防音材
【課題】製造コストを低減することができるとともに、透過損失特性を高くして静粛性を高めることができる防音材を提供する。
【解決手段】防音材11を、車両パネル12側に配置される第1吸音層13と、車室側に配置される第2吸音層14と、両吸音層13,14の間に設けられた中間層15とから構成する。中間層15を高密度層15a及び低密度層15bの2層構造にする。中間層15の通気度を第1吸音層13及び第2吸音層14の通気度よりも低くなるように設定する。中間層15を、高密度層15aが第2吸音層14側となるように配置する。
【解決手段】防音材11を、車両パネル12側に配置される第1吸音層13と、車室側に配置される第2吸音層14と、両吸音層13,14の間に設けられた中間層15とから構成する。中間層15を高密度層15a及び低密度層15bの2層構造にする。中間層15の通気度を第1吸音層13及び第2吸音層14の通気度よりも低くなるように設定する。中間層15を、高密度層15aが第2吸音層14側となるように配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、静粛性を向上させるために、例えば自動車の車室内の車両パネル上に設置される防音材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の防音材としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるような構成のものが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の防音材は、図10に示すように、車室床面としての車両パネル21側に配置される通気性を有した軟質層22と、その軟質層22上に重合配置された硬質層23とから構成されている。そして、硬質層23の目付が300〜2000g/m2の範囲内に設定されるとともに、同硬質層23が軟質層22よりも低い通気度となるように設定され、さらに、硬質層23は音響振動を減衰させるために、大きな重量を有している。
【0003】
また、特許文献2に記載の防音材は、図11に示すように、車両パネル21側に配置される車両パネル側吸音層24と、その車両パネル側吸音層24上に重合配置された中間層25と、その中間層25上に重合配置された車室側吸音層26とから構成されている。そして、車両パネル側吸音層24の目付が例えば900g/m2に設定されるとともに、車室側吸音層26の目付が例えば500g/m2に設定されている。また、中間層25の目付が10〜200g/m2の範囲内に設定されるとともに、通気度が3〜35cc/cm2/secの範囲内に設定されている。
【特許文献1】特許第3359645号公報
【特許文献2】特開2003−19930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、これらの従来の防音材においては、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1に記載の防音材では、硬質層23として通気性を確保しつつも、高密度化するとともに、大重量化する必要がある。このため、硬質層23としてバインダ繊維等の特定の材料を使用するとともに、加熱プレス加工等の特別の加工を施す必要があって、製造コストが高くなるという問題があるばかりでなく、防音材全体が大重量になって、車載用としては不向きである。さらに、軟質層22及び硬質層23がともに通気性を有するとともに、硬質層23が比較的大きな通気度(5cc/cm2/sec以上)を有するため、騒音がこの防音材を低い損失で透過することになり、従って、透過損失特性が低い。このため、騒音が損失をあまり生じることなく、防音材を通過することになり、遮音性の面でも好ましいものではない。これに対処するために、硬質層23として樹脂パネルのような通気性を全く有しないものを使用することも考えられる。このようにすれば、製造コストを低減できるとともに、透過損失特性を向上させることができるが、車室側からの騒音が硬質層23で車室内に向かって再び反射されるばかりでなく、車外からの騒音が硬質層23の透過共振を経て車内に伝達されるため、車室静粛性を却って悪化させるおそれがある。
【0005】
また、特許文献2に記載の防音材は、例えば、同特許文献2の明細書段落「0010」の記載にある、中間層25の「最適な通気度は10〜20cc/cm2/secである」、から理解されるように、中間層25をはじめ、車両パネル側吸音層24及び車室側吸音層26がすべて吸音材により構成され、吸音を主目的とした構成である。このため、充分な車室静粛性を得るためには、防音材全体を厚くする必要がある。よって、このようにした場合には、車室の容積確保に悪影響を与えると同時に、重量が重くなり、特許文献1の構成と同様に車載用としては好ましくない。しかも、特許文献2に記載の防音材は、全体が吸音性に優れたフェルトや不織布により構成されているため、騒音を減衰させる作用が乏しいばかりでなく、騒音の透過損失特性が低い。以上のことから、特許文献2の構成においても、静粛性を確保する点で問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、特定の材料や加工を必要とせず、製造コストを低減することができるとともに、透過損失特性を高めることができて、高い遮音性を得ることができ、しかも、薄く、軽量にできて車載用として好適な防音材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明においては、それぞれ通気性を有する第1吸音層と第2吸音層との間に中間層を設け、その中間層を高密度層及び低密度層の2層構造にするとともに、中間層の通気度を第1吸音層及び第2吸音層の通気度よりも低くしたことを特徴としている。
【0008】
従って、車室の内外からの騒音を第1,第2吸音層により吸収できる。また、通気度の低い中間層により、騒音の透過損失特性を高めることができるとともに、中間層の低密度層によって騒音を乱反射させることができて、透過騒音を低減でき、防音材としての遮音性を発揮できる。また、第1,第2吸音層及び中間層によるバネマス効果が有効に発揮されて、騒音が吸収される。このため、中間層に対して、通気度と高密度化のように相反する2つの特性を保有させる必要がなく、同中間層の製造が簡単になるとともに、軽量化を達成できる。
【0009】
前記の構成において、第1吸音層及び第2吸音層を多孔質材により構成し、第1吸音層の目付を300〜1800g/m2とし、第2吸音層の目付を500〜1000g/m2にするとよい。さらに、前記第1吸音層の厚さを10〜60mmとし、第2吸音層の厚さを4〜15mmにするとよい。
【0010】
前記の構成において、中間層を、高密度層が第2吸音層側となるように配置するとよい。このようにすれば、中間層の低密度層がバネ、高密度層がマスになって、中間層の内部においてバネマス効果が発揮される。また、前記中間層の通気度を2〜5cc/cm2/secにするとよい。同じく、前記中間層の目付を100〜500g/m2にするとよい。さらに、前記中間層の厚さを0.1〜4mmにするとよい。このようにすれば、騒音に対する中間層の透過損失特性を高めることができる。
【0011】
また、中間層を合成樹脂により形成し、同中間層の一側面を加熱することにより、その一側面に前記高密度層を形成すれば、高密度層の形成がきわめて容易である。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば、特定の材料や加工を必要とせず、製造コストを低減することができるとともに、透過損失を高めることができて、遮音性を向上でき、しかも、薄く軽量化できて、車載用として静粛性向上に好適な防音材とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、この発明を自動車用の防音材に具体化した一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の防音材11は、車両パネル12側に配置される第1吸音層13と、車室側に配置される第2吸音層14と、両吸音層13,14の間に介在された中間層15と、第2吸音層14の表面に重合配置された装飾層16とから構成されている。この装飾層16は、カーペットとしての装飾機能を有する。これらの各層13〜16は、散点状の接着剤を介して相互に接着されている。
【0014】
前記第1吸音層13は、第2吸音層14よりも低密度となるように構成されている。すなわち、第1吸音層13は、ウール,PE(ポリエチレン),PET(ポリエチレンテレフタレート)等を主とする再生繊維や汎用繊維等により形成された多孔質材としての雑反毛フェルト材からなり、その目付が300〜1800g/m2の範囲内、通気度が5〜100cc/cm2/secの範囲内、厚さが10〜60mmの範囲内となるように構成されている。
【0015】
また、第2吸音層14は第1吸音層13と同様にPET等の多孔質材としての雑反毛フェルト材からなり、その目付が500〜1000g/m2の範囲内、通気度が5〜100cc/cm2/secの範囲内、厚さが4〜15mmの範囲内となるように構成されている。
【0016】
前記中間層15は、PEやPETよりなる合成樹脂の不織布により構成され、高密度層15aと低密度層15bとの2層構造からなり、この中間層15は、その目付が100〜500g/m2の範囲内、厚さが0.1〜4mmの範囲内となるように構成されている。この中間層15においては、全体が低密度のシート材の片面に、加熱ローラを接触させることにより、同中間層15の一側面が溶融により高密度状態で、かつ他側面側よりも高剛性状態に変化されて、低密度層15bの片面側に、高剛性の高密度層15aが一体に形成されている。そして、中間層15の高密度層15aが第2吸音層14側に位置するとともに、低密度層15bが第1吸音層13側に位置するように配置されている。また、この中間層15は、その全体の通気度が第1吸音層13及び第2吸音層14の通気度よりも低くなるように、同通気度が2〜5cc/cm2/secの範囲内(5cc/cm2/sec未満が好ましい)に設定されている。
【0017】
前記装飾層16は、例えば目付が350g/m2のニードルパンチカーペットよりなり、通気度が30cc/cm2/sec以上となるように構成されている。
以上のように、この実施形態の防音材11においては、第1吸音層13及び第2吸音層14の通気度を5cc/cm2/sec以上となるように高く設定した。このため、吸音機能を発揮して、自動車の内外からの騒音を吸収できる。
【0018】
また、この実施形態の防音材11は、通気性を有する第1,第2吸音層13,14間に、通気性に乏しい中間層15が配置されているため、車外あるいは車室から防音材11を通過しようとする騒音に対する透過損失特性が高い。しかも、中間層15の通気度が、2cc/cm2/secは確保されているため、通気度が極端に低い場合に生じる透過共振を防止でき、つまり車外からの騒音が中間層15の振動を介して車室内に伝達されるのを防止でき、このため、騒音があまり透過されることなくブロックされて、車外から車室内への侵入が抑制され、高い遮音性が達成されて車室の静粛性が向上される。特に、この実施形態においては、後述の実施例から明らかなように、人間が不快を感じる周波数領域の低周波領域(500Hz付近)において、透過損失を向上させることができる。
【0019】
さらに、この実施形態の防音材11は、車両パネル12側に配置される第1吸音層13が、車室側に配置される第2吸音層14よりも低密度となるように構成されるとともに、第1,第2吸音層13,14間に中間層15が介在されている。このため、図2に示すように、第1吸音層13がバネに、第2吸音層14及び中間層15がそれぞれマスになり、バネマス効果を発揮させることができて、騒音を有効に減衰できる。この場合、両吸音層13,14の厚さを適宜に設定することにより、減衰可能な騒音の周波数領域を自在に設定でき、不快に感じられる領域の騒音を低減できる。
【0020】
さらに、中間層15が高密度層15aと低密度層15bとの2層構造からなり、高密度層15aが高密度の第2吸音層14側に位置するとともに、低密度層15bが低密度の第1吸音層13側に位置するように配置されている。このため、図2から明らかなように、中間層15の低密度層15bがバネに、高密度層15aがマスになり、中間層15自体のバネマス効果により、騒音の減衰機能を一層高めることができる。以上のように、大きなバネマス内に小さなバネマスが内蔵されているため、バネマス効果が倍加されるだけではなく、大小のバネマスによりそれぞれ異なる周波数領域の騒音を減衰させることができ、広い周波数領域の騒音を減衰できる。
【0021】
以上のように、この実施形態の防音材においては、前記のように2重のバネマス効果を得るようになっているため、中間層15をその通気性を確保しつつきわめて高密度にしたり、大重量にしたりする必要がなく、容易に製造でき、防音材全体が大重量になったり、厚くなったりすることがない。このため、製造コストを低減できるとともに、軽量で、嵩張らず、車載用に好適である。
【0022】
しかも、中間層15の高密度層15aは加熱ローラ等による熱処理によって形成されているため、その高密度層15a側では高密度平滑面になるとともに、熱処理が施されていない低密度層15b側では低密度起毛面になっている。そして、この高密度層15a側の高密度平滑面が第1吸音層13よりも高密度の第2吸音層14に接着されることにより、高密度層15a自身の共振あるいは透過共鳴を第2吸音層14で吸収することができる。また、低密度層15b側の低密度起毛面が低密度の第1吸音層13側に配置されているため、車室外側から透過する騒音を起毛によって乱反射させることができる。よって、透過損失を一層向上させることができる。
【0023】
以上のように、この実施形態の防音材11においては、中間層15対して通気性と高密度化というような2つの相反する特性を持たせる必要がないため、特定の材料や加工を必要とせず、製造コストを低減することができるとともに、薄く、軽量にすることが可能になる。そして、この実施形態の防音材11においては、透過損失特性を高めることができるとともに、透過共振を抑止できて、高い遮音性を得ることができ、車載用として静粛性向上に好適なものとすることができる。
【実施例】
【0024】
以下に、この実施形態の実施例を従来例及び比較例と対比において説明する。
図1に示す実施形態の防音材11に係る実施例1として、第1吸音層13の目付が600g/m2、通気度が50cc/cm2/sec、厚さが15mm、第2吸音層14の目付が700g/m2、通気度が30cc/cm2/sec、厚さが6mm、中間層15の目付が250g/m2、通気度が4cc/cm2/sec、厚さが2mmの構成のものを用意した。
【0025】
これに対して、図10に示す従来構成の防音材に係る従来例1として、軟質層22の目付が720g/m2、通気度が30cc/cm2/sec、厚さが18mm、硬質層23の目付が800g/m2、通気度が10cc/cm2/sec、厚さが3mmの構成のものを用意した。また、図11に示す従来構成の防音材に係る従来例2として、車両パネル側吸音層24の目付が600g/m2、通気度が30cc/cm2/sec、厚さが15mm、車室側吸音層26の目付が700g/m2、通気度が35cc/cm2/sec、厚さが6mm、中間層25の目付が250g/m2、通気度が20cc/cm2/sec、厚さが2mmの構成のものを用意した。
【0026】
前記実施例1、従来例1及び従来例2の防音材について、透過損失を比較測定したところ、図6に示すような結果が得られた。なお、透過損失の測定は、図3(a)に示すように、防音材11の第1吸音層13側にスピーカSを、第2吸音層14側にマイクMを設置して、マイクMの出力を得ることにより行った。この測定結果によれば、実施例1の防音材では、従来例1及び従来例2の防音材と比較して、350〜700Hz付近(図4の範囲E1にほぼ対応する領域)の低周波領域において、透過損失が増大し、特に400Hz付近では、透過損失が5db(デシベル)以上増大するため、体感音量に反映する音圧が大幅に低減される。なお、通常透過損失を5db上げるためには、防音材全体の重量をおよそ倍にする必要がある。
【0027】
また、実施例1、従来例1及び従来例2の防音材について、吸音率を比較測定したところ、図7に示すような結果が得られた。なお、吸音率の測定は、図3(b)に示すように防音材11をその第1吸音層13において金属等の剛性を有する平滑なパネルP上に設置し、同第1吸音層13側にスピーカS及びマイクMを設置して、マイクMの出力を得ることにより行った。ここで、パネルPは、車両の床パネルに見立てられ、音に対する反射体として機能する。この測定結果によれば、実施例1の防音材では、比較例1及び比較例2の防音材と比較して、ほぼ同等の吸音率が得られることが判った。
【0028】
従って、実施例1の防音材11は、従来の防音材と比較して、吸音率は同レベルであるものの、透過損失を増大させることができるため、この実施例1の防音材11を用いた自動車は、車室内における静粛性が向上する。
【0029】
さらに、前記実施例1の比較構成として、比較例1〜4の防音材11を用意した。比較例1においては、第1吸音層13の目付のみを150g/m2に変更し、比較例2においては、第1吸音層13の目付のみを2250g/m2に変更した。また、比較例3においては、中間層15の通気度のみを10cc/cm2/secに変更し、比較例4においては、中間層15の通気度のみを20cc/cm2/secに変更した。
【0030】
前記実施例1、比較例1及び比較例2の防音材11について、透過損失を比較測定したところ、図8に示すような結果が得られた。この測定結果によれば、実施例1の防音材11では、比較例1及び比較例2の防音材と比較して、350〜2000Hz付近(図6の範囲E2にほぼ対応する領域)の周波数領域において、透過損失が増大することが判った。従って、実施例1のように、第1吸音層13と第2吸音層14とのバランスを適正にすれば、バネマス効果も相まって、不快に感じる周波数領域を含む広い周波数領域で騒音を低減することができる。
【0031】
また、実施例1、比較例3及び比較例4の防音材について、透過損失を比較測定したところ、図9に示すような結果が得られた。この測定結果によれば、実施例1の防音材では、比較例3及び比較例4の防音材と比較して、350Hz以上のきわめて広い周波数領域(図9の範囲E3にほぼ対応する領域)において、透過損失が増大することが判った。つまり、実施例1のように通気量を5cc/cm2/sec以下にすれば、広い周波数領域において騒音を低減できることが判明した。
【0032】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図4に示すように、装飾層16を省略すること。このようにすれば、自動車以外の用途、例えば建築物用の防音材としての使用に適する。
【0033】
・ 図5に示すように、前記実施形態とは逆に、中間層15の高密度層15aが第1吸音層13側に、低密度層15bが第2吸音層14側に位置するように、同中間層15を配置すること。このように構成しても、防音材11の透過損失を増大させることができる。
【0034】
・ 第1,第2吸音層13,14あるいは中間層15を発泡樹脂等の他の材料により構成すること。
・ 第2吸音層14がバネ、第1吸音層13がマスとなるように、防音材11を前記実施形態とは逆(表裏反転)にして用いること。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】一実施形態の防音材を示す部分断面図。
【図2】バネマス効果を示すための説明図。
【図3】(a)は透過損失測定状態を示す簡略図、(b)は吸音率測定状態を示す簡略図。
【図4】変形例を示す部分断面図。
【図5】他の変形例を示す部分断面図。
【図6】実施例の防音材及び比較例の防音材について透過損失の測定結果を示すグラフ。
【図7】実施例の防音材及び比較例の防音材について音率の測定結果を示すグラフ。
【図8】実施例の防音材及び第1吸音層の目付を変更した比較例の防音材について透過損失の測定結果を示すグラフ。
【図9】実施例の防音材及び中間層の通気度を変更した比較例の防音材について透過損失の測定結果を示すグラフ。
【図10】従来の防音材を示す部分断面図。
【図11】従来の防音材の別の構成を示す部分断面図。
【符号の説明】
【0036】
11…防音材、12…車両パネル、13…第1吸音層、14…第2吸音層、15…中間層、15a…高密度層、15b…低密度層。
【技術分野】
【0001】
この発明は、静粛性を向上させるために、例えば自動車の車室内の車両パネル上に設置される防音材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の防音材としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるような構成のものが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の防音材は、図10に示すように、車室床面としての車両パネル21側に配置される通気性を有した軟質層22と、その軟質層22上に重合配置された硬質層23とから構成されている。そして、硬質層23の目付が300〜2000g/m2の範囲内に設定されるとともに、同硬質層23が軟質層22よりも低い通気度となるように設定され、さらに、硬質層23は音響振動を減衰させるために、大きな重量を有している。
【0003】
また、特許文献2に記載の防音材は、図11に示すように、車両パネル21側に配置される車両パネル側吸音層24と、その車両パネル側吸音層24上に重合配置された中間層25と、その中間層25上に重合配置された車室側吸音層26とから構成されている。そして、車両パネル側吸音層24の目付が例えば900g/m2に設定されるとともに、車室側吸音層26の目付が例えば500g/m2に設定されている。また、中間層25の目付が10〜200g/m2の範囲内に設定されるとともに、通気度が3〜35cc/cm2/secの範囲内に設定されている。
【特許文献1】特許第3359645号公報
【特許文献2】特開2003−19930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、これらの従来の防音材においては、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1に記載の防音材では、硬質層23として通気性を確保しつつも、高密度化するとともに、大重量化する必要がある。このため、硬質層23としてバインダ繊維等の特定の材料を使用するとともに、加熱プレス加工等の特別の加工を施す必要があって、製造コストが高くなるという問題があるばかりでなく、防音材全体が大重量になって、車載用としては不向きである。さらに、軟質層22及び硬質層23がともに通気性を有するとともに、硬質層23が比較的大きな通気度(5cc/cm2/sec以上)を有するため、騒音がこの防音材を低い損失で透過することになり、従って、透過損失特性が低い。このため、騒音が損失をあまり生じることなく、防音材を通過することになり、遮音性の面でも好ましいものではない。これに対処するために、硬質層23として樹脂パネルのような通気性を全く有しないものを使用することも考えられる。このようにすれば、製造コストを低減できるとともに、透過損失特性を向上させることができるが、車室側からの騒音が硬質層23で車室内に向かって再び反射されるばかりでなく、車外からの騒音が硬質層23の透過共振を経て車内に伝達されるため、車室静粛性を却って悪化させるおそれがある。
【0005】
また、特許文献2に記載の防音材は、例えば、同特許文献2の明細書段落「0010」の記載にある、中間層25の「最適な通気度は10〜20cc/cm2/secである」、から理解されるように、中間層25をはじめ、車両パネル側吸音層24及び車室側吸音層26がすべて吸音材により構成され、吸音を主目的とした構成である。このため、充分な車室静粛性を得るためには、防音材全体を厚くする必要がある。よって、このようにした場合には、車室の容積確保に悪影響を与えると同時に、重量が重くなり、特許文献1の構成と同様に車載用としては好ましくない。しかも、特許文献2に記載の防音材は、全体が吸音性に優れたフェルトや不織布により構成されているため、騒音を減衰させる作用が乏しいばかりでなく、騒音の透過損失特性が低い。以上のことから、特許文献2の構成においても、静粛性を確保する点で問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、特定の材料や加工を必要とせず、製造コストを低減することができるとともに、透過損失特性を高めることができて、高い遮音性を得ることができ、しかも、薄く、軽量にできて車載用として好適な防音材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明においては、それぞれ通気性を有する第1吸音層と第2吸音層との間に中間層を設け、その中間層を高密度層及び低密度層の2層構造にするとともに、中間層の通気度を第1吸音層及び第2吸音層の通気度よりも低くしたことを特徴としている。
【0008】
従って、車室の内外からの騒音を第1,第2吸音層により吸収できる。また、通気度の低い中間層により、騒音の透過損失特性を高めることができるとともに、中間層の低密度層によって騒音を乱反射させることができて、透過騒音を低減でき、防音材としての遮音性を発揮できる。また、第1,第2吸音層及び中間層によるバネマス効果が有効に発揮されて、騒音が吸収される。このため、中間層に対して、通気度と高密度化のように相反する2つの特性を保有させる必要がなく、同中間層の製造が簡単になるとともに、軽量化を達成できる。
【0009】
前記の構成において、第1吸音層及び第2吸音層を多孔質材により構成し、第1吸音層の目付を300〜1800g/m2とし、第2吸音層の目付を500〜1000g/m2にするとよい。さらに、前記第1吸音層の厚さを10〜60mmとし、第2吸音層の厚さを4〜15mmにするとよい。
【0010】
前記の構成において、中間層を、高密度層が第2吸音層側となるように配置するとよい。このようにすれば、中間層の低密度層がバネ、高密度層がマスになって、中間層の内部においてバネマス効果が発揮される。また、前記中間層の通気度を2〜5cc/cm2/secにするとよい。同じく、前記中間層の目付を100〜500g/m2にするとよい。さらに、前記中間層の厚さを0.1〜4mmにするとよい。このようにすれば、騒音に対する中間層の透過損失特性を高めることができる。
【0011】
また、中間層を合成樹脂により形成し、同中間層の一側面を加熱することにより、その一側面に前記高密度層を形成すれば、高密度層の形成がきわめて容易である。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば、特定の材料や加工を必要とせず、製造コストを低減することができるとともに、透過損失を高めることができて、遮音性を向上でき、しかも、薄く軽量化できて、車載用として静粛性向上に好適な防音材とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、この発明を自動車用の防音材に具体化した一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の防音材11は、車両パネル12側に配置される第1吸音層13と、車室側に配置される第2吸音層14と、両吸音層13,14の間に介在された中間層15と、第2吸音層14の表面に重合配置された装飾層16とから構成されている。この装飾層16は、カーペットとしての装飾機能を有する。これらの各層13〜16は、散点状の接着剤を介して相互に接着されている。
【0014】
前記第1吸音層13は、第2吸音層14よりも低密度となるように構成されている。すなわち、第1吸音層13は、ウール,PE(ポリエチレン),PET(ポリエチレンテレフタレート)等を主とする再生繊維や汎用繊維等により形成された多孔質材としての雑反毛フェルト材からなり、その目付が300〜1800g/m2の範囲内、通気度が5〜100cc/cm2/secの範囲内、厚さが10〜60mmの範囲内となるように構成されている。
【0015】
また、第2吸音層14は第1吸音層13と同様にPET等の多孔質材としての雑反毛フェルト材からなり、その目付が500〜1000g/m2の範囲内、通気度が5〜100cc/cm2/secの範囲内、厚さが4〜15mmの範囲内となるように構成されている。
【0016】
前記中間層15は、PEやPETよりなる合成樹脂の不織布により構成され、高密度層15aと低密度層15bとの2層構造からなり、この中間層15は、その目付が100〜500g/m2の範囲内、厚さが0.1〜4mmの範囲内となるように構成されている。この中間層15においては、全体が低密度のシート材の片面に、加熱ローラを接触させることにより、同中間層15の一側面が溶融により高密度状態で、かつ他側面側よりも高剛性状態に変化されて、低密度層15bの片面側に、高剛性の高密度層15aが一体に形成されている。そして、中間層15の高密度層15aが第2吸音層14側に位置するとともに、低密度層15bが第1吸音層13側に位置するように配置されている。また、この中間層15は、その全体の通気度が第1吸音層13及び第2吸音層14の通気度よりも低くなるように、同通気度が2〜5cc/cm2/secの範囲内(5cc/cm2/sec未満が好ましい)に設定されている。
【0017】
前記装飾層16は、例えば目付が350g/m2のニードルパンチカーペットよりなり、通気度が30cc/cm2/sec以上となるように構成されている。
以上のように、この実施形態の防音材11においては、第1吸音層13及び第2吸音層14の通気度を5cc/cm2/sec以上となるように高く設定した。このため、吸音機能を発揮して、自動車の内外からの騒音を吸収できる。
【0018】
また、この実施形態の防音材11は、通気性を有する第1,第2吸音層13,14間に、通気性に乏しい中間層15が配置されているため、車外あるいは車室から防音材11を通過しようとする騒音に対する透過損失特性が高い。しかも、中間層15の通気度が、2cc/cm2/secは確保されているため、通気度が極端に低い場合に生じる透過共振を防止でき、つまり車外からの騒音が中間層15の振動を介して車室内に伝達されるのを防止でき、このため、騒音があまり透過されることなくブロックされて、車外から車室内への侵入が抑制され、高い遮音性が達成されて車室の静粛性が向上される。特に、この実施形態においては、後述の実施例から明らかなように、人間が不快を感じる周波数領域の低周波領域(500Hz付近)において、透過損失を向上させることができる。
【0019】
さらに、この実施形態の防音材11は、車両パネル12側に配置される第1吸音層13が、車室側に配置される第2吸音層14よりも低密度となるように構成されるとともに、第1,第2吸音層13,14間に中間層15が介在されている。このため、図2に示すように、第1吸音層13がバネに、第2吸音層14及び中間層15がそれぞれマスになり、バネマス効果を発揮させることができて、騒音を有効に減衰できる。この場合、両吸音層13,14の厚さを適宜に設定することにより、減衰可能な騒音の周波数領域を自在に設定でき、不快に感じられる領域の騒音を低減できる。
【0020】
さらに、中間層15が高密度層15aと低密度層15bとの2層構造からなり、高密度層15aが高密度の第2吸音層14側に位置するとともに、低密度層15bが低密度の第1吸音層13側に位置するように配置されている。このため、図2から明らかなように、中間層15の低密度層15bがバネに、高密度層15aがマスになり、中間層15自体のバネマス効果により、騒音の減衰機能を一層高めることができる。以上のように、大きなバネマス内に小さなバネマスが内蔵されているため、バネマス効果が倍加されるだけではなく、大小のバネマスによりそれぞれ異なる周波数領域の騒音を減衰させることができ、広い周波数領域の騒音を減衰できる。
【0021】
以上のように、この実施形態の防音材においては、前記のように2重のバネマス効果を得るようになっているため、中間層15をその通気性を確保しつつきわめて高密度にしたり、大重量にしたりする必要がなく、容易に製造でき、防音材全体が大重量になったり、厚くなったりすることがない。このため、製造コストを低減できるとともに、軽量で、嵩張らず、車載用に好適である。
【0022】
しかも、中間層15の高密度層15aは加熱ローラ等による熱処理によって形成されているため、その高密度層15a側では高密度平滑面になるとともに、熱処理が施されていない低密度層15b側では低密度起毛面になっている。そして、この高密度層15a側の高密度平滑面が第1吸音層13よりも高密度の第2吸音層14に接着されることにより、高密度層15a自身の共振あるいは透過共鳴を第2吸音層14で吸収することができる。また、低密度層15b側の低密度起毛面が低密度の第1吸音層13側に配置されているため、車室外側から透過する騒音を起毛によって乱反射させることができる。よって、透過損失を一層向上させることができる。
【0023】
以上のように、この実施形態の防音材11においては、中間層15対して通気性と高密度化というような2つの相反する特性を持たせる必要がないため、特定の材料や加工を必要とせず、製造コストを低減することができるとともに、薄く、軽量にすることが可能になる。そして、この実施形態の防音材11においては、透過損失特性を高めることができるとともに、透過共振を抑止できて、高い遮音性を得ることができ、車載用として静粛性向上に好適なものとすることができる。
【実施例】
【0024】
以下に、この実施形態の実施例を従来例及び比較例と対比において説明する。
図1に示す実施形態の防音材11に係る実施例1として、第1吸音層13の目付が600g/m2、通気度が50cc/cm2/sec、厚さが15mm、第2吸音層14の目付が700g/m2、通気度が30cc/cm2/sec、厚さが6mm、中間層15の目付が250g/m2、通気度が4cc/cm2/sec、厚さが2mmの構成のものを用意した。
【0025】
これに対して、図10に示す従来構成の防音材に係る従来例1として、軟質層22の目付が720g/m2、通気度が30cc/cm2/sec、厚さが18mm、硬質層23の目付が800g/m2、通気度が10cc/cm2/sec、厚さが3mmの構成のものを用意した。また、図11に示す従来構成の防音材に係る従来例2として、車両パネル側吸音層24の目付が600g/m2、通気度が30cc/cm2/sec、厚さが15mm、車室側吸音層26の目付が700g/m2、通気度が35cc/cm2/sec、厚さが6mm、中間層25の目付が250g/m2、通気度が20cc/cm2/sec、厚さが2mmの構成のものを用意した。
【0026】
前記実施例1、従来例1及び従来例2の防音材について、透過損失を比較測定したところ、図6に示すような結果が得られた。なお、透過損失の測定は、図3(a)に示すように、防音材11の第1吸音層13側にスピーカSを、第2吸音層14側にマイクMを設置して、マイクMの出力を得ることにより行った。この測定結果によれば、実施例1の防音材では、従来例1及び従来例2の防音材と比較して、350〜700Hz付近(図4の範囲E1にほぼ対応する領域)の低周波領域において、透過損失が増大し、特に400Hz付近では、透過損失が5db(デシベル)以上増大するため、体感音量に反映する音圧が大幅に低減される。なお、通常透過損失を5db上げるためには、防音材全体の重量をおよそ倍にする必要がある。
【0027】
また、実施例1、従来例1及び従来例2の防音材について、吸音率を比較測定したところ、図7に示すような結果が得られた。なお、吸音率の測定は、図3(b)に示すように防音材11をその第1吸音層13において金属等の剛性を有する平滑なパネルP上に設置し、同第1吸音層13側にスピーカS及びマイクMを設置して、マイクMの出力を得ることにより行った。ここで、パネルPは、車両の床パネルに見立てられ、音に対する反射体として機能する。この測定結果によれば、実施例1の防音材では、比較例1及び比較例2の防音材と比較して、ほぼ同等の吸音率が得られることが判った。
【0028】
従って、実施例1の防音材11は、従来の防音材と比較して、吸音率は同レベルであるものの、透過損失を増大させることができるため、この実施例1の防音材11を用いた自動車は、車室内における静粛性が向上する。
【0029】
さらに、前記実施例1の比較構成として、比較例1〜4の防音材11を用意した。比較例1においては、第1吸音層13の目付のみを150g/m2に変更し、比較例2においては、第1吸音層13の目付のみを2250g/m2に変更した。また、比較例3においては、中間層15の通気度のみを10cc/cm2/secに変更し、比較例4においては、中間層15の通気度のみを20cc/cm2/secに変更した。
【0030】
前記実施例1、比較例1及び比較例2の防音材11について、透過損失を比較測定したところ、図8に示すような結果が得られた。この測定結果によれば、実施例1の防音材11では、比較例1及び比較例2の防音材と比較して、350〜2000Hz付近(図6の範囲E2にほぼ対応する領域)の周波数領域において、透過損失が増大することが判った。従って、実施例1のように、第1吸音層13と第2吸音層14とのバランスを適正にすれば、バネマス効果も相まって、不快に感じる周波数領域を含む広い周波数領域で騒音を低減することができる。
【0031】
また、実施例1、比較例3及び比較例4の防音材について、透過損失を比較測定したところ、図9に示すような結果が得られた。この測定結果によれば、実施例1の防音材では、比較例3及び比較例4の防音材と比較して、350Hz以上のきわめて広い周波数領域(図9の範囲E3にほぼ対応する領域)において、透過損失が増大することが判った。つまり、実施例1のように通気量を5cc/cm2/sec以下にすれば、広い周波数領域において騒音を低減できることが判明した。
【0032】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図4に示すように、装飾層16を省略すること。このようにすれば、自動車以外の用途、例えば建築物用の防音材としての使用に適する。
【0033】
・ 図5に示すように、前記実施形態とは逆に、中間層15の高密度層15aが第1吸音層13側に、低密度層15bが第2吸音層14側に位置するように、同中間層15を配置すること。このように構成しても、防音材11の透過損失を増大させることができる。
【0034】
・ 第1,第2吸音層13,14あるいは中間層15を発泡樹脂等の他の材料により構成すること。
・ 第2吸音層14がバネ、第1吸音層13がマスとなるように、防音材11を前記実施形態とは逆(表裏反転)にして用いること。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】一実施形態の防音材を示す部分断面図。
【図2】バネマス効果を示すための説明図。
【図3】(a)は透過損失測定状態を示す簡略図、(b)は吸音率測定状態を示す簡略図。
【図4】変形例を示す部分断面図。
【図5】他の変形例を示す部分断面図。
【図6】実施例の防音材及び比較例の防音材について透過損失の測定結果を示すグラフ。
【図7】実施例の防音材及び比較例の防音材について音率の測定結果を示すグラフ。
【図8】実施例の防音材及び第1吸音層の目付を変更した比較例の防音材について透過損失の測定結果を示すグラフ。
【図9】実施例の防音材及び中間層の通気度を変更した比較例の防音材について透過損失の測定結果を示すグラフ。
【図10】従来の防音材を示す部分断面図。
【図11】従来の防音材の別の構成を示す部分断面図。
【符号の説明】
【0036】
11…防音材、12…車両パネル、13…第1吸音層、14…第2吸音層、15…中間層、15a…高密度層、15b…低密度層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ通気性を有する第1吸音層と第2吸音層との間に中間層を設け、その中間層を高密度層及び低密度層の2層構造にするとともに、中間層の通気度を第1吸音層及び第2吸音層の通気度よりも低くしたことを特徴とする防音材。
【請求項2】
前記第1吸音層及び第2吸音層を多孔質材により構成し、第1吸音層の目付を300〜1800g/m2とし、第2吸音層の目付を500〜1000g/m2にしたことを特徴とする請求項1に記載の防音材。
【請求項3】
前記第1吸音層の厚さを10〜60mmとし、第2吸音層の厚さを4〜15mmにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の防音材。
【請求項4】
前記中間層を、高密度層が第2吸音層側となるように配置したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項5】
前記中間層の通気度を2〜5cc/cm2/secにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項6】
前記中間層の目付を100〜500g/m2にしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項7】
前記中間層の厚さを0.1〜4mmにしたことを特徴とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項8】
中間層を合成樹脂により形成し、同中間層の一側面を加熱することにより、その一側面に前記高密度層を形成したことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項1】
それぞれ通気性を有する第1吸音層と第2吸音層との間に中間層を設け、その中間層を高密度層及び低密度層の2層構造にするとともに、中間層の通気度を第1吸音層及び第2吸音層の通気度よりも低くしたことを特徴とする防音材。
【請求項2】
前記第1吸音層及び第2吸音層を多孔質材により構成し、第1吸音層の目付を300〜1800g/m2とし、第2吸音層の目付を500〜1000g/m2にしたことを特徴とする請求項1に記載の防音材。
【請求項3】
前記第1吸音層の厚さを10〜60mmとし、第2吸音層の厚さを4〜15mmにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の防音材。
【請求項4】
前記中間層を、高密度層が第2吸音層側となるように配置したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項5】
前記中間層の通気度を2〜5cc/cm2/secにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項6】
前記中間層の目付を100〜500g/m2にしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項7】
前記中間層の厚さを0.1〜4mmにしたことを特徴とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【請求項8】
中間層を合成樹脂により形成し、同中間層の一側面を加熱することにより、その一側面に前記高密度層を形成したことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の防音材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−152585(P2007−152585A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347053(P2005−347053)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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