説明

隣接する骨構造体を融合させる際に使用される移植片

【解決手段】隣接する骨構造体を融合させる際に使用され、複数の骨の部片と前記骨の部片を相互接続する1つ又は複数の可撓性の細長い生体適合性のあるコネクタと、を備えている移植片。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨移植片及びその製作法に関する。
【背景技術】
【0002】
隣接する骨構造体を融合させる際に使用される移植片は、隣接する骨構造体を、骨がその間に成長する間、所定の空間を空けた関係に保ち、融合し易くする。この移植片は、体の組織で形成される場合もある。移植片を体の組織から形成する際には、骨のような組織の原材料が、具体的な移植片に対する所望の形状及び強度の要件を満足する部片に成形される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
骨の場合、この要件は、最小肉厚、最小負荷支承容量、及び/又は幾何学的寸法形状によって規定されることが多い。原材料組織の部分は、移植片を形成する際に切除された部片を含めて、一体の移植片を形成するための要件には届かないこともある。従って、特定の組織から多量に取り出すのは困難なことが多い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、隣接する骨構造体を融合させる際に使用される移植片を提供する。
【0005】
本発明の或る態様では、隣接する骨構造体を融合させる際に使用される移植片は、複数の骨の部片と、前記骨の部片を相互に接続する1つ又は複数の可撓性の細長い生体適合性のあるコネクタを含む可撓性の機構と、を備えている。
【0006】
本発明の別の態様では、移植片は、基板を更に備えており、相互に接続された骨の部片は、前記基板で結合された、相互に接続された骨の部片の紐状体を形成し、移植片を形成している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態について論じる。各図面は、本発明を例証する実施形態を説明するためのものであって、本発明の範囲に制限を加えるものではない。
【0008】
骨移植片の実施形態は、可撓性の機構で相互接続され、隣接する骨構造体を融合する際に使用される負荷支承移植片へと形成される複数の骨部片を含んでいる。隣接する骨構造体には、とりわけ、椎骨、長骨、及び頭蓋骨が含まれる。移植片用の骨は、自己移植片の場合のような移植受容体、同種移植片の場合のような同種の他の供給源、又は異種移植片の場合のような異種の供給源を含め、適していればどの様な骨供給源から得てもよい。筋骨格組織の適した例には、上腕骨、脛骨、大腿骨、腓骨、膝蓋骨、尺骨、橈骨、肋骨、椎体などが含まれる。骨部片は、機械加工、平削り、研削、摺り合わせ、切削、フライス加工、割裂、切刻、押砕、及び/又は骨を取り除き又は原材料骨を小さな部片にするのに適している他の手段によって成形することができる。骨部片は、粒子、不揃いな形状の厚切り、繊維、条片、棒、正角柱、立方体、球、円筒、及び/又は何らかの他の適した形状の形態をしていてもよい。各骨部片は、皮質骨層を備えていてもよい。各皮質骨部片は、提供者の骨で形成された一体の又は組み合わせられた移植片に関係する所定の最小肉厚又は幾何学形状よりも小さな、所定の皮質層厚さ又は幾何学形状を有していてもよい。複数の骨部片を移植片へと結合することによって、所定の最小負荷支承強度又は幾何学形状を満たさない提供者の骨が、負荷支承移植片を形成するのに使用できるようになる。骨部片は、適していれば、どの様な縦方向長さ、幅、高さを有していてもよい。加えて、複数の部片は、それぞれ、皮質骨層に隣接して網状組織骨層を更に含んでいてもよい。
【0009】
1つ又は複数の可撓性の機構は、複数の骨の部片又は条片を相互接続して、負荷支承移植片を形成する。可撓性の機構は、骨の部片を相互接続する、1つ又は複数の可撓性の細長い生体適合性を有するコネクタを含んでいる。コネクタを製作する原材料の例には、心膜、脱塩骨、筋膜、軟骨、腱、靱帯、皮膚、コラーゲン、エラスチン、網状質組織、腸管粘膜下組織、金属、分解吸収可能ポリマー、非分解吸収可能ポリマー、及び/又は他の適した材料が含まれる。
【0010】
可撓性の機構は、骨の部片の間隔を空け、隣接する部片同士を所定の間隔だけ離れた状態に保つ。隣接する骨の部片の間隔が最小か又は全く無く、比較的剛性のある相互接続された移植片となっていてもよい。代わりに、骨の部片の間隔は、比較的可撓性のある相互接続された移植片を形成するようなものであってもよい。隣接する骨の部片の間隔を空けると、隣接する相互接続部片で移植片を折り畳めるようになる。剛性及び可撓性のある間隔を1つの移植片の中で組み合わせて、所定の間隔が、第1の隣接する骨の部片の対と第2の隣接する骨の部片の対の間で異なるようにし、移植片の第1の部分は比較的剛性があり、移植片の第2の部分は比較的可撓性であるようにしてもよい。その様な移植片は、第2の部分で折り畳んで、折り重ねてその間に比較的剛性のある部分を配した厚い移植片とすることもできる。可撓性の機構に対する骨部片の動きは、可撓性の機構に作られた結び目のような固定機構で、可撓性の機構に固定されたストッパで、可撓性の機構に骨部片を接着して、及び/又は他の適した固定機構によって制限することができる。ストッパは、可撓性の機構に、クリンプして、接着剤を使って、及び/又は他の適した手段によって固定することができる。可撓性の機構は、骨部片の外側に取り付けてもよいし、各骨部片に1つ又は複数の開口を設け、その中に可撓性の機構を通して骨部片と係合させてもよい。
【0011】
相互接続された骨部片は、1つ又は複数の負荷支承移植片へと形成される。例えば、複数の相互接続された骨の部片は、層を形成する。複数の相互接続された部片の紐状体又は鎖を、隣接させて配置し及び/又は相互接続して層を形成してもよい。更に、複数の相互接続された骨部片を層へと形成し、複数の相互接続された骨の層を、例えば単一の層を巻くか又は折り畳んで多重層を形成するか、又は複数の単一層を互いに隣接して積み上げるなどして、移植片へと形成することもできる。1つ又は複数の層を有する移植片は、1つ又は複数の層にほぼ垂直な層軸と、隣接する骨構造体から移植片に負荷が加えられる方向に伸びる負荷支承軸とを有している。移植片は、その層軸が、負荷支承軸に対して、実質的に垂直に、実質的に平行に、又は或る適した角度に向いている。
【0012】
更に、複数の層は、各層を一体に結ぶ追加の相互接続機構によって一体に固定される。相互接続機構の例には、編み込み、ピン留め、縫合、押圧、結合剤の組み込み、コラーゲン架橋、又は層の相互接続に適する他の方法が含まれる。
【0013】
編み込みの場合、相互接続された部片の紐状体を所定のパターンへと一体に編んで、編み込み骨層を形成する。
【0014】
層をピン留めする場合、各部片に穴を穿ち、骨、セラミック、金属、ポリマー、及び/又は他の適した材料で作られた剛性のあるピンを穴に圧入して、層を相互接続する。
【0015】
層を一体に縫合する場合、骨部片の1つ又はそれ以上を貫いて2つの穴を穿ち、各部片の1つの穴を使って相互接続された骨部片の紐状体を形成し、1つ又はそれ以上の部片の第2の穴を使って層を相互接続する。
【0016】
層を相互接続するのに結合剤を使用する場合、結合剤は、接着結合剤、セメント質結合剤、及び/又は他の適した結合剤でもよい。接着結合剤の例には、線維素糊、シアノアクリラート、エポキシ、ポリメチルメタクリレート、ゼラチン主体の接着剤、及び他の適する接着剤、並びにそれらの組合せが含まれる。セメント質結合剤の例には、硬化性セラミックス、炭化カルシウム、リン酸カルシウム、プラスター、及び他の適する材料、並びにそれらの組合せが含まれる。
【0017】
部片をコラーゲン架橋で相互接続する場合、骨部片の幾つかに部分的に脱塩処理を施してコラーゲン線維を露出させ、熱、圧力、化学薬品、及び/又は他の適する架橋手段印加することによって架橋させる。
【0018】
相互接続された骨部片、及び/又はそれから形成された層は、基板と組み合わせて移植片を形成することもできる。例えば、適した形状を有する基板に、相互接続された骨部片の紐状体を、巻き付け、編み込み、コイル巻き、詰め込み、で結合させ、或いは相互接続された骨部片の紐状体を基板の周囲又は中に配置することもできる。骨部片は、更に、層の相互接続に関して述べたように、ピン留め、縫合、押圧、結合剤の組み込み、コラーゲン架橋、及び/又は何らかの他の適する接続方法で、基板に取り付けられる。基板は、正角柱、球、箱、環状体、円筒、管、D字形、C字形、及び/又は他の適する形状であってもよい。基板は、骨、分解吸収可能ポリマー、非分解吸収可能ポリマー、金属、セラミック、炭素、及び/又は何らかの他の適する材料で作ることができる。
【0019】
更に、移植片には、隣接する骨構造体の融合をやり易くするため、貫通する1つ又は複数の開口が設けられている。1つ又は複数の開口は、ドリル加工、切削加工、パンチング加工、又は他の適する手段で形成することができる。更に、移植片は、1つ又は複数の層の中に、層の間に、及び/又は、もし在れば1つ又は複数の開口の中に、骨成長促進材を含んでいる。骨成長促進材の例には、ヒトの組み換え骨形態発生蛋白質、LIM脱塩蛋白質、骨ペースト、骨チップ、脱塩骨、ヒドロキシアパタイト、ホルモン、血小板から導出した成長因子、骨髄吸引物、幹細胞、血小板から導出した成長因子、及び/又は他の適する骨成長促進材を含め、成長因子、骨形成蛋白質、骨形態発生蛋白質、が含まれる。1つ又は複数の開口は、縦軸を有し、その縦軸が移植片の負荷支承軸と平行になり、隣接する骨構造体の間の融合を更に促進するように、向けられている。
【0020】
図1−3に示すように、例証的移植片10は、可撓性の機構14で相互接続され、相互接続された骨部片の紐状体、又は鎖を形成する、複数の骨の部片12を含んでいる。可撓性の機構は、図1に示すように単一のコネクタでもよいし、図3に示すように複数のコネクタでもよい。図示の実施形態では、骨の部片は、可撓性の機構14を通す穴16を含んでいる。骨部片は、互いに所定の距離20だけ離間している。図1では、所定の距離は比較的広く、比較的可撓性のある移植片となっている。図2では、所定の距離20は最小で、比較的剛性のある移植片となっている。図3では、所定の距離20は変化しており、移植片の場所によっては、比較的可撓性の箇所も比較的剛性のある箇所もある。図3の構成は、移植片を折り畳み、例えば所定の距離20が比較的広い箇所で折り重ねて層状の移植片を形成し易いようになっている。キャップや結び目のような固定機構18は、骨部片12の、互いに対する、及び/又は可撓性の機構14に対する動きを制限するために使用される。代わりに、骨部片12を可撓性の機構に接着してもよい。
【0021】
骨部片には、複数の穴が設けられ、更に相互接続できるようになっている。図1では、骨部片は立方体で、立方体の6つの面を通って実質的に互いに直交する穴が設けられているように描かれている。図1のような骨部片の紐状体10を多数組み合わせて、図4の層状の移植片26が形成される。骨部片の紐状体10は、互いに隣接して配置され、所望の寸法の移植片が形成される。追加のコネクタを、骨部片に設けられた追加の穴に通して、骨部片の紐状体10を互いに一体に結合して層24とし、最終的な移植片26にする。
【0022】
図5では、複数の細長い骨の部片12を相互接続して層を形成し、その層を積み上げて互いに一体に結合して層状の移植片28が形成されている。
【0023】
代わりに、図6に示すように、相互接続された骨部片の1つ又は複数の紐状体を、編み、巻き付け、又はコイル状に巻いて、移植片34を形成してもよい。1つ又は複数の紐状体を基板30と組み合わせて、移植片34が所定の形状、及び/又は剛性となるようにすることもできる。図示の基板は、中空のD字形をしている。相互接続された骨の部片は、移植片の回りに螺旋状に巻き付けられ、所望の幾何学形状と負荷支承容量を有する移植片が形成される。移植片は、更に、隣接する骨構造体の融合を促進するため、穴36を備えている。骨成長促進材38は、移植片に、例えば穴36の中に、組み込まれ、融合を更に促進する。図7は、中空の円筒基板30を備え、穴36の中に相互接続された骨部片がコイル状に巻かれて配置されている代替構造32を示している。
【0024】
図8は、先に説明したような移植片60を固定装置62と組み合わせて使用し、骨固定システム64を形成している状態を示している。この様なシステム64では、融合移植片60は、一体に融合させたい隣接する骨構造体66、68の間に配置される。固定装置62は、スクリュー、ピン、ワイヤ、及び/又は、隣接する骨構造体66、68に取り付けて両者の間の相対運動を制限する他の機構の様な1つ又は複数の錨着機構72を備えている。固定装置62は、全ての相対運動を実質的に防止してもよいし、所定の量の運動を許容して、例えば、移植片60が、治癒及び融合プロセスの間、隣接する骨構造体66、68との接触を維持できるようにしてもよい。固定装置62の適する例には、プレート、内部又は外部ロッドシステム、ケーブルシステム、折骨端周囲縫合システム、スクリュー、及び他の適する装置、並びにそれらの組合せが含まれる。
【0025】
皮質骨から成る骨部片は、提供者の骨の縦軸から半径方向に測って、所定の最小肉厚及び幾何学形状よりも小さな、所定の層厚さ及び幾何学形状を有している。例えば、所定の層厚さ及び幾何学形状は、或る実施形態では厚さ2mm未満の範囲にあり、別の実施形態では厚さ1.8mm未満の範囲にあり、又別の実施形態では厚さ1.5mm未満の範囲にあり、更に別の実施形態では厚さ1.0mm未満の範囲にあり、更に又別の実施形態では厚さ0.5mm未満の範囲にある。更に、例えば、所定の最小肉厚及び幾何学形状は、一体の又は組み合わせられた負荷支承移植片を形成することに関わる最小受容可能厚さ又は幾何学形状に関係する。所定の最小皮質幾何学形状は、用途によって変わる。例えば、頚椎に使用する際の最小幾何学形状は、腰椎に使用する際の最小皮質幾何学形状よりも実質的に小さい。例えば、腓骨で形成された、一体の又は組み合わせられた皮質楔頚椎移植片の所定の最小肉厚又は幾何学形状は、或る実施形態では3.0mm、別の実施形態では2.5mm、又別の実施形態では2.0mm、更に別の実施形態では1.8mmである。一方、一体の又は組み合わせられた腰椎移植片の最小皮質幾何学形状は、或る実施形態では4.5mm、別の実施形態では4.0mm、又別の実施形態では3.5mmである。
【0026】
複数の骨部片から形成された移植片は、50Nから20,000Nの範囲の圧縮強度、又は負荷支承容量を有している。例えば、各種実施形態は、70Nを超える、又は800Nを超える、又は1000Nを超える、又は1200Nを超える、又は3000Nを超える、又は5000Nを超える、又は7000Nを超える、又は10,000Nを超える、又は12,000Nを超える、又は15,000Nを超える、又は17,000Nを超える圧縮強度を有している。この圧縮強度は、一般的な網状組織骨より大きく一般的な皮質骨に達する負荷支承容量を提供する。
【0027】
以上、骨移植片と、骨移植片を製作する方法の各種実施形態について詳細に説明し図示してきたが、これらは説明と例示のみを目的としており、如何なる意味においても本発明に制限を加えるものではない。従って、当業者には、移植片と方法に関する変更並びに修正が自明であろうし、特許請求の範囲に述べる内容は、その様な修正及び等価物を包含するよう意図している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による、移植片を製作するために使用される、相互接続された骨部片の一の実施例を図示した斜視図である。
【図2】図1の相互接続された骨部片で、部片間の間隔を変えた例を示す斜視図である。
【図3】図1の相互接続された骨部片で、部片間の間隔を変えた他の例を示す斜視図である。
【図4】図1−3に示すような相互接続された骨部片を結合して作った多層移植片の斜視図である。
【図5】各骨部片がもっと細長い場合の、図1−3に示すような相互接続された骨部片を結合して作った多層移植片の斜視図である。
【図6】図1の相互接続された骨部片を基板で結合して作った移植片の斜視図である。
【図7】図1の相互接続された骨部片を基板で結合して作った他の移植片の斜視図である。
【図8】骨に取り付けた補助的な固定装置と組み合わせた、図1−7の移植片を概略的に示す側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する骨構造体を融合させる際に使用される移植片において、
複数の骨の部片と、
前記骨の部片を相互に接続する1つ又は複数の可撓性の細長い生体適合性のあるコネクタを含む可撓性の機構と、を備えている移植片。
【請求項2】
前記骨の部片は、実質的に正角柱の形態をした骨を備えている、請求項1に記載の移植片。
【請求項3】
前記骨の部片は、実質的に立方体の形態をした骨を備えている、請求項2に記載の移植片。
【請求項4】
前記可撓性の機構は、隣接する骨の部片の間を伸張し、前記骨の部片の幾つかは、前記隣接する骨の部片の間を伸張している前記可撓性の機構を折り畳むことによって、他の骨の部片の上に折り重ねられている、請求項1に記載の移植片。
【請求項5】
個々の前記骨の部片は、少なくとも、所定の負荷支承容量を有する皮質骨部分を備えている、請求項1に記載の移植片。
【請求項6】
前記個々の骨の部片は、網状組織骨部分を更に備えている、請求項5に記載の移植片。
【請求項7】
前記個々の骨の部片は、前記可撓性の機構を通して前記骨の部片に係合させる1つ又は複数の穴を備えている、請求項1に記載の移植片。
【請求項8】
1つ又は複数の前記骨部片の、前記可撓性の機構に対する動きを制限するための固定機構を更に備えている、請求項1に記載の移植片。
【請求項9】
前記固定機構は、前記可撓性の機構に前記骨の部片に隣接して作られた1つ又は複数の結び目を備えている、請求項8に記載の移植片。
【請求項10】
前記固定機構は、前記可撓性の機構に前記骨の部片に隣接して固定された1つ又は複数のストッパを備えている、請求項8に記載の移植片。
【請求項11】
前記ストッパは、前記可撓性の機構の上にクリンプされている、請求項10に記載の移植片。
【請求項12】
前記骨の部片は、隣接する相互接続された部片の間が所定の間隔となるように離して配置されている、請求項1に記載の移植片。
【請求項13】
比較的剛性のある相互接続された移植片を形成するため、前記骨の部片の間には、最小の間隔が設けられているか、又は全く間隔が空けられていない、請求項12に記載の移植片。
【請求項14】
前記骨の部片の間に間隔を設けた結果、比較的可撓性のある相互接続された移植片となっている、請求項12に記載の移植片。
【請求項15】
前記骨の部片の間に間隔を設けた結果、前記相互接続された部片を折り畳んで重ねられるようになっている、請求項12に記載の移植片。
【請求項16】
前記所定の間隔は、相互接続された骨の部片の連続する対の間で実質的に同じである、請求項12に記載の移植片。
【請求項17】
前記所定の間隔は、隣接する骨の部片の第1の対と、隣接する骨の部片の第2の対との間で異なっており、前記移植片の第1の部分は比較的剛性があり、前記移植片の第2の部分は比較的可撓性があるようになっている、請求項12に記載の移植片。
【請求項18】
前記移植片は、前記隣接する骨の部片の第2の対で折り畳まれている、請求項17に記載の移植片。
【請求項19】
前記個々の骨の部片は、所定の最小負荷支承容量より小さな容量を有しており、前記相互連結された骨の部片は、前記所定の最小負荷支承容量より大きな所定の最小負荷支承容量を達成している、請求項1に記載の移植片。
【請求項20】
前記個々の骨の部片は、一個の移植片に関わる所定の標準を満たさない所定の幾何学形状を有しており、結合された部片は、前記所定の幾何学形状を達成する、組み合わせられた移植片を形成している、請求項1に記載の移植片。
【請求項21】
前記可撓性の機構は、心膜、脱塩骨、筋膜、軟骨、腱、靱帯、皮膚、コラーゲン、エラスチン、網状質組織、腸管粘膜下組織、金属、分解吸収可能ポリマー、非分解吸収可能ポリマー、から成る群から選択された少なくとも1つの材料を備えている、1つ又は複数の可撓性の細長い生体適合性を有するコネクタを含んでいる、請求項1に記載の移植片。
【請求項22】
前記相互接続された骨部片は、1つ又は複数の負荷支承移植片層へと形成されている、請求項1に記載の移植片。
【請求項23】
前記1つ又は複数の層は、複数の隣接して配置された、相互接続された骨部片の紐状体で形成されており、前記隣接して配置された紐状体は、互いに相互接続されている、請求項22に記載の移植片。
【請求項24】
前記隣接して配置された紐状体を相互接続する追加の可撓性の機構を更に含んでいる、請求項23に記載の移植片。
【請求項25】
前記各骨部片は、少なくとも、実質的に互いに直交する第1及び第2の貫通穴を含んでおり、相互接続された骨の紐状体の前記骨の各部片は、前記第1貫通穴に通された可撓性のコネクタによって接続され、隣接して配置された、前記相互接続された骨部片の各紐状体は、前記第2貫通穴に通された可撓性のコネクタによって接続されている、請求項23に記載の移植片。
【請求項26】
前記1つ又は複数の層は、螺旋状の構造に巻かれた、相互接続された骨部片の紐状体を備えている、請求項22に記載の移植片。
【請求項27】
前記1つ又は複数の層は、1度又はそれ以上折り畳まれて重ねられた単一の相互接続された骨部片の紐状体を備えている、請求項22に記載の移植片。
【請求項28】
層に対し実質的に垂直な層軸に沿って互いに重ねられた複数の層と、前記隣接する骨構造体から前記移植片に負荷が加えられる方向に伸張する負荷支承軸と、を更に備えており、前記層軸は前記負荷支承軸に実質的に垂直である、請求項22に記載の移植片。
【請求項29】
層に対し実質的に垂直な層軸に沿って互いに重ねられた複数の層と、前記隣接する骨構造体から前記移植片に負荷が加えられる方向に伸張する負荷支承軸と、を更に備えており、前記層軸は前記負荷支承軸に実質的に平行である、請求項22に記載の移植片。
【請求項30】
基板を更に備えており、前記相互接続された骨部片は、相互接続された骨部片の紐状体を形成し、前記相互接続された骨部片の紐状体は、前記基板と組み合わせられて前記移植片を形成している、請求項1に記載の移植片。
【請求項31】
前記相互接続された骨部片の紐状体は、前記基板の回りに巻き付けられている、請求項30に記載の移植片。
【請求項32】
前記相互接続された骨部片の紐状体は、前記基板の回りに編まれている、請求項30に記載の移植片。
【請求項33】
前記基板は、内側部分を備えており、前記相互接続された骨部片の紐状体は、前記内側部分の中に配置されている、請求項30に記載の移植片。
【請求項34】
前記相互接続された骨部片の紐状体は、前記内側部分の中にコイル状に巻かれている、請求項33に記載の移植片。
【請求項35】
前記相互接続された骨部片の紐状体は、前記内側部分の中に詰め込まれている、請求項33に記載の移植片。
【請求項36】
前記相互接続された骨部片の紐状体は、前記基板の回りに螺旋状に巻き付けられている、請求項30に記載の移植片。
【請求項37】
前記相互接続された骨部片の紐状体は、ピン留め、縫合、押圧、結合剤の組み込み、及びコラーゲン架橋から成るリストから選択された、少なくとも1つの取付機構で前記基板に取り付けられている、請求項30に記載の移植片。
【請求項38】
前記基板は、箱、環状体、円筒、管、球、D字形、及びC字形から成る群から選択された少なくとも1つの形状を備えている、請求項30に記載の移植片。
【請求項39】
前記基板は、骨、分解吸収可能ポリマー、非分解吸収可能ポリマー、金属、セラミック、及び炭素から成る群から選択された少なくとも1つの材料を備えている、請求項30に記載の移植片。
【請求項40】
前記基板は、隣接する骨構造体が融合し易いようにする少なくとも1つの貫通穴を備えている、請求項30に記載の移植片。
【請求項41】
前記隣接する骨構造体から前記移植片に負荷が加えられる方向に伸張する負荷支承軸を更に備えており、前記少なくとも1つの貫通穴は、前記負荷軸に平行な縦軸を有している、請求項40に記載の移植片。
【請求項42】
前記少なくとも1つの穴の中に、少なくとも1つの骨成長促進材を更に備えている、請求項40に記載の移植片。
【請求項43】
前記骨成長促進材は、骨から導出した成長因子、骨形成蛋白質、ヒトの組み換え骨形態発生蛋白質、LIM脱塩蛋白質、骨ペースト、骨チップ、脱塩骨、ヒドロキシアパタイト、ホルモン、及び血小板から導出した成長因子を含む群から選択された少なくとも1つの材料を備えている、請求項42に記載の移植片。
【請求項44】
単一の可撓性の機構が前記骨部片の実質的に全てを相互接続しており、前記骨の各部片は、隣接する相互接続された部片の間で所定の間隔だけ離して配置されており、前記所定の間隔は、前記移植片に所定の可撓性を付与するため、隣接する骨の部片の第1の対と、隣接する骨の部片の第2の対との間で異なっている、請求項1に記載の移植片。
【請求項45】
前記隣接する骨構造体が融合し易いようにするために開口を更に含んでいる、請求項1に記載の移植片。
【請求項46】
前記少なくとも1つの開口の中に、少なくとも1つの骨成長促進材を更に備えている、請求項45に記載の移植片。
【請求項47】
前記骨成長促進材は、骨から導出した成長因子、骨形成蛋白質、ヒトの組み換え骨形態発生蛋白質、LIM脱塩蛋白質、骨ペースト、骨チップ、脱塩骨、ヒドロキシアパタイト、ホルモン、及び血小板から導出した成長因子を含む群から選択された少なくとも1つの材料を備えている、請求項46に記載の移植片。
【請求項48】
前記隣接する骨構造体に取り付けられた固定装置を、両者の間の相対運動を制限するために、更に備えている、請求項1に記載の移植片。
【請求項49】
身体を治療して隣接する骨構造体の融合を促進する方法において、
複数の骨部片を提供する段階と、
前記複数の骨部片を、可撓性の細長い生体適合性のあるコネクタと相互接続して、移植片を形成する段階と、
前記移植片を隣接する骨構造体の間に配置する段階と、から成る方法。
【請求項50】
前記相互接続された骨部片は、隣接する相互接続された部片の間が所定の間隔となるように離して配置されており、前記所定の間隔は、隣接する骨の部片の第1の対と、隣接する骨の部片の第2の対との間で異なっており、前記移植片の第1の部分は比較的剛性があり、前記移植片の第2の部分は比較的可撓性があるようになっている、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記相互接続された骨部片を、互いに積み重ねられた複数の負荷支承層へと形成する段階を更に含んでいる、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記移植片は、基板を更に備えており、前記相互接続された骨部片は、相互接続された骨部片の紐状体を形成し、前記相互接続された骨部片の紐状体は、前記基板と組み合わせられて前記移植片を形成している、請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−526005(P2007−526005A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515239(P2006−515239)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017914
【国際公開番号】WO2004/108019
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】