説明

銅複合材放熱基板、半導体パワーモジュール及びその製造方法

【課題】 放熱基板及びこの放熱基板を用いた半導体パワーモジュールを製造が容易で高信頼度に提供すること。
【解決手段】 銅複合材混合粉末を、数十〜数百ミクロンの微少な彎曲(反り)を形成した金型に充填し高圧でプレスして半導体パワー素子用の放熱基板の形状の予備成形体(プリフォーム)を造り、この予備成形体を不活性雰囲気中で焼結し前記予備成形体から体積収縮率5〜15%の範囲で収縮した半導体パワー素子の放熱基板用の焼結成形体1を得る。この焼結成形体1に機械加工を施すこと無く、その表面に半導体パワー素子のセラミックス絶縁基板8を金属板7およびろう材6を介して接合するという粉末冶金製造法によるNear Net Shape化技術によって半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板を製造する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体パワー素子を実装した半導体パワーモジュールに用いられる放熱基板、特に製造が容易で高信頼度の半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板と、半導体パワーモジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係わる半導体パワー素子用銅複合材放熱基板としては、特開2000ー265227号公報及び特開2000ー311973号公報が知られている。これらには、銅(Cu)中へ第一酸化銅(Cu2O)又は第二酸化銅(CuO)を分散させた銅複合材料からなる放熱基板が開示されており、延性に富むため、焼結後に必要に応じて、圧延、鍛造押出しなどの冷間あるいは熱間加工を施すことが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】銅(Cu)中へ第一酸化銅(Cu2O)を分散させた銅複合材料(Cu−Cu2O)からなる放熱基板には、次のような問題点があった。
【0004】(1)銅(Cu)中へ第二酸化銅(CuO)を分散させた後、これを焼結して銅複合材料(Cu−Cu2O)からなる大きなブロックを作成する。次の工程で、このブロックを機械加工によって切り出し、複数の放熱基板を得ていた。このため、機械加工費が増大し低コスト化に問題があった。
【0005】(2)銅複合材よりなる放熱基板をパワーモジュールに適用する際は通常、導体板、セラミックス絶縁基板及び金属板の積層体よりなる絶縁回路基板を半田で放熱基板へ接合した状態で使用される。セラミックス基板はアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素からなり、これらの熱膨張係数はそれぞれ約8ppm、5ppm、4ppm/℃である。これに対して、銅複合材(例えば、Cu−50%Cu2O)の熱膨張係数は10ppm/℃とセラミックス基板より大きな値を有する。結果として、銅複合材よりなる放熱基板を半田で絶縁回路基板へ接合したとき、接合部の熱応力によって放熱基板は反って彎曲する。なお、放熱基板は絶縁回路基板と反対側の面が凹状になるように反る。このように、反った放熱基板がグリースを介してヒートシンクへ装着されたとき、過酷なヒートサイクル条件下で使用されるとグリースが流出し、熱抵抗が増大する信頼性の問題が生じ易かった。また、凹状に反った放熱基板の下部にボイド(void)が発生しやすく、熱抵抗を増加させる要因の一つになっていた。このような問題点は、導体板、セラミックス基板及び銅複合材放熱基板よりなる積層体をアルミ合金系のろう材で接合したパワーモジュールにおいても、同様に発生し易かった。
【0006】このように、従来の半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板は、生産性や信頼性に関して大きな問題点を抱えていた。
【0007】本発明の目的は、製造が容易で高信頼度の半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板、半導体パワーモジュール及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の主特徴とするところは、銅複合材混合粉末を金型に充填し高圧でプレスして半導体パワー素子用の放熱基板の形状の予備成形体を得て、この予備成形体を不活性雰囲気中で焼結し前記予備成形体から体積収縮率5〜15%の範囲で収縮した半導体パワー素子の放熱基板用の焼結成形体を得て、この焼結成形体に機械加工を施すこと無く、その表面に半導体パワー素子の絶縁板をろう材を介して接合することである。
【0009】これにより、機械加工が不要で高信頼性を持つ半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板、半導体パワーモジュール及びその製造方法を提供できる。
【0010】本発明の他の特徴とするところは、銅複合材混合粉末を数十〜数百ミクロンの微少な彎曲(反り)を形成した金型に充填し、高圧プレスで放熱基板の予備成形体(プリフォーム)を製作し、これを不活性雰囲気中で焼結し、得られた焼結成形体の凹んだ側の表面に半導体パワー素子の絶縁板等をろう材を介して接合することである。
【0011】これによって、半導体パワー素子のセラミックス絶縁基板等の積層体よりなる絶縁回路基板をろう材を用いて放熱基板へ接合した後、常温に戻る際に放熱基板の彎曲変形(反り)が減少、好ましくは消失して、銅複合材放熱基板がほぼ平らになる。したがって、十分な寸法精度を有する放熱基板を、機械加工無しで得ることができる。
【0012】本発明のその他の特徴は以下に述べる実施の形態において明確にする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例による半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板の側面図である。図に示すように、半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板1は、滑らかに彎曲した形状を有する。即ち、上側の表面が凹状に、下側の表面が凸状に反っているものである。この彎曲量は僅かであり、図に示すように、凹みの最大値が数十〜数百ミクロンである。
【0014】図2は、図1の半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板の平面図である。この放熱基板1の大きさは種々あるが、概ね、幅が数〜数十センチ、長さは数センチ〜数十センチである。図に示すように、放熱基板1の一部にマーク2を設けている。このマーク2は、滑らかで微少な彎曲変形によって銅複合材放熱基板1のどちらの表面が凸状あるいは凹状に反っているかを示す孔あるいは適当な記号などである。このマークは、銅複合材混合粉末を金型に充填し高圧プレスで放熱基板の予備成形体(プリフォーム)を製作するときに、銅複合材放熱基板1へ一体に形成する。なお、図2におけるマーク2は孔状の場合を示している。
【0015】図3は本発明の他の実施例による半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板の側面図である。半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板1は、1aと1bの2層構造からなり、且つ滑らかに彎曲した形状を有する。そして、図1の場合と同様に、上側表面が凹状、下側の表面が凸状となるように反っているものである。銅複合材放熱基板1の各層1aと1bは、銅と酸化銅の比率が異なり、層1aの銅中に占める酸化銅の量を、層1bのそれより少くしている。
【0016】図4は、図1に示した半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板の粉末冶金製造法によるNear Net Shape化技術を示したものである。
【0017】(1)予備成形(プレス)ステップ:まず、金型外枠3にセットされた下金型5の上に銅複合材混合粉末を充填し、上金型4と下金型5を力Fの高圧プレスで圧縮し、半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板の予備成形体(プリフォーム)1Xを製作する。後述する収縮を考慮して、この予備成形体1は最終製品として必要な放熱基板の寸法に比べて、体積で約5〜15%程度大きいことが望ましい。また、図に示すように、上金型4の下部は凸状、下金型5の上部は凹状になっている。この結果、予備成形体1Xは図1に示したように滑らかな彎曲を有する形状となる。
【0018】(2)焼結ステップ:次に、この予備成形体1Xを、アルゴンあるいは窒素などの不活性雰囲気中、温度975℃で3時間焼結し、図1に示した半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板1を得る。この焼結により、焼結成形体1Xは体積収縮率で約5〜15%の寸法収縮をもたらす。したがって、前述したように、予め、予備成形体1を最終製品として必要な放熱基板の寸法に比べて、体積で5.26〜17.65%程度大きくしておくことにより、焼結成形体の体積でほぼ100%、寸法バラツキは放熱基板としての要求値(外形寸法で±0.5mm以下、厚さ寸法で±0.2mm以下)を十分に満たすものが得られた。この方法によって、その表面に滑らかで微少な彎曲変形(反り)を持たせた銅複合材放熱基板を十分な寸法精度で、しかも機械加工無しで得ることができる。
【0019】図5は、図3に示した半導体パワー素子用銅複合材放熱基板の粉末冶金製造法によるNear Net Shape化技術を示したものである。
【0020】(1)予備成形(プレス)ステップ:まず、金型外枠3にセットされた下金型5の上に銅と酸化銅の比率が異なる銅複合材混合粉末を層状に充填し、上金型4と下金型5を力Fの高圧プレスで圧縮し、銅複合材放熱基板の予備成形体1Y/1Z(2層状)を製作する。図4の場合とは異なり、上金型4の下部及び下金型5の上部は共に平面状になっている。
【0021】(2)焼結ステップ:次に、先の実施例と同じく焼結する。このとき、予備成形体1Y/1Zの焼結時の収縮率と熱膨張係数は、1Y部と1Z部で差があり、焼結後は図3に示したように滑らかな彎曲を有する形状になる。
【0022】1Y部と1Z部で銅と酸化銅の比率にどの程度の差を持たせるかは、使用される絶縁回路基板中のセラミックス基板の材質や銅複合材放熱基板のサイズによって種々決定される。1Y部と1Z部における酸化銅の量は後者側で多く、その差は多くても5%以下である。
【0023】この方法によっても、その表面に滑らかで微少な彎曲変形(反り)を持たせた銅複合材放熱基板を十分な寸法精度で、しかも機械加工無しで得ることができる。
【0024】図6は、本発明の一実施例による半導体パワーモジュールの製造方法及びその完成品の側面断面図である。先に述べた(1)予備成形ステップ及び(2)焼結ステップにて製作した焼結成形体1を、次に述べる(3)接合ステップにより半導体パワー素子のセラミックス絶縁基板に接合する。
【0025】(3)接合ステップ:図6(a)の接合前の展開図に示すように、接合前の銅複合材放熱基板1は図1で述べたように、その上面が凹状、下面が凸状の滑らかな彎曲変形(反り)を有するものである。半導体パワー素子11a,11bのセラミックス絶縁基板(絶縁板)8の一方の面に導体板9、他方の面に金属板7を形成した絶縁回路基板を、半田6で銅複合材放熱基板1へ接合する。更に、前記絶縁回路基板の導体板9に半田10a、10bを用いて、それぞれ半導体パワー素子11a、11bを接合する。
【0026】こうすることにより、あらかじめ滑らかな彎曲変形(反り)を形成した銅複合材放熱基板1は、接合後、常温に戻され収縮する際に、セラミックス基板8との熱膨張係数差に起因した半田6接合部の熱応力によって、図6(b)の完成品に示すように平らに矯正される。
【0027】図7は、本発明の他の実施例による半導体パワーモジュールの製造方法を示す側面断面図である。この実施例では、(3)接合ステップは次の通りである。
【0028】(3)接合ステップ:導体板9、セラミックス基板8及び銅複合材放熱基板1の積層体をアルミ合金系のろう材12,13を用いて接合するものである。なお、図示を省略したが、導体板9の上に、半田で半導体パワー素子を接合する。アルミ合金系のろう材12,13がクラッド材よりなるとき、これらの積層体は不活性雰囲気中あるいは真空雰囲気中、610℃の高温下で1MPaの荷重fを約15分間印加して接合する。
【0029】こうすることにより、予め、滑らかな彎曲変形(反り)を形成した銅複合材放熱基板1は、接合後に、常温に戻され収縮する際に、セラミックス基板8との熱膨張係数差に起因したアルミ合金系のろう材12接合部の熱応力によって、図7(b)に示すように平らに矯正される。
【0030】以上の実施例においては、まず、(1)予備成形(プレス)ステップで、銅複合材混合粉末を金型4,5に充填し高圧Fでプレスして半導体パワー素子用の放熱基板の形状の予備成形体(プリフォーム)1X,1Y/1Zを得る。次に、(2)焼結ステップで、この予備成形体1X,1Y/1Zを不活性雰囲気中で焼結し、予備成形体から体積収縮率5〜15%程度に収縮した半導体パワー素子の放熱基板用の焼結成形体1,1a/1bを得る。最後に、(3)接合ステップにおいて、焼結成形体1,1a/1bに機械加工を施すこと無く、その表面に半導体パワー素子11a,11bの絶縁板(セラミックス絶縁基板)8をろう材6(半田)又は12(アルミ合金)を介して接合している。
【0031】また、焼結成形体1,1a/1bに、滑らかで微少な彎曲(反り)を予め形成する。そして、導体板9,セラミックス絶縁基板8及び金属板7等の積層体よりなる絶縁(回路基)板を、半田6やアルミ合金12等のろう材で放熱基板1,1a/1bへ接合したとき、放熱基板1,1a/1bの微少な彎曲変形(反り)が失われて、銅複合材放熱基板1がほぼ平らになるようにする。即ち、ろう材接合後の常温への復帰時に発生する反りと反対側の彎曲(反り)を、予め銅複合材放熱基板1へ与えておくのである。
【0032】この対策によって、過酷なヒートサイクル条件下で使用しても、グリースの流出を防止でき、熱抵抗が増大するなどの問題点を皆無にすることができた。なお、図6及び図7に示した半導体パワーモジュールは、いずれも図1の銅複合材放熱基板1を適用した場合について示しているが、同様に図3の2層構造の銅複合材放熱基板1(1a/1b)を用いた場合も良好な効果が得られる。
【0033】図8は、図7に用いられるアルミ合金系ろう材の断面図である。図8(a)は、アルミあるいはアルミ合金よりなる芯材部14の両面へ、予め、アルミ合金系のろう材部15と16を薄い膜状に圧延によってクラッドしたものである。ろう材部15、芯材部14及びろう材部16の積層品よりなるクラッド材は、そのトータル厚さが100〜数百ミクロンの箔で、且つろう材部15及び16の厚さを芯材部14の厚さの約10%と薄くしている。ここで、ろう材部15及び16は、Al−Si合金、Al−Si−Mg合金、Al−Ge合金あるいは、Al−Si−Ge合金などで構成される。例えば、ろう材部にAl−10%Si合金やAl−10%Si−Mg合金を用いた場合、ろう材部の共晶温度(溶融温度)は約580℃となり、芯材部のアルミの溶融温度660℃より低くなる材料である。
【0034】図8(b)には芯材部のないアルミ合金系のろう材17を示したものである。図に示したように、ろう材の全部分が接合条件下の温度で溶融する材料である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、製造が容易で、高信頼度の半導体パワー素子用銅複合材放熱基板、パワーモジュール及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板の側面図。
【図2】図1に示した銅複合材放熱基板の平面図。
【図3】本発明の他の実施例による半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板の側面図。
【図4】本発明の一実施例による銅複合材放熱基板のNear Net Shape化技術の説明図。
【図5】本発明の他の実施例による銅複合材放熱基板のNear Net Shape化技術説明図。
【図6】本発明の一実施例による半導体パワーモジュールの製造方法及びその完成品を示す側面断面図。
【図7】本発明の他の実施例による半導体パワーモジュールの製造方法を示す側面断面図。
【図8】本発明に用い得るアルミ合金系ろう材の二例を示す断面図。
【符号の説明】
1,1a/1b…半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板、1X,1Y/1Z…予備成形体(プリフォーム)、2…マーク、3…金型外枠、4…上金型、5…下金型、6,10a,10b…半田、7…金属板、8…セラミックス絶縁(基)板、9…導体板、11a,11b…半導体パワー素子、12,13…アルミ合金系ろう材、14…芯材部、15,16,17…ろう材部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】銅複合材混合粉末を金型に充填し高圧でプレスして半導体パワー素子用の放熱基板の形状の予備成形体を得る予備成形ステップと、得られた予備成形体を不活性雰囲気中で焼結する焼結ステップと、この焼結によって得られた焼結成形体の表面に半導体パワー素子の絶縁板をろう材を介して接合する接合ステップを含むことを特徴とする半導体パワーモジュールの製造方法。
【請求項2】銅複合材混合粉末を金型に充填し高圧でプレスして半導体パワー素子用の放熱基板の形状の予備成形体を得る予備成形ステップと、得られた予備成形体を不活性雰囲気中で焼結し前記予備成形体から体積収縮率5〜15%の範囲で収縮した半導体パワー素子の放熱基板用の焼結成形体を得る焼結ステップと、この焼結成形体の表面に半導体パワー素子の絶縁板をろう材を介して接合する接合ステップを含むことを特徴とする半導体パワーモジュールの製造方法。
【請求項3】銅複合材混合粉末を金型に充填し高圧でプレスして予備成形体を得る予備成形ステップと、得られた予備成形体を不活性雰囲気中で焼結し焼結成形体を得る焼結ステップと、この焼結成形体に機械加工を施すことなくその表面に半導体パワー素子の絶縁板をろう材を介して接合する接合ステップを含むことを特徴とする半導体パワーモジュールの製造方法。
【請求項4】銅複合材混合粉末を金型に充填し、高圧プレスで放熱基板の予備成形体を製作し、これを不活性雰囲気中で焼結する粉末冶金製造法によって製造され、表面に数十〜数百ミクロンの彎曲変形を持ったことを特徴とする半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板。
【請求項5】銅複合材混合粉末を金型に充填し、高圧プレスで放熱基板の予備成形体を製作し、これを不活性雰囲気中で焼結する粉末冶金製造法によって製造され、半導体パワー素子を接合する側の一方の面に数十〜数百ミクロンの凹みを持つことを特徴とする半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板。
【請求項6】請求項4又は5において、前記基板の片面にマークを形成したことを特徴とする半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板。
【請求項7】請求項4〜6のいずれかにおいて、銅と酸化銅の比率が異なる2層構造を備えたことを特徴とする半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板。
【請求項8】請求項4〜6のいずれかにおいて、銅に対する酸化銅の比率が異なる2層構造を備え、前記半導体パワー素子が接合される側の層は他の層よりも前記比率を小さくしたことを特徴とする半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板。
【請求項9】請求項4〜8のいずれかにおいて、導体板と絶縁基板の積層体を含む絶縁回路基板をろう材で前記銅複合材放熱基板へ接合したとき、放熱基板の前記彎曲変形又は凹みが減少することを特徴とする半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板。
【請求項10】請求項4〜9のいずれかに記載の半導体パワー素子用の銅複合材放熱基板を、絶縁板及びろう材を介して半導体パワー素子に接合したことを特徴とする半導体パワーモジュール。
【請求項11】銅複合材混合粉末を数十〜数百ミクロンの彎曲変形を持った金型に充填し高圧でプレスするステップと、このプレスによって得られた予備成形体を不活性雰囲気中で焼結するステップと、得られた焼結成形体の凹んだ側の表面に半導体パワー素子の絶縁板をろう材を介して接合するステップを含むことを特徴とする半導体パワーモジュールの製造方法。
【請求項12】銅複合材混合粉末を平らな金型に充填し高圧でプレスして銅に対する酸化銅の比率が異なる2層構造の予備成形体を成形する予備成形ステップと、得られた2層構造の予備成形体を不活性雰囲気中で焼結し彎曲した焼結成形体を得る焼結ステップと、この焼結成形体の凹んだ側の表面に半導体パワー素子の絶縁板をろう材を介して接合するステップを含むことを特徴とする半導体パワーモジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−46032(P2003−46032A)
【公開日】平成15年2月14日(2003.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−226128(P2001−226128)
【出願日】平成13年7月26日(2001.7.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】