説明

長尺材の塗装装置、および長尺材の塗装方法

【課題】長尺材の外面に対し塗料を噴霧することにより、この長尺材の外面を塗装して製品を得る場合に、この製品の外面の全体に所望の塗装塗料の均一性が、より確実に得られるようにする。
【解決手段】長尺材の塗装装置は、長尺材2を水平姿勢に支持するワーク支持装置5と、長尺材2の外面に対し塗料6を噴霧する塗料噴霧装置7と、この塗料噴霧装置7を収容して支持すると共に、この塗料噴霧装置7による塗料6の噴霧対象となる長尺材2の長手方向での一部分2aを収容する塗装ブース8とを備える。長尺材2の長手方向で、この長尺材2と塗装ブース8とを相対移動可能にする。長尺材2の上面側に対しその上方から塗料噴霧装置7により塗料6を噴霧するようにする。長尺材2を、その長手方向に沿った軸心19回りに自転可能とする自転装置20を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧された塗料により、パイプ材などの長尺材の外面を全体的に塗装するようにした長尺材の塗装装置、および長尺材の塗装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記長尺材の塗装装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、上記塗装装置は、長尺材を水平姿勢に支持するワーク支持装置と、上記長尺材の外面に対し塗料を噴霧する塗料噴霧装置と、この塗料噴霧装置を収容して支持すると共に、この塗料噴霧装置による塗料の噴霧対象となる上記長尺材の長手方向での一部分を収容する塗装ブースとを備え、上記長尺材の長手方向で、この長尺材が上記塗装ブースに対し移動可能とされている。
【0003】
上記長尺材の塗装に際しては、まず、上記長尺材を上記のように移動させ、その一端部側から他端部側に向けて上記塗装ブースを通過させる。
【0004】
上記通過の当初から上記塗料噴霧装置により塗料を噴霧させる。すると、上記塗装ブース内における上記長尺材の一部分の外面に上記塗料による塗膜が形成される。そして、上記長尺材の上記移動と塗料噴霧装置による塗料の噴霧との続行により、上記長尺材の全体が上記塗装ブースを通過し終えたとき、上記長尺材の外面の全体が塗装されるようになっている。
【特許文献1】特開平7−47314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のように、長尺材の一部分の外面に対し塗料噴霧装置により塗料を全体的に噴霧して塗膜を形成するとき、上記長尺材の一部分の外面のうち、下面側に形成される塗膜の各部分には垂れが生じ易くなる。そして、この垂れが生じた場合には、塗装後の製品について、見栄えの基準となる塗装塗料の均一性(塗膜における塗面のなめらかさ、つやなど)が阻害される、という不都合を生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、長尺材の外面に対し塗料を噴霧することにより、この長尺材の外面を塗装して製品を得る場合に、この製品の外面の全体に所望の塗装塗料の均一性が、より確実に得られるようにすることである。
【0007】
請求項1の発明は、長尺材2を水平姿勢に支持するワーク支持装置5と、上記長尺材2の外面に対し塗料6を噴霧する塗料噴霧装置7と、この塗料噴霧装置7を収容して支持すると共に、この塗料噴霧装置7による塗料6の噴霧対象となる上記長尺材2の長手方向での一部分2aを収容する塗装ブース8とを備え、上記長尺材2の長手方向で、この長尺材2と塗装ブース8とを相対移動可能にした長尺材の塗装装置において、
上記長尺材2の上面側に対しその上方から上記塗料噴霧装置7により塗料6を噴霧するようにし、上記長尺材2を、その長手方向に沿った軸心19回りに自転可能とする自転装置20を設けたことを特徴とする長尺材の塗装装置である。
【0008】
請求項2の発明は、上記長尺材2をその長手方向に直交する横方向に複数本並設し、上記自転装置20により、上記各長尺材2をそれぞれ同時に自転させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の長尺材の塗装装置である。
【0009】
請求項3の発明は、水平姿勢とされ、長手方向の一部分2aが塗装ブース8に収容可能とされる長尺材2と、上記塗装ブース8に収容されて支持され、上記長尺材2の上記一部分2aの上面側に対しその上方から塗料6を噴霧する塗料噴霧装置7とを上記長手方向で相対移動させるようにし、上記長尺材2をこの長尺材2の長手方向に沿った軸心19回りに自転させるようにしたことを特徴とする長尺材の塗装方法である。
【0010】
請求項4の発明は、上記長尺材2をその長手方向に直交する横方向に複数本並設し、これら長尺材2をそれぞれ同時に自転させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の長尺材の塗装方法である。
【0011】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0012】
本発明による効果は、次の如くである。
【0013】
請求項1の発明は、長尺材を水平姿勢に支持するワーク支持装置と、上記長尺材の外面に対し塗料を噴霧する塗料噴霧装置と、この塗料噴霧装置を収容して支持すると共に、この塗料噴霧装置による塗料の噴霧対象となる上記長尺材の長手方向での一部分を収容する塗装ブースとを備え、上記長尺材の長手方向で、この長尺材と塗装ブースとを相対移動可能にした長尺材の塗装装置において、
上記長尺材の上面側に対しその上方から上記塗料噴霧装置により塗料を噴霧するようにし、上記長尺材を、その長手方向に沿った軸心回りに自転可能とする自転装置を設けている。
【0014】
このため、上記長尺材の塗装に際しては、まず、上記長尺材と塗装ブースとを相対移動させながら上記長尺材の上面側に対しその上方から塗料噴霧装置により塗料を噴霧し、上記長尺材の上面側の全体を塗装する。次に、この長尺材を上記自転装置により所望自転角だけ自転させ、これにより生じた長尺材の新たな上面側の全体を上記と同様にして塗装する。以上、上記動作を繰り返すことにより、上記長尺材の外面の全体が塗装される。
【0015】
即ち、上記長尺材の外面の全体の塗装は、この長尺材の上面側の塗装の繰り返しにより達成される。よって、長尺材の下面を塗装することに比べて、上記上面側の塗装によれば、これにより形成される塗膜の各部分に垂れが生じることは防止され、この塗装後の製品の外面の全体に所望の塗装塗料の均一性が、より確実に得られることとなる。
【0016】
請求項2の発明は、上記長尺材をその長手方向に直交する横方向に複数本並設し、上記自転装置により、上記各長尺材をそれぞれ同時に自転させるようにしている。
【0017】
このため、複数の長尺材の外面全体の塗装が迅速にでき、塗装の作業性が著しく向上する。
【0018】
請求項3の発明によれば、上記請求項1から生じる効果と同様の効果が生じる。
【0019】
請求項4の発明によれば、上記請求項2から生じる効果と同様の効果が生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の長尺材の塗装装置に関し、長尺材の外面に対し塗料を噴霧することにより、この長尺材の外面を塗装して製品を得る場合に、この製品の外面の全体に所望の塗装塗料の均一性が、より確実に得られるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0021】
即ち、長尺材の塗装装置は、長尺材を水平姿勢に支持するワーク支持装置と、上記長尺材の外面に対し塗料を噴霧する塗料噴霧装置と、この塗料噴霧装置を収容して支持すると共に、この塗料噴霧装置による塗料の噴霧対象となる上記長尺材の長手方向での一部分を収容する塗装ブースとを備えている。そして、上記長尺材の長手方向で、この長尺材と塗装ブースとが相対移動可能とされている。上記長尺材の上面側に対しその上方から上記塗料噴霧装置により塗料が噴霧され、上記長尺材を、その長手方向に沿った軸心回りに自転可能とする自転装置が設けられている。
【実施例】
【0022】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
【0023】
図1〜4において、符号1は、長尺材2の外面を塗装するための塗装装置である。また、矢印Frは、上記塗装のための作業面3に沿った水平な一方向である前方を示している。
【0024】
上記塗装装置1は、上記作業面3上に支持され、前後方向に延びる長尺材2を水平姿勢に支持するワーク支持装置5と、上記長尺材2の上面側に対しその上方から塗料6を噴霧する塗料噴霧装置7と、この塗料噴霧装置7を収容して支持すると共に、この塗料噴霧装置7による塗料6の噴霧対象となる上記長尺材2の長手方向の一部分2aのみを収容する塗装ブース8とを備えている。
【0025】
上記長尺材2は円形の金属製パイプである。上記各長尺材2は、上記ワーク支持装置5上に、上記長尺材2の長手方向に直交する横方向である左右に向かって複数本並設されている。上記各長尺材2は互いに同径、同長で、左右方向で、わずかの隙間をあけて互いに近接配置されている。
【0026】
上記ワーク支持装置5は、前後方向に列設される複数台(7台)の電動駆動式のローラコンベア11を備えている。これら各コンベア11は、上記作業面3上に設置される支持台12と、この支持台12上に配置され、軸心が左右に延びて、それぞれその軸心回りに回転可能となるよう上記支持台12に支持される複数本のローラ13と、これらローラ13を正、逆回転可能に駆動させる不図示の電動機とを備えている。
【0027】
上記ワーク支持装置5上である各ローラ13上に載置される長尺材2が、上記各ローラ13上を左右に自由に転動しないよう、例えば、上記各ローラ13には多数の浅い周溝が形成されている。上記各ローラ13を正、逆転駆動させることにより、上記ワーク支持装置5上の各長尺材2が前方、もしくは後方移動可能とされる。つまり、上記ワーク支持装置5の駆動により、上記各長尺材2は、上記塗装ブース8に対し前、後に相対移動可能とされている。
【0028】
上記塗料噴霧装置7は、上記ワーク支持装置5上の長尺材2の上方に配置され、左右に往復移動A可能となるよう上記塗装ブース8に支持される噴霧ノズル16を備えている。この噴霧ノズル16は、前後方向に複数(3つ)のノズル孔17を有し、これらノズル孔17を通し噴霧される塗料6を上記噴霧ノズル16の上流側に対し加圧して供給する不図示の液圧ポンプが設けられている。
【0029】
上記塗装ブース8は、上記各コンベア11のうち、前後方向で中央部のコンベア11をその外方から覆うよう設けられている。上記塗装ブース8内は排風機により負圧とされており、これにより、この塗装ブース8は、上記塗料噴霧装置7により噴霧された塗料6の一部が大気側に飛散することを防止する。
【0030】
全図において、上記ワーク支持装置5上の各長尺材2を、それぞれその長手方向に沿った軸心19回りに所望自転角θだけ同時に自転可能とさせる前後で複数(4つ)の自転装置20が設けられている。具体的には、上記ワーク支持装置5の前、後部の上方に、それぞれ前後一対の自転装置20,20が設けられている。これら各一対の自転装置20,20は、それぞれ互いに同期して、同じ動作をすることとされている。
【0031】
上記自転装置20は、作業面3に設置された架台などの静止側部材21に対し流体圧シリンダーなどの昇降装置22により昇降可能に支持されたベルトコンベア23を備えている。このベルトコンベア23は、上記コンベア11の上方で、左右に延びるコンベアフレーム24と、このコンベアフレーム24の長手方向の一端部に支持される正、逆転可能な電動式の駆動プーリ25と、上記コンベアフレーム24の他端部に支持される従動プーリ26と、これら両プーリ25,26に巻き掛けられるコンベアベルト27とを備えている。
【0032】
上記ベルトコンベア23を上昇させれば(図5中一点鎖線)、このベルトコンベア23は上記ワーク支持装置5上の各長尺材2から上方に離間する。一方、上記ベルトコンベア23を下降させれば、上記ベルトコンベア23のコンベアベルト27の下面が上記各長尺材2の上端面にそれぞれ圧接する(図3,5,6中実線)。そこで、上記駆動プーリ25の正転駆動により上記コンベアベルト27を正転駆動Bさせれば、これに上記各長尺材2が連動する。そして、これら各長尺材2が上記各ワーク支持装置5の各ローラ13上を左右方向での一方向に同時に正転転動Cする。一方、上記駆動プーリ25を逆転駆動させれば、上記と逆の作動により、上記各長尺材2を左右方向での逆方向に同時に逆転転動(Cと逆)可能である。
【0033】
上記コンベアベルト27の正転駆動B(もしくは逆転駆動)の駆動量は任意に制御可能であり、この制御による所望の駆動量に相当する分だけ、上記各長尺材2が正転転動C(もしくは逆転転動)する。また、この正転転動C(もしくは逆転転動)分だけ、上記各長尺材2はその軸心19回りにそれぞれ所望自転角θだけ自転する。
【0034】
次に、上記各長尺材2の塗装方法の一例につき、説明する。
【0035】
即ち、「第1工程」として、上記各自転装置20のベルトコンベア23を上昇させた状態において、まず、上記塗装ブース8よりも後方におけるワーク支持装置5の後部の各コンベア11上に複数本の長尺材2を載置する(図1,2中一点鎖線)。次に、ワーク支持装置5の各コンベア11を駆動させて、上記各長尺材2を塗装ブース8に対し前方に向かい相対移動させる。この相対移動により、上記各長尺材2をその一端部側2bから他端部側2cに向けて、上記塗装ブース8を通過させる(図1,2中実線)。
【0036】
上記通過の当初から上記塗料噴霧装置7の噴霧ノズル16を前記のように往復移動Aさせながら、その噴霧ノズル16により塗料6を噴霧させる。すると、上記塗装ブース8内における上記各長尺材2の一部分2aの上面側に上記塗料6による塗膜が形成される。そして、上記各長尺材2の上記相対移動と塗料噴霧装置7による塗料6の噴霧との続行により、上記各長尺材2の全体が上記塗装ブース8を通過し終えて、上記ワーク支持装置5の前部の各コンベア11上に達したとき、上記各長尺材2の上面側の全体が塗装される(図1,2中二点鎖線、図3〜6中実線)。これにより、上記「第1工程」が終わる。
【0037】
図3〜6において、次に、「第2工程」として、上記ワーク支持装置5の前部上方の一対の自転装置20,20の各ベルトコンベア23を下降させ、これら各ベルトコンベア23のコンベアベルト27の下面を上記各長尺材2の上端面にそれぞれ圧接させる(図3,5,6中実線)。そこで、上記コンベアベルト27を正転駆動Bさせ、各長尺材2を同時に正転転動Cさせる。この際、これら各長尺材2の所望自転角θを120°とする(図6中一点鎖線)。すると、上記各長尺材2の未塗装部分(塗装が不十分な部分含む)が新たに上面側とされる。そして、上記各ベルトコンベア23を上昇させ、各長尺材2から離間させる(図5中一点鎖線)。これにより、上記「第2工程」が終わる。
【0038】
次に、「第3工程」として、上記「第1工程」とは前後で逆の方法を実行することにより、上記各長尺材2の上記した新たな上面側の全体が塗装され、この塗装後は、上記各長尺材2は上記ワーク支持装置5の後部の各コンベア11上に達する。次に、「第4工程」として、上記「第2工程」のように、上記ワーク支持装置5の後部上方の一対の自転装置20,20の各ベルトコンベア23を下降させる。この際、上記各長尺材2の所望自転角θを当初からみて240°とする(図6中二点鎖線)。すると、上記各長尺材2の未塗装部分が更に新たに上面側とされる。次に、「第5工程」として、上記「第1工程」と同様の方法を実行することにより、上記各長尺材2の上記した更に新たな上面側の全体が塗装される。そして、上記「第1〜第5工程」の実行により、上記各長尺材2の外面の全体が塗装される。
【0039】
なお、以上は図示の例によるが、上記長尺材2は単数であってもよく、断面矩形のパイプや棒材であってもよい。また、長尺材2は断面L型、I型、H型などの型材であってもよく、この場合、軸心19は、断面内や断面近傍部に任意に定められる。また、上記ワーク支持装置5は台車であってもよい。また、上記ワーク支持装置5を作業面3上に固定し、上記ワーク支持装置5上の長尺材2に対し、上記塗装ブース8を前後に相対移動させてもよく、また、塗装ブース8を上記各長尺材2に対し左右に相対移動させてもよい。
【0040】
また、上記自転装置20による所望自転角θは90°や180°であってもよく任意に定められる。また、上記自転装置20は、上記ワーク支持装置5上の複数の長尺材2を個別にもしくは一体的に一旦少し持ち上げ、その位置で、その長尺材2の軸心19回りにこの長尺材2を自転させるものであってもよい。
【0041】
より具体的には、例えば、上記自転装置20が、上下一対のベルトコンベア23,23を備えることとし、これら両ベルトコンベア23,23の各コンベアベルト27が上記ワーク支持装置5上の複数の長尺材2を一体的に上下から挟むと共に少し持ち上げ可能とし、この位置で、上記各コンベアベルト27が互いに等速で逆転できるようにしてもよい。これによれば、上記各長尺材2は、その軸心19回りに自転するのみであって、左右に転動しない。このため、上記各長尺材2がワーク支持装置5上を左右方向に移動しない分、このワーク支持装置5の左右幅寸法を小さくできる。また、上記した自転装置20の両ベルトコンベア23,23のうち、いずれか一方を単なる棒材やパイプ材として、これを左右方向で移動不能となるよう上記静止側部材21に支持させてもよい。
【0042】
また、それぞれ複数の上記ワーク支持装置5と塗装ブース8とを前方に向かって繰り返し配設し、上記各ワーク支持装置5により長尺材2を前方にのみ移動させて、上記「第1〜第5工程」を順次実行させるようにしてもよい。
【0043】
上記構成によれば、長尺材2の上面側に対しその上方から上記塗料噴霧装置7により塗料6を噴霧するようにし、上記長尺材2を、その長手方向に沿った軸心19回りに所望自転角θだけ自転可能とする自転装置20を設けている。
【0044】
このため、上記長尺材2の塗装に際しては、要するに、まず、上記長尺材2と塗装ブース8とを相対移動させながら上記長尺材2の上面側に対しその上方から塗料噴霧装置7により塗料6を噴霧し、上記長尺材2の上面側の全体を塗装する。次に、この長尺材2を上記自転装置20により所望自転角θだけ自転させ、これにより生じた長尺材2の新たな上面側の全体を上記と同様にして塗装する。以上、上記動作を繰り返すことにより、上記長尺材2の外面の全体が塗装される。
【0045】
即ち、上記長尺材2の外面の全体の塗装は、この長尺材2の上面側の塗装の繰り返しにより達成される。よって、長尺材2の下面を塗装することに比べて、上記上面側の塗装によれば、これにより形成される塗膜の各部分に垂れが生じることは防止され、この塗装後の製品の外面の全体に所望の塗装塗料の均一性が、より確実に得られることとなる。
【0046】
また、前記したように、長尺材2をその長手方向に直交する横方向に複数本並設し、上記自転装置20により、上記各長尺材2をそれぞれ同時に自転させるようにしている。
【0047】
このため、複数の長尺材2の外面全体の塗装が迅速にでき、塗装の作業性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】塗装装置の全体側面図である。
【図2】塗装装置の全体平面図である。
【図3】作用を説明する図で、図1に相当する図である。
【図4】作用を説明する図で、図2に相当する図である。
【図5】図3のV−V線矢視断面図である。
【図6】作用を説明する図で、図5の一部に相当する図である。
【符号の説明】
【0049】
1 塗装装置
2 長尺材
2a 一部分
2b 一端部側
2c 他端部側
3 作業面
5 ワーク支持装置
6 塗料
7 塗料噴霧装置
8 塗装ブース
16 噴霧ノズル
17 ノズル孔
19 軸心
20 自転装置
21 静止側部材
22 昇降装置
23 ベルトコンベア
24 コンベアフレーム
25 駆動プーリ
26 従動プーリ
27 コンベアベルト
A 往復移動
B 正転駆動
C 正転転動
θ 所望自転角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺材を水平姿勢に支持するワーク支持装置と、上記長尺材の外面に対し塗料を噴霧する塗料噴霧装置と、この塗料噴霧装置を収容して支持すると共に、この塗料噴霧装置による塗料の噴霧対象となる上記長尺材の長手方向での一部分を収容する塗装ブースとを備え、上記長尺材の長手方向で、この長尺材と塗装ブースとを相対移動可能にした長尺材の塗装装置において、
上記長尺材の上面側に対しその上方から上記塗料噴霧装置により塗料を噴霧するようにし、上記長尺材を、その長手方向に沿った軸心回りに自転可能とする自転装置を設けたことを特徴とする長尺材の塗装装置。
【請求項2】
上記長尺材をその長手方向に直交する横方向に複数本並設し、上記自転装置により、上記各長尺材をそれぞれ同時に自転させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の長尺材の塗装装置。
【請求項3】
水平姿勢とされ、長手方向の一部分が塗装ブースに収容可能とされる長尺材と、上記塗装ブースに収容されて支持され、上記長尺材の上記一部分の上面側に対しその上方から塗料を噴霧する塗料噴霧装置とを上記長手方向で相対移動させるようにし、上記長尺材をこの長尺材の長手方向に沿った軸心回りに自転させるようにしたことを特徴とする長尺材の塗装方法。
【請求項4】
上記長尺材をその長手方向に直交する横方向に複数本並設し、これら長尺材をそれぞれ同時に自転させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の長尺材の塗装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−101256(P2009−101256A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273135(P2007−273135)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(507348780)日建産業株式会社 (1)
【出願人】(502266331)株式会社山口技研 (4)
【Fターム(参考)】