説明

階層パイロット構造を備えた無線通信システムの送信機

無線通信システムにおいて、制御チャネル情報の通信を行うための方法。本方法には、割当制御チャネル及び複数のパイロット要素を含む時間−周波数資源領域を有するスーパーフレームを送信する工程であって、複数のパイロット要素のうちの少なくとも一部は割当制御チャネルに対応している工程と、割当制御チャネルに対応したパイロット要素の特性をスーパーフレームの構成情報制御チャネルにおいて示す工程と、が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に無線通信に関し、より詳細には、階層パイロット構造によって無線通信システムを環境適応させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーネットワークは、様々な環境に配備されるが、例えば、人口の少ない田園部、人口が中程度の郊外部、人口が多い都市部に配備される。無線チャネルの特性は、環境により変わる傾向がある。セルラー基地局がアンテナ・アレイを用いる場合、1つ又は複数の様々なスマート・アンテナ技術を用いるように構成することができる。スマート・アンテナ技術の成果は、多くの要因に依存することが知られており、例えば、アレイ構成(例えば、アレイ中のアンテナの数、相対位置、偏波面)、周辺の散乱体に対する基地局の位置(例えば、上方又は下方)、その環境における散乱体の分布、及び移動局(MS)の速度に依存する。移動局(MS)は、様々な呼び方が可能であるが、「移動体」、「無線通信端末」ユーザ機器(UE)、及び「端末」と呼ぶことがある。散乱体の数、チャネルの角度拡散、ドップラ拡散、及びチャネルの遅延拡散も、基地局のアレイタイプと共にシステム性能に影響を及ぼす。
【0003】
基地局のアレイ構成(例えば、間隔及び偏波面)及びスマート・アンテナ伝送方式は、一般的に、セルラーネットワークの設計者によって特定の環境に最適化される。例えば、チャネルの角度拡散が相対的に小さい場合、狭間隔(例えば、半波長)での均一な線形アレイの配備が良い選択になることがある。これは、このタイプのアレイが、全てではなくても殆どの散乱体を網羅するビームの操作を得意としており、これにより、移動局が高速に移動している場合であっても、移動局は、強い信号を受信するためである。従って、これらの特性を有する田園部又は郊外部のチャネルの場合、基地局は、ビーム形成法をサポートする均一な線形アレイと共に配備し得る。他の例では、角度拡散が大きくなると、ビーム操作はあまり重要でなくなるが、これは、ビームが全ての放射線を網羅しない可能性があるためである。これらの状況下では、MIMO技術によりシステム容量を大きくすることが、より重要になり得る。この場合、素子の間隔が広く出来るだけ様々な偏波面を有するアレイが、通常、望まれる。従って、都市部の場面では、基地局は、MIMO送信をサポートする広間隔の直交偏波素子のアレイで配備し得る。或る地理的領域にサービスを提供するために用いられる基地局が、必ずしも同じアレイ構成又は同じスマート・アンテナ伝送方式を用いるとは限らないことは、明らかである。一部が田園部に分類され、他の部分が郊外部に分類できる地理的領域では、都市部の基地局は、開ループMIMO送信/開ループ空間多重をサポートするための2つのアンテナで配備でき、一方、郊外部の基地局は、閉ループビーム形成法をサポートするための8つのアンテナで配備してもよい。
【0004】
様々なスマート・アンテナ伝送方式は、最良の性能を達成するために、信号送信及び物理層フォーマット内での特定の最適化を必要とする。第1例は、制御、基準シンボル(パイロット)及び/又はデータチャネルに用いられるタイプの送信である。このタイプの送信は、例えば、ビーム形成送信であり、パワー制御されている等の理由から、例えば、特定の移動局専用の場合がある。他方、送信が複数の移動局用である場合には、データ又は制御は、ブロードキャストされると言われる。ブロードキャスト方式は、ただ1つ又は2つ等の少数の素子を有するアンテナ構成に適し得る。いずれの場合も、その送信の受信機(例えば、ダウンリンク送信の場合は移動局)は、チャネル推定を取得できるようにパイロット・シンボルを有する必要があるが、このチャネル推定は、その後、データ又は制御伝送を検出するために用いられる。専用送信の場合、パイロットは、専用であってよく(例えば、送信でビーム形成し得る)、又は受信機(例えば、移動局)がビーム形成重みについて分かっているかもしくは通知されている場合、ブロードキャストでもよい。ブロードキャスト送信の場合、パイロットもブロードキャストされる傾向があるが、この場合、例えば、別個のパイロットシーケンスが各送信アンテナから送られ、これにより、受信機は、各受信アンテナ及び各送信アンテナ間のチャネルを推定することが可能になる。専用送信は、パイロットタイプがブロードキャストの場合であっても、単一の移動局への送信に依然として用い得る。この場合、送受信アンテナ間のブロードキャストチャネル並びにビーム形成重みについて分かっていると、受信機(例えば、移動局)は、ビーム形成されたチャネルを判定することが可能になり、その後、これは、データ又は制御伝送を検出するために用いられる。
【0005】
従来技術のセルラー通信では、アレイタイプは、オペレータの配備選択及び他の要因によりセル毎に変わり得るが、残念なことに、他の例示したシステム構成、例えば、データ及び制御チャネルフォーマットは、全ての環境に対して固定されている。全てのタイプの環境に対してデータ又は制御伝送のタイプを固定すると、ある環境では他の環境に比べて、システム容量や利用可能な範囲が小さくなる。理想的には、データ又は制御伝送のタイプは、その対応するスマート・アンテナ方式を備えた基地局構成(これらは、特定の環境に対して双方共最適化されている)に合わせて調整し得る。
【0006】
残念なことに、様々な基地局構成を含む不均一な配備により、更なる課題が課せられる。例えば、1つの環境から次の環境(田園部、郊外部、人口の多い都市、又は屋内等)へローミングする通常の移動局は、様々な構成を有する基地局からサービスを受信する。この移動局は、データ及びパイロット・フォーマットを含む基地局構成を検出する必要がある。従って、環境及び/又は特定の基地局の配備に応じて、このタイプのデータ又は制御伝送並びにこのタイプのパイロット・フォーマットの通信を可能にする機構に対する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】異なる環境にサービスを提供する無線通信システムの図。
【図2】スーパーフレーム、フレーム、サブフレーム、及び資源ブロックを示す階層フレーム構造の図。
【図3A】割当制御(ALC)チャネルの配置及び領域を示す様々なフレーム構造を示す図。
【図3B】割当制御(ALC)チャネルの配置及び領域を示す様々なフレーム構造を示す図。
【図3C】割当制御(ALC)チャネルの配置及び領域を示す様々なフレーム構造を示す図。
【図3D】割当制御(ALC)チャネルの配置及び領域を示す様々なフレーム構造を示す図。
【図4】CIC復号器エンティティ及び複数のサブフレームALC推定器を有する移動局を示す図。
【図5】割当チャネル(A)及びデータ(d)チャネル用のブロードキャスト・パイロット(B1,2,3,4)を含む資源ブロックを示す図。
【図6】割当チャネル(A)用のブロードキャスト・パイロット(B)及びデータチャネル(d)用の専用パイロット(D1,2)を含む資源ブロックを示す図。
【図7】割当チャネル(A)用の専用パイロット(D)及びデータチャネル(d)用の専用パイロット(D1,2)を含む資源ブロックを示す図。
【図8】割当チャネル副搬送波及びパイロットを含む3つの18×1矩形タイルを有する割当チャネルを示す図。
【図9】割当チャネル副搬送波及びパイロット要素を含む3つの9×2矩形タイルを有する割当チャネルを示す図。
【図10】割当チャネル副搬送波及びパイロットを含む2つの9×3矩形タイルを有する割当チャネルを示す図。
【図11】2つの資源ブロック内にどのように割当チャネルを収め得るかを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の様々な態様、特徴、及び利点は、後述する添付図面と共に以下の詳細な説明を注意深く考察することにより、当業者にはより一層明らかになるであろう。図面は、理解しやすいように簡略化されていることがあり、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない。
【0009】
田園部の環境では、半波長間隔の線形アレイを配備して、ビーム形成法を用いてデータ伝送することが望ましい場合がある。(全ユーザが復号するブロードキャストではなく)特定のユーザに専用の制御では、専用の制御メッセージをパワー制御及びビーム形成することが有益である。この場合、ビーム形成は、TDDではアップリンクチャネル応答の相互関係又はFDDではマルチパスの着信方向の相互関係を活用することによって可能になる。TDD及びFDDシステム双方のためにビーム形成を実施するこれらの方法の場合、ビーム形成した送信には、制御メッセージと共にビーム形成されたパイロット・シンボルが必要である。次に、都市部の環境において、マルチパスの角度拡散が大きく、また、相関関係のない送信アンテナを生成しようとして、アンテナ・アレイが直交偏波又は広間隔の線形アンテナ素子で構成される場合を考える。そのような構成は、ビーム形成にとっては悪い選択であるが、MIMO送信にとっては良い選択である。この場面では、送信ダイバーシティ(空間−時間符号化)がビーム形成法よりも好まれるとすると、制御チャネルのビーム形成は、無意味なことがある。STC又は送信ダイバーシティ法は、ビーム形成方法とは異なるパイロット信号送信の方法を必要とし得る。その結果、最適な制御チャネル効率のためには、制御チャネルを送信するために用いるスマート・アンテナ技術に応じて、異なる制御チャネル及びパイロット・フォーマットを使用できるようにする必要がある。
【0010】
本開示は、直交周波数分割多重(OFDM)又は直交周波数分割多元接続(OFDMA)無線通信システムにおいて、データチャネルのフォーマット及び特性と共に、制御チャネルのフォーマット及び主要特性の効率的な指定を可能にする通信信号伝送方式を提供する。OFDMは、周波数及び時間の双方において、異なるユーザへの送信のスケジューリングが簡単に均等化でき且つ柔軟であるため、セルラー通信にとって人気のあるリンク方法である。OFDMシステムでは、送信が、複数の副搬送波で同時に送信されるデータストリームに分割される。特定の時間(OFDMシンボル)において、各副搬送波は、単一のデータ・シンボルのみを含む。各副搬送波及び時間は別個のシンボルであることから、異なるユーザ用のデータストリーム(データ・シンボルのグループ)は、周波数及び時間の双方において混在し得る。
【0011】
通常の無線通信システムのダウンリンクでは、地理的に固定された基地局(基地又はBS)が、データと、1つ又は複数の移動局に対して通信リンクの詳細な構造情報を提供する制御信号等の他の情報と、を送信する。ダウンリンク送信は、スーパーフレームに時分割され、スーパーフレームには、多くのOFDMシンボル、例えば、20ミリ秒(ms)分のシンボルを含む時間−周波数資源領域が含まれる。時間−周波数資源領域は、一般的に、制御チャネル、1つ又は複数の資源ブロック、及び複数のパイロット要素を含む。一実施例では、時間−周波数資源領域の制御チャネルは、更に後述するように、割当制御チャネルである。パイロット要素又はパイロットは、パイロット副搬送波又は基準シンボルとして実現し得る。
【0012】
幾つかの実施例では、時間−周波数資源領域は、複数のサブフレーム又はミニフレームに分割され、サブフレームは、比較的少数のOFDMシンボル、例えば、0.6ms分のシンボルを含む。サブフレームは、特定の移動局用のデータ及び/又は1つ又は複数の移動局用の制御情報を含む伝送資源に分解される。サブフレームは、時間−周波数、又は時間及び周波数の双方で更に分割し得る。図2は、複数のサブフレームを含む20の移動局スーパーフレームを示す。スーパーフレームには、特にその第1サブフレームには、単一の同期及び情報制御(CIC)チャネルが含まれ、各サブフレームには、複数の資源タイル又はブロックが含まれる。図2では、資源ブロックの基本的な割当可能ユニットは、18の副搬送波及び6つのシンボルである。一般的に、同期&CICは、第1サブフレームにある必要はなく、移動局が同期&CICの相対的な位置を分かっていれば、スーパーフレーム内の任意のサブフレームに置いてよい。その位置は、通常、無線インタフェース仕様において定義され、また、製造時に移動局へプログラムされる。制御チャネルには、移動局が、特定のダウンリンクにおいてそのデータを復号したり、アップリンク送信のために割当詳細を取得したりするために必要な情報が含まれる。通常、無線通信システムには複数の制御チャネルがある。図1では、CICは、スーパーフレーム当り1回信号送信(シグナリング)される。CICは、通常、移動局がシステムとの同期をとるために用いる同期チャネルに隣接して置かれる。同期時、移動局は、CICメッセージを読み出してシステム構成を判定できる。CICは、システム内の全ての移動局によって高い信頼度で受信され、また、理想的には、全ての基地局構成に対して同じ物理層フォーマット、例えば、ブロードキャストフォーマットを用いる。
【0013】
伝送資源のタイプの1つは、資源ブロック(RB)である。これは、特定の移動局にデータストリームの一部を送信するために用いる。RBは、OFDM時間−周波数資源又は時間−周波数資源領域の単位を表し、1つ又は複数の資源要素又は副搬送波を含み得る。例えば、RBは、図5乃至7に示すように、18の隣接副搬送波(周波数ビン)×6つの隣接OFDMシンボルから時間において構成される。特定の移動局用のデータは、物理層プロトコルのデータユニット(PHY PDU)で送信するが、これらデータユニットは、1つ又は複数のRBにマッピングし得る。PHY PDUを含むRBは、「狭帯域」(局在化)又は「広帯域」(ダイバーシティ)のいずれかのグループ化方式を用い得る。狭帯域又は局在化方式では、2つ以上のRBが、周波数において隣接して共にグループ化され、PHY PDUを形成する。用語「サブチャネル」は、1つ又は複数のRBを、PHY PDUを一括送信するグループにグループ化することを意味するために用い得る。広帯域又はダイバーシティ方式では、2つ以上のRBのグループが、その帯域全体に分散してPHY PDUを形成する。
【0014】
RBは、様々なMIMO及び/又は他の高度なアンテナ・アレイ送信技術で変調し得る。例えば、単一アンテナ送信、集約された複数アンテナ送信(例えば、低遅延巡回遅延ダイバ−シティ)、ビーム形成法を含む閉ループ単一ユーザMIMO(SU−MIMO)、閉ループ複数ユーザMIMO(MU−MIMO)、及び空間−時間もしくは空間−周波数ブロック符号又は開ループMIMO開ループ空間多重化(例えば、大遅延CDD)等の開ループ技術で変調し得る。パイロット要素は、通常、移動局がダウンリンクチャネル推定を実施するために、データ・シンボルと共にRBで送られる。ダウンリンクチャネル推定は、受信したRBを均等化し、また、そのデータ及び/又は制御情報を復元するために用いられる。これらの高度な各アンテナ・アレイ伝送技術では、移動局がRBで送信されている情報/データを適切に且つ効率的に受信し復号できるように、その送信方法の細目及び制約条件に合わせて調整した方法でパイロット要素を送信する必要がある。更に、どのようにパイロット要素をデータと共に送信するかに関する細目が与えられた場合、1つのRBからのパイロット要素は、そのRBでデータを受信するように割り当てられていない移動局がチャネル推定に使用できる場合もできない場合もある。
【0015】
パイロット要素をRB内でどのように送信するか、また、それらが移動局によってどのように用いられるかを理解するには、それらがRB内でどのように送信されるか(「タイプ」)や、RB内のパイロットが移動局によってどのように使用可能か(「ユーザビリティ」)に従って、RBのパイロット要素を分類することが有用である。パイロット「ユーザビリティ」は、RB内のパイロットを、そのRBでデータを受信するように割り当てられていない移動局が用い得るかどうかを示す。
【0016】
少なくとも2つの「タイプ」のパイロット要素があることが想定される。「ビーム形成」パイロットは、RBに割り当てられた移動局のチャネル又は位置に合わせて調整する方法で、RB内においてビーム形成される。「送信アンテナ毎」パイロットは、移動体が各送信アンテナからのチャネルを推定できるようにする方法で、且つ、ビーム形成なしで送信される。更に、送信アンテナ毎パイロットを用い得るのは、制御チャネルが、UEによって予め選択されフィードバックされた予符号化ベクトルを用いて基地局で予符号化される時である。
【0017】
送信アンテナ毎パイロットは、一般的に、データとは別に送信アンテナから送信される。このタイプのパイロット要素は、通常、空間−時間又は空間−周波数ブロック符号化及びMIMO等の開ループ技術に用いるが、制御チャネルが予符号化されている場合にも用い得る。実際の物理的なアンテナからではなく、仮想アンテナから送信アンテナ毎パイロットを送ってもよいことは、注目に値する。仮想アンテナの例は、2つの物理的なアンテナを組み合わせて、低遅延巡回シフトダイバーシティにより、その対を単一のアンテナのように見えるようにすることである。しかしながら、仮想アンテナの場合、移動局が、他のRBのパイロットをチャネル推定に用いることができるのは、それらのRBが送信アンテナ毎パイロットを有し、更に、同じアンテナ仮想化技術がそれらのRBに用いられている場合だけである。
【0018】
ビーム形成パイロットは、何らかのアンテナ重みでビーム形成される。ビーム形成パイロットは、データストリーム毎パイロットであってよく、このことは、パイロット及びデータが、閉ループSU−MIMO又はMU−MIMOの場合と同じ様にビーム形成されることを意味する。他の選択肢として、パイロットは、ビーム毎パイロットであってよいが、このことは、複合の空間−時間又は空間−周波数ブロック符号+ビーム形成を伴うMIMOの場合のように、又はデータが2つ以上のビームに渡って開ループ空間−時間又は空間−周波数ブロック符号化/MIMO符号化される場合のように、パイロットが、データ送信とは別にビームで送信されることを意味する。
【0019】
第1のタイプのパイロット・ユーザビリティは、「ブロードキャスト」ユーザビリティであり、これは、RBのパイロットが、全ての移動局によって、それらの割当にかかわらず使用可能であることを意味する。この場合、RBのパイロット要素は、全ての移動局で利用可能である。ブロードキャスト・パイロットの場合、パイロットは、一般的に、送信アンテナ毎パイロットであり、アンテナ仮想化を用いる場合、仮想化方法は、リンク適応を損なわないように、1つのサブフレーム以上に渡って変わってはならない。他のタイプのパイロット・ユーザビリティは、「専用」ユーザビリティであり、これは、パイロットが、そのRBに割り当てられた移動局の組によってのみ使用可能であることを意味する。一組は、通常、ただ1つの移動局であるが、MU−MIMOにおける複数の移動局であってもよい。用語「専用」は、「割当毎」と呼ぶこともできる。専用パイロットの例は、ビーム形成パイロットであるが、この場合、ビーム形成ベクトル又は行列は、アップリンク探測(sounding)ベースのSU−MIMO又はMU−MIMOの場合にそうであり得るように、RB間で変わる。専用パイロットの他の例は、送信アンテナ毎パイロットであるが、この場合、RBは、RB毎に変わるアンテナ仮想化方法により送信される。第3の例も、特定のRBの送信アンテナ毎パイロットであり、この場合、同じ間隔、即ち、サブフレームの他のRBは、全てがブロードキャストされるとは限らない。
【0020】
パイロット・ユーザビリティをテーブル1にまとめて示す。
【0021】
【表1】

実施例では、一般的に、サブフレーム内の全てのRBは、同じパイロット・ユーザビリティを有すると仮定する。言い換えると、サブフレームは、全てブロードキャスト・パイロットのRB又は全て専用パイロットのRBのいずれかを含む。送信アンテナ毎パイロットを有する(及び仮想化を使用する場合、同じ仮想化を用いる)全てのRBは、全ての移動局によって技術的に使用可能である。即ち、パイロットは、ブロードキャスト・パイロットである。しかしながら、RBパイロットタイプが混在した状態で専用制御を用いる場合、移動局が、どのRBを使用可能であるかを知り、これによって、全てのRBを実際の全ての目的のために専用にすることは、恐らく非現実的である。
【0022】
幾つかの実施例では、RBは、2つの部位、即ち、データ部又はデータチャネル及び制御部又は制御チャネルを含むように構成し得る。データ部は、そのRBでダウンリンク割当を受信するように「割り当てられた」ユーザへ情報を送信する。制御部は、後述するように、サブチャネルを構成するために用いられているRBのデータ部の様々な特性を示すのに用いる制御情報を含み得る。
【0023】
各RBのデータ部及び制御部は、どの組の移動局がそのRBのパイロットを用いてチャネル推定し得るかにより、別個に分類し得る(パイロット・ユーザビリティ:専用/割当毎、又は、ブロードキャスト/全移動局が利用可能)。各RBのデータ部及び制御部も、どのようにパイロットを非パイロット・シンボルと共に送信するかにより分類し得る(パイロットタイプ:ビーム形成、又は、送信アンテナ毎)。一般的に、RBの制御部は、RBのデータ部に含まれるパイロットとは異なるタイプやユーザビリティのパイロットを用い得る。従って、RBパイロット特性に関する前述及び後述の議論は、議論がRBのデータ部だけに限定される場合、適用可能である(議論がRB全体に関する場合、適用可能であることに加えて)。同様に、RBパイロット特性に関する前述の議論は、議論がRBの制御部に限定される場合、適用可能である(議論がRB全体に関する場合に適用可能であることに加えて)。
【0024】
テーブル1に関しては、RBデータ部がブロードキャスト・パイロットを用いる場合、通常の使用例は、開ループ送信及びコードブックベースの閉ループ送信である。この例の場合、許容可能なパイロットタイプは、ビーム形成方式がサブフレーム内の(又は、リンク適応を容易にするために、サブフレームを越える)全てのRBに対して同じである限り、送信アンテナ毎及びビーム形成パイロットである。RBのデータ部にブロードキャスト・パイロットを有する開ループの場合、移動局は、基地局によって制御信号送信により、パイロット・フォーマットを決定する送信アンテナ数に関して、及び/又は厳密な送信方法(空間ランク等)を決定する特定の送信フォーマットに関して、これらは早めに決定/指定しなければならないが、通知される必要がある。実際、基地局は、一般的に、移動局が受信及び復号し得る方法でのみ送信できることから、本システムには、使用中の送信アンテナの数に対して定義される具体的な方法のリストが必要である。アンテナ数は、更に、セルサーチプロセス中、ブラインドで検出することができる。
【0025】
RBのデータ部にブロードキャスト・パイロットを有するコードブックベースの閉ループ送信の場合、移動局には、基地局によって制御信号送信により、1つ又は複数の数の送信アンテナに関して通知する必要がある。この場合、使用中のパイロット・フォーマットは、送信アンテナの数及び/又は空間ストリームの数(ここで、用語「空間ストリーム」は、空間多重化MIMO通信における送信層としても知られている)によって決定される。SU−MIMO実施例の場合、移動局には、各ストリームのパワー及びデータレートを適応させることが望まれる場合に必要な各ストリームのパワー及びスケーリングと共に、各ストリームの変調及び符号化レートに関して通知する必要がある。MU−MIMO実施例の場合、移動局には、どの空間ストリームがどの移動局用であるかを示す指示と共に、各移動局のデータストリームの変調及び符号化レートについて通知する必要がある。各RBで使用中の送信重みベクトル又は行列は、基地局から移動局への随意のコードブック・フィードフォーワード(確認又はオーバーライドのいずれか)にとって、又はTDDではコードブックが基地局から移動局へフィードフォーワードされるアップリンク探測において、有用である。
【0026】
RBデータ部が専用パイロットを用いる実施例では、パイロットは、ビーム形成又は送信アンテナ毎のいずれかである。この例のビーム形成パイロットの場合、パイロットは、データと共にビーム形成されるか、又はデータと分離しているかのいずれかである。更に、送信アンテナ毎パイロットを用いるRBの一部と、ビーム形成パイロットを用いる他のRBとを混在させ得る。パイロットタイプをこのように混在させる使用事例は、アップリンク探測での開ループ送信の周波数多重化用、又はアナログ・フィードバックベースの閉ループSU−MIMO又はMU−MIMO用である。送信アンテナ毎パイロットを有する(及び仮想化が用いられる場合、同じアンテナ仮想化を用いる)RBは、いずれも全移動局によって技術的に使用可能である。即ち、パイロットは、ブロードキャストされる。しかしながら、RBパイロットタイプ(ビーム形成対送信アンテナ毎)を混在して専用制御を用いる場合、移動局が、どのRBを使用可能であるかを知り、全てのRBのパイロットを実際の全ての目的のために専用(割当毎用途)にすることは、恐らく非現実的である。
【0027】
RBデータ部が専用パイロットを用いる場合、様々な複数アンテナモードをサポートできる。例えば、閉ループSU−MIMO又はMU−MIMO(アップリンク探測(TDD)、アナログ・フィードバック(TDD及びFDD)、及びDOA方法(TDD及びFDD)を用いる)、ビーム形成方式がRB毎に変わってよい複合ビーム形成+MIMO/空間−時間又は空間−周波数ブロック符号(アップリンク探測(TDD)、アナログ・フィードバック(TDD及びFDD)及びDOA方(TDD及びFDD)を用いる)、及びコードブック・インデックスのフィードフォーワードなしのコードブック・フィードバック(TDD及びFDD)等をサポートできる。RBデータ部が専用パイロットを含む場合、基地局は、空間ストリーム数を信号送信する必要が生じ得るが、この数は、移動局がそのデータ・シンボルを検出できるように、資源ブロックのパイロット・フォーマットを決定する。SU−MIMOの場合、基地局は、各データストリームの変調及び符号化レートも信号送信する。MU−MIMOの場合、基地局は、各ストリームの変調及び符号化レートを信号送信し、また、随意で、その移動局が割り当てられているのがどのストリームかを信号送信する。
【0028】
移動局によって要求された情報は、制御チャネルと共に信号送信される。一般的に、制御チャネル(又はRBの制御部)は、単に、1つ又は複数の移動局のためのデータであり、従って、RBのデータ部と同様な方法で、専用にしたり、ブロードキャストしたりできる。RBは、その内部に複数のパイロットを含んでおり、これらのパイロットは、1つ以上の割当制御チャネルもしくはデータチャネルのいずれか、又は双方に対応すなわち関連する。制御及びデータパイロットの組合せの幾つかの典型的な場面について以下に述べる。図5では、RBの制御部及びデータ部は、双方共、ブロードキャスト・パイロットを用いる。「A」は、割当チャネル、即ち、制御部を意味し、これは、1つ又は複数の移動局用であってよい。「B」は、アンテナ「n」用の送信アンテナ毎パイロットを意味する。また、「d」は、データ・シンボルを意味し、これは、1つ又は複数の移動局又は1つ又は複数のデータストリーム用であってよい。この場合、制御部は、開ループ送信、例えば、巡回遅延ダイバーシティ、空間−時間又は空間−周波数ブロック符号を用いてよく、又は、コードブック・インデックスのブラインド検出を必要とする可能性があるコードブック伝送技術を用いてよい。この例の場合、データは、開ループ又はコードブックベースの伝送方式を用いてもよい。この組合せの場合、移動局は、周波数及び時間の双方に渡る全パイロットを用いて、制御及び/又はデータ部の復号に用い得るチャネル推定を決定できる。この組合せの場合、割当制御チャネルに対応した複数のパイロット要素(資源ブロックを含むサブフレーム又は隣接サブフレームにおけるパイロットのうちのいずれでもよい)は、ブロードキャスト・パイロット要素である。また、資源ブロックに対応した複数のパイロット要素(例えば、データチャネルの復号用)も、資源ブロックを含むサブフレーム又は隣接サブフレームにおけるパイロットのうちのいずれでもよいが、ブロードキャスト・パイロット要素である。
【0029】
図6では、RBの制御部はブロードキャスト・パイロットを用い、データ部は、専用パイロットを用いる。「A」は、割当チャネル、即ち、制御部を意味し、これは、1つ又は複数の移動局用であってよい。「B」は、割当チャネル用のブロードキャスト・パイロットを意味する。「D」は、ストリーム「n」用の専用パイロットを意味する。また、「d」は、データ・シンボルを意味し、これは、1つ又は複数の移動局もしくは1つ又は複数のデータストリーム用であってよい。この場合、制御送信方法は、開ループの可能性があるが、コードブックビーム形成は用いない。コードブックビーム形成が、制御に利用可能である場合、当然データに利用可能である。データ伝送は、非コードブック閉ループ法又は開ループ法のいずれを用いてもよく、サブフレーム内の異なるRBは、異なる方法を用いてよい。この組合せの場合、移動局は、割当チャネルの復号に用いるチャネル推定を取得するために割当チャネルのブロードキャスト・パイロットを全て用いてよいが、データストリームの専用パイロットを用いて割当チャネルの復号を支援することはできない。更に、移動局は、その特定のRBのデータ部の専用パイロットだけを用いて、データ検出に用いるチャネル推定を得ることができる。この組合せの場合、割当制御チャネルに対応した複数のパイロット要素(割当チャネル部に含まれるパイロット要素のみ)は、ブロードキャスト・パイロット要素である。本例では、周波数全体の全割当チャネル用の全てのブロードキャスト・パイロット要素は(その移動局用か異なる移動局用かに関わらず)、割当制御チャネルを復号するために用い得る。場合によっては、以前及び/又は以後の割当チャネルからのそれらブロードキャスト・パイロット要素も、現在の割当チャネルの復号支援に用い得るが、専用データ部のパイロットは、用いることができない。また、この組合せの場合、資源ブロックに対応した複数のパイロット要素(例えば、データチャネルの復号用)は、その資源ブロックに含まれるパイロット要素だけであるが、専用パイロット要素である。共通のパイロットも、ブーストしてもよく、そのブーストは、CICチャネルを用いて示してよい。
【0030】
図7では、RBの制御部及びデータ部は、双方共、専用パイロットを用いる。「A」は、割当チャネル、即ち、制御部を意味し、これは、1つ又は複数の移動局用であってよい。「D」は、割当チャネル用の専用パイロットを意味する。「D」は、ストリーム「n」用の専用パイロットを意味する。また、「d」は、データ・シンボルを意味し、これは、1つ又は複数の移動局もしくは1つ又は複数のデータストリーム用であってよい。この場合の制御伝送は、どのようにでもビーム形成でき、また、他の制御要素に比べてパワーブーストする能力、即ち、近くの移動局の制御情報に比べて遠くの移動局の制御情報をブーストする能力を有する。データ伝送は、非コードブック閉ループ法、又は開ループ法のいずれかを用いてもよく、サブフレーム内の異なるRBは、異なる方法を用いてよい。この組合せの場合、移動局は、通常、RB内の割当チャネル用専用パイロットだけを用いてチャネル推定を得ることができるが、これらチャネル推定は、同じRB内の割当チャネルを復号するために用いられる。この規則の例外は、同じ移動局用の割当チャネルが、全て同じ様にビーム形成された複数の隣接RBに含まれる場合である。なお、移動局は、通常、データストリームが割当チャネルの復号を支援するために、専用パイロットを用いることはできない。この規則の例外は、制御部及びデータ部双方が、同じ移動局用であり、また、両部分が同じ方法でビーム形成されていた場合である。更に、移動局は、その特定のRBのデータ部の専用パイロットだけを用いてチャネル推定を得ることができるが、これらチャネル推定は、データ検出に用いられる。この組合せの場合、割当制御チャネルに対応した複数のパイロット要素(割当制御チャネルタイル、例えば、陰影矩形として示した9×1タイル内のパイロット要素のみ)は、専用パイロット要素である。従って、移動局は、タイル中の単一のパイロット要素だけを用いて、そのタイルの割当制御の部分を復号できる。単一ユーザ用の時間及び/又は周波数が隣接する複数のタイルが、全て同じ様に(例えば、全て同じビーム形成器を用いて)送信される場合、これら全タイルからの複数のパイロット要素は、それらグループのタイルの割当チャネルを復号するために用い得る。更に、この組合せの場合、資源ブロックに対応した複数のパイロット要素(例えば、データチャネルの復号用)は、資源ブロックに含まれるパイロット要素のみであるが、専用パイロット要素である。
【0031】
他の組合せによれば、RBの制御部は、専用パイロットを用い、データ部は、ブロードキャスト・パイロットを用いる。しかしながら、この事例は、他のものほど望ましくない。なぜなら、場合によっては、ブロードキャスト・パイロットを制御部及びデータ部双方に用いることが好ましいためである。
【0032】
一般的に、割当制御チャネルの複数の時間−周波数タイルの各々には、複数の副搬送波及び少なくとも1つのパイロット要素が含まれる。幾つかの実施例では、資源ブロックにおける複数の時間−周波数タイルの一部又は全てには、同じ数の副搬送波及び同じ数のパイロット要素が含まれる。各タイルのパイロット要素が専用パイロット要素である幾つかの実施形態では、専用パイロット要素は、その専用パイロット要素を一部とするタイルの複数の副搬送波にのみ機能的に対応する。幾つかの実施形態では、時間−周波数資源ブロックの周波数範囲は、時間−周波数タイルの周波数範囲の整数倍である。また、他の実施形態では、時間−周波数資源ブロックの時間範囲は、時間−周波数タイルの時間範囲の整数倍である。図5乃至7では、複数の時間−周波数タイルは、各々同じ数の副搬送波及び同じ数のパイロット要素を有する矩形である。より一般的には、タイルは、非矩形であってよい。
【0033】
割当制御チャネルには、一般的に、1つ又は複数の時間−周波数タイルを含み得る少なくとも1つの資源割当メッセージが含まれる。メッセージに複数のタイルを含む実施形態では、複数の時間−周波数タイルには、各々同じ数の副搬送波及び同じ数のパイロット要素が含まれる。更に、資源割当メッセージを構成する複数の時間−周波数タイルは、各々時間−周波数資源領域の周波数範囲に沿って分散してよい。この場合、資源割当メッセージを構成する複数の時間−周波数タイルのうちの少なくとも一部は、資源割当メッセージを構成しない時間−周波数タイルによりインターリーブされ、こうして、周波数ダイバーシティを提供する。図3bは、割当制御チャネルのない第2の時間サブフレームに隣接する第1の時間サブフレーム内において提供される割当制御チャネルを示す。ここで、第1及び第2サブフレームは、時間−周波数資源領域内に配置され、第1の時間サブフレームは、データチャネルも含む。
【0034】
図5乃至7では、複数の時間−周波数タイルには、各々同じ数の副搬送波及び同じ数のパイロット要素が含まれる。更に、図5乃至7は、割当制御チャネルの一部のみを示すことに留意されたい。図8乃至10は、計6つのパイロット要素を有するサイズ48の副搬送波の割当チャネルの場合、1つの移動局用の完全な割当チャネルを示す。各例は、割当チャネル副搬送波(A)及びパイロット要素(P)の双方を含む「n掛けるp」(n×p)の副搬送波のm個のグループ(即ち、時間−周波数タイル)を有するが、パイロット要素は、ブロードキャストでも専用でもよい。周波数方向の間隙は、n×p個のシンボルのグループが、ある間隔(例えば、帯域幅の3分の1)だけ周波数において分離されることを示す。これらの例では、図示した割当全体は、1人のユーザ用であるが、通常は、複数ユーザ用の割当チャネルが存在する。これら複数の割当チャネルは、通常、資源ブロック定義(例えば、図5乃至7に示す18×6資源ブロック)内に収まる必要がある。図10は、2つの9×3割当チャネルを示す。図11では、4人の異なるユーザのための2つの9×3割当チャネル4つが、周波数において分離した2つの18×6資源ブロック内に置かれる。ここで、周波数方向の間隙は、周波数における間隔を示す。この場合、資源ブロック(即ち、時間−周波数資源ブロック)の周波数範囲は、9×3グループ(時間−周波数タイル)の周波数範囲の整数倍(2倍)である。更に、資源ブロックの時間範囲は、9×3グループ(時間−周波数タイル)の時間範囲の整数倍(2倍)である。
【0035】
移動局がサブチャネルでのダウンリンク送信からそのデータを復調及び検出できるようにするためには、以下の情報のうちの1つ又は複数が必要になり得る。即ち、送信(又は仮想)アンテナの数も含み得る使用アンテナ・アレイ伝送技術と、SU−MIMOでは空間ストリーム数又はMU−MIMOでは同時に存在するユーザ数であり得る送信ランクと、基地局がMSによって報告される予符号化済み行列インデックス(PMI)を用いる場合も用いない場合もあることから、SU−MIMO又はMU−MIMO送信用のPMIと、HARQ送信用の冗長値(RV)パラメータと、各ストリームで異なる可能性がある各ストリーム用変調及び符号化レートと、RBのパイロットタイプ(全移動局がパイロットを利用可能であることを意味するブロードキャスト、又は特定のRBに割り当てられた1つ以上の移動局だけがパイロットを利用可能であることを意味する専用のいずれか)と、通常、空間ストリームの数又は送信或いは仮想アンテナの数に合わせて調整されるパイロット・レイアウトと、及び/又はサブフレーム内の制御及びデータ割当と、のうちの1つ又は複数が必要になることがある。
【0036】
図3は、個々のサブフレーム又はサブフレームのグループで、システム内の個々の移動局に資源を割り当てるための割当制御(ALC)チャネルを示す。割り当てる資源は、PHY PDUを含むダウンリンクRBのマップでもよく、又はPHY PDUを送信するためのアップリンクRBの許可でもよい。ALCは、各々別個に符号化され特定の移動局に向けられる複数の専用制御メッセージが含まれるように符号化されることが多い。ALCが発生する度に、ダウンリンク送信又はアップリンク送信用の1つ又は複数の特定のサブフレームの資源を割り当てる。WiMAXでは、ダウンリンク(DL)マップが、ALCと同様の機能を果たす。3GPP_UMTS_LTEでは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)が、ALCと同様の機能を果たす。
【0037】
一実施形態では、ALCは、資源ブロックに対応した複数のパイロット要素の特性を示す。ALCは、更に、資源ブロックで送信される空間ストリームの数を示し得る。他の実施形態では、割当制御チャネルは、チャネルメトリックに基づき、資源ブロックに対応したどの副搬送波がパイロット要素であるかを示すための情報を提供する。ここで、チャネルメトリックは、速度メトリック、データレート、遅延拡散が含まれるグループから選択される。更に特殊な一実施形態では、割当制御チャネルは、速度メトリックに基づき、資源ブロックに対応したどの副搬送波がパイロット要素であるかを示すための情報を提供する。割当制御チャネルは、資源ブロックで送信される空間ストリームの数も示し得る。
【0038】
幾つかの実施例では、基地局は、複数のパイロット要素で一組のパイロットシーケンスを送信し、割当制御チャネルは、その組のパイロットシーケンスのうちのどのパイロットシーケンスが特定のユーザに割り当てられるかを示す。ALCは、資源ブロックで送信される空間ストリームの数、及び特定ユーザ、例えば、SDMAユーザが割り当てられデータを受信する空間ストリームのうちのどれかを示すために用い得る。
【0039】
CICは、セル内でサービスを捜し求める全ての移動局によって復号されなければならないため、セルの端までブロードキャストする必要がある。一般的に、CICの構造は、全ての配置環境に対して、例えば、田園部、郊外部、都市部、又は屋内に対して、その領域にローミングする新しい移動局がシステム構成を復号及び学習できるように、同じである。CICはセルのカバレッジ領域を定義するので、最大セルサイズに適応するようにロバストである必要がある。オーバーヘッドを低減し効率を改善するためには、各CICメッセージの内容は、どこでも1/8から1/40の所望のカバレッジ信頼度を達成するために高符号化レートが求められることがあるため、最小にしなければならない。信頼性を改善し所望のカバレッジを実現する1つの方法は、重畳、ブロック、又は、ターボコード等の従来の前方誤り訂正コードと組み合わせた反復符号化による。CICメッセージの反復符号化は、スーパーフレーム内や複数のスーパーフレームに渡って用い得る。後者の場合、CICメッセージは、移動局が、スーパーフレーム制御メッセージのうちの複数の時点を積算および結合するように、複数のスーパーフレームに渡って一定に保たれなければならない。従って、割当、アクセス許可(grant)、及びフレームカウンタ等のしばしば変化する情報は、除外しなければならない。スーパーフレーム制御の内容は、巡回冗長検査(CRC)等の誤差検出コードがフレーム毎に一定であるように、同じでなければならない。幾つかの、例えば、2乃至4のCICメッセージ送信を組み合わせると、信頼性を大きく改善できる。更により大きな数の、例えば、5乃至12のCICメッセージ送信を組み合わせると、100kmまでの更に大きなサイズのセルをサポートできる。最後に、CIC送信の効率は、サブフレーム毎制御、例えば、割当制御(ALC)チャネルに比べて発生数を低減することによって改善し得る。複数のALCチャネル送信は、CIC送信毎に行われる。例えば、ALCチャネルは、サブフレーム毎に0.6ms毎のオーダーで送信されるが、CICは、20ms毎に送信される。一実施形態では、32ものALC送信が、1つのCICの間に行われることがある。
【0040】
CICメッセージは、物理的な送信アンテナ数及びRBのデータ部の特性を示し得るが、これには、集約(aggregation)アンテナを用いない場合、物理的なアンテナ数に等しい仮想送信アンテナの数が含まれる。CICメッセージは、更に、集約アンテナを用いる場合、仮想アンテナ数が物理的なアンテナ数より少ないことを示し得る。CICメッセージは、基地局によってサポートされる空間ストリームの最大数を示し得る。CICメッセージは、基地局によってサポートされるCL MIMOイネーブラを示すことができるが、これは、どのモードがサポートされているかを示すビットマップであってもよい。このCL MIMOイネーブラは、CL MIMOイネーブラに応じて変わり得るアップリンクフィードバック制御構造に必要なことがある。例えば、パイロットタイプが専用の場合、アップリンクフィードバック機構は、アップリンクチャネル探測、又はアナログ・フィードバック、又はコードブック・フィードバックであり得る。他方、パイロットタイプがデータ部でブロードキャストされる場合、開ループ技術にフィードバック機構が不要であるか、又は、コードブック・フィードバックが用いられるかのいずれかである。
【0041】
CICメッセージは、サブフレームの割当制御部のパイロット・ユーザビリティ等、サブフレームのパイロット部の特性を示すことができ、例えば、制御パイロットが専用かブロードキャストかを示し得る。CICメッセージは、ALCに対応したパイロット要素の位置、及びデータ部のパイロット・ユーザビリティ(即ち、そのRBに対して、パイロットがブロードキャストか専用か)を示し得る。パイロット・ユーザビリティがブロードキャスト・ユーザビリティの場合、パイロット・フォーマットは、送信アンテナ数によって決定される。他の選択肢として、パイロット・ユーザビリティが専用ユーザビリティの場合、パイロット・フォーマットは、そのサブチャネルで送信された空間ストリームの(ALCによって示される)数によって決定される。CICメッセージは、ALCをサポートするために用いる送信方法を示し得る。例えば、ALC復号をサポートするために用いられるパイロットタイプがブロードキャストの場合、送信方法は、巡回遅延ダイバーシティ、汎用巡回遅延ダイバーシティ、空間−周波数又は空間−時間ブロック符号、又はコードブックタイプの予符号化を伴うビーム形成のいずれであってもよい。他方、ALC復号をサポートするために用いるパイロットタイプが専用の場合、送信方法は、重みをアップリンク・トラフィックに基づき演算するビーム形成、又はフィードバック機構、例えば、コードブック・フィードバック、アップリンクチャネル探測、又はアナログ・フィードバックに基づくビーム形成のいずれであってもよい。CICメッセージは、更に、割当制御チャネルに対応したパイロット要素を識別し得る。
【0042】
一実施形態では、CICは、移動局に対して、割当制御チャネル等の制御チャネルに対応した複数パイロットの特性を伝達する。例えば、CICは、ALCに対応したパイロットが全移動局によって使用可能か、又は、移動局がそれ自体に向けられた個々のALCメッセージに対応したパイロットだけを用い得るか、を示し得る。図4では、移動局には、CICによって提供された情報を復号するように構成したコントローラが含まれる。本明細書で述べたCICによって提供される情報は、単なる代表例であり、限定することを意図していない。更に、代表的な情報の全てを全実施例において提供するとは限らない。
【0043】
ALCをブロードキャスト・パイロット・ユーザビリティで送信しようとする場合、システムは、ALCを送信するための少なくとも1つの特定のアンテナ・アレイ送信方法をサポートすることが想定される。この場合、アンテナ・アレイ送信方法の選択肢には、ブロードキャスト又は送信アンテナ毎パイロットを必要とする又は該パイロットを用いて動作する方法が含まれる(例えば、低遅延の巡回遅延ダイバーシティ(CDD)、空間−時間ブロック符号化(STBC)、空間−周波数ブロック符号化(SFBC)、ALC予符号化など)。CIC中の指標は、どの特定のアンテナ・アレイ送信方法がALCの送信に用いられているかを示す。この場合、システムは、用いる特定の送信方法が、ALCをサポートする特定のパイロット及び情報フォーマットを間接的に示すように構成し得る。
【0044】
同様に、ALCを専用パイロット・ユーザビリティで送信する場合、システムは、ALCを送信するための少なくとも1つの特定のアンテナ・アレイ送信方法をサポートすることも想定される。この場合、アンテナ・アレイ送信方法の選択肢には、専用又はビーム形成パイロットを必要とする又は該パイロットを用いて動作する方法が含まれる。専用パイロット・ユーザビリティで送信されるALCの場合、好適な方法は、ビーム形成である。複数の方法がこの事例でサポートされると、CIC中の指標は、どのアンテナ・アレイ送信法が、ALCに搬送される専用制御を送信するために用いられているか示す。この場合、システムは、用いられる特定の送信方法が、ALC用の特定のパイロット及び情報フォーマットを間接的に示すように構成し得る。
【0045】
階層制御構造の他の態様では、CICも、サブフレームのRBのデータ部のパイロット・ユーザビリティを指定する。上述したように、サブフレームのRBは、全て、ブロードキャスト・ユーザビリティ又は専用ユーザビリティのいずれかで送信することが、必須ではないが、想定される。階層制御構造は、2つのクラスのパイロット・フォーマットがRBのデータ部で使用可能であるように構成され、ブロードキャスト・パイロット・クラスは、RBのデータ部のパイロット・ユーザビリティがブロードキャストに設定された場合に用いるように意図されており、また、専用パイロット・クラスは、データ部のパイロット・ユーザビリティが専用に設定された場合に用いるように意図されている。各パイロット・フォーマット・クラスには、RBのデータ部で使用可能となる幾つかのパイロット・フォーマットがあり、各クラス内のパイロット・フォーマットは、様々な特性に応じて互いに異なる。例えば、ブロードキャスト・クラスのパイロット・フォーマットは、幾つかのパイロット・フォーマットを含んでよく、この場合、各パイロット・フォーマットは、特定の数の送信アンテナをサポートするように調整される。同様に、専用クラスのパイロット・フォーマットは、幾つかのパイロット・フォーマットを含んでよく、この場合、各パイロット・フォーマットは、(ビーム形成、閉ループSU−MIMOもしくは閉ループMU−MIMO、又は高遅延CDDを用いる開ループ空間多重化をサポートするための)特定の数の空間ストリームをサポートするように調整される。
【0046】
ブロードキャスト又は専用クラスのパイロット・フォーマットは、更に、特定の数の送信アンテナ(ブロードキャスト・クラスの場合)又は空間ストリーム(専用クラスの場合)と共に、異なる移動局速度をサポートするように調整される追加のパイロット・フォーマットを含み得る。より高速のユーザ用に調整されるパイロット・フォーマットは、RB内のチャネル応答のより良い時間追跡を可能にする高密度化パイロット・レイアウトを含み得る。対照的に、より低速のユーザ用に調整されるパイロット・フォーマットには、パイロット構造を効率化し得る低密度化パイロット・レイアウトを含んでよく、この場合、RB内のチャネル応答の時間追跡は、重要ではない。そして、基地局は、移動局によって提供される速度フィードバックに基づき、ユーザのために最適化したクラス内のパイロット・フォーマットのうちの1つを用いることができる。この方式の利点は、高速のユーザには、より良い時間追跡が可能になる高密度化パイロット構造を提供でき、一方、低速のユーザには、更に効率的なパイロット構造を提供できることである。同様に、ブロードキャスト又は専用クラスのパイロット・フォーマットには、更に、異なる移動局の遅延拡散をサポートするように調整された追加のパイロット・フォーマットを含み得る。遅延拡散の大きなユーザのために調整されたパイロット・フォーマットは、RB内のチャネル応答のより良い周波数追跡が可能になる周波数について高密度化したパイロット・レイアウトを含んでよい。対照的に、遅延拡散の小さなユーザのために調整されたパイロット・フォーマットには、パイロット構造を効率化し得る低密度化パイロット・レイアウトを含んでよく、この場合、RB内のチャネル応答の周波数追跡は、重要ではない。移動局が、その遅延拡散の推定値をBSへフィードバックすると、BSは、その速度のユーザのために最適化されたクラス内のパイロット・フォーマットのうちの1つを用いることができる。この方式の利点は、遅延拡散の大きなユーザには、より良い周波数追跡が可能になる高密度化パイロット構造を提供でき、一方、より低速のユーザには、効率化したパイロット構造を提供できることである。
【0047】
ブロードキャスト又は専用クラスのパイロット・フォーマットは、更に、異なる変調及び符号化方式をさらに適切にサポートするように調整された追加のパイロット・フォーマットを含み得る。例えば、QPSKを送信する場合、チャネル推定精度要件は、64QAMを送信する場合より低く、このことは、時間−周波数チャネル追跡のためのパイロット密度は、QPSKより64QAMの場合、より大きくする必要があることを意味する。この場合、密度は、周波数の単位及び/又は時間の単位毎に割り当てたパイロットの数を大凡示すために用いられる。基地局は、移動局へQPSK送信をしようとしている場合、64QAMの移動局に必要なものより低密度なパイロット・フォーマットを送信し得る。この技術の利点は、条件が許す場合、さらに効率的なパイロット・フォーマットを提供することである。
【0048】
本開示の階層制御構造では、CICは、データ部のパイロット・ユーザビリティを示し、これは、直接、どのパイロット・フォーマット・クラスがRBのデータ部に使用可能であるか決定する。同時に、ALCは、選択されたパイロット・フォーマット・クラス内のどのパイロット・フォーマットを選択して、データ(即ち、PHY PDU)をRBで移動局に送信するかについて移動局に通知する。RBの制御部によって用いられるパイロット・ユーザビリティ及びアンテナ・アレイ送信方法が分かると、移動局は、RBの制御部に常駐するALCを復号できる。RBのデータ部のパイロット・ユーザビリティは、どのクラスのパイロット・フォーマットをRBのデータ部に用いるか決定し、ALCは、選択したパイロット・フォーマット・クラス内のどのパイロット・フォーマットをRBのデータ部で用いるべきか示す。
【0049】
上述したように、RBは、狭帯域割当法又はダイバーシティ割当法によりグループ化し得る。サブフレーム全体がどちらかの割当方法を用いている場合、スーパーフレーム制御は、どの割当方法を用いてRBをサブチャネルにグループ化しPHY PDUを送信するか示す。他方、ダイバーシティ割当方法及び狭帯域割当方法が1つのサブフレーム内で同時に用いられる場合、ALCは、どの割当方法が特定のPHY PDUの送信に用いられているか示す。
【0050】
一般的に、CICは、ALC及び資源ブロックを含む時間−周波数(TF)資源領域の複数のパイロットのユーザビリティを記述する。資源ブロックを含むTF資源領域は、資源ブロックに対応した複数のパイロット要素が、全て専用パイロット要素であることをCICで示す。他の選択肢として、資源ブロックを含むTF資源領域は、TF資源領域の複数のパイロット要素が、全て専用パイロット要素であることをCICで示す。
【0051】
一実施形態では、CICは、制御及びデータパイロット構造用の次の組合せのうちの1つを示す指示を伝達する。即ち、制御がブロードキャスト・パイロットを用い、データ部もブロードキャスト・パイロットを用いるブロードキャスト−ブロードキャスト(BB)組合せと、制御がブロードキャスト・パイロットを用い、データ部が専用パイロットを用いるブロードキャスト−専用(BD)組合せと、制御が専用パイロットを用い、データ部が専用パイロットを用いる専用−専用(DD)組合せと、制御が専用パイロットを用い、データ部がブロードキャスト・パイロットを用いる専用−ブロードキャスト(DB)組合せ(随意であるか、又はあまり好ましくない)と、のうちの1つを示す指示を伝達する。後の方の選択肢は、可能ではあるが、おそらく最初の3つの選択肢ほど望ましくない。なぜなら、データをビーム形成することなく制御をビーム形成することや、データ部のブロードキャスト・パイロットを用いて制御チャネルを復号することを禁止するような方法で制御を送信することには、何の利点もない可能性があるためである。しかしながら、この理由にもかかわらず、他の要因により、後の構成が好まれる場合もある。
【0052】
パイロット・ユーザビリティ情報は、2ビットのみの情報で伝達され、効率的で信頼度の高いCIC送信が可能になる。前方誤り訂正コード化等の技術は、反復符号化法と組み合わせて用いて、低信号対雑音又は信号対干渉の条件の場合に、高い信頼性を達成し得る。このCICメッセージを受信する移動局は、どのチャネル推定技術を用いるべきかを知り、こうしてサブフレーム内に含まれるALCを復号し、その後、その移動局向けの割当を復号したり、その移動局に割り当てられた送信アップリンク資源を送信したりできる。
【0053】
CICでBBフォーマットの指示を受信する移動局は、ダウンリンク・サブフレーム用のパイロット・フォーマットに関する情報を有し、その情報に基づきチャネル推定アルゴリズムを用いてALCを復号する。この場合、移動局は、サブフレームの制御部及びデータ部双方に割り当てられた全パイロットを用いて、チャネル推定が可能である。CICでBD又はDDフォーマットの指示を受信する移動局は、ALCに対応したダウンリンク・サブフレームのパイロット・フォーマットに関する情報を有し、従って、適切なチャネル推定器を選択できる。サブフレームのデータ部のパイロットが専用であることから、移動局は、データ部のパイロット・フォーマットを割当毎に調整する際、データ部を復号するための更なる情報を要求し得る。
【0054】
提案したように、移動局は、更に、資源割当制御を必要とする。割当制御チャネル(ALC)のフォーマットは、CICで信号送信されるRBのパイロットタイプ(例えば、専用又はブロードキャスト)に依存する。RBの専用パイロットをCICで信号送信する場合、基地局によって送られるALCは、次のうちの1つ又は複数を示し得る。即ち、資源ブロックのパイロット・フォーマットを後で非明示的に決定するデータストリームの数と、移動局への送信がSU−MIMOであるべき場合、各ストリームの変調及び符号化レートと、及び/又は、基地局からの送信タイプがMU−MIMOである場合、移動局が割り当てられているのがどの1つ以上のストリームかということと、また、1つ又は複数のストリームの変調及び符号化レートと、のうちの1つ又は複数を示し得る。
【0055】
RBのブロードキャスト・パイロットがCICで信号送信され、また、送信タイプが開ループである場合、基地局によって送られるALCは、特定の方式が用いられていることを示し得る。CICで信号送信される仮想アンテナの数は、開ループ方式の候補リストを指定する。また、候補となり得る方式は、対応する送信ランク(空間ストリームの数)を各々有する。RBのためのブロードキャスト・パイロットがCICで信号送信され、また、送信タイプが閉ループ(通常、コードブックベースのフィードバック)の場合、基地局によって送られるALCは、次のうちの1つ又は複数を示し得る。即ち、空間ストリームの数と、及び/又は、予符号化行列指標(PMI)として知られており各RBで用いるTx重みベクトル又は行列と、のうちの1つ又は複数を示し得る。
【0056】
RBのブロードキャスト・パイロットがCICで信号送信され、また、送信タイプがSU−MIMO(開ループ又は閉ループのいずれか)である場合、基地局によって送られるALCは、上記の情報に加えて、次のうちの1つ又は複数を示し得る。即ち、各データストリームで用いる変調及び符号化レート、及び/又は各データストリームのパワースケーリング、のうちの1つ又は複数を示し得る。RBのブロードキャスト・パイロットがCICで信号送信され、また、送信タイプがMU−MIMO(開ループ又は閉ループのいずれか)である場合、基地局によって送られるALCは、上記の情報に加えて、次のうちの1つ又は複数を示し得る。即ち、各データストリームで用いる変調及び符号化レート、及び/又は各移動局に割り当てられた特定の空間ストリーム、のうちの1つ又は複数を示し得る。
【0057】
特定の移動局用のRBは、その特定の移動局用のALC情報を含み得る。この種の制御情報は、1つの特定の移動局に向けられ、他の移動局が知る必要がないことから、専用制御の1つの形式である。この場合、通常のデータの代わりに、RB内の1つ又は2つのシンボルを制御情報に割り当て得る。
【0058】
ダウンリンクでは、移動局は、スーパーフレームに含まれるCICで始まる制御を全て受信して検出する。CICは、特に、サブフレームに含まれるALCが専用パイロットを用いるかブロードキャスト・パイロットを用いるかに関して示す指示を含む。ALCがブロードキャスト・パイロットを用いる場合、RBは、常にブロードキャスト・パイロットを用いる。ALCが専用パイロットを用いる場合、以下の項目が、好適な実施形態に適用される。即ち、RBは、常に専用パイロットを用いること、RBのデータ部のパイロット・フォーマットは、割当毎に決定され、この場合、割り当てたストリームの数が、RBのパイロット・フォーマットを判定すること、が適用される。更に、送信は、そのRBでのSU−MIMOか又はMU−MIMOかどうか、並びに、MU−MIMOの場合、どのストリームがどの移動局に割り当てられるか、に関して示す指示も存在し得る。更に、変調タイプ(例えば、64−QAMは、QPSKよりパイロット密度が高い)又はレート(レートが速いと、時間におけるパイロット密度が高くなることを意味する)に基づき、パイロット・フォーマットを変更することが望ましいこともある。BSは、移動局が用いているレートの推定値に基づき、RBのパイロット・フォーマットを適応させ得る。RBのデータフォーマットは、割当毎に決定され、これには、ストリーム当りの変調及び符号化レート、可能性として、そのストリームのパイロットパワーに基づき得る各ストリームのパワー割当、及び単一の符号語が含まれる。
【0059】
一般的に、ALCのフォーマット及び内容は、パイロット・ユーザビリティに依存する。従って、CICは、ALCの内容、従って、フォーマットを非明示的に決定することができ、これにより、ALCフォーマットを動的に構成し得る。例えば、資源ブロックのパイロット・ユーザビリティがブロードキャストの場合、コードブック・インデックス等の追加情報が、ALCによって信号送信される必要が生じることがある。従って、資源ブロックのブロードキャスト・パイロット・ユーザビリティがCICで示されると、移動局は、MU−MIMO送信については、コードブック・インデックスが含まれると仮定する。しかしながら、資源ブロックの専用パイロット・ユーザビリティがCICで示されると、移動局は、コードブック・インデックスが含まれないと仮定する。他の例として、パイロット・ユーザビリティが専用の場合、ALCは、移動体がMU−MIMOにおいて用いているストリームを信号送信する必要があり得る。従って、資源ブロックの専用パイロット・ユーザビリティがCICで示されると、移動局は、MU−MIMO割当ての場合、ストリームフィールド情報が含まれると仮定する。しかしながら、資源ブロックのブロードキャスト・ユーザビリティがCICで信号送信される場合、移動局は、ストリームフィールドはALCに含まれないと仮定する。
【0060】
複数の環境、例えば、田園部、郊外部、都市部、及び屋内をサポートするシステムには、システムにローミングする移動局の特定の必要性に対処するための他の強化点を含み得る。システムは、制御及びデータ用に異なるアンテナ構成(制御用に2つの仮想アンテナ及びデータ用に4つのアンテナ)を有し得るが、これらは、実質的にブロードキャスト−ブロードキャストモードとなる。この場合、パイロットは、アンテナ・アレイが利用される方法が異なるため、制御及びデータチャネルによって共有できない。CICの概念により、CPを拡張する問題に対処して、セル又はMBSサービスを拡大し得る。パイロット構造は、オーバーヘッドを管理可能なレベルに保つために、通常のCPサブフレームとは異なる必要がある。更に、複数の基地局からのパイロットは、MBS送信中、同じ副搬送波を占有すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末において、
単一の構成情報制御チャネルを含むスーパーフレームを受信するように構成された受信機であって、前記スーパーフレームは、割当制御チャネル及び複数のパイロット要素を含む時間−周波数資源領域を含み、前記時間−周波数資源領域の前記複数のパイロットのうちの少なくとも一部は前記割当制御チャネルに対応している、前記受信機と、
前記受信機に通信可能に接続されたコントローラであって、前記構成情報制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記割当制御チャネルに対応した前記複数のパイロット要素の特性を判定するように構成された、前記コントローラと、を備える無線通信端末。
【請求項2】
前記コントローラは、前記構成情報制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記割当制御チャネルに対応した前記パイロット要素の位置を判定するように構成されている、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記コントローラは、前記構成情報制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記割当制御チャネルに対応した前記パイロット要素を識別するように構成されている、請求項1に記載の端末。
【請求項4】
前記コントローラは、前記構成情報制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記割当制御チャネルに対応した前記パイロット要素のユーザビリティを判定するように構成されている、請求項1に記載の端末。
【請求項5】
前記コントローラは、前記構成情報制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記割当制御チャネルに対応した前記複数のパイロット要素は全てブロードキャスト・パイロット要素であると判定するように構成されている、請求項1に記載の端末。
【請求項6】
前記コントローラは、前記構成情報制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記時間−周波数資源領域の前記複数のパイロット要素は全てブロードキャスト・パイロット要素であると判定するように構成されている、請求項1に記載の端末。
【請求項7】
前記コントローラは、前記構成情報制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記割当制御チャネルに対応した前記複数のパイロット要素は全て専用パイロット要素であると判定するように構成されている、請求項1に記載の端末。
【請求項8】
前記時間−周波数資源領域は資源ブロックを含み、
前記時間−周波数資源領域の前記複数のパイロット要素のうちの少なくとも一部は、前記資源ブロックに対応し、
前記コントローラは、前記割当制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記資源ブロックに対応した前記複数のパイロット要素の特性を判定するように構成されている、請求項1に記載の端末。
【請求項9】
前記コントローラは、前記割当制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記資源ブロックで送信される空間ストリームの数を判定するように構成されている、請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記時間−周波数資源領域は、資源ブロックを含み、
前記時間−周波数資源領域の前記複数のパイロットのうちの少なくとも一部は、前記資源ブロックに対応し、
前記コントローラは、前記割当制御チャネルにおいて提供された情報に基づき、前記資源ブロックで送信される空間ストリームの数と、データを受信するために特定のユーザが割り当てられる空間ストリームは前記空間ストリームのうちのいずれであるかと、を判定するように構成された、請求項1に記載の端末。
【請求項11】
無線ネットワーク・インフラストラクチャ・エンティティにおける方法であって、
単一の構成情報制御チャネルを含むスーパーフレームを送信する工程であって、前記スーパーフレームは、割当制御チャネル及び複数のパイロット要素を含む時間−周波数資源領域を含み、前記時間−周波数資源領域の前記複数のパイロットのうちの少なくとも一部は前記割当制御チャネルに対応している、前記工程と、
前記構成情報制御チャネルにおいて、前記割当制御チャネルに対応した前記複数のパイロット要素の特性を示す工程と、を含む方法。
【請求項12】
前記複数のパイロット要素の特性を示す工程は、前記割当制御チャネルに対応した前記パイロット要素の位置を判定するための情報を提供する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記構成情報制御チャネルにおいて、前記割当制御チャネルに対応した前記パイロット要素を識別するための情報を提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のパイロット要素の特性を示す工程は、前記割当制御チャネルに対応した前記パイロット要素のユーザビリティを示す工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記構成情報制御チャネルにおいて、前記割当制御チャネルに対応した前記複数のパイロット要素は全てブロードキャスト・パイロット要素であることを示す、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記構成情報制御チャネルにおいて、前記TF資源領域の前記複数のパイロット要素は全てブロードキャスト・パイロット要素であることを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記構成情報制御チャネルにおいて、前記割当制御チャネルに対応した前記複数のパイロット要素は全て専用パイロット要素であることを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記時間−周波数資源領域は資源ブロックを含み、
前記時間−周波数資源領域の前記複数のパイロット要素のうちの少なくとも一部は、前記資源ブロックに対応し、
前記割当制御チャネルにおいて、前記資源ブロックに対応した前記複数のパイロット要素の特性を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記割当制御チャネルにおいて、前記資源ブロックで送信される空間ストリームの数を示す、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記時間−周波数資源領域は、資源ブロックを含み、
前記時間−周波数資源領域の前記複数のパイロットのうちの少なくとも一部は、前記資源ブロックに対応し、
前記割当制御チャネルにおいて、前記資源ブロックで送信される空間ストリームの数と、データを受信するために特定のユーザが割り当てられる空間ストリームは前記空間ストリームのうちのいずれであるかと、を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記構成情報制御チャネルにおいて、前記割当制御チャネルに含まれるフィールドを識別するための情報を提供する、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
前記構成情報制御チャネルにおいて、前記割当制御チャネルのサポートに用いられる送信方法を識別するための情報を提供する、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記送信方法はビーム形成法である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記送信方法は巡回遅延ダイバーシティ法である、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−515047(P2011−515047A)
【公表日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−548942(P2010−548942)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/036130
【国際公開番号】WO2009/114376
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】