説明

関心領域内の動きをモニタリングする動きモニタリング・システム

本発明は、関心領域(2)内の動きをモニタリングする動きモニタリング・システム(1)に関する。動きモニタリング・システム(1)は、関心領域(2)のMIT検出データを取得するための磁気誘導断層撮影(MIT)検出データ収集ユニット(3)および収集されたMIT検出データに基づいて関心領域(2)内の動きを判別する動き判別ユニット(4)を有する。本発明はさらに、動きモニタリング・システム(1)を有する、関心領域を撮像する撮像システムに関する。判別された動きが、再構成された画像における動きアーチファクトを減らすために使われることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関心領域内の動きをモニタリングするための動きモニタリング・システム、方法およびコンピュータ・プログラムに関する。本発明はさらに、前記関心領域を撮像するための撮像システム、撮像方法および撮像コンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1の論文は、人間の心臓のMR画像を生成する磁気共鳴(MR: magnetic resonance)撮像システムを開示している。MR検出データが収集され、並行して、種々の心位相を判別するために心電図が測定される。MR画像は、心臓が同じ心位相にある間に収集されたMR検出データを使って再構成される。MR画像を再構成する際のこのような心位相の考慮は、再構成されるMR画像における動きアーチファクトを軽減する。
【0003】
MR検出データの収集前に、患者は、心電図を測定するための電極を与えられる必要がある。MR検出データが収集されたのち、電極は患者から取り外される必要がある。この電極を取り付け、取り外すことは時間がかかり、患者にとって心地よくないものとなりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Scott A.D., Keegan J., Firmin D.N., "Motion in cardiovascular MR imaging", Radiology, 2009年2月、250(2):331-51
【非特許文献2】Robert Merwa et al, "Solution of the inverse problem of magnetic induction tomography (MIT)", Physiological Measurement, 26(2005) S241-S250
【非特許文献3】Manke D., Nehrke K., B¨ornert P., R¨osch P., D¨ossel O., "Respiratory motion in coronary magnetic resonance angiography: a comparison of different motion models", Journal of Magnetic Resonance Imaging, 2002 Jun, 15(6): 661-71
【非特許文献4】Li T., Thorndyke B., Schreibmann E., Yang Y., Xing L., "Model-based image reconstruction for four-dimensional PET",, Med. Phys., 2006 May, 33(5): 1288-98
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
関心領域内の動きをモニタリングする動きモニタリング・システム、方法およびコンピュータ・プログラムであって、撮像すべきオブジェクトに接触することなく関心領域内の動きを検出することを許容し、検出された動きが関心領域の画像における動きアーチファクトを軽減するために使用できるものを提供することが本発明の目的である。関心領域を撮像するための対応する撮像システム、撮像方法および撮像コンピュータ・プログラムを提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の側面では、関心領域を撮像する撮像システムであって:
・関心領域のMIT検出データを取得するための磁気誘導断層撮影(MIT: magnetic induction tomography)検出データ収集ユニットおよび収集されたMIT検出データに基づいて関心領域内の動きを判別する動き判別ユニットを有する動きモニタリング・システムと;
・関心領域の画像を生成する撮像ユニットと;
・判別された動きに基づいて、関心領域の生成された画像中の動きアーチファクトを補正する動き補正ユニットとを有するシステムが提示される。
【0007】
MIT検出データ収集ユニットは、非侵襲的かつ非接触式にMIT検出データを収集することを許容する。交流磁場が関心領域に印加され、関心領域内の複素伝導率の変化が、関心領域内での渦電流および磁気双極子の誘導に起因する場の摂動を引き起こす。摂動は、MIT検出データ収集ユニットの電気的な受信要素における電圧変化を誘導し、誘導された電圧変化に基づいて前記MIT検出データが生成される。したがって、前記MIT検出データは、伝導率についての情報とともに、関心領域内の誘電率および透磁率の分布についての情報をも与える。関心領域内に動きが存在する場合、伝導率、誘電率および透磁率の分布も関心領域内を動く。したがって、前記MIT検出データは関心領域内の動きについての情報を含む。この動き情報は、動き判別ユニットによって前記MIT検出データから抽出される。モニタリングされる動き、すなわち抽出される動き情報は、MIT撮像モダリティまたはMR撮像システムもしくは核撮像システム、たとえば陽電子放出断層撮影(PET)撮像システムもしくは単一光子放出計算機断層撮影(SPECT)のシステムのような他の撮像モダリティによって生成される関心領域の画像中の動きアーチファクトを軽減するために使用できる。
【0008】
前記MIT検出データ収集ユニットは、MR、PETまたはSPECT撮像モダリティのような他の多くの撮像モダリティに比較的簡単に統合できる。すなわち、既存の撮像モダリティは、前記MIT検出データ収集ユニットを使う動きモニタリング・システムを統合するよう簡単に修正できる。
【0009】
モニタリングされる動きは、関心領域の画像の動きアーチファクトを軽減するために使用される必要はない。動きモニタリング・システムはまた、関心領域内の判別された動きを単に、ユーザーまたは撮像ユニットではない装置に提供するよう適応されることもできる。
【0010】
前記MIT検出データ収集ユニットは好ましくは、関心領域に交流磁場を印加するための送信コイルと、関心領域からMIT信号を受信するための電気的な受信要素である受信コイルとを有する。該受信は、関心領域内の場の摂動によって誘導される受信コイル内の電圧変化を測定することによる。MIT検出データは好ましくは、電圧変化に基づいて生成される。
【0011】
動き判別ユニットは、収集されたMIT検出データに基づいて直接的に、あるいは収集されたMIT検出データに基づいて間接的に、関心領域内の動きを判別するよう適応されることができる。間接法の場合、MIT検出データを処理して、関心領域内の動きを判別するために使われる中間データが生成される。中間データはたとえば、MIT検出データに基づいて再構成されたMIT画像である。
【0012】
動き判別ユニットが、収集されたMIT検出データから関心領域の時間的MIT画像を再構成するためのMIT再構成ユニットを有することがさらに好ましい。ここで、動き判別ユニットは、時間的MIT画像における追跡特徴(tracking feature)を判別し、時間的MIT画像における判別された追跡特徴に基づいて関心領域内の動きを判別するよう適応される。
【0013】
時間的MIT画像は好ましくは、関心領域のMIT画像の時系列を含む。
【0014】
追跡特徴は、好ましくは、時間的MIT画像中の最大インピーダンス・コントラストの目印〔ランドマーク〕である。モニタリングされる動きが、人間または動物の呼吸によって引き起こされる場合、追跡特徴は好ましくは横隔膜である。モニタリングされるべき動きが心臓の動きによって引き起こされる場合、追跡特徴は、心室または心室血液体積であることもできる。追跡特徴は、好ましくは当該人物に経口的に投与されたものであり、撮像されるべき対象の平均伝導率および/または平均誘電率より高いまたは低い伝導率および/または誘電率をもつ造影剤であることもできる。平均伝導率および/または平均誘電率は一般に知られている。たとえば、心臓は約0.7シーメンス/mの平均伝導率をもち、肺は0.3ないし0.5シーメンス/mの平均伝導率をもつ。造影剤は好ましくは0.1シーメンス/mより低いまたは2.0シーメンス/mより高い伝導率をもつ。心臓は約100の平均誘電率をもち、肺は35から80の間の平均誘電率をもつ。造影剤は20より低い誘電率をもつことができる。たとえば、油や水は造影剤として使用できる。好ましくは、造影剤はモニタリングされるべき対象の平均伝導率および/または平均誘電率の50%より低いまたは200%より高い伝導率および/または誘電率をもつ。好ましくは、追跡特徴の大きさ、形、位置および/または配向は、対象の動きを判別するために前記時間的画像中で検出される。具体的には、腸/胃の形および/または位置が追跡されることができ、あるいは心臓の形および/または大きさ、特に心室の形または心室血液体積の大きさでもよい。
【0015】
好ましくは、MIT検出データ収集ユニットは、逐次的な手順を実行するよう適応される。ここで、種々の測定が、関心領域のまわりに配置される種々の送信コイルを使って、順次実行される。再構成ユニットは、送信コイル使用の一サイクルの完了後にMIT画像を再構成するよう適応されることができる。すなわち、サイクル毎に実行できる。ここで、サイクルの完了するたびに、たった今完了したサイクルのMIT検出データが実際のMIT画像を再構成するために使われる。サイクルの測定を実行するために送信コイルがアドレッシングされるシーケンスは、送信コイルの配置に対応することができる。すなわち、第一の送信コイルがアドレッシングされたのち、隣接する送信コイルが第二の送信コイルとしてアドレッシングされる、などとなる。しかしながら、他のシーケンスを使うこともできる。たとえば、シーケンスは黄金分割によって与えられることができる。種々のサイクルについて再構成されたMIT画像はMIT画像の時系列、すなわち時間的MIT画像を形成する。しかしながら、MIT再構成ユニットが、関心領域の時間的画像を再構成するためにスライディング窓技法を使うよう適応されることが好ましい。最後に収集されたMIT検出データから、所望される品質をもって、つまりたとえば所望される空間解像度をもって画像を再構成するために必要とされるだけのMIT検出データが、実際のMIT画像を再構成するために使用される。これは、サイクル中における、すなわちサイクルが完了する前における、MIT画像のオンラインでの再構成を許容し、時間的画像の、よってモニタリングされる動きの時間的分解能を高める。
【0016】
動きモニタリング・システムは、好ましくは関心領域内に存在する、再構成されるべき対象の動きモデルを提供するための動きモデル提供ユニットを有することができる。動き判別ユニットは、好ましくは、動きモデルを時間的MIT画像に適応させるよう構成される。たとえば、動きモデルは、好ましくは、時間的MIT画像に含まれる対象の動きからの当該動きモデルの逸脱が最小にされるよう修正される。適応された動きモデルは、関心領域内の判別された動きと見なすことができる。
【0017】
動きモニタリング・システムが、判別された動きに基づいて関心領域の画像中の動きアーチファクトを補正する動き補正ユニットを有することがさらに好ましい。
【0018】
動き補正ユニットは、好ましくは、呼吸動きアーチファクト、胃腸動きアーチファクト、心臓動きアーチファクトおよび/または意図しない患者動きによって引き起こされる動きアーチファクトを補正するよう適応される。
【0019】
撮像ユニットが、関心領域内のある属性を示す検出データを収集するための検出データ収集ユニットを有することが好ましい。ここで、動き補正ユニットは、収集された検出データから画像を再構成し、画像を再構成している間に動きアーチファクトを補正するよう適応される。こうして、動き補正ユニットおよび撮像ユニットが統合でき、動き補正ユニットはモニタリングされた動きを受け取り、画像を再構成している間に受け取った動きを考慮する。これは、動き補正ユニットを有するコンパクトな撮像システムを許容できる。もう一つの実施形態では、撮像ユニットは、収集された検出データから関心領域の画像を再構成する再構成ユニットと、判別された動きに基づいて再構成された画像を補正するよう適応されることができる動き補正ユニットを有することができる。
【0020】
撮像ユニットは好ましくは磁気共鳴撮像ユニットである。
【0021】
他の実施形態では、撮像ユニットは、核撮像ユニット、たとえばPET撮像ユニットもしくはSPECT撮像ユニット、X線撮像ユニット、たとえばX線計算機断層撮影撮像ユニットもしくはX線Cアーム撮像ユニット、超音波撮像ユニットなどのような他の撮像モダリティであることもできる。
【0022】
ある実施形態では、MIT検出データ収集ユニットは、MIT検出データを収集するために、関心領域内の渦電流を誘起するMIT送信コイルと、誘起された渦電流に依存する電気信号がその中で誘起できるMIT受信コイルとを有する。ここで、撮像ユニットはMR送信コイルおよびMR受信コイルを有し、MIT送信コイルおよびMIT受信コイルはMR送信コイルおよびMR受信コイルから離される。
【0023】
別個のMRコイルおよびMITコイルを使うアプローチは、(a)MRコイルとMITコイルを結合分離〔デカップル〕するために最適であり、かつ(b)最適なMIT画像コントラストを与える周波数、すなわち、典型的なラーモア周波数より有意に低い周波数が選ばれることができるという利点をもつ。
【0024】
MIT検出データ収集ユニットおよび撮像ユニットは好ましくは統合される。これは、動きモニタリング・システムを含むコンパクトな撮像システムを提供することを許容する。さらに、これは、動きモニタリング・システムを既存の撮像ユニット中に統合するための、既存の撮像ユニットの比較的簡単な修正を許容できる。
【0025】
統合は、好ましくは、MIT検出データ収集ユニットおよび撮像ユニットの少なくともいくつかの要素は同一であるということを意味する。具体的には、MR撮像ユニットの送信コイルは、MIT検出データ収集ユニットの送信コイルとして使用できる。さらに、MIT撮像ユニットおよび第二の撮像ユニットは同じ信号検出チャネルを使うことができる。
【0026】
撮像システムは好ましくは、関心領域の第二の画像を生成するための第二の撮像ユニットを有する。
【0027】
たとえば、撮像システムは、PET‐MR撮像システム、核‐MR撮像システム、X線‐MR撮像システムなどのようなインライン・ハイブリッド撮像システムが、MIT検出データ収集ユニットをもつ動きモニタリング・システムと組み合わされたものである。
【0028】
第二の撮像ユニットが、関心領域内のある属性を示す第二の検出データを収集するための第二の検出データ収集ユニットを有することがさらに好ましい。ここで、動き補正ユニットは、第二の検出データから第二の画像を再構成し、第二の画像を再構成する間に動きアーチファクトを補正するよう適応される。
【0029】
「第二の」という用語は単に第二の検出データ収集ユニットおよび収集された第二の検出データが第二の撮像ユニットに属することを示すために使われている。
【0030】
動きモニタリング・システムは好ましくは、前記撮像ユニットに割り当てられる第一のMIT検出データを収集する第一のMIT検出データ収集ユニットと、前記第二の撮像ユニットに割り当てられる第二のMIT検出データを収集する第二のMIT検出データ収集ユニットとを有する。ここで、前記動き判別ユニットは好ましくは、収集された第一のMIT検出データに基づく、第一の撮像ユニットと見なすことのできる前記撮像ユニット内での動きと、収集された第二のMIT検出データに基づく前記第二の撮像ユニット内の動きとを判別するよう適応される。
【0031】
第一のMIT検出データ収集ユニットおよび第二のMIT検出データ収集ユニットは、同じ構造をもつよう適応されることができる。
【0032】
第二のMIT検出データ収集ユニットは好ましくは、MIT検出データを収集するためのMIT収集リングを有する。ここで、第二の検出データ収集ユニットは、第二の検出データを収集するための第二の収集リングを有し、MIT収集リングは第二の収集リングの内側または外側に配置される。
【0033】
たとえば、第二の撮像ユニットがPETまたはSPECT撮像ユニットである場合、該PETまたはSPECT撮像ユニットの第二の検出データ収集ユニットは、第二の検出データを収集するためのPETまたはSPECT収集リングを含むことができる。ここで、MIT収集リングは、PETまたはSPECT収集リングの内側または外側に配置される。
【0034】
本撮像システムが、前記第一の収集されたMIT検出データおよび第二の収集されたMIT検出データに基づいて、第一の画像と見なすことのできる前記画像と前記第二の画像を、互いに対して整列させるための整列ユニットを有することがさらに好ましい。
【0035】
MIT再構成ユニットは前記第一のMIT検出データからの第一のMIT画像および前記第二のMIT検出データからの第二のMIT画像を再構成するよう適応されることができる。前記整列ユニットは、たとえば前記第一の撮像ユニットの前記検出データ収集ユニットによって画定される収集幾何配位と前記第一のMIT検出データ収集ユニットによって画定される第一のMIT収集幾何配位との間の既知の関係に基づいて、前記第一の画像と前記第一のMIT画像との間の第一の空間的関係を判別し、たとえば前記第二の撮像ユニットの前記第二の検出データ収集ユニットによって画定される収集幾何配位と前記第二のMIT検出データ収集ユニットによって画定される第二のMIT収集幾何配位との間の既知の関係に基づいて、前記第二の画像と前記第二のMIT画像との間の第二の空間的関係を判別するよう適応されることができる。前記整列ユニットは好ましくは、前記第一のMIT画像および前記第二のMIT画像における同様の特徴を検出することによって前記第一のMIT画像および前記第二のMIT画像を互いに対して整列させ、整列された第一および第二のMIT画像および判別された第一および第二の空間的関係を使って、前記第一の画像および前記第二の画像を互いに対して整列させるよう適応される。
【0036】
撮像システムは、整列された第一の画像および第二の画像を重ねることによってオーバーレイ画像を生成するためのオーバーレイ・ユニットを有することができる。撮像システムは好ましくはさらに、上記の画像、第一の画像、第一のMIT画像、第二の画像、第二のMIT画像およびオーバーレイ画像のうちの少なくとも一つを表示するディスプレイ・ユニットを有する。
【0037】
ある実施形態では、前記動き判別ユニットは、前記第一のMIT検出データから再構成された第一の時間的MIT画像に関して動きモデルを適応させるよう構成される。その際、前記整列ユニットは、適応された動きモデルを第二のMIT画像と整列させるために、前記第一の時間的MIT画像と、前記第二のMIT検出データから再構成されるある第二の時間的MIT画像とを、互いに対して整列させるよう適応される。その際、再構成ユニットは好ましくは、整列された適応された動きモデルおよび前記第二の画像、すなわち整列された適応された動きモデルと再構成されるべき第二の画像との間の前記空間的関係に基づいて、第二の検出データから第二の画像を再構成するよう適応される。
【0038】
本発明のあるさらなる側面では、関心領域内の動きをモニタリングする動きモニタリング方法が提供される。本動きモニタリング方法は:
・MIT検出データ収集ユニットによって関心領域のMIT検出データを収集する段階と;
・動き検出ユニットによって、収集されたMIT検出データに基づいて関心領域内の動きを判別する段階とを含む。
【0039】
本発明のあるさらなる側面では、関心領域を撮像する撮像方法が提供される。本撮像方法は:
・請求項1記載のようにして関心領域内の動きをモニタリングする段階と;
・撮像ユニットによって関心領域の画像を生成する段階であって、関心領域の生成された画像における動きアーチファクトが、動き補正ユニットによって、判別された動きに基づいて補正される段階とを含む。
【0040】
本発明のあるさらなる側面では、関心領域内の動きをモニタリングするための動きモニタリング・コンピュータ・プログラムが提供される。前記動きモニタリング・コンピュータ・プログラムは、該コンピュータ・プログラムが請求項1記載の動きモニタリング・システムを制御するコンピュータ上で実行されたときに前記動きモニタリング・システムに請求項11記載の動きモニタリング方法の段階を実行させるプログラム・コード手段を含む。
【0041】
本発明のあるさらなる側面では、関心領域内を撮像するための撮像コンピュータ・プログラムが提供される。前記撮像コンピュータ・プログラムは、該コンピュータ・プログラムが請求項4記載の撮像システムを制御するコンピュータ上で実行されたときに前記撮像システムに請求項12記載の撮像方法の段階を実行させるプログラム・コード手段を含む。
【0042】
請求項1記載の動きモニタリング・システム、請求項4記載の撮像システム、請求項11記載の動きモニタリング方法、請求項12記載の撮像方法、請求項13記載の動きモニタリング・コンピュータ・プログラムおよび請求項14記載の撮像コンピュータ・プログラムが従属請求項に記載されるような同様のおよび/または同一の好ましい実施形態をもつことを理解しておくべきである。
【0043】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項と各独立請求項との任意の組み合わせであることもできることを理解しておくべきである。
【0044】
本発明のこれらおよびその他の側面は以下に記載する実施形態から明白となり、これを参照することで明快にされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】関心領域の動きをモニタリングする動きモニタリング・システムの表現を概略的かつ例示的に示す図である。
【図2】関心領域を撮像する撮像システムであって、MR撮像ユニットと、関心領域内の動きをモニタリングする動きモニタリング・システムとを有するシステムの表現を概略的かつ例示的に示す図である。
【図3】PET撮像ユニットと、関心領域内の動きをモニタリングするための動きモニタリング・システムとを有する、関心領域を撮像する撮像システムの表現を概略的かつ例示的に示す図である。
【図4】PET撮像ユニットと、関心領域内の動きをモニタリングするための動きモニタリング・システムとを有する、関心領域を撮像する撮像システムの表現を概略的かつ例示的に示す図である。
【図5】PET撮像ユニットと、関心領域内の動きをモニタリングするための動きモニタリング・システムとを有する、関心領域を撮像する撮像システムの表現を概略的かつ例示的に示す図である。
【図6】関心領域内の動きをモニタリングするための動きモニタリング・システムを有する、インライン・ハイブリッドMR‐PET撮像システムの表現を概略的かつ例示的に示す図である。
【図7】関心領域内の動きをモニタリングするための動きモニタリング方法のある実施形態を例解するフローチャートを例示的に示す図である。
【図8】関心領域内を撮像するための撮像方法のある実施形態を例解するフローチャートを例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、関心領域2内の動きをモニタリングするための動きモニタリング・システム1のある実施形態を概略的かつ例示的に示す。動きモニタリング・システム1は、関心領域2のMIT検出データを収集するためのMIT検出データ収集ユニット3と、収集されたMIT検出データに基づいて関心領域2内の動きを判別する動き判別ユニット4とを有する。
【0047】
MIT検出データ収集ユニット3は、関心領域2に交流磁場を印加するMIT送信コイル5と、関心領域2内の場の摂動によって誘起される受信コイル6内の電圧変化を測定することによって関心領域2からMIT信号を受信するMIT受信コイル6とを有する。MIT送信コイル5およびMIT受信コイル6は、MIT受信コイル6における電圧変化に基づいてMIT検出データを生成するMIT検出データ生成ユニット7によって制御される。
【0048】
MIT送信コイル5およびMIT受信コイル6は関心領域2を取り囲み、好ましくは、諸送信コイル5が順次作動されるよう制御される。ここで、あるMIT送信コイル5が作動される場合、諸MIT受信コイル6は関心領域2からのMIT信号を受信する。他の実施形態では、諸MIT送信コイル5および諸MIT受信コイル6は別の仕方で動作させることもできる。
【0049】
MIT検出データは、関心領域2の動きについての情報を含む。動き情報は、動き判別ユニット4によってMIT検出データから抽出される。
【0050】
動き判別ユニット4は、収集されたMIT検出データに基づいて直接的に、あるいは収集されたMIT検出データに基づいて間接的に、関心領域内の動きを判別するよう適応されることができる。間接法の場合、MIT検出データを処理して、関心領域内の動きを判別するために使われる中間データが生成される。
【0051】
この実施形態において、動き判別ユニット4は、収集されたMIT検出データから関心領域2の時間的MIT画像を再構成するためのMIT再構成ユニット8を有する。ここで、動き判別ユニット4は、時間的MIT画像における追跡特徴(tracking feature)を判別し、時間的MIT画像における判別された追跡特徴に基づいて関心領域2内の動きを判別するよう適応される。時間的MIT画像は、関心領域2のMIT画像の時系列を含む。
【0052】
MIT再構成ユニット8は、好ましくは、既知の再構成アルゴリズム、たとえばここに参照によって組み込まれる非特許文献2の論文で開示される再構成アルゴリズムを使うよう適応される。
【0053】
追跡特徴は、時間的MIT画像中の最大インピーダンス・コントラストの目印〔ランドマーク〕であることができる。この実施形態では、関心領域2は人9、特に患者の中に位置され、モニタリングされるべき動きは呼吸によって引き起こされる。したがって、追跡特徴は好ましくは、人9内の横隔膜位置である。関心領域は、人物全体または人物の断面のような人物の一部をカバーすることもできる。
【0054】
動き判別ユニット4は好ましくは、種々の時点に属する諸MIT画像内の追跡特徴の大きさ、形、位置および/または配向を検出し、すなわち時間的MIT画像において追跡特徴を検出し、種々の時点における追跡特徴の検出された大きさ、形、位置および/または配向に基づいて関心領域2内の動きを判別するよう適応される。
【0055】
動き判別ユニット4は、一つまたはいくつかの追跡特徴を使うことによって関心領域2内の動きを判別するよう適応されることができる。
【0056】
関心領域2内の動きを判別するために、動きモニタリング・システム1はさらに、再構成されるべき対象〔オブジェクト〕の、および判別されるべき動きの動きモデルを提供する動きモデル提供ユニット10を有する。動きモデルは、関心領域2内の対象の構造の動き、すなわち種々の時点における該対象の構造の大きさ、形、位置および/または配向を記述する。動きモデルはたとえば、肺、心臓または人の他の器官の動きモデルである。好ましくは、動きモデルは少なくとも、前記一つまたはいくつかの追跡特徴の動きを記述する。
【0057】
動き判別ユニット4は、前記動きモデルを時間的MIT画像に適応させるよう構成される。動きモデルは好ましくは、時間的MIT画像に含まれる対象の動きからの動きモデルの逸脱が最小化されるよう修正される。具体的には、動きモデルは、時間的MIT画像において同定された追跡特徴の動きが、適応された動きモデルによって記述される追跡特徴の動きに対応するよう、適応される。適応された動きモデルは、関心領域2内の判別された動きと見なすことができる。
【0058】
動きモデルは、胸郭または心臓のような対象の構造の動きを記述する。具体的には、動きモデルは、追跡される追跡特徴の動き、たとえば心室の形または心室血液体積の大きさの動きを記述する。ここに参照によって組み込まれる非特許文献3に開示される動きモデルのような、既知の動きモデルを使うことができる。
【0059】
先述したように、MIT検出データ収集ユニット3は、関心領域2のまわりに配置される異なる送信コイル5を使って異なる測定が所与のシーケンスで順次実行される逐次的な手順を実行するよう適応される。MIT再構成ユニット8は、送信コイル5使用の一サイクルの完了後にMIT画像を再構成するよう適応されることができる。すなわち、サイクル毎に実行できる。ここで、サイクルの完了のたびに、たった今完了したサイクルのMIT検出データが実際のMIT画像を再構成するために使われる。異なるサイクルについて再構成されたMIT画像はMIT画像の時系列、すなわち時間的MIT画像をなす。しかしながら、この実施形態では、MIT再構成ユニット8は、関心領域の時間的画像を再構成するためにスライディング窓技法を使うよう適応される。最後に収集されたMIT検出データから、所望される品質をもって、つまりたとえば所望される空間解像度をもってこの画像を再構成するために必要とされるだけのMIT検出データが、実際のMIT画像を再構成するために使用される。これは、サイクル中における、すなわちサイクルが完了する前における、MIT画像のオンラインでの再構成を許容し、時間的画像の、よってモニタリングされる動きの時間的分解能を高める。好ましくは、360°の範囲の作動された諸送信コイル5をカバーする最後のMIT検出データが、実際のMIT画像を再構成するために使われる。この目的に向け、種々のMIT送信コイルを作動させる順序は好ましくは黄金分割によって与えられる。それは、任意のデータ・サブセット・サイズについて等価な作動パターンを与える。
【0060】
モニタリングされる動き、すなわち抽出される動き情報は、MIT撮像モダリティまたはMR撮像システムもしくは核撮像システム、たとえばPET撮像システムもしくはSPECT撮像システムのような他のモダリティによって生成される関心領域の画像中の動きアーチファクトを軽減するために使用できる。
【0061】
この実施形態では、動きモニタリング・システム1はさらに、判別された動きに基づいて関心領域の画像中の動きアーチファクトを補正する動き補正ユニット11を有する。動き補正ユニット11は好ましくは呼吸動きアーチファクトを補正するよう適応される。しかしながら、動き補正ユニット11は、胃腸動きアーチファクトおよび/または心臓動きアーチファクトのような他の動きアーチファクトを補正するよう適応されることもできる。好ましい動き補正は下記でさらに説明する。
【0062】
動きモニタリング・システム1はさらに、操作者がたとえば動きモニタリング手順を開始できるようにするユーザー・インターフェース36を有する。ユーザー・インターフェース36はさらに、関心領域2内の判別された動きを表示するよう適応されることができる。
【0063】
動きモニタリング・システム1、特に、MIT検出データ収集ユニット3は、MR、PETまたはSPECT撮像モダリティのような他の多くの撮像モダリティに比較的簡単に統合できる。すなわち、既存の撮像モダリティは、前記MIT検出データ収集ユニットを使う動きモニタリング・システムを統合するよう簡単に修正できる。
【0064】
以下では、関心領域2を撮像するための撮像システム12について図2を参照しつつ概略的かつ例示的に述べる。図1および図2の同様の要素は同様の参照符号によって示されている。
【0065】
撮像システム12は動きモニタリング・システム1および関心領域2の画像を生成するための撮像ユニット13を有する。動きモニタリング・システム1の動き補正ユニットは、判別された動きに基づいて関心領域2の生成された画像中の動きアーチファクトを補正するよう適応される。
【0066】
撮像ユニット13は磁気共鳴撮像ユニットである。磁気共鳴撮像ユニット13は、関心領域2中にB0場を生成する主磁場磁石22を含む。勾配コイル24は、典型的には三つの直交軸に沿ってB0場を横切る傾斜磁場を誘起する。RFコイルであるMR送信コイル26はRFパルスを送信して、人9内の関心領域2内の共鳴を励起し、操作する。送信コイル26は任意的に、関心領域2からRF共鳴信号を受信もする。やはりRFコイルである受信コイル27は、共鳴信号を受信する。任意的に、受信コイル27も共鳴を誘起および操作することができる。MR検出データ生成ユニット107が勾配コイル24、送信コイル26および受信コイル27を、特にたとえば操作者または自動化されたシーケンス選択ユニットによって選択可能なMR撮像シーケンスに基づいて制御し、受信された共鳴信号に基づいてMR検出データを生成する。
【0067】
主磁場磁石22、勾配コイル24、送信コイル26、受信コイル27およびMR検出データ生成ユニット107は、MR検出データ収集ユニットの要素と見なすことができる。
【0068】
MIT検出データ収集ユニットおよびMR検出データ収集ユニット13は統合される。すなわち、この実施形態では、MR送信コイル26はMIT送信コイル5である。さらに、MR受信コイル27はMIT受信コイル6である。MR検出データ生成ユニット107は、MIT検出データ生成ユニット7を含み、MIT検出データおよびMR検出データの両方を生成するよう適応されている統合されたユニットである。
【0069】
他の実施形態では、MIT送信コイルおよびMIT受信コイルはMR送信コイルおよびMR受信コイルから分離されている。また、MIT検出データ生成ユニット7は、MR検出データ生成ユニット107から分離されることができる。別個のMRコイルおよびMITコイルを使用するアプローチは、(a)MRコイルとMITコイルを結合分離〔デカップル〕するために最適であり、かつ(b)最適なMIT画像コントラストを与える周波数、すなわち、典型的なラーモア周波数より有意に低い周波数が選ばれることができるという利点をもつ。
【0070】
動き判別ユニット4のMIT再構成ユニット8は、収集されたMIT検出データから時間的MIT画像を再構成し、動き判別ユニット4は、好ましくは図1を参照して上述したようにして、再構成された時間的MIT画像に基づいて関心領域2内の動きを判別する。
【0071】
動き補正ユニット11は、受信されたMR共鳴信号をMR画像に再構成するよう適応される。こうして、動き補正ユニット11に関しても、動きモニタリング・システムおよび撮像ユニットは好ましくは統合され、ここで、動き補正ユニット11が動き判別ユニット4からモニタリングされた動きを受信し、MR画像を再構成する際に受信された動きを考慮する。これは、動きモニタリング・システムを有するコンパクトな撮像システムを許容する。もう一つの実施形態では、撮像ユニットは、収集されたMR検出データから関心領域2のMR画像を再構成するための別個の再構成ユニットを有することができ、動き補正ユニット11は判別された動きに基づいて再構成されたMR画像を補正するよう適応されることができる。
【0072】
この実施形態では、関心領域2内のモニタリングされた動きは、呼吸の動きまたは心臓の動きのような周期的な動きである。動き補正ユニット11は好ましくは、再構成の際に、同じ動き位相に対応するMR検出データのみを考慮するよう適応される。この同じ動き位相は好ましくは、この動き位相において動き速度がゼロであるまたは他の動き位相におけるよりも有意に小さいよう選択される。たとえば、心臓を撮像する場合、拡張終期の心位相が選択される。これは、再構成されるMR画像における動きアーチファクトを軽減することを許容する。他の実施形態では、モニタリングされる動きは、MR画像を再構成する際に別の仕方で使用されることができる。たとえば、好適に指定された解剖学的目印がある幾何学的限界内にあるところの動き位相が選択される。幾何学的限界はたとえば横隔膜の上限および下限である。
【0073】
撮像システム12はさらに、たとえば操作者が実行すべき撮像シーケンス、再構成動作、画像フォーマットなどを選択できるようにするとともに、少なくとも再構成されたMR画像を表示するユーザー・インターフェース36を有する。
【0074】
撮像システム12は好ましくはさらに、再構成されたMIT画像および再構成されたMR画像を重ねるオーバーレイ・ユニット14を有する。ユーザー・インターフェース36は好ましくは、オーバーレイ画像を表示するようにも適応される。
【0075】
送信コイル5は、MR信号を送信および受信でき、MIT信号を送信できるよう適応されることができる。さらに、受信コイル6はMR信号およびMIT信号を関心領域2から受信するよう適応されることができる。もう一つの実施形態では、送信コイル5はMR信号を送信および受信し、MIT信号を送信および受信するよう適応されることができ、受信コイル6はMR信号を受信し、MIT信号を送信および受信するよう適応されることができる。
【0076】
図2を参照して上記した撮像システム12において、MR受信コイル27は好ましくは、MR撮像システム12の送信チャネルの適正な機能をモニタリングするためのピックアップ・コイルとして使われる。
【0077】
他の実施形態では、撮像ユニットは、核撮像ユニット、たとえばPET撮像ユニットもしくはSPECT撮像ユニット、X線撮像ユニット、たとえばX線計算機断層撮影撮像ユニットもしくはX線Cアーム撮像ユニット、超音波撮像ユニットなどのような他の撮像モダリティであることもできる。
【0078】
下記では、動きモニタリング・システムを有するPET撮像システムについて、図3を参照しつつ例示的かつ概略的に述べる。図1および図3において、同様の要素は同様の参照符号によって示される。
【0079】
撮像システム18は、動きモニタリング・システム201および関心領域2の画像を生成するための撮像ユニット19を有する。動きモニタリング・システム201の動き補正ユニット211が、判別された動きに基づいて関心領域2の生成された画像における動きアーチファクトを補正する。
【0080】
撮像ユニット19はPET撮像ユニットである。PET撮像ユニットは人9内の関心領域2が存在する検査ゾーンを取り巻く諸検出要素17を有する。検出要素17は、人9内に存在する陽電子を放出する放射性核種によって間接的に放出されるガンマ線の対を検出する。ガンマ線の対は、約180°の角度を隔てて反対側の検出要素17における同時の検出イベントによって定義される。PET検出データ収集ユニット15は、検出されたガンマ線の対に基づいてPET検出データを生成する。撮像システム18の動きモニタリング・システム201は、やはり関心領域2を取り巻くMIT受信および送信コイル216を有する。この実施形態では、MIT送信および受信コイル216はMIT信号を送信および受信するよう適応される。他の実施形態では、たとえば図1を参照して上記した送信および受信コイル5および6に対応する、別個のMIT送信および受信コイルが関心領域2のまわりに配置されることができる。
【0081】
動きモニタリング・システム201はさらに、MIT送信および受信コイル216において測定される電圧変化に基づいてMIT検出データを生成するためのMIT検出データ生成ユニット207を有する。動きモニタリング・システム201はさらに、再構成ユニット208を有する動き判別ユニット204および動きモデル提供ユニット210を有する。これらのユニットは、図1を参照して上記した動き判別ユニット4、再構成ユニット8および動きモデル提供ユニット10と同様である。
【0082】
撮像システム18はさらに動き補正ユニット211を有する。動き補正ユニット211は、動きモニタリング・システム201および撮像ユニット19の一部と見なすことができる。
【0083】
動き補正ユニット211は、収集されたPET検出データに基づいてPET画像を再構成する際に、関心領域2内の判別された動きを考慮するよう適応される。PET再構成方法は、好ましくは、最大尤度期待最大化(ML-EM: maximum-likelihood expectation-maximization)アルゴリズムに基づく。ML-EM逐次反復における順および逆投影のプロセスの際、種々の動き位相において収集されたすべての投影データが、動きモデルの支援により放出マップ(emission map)を更新するために、一緒に組み合わされることができる。このよく知られた再構成方法はたとえば、ここに参照によって組み込まれる非特許文献4に開示されている。他の実施形態では、判別された動きを組み込む他のPET再構成方法を使用できる。
【0084】
また、図3に示される撮像システム18は好ましくは、たとえば操作者が動きモニタリング手順および撮像手順を定義し、開始することができるようにするためのユーザー・インターフェース236を有する。また、ユーザー・インターフェース236は、たとえばPET画像、判別された動きおよび好ましくはさらに再構成されたMIT画像を表示するよう適応される。
【0085】
撮像システム18はさらに、再構成されたMIT画像と再構成されたPET画像を重ねるオーバーレイ・ユニット214を有する。ユーザー・インターフェース236は好ましくは、オーバーレイ画像をも表示するよう適応される。
【0086】
MIT送信および受信コイル216はガンマ線に対して適切に透明である。
【0087】
送信および受信コイル216は、ガンマ線を検出するための検出器要素17の配列内に配置される。これは、検出器要素17の、MIT検出データに対する影響が軽微または皆無であることを保証する。
【0088】
図4は、PET撮像ユニットである撮像ユニット319および動きモニタリング・システム201を有する撮像システムのさらなる実施形態を概略的かつ例示的に示している。図3および図4において、同様の要素は同様の参照符号によって示される。
【0089】
図4に示される撮像システム318は、図3に示される撮像システム18と、MIT送信および受信コイル316の配置によって異なっている。MIT送信および受信コイル316は検出要素17の配列の外側に位置している。したがって、MIT送信および受信コイルは、ガンマ線に対して透明である必要はない。
【0090】
図5は、動きモニタリング・システム201およびPET撮像ユニットである撮像ユニット418を有する撮像システム419のさらなる実施形態を概略的かつ例示的に示している。図5および図3において、同様の要素は同様の参照符号によって示される。
【0091】
図5では、ガンマ線を検出するための検出要素417の配置は、MIT送信および受信コイル416とインターリーブされている。このように、検出要素417とMIT送信および受信コイル416のインターリーブされた配列が関心領域2を取り囲む。この実施形態ではまた、MIT送信および受信コイル416はガンマ線について透明である必要はない。さらに、検出要素417は、MIT検出データに対して軽微な影響しかもたないか、影響をもたない。
【0092】
図6は、MR撮像ユニットである第一の撮像ユニット513およびPET撮像ユニットである第二の撮像ユニット518を有するインライト・ハイブリッド撮像システムを概略的かつ例示的に示している。二つの撮像ユニット513、518は、人物509が載る同じ患者台523を取り巻く。患者台523を動かすことによって、人物509は第一の撮像ユニット513から第二の撮像ユニット518に、またはその逆に動かすことができる。したがって、人物509内の同じ関心領域502が、第一の撮像ユニット513および第二の撮像ユニット518によって撮像できる。インライン・ハイブリッド撮像システム519は、関心領域502内の動きをモニタリングする動きモニタリング・システム501と組み合わされる。
【0093】
MR撮像ユニット513は、図6において円526によって示されるMRデータ収集リングを有する。MR撮像ユニット513はたとえば、図2を参照して上記したMR撮像ユニット13に対応することができる。MR撮像ユニット513は、MR信号を生成するための送信および受信コイルを有する。検出データ生成ユニット507は、受信されたMR信号に基づいてMR検出データを生成する。MR撮像ユニット内でMIT信号を生成するために、前記MR送信および受信コイルまたは別個のMIT送信および受信コイルが使われる。MIT送信および受信コイルは図6において円527によって示されている。検出データ生成ユニット507は、第一の撮像ユニット513の内側から受信されるMIT信号に基づいて第一のMIT検出データを生成する。
【0094】
PET撮像ユニット518は、ガンマ線の対を検出するための諸検出要素517のリングを有する。ガンマ線の対は、PET検出データを生成するために検出データ生成ユニット507によって使用される。PET撮像ユニット518にはまた、図6によって円506によって示されているMIT送信および受信コイルが統合される。第二の撮像ユニット518内で生成されたMIT信号は、第二のMIT検出データを生成するために検出データ生成ユニット507によって使用される。こうして、関心領域502をもつ人物509は、MR検出データおよび第一のMIT検出データを生成するために第一の撮像ユニット513内に位置され、次いで患者台523が動かされて関心領域502をもつ人物509は、PET検出データおよび第二のMIT検出データを生成するために第二の撮像ユニット518内に位置される。
【0095】
第一のMIT検出データは、再構成ユニット508を有する動き判別ユニット504に与えられる。再構成ユニット508は、第一のMIT検出データから時間的第一のMIT画像を再構成し、動き判別ユニット504は、動きモデル提供ユニット510によって与えられる動きモデルを使うことによって、再構成された第一の時間的MIT画像に基づいて第一の撮像ユニット513内での動きを判別する。同様に、第二のMIT検出データから第二の時間的MIT画像が再構成され、第二の撮像ユニット518内での動きが、第二の時間的MIT画像および提供された動きモデルに基づいて判別される。
【0096】
動き補正ユニット511は、第一の撮像ユニット513内で判別された動きを考慮して、生成されたMR検出データからMR画像を再構成し、第二の撮像ユニット518内で判別された動きを考慮して、PET検出データからPET画像を再構成する。
【0097】
撮像システム519はさらに、MR画像と第一のMIT画像、PET画像と第二のMIT画像およびMR画像とPET画像を互いに対して整列させる整列ユニット520を有する。整列ユニット520は、MR送信および受信コイルよって画定される収集幾何配位と前記第一の撮像ユニット513のMIT送信および受信コイルによって画定される第一のMIT収集幾何配位との間の既知の関係に基づいて、MR画像と第一のMIT画像の間の第一の空間的関係を決定するよう適応される。整列ユニットはさらに、PET撮像ユニットの検出要素によって画定される収集幾何配位と前記第二の撮像ユニット518のMIT送信および受信コイルによって画定される第二のMIT収集幾何配位との間の既知の関係に基づいて、PET画像と第二のMIT画像との間の第二の空間的関係を判別するよう適応される。整列ユニット520は好ましくは、前記第一のMIT画像および前記第二のMIT画像における同様の特徴を検出することによって前記第一のMIT画像および前記第二のMIT画像を互いに対して整列させ、整列された第一および第二のMIT画像および判別された第一および第二の空間的関係を使って、MR画像とPET画像を互いに対して整列させるよう適応される。このように、整列ユニット520は、好ましくは、第一および第二のMIT画像、MR画像およびPET画像を互いに対して位置合わせするよう適応される。
【0098】
撮像システム519は、整列された画像を重ねることによってオーバーレイ画像を生成するためのオーバーレイ・ユニット514をさらに有する。好ましくは、第一のMIT画像およびMR画像を重ねたものである第一のオーバーレイ画像、第二のMIT画像およびPET画像を重ねたものである第二のオーバーレイ画像、MR画像とPET画像を重ねたものである第三のオーバーレイ画像およびMR画像、PET画像および第一および/または第二のMIT画像を重ねたものである第四のオーバーレイ画像のうちの少なくとも一つが生成される。
【0099】
撮像システム519はさらに、たとえば操作者が所望される収集、動きモニタリングおよび再構成パラメータを選択できるようにするユーザー・インターフェース536を有する。ユーザー・インターフェース536は好ましくは、上記のオーバーレイ画像および/またはMR画像、第一および第二のMIT画像およびPET画像を表示するよう適応される。これらの画像は別個のディスプレイ・ユニットに表示されることもできる。
【0100】
第一の撮像ユニット513および第二の撮像ユニット518におけるMIT送信および受信コイルは好ましくは同じ仕方で配置される。
【0101】
図6では、PET撮像ユニット518の検出器要素517はPET収集リングをなし、PET撮像ユニット中のMIT送信および受信コイル506は第二のMIT収集リングをなす。図6では、第二のMIT収集リングはPET収集リング内に位置される。しかしながら、他の実施形態では、MIT収集リングは、PET収集リングの外側に配置されることもでき、あるいはPET収集リングおよび第二のMIT収集リングは、たとえば図5に概略的かつ例示的に示されるようにインターリーブされることができる。
【0102】
動き判別ユニット508は、第一のMIT検出データから再構成された第一の時間的MIT画像に関して動きモデルを適応させるよう構成されることができる。その際、前記整列ユニットは、適応された動きモデルを第二のMIT画像と整列させるために、前記第一の時間的MIT画像と、前記第二の時間的MIT画像とを、互いに対して整列させるよう適応されることができる。その際、動き補正ユニットは好ましくは、整列された適応された動きモデル、および、前記第二の画像すなわち整列された適応された動きモデルと再構成されるべきPET画像との間の前記空間的関係に基づいて、PET検出データからPET画像を再構成するよう適応される。これは、PET画像を再構成するために、第一の時間的MIT画像を使って適応された動きモデルを使うことを許容する。同様に、第二のMIT画像を動きモデルを適応させるために使うことができ、第二の時間的MIT画像を使って適応された動きモデルがMR画像を再構成するために使うことができる。
【0103】
MIT送信および受信コイル506、527、検出データ生成ユニット507、動き判別ユニット508および動き補正ユニット511は、MR撮像ユニット513およびPET撮像ユニット518に統合された動きモニタリング・システム501をなす。
【0104】
以下では、関心領域内の動きをモニタリングする動きモニタリング方法について、図7に示されるフローチャートを参照して例示的に説明する。
【0105】
ステップ601では、MIT検出データ収集ユニットによって関心領域のMIT検出データが収集される。ステップ602では、収集されたMIT検出データから時間的MIT画像が再構成される。時間的MIT画像は、関心領域のMIT画像の時系列を含む。ステップ603では、時間的MIT画像において追跡特徴が決定される。好ましくは、追跡特徴の位置および/または配向が、異なる時点に属し時間的MIT画像をなす諸MIT画像において決定され、提供される動きモデルがこの時間的MIT画像に適応される。具体的には、動きモデルは、時間的MIT画像において同定された追跡特徴の動き、つまりこの実施形態では追跡特徴の位置および/または配向の時間の経過につれての修正が、適応された動きモデルによって記述される追跡特徴の動きに対応するよう適応させられる。すなわち、動きモデルは、追跡特徴の動きを記述しており、動きモデルは、適応された動きモデルによって記述される追跡特徴の動きが、時間的MIT画像内でのその追跡特徴の動きに対応するよう適応されるのである。適応された動きモデルは好ましくは、関心領域内の判別された動きである。
【0106】
動きモデルの適応は、たとえば非特許文献3に記載されるような上下(super-inferior)並進、3D並進または3Dアフィン変換を含むことができる。
【0107】
以下では、関心領域を撮像する撮像方法について、図8に示されるフローチャートを参照しつつ例示的に説明する。
【0108】
ステップ701では、上記のように、MIT検出データを使って関心領域内で動きがモニタリングされる。ステップ702では、MR検出データが収集され、ステップ703では、MR画像が、収集されたMR検出データおよび判別された動きを使って再構成される。もう一つの実施形態では、MR検出データを収集し、MR画像を再構成することの代わりにまたはそれに加えて、別のモダリティの検出データおよび画像がそれぞれ収集および再構成されることができる。たとえば、PET検出データが収集されることができ、PET画像が判別された動きの考察のもとで生成されることができる。
【0109】
上記のMITシステムは、好ましくは、アレイの一つの要素を介してRF信号を送信し、残りの要素によってMIT信号を受信するための送信および受信コイルのアレイを有する。したがって、これらの送信および受信コイルは好ましくはアレイ・アンテナをなす。MIT画像再構成は好ましくは、すべての送信/受信配位から得られるMIT検出データを使う。MITを実行するために必要な基本的なハードウェアは、MR撮像システムにおいて使用できる基本的なハードウェアと同様である。これは、MITを独立な空間的な分解能をもつ動きセンサーとして使うことによって、新しい情報を得るまたはMR撮像をサポートするために、MR撮像システムにおいて同時に両方のモダリティを実行することを許容する。
【0110】
MITによって届けられる新しい情報をMR測定に加えることは、MRから得られる診断情報を増加させる。改善された画質が、呼吸動きまたは他の型の動きの検出および補正によって達成できる。統合された動きモニタリング・システムをもつ上記のMR撮像システムは、MR検出データを収集するのと同時に動き情報を収集することを許容でき、それによりMRスキャン効率を高めるとともに、動き情報を収集する間に安定な定常状態MR信号を維持する。上記のハイブリッドMR構成、すなわちインラインPET‐MR撮像システムは、PET撮像ユニット内およびMR撮像ユニット内の動きを追跡することを許容する。この追跡は好ましくは、PET検出データおよびMR検出データの収集を中断することなく実行され、好ましくは、PET画像およびMR画像の品質に対して影響しない。動きモニタリング・システムは好ましくは、十分な空間的分解能をもってモダリティに独立な動き情報を提供することを許容する。
【0111】
動きモニタリング・システムのMR撮像ユニットおよびMIT撮像ユニットが統合される場合、MR撮像ユニットおよびMIT撮像ユニットは異なる信号検出チェーンをもつことができる。しかしながら、MR撮像ユニットおよびMIT撮像ユニットが同じ信号検出チェーンを使うことも可能である。
【0112】
上記のPET‐MRハイブリッド撮像システムでは、MR撮像ユニットにおいて使用されるMIT幾何配位とPET撮像ユニットにおいて使用されるMIT幾何配位は好ましくは同じである。しかしながら、別の実施形態では、これら二つのMIT幾何配位は異なることもできる。
【0113】
動きモニタリング・システムのMIT撮像ユニットがPET撮像ユニットまたはSPECT撮像ユニットと組み合わされる場合、MIT撮像ユニットは好ましくは薄い導体、たとえばPCBベースの送信および受信コイル、薄いRFスクリーンおよびそれぞれPETリングまたはSPECTリング外側の同調および整合〔マッチング〕電子回路のようなまたは前置増幅器のような電子回路を有する。PCBベースの送信および受信コイルは、より少ないガンマ線を吸収する。RFスクリーンはMIT送信コイルを遮蔽し、より少ないガンマ線を吸収するために好ましくは一般にMR RFスクリーンより薄い。
【0114】
「送信コイル」および「受信コイル」という用語は、MITおよび/またはMR信号を送信および受信することを許容する任意の要素を指すことを注意しておくべきある。
【0115】
動きモニタリング・システムは、MR撮像ユニットのために使用されることができ、またスタンドアローンのモダリティとして他の撮像モダリティのためにも使用されることができる。これらのモダリティのすべては、潜在的に、MITによって提供される追加情報、特に現在の動き状態についての情報から裨益できる。好ましくはハイブリッド・インライン・システムであるハイブリッド・システムについては、両モダリティに統合されたMITユニットは、相互の参照ならびにより洗練された動きおよび補正アプローチの使用を許容する。たとえば、動きモデルは、一つのモダリティのもとでトレーニングされ、MIT検出幾何配位によく相関付けられることができる。その後、該動きモデルは、他のモダリティおいて提供される別のMIT撮像ユニットによって操られる他のモダリティにおいて適用されることができる。これは、たとえば、両方がMIT撮像ユニットを備えるインラインPET‐MR構成において、改善された画質を提供できる。
【0116】
図1および図3ないし図5はある数のMIT送信および受信コイルおよび/またはMR送信および受信コイルを示しているが、他の実施形態では、動きモニタリング・システムおよび/または動きモニタリング・システムを有する撮像システムは異なる数のMIT送信および受信コイルおよび/またはMR送信および受信コイルを有することができる。
【0117】
当業者は、請求項に記載される発明を実施する際に、図面、本開示および付属の請求項を吟味することから、開示された実施形態に対する他の変形を理解し、実施することができる。
【0118】
請求項において、「有する/含む」の語は他の要素やステップを排除しない。単数形の表現は複数を排除しない。
【0119】
単一のユニットまたは装置が、請求項に記載されるいくつかの項目の機能を充足してもよい。ある種の施策が互いに異なる従属請求項に記載されているというだけの事実がそれらの施策の組み合わせが有利に使用できないことを示すことはない。
【0120】
検出データの生成、検出データに基づく画像の再構成、関心領域内の動きの判別および生成された画像中の動きアーチファクトの補正のような異なるユニットによって充足され、一つまたは複数のユニットによって実行される機能は、他の任意の数のユニットまたはデバイスによって実行されることもできる。上記の動きモニタリング・システムの上記動きモニタリング方法に基づく制御ならびに上記の撮像システムの上記撮像方法に基づく制御は、コンピュータ・プログラムのプログラム・コード手段および/または専用ハードウェアとして実装されることができる。
【0121】
コンピュータ・プログラムは他のハードウェアと一緒にまたは他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体または半導体媒体のような好適な媒体上で記憶/頒布されてもよいが、インターネットまたは他の有線もしくは無線の遠隔通信システムを通じて他の形で頒布されてもよい。
【0122】
請求項に参照符号があったとしても、その範囲を限定するものと解釈すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心領域を撮像する撮像システムであって:
・関心領域のMIT検出データを取得する磁気誘導断層撮影(MIT)検出データ収集ユニットおよび収集されたMIT検出データに基づいて前記関心領域内の動きを判別する動き判別ユニットを含む動きモニタリング・システムと;
・前記関心領域の画像を生成する撮像ユニットと;
・判別された動きに基づいて、前記関心領域の生成された画像中の動きアーチファクトを補正する動き補正ユニットとを有する、
撮像システム。
【請求項2】
前記動き判別ユニットが、収集されたMIT検出データから前記関心領域の時間的MIT画像を再構成するMIT再構成ユニットを有し、前記動き判別ユニットは、前記時間的MIT画像における追跡特徴を判別し、前記時間的MIT画像における判別された追跡特徴に基づいて前記関心領域内の動きを判別するよう適応される、請求項1記載の撮像システム。
【請求項3】
前記動きモニタリング・システムが、判別された動きに基づいて前記関心領域の画像中の動きアーチファクトを補正する動き補正ユニットをさらに有する、請求項1記載の撮像システム。
【請求項4】
前記撮像ユニットが、前記関心領域内のある属性を示す検出データを収集する検出データ収集ユニットを有し、前記動き補正ユニットが、収集された検出データから前記画像を再構成し、前記画像を再構成している間に動きアーチファクトを補正するよう適応される、請求項1記載の撮像システム。
【請求項5】
前記撮像ユニットが磁気共鳴撮像ユニットである、請求項1記載の撮像システム。
【請求項6】
前記MIT検出データ収集ユニットおよび前記撮像ユニットが統合されている、請求項1記載の撮像システム。
【請求項7】
当該撮像システムがさらに、前記関心領域の第二の画像を生成する第二の撮像ユニットを有する、請求項1記載の撮像システム。
【請求項8】
前記第二の撮像ユニットが、前記関心領域内のある属性を示す第二の検出データを収集する第二の検出データ収集ユニットを有し、前記動き補正ユニットが、前記第二の検出データから前記第二の画像を再構成し、前記第二の画像を再構成する間に動きアーチファクトを補正するよう適応される、請求項7記載の撮像システム。
【請求項9】
当該撮像システムが前記撮像ユニットに割り当てられる第一のMIT検出データを収集する第一のMIT検出データユニットと、前記第二の撮像ユニットに割り当てられる第二のMIT検出データを収集する第二のMIT検出データ収集ユニットとを有しており、前記動き判別ユニットが、収集された第一のMIT検出データに基づく前記撮像ユニット内での動きと、収集された第二のMIT検出データに基づく前記第二の撮像ユニット内の動きとを判別するよう適応される、請求項8記載の撮像システム。
【請求項10】
関心領域を撮像する撮像方法であって、当該撮像方法は前記関心領域内の動きをモニタリングする段階を含み、該モニタリングする段階は:
・磁気誘導断層撮影(MIT)検出データ収集ユニットによって前記関心領域のMIT検出データを収集する段階と;
・動き検出ユニットによって、収集されたMIT検出データに基づいて前記関心領域内の動きを判別する段階とを含み、
当該撮像方法はさらに、
・撮像ユニットによって前記関心領域の画像を生成する段階であって、前記関心領域の生成された画像における動きアーチファクトが、動き補正ユニットによって、判別された動きに基づいて補正される段階を含む、
方法。
【請求項11】
関心領域内の動きをモニタリングするための動きモニタリング・コンピュータ・プログラムであって、前記動きモニタリング・コンピュータ・プログラムは、該コンピュータ・プログラムが請求項1記載の動きモニタリング・システムを制御するコンピュータ上で実行されたときに前記動きモニタリング・システムに請求項10記載の動きモニタリング方法の段階を実行させるプログラム・コード手段を含む、コンピュータ・プログラム。
【請求項12】
関心領域内を撮像するための撮像コンピュータ・プログラムであって、前記撮像コンピュータ・プログラムは、該コンピュータ・プログラムが請求項4記載の撮像システムを制御するコンピュータ上で実行されたときに前記撮像システムに請求項10記載の撮像方法の段階を実行させるプログラム・コード手段を含む、コンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−503679(P2013−503679A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527416(P2012−527416)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053681
【国際公開番号】WO2011/030245
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】