説明

防弾具パネルシステム

防弾具パネルシステムは不連続の部材あるいはタイルの硬質材料層およびタイルに接着される繊維強化体から形成される衝突面組立体を有する。繊維強化体は連結されるタイルの内側表面に配列されおよび接着される、そして隣接のタイルの側縁間の隙間内に延びる脚を有するカップ形状のステープル層を含む。タイルおよび繊維強化体はマトリックス材に包み込まれる。防弾具パネルシステムはまた支持板そして封じ込め部材を有する支持および封じ込め組立体を含む。封じ込め部材は縫合によって周囲に沿って支持板によって固定されそして支持され、縫合は封じ込め部材に破片を捕獲しそして含むため網のように作用することを可能にする。接着層は衝突面組立体そして支持および封じ込め組立体を接続する。接着層は接着剤に埋め込まれる網目織物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連申請の対応参照文献:該当なし。
連邦支援研究あるいは開発に関する声明:
本発明はDARPA契約HR−0011−06−9−008に基づいてなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
【0002】
(発明の背景)
射撃および発破抵抗パネルは良く知られおりそして防弾具が要求される建築物、車両、船舶、航空機そして他の応用に防弾具を提供するため種々の構造を採用している。防弾具は射撃抵抗および発破抵抗の両方があるべきである。典型的な発射体に加えて、高速防弾具貫通兵器を停止することがまた望ましい。
【0003】
従来の防弾具は通常鉄鋼、アルミニウム、チタンあるいはこれらの合金から製造された固体金属防弾具である。このような固体金属防弾具は典型的に優れた停止力をもっている。しかしながら、鉄鋼およびアルミニウム金属防弾具は複合材システムと比較して低い重量効率を含むいくつかの欠点を有している。チタンシステムは鉄鋼およびアルミニウムよりも典型的に良く機能するが、しかしチタンは高価である。固体金属防弾具は優れた多くの衝突特性を特に有しているけれども、金属防弾具は防弾具の背側に追加的な危険を引き起こす発射体破片をしばしば生じる。このような破片は固体防弾具から広範に分散されそして危険でありあるいは最初の、本来の発射体よりもさらに危険である。
【0004】
このような欠点を克服するために、高重量効率である複合材防弾具が開発されてきて、固体金属防弾具と比較して改善された重量当りの発射体および破片停止力を提供する。しかしながら、複合材背面板をもつセラミック衝突面に置かれる複合材防弾具は典型的に炭素、ガラスおよびアラミドポリマー複合体を含み、これらは高価である。さらに、セラミック衝突面のための製造プロセスは遅くそして強力に動力を供給するので、結果としての防弾具は不十分な供給である。背面板は以前は典型的に100μmよりも小さい直径の従来の繊維を使用してきた。低価格、剛性でそして高伸長熱可塑性ポリマーシステムに対してこのような微細直径の繊維は要求される高繊維容積で繊維を適当に湿潤することに無能力のために使用を制約している。
【0005】
強化材の革新が超高張力の捻られた鉄鋼針金を利用するようになされてきている。例えば、US特許No.7,144,625およびNo.7,200,973を参照せよ。このような材料はHARDWIRWの名前の商標で作られ、多くの異なる材料のための強化材として典型的な鉄鋼板よりも11倍強い材料を使用する能力を使用者に与える。HARDWIRW(商標)材料は型入れでき、高張力鉄鋼として機能する。材料は熱硬化性の、熱可塑性あるいはセメント質の樹脂システムに型入れされる。HARDWIRW(商標)材料は鉄鋼、木材、コンクリート、岩石あるいは他の材料を品質向上するために使用できそしていくつかの応用に対して装置を改善されうる。さらに、安価なHARDWIRW(商標)材料は炭素複合材と同様に働き、典型的にガラス材料と同様の価格である。付け加えると、このような複合体はガラス繊維で作られる複合体よりも典型的に70%まで薄くそして20%まで軽くなる。材料は種々の応用に多くの形状に応用されうるように型取りされる。
【0006】
硬質化衝突面および強化背面パネルを有する防弾具パネルシステムはWO2005/098343に記載されている。このシステムで、硬質化衝突面は花崗岩、硬化コンクリートあるいはセラミックタイルのような高硬度をもつ材料である。硬質化衝突面は発射体を平面にあるいは粉砕するために作用しそして破砕材料の円錐体は背面パネルへ貫通して拡散される。背面パネルは衝撃を吸収しそして材料を外側へ広げ、そして改善される多くの衝突性能に対して膨脹に耐えるために衝突面を支持する。強化背面パネルは衝撃をうける衝突面に支持を提供するために、HARDWIRW(商標)材料のような高強度および剛性を有する強化材料を使用する。強化背面は、例えば、お互いに90°で方向づけられる同一方向の層に提供される。ステープル(staple)は積層体に対して付加的な耐性を提供するために層を通して延びる。
【0007】
(発明の概要)
防弾具パネルシステムは接着層によって接続される衝突面組立体そして支持および封じ込め組立体を有する。衝突面組立体は硬質材料層から形成され、不連続の部材あるいはタイルおよび硬質材料層の内側および/あるいは外側表面に接着される繊維強化体からなる。1つの実施態様において繊維強化体は連結するタイルの内側表面に配列されおよび接着される、隣接タイルの側縁間の隙間内に延びる脚を有するカップ形状のステープルの1層あるいは複数の層を含む。タイルおよび繊維強化体はマトリックス材に包み込まれる。追加的な強化体の外側層および内側層が追加される。
【0008】
支持および封じ込め組立体は1つの実施態様において支持板および封じ込め部材を含む。封じ込め部材はマトリックス材に埋め込まれる超高分子量のポリエチレン繊維の複合体積層から望ましくは形成される。封じ込め部材は縫合により周囲に沿って支持板に固定されそして支持板によって支持され、縫合は封じ込め部材を膨脹させ、そして破片を捕獲しそして含むために網のように作用することを可能にする。
【0009】
接着層は衝突面組立体を支持および封じ込め組立体に接続する。接着層は1つの実施態様において接着層を通る割れ目の伝達を最小にするかあるいは防ぐ接着剤に埋め込まれる網目織物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は付帯する図面と結びつけられる次の詳細な説明からもっと完全に理解される。
【図1】本発明の防弾具パネルシステムの図式的側面図;
【図2】図1の防弾具パネルシステムの衝突面組立体の図式的側面図;
【図3】図2の衝突面組立体の部分の分解組立図で、カップ形状のステープル形式の繊維強化体を図示;
【図4】カップ形状のステープルのさらなる層を図示する衝突面組立体の部分の分解組立図;
【図5】衝突面組立体のタイルの1つのパターンを図示;
【図6】衝突面組立体のタイルのさらなるパターンを図示;
【図7A】発射体よって衝撃をうけた図1の防弾具パネルシステムの支持および封じ込め組立体を図示;
【図7B】発射体よって衝撃をうけた図1の防弾具パネルシステムの支持および封じ込め組立体を図示;
【図7C】発射体よって衝撃をうけた図1の防弾具パネルシステムの支持および封じ込め組立体を図示;
【図8】支持および封じ込め組立体の縫合の側面図で、縫合パターンの1つの実施態様を図示;
【図9】支持および封じ込め組立体の支持板の上部図;
【図10】縫合パターンのさらなる実施態様を図示する上部図;
【図11】支持および封じ込め組立体の開口を取り囲む内部縫合を図示する上部図;
【図12】図1の防弾具パネルシステムの接着層の図式的説明図;
【図13A】支持板および封じ込め部材を固定するさらなる実施態様を図示;
【図13B】支持板および封じ込め部材を固定するさらなる実施態様を図示;
【図14A】支持板および封じ込め部材を固定するなおさらなる実施態様を図示;
【図14B】支持板および封じ込め部材を固定するなおさらなる実施態様を図示;
【図15A】支持板および封じ込め部材を固定するなおさらなる実施態様を図示;
【図15B】支持板および封じ込め部材を固定するなおさらなる実施態様を図示;
【図16A】正方形および六角形の衝突面タイルの周囲を捲く繊維強化体を図示する衝突面タイルの上部図。
【図16B】正方形および六角形の衝突面タイルの周囲を捲く繊維強化体を図示する衝突面タイルの上部図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の詳細説明)
図1を参照して、防弾具パネルシステム10は接着層16によって接続される衝突面組立体12そして支持および封じ込め組立体14を合体する。支持および封じ込み組立体14は衝突面組立体12を支持し、そして防弾具パネルシステムを衝撃する入射発射体および防弾具パネルシステムそれ自身の両者の粉砕化からの破砕材料を捕獲しそして含む。使用において、防弾具パネルシステムは入射発射体の方向(矢印18によって示される)の外方向に面する衝突面組立体で方向付けられる。衝突面組立体は発射体を粉砕し、破砕材料の円錐体は支持および封じ込み組立体に通過拡散する。支持および封じ込め組立体は周囲に沿って付着を残しながら内側へ変形するかあるいは膨脹し、破砕材料を捕獲するために網のように作用する。下記でさらに議論される。
【0012】
衝突面組立体12は繊維強化体22に接着される高硬度を有する材料20から形成される。硬質材料20は外側表面26、内側表面28および側縁30を有する不連続の部材あるいはタイル24から典型的に形成される。タイルは表面を形成するために隣接してこれらの側縁で配列され、平面、切り子面あるいは曲面である。繊維強化体はタイルの外側表面および内側表面の両方にマトリックス材32によって接着され、そしてタイル間の隙間内にタイルおよび繊維強化体を包み込む。
【0013】
繊維強化体22はタイル24の各々の内側表面あるいは下側28に接着されそしてタイルの各々の間の隙間36内に延びるために各タイルの少なくとも1つの側30の周囲および上部で捲かれる下層あるいは内側強化体層34を含む。この強化体層は衝突面に張力耐性を加えそして積層剥離および割れ目の伝達に耐える。図示される(図2および3を参照)実施態様において、下層強化体層34は各タイルの内側表面28に隣接する層に平行配置で設置される複数のカップ形状ステープルから形成され、各タイルの対面する両側30まで少なくとも部分的に延びる脚42を有する。望ましくは、ステープルの第2層44はステープルの第1層40に斜めに方向づけられ提供される(図4参照)。正方形あるいは長方形タイルに対して、タイルの内側でお互いに関して0°および90°で方向づけられる2つの層はタイルの表面場所の十分な被覆を提供する。ステープルのさらなる層が希望によって提供される。例えば、6角形のタイルに対して、3つのステープル層が内側表面上に十分な被覆を提供するために要求される。適当な繊維材料はHARDWIRE(商標)繊維に制限されず、アラミド繊維、炭素繊維、E−ガラス繊維およびE−ガラス繊維を含む。
【0014】
1つの実施態様において、下層強化体層は捻られた金属針金が樹脂に直線の配列で埋め込まれるHARDWIRE(商標)の同一方向テープを使用することによって容易に製造される。テープは適当な長さの部分に切断される。テープの部分は2つのタイル側面にステープルの脚を形成するために曲げられるかあるいはカップ形状にされ、それにより内側表面および2つの側面を1段階で被覆する。 ステープルの第2層はそれからステープルの第1層に横断的にあるいは90°に望ましくは配置される。層のステープルの間隔は1インチ(2.54cm)当り1および50ステープルの間が適当である。このような配置は衝撃の後、硬質タイル破片を含みそして割れ目を隣接タイルへの伝達から防ぐ。さらなる実施態様において、タイルは織られた繊維織物で内側表面および側面上に捲かれる。もしタイルが4面以外ならば、ステープルのいかなる適当な数の層もがタイルの内側表面およびタイルの側面上の表面場所の全てを被覆するために使用される。他の実施態様で、タイル24は連続する表面内に組み立てられる前に強化繊維あるいは針金48で周囲の周りを捲かれる。図16AおよびBを参照せよ。これは衝撃でタイルを含むことでなお効果的であるが、しかし次回に1つのタイルから積層剥離を停止することにおいてステープルよりも効果的でない。周囲の繊維強化体捲き付けは他の繊維強化体に付加してまた使用されうる。
【0015】
上層あるいは外側表面強化体層48あるいは複数の層が衝撃後にタイルの破片を含むためにタイル24の外側に面する表面26上にまた提供される。上層強化体層あるいは複数の層は引き抜き成型プロセスのような製造プロセスの間タイルをその場所に保持することをさらに助ける。上層強化体層は0°および90°層を交互に置かれている同一方向の繊維テープから適切に形成される。上層強化体層あるいは複数の層は、制約なしに、HARDWIRE(商標)繊維、アラミド繊維、炭素繊維、E−ガラス繊維およびS−ガラス繊維のようなどのような繊維材料からも形成される。
【0016】
追加的な内側強化体層あるいは複数の内側強化材層52は下層強化体34あるいはステープルの下のタイル24の内側28上に提供され、引き抜き成型プロセスにおけるように製造の間その位置にタイルを保持することを助ける。追加の内側強化体層あるいは複数の内側強化体層はHARDWIRE(商標)繊維、アラミド繊維、炭素繊維、E−ガラス繊維およびS−ガラス繊維のようなどのような適当な材料からも形成される。
【0017】
上述のように、タイル、ステープル、そして上層強化体層および下層強化体層は部品を一緒に保持するマトリックス材32内に埋め込まれる。タイル間の隙間36はマトリックス材でまた充填される。適当なマトリックス材は、制約なしに、熱硬化性のエポキシ、不飽和ポリエステル、ウレタン、フェノール性あるいはメタアクリ酸を基本とするプラスチック樹脂を含む。マトリックス材として他の適当な樹脂は熱可塑性プラスチックのポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタ酸エステルおよびポリブチレンテレフタ酸エステル含むポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリルおよびポリスチレンを含む。
【0018】
タイル24は図5および6に示されるような適当ないずれかのパターンで配置される。図6に示されるようなジグザグのパターンは1点でお互いに4つの隅が合致しないように望まれる。このようなパターンは弱い箇所を避けることを手伝う。タイルは、制約なしに、セラミック、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、あるいは花崗岩、あるいは他の岩石のようなどのような適当な硬質材料からも形成されうる。6角形あるいは他の形が使用されうる。タイルはセラミックの場合のように製造の制約のため、あるいは四角い花崗岩あるいは他の岩石の場合のように自然の制限のため制限される寸法である。1つの適切な実施態様において、厚さ12mmを有する4インチ(10.16cm)×4インチ(10.16cm)四方のセラミックタイルが使用される。
【0019】
再び図1を参照して、支持および封じ込め組立体14は複合材薄層のような支持板56および封じ込め部材58から形成される。支持板および封じ込め部材は望ましくは縫合62によって支持および封じ込め組立体の全周囲の周りに一緒に固定される。パネルが発射体で衝撃されるとき、固定あるいは縫合は封じ込め部材に大きな偏位を受け入れさせ、膜応力の状態になるが、一方、網のように支持板に縁で取り付けを保ち、そこに破片を捕獲する(さらに以下に議論する)。図7A−Cを参照せよ。
【0020】
支持板56は衝突面組立体12および封じ込め部材58間で中間射撃エネルギー吸収パネルとして役立つ。支持板はまた衝突面組立体を支持しそして封じ込め部材に支持板を取り付ける封じ込め縫合62を支持するために枠として役立つ。支持板はまた硬質部品のための取り付け箇所を提供する。支持板は金属あるいは複合材のようなどのような適当な材料からも形成されうる。アルミニウム(種々の等級の7075、6061、あるいは5083および焼き戻し材)、チタン、あるいは鉄鋼のような金属が適当である。
【0021】
封じ込め部材58は望ましくは多方向に配列される繊維で配置される多層から形成される繊維強化複合材の積層である。繊維は同一方あるいは織られたようないずれかの適当な方式でマトリックス材に埋め込まれる。マトリックス材として適当な樹脂は、制約なしに、熱可塑性プラスチック、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタ酸エステルおよびポリブチレンテレフタ酸エステルを含むポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリルおよびポリスチレン、および熱硬化性エポキシ、不飽和ポリエステル、ウレタンおよびフェノール性樹脂を含む。
【0022】
望ましい実施態様において、複合材積層は熱可塑性ポリウレタンのマトリックスに埋め込まれる超高分子量(UHMW)ポリエチレン繊維から形成される。ポリエチレンは典型的に2百万から6百万の分子量を有する。DSMから入手できるDYNEEMA(商標)あるいはAllied Signalから入手できるSPECTRA(商標)が適当である。
【0023】
上述したように、支持板56および封じ込め部材58は、望ましくは縫合62によって、これらの周囲の周りに一緒に固定される。縫合62はロープあるいはコード66内に形成される繊維材から形成されそして支持板および埋め込み部材に形成される開口あるいは孔68を通して結ばれるかあるいは他の方法で縫われる。図8および9を参照せよ。望ましくは、ギザギザあるいはV字形切り目が縫合を受けるため支持板および埋め込み部材の側面にまた切られる。縫合孔およびギザギザは、縫合の擦り切れあるいは役目を終えることを防ぐかあるいは最低にするため、1端あるいは両端で丸い縁74を有する。図7Aを参照せよ。縫合は何らかの適当な結び目あるいは複数の結び目の組み合わせを使用して完成される。例えば、1つの半引っ掛け、多くの半引っ掛けおよびXパターン76(図10)が使用されうる。1つの実施態様において、縫合は全周囲の周りを延びる1本のロープあるいはコードを使用する。代わりに、多数のロープあるいはコードが使用されうる。例えば、1から20本のロープあるいはそれ以上が縫い孔当りに使用される。さらなる実施態様において、各組の孔(封じ込め部材内の1つと配列する支持板内の1つ)は孔自身1本のあるいは複数のロープを有し、1つの結び目あるいは複数の結び目によって確保される。また、1本のロープが2つの孔の組から全ての孔の組まで、多くの孔の組に対して使用されうる。
【0024】
縫合は望ましくは超高分子量のポリエチレン繊維のコードから形成される。DMSから入手できるDYNEEMA(商標)あるいはAllied Signalから入手できるSPECTRA(商標)が適当である。他の適当な材料は、制約なしに、KEVLAR(商標)のようなアラミド、低分子量ポリエチレンあるいはナイロンを含む。
【0025】
もし防弾具パネルシステムが特に大きいならば、図10に図示される支持板および封じ込め部材に配列される孔を通してX形状パターン76を使用して、周囲内に変りにあるいは追加的に配置されうる。また、周囲内部に追加的で周期的な接続78が提供されうる。図11を参照せよ。これらの内部接続は、例えば、窓開口82の周辺に提供される。
【0026】
適当には、支持板56は0.25インチ(0.635cm)および1.0インチ(2.54cm)の厚みの間である。1つの実施態様において、支持板は0.5インチ(1.27cm)の厚みであり、複合材積層58は1.6インチ(4.064cm)の厚みである。縫合ロープの直径は0.10インチ(0.254cm)から0.75インチ(1.905cm)である。孔の間隔は0.5インチ(1.27cm)から6.0インチ(15.24cm)である。孔はパネルの縁から0.25インチ(0.635cm)から5インチ(12.7cm)の間隔である。孔の直径は0.125インチ(0.3175cm)から1.0インチ(2.54cm)である。孔の円半径は0.05インチ(0.127cm)から1インチ(2.54cm)である。これらの寸法は単なる実施例であり、そして他の適当な寸法が特別な応用および材料に依存して提供されることは明らかである。
【0027】
接着層16は衝突面組立体12を支持および封じ込め組立体14に接着される。図1および12を参照せよ。接着層はメタアクリル酸エステルを基とする接着剤のようなマトリックス材に埋め込まれる網目織物92(図式的に図1に示される)から望ましくは形成される。接着層の厚みは網目織物の厚みによって望ましくは設定される。かくして、網目織物の部分は接着層の内側表面96および外側表面98上に曝露される。この方法により、接着層の厚みは製造の間に容易に制御されうる。製造の間、55%および99%間の開口面積を有する網目織物は全接着層に亘って接着剤の流れを促進する。
【0028】
使用において、網目織物は割れ目の成長を中断することによって層の積層剥離を遅らせる。図12を参照して、接着層で伝達する割れ目102はほんの短い距離の後に場所106で網目織物の部分104に出会う。網目織物は接着剤から剥離する。割れ目は網目織物の周囲の接着剤の型取りによって創られる鈍いかあるいは丸い割れ目の先端108によってさらなる伝達から抑制される。
【0029】
望ましくは、網目織物は熱可塑性プラスチック材から形成される。適当な熱可塑性プラスチックは、制約なしに、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、あるいはポリ塩化ビニール(PVC)を含む。網目織物は、制約なしに、またステンレス鋼、炭素鋼、電解炭素鋼、真鍮、あるいは銅のような金属である。接着マトリックス材は、制約なしに、エポキシ、不飽和ポリエステル、あるいはメタアクリル酸エステルを基とする接着剤のような熱硬化性樹脂でありえる。
【0030】
接着層16の厚みは望ましくは0.5mmと10mmの間であるが、この範囲外の厚みも使用されうる。もし接着層が非常に薄いなら、接着層は非常に脆くなるかあるいはマトリックス材は製造の間に圧搾状態になる。もし接着層が非常に厚いなら、接着は非常に弱くなる。かくして、当業者は容易に接着層に対する適当な厚みを決定できる。
【0031】
他の実施態様において、支持および封じ込め組立体14の支持板56の表面は接着層16に接着することを助けるために織り地と一緒に提供される。この実施態様の変形において、金属板の織り地が接着層の網目織物の目的を果たす。
【0032】
再び図7A−Cを参照して、発射体が衝突面組立体を衝撃するときの影響(矢印18の方向で)で、発射体は衝突面組立体、接着層そして支持および封じ込め組立体を通る孔をあける。封じ込め部材58は衝撃の箇所で外側に膨脹し、膨脹の中心の方へ縁を引き寄せる。図7Bを参照せよ。縫合62はこの動作を剪断しないでする。封じ込め部材は変形し続けるにつれて、密な封じ込め部材は膨脹し、そして縁は回転する。図7Cを参照せよ。縫合は縁を、縫合を剥ぎ取ったりせずあるいは過度に過応力を掛けないで、回転させる。
【0033】
支持板および封じ込め部材は他の方法でこれらの周囲に沿って取り付けられうる。例えば、他の実施態様において、支持板および封じ込め部材はC溝形あるいは留め金112で縁で接着される。図13A、13Bを参照せよ。この場合において、封じ込め部材は衝撃の箇所で膨脹するので、封じ込め部材の縁は衝撃114の方向へ引っ張り、C溝形を引き剥がし、それを効果的でなくする。付け加えると、実質的な支持を提供するために接着場所を十分に得ることは困難である。しかしながら、この実施態様は製造するために最も簡単でそして応用に応じて満足するものである。
【0034】
他の実施態様において、支持板および封じ込め部材は縁の近くにボルト118で固定される。図14A、14Bを参照せよ。封じ込め部材は衝撃の箇所で膨脹し、そして縁は衝撃の方向に引っ張られ、ボルトを破断する。ボルトはそれ自身発射体にさえなりうる。かくして、この実施態様は少ない荷重に対してあるいは製造の容易さのため実質的に適当である。
【0035】
なおさらなる実施態様において、ボルトのための開口は支持板および封じ込め部材の両方で円筒状にされる。図15A、15Bを参照せよ。これは縁が衝撃箇所の方向へ動くのでボルトを曲げ、より高い荷重への機能不全を引き延ばす。さらなる変形において、ボルトのネジ山は膨脹可能な領域から除かれうる。
【0036】
望ましくは、衝突面組立体12は何らかの適当な方式で接着層16そして支持および封じ込め組立体14から独立に形成される。引き抜き成型プロセスは適当である。同様に、支持および封じ込め組立体は衝撃面そして接着層から独立に形成される。その後、接着層の網目織物は支持および封じ込め組立体上に置かれる。樹脂は網目織物そして網目織物の上に置かれる衝突面組立体に適用される。加熱および加圧のもとで、接着層中の樹脂は硬化し、衝突面組立体を支持および封じ込め組立体に接着する。
【0037】
本発明は付帯する請求項に示されることを除いて、特に図示されおよび記載されていることによって制約されることはない。
【符号の説明】
【0038】
10 防弾具パネルシステム
12 衝突面組立体
14 支持および封じ込め組立体
16 接着層
18 発射体入射方向
20 硬質材料
22 繊維強化体
24 タイル
26 外側表面
28 内側表面
30 側縁
32 マトリックス材
34 内側強化体層
36 隙間
40 ステープルの第1層
42 脚
44 ステープルの第2層
48 針金
56 支持板
58 複合材積層
62 縫合
66 ロープあるいはコード
68 開口あるいは孔
72 ギザギザあるいはV字型切り目
74 丸い縁
76 X形状パターン
78 周期的な接続
92 網目織物
94 マトリックス材
96 内側表面
98 外側表面
102 割れ目
104 網目織物の部分
106 網目織物の場所
108 割れ目の先端
112 留め金
114 衝撃
118 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防弾具パネルシステムのための強化衝突面組立体であって、衝突面組立体が次からなる:
不連続のタイルの層であって、各タイルが外側表面および内側表面そして側縁からなり、タイルが外側衝突表面を提供するために隣接する側縁でパターンに配置され、タイルが硬質材料からなり;そして
少なくともいくつかのタイルの内側表面に接着される繊維強化体であって、繊維強化体が連結されるタイルの内側表面に平行に配列されそして接着される少なくともカップ形状のステープル(staple)の第1層からなり、配列されるステープルが隣接タイルの側縁間の隙間内に少なくとも部分的に延びる脚を有する。
【請求項2】
衝突面組立体の繊維強化体が少なくとも1つのタイルの内側表面に接着される更なる複数のカップ形状のステープルからなり、さらなる複数のカップ形状のステープルが平行に配列されそして複数のカップ形状ステープルに斜めに方向づけられる請求項1に記載の強化衝突面組立体。
【請求項3】
繊維強化体が樹脂に埋め込まれるアラミド繊維、炭素繊維、E−ガラス繊維、S−ガラス繊維あるいは捻られた金属針金からなる請求項1に記載の強化衝突面組立体。
【請求項4】
繊維強化体が熱硬化性樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メタアクリル酸エステル系樹脂、熱可塑性プラスチック樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタル酸エステル、ポリブチレンテレフタル酸エステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリルあるいはポリスチレンからなるマトリックス材でタイルの層に接着される請求項1に記載の強化衝突面組立体。
【請求項5】
マトリックス材が繊維強化体およびタイルを包み込む請求項4に記載の強化衝突面組立体。
【請求項6】
繊維強化体がタイルの側縁の周りに捲かれる繊維あるいはワイヤーからさらになる請求項1に記載の強化衝突面組立体。
【請求項7】
硬質材料層がセラミック、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、花崗岩、あるいは岩石からなる請求項1に記載の強化衝突面組立体。
【請求項8】
パターンがジグザグのパターンからなる請求項1に記載の強化衝突面組立体。
【請求項9】
タイルの外側表面が平面、曲面、あるいは切り子面を形成するために配置される請求項1に記載の強化衝突面組立体。
【請求項10】
タイルが正方形、長方形、あるいは6角形である請求項1に記載の強化衝突面組立体。
【請求項11】
請求項1に記載の強化衝突面組立体を含む防弾具パネルシステムであってそしてさらに次からなる。
支持板および封じ込め部材からなる支持および封じ込め組立体であって、封じ込め部材が周囲に沿って支持板によって固定されそして支持され;および
衝突面組立体と支持および封じ込め組立体を接続する接着層。
【請求項12】
衝突面を有する防弾具パネルシステムのための支持および封じ込め組立体であって、組立体は次からなる:
金属あるいは複合材板からなる支持板;および
支持板および封じ込め部材の周囲の周りに縫合で支持板に固定される繊維強化複合材の積層からなる封じ込め部材。
【請求項13】
支持板が鉄鋼、アルミニウム、チタン、炭素/エポキシ、ガラス/エポキシ、あるいはガラス/ポリエステルからなる請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項14】
支持板が織られている請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項15】
縫合が超高分子量繊維のロープあるいはコードから形成される請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項16】
支持板および封じ込め部材に配列される開口の組からさらになる請求項12に記載の支持および封じ込め組立体であって、そしてここで縫合が支持板および封じ込め部材に配列される開口を通って延びる。
【請求項17】
縫合が支持板および封じ込め部材の側縁の切り目を通ってさらに延びる請求項16に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項18】
開口の側縁および切り目が丸くされている請求項17に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項19】
縫合が多数のロープあるいはコードからなり、1本のロープあるいはコードが配列される開口の各組を通って確保される請求項16に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項20】
縫合が多数のロープあるいはコードからなり、1本のロープあるいはコードが配列される開口の2つあるいはそれ以上の組を通って確保される請求項16に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項21】
縫合が支持板および封じ込め部材に配列される開口を通って結ばれる請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項22】
縫合が結びあるいは結びの組み合わせで確保される請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項23】
結びが半引っ掛けを含む請求項22に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項24】
封じ込め部材および支持板の内部部分に配置される縫合からさらになる請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項25】
支持および封じ込め組立体の内部開口からさらになり、さらなる縫合が開口の周りを延びる請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項26】
積層が複数の層からなり、各層が隣接層の繊維から異なる方向で配列される繊維を有する請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項27】
積層がマトリックス材に埋め込まれる超高分子量ポリエチレン繊維からなる請求項12に記載の支持および封じ込め組立体。
【請求項28】
請求項12記載の支持および封じ込め組立体を含む防弾具パネルシステムであって、そしてさらに次からなる:
硬質材料層からなる衝突面;および
衝突面そして支持および封じ込め組立体を接続する接着層。
【請求項29】
防弾具パネルシステムであって次からなる:
外側表面および内側表面を有する硬質材料層からなる衝突面組立体、および硬質材料層の外側および内側表面の少なくとも1つに接着される繊維強化体;
支持板および封じ込め部材からなる支持および封じ込め組立体であって、封じ込め部材が周囲に沿って支持板によって固定されそして支持され;および
衝突面組立体および支持および封じ込め組立体を接続する接着層。
【請求項30】
衝突面組立体の硬質材料が表面を形成するために隣接する側縁で配置される複数の不連続の部材からなる請求項29に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項31】
繊維強化体が不連続の部材の側縁の間の隙間内に設置される請求項30に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項32】
衝突面組立体の繊維強化体が硬質材料層の内側表面に接着されそして硬質材料層の不連続の部材の間の隙間内に延びる請求項30に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項33】
衝突面組立体の繊維強化体が不連続の部材の側縁の周りに捲かれる繊維あるいはワイヤーからさらになる請求項30に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項34】
繊維強化体が樹脂中に埋め込まれるアラミド繊維、炭素繊維、E−ガラス繊維、S−ガラス繊維、あるいは捻られた金属針金からなる請求項29に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項35】
硬質材料層がセラミック、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、花崗岩、あるいは岩石からなる請求項29に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項36】
衝突面組立体の繊維強化体が繊維強化体および硬質材料層を包み込むマトリックス材で硬質材料層に接着される請求項29に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項37】
マトリックス材が熱硬化性樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン、メタアクリル酸エステル系樹脂、熱可塑性プラスチック樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタル酸エステル、ポリブチレンテレフタル酸エステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリルあるいはポリスチレンからなる請求項36に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項38】
支持および封じ込め組立体の支持板が金属、鉄鋼、アルミニウム、チタン、複合材、炭素/エポキシ、ガラス/エポキシ、あるいはガラス/ポリエステル板からなる請求項29に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項39】
支持および封じ込め組立体の封じ込め部材が繊維強化複合材の積層からなる請求項29に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項40】
封じ込め部材がマトリックス材に埋め込まれる超高分子量ポリエチレン繊維の積層からなる請求項29に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項41】
防弾具パネルシステムであって次からなる:
外側衝突表面を有する硬質材料からなる衝突面層;
周囲の周りでお互いに固定される支持板および複合積層材からなる封じ込め層;および
衝突面層および封じ込め層の間に配置されそして衝突面層および封じ込め層を接続する接着層であって、接着層が接着剤に埋め込まれる網目織物からなり、網目織物の部分が衝突面層および封じ込め層に接触するために接着層の内側および外側表面で曝露される。
【請求項42】
網目織物が熱可塑性プラスチック材からなる請求項41に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項43】
熱可塑性プラスチック材がポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはポリ塩化ビニールを含む請求項42に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項44】
網目織物が金属からなる請求項41に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項45】
金属がステンレス鋼、炭素鋼、電解炭素鋼、真鍮、あるいは銅を含む請求項44に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項46】
接着剤が熱硬化性樹脂からなる請求項41に記載の防弾具パネルシステム。
【請求項47】
熱硬化性樹脂がエポキシ、不飽和ポリエステル、あるいはメタアクリル酸エステル系接着剤を含む請求項46に記載の防弾具パネルシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate


【公表番号】特表2011−501091(P2011−501091A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528871(P2010−528871)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/011544
【国際公開番号】WO2009/091373
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(510100014)ハードワイヤー・エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】HARDWIRE LLC
【住所又は居所原語表記】1947 Clarke Avenue Pocomoke,Maryland 21851 (US)
【出願人】(310018445)
【氏名又は名称原語表記】TUNIS,George,C.
【Fターム(参考)】