説明

集合住宅インターホンシステム

【課題】接続確認の対象とするか否かについて該住戸の現在の状況に沿う時機にかなった設定を行うことができ、モデルルームとして使用中の住戸等について接続異常として外部へ発報されるおそれのない集合住宅インターホンシステムを提供する。
【解決手段】居室親機30の電源が投入された際、入居設定または未入居設定のいずれかに設定するための設定画面が表示部303に表示される。未入居設定に設定された場合には、接続確認において居室親機30が未接続であることが確認されても制御機40による外部への発報は行われないような構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、マンション等の集合住宅のエントランスに設置され、来訪者が居住者を呼び出す際に操作する呼出ボタンおよび来訪者が居住者と通話するための通話部を有する集合玄関機と、管理室に設置され、管理人が居住者を呼び出す際に操作する操作部および管理人が居住者と通話するための通話部を有する管理室親機と、各住戸内に設置され、集合玄関機または管理室親機からの呼び出しに応答する際に操作する操作部、居住者が来訪者または管理人と通話するための通話部および表示部を有する複数の居室親機と、集合玄関機、管理室親機および居室親機を制御する制御機とを有する集合住宅インターホンシステムが知られている。
このような集合住宅インターホンシステムには、システムの配線または各居室親機の異常の有無を確認すべく、制御機が各居室親機に対して定期的に接続確認を実行するように構成されているものがある。制御機による接続確認は、制御機が各居室親機に対して定期的に接続確認信号を送信し、各居室親機からこの接続確認信号に対する応答信号が返信されるか否かを確認することにより実行される。居室親機から制御機に応答信号が返信された場合は該居室親機に異常がなく制御機との間の配線にも異常がないと判定される一方、居室親機から制御機に応答信号が返信されなかった場合は該居室親機自体または制御機との間の配線のいずれかに異常があると判定され、外部(例えば管理室親機等)へ発報・警報が行われるように構成されているものがある。
【0003】
ここで、集合住宅の各住戸には常に人が入居しているとは限らず、モデルルームとして使用されている住戸や売り出し中で人が入居していない状態の住戸が存在する場合がある。このような住戸においてはその主電源は常にオンにされているのではなく、見学時間の開始または人が内見に訪れた際に電源がオンにされ、見学時間の終了または人が退出する際に電源がオフにされるのが通常であるが、主電源がオフにされた場合には該住戸の居室親機の電源もオフとなるため、制御機から接続確認信号が送信された場合に居室親機から制御機に応答信号が返信されない。このため、制御機による接続確認の結果異常ありと判定され、実際には異常がなくとも外部へ発報されてしまうという不都合があった。
このような不都合を解消するため、先行技術文献に示すように、モデルルームとして使用される住戸や売出し中の住戸のように電源のオフ/オンの操作が頻繁に行われる住戸内の居室親機については接続確認の対象から外すことができるシステムが開発されている。
このような集合住宅インターホンシステムによれば、モデルルームとして使用される住戸等を接続確認の対象から外すことで、これらの住戸が制御機による接続確認の結果異常ありと判定され、外部へ発報されてしまうという事態を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−188979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記集合住宅インターホンシステムにおいては、各居室親機側で接続確認の対象とするか否かの操作を行うことができないため、モデルルームとして使用されていた住戸が今もモデルルームとして使用されているか等の現在の該住戸の状況に沿う時機にかなった設定を行うことができなかった。
また、上記集合住宅インターホンシステムにおいては、長時間電源がオンにされた状態が続くと自動的に接続確認の対象に移行してしまうため、その後電源をオフに切り替えた際には、従来と同様に制御機による接続確認の結果、異常ありと判定され、外部へ発報されてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、接続確認の対象とするか否かについて該住戸の現在の状況に沿う時機にかなった設定を行うことができ、モデルルームとして使用中の住戸等について接続異常として外部へ発報されるおそれのない集合住宅インターホンシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明者は、以下のような集合住宅インターホンシステムを提案する。
【0008】
本発明の集合住宅インターホンシステムは、集合住宅のエントランスに設置され、来訪者が居住者を呼び出す際に操作する呼出ボタンおよび前記来訪者が前記居住者と通話するための通話部を有する集合玄関機と、各住戸内に設置され、前記集合玄関機からの呼び出しに応答する際に操作する操作部、前記居住者が前記来訪者と通話するための通話部および表示部を有する複数の居室親機と、前記集合玄関機および前記居室親機を制御する制御機と、を有している。
この集合住宅インターホンシステムの制御機は、前記複数の居室親機のそれぞれに対して定期的に接続確認信号を送信することにより接続確認を実行し、前記複数の居室親機から前記接続確認信号に対する応答信号が返信されず未接続であることを確認した場合、外部への発報を行うように構成されており、前記居室親機は、前記居室親機の電源が投入された際、入居設定または未入居設定のいずれかに設定するための設定画面が前記表示部に表示されるように構成されており、入居設定に設定された場合には、前記制御機が実行する前記接続確認において前記居室親機が未接続であることが確認された際に前記制御機による外部への発報が行われ、未入居設定に設定された場合には、前記制御機が実行する前記接続確認において前記居室親機が未接続であることが確認された際に前記制御機による外部への発報は行われない構成となっている。
このような構成の集合住宅インターホンシステムによれば、モデルルームとして使用されているか等の該住戸の現在の状況を把握していると考えられる該住戸に立ち入った者が、該住戸に立ち入った際に居室親機を操作して居室親機を接続確認の対象とするか否かの設定を行うことができる。すなわち、該住戸の今現在の状況に沿う時機にかなった設定を行うことができ、モデルルームとして使用される住戸や販売中の住戸のように電源のオフ/オンの操作が頻繁に行われる住戸の場合には、居室親機の電源の投入時に居室親機の設定画面を操作して未入居設定に設定することで、その後電源がオフに切り替えられた場合に制御機により接続確認が実行され居室親機が未接続であることが確認されることがあっても外部への発報が行われないようにすることができる。また、未入居設定とした場合には、その後長時間電源がオンにされた状態が続いても該居室親機が自動的に接続確認の対象に移行してしまうことがないため、モデルルームとして使用される住戸等においてその後電源をオフに切り替えた場合に接続異常として外部へ発報されるおそれがない。
また、居室親機の電源が投入される際に居室親機の表示部に入居設定または未入居設定のいずれかに設定するための設定画面が表示されるので、入居する場合には、入居する者が入居設定に設定することで該居室親機を接続確認対象に含めることができる。
【0009】
前記居室親機は、前記未入居設定に設定された場合には、前記表示部に現在未入居設定されていることを示す画面が表示される構成としてもよい。
このような構成の集合住宅インターホンシステムによれば、現在該居室親機が接続確認の対象から外されている状態であることを居室内の人に知らせることができる。
以上の居室親機は、接続確認の対象から外されている状態であることを知った居室内の人の操作により、設定を変更することができるような構成とすることができる。
【0010】
前記居室親機は、前記未入居設定に設定されてから前記居室親機の電源が落とされるまでの間に前記制御機から受信した前記接続確認信号の数が所定以下であった場合には、次に前記居室親機の電源が投入された際に自動的に未入居設定に再設定される構成としてもよい。
上述のように、モデルルームとして使用される住戸や売出し中の住戸のような未入居の住戸では、電源のオフ/オンの操作が頻繁に行われる。また、居室親機は電源がオンの間しか接続確認信号を受信することができない。
このため、居室親機が未入居設定に設定されてからその電源が落とされるまでの間に受信した接続確認信号の数が所定以下であった場合、すなわち電源がオンとされている時間が所定の時間以下(例えば8時間以下)であった場合には、該住戸は現在モデルルーム等として使用されていると考えられる。
本実施形態の集合住宅インターホンシステムはこの点に着目したもので、未入居設定に設定されてから居室親機の電源が落とされるまでの間に制御機から受信した接続確認信号の数が所定以下である場合には、次に居室親機の電源が投入された際に自動的に未入居設定に再設定される構成となっている。
このような集合住宅インターホンシステムによれば、モデルルームとして使用中である住戸において電源を投入する度に未入居設定に設定するという手間を省くことができる。
【0011】
前記居室親機は、前記未入居設定に設定された後、前記制御機から受信した前記接続確認信号が所定数に達した場合、入居設定または未入居設定のいずれかに設定するための設定画面が前記表示部に再び表示される構成となっていてもよい。
このような構成の集合住宅インターホンシステムによれば、入居者が入居する際の電源投入時に未入居設定に設定してしまった場合等においても、居室親機が未入居設定に設定された後、制御機から受信した接続確認信号が所定数に達した場合(すなわち電源がオンとされてから所定時間が経過した場合)に表示部に再度設定画面が表示されるため、該住戸の現在の状況に応じた設定に再設定することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接続確認の対象とするか否かについて該住戸の現在の状況に沿う時機にかなった設定を行うことができ、モデルルームとして使用中の住戸等について接続異常として外部へ発報されるおそれのない集合住宅インターホンシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】集合住宅インターホンシステム1の全体構成を示す図。
【図2】居室親機に表示される画面の一例を示す図。
【図3】集合住宅インターホンシステム1における動作の一部を示すフローチャート。
【図4】未入居設定に設定された場合の流れを示すフローチャート。
【図5】居室親機に表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の集合住宅インターホンシステムの好ましい実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
本実施形態による集合住宅インターホンシステム1は、概略で図1に示すように構成される。
すなわち、この集合住宅インターホンシステム1は、マンション等の集合住宅のエントランスに設置される集合玄関機10と、管理室に設置される管理室親機20と、各住戸内に設置される複数の居室親機30(30a、30b、30c・・)と、集合玄関機10、管理室親機20および居室親機30を制御する制御装置40とを有している。制御装置40は、集合玄関機10、管理室親機20および各居室親機30とそれぞれ伝送線路L1、L2およびL3を介して接続されている。
【0016】
以下、集合玄関機10、管理室親機20、居室親機30および制御装置40の構成について説明する。
【0017】
集合玄関機10は、来訪者を撮影するためのカメラ101、来訪者が居住者等を呼び出す際に操作する操作部102、来訪者が居住者と通話するための通話部103、操作部102にて入力された居室番号等を表示するための表示部104、後述する制御装置40の通信回路401との間で音声、映像等の各種データの送受信を行うための通信回路105および集合玄関機10の各部を制御するための制御回路106を備えている。
【0018】
管理室親機20は、管理人が居住者を呼び出す際や集合玄関機10からの呼び出しに応答する際に操作する操作部201、管理人が居住者等と通話するための通話部202、操作部201にて入力された居室番号、呼出元または警報報知元の居室番号または来訪者の映像等を表示するための表示部203、後述する制御装置40の通信回路402との間で音声、映像等の各種データの送受信を行うための通信回路204、映像等を録画するメモリ205および管理室親機20の各部を制御するための制御回路206を備えている。
【0019】
居室親機30は、来訪者等からの呼び出しに応答する際、管理人を呼び出す際または警報を報知する際等に操作する操作部301、居住者が来訪者等と通話するための通話部302、来訪者等を表示するための表示部303、後述する制御装置40の通信回路403との間で音声、映像等の各種データの送受信を行うための通信回路304、映像等を録画するメモリ305、入居設定または未入居設定のいずれかの設定を行うための設定部306および居室親機30の各部を制御するための制御回路307を備えている。
各居室親機30のメモリ305には、各住戸を識別するための部屋番号IDがそれぞれ記録されている。また、メモリ305には、後述のように入居設定または未入居設定のいずれに設定されているかの設定状態が記録されている。
【0020】
制御装置40は、集合玄関機10の通信回路105と接続される通信回路401、管理室親機20の通信回路204と接続される通信回路402、居室親機30の通信回路304と接続される通信回路403、メモリ404および制御装置40の各部を制御するための主制御回路405を備えている。
メモリ404には、後述のように居室親機30それぞれが入居設定または未入居設定のいずれに設定されているかの設定状態について各居室親機30と関連付けて記録されている。
【0021】
なお、従来の集合住宅インターホンシステムが有するように、集合玄関機10はカメラ101で撮影した映像を処理するために必要な図示しない映像処理回路を有しており、管理室親機20および居室親機30は集合玄関機10から受け取った映像を表示部203,303に表示するために必要な処理を行う図示しない映像処理回路を有している。
【0022】
以上のような本実施形態の集合住宅インターホンシステム1は、主電源がオフにされている住戸内に立ち入った者が主電源をオンにした場合、接続確認についての設定を居室親機30において行うことができるように構成されている。
【0023】
すなわち、主電源がオフにされている住戸内に立ち入った者が主電源をオンにした場合、該住戸内の居室親機30の電源もオンとなる。
この際、電源がオンとなった居室親機30の表示部303には、制御回路307の制御のもと、居室番号が表示されるとともに、図2に示すように入居設定または未入居設定のいずれかに設定するための設定画面が表示される。
住戸内に立ち入った者が設定部306を操作する(設定画面の「入居」または「未入居」のいずれかのボタンを押下する)ことにより設定操作が行われると、制御回路307の制御のもと、該設定はメモリ305に記録されるとともに、通信回路304から制御装置40に送信され、制御装置40のメモリ404にも該設定が記録される。
【0024】
次に、以上のような構成の集合住宅インターホンシステム1の動作の一部、具体的には制御装置40により実行される接続確認に伴う動作について図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0025】
集合住宅インターホンシステム1では、複数の居室親機30のそれぞれに対して制御装置40による接続確認が定期的に実行されている。
制御装置40による接続確認は、制御装置40の主制御回路405が接続確認信号を通信回路403を介して第1の居室親機となる居室親機30aに送信することにより実行される(ST11)。通信回路304を介して接続確認信号を受信した居室親機30aは、制御回路307による制御のもと、接続確認信号に対する応答信号を、通信回路304を介して制御装置40に送信する。
制御装置40は、居室親機30aから応答信号を受信した場合(ST12:Yes)、居室親機30a自体および居室親機30aとの間の接続に異常がないと判断し(ST16)、同様に、第2の居室親機となる居室親機30b、第3の居室親機となる居室親機30c・・に対して順番に接続確認を実行する。制御装置40は、すべての居室親機30に対して接続確認が終了すると、再び第1の居室親機30aから順番に接続確認を実行する。
【0026】
一方、制御装置40が接続確認信号を送信した居室親機30、例えば居室親機30aから応答信号が返信されない場合(ST12:No)、制御装置40の主制御回路405はメモリ404を参照し、応答信号の返信のない居室親機30aの設定状態を確認する。
【0027】
メモリ404を参照した結果、居室親機30aの設定状態が「入居設定」に設定されている場合(ST13:Yes)、主制御回路405は、居室親機30a自体または居室親機30aとの間の接続に何らかの異常があると判断し、接続異常信号を通信回路402を介して管理室親機20に送信する(ST14)。接続異常信号を受け取った管理室親機20は、制御回路206による制御のもと、表示部203に居室親機30aが未接続であること示すメッセージを表示させるとともに、警告音を鳴動させる(ST15)。
【0028】
メモリ404を参照した結果、居室親機30aの設定状態が「未入居設定」に設定されている場合(ST13:No)、主制御回路405は、応答信号がなくても管理室親機20に接続異常信号を送信しない(ST16)。すなわち、居室親機30aの設定状態が「未入居設定」に設定されている場合には管理室親機20において以上のような発報が行われることがない。
【0029】
このように、本実施形態の集合住宅インターホンシステム1によれば、モデルルームとして使用されているか等の該住戸の現在の状況を把握していると考えられる該住戸に立ち入った者が、該住戸に立ち入った際に居室親機30を操作して居室親機30を接続確認の対象とするか否かの設定を行うことができる。すなわち、該住戸の今現在の状況に沿う時機にかなった設定を行うことができ、モデルルームとして使用される住戸や販売中の住戸のように電源のオフ/オンの操作が頻繁に行われる住戸の場合には、居室親機30の電源の投入時に居室親機30の設定部306を操作して「未入居設定」に設定することで、その後電源がオフに切り替えられた場合に制御装置40により接続確認が実行され居室親機30が未接続であることが確認されることがあっても外部への発報が行われないようにすることができる。また「未入居設定」に設定した場合には、その後長時間電源がオンにされた状態が続いても該居室親機30が自動的に接続確認の対象に移行してしまうことがないため、モデルルームとして使用される住戸等においてその後電源をオフに切り替えた場合に接続異常として外部へ発報されるおそれがない。
また、居室親機30の電源が投入される際に居室親機30の表示部303に「入居設定」または「未入居設定」のいずれかに設定するための設定画面が表示されるので、入居する場合には、入居する者が居室親機30の電源の投入時に「入居設定」に設定することで該居室親機30を接続確認対象に含めることができる。
【0030】
次に、本実施形態の集合住宅インターホンシステム1の居室親機30が「未入居設定」に設定された場合の流れについて、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0031】
上述のように、主電源がオフにされている住戸内に立ち入った者が主電源をオンにした場合、この者が設定画面の「入居」または「未入居」のいずれかのボタンを押下することにより設定操作が行われる。この際、「未入居」のボタンが押下されることにより「未入居設定」に設定される(ST21)。
【0032】
「未入居設定」に設定された場合、表示部303に「未入居設定されています。」等の、現在「未入居設定」に設定されていることを示すメッセージ画面が表示される(ST22)。
このようなメッセージ画面が表示されることにより、現在該居室親機30が接続確認の対象から外されている状態であることを居室内の人に知らせることができる。
【0033】
「未入居設定」に設定された後、制御装置40から受信した接続確認信号が所定数に達した場合(ST23:Yes)には、居室親機30は制御回路307の制御のもと、図4に示すように、「入居設定」または「未入居設定」のいずれかに設定するための設定画面を表示部303に再び表示する(ST24)。
これにより、入居者が入居する際に電源投入時に「未入居設定」に設定してしまった場合等においても、居室親機30が「未入居設定」に設定された後、制御装置40から受信した接続確認信号が所定数に達した場合(すなわち電源がオンとされてから所定時間が経過した場合)に表示部303に再度設定画面が表示されるため、未入居の場合には引き続き「未入居設定」に設定(ST25:Yes)したり、既に入居している場合には「入居設定」に設定(ST25:No)することができ、該住戸の現在の状況に応じた設定に再設定することができる。
【0034】
また、「未入居設定」に設定され、その後居室親機30の電源が落とされ(ST26:Yes)、それから居室親機30の電源が投入された際(ST27)、「未入居設定」に設定されてから居室親機30の電源が落とされるまでの間に制御装置40から受信した接続確認信号の数が所定以下、すなわち電源がオンとされている時間が所定の時間以下(例えば8時間以下)であった場合であった場合(ST28:Yes)には、居室親機30は制御回路307の制御のもと、自動的に「未入居設定」に再設定される(ST21)。
このような集合住宅インターホンシステムによれば、モデルルームとして使用される住戸において電源を投入する度に「未入居設定」に設定するという手間を省くことができる。
【0035】
一方、居室親機30の電源が投入された際(ST27)、「未入居設定」に設定されてから居室親機30の電源が落とされるまでの間に制御装置40から受信した接続確認信号の数が所定以下でなかった場合であった場合(ST28:No)には、設定画面が表示されることとなる(ST29)。立ち入った者により、未入居の場合には「未入居設定」に(ST30:Yes)、既に入居している場合には「入居設定」に設定されることとなる(ST31)。
【0036】
なお、以上説明した本実施形態の集合住宅インターホンシステム1の居室親機30は、「入居設定」または「未入居設定」のいずれかに設定するための設定画面が表示部303に表示されていない間であっても、操作部301を操作することにより、設定を変更できるように構成されていてもよい。
このような構成の集合住宅インターホンシステムによれば、例えば表示部303に現在「未入居設定」に設定されていることを示す画面が表示されている場合等により該居室親機30が接続確認の対象から外されている状態であることを知った居室内の人が、居室親機30の操作部303を操作することにより、必要により適宜設定を変更することができる。
【0037】
本発明によれば、接続確認の対象とするか否かについて該住戸の現在の状況に沿う時機にかなった設定を行うことができ、モデルルームとして使用中の住戸等について接続異常として外部へ発報されるおそれのない集合住宅インターホンシステムを提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1・・集合住宅インターホンシステム、10・・集合玄関機、20・・管理室親機、30・・居室親機、40・・制御装置(制御機)、101・・カメラ、102,201,301・・操作部、103,202,302・・通話部、104,304,303・・表示部、105,204,304,401,402,403・・通信回路、106,206,307・・制御回路、205,305,404・・メモリ、405・・主制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅のエントランスに設置され、来訪者が居住者を呼び出す際に操作する呼出ボタンおよび前記来訪者が前記居住者と通話するための通話部を有する集合玄関機と、
各住戸内に設置され、前記集合玄関機からの呼び出しに応答する際に操作する操作部、前記居住者が前記来訪者と通話するための通話部および表示部を有する複数の居室親機と、
前記集合玄関機および前記居室親機を制御する制御機と、
を有する集合住宅インターホンシステムにおいて、
前記制御機は、前記複数の居室親機のそれぞれに対して定期的に接続確認信号を送信することにより接続確認を実行し、前記複数の居室親機から前記接続確認信号に対する応答信号が返信されず未接続であることを確認した場合、外部への発報を行うように構成されており、
前記居室親機は、前記居室親機の電源が投入された際、入居設定または未入居設定のいずれかに設定するための設定画面が前記表示部に表示されるように構成されており、
入居設定に設定された場合には、前記制御機が実行する前記接続確認において前記居室親機が未接続であることが確認された際に前記制御機による外部への発報が行われ、未入居設定に設定された場合には、前記制御機が実行する前記接続確認において前記居室親機が未接続であることが確認された際に前記制御機による外部への発報は行われない構成となっている、
集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
前記居室親機は、前記未入居設定に設定された場合には、前記表示部に現在未入居設定されていることを示す画面が表示される構成となっている、請求項1記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項3】
前記居室親機は、前記未入居設定に設定されてから前記居室親機の電源が落とされるまでの間に前記制御機から受信した前記接続確認信号の数が所定以下であった場合には、次に前記居室親機の電源が投入された際に自動的に未入居設定に再設定される構成となっている、請求項1または2記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項4】
前記居室親機は、前記未入居設定に設定された後、前記制御機から受信した前記接続確認信号が所定数に達した場合、入居設定または未入居設定のいずれかに設定するための設定画面が前記表示部に再び表示される構成となっている、請求項1ないし3のいずれかの項記載の集合住宅インターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−178797(P2012−178797A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41859(P2011−41859)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】