説明

陰イオン的に改変された環状アミン系ポリマーを有する洗濯用洗剤組成物

【課題】洗濯された布に外観上の利点およびコンディショニング性をもたらされ得る洗濯洗剤。
【解決手段】一般式(I)T−[−W−R−]−W−TA>(Wは例えば下記のような少なくとも1つの環状成分を含む)の陰イオン的に改変され、酸化された特定の環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質を利用する洗剤組成物および布コンディションニング組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯適用において使用するための液状形態または顆粒状形態のいずれかである組成物に関する。本発明の組成物は、陰イオン的に改変された特定の環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質を含み、そしてこのような物質によって、外観および一体性の利点が、そのような組成物から形成される洗浄液で洗濯された布および織布にもたらされる。
【背景技術】
【0002】
当然なことではあるが、よく知られているように、着用した衣類品などの布および織布の使用および洗濯を交互に繰り返すことによって、そのような使用および洗濯が行われた布および織布の外観および一体性は好ましくない影響を受けることは避けられないことである。布および織布は、時間とともに、そして使用によって容易にすり切れる。布および織布の洗濯により、普通に使用しているときにその表面およびその内部に蓄積した泥および汚れを除かなければならない。しかし、洗濯操作自体は、何回も繰り返すうちに、そのような布および織布の一体性および外観をさらに悪化させ、そしてその劣化の一因になり得る。
【0003】
布の一体性および外観の劣化はいくつかの方法で明らかにすることができる。短い繊維は、洗濯時の機械的な作用によって、織られた布/織布構造および編まれた布/織布構造から追い出される。追い出されたこれらの繊維は、布の表面に認めることができ、そして布の新しさの外観を損なう糸くず、綿毛または「毛玉」を形成し得る。さらに、特に漂白剤を含有する洗剤製品を用いて布および織布の洗濯を繰り返すことによって、染料が布および織布から取り除かれ、そして色の鮮やかさを失った結果、および多くの場合、色調の変化または色の曇りの結果として、退色して使い古された外観がもたらされ得る。
【0004】
前述のように、洗濯用洗剤製品に加えることができ、そしてそのような洗剤製品を使用して洗濯される布および織布の繊維と連携し、それによって、洗濯された布/織布の外観を劣化させる傾向を最小限にする物質を同定することが明らかに絶えず求められている。そのような洗剤製品添加物はどれも、当然、洗濯用洗剤がその布洗浄作用を発揮し得ることによって過度に妨害することなく布の外観および一体性に有益であり得る。本発明は、このような所望される方法で実施される洗濯適用において、陰イオン的に改変された環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質を使用することに関する。
【発明の開示】
【0005】
洗濯操作での使用に好適であり、そして布の外観および一体性の所望する利点を提供する陰イオン的に改変された環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質は、下記の一般式によって特徴付けることができる:
【化1】

ただし、上式において、
各Tは独立して、H、C〜C12アルキル、置換アルキル、C〜C12アルキルアリール、−(CHCOOM、−(CHSOM、CHCH(OH)SOM、−(CHOSOM、
【化2】

および−RQからなる群から選択され;
Wは、
【化3】

からなる群から選択される少なくとも1つの環状成分を含み、
Wはまた、前記の少なくとも1つの環状成分に加えて、下記の一般式:
【化4】

の脂肪族部分または置換脂肪族部分を含むことができ;
各Bは独立して、C〜C12アルキレン、C〜C12置換アルキレン、C〜C12アルケニレン、C〜C12ジアルキルアリーレン、C〜C12ジアルキルアリーレンジイル、および−(RO)−であり;
各Dは独立して、C〜Cアルキレンであり;
各Qは独立して、ヒドロキシ基、C〜C18アルコキシ基、C〜C18ヒドロキシアルコキシ基、アミノ基、C〜C18のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ基、複素環モノアミノ基およびジアミノ基からなる群から選択され;
各Rは独立して、H、C〜Cアルキル、およびC〜Cヒドロキシアルキルからなる群から選択され;
各Rは独立して、C〜C12アルキレン基、C〜C12アルケニレン基、−CH−CH(OR)−CH基、C〜C12アルカリーレン基、C〜C12ジヒドロキシアルキレン基、ポリ(C〜Cアルキレンオキシ)アルキレン基、HCH(OH)CHOROCHCH(OH)CH−基、およびC〜C12ヒドロカルビル基からなる群から選択され、
ただし、RがC〜C12ヒドロカルビル基である場合、ヒドロカルビル基は下記の一般式:
【化5】

の2個〜4個の分枝状部分を含むことができ;
各Rは独立して、H、R、C〜C20ヒドロキシアルキル、C〜C20アルキル、置換アルキル、C〜C11アリール、置換アリール、C〜C11アルキルアリール、C〜C20アミノアルキル、−(CHCOOM、−(CHSOM、CHCH(OH)SOM、−(CHOSOM、
【化6】

からなる群から選択され;
各Rは独立して、H、C〜C22アルキル、C〜C22ヒドロキシアルキル、アリール、およびC〜C22アルキルアリールからなる群から選択され;
各Rは独立して、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキル置換アルキレンからなる群から選択され;そして
Aは、適合し得る一価または二価または多価の陰イオンであり;
Mは、適合し得る陽イオンであり;
bは、電荷を釣り合わせるのに必要な数であり;
各xは独立して、3〜1000であり;
各cは独立して、0または1であり;
各hは独立して、1〜8であり;
各qは独立して、0〜6であり;
各nは独立して、1〜20であり;
各rは独立して、0〜20であり;
各tは独立して、0〜1であり;そして
T基およびR基の総数の少なくとも約1.0%、好ましくは少なくとも約5.0%、より好ましくは少なくとも約10%、最も好ましくは少なくとも約20%は、−(CHCOOM、−(CHSOM、CHCH(OH)SOM、−(CHOSOM、
【化7】

およびそれらの混合物からなる群から選択される陰イオン基である。
【0006】
上記のように定義される陰イオン的に改変された環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質は、顆粒状形態または液状形態のいずれかで洗浄液添加物として使用することができる。あるいは、それらは、顆粒状洗剤に混合したり、液状洗剤組成物に溶解したり、または布柔軟化剤組成物に加えたりすることができる。本明細書中において定義されている陰イオン的に改変された環状アミン系布処理物質に関する使用の前記の説明は例示であることを目的としている。それ以外の使用は、当業者には明らかであり、本発明の範囲に含まれるものとする。
【0007】
本明細書中の洗濯用洗剤組成物は、約1重量%〜80重量%の洗剤界面活性剤、約0.1重量%〜80重量%の有機洗剤ビルダーまたは無機洗剤ビルダー、および約0.01重量%〜5重量%の本発明の陰イオン的に改変された環状アミン系布処理物質を含む。洗剤界面活性剤および洗剤ビルダーの物質は、従来の洗濯用洗剤製品において有用な物質のいずれかであり得る。
【0008】
本発明の陰イオン的に改変された環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質の水溶液は、水に溶解された約0.01重量%〜80重量%の環状アミン系布処理物質と、安定化剤およびpH調節剤などの他の成分とを含む。
【0009】
その方法局面において、本発明は、本明細書中に記載されている洗剤組成物の有効量から形成されるか、あるいはそのような組成物の個々の成分から形成される水性洗浄液または水性処理液における布および織布の洗濯または処理に関する。そのような洗浄液での布および織布の洗濯、その後のすすぎおよび乾燥によって、布の外観上の利点が、そのように処理された布および織布にもたらされる。そのような利点には、改善された全体的な外観、毛玉/綿毛の減少、抗退色、改善された対摩耗性、および/または増強された柔軟性が含まれ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
記載されているように、布または織布が、本発明の陰イオン的に改変された環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質を含む洗浄液で洗濯された場合、布の外観および一体性が高まる。本発明の陰イオン的に改変された環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質は、本明細書中では、「環状アミン系布処理物質」または「環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質」として示されることがある。環状アミン系布処理物質は、そのような物質を洗剤組成物、布柔軟化剤に組み込むことによって、あるいはそのような物質を別々に洗浄液に加えることによって洗浄液に加えることができる。環状アミン系布処理物質は、本明細書中では、主として液状洗剤添加物または顆粒状洗剤添加物として記載されているが、本発明はそのように限定されることを意味していない。環状アミン系布処理物質、洗剤組成物成分、そのような組成物に関して必要に応じて使用される成分、およびそのような組成物の使用方法を下記に詳しく説明する。百分率はすべて、別途指示されていない限り、重量比である。
【0011】
A)環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質
本発明の組成物の必須成分は、1つまたは複数の環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーを含む。そのような物質によって、多数の外観上の利点が、そのような環状アミン系布処理物質を含有する洗剤組成物から形成される水性洗浄液で洗濯された布および織布にもたらされることが見出されている。そのような布の外観上の利点には、例えば、洗濯された布の改善された全体的な外観、形成される毛玉および綿毛の減少、退色に対する保護、改善された耐摩耗性などが含まれ得る。本明細書中における組成物および方法において使用される環状アミン系布処理物質は、そのような布の外観上の利点を、そのような物質が組み込まれた洗濯用洗剤組成物によって提供される洗浄性能の認められるほどの喪失または完全な喪失を伴うことなくもたらし得る。
【0012】
本明細書中の組成物の成分である環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーは、これらの環状アミン系物質の組合せを含むことができる。例えば、ピペリジン(piperadine)とエピハロヒドリンとの縮合物の混合物は、所望する布処理結果を達成するために、モルホリンとエピハロヒドリンとの縮合物の混合物と組み合わせることができる。さらに、環状アミン系布処理物質の分子量は、下記の実施例において例示されているように、そのような混合物の範囲内で変化させることができる。
【0013】
このような環状アミン系ポリマーは直鎖状または分枝状であり得る。特定のタイプの分枝は、多官能性架橋剤を使用して導入することができる。そのようなポリマーの一例を下記に示す。
【化8】

【0014】
当業者には明らかであるように、オリゴマーは数個のモノマーユニットのみからなる分子であり、ポリマーはそれよりもかなり多くのモノマーユニットを含む。本発明に関して、オリゴマーは、約1,000未満の平均分子重量を有する分子として定義され、ポリマーは、約1,000を超える平均分子重量を有する分子として定義される。コポリマーは、2つ以上の異なったモノマーが同時にまたは連続的に重合されたポリマーまたはオリゴマーである。本発明のコポリマーには、例えば、第一級環状アミン系モノマー(例えば、ピペリジン)および第二級環状アミンモノマー(例えば、モルホリン)の混合物から重合されるポリマーまたはオリゴマーが含まれ得る。
【0015】
本明細書中における洗剤組成物の環状アミン系布処理成分は、一般に、洗剤組成物の約0.01重量%〜約5重量%を含む。より好ましくは、そのような環状アミン系布処理物質は洗剤組成物の約0.1重量%〜約4重量%を含み、最も好ましくは約0.75重量%〜約3重量%を含む。しかし、上記のように、洗浄液添加物として使用される場合、すなわち、環状アミン系布処理物質成分が洗剤組成物に組み込まれない場合、環状アミン系布処理成分の濃度は、添加物物質の約0.1重量%〜約80重量%を含むことができる。
【0016】
洗濯操作における使用に好適であり、そして布の外観および一体性の所望する利点を提供する環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質は、発明の開示において示されている一般式によって特徴付けることができる。この一般式に含まれる好ましい化合物には、下記の化合物が含まれる:
【0017】
各RがHであり;そして
少なくとも1つのWが、
【化9】

からなる群から選択される化合物。
【0018】
布の外観および一体性の利点に関して一層より好ましい化合物は、各RがHであり;そして少なくとも1つのWが、
【化10】

からなる群から選択される化合物である。
【0019】
布の外観および一体性の利点に関して最も好ましい化合物は、各RがHであり;そして少なくとも1つのWが、
【化11】

からなる群から選択される化合物である。
【0020】
連結基Rとして使用することができる好ましい化合物には、下記が含まれるが、それらに限定されない:ポリエポキシド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、尿素、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸のエステル、α,β−不飽和カルボン酸のアミド、α,β−不飽和カルボン酸の無水物、ジカルボン酸またはポリカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸のエステル、ジカルボン酸またはポリカルボン酸のアミド、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の無水物、グリシジルハロゲン、クロロギ酸エステル、クロロ酢酸エステル、クロロギ酸エステルの誘導体、クロロ酢酸エステルの誘導体、エピハロヒドリン、グリセロールジクロロヒドリン類、ビス(ハロヒドリン)類、ポリエーテルジハロ化合物、ホスゲン、ポリハロゲン、官能基化されたグリシジルエーテル、およびそれらの混合物。さらに、Wはまた、1つまたは複数のポリエーテルジアミン、アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン、アルコール、アルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールを、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸アミドおよびα,β−不飽和カルボン酸無水物と反応することによって得られる反応生成物を含む:ただし、そのような反応生成物は、少なくとも2つの二重結合、少なくとも2つのカルボキシル基、少なくとも2つのアミド基または少なくとも2つのエステル基を含有する。
【0021】
さらに、本明細書中において使用される好ましい環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーには、ピペラジン、ピペリジン、エピクロロヒドリン、エピクロロヒロリンベンジルクァット(quat)、エピクロロヒドリンメチルクァット、モルホリンおよびそれらの混合物からなる群から選択される2つ以上の組成物の付加物が含まれる。
【0022】
B)洗剤界面活性剤
本明細書中の洗剤組成物は、約1重量%〜80重量%の洗剤界面活性剤を含む。好ましくは、そのような組成物は、約5重量%〜50重量%の洗剤界面活性剤を含む。用いられる洗剤界面活性剤は、陰イオン型、非イオン型、双性イオン型、両性型または陽イオン型であり得るか、あるいはこれらの型の適合し得る混合物を含むことができる。本明細書中において有用な洗剤界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(Norris、1972年5月23日発行)、米国特許第3,919,678号(Laughlin他、1975年12月30日発行)、米国特許第4,222,905号(Cockrell、1980年9月16日発行)、および米国特許第4,239,659号(Murphy、1980年12月16日発行)に記載されている。これらの特許はすべて参考として本明細書中に援用される。すべてのこのような界面活性剤の中で、陰イオン型および非イオン型が好ましい。
【0023】
有用な陰イオン界面活性剤は、それ自体、いくつかの異なるタイプであり得る。例えば、高級脂肪酸の水溶性塩、すなわち、「石けん」は、本明細書中における組成物において有用な陰イオン界面活性剤である。これには、約8個〜約24個の炭素原子、好ましくは約12個〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびアルキルオルアンモニウム(alkylolammonium)塩などのアルカリ金属石けんが含まれる。石けんは、脂肪および油脂の直接的な鹸化によって、あるいは遊離脂肪酸の中和によって作製することができる。特に有用なものは、ココナッツオイルおよび獣脂から得られる脂肪酸混合物のナトリウム塩およびカリウム塩、すなわち、獣脂およびココナッツのナトリウム石けんまたはカリウム石けんである。
【0024】
本明細書中における使用に好適なさらなる非石けん型陰イオン界面活性剤には、約10個〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基およびスルホン酸基または硫酸基をその分子構造内に有する有機硫酸化反応生成物の水溶性塩、好ましくはアルカリ金属塩およびアンモニウム塩が含まれる(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる)。このような基の合成界面活性剤の例を下記に示す:a)ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムのアルキル硫酸塩、特に、獣脂またはココナッツオイルのグリセリドを還元することによって得られるアルコールなどの高級アルコール(C〜C18の炭素原子)を硫酸化することによって得られるアルキル硫酸塩;b)ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムのアルキルポリエトキシレート硫酸塩、特に、アルキル基は10個〜22個の炭素原子、好ましくは12個〜18個の炭素原子を含有し、そしてポリエトキシレート鎖は、1個〜15個のエトキシレート基、好ましくは1個〜6個のエトキシレート基を含有するアルキルポリエトキシレート硫酸塩;およびc)ナトリウムおよびカリウムのアルキルベンゼンスルホン酸塩(ただし、アルキル基は、約9個〜約15個の炭素原子を含有し、直鎖または分枝鎖の形態である)、例えば、米国特許第2,220,099号および同第2,477,383号に記載されているタイプのアルキルベンゼンスルホン酸塩。特に有用なものは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜13である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。これはC11〜13LASと略記される。
【0025】
好ましい非イオン界面活性剤は、式R(OCOHの界面活性剤である:ただし、RはC10〜C16アルキル基またはC〜C12アルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。特に好ましいものは、C12〜C15アルコールと、1モルのアルコールあたり約5個〜約20個のエチレンオキシドとの縮合反応生成物、例えば、1モルのアルコールあたり約6.5モルのエチレンオキシドと縮合させたC12〜C13アルコールである。
【0026】
さらなる好適な非イオン界面活性剤には、下記の式のポリヒドロキシ脂肪酸アミドが含まれる:
【化12】

上式において、RはC9〜17アルキルまたはアルケニルであり、Rはメチル基であり、そしてZは、還元された糖またはそのアルコキシル化誘導体に由来するグリシチルである。例として、N−メチル−N−1−デオキシグリシチルココアミドおよびN−メチル−N−1−デオキシグリシチルオレアミドが挙げられる。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドを作製するためのプロセスは知られており、米国特許第2,965,576号(Wilson)および米国特許第2,703,798号(Schwartz)において見出すことができる(それらの開示は参考として本明細書中に援用される)。
【0027】
本明細書中において記載されている洗剤組成物での使用に好ましい界面活性剤は、下記の式のアミン系界面活性剤である:
【化13】

上式において、RはC〜C12アルキル基であり;nは約2〜約4であり、Xは、NH、CONH、COOまたはOから選択される架橋基であるか、あるいはXは存在しないことがあり;そしてRおよびRは、個々に、H、C〜Cアルキルまたは(CH−CH−O(R))(ただし、RはHまたはメチルである)から選択される。特に好ましいアミン系界面活性剤には下記が含まれる:
【化14】

上式において、RはC〜C12アルキル基であり、そしてRはHまたはCHである。上記に定義される界面活性剤における使用に特に好ましいアミンには、オクチルアミン、ヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、C〜C12ビス(ヒドロキシエチル)アミン、C〜C12ビス(ヒドロキシイソプロピル)アミン、C〜C12アミド−プロピルジメチルアミン、またはそれらの混合物からなる群から選択されるアミンが含まれる。
【0028】
非常に好ましい実施形態において、アミン系界面活性剤は、下記の式によって示される:
−C(O)−NH−(CH−N(CH
(ただし、RはC〜C12アルキルである)。
【0029】
C)洗剤ビルダー
本明細書中における洗剤組成物はまた、約0.1重量%〜80重量%の洗剤ビルダーを含むことができる。好ましくは、液状形態におけるそのような組成物は、約1重量%〜10重量%のビルダー成分を含む。好ましくは、顆粒状形態におけるそのような組成物は、約1重量%〜50重量%のビルダー成分を含む。洗剤ビルダーはこの分野では十分に知られており、例えば、リン酸塩ならびに様々な有機および無機の非リンビルダーを含むことができる。
【0030】
本明細書中において有用な水溶性の非リン有機ビルダーには、様々なアルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウムのポリ酢酸塩、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩およびポリヒドロキシスルホン酸塩が含まれる。ポリ酢酸塩ビルダーおよびポリカルボン酸ビルダーの例は、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、オキシジコハク酸、メリト酸、ベンゼンポリカルボン酸およびクエン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩である。本明細書中における使用に好適な他のポリカルボン酸塩は、米国特許第4,144,226号(Crutchfield他、1979年3月13日発行)および米国特許第4,246,495号(Crutchfield他、1979年3月27日発行)に記載されているポリアセタールカルボン酸塩である(これらはともに参考として本明細書中に援用される)。特に好ましいポリカルボン酸塩ビルダーは、オキシジコハク酸塩、および米国特許第4,663,071号(Bush他、1987年5月5日発行:この開示は参考として本明細書中に援用される)に記載されているタルタレートモノコハク酸塩およびタルタレートジコハク酸塩の組合せを含むエーテルカルボン酸塩ビルダー組成物である。
【0031】
好適な非リン無機ビルダーの例には、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウ酸塩および炭酸塩が含まれる。特に好ましいものは、ナトリウムおよびカリウムの炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、四ホウ酸塩十水塩、およびSiO対アルカリ金属酸化物の比が約0.5〜約4.0であり、好ましくは約1.0〜約2.4であるケイ酸塩が含まれる。ゼオライトを含むアルミノケイ酸塩もまた好ましい。そのような物質および洗剤ビルダーとしてのその使用が、米国特許第4,605,509号(Corkill他:この開示は参考として本明細書中に援用される)にさらに詳しく議論されている。米国特許第第4,605,509号では、本発明の洗剤組成物における使用に好適な結晶性積層ケイ酸塩もまた議論されている。
【0032】
D)必要に応じて使用される洗剤成分
前記の界面活性剤、ビルダー、および環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質に加えて、本発明の洗剤組成物はまた、任意の多数のさらなる成分を必要に応じて含むことができる。このような成分には、酵素および酵素安定化剤、泡立ち促進剤または泡立ち抑制剤、変色防止剤および腐食防止剤、漂白剤、汚れ懸濁剤、汚れ遊離剤、殺菌剤、pH調節剤、非ビルダーアルカリ性源、キレート化剤、有機フィラーおよび無機フィラー、溶媒、ハイドロトロープ、蛍光光沢剤、色素および香料などの従来の洗剤組成物の成分が含まれる。
【0033】
pH調節剤は、規定された組成物の布の一体性の利点がより高いpHでは損なわれ始めるために、洗浄液のpHが約10.0を超えるいくつかの適用において必要になることがある。従って、洗浄液が、本発明の環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質を加えた後で約10.0よりも高い場合、pH調節剤を使用して、洗浄液のpHを約10.0よりも低くしなければならず、好ましくは約9.5よりも低いpHに、そして最も好ましくは約7.5よりも低いpHにしなければならない。好適なpH調節剤は当業者には知られている。
【0034】
本明細書中における洗剤組成物に組み込むために必要に応じて使用される好ましい成分には、漂白剤、例えば、過酸素漂白剤が含まれる。そのような過酸素漂白剤は、本質的には有機または無機であり得る。無機の過酸素漂白剤は、多くの場合、漂白剤活性化剤と組み合わせて使用される。
【0035】
有用な有機過酸素漂白剤には、過カルボン酸漂白剤およびその塩が含まれる。このクラスの薬剤の好適な例には、モノペルオキシフタル酸マグネシウム六水塩、メタクロロ過安息香酸、4−ノニルアミノ−4−オキソペルオキシ酪酸およびジペルオキシドデカン二酸のマグネシウム塩が含まれる。そのような漂白剤は、米国特許第4,483,781号(Hartman、1984年11月20日発行)、欧州特許出願公開EP−A−133,354(Banks他、1985年2月20日公開)、および米国特許第4,412,934号(Chung他、1983年11月1日発行)に開示されている。非常に好ましい漂白剤にはまた、米国特許第4,634,551号(Burns他、1987年1月6日発行)に記載されている6−ノニルアミノ−6−オキソペルオキシカプロン酸(NAPAA)が含まれる。
【0036】
無機過酸素漂白剤はまた、一般には特定の形態で、本明細書中における洗剤組成物で使用することができる。無機漂白剤が実際には好ましい。そのような無機過酸素化合物には、アルカリ金属の過ホウ酸塩および過炭酸塩の物質が含まれる。例えば、過ホウ酸ナトリウム(例えば、一水塩または四水塩)を使用することができる。好適な無機漂白剤にはまた、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムの過酸化水素化物および等価な「過炭酸塩」漂白剤、ピロリン酸ナトリウム過酸化水素化物、尿素過酸化水素化物、ならびに過酸化ナトリウムが含まれる。過硫酸塩の漂白剤(例えば、デュポン(DuPont)社により商業的に製造されているオキソン(OXONE))もまた使用することができる。多くの場合、無機過酸素漂白剤は、ケイ酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩または水溶性界面活性剤でコーティングされる。例えば、コーティングされた過炭酸塩粒子を、エフ・エム・シー(FMC)、ソルベイ・インターオクス(Solvay Interox)、東海電化およびデグサ(Degussa)などの様々な供給源から入手することができる。
【0037】
無機過酸素漂白剤(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩など)は、好ましくは、漂白剤活性化剤と一緒にされる。このような漂白剤活性化剤は、漂白剤活性化剤に対応するペルオキシ酸の水溶液におけるインシチュ(in situ)産生(すなわち、布を洗濯/漂白するために本明細書中における組成物を使用しているときにける産生)を導く。活性化剤の非限定的な様々な例が、米国特許第4,915,854号(Mao他、1990年4月10日発行)および米国特許第4,412,934号(Chung他、1983年11月1日発行)に開示されている。ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(NOBS)およびテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)の活性化剤が代表的で好ましい。その混合物もまた使用することができる。本明細書中において有用な代表的な漂白剤および活性化剤に関しては、前記の米国特許第4,634,551号もまたを参照のこと。
【0038】
他の有用なアミド系漂白剤活性化剤は下記の式を有する:
N(R)C(O)RC(O)L
または
C(O)N(R)C(O)L。
上式において、Rは、約6個〜約12個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、約1個〜約6個の炭素原子を有するアルキレン基であり、RはHあるいは約1個〜約10個の炭素原子を含有するアルキル、アリールまたはアルカリールであり、そしてLは任意の適切な脱離基である。脱離基は、過酸化水素分解陰イオンによる漂白剤活性化剤の求核攻撃の結果として漂白剤活性化剤から脱離する任意の基である。好ましい脱離基は、フェノールスルホン酸塩でる。
【0039】
上記の式の漂白剤活性化剤の好ましい例には、前記の米国特許第4,634,551号に記載されている(6−オクタンアミド−カプロイル)オキシベンゼンスルホン酸塩、(6−ノナンアミド−カプロイル)オキシベンゼンスルホン酸塩、(6−デカンアミド−カプロイル)オキシベンゼンスルホン酸塩、およびそれらの混合物が含まれる。
【0040】
別のクラスの有用な漂白剤活性化剤には、米国特許第4,966,723号(Hodge他、1990年10月30日発行:これは参考として本明細書中に援用される)に開示されているベンゾキサジン型活性化剤が含まれる。ベンゾキサジン型の非常に好ましい活性化剤を下記に示す:
【化15】

【0041】
さらに別の種類の有用な漂白剤活性化剤には、アシルラクタム活性化剤、特に、下記の式のアシルカプロラクタムおよびアシルバレロラクタムが含まれる:
【化16】

上式において、Rは、Hあるいは1個〜約12個の炭素原子を含有するアルキル基、アリール基、アルコキシアリール基またはアルカリール基である。非常に好ましいラクタム活性化剤には、ベンゾイルカプロラクタム、オクタノイルカプロラクタム、3,5,5−トリメチルヘキサノイルカプロラクタム、ノナノイルカプロラクタム、デカノイルカプロラクタム、ウンデカノイルカプロラクタム、ベンゾイルバレロラクタム、オクタノイルバレロラクタム、ノナノイルバレロラクタム、デカノイルバレロラクタム、ウンデカノイルバレロラクタム、3,5,5−トリメチルヘキサノイルバレロラクタム、およびそれらの混合物が含まれる。過ホウ酸ナトリウムに吸着させたアシルカプロラクタム(ベンゾイルカプロラクタムを含む)を開示する米国特許第4,545,784号(Sanderson、1985年10月8日発行:これは参考として本明細書中に援用される)もまた参照のこと。
【0042】
過酸素漂白剤が利用される場合、過酸素漂白剤は、一般に、本明細書中における洗剤組成物の約2重量%〜30重量%を含む。より好ましくは、過酸素漂白剤は、組成物の約2重量%〜20重量%を含む。最も好ましくは、過酸素漂白剤は、本明細書中における組成物の約3重量%〜15重量%の範囲で存在する。漂白剤活性化剤が利用される場合、漂白剤活性化剤は、本明細書中における洗剤組成物の約2重量%〜10重量%を含む。多くの場合、活性化剤は、漂白剤対活性化剤のモル比が約1:1〜10:1の範囲であるように、より好ましくは約1.5:1〜5:1の範囲であるように用いられる。本明細書中における洗剤組成物において必要に応じて使用される別の非常に好ましい成分は、洗剤酵素成分である。酵素は、タンパク質系の汚れ、炭水化物系の汚れ、またはトリグリセリド系の汚れを基材から除去することを含む様々な目的のために、布の洗濯時における染料の脱離移動を防ぐために、そして布を回復させるために本発明の洗剤組成物に含めることができる。好適な酵素には、植物、動物、細菌、真菌および酵母などを起源とする、任意の適切な起源のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼおよびそれらの混合物が含まれる。好ましい選択は、pH−活性および/または安定性、最適な温度安定性、および活性な洗剤およびビルダーなどに対する安定性などの要因によって影響される。この点に関して、細菌のアミラーゼおよびプロテアーゼならびに真菌のセルラーゼなどの細菌または真菌の酵素が好ましい。
【0043】
本明細書中で使用されている「洗剤酵素」は、洗浄作用、汚れ除去作用、または洗濯用洗剤組成物におけるその他の有利な作用を有する任意の酵素を意味する。洗濯目的に好ましい酵素には、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、アミラーゼおよびペルオキシダーゼが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
酵素は、通常、「洗浄効果量」が得られるのに十分な量で洗剤組成物に組み込まれる。用語「洗浄効果量」は、洗浄作用、汚れ除去作用、白色化作用、脱臭作用、または新しさ改善作用が布などの基材で得ることができる任意の量をいう。現在の市販の調製物に関する実用的な表現において、典型的な量は、活性な酵素が、重量比で、1gの洗剤組成物について、約5mgまでであり、より典型的には0.01mg〜3mgである。すなわち、本明細書中における組成物は、典型的には、0.001重量%〜5重量%の市販の酵素調製物を含み、好ましくは0.01重量%〜1重量%の市販の酵素調製物を含む。プロテアーゼ酵素は、通常、1gの組成物について、0.005〜0.1アンソン単位(AU)の活性が得られるのに十分な量がそのような市販調製物に存在する。より大きな活性レベルが、高度に濃縮された洗剤配合物に望まれることがある。
【0045】
プロテアーゼの好適な例は、バチルス・ズブチリス(B.subtilis)およびバチルス・リキニホルミス(B.licheniformis)の特定の菌株から得られるズブチリシン類である。8〜12の間のpH範囲で最大活性を有する好適なプロテアーゼがバチルス属の菌株から得られ、エスペラーゼ(ESPERASE)(登録商標)としてノボ・インダストリーズ(Novo Indursties A/S、デンマーク)社(以下、「ノボ」)によって開発および販売されている。この酵素および類似する酵素の調製は、英国特許第1,243,784号(ノボ)に記載されている。他の好適なプロテアーゼには、ノボ社から得られるアルカラーゼ(ALCALASE)(登録商標)およびサビナーゼ(SAVINASE)(登録商標)、ならびにインターナショナル・バイオシンセティックス(International BioSynthtics Inc.、オランダ)社から得られるマクサターゼ(MAXATASE)(登録商標);さらに欧州特許EP 130,756A(1985年1月9日)に開示されているプロテアーゼA、ならびに欧州特許EP 303,761A(1987年4月28日)および同EP 130,756A(1985年1月9日)に開示されているプロテアーゼBが含まれる。国際特許出願公開WO9318140A(ノボ)に記載されているバチルス株(Bacillus sp.)NCIMB40338から得られる高pHプロテアーゼもまた参照のこと。プロテアーゼ、1つまたは複数の他の酵素、および可逆的なプロテアーゼ阻害剤を含む酵素洗剤が国際特許出願公開WO9203529A(ノボ)に記載されている。他の好ましいプロテアーゼには、国際特許出願公開WO9510591A(Procter&Gamble)に記載されているプロテアーゼが含まれる。所望する場合、吸着を低下させ、そして加水分解作用を大きくしたプロテアーゼを、国際特許出願公開WO9507791(Procter&Gamble)に記載されているようにして得ることができる。本明細書中において好適な洗剤に使用される組換えトリプシン様プロテアーゼが、国際特許出願公開WO9425583(ノボ)に記載されている。
【0046】
本明細書中において使用可能なセルラーゼには、5〜10の間の最適pHを有することが好ましい細菌型および真菌型の両方が含まれる。米国特許第4,435,307号(Barbesgoard他、1984年3月6日)には、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)またはフミコーラ株DSM1800、あるいはアエロモナス(Aeromonas)属に属するセルラーゼ212産生真菌から得られる好適な真菌セルラーゼ、および海洋軟体動物のDolabella Auricula Solanderの肝膵臓から抽出されるセルラーゼが開示されている。好適なセルラーゼはまた、英国特許GB−A−2,075,028;同GB−A−2,095,275;およびドイツ国特許DE−OS−2,247,832に開示されている。カレザイム(CAREZYME)(登録商標)およびセルザイム(CELLUZYME)(登録商標)(ノボ)は特に有用である。国際特許出願公開WO9117243(ノボ)もまた参照のこと。
【0047】
洗剤用途に好適なリパーゼ酵素は、英国特許第1,372,034号に開示されているシュードモナス・スツッチェリ(Pseudomonas stutzeri)ATCC19.154などのシュードモナス属群の微生物によって産生されるリパーゼ酵素が含まれる。さらに、特開昭53,20487(1978年2月24日公開)のリパーゼもまた参照のこと。このリパーゼは、リパーゼP「アマノ」または「アマノ−P」の商品名で天野製薬(株)(名古屋)から入手することができる。他の好適な市販のリパーゼには、アマノ−CES、東洋醸造(株)(田方)から得られるクロモバクター・ビスコスム(Chromobacter viscosum)(例えば、Chromobacter viscosum var. lipolyticum NRRLB3673)由来のリパーゼ;U.S. Biochemical Corp.(アメリカ)およびDisoynth Co.(オランダ)から得られるクロモバクター・ビスコスムのリパーゼ;ならびにシュードモナス・グラジオリ(Pseudomonas gladioli)由来のリパーゼが含まれる。フミコーラ・ラヌギノーザ(Humicola lanuginosa)から得られ、ノボ社から市販されているリポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)(欧州特許第341,947号もまた参照のこと)は、本明細書中における使用に好ましいリパーゼである。
【0048】
本明細書中における酵素含有組成物はまた、必要に応じて、酵素安定化システムを、約0.001重量%〜約10重量%で、好ましくは約0.005重量%〜約8重量%で、最も好ましくは約0.01重量%〜約6重量%で含むことができる。酵素安定化システムは、洗剤酵素と適合し得る任意の安定化システムであり得る。そのようなシステムは、他の配合活性剤によって固有的にもたらされることがあり、あるいは、例えば、配合者によって、または洗剤に使用できる酵素の製造者によって別途加えることができる。そのような安定化システムは、例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖のカルボン酸、ボロン酸(boronic acid)類、およびそれらの混合物を含み、そして洗剤組成物のタイプおよび物理的形態に依存して、様々な安定化問題を解決するように設計されている。
【0049】
E)洗剤組成物の調製
本発明による洗剤組成物は、液状、ペースト状または顆粒状の形態であり得る。そのような組成物は、必須成分および必要に応じて使用される成分を、必要とされる濃度で、任意の適切な順序で、そして任意の都合のよい方法で一緒にすることによって調製することができる。
【0050】
例えば、顆粒状の組成物は、一般に、顆粒状の基剤成分、例えば、界面活性剤、ビルダー、水などをスラリーとして一緒にし、そして得られたスラリーを低レベルの残留水分(5%〜12%)にまで噴霧乾燥することによって作製される。残りの乾燥成分、例えば、顆粒状の必須な環状アミン系布処理物質は、噴霧乾燥した顆粒と回転式混合ドラムで顆粒状の粉末形態に混合することができる。液状の成分、例えば、必須な環状アミン系布処理物質、酵素、バインダーおよび香料の各溶液を、得られた顆粒に噴霧して、最終的な洗剤組成物を得ることができる。本発明による顆粒状組成物はまた、「圧縮形態」であり得る。すなわち、本発明による顆粒状の組成物は、従来の顆粒状洗剤よりも比較的大きな密度(すなわち、550g/l〜950g/l)を有し得る。そのような場合、本発明による顆粒状の洗剤組成物は、従来の顆粒状洗剤と比較して、より少ない量の「無機フィラー塩」を含有する。代表的なフィラー塩はスルフェートおよびクロリドのアルカリ土類金属塩であり、典型的には硫酸ナトリウムである。「圧縮」洗剤は、典型的には、10%以下のフィラー塩を含む。
【0051】
液状の洗剤組成物は、必要とされる濃度で成分を含有する組成物を得るために、その必須成分および必要に応じて使用される成分を任意の所望する順序で混合することによって調製することができる。本発明による液状組成物はまた、「圧縮形態」であり得る。そのような場合、本発明による液状の洗剤組成物は、従来の液状洗剤と比較して、より少ない量の水を含有する。環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質を本発明の液状洗剤または他の水性組成物に加えることは、液体溶液に所望の環状アミン系布処理物質を単に混合することによって達成することができる。
【0052】
F)布の洗濯方法
本発明はまた、本明細書中において使用される環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質によって提供される布の外観上の利点をもたらすように布を洗濯するための方法を提供する。そのような方法は、このような布を、前記の洗剤組成物の有効量から形成されるか、またはそのような組成物の個々の成分から形成される水性洗浄液と接触させることを用いる。布の洗浄液との接触は、一般に、攪拌される条件のもとで生じるが、本発明の組成物はまた、布の洗浄および処理を行うための攪拌されない水性の浸漬液を作製するために使用することができる。上記のように、洗浄液は、約10.0未満のpHを有することが好ましく、好ましくは約9.5のpHを有し、最も好ましくは約7.5のpHを有する。
【0053】
攪拌は、好ましくは、良好な洗浄を得るために洗濯機で行われる。濡れた布は、好ましくは、洗浄後、従来の衣類乾燥機で乾燥される。洗濯機における水性洗浄液での高密度の液状洗剤組成物または顆粒状洗剤組成物の有効量は、好ましくは、約500ppm〜約7000ppmであり、より好ましくは約1000ppm〜約3000ppmである。
【0054】
G)布のコンディショニングおよび柔軟化
洗濯用洗剤組成物の成分としての前記の環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの物質はまた、本発明の洗剤組成物の実施形態における界面活性剤成分およびビルダー成分が存在しないときに、布および織布の処理およびコンディショニングのために使用することができる。従って、例えば、環状アミン系布処理物質自身のみを含むか、あるいは環状アミン系布処理物質の水溶液を含む布のコンディショニング用組成物は、前記の所望する布の外観および一体性の利点を得るために、家庭での従来の洗濯操作のすすぎのときに加えることができる。
【0055】
本発明の組成物は、1つまたは複数の布柔軟化剤活性剤を、組成物の少なくとも約1重量%から、好ましくは約10重量%から、より好ましくは約20重量%から、約80重量%まで、より好ましくは約60重量%まで含む。
【0056】
本発明による好ましい布柔軟化剤活性剤は、下記の式を有するアミン:
【化17】

および下記の式を有する四級アンモニウム化合物:
【化18】

およびそれらの混合物である:ただし、各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、およびそれらの混合物であり;Rは、好ましくは、C11〜C22直鎖状アルキル、C11〜C22分枝状アルキル、C11〜C22直鎖状アルケニル、C11〜C22分枝状アルケニル、それらの混合物であり;Qは、下記の式を有するユニット:
【化19】

から独立的に選択されるカルボニル基であり、
ただし、Rは、水素、C〜Cアルキルであり、好ましくは水素であり;RはC〜Cアルキルであり、好ましくは水素またはメチルであり;好ましくは、Qは下記の式:
【化20】

を有し、
Xは柔軟化剤適合性の陰イオンであり、好ましくは強酸の陰イオンであり、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、メチル硫酸塩イオン、エチル硫酸塩イオン、硫酸塩イオン、硝酸塩イオン、およびそれらの混合物であり、より好ましくは塩化物イオンおよびメチル硫酸塩イオンである。陰イオンはまた、あまり好ましくはないが、二価の電荷を有することができる(この場合、X(−)は基の半分を現す)。指数mは1〜3の値であり;指数nは1〜4の値であり、好ましくは2または3であり、より好ましくは2である。
【0057】
本発明の1つの実施形態は、1分子あたり、指数nに関して2つ以上の異なる値を有するアミンおよび四級化アミンに、例えば、メチル(3−アミノプロピル)(2−ヒドロキシエチル)アミンの出発アミンから調製される柔軟化剤活性剤を提供する。
【0058】
本発明のより好ましい柔軟化剤活性剤は、下記の式を有する:
【化21】

上式において、下記の式を有するユニットは脂肪アシル基である:
【化22】

本発明の柔軟化剤活性剤において使用される好適な脂肪アシル基は、獣脂、植物油および/または部分的に水素化された植物油(特に、カノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツオイル、ヒマワリ油、コーン油、ダイズ油、トール油、米ぬか油を含む)を含むトリグリセリド類の供給源から得られる。さらにより好ましいものは、指数mが2に等しいディースター(Diester)四級アンモニウム化合物(DEAQ)類である。Rユニットは、典型的には、飽和脂肪族脂肪酸および不飽和脂肪族脂肪酸の両方の直鎖または分枝鎖の混合物である。
【0059】
配合者は、最終的な布柔軟化剤活性剤の所望する物理的特性および性能特性に依存して、脂肪アシル基の上記供給源のいずれかを選ぶことができる。あるいは、配合者は、トリグルセリド源を混合して、「特別製の混合物」を得ることができる。しかし、脂肪および油脂の当業者は、脂肪アシルの組成は、植物油の場合のように、作物毎に、あるいは様々な植物油の供給源毎に異なり得ることを認識している。天然の供給源から得られる脂肪酸を使用して調製されるDEAQ類が好ましい。
【0060】
本発明の好ましい実施形態は、少なくとも約3%、好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約10%、最も好ましくは少なくとも約15%のC11〜C22アルケニル(ポリアルケニル(多不飽和)ユニット、特に、オレイン性、リノール性、リノレン性を含む)を有するRユニットを含む柔軟化剤活性剤を提供する。
【0061】
本発明のために、用語「混合鎖の脂肪アシルユニット」は、「カルボニルの炭素原子を含む10個の炭素原子から22個の炭素原子を有するアルキル鎖およびアルケニル鎖と、アルケニル鎖の場合には1個〜3個の二重結合、好ましくはcis配置のすべての二重結合とを含む脂肪アシルユニットの混合物」として定義される。本発明のRユニットに関して、脂肪アシル基の少なくとも実質的な割合が不飽和であり、例えば、約25%から、好ましくは約50%から、約70%まで、好ましくは約65%までが脂肪アシル基であることが好ましい。多不飽和脂肪アシル基を含有する布柔軟化剤活性剤の総量は、約3%から、好ましくは約5%から、より好ましくは約10%から、約30%まで、好ましくは約25%まで、より好ましくは約18%までであり得る。上記のように、cis異性体およびtrans異性体を使用することができるが、好ましくは、cis/transの比は、1:1から、好ましくは少なくとも3:1から、より好ましくは約4:1から、約50:1まで、より好ましくは約20:1までである。しかし、最小値は1:1である。
【0062】
獣脂、カノーラまたは他の脂肪アシルユニット鎖に含有される不飽和度は、対応する脂肪酸のヨウ素価(IV)によって測定することができる。本発明の場合、ヨウ素価は、好ましくは、5〜100の範囲内にあるべきであり、25より低いIVまたは25より高いIVを有する2種類の化合物は区別される。
【0063】
実際、獣脂脂肪酸から得られ、下記の式:
【化23】

を有する化合物に関して、ヨウ素価が5〜25であり、好ましくは15〜20である場合、約30/70よりも大きく、好ましくは約50/50よりも大きく、そしてより好ましくは70/30よりも大きいcis/transの異性体重量比によって最適な濃縮性が得られることが見出された。
【0064】
ヨウ素価が25よりも大きい獣脂脂肪酸から作製されるこのタイプの化合物に関して、cis対transの異性体比は、非常に大きな濃縮が必要とされない限り、あまり重要でないことが見出された。本発明のさらに好ましい実施形態は、Rの平均ヨウ素価が約45であるDEQA類を含む。
【0065】
本発明の等方性液体における使用に好適なRユニットは、元の脂肪酸のヨウ素価(IV)が、好ましくは約10から、より好ましくは約50から、最も好ましくは約70から、約140の値まで、好ましくは約130まで、より好ましくは約115までによってさらに特徴付けることができる。しかし、配合者は、配合者により本発明のどの実施形態が選択されて実施されるかに依存して、上記の範囲に含まれないヨウ素価を有する脂肪アシルユニットの一定量を加えることを望むことができる。例えば、「硬化ストック」(約10以下のIV)を、最終的な柔軟化剤活性剤の特性を調節するために、脂肪酸混合物の供給源と一緒にすることができる。
【0066】
脂肪アシルユニット、特に、分枝、例えば、第一級アルキル鎖に沿って置換された「ゲルベット(Guerbet)分枝」、メチル、エチルなどのユニットを有する脂肪アシルユニットの好ましい供給源、脂肪アシルユニットの合成供給源もまた好適である。例えば、配合者は、メチル分枝を、「天然に存在しない」位置に、例えば、C17鎖の3番目の炭素に有する1つまたは複数の脂肪アシルユニットを加えることを望むことができる。本明細書中における用語「天然に存在しない」が意味するものは、「本明細書中に記載されているトリグリセリドの供給源の供給原料として役に立つ一般的な脂肪および油脂において、著しい(約0.1%を超える)量で見出されないアシルユニット」である。所望の分枝した脂肪アシルユニットが、容易に得られる天然の供給原料から得られない場合、従って、合成された脂肪酸を、他の合成物質と、あるいは他の天然グリセリド由来のアシルユニット供給源と適切に混合することができる。
【0067】
本明細書中において有用なさらなる布柔軟化剤が下記に記載されている。米
国特許第5,643,865号(Mermelstein他、1997年7月1日発行);米国特許第5,622,925号(de Buzzaccarini他、1997年4月22日発行);米国特許第5,545,350号(Baker他、1996年8月13日発行);米国特許第5,474,690号(Wahl他、1995年12月12日発行);米国特許第5,417,868号(Turner他、1994年1月27日発行);米国特許第4,661,269号(Trinh他、1987年4月28日発行);米国特許第4,439,335号(Burns他、1984年3月27日発行);米国特許第4,401,578号(Verbruggen、1983年8月30日発行);米国特許第4,308,151号(Cambre、1981年12月29日発行);米国特許第4,237,016号(Rudkin他、1978年10月27日発行);米国特許第4,233,164号(Davis、1980年11月11日発行);米国特許第4,045,361号(Watt他、1977年8月30日発行);米国特許第3,974,076号(Wiersema他、1976年8月10日発行);米国特許第3,886,075号(Bernadino、1975年5月6日発行);米国特許第3,861,870号(Edwards他、1975年1月21日発行);および欧州特許出願公開第472,178号(Yamamura他)。これらはすべて参考として本明細書中に援用される。
【実施例】
【0068】
下記の実施例は、本発明の組成物およびその作製方法を例示することを目的する。下記の実施例は、本発明の範囲をいかなる点においても限定することを意味しない。
【0069】
実施例1
92.6g(1.36mol)のイミダゾールを140.5gの水に溶解し、50℃に加熱し、そして10分かけて、50gの水に溶解した8.2g(0.07mol)の2−クロロ酢酸ナトリウムの溶液と一緒にした。次いで、溶液を65℃に加熱して、2−クロロ酢酸ナトリウムのすべてを反応させた。2−クロロ酢酸ナトリウムは、溶液の塩化物イオン含有量によって分析することができる。5.6g(0.07mol)の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加え、そして89.7g(0.97mol)のエピクロロヒドリンを、反応混合物の温度が55℃〜65℃の範囲に保つことができるように攪拌しながら30分以内に加えた。エピクロロヒドリンを加えた後、反応混合物を80℃に加熱し、そしてこの温度で4時間攪拌した。その後、それ以上のアルキル化剤は検出できなかった。4.2ミリ当量/gポリマーの正味の陽イオン電荷を有する両性アミン系ポリマーの377.7gの淡黄色水溶液を得た。この溶液は6.97のpHを有し、50.3%の水、0.06%のグリコール酸および0.05%未満の2−クロロ酢酸を含有した。ポリマーの分子量は、Mn=700およびMw=1,460であり、そしてMw/Mn=2.1であった。
【0070】
実施例2
実施例1に示されている手順に従って、92.6g(1.36mol)のイミダゾール、16.3g(0.14mol)の2−クロロ酢酸ナトリウム、11.2g(0.14mol)の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、および86.1g(0.93mol)のエピクロロヒドリンを反応した。3.4ミリ当量/gポリマーの正味の陽イオン電荷を有する両性アミン系ポリマーの386.3gの淡黄色水溶液を得た。この溶液は7.10のpHを有し、49.6%の水、0.1%のグリコール酸および0.05%未満の2−クロロ酢酸を含有した。ポリマーの分子量は、Mn=650およびMw=1,320であり、そしてMw/Mn=2.0であった。
【0071】
実施例3
実施例1に示されている手順に従って、122.6gの水に溶解した92.6g(1.36mol)のイミダゾール、100gの水に溶解した39.6g(0.34mol)の2−クロロ酢酸ナトリウム、27.2g(0.34mol)の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、および76.8g(0.83mol)のエピクロロヒドリンを反応した。2.8ミリ当量/gの正味の陽イオン電荷を有する両性アミン系ポリマーの386.3gの淡黄色水溶液を得た。この溶液は7.82のpHを有し、53.4%の水、0.2%のグリコール酸および0.05%未満の2−クロロ酢酸を含有した。ポリマーの分子量は、Mn=540およびMw=1,060であり、そしてMw/Mn=2.0であった。
【0072】
実施例4
実施例1を繰り返したが、54.9gの水に溶解した68.1g(1.0mol)のイミダゾール、150gの水に溶解した72.0g(0.6mol)の2−クロロ酢酸ナトリウム、48.0g(0.6mol)の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、および64.8g(0. mol)のエピクロロヒドリンを反応した。3.2ミリ当量/gの正味の陽イオン電荷を有する両性アミン系ポリマーの446.4gの暗黄色水溶液を得た。この溶液は12.29のpHを有し、48.2%の水、0.5%のグリコール酸および0.05%未満の2−クロロ酢酸を含有した。ポリマーの分子量は、Mn=740およびMw=1,690であり、そしてMw/Mn=2.3であった。
【0073】
実施例5
実施例1を繰り返したが、116.3gの水に溶解した71.5g(1.05mol)のイミダゾール、100gの水に溶解した40.8g(0.34mol)の2−クロロ酢酸ナトリウム、27.2g(0.24mol)の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、および76.8g(0.83mol)のエピクロロヒドリンを反応した。3.7ミリ当量/gの正味の陽イオン電荷を有し、そしてK値が9.5である両性アミン系ポリマーの427.6gの黄色水溶液を得た。この溶液は11.62のpHを有し、54.2%の水、0.3%のグリコール酸および0.05%未満の2−クロロ酢酸を含有した。ポリマーの分子量は、Mn=1,050およびMw=2,380であり、そしてMw/Mn=2.3であった。
【0074】
実施例6
68.1g(1mol)のイミダゾールを73.6gの水に溶解し、これを50℃の温度に加熱した。この温度に達するとすぐに、150gの水に溶解した73.5g(0.34mol)の3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの溶液、および27.2g(0.34mol)の50重量%濃度の水酸化水溶液を同時に加えて、25分間攪拌した。次いで、この反応混合物を65℃〜90℃の温度で攪拌して、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムのすべてを反応させた。3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムは、溶液中の塩化物イオンの濃度を測定することによって分析した。溶液を55℃に冷却し、そして76.8g(0.83mol)のエピクロロヒドリンを、反応混合物の温度が55℃で維持できるような速度で30分以内に導入した。エピクロロヒドリンの添加が終了した後、反応混合物を80℃に加熱して、この温度で4時間攪拌した。その後、それ以上のアルキル化剤は検出できなかった。2.9ミリ当量/gポリマーの正味の陽イオン電荷を有し、そしてK値が10.0である両性アミン系ポリマーの461.3gの透明な黄色水溶液を得た。この溶液は11.55のpHを有し、52.4%の水を含有した。ポリマーの分子量は、Mn=1,800およびMw=3,490であり、そしてMw/Mn=1.95であった。
【0075】
実施例7
実施例6を繰り返したが、31.3gの水に溶解した34.1g(0.5mol)のイミダゾール、100gの水に溶解した64.8g(0.35mol)の3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム、24.0g(0.3mol)の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、および32.4g(0.35mol)のエピクロロヒドリンを反応した。3.3ミリ当量/gポリマーの正味の陽イオン電荷を有し、そしてK値が7.6である両性アミン系ポリマーの284.1gの透明な黄色水溶液を得た。この溶液は11.92のpHを有し、51.7%の水を含有した。ポリマーの分子量は、Mn=1,100およびMw=1,990であり、そしてMw/Mn=1.80であった。
【0076】
実施例8
137.6g(2.0mol)のイミダゾールおよび173.6g(2.0mol)のピペラジンを681.2gの水に溶解した。次いで、この溶液を50℃に加熱した。この温度で、370g(4.0mol)のエピクロロヒドリンを、50℃〜60℃の温度で1時間攪拌しながら加えた。エピクロロヒドリンを加えた後、反応混合物を80℃に加熱して、この温度で5時間攪拌した。次いで、反応混合物のサンプルを、アルキル化剤(ピクロロヒドリン)について調べた。ピクロロヒドリはそれ以上検出できなかった。反応混合物を室温に冷却した。
上記の反応混合物の250gを、撹拌機および還流冷却器を取り付けたフラスコに入れた。反応混合物のpHを、25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって8.1に調節した。フラスコの内容物を50℃に加熱した。この温度で、53.5g(0.223mol)の2−クロロ酢酸ナトリウムの50%水溶液を、攪拌しながら70分以内に加えた。次いで、反応混合物を、50℃で2時間攪拌し、そして70℃に加熱して、この温度で3時間攪拌し、その後、25重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えることによってそのpHを8に保ちながら、90℃〜100℃で2時間維持した。室温に冷却した後に、3.4ミリ当量/gポリマーの正味の陽イオン電荷を有し、そしてK値が22.0である両性ポリマーの461.3gの淡黄色水溶液を得た。この溶液は9.9のpHを有し、61.8%の水を含有した。ポリマーの分子量は、Mn=2,500およびMw=27,500であり、そしてMw/Mn=10.8であった。
【0077】
実施例9
実施例8を繰り返したが、681.2gの水に溶解した137.6g(2.0mol)のイミダゾールおよび173.6g(2.0mol)のピペラジンを、370g(4.0mol)のエピクロロヒドリンを反応した。このようにして得られた250gの反応混合物を、次いで、110.4g(0.446mol)の50重量%濃度の2−クロロ酢酸ナトリウム水溶液と、最初に反応混合物を50℃〜60℃で14時間攪拌し、その後、90℃〜100℃で2時起案攪拌することによって四級化した。室温に冷却した後に、2.6ミリ当量/gポリマーの正味の陽イオン電荷を有し、そしてK値が15.7である両性ポリマーの黄色水溶液を得た。この溶液は9.8のpHを有し、56.9%の水を含有した。両性ポリマーの分子量は、Mn=1,550およびMw=13,000であり、そしてMw/Mn=8.4であった。
【0078】
実施例10
実施例8を繰り返したが、700.2gの水に溶解した68.8g(1.0mol)のイミダゾールおよび260.6g(3.0mol)のピペラジンを、370g(4.0mol)のエピクロロヒドリンを反応した。このようにして得られた250gの反応混合物を、次いで、77.0g(0.321mol)の50重量%濃度の2−クロロ酢酸ナトリウム水溶液と、反応混合物を70℃で4時間攪拌することによって四級化した。1.5ミリ当量/gポリマーの正味の陽イオン電荷を有し、そしてK値が16.5である両性ポリマーの水溶液を得た。この溶液は8.59のpHを有し、54.7%の水を含有した。
【0079】
実施例11
681.2gの水に溶解した137.6g(2.0mol)のイミダゾールおよび173.6g(2.0mol)のピペラジンを、実施例8に示されているようにして、370g(4.0mol)のエピクロロヒドリンと反応した。52.8g(0.733mol)の47.2重量%濃度の過酸化水素水溶液を、ピペラジンに由来する0.666molの第三級窒素原子(この窒素原子が酸化され得る)を含有する前記の反応生成物の224gのサンプルに40℃の温度で3時間以内に加えた。一晩放置した後に、理論量の過酸化水素が消費されるまで、この反応混合物を40℃〜60℃で攪拌した。過剰な過酸化水素を、Pt/Cを加えることによって分解した。反応混合物をろ過した後に、2.7の正味の陽イオン電荷を有する252.4gの両性アミン系ポリマーを得た。この水溶液は3.29のpHを有し、55.2%の水を含有した。両性ポリマーの分子量は、Mn=400およびMw=1,440であり、そしてMw/Mn=3.6であった。
【0080】
実施例12
700.2gの水に溶解した68.8g(1mol)のイミダゾールおよび260.6g(3mol)のピペラジンを、実施例8に示されている手順に従って、370g(4.0mol)のエピクロロヒドリンと反応した。237gの反応生成物のサンプルが得られた。これは、1.022molの第三級窒素原子を含有した(この窒素原子は縮合したピペラジンに由来し、酸化され得る)。この反応生成物を40℃に加熱し、そしてこの温度で、80.7g(1.12mol)の47.2重量%濃度の過酸化水素水溶液を加えることによって、5時間酸化した。酸化に必要な理論量の過酸化水素が消費されるまで、この反応混合物を50℃〜60℃で攪拌した。過剰な過酸化水素をPt/Cによって分解した。ポリマー溶液をろ過して、室温に冷却した。0.7の正味の陽イオン電荷を有する両性アミン系ポリマーの296.8gの水溶液を得た。この水溶液は2.86のpHを有し、58.6%の水を含有した。両性ポリマーの分子量は、Mn=340およびMw=940であり、そしてMw/Mn=2.8であった。
【0081】
実施例13
699.2gの水に溶解した68.8g(1.0mol)のイミダゾールおよび260.4g(3.0mol)のピペラジンを、実施例8に示されている手順に従って、370g(4mol)のエピクロロヒドリンと反応したが、反応液のpHを、50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって7で維持した。1.98molの第三級窒素原子(この窒素原子は縮合したピペラジンに由来し、酸化され得る)を含有する500gの反応生成物のサンプルを50℃に加熱した。この温度で、71.6g(1.08mol)の49重量%濃度の過酸化水素水溶液を3.5時間で加えた。次いで、この混合物を50℃で12時間攪拌した。その後、過酸化水素はもはや検出できなかった。1.2ミリ当量/gポリマーの正味の陽イオン電荷を有する両性アミン系ポリマーの537.4gの水溶液を得た。この水溶液は5.86のpHを有し、56.5%の水を含有した。両性ポリマーは23.4のK値を有し、その分子量はMn=1,340およびMw=16,300であり、そしてMw/Mn=12.2であった。
【0082】
実施例14
774.6gの水に溶解した27.2g(0.4mol)のイミダゾールおよび340.4g(4.0mol)のピペラジンを、実施例8に示されている手順に従って、407g(4.4mol)のエピクロロヒドリンと、80g(1.0mol)の50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を使用して反応した。1.272molの第三級窒素原子(この窒素原子は縮合したピペラジンに由来し、酸化され得る)を含有する259.1gの反応混合物のサンプルを60℃に加熱した。この温度で、113.6g(1.6mol)の50重量%濃度の過酸化水素水溶液を3.5時間で加えた。次いで、この混合物を60℃で2.5時間攪拌し、その後、室温に冷却した。0.3ミリ当量/gの正味の陽イオン電荷およびK値を有する両性アミン系ポリマーの水溶液を得た。この水溶液は5.49のpHを有した。両性ポリマーの分子量は、Mn=430およびMw=1,420であり、そしてMw/Mn=3.3であった。95%を超える第三級窒素原子が酸化された。
【0083】
実施例15
下記の成分からなる重負荷用の粉末を調製する:
成分 Wt%(例)
12直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩 9.40
14〜15アルキルスルホン酸塩 11.26
ゼオライトビルダー 27.79
炭酸ナトリウム 27.31
PEG4000 1.60
分散剤 2.26
12〜13アルキルエトキシレート(E9) 1.5
過ホウ酸ナトリウム 1.03
汚れ遊離ポリマー 0.41
酵素類 0.46
表Iに示すポリマー/オリゴマー 0.8
香料、光沢剤、泡立ち抑制剤、他の微量成分、水分、硫酸塩 残り
100%
【0084】
【表1】

【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のA、BおよびCの工程を含んでなる、布に、布の外観上の利点をもたらす方法:
A.上記の布を、洗剤組成物から形成される水性洗浄液と接触させる;
B.該布を攪拌する;および
C.該布を乾燥する:
ただし、上記洗剤組成物は、
a)非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤 1重量%〜80重量%;および
b)下記の一般式:
【化1】

の環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーの混合物 0.01重量%〜5.0重量%を含んでなる洗剤組成物である:
ただし、上式において、
各Tは独立して、H、C〜C12アルキル、置換アルキル、C〜C12アルキルアリール、−(CHCOOM、−(CHSOM、CHCH(OH)SOM、−(CHOSOM、
【化2】

からなる群から選択され;
Wは、
【化3】

からなる群から選択される少なくとも1つの環状成分を含み、
Wはまた、前記の少なくとも1つの環状成分に加えて、下記の一般式:
【化4】

の脂肪族部分または置換脂肪族部分を含むことができ;
各Bは独立して、C〜C12アルキレン、C〜C12置換アルキレン、C〜C12アルケニレン、C〜C12ジアルキルアリーレン、C〜C12ジアルキルアリーレンジイル、および−(RO)−であり;
各Dは独立して、C〜Cアルキレンであり;
各Qは独立して、ヒドロキシ基、C〜C18アルコキシ基、C〜C18ヒドロキシアルコキシ基、アミノ基、C〜C18のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ基、複素環モノアミノ基およびジアミノ基からなる群から選択され;
各Rは独立して、H、C〜Cアルキル、およびC〜Cヒドロキシアルキルからなる群から選択され;
各Rは独立して、C〜C12アルキレン基、C〜C12アルケニレン基、−CH−CH(OR)−CH基、C〜C12アルカリーレン基、C〜C12ジヒドロキシアルキレン基、ポリ(C〜Cアルキレンオキシ)アルキレン基、HCH(OH)CHOROCHCH(OH)CH−基、およびC〜C12ヒドロカルビル部分からなる群から選択され、
ただし、RがC〜C12ヒドロカルビル部分である場合、ヒドロカルビル部分は下記の一般式:
【化5】

の2個〜4個の分枝状部分を含むことができ;
各Rは独立して、H、R、C〜C20ヒドロキシアルキル、C〜C20アルキル、置換アルキル、C〜C11アリール、置換アリール、C〜C11アルキルアリール、C〜C20アミノアルキル、−(CHCOOM、−(CHSOM、CHCH(OH)SOM、−(CHOSOM、
【化6】

からなる群から選択され;
各Rは独立して、H、C〜C22アルキル、C〜C22ヒドロキシアルキル、アリール、およびC〜C22アルキルアリールからなる群から選択され;
各Rは独立して、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキル置換アルキレンからなる群から選択され;そして
Aは、適合し得る一価または二価または多価の陰イオンであり;
Mは、適合し得る陽イオンであり;
bは、電荷を釣り合わせるのに必要な数であり;
各xは独立して、3〜1000であり;
各cは独立して、0または1であり;
各hは独立して、1〜8であり;
各qは独立して、0〜6であり;
各nは独立して、1〜20であり;
各rは独立して、0〜20であり;
各tは独立して、0〜1であり;そして
T基およびR基の総数の少なくとも1.0%は、−(CHCOOM、−(CHSOM、CHCH(OH)SOM、−(CHOSOM、
【化7】

およびそれらの混合物からなる群から選択される陰イオン部分である。
【請求項2】
前記の環状アミン系ポリマー、オリゴマーまたはコポリマーが、ピペラジン、ピペリジン、エピクロロヒドリン、エピクロロヒドリンベンジルクァット、エピクロロヒドリンメチルクァット、モルホリン、およびそれらの混合物からなる群から選択される2つ以上の組成物の付加物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各RがHであり、そして少なくとも1つのWが、
【化8】

からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各RがHであり、そして少なくとも1つのWが、
【化9】

からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各RがHであり、そして少なくとも1つのWが、
【化10】

からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
xが3〜25である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
xが4〜20である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
洗濯組成物が、酵素、酵素安定化剤、泡立ち促進剤、泡立ち抑制剤、変色防止剤、腐食防止剤、漂白剤、汚れ懸濁剤、汚れ遊離剤、殺菌剤、pH調節剤、ビルダー、非ビルダーアルカリ性源、キレート化剤、有機フィラー、無機フィラー、溶媒、ハイドロトロープ、蛍光光沢剤、色素、香料、およびそれらの混合物からなる群から選択される洗剤添加剤を更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
洗濯組成物が、無機過酸素漂白剤および漂白剤活性化剤を更に含んでなる、請求項1に記載の方法。

【公開番号】特開2010−7075(P2010−7075A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180821(P2009−180821)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【分割の表示】特願2000−511839(P2000−511839)の分割
【原出願日】平成10年9月15日(1998.9.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】