説明

陳列用容器

【課題】陳列時に生じ得る不具合を解消することができる陳列容器を提供する。
【解決手段】陳列用容器1の凹部42内に縦壁44と横壁45を設けて収容部51を形成する。収容部51を、スポンジ23とほぼ同形状であってスポンジ23より一回り大きく形成し、収容部51にスポンジ23を遊嵌できる大きさに設定する。スポンジ23の後壁面36に対向する後壁面対向部64に、収容されたスポンジ23の後壁面36に当接して当該スポンジ23の前壁面35を前壁面対向部63に押し付ける第1凸条部71を内側へ向けて膨出形成する。第1凸条部71を、後壁面対向部64の中央部に設け、スポンジ23の後壁面36の最も後退した中央部に当接するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品を収容する陳列用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店頭で販売される製品は、箱体に収容されており、この箱体としては、包装用箱が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この包装用箱には、透明袋に収容された製品が収容されており、当該包装用箱の前面には、開口部が開設されている。これにより、前記開口部から当該包装用箱内に収容された前記製品を見えるように構成されている。
【0004】
このような包装用箱に製品を収容する場合、その大きさが前記開口部より小さいと前記開口部から飛び出てしまう。
【0005】
これを解決するために、前記開口部より大きな容器体を用意するとともに、該容器体に凹設された収容部に製品を収容して前記包装用箱に収容することで、前記開口部からの前記製品の飛び出しを防止する方法が考えられる。
【特許文献1】特開平3−160264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような方法にあっては、前記包装用箱を立て掛けて、あるいは吊り下げて陳列する際に、前記製品が前記収容部から離脱する恐れがある。
【0007】
この場合、前記容器体に整列された製品が前記透明袋内でバラバラになり、見栄えの悪化を招いてしまう。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、陳列時に生じ得る不具合を、収容容易性を損なうことなく解消することができる陳列容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の陳列用容器にあっては、製品を収容する収容部が凹設された陳列用容器において、前記収容部を前記製品が遊嵌する大きさに設定するとともに、前記収容部の内側面に、収容された前記製品に当接して当該製品を対向部位に押し付ける凸条を設けた。
【0010】
すなわち、製品が収容される収容部は、前記製品が遊嵌する大きさに設定されており、この収容部の内側面には、収容された前記製品に当接して当該製品を対向部位に押し付ける凸条が設けられている。
【0011】
このため、前記収容部に前記製品を収容する際には、前記収容部と前記製品との間に隙間が確保されるため、前記収容部が前記製品と同じ大きさに形成された場合と比較して、前記収容部への前記製品の収容が容易に行われる。
【0012】
また、この収容部に前記製品を収容した状態では、当該収容部の内側面に形成された前記凸条が前記製品に当接することにより、当該製品を対向部位に押し付けることができる。このため、前記製品が前記収容部に遊嵌する場合と比較して、当該製品は収容部内に保持される。
【0013】
このとき、前記製品には、凸条が当接する。このため、例えば円形の凸部が当接する場合と比較して、該凸部を中心とした前記製品の不用意な回動が防止される。
【0014】
また、請求項2の陳列用容器においては、前記凸条を、前記収容部への前記製品の挿入方向に延設した。
【0015】
すなわち、前記凸条は、前記製品の挿入方向に延在する。このため、前記凸条が、前記製品の挿入方向に対して、横方向に延在する場合と比較して、製品挿入時での摩擦抵抗が抑えられる。
【0016】
さらに、請求項3の陳列用容器では、前記収容部が横方向へ開口するように起立した状態において、前記製品の横方向から当接する部位に前記凸条を設けた。
【0017】
これにより、前記収容部内での前記製品の横ズレが防止される。また、製品を縦断する中心線を中心とした回転防止効果が高められる。
【0018】
加えて、請求項4の陳列用容器にあっては、前記収容部が横方向へ開口するように起立した状態において、前記製品の縦方向から当接する部位に前記凸条を設けた。
【0019】
これにより、前記収容部内での前記製品の縦ズレが防止される。また、製品を横断する中心線を中心とした回転防止効果が高められる。
【0020】
また、請求項5の陳列用容器においては、前記収容部の前記内側面に包囲された前記製品の各壁面に対向するそれぞれの部位に前記凸条を設けた。
【0021】
これにより、前記収容部内での前記製品の各壁面に対向した方向へのズレが防止される。
【0022】
さらに、請求項6の陳列用容器では、前記製品の壁面に、内側へ後退した湾曲面からなる凹面を形成し、該凹面に対向した前記収容部の前記内側面の部位に前記凸条を設けた。
【0023】
すなわち、前記製品の壁面には、内側へ後退した湾曲面からなる凹面が形成されており、前記凸条は、この凹面に当接する。
【0024】
このため、前記製品に回転力が生じた際には、前記凸条の端部が当該凸条側に反り出した前記凹面の部位に干渉し、当該製品には、前記凹面から反力が加えられる。
【0025】
加えて、請求項7の陳列用容器にあっては、前記製品の壁面に、外側へ突出した湾曲面からなる凸面を形成し、該凸面に対向した前記収容部の前記内側面の部位に、一対の前記凸条を離間して設けた。
【0026】
すなわち、前記製品の壁面には、外側へ突出した湾曲面からなる凸面が形成されており、該凸面に一対の離間した凸条が当接することによって、両凸条間に位置する前記凸面の部位は、各凸条との接点より外側へ突出する。
【0027】
このため、前記製品に回転力が生じた際には、一方の凸条の一端部及び他方の凸条の他端部が、両凸条との接点より外側に突出した前記凸面の部位に干渉し、当該製品には、前記凸面から反力が加えられる。
【0028】
そして、本発明の請求項8の陳列用容器では、凹設された収容部に製品が収容された状態で、前面に開口部が設けられた箱体に収容される陳列用容器において、前記製品の前壁面を外側に突出した湾曲面からなる凸面で構成するとともに、当該製品の後壁面を内側に後退した湾曲面からなる凹面で構成し、当該製品が遊嵌する大きさに前記収容部を設定する一方、前記凹面に対向する前記収容部の内側面の部位に、前記凹面に当接する第1凸条部を当該収容部への前記製品の挿入方向に延設し、前記凸面に対向する前記収容部の前記内側面の部位に、前記凸面に当接する第2凸条部及び第3凸条部を離間して前記挿入方向に延設した。
【0029】
すなわち、製品が収容される収容部は、前記製品が遊嵌する大きさに設定されており、前記収容部に前記製品を収容する際には、前記収容部と前記製品との間に隙間が確保される。このため、前記収容部が前記製品と同じ大きさに形成された場合と比較して、前記収容部への前記製品の収容が容易に行われる。
【0030】
また、前記製品の壁面には、内側へ後退した湾曲面からなる凹面が形成されており、第1凸条部は、この凹面に当接する。
【0031】
このため、前記製品に回転力が生じた際には、前記第1凸条部の端部が当該第1凸条部側に反り出した前記凹面の部位に干渉し、当該製品には、前記凹面から反力が加えられる。
【0032】
さらに、前記製品の壁面には、外側へ突出した湾曲面からなる凸面が形成されており、該凸面に離間した第2及び第3凸条部が当接することによって、両凸条部間に位置する前記凸面の部位は、各凸条部との接点より外側へ突出する。
【0033】
このため、前記製品に回転力が生じた際には、一方の凸条部の一端部及び他方の凸条部の他端部が、両凸条部との接点より外側に突出した前記凸面の部位に干渉し、当該製品には、前記凸面から反力が加えられる。
【0034】
そして、前記各凸条部は、前記製品の挿入方向に延在する。このため、前記各凸条部が、前記製品の挿入方向に対して、横方向に延在する場合と比較して、製品挿入時での摩擦抵抗が抑えられる。
【0035】
また、円形の凸部を製品に当接する場合と比較して、該凸部を中心とした前記製品の不用意な回動が防止される。
【発明の効果】
【0036】
以上説明したように本発明の請求項1の陳列用容器にあっては、製品が収容される収容部を前記製品が遊嵌する大きさに設定することで、前記収容部に前記製品を収容する際には、前記収容部と前記製品との間に隙間を確保することができる。
【0037】
このため、前記収容部が前記製品と同じ大きさに形成された場合と比較して、前記収容部への前記製品の収容を容易に行うことができ、ロボット等による製品収容の自動化が容易となる。
【0038】
また、この収容部に前記製品を収容した状態では、当該収容部の内側面に形成された前記凸条が前記製品に当接し、当該製品を対向部位に押し付けることができる。このため、前記製品が前記収容部に遊嵌する場合と比較して、収容部内での製品の保持が可能となり、前記収容部が横方向へ向けて開口するように立て掛けて、あるいは吊り下げて陳列する場合であっても、前記収容部から前記製品の脱落を防止することができる。
【0039】
したがって、陳列時に生じ得る不具合を未然に解消することができる。
【0040】
このとき、前記製品には、凸条が当接する。このため、例えば円形の凸部が当接する場合と比較して、該凸部を中心とした前記製品の不用意な回動も防止することができる。
【0041】
また、請求項2の陳列用容器において、前記凸条は前記製品の挿入方向に延在している。このため、前記凸条が、前記製品の挿入方向に対して、横方向に延在する場合と比較して、製品挿入時での摩擦抵抗が抑えられ、製品の収容容易性を高めることができる。
【0042】
さらに、請求項3の陳列用容器では、前記収容部内での前記製品の横ズレを防止することができる。加えて、製品を縦断する中心線を中心とした回転防止効果も高めることができる。
【0043】
加えて、請求項4の陳列用容器にあっては、前記収容部内での前記製品の縦ズレを防止することができる。そして、製品を横断する中心線を中心とした回転防止効果も高めることができる。
【0044】
また、請求項5の陳列用容器においては、前記収容部内での前記製品の各壁面に対向した方向へのズレを防止することができる。
【0045】
さらに、請求項6の陳列用容器では、前記製品の壁面には内側へ後退した湾曲面からなる凹面が形成されており、前記凸条は、この凹面に当接する。
【0046】
このため、前記製品に回転力が生じた際には、前記凸条の端部が当該凸条側に反り出した前記凹面の部位に干渉し、当該製品には、前記凹面から反力が加えられる。
【0047】
これにより、当該製品の前記収容部内での不用意な回転を防止することができる。
【0048】
加えて、請求項7の陳列用容器にあっては、前記製品の壁面に外側へ突出した湾曲面からなる凸面が形成されており、該凸面に一対の離間した凸条が当接することによって、両凸条間に位置する前記凸面の部位を、各凸条との接点より外側へ突出させることができる。
【0049】
このため、前記製品に回転力が生じた際には、一方の凸条の一端部及び他方の凸条の他端部が、両凸条との接点より外側に突出した前記凸面の部位に干渉し、当該製品に、前記凸面からの反力を加えることができる。
【0050】
これにより、当該製品の前記収容部内での不用意な回転を防止することができる。
【0051】
そして、本発明の請求項8の陳列用容器では、製品が収容される収容部を前記製品が遊嵌する大きさに設定することで、前記収容部に前記製品を収容する際には、前記収容部と前記製品との間に隙間を確保することができる。このため、前記収容部が前記製品と同じ大きさに形成された場合と比較して、前記収容部への前記製品の収容を容易に行うことができる。
【0052】
このため、前記収容部が前記製品と同じ大きさに形成された場合と比較して、前記収容部への前記製品の収容を容易に行うことができ、ロボット等による製品収容の自動化が容易となる。
【0053】
また、この収容部に前記製品を収容した状態では、当該収容部の内側面に形成された前記各凸条部が前記製品に当接し、当該製品を対向部位に押し付けることができる。このため、前記製品が前記収容部に遊嵌する場合と比較して、収容部内での製品の保持が可能となり、前記収容部が横方向へ向けて開口するように立て掛けて、あるいは吊り下げて陳列する場合であっても、前記収容部から前記製品の脱落を防止することができる。
【0054】
したがって、陳列時に生じ得る不具合を未然に解消することができる。
【0055】
そして、前記製品の壁面には、内側へ後退した湾曲面からなる凹面が形成されており、第1凸条部は、この凹面に当接する。
【0056】
このため、前記製品に回転力が生じた際には、前記第1凸条部の端部が当該第1凸条部側に反り出した前記凹面の部位に干渉し、当該製品には、前記凹面からの反力を加えることができる。
【0057】
また、前記製品の壁面には、外側へ突出した湾曲面からなる凸面が形成されており、該凸面に離間した第1及び第2凸条部が当接することによって、両凸条部間に位置する前記凸面の部位を、各凸条部との接点より外側へ突出させることができる。
【0058】
このため、前記製品に回転力が生じた際には、一方の凸条部の一端部及び他方の凸条部の他端部が、両凸条部との接点より外側に突出した前記凸面の部位に干渉し、当該製品には、前記凸面からの反力を加えることができる。
【0059】
これらによって、当該製品の前記収容部内での不用意な回転を防止することができる。
【0060】
そして、前記各凸条部は、前記製品の挿入方向に延在する。このため、前記各凸条部が、前記製品の挿入方向に対して、横方向に延在する場合と比較して、製品挿入時での摩擦抵抗を抑えることができる。
【0061】
また、円形の凸部を製品に当接する場合と比較して、該凸部を中心とした前記製品の不用意な回動が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
(第1の実施の形態)
【0063】
以下、本発明の第1の実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる陳列用容器1を備えた陳列品2を示す図であり、当該陳列品2は、製品を収容した状態で店頭などに陳列される。
【0064】
この陳列品2は、紙製の箱体11を備えており、当該陳列品2を自立させた状態で陳列棚に配置できるように構成されている。この箱体11の箱本体12からは、延出片13が上方へ向けて延出しており、該延出片13の中央部には、三角形状の吊り下げ穴14が開設されている。これにより、当該陳列品2を吊り下げて陳列することもできるように構成されている。
【0065】
前記箱本体12の前面21には、開口部22が開設されており、当該箱本体12内に収容された製品を前記開口部22から見えるように構成されている。そして、この箱本体12には、透明袋に収容された製品としてのスポンジ23,・・・が収容されており、該スポンジ23,・・・は、前記陳列用容器1に保持されている(陳列用容器1の一部にスポンジ23が収容された状態を図示)。
【0066】
すなわち、前記スポンジ23は、図1及び図2に示すように、前記開口部22より小さな形状であって、横長形状に形成されている。このスポンジ23は、表面31及び裏面が平面で形成されており、図2中上方及び下方に位置する側壁面33,34も、平面で構成されている。また、前記スポンジ23は、図1中左方の前壁面35が外側へ突出した湾曲面からなる凸面で構成されており、当該前壁面35は、その中央部が最も突出するように構成されている。また、前記スポンジ23は、図1中右方の後壁面36が内側へ後退した湾曲面からなる凹面で構成されており、その中央部が最も後退するように構成されている。
【0067】
前記陳列用容器1は、金型によって形成されており、その外周部には、平坦なフランジ部41が形成されている。該フランジ部41の内側には、下面に後退した凹部42が形成されており、該凹部42の底面43からは、図2中上下方向に延在する縦壁44と、該縦壁44を横断する一対の横壁45,45とが上面側に膨出形成されている。
【0068】
この凹部42内には、前記縦壁44と前記横壁45,45とで区画形成された収容部51,・・・が六ヶ所に設けられており、各収容部51,・・・は、前記スポンジ23とほぼ同形状であって、該スポンジ23より一回り大きく形成されている。これにより、前記各収容部51,・・・は、前記スポンジ23を遊嵌できる大きさに設定されている。
【0069】
前記各収容部51,・・・の内側面は、前記スポンジ23を収容した状態で、該スポンジ23の各側壁面33,34に対向する側壁面対向部61,62と、前記スポンジ23の前記前壁面35と対向する前壁面対向部63と、前記スポンジ23の前記後壁面36に対向する後壁面対向部64とによって構成されている。前記前壁面対向部63は、突出した前記前壁面35に沿って後退した湾曲面で構成されており、その中央部が最も後退するように構成されている。前記後壁面対向部64は、前記スポンジ23の前記後壁面36に沿って突出した湾曲面で構成されており、その中央部が最も突出するように構成されている。
【0070】
前記スポンジ23の前記後壁面36に対向する前記各後壁面対向部64には、当該収容部51に収容された前記スポンジ23の前記後壁面36に当接して当該スポンジ23の前記前壁面35を前記前壁面対向部63に押し付ける凸条としての第1凸条部71が内側へ向けて膨出形成されている。該第1凸条部71は、前記後壁面対向部64の中央部に設けられており、前記スポンジ23の後壁面36の最も後退した中央部に当接するように構成されている。
【0071】
この第1凸条部71は、図2及び図3に示すように、前記収容部51への前記スポンジ23の挿入方向81に延設されており、前記縦壁44では、当該縦壁44が形成する前記後壁面対向部64の高さ方向全域に渡って形成されている。また、前記フランジ部41側に形成された前記後壁面対向部64の前記第1凸条部71は、当該後壁面対向部64の中途部から底面43に渡って形成されている。
【0072】
これにより、図3に示したように、前記各収容部51,・・・が横方向へ開口するように当該陳列用容器1を起立した状態において、前記スポンジ23の横方向から当接する部位に前記第1凸条部71,・・・が設けられている。
【0073】
以上の構成にかかる本実施の形態において、製品としてのスポンジ23が収容される前記収容部51は、前記スポンジ23が遊嵌する大きさに設定されており、前記収容部51に前記スポンジ23を収容する際には、前記収容部51と前記スポンジ23との間に隙間を確保することができる。
【0074】
このため、前記収容部51が前記スポンジ23と同じ大きさに形成された場合と比較して、前記収容部51への前記スポンジ23の収容を容易に行うことができる。これにより、ロボット等による前記収容部51への前記スポンジ23収容の自動化が容易となる。
【0075】
また、前記スポンジ23の後壁面36には、内側へ後退した湾曲面からなる凹面が形成されており、前記収容部51の後壁面対向部64には、前記スポンジ23の前記後壁面36に当接する第1凸条部71が形成されている。
【0076】
これにより、前記収容部51に前記スポンジ23を収容した状態において、前記第1凸条部71が前記スポンジ23に当接することによって、当該スポンジ23の前壁面35を前記収容部51の前記前壁面対向部63に面接させることができる。
【0077】
このため、前記スポンジ23が前記収容部51に遊嵌したままの場合と比較して、該収容部51内での前記スポンジ23の保持が可能となり、前記収容部51が横方向へ向けて開口するように立て掛けて、あるいは吊り下げて陳列する場合であっても、収容部51内でスポンジ23が移動してしまうことがなく、また、前記収容部51からの前記スポンジ23の脱落を防止することができる。
【0078】
したがって、陳列時に生じ得る不具合を未然に解消することができる。
【0079】
この状態において、前記収容部51が横方向へ開口するように起立させると、前記第1凸条部71は、前記スポンジ23に横方向から当接する。
【0080】
このため、前記収容部51内での前記スポンジ23の横ズレを防止することができる。加えて、前記スポンジ23を縦断する中心線を中心とした回転防止効果も高めることができる。
【0081】
そして、前記スポンジ23の前記後壁面36は、内側へ後退した湾曲面からなる凹面で構成されており、前記第1凸条部71は、この後壁面36に当接するように構成されている。このため、前記スポンジ23に回転力が生じた際には、前記第1凸条部71の両端部が当該第1凸条部71側に反り出した前記後壁面36の部位に干渉し、当該スポンジ23に、前記後壁面36からの反力を加えることができる。
【0082】
これにより、当該スポンジ23の前記収容部51内での不用意な回転を防止することができる。
【0083】
そして、前記各凸条部71は、前記スポンジ23の挿入方向81に延在する。このため、前記各凸条部71が、前記スポンジ23の挿入方向81に対して、横方向に延在する場合と比較して、スポンジ23挿入時での摩擦抵抗を抑えることができ、スポンジ23の収容容易性を高めることができる。
【0084】
また、円形の凸部をスポンジ23に当接する場合と比較して、該凸部を中心とした前記スポンジ23の不用意な回動を防止することができる。
【0085】
(第2の実施の形態)
【0086】
図4は、第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同一又は同等部分に付いては、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。
【0087】
すなわち、前記スポンジ23の前記前壁面35に対向する前記収容部51の前記各前壁面対向部63には、当該収容部51に収容された前記スポンジ23の前記前壁面35に当接して当該スポンジ23の前記後壁面36を前記後壁面対向部64側へ押し付ける凸条としての第2凸条部101及び第3凸条部102が内側へ向けて膨出形成されている。
【0088】
前記両凸条部101,102は、前記各前壁面対向部63の中央部を境とした両側に離間して設けられており、前記スポンジ23の前壁面35の最も突出した中央部の両脇に当接するように構成されている。
【0089】
これにより、前記各収容部51,・・・が横方向へ開口するように当該陳列用容器1を起立した状態において、前記スポンジ23の横方向から当接する部位に前記各凸条部71,101,102が設けられており、前記第1凸条部71によって前記スポンジ23の前壁面35が前記第2及び第3凸条部101,102に圧接され、該第2及び第3凸条部101,102によって前記スポンジ23の後壁面36が前記第1凸条部71に圧接されるように構成されている。
【0090】
以上の構成にかかる本実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0091】
加えて、前記スポンジ23の前壁面35は、外側へ突出した湾曲面からなる凸面を構成し、この前壁面35に一対の離間した前記凸条部101,102が当接することによって、両凸条部101,102間に位置する前記前壁面35の中央部を、各凸条部101,102との接点より外側へ突出させることができる。
【0092】
このため、前記スポンジ23に回転力が生じた際には、一方の凸条部の一端部及び他方の凸条部の他端部が、両凸条部との接点より外側に突出した前記前壁面35の部位に干渉することで、当該スポンジ23に前記前壁面35からの反力を加えることができる。
【0093】
これにより、当該スポンジ23の前記収容部51内での不用意な回転を防止することができる。
【0094】
また、前壁面35側は第2凸条部101と第3凸条部102により圧接されているため、前壁面35全体で圧接している第1の実施の形態と比較して、さらにスポンジ23の摩擦抵抗を抑えることができ、スポンジ23の収容容易性をさらに高めることができる。
【0095】
(第3の実施の形態)
【0096】
図5は、第3の実施の形態を示す図であり、第2の実施の形態と同一又は同等部分に付いては、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。
【0097】
すなわち、前記スポンジ23の各側壁面33,34に対向する前記収容部51の側壁面対向部61,62には、当該収容部51に収容された前記スポンジ23の前記各側壁面33,34に当接して当該スポンジ23の逆側の側壁面33,34を対向した側壁面対向部61,62側へ押し付ける凸条としての第4凸条部201及び第5凸条部202が内側へ向けて膨出形成されている。
【0098】
これにより、本実施の形態にあっては、前記収容部51の内側面に包囲された前記スポンジ23の各壁面33,34,35,36に対向するそれぞれの部位に前記各凸条部71,101,102,201,202が設けられている。
【0099】
前記各凸条部201,202は、前記各側壁面対向部61,62の中央部に設けられおり、前記各収容部51,・・・が横方向へ開口するように当該陳列用容器1を起立した状態において、前記スポンジ23の縦方向から当接する部位に前記各凸条部201,202が設けられている。
【0100】
これにより、前記第4凸条部201によって前記スポンジ23の前記側壁面34が前記第5凸条部202に圧接されており、該第5凸条部202によって前記スポンジ23の側壁面33が前記第4凸条部201に圧接されるように構成されている。
【0101】
以上の構成にかかる本実施の形態においても、前述した第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0102】
加えて、前記各収容部51,・・・が横方向へ開口するように当該陳列用容器1を起立した状態において、前記第4及び第5凸条201,202は、スポンジ23の縦方向から当接する。
【0103】
これにより、前記収容部51内での前記スポンジ23の縦ズレを防止することができる。そして、前記スポンジ23を横断する中心線を中心とした回転防止効果も高めることができる。
【0104】
また、本実施の形態にあっては、前記収容部51の内側面に包囲された前記スポンジ23の各壁面33,34,35,36に、前記各凸条部71,101,102,201,202を当接することができる。
【0105】
このため、前記収容部51内での前記スポンジ23の各壁面33,34,35,36に対向した方向へのズレを防止することができ、当該スポンジ23を前記収容部51の中央に位置決めすることができる。
【0106】
また、各側壁面対向部61,62は、第4凸条部201と第5凸条部202により圧接されているため、各側壁面対向部61,62全体で圧接している第1又は第2の実施形態と比較して、さらにスポンジ23の摩擦抵抗を抑えることができ、スポンジ23の収容容易性をさらに高めることができる。
【0107】
(第4の実施の形態)
【0108】
図6は、第4の実施の形態を示す図であり、第3の実施の形態と同一又は同等部分に付いては、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。
【0109】
すなわち、本実施の形態にかかる陳列用容器1は、第3の実施の形態の収容部51に設けられた第1から第3凸条部71,101,102が廃止され、前記収容部51の内側面には、前記第4及び第5凸条部201,202のみが形成されている。
【0110】
以上の構成にかかる本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0111】
加えて、前記各収容部51,・・・が横方向へ開口するように当該陳列用容器1を起立した状態において、前記第4及び第5凸条201,202を、前記スポンジ23の縦方向から当接させることによって、前記収容部51内での前記スポンジ23の縦ズレを防止することができる。
【0112】
そして、この状態では、前記スポンジ23を横断する中心線を中心とした回転防止効果も高めることができる。
【0113】
なお、前述した各実施の形態では、前記陳列用容器1の収容部51にスポンジ23を収容した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば錠剤等の製品を収容しても良い。
【0114】
また、前記陳列用容器1を透明袋に収容して箱体11に詰めて陳列する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、前記陳列用容器1を、そのまま陳列しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す平面図である。
【図2】同実施の形態を陳列用容器を示す図である。
【図3】同実施の形態の陳列用容器を示す側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す平面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0116】
1 陳列用容器
2 陳列品
11 箱体
21 前面
22 開口部
23 スポンジ(製品)
35 前壁面
36 後壁面
51 収容部
71 第1凸条部
81 挿入方向
101 第2凸条部
102 第3凸条部
201 第4凸条部
202 第5凸条部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を収容する収容部が凹設された陳列用容器において、
前記収容部を前記製品が遊嵌する大きさに設定するとともに、前記収容部の内側面に、収容された前記製品に当接して当該製品を対向部位に押し付ける凸条を設けたことを特徴とする陳列用容器。
【請求項2】
前記凸条を、前記収容部への前記製品の挿入方向に延設したことを特徴とする請求項1記載の陳列用容器。
【請求項3】
前記収容部が横方向へ開口するように起立した状態において、前記製品の横方向から当接する部位に前記凸条を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の陳列用容器。
【請求項4】
前記収容部が横方向へ開口するように起立した状態において、前記製品の縦方向から当接する部位に前記凸条を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の陳列用容器。
【請求項5】
前記収容部の前記内側面に包囲された前記製品の各壁面に対向するそれぞれの部位に前記凸条を設けたことを特徴とする請求項1から4にいずれか記載の陳列用容器。
【請求項6】
前記製品の壁面に、内側へ後退した湾曲面からなる凹面を形成し、
該凹面に対向した前記収容部の前記内側面の部位に前記凸条を設けたことを特徴とする請求項1から5にいずれか記載の陳列用容器。
【請求項7】
前記製品の壁面に、外側へ突出した湾曲面からなる凸面を形成し、
該凸面に対向した前記収容部の前記内側面の部位に、一対の前記凸条を離間して設けたことを特徴とする請求項1から6にいずれか記載の陳列用容器。
【請求項8】
凹設された収容部に製品が収容された状態で、前面に開口部が設けられた箱体に収容される陳列用容器において、
前記製品の前壁面を外側に突出した湾曲面からなる凸面で構成するとともに、当該製品の後壁面を内側に後退した湾曲面からなる凹面で構成し、当該製品が遊嵌する大きさに前記収容部を設定する一方、
前記凹面に対向する前記収容部の内側面の部位に、前記凹面に当接する第1凸条部を当該収容部への前記製品の挿入方向に延設し、前記凸面に対向する前記収容部の前記内側面の部位に、前記凸面に当接する第2凸条部及び第3凸条部を離間して前記挿入方向に延設したことを特徴とする陳列用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−155973(P2008−155973A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349093(P2006−349093)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】