説明

開閉扉ロック装置

【課題】電子機器の防水機構において、完全にロックがされていないにもかかわらず、ロックされたと誤認識することがある。
【解決手段】本発明の開閉扉ロック装置は、筐体の開口部を開閉自在に閉塞する開閉扉10を有する開閉扉ロック装置であって、開閉扉10は、開口部を閉塞可能な扉本体と、筐体の一部と係合可能であって、筐体の一部と係合することにより扉本体を閉塞状態に保持するロック部材13と、ロック部材13と連動し、ロック部材13をロック状態と非ロック状態との間で切替可能であり、一端が扉本体に回転可能に支持されるレバー11と、を備え、扉本体は、ロック部材13が完全にロック状態である場合にレバー11が扉本体の表面に沿って収められる収納部24と、この収納部24よりも外側に突出して、ロック部材11が不完全なロック状態である場合に、レバー11に当接する突起部12とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中等で使用可能なビデオカメラ等の電子機器に用いられる開閉扉ロック装置に関するものであり、特に水中で使用する際に、開閉扉が完全にロックされた状態であるか否かを判別可能な開閉扉ロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ等の電子機器において、水中での使用が可能なものがある。この種のビデオカメラ等の電子機器では、SDメモリカード等の記録媒体や電池等を収納したり、各種の電気端子を接続したりするために、開閉扉を有するものがある。また、このようなビデオカメラ等の電子機器において、水中での使用時に水が内部に浸入することがないよう、開閉扉を閉めた後に、開閉扉をロックする機構を有するものがある。
【0003】
特許文献1には、電池やメモリカード等の複数のアクセサリを電子機器内部の収納部に収納可能であり、収納部を防水可能に閉塞する一つの防水フタを有し、複数のアクセサリ収納部を一つの防水フタで防水可能に閉塞する電子機器の防水機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−21979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の電子機器の防水機構は、防水フタを閉じてロックレバーを回すことにより、このロックレバーと結合されたロックプレートが共に回転し、防水フタをロックする構造である。ロックレバーを十分に回しておらず、ロックが不完全な状態で使用すると、電子機器の防水性を保つことができず、故障の原因となる。しかしながら、ユーザはロックレバーを操作する際に、ロックがなされたか否かを判断することができず、完全にはロックがされていないにも関わらず、ロックされたと誤認識することがあるという課題があった。この場合には、ロックが不完全である状態で電子機器を使用して、収納部等に浸水し、電子機器が損傷するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するもので、ロックが完全になされたか否かを容易に判断することができる電子機器の防水機構を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、筐体の開口部を開閉自在に閉塞する開閉扉を有する開閉扉ロック装置であって、前記開閉扉は、前記開口部を閉塞可能な扉本体と、前記筐体の一部と係合可能であり、前記筐体の一部と係合することにより前記扉本体を閉塞状態に保持するロック部材と、前記ロック部材と連動し、前記ロック部材をロック状態と非ロック状態との間で切替可能であり、一端が前記扉本体に回転可能に支持されるレバーと、を備え、前記扉本体は、前記ロック部材が完全にロック状態である場合に前記レバーが収められる収納部と、この収納部よりも外側に突出して、前記ロック部材が不完全なロック状態である場合に、前記レバーに当接する突起部とを備える。
【0008】
この構成によれば、前記ロック部材が完全にロック状態である場合には、前記レバーが前記扉本体の表面に沿う収納部に収められる。一方、前記ロック部材のロック状態が不完全である場合には、前記扉本体の突起部に、前記ロック部材と連動するレバーが当接し、収納部に収められた姿勢とは異なる姿勢となる。したがって、ユーザは、レバーの姿勢を視認することで、ロックが完全であるか否かを認識することができる。
【0009】
また、本発明の突起部は、前記扉本体における前記収納部の周囲に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の扉本体は、前記レバーを前記収納部に収納した状態で前記レバーの背面に位置し、前記レバーを引き出した状態で外部から視認可能な、前記レバーの操作方向を示す操作表示部を、さらに備える、ことを特徴とする。
【0010】
この構成により、レバーを操作するために引き出した際に、必要なタイミングでレバーの操作方向が操作表示部により案内されるため、ユーザは、ロック時やロック解除操作じなどの必要なときにレバーの回動方向を容易に認識することができて、使い勝手がよい。また、レバーを操作する必要のないときには、不要な操作表示部の表示内容が見えず、外観上に現れないため、開閉扉ロック装置が設けられる電子機器等の外観を損なうことがない。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電子機器は、上記の構成によって、レバーの収納状態によりロックがされたか否かを認識することができるので、ロックが不完全である状態で開閉扉ロック装置が設けられる電子機器を使用して電子機器が損傷することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態におけるビデオカメラの全体斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における開閉扉の外観を示す正面図
【図3】本発明の一実施の形態における開閉扉を開放した状態の外観を示す斜視図
【図4】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の一実施の形態における開閉扉の開閉操作に伴う形状の変化を示す図で、図4(a)はレバーが前記収納部に収納された状態の図、図4(b)はレバーが引き起こされた状態の図、図4(c)はレバーをオープン方向に回動した状態の図
【図5】本発明の一実施の形態における非ロック状態の開閉扉の外観を示す図
【図6】本発明の一実施の形態における開閉扉を構成する部材を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係る開閉扉ロック装置を、電子機器の1例としてのビデオカメラに適用した場合について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係るビデオカメラ1の全体斜視図、図2はビデオカメラに設けられた開閉扉の外観を示す側面図である。なお、以下の説明において、前方とはビデオカメラ1のユーザが、ビデオカメラ1を持って撮像対象物に向けて構えた際に、撮像対象物に近い側を指す。また、ビデオカメラ1の左右方向は、ユーザの左右方向と同方向であるとして説明する。
【0014】
図1、図2に示すように、ビデオカメラ1は、その前面部に撮像レンズ2が配設されている。また、ビデオカメラ1の本体部分には撮像素子や記録媒体等(図示せず)が内蔵されており、撮像情報を記録再生可能に構成されている。ビデオカメラ1の左側面部には、液晶モニター(図示せず)が開閉可能に配設されており、撮像画像や再生画像などを表示することができる。ビデオカメラ1は、このビデオカメラ1のユーザが各種操作を行うための録画ボタン3や、ズームレバー4が配設されており、これらの録画ボタン3やズームレバー4を用いて録画の開始/停止やズーム操作などを行うことができる。
【0015】
図1〜図3に示すように、ビデオカメラ1の右側面部には、このビデオカメラ1の筐体1aに形成された開口部1b(図3参照)を開閉自在に閉塞する開閉扉10が配設されている。ここで、図3は開閉扉を開放した状態のビデオカメラの外観を示す斜視図である。開閉扉10は、開口部1bから内部(ビデオカメラ1の本体部分)への水の浸入を防止するロック機構を有する。ユーザは、ビデオカメラ1を水中等で使用する際には、内部への浸水を防止するために、開閉扉10をロックした状態で撮影等を行う。図3に示すように、開閉扉10は、その下部に設けられた軸受部5でビデオカメラ1の筐体1aに組付けられた軸21(図4など参照)を介して開閉可能に支持されており、軸21を中心に右下方に回動して開放姿勢となることができる。ビデオカメラ1は、開閉扉10で開閉する開口部1bに臨む箇所に、外部装置に対してAV信号を入出力するAV端子6や、外部装置とUSB接続するためのUSB端子7や、ACアダプタを接続するためのACアダプタ端子8を備えている。これらの接続用の端子は、通常撮影時には使用されず、撮影終了後、通常の使用環境において、撮影画像信号などを外部機器と入出力する際等に接続されて用いられる。
【0016】
次に、図4〜図6などを参照しながら、ビデオカメラ1の筐体1aの開口部1bを開閉する開閉扉10について詳しく述べる。ここで、図4(a)〜(c)は、それぞれユーザの開閉操作に伴う開閉扉の形状の変化を示し、図5は非ロック状態の開閉扉の外観を示し、図6は開閉扉の分解斜視図を示す。
【0017】
図4〜図6に示すように、開閉扉10には、引き起こされた(引き出された)状態で回動可能なレバー11や、このレバー11の回動動作と連動するロック部材13などが配設されている。そして、ロックした状態では、図2の点線部や、図4(a)に示すように、ロック部材13に形成したロック突出部13aが突出し、ビデオカメラ1の開口部1bに臨むように窪んで筺体1aに設けられた係合部9と係合するよう構成されている。また、開閉扉10の外面には、レバー11の形状(この実施の形態では、レバー11の収納時における幅形状)に沿って囲む位置にて、外側に突出する突起部12が形成されており(この実施の形態1では半円部同士を直線でつないだような形状に形成されているがこれに限るものではない)、突起部12で囲まれた範囲(領域)は、レバー11が収められるレバー11の収納部24として用いられる。ここで、この実施の形態1においては、収納部24は、開閉扉10の表面に沿った形状とされている一方、前記突起部12は、レバー11の収納部24が設けられている面よりも外側に突出するように形成されている。なお、図4(a)は、レバー11が収納部24に収納された状態を、図4(b)は、レバー11が引き起こされた状態を示す。
【0018】
図6に示すように、開閉扉10は、レバー11と、軸22を介してレバー11を収納部24に収納された収納姿勢と外側に起立された引き起こし姿勢とにわたって回動自在に支持するレバー支持部材15と、開閉扉10の外面部分をなすとともにレバー支持部材15が挿入される孔部16bを有する開閉扉外面部材16と、レバー11の収納部24を囲むように形成された突起部12と、開閉扉外面部材16における収納部24をなす凹部16aに貼り付けられて、レバー11の回動操作方向などが記載されている操作表示部としての操作方法案内部材14と、レバー11を前記収納姿勢側あるいは前記引き起こし姿勢側に付勢するレバーバネ18と、前記ロック突出部13aを有し、開閉扉外面部材16の孔部16bを通してレバー支持部材15と固定されるロック部材13と、ロック部材13に組み付けられた補助部材23などに係合されて、レバー支持部材15およびロック部材13を、ロック部材13の位置が必ずロック位置あるいはオープン位置に選択保持されるよう、常にいずれかの方向に付勢しているトグルバネ19と、開閉扉前面部材16とともに開閉扉10を構成し、ロック部材13を含む部材を、開閉扉10の内部に収納する開閉扉内面部材17などを備えている。なお、開閉扉外面部材16と開閉扉内面部材17とにより、ビデオカメラ1の筐体1aの開口部1bを閉塞可能な扉本体が構成される。
【0019】
ここで、図2や図4(a)などに示すように、レバー11における収納時に外面となる面には、レバー11が引き起こし可能であることを示す「PULL」という文字が記載されている。また、操作方法案内部材14は、開閉扉10上であってレバー11の内側(背面)位置(より詳しくは、レバー11が前記収納部24に収納された状態での内側位置)に配設されている。図4(b)、(c)に示すように、操作方法案内部材14には、レバー11を起立させた際のレバー11の回動操作方向を案内する記載内容である「OPEN」および「LOCK」の文字とその各回動方向とが記載されている。しかし、これらの案内記載内容は、図4(a)などに示すようにレバー11が収納姿勢である場合には、レバー11の背面に隠れて、ユーザには見えない領域に記載されており、レバー11を引き出して引き起こし姿勢とした場合(図4(b)、(c)参照)や、レバー11が不完全な姿勢で収納されている場合(図5参照)にのみ前記案内記載内容(「OPEN」および「LOCK」の文字とその各回動方向)が視認できるようになっている。
【0020】
ユーザは、操作方法案内部材14の指示に沿って、レバー11をロック方向に回動することで開閉扉10をロック状態とすることができ、レバー11を開放(OPEN)方向に回動することで開閉扉10を開放することができる。
【0021】
また、図6に示しているレバーバネ18は、レバー11に形成された突部11aに当接する姿勢でレバー支持部材15に組付けられ、レバー11が前記収納姿勢寄りの位置では前記収納姿勢側に付勢し、レバー11が前記引き起こし姿勢寄りの位置では前記引き起こし姿勢側に付勢する。
【0022】
ロック部材13は、レバー11およびレバー支持部材15とともに回転し、ロック突出部13aは、ロック部材13の「LOCK」側方向への回転とともに、開閉扉前面部材16の上部から突出する。したがって、開閉扉10が完全に閉鎖されている状態で、レバー11が「LOCK」側方向へ完全に回転された場合にはロック突出部13aが、係合部9と係合して開閉扉10をロックする。
【0023】
開閉扉内面部材17は、金属部に弾性体(この弾性体は開閉扉10の接触面に当接する側に設けられている)を一体化させた部材で形成されており、開閉扉10のロック状態においては、AV端子6や、USB端子7や、ACアダプタ端子8を覆う範囲で開閉扉10の対向面と弾性的に当接し、これらの端子から内部へ水が浸入することを防止する。なお、図3に示すように、ビデオカメラ1の本体部(あるいは筐体1a)におけるAV端子6、USB端子7およびACアダプタ端子8が設けられている領域の周りに溝部30を形成するとともに、開閉扉10のロック状態において前記溝部30に嵌まり合うようなループ状の突状部を開閉扉内面部材17に形成して、防水性能を向上させることが好ましいが、これに限るものではない。
【0024】
開閉扉前面部材16を軸支する軸21にはオープンバネ20を外嵌させるとともに、オープンバネ20の一端を開閉扉10の軸受部5に係止させ、オープンバネ20の他端をビデオカメラ1の筐体1a側もしくは本体部側に係止させており、このオープンバネ20により開閉扉10を常に開く方向に付勢している。このため、もし開閉扉10がわずかに開いた状態でレバー11を倒したとしても、ロック突出部13aが係合部9に係合していない場合は開閉扉10が自動的に開くので、ロックされていないことがより確実にわかるよう図られている。さらに開閉扉10が自動的に開くことで、開放操作も容易になる。
【0025】
上記構成によれば、図2や図4(a)などに示すように、開閉扉10を閉じてロック状態にすると、操作方法案内部材14に記載された操作案内内容は、レバー11を収納した状態ではレバー11の背面に隠れ、ビデオカメラ1の外観上に現れないため、ビデオカメラ1の外観を損なうことがない。
【0026】
また、図4(a)に示すようなロック状態にある開閉扉10をユーザが開放する場合には、ロック状態ではレバー11に記載された「PULL」の案内表示のみ視認できるので、ユーザは、まず、前記「PULL」の案内表示に従ってレバー11を引き起こす。レバー11を引き起こすことによって、図4(b)に示すように、レバー11の背面に隠れていた操作方法案内部材14の操作案内内容が視認可能となる。ユーザは、操作方法案内部材14の操作案内内容に従ってレバー11を開放(オープン)方向に回動させる。すると、図4(c)に示すように、レバー11がオープン方向に回動されることにより、係合部9と係合していたロック突出部13aが開閉扉10の内部に収納されて係合が解除されたロック解除状態となる。したがって、開閉扉10の開放が可能な状態となるので、オープンバネ20の付勢力により、開閉扉10が開けられる。
【0027】
このように、開閉扉10をユーザが開放する場合に、レバー11を引き出すことによって、図4(b)に示すように、レバー11の背面に隠れていた操作方法案内部材14の操作案内内容が視認可能となるので、ユーザは、ロック解除操作に必要なレバー11の回動方向を容易に認識することができる。このように、ユーザにとって必要な情報が、適切なタイミングで得られるため、使い勝手がよい。つまり、ユーザは、従来のように操作方法案内部材14が存在しない場合は、開放操作を行うにあたってレバー11を何れの方向に回動すべきか認識することができないのに対して、本実施の形態1では操作方法案内部材14が存在することで、開放操作に必要なレバー11の回動方向を容易に認識することができる。
【0028】
また、ユーザが開閉扉10を閉塞させてロック状態にしようとする際でも、図4(c)に示す開放状態から、ユーザが開閉扉10を単に閉じた状態では、図4(b)に示すように、操作方法案内部材14の操作案内内容(「LOCK」)が視認可能であるので、ユーザは、ロック操作に必要なレバー11の回動方向を容易に認識することができる。そして、ユーザが、操作方法案内部材14の操作案内内容に従ってレバー11をロック方向に回動させる。すると、図4(c)に示すように、レバー11がロック方向に回動されることにより、ロック突出部13aが係合部9と係合して開閉扉10をロックする。このように、ロック時においても、ユーザにとって必要な情報が、適切なタイミングで得られるため、使い勝手がよい。
【0029】
ただし、場合によっては、ユーザが、レバー11を回動して開閉扉10をロックする際に、完全なロック状態になるまでレバー11を回動せずにロック操作を終了することがある。図5は、この時の状態を示すものである。
【0030】
ユーザが、開閉扉10を完全なロック状態とせずにビデオカメラ1を水中で使用すると、ビデオカメラ1の内部へ水が浸入し、ビデオカメラ1の故障の原因となる。したがって、水中で使用する際には、開閉扉10を完全にロックする必要がある。このような必要性に対応すべく、本実施の形態1では、開閉扉10の外面には、レバー11の収納部24よりも外側に突出する突起部12が形成されているので、図5に示すように、レバー11を完全なロック状態まで回動せずに収納しようとすると、引き出したレバー11を倒した際に、レバー11は突起部12に当接して突起部12より外側に突出した姿勢となり、突起部12の内側の収納部24に収納されない。
【0031】
したがって、ユーザは、レバー11を倒した際の収納状態により、開閉扉10が完全にロックされた状態であるかどうかを認識することができる。すなわち、開閉扉10が完全なロック状態でレバー11が倒されると、レバー11が、突起部12の間の収納部24に良好に収納された姿勢となるので、この状態をユーザが視認することで、開閉扉10が完全にロックされた状態であることを認識できる。一方、開閉扉10が不完全なロック状態でレバー11が倒されると、レバー11が突起部12に当接して、レバー11の一部が突起部12より外側に突出した姿勢となるので、この状態をユーザが視認することで、開閉扉10のロック状態が不完全であることを容易に認識できる。
【0032】
さらに、レバー11が突起部12に当接し、突起部12の内側の収納部24に収納されないと、ユーザは、レバー11を突起部12の内側の収納部24に収納した場合には外観上見えない操作方法案内部材14を視認することができる。そのため、これによっても、ユーザは、開閉扉10が完全にロックされていないことを、より確実に認識することができる。
【0033】
したがって、この場合には、レバー11を完全なロック状態まで回動し直すことで、ビデオカメラ1を水中で使用する場合に、ビデオカメラ1の内部へ水が浸入することを確実に防止できる。これにより、ユーザは、開閉扉10が完全にロックされていないにも関わらず、水中で使用する状況を回避することができる。
(他の実施の形態)
以上により、本発明の実施の形態として、実施の形態1を説明した。しかし、本発明は、これには限定されない。そこで、本発明の他の実施の形態を本欄にまとめて説明する。
【0034】
本発明の実施の形態1では、レバー支持部材15の回動軸方向に対して直角な方向にレバー11を軸受し、これを回動にて引き起こす構成としたが、本発明はこれに限定されない。つまり、レバー11の形状に合わせた突起部12を収納部24の周囲に有し、開閉扉10が閉塞しながら、ロック突出部13aが係合部9と完全には係合しない状態(不完全なロック状態)においては、レバー11を収納不可能であれば他の構成でもよい。例えば、レバー支持部材15の回動軸方向に、レバー11全体が突起部12の高さを超えるまで外側にスライド移動し、回動する構成でも構わない。この場合でも、開閉扉10が閉塞しながら不完全なロック状態である場合には、レバー11が突出した姿勢となるので、この状態をユーザが視認することで、開閉扉10のロック状態が不完全であることを容易に認識できる。
【0035】
また、実施の形態1では、開閉扉10がビデオカメラ1の右側面後部に設けられている場合を説明したが、開閉扉の配設場所は、ビデオカメラ1の下面部や、左側面部、前面部など、どのような場所に設けられている場合でも適用できる。
【0036】
また、実施の形態1では、突起部が収納部の全周にわたって半円部同士を直線でつないだような形状に形成されている場合を述べたが、これに限るものではなく、例えば、レバー11が回動する範囲で、複数の点に形成するなどしてもよい。
【0037】
また、本実施の形態1では、開閉扉ロック装置をビデオカメラ1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、気密性を要する開閉扉ロック装置が求められる様々な電子機器に対しても適用できる。例えば水中で使用するデジタルスチルカメラや、ポータブルTV、携帯電話等にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の開閉扉ロック装置は、レバーの収納状態により、開閉扉がロックされたか否かをユーザが容易に認識することができ、水中で使用するビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどの電子機器に適用することができ、有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 ビデオカメラ
1a 筐体
1b 開口部
2 撮像レンズ
3 録画ボタン
4 ズームレバー
5 軸受部
6 AV端子
7 USB端子
8 ACアダプタ端子
9 係合部
10 開閉扉
11 レバー
12 突起部
13 ロック部材
14 操作方法案内部材
15 レバー支持部材
16 開閉扉外面部材
17 開閉扉内面部材
18 レバーバネ
19 トグルバネ
20 オープンバネ
24 収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の開口部を開閉自在に閉塞する開閉扉を有する開閉扉ロック装置であって、
前記開閉扉は、
前記開口部を閉塞可能な扉本体と、
前記筐体の一部と係合可能であり、前記筐体の一部と係合することにより前記扉本体を閉塞状態に保持するロック部材と、
前記ロック部材と連動し、前記ロック部材をロック状態と非ロック状態との間で切替可能であり、一端が前記扉本体に回転可能に支持されるレバーと、
を備え、
前記扉本体は、
前記ロック部材が完全にロック状態である場合に前記レバーが収められる収納部と、この収納部よりも外側に突出して、前記ロック部材が不完全なロック状態である場合に、前記レバーに当接する突起部とを備える
開閉扉ロック装置。
【請求項2】
前記突起部は、前記扉本体における前記収納部の周囲に形成されている請求項1記載の開閉扉ロック装置。
【請求項3】
前記扉本体は、
前記レバーを前記収納部に収納した状態で前記レバーの背面に位置し、前記レバーを引き出した状態で外部から視認可能な、前記レバーの操作方向を示す操作表示部を、
さらに備える、
請求項1または2に記載の開閉扉ロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−198003(P2010−198003A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11532(P2010−11532)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】