説明

鉛蓄電池の取り付け方法

【課題】車載時の振動を受けてナットが緩んでも鉛蓄電池の端子と接触しない、安全性を高めた鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】発電要素と、この発電要素を収納する電槽と、この電槽の開口部を封口するとともに発電要素と接続された正極端子および負極端子をその上面から突出させた蓋とからなる鉛蓄電池をトレーに載置し、穴を設けた固定治具を鉛蓄電池の上面に載置し、トレーに係合された支柱を固定治具の穴に貫通させてナットを締付けることにより、鉛蓄電池を固定させる鉛蓄電池の取り付け方法であって、電槽と蓋との封口部に係合する係合部と、固定治具と嵌合する嵌合部と、ナットの上面と対峙する対峙面とを有するホルダーカバーを用いて、ナットを鉛蓄電池の上面に固定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉛蓄電池に関し、特に車両の搭載時で取り付けに使用される固定冶具のナットが締付けトルク不足から緩みを大きくすることで、金属製の固定冶具が鉛蓄電池の端子と接触して短絡または高温発熱するという不具合を回避する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉛蓄電池の交換は自動車販売店(ディーラー)や整備工場など十分な知識を有する作業者のもとで鉛蓄電池の車両への取り付けが実施されており、特に鉛蓄電池の端子との接続コネクタおよび鉛蓄電池の本体を固定する固定冶具にはナットが使用されており、前記ナットの締め付けはトルク強度の管理が行われてきた。
【0003】
近年、鉛蓄電池は販売形態が多様化しており(例えばインターネットやホームセンターなど)、車両用途のいわゆる補修向け鉛蓄電池は容易で安価に入手出来るようになった。このような変化により、車両を保有する一般オーナー(以下、単にオーナーとする)が、電装品の増加により高容量化する場合や電池寿命末期などでエンジン始動性の低下を感じた場合に上記のような形態で鉛蓄電池を購入し、オーナー自身が鉛蓄電池を取り付け交換することが増えてきている。
【0004】
しかし、オーナーは鉛蓄電池の車両への取り付け作業で固定冶具などに使用するナットの締め付け度合いを確認する方法を持たない場合が多い。
【0005】
一方では車両における鉛蓄電池の搭載位置も変化してきている。具体的には車両の室内空間を拡大するためにエンジンルームがコンパクト化された結果、エンジンルーム内での機械部品や配線などが過密化し、自然と鉛蓄電池も交換作業の難しい場所に配置される場合もある。これらの要因により、取り付け交換された鉛蓄電池は固定治具などのナットが締め付けの不十分な状態で使用されることがある。
【0006】
この状態で車両走行を続けた場合、車両が受ける振動と共に前記ナットの締め付けが次第に緩くなる。この結果、前記ナットの緩みが大きくなった固定治具や接続コネクタは所定位置から移動して、鉛蓄電池の端子との間で短絡を発生する場合や過大な電流が流れることで周辺の金属部品(固定治具など)が高温発熱を起こし、樹脂材などを発火させるという不具合が生じていた。
【0007】
車載された鉛蓄電池の固定状態の形態とその課題を図4(a)〜(c)に示す。一対の正極端子1および負極端子2を有する鉛蓄電池は、エンジンルーム内に設けられたトレー3に載置された後、固定治具4に設けた2つの穴(ネジ穴)に2本の支柱5を嵌入してナット6を締めることで、所定位置で固定される。同時に、正極端子1をコネクタ7と接続してナット9を締め付けて固定し、負極端子2をコネクタ8と接続してナット9を締め付けて固定することで、鉛蓄電池が機能する。
【0008】
鉛蓄電池の正極端子1あるいはコネクタ7に固定治具4が接触した場合の短絡および発熱の過程について示す。一般的に負極端子2はコネクタ8を通して車両のボデイとアースされている。これらの車両のボデイと固定治具4および支柱5は金属製であるため導電性が高く、負極端子2およびコネクタ8は固定治具4と電気的に接続された状態にある。
【0009】
一方、正極端子1およびコネクタ7と固定治具4が接触した場合、上記のように鉛蓄電池は既に車両と負極が接続しているため、接触部分には過電流が流れて短絡状態となることで次第に金属部品が発熱を起こすことになる。
【0010】
そこで特許文献1に示すように、コネクタカバー10の装着を強固にすれば、鉛蓄電池の端子とコネクタが外れることで、この両者の間での短絡放電を回避することができると考えられる。
【0011】
あるいは特許文献2に示すように、鉛蓄電池の蓋の上面よりも低い位置に端子を設けることで、上述した不具合の発生度合を抑える試みも不具合の回避に有効と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実開昭58−182266号公報
【特許文献2】実開昭63−152168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし特許文献1の場合、移動した固定治具4と鉛蓄電池が激しく衝突した場合にはコネクタカバー10が外れて、正極端子1あるいはコネクタ7と固定治具4とが接触する可能性がある。また特許文献2の態様は自動車用のように極板群から垂直方向に極柱を設ける仕様の場合、体積効率が悪くなる。
【0014】
さらに近年、補修向け鉛蓄電池を車両に取り付け交換して走行を繰り返した後、固定治具4のナット6が緩んで、固定治具4が正極端子1と接触してエンジンルーム内で鉛蓄電池周辺の電装部品が過熱する不具合が報告されるようになった。特許文献1および2の対策は単純に正極端子1およびコネクタ7の周辺部での金属部品との接触を保護するものであり、ナット6の締め付けが緩むことで所定位置から移動した固定治具4との接触を抑止するには不十分であった。
【0015】
本発明はこの不具合の解析結果に基づいてなされたものであり、車載時の振動を受けてナット6が緩んでも固定治具4の移動範囲を制限したことにより、正極端子1と接触しない構造をとることが可能となり、鉛蓄電池の正極端子1と固定治具4の間での短絡および過熱を抑制した交換作業性と車両搭載下での安全性を高めた鉛蓄電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、発電要素と、この発電要素を収納する電槽と、この電槽の開口部を封口するとともに発電要素と接続された正極端子および負極端子をその上面から突出させた蓋とからなる鉛蓄電池をトレーに載置し、穴を設けた固定治具を鉛蓄電池の上面に載置し、トレーに係合された支柱を固定治具の穴に貫通させてナットを締付けることにより、鉛蓄電池を固定させる鉛蓄電池の取り付け方法であって、電槽と蓋との封口部に係合する係合部と、固定治具と嵌合する嵌合部と、ナットの上面と対峙する対峙面とを有するホルダーカバーを用いて、ナットを鉛蓄電池の上面に固定するようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、ホルダーカバーを少なくとも鉛蓄電池の長側面側に取り付けたことを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、ホルダーカバーに設けた溝で、鉛蓄電池の長側面方向の両側から支柱を挟み込んだことを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1において、対峙面とナットの上面との距離を1mm以下としたことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1において、ホルダーカバーの材質を、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネートあるいはポリプロピレンとしたことを特徴とする。
【0021】
近年の報告によれば、取り付け交換された後に補修向け鉛蓄電池が過熱させてしまう最たる原因は、鉛蓄電池あるいは固定治具がそれぞれ所定の位置から移動することで正極端子またはコネクタと接触した固定治具が高温発熱し、その熱が鉛蓄電池を含む周囲の樹脂材量に伝播し過熱するというものである。
【0022】
鉛蓄電池あるいは固定治具が所定の位置から移動する原因として、車両搭載時に鉛蓄電池の固定治具に使われるナットの締付トルクが不十分であるため、走行する車両内部で共振による特定の周波数が発生することで前記ナットの緩みが大きくなり、固定治具の締め付け強度が低下することで固定治具や鉛蓄電池が所定の位置から移動してしまうことである。
【0023】
また絶縁性のコネクタカバーがあるにもかかわらず固定治具が正極端子やコネクタと接触するのは、固定治具による激しく擦れるために装着性を重視した軟らかい材質の前記コネクタカバーが損傷し、この損傷部では絶縁、隔離していたはずの正極端子が露出されることによる。このような不具合は、補修向け鉛蓄電池を交換する際に車両搭載時に鉛蓄電池の固定治具に使われるナットの締付トルクが管理されていない場合に多発している。
【0024】
本発明はこの最新の報告に基づいてなされたものである。具体的には、一般的な車両始動用の鉛蓄電池(上面から一対の端子を突出させた形態)をトレーに載置し、穴を設けた固定治具を鉛蓄電池の上面に載置し、トレーに係合された支柱を固定治具の穴に貫通させてナットを締付ける鉛蓄電池の取り付け方法において、特定の形状を有するホルダーカバーを用いて鉛蓄電池の固定を強固にしたものである。すなわち、ホルダーカバーの係合部を電槽と蓋との封口部に係合させることで鉛蓄電池に固定し、ホルダーカバーの嵌合部を固定治具に嵌合させることで固定治具に固定し、さらにホルダーカバーの対峙面をナットの上面に近接・対峙させてナットを鉛蓄電池の上面に固定することによって、ナットが少し緩んでもすぐにホルダーカバーの対峙面に当接する(あるいは最初から当接している)ために、ナットは本発明品であるホルダーカバー内の規制された範囲でしか移動しない。
【0025】
この構成にすることで、鉛蓄電池を車両に取り付け交換する際に締付トルクが不十分な状態のナットが車両の走行中に緩みを起こした場合でも、支柱や固定治具が移動して正極端子に近づくほど、ナットが緩むことはなくなる。
【0026】
このような効果は、次の2つの態様の少なくともいずれかを付加することで、さらに高まる。第1の態様は、ホルダーカバーに設けた溝で、鉛蓄電池の長側面方向の両側から支柱を挟み込むことである。第2の態様は、対峙面とナットの上面との距離を1mm以下とすることである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、車両の走行時による振動を受けて固定治具のナットが緩むことがあっても固定治具が移動できないため端子との接触がなくなることで、短絡や発熱が起こらない安全性に優れた鉛蓄電池を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の鉛蓄電池の取り付け方法を示す概略図
【図2】(a)(b)(c)(d)図1に示す鉛蓄電池の要部概略図
【図3】本発明の鉛蓄電池の好ましい取り付け方法を示す概略図
【図4】(a)(b)(c)(d)図3に示す鉛蓄電池の要部概略図
【図5】(a)従来の鉛蓄電池の取り付け方法を示す概略図、(b)(c)従来の鉛蓄電池の取り付け方法の課題を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図を用いて本発明を実施するための形態について詳述する。
【0030】
図1は本発明の鉛蓄電池の取り付け方法を示す概略図であり、図2(a)〜(d)はその要部概略図である。本発明は、上面から一対の端子(正極端子1および負極端子2)を突出させた鉛蓄電池11をトレー3に載置し、穴を設けた固定治具4を鉛蓄電池11の上面に載置し、トレー3に係合された支柱5を固定治具4の穴に貫通させてナット6を締付けることにより、鉛蓄電池11を固定させる鉛蓄電池の取り付け方法であって、電槽11aと蓋11bとの封口部11cに係合する係合部12aと、固定治具4と嵌合する嵌合部12bと、ナット6の上面と対峙する対峙面12cとを有するホルダーカバー12を用いて、ナット6を鉛蓄電池11の上面に固定するようにしたことを特徴とする。
【0031】
車載された従来の鉛蓄電池11は、自身あるいは固定治具4の移動により、固定治具4と正極端子1とが接触して固定治具4が発熱し、その熱が鉛蓄電池11を含む周囲の樹脂材量に伝播して過熱することがある。鉛蓄電池あるいは固定治具4が移動するのは、固定治具4の固定に用いられるナット6の締付トルクが不十分であるため、走行時の車両内部に共振による特定の周波数が発生することでナット6の緩みが大きくなり、固定治具4の締め付け強度が低下するからである。
【0032】
また絶縁性のコネクタカバー10があるにもかかわらず固定治具4が正極端子1またはコネクタ7と接触するのは、固定治具4により激しく擦れるために装着性を重視した軟らかい材質のコネクタカバー10が損傷し、この損傷部で絶縁、隔離していたはずの正極端子1およびコネクタ7が露出することによる。
【0033】
このような不具合は、慣れないオーナーが補修向けの鉛蓄電池11を搭載する際、取り付け交換で固定治具4などに使用されているナット6の締付けトルクの管理が不十分な状態で車両を走行させることで多発している。
【0034】
本発明はこの課題に基づいてなされたものである。上面から一対の端子1、2(正極端子1および負極端子2)を突出させた鉛蓄電池11をトレー3に載置し、穴を設けた固定治具4を鉛蓄電池の上面に載置し、トレー3に係合された支柱5を固定治具4の穴に貫通させてナット6を締付けることにより、鉛蓄電池11を固定させる鉛蓄電池の取り付け方法において、電槽11aと蓋11bとの封口部11cに係合する係合部12aと、固定治具4と嵌合する嵌合部12bと、ナット6の上面と対峙する対峙面12cとを有するホルダーカバー12を用いて、ナット6を鉛蓄電池11の上面に固定するようにしたものである。
【0035】
この構成を採ることで、鉛蓄電池11を搭載する際にナット6の締付トルクが不十分な状態で使用された場合に固定治具4による鉛蓄電池11の締付強度が次第に低下しても、ホルダーカバー12の特徴的な構造(係合部12aを封口部11cに係合させ、嵌合部12bを固定治具4に嵌合させ、さらに対峙面12cをナット6の上面に近接・対峙させてナット6を鉛蓄電池の上面に固定する構造)によって、ナット6が少し緩んでもすぐにホルダーカバー12の対峙面12cに当接する(あるいは最初から当接している)ために、ナット6はホルダーカバー12内の規制された範囲でしか移動しない。したがって従来の鉛蓄電池で発生した状態(図5参照、固定治具4と正極端子1との接触)には至らず、コネクタカバー10に固定治具4が衝突し激しく擦れてコネクタカバー10が損傷し、正極端子1およびコネクタ7が露出することがなくなるため、直接の接触がなくなる。
【0036】
図3は本発明の鉛蓄電池の好ましい取り付け方法を示す概略図、図4(a)〜(d)はその要部概略図であり、ともに本発明の鉛蓄電池のうち請求項3および4に述べる好ましい態様を示している。
【0037】
ホルダーカバー12に設けた溝12dで鉛蓄電池11の長側面方向の両側から支柱5を挟み込む構造を採ることで、ホルダーカバー12がナット6を固定する度合が増すとともに、固定冶具4が鉛蓄電池11の長側面方向に移動し難くなり、固定治具4や支柱5が正極端子1に近づく頻度を極小にできる。
【0038】
また対峙面12cとナット6の上面との距離dを1mm以下とすることで、固定冶具4と鉛蓄電池11との固定を維持しつつ、最初からナット6を対峙面12cと当接させないことで、ナット6から受ける摩擦やそれに伴う熱などによる変形を少なくし、耐久性を向上させることができる。またこの耐久性向上の効果を見越して、ホルダーカバー12自体を薄く、取り扱い易い形状にできる。
【0039】
なおホルダーカバー12を少なくとも鉛蓄電池11の長側面側に取り付けることで、車載特有の上下方向の振動に対し、固定度合を高めることができる。
【0040】
なお鉛蓄電池11は、次の要領で構成する。まず定法に基づき鉛合金製の格子体と鉛や鉛酸化物などを希硫酸で混練したペーストを充填して熟成乾燥させた活物質とからなる正極板と、鉛合金製の格子体と鉛や鉛酸化物・硫酸バリウム・カーボンなどを希硫酸で混練したペーストを充填して熟成乾燥させた活物質とからなる負極板をポリエチレン製の袋詰め状のセパレータを介して対峙させて、複数枚で構成される極板群を作製する。この極板群は極板から突出させた耳部を正負極それぞれの極性を一体化させた溶接棚によりセルが構成される。この溶接棚には隣り合うセルと接合する鉛合金製のストラップまたは外部に電流出力する端子と繋ぐ極柱と接合されており、中仕切板によって区切られた電槽(ポリプロピレン(PP)やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)などからなる)の各々のセル室に挿入し、そして隣り合うセルの異なる極性のストラップを抵抗溶接で接続する。そして鉛合金製のブッシングと液口を有する蓋(PPやABSなどからなる)で電槽の開口部を熱溶着により封口しつつ、ブッシングとこれに嵌った極柱とを溶接して一体化することで正極端子1および負極端子2が構成される。最後に液口から希硫酸からなる充電液を所望量注入した後、活物質を活性化させるため化成充電を行い、比重が1.2〜1.4g/mlの電解液を所定量注入したあと液口栓によって封口することで、本発明の鉛蓄電池11が構成できる。
【0041】
また本発明に用いる鉛蓄電池は、独自に加工された形状を設けない限り、従来品と変わるところはない。ここで、主に鋼材などの硬い材質からなる固定金具4やナット6から受ける移動荷重に耐えるようにするには、ホルダーカバー12の材質はABSやポリカーボネート、PPなどにするのが好ましい。
【0042】
本発明の特徴は、車両に交換搭載される鉛蓄電池11に対して脱着自在な係合部12aを有するホルダーカバー12でナット6を収納しつつ、固定治具4を嵌合部12bで嵌合して一体化することである。また本発明では、鉛蓄電池11をエンジンルームボンネット内に固定する全ての作業が終わった後にホルダーカバー12を取り付け一体化させるが、ホルダーカバー12は脱着自在であるため、寿命に到達した鉛蓄電池11を車両から取り外す場合においても、作業性を損なわない構成となっている。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の鉛蓄電池を用いることで、車両走行時の振動を受けて固定治具のナットが緩むことがあっても固定治具が移動し難くなるため正極端子との接触がなくなるため短絡や発熱が起こらない。このようにフェールセーフな発明を実施することで車載安全性が格段に向上するので、産業上の貢献度は極めて高い。
【符号の説明】
【0044】
1 正極端子
2 負極端子
3 トレー
4 固定治具
5 支柱
6、9 ナット
7、8 コネクタ
10 コネクタカバー
11 鉛蓄電池
11a 電槽
11b 蓋
11c 封口部
12 ホルダーカバー
12a 係合部
12b 嵌合部
12c 対峙面
12d 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電要素と、この発電要素を収納する電槽と、この電槽の開口部を封口するとともに発電要素と接続された正極端子および負極端子をその上面から突出させた蓋とからなる鉛蓄電池をトレーに載置し、穴を設けた固定治具を鉛蓄電池の上面に載置し、トレーに係合された支柱を固定治具の穴に貫通させてナットを締付けることにより、鉛蓄電池を固定させる鉛蓄電池の取り付け方法であって、
前記電槽と前記蓋との封口部に係合する係合部と、
前記固定治具と嵌合する嵌合部と、
前記ナットの上面と対峙する対峙面と、
を有するホルダーカバーを用いて、前記ナットを前記鉛蓄電池の上面に固定するようにしたことを特徴とする、鉛蓄電池の取り付け方法。
【請求項2】
前記ホルダーカバーを、少なくとも前記鉛蓄電池の長側面側に取り付けたことを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池の取り付け方法。
【請求項3】
前記ホルダーカバーに設けた溝で、前記鉛蓄電池の長側面方向の両側から前記支柱を挟み込んだことを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池の取り付け方法。
【請求項4】
前記対峙面と前記ナットの上面との距離を1mm以下としたことを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池の取り付け方法。
【請求項5】
前記ホルダーカバーの材質を、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネートあるいはポリプロピレンとしたことを特徴とする、請求項1に記載の鉛蓄電池の取り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−54982(P2013−54982A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193560(P2011−193560)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】