説明

長葱の切断処理機

【課題】長葱の太さや形状及び表面の汚れに影響されることなく、長葱の根部を精度よく切断することができる長葱の切断処理機を提供することを課題とする。
【解決手段】長葱の切断処理機1であって、長葱Nを切断する切断刃31を有する切断装置30と、長葱Nの切断面に紫外光を照射する照射装置40と、長葱Nの切断面で反射した反射光を検出する受光装置50と、切断刃31を移動させて切断位置を変更する切断位置変更装置60と、切断刃31の移動を制御する制御装置70とを備え、制御装置70は、反射光の濃淡を示す濃淡データを作成する濃淡データ作成手段71と、濃淡データを二値化処理して二値化データを作成する二値化データ作成手段72と、二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率に基づいて、切断刃31を長葱Nの茎部側に移動させる移動指示手段73とを備えていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長葱の根部を切断するための切断処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
長葱の根部を切断する切断処理機としては、処理対象の長葱の根部を切断する切断刃を有する切断装置と、この切断装置で切断された長葱の切断面に光を照射するとともに、その切断面で反射した反射光の光量を検出する反射センサと、切断刃を長葱の軸方向に移動させて切断位置を変更する切断位置変更装置と、この切断位置変更装置による切断刃の移動を制御する制御装置と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
長葱を切断したときに、根部が残っている場合には、その切断面に凹凸が生じるため、切断面で反射した反射光の光量が小さくなる。そして、長葱の根部が切断され、茎部が切断面に現れたときには、その切断面は略平面となり、切断面で反射した反射光の光量が大きくなる。そこで、前記した従来の切断処理機では、長葱の切断面で反射した反射光の光量が基準値よりも小さい場合には、反射光の光量が基準値に達するまで、切断刃を長葱の茎側に移動させて、長葱の根部を切断している。
【0004】
また、長葱の切断処理機の他の構成としては、葉側から長葱の軸方向に光を透過させ、根側の切断面から出光した光の光量を検出しているものがある。この構成では、根部よりも太い茎部の切断面から出光される光量を基準値として、切断刃の移動を制御している(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特許3498178号公報(段落0037〜0038、図4)
【特許文献2】特許3543304号公報(段落0048、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
長葱の切断面で反射した反射光の光量に基づいて、長葱の切断量を決定する切断処理機では、切断面が茎部に達したときの反射光の光量が、太い長葱では大きくなり、細い長葱では小さくなるため、長葱の切断を終了させるための基準値を設定するのが難しいという問題がある。
【0007】
また、長葱の軸方向に光を透過させ、切断面からの出光した光の光量に基づいて長葱の切断位置を決定する切断処理機では、長葱の表面が汚れていると光が透過し難くなるとともに、長葱が曲がっている場合には、長葱の途中で光が外部に漏れてしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、長葱の太さや形状及び表面の汚れに影響されることなく、長葱の根部を精度よく切断することができる長葱の切断処理機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、長葱の切断処理機であって、処理対象の長葱の根部を切断する切断刃を有する切断装置と、この切断装置で切断された長葱の切断面に紫外光を照射する照射装置と、長葱の切断面で反射した反射光を検出する受光装置と、切断刃を長葱の軸方向に移動させて切断位置を変更する切断位置変更装置と、切断位置変更装置による切断刃の移動を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、受光装置で検出された反射光の濃淡を示す濃淡データを作成する濃淡データ作成手段と、濃淡データを二値化処理して二値化データを作成する二値化データ作成手段と、二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率を求め、その比率が基準値よりも小さい場合には、切断刃を長葱の茎部側に移動させる移動指示手段と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
この構成では、紫外光を長葱の切断面に照射し、切断面で反射した反射光の濃淡を示す濃淡データを二値化処理することで、長葱の切断面を黒色部と白色部とに区分している。長葱の切断面における紫外光の反射率は、長葱の組織(硬さ、色、水分量等)に影響される。硬い根部の切断面では紫外光の反射率が低くなり、白くて柔らかい茎部では紫外光の反射率が高くなる。したがって、長葱の切断面で反射した反射光を二値化処理したときには、茎部の切断面では黒色部が多くなり、根部の切断面では白色部が多くなる。本発明では、長葱の切断面の二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率が、所定の基準値よりも小さい場合には、長葱の切断面が茎部に達していないと判断して、長葱の切断量を増やしている。
【0011】
このように、本発明では、紫外光を長葱の切断面に照射することで、長葱の切断面の二値化データを作成し、その二値化データにおける黒色部と白色部の比率に基づいて、長葱の切断量を決定しているため、長葱の太さに影響されることなく、長葱の根部を精度よく切断することができる。
また、長葱の軸方向に光を透過させる必要がないため、長葱が曲がっている場合や長葱の表面が汚れている場合であっても、長葱の根部を精度よく切断することができる。
【0012】
前記した長葱の切断処理機は、長葱の搬送装置を備えており、長葱の搬送方向において切断装置よりも下流側には、切断装置で切断された長葱の表面に圧縮空気を吹き付けて、長葱の表皮を剥ぎ取る皮剥ぎ装置が設けられているように構成することができる。
【0013】
この構成では、長葱の根部を精度よく切断した後に、連続して長葱の不要な表皮や汚れを除去することができるため、長葱の加工処理を効率よく行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の長葱の切断処理機では、紫外光を長葱の切断面に照射し、長葱の根部と茎部の組織(硬さ、色、水分量等)の違いによる反射率の変化に基づいて、長葱の切断量を決定しているため、長葱の太さや形状及び表面の汚れに影響されることなく、長葱の根部を精度よく切断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
長葱の切断処理機1は、図1に示すように、四本の脚部11・・・(図2参照)を有する枠体であるベース架台10と、このベース架台10の上面で複数のバケット21・・・を移動させる搬送装置20と、処理対象の長葱Nの根部を切断する切断刃31を有する切断装置30と、この切断装置30で切断された長葱Nの切断面に紫外光を照射する照射装置40と、長葱Nの切断面で反射した反射光を検出する受光装置50と、切断刃31を長葱Nの軸方向に移動させて切断位置を変更する切断位置変更装置60と、この切断位置変更装置60による切断刃31の移動を制御する制御装置70と、を備えている。
【0016】
搬送装置20は、図2に示すように、ベース架台10の上面で複数のバケット21・・・を搬送方向Xに移動させるものである。
バケット21は、軸断面がV字形状で上方が開口された容器であり、長手方向が搬送方向Xに直交してベース架台10の幅方向(図1の上下方向)に配置されている。一体のバケット21には一本の長葱Nが載置されるように構成されており、バケット21に載置された長葱Nは、図1に示すように、その両端部が搬送方向Xの両側にそれぞれ向けられ、バケット21の根側(図1の上側)から根部が突出し、バケット21の葉側(図1の下側)から葉部が突出した状態となる。
【0017】
搬送装置20では、軸方向がベース架台10の幅方向に配置された二本の回転軸22,23が、ベース架台10の搬送方向Xにおける上流側及び下流側にそれぞれ取り付けられている。各回転軸22,23の両端部は軸回りに回転自在な状態でベース架台10に取り付けられている。
上流側の回転軸22の両端部には、軸周りに歯面が形成された二体のスプロケット22a,22aが取り付けられ、下流側の回転軸23には、二体のスプロケット23a,23aが取り付けられている。
上流側と下流側で対峙する一対のスプロケット22a,23aには、無端チェーン24が掛け渡されており、ベース架台10の下流側に設けられた搬送用モータ(図示せず)によって、下流側の回転軸23を回転させることで、各無端チェーン24,24が図2の左回りに回転するように構成されている。
【0018】
各無端チェーン24,24の外周側には、図2に示すように、複数のバケット21・・・の下面が所定間隔ごとに取り付けられている。
そして、各無端チェーン24,24を図2の左回りに回転させたときには、各バケット21・・・は、ベース架台10の上面で上流側から下流側(搬送方向X)に向けて移動し、ベース架台10の下流側で回転軸23周りに折り返して、ベース架台10の内部で下流側から上流側に向けて移動する。その後、各バケット21・・・は、上流側で回転軸22周りに折り返して、再度ベース架台10の上面で上流側から下流側(搬送方向X)に向けて移動する。
【0019】
切断装置30は、図1に示すように、ベース架台10の下流側で長葱Nの根側となる位置に取り付けられている。この切断装置30は、図3及び図4に示すように、表面が長葱N側(図4の左側)に向けられた板状の基台32と、この基台32の背面に取り付けられ、基台32の表面側に突出した回転軸33aを有する駆動モータ33と、基台32の表面側で駆動モータ33の回転軸33aの先端部に固定された切断刃31と、を備えている。
【0020】
切断装置30では、バケット21(図1参照)に載置された長葱Nが切断刃31に対応する位置で停止すると、駆動モータ33の回転軸33aに連動して回転する弓状の切断刃31によって長葱Nの根部が切断される。
【0021】
駆動モータ33の回転軸33aにおいて、切断刃31と基台32との間となる位置には、円盤状のバックアッププレート34が回転自在に取り付けられている。バックアッププレート34は、切断刃31の最大回転半径と略同じ外径となっている。また、バックアッププレート34の下端部には、バケット21(図2参照)に載置された長葱Nの切断面を基台32側から臨むことができるように切り欠き部32aが形成されている。
【0022】
ベース架台10において、切断装置30に対応する位置には、長葱Nの根側をバケット21に押さえ付ける押さえ部材(図示せず)が設けられている。押さえ部材は、例えば、軸断面が逆V字形状で下方が開口され、バケット21に対して昇降自在な板状部材であり、逆V字形状の溝部内に長葱Nの根側が入り込むようにして、長葱Nの上方から下降することで、長葱Nの根側をバケット21に押さえ付けることができる。このような押さえ部材を設けることで、長葱Nの根部が切断される際に、バケット21上で長葱Nを安定させることができる。
なお、押さえ部材としては、外周面がスポンジ状のベルトをバケット21の上方に配置し、このベルトをバケット21の移動に連動して回転させることで、ベルトの外周面によって長葱Nの根側をバケット21に押し付けてもよい。また、スポンジ状のローラによって長葱Nの根側をバケット21に押し付けてもよく、押さえ部材の構成は限定されるものではない。
【0023】
照射装置40は、図4に示すように、切断装置30で切断された長葱Nの切断面に紫外光を照射するものであり、後記する受光装置50のカメラ部51の外周に取り付けられている。この照射装置40から出光された紫外光は、バックアッププレート34の切り欠き部32aを通じて、長葱Nの切断面に照射され、切断面に対して垂直に反射する。
【0024】
受光装置50は、図4に示すように、長葱Nの切断面で反射した反射光を検出するCCD(Charge Coupled Device)カメラであるカメラ部51と、このカメラ部51を所定の高さに支持する支持台52と、を備えている。
カメラ部51は、長葱Nの切断面で反射した反射光が入光するレンズ部51aを備えており、このレンズ部51aには紫外線のみを通過させるフィルタが取り付けられている。したがって、カメラ部51では、長葱Nの切断面に照射された紫外光による反射光のみを検出する。なお、本実施形態では、レンズ部51aにフィルタを取り付けているが、紫外線領域の感度を有するカメラを用いた場合には、レンズ部51aにフィルタを取り付ける必要がない。
【0025】
なお、カメラ部51では、長葱Nの切断面で反射した反射光がバックアッププレート34の切り欠き部32aを通じて、レンズ部51aに入光されるように構成されている。したがって、長葱Nを切断刃31で切断したときに飛散する切り屑が、バックアッププレート34に遮られてカメラ部51側に飛散し難くなっているため、長葱Nの切り屑がレンズ部51aに付着するのを防ぐことができる。
【0026】
切断位置変更装置60は、図4に示すように、先端部が基台32の下端部に取り付けられたロッド61と、このロッド61を長葱Nの軸方向Yに出入させる本体部62と、を備えているシリンダである。切断位置変更装置60では、ロッド61を本体部62に対して出入させることで、基台32を長葱Nの軸方向Yに向けて進退させることができる。これにより、基台32に支持された切断刃31も軸方向Yに向けて進退するため、長葱Nの切断位置を変更することができる。
【0027】
制御装置70は、図1に示すように、切断位置変更装置60による切断刃31の移動を制御するものであり、CPU、RAM、ROM、ディスプレイなどを備えているコンピュータであり、制御装置70の各手段は、ROMなどに記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される。
【0028】
制御装置70は、図5に示すように、受光装置50で検出された反射光の濃淡を示す濃淡データを作成する濃淡データ作成手段71と、濃淡データを二値化処理して二値化データを作成する二値化データ作成手段72と、二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率を求め、その比率が基準値よりも小さい場合には、切断刃31を長葱Nの茎部側に移動させる移動指示手段73と、を備えている。
【0029】
濃淡データ作成手段71では、白から黒まで所定の階調を用いて画像の明暗を示すグレースケールによって、受光装置50で検出された反射光の濃淡データを作成する。この濃淡データは、図6(a)及び(b)に示すように、長葱Nの切断面の濃淡をモノクロで示している。なお、本実施形態の濃淡データ作成手段71では、長葱Nの切断面を含む最小の領域を設定し、その領域を長葱Nの切断面として処理している。
【0030】
二値化データ作成手段72では、濃淡データ作成手段71で作成された濃淡データを二値化処理して二値化データを作成する。この二値化データでは、濃淡データにおいて所定の明るさよりも暗い(弱い)部分を黒色部で表し、所定の明るさよりも明るい(強い)部分を白色部で表している。このように、長葱Nの切断面で反射した反射光の濃淡を示す濃淡データを二値化処理することで、図6(a)及び(b)に示すように、長葱Nの切断面を黒色部と白色部とに区分した二値化データが作成される。
【0031】
なお、長葱Nの切断面における紫外光の反射率は、長葱Nの組織(硬さ、色、水分量等)に影響される。そして、硬い根部の切断面では紫外光の反射率が低くなり、白くて柔らかい茎部では紫外光の反射率が高くなる。したがって、長葱Nの切断面で反射した反射光を二値化処理したときには、茎部の切断面では黒色部が多くなり、根部の切断面では白色部が多くなる。
【0032】
移動指示手段73では、二値化データ作成手段72で作成された二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率を求め、その比率が基準値よりも小さい場合には、図4に示す切断位置変更装置60のロッド61を伸長させ、切断刃31を長葱Nの茎側に移動させて、長葱Nの切断量を増やす。なお、移動指示手段73では、長葱Nの茎部の切断面の二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率を基準値に設定している。
【0033】
移動指示手段73では、切断刃31が予め設定された移動量まで長葱Nの茎側に移動すると、切断刃31の茎側への移動を一旦停止する。また、移動指示手段73では、長葱Nの切断量を増やした状態の切断面で作成された二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率を求め、その比率が基準値よりも小さい場合には、切断刃31の茎側への移動を繰り返す。そして、二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率が基準値に達した場合には、切断刃31の茎側への移動を終了する。
【0034】
次に、本実施形態の長葱の切断処理機1を用いた長葱の切断処理について説明する。
まず、作業者は、図1及び図2に示すベース架台10の上面に配置された最上流のバケット21に長葱Nを載置し、操作スイッチ(図示せず)を操作して各バケット21・・・を下流側に一区間移動させる。同様にして、順次に最上流のバケット21に長葱Nを載置し、各バケット21・・・を下流側に移動させる。
バケット21に載置されて搬送方向Xに移動した長葱Nが切断装置30に達すると、回転する切断刃31によって長葱Nの根部が切断される。
【0035】
切断された長葱Nの切断面には、図4に示すように、照射装置40から紫外光が照射され、長葱Nの切断面で反射した反射光は、受光装置50のカメラ部51で検出される。
【0036】
制御装置70の濃淡データ作成手段71では、受光装置50で検出された反射光に基づいて、反射光の明るさの強弱を示す濃淡データを作成する。さらに、二値化データ作成手段72では、濃淡データを二値化処理することで、長葱Nの切断面を黒色部と白色部とに区分した二値化データを作成する。
このとき、長葱Nの切断面が茎部に達しておらず、根部の切断面の二値化データでは、図6(a)に示すように、切断面における紫外光の反射率が低いため、二値化データの黒色部が多くなり、移動指示手段73では二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率が基準値よりも小さいと判断される。そして、移動指示手段73では、図4に示す切断位置変更装置60のロッド61を伸長させ、切断刃31を長葱Nの茎側に移動させて、長葱Nの切断量を増やす。
移動指示手段73では、長葱Nの切断面の二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率が基準値に達するまで、切断刃31の茎側への移動を繰り返す。
【0037】
長葱Nの切断面が茎部に達した場合には、図6(b)に示すように、茎部の切断面の二値化データの白色部が多くなり、移動指示手段73では二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率が基準値に達したと判断される。そして、制御装置70では、長葱Nが載置された各バケット21を下流側に移動させて、切断刃31による長葱Nの切断を終了する。
【0038】
本実施形態の長葱の切断処理機1によれば、紫外光を長葱Nの切断面に照射することで、長葱の切断面の二値化データを作成し、その二値化データにおける黒色部と白色部の比率に基づいて、長葱Nの切断量を決定しているため、長葱Nの太さに影響されることなく、長葱Nの根部を精度よく切断することができる。
また、長葱Nの軸方向に光を透過させる必要がないため、長葱Nが曲がっている場合や長葱Nの表面が汚れている場合であっても、長葱Nの根部を精度よく切断することができる。
すなわち、本実施形態の長葱の切断処理機1では、紫外光を長葱Nの切断面に照射し、長葱Nの根部と茎部の組織(硬さ、色、水分量等)の違いによる反射率の変化に基づいて、長葱Nの切断量を決定しているため、長葱Nの太さや形状及び表面の汚れに影響されることなく、長葱Nの根部を精度よく切断することができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。例えば、長葱Nの搬送方向において、図1に示す切断装置30よりも下流側に、切断装置30で切断された長葱Nの表面に圧縮空気を吹き付けて、長葱Nの表皮を剥ぎ取る皮剥ぎ装置を設けることもできる。この構成では、長葱Nの根部を精度よく切断して除去した後に、連続して長葱Nから古い皮や汚れを除去することができるため、長葱Nの加工処理を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態の長葱の切断処理機を示した平面図である。
【図2】本実施形態の長葱の切断処理機を示した側面図である。
【図3】本実施形態の長葱の切断処理機における切断装置を長葱側から見た図である。
【図4】本実施形態の長葱の切断処理機における切断装置を示した断面図である。
【図5】本実施形態の長葱の切断処理機における制御装置を示した構成図である。
【図6】本実施形態の長葱の切断処理機における制御装置で作成された濃淡データ及び二値化データを示した図で、(a)は長葱の根部の切断面における各データ、(b)は長葱の茎部の切断面における各データである。
【符号の説明】
【0041】
1 切断処理機
10 ベース架台
20 搬送装置
21 バケット
30 切断装置
31 切断刃
40 照射装置
50 受光装置
51 カメラ部
60 切断位置変更装置
70 制御装置
71 濃淡データ作成手段
72 二値化データ作成手段
73 移動指示手段
N 長葱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の長葱の根部を切断する切断刃を有する切断装置と、
前記切断装置で切断された前記長葱の切断面に紫外光を照射する照射装置と、
前記長葱の切断面で反射した反射光を検出する受光装置と、
前記切断刃を前記長葱の軸方向に移動させて切断位置を変更する切断位置変更装置と、
前記切断位置変更装置による前記切断刃の移動を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記受光装置で検出された前記反射光の濃淡を示す濃淡データを作成する濃淡データ作成手段と、
前記濃淡データを二値化処理して二値化データを作成する二値化データ作成手段と、
前記二値化データにおける黒色部に対する白色部の比率を求め、その比率が基準値よりも小さい場合には、前記切断刃を前記長葱の茎部側に移動させる移動指示手段と、
を備えていることを特徴とする長葱の切断処理機。
【請求項2】
前記長葱の切断処理機は、前記長葱の搬送装置を備えており、
前記長葱の搬送方向において前記切断装置よりも下流側には、前記切断装置で切断された前記長葱の表面に圧縮空気を吹き付けて、前記長葱の表皮を剥ぎ取る皮剥ぎ装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の長葱の切断処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−125819(P2009−125819A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299729(P2007−299729)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000188940)株式会社マツモト (11)
【Fターム(参考)】