説明

鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法

【課題】圧入する鋼管毎に鋼管の上部内周面に溶接等で係止体を固定しなくても固い地盤や岩盤をオーガスクリューで円滑に掘削できる作業性に優れた鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法を提供する。
【解決手段】鋼管圧入補助装置10のケーシング12の上端面12Aにはアースオーガ14のモータ16が載置固定されている。ケーシング12の下端部には鋼管圧入補助装置10の鋼管連結装置30がケーシング12の上下方向に沿って移動可能に取り付けられている。連結装置本体32の下部に形成された切欠部36には半円筒状に形成された鋼管締付体38が配設されている。この鋼管締付体38は連結装置本体32に鋼管矢板2の上部2Aが挿入された場合に前記上部2Aを締め付けることができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に建設工事の基礎工事等を行う場合に鋼管矢板等の鋼管を杭圧入機を用いて地盤や岩盤に圧入する際に使用される鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場の基礎工事等においては鋼管としての鋼管矢板を油圧式杭圧入機で地盤や岩盤に圧入して埋設する場合がある。
この場合、鋼管矢板を圧入する地盤が固い地盤であったり岩盤であったりすると油圧式杭圧入機だけの圧入作業だけでは鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入するのが極めて困難になる場合がある。
そこで、アースオーガをクレーンで垂直状に吊り下げ、吊り下げたアースオーガのオーガスクリューを鋼管矢板に挿通して鋼管矢板の内側を垂直状に掘削しながら油圧式杭圧入機を使用して鋼管矢板を圧入する工法が提案されている。
しかし、この場合、掘削する地盤や岩盤の固さ条件等によっては掘削時にオーガスクリューが受ける摩擦抵抗が大きくなり摩擦抵抗がクレーンに垂直状に吊り下げられているアースオーガに伝わり、これによりアースオーガのモータ自体が回ってしまってモータの駆動力がオーガスクリューに伝わり難くなってオーガスクリューによる円滑な掘削が困難になる場合がある。
そこで、アースオーガのモータの駆動力をオーガースクリューに伝えて固い地盤や岩盤でもオーガスクリューで円滑に掘削することにより杭圧入機で鋼管矢板等の鋼管を円滑に圧入することができる鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法が提案されている(特許文献1)。
しかし、この鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法においては圧入する鋼管毎に鋼管の上部内周面に係止体を溶接等で固定する必要がある。
このため、鋼管圧入作業が煩雑になると共に作業効率がよくないという不具合がある。
【特許文献1】特願2006−110627
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり圧入する鋼管毎に鋼管の上部内周面に溶接等で係止体を固定しなくても固い地盤や岩盤をオーガスクリューで円滑に掘削できる作業性に優れた鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に使用される鋼管圧入補助装置であって、吊り下げられた状態で前記鋼管に挿入可能に形成されたケーシングと、このケーシングに固定されたアースオーガのモータと、前記ケーシングに挿通されて先端部がケーシングの下端面より突出するように配設された前記アースオーガのオーガスクリューと、前記ケーシングの外周面に固定された第1係止体と、前記ケーシングが挿入すると共にケーシングの下端部にケーシングの上下方向に沿って移動可能に取り付けられた鋼管連結装置と、この鋼管連結装置を構成すると共に前記鋼管の上部が挿入可能な連結装置本体と、この連結装置本体の内周面に形成されて前記第1係止体と係止する第2係止体と、前記連結装置本体に開閉可能に取り付けられると共に前記連結装置本体に挿入された鋼管の上部を締め付けることができる鋼管締付体と、を有してなることを特徴としている。
請求項2の発明は、油圧式杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に使用される鋼管圧入補助装置であって、吊り下げられた状態で前記鋼管に挿入可能に形成されたケーシングと、このケーシングに固定されたアースオーガのモータと、前記ケーシングに挿通されて先端部がケーシングの下端面より突出するように配設された前記アースオーガのオーガスクリューと、前記ケーシングの外周面に固定された第1係止体と、前記ケーシングが挿入すると共にケーシングの下端部にケーシングの上下方向に沿って移動可能に取り付けられた鋼管連結装置と、この鋼管連結装置を構成すると共に前記鋼管の上部が挿入可能な連結装置本体と、この連結装置本体の内周面に形成されて前記第1係止体と係止する第2係止体と、前記連結装置本体に形成された切欠部と、この切欠部に開閉可能に取り付けられると共に前記連結装置本体に挿入された鋼管の上部を締め付けることができる鋼管締付体と、前記連結装置本体に取り付けられると共に前記鋼管締付体を開閉できる開閉装置と、を有してなることを特徴としている。
請求項3の発明は、杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に前記請求項1又は請求項2に記載された鋼管圧入補助装置を使用して行われる鋼管圧入工法であって、杭圧入機に圧入する鋼管を挟持させた後にクレーンで前記鋼管圧入補助装置を吊り下げて鋼管圧入補助装置のケーシングの下端部に設けられた鋼管連結装置の連結装置本体に鋼管の上部を挿入し、前記連結装置本体の鋼管締付体で前記鋼管を締め付けて前記鋼管圧入補助装置と鋼管を連結固定し、前記鋼管圧入補助装置のアースオーガを始動させてオーガスクリューで地盤や岩盤を掘削し、前記杭圧入機で前記鋼管を地盤や岩盤に圧入することにより鋼管を圧入することを特徴としている。
請求項4の発明は、油圧式杭圧入機で鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入する場合に前記請求項1又は請求項2に記載された鋼管圧入補助装置を使用して行われる鋼管圧入工法であって、油圧式杭圧入機に圧入する鋼管矢板を挟持させた後にクレーンで前記鋼管圧入補助装置を吊り下げて鋼管圧入補助装置のケーシングの下端部に設けられた鋼管連結装置の連結装置本体に鋼管の上部を挿入し、前記連結装置本体の鋼管締付体で前記鋼管を締め付けて前記鋼管圧入補助装置と鋼管を連結固定し、前記鋼管圧入補助装置のアースオーガを始動させてオーガスクリューで地盤や岩盤を掘削し、前記油圧式杭圧入機で前記鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入することにより鋼管矢板を圧入することを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明の鋼管圧入補助装置は、杭圧入機が鋼管を固い地盤や岩盤に圧入する前にオーガスクリューが固い地盤や岩盤を円滑に掘削することができるので前記杭圧入機は円滑に鋼管を圧入することができると共に地盤や岩盤等に圧入する鋼管毎に鋼管の内周面に溶接等で係止体を固定する必要がないので圧入作業が煩雑でなく作業効率を向上させることができるという優れた効果を有する。
本発明の鋼管圧入補助装置を使用した鋼管圧入工法は、杭圧入機が鋼管を固い地盤や岩盤に圧入する前にオーガスクリューが固い地盤や岩盤を円滑に掘削することができるので前記杭圧入機は円滑に鋼管を圧入することができると共に圧入する鋼管毎に鋼管の内周面に溶接等で係止体を固定する必要がないので圧入作業が煩雑でなく鋼管圧入の作業効率を向上させることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
発明を実施するために最良の形態の例として以下のような実施例を示す。
【実施例1】
【0007】
図1〜図6には本発明に係わる鋼管圧入補助装置及びそれを使用した鋼管圧入工法の一実施例が示されている。なお、この実施例では杭圧入機としての公知の油圧式杭圧入機1を使用して鋼管としての鋼管矢板2を地盤3に圧入する場合を例にして説明する。
図1及び図2には本発明の鋼管圧入補助装置10が油圧式杭圧入機1(図2参照)の後方に配設されたクレーン車4のクレーン4Aのフック4Bに吊り下げられた状態で示されている。なお、前記クレーン車4のクレーン4Aには前記フック4Bの他に前記鋼管矢板2を吊り下げる鋼管矢板用ワイヤー4Cが設けられている。
図2に示されるように、鋼管圧入補助装置10の構成部材である円筒形状のケーシング12の外径寸法は油圧式杭圧入機1で地盤3に圧入される鋼管矢板2の内径寸法より小径に形成されている。従って、前記ケーシング12は鋼管矢板2の上部2Aから鋼管矢板2に挿入できるようになっている。なお、図1及び図2に示す前記ケーシング12は縦断面図で示されている。
図1及び図2に示されるように、前記ケーシング12の上端面12Aには鋼管圧入補助装置10の構成部材であるアースオーガ14のモータ16が載置された状態で固定されている。このアースオーガ14は公知のアースオーガでありモータ16の下部にはジョイント部材17を介して長尺状のオーガスクリュー18が着脱可能に取り付けられている。
図1に示されるように、前記アースオーガ14のオーガスクリュー18は前記ケーシング12を挿通すると共にオーガスクリュー18の先端部18Aは前記ケーシング12の下端面12Bより突出するように配設されている。従って、前記アースオーガ14のモータ16を始動させると前記オーガスクリュー18が回転して地盤3を掘削できるようになっている。
前記ケーシング12の外周面には上下方向に沿ってケーシング12より少し短い第1係止体としての係止凹体20が180°の間隔をおいて2個固定されている。図5に示されるように、この係止凹体20はレール20A,20Aをケーシング12の外周面に縦方向に向って並行に固定することにより構成されている。前記係止凹体20のレール20Aとレール20Aの間には係止体収容部22が形成されている。なお、前記係止凹体20の下端部には係止体収容部22の下端部を塞ぐように係止体ストッパー24が固定されている。
図1及び図2に示されるように、前記アースオーガ14の上端部には吊下用ワイヤー28が取り付けられている。この吊下用ワイヤー28は前記鋼管圧入補助装置10を吊り下げるクレーン車4のクレーン4Aのフック4Bに係止されるようになっている。
図1に示されるように、前記ケーシング12の下端部には前記鋼管圧入補助装置10の構成部材の一つである鋼管連結装置30がケーシング12の上下方向に沿って移動可能に取り付けられている。
図3及び図4に示されるように、この鋼管連結装置30の連結装置本体32は円筒状に形成され、この連結装置本体32の内径寸法は前記鋼管矢板2の上部2A(図4参照)の外径寸法よりも少し大きく形成されている。従って、図4に示されるように、前記鋼管矢板2の上部2Aは前記連結装置本体32に挿入できるようになっている。
前記連結装置本体32の上部内周面には第2係止体としての係止凸体34が互いに対向して溶接等の適宜手段で2個突設されている。これら係止凸体34は前記ケーシング12に形成された前記係止凹体20の係止体収容部22にそれぞれ対応して収容されるようになっている。
なお、前記ケーシング12の上端部を前記連結装置本体32に挿入していくと連結装置本体32の係止凸体34は前記係止体ストッパー24に当接して係止体ストッパー24に載置するので、図1に示されるように前記鋼管連結装置30は前記ケーシング12から落下しないでケーシング12の下端部に取り付けられるようになっている。
図3に示されるように、前記連結装置本体32の下部には半円周形状の切欠部36が形成されている。この切欠部36には半円筒状に形成された鋼管締付体38が配設されている。しかも、この鋼管締付体38は連結装置本体32に鋼管矢板2の上部2Aが挿入された場合に前記鋼管矢板2の上部2Aを締め付けることができるように配設されている。前記鋼管締付体38の一端部38Aは前記連結装置本体32と蝶番40で連結されている。また、前記連結装置本体32の下部には開閉装置としての油圧シリンダー42が取り付けられている。この油圧シリンダー42のロッド44の先端部44Aは前記鋼管締付体38の他端部38Bと適宜手段を介して固定されている。従って、前記油圧シリンダー42のロッド44を伸長させることにより前記鋼管締付体38を開閉できるようになっている。
また、図2及び図6に示されるように、前記鋼管矢板2の上下方向中間部の外周面には継手2B,2Bが溶接等の適宜手段で固定され、鋼管矢板2を連続状態に連結できるようになっている。
【0008】
次に、前記鋼管圧入補助装置10を使用して行われる鋼管圧入工法の一実施例について説明する。
準備段階として前記鋼管矢板2を埋設する基礎工事現場に油圧式杭圧入機1を配設する。また、前記鋼管矢板2を吊り下げて油圧式杭圧入機1に提供すると共に鋼管圧入補助装置10を吊り下げるクレーン車4を配設する。
最初に、前記クレーン車4は用意されている前記鋼管矢板2をクレーン4Aに設けられた鋼管矢板用ワイヤー4Cで吊り上げてから前記油圧式杭圧入機1に提供する。図2に示されるように、この鋼管矢板2を提供された油圧式杭圧入機1は鋼管矢板2を垂直に立てた状態でチャック部1Aで強固に挟持する。
次に、前記クレーン車4はクレーン4Aのフック4Bを鋼管圧入補助装置10の吊下用ワイヤー28に係止して前記鋼管圧入補助装置10を垂直状に吊り上げてから、鋼管圧入補助装置10と前記油圧式杭圧入機1が挟持している前記鋼管矢板2を対応させる。
なお、予め前記ケーシング12の下端部には図1に示すように前記鋼管連結装置30を取り付けておく。また、前記連結装置本体32の油圧シリンダー42のロッド44を伸長させて鋼管締付体38を開いた状態(図3参照)にしておく。
そして、前記鋼管矢板2と鋼管圧入補助装置10が対応するように鋼管圧入補助装置10を吊り降ろして、前記連結装置本体32の下部に鋼管矢板2の上部2Aを挿入する。そして、油圧シリンダー42のロッド44を縮めることにより鋼管締付体38を閉める。これにより、前記鋼管矢板2の上部2Aは鋼管締付体38に締め付けられるので、鋼管矢板2と前記鋼管連結装置30は連結固定状態になる。
そして、前記鋼管圧入補助装置10のシリンダー12を更に吊り降ろしてアースオーガ14のモータ16を始動させてオーガスクリュー18を回転させる。これによりケーシング12の下端面12Bよりも下に突出したオーガスクリュー18の先端部18Aが地盤3を掘削し始める。
前記オーガスクリュー18が掘削を開始して地盤3の固さ条件等によってオーガスクリュー18に大きな摩擦抵抗が生じる場合がある。この時、大きな摩擦抵抗がオーガスクリュー18を介してアースオーガ14のモータ16に伝わりモータ16自体が回ろうとしてもモータ16が固定されているケーシング12の係止凹体20の係止体収容部22には油圧式杭圧入機1のチャック部1Aに強固に挟持されている鋼管矢板2と連結された鋼管連結装置30の係止凸体34が収容されている。このため、前記モータ16自体、ケーシング12自体が回ろうとしても前記係止凸体34によって阻止される。
従って、地盤3の掘削時に前記オーガスクリュー18に大きな摩擦抵抗が作用してもモータ16が固定されているケーシング12は油圧式杭圧入機1のチャック部1Aに強固に挟持されている鋼管矢板2によって回ることを阻止される。
このため、前記アースオーガ14のモータ16自体が回ることが無いので、モータ16の駆動力が削減されることなくスムーズにオーガスクリュー18に伝わるので、地盤3が固くてもオーガスクリュー18は円滑に掘削を行うことができる。
この結果、油圧式杭圧入機1で鋼管矢板2を圧入する場合に先に鋼管圧入補助装置10のオーガスクリュー18によって固い地盤3は掘削されるため、前記油圧式杭圧入機1で前記鋼管矢板2を地盤3に円滑に圧入することができる。
また、オーガスクリュー18が地盤3を掘削する場合、前記鋼管圧入補助装置10のケーシング12は油圧式杭圧入機1に強固に挟持されている鋼管矢板2と連結された鋼管連結装置30の係止凸体34にガイドされながら下降する状態になるので、従来工法に比べてオーガスクリュー18は高精度で地盤3を掘削することができ、これによりオーガスクリュー18による掘削精度を高めることができる。
そして、前記鋼管矢板2を地盤3に圧入する作業が終了したら前記油圧シリンダー42のロッド44を伸長させることにより鋼管締付体38を開いて鋼管矢板2と鋼管連結装置30の連結を解除して前記鋼管圧入補助装置10を吊り上げる。
そして、次の鋼管矢板2を地盤3に圧入すべく上記手順と同じ手順で次の鋼管矢板2を地盤3に圧入する。
従って、本発明においては圧入する鋼管矢板2毎に鋼管矢板2の上部内周面に係止板を溶接等で固定する煩雑な作業を不要にすると共に前記煩雑な作業を不要にすることにより鋼管矢板2の圧入作業の作業効率を一段と向上させることができる。
【0009】
なお、実施例では第1係止体として係止凹体20を示し、第2係止体として係止凸体34を示したが、第1係止体と第2係止体は第1係止体と第2係止体が協働することにより掘削時に鋼管圧入補助装置10のモータ16自体が回ってしまうことを阻止できる構造であれば前記係止凹体20と前記係止凸体34の構成に限定されるものでないことは勿論である。
従って、例えば前記係止凹体20を小型に形成したり、あるいは図7に示されるように前記ケーシング12の外周面にレール20Aを1本ずつ設け、鋼管連結装置30の係止凸体34と係止させるような構成にしてもよいことは勿論である。
【0010】
なお、実施例では地盤3に圧入する鋼管として鋼管矢板2を例にして示したが、圧入する鋼管は鋼管であれば鋼管矢板2に限定されるものでないことは勿論である。
また、実施例では鋼管を圧入する杭圧入機として油圧式杭圧入機1を例にして示したが、鋼管を圧入する杭圧入機であれば油圧式杭圧入機1に限定されるものでないことは勿論である。
なお、実施例ではケーシング12に係止凹体20を2個設け、鋼管連結装置30に係止凸体34を2個設けた例を示したが、ケーシング12及び鋼管連結装置30に固定する前記係止凹体20及び係止凸体34は1個でも、3個以上でもよいことは勿論である。
また、実施例では開閉装置として油圧シリンダー42を示したが鋼管締付体38を開閉することができる装置であれば開閉装置は油圧シリンダー42に限定されるものでないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】クレーンにより吊り下げられた実施例の鋼管圧入補助装置の一部縦断面図である。
【図2】実施例の鋼管圧入補助装置を使用して鋼管矢板を圧入する工法を示す一部縦断面図である。
【図3】実施例の鋼管圧入補助装置の鋼管着脱装置の斜視図である。
【図4】実施例の鋼管圧入補助装置と鋼管矢板を連結させた状態の一部斜視図である。
【図5】実施例の鋼管圧入補助装置のケーシングの側面図である。
【図6】実施例の鋼管圧入補助装置と鋼管矢板を連結させた状態の概略横断面図である。
【図7】実施例の鋼管圧入補助装置の他の変形例を示す鋼管圧入補助装置を鋼管矢板に挿入した状態の一部横断面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 油圧式圧入機
2 鋼管矢板
10 鋼管圧入補助装置
12 ケーシング
14 アースオーガ
16 モータ
18 オーガスクリュー
20 係止凹体
22 係止体収容部
24 ストッパー
30 鋼管連結装置
32 連結装置本体
34 係止凸体
36 切欠部
38 鋼管締付体
40 蝶番
42 油圧シリンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に使用される鋼管圧入補助装置であって、吊り下げられた状態で前記鋼管に挿入可能に形成されたケーシングと、このケーシングに固定されたアースオーガのモータと、前記ケーシングに挿通されて先端部がケーシングの下端面より突出するように配設された前記アースオーガのオーガスクリューと、前記ケーシングの外周面に固定された第1係止体と、前記ケーシングが挿入すると共にケーシングの下端部にケーシングの上下方向に沿って移動可能に取り付けられた鋼管連結装置と、この鋼管連結装置を構成すると共に前記鋼管の上部が挿入可能な連結装置本体と、この連結装置本体の内周面に形成されて前記第1係止体と係止する第2係止体と、前記連結装置本体に開閉可能に取り付けられると共に前記連結装置本体に挿入された鋼管の上部を締め付けることができる鋼管締付体と、を有してなることを特徴とする鋼管圧入補助装置。
【請求項2】
油圧式杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に使用される鋼管圧入補助装置であって、吊り下げられた状態で前記鋼管に挿入可能に形成されたケーシングと、このケーシングに固定されたアースオーガのモータと、前記ケーシングに挿通されて先端部がケーシングの下端面より突出するように配設された前記アースオーガのオーガスクリューと、前記ケーシングの外周面に固定された第1係止体と、前記ケーシングが挿入すると共にケーシングの下端部にケーシングの上下方向に沿って移動可能に取り付けられた鋼管連結装置と、この鋼管連結装置を構成すると共に前記鋼管の上部が挿入可能な連結装置本体と、この連結装置本体の内周面に形成されて前記第1係止体と係止する第2係止体と、前記連結装置本体に形成された切欠部と、この切欠部に開閉可能に取り付けられると共に前記連結装置本体に挿入された鋼管の上部を締め付けることができる鋼管締付体と、前記連結装置本体に取り付けられると共に前記鋼管締付体を開閉できる開閉装置と、を有してなることを特徴とする鋼管圧入補助装置。
【請求項3】
杭圧入機で鋼管を地盤や岩盤に圧入する場合に前記請求項1又は請求項2に記載された鋼管圧入補助装置を使用して行われる鋼管圧入工法であって、杭圧入機に圧入する鋼管を挟持させた後にクレーンで前記鋼管圧入補助装置を吊り下げて鋼管圧入補助装置のケーシングの下端部に設けられた鋼管連結装置の連結装置本体に鋼管の上部を挿入し、前記連結装置本体の鋼管締付体で前記鋼管を締め付けて前記鋼管圧入補助装置と鋼管を連結固定し、前記鋼管圧入補助装置のアースオーガを始動させてオーガスクリューで地盤や岩盤を掘削し、前記杭圧入機で前記鋼管を地盤や岩盤に圧入することにより鋼管を圧入することを特徴とする鋼管圧入補助装置を使用した鋼管圧入工法。
【請求項4】
油圧式杭圧入機で鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入する場合に前記請求項1又は請求項2に記載された鋼管圧入補助装置を使用して行われる鋼管圧入工法であって、油圧式杭圧入機に圧入する鋼管矢板を挟持させた後にクレーンで前記鋼管圧入補助装置を吊り下げて鋼管圧入補助装置のケーシングの下端部に設けられた鋼管連結装置の連結装置本体に鋼管の上部を挿入し、前記連結装置本体の鋼管締付体で前記鋼管を締め付けて前記鋼管圧入補助装置と鋼管を連結固定し、前記鋼管圧入補助装置のアースオーガを始動させてオーガスクリューで地盤や岩盤を掘削し、前記油圧式杭圧入機で前記鋼管矢板を地盤や岩盤に圧入することにより鋼管矢板を圧入することを特徴とする鋼管圧入補助装置を使用した鋼管圧入工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−84822(P2009−84822A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253492(P2007−253492)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(503370929)伸栄株式会社 (5)
【Fターム(参考)】