説明

鍵管理機システム

【課題】間違った鍵の持ち出しを防止して現金処理機のイベント要求に対する処置を確実に行うことができる鍵管理機システムを提供する。
【解決手段】現金処理機12は、現金処理機12に鍵10が必要となるイベントが発生してイベントの対応に必要な鍵10の鍵識別情報を鍵持ち出し要求信号として鍵管理機11に出力し、鍵管理機11は、鍵持ち出し要求信号に基づいてイベントの対応に必要な鍵10の保管場所を判断する制御部21と、制御部21によって判断された鍵10の保管場所からイベントの対応に必要な鍵10の持ち出しを指示出力する表示部16およびプリンタ部20とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鍵管理機システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関の店舗等に設置される鍵管理機システムにあっては、窓口機,整理機,出納機,両替機,ATM等の多種多様な現金処理機の鍵や、金庫室の鍵等、複数の鍵を一元保管すると共に、必要とする鍵を持ち出す事が可能となっている。そして、このような鍵管理機システムの運用としては、正当な使用者のみ鍵の持ち出しが出来るように制限するなど、多様な運用形態が存在しており、近年、複数(例えば、2人)の使用者の管理の下でIDの登録認証確認がなされて始めて特定の鍵の持ち出しを許可するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許3413424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の鍵管理機システムのように、鍵の持ち出しに係る権限の管理や、鍵の持ち出し時間および返却時間の管理など、さまざまな工夫を凝らして鍵の管理を厳重化しても、鍵管理機から鍵を持ち出す際に、担当者または管理者が、間違えて別の鍵を持ち出してしまういわゆるオペミスが発生してしまう虞がある。また、間違えて別の鍵を持ち出した際に、この間違った別の鍵で現金処理機にアクセスすると、必要とする現金処理機のイベント要求に対して不適切な処置が行われる可能性があり、現金処理機の状態が元のイベント要求による処置待ち状態から別の状態へ変化することで、状況が複雑化して現金処理機のイベント要求に対する処置に手間取ってしまう場合があるという課題がある。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、間違った鍵の持ち出しを防止して現金処理機のイベント要求に対する処置を確実に行うことができる鍵管理機システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、貨幣の処理を行う現金処理機(例えば、実施の形態における現金処理機12)と、該現金処理機に通信可能に接続され該現金処理機用の鍵(例えば、実施の形態における鍵10)を着脱可能に保持する鍵管理機(例えば、実施の形態における鍵管理機11)とを備えた鍵管理機システムであって、前記現金処理機は、該現金処理機に鍵が必要となるイベントが発生すると該イベントの対応に必要な鍵の鍵識別情報を鍵持ち出し要求信号として前記鍵管理機に出力し、前記鍵管理機は、前記鍵持ち出し要求信号に基づいてイベントの対応に必要な鍵の保管場所を判断する認識手段(例えば、実施の形態における認識手段21a)と、該認識手段によって判断された鍵の保管場所からイベントの対応に必要な鍵の持ち出しを指示出力する出力手段(例えば、実施の形態における表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25)とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、貨幣の処理を行う現金処理機(例えば、実施の形態における現金処理機12)と、該現金処理機に通信可能に接続され該現金処理機用の鍵(例えば、実施の形態における鍵10)を着脱可能に保持する鍵管理機(例えば、実施の形態における鍵管理機11)とを備えた鍵管理機システムであって、前記現金処理機は、該現金処理機に鍵が必要となるイベントが発生すると該イベントの対応に必要な鍵の保管場所情報を鍵持ち出し要求信号として前記鍵管理機に出力し、前記鍵管理機は、前記鍵持ち出し要求信号に基づいて鍵の保管場所からイベントの対応に必要な鍵の持ち出しを指示出力する出力手段(例えば、実施の形態における表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25)を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記出力手段が、表示手段(例えば、実施の形態における表示部16)および音声出力手段(例えば、実施の形態におけるスピーカ25)のうち少なくとも何れか一方で構成され、前記指示出力としてイベントの対応に必要となる鍵の保管場所の案内を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記鍵管理機が、前記イベントの対応に必要な鍵のみを持ち出し可能とし、前記イベントの対応に不必要な鍵を持ち出し不可とするロック機構(例えば、実施の形態におけるロック機構24)と、該ロック機構の制御を行うロック制御手段(例えば、実施の形態におけるロック制御手段21c)とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載の発明において、前記鍵管理機が、利用者がログインするためのログイン手段(例えば、実施の形態におけるログイン手段21b)を備え、前記出力手段および前記ロック制御手段は、鍵の持ち出し担当者または管理者が前記ログイン手段によりログインしているときにのみアクティブ状態になることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載した発明は、請求項4に記載の発明において、前記鍵管理機が、利用者がログインするためのログイン手段(例えば、実施の形態におけるログイン手段21b)を備え、前記イベントの対応に必要な鍵以外の鍵を持ち出そうとする担当者または管理者がログインした場合には、前記イベントの対応に必要な鍵の持ち出しに係る前記出力手段による指示出力および前記ロック制御手段によるロック機構の制御を規制することで前記イベントの対応に必要な鍵以外の鍵の持ち出しを許容し、前記イベントの対応に必要な鍵以外の鍵を持ち出そうとする担当者または管理者がログアウトした場合には、前記イベントの対応に必要な鍵の持ち出しに係る前記出力手段による指示出力および前記ロック制御手段によるロック機構の制御の規制を解除することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載した発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の発明において、前記イベントの対応に必要な鍵の保管場所情報を、前記鍵の持ち出し担当者がアクセス権を所有する特定の情報端末、もしくは、前記管理者がアクセス権を所有する特定の情報端末に出力する第2の出力手段(例えば、実施の形態における第2の出力手段23)を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載した発明は、請求項7に記載の発明において、前記現金処理機が、前記イベントの対応に必要な鍵を使用して前記イベントの対応処置が完了した際には、その完了したことを鍵処置完了信号として前記鍵管理機へ出力し、前記鍵管理機が、前記鍵処置完了信号の入力から所定の時間が経過しても、持ち出した前記鍵が元の保管場所に返却されない場合に、前記第2の出力手段により、前記鍵の持ち出し担当者がアクセス権を所有する情報端末、もしくは前記管理者がアクセス権を所有する情報端末へ、前記鍵の鍵返却要求信号の送信を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載した発明は、請求項8に記載の発明において、前記鍵管理機が、前記鍵持ち出し要求信号が入力されてから前記鍵処置完了信号が入力されるまでの時間情報を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載した発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の発明において、前記鍵管理機が、イベントコードの入力を行う入力手段(例えば、実施の形態における操作部15)を備え、前記鍵持ち出し要求信号を認識していない状態で特定のイベントコードが入力された場合に、イベントコードに対応する鍵の持ち出しを許可することを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載した発明は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の発明において、前記現金処理機は、鍵持ち出し要求信号に加えて、前記現金処理機のイベント情報を出力する事を特徴とする。
【0016】
請求項12に記載した発明は、請求項1乃至11の何れか一項に記載の発明において、前記現金処理機が、前記イベントの対応に必要な鍵を用いて前記イベントの対応処置が開始された際には、その開始情報を鍵処置開始信号として前記鍵管理機へ出力し、前記鍵管理機が、前記鍵が持ち出されてから所定の時間が経過しても前記鍵信号が認識されない場合に警告を行う警告手段(例えば、実施の形態における警告手段26)を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載した発明によれば、現金処理機において鍵が必要となるイベントが発生した際に、現金処理機からイベントの対応に必要な鍵の鍵識別情報を鍵持ち出し要求信号として鍵管理機に出力し、この鍵持ち出し要求信号が入力される鍵管理機において、認識手段によりイベントの対応に必要な鍵の保管場所を判断し、この判断された保管場所に保管されたイベントの対応に必要な鍵の保管場所からの持ち出しの指示出力を出力手段により行うことで、利用者である例えば担当者または管理者が出力手段の指示出力に従ってイベントの対応に必要な鍵を正しい保管場所から持ち出すことができるため、間違った鍵が持ち出されるのを防止して、イベント要求に対しての処置を確実に行うことができる効果がある。
【0018】
請求項2に記載した発明によれば、現金処理機において鍵が必要となるイベントが発生した際に、現金処理機からイベントの対応に必要な鍵の保管場所情報を鍵持ち出し要求信号として鍵管理機に出力し、この鍵持ち出し要求信号が入力される鍵管理機において、保管場所情報に基づいてイベントの対応に必要な鍵の保管場所からの持ち出しの指示出力を出力手段により行うことで、利用者である例えば担当者または管理者が出力手段の指示出力に従ってイベントの対応に必要な鍵を正しい保管場所から持ち出すことができるため、間違った鍵が持ち出されるのを防止して、イベント要求に対しての処置を確実に行うことができる効果がある。
【0019】
請求項3に記載した発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、利用者である担当者または管理者などに対して、鍵管理機におけるイベントの対応に必要な鍵の保管場所を、例えば、鍵の保管場所毎に設けられたLEDや液晶ディスプレイなどの表示手段、および、例えば、スピーカなどの音声出力手段によりガイダンスすることができる効果がある。
【0020】
請求項4に記載した発明によれば、請求項1乃至3の何れか一項の効果に加え、イベントの対応に必要な鍵のみをロック制御手段によるロック機構の制御によって持ち出し可能とし、イベントの対応に必要でない鍵の持ち出しを不可にすることで、担当者や管理者が間違った鍵を持ち出すのを防止して、イベント要求に対しての処置をより確実に行うことができる効果がある。
【0021】
請求項5に記載した発明によれば、請求項4の効果に加え、鍵の持ち出し担当者または管理者がログイン手段によりログインしているときにのみ出力手段およびロック制御手段をアクティブ状態にすることができるため、例えば、鍵の持ち出し担当ではない担当者や管理者が、イベント要求とは関係の無い用件でログインした場合に、出力手段およびロック制御手段の機能が働かないようにすることができるため、鍵の持ち出し担当ではない担当者または管理者がイベントの対応に必要な鍵を持ち出すのを防止することができる効果がある。
【0022】
請求項6に記載した発明によれば、請求項4の効果に加え、出力手段により、例えば、イベントの対応に必要な鍵の持ち出しに係る指示出力を行っているときに、イベントの対応に必要な鍵以外の他の鍵の持ち出し担当者または管理者がログイン手段によりログインした場合、出力手段により指示出力を規制してイベントの対応に必要な鍵以外の鍵のみを持ち出し可能とし、この担当者または管理者がログアウトした後に、再度指示出力の規制を解除して、イベントの対応に必要な鍵の持ち出し担当者または管理者に対する指示出力を行うことができるため、イベントの対応に必要な鍵を持ち出す際の指示出力をイベントの対応に必要な鍵以外の他の鍵の持ち出し担当者または管理者から隠して、イベントの対応に必要な鍵の持ち出しをロック制御手段により禁止することができる。したがって、他の鍵の持ち出し担当者または管理者による他の鍵の持ち出しを許容しつつ、誤ってイベントの対応に必要な鍵を持ち出すのをより確実に防止することができる。
【0023】
請求項7に記載した発明によれば、請求項1乃至6の何れか一項の効果に加え、第2の出力手段により、鍵の持ち出し担当者がアクセス権を所有する、例えば、現金処理機の上位接続の操作卓又は一般業務用のPC又は携帯端末などの情報端末を介して、鍵持ち出しの指示出力を行うことができるため、鍵の持ち出し担当者または管理者は、情報端末を見て、鍵管理機でイベントの対応に必要な鍵を持ち出した後にイベントの発生した現金処理機に向かうことができる。したがって、現金処理機でイベントの発生を確認した後に鍵管理機でイベントの対応に必要な鍵を持ち出して再度現金処理機に向かう場合と比較して、処置を開始するまでの時間を短縮することができる効果がある。
【0024】
請求項8に記載した発明によれば、請求項7の効果に加え、イベントの対応に必要な鍵を使用して現金処理機で発生したイベントの処置が終了した後、当該鍵が鍵管理機に所定時間経過しても返却されない場合に、鍵を持ち出した担当者または管理者の情報端末に鍵返却要求信号を送信することができるため、鍵を持ち出した担当者または管理者に対して鍵の返却を促すことができ、したがって、鍵の返却忘れおよび鍵の紛失を防止することができる効果がある。
【0025】
請求項9に記載した発明によれば、請求項8の効果に加え、鍵持ち出し要求信号が入力されてから鍵処置完了信号が入力されるまでの時間情報を記憶手段に記憶することで、現金処理機の休止時間を、鍵管理機にて一元管理することができる。
【0026】
請求項10に記載した発明によれば、請求項1乃至9の何れかの効果に加え、鍵管理機が鍵持ち出し要求信号を認識していない例えば、現金処理機でイベントが発生していない業務開始前の現金の装填、業務終了後の現金カセットの抜き取り、および、保守点検などのときや、現金処理機と鍵管理機との間の通信回線が不調などのときに、入力手段からイベントコードを入力することで、イベントコードに対応した鍵を持ち出すことができるため、鍵管理機のイベント発生がない場合における鍵の管理を厳密に行うことができる効果がある。
【0027】
請求項11に記載した発明によれば、請求項1乃至10の何れか一項の効果に加え、鍵の持ち出しが必要となった現金処理機のイベント情報を、鍵持ち出し要求信号に加えて出力することで、例えば、これらイベント情報および鍵持ち出し要求信号の出力履歴を残した場合、鍵の持ち出しに係るイベントの種類や、持ち出し時間などを容易に把握することができる。
【0028】
請求項12に記載した発明によれば、請求項1乃至11の何れかの効果に加え、鍵管理機の鍵が持ち出されてから所定時間経過しても、現金処理機におけるイベントの対応処置が行われない場合に、警告手段により警告を行って鍵の複製などの不正利用を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の一実施形態の鍵管理機システムについて図面を参照して以下に説明する。本実施形態の鍵管理機システム1は、銀行等の金融機関の店舗で使用されるものであり、図1に示すように、管理室等の行員のみの入室が許可されたスペースに設置される複数台の鍵管理機11と、行員あるいは顧客が入金、出金あるいは両替等の現金処理のため使用する複数台の現金処理機12とが、通信手段であるLAN13を介して互いに通信可能に接続されて構成されている。なお、通信手段は、ここでは一例としてLAN13にて構成したが、通信機能を果たすように構成されてさえいれば良いものであり、本例のLAN13に限らずとも良い。
【0030】
複数台の鍵管理機11は、それぞれが、図2に示すように、鍵10を着脱可能に保持するもので、担当者による暗証番号等の入力操作がなされるテンキー等を含む操作部15と、日時、操作状況、アラーム情報およびガイダンス等を表示する表示部16と、各担当者毎に個別に準備されて他との識別のための個別の担当者識別情報が記憶されたIDカード17を走査して、このIDカード17から担当者識別情報等を読み取るカードリーダ18と、それぞれが一対一で対応する鍵10を着脱可能に保持する多数(1〜18)の鍵保持部19と、必要な情報を紙面に印字可能なプリンタ部20と、これらに接続される図1に示す制御部21と、制御部21とデータのやり取りが可能な記憶部22と、第2の出力手段23と、多数の鍵保持部19毎に設けられ、それぞれの鍵保持部19への鍵10の着脱をロックおよび解除するロック機構24と、スピーカ25と、警告手段26とを有している。
【0031】
鍵10(図2参照)は、鍵本体33とこれに連結されたキーホルダ34とを有しており、キーホルダ34には、鍵10を他と識別するための個別の鍵識別情報が記憶された図示せぬIDチップが埋設されている。
【0032】
鍵管理機11の鍵保持部19は、それぞれが、一対一で対応する一つの鍵10のキーホルダ34のみをそれぞれのロック機構24によりロック状態で保持するキーホルダ装着部30と、同じ鍵保持部19を構成するキーホルダ装着部30のロック状態を解除する際に押圧される取外ボタン31と、点灯および点滅可能なランプ32とを有している。キーホルダ装着部30は、キーホルダ34が挿入されると鍵識別情報を読み取って制御部21に送信することになり、制御部21はこの鍵識別情報と送信元のキーホルダ装着部30とが対応する場合にこのキーホルダ装着部30のロック機構24でキーホルダ34をロックすることになる。また、キーホルダ装着部30は、制御部21が了承した条件下で取外ボタン31が操作されるとロック機構24によるロックを解除する。このようにして、持ち出し及び返却の際に、必要とする鍵10が着脱可能な仕組みとなっている。
【0033】
鍵10は、主に窓口機、整理機、出納機、両替機、および、ATM等の現金処理機12の本体装置付属品で構成され使用されるものである。鍵10の種類を大別すると、装置キー(又は扉キーとも呼ばれる)、係員キー(又は管理者キーとも呼ばれる)、現金キー(又は役席者キーとも呼ばれる)の3種類が存在し、これら鍵10を使用する人の責務に応じた使用権についてランク分けされている。
【0034】
ここで、上述の「装置キー」とは、現金処理機12の装置扉を開錠して装置の中のユニットにアクセスする為の鍵10であり、一般的には、現金処理機12を操作担当する担当者が使用権を持つ鍵10である。
また「係員キー」とは、上述の担当者が通常操作するランクよりも責務の高いランクの操作、例えば現金処理機12の操作モードを管理者モードに変更して、取引資金である現金を資金元の元方との間で、回金処理として補充や回収したりする操作や、現金処理機12本体の機能設定や運用設定を設定変更する操作等を行う際に使用する鍵10であり、一般的には、中級管理者(例えば、チーフ担当者など)が使用権を持つ鍵10である。
また「現金キー」とは、現金処理機12内の現金カセット等の扉を開錠して、内部に格納されている現金にアクセスする為の鍵10であり、一般的には、役席者とよばれる上級管理者が使用権を持つ鍵10である。そして、上位職位の者は、下位職位の者が持つ鍵10の使用権を持ち、より具体的には、中級管理者は、担当者が使用権を持つ装置キーの使用権を持ち、上級管理者は、中級管理者が使用権を持つ係員キーおよび担当者が使用権を持つ装置キーの使用権を持つこととなる。
【0035】
記憶部22は、鍵10の持ち出しおよび返却に係る持出返却状況データ等を記憶するものである。この記憶部22には、すべての鍵保持部19に一対一で対応して保持する鍵10の鍵識別情報と、取扱可能なすべてのIDカード17のID情報である個人識別情報とが記憶されており、さらに、ID情報毎にランク分け等されて持ち出し可能な鍵10の鍵識別情報が記憶されている。ここで、ランク分けをした場合、例えば、上述したように鍵10の使用権に合わせて、担当者、管理者(例えば、中級管理者、上級管理者など)に分けられ、ランク毎に持ち出し可能な鍵10の鍵識別情報が関連付けして記憶されている。また、同じランクであっても担当者、管理者毎に持ち出し可能な鍵10が異なる場合には、担当者または管理者のID情報毎に持ち出し可能な鍵識別情報が関連付けして記憶されている。つまり、上述のように記憶部22が構成されることで、鍵管理機11では、ある特定の担当者または管理者のID情報に対応する特定の鍵10を判別することができると共に、特定の鍵10に対応する担当者または管理者のID情報を判別することができる。
【0036】
さらに記憶部22には、複数の現金処理機12との通信機能、すなわちLAN13を介して現金処理機12と通信を行うための機能の設定情報が記憶されている。この通信機能は、複数の現金処理機12毎に異なる場合があるため、複数の鍵管理機11の記憶部22には、それぞれ専用の通信機能の設定情報が記憶される。ここで、通信機能の設定としては、例えば、全ての鍵管理機11を複数の現金処理機12とLAN13によって接続して個々に通信させる設定とすることができ、また、マスターとなる1台の鍵管理機11のみをLAN13により複数の現金処理機12と接続し、その他複数の鍵管理機11を前記マスターとなる1台の鍵管理機11に従属するスレーブ結合として接続する設定とすることができる。
【0037】
表示部16は、液晶などの表示画面16aと、表示画面上に設けられたタッチパネル16bとを備えて構成されている。表示画面16aは、制御部21からの制御指令に基づいて、鍵管理機11の操作や鍵10を持ち出す際のガイダンスや鍵10の情報などが表示可能になっている。タッチパネル16bは、表示画面16a上に選択ボタン等が表示される場合に、利用者がこの選択ボタンを押圧操作したことを検出するものである。
【0038】
カードリーダ18は、担当者や管理者に予め配布されているIDカード17を走査することで、IDカード17内に記録されている個人識別情報を読み込むためのものである。個人識別情報を読み込むことで、IDカード17の持ち主の認証を行うことが可能となる。
操作部15は、カードリーダ18による個人識別情報の読込操作に続いて、鍵10の持ち出し許可のために設定された暗証番号などを入力したり、例えば、鍵管理機11に後述する鍵持ち出し要求信号が到達しない場合に所定のイベントコードを入力するためのキーボード等で構成されたものである。なお、操作部15と表示部16のタッチパネル16bの両方設けるように説明したが、これに限るものではなく、いずれか一方の入力手段を設けるようにしても良い。
【0039】
プリンタ部20は、表示部16の表示画面16aに表示される内容などをプリントアウトするものであり、例えば、タッチパネル16bの操作入力に基づいて制御部21により制御される。
【0040】
第2の出力手段23は、鍵10の持ち出し担当者がアクセス権を所有する特定のPCまたは携帯端末、もしくは管理者がアクセス権を所有する特定のPCまたは携帯端末に対して、鍵10の保管場所情報を含むデータ信号や、鍵10の返却を促すメッセージ等を含む鍵返却要求信号を送信するものである。
【0041】
ロック機構24は、キーホルダ装着部30に対してキーホルダ34が挿入された状態で、キーホルダ34の着脱をロック・アンロックする機構でありロック制御手段21cにより作動制御されている。
スピーカ25は、鍵10の持ち出しをガイダンスする音声を出力するものであり、制御部21によりその作動が制御されている。
警告手段26は、制御部21により担当者または管理者に対して警告が必要であると判定された場合に、スピーカ25、表示部16、第2の出力手段23等を用いて音声出力やメッセージ表示などで警告を行うものである。
【0042】
制御部21は、認識手段21aと、ログイン手段21bと、ロック制御手段21cとを備えて構成されている。
認識手段21aは、鍵持ち出し要求信号が入力されると、この鍵持ち出し要求信号に含まれる鍵識別情報に基づいてイベントの対応に必要な鍵10の保管場所を判断するものである。より具体的には、鍵持ち出し要求信号に含まれる鍵識別情報を記憶部22の記憶情報を検索して一致する鍵識別情報に関連付けられて記憶された保管場所情報を特定する。
【0043】
ログイン手段21bは、カードリーダ18でIDカード17の走査が行われるとともに、操作部15により暗証番号が入力されると、読み取られたIDカード17の個人識別情報および入力された暗証番号を記憶部22に記憶されたマスタデータと照合して、個人識別情報および暗証番号が適正である場合にログイン正常と判定するものである。ここで、制御部21は、ログイン手段21bによりログイン正常と判定されると、個人識別情報に対して持ち出し可能に設定された鍵識別情報を有する鍵10が保持された鍵保持部19のランプ32を点灯させる制御を行うようになっている。なお、操作手段による暗証番号の入力にかえて、例えば指紋認証や掌静脈認証等の生体認証を組み合わせても良い。また、個人の認証チェックが機能する構成であれば良く、認証方法に制限はない。
【0044】
ロック制御手段21cは、ロック機構24の作動を制御するものであり、ログイン正常と判定された担当者又は管理者によりランプ32が点灯した鍵保持部19の取外ボタン31が操作されると、この鍵保持部19のキーホルダ装着部30のロック状態を解除して鍵10を取り外し可能とする。このようにキーホルダ装着部30のロック状態が解除されることにより、取外ボタン31に対応するキーホルダ装着部30から鍵10のキーホルダ34を取り外すことが可能となる。なお、当然のことながら、ランプ32が点灯した箇所以外の鍵保持部19の取外ボタン31が操作されても、制御部21は、この鍵保持部19のキーホルダ装着部30のロック状態を解除しないように設定されている。
【0045】
制御部21は、さらに鍵10の持ち出しに際して読み取ったIDカード17のID情報と、持ち出された鍵10の鍵識別情報と、取外ボタン31が押された持ち出し時刻(又は日時)と、鍵10が持ち出し中であることを示す持出中情報と、返却時刻又は返却日時(未返却の時点では空欄とされる)とを含む持出返却状況データを記憶部22に記憶させる。
【0046】
また、制御部21は、担当者または管理者が鍵10を返却して、鍵10のキーホルダ34が一対一で対応する一つの鍵保持部19のキーホルダ装着部30に挿入されると、このキーホルダ34から鍵識別情報を読み出し、この鍵識別情報がこの鍵保持部19に一対一で対応しているか否かを判定する。そして、鍵識別情報が鍵保持部19に対応している場合には、この装着された鍵10を持ち出し不可とすべくロック制御手段21cによりロック制御を行い鍵10の持ち出しを不可にする。
【0047】
さらに、制御部21は、鍵10が返却された場合に、記憶部22に記憶され鍵識別情報と関連付けられた最新の持出返却状況データにおける、鍵10が持ち出し中であることを示す持出中情報を、鍵10が戻されたことを示す保持中情報に書き換え、さらに、空欄とされていた返却時刻(又は日時)にロックした時刻を書き込むように設定されている。一方、キーホルダ34から読み出した鍵識別情報が返却された鍵保持部19に対応していない場合には、制御部21は、このキーホルダ34をロックせず、ランプ32を点滅させる等して間違いを報知する制御を行う。なお、鍵10を返却する際に、カードリーダ18で適正なIDカード17が走査されたことを条件に、キーホルダ装着部30による鍵10のロックを行うようにしても良い。
【0048】
また、制御部21は、鍵10の持ち出し及び返却に関する持出返却状況データを鍵10の持ち出し及び返却の都度、常に最新のデータに更新するように設定されており、持出返却状況データが更新される際に、更新前の過去の使用履歴も参照できるように更新前の分も都度追加されてその履歴が記録される。
【0049】
制御部21は、例えば、通信系のトラブルが発生している等により鍵持ち出し要求信号が受信できない場合に、操作部15により所定のイベント毎に予め設定されているイベントコードが入力されると、鍵持ち出し要求信号が入力されたときと同様の制御を行うようになっている。なお、イベントコードは予め記憶部22に記憶されており、イベントコード毎にイベントの対応に必要な鍵10の鍵識別情報が関連付けられている。
【0050】
操作部15により入力されるイベントコードの一例としては、例えば、2桁の00〜99の何れかの数字とすることができる。より具体的には、業務開始前の現金カセットに現金を装填するイベントのイベントコードは「01」が設定され、前夜から資金の繰り越しで現金が入ったまま一旦大金庫へ保管しておいた現金カセットを、業務開始前に現金処理機12内に再セットするイベントのイベントコードは「02」が設定され、業務終了後に資金の繰り越しで大金庫へ保管する目的で、現金が入ったままの現金カセットを現金処理機12から持ち出すイベントのイベントコードは「03」が設定され、また取引とは無関係な現金処理機12のメーカーの保守員による現金処理機12の保守点検作業のイベントのイベントコードは「10」が設定される。なお、イベントコードは上述のものに限られるものではなく、イベントの種類を識別可能な構成であればよい。
【0051】
また、制御部21は、鍵10が持ち出された時刻を記憶部22に記憶すると共に、制御部21にて所定の時間のタイマー監視を起動させて、鍵10が持ち出されてから鍵10を用いてイベントの処理が開始されたことを示す鍵処置開始信号が鍵管理機11に入力されない状態で所定時間が経過してタイマー監視がタイムアウトとなった場合に、警告手段26により警告を行うように設定されている。このように鍵10を持ち出したにも関わらず鍵処置開始信号が鍵管理機11に入力されないということは、例えば鍵10の複製など、不正利用の目的で利用されている可能性があるため、これを警告するように設定している。
【0052】
複数台の現金処理機12は、操作者により入力操作がなされる操作部35と、操作状況、アラーム情報およびガイダンス等を表示する表示部36と、現金処理を行う現金処理機構部38と、これらに接続される制御部37とをそれぞれ有している。複数台の現金処理機12の制御部37は、LAN13により店舗内に設置された店舗内サーバ40に接続されて使用され、さらには、店舗外の金融機関の本部に設置された図示略の本部サーバに接続されて、現金処理を制御するようになっている。
【0053】
また、複数台の現金処理機12には、上述した鍵管理機11の記憶部22と同様に、複数の鍵管理機11とのLAN13による通信機能の設定がなされており、これら現金処理機12の記憶部(図示略)には、自身の現金処理機12専用の通信機能の設定情報が予め記憶されている。また、複数台の現金処理機12の記憶部には、通信相手である複数の鍵管理機11との通信設定が記憶されるとともに、自身の現金処理機12で用いる各種鍵10について、どういうイベント発生の時に何れの鍵10が必要になるのかがそれぞれ関連付けられて記憶されている。
【0054】
次に、現金処理機12から鍵管理機11への鍵10を必要とするイベントの通達について説明する。
複数台の現金処理機12は、個々に入金や出金,両替等の現金処理取引中に、特定の鍵10を必要とするイベントが発生すると、イベントの処置対応に必要となる鍵10の鍵識別情報を、鍵持ち出し要求信号として鍵管理機11にLAN13を介してデータ送信して情報伝達を行う。ここで、上記の「鍵識別情報」とは、鍵10が固有に持つ識別情報であり、例えば番号などで構成される情報である。この鍵識別情報としては、例えば、鍵10の製造工程で当初から採番された番号など、コード化された番号を用いることができ、例えば、現金処理機12である窓口機の装置キーに「KA○○○」、現金キーに「KBXXX」といった鍵識別情報が割り付けられる。なお、番号が採番されていない鍵10が存在する場合には、特定のコード(例えば3桁の10進数コード)を新規に割り付けることもできる。また、番号が採番されていない鍵10だけに限らず、番号が採番されている鍵10を含めて全ての鍵10について、特定のコード(例えば3桁の10進数コード)を新規に割り付けても良い。
【0055】
ここで、上述した鍵10を必要とするイベントとしては、例えば、窓口機で入金取引中に起こる一括金庫フルのイベントがある。この一括金庫フルのイベントは、装置キーと現金キーを使用して現金処理機12である窓口機へアクセスし、一括金庫内の現金を抜き取って一括金庫フル状態を解除しないと、それ以降の入金取引が行えない虞がある。この他のイベントとしては、例えば、窓口機で出金取引中にリジェクト収納庫フルのイベントがある。この収納庫フルのイベントは、現金キーを使用して窓口機へアクセスし、リジェクト収納庫内の現金を抜き取ってリジェクト収納庫のフル状態を解除しないと、それ以降の出金取引が行えない虞がある。さらに、窓口機で出金取引中に、ある特定の金種の現金スタッカがエンプティとなるイベントがある。この現金スタッカがエンプティとなるイベントは、係員キーを使用して窓口機へアクセスし、当該金種の現金を現金スタッカに補充しないと、それ以降の出金取引が行えない虞がある。また、任意の取引中にジャム、メカロック等の装置異常のイベントがある。このイベントが発生した場合は、装置キーを使用して窓口機へアクセスして、装置異常の復旧処理を行わないと、それ以降の取引が何も行えなくなる虞がある。
【0056】
上述の窓口機以外に、現金処理機12である出納機、両替機およびATM等についても、種々のイベントが発生し、このイベントの処置として、特定の鍵10を使用して現金処理機12へアクセスする必要が生じる場合があり、上述した窓口機と同様に、鍵10を必要とするイベントとなる。つまり、現金処理機12においては、現金処理機12毎に、また、その発生したイベント毎に、必要とする1以上の鍵10が要求される仕組みとなっている。
【0057】
この実施の形態における鍵管理機システム1は上述した構成を備えており、次にこの鍵管理機システム1の動作について説明する。なお、以下の説明については、1号機からn号機まである複数の鍵管理機11のうち、1号機の鍵保持部19の1番キーホルダ装着部30に装着されている装置キーと、1号機の鍵管理機11の鍵保持部19の13番キーホルダ装着部30に装着されている現金キーとが必要となるイベントが現金処理機12である窓口機において発生し、このイベントの対応に必要な上記装置キーおよび現金キーの1号機の鍵管理機11の鍵保持部19からの持ち出し、および、鍵保持部19への返却を行う場合を一例に説明を行う。
【0058】
まず、窓口機(以下、単に現金処理機12と呼ぶ)において、1号機の鍵管理機11の鍵保持部19の1番のキーホルダ装着部30に装着されている装置キーである鍵10(以下、単に1番の鍵10と呼ぶ)と、同じく13番のキーホルダ装着部30に装着されている現金キーである鍵10(以下、単に13番の鍵10と呼ぶ)とを必要とするイベントが発生すると、現金処理機12の制御部37は、1番の鍵10および13番の鍵10の鍵識別情報を含む鍵持ち出し要求信号を複数の鍵管理機11に対して送信する。
1号機の鍵管理機11の制御部21は、現金処理機12から出力された鍵持ち出し要求信号を受信すると、この鍵持ち出し要求信号に含まれる鍵識別情報を認識手段21aにより認識し、この認識された鍵識別情報がどの鍵保持部19のキーホルダ装着部30に装着されている鍵10の鍵識別情報と一致する鍵識別情報かを特定する。
【0059】
制御部21の認識手段21aは、特定された鍵識別情報に基づいて、1号機の鍵管理機11の鍵保持部19の1番キーホルダ装着部30に装着された1番の鍵10(装置キー)と、13番キーホルダ装着部30に装着された13番の鍵10(現金キー)とが、それぞれ該当する鍵10であることを認識する。
【0060】
その後、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者または管理者が、鍵管理機11に相対してカードリーダ18にIDカード17を通すとともに操作部15より鍵10の持ち出し許可のために設定された暗証番号を入力すると、制御部21のログイン手段21bは、IDカード17の持ち主の認証を行う。このIDカード17の持ち主が正規の持ち主であると判定されると、制御部21のログイン手段21bはログイン正常と判定しログイン状態とする。ここで、ログイン状態とは、持ち出し要求がある鍵10の持ち出し担当者または管理者が、本人がログイン前の状態、本人がログインした後に鍵10を持ち出してログアウトした状態、本人が一旦ログインしたものの何らかの理由で処理を途中でキャンセルしてログアウトしたような状態、もしくは、担当者または管理者がログインして必要とする鍵10を持ち出しログアウトした後に鍵10の返却の目的等で再度ログインした状態は含まれない。
【0061】
ログイン状態になると、制御部21は、1番の鍵10および13番の鍵10を持ち出すためのガイダンスを鍵10持ち出しの指示出力として、出力手段である表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25に出力させる。ここで、鍵10を持ち出すためのガイダンスは、イベントの対応に必要な鍵10のキーホルダ装着部30の番号、例えば、1番と13番の場合には「1番と13番の鍵を持ち出してください」などのメッセージを表示部16の表示画面16aに表示する。なお、IDカード17の持ち主が正規の持ち主であると分かった時点で鍵10を持ち出すためのガイダンスを行う場合について説明したが、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者または管理者が1号機の鍵管理機11に相対した時点で、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者または管理者が表示部16のガイダンスを確認する事ができるようにしても良い。この場合、ガイダンスの開始タイミングは、1号機の鍵管理機11が現金処理機12から鍵持ち出し要求信号を受けた後、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者または管理者が1号機の鍵管理機11まで歩いて相対するまでに要する所定の時間が経過した時点とすれば良い。また、ガイダンスの終了タイミングに関しては、イベントの対応に必要となる鍵10が1号機の鍵管理機11のキーホルダ装着部30から取り外し持ち出されたことが検出された時点でガイダンスを終了するようにすれば良い。また、ログイン手段21bによるログイン結果すなわちログインした者の権限等に基づいて、ガイダンスの出力の機能などを制限するようにしてもよい。
【0062】
イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者または管理者が、上述したガイダンスに従って1番キーホルダ装着部30の取外ボタン31および13番キーホルダ装着部30の取外ボタン31を順次操作すると、制御部21は、1番キーホルダ装着部30のロック機構24と、13番キーホルダ装着部30のロック機構24とを解除し、1番の鍵10と13番の鍵10とを着脱可能な状態にする。このとき、他の持ち出し要求の無い鍵10を保持する鍵保持部19のロック機構24は、たとえ担当者権限や管理者権限によって持ち出し可能な鍵10が保持されていても、ロック制御手段21cにより解除制御されない。
【0063】
鍵管理機11の制御部21は、現金処理機12から鍵持ち出し要求信号を受信すると、この受信した時刻を鍵管理機11に内蔵された時計(図示せず)を参照して求める。そして、この時刻を、現金処理機12に鍵10を必要とするイベントが発生してこのイベントの対応に必要な鍵10の持ち出しが要求された時刻(この時刻を時刻Aと呼ぶ)のログとして自動的に記憶部22に記憶する。
【0064】
一方、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者又は管理者が、1番の鍵10および13番の鍵10を鍵管理機11から持ち出して、現金処理機12において発生していたイベントの対応処置が完了すると、現金処理機12の制御部37は、鍵管理機11に対して鍵処理が完了したことを示す鍵処置完了信号を送信する。鍵管理機11は、鍵処置完了信号を受信すると、イベントの対応処置が完了したと判定して、持ち出した1番の鍵10および13番の鍵10を使用したイベントの対応処置が完了した時刻(この時刻を時刻Bと呼ぶ)を内蔵された時計を参照して求め、この時刻Bを自動的にログとして記憶部22に記憶する。
【0065】
鍵管理機11の制御部21は、時刻Aと時刻Bとが求められると、これら時刻Aと時刻Bとの間の経過時間(時分秒)を演算する。この演算結果は、別途、鍵管理機11における独自の集計処理の際に、複数の現金処理機12毎に区分けされてログとして記憶部22に記憶される。なお、鍵管理機11では現金処理機12毎、および、鍵10を必要とするイベントの発生1件毎に、時刻Aから時刻Bまでの経過時間(時分秒)を、正確な休止時間として記録する事ができ、さらに、1日単位、もしくは1ケ月単位でのイベントの発生件数を集計する事によって休止時間の積算時間が算出され、容易に現金処理機12毎の休止時間の分析が可能となる。
【0066】
また、鍵管理機11は、上述した鍵処置完了信号を現金処理機12から受信した時刻Bから所定の時間が経過しても、持ち出された1番の鍵10および13番の鍵10が元の所定のキーホルダ装着部30に返却されない場合には、第2の出力手段23によって、鍵10の持ち出し担当者がアクセス権を所有する特定のPCまたは携帯端末、もしくは管理者がアクセス権を所有する特定のPCまたは携帯端末に対して、鍵10の返却を促すメッセージ「1号機の鍵管理機の、1番と13番の鍵を返却してください」等を含む鍵返却要求信号を送信する。ここで、鍵返却要求信号は、鍵10の持ち出し担当者または管理者宛にメール等にて自動的に配信される。なお、時刻Bから所定の時間とは、現金処理機12毎に、鍵管理機11からの距離など装置レイアウト(運用状況)に応じて管理者により適宜設定を行い予め記憶部22に記憶される時間である。
【0067】
他方、現金処理機12の制御部37は、持ち出された鍵10によりイベントの対応処置が開始されると、その開始情報を鍵処置開始信号として鍵管理機11に送信する。この鍵処置開始信号の送信は、例えば、持ち出された鍵10が複数の場合であっても、最初に鍵10を使用した現金処理機12へのアクセスがトリガとされる。例えば、1番の鍵10(装置キー)と13番の鍵10(現金キー)が持ち出され、装置キーである1番の鍵10を使用して現金処理機12の扉にアクセスし、扉を開けて現金スタッカユニットを引き出してから現金キーである13番の鍵10にて現金スタッカにアクセスする場合、最初に装置キーにて現金処理機12にアクセスすることとなるので、この扉にアクセスしたタイミングで鍵処置開始信号が送信されることとなる。
【0068】
鍵管理機11の制御部21は、鍵10が持ち出されてから鍵処置開始信号を認識しない状態で所定の時間が経過し、タイマー監視がタイムアウトとなった場合には、警告手段26により警告を行う。なお、警告手段26による警告については、鍵管理機11本体の表示部16で警告メッセージを表示しても良いし、鍵管理機11の近傍にオプションで配設した別ユニットの大きな表示ユニットを用いて、大きな文字表示で警告メッセージを表示するようにしても良い。同様に、別ユニットの音声ガイドユニットをオプションで配設し、音声によって警告メッセージを出力するようにしても良い。また、上述した前記第2の出力手段23によって、所定の上級管理者のPCまたは携帯端末にメール等によって警告メッセージを出力するようにしても良い。
【0069】
一方、鍵管理機11において鍵持ち出し要求信号が入力されず、操作部15から所定のイベントコードが入力された場合、制御部21は、このイベントコードと一致するイベントコードを記憶部22の記憶情報から検索する。そして、操作部15で入力されたイベントコードと一致するイベントコードがある場合には、このイベントコードに関連付けて記憶されている鍵識別情報を特定し、例えば、上述した鍵持ち出し要求信号が受信可能な場合と同様に、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出しを許可すると共に、その他の鍵10の持ち出しを規制する。つまり、何れの鍵10を持ち出す際にも、鍵持ち出し要求信号が入力されるか操作部15からのイベントコードの入力が行われない限りロック機構の解除が行われず、鍵10の持ち出しも許可されない。また、間違ったイベントコードの入力が行われた場合も鍵10の持ち出しは許可されない。
【0070】
鍵管理機11の制御部21は、ロック制御手段21cによりロック機構24を解除して鍵10を持ち出す事を許可する条件として、イベントコードの入力が条件として付加されているため、ロック機構24を解除した際には、イベントコードの入力操作が行われた時刻を、入力したイベントコードと共に、入力操作のログとして記憶部22に記憶する。なお、イベントコードの入力操作のログを記憶部22に記憶させることで、集計処理の際等に別途参照することができる。
なお、上述した鍵管理機システム1の動作では、イベントの対応に1番の鍵10および13番の鍵10が必要な場合を一例について説明したが、これら1番の鍵10および13番の鍵10が必要となるイベントに限られるものではなく、他の鍵10が必要となる他のイベントについても同様である。
また、1号機の鍵管理機11と窓口機である現金処理機12との一例で示したが、この構成に限られるものではなく、その他複数の鍵管理機11と複数の現金処理機12についても同様である。
【0071】
したがって、上述した実施の形態の鍵管理機システム1によれば、現金処理機12において鍵10が必要となるイベントが発生した際に、現金処理機12からイベントの対応に必要な鍵10の鍵識別情報を鍵持ち出し要求信号として鍵管理機11に出力し、この鍵持ち出し要求信号が入力される鍵管理機11において、制御部21の認識手段21aによりイベントの対応に必要な鍵10の保管場所を判断し、この判断された保管場所に保管されているイベントの対応に必要な鍵10の持ち出しの指示出力を出力手段である表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25により行うことで、鍵管理機11の保管場所から、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者または管理者が、表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25の指示出力に従ってイベントの対応に必要な鍵10の持ち出しを行うことができるため、間違った鍵10の持ち出しを防止して、イベント要求に対しての処置を確実に行うことができる。
【0072】
また、鍵管理機11の鍵保持部19の取外ボタン31を押してみて初めて判明する従来のシステムと比較して、表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25による目または耳から入って実感できるガイダンスを採用することで、無駄な操作を防止でき、迅速に鍵10の持ち出しを行うことができる。
そして、イベントの対応に必要な鍵10のみをロック制御手段21cによるロック機構24の制御によって持ち出し可能とし、イベントの対応に必要でない鍵10の持ち出しを不可にすることで、担当者や管理者が間違った鍵10を持ち出すのを防止して、イベント要求に対しての処置をより確実に行うことができる。
【0073】
さらに、鍵10の持ち出し担当者または管理者がログイン手段21bによりログインしているときにのみ表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25(出力手段)およびロック制御手段21cをアクティブ状態にすることができるため、例えば、鍵10の持ち出し担当ではない担当者や管理者が、イベント要求とは関係の無い用件でログインした場合に、表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25およびロック制御手段21cの機能が働かないようにすることができるため、鍵10の持ち出し担当者または管理者以外の者がイベントの対応に必要な鍵10を持ち出すのを防止することができる。
【0074】
また、出力手段である表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25により、例えば、イベントの対応に必要な鍵10のガイダンスを行っているときに、イベントの対応に必要な鍵10以外の他の鍵10の持ち出し担当者または管理者がログイン手段21bによりログインした場合、表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25によるガイダンスを規制してイベントの対応に必要な鍵10以外の鍵10のみを持ち出し可能とし、この担当者または管理者がログアウトした後に、再度指示出力の規制を解除して、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者または管理者に対するガイダンスを行うことができるため、イベントの対応に必要な鍵10を持ち出すためのガイダンスをイベントの対応に必要な鍵10以外の他の鍵10の持ち出し担当者から隠すとともに、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出しをロック制御手段21cにより禁止することができるため、他の鍵10の持ち出し担当者による他の鍵10の持ち出しを許容しつつ、誤ってイベントの対応に必要な鍵10を持ち出すのをより確実に防止することができる。
【0075】
さらに、担当者権限または管理者権限によって持ち出し可能な鍵10が複数存在し、持ち出し要求がある鍵10について上述したガイダンスが行われているにもかかわらず、間違って持ち出し権限がある別の鍵10が保持されている鍵保持部19の取外ボタン31が押されたとしても、当該取外ボタン31に対応するロック機構の解除が規制されることとなるため、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者や管理者による間違った鍵10の持ち出しを防止して確実に持ち出しを誘導する事が可能となる。
【0076】
さらに、第2の出力手段23により、イベントの対応に必要な鍵10の持ち出し担当者がアクセス権を所有する、例えば、現金処理機12の上位接続の操作卓又は一般業務用のPC又は携帯端末などの情報端末を介して、鍵10の持ち出しのガイダンスを行うことができるため、鍵10の持ち出し担当者または管理者は、情報端末を見て、鍵管理機11でイベントの対応に必要な鍵10を持ち出した後にイベントの発生した現金処理機12に向かうことができ、この結果、特に担当者または管理者の持ち場から離れた場所の自動機コーナーに設置されるATMや両替機等でイベントが発生した場合においては、現金処理機12でイベントの発生を確認した後に鍵管理機11でイベントの対応に必要な鍵10を持ち出して再度現金処理機12に向かう場合と比較して、処置の時間を短縮することができる。
【0077】
そして、鍵管理機11において、鍵持ち出し要求信号が入力されてから鍵処置完了信号が入力されるまでの時間情報を記憶部22に記憶することで、現金処理機12毎の休止時間を、鍵管理機11にて一元管理することができる。
【0078】
また、イベントの対応に必要な鍵10を使用して現金処理機12のイベントの対応が終了したのち、所定時間が経過しても鍵10が鍵管理機11に返却されない場合に、鍵10を持ち出した担当者または管理者に対して鍵10の返却を促すことができるため、鍵10の返却忘れを防止することができる。
【0079】
さらに、鍵管理機11が鍵持ち出し要求信号を認識していない、現金処理機12でイベントが発生していない業務開始前の現金の装填、業務終了後の現金カセットの抜き取り、および、保守点検などのときや、現金処理機12と鍵管理機11との間の通信回線が不調などのときに、操作部15(入力手段)からイベントコードを入力することで、イベントコードに対応した鍵10を持ち出すことができるため、鍵管理機11のイベント発生がない場合における鍵10の管理を厳密に行うことができる。
【0080】
また、鍵管理機11の鍵10が持ち出されてから所定時間経過しても、現金処理機12におけるイベントの対応処置が行われない場合に、警告手段26により警告を行って鍵10の複製などの不正利用を防止することができる。
【0081】
なお、上述した実施の形態では、鍵識別情報を含む鍵持ち出し要求信号を現金処理機12から鍵管理機11に送信する場合について説明したが、この構成に限られるものではなく、例えば、他の実施例として、鍵持ち出し要求信号の鍵識別情報に替えて、鍵持ち出し要求信号に鍵10の保管場所情報(鍵保持部19の番号)を含ませ、さらに、各現金処理機12において、現金処理機12専用の各種鍵10が、何れの鍵管理機11の何れの鍵保持部19のキーホルダ装着部30に装着されているか、つまり、鍵10の保管場所情報が、各現金処理機12にて予め記憶されている構成にしてもよい。
【0082】
このように構成することで、鍵10を必要とするイベントが発生すると、各現金処理機12はその必要とする鍵10に対応する鍵10の保管場所を制御部37において識別して特定し、鍵持ち出し要求信号の情報データとして鍵10の保管場所を含ませて、鍵管理機11へ送信するため、各鍵管理機11においては、鍵持ち出し要求信号を受信することで、認識手段21aを用いずに鍵10の保管場所を直接認識することができ、上述した実施の形態の認識手段21aを省略しても、鍵10の保管場所を出力手段によってガイダンスする事が可能となる。但し、この場合には制約条件として、鍵10と鍵保持部19の場所とが一対一で対応するように、鍵保持部19の場所変更は行わず、現金処理機12側にて設定した鍵保持部19の場所に固定する必要がある。
【0083】
また、上記実施の形態の鍵管理機11では、便宜上鍵10と鍵保持部19とを一対一で対応する構成としたが、キーホルダ34から鍵識別情報を読み取ることができる構成であるため、必要に応じて、1つの鍵10に対して複数の鍵保持部19で持ち出し・返却が対応されるように運用設定しても良い。この運用設定は、例えば、何れの鍵保持部19に何れの鍵10のキーホルダ34が装着されているかを、鍵10が装着される度に記憶部22に記憶させ、特定の鍵10のキーホルダ34を装着する鍵保持部19の場所が変わったとしても、これを把握するものである。そして、特定の鍵10を持ち出す場合には、特定の鍵10が何れの鍵保持部19に装着されているかを記憶部22の記憶情報から検索して、該当する鍵保持部19のランプ32を点灯させて特定の鍵10の持ち出しを許可し、また、鍵10を返却する場合には、鍵管理機11が管理する鍵保持部19であれば、何れの鍵保持部19に鍵10が返却されても、返却を許可してロックする。
【0084】
さらに、上述の実施の形態では、出力手段として表示部16、プリンタ部20およびスピーカ25によりガイダンスを行う場合について説明したが、鍵10を持ち出す指示出力としてのガイダンスを行える方法であればよく、この構成に限られるものではない。
【0085】
また、鍵10の保管場所である鍵保持部19の番号をメッセージにより表示および音声出力する場合について説明したが、鍵10の種類(例えば、装置キー、現金キーなど)の名称(呼称)をキーホルダ装着部30に装着される鍵10の名称(呼称)と関連付けて記憶部22に予め記憶させ、上述したガイダンスを行う際に、これら鍵10の名称(呼称)を関連付けられた鍵保持部19の番号と共に上述したメッセージに含ませて表示および音声出力させるようにしてもよい。
【0086】
また、現金処理機12が、鍵持ち出し要求信号を鍵管理機11に対して送信する場合について説明したが、これに限られず、例えば、鍵持ち出し要求信号に加えてさらに鍵10の持ち出しが必要となった現金処理機12のイベント情報を出力するようにしてもよい。このイベント情報とは、各現金処理機12で鍵10が必要となったイベントの詳細情報の事を示す。つまり、現金処理機12にて一括金庫フル状態が発生したり、リジェクト収納庫フルが発生したり、装置異常が発生したり、といった詳細情報を示す。また、このイベント情報を鍵持ち出し要求信号にコード化したデータとして含ませる事によって、鍵管理機11では、鍵持ち出し要求信号を受信した時刻とイベント情報が記憶部22に記憶されて、集計処理の際等に別途参照できる。このようにして、鍵管理機11が、各現金処理機12毎の鍵10が必要となるイベントの詳細情報を集計することによって、例えば上述した各現金処理機12毎の休止時間の実績調査等につき、より詳細な分析が可能となる効果が期待できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態の鍵管理機システムにおける概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の鍵管理機システムにおける鍵管理機等を示す正面図である。
【符号の説明】
【0088】
10 鍵
11 鍵管理機
12 現金処理機
15 操作部(入力手段)
16 表示部(出力手段,表示手段)
20 プリンタ部(出力手段)
21a 認識手段
21b ログイン手段
21c ロック制御手段
23 第2の出力手段
24 ロック機構
25 スピーカ(出力手段,音声出力手段)
26 警告手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣の処理を行う現金処理機と、
該現金処理機に通信可能に接続され該現金処理機用の鍵を着脱可能に保持する鍵管理機とを備えた鍵管理機システムであって、
前記現金処理機は、該現金処理機に鍵が必要となるイベントが発生すると該イベントの対応に必要な鍵の鍵識別情報を鍵持ち出し要求信号として前記鍵管理機に出力し、
前記鍵管理機は、前記鍵持ち出し要求信号に基づいて前記イベントの対応に必要な鍵の保管場所を判断する認識手段と、該認識手段によって判断された前記鍵の保管場所から前記イベントの対応に必要な鍵の持ち出しを指示出力する出力手段とを備えることを特徴とする鍵管理機システム。
【請求項2】
貨幣の処理を行う現金処理機と、
該現金処理機に通信可能に接続され該現金処理機用の鍵を着脱可能に保持する鍵管理機とを備えた鍵管理機システムであって、
前記現金処理機は、該現金処理機に鍵が必要となるイベントが発生すると該イベントの対応に必要な鍵の保管場所情報を鍵持ち出し要求信号として前記鍵管理機に出力し、
前記鍵管理機は、前記鍵持ち出し要求信号に基づいて鍵の保管場所から前記イベントの対応に必要な鍵の持ち出しを指示出力する出力手段を備えることを特徴とする鍵管理機システム。
【請求項3】
前記出力手段は、表示手段および音声出力手段のうち少なくとも何れか一方で構成され、前記指示出力として前記イベントの対応に必要となる鍵の保管場所のガイダンスを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の鍵管理機システム。
【請求項4】
前記鍵管理機は、前記イベントの対応に必要な鍵のみを持ち出し可能とし、前記イベントの対応に不必要な鍵を持ち出し不可とするロック機構と、該ロック機構の制御を行うロック制御手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の鍵管理機システム。
【請求項5】
前記鍵管理機は、利用者がログインするためのログイン手段を備え、
前記出力手段および前記ロック制御手段は、鍵の持ち出し担当者または管理者が前記ログイン手段によりログインしているときにのみアクティブ状態になることを特徴とする請求項4に記載の鍵管理機システム。
【請求項6】
前記鍵管理機は、利用者がログインするためのログイン手段を備え、
前記イベントの対応に必要な鍵以外の鍵を持ち出そうとする担当者または管理者がログインした場合には、前記イベントの対応に必要な鍵の持ち出しに係る前記出力手段による指示出力および前記ロック制御手段によるロック機構の制御を規制することで前記イベントの対応に必要な鍵以外の鍵の持ち出しを許容し、
前記イベントの対応に必要な鍵以外の鍵を持ち出そうとする担当者または管理者がログアウトした場合には、前記イベントの対応に必要な鍵の持ち出しに係る前記出力手段による指示出力および前記ロック制御手段によるロック機構の制御の規制を解除することを特徴とする請求項4に記載の鍵管理機システム。
【請求項7】
前記イベントの対応に必要な鍵の保管場所情報を、前記鍵の持ち出し担当者がアクセス権を所有する特定の情報端末、もしくは、前記管理者がアクセス権を所有する特定の情報端末に出力する第2の出力手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の鍵管理機システム。
【請求項8】
前記現金処理機は、前記イベントの対応に必要な鍵を使用して前記イベントの対応処置が完了した際には、その完了したことを鍵処置完了信号として前記鍵管理機へ出力し、
前記鍵管理機は、前記鍵処置完了信号の入力から所定の時間が経過しても、持ち出した前記鍵が元の保管場所に返却されない場合に、前記第2の出力手段により、前記鍵の持ち出し担当者がアクセス権を所有する情報端末、もしくは前記管理者がアクセス権を所有する情報端末へ、前記鍵の鍵返却要求信号の送信を行うことを特徴とする請求項7に記載の鍵管理機システム。
【請求項9】
前記鍵管理機は、前記鍵持ち出し要求信号が入力されてから前記鍵処置完了信号が入力されるまでの時間情報を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の鍵管理機システム。
【請求項10】
前記鍵管理機は、イベントコードの入力を行う入力手段を備え、前記鍵持ち出し要求信号を認識していない状態で特定の前記イベントコードが入力された場合に、前記イベントコードに対応する鍵の持ち出しを許可することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の鍵管理機システム。
【請求項11】
前記現金処理機は、前記鍵持ち出し要求信号に加えて、前記現金処理機のイベント情報を出力する事を特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の鍵管理機システム。
【請求項12】
前記現金処理機は、前記イベントの対応に必要な鍵を用いて前記イベントの対応処置が開始された際には、その開始情報を鍵処置開始信号として前記鍵管理機へ出力し、
前記鍵管理機は、前記鍵が持ち出されてから所定の時間が経過しても前記鍵処置開始信号が認識されない場合に警告を行う警告手段を備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の鍵管理機システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−243055(P2009−243055A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87778(P2008−87778)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(500265501)ローレル精機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】