する。
【0018】
請求項8に係る発明では、発名の構成は請求項1〜7に加えて、中実鋼材と一体化した鋼製容器をもちいるという構成があり、このことにより、コンクリートの固化を待たずに鉄骨建て方が開始でき、且つ、中実鋼材にコンクリート重量を載せて鉄骨建て方時に鉄骨柱の倒れに対する安定性をもたらす特長がある。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明では、
(1)地盤を深く広く掘削する必要がなく、掘削の作業量が少なく、残土が殆どなく、その処理に、費用と手間が殆ど掛からない。また、振動・騒音・砂埃が発生して環境問題が発生する恐れが殆どない。
(2)コンクリート打設の手間と養生の期間が必要ない。
(3)大きなフーチングと基礎梁と広い基礎が不必要で、その費用と養生期間の問題がなく、狭い箇所での施工が可能になる。
(4)従来の特許文献1の杭柱接合部に比べて構造が単純である。また、従来の特許文献1に比べて、高さ調整用のスペーサなど不要で、建設地での水平溶接の開先ギャップの調整により、柱の高さ調整ができて手間が掛からない。
(5)中実鋼材のトップ面が平滑であり、柱下端を中実鋼材のトップ面で容易に水平にずらすことができて、柱の水平位置の調整が容易である。
(6)中実鋼材の断面が大きくて、コンクリート製の柱脚や特願平9−348841の例よりも杭柱接合部の大きな剛性と強度が得られる。
(7)仕口部の構造が単純で、製作工数も少なく強度も高い上に、土木基礎精度に対応した部材間の位置調整ができる。
(8)中実鋼材と柱の現場溶接性は、柱の上下左右の位置調整が容易で姿勢が水平溶接であるため、良好である。
(9)中実鋼材を水平方向に合わせた2個の圧延・鍛造又は鋳造による中実鋼材から構成させると、中実鋼材の製造費が低減できる。
(10)杭芯と柱芯とが大きくずれた場合にも適用できる。特に、隣地が迫ったところで杭が打設できない場合にも柱を隣地近くに設置することができる。
【0020】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明に加えて次の効果がある。即ち、
挿入高さ又は孔位置を調整して上下・左右方向に位置調整可能にしている為、該中実鋼材の上下方向の位置調整を容易にしている。
【0021】
請求項3に係る発明では、請求項1及び2の効果に加えて次の効果がある。即ち、このような構成にすれば、地盤が弱いところでも強固な地盤支持力が得られ、鉄骨柱の芯がずれていても該中実鋼材から該基礎杭と該鉄骨柱が共に外れることがなく、且つ、該基礎杭と該鉄骨柱との接合部が鋼材同士の溶接接合により大きな強度を保つことができる。即ち、杭柱接合部の大きな剛性と強度及び杭基礎により大きな地耐力が確保されるのである。
請求項3に係る発明では、杭柱継手の強度を確保しながら、該中実鋼材の上面の大きさ及び高さを最小にして、杭と柱の位置調整能力を最大に発揮させうる。
【0022】
請求項4に係る発明では、請求項1、2及び3の効果に加えて次の効果がある。即ち、
請求項4に係る発明では、水平方向に隣り合った該中実鋼材に対し梁を溶接接合させて該梁の中間から一本以上の間柱等の建築柱を立ち上げることができる。間柱用の特別のコンクリート基礎が不要なので経済的である。
【0023】
請求項5に係る発明では、請求項1、2、3及び4の効果に加えて次の効果がある。即ち、請求項5に係る発明では、中実鋼材又は地表又は地中に設置する梁の一部又は全体に対して、地盤支持力の向上、柱梁接合部・柱杭接合部強度及び耐食性の向上をもたらす。
【0024】
請求項6に係る発明では、請求項1から5の発明の効果に加えて次の効果がある。即ち、請求項6に係る発明では、鋼管杭又は鋼管杭と回転翼だけの地盤支持力よりも大きな地盤支持力が得られる。また、杭頭がコンクリート定盤内になくて、柱と溶接接合で直結しているので、従来のように杭頭が定盤内に設置された場合よりも大きな杭と基礎定盤との接合力が得られる。また、従来、杭頭が基礎定盤下部又は内部にある場合に、地震により杭頭部が破壊するという問題があったが、本発明によれば、鋼管杭が基礎定盤内を貫通しているので、鋼管杭の基礎定盤部で曲げモーメント耐力を減ずることがなく、地震による曲げモーメントで容易に破壊しない。また、既設の基礎底盤や布基礎を廃棄せずにそのまま有効利用して、鋼管杭頭及び鋼管杭の大きな強度が得られる。
【0025】
請求項7に係る発明では、請求項1から6の発明の効果に加えて次の効果がある。即ち、請求項7に係る発明では、請求項1〜6に係る発明の効果に加えて、500〜2000mm程度の該建築鉄骨柱即ちゼロ柱設置により、床スラブや床スラブ内の配管等の設備の設置が地上部分の鉄骨製作中にできて、建築工事の工程短縮に大きく貢献する。
【0026】
請求項8では、中実鋼材にコンクリート重量を載せるので鉄骨建て方時に鉄骨柱の倒れに対する安定性をもたらすともに、コンクリート基礎等の2〜4週間以上の養生期間を不要にして、固化を待たずに直ちに地上の鉄骨本体の建て方が実施でき工期短縮になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施例1
請求項1に係る発明の実施の形態について説明する。図6、図9及び図10は、円形鋼管杭と角形鋼管柱との間に、水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さい6面体の圧延材・鍛造材又は鋳造材による鋼製中実鋼材を挟んで上下から該鋼管杭と該柱を接合した断面図を示し、図6(イ)は、該中実鋼材17が一個の部品から構成されており、図6(ロ)は、中実鋼材17のそれぞれが水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さくなるように水平方向に合わせた2個の中実鋼材17から構成されている。図6(イ)と(ロ)の中実鋼材17の水平方向の寸法は柱径以上即ち通常100〜1000mm望むらくは200〜500mmであり、垂直方向の寸法は16〜500mm望むらくは50〜400mmであり、水平寸法と垂直寸法の組合せでは水平寸法よりも垂直寸法が小さくなっている。通常は、柱1は角形鋼管・円形鋼管・H形鋼であり、鋼管杭18は円形鋼管杭である。該鋼管杭18は、地盤の浅いところに支持料がある場合に図5下部に示すように、必須ではないがその先端にスクリュー羽根19が単数又は複数取り付けられている。該鋼管杭18を地盤の中に立設し、その上部の余長分をガス切断して、所定の高さにした後、鋼管杭18側又は中実鋼材17側に開先加工を行い、中実鋼材17と鋼管杭18を溶接接合する。鋼管杭18の頂部に中実鋼材17を溶接接合した後、図7に示すように、上下又は水平位置調整が難しい場合に、鉄骨柱1用の裏当金20又は短管20を柱1及び中実鋼材17に仮付け溶接せずにルーズにしたまま、該柱用の裏当金又は短管20を柱1下端部内面及び中実鋼材上に置いて、柱1の高さ位置調整41及び水平位置調整42を行うことにより、柱1と中実鋼材17の継手開先ギャップGの調整を行い、柱1の高さを調整した後、柱1と裏当金20と中実鋼材17を仮付け溶接するか又は仮止めピース21を用いて柱1と中実鋼材17を仮付け溶接して固定し、それから継手溶接7を施工する。なお、水平方向に合わせた2個の圧延・鍛造又は鋳造による中実鋼材は、継手の強度要求により互いに上部・下部・側面を溶接接合することが可能であり、中実鋼材17の下端部に開先加工を行う場合は、一例として図8に示すように行い、建設現場でも可能であるが、鉄骨工場で予め実施しておく方が良い。更に、中実鋼材17の設置位置は、鋼管杭18の上部切断位置により、中実鋼材17を鋼管杭18及び柱1と接合した後に、地中、地中と地表の中間、地表又は地上のいずれでも可能である。尚、中いつ鋼材17の形状は、6面体に限らず8面体、球形、楕円体や円柱にもすることができる。図9は、図6の応用で、図6の場合よりも中実鋼材17を広く設けて、上部に柱1を一本、下部に鋼管杭18を一本取り付けたものである。この場合は、柱1の芯と鋼管杭18の芯とがずれても上部柱1と下部鋼管杭18が連続体として容易に取付られる。図10も、図6の応用で、図6の場合よりも中実鋼材17を広く設けて、上部に柱1を一本、下部に鋼管杭18を2本取り付けたものである。この場合も、柱1の芯と鋼管杭18の芯とがずれても上部柱1と下部鋼管杭18が連続対として容易に取付られる。
【0028】
実施例2
請求項2に係る発明の実施の形態について説明する。図11は、鉛直方向に2つの孔を開けた1枚の圧延鋼板、鋳鋼材、又は鍛鋼材製の中実鋼材17の孔の上に、外形が四角・六角などの多角形・楕円又は円形のリング状の圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材製の中実鋼材17Aをそれぞれ1枚合計2枚載せて、中実鋼材17の中央孔17Hを通して、その2枚の中実鋼材17Aの中央開口部にそれぞれ2本の基礎杭上端を挿入して相互に溶接し、更に中実鋼材17と17Aを溶接接合7した場合の構造の断面図を示す。言い換えれば、互いに溶接接合された2枚以上の厚板の圧延鋼板、鋳鋼材、又は鍛鋼材にそれぞれ内径の異なる孔を開けて重ね合わせ、2本以上の基礎杭上端をそれぞれの小さい方の孔に挿入してそれぞれ溶接し、更に2枚の圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材製の中実鋼板17のそれぞれに溶接7した場合の断面図である。
この場合、鋼管杭本数が2本であるが、鋼管杭1本では鉛直支持力又は曲げモーメントが得られない場合に、鋼管杭本数を複数にしたものである。中実鋼板17の貫通孔の内径を大きめにすれば鋼管杭18の芯ずれにも対応ができる。中実鋼材17及び17Aの孔径が鋼管杭18より大きい分だけ鋼管杭の芯ずれの調整が代が大きくなる。
【0029】
実施例3
請求項2に係る発明の実施の他の形態について説明する。図12は、孔17Hを開けた圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材製の中実鋼材17の上に、別の孔17Jを開けた外形が四角・六角又は円形のリング状の圧延鋼板、鋳鋼材、又は鍛鋼材製の中実鋼材17Aを上に重ねて載せて、それぞれの中実鋼板の開口部17H・17Jを合わせたうえに、1本の鋼管杭18を下側の中実鋼材17の孔17Hに挿入して中実鋼板17と鋼管杭18を溶接接合し、もう1本の鋼管杭を下側の中実鋼材17の孔17Hを通して上側の中実鋼材17Aの孔17Jに挿入して中実鋼板17Aと鋼管杭18を溶接接合する場合の構造の断面図を示す。鋼管杭18がそれぞれに接合され上下に重ねられた異なった2枚の中実鋼板17と17Aを互いに水平方向にずらすことにより、それぞれの鋼管杭が独立して芯位置調整が可能になっている。
【0030】
実施例4
請求項2に係る発明の実施の他の形態について説明する。図13は、図12と穴明けを除いて同様であるが、下側の中実鋼材17の孔17Hに取り付けた鋼管杭位置には、上側の中実鋼材17Aには孔が開けてない。これは下側の中実鋼材17に鋼管杭18を溶接接合した後に上側の中実鋼材17Aを取り付けて別の鋼管杭を中実鋼材17A孔部分に溶接した場合である。
【0031】
実施例5
請求項2に係る発明の実施の形態について説明する。図14は、2枚の中実鋼材17と17Aの上下位置関係が図11と反対になっている。即ち、中央に孔を開けた外形が四角・六角又は円形のリング状の圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材製の中実鋼材17Aの2枚の上に、該リング状中実鋼材の中央孔位置に芯位置を合わせた貫通孔付きの中実鋼材17を載せて、その中実鋼材17Aの中央開口部にそれぞれ1本合計2本の鋼管杭上端を挿入して相互にすみ肉溶接又は突き合わせ溶接し、更に中実鋼材17と17Aを中実鋼材17の穴内ですみ肉溶接7F接合した場合の構造の断面図を示す。この場合、鋼管杭の上端部の接合は、中実鋼材17Aの内径と鋼管杭天端内面に入れた円板45と鋼管杭天端とでスロット溶接7Sするものである。この場合、中実鋼材17Aは先に鋼管杭18と溶接接合されて、その後で中実鋼材17が溶接接合7Fされるので、下向き姿勢で溶接施工が容易であるという利点がある。また、中実鋼材17の下側の鋼管杭18に中実鋼材17のストッパーを取り付けておけば、中実鋼材17の位置決めや溶接部17Sの補強になり、鉄骨柱1による鉛直荷重に対して耐力を増加させる。
【0032】
実施例6
請求項3に係る発明の実施の形態について説明する。図15に、中央に孔を開けた外形が四角・六角などの多角形又は円形のリング状の圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材製の中実鋼材17Aを2枚設置してその2枚の上に、該リング状中実鋼材17Aの中央孔位置に芯位置を合わせた貫通孔付きの中実鋼材17を載せて、その中実鋼材17Aの中央開口部にそれぞれ1本合計2本の基礎杭18の上端を挿入して、必要により、基礎杭18の上端部内径に円形鋼板45を挿入して相互にすみ肉溶接又は突き合わせ溶接し、更に中実鋼材17と17Aを中実鋼材17の穴内ですみ肉溶接7F接合し、更に地中梁又は地表梁11を溶接接合させた断面図を示す。該梁11は中実鋼材17の下側に該梁11の下フランジ11F及びウエブ11Wが延長されて任意の長さに設けることができる。該梁11が延長された結果、鋼管杭18に突き当たる場合は鋼管杭18に溶接接合することもできるし、鋼管杭18を避けて延長することもできるし、鋼管杭18を避けて延長し、上部柱1の下側に位置するように設けることができる。この梁11は通常H形鋼を用いるが、角形鋼管・円形鋼管・角鋼・丸鋼を用いることができる。また、本実施例では、該中実鋼材17Aを2枚設置して該中実鋼材17Aの中央開口部にそれぞれ1本合計2本の基礎杭上端を挿入して相互にすみ肉溶接又は突き合わせ溶接し、その後に、地中梁又は地表梁11を溶接接合させた貫通孔付きの中実鋼材17をその2枚の上に、該リング状中実鋼材17Aの中央孔位置に芯位置を合わせて載せて、その中実鋼材17の内径と中実鋼材17Aを穴内ですみ肉溶接7F接合することも可能である。
【0033】
実施例7
請求項3に係る発明の実施の他の形態について説明する。図16に、中央に孔を開けた外形が四角の圧延鋼板、鋳鋼又は鍛鋼製の中実鋼材17Aを2枚設置してその中実鋼材17Aの中央開口部にそれぞれ1本合計2本の基礎杭上端を挿入して中実鋼材17Aと基礎杭上端とを相互にすみ肉溶接又は突き合わせ溶接し、その2枚の中実鋼材17Aの上に、該中実鋼材17Aよりも幅が狭くその中央孔位置に貫通孔なしの中実鋼材17を載せて、更に中実鋼材17Aの側面で17とすみ肉溶接7F接合し、更に2本の地中梁又は地表梁11を直角方向に溶接接合させた上面図を示す。該地中梁11の一つは、中実鋼材17の端部に接合されており、もう一つは中実鋼材17の端部から上部柱1の下側を通り中実鋼材17の他端部まで延長されている。鉄骨柱は両地中梁のほぼセンター位置で中実鋼材17の上面に溶接で取り付けられている。
【0034】
実施例8
請求項3に係る発明の実施の他の形態について説明する。図17に、中央に孔を開けた外形が多角形・楕円形又は円形のリング状の圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材製の中実鋼材17Aを3枚設置してその3枚の上に、該リング状中実鋼材17Aの中央孔位置に芯位置を合わせた貫通孔付きの中実鋼材17を載せて、その中実鋼材17と17Aの中央開口部にそれぞれ1本合計3本の基礎杭上端を挿入して相互にすみ肉溶接又は突き合わせ溶接し、更に中実鋼材17の孔の内径と中実鋼材17Aとを穴内ですみ肉溶接7F接合し、更に地中梁又は地表梁11を溶接接合させた上面図を示す。該梁11は中実鋼材17の下側に該梁11の下フランジ11F及びウエブ11Wが延長されて任意の長さに設けることができる。図17では、2本の梁11が中実鋼材17の下で延長され互いにT字形に溶接接合されている。この梁11は通常H形鋼を用いるが、角形鋼管・円形鋼管・角鋼・丸鋼を用いることができる。
【0035】
実施例9
請求項4に係る発明の実施の形態について説明する。図18に、水平方向に隣り合った該中実鋼材17に対し、地表又は地中に設置する梁11を溶接接合させて、該梁11から鉄骨柱1を立ち上げる実施例を横断面で示す。図18では、地盤に2本の鋼管杭18を貫入させて該鋼管杭18の上端のそれぞれに、中央に孔を開けた外形が多角形・楕円形又は円形のリング状の圧延鋼板、鋳鋼材、鍛鋼材製の中実鋼材17Aの孔に嵌合させて、更に、該鋼管杭18の上端内径に円形鋼板45を嵌合させて、中実鋼材17Aの孔の内径と鋼管杭18の上端面と円形鋼板45の外径とを相互にすみ肉溶接又は突き合わせ溶接して溝溶接部を形成させて、中実鋼材17Aと鋼管杭18と円形鋼板45とを接合させた後、地中梁又は地表梁11により溶接接合で互いに連結させた貫通孔付きの中実鋼材17の2枚をそれぞれ該2枚の中実鋼材17Aの上に、該リング状中実鋼材17Aの中央孔位置に芯位置を合わせて載せて、その中実鋼材17の内径と中実鋼材17Aを穴内ですみ肉溶接7F接合する。しかる後、該梁11の上フランジの任意の場所で鋼管柱29を接合させる。更に、中実鋼材17と17Aを穴内ですみ肉溶接7F接合し、更に地中梁又は地表梁11を溶接接合させた断面図を示す。
【0036】
実施例10
図6から図19まで鋼管杭、中実鋼材、柱、間柱の取付施工順序を変えることができる。
【0037】
実施例11
請求項5に係る発明の実施の形態について説明する。図19に、請求項4に係る図18の実施例に対し、地中に設置する中実鋼材17及び梁11の全体を、セメントモルタル・コンクリート又は鉄筋コンクリート48で覆うことを特徴とする鉄骨構造物を製作する方法の一例を断面図に示す。鋼管杭18を打設後、地盤9を掘削して中実鋼材17と17A及び梁11を設置して、セメントモルタル・コンクリート又は鉄筋コンクリート48で覆うのは、中実鋼材、地中梁、柱の防食及びこれらの材料の強度の補完に役立つからである。本実施の形態は、通常は、地中梁11や中実鋼材17は土間コンクリートスラブと共に地中に入るのだが、地下水の水位等が低い場合に中実鋼材17及び梁11の一部だけを地中に埋設したり、セメントモルタル・コンクリート又は鉄筋コンクリート48で覆ったりすることもできる。
【0038】
実施例12
請求項6に係る発明の実施の形態について説明する。図20及び21に、鋼管杭18の地中埋設部分に水平の鋼板又は螺旋状の鋼板44を機械的又は溶接接合で取り付けて、該鋼板部分44を基礎定盤又は布基礎10の上側、下側、内部又はこれらを組み合わせた複数箇所に設けることを特徴とする鉄骨構造物を製作する方法を示す。図20は該鋼板部分44を基礎定盤又は布基礎10内部に単数設置した場合である。図21は基礎定盤又は布基礎10の上側、下側、内部の複数箇所に設けた場合である。本実施例は、従来のように杭頭の上に基礎を設けるよりも強固な鋼管杭と基礎との結合を得ることができる。また、本実施例は、既存の基礎を利用して、その既存の基礎の杭打設位置で孔を開けて、その孔に鋼管杭18と該鋼板部分44を設置した後に基礎定盤10を再構築することもできる。このようにすれば、基礎定盤の有効利用と土砂やコンクリート等の廃棄物の低減と基礎工事の短工期化に役立つ。
【0039】
実施例13
請求項7に係る発明の実施の形態について説明する。図22に、図12のケースについて、角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼の建築鉄骨柱1の1階部分を上部分と下部分に分割して、500〜2000mm程度の長さ、望むらくは溶接作業性から800〜1200mm程度の長さの該建築鉄骨柱1の下部分の下端を該中実鋼材上面に溶接接合7させて、しかる後、該建築鉄骨柱1の下部分の上端に該上部分の柱1Aを溶接7Cして鉄骨構造物を製作する方法を断面図で示す。本方法を用いれば、建物1階部分の床工事を鉄骨本体の建て方を行う前に行うことができて工事の工期短縮が可能になる。
【0040】
実施例14
請求項1に係る発明の実施の他の形態について説明する。図23に、鋼管杭の無い場合の請求項1の実施例を示す。即ち、地盤の表層が弱くて比較的浅い所例えば0〜5m深さに十分な基礎耐力のある場合には、地盤を掘削し、コンクリート基礎定盤・布記基礎10又は捨てコンクリート10Aを敷設した後、掘削した所の地盤の上に、サイコロ又は中実鋼材17にH形鋼又は角形鋼管製の地中梁28を取り付けた鉄骨構造物を設置して、次に、H形鋼柱又は角形鋼管柱1をサイコロ又は中実鋼材17に溶接接合させる方法を断面図で示す。この場合に、図23の左側の中実鋼材17に示すように該中実鋼材1に梁せいよりも小さい板厚を用いた場合は地中梁28の下フランジ及びウエブを中実鋼材17の下側にまで延長して中実鋼材17の下側と地中梁の下側フランジとの間に補強用のスティフナー46を溶接で取り付ける。
【0041】
実施例15
請求項1に係る発明の実施の他の形態について説明する。図24に、図23と同様に鋼管杭の無い場合の請求項1の他の実施例を示す。即ち、地盤の表層が弱くて比較的浅い所に十分な基礎耐力のある場合には、地盤を掘削し、コンクリート基礎定盤10又は捨てコンクリート10A敷設の有無によらず、掘削した所の地盤の上に、無筋のコンクリート即ちラップルコンクリート49を敷設した後、該ラップルコンクリート49の上にサイコロ又は中実鋼材17にH形鋼又は角形鋼管製の地中梁28を取り付けた鉄骨構造物を設置して、次に、H形鋼柱又は角形鋼管柱1をサイコロ又は中実鋼材17に溶接接合させる方法を示す。このラップルコンクリート49は強固な支持地盤と同様な効果を発揮し、支持地盤の支持高さレベルを上げる働きをする。本実施例では、該ラップルコンクリート49を中実鋼材17の下に配置しているが、該ラップルコンクリート49を地中梁28の任意の水平位置に配置することもできる。図23及び図24は、地盤支持層49が地表から浅い場合に、鋼管杭を用いずに、地盤の上に、又は、地盤の上に捨てコンクリートを置いた上に水平に置かれた単数の又は鉛直方向に重ね合わせて互いに溶接接合された複数の圧延材・鍛造材又は鋳造材による中実鋼材17を置き、更に、該中実鋼材17の上に、角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼製の建築鉄骨柱の下端を建設地において溶接により接合させる方法を示す。本方法は、独立基礎又は布基礎の方式で、コンクリート定盤又は基礎の代わりに中実鋼材又はラップルコンクリートを用いる方法でもある。
【0042】
実施例16
請求項1に係る発明の実施の他の形態について説明する。図25、図26及び図27は、水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さく、且つ、水平に置かれた単数の又は鉛直方向に合わせて互いに溶接接合された複数の圧延材・鍛造材又は鋳造材による中実鋼材17と、
地盤に立設後に所定の高さで切断した単数又は複数の建築基礎鋼管杭18の上端を建設地において溶接により接合させた実施例で、図25は1柱1杭で杭18と上部柱1が平面視で同位置でない場合に1本の鋼管杭を下部に繋げた該中実鋼材17の上部にH形鋼地中梁を載せて溶接接合させた上面図(イ)と断面図(ロ)の例であり、図26は、1柱2杭で杭18と上部柱1が平面視で同位置でない場合に2本の鋼管杭を下部に繋げた該中実鋼材17の上部にH形鋼地中梁を載せて溶接接合させた上面図(イ)と断面図(ロ)の例であり、図27は1柱2杭で杭18と上部柱1が平面視で同位置でなく地中梁28の芯からもずれている場合に、2本の鋼管杭を下部に繋げた中実鋼材17の上部中央にH形鋼地中梁を載せて溶接接合させた上面図(イ)と断面図(ロ)の例である。図25及び図27共に、鉄骨柱1の下部に接続された中実鋼材17が鋼管杭18に接続された中実鋼材17とは別になっていて、2系列が組み合わさった形になっている。
【0043】
実施例17
請求項8に係る発明の実施の形態について説明する。図28は、深さL=0〜5mの比較的浅い所に支持層がある地盤9において、支持層まで掘削した掘削溝9Bの底部に中実鋼材17を設置して鉄骨柱1を立設した断面図を示す。このように、施工すると鉄骨建て方で柱1を高くしても安定化するためには大きな径の中実鋼板17が必要になる。図29に示すように、円筒形又は多角形の鋼製容器50を製作して該円筒形又は多角形の鋼製容器の中に中実鋼材17及び鉄骨柱1を設置し、図30及び図31に示すように、地盤の深さL=0〜5mの浅いところに支持層がある地盤9Aまで掘削して、その底部に必要に応じて捨てコンクリートを敷設して、予め該中実鋼板17と鉄骨柱1の1階下部部分と溶接接合させて置いたものを該円筒形又は多角形の鋼製容器50の中に設置し溶接接合等で固定し、互いに一体化させて、掘削された地盤の底部に設置した後、コンクリート48をその容器50の中に充填してその容器50の重量を増加させて上部鉄骨柱1を安定的に建てる方法を断面図で示す。図29に示すように、鉄骨柱1の1階下部部分及び該円筒形又は多角形の鋼製容器50の高さは鉄骨レベルを測定して必要に応じた切断位置51でその上部1又は50を切断して高さを調整する。尚、該円筒形又は多角形の鋼製容器50の底板は中実鋼材17で代用させて、該円筒形又は多角形の鋼製容器50の側板と中実鋼材17で該鋼製容器50を構成させることも可能である。















【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来の建築鉄骨構造図の一例
【図2】従来の角形鋼管柱を使った建築鉄骨柱梁接合部即ち仕口部
【図3】一体化工法を使った柱梁接合部の外観
【図4】従来の独立基礎の上に構築した鉄骨建築模式図
【図5】従来型の基礎を改良した杭柱一体型の模式図
【図6】スクリュー羽根付き円形鋼管杭と角形鋼管柱との間に、6面体の鋼製中実鋼材を挟んで該鋼管杭と該柱を接合した部分断面図。(イ)は一個の中実鋼材使用、(ロ)は2枚合わせ中実鋼材使用。
【図7】角形鋼管柱と6面体の鋼製中実鋼材の継手開先ギャップGの調整で、ルーズ裏当金を使って該柱の高さ調整を行う説明図(断面図)
【図8】円形鋼管杭と角形鋼管柱との間に、6面体の下端に開先加工した鋼製中実鋼材を挟んで該鋼管杭と該柱を接合した断面図。(イ)は一個の中実鋼材使用、(ロ)は2枚合わせ中実鋼材使用。
【図9】円形鋼管杭と角形鋼管柱との間に、鋼製中実鋼材を挟んで1本の鋼管杭と該柱を接合した断面図。
【図10】円形鋼管杭と角形鋼管柱との間に、鋼製中実鋼材を挟んで2本の鋼管杭と該柱を接合した断面図。
【図11】鉛直方向に2つの孔を開けた1枚の中実鋼材17の孔の上に、中実鋼材17Aをそれぞれ1枚合計2枚載せて、中実鋼材17の中央孔17Hを通して、その2枚の中実鋼材17Aの中央開口部にそれぞれ2本の基礎杭上端を挿入して相互に溶接し、更に中実鋼材17と17Aを溶接接合7した場合の構造の断面図
【図12】孔を開けた中実鋼材の上に、別の孔を開けた中実鋼材を上に重ねて載せて、1本の鋼管杭を下側の中実鋼材の孔に挿入して中実鋼板と鋼管杭を溶接接合し、もう1本の鋼管杭を下側の中実鋼材の孔を通して上側の中実鋼材の孔に挿入して中実鋼板と鋼管杭を溶接接合する場合の構造の断面図を示す。
【図13】図12の場合で、上側の中実鋼材には孔が開けてない場合である。
【図14】2枚の中実鋼材の上下位置関係が図11と反対になっている断面図。
【図15】中実鋼材に地中梁を付けた断面図
【図16】中実鋼材に地中梁を付けた断面図
【図17】中実鋼材に地中梁を付けた断面図
【図18】中実鋼材に地中梁を付け地中梁から鉄骨柱を建てる断面図
【図19】中実鋼材に地中梁を付けモルタル、コンクリート等で掘削部を充填する断面図
【図20】基礎底盤に鋼管杭に固定した水平翼等を設置する断面図
【図21】基礎底盤の上下中央に鋼管杭に固定した水平翼等を設置する断面図
【図22】中実鋼板の上に建てた1階鉄骨柱のゼロ柱上部の溶接
【図23】比較的浅いところに地盤の支持力があり、鋼管杭を無くして地中梁を設置する断面図
【図24】比較的浅いところに地盤の支持力があり、鋼管杭を無くしてラップコンクリートと地中梁を設置する断面図
【図25】1柱1杭で杭と上部柱が平面視で同位置でない場合に1本の鋼管杭を下部に繋げた該中実鋼材の上部にH形鋼地中梁を載せて溶接接合させた図
【図26】1柱2杭で杭と上部柱1が平面視で同位置でない場合に2本の鋼管杭を下部に繋げた中実鋼材の上部にH形鋼地中梁を載せて溶接接合させた図
【図27】1柱2杭で杭と上部柱が平面視で同位置でなく地中梁の芯からもずれている場合に、2本の鋼管杭を下部に繋げた中実鋼材の上部中央にH形鋼地中梁を載せて溶接接合させた図
【図28】比較的浅い所に支持層がある地盤において、支持層まで掘削した掘削溝の底部に中実鋼材を設置して鉄骨柱1を立設した断面図
【図29】円筒形又は多角形の鋼製容器を製作して該円筒形又は多角形の鋼製容器の中に中実鋼材17及び鉄骨柱1を設置した断面図
【図30】比較的浅い所に支持層がある地盤において、支持層まで掘削した掘削溝の底部に鋼製容器の中に中実鋼材を設置して鉄骨柱1を立設した断面図
【図31】比較的浅い所に支持層がある地盤において、支持層まで掘削した掘削溝の底部に鋼製容器の中に中実鋼材を設置して鉄骨柱1を立設し、更に、地中梁を設置した断面図
【符号の説明】
【0045】
1 建築鉄骨柱
1A 建築鉄骨1階上部柱
1B 建築鉄骨1階下部柱
2 建築鉄骨梁
3 建築鉄骨梁仕口部
4 鉄骨建築基礎
5 ダイアフラム
6 柱短管
7 溶接又は溶接部
7B 突合せ溶接部
7F すみ肉溶接部
7S スロット溶接
7C 1階柱同士の溶接
8 基礎柱又は基礎杭
9 地盤
9A 支持力のある地盤
9B 掘削部
10 コンクリート定盤又は基礎
10A 捨てコンクリート
11 基礎梁、地中梁、地表梁
11F 梁フランジ
11W 梁ウエブ
12 べースプレート
12S スペーサ
13 アンカーボルト
14 ナット
15 ボルト
16 杭フランジ
17 サイコロ又は中実鋼材
17A リング状中実鋼材又はアウターリング
17H 貫通孔
17J 別の貫通孔
18 鋼管杭
19 スクリュー羽根
20 ルーズ裏当金又はルーズ短管又は水平ディスク
21 仮止めピース(ウマ)
22 テーパ
23 短管
24 プレビード(肉盛)
25 開先
26 柱1の中心線
27 杭18の中心線
28 H形鋼又は角形鋼管又は鋼板による梁
29 剛接合柱又はピン接合の間柱
30 中実鋼材の上面に溶接接合させたフランジ
31 柱の下面に溶接接合させたフランジ
32 鋼板製垂直翼
33 鋼板又はH形鋼又は角形鋼管製水平翼
34 垂直翼及び水平翼を取り付ける鋼管
35 鋼管杭に掛かる鉛直力
36 鋼管杭に掛かる曲げモーメント
37 ブレース
38 ルーズ裏当金又はルーズ短管又は水平ディスク
39 裏当金
40 仮付溶接
41 上下の高さ調整
42 左右の位置調整
43 インナーリング
44 鋼管杭側面に取り付けた鋼板又はらせん板
45 円板
46 スティフナー
47 組立用ストッパー
48 セメント又はコンクリート又は鉄琴コンクリート
49 ラップルコンクリート
50 円筒形又は多角形容器
51 切断位置又は高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築鉄骨構造物において、
水平寸法よりも鉛直方向寸法が小さく、且つ、水平に置かれた単数の又は鉛直方向に合わせて互いに溶接接合された複数の圧延・鍛造又は鋳造による部材からなる中実鋼材と、
地盤に立設後に所定の高さで切断した単数又は複数の建築基礎鋼管杭の上端とを建設地において溶接により接合させるか、又は
角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼の建築鉄骨柱の下端とを建設地において溶接により接合させるか、又は
該鋼管杭の上端及び該建築鉄骨柱の下端の両方を建設地において溶接により接合させることにより、
鉄骨構造物を製作する方法
【請求項2】
請求項1に係る発明において、16mm乃至500mm厚さで外形が円形・楕円形・多角形のリング状の圧延鋼板、鋳鋼材、又は鍛鋼材に鉛直方向に孔を開けた開口部に、基礎鋼管杭上端を挿入して、溶接接合させることを特徴とした鉄骨構造物を製作する方法
【請求項3】
請求項1、又は2に係る発明において、水平方向に隣り合った該中実鋼材に対し、地表又は地中に設置する梁を溶接接合させて鉄骨構造物を製作する方法
【請求項4】
請求項3に係る発明において、水平方向に隣り合った該中実鋼材に対し、地表又は地中に設置する梁を溶接接合させて、該梁から建築柱を立ち上げることを特徴とする鉄骨構造物を製作する方法
【請求項5】
請求項1、2、3、又は4に係る発明において、中実鋼材又は地表又は地中に設置する梁の一部又は全体を、セメントモルタル・コンクリート又は鉄筋コンクリートで覆うことを特徴とする鉄骨構造物を製作する方法
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5に係る発明において、鋼管杭の外面地中埋設部分に水平の鋼板又は螺旋状の鋼板を機械的又は溶接接合で取り付けて、該鋼板部分を基礎定盤又は布基礎の上側、下側、内部又はこれらを組み合わせた複数箇所に設けることを特徴とする鉄骨構造物を製作する方法
【請求項7】
請求項1〜6に係る発明において、角形鋼管、丸形鋼管、又はH形鋼の建築鉄骨柱の1階部分を上部分と下部分に分割して、1階の500〜2000mm長さ程度の該建築鉄骨柱の下部分の下端を該中実鋼材上面に溶接接合させて、しかる後、該500〜2000mm程度の該建築鉄骨柱の下部分の上端に該上部分の柱を溶接して鉄骨構造物を製作する方法
【請求項8】
請求項7に係る発明において、高い支持力が浅いところにある地盤を掘削して、鉄骨柱設置位置に上方が開口した鋼製容器を設置して、中実鋼板と1階の下部部分の鉄骨柱を接合して組み立てて該鋼製容器内に設置して、コンクリートを鋼製パイプ内に充填して重量を増加させて、1階の下部部分の該鉄骨柱と1階上部の本柱を溶接接合させて鉄骨本体を完成させることを特長とした鉄骨構造物製作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−38586(P2008−38586A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326871(P2006−326871)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(503318518)株式会社アークリエイト (16)
【Fターム(参考)】