説明

鋼の連続鋳造方法

【課題】 高スループット鋳造において定在波の発生を有効に抑制し、非金属介在物の少ない鋳片の高速かつ安定的鋳造を可能にする、鋼の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】 下部に2つの吐出孔12を有する浸漬ノズル2を用い、吐出孔からの溶鋼吐出流13を鋳型1の短辺側に向けて溶鋼15を鋳型内に注入し、スラブ鋳片19を連続鋳造する鋼の連続鋳造方法において、前記浸漬ノズルのノズル角度αを+10°〜−40°、浸漬深さηを50〜350mm、吐出口径a×bを40×40〜100×100mmとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼の連続鋳造方法に関し、特に、非金属介在物の少ないスラブ鋳片を高速鋳造することが可能な、鋼の連続鋳造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造機で鋳造される鋼のスラブ鋳片(以下、単に「鋳片」とも記す)に要求される品質の1つとして、鋳片中の非金属介在物(以下、「介在物」と記す)の含有量が少ないことが挙げられる。鋳片に捕り込まれる介在物には、(1):Alなどによる溶鋼の脱酸工程で発生し、溶鋼中に懸濁しているアルミナなどの脱酸生成物、(2):タンディッシュや浸漬ノズルで溶鋼に吹き込まれるArガスなどの不活性ガスのガス気泡、(3):鋳型内の溶鋼湯面上に散布したモールドパウダーが溶鋼中に巻込まれて懸濁したものなどがある。これらは何れも薄鋼板製品において表面欠陥となるため、何れも少なくすることが重要である。
【0003】
しかも、近年、連続鋳造機の生産性を向上させるために、鋳造速度すなわち鋳型内への溶鋼の供給速度を増加させた高速鋳造化が推進されており、このような高速鋳造操業では、鋳型内への溶鋼の供給量の増加に伴って鋳型内に注入される溶鋼の吐出流速が増加する、即ち鋳型内における溶鋼の運動エネルギーが増加するため、溶鋼中に巻込まれるモールドパウダ―の発生頻度が高くなると共に、浸漬ノズルからの吐出流が鋳型短辺側の凝固シェルに衝突した後に分岐して下流側に向かって流れる侵入流の侵入深さが増大し、この侵入流に随伴して未凝固層の深くまで侵入して鋳片中に捕捉される脱酸生成物も多くなり、全体的に、鋳片の介在物量が増加する傾向となる。
【0004】
そのため、高速鋳造時のスラブ鋳片中の介在物量の低減を目的とした、鋳型内における溶鋼の運動エネルギーを低減する手段として、鋳型内の溶鋼に磁場を印加し、印加した磁場と溶鋼との作用によって誘導電流を生じさせ、この誘導電流と印加した磁場とが作用して溶鋼に生じる電磁気力を利用し、鋳型内における溶鋼の運動エネルギーを制御する方法が、広く採用されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、鋳型の長辺方向に沿って水平に移動する磁界を、鋳型短辺側から浸漬ノズル側に向かう方向、即ち、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出方向と反対方向に移動させ、浸漬ノズルからの吐出流に制動力を与えながらスラブ鋳片を連続鋳造する方法が提案されている。また、例えば特許文献2には、鋳型内の溶鋼湯面で一方向に循環する溶鋼流を形成するように、リニア型磁界を印加する方法が提案されている。
【0006】
一方、鋳型内の溶鋼湯面は、鋳型幅つまり鋳片幅によって定まる固有の振動数、例えば鋳型幅を1波長とする或いは1/2波長とするなどの固有の振動数で湯面変動する場合がある。この湯面変動を定在波と称する。定在波が発生すると、共振した状態になることから鋳型内の湯面変動は極端に大きくなり、従って、モールドパウダ―の巻込みなどの品質面のみならず、操業の安定性からも定在波を抑制することが必要不可欠となる。この定在波の周波数は、下記(1)式で与えられる。但し、(1)式において、fは定在波の周波数(Hz)、nはモード次数、gは重力加速度(m/秒)、Lは鋳片幅(m)である。
【0007】
【数1】

また、非特許文献1には、鋳型内の湯面変動を表す実験式として、湯面変動指数(以下、「F値」と呼ぶ)が提案されている。F値は、磁場を印加しない状態における鋳型内の溶鋼湯面の変動を表す実験式であり、下記(2)式により表され、F値から求まる湯面変動の大きさは、鋳型内の溶鋼湯面における表面流速と比例関係にあることが分かっており、従って、鋳型内の溶鋼湯面における表面流速の算定にあたり、F値を用いることで、机上で溶鋼の表面流速を推定することができる。但し(2)式において、ρは溶鋼の密度(kg/m)、Qは単位時間当たりの溶鋼注入量(m/秒)、Vは溶鋼の吐出流が鋳型短辺面側と衝突するときの速度(m/秒)、θは溶鋼の吐出流が鋳型短辺面側と衝突する位置における水平線となす下向き方向の角度(deg)、Dは溶鋼の吐出流が鋳型短辺面側に衝突する位置から鋳型内溶鋼湯面までの距離(m)である。
【0008】
【数2】

【特許文献1】特開平9−192801号公報
【特許文献2】特開平6−606号公報
【非特許文献1】手嶋ら:鉄と鋼、79(1993)、p576
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在までの、鋳型内溶鋼湯面レベル制御方法として、渦流式レベル計(ECD)による計測湯面レベルが所望の範囲内に安定するように、前記特許文献1或いは特許文献2に記載されているような鋳型内溶鋼への移動磁場印加を行う電磁攪拌装置(EMS)を用い、鋳型内溶鋼を電磁攪拌する方法が広く採用されている。
基本的に、かかる制御方法で鋳型内溶鋼湯面レベルの制御は可能であったが、近年の高速鋳造操業下においては、鋳片のバルジング性湯面変動の発生或いはモールド幅に依存する前記定在波の発生が顕在化してきた。特に、定在波は、高スループット鋳造において顕著に発生する傾向があり、パウダー巻込み等の品質面の観点からのみならず、操業の安定性の面からも、高スループット鋳造における定在波の抑制が急務となっている。しかしながら、従来のECDとEMSを組合わせた湯面レベル制御方法では、定在波の発生を防ぎ得ない場合がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高スループット鋳造において定在波の発生を有効に抑制し、非金属介在物の少ない鋳片の高速かつ安定的鋳造を可能にする、鋼の連続鋳造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討し、その結果、以下の知見を得た。
・過去の鋳造実績データを解析すると、鋳造速度2.1m/分以上の操業において、定在波が顕在化し、湯面変動量が急増する。
・この湯面変動量の急増現象は、F値が9を超える範囲と良く対応する。
・従って、F値が9以下となる範囲内で鋳造すれば、高スループット鋳造においても定在波の発生を抑制できる。
・そこで、(2)式から、高スループット鋳造に対応するQの範囲内で、F値が9以下となる変数θ、D、Vの範囲を検討し、その範囲内での操業を可能にする浸漬ノズル条件を見出した。
【0012】
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
〔1〕下部に2つの吐出孔を有する浸漬ノズルを用い、吐出孔からの溶鋼の吐出流を鋳型の短辺側に向けて溶鋼を鋳型内に注入し、スラブ鋳片を連続鋳造する鋼の連続鋳造方法において、前記浸漬ノズルのノズル角度を+10°〜−40°、浸漬深さを50〜350mm、吐出口径を40×40〜100×100mmとしたことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
〔2〕前記スラブ鋳片の鋳造速度を2.0m/分以上としたことを特徴とする〔1〕記載の鋼の連続鋳造方法。
〔3〕さらに、鋳型内溶鋼に移動磁場を印加しつつ前記鋳造を行い、該移動磁場の周波数を、鋳造する鋳片の幅寸法に基づき下記(1)式によって算出される定在波の周波数から回避した範囲とすることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の鋼の連続鋳造方法。
【0013】
【数3】

但し、(1)式において、fは定在波の周波数(Hz)、nはモード次数、gは重力加速度(m/秒)、Lは鋳片幅(m)である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、浸漬ノズルのノズル角度、浸漬深さ、及び吐出口径を適正範囲に規制し、好ましくはさらに、鋳造速度を高速側とし或いは移動磁場の周波数を適正範囲に規制したので、定在波に起因する鋳型内溶鋼湯面変動量を大幅に減少させることが可能となり、脱酸生成物、Arガスなどの不活性ガスのガス気泡、及びモールドパウダ―の巻込みのない、清浄な鋳片を高速かつ安定的に鋳造することができ、工業上有益な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1及び図2は、本発明の実施に好ましく用いうるスラブ連続鋳造機の1例を示す概略図であり、図1は鋳型部位の概略斜視図、図2は鋳型部位の概略正面図である。
図1〜2において、相対する鋳型長辺6と、この鋳型長辺6の内側に内装された相対する鋳型短辺7とを具備した鋳型1の上方所定位置にタンディッシュ4が配置されており、このタンディッシュ4の底部には上ノズル8が設置され、そして、上ノズル8の下面に接して、固定板9、摺動版10及び整流ノズル11からなるスライディングノズル5が配置され、更に、スライディングノズル5の下面に接して、下部に一対の吐出孔12を有する浸漬ノズル2が配置され、タンディッシュ4から鋳型1への溶鋼流出孔13が形成されている。浸漬ノズル2の内壁面へのアルミナ付着防止のために、上ノズル8、固定板9、浸漬ノズル2などから溶鋼流出孔13内にArガスや窒素ガスなどの不活性ガスが吹き込まれている。
【0016】
また、鋳型長辺6の背面には、浸漬ノズル2を境として鋳型長辺6の幅方向左右で2つに分割された合計4基のリニア型移動磁場発生装置3が、その鋳造方向の中心位置を吐出孔12の直下位置とし、鋳型長辺6を挟んで対向して配置されている。それぞれのリニア型移動磁場発生装置3は電源(図示せず)と結線され、また、電源は、磁場の移動方向、磁場強度及び実施例場の周波数を制御する制御装置(図示せず)と接続されており、制御装置から入力される磁場移動方向、磁場強度及び磁場の周波数に基づいて電源から供給される電力により、リニア型移動磁場発生装置3から印加される磁場移動方向、磁場強度及び磁場の周波数が、それぞれ個別に制御されるようになっている。
【0017】
それぞれのリニア型移動磁場発生装置3には、複数の電磁コイル(図示せず)が幅方向に並んで設置されており、隣り合う電磁コイルに流す電流の位相をずらすことにより、所謂リニアタイプの移動磁場を発生させている。この移動磁場の移動速度Vは、電磁コイルのポールピッチ(S極からN極までの距離)τと周波数fとから、下記(3)式で表される。
【0018】
=2τf …(3)
このとき、ローレンツの法則より、発生する誘導電流Jは下記(4)式で表される。但し、(4)式において、σは溶鋼の電気伝導度、は移動磁場の磁束密度である。
=σV …(4)
このとき、電磁力Fは下記(5)式で表され、主に磁場の移動方向と同じ向きに作用する。即ち、周波数fの周期で溶鋼に電磁力が作用することになる。
【0019】
=J=2τσfB …(5)
尚、上記(3)〜(5)式において、変数に付された添え字X,Y,Zは、その変数で表される物理量がXYZ直交座標系の同号添え字方向の成分であることを意味し、ここでは、鋳型長辺方向をX方向、鋳型短辺方向をY方向、鋳造方向をZ方向に、それぞれ対応させている。
【0020】
このリニア型移動磁場発生装置3により印加される移動磁場の印加パターンは3種類であり、浸漬ノズル2からの溶鋼吐出流18に制動力を与える場合には、移動磁場の移動方向を鋳型短辺7から浸漬ノズル2に向いた方向とする印加パターンIとし、また、凝固界面に沿って水平方向に回転するような溶鋼流動を誘起させる場合には、移動磁場の移動方向を相対する鋳型長辺6に沿ってそれぞれ相反する向きとする印加パターンIIとし、更に、浸漬ノズル2からの溶鋼吐出流18に加速力を与える場合には、移動磁場の移動方向を浸漬ノズル2から鋳型短辺7に向いた方向とする印加パターンIIIとするのがよい。
【0021】
鋳型1の下方には、鋳造される鋳片19を支持するための複数のガイドロール(図示せず)と、鋳片19を鋳型1の下方に引き抜くための複数のピンチロール14とが設置されている。尚、図2ではピンチロール14を1つのみ記載し、他のピンチロールは省略している。
このように構成される連続鋳造機において、溶鋼15を、取鍋(図示せず)からタンディッシュ4に注入し、次いで、タンディッシュ4から溶鋼流出孔13を介して鋳型1に注入する。溶鋼15は、鋳型短辺7に向かう溶鋼吐出流18となって鋳型内に注入される。鋳型1に注入された溶鋼15は鋳型1により冷却され、凝固シェル16を形成する。そして、ピンチロール14により、外殻を凝固シェル16として内部に未凝固の溶鋼15を有する鋳片19を鋳型1の下方に連続的に引き抜く。鋳片19の引き抜き時、鋳型1における溶鋼湯面17の位置を略一定位置に制御し、鋳片引き抜き速度を所定の速度とする。溶鋼湯面17の上にはモールドパウダ―20を添加する。モールドパウダ―20は溶融して、溶鋼15の酸化防止や凝固シェル16と鋳型1との間に流れ込んで潤滑剤としての効果を発揮する。
【0022】
この鋳造に際し、定在波の発生を抑制するためには、浸漬ノズル2の使用条件を、図3に示すように、ノズル角度(α:図示のように水平より下向きの角度を負とする)=+10°〜−40°、かつ浸漬深さ(η:図示のように吐出孔12の上端と溶鋼湯面17の間の距離とする)=50〜350mm、かつ吐出口径(a×b:図示のように吐出孔12の出口径とする)=40×40〜100×100mm、の範囲に規制する必要がある。これにより、定在波を抑制することができ、定在波に起因する鋳型内溶鋼湯面変動量が低減して、脱酸生成物、Arガスなどの不活性ガスのガス気泡、及びモールドパウダ―の巻込みのない、清浄な鋳片19を高速かつ安定的に鋳造することが可能となる。
【0023】
ノズル角度、浸漬深さ及び吐出口径の何れか1つでも上記数値範囲を外れた場合は、特に高スループット鋳造において、鋳造速度(鋳片引き抜き速度)の増加につれて定在波に起因する湯面変動が増大し、前述のようなECDとEMSを組合わせた湯面レベル制御を行っても、鋳型内溶鋼湯面変動量の増大を抑えるのは困難である。
尤も、鋳造速度が2.0m/分未満の場合には、本発明の効果があまり目立たないことから、本発明は、鋳造速度を2.0m/分以上として操業する連続鋳造に対して適用することが好ましい。
【0024】
尚、上記説明では、リニア型移動磁場発生装置3を有する連続鋳造機を用いる場合を例に挙げたが、リニア型以外の移動磁場を有する連続鋳造機、或いは移動磁場を有さない連続鋳造機を用いる場合であっても上記に沿って本発明を適用することができる。また、2枚板構成のスライディングノズル5を用いる場合を例に挙げたが、3枚板構成のスライディングノズルについても上記に沿って本発明を適用することができる。また、ストッパー方式の場合にも、上記に沿って本発明を適用することができる。
【0025】
また、上記リニア型移動磁場発生装置3或いは他の型の移動磁場発生装置を用いる場合には、印加する移動磁場の周波数を、鋳造する鋳片の幅寸法に基づき前記(1)式によって算出される定在波の周波数から外した範囲とすると、定在波の振幅を更に低減することができて好ましい。この場合、次数(n)が大きくなると定在波の発生は弱くなるので、全ての次数(n)の周波数を回避する必要はなく、3次以上の周波数は回避しなくてもよい。尚、移動磁場を印加する場合は、定在波の抑制効果をより強める観点から、前記印加パターンIで印加することが好ましい。
【実施例】
【0026】
図1〜2に示すスラブ連続鋳造機を用い、厚み250mm、幅2100mmのスラブ鋳片を鋳造するにあたり、溶鋼として、質量%で、C:0.08〜0.10%、Si:0.2〜0.3%、Mn:1.0〜1.2%、P:0.020%以下、sol.Al:0.02〜0.04%を含有し残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する中炭素Alキルド鋼を供し、鋳造速度、浸漬ノズル使用形態、及び移動磁場印加形態を表1に示すように変えた各条件で操業し、鋳型内の湯面変動を比較調査した。尚、幅2100mmのスラブ鋳片の定在波のn=1〜4の周波数はそれぞれ、0.61Hz,0.86Hz,1.06Hz,1.22Hzである。
【0027】
上記調査の結果を表1に示す。尚、表1では、湯面変動が最大であった条件No.の鋳型内溶鋼湯面変動量を100とし、これとの相対値を湯面変動量指数として示した。表1より、本発明によれば、鋳型内溶鋼の湯面変動を大幅に低減できることがわかる。
【0028】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施に好ましく用いうるスラブ連続鋳造機の1例を示す、鋳型部位の概略斜視図である。
【図2】本発明の実施に好ましく用いうるスラブ連続鋳造機の1例を示す、鋳型部位の概略正面図である。
【図3】本発明に規定される浸漬ノズル使用条件を示す説明図である。
【符号の説明】
【0030】
1 鋳型
2 浸漬ノズル
3 リニア型移動磁場発生装置
4 タンディッシュ
5 スライディングノズル
6 鋳型長辺
7 鋳型短辺
8 上ノズル
9 固定板
10 摺動版
11 整流ノズル
12 吐出孔
13 溶鋼流出孔
14 ピンチロール
15 溶鋼
16 凝固シェル
17 溶鋼湯面
18 溶鋼吐出流
19 鋳片
20 モールドパウダ―

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に2つの吐出孔を有する浸漬ノズルを用い、吐出孔からの溶鋼の吐出流を鋳型の短辺側に向けて溶鋼を鋳型内に注入し、スラブ鋳片を連続鋳造する鋼の連続鋳造方法において、前記浸漬ノズルのノズル角度を+10°〜−40°、浸漬深さを50〜350mm、吐出口径を40×40〜100×100mmとしたことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
【請求項2】
前記スラブ鋳片の鋳造速度を2.0m/分以上としたことを特徴とする請求項1記載の鋼の連続鋳造方法。
【請求項3】
さらに、鋳型内溶鋼に移動磁場を印加しつつ前記鋳造を行い、該移動磁場の周波数を、鋳造する鋳片の幅寸法に基づき下記(1)式によって算出される定在波の周波数から回避した範囲とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼の連続鋳造方法。
【数1】

但し、(1)式において、fは定在波の周波数(Hz)、nはモード次数、gは重力加速度(m/秒)、Lは鋳片幅(m)である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−281218(P2006−281218A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−100431(P2005−100431)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】